JP5280065B2 - 地中熱利用装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中熱を熱源として利用する地中熱利用装置(例えば、地中熱利用ヒートポンプシステム)に関する。
大地は大きな蓄熱容量を有し、地中温度は季節によらず安定しており、地下5〜10mでは、土壌温度は季節にかかわらずその地域の平均気温に近いとされている。例えば、東京周辺では16〜17℃であるため、ヒートポンプの熱源に利用すれば、暖房では採熱(集熱)源、冷房では放熱源として大気よりも優れており、「空気熱源ヒートポンプ」よりも成績係数(COP)、が高くなる可能性を有している。
こうした技術は、「土壌熱源ヒートポンプ」、あるいは「地中熱利用ヒートポンプ」と呼ばれ、これからの省エネルギー技術として注目されている。更に、わが国では、都市のヒートアイランド現象を緩和する技術としても期待されている。
しかしながら、従来の地熱利用ヒートポンプは、空調運転を数週間から数ヶ月間継続するにつれて、採熱(暖房)運転では、図17、図18に示すように土壌温度が徐々に下がり、放熱(冷房)運転では、図19、図20に示すように土壌温度が徐々に上がる。このため、採熱能力と放熱能力が不足するようになり、暖房COPと冷房COPが低下する傾向があった。
ここで、図17における符号δは、1日で生じる土壌温度の降下量を示している。そして、図19における符号δは、1日で生じる土壌温度の上昇量を示している。
図17、図19は、横軸に経過時間(1日24時間)を目盛り、縦軸に土壌の温度を目盛り、暖房(図17)あるいは冷房(図19)の際における4日間の土壌の温度変化を示している。
図18、図20は、暖房開始(図18)あるいは冷房開始から(図20)の経過日数を横軸に目盛り、縦軸に土壌の温度を目盛り、暖房開始あるいは冷房開始から12日間における土壌の温度変化を示している。
特に暖房運転に際して土壌から採熱する運転では、地中熱交換器への循環水温度が下がるため、凍結防止のためにエチレングリコールやプロピレングレコール等を添加した不凍液を用いる必要がある。グリコール類は循環水の粘度を上げる作用があり、そのため循環ポンプの動力を増加させ、熱交換における熱伝達率を低下させるという欠点がある。加えて、不凍液が漏洩した場合には土壌を汚染してしまうという問題をはらんでいる。
なお、熱媒である循環水の凍結は主に冷媒蒸発器の水側で発生し、凍結による水の膨張は、熱交換機を破損させてしまう。
一方、冷房放熱運転では、運転時間の経過につれて土壌温度が上昇するため、空気熱源ヒートポンプよりもCOPが低下していく現象が見られる。
地中熱利用ヒートポンプに関しては、上述の問題点の他、以下の問題点も有している。
(1) 地中熱交換器の設置面積が大きく、コストが高い。
(2) 土壌温度を長期的に改変してしまう。
(3) 空気熱源ヒートポンプに比べ、省エネルギー効果が不十分である。
(4) 電力負荷の平準化(夜間電力の利用)に対応していることが望ましいが、必ずしも対応できていない。
問題(1)は、数ヶ月にわたる暖冷房期の熱源を土壌熱で賄う必要性から、ボアホール地中熱交換器の間隔を広く(望ましくは5m以上の間隔を)取らざるを得ないことに起因している。そして、この問題(1)は、ボアホールの掘削コストの高騰を惹起する。
問題(2)は、暖房運転における採熱量と、冷房運転における放熱量のアンバランスにより、地熱が十分に回復しないことに起因する。例えば、暖房の採熱量の方が冷房の放熱量よりも多ければ、翌年の冷房開始時に元の地温まで上がらない。逆に、冷房の放熱量の方が暖房の採熱量よりも多ければ、翌年の冷房開始時に元の地温まで下がらない。
この問題は、地中熱利用ヒートポンプの適用件数が少ないうちは潜在的であるが、地中熱利用ヒートポンプが普及が進み、地中熱交換器の埋設密度が高くなると顕在化してくる恐れがある。
問題(3)で述べたように、地中熱利用ヒートポンプでは、運転開始当初は空気ヒートポンプよりも有利な熱条件が得られても、暖房採熱運転であれば、運転日数が経過するにつれて、土壌温度が徐々に下がるため(図18参照)、ヒートポンプの冷媒蒸発温度が低下して、暖房能力とCOPが低下する。冷房放熱運動の場合も同様に、運転開始から日数が経過につれて土壌温度が徐々に上がり(図20参照)、ヒートポンプの冷媒蒸発温度が上昇するためCOPが低くなる。
問題(4)は、地中熱利用ヒートポンプに固有の問題ではないが、電力を利用する空調熱源装置では、必然性の高い要件である。
その他の従来技術として、図21で示すように、熱媒W1の温度が凍結温度まで低下した場合に、浴槽からの排出湯Qb等を利用して熱媒W1を加熱する技術が提案されている(特許文献1)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)では、浴槽からの排出湯Qb等を常時利用出来ない場合には、地中熱交換器4の設置面積やコストを低減することが出来ない。
また、冷房が考慮されないため、冷房運転を行う場合には熱バランスが取れなくなってしまう。
さらに、電力負荷平準化の要請に応えることが出来ないという問題を有している。
別の従来技術としては、図22で示すように、冷暖房運転を行わない時間帯であり、且つ、電気使用料金が安価な時間帯に、ヒートポンプ1Hを逆サイクルで運転して、地中熱交換器2H側に熱を与えて地中熱温度を回復させる技術が提案されている(特許文献2)。
しかし、この従来技術(特許文献2)では、電気使用料金が安価な時間帯以外における暖房運転の結果として地中温度が低下し過ぎた場合や、冷房運転の結果として地中温度が上昇し過ぎた場合に、暖房運転の採熱能力とCOP、冷房運転のCOPが低下してしまうという問題に対処する事が出来ない。
さらに、不凍液(ブライン)を必要とするので、当該不凍液の漏洩による土壌汚染の恐れが存在する。
さらにその他の従来技術としては、図23で示すように、地中における熱交換器11Hと空気(外気)との熱交換器3Hを直列に配置し、気相冷媒の凝縮熱の大部分を外気に排出し、液相冷媒の顕熱を地中に排出し、以って、冷却能力を向上して、地中熱交換器の小型化を図る技術が存在する(特許文献3)。
しかし、係る従来技術(特許文献3)では、電気使用料金が安価な時間帯を利用して再生運転を行うことが出来ないので、運転コストが高騰化するという問題を有している。
また、暖房を行う場合には、不凍液(ブライン)を必要とする。
特開平11−94367号公報 特開2005−48972号公報 特開2006−284022号公報
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、空調運転の結果として地中温度が大幅に変動してしまう事態を防止することが出来ると共に、電気使用料金が安価な時間帯以外において暖房運転のCOPや冷房運転のCOPが低下してしまう場合にも対処する事が出来て、不凍液(ブライン)を使用する必要がなく、システム拡張が容易な地中熱利用装置及びその制御方法の提供を目的としている。
本発明の地中熱利用装置(例えば、地中熱利用ヒートポンプシステム101、102)は、空調機器(2、2A、2B)と、その空調機器に供給される熱媒体と、その熱媒体と土壌との熱交換を行う地中熱交換器(4)と、前記熱媒体を冷却又は加熱可能な熱源機構(3)とを有し、その熱源機構(3)は土壌温度が所定の温度範囲内になるように熱媒体を冷却し又は加熱する機能を有する地中熱利用装置において、熱源機構(3)は時間によって熱媒体の温度範囲を変更する機能を有し、空調機器(2、2A、2B)と地中熱源機構(3)と地中熱交換器(4)とが単一の熱媒体を用いており、地中熱交換器(4)はその出口(Jo)近傍には水温計測装置(6)が介装され、前記熱源機構(3)は前記水温計測装置(6)による熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか、加熱するか、熱源機を停止するかを決定する機能を有することを特徴としている。
本発明の実施に際して、前記土壌温度は熱媒体(例えば循環水)温度を計測することによって求めることが出来る。あるいは、土壌中に温度センサを埋設して、土壌温度を直接計測しても良い。
また、本発明の地中熱利用装置は、空調機器(2、2A、2B)と、その空調機器に供給される熱媒体と、その熱媒体と土壌との熱交換を行う地中熱交換器(4)と、前記熱媒体を冷却又は加熱可能な熱源機構(3)とを有し、その熱源機構(3)は土壌温度が所定の温度範囲内になるように熱媒体を冷却し又は加熱する機能を有する地中熱利用装置において、熱源機構(3)は時間によって熱媒体の温度範囲を変更する機能を有し、地中熱交換器(4)はその出口(Jo)近傍には水温計測装置(6)が介装され、前記熱源機構(3)は熱媒体の温度の閾値を変更する機能を有し、所定の時間帯で、熱源機構(3)が起動して冷却運転を開始する熱媒体温度の閾値は高く、熱源機構を起動して加熱運転する熱媒体温度の閾値を低く設定し、前記熱源機構(3)は前記水温計測装置(6)による熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか、加熱するか、熱源機構(3)を停止するかを決定する機能を有することを特徴としている。
上述した本発明の地中熱利用装置(請求項1、請求項2の何れかの地中熱利用装置)において、熱源機構(3)は、熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか加熱するかを決定し、熱媒体の温度が第1の閾値(THD2、THN2)以下の場合は加熱し、熱媒体の温度が第2の閾値(THD1、THN1)以上で且つ第3の閾値(TCD1、TCN1)以下の場合は停止し、熱媒体の温度が第4の閾値(TCD2、TCN2)以上の場合は冷却する機能を有しており、第4の閾値(TCD2、TCN2)は第3の閾値以上(TCD1、TCN1)であり、第3の閾値(TCD1、TCN1)は第2の閾値(THD1、THN1)以上であり、第2の閾値(THD1、THN1)は第1の閾値(THD2、THN2)以上であるのが好ましい。
そして、上述した本発明の地中熱利用装置(請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の地中熱利用装置)の制御方法において、熱媒体の温度(TW)が第1の閾値(THD2、THN2)以下の場合は熱源機構(3)により熱媒体を加熱する工程(S30、S38)と、熱媒体の温度が第2の閾値(THD1、THN1)以上で且つ第3の閾値(TCD1、TCN1)以下の場合は熱源機構(3)を停止する工程と、熱媒体の温度が第4の閾値(TCD2、TCN2)以上の場合は熱源機構(3)により熱媒体を冷却する工程(S24、S32)とを有し、第4の閾値(TCD2、TCN2)は第3の閾値(TCD1、TCN1)以上であり、第3の閾値(TCD1、TCN1)は第2の閾値(THD1、THN1)以上であり、第2の閾値(THD1、THN1)は第1の閾値(THD2、THN2)以上であるのが好ましい。
ここで、「空調機器」なる文言は、暖房や冷房用のヒートポンプ(空調用ヒートポンプ)のみならず、給湯設備、冷凍冷蔵庫等、被空調空間で温熱あるいは冷熱を使用する機器を全て包含する意味で用いられている。
そして、暖房運転なる文言は、空調用ヒートポンプによる暖房運転のみならず、給湯設備を稼動する運転のように、被空調空間に熱を供給する運転を全て包含する。
同様に、冷房運転なる文言は、空調用ヒートポンプによる冷房運転のみならず、冷凍冷蔵庫等を稼動する運転のように、被空調空間から熱を奪う運転を全て包含する。
また、熱源機器なる文言は、空気熱源ヒートポンプのみならず、太陽熱源ヒートポンプや、吸収式の冷温水機、その他、循環水を加熱あるいは冷却する能力を有する全ての機器を含む。
さらに本発明の地中熱利用装置は、被空調空間(1)に熱を供給しあるいは被空調空間(1)から熱を奪う空調機器(2)と、該空調機器(2)と連通しており且つ地中(土壌)と熱交換を行う機能を有する熱交換器(地中熱交換器4)と、前記空調機器(2)と熱交換器(4)とを連通し且つ内部に熱媒である水が循環する配管系(Lw)と、該配管系(Lw)に介装された熱源機器(3)と、配管系(Lw)の熱交換器(4)の出口に介装されて流過する水の温度(循環水の地中熱交換器出口温度TW)を計測する水温計測装置(6)と、熱源機器(3)の運転を制御する制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、空調機器(2)が暖房運転を行っている場合であって、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が第1の閾値(図4の温度THD2、THN2)よりも低温となった場合には、配管系(Lw)を流れる水を加熱する様に熱源機器(3)を運転し、熱源機器(3)を運転して水温が第1の閾値よりも高温である第2の閾値(図4の温度THD1、THN1)以上となった場合には、熱源機(3)による配管系(Lw)を流れる水を加熱する運転を停止する機能を有し、空調機器(2)が冷房運転を行っている場合であって、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が第4の閾値(図4の温度TCD2、TCN2)よりも高温となった場合には、配管系(Lw)を流れる水を冷却する様に熱源機器(3)を運転し、熱源機器(3)を運転して水温が第4の閾値よりも低温である第3の閾値(図4の温度TCD1、TCN1)以下となった場合には、熱源機(3)による配管系(Lw)を流れる水を冷却する運転を停止する機能を有しており、前記第1の閾値〜第4の閾値は、電気使用料金が安価な時間帯(例えば22時〜8時:夜間)とそれ以外の時間帯(例えば8時〜22時:日中)とでは異なる様に設定することが出来る。
そして本発明の地中熱利用装置の制御方法は、被空調空間(1)に熱を供給しあるいは被空調空間(1)から熱を奪う空調機器(2)と、空調機器(2)と連通しており且つ地中(土壌)と熱交換を行う機能を有する熱交換器(地中熱交換器4)と、空調機器(2)と熱交換器(4)とを連通し且つ内部に熱媒である水が循環する配管系(Lw)と、配管系(Lw)に介装された熱源機器(3)とを有する地中熱利用ヒートポンプの制御方法において、配管系(Lw)の熱交換器(4)の出口に介装された水温計測手段(6)により前記配管(Lw)を流過する水の熱交換器出口温度(TW)を計測する工程(S1)と、計測された水温(循環水の地中熱交換器出口温度TW)に基づいて熱源機器(3)の運転を制御する運転制御工程(S5、S8、S13、S16)とを有し、運転制御工程(S5、S8、S13、S16)では、空調機器(2)が暖房運転を行っている場合であって、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が第1の閾値(図4の温度THD2、THN2)よりも低温となった場合に、配管系(Lw)を流れる水を加熱する様に熱源機器(3)を運転し、熱源機器(3)を運転して水温が第1の閾値よりも高温の第2の閾値(図4の温度THD1、THN1)以上となった場合に、熱源機(3)による配管系(Lw)を流れる水を加熱する運転を停止し、空調機器(2)が冷房運転を行っている場合であって、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が第4の閾値(図4の温度TCD2、TCN2)よりも高温となった場合に、配管系(Lw)を流れる水を冷却する様に熱源機器(3)を運転し、熱源機器(3)を運転して水温が第4の閾値よりも低温の第3の閾値(図4の温度TCD1、TCN1)以下となった場合に、熱源機(3)による配管系(Lw)を流れる水を冷却する運転を停止し、前記第1の閾値〜第4の閾値は、電気使用料金が安価な時間帯(例えば22時〜8時:夜間nt)とそれ以外の時間帯(例えば8時〜22時:日中dt)とでは異なっている様に構成することも出来る。
本発明の地中熱利用装置において、制御装置(5)は、所定の時間帯(例えば、夏季の13時〜16時)に冷房運転を行う場合には、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が第4の閾値(図4の温度TCD2)よりも高温の第5の閾値(図14の温度TCD4)よりも高温になった場合にのみ、配管系(Lw)を流れる水を冷却する様に熱源機器(3)を運転する機能を有することが出来る(図14)。
あるいは、本発明の地中熱利用装置において、前記制御装置(5)は、所定の時間帯(例えば、夏季の13時〜16時)には、熱源機器(3)は配管系(Lw)を流れる水を冷却する運転を行わないように制御する機能を有することが出来る(図15、図16)。
本発明の地中熱利用装置の制御方法において、所定の時間帯(例えば、夏季の13時〜16時)であるか否かを判断する工程(S45、S234)と、所定の時間帯に冷房運転を行う場合に、水温計測装置(6)で計測された水温(TW)が前記第4の閾値(図4の温度TCD2)よりも高温の第5の閾値(図14の温度TCD4)よりも高温になった場合にのみ、配管系(Lw)を流れる水を冷却する様に熱源機器(3)を運転する工程とを有することが出来る。
あるいは、本発明の地中熱利用装置の制御方法において、所定の時間帯(例えば、夏季の13時〜16時)であるか否かを判断する工程(S45、S234)と、所定の時間帯(例えば、夏季の13時〜16時)では、熱源機器(3)は配管系(Lw)を流れる水を冷却する運転を行わないように制御する工程(S10)とを有することが出来る。
上述する構成を具備する本発明によれば、空調機器(例えば、空調用ヒートポンプ2や、給湯設備2A、冷凍冷蔵庫2B等)が前記循環水及び地中熱交換器(4)を介して地中の熱を奪い(暖房運転時)、あるいは、地中に熱を廃棄しても(冷房運転時)、熱源機器(熱源用ヒートポンプ3、太陽熱源用ヒートポンプ30、その他)により、暖房運転を行う時期には前記循環水及び地中熱交換器(4)を介して地中に熱を供給し、冷房運転を行う時期には地中の熱を奪うので、地中(土壌)の温度は、年間平均温度よりも低温となり過ぎ(暖房運転を行う時期)、あるいは高温になり過ぎる(冷房運転を行う時期)ことが防止される。すなわち、熱源機器3の夜間運転により、土壌温度を積極的に自然土壌温度へ回復させるため、土壌温度の経年変化は殆んど見られない。
その結果、地中(土壌)温度が、年間平均温度に比較して、異常に下降したりあるいは異常に上昇したりすることに起因する環境への悪影響も、確実に防止される。
ここで本発明では、熱源機器(3)が(暖房運転が行われている際に)地中へ熱を供給する運転を行い、(冷房運転が行われている際に)地中の熱を奪う運転を行うのは、電気料金の安い夜間に限定されない。
そのため、日中(電気使用料金が安価な時間帯以外の時間帯)に、地中の温度が低下し過ぎて(空調機器2の暖房運転時)しまった場合や、地中の温度が上昇し過ぎて(空調機器2の冷房運転時)しまった場合においても、熱源機器(3)を運転して地中の温度を年間平均温度に近づける(地中あるいは土壌を熱的に再生する運転を行う:地温の再生)ことにより、空調機器(2)の効率が低下するのを防止できる。
また本発明によれば、共通する熱媒体(例えば循環水)と熱交換をする様に、空調機器(2、2A、2B等)と熱源機構(例えば熱源用ヒートポンプ3)と前記熱交換器(4)とが配置されているので、同一の熱媒体をシステム全体に循環させる事が出来て、複数種類の熱媒体を用いる必要が無い。
それに起因して本発明によれば、例えば特許文献2の様に、昼間は空調機のための運転を行い、夜間は地中温度回復のための運転を行うという運転の切換を行う必要が無い。そして、係る運転の切換を行う必要が無い本発明によれば、地中温度回復の運転に切り換えたために空調運転が出来なくなる時間帯が生じることは無い。
さらに本発明によれば、例えば特許文献1の様に、地中温度を回復するために、補助熱交換器等を別途設ける必要が無い。
本発明において、熱源機器が、例えば夜間の割安な電力を利用して毎日(毎夜)土壌温度を再生(暖房運転を行う際には加熱、冷房運転を行う際には冷却)する様に構成することが可能なので(請求項2)、翌朝には自然土壌温度に戻すことが出来る。
すなわち、暖房運転を行う際には地中からの採熱を行っているので土壌温度は低下するが、夜間に土壌を加熱(再生)して、翌日の暖房運転開始時までには土壌温度を自然温度まで上げている。すなわち、一日サイクルでは、サイクルの始期に土壌温度は自然温度まで上昇している。そのため、土壌温度の長期的な低下傾向を回避することが出来る。
一方、冷房運転を行う際には地中へ放熱するので、土壌温度は上昇するが、夜間に土壌を冷却(再生)して、翌日の暖房運転開始時までには土壌温度を自然温度まで下げている。すなち、一日サイクルでは、サイクルの始期に土壌温度は自然温度まで下がっている。そのため、土壌温度の長期的な上昇傾向を回避することが出来る。
本発明において、熱源機器(3)の駆動開始温度が、夜間(電気使用料金が安価な時間帯nt)と日中(電気使用料金が安価な時間帯以外の時間帯dt)とでは異なっており、電気料金が安価な時間帯である夜間(nt)の方が、電気使用料金が安価ではない日中(dt)に比較して、熱源機器(3)が稼動する頻度あるいは確率が高くなるように設定することが出来る(請求項2)。
その様に構成すれば、熱源機器(3)は主として電気料金が安価な夜間(nt)に稼動し、日中(dt)は必要最小限だけ駆動するようにされており、熱源機器(3)を稼動して地中再生を行うコストを必要最低限に抑える事ができる。
そして、地中あるいは土壌の温度が年間平均温度に比較して過度に低下する事がないので、熱媒として水(空調機器あるいは熱源機器と地中熱交換器との間を循環する循環水)を用いても、凍結する恐れがなくなる。そのため、不凍液(ブライン)の使用が不要となり、不凍液の漏洩による土壌汚染の恐れも無い。
それに加えて、本発明によれば地中(土壌)の温度は、年間平均温度よりも低温となり過ぎ(暖房運転を行う時期)、あるいは高温になり過ぎる(冷房運転を行う時期)ことが回避されるので、地中熱交換器を管状のコイルで構成した場合に、コイルから熱を放出あるいは吸収する際に、隣接するピッチの領域から放出され或いは吸収される熱によって悪影響を受けてしまう恐れが少ない。
そのため、伝熱管を高密度に配置した地中熱交換器(例えば、コイル状の地中熱交換器)を地中に埋設することが可能となり、従来技術のように地中深い箇所に長いロッド状の地中熱交換器を埋設する必要がない。
換言すれば、本発明によれば、比較的深度が浅い領域にコイル状の地中熱交換器を配置することが可能であり、地中熱交換器埋設のためのコストを低く抑える事が出来る。
本発明において、例えば夏季の13時〜16時の様に、電力負荷がピークである時間帯に、電力消費がピークとなる時間帯に電力を消費しないと割引される契約等を電力会社と締結している場合には、熱源機器(3)の運転(地中の熱を除去する冷却運転)を開始する温度(循環水の温度:例えば、地中熱交換器出口における水温TW)を高温に設定し(図14:TCD4)、あるいは、熱源機器(3)を運転しない様に構成することも可能である。
そのように構成すれば、地中熱利用ヒートポンプシステムの運転コストをさらに低下する事が可能である。
本発明は、地中熱利用と土壌蓄熱の両面で効果を発揮するものである。すなわち、循環水温度が自然土壌温度よりも低い場合は、夜間電力による加熱(土壌蓄熱)に加えて、周囲の土壌から地中熱交換器(4)に熱が流入する。
一方、循環水温度が自然土壌温度よりも高い場合には、夜間電力を用いた冷却(土壌への蓄冷)に加えて、周囲の土壌へ熱が流出する。
以って、地中熱の有効利用が図られるのである。
また、配管系(Lw)を循環する循環水は土壌と熱交換を行うので、その温度(循環水温度)は、年間を通じて、例えば自然土壌温度±5℃(首都圏では12〜22℃)程度に保つことが出来る。そのため、空調機器(水熱源ヒートポンプ2)においては、暖房サイクルと冷房サイクルのいずれの運転を行う場合にも、高い効率を得ることが出来る。
なお、循環水配管系(Lw)に複数台の空調機(2)を接続し、暖房サイクルと冷房サイクルの運転が混在するような場合には、冷房サイクルの排熱を暖房サイクルで採熱する様に構成することが出来るので、冷房サイクルの排熱を暖房サイクルで利用する(暖房サイクル側で熱回収をする)ことが出来る。その様に構成すれば、冷房サイクルの排熱の分だけ、熱源機(3)と地中熱交換器(4)の負担を減らすことが出来る。
本発明において、熱媒体(例えば循環水)の温度(例えば循環水の地中熱交換器出口水温TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか加熱するかを決定する様に構成すれば(請求項3、請求項4)、空調機器(2、2A、2B)の運転状況を考慮することなく、地中温度のみを考慮して熱源機(3)を運転することができる。
そして、冷房する空間と暖房する空間とが混在するような建物であっても、上述した様な本発明のシステムを稼動して、空調の要求に対処することが出来る。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図面において、同様な部材には同様な符号を付して示してある。
最初に図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプシステム(地中熱利用装置)101の全体構成を示している。
図1において、全体を符号101で示す地中熱利用ヒートポンプシステムは、4台の水熱源ヒートポンプ(空調用ヒートポンプ)2と、空気熱源ヒートポンプ(熱源用ヒートポンプ)3と、地中熱交換器4と、制御手段であるコントロールユニット5を有している。
分散型ヒートポンプである4台の空調用ヒートポンプ2は、被空調空間(空調側)1に並列に設置され、熱源用ヒートポンプ3は屋外に設置されている。
地中熱交換器4は、空調側1近傍の地中に埋設され、熱媒循環系(循環水ライン)Lwによって、4台の空調用ヒートポンプ2及び熱源用ヒートポンプ3と接続されている。
ここで、循環水ラインLwにおいて、4台の空調用ヒートポンプ2は、熱源用ヒートポンプ3に対して、並列に配置されている。
循環水ラインLwにおける地中熱交換器4の出口Jo近傍には、熱媒である水(循環水)の温度を計測する温度センサ6が介装されている。
熱源用ヒートポンプ3は、地中熱交換器4を埋設した地下の土壌温度を回復(上昇あるいは下降)させるために設けられている。
熱源用ヒートポンプ3は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転をしている期間(例えば冬季)には、土壌の温度を上昇するために、地中熱交換器4を循環する循環水を加熱する運転を行い、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っている期間(例えば夏季)には、土壌の温度を低下するため、循環水を冷却する運転を行う機能を有している。
換言すれば、熱源用ヒートポンプ3は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行っている際には、空気中から熱を奪って、図17の符号δで示す水温の分だけ循環水を加熱する。
また、熱源用ヒートポンプ3は、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っている際には、空気中に熱を放出して、図19の符号δで示す水温の分だけ循環水を冷却する。
循環水ラインLwに付した矢印Fは、熱媒である循環水の流れの方向を示している。
循環水ラインLwにおける温度センサ6の下流側には、分岐点B1、B2、B3、B4が設けられている。
分岐点B4の一方の分岐ラインLD−5には、図1における最左端の空調側ヒートポンプ2が接続されている。同様に、分岐点B2の分岐ラインLD−2、分岐B3の分岐ラインLD−3、分岐B4の分岐ラインLD−4には、それぞれ、空調側ヒートポンプ2が接続されている。
空調側ヒートポンプ2が接続されている分岐ラインLD−4、LD−3、LD−2は、それぞれ、下流側の合流点G4、G3、G2に接続している。
分岐点B1における分岐ラインLD−1には熱源用ヒートポンプ3が介装されており、且つ、分岐ラインLD−1は合流点G1に接続している。ここで、分岐ラインLD−1、熱源用ヒートポンプ3分岐点B1、合流点G1は、空調側1の外部に配置されている。
図1では図示を省略しているが、循環水ラインLwに循環水の膨張、収縮の影響を排除するために、膨張タンク等を介装しても良い。
図1の最左方の空調用ヒートポンプ2にのみ符号が図示されているが、各々の空調用ヒートポンプ2は、圧縮機21と、循環水−冷媒熱交換器22(凝縮器あるいは蒸発器)と、冷媒−空気熱交換器23(蒸発器あるいは凝縮器)と、冷媒ラインLcとを備えている。
冷媒ラインLcには、方向切換弁(四方弁)24と、膨張弁25とが介装されている。方向切換弁(四方弁)24は、冷媒の循環方向を切り換え以って冷房運転と暖房運転との切り換えを可能とする機能を有している。
循環水−冷媒熱交換器22と接続された循環水ラインLwの流入側(図1において循環水−冷媒熱交換器22の下方)には、循環ポンプPwが介装されている。循環水−冷媒熱交換器22と接続された循環水ラインLwの流出側(図1における循環水−冷媒熱交換器22の上方)には、逆止弁Vcが介装されている。逆止弁Vcは、運転を停止している空調用ヒートポンプ2に、運転中の他のヒートポンプ2から出た循環水が逆流するのを防止するために介装している。
図1では、4台の空調用ヒートポンプ2の各々に、小型ポンプPwを分散設置して、熱媒である水(循環水)を循環しているが、1台のポンプにより、空調側1全体に循環水を循環させるように構成しても良い。
また、図1において、熱利用機器として空調用ヒートポンプ2が図示されているが、空調用ヒートポンプ2に代えて、図13の第2実施形態で示すように、給湯用ヒートポンプや、冷凍冷蔵庫等を設ける事も可能である。
熱源用ヒートポンプ3は、循環水−冷媒熱交換器22で熱交換を行う冷媒への熱の授受が異なる。
空調用ヒートポンプ2では、冷房時には、室内の空気の保有する熱が冷媒−空気熱交換器23により冷媒に投入され、冷媒が保有する熱が循環水−冷媒熱交換器22で循環水へ投入される(矢印Y2)。一方、暖房時には、循環水が保有する熱量が循環水−冷媒熱交換器22で冷媒に投入され、冷媒が保有する熱が冷媒−空気熱交換器23により室内空気に投入される(矢印Y2とは逆)。
それに対して、熱源用ヒートポンプ3では、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っている時期には、循環水が保有する熱が循環水−冷媒熱交換器22で冷媒へ投入され、冷媒の保有する熱が冷媒−空気熱交換器23により空気中に放散される(矢印Y3)。一方、暖房時には、空気が保有する熱が冷媒−空気熱交換器23により冷媒に投入され、冷媒が保有する熱量が循環水−冷媒熱交換器22で循環水に投入される(矢印Y3とは逆)。
熱源用ヒートポンプ3におけるその他の構成は、空調用ヒートポンプ2と同様である。
ここで、熱源機用機器として、加熱用にはボイラー(石油やガス)、太陽熱温水器、各種排熱(廃棄物やバイオマス焼却施設、下水、地下鉄など)を用いることも出来る。また、冷却用には冷凍機(電気式や吸収式)があり、冷却塔、河川や湖沼水なども温度条件によっては利用することが出来る。
しかし、適用性を考慮すると、図1で示すように、循環水の加熱運転と冷却運転とが可能な空気熱源用ヒートポンプ3が好適である。
また、図1のように4台の空調用ヒートポンプ2と熱源用ヒートポンプ3とを並列接続することにより、空調用ヒートポンプ2の各々における冷房運転・暖房運転の要求に応じて、各空調用ヒートポンプ2が設けられた空調空間を、冷房あるいは暖房することが出来る。
図1において、コントロールユニット5と温度センサ6とは入力信号ラインSiによって接続され、コントロールユニット5と熱源用ヒートポンプ3とは制御用信号ラインSoによって接続されている。
地中熱利用ヒートポンプシステムにおける地中熱交換器4が、図2、図3で詳細に示されている。
図2、図3において、地中熱交換器4は、所定距離だけ隔てて立設(埋設)した2本の円筒状支持部材7に、所定のピッチPで、架橋ポリエチレン管8を巻き付けた構造である。
図示の例では、架橋ポリエチレン管8の直径は10〜20mm、巻き付けたピッチPは数十cmで、架橋ポリエチレン管8の全長は100m程度である。
コイルユニット9の幅Bと高さHは数m(例えば2〜4m)である。
図示は省略するが、従来技術では、地中熱交換器として、例えば、1本のボアホール(例えばφ200〜250mm程度)にU字状に折り曲げた管を挿入して用いていた。しかし、U字状に折り曲げた管では、U字の往路と復路との間の距離を十分にとれないため、相互に熱的な影響を及ぼし合ってしまい、熱交換の効率が低い。あるいは、単管であるため、管の埋設深さを100m程度まで掘り下げないと、十分な熱交換面積が得られないという問題を有している。
これに対して、図2、図3で示す地中熱交換器4では、上述したようにコイル間隔(巻付けピッチP)は、数十cm程度に高密度化する事が出来る。そして、全長も十分に長いので、熱交換面積を十分確保できる。
また、コイルユニット9の幅B及び高さHを数m程度にすれば、コイルユニット9を工場で組立て、そのまま現場にトラック搬送が出来る。したがって施工現場では、設備容量に応じた個数のユニット9を地中埋設するだけで済み、工期の大幅短縮が可能となる。
ここで、図2、図3で示す地中熱交換器4において、コイル間隔(巻付けピッチP)を、数十cm程度に高密度化する事が出来る理由については、後述する。
図1で示す地中熱利用ヒートポンプシステムの制御について、図1、図4を参照しつつ、図5のフローチャートに基づいて説明する。
図4では、暖房運転時及び冷房運転時の双方における循環水の地中熱交換器出口水温(縦軸)と、時刻(横軸)との特性が示されている。
図4で示す2本の特性線の内、上方の特性線(点t1、t2、t3、t4、t5、t6を通る特性線)は、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行う際における特性線である。それに対して、図4における下方の特性線(点t11、t12、t13、t14、t15、t16を通る特性線)は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行う際における特性線である。
図5で示す制御では、地中熱交換器4出口に介装された温度センサ6によって、循環水の地中熱交換器出口水温(TW)を、適宜測定する。
ステップS2では、コントロールユニット5により、空調用ヒートポンプ2によって暖房運転を行うのか、冷房運転を行うのか、あるいは空調用ヒートポンプ2を作動させないのかを判断する。
空調用ヒートポンプ2を作動させないのであれば、熱源用ヒートポンプ3を作動する必要はないので、ステップS10まで進む。空調用ヒートポンプ2により冷房運転を行うのであればステップS3に進み、暖房運転であればステップS11に進む。
空調用ヒートポンプ2で冷房運転を行うステップS3では、料金の安価な時間帯(いわゆる「夜間電力」の時間帯)となっているか否かを判断する。
夜間電力の時間帯ntになっていなければ(ステップS3がNO)ステップS4に進み、夜間電力の時間帯ntであれば(ステップS3がYES)ステップS7まで進む。
図示の実施形態では、図4で明示されている様に、夜間電力の時間帯ntは、夜の22時〜翌朝の8時である。
ステップS3がNOであれば、その時点は夜間電力の時間帯ntではなく、日中(図4における8時〜22時の時間帯dt)である。ステップS4では、日中において、循環水の地中熱交換器出口水温TWが、温度TCD2を超えているか否かを判断する。ここで、温度TCD2は、熱源用ヒートポンプ3の昼間の冷房運転時において、熱源用ヒートポンプ3を起動して、循環水の冷却運転を開始する温度(地中熱交換器出口水温)の設定値(閾値)である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3起動温度設定値TCD2を超えていなければ(ステップS4がNO)、熱源用ヒートポンプ3を作動する必要はないので、ステップS10まで進む。
一方、図4における時刻t3(15時)近傍のように、循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3起動温度設定値TCD2を超えていれば(ステップS4がYES)、ステップS5に進む。
循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3の昼間の冷房運転時における起動温度の設定値TCD2を超えた状態であるステップS5では、循環水を冷却して土壌温度を低下する必要があると判断して、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を行う。熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を行えば、循環水地中熱交換器出口水温TWは徐々に低下(降温)する。
ステップS6では、徐々に低下する循環水地中熱交換器出口水温TWが、停止温度設定値TCD1に達したか否かを判断する。ここで、設定値TCD1は、熱源用ヒートポンプ3の昼間の冷房運転時において、熱源用ヒートポンプ3を停止して循環水の冷却運転を停止する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値(閾値)である。
図4から明らかな様に、熱源用ヒートポンプ3を起動する設定値TCD2は、熱源用ヒートポンプ3を停止する設定値TCD1に比較して若干高温となっている。両者の間に温度差(図4の例では、1℃)を設けたのは、設定値TCD2と設定値TCD1とが同一温度であれば、熱源用ヒートポンプ3の起動と停止が頻繁に繰り返される恐れがあり、熱源用ヒートポンプ3の破損を惹起するからである。同様な理由により、後述する設定温度TCN2、TCN1、設定温度THN1、THN2、設定温度THD1、THD2も、温度差(図4の例では、1℃)を設けて設定されている。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の冷房運転時における停止温度設定値TCD1に達したなら(ステップS6がYES:図4の時刻t5)、ステップS10に進み、熱源用ヒートポンプ3を停止する。
循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3を停止する設定値TCD1に達していない場合には(ステップS6がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を続行する(ステップS6がNOのループ:図4における時刻t3〜時刻t4)。
図4の例では、時刻t5(18時)で空調用ヒートポンプ2の冷房運転を停止している。そのため、時刻t5以降では、循環用冷却水の温度が低下(回復)して、循環水の温度低下の温度勾配が急になる。
ステップS7では、夜間電力の時間帯nt、すなわち時刻t6(22時)〜時刻t2(翌朝の8時)における時間帯を対象としており、循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3起動設定値TCN2を超えているか否かを判断する。ここで設定値TCN2は、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っている時期において、夜間に熱源用ヒートポンプ3を起動して、循環水を冷却する運転を開始する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値(閾値)である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3起動設定値TCN2を超えていなければ(ステップS7がNO)、熱源用ヒートポンプ3は運転する必要がないので、ステップS10で停止する。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3起動設定値TCN2を超えていれば(ステップS7がYES)、ステップS8に進み、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を開始する。熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を行えば、土壌温度及び循環水水温は低下する。
ステップS9では、低下する循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値TCN1に達したか否かを判断する。この温度設定値TCN1は、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っている時期において、夜間に熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転を停止する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値(閾値)である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値TCN1に達したなら(ステップS9がYES:図4の時刻t1)、ステップS10に進み熱源用ヒートポンプ3を停止する。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値TCN1に達していないなら(ステップS9がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転を続行する(ステップS9がNOのループ:図4の時刻t6〜時刻t1)。
ここで、図4から明らかな様に、空調用ヒートポンプ2の冷房運転時において、熱源用ヒートポンプ3の夜間における起動設定値TCN2は、昼間における起動設定値TCD2よりも低温である。従って、夜間においては、昼間に比較して、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転がされ易くなる。これにより、電力料金が安価な夜間に熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転を集中して、システム101全体の運転コストを低減することが可能となる。
ステップS2で暖房運転(空調用ヒートポンプ2が暖房運転)が選択されたならば、ステップS11において、その時点が夜間電力の時間帯ntであるか否かを判断する。夜間電力の時間帯でなければ(ステップS11がNO)、ステップS12に進み、夜間電力の時間帯であれば(ステップS11がYES)、ステップS15まで進む。
ここで、「夜間電力の時間帯ではない」という時間帯(昼間の時間帯dt)は、図4における時刻t1d(8時)〜t16(22時)の範囲である。係る時間帯において、ステップS12では、循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の起動温度設定値THD2未満であるか否かを判断する。ここで、起動温度設定値THD2は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行っている時期に、昼間の時間帯dt(図4における時刻t1d〜時刻t16)において、熱源用ヒートポンプ3を起動して、循環水の加熱運転を行う温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値(閾値)である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の起動温度設定値THD2以上であれば(ステップS12がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転は不要と判断して、ステップS10まで進む。一方、循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の起動温度設定値THD2未満であれば(ステップS12がYES:図4の時刻t13の領域)、ステップS13に進む。
ステップS13では、熱源用ヒートポンプ3により循環水を加熱して、土壌温度を昇温する運転を開始する。熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転を行えば、循環水の温度は徐々に上昇する。
ステップS14では、上昇する循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値THD1に達したか否かを判断する。ここで停止温度設定値THD1は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行っている時期に、昼間の時間帯dt(図4における時刻t1d〜時刻t16)において、熱源用ヒートポンプ3を停止して、循環水を加熱する運転を停止する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値THD1に達したなら(ステップS14がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱が不要であると判断して、ステップS10で熱源用ヒートポンプ3を停止する。循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値THD1に達していないなら(ステップS14がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を繰り返す(ステップS14がNOのループ:図4の時刻t13〜t14の時間帯)。
ステップS2で暖房運転(空調用ヒートポンプ2が暖房運転)が選択された場合において、ステップS11で夜間電力の時間帯ntであると判断されたならば、その時間帯は、図4の時刻t16(22時)〜時刻t1d(翌朝の8時)の範囲である。その時間帯nt(夜間電力の時間帯:時刻t16〜時刻t1d)において、ステップS15で、循環水地中熱交換器出口水温TWが熱源用ヒートポンプ3の起動温度設定値THN2未満か否かを判断する。ここで起動温度設定値THN2は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行っている時期に、夜間電力の時間帯nt(図4における時刻t16〜時刻t1d)において、熱源用ヒートポンプ3を起動して、循環水を加熱する運転を開始する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが起動温度設定値THN2以上であれば(ステップS15がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転は不要と判断して、ステップS10まで進む。
一方、循環水地中熱交換器出口水温TWがTHN2未満であれば(ステップS15がYES)、ステップS16に進み、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転を開始する。
熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転により、循環水温度あるいは土壌温度は徐々に上昇する。
ステップS17では、上昇する循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3の停止温度設定値THN1に達したか否かを判断する。ここで停止温度設定値THN1は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行っている時期に、夜間電力の時間帯nt(図4における時刻t16〜時刻t1d)において、熱源用ヒートポンプ3を停止して、循環水を加熱する運転も停止する温度(循環水地中熱交換器出口水温)の設定値である。
循環水地中熱交換器出口水温TWが停止温度設定値THN1に達したなら(ステップS17がYES:図4の時刻t11)、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転は不要と判断して、ステップS10で熱源用ヒートポンプ3を停止する。
循環水地中熱交換器出口水温TWが停止温度設定値THN1に達していなければ(ステップS17がNO)、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転を続行する(ステップS17がNOのループ:図4の時刻t16〜時刻t11)。
ここで、図4から明らかな様に、空調用ヒートポンプ2による暖房運転時において、熱源用ヒートポンプ3の夜間における起動設定値THN2は、昼間における起動設定値THD2よりも高温である。従って、夜間においては、昼間に比較して、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転がされ易くなる。これにより、電力料金が安価な夜間に熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転を集中して、空調用ヒートポンプ2による暖房運転時においても、システム101全体の運転コストを低減することが可能となる。
図5におけるステップS10において、熱源用ヒートポンプを停止した後、ステップS1に戻り、ステップS1以降を繰り返す。
図4では、土壌温度の年間平均温度(あるいは自然土壌温度)を17℃に想定し、夜間の目標温度を17℃、昼間の上限目標温度を22℃、昼間の下限目標温度を12℃に設定したものと仮定する。
これらの設定値は、地域や地中熱交換器4のコイルの埋設深度、設計計画等によって変更することも可能である。
また、図4では、夜間電力の時間帯(電力の夜間料金時間帯)は夜の22時から翌朝の8時までになっているが、これに限定される訳ではない。夜間電力の時間帯の具体的な時刻については、電力会社や契約内容によって異なる。
図4において、符号Tcで示す温度特性線は、例えば夏季において空調用ヒートポンプ2による冷房運転を想定した場合に、地中熱交換器4の出口に設けられた温度センサ6で計測された循環水温度の特性線である。
図4の温度変化線Thは、例えば冬季における空調用ヒートポンプ2による暖房運転を想定した場合に、地中熱交換器4の出口に設けられた温度センサ6で計測された循環水温度の特性線を示している。
図4において、各温度の具体的な数値を、以下に例示する。
熱源用ヒートポンプ3の夜間冷却運転起動設定温度TCN2:18.5℃
熱源用ヒートポンプ3の夜間冷却運転停止設定温度TCN1:17.5℃
熱源用ヒートポンプ3の昼間冷却運転起動設定温度TCD2:23℃
熱源用ヒートポンプ3の昼間冷却運転停止設定温度TCD1:22℃
熱源用ヒートポンプ3の夜間加熱運転起動設定温度THN2:15.5℃
熱源用ヒートポンプ3の夜間加熱運転停止設定温度THN1:16.5℃
熱源用ヒートポンプ3の昼間加熱運転起動設定温度THD2:11℃
熱源用ヒートポンプ3の昼間加熱運転停止設定温度THD1:12℃
ここで、第1実施形態における制御は、図5に限定されるものではない。
図5で示す制御では、ステップS2において、暖房運転時であるか冷房運転時であるかを判断している。
これに対して、図6で示す制御は、第1実施形態における制御の変形例であり、図5のステップS2に相当する判断(暖房運転か冷房運転かを判断する論理回路)を省略している。
以下、図6を主に参照しつつ、図1で示す地中熱利用ヒートポンプシステム101の制御について説明する。
熱媒体の温度として、循環水の地中熱交換器出口水温TWを計測する(ステップS21)。そして、水温TWを計測した時点が昼間であるか夜間であるかを判定し(ステップS22)、昼間であれば(ステップS22が「dt」)ステップS23に進み、夜間であれば(ステップS22が「nt」)ステップS31に進む。
ステップS23(水温TWを計測した時点が昼間の場合)では、水温TWと温度TCD2(昼間における第4の閾値)と比較し、水温TWが温度TCD2以上であれば(ステップS23がYES)、熱源用ヒートポンプ3(熱源機構)により循環水(熱媒体)を冷却して(ステップS24)、ステップS27に進む。
水温TWが温度TCD2よりも低温であれば(ステップS23がNO)、ステップS25に進み、水温TWと温度TCD1(昼間における第3の閾値)とを比較する。
水温TWが温度TCD1以下である場合には(ステップS25がYES)、熱源用ヒートポンプ3(熱源機構)による循環水(熱媒体)の冷却運転は行わず(ステップS26)に、ステップS27に進む。水温TWが温度TCD1よりも高温であれば(ステップS25がNO)、ステップS27に進む。
ステップS27では、循環水の地中熱交換器出口水温TWを温度THD1(昼間における第2の閾値)と比較し、水温TWが温度THD1以上であれば(ステップS27がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水(熱媒体)の加熱運転は行わず(ステップS28)、ステップS21に戻る。水温TWが温度THD1より低温であれば(ステップS27がNO)、ステップS29に進む。
ステップS29では水温TWと温度THD2(昼間における第1の閾値)と比較し、水温TWが温度THD2以下の場合には(ステップS29がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を行い(ステップS30)、ステップS21に戻る。
水温TWが温度THD2よりも高温であれば(ステップS29がNO)、ステップS21に戻る。
ここで、水温TWが温度TCD1(昼間における第3の閾値)以下で(ステップS25がYES)、熱源用ヒートポンプ3(熱源機構)による循環水(熱媒体)の冷却運転は行わず(ステップS26)、且つ、水温TWが温度THD1(昼間における第2の閾値)以上で(ステップS27がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水(熱媒体)の加熱運転は行わない(ステップS28)場合は、昼間における「熱媒体の温度が第2の閾値以上で且つ第3の閾値以下」の場合に相当し、熱源用ヒートポンプ3は冷却運転も加熱運転も行わない状態、すなわち「熱源機構を停止」した状態となる。
前述した通り、ステップS22において、水温TWを測定した時間が夜間である場合には(ステップS22が「nt」)、ステップS31に進む。
ステップS31では水温TWと温度TCN2(夜間における第4の閾値)と比較し、水温TWが温度TCN2以上であれば(ステップS31がYES)、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却して(ステップS32)、ステップS35に進む。
水温TWが温度TCN2よりも低温であれば(ステップS32がNO)、ステップS33に進み、水温TWと温度TCN1(夜間における第3の閾値)とを比較する。
水温TWが温度TCN1以下である場合には(ステップS33がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転は行わず(ステップS34)に、ステップS35に進む。水温TWが温度TCN1よりも高温であれば(ステップS33がNO)、ステップS35に進む。
ステップS35では、水温TWを温度THN1(夜間における第2の閾値)と比較し、水温TWが温度THN1以上であれば(ステップS35がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転は行わず(ステップS36)、ステップS21に戻る。水温TWが温度THN1より低温であれば(ステップS35がNO)、ステップS37に進む。
ステップS37では水温TWと温度THN2(夜間における第1の閾値)と比較し、水温TWが温度THN2以下の場合には(ステップS37がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を行い(ステップS38)、ステップS21に戻る。
水温TWが温度THN2よりも高温の場合には(ステップS37がNO)、ステップS21に戻る。
ここで、水温TWが温度TCN1(夜間における第3の閾値)以下で(ステップS33がYES)、熱源用ヒートポンプ3(熱源機構)による循環水(熱媒体)の冷却運転は行わず(ステップS34)、且つ、水温TWが温度THN1(夜間における第2の閾値)以上で(ステップS35がYES)、熱源用ヒートポンプ3による循環水(熱媒体)の加熱運転は行わない(ステップS36)場合は、夜間における「熱媒体の温度が第2の閾値以上で且つ第3の閾値以下」の場合に相当し、熱源用ヒートポンプ3は冷却運転も加熱運転も行わない状態、すなわち「熱源機構を停止」した状態となる。
図6で示す制御について、図4の温度特性線をも参照して説明する。
最初に、空調用ヒートポンプ2による冷房運転を行う時期(熱源用ヒートポンプ3は冷却運転:図4における上側の実線)における制御について述べる。
図6において、空調用ヒートポンプ2による冷房運転を行う時期(熱源用ヒートポンプ3は冷却運転)において、図4の時刻t1〜t2間では、空調用ヒートポンプ2は運転していない。そして、循環水の地中熱交換器出口温度TWは、温度TCN1近傍の温度であり、熱源用ヒートポンプ3も停止している。
図4のt1〜t2間の制御ルーチンを、図6で示すと、ステップS21で循環水地中熱交換器出口温度TWを計測した後、ステップS22では「nt(夜間電力の時間帯)」と判断される。t1〜t2間では温度TWはTCN1近傍の温度なので、TW<TCN2であり、ステップS31は「NO」となる。そして温度TWはTCN1近傍の温度なので、ステップS33は「YES」であり、ステップS34にて熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転を行わない制御が選択される。
そしてステップS35では、温度TWはTCN1近傍の温度なので「NO」となり、ステップS36で熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱はしない制御が選択される。
以後、t1〜t2間では、S21、S22、S31、S33、S34、S35、S36のループが繰り返される。
図4の時刻t2から空調用ヒートポンプ2による昼間の冷房運転が開始されるので、循環水地中熱交換器出口水温TWは上昇する。
図4の時刻t2〜t3間では、循環水地中熱交換器出口温度TW<TCD2である。時刻t2〜t3間の制御ルーチンは、図6において、ステップS22では「dt(昼間:夜間電力の時間帯ではない時間帯)」となり、TW<TCD2なのでステップS23は「NO」、ステップS25は「YES」である。その結果、ステップS26で、熱源用ヒートポンプ3は循環水を冷却する運転は行わないと判断される。
図4の時刻t2〜t3間では、TW>THD1なので、ステップS27は「YES」となり、ステップS28で、熱源用ヒートポンプ3は循環水を加熱する運転は行わないと判断される。
それ以降は、時刻t2〜t3間では、S21、S22、S23、S25、S26、S27、S28のループとなる。
ただし、時刻t2〜t3において、TCD2>TW>TCD1の領域では、S21、S22、S23、S25、S27、S28のループとなる。
図4の時刻t3では、循環水地中熱交換器出口水温TW=TCD2となる。その際には、ステップS23は「YES」となり、ステップS24で、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を行う制御が選択される。
図4の時刻t4では、TW>TCD1なので、ステップS27は「YES」となり、ステップS28で、熱源用ヒートポンプ3により循環水を加熱する運転は行わないと判断される。
図4の時刻t3〜t4においては、先行する制御サイクル(時刻t3について説明した制御)におけるステップS24で、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を行う制御が選択されており、熱源用ヒートポンプ3による冷却運転で水温TWは低下し、TW≦TCD2となるが、TW>TCD1である。すなわち、時刻t3〜t4においては、TCD2≧TW>TCD1となっている。
図6のステップS23でTWとTCD2とが比較される際に、上述した様に時刻t3〜t4ではTCD2≧TW>TCD1なので、ステップS23は「NO」となり、そして、ステップS25も「NO」と判断される。ここで、ステップS26を経由しないでステップS27に進むことになるため、熱源用ヒートポンプ3による冷却運転は続行される。
時刻t3〜t4ではTCD2≧TW>TCD1なので、図6のステップS27では「YES」と判断され、ステップS28において、熱源用ヒートポンプ3による循環水加熱運転は行わない旨が選択される。
その結果、上述した時刻t3における制御で、図6のステップS24において開始された熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転が、依然として続行される。
換言すれば、t3〜t4では、S21、S22、S23、S25、S27、S28のループとなり、ステップS26は実行しないので、時刻t3の制御サイクルにおけるステップS24における「熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転」が続行されるのである。
図4の時刻t4(18時)では、空調用ヒートポンプ2が停止される。その結果、空調用ヒートポンプ2において循環水に熱が投入されなくなり、循環水地中熱交換器出口水温TWが降温する。
時刻t5では、TW=TCD1となるので、図6における制御において、ステップS25は「YES」と判定され、熱源用ヒートポンプ3における循環水の冷却運転は行わない(ステップS26)。ステップS26の制御が行われることにより、熱源用ヒートポンプ3の循環水冷却運転が停止する。
図4の時刻t5〜t6間ではTCD1>TWなので、図6において、S21、S22、S23、S25、S26、S27、S28のループとなる。
図4の時刻t6(22時)からは夜間電力の時間帯となり、図6のステップS22は「nt(夜間)」となる。
時刻t6ではTW>TCN2であるので、図4のt6〜t1間では、図6のステップS31は「YES」となり、ステップS32で熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転が行われる。
時刻t6〜t1間では、図6において、S21、S22、S31、S32、S35、S36のループとなり、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転が続行される。
ここで、図4から明らかな様にTCD2>TCN2なので、熱源用ヒートポンプ3による循環水冷却運転は、電力料金が安い夜間電力の時間帯(t6〜t1間)において、集中して行われることとなる。
次に、空調用ヒートポンプ2による暖房運転を行う時期(熱源用ヒートポンプ3は加熱運転:図4における下側の実線)における制御を説明する。
図4の時刻t11〜t12間では、空調用ヒートポンプ2は運転しておらず、循環水地中熱交換器出口水温TWは、温度THN1近傍に維持される。図4のt11〜t12間の制御ルーチンは、図6において、ステップS22では「nt(夜間)」と判断され、TW=THN1なのでステップS31は「NO」であるが、ステップS33は「YES」となる。そして、ステップS34で、熱源用ヒートポンプ3で循環水を冷却しない旨を選択する。
ステップS35では、TW=THN1なので「YES」となり、ステップS36で、熱源用ヒートポンプ3で循環水を加熱しない旨を選択する。
すなわち、図4の時刻t11〜t12間では、図6のS21、S22、S31、S33、S34、S35、S36のループとなる。
図4の時刻t12において、空調用ヒートポンプ2の暖房運転が開始される(時刻t12で空調用ヒートポンプ2の予熱運転が開始される)ので、地中熱交換器出口水温TWは降下し始める。
図4の時刻t12〜t13間における昼間の時刻t1d〜t13間では、循環水地中熱交換器出口水温TWはTHD2よりも高温(TW>THD2)で、図6のステップS23は「NO」となる。
図4の時刻t1d〜t13間では、水温TWは温度TCD1以下(TW≦TCD1)なので、ステップS25は「YES」となり、熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転は行われない(ステップS26)。
図4の時刻t1d〜t13間において、TW≧THD1であればステップS27が「YES」となり、ステップS28で、熱源用ヒートポンプ3により循環水を加熱しない旨が選択される。
THD1>TW>THD2の場合には、ステップS27、ステップS29は共に「NO」となる。この場合には、図4の時刻t1d〜t13間において、TW≧THD1の際にステップS28で実行された「熱源用ヒートポンプ3により循環水を加熱しない」旨の制御が続行される。
図4の時刻t13において、循環水地中熱交換器出口水温TW=THD2となる。その際には、図6において、ステップS23は「NO」、ステップS25は「YES」となり、熱源用ヒートポンプ3による循環水は冷却されない(ステップS26)。そしてステップS27において、TW<THD1であるため「NO」と判定される。
ステップS29ではTW=THD2であるため「YES」と判定され、ステップS30で熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転が行われる。
図4の時刻t13〜t14において、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転が行われる結果、循環水地中熱交換器出口水温TWは上昇する。
図4の時刻t13〜t14において、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転が行われる結果、循環水地中熱交換器出口水温TWは上昇し、TW>THD2となる。
図4の時刻t13〜t14におけるTW>THD2の状態では、図6のステップS23は「NO」、ステップS25は「YES」、ステップS27では「NO」となり、ステップS29に進む。ここで、TW>THD2なので、ステップS29は「NO」となり、ステップS21に戻る。以下、ステップS21、S22、S23、S25、S27、S29のループを繰り返す。
上述した図4の時刻t13〜t14におけるループでは、ステップS28は経由しないので、時刻t13の制御における「熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を行う制御(ステップS30)」が続行される。
図4の時刻t14(18時)では、空調用ヒートポンプ2が停止される。その結果、空調用ヒートポンプ2において循環水から熱を奪うのも停止し、循環水地中熱交換器出口水温TWが上昇し、循環水地中熱交換器出口水温TWの温度上昇勾配が急になる(温度TWの上昇が早くなる)。そして、時刻t15でTW=THD1となる。
図6において、時刻t15では、ステップS23は「NO」、ステップS25は「YES」と判定され、ステップS26を介して、ステップS27において「YES」と判定される。そして、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱は行わない旨の制御が為される(ステップS28)。その結果、時刻t15において、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転は停止される。
時刻t15〜t16では、ステップS21、S22、S23、S25、S26、S27、S28のループとなる。
図4の時刻t16(22時)からは夜間電力の時間帯ntとなり、図6のステップS22は「nt(夜間)」となる。そして、図4の時刻t16(22時)において、TW<THN2である。
図4のt16〜t11間の制御は、図6において、ステップS22は「nt」、ステップS31は「NO」、ステップS33は「YES」と判定され、熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転を行わない制御を行う(ステップS34)。そして、ステップS35が「NO」と判定され、ステップS37において「YES」と判定される。ステップS38においては、熱源用ヒートポンプ3により循環水の加熱運転が行われる。
図4から明らかな様に、THN2>THD2なので、夜間電力の時間帯の方が、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱が行われ易くなる。これにより、電力料金が安価な夜間電力の時間帯において、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱を集中して、システム全体のランニングコストを抑制することが出来る。
図1〜図6で説明した第1実施形態の作用効果を、図7〜図10を参照して説明する。
ここで、図7、図8は、空調用ヒートポンプ2が暖房運転を行った場合における第1実施形態の効果を示しており、図9、図10は空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行った場合の効果を示している。
図7は、第1実施形態のヒートポンプシステム101において、空調用ヒートポンプ2を暖房運転に稼動した場合に、1日24時間の土壌温度の変化Twhを模式的に示している。図7では、自然土壌温度を17℃としている。そして図7では、8時から18時までを空調用ヒートポンプ2で暖房運転を行い、土壌から採熱する運転を行う時間帯、18時から22時までを運転休止による自然回復時間帯、22時から翌朝の8時までを夜間電力を利用して熱源用ヒートポンプ3で循環水を加熱することにより、土壌温度を強制的に回復する時間帯としている。
図7において、翌朝の7時には土壌温度が自然土壌温度(17℃)まで回復しているので、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を停止している。
ここで22時には、熱源用ヒートポンプ3による循環水の加熱運転を開始しているので、22時前後で土壌温度の回復の度合い、すなわち温度勾配が変化している。
図9は、第1実施形態のヒートポンプシステム101において、空調用ヒートポンプ2で冷房運転を行う際に、1日24時間における土壌温度の変化を模式的に示している。図9では、自然土壌温度が17℃であり、8時から18時までが空調用ヒートポンプ2で冷房運転を行って土壌に放熱する運転を行う時間帯、18時から22時までが空調用ヒートポンプ2による冷房運転休止による土壌温度が自然に低下する時間帯(自然回復時間帯)、22時から翌朝の8時までが夜間電力を利用して熱源用ヒートポンプ3を駆動して循環水を冷却することにより、土壌温度を強制的に低下する時間帯(強制回復時間帯)となっている。
図9において、翌朝の7時には土壌温度が自然土壌温度(17℃)まで回復しているので、熱源用ヒートポンプ3による冷却運転を停止している。
22時には、熱源用ヒートポンプ3による冷却運転を開始するので、22時前後で土壌温度の変化、すなわち温度勾配が変わっている。
上述した構成及び制御方法の第1実施形態によれば、図7及び図8で示すように、空調用ヒートポンプで暖房運転を行う際に、土壌温度は朝には自然土壌温度まで上昇(復帰)するので、空調用ヒートポンプによる暖房運転開始から日数が経過しても、土壌温度の低下は生じない。
また、図9及び図10に示すように、空調用ヒートポンプで冷房運転を行う際に、土壌温度は朝には自然土壌温度まで低下(復帰)するので、空調用ヒートポンプによる冷房運転開始から日数が経過しても、土壌温度の上昇は生じない。
なお、土壌温度の変化は、熱交換の変動などで、実際には図8、図10とは異なり複雑な曲線となる。
また、第1実施形態によれば、地中(土壌)の温度は、暖房運転を行う時期においては年間平均温度よりも低温となり過ぎることが回避され、冷房運転を行う時期には高温になり過ぎることが回避される。そのため、図2、図3で示すように、地中熱交換器4を管状のコイルを短いピッチで巻き付けて構成しても、短いピッチだけ隔てた隣接するコイルから放出あるいは吸収される熱による影響が少ない。
図示の実施形態では、コイル状の地中熱交換器4を地中における浅い領域に埋設することが可能となり、従来技術のように地中深い箇所にロッド状の地中熱交換器を埋設する必要がない。
図示の実施形態では、自然土壌温度が一定(例えば17℃)である場合を説明しているが、地中熱交換器4を浅い領域に埋設する場合には、自然土壌温度を季節によって変動させる制御を行うことが望ましい。
自然土壌温度は計算して予測することもできるが、温度センサー(検出器)を土中埋設して、その信号を制御に用いることもできる。そして、温度センサーは、地中熱交換器の温度影響を受けない距離で、地中熱交換器の代表的な深さ(例えば、地中熱交換器端部より5メートル離し、地表より4メートルの深さ)に埋設することが望ましい。
また図1〜図10で示す第1実施形態によれば、システム101全体に共通する熱媒体である循環水と熱交換をする様に、空調機器である空調用ヒートポンプ2と、熱源機構である熱源用ヒートポンプ3と、地中熱交換器4とが配置されているので、循環水のみを単一の熱媒体として用いる事が出来る。
従って第1実施形態によれば、例えば図22で示す特許文献2の様に、昼間は空調機のための運転を行い、夜間は地中温度回復のための運転を行うという運転の切換を行う必要が無い。そして、地中温度回復のために熱源用ヒートポンプ3を運転しているので、空調用ヒートポンプ2の運転が出来なくなるという時間帯が生じることはない。
さらに第1実施形態によれば、例えば図21で示す特許文献1の様に、地中温度を回復するために、補助熱交換器等を別途設ける必要が無い。
また、第1実施形態では、循環水の地中熱交換器出口水温TWと閾値とを比較して、熱源用ヒートポンプ3によって循環水を冷却するか加熱するかを決定しているので、空調用ヒートポンプ2が冷房運転を行っているのか暖房運転を行っているのかを考慮することなく、地中温度のみを考慮して熱源用ヒートポンプ3を運転し、制御することができる。
そして、冷房する空間と暖房する空間とが混在するような建物であっても、第1実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプシステム101を適用することが可能である。
ここで、図1では、循環水ラインLwにおいて、4台の空調用ヒートポンプ2は、熱源用ヒートポンプ3に対して、並列に配置されている。しかし、並列に配置された4台の空調用ヒートポンプ2を、熱源用ヒートポンプ3に対して直列に配置することも可能である。
図11は第1実施形態の第1変形例を示しており、地中熱交換器4の出口側は熱源用ヒートポンプ3の入口側に連通しており、熱源用ヒートポンプ3の出口側が並列に配置された4台の空調用ヒートポンプ2に連通している。そして、並列に配置された4台の空調用ヒートポンプ2の出口側が地中熱交換器4の入口側に連通している。
図12は第1実施形態の第2変形例を示しており、地中熱交換器4の出口側は並列に配置された4台の空調用ヒートポンプ2に連通しており、並列に配置された4台の空調用ヒートポンプ2の出口側が熱源用ヒートポンプ3の入口側に連通している。そして、熱源用ヒートポンプ3の出口側が地中熱交換器4の入口側に連通している。
図11の第1変形例と図12の第2変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の第1実施形態と同様である。
次に、図13を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図13において、全体を符号102で示す地中熱利用ヒートポンプシステムは、熱源側機器として、図1の熱源用ヒートポンプ3の代わりに太陽熱利用ヒートポンプ30を備えている。
太陽熱利用ヒートポンプ30は、冷媒を蒸発させる屋外パネル30Pを用いて、太陽熱を集熱し、曇天日や夜間には外気からも集熱してヒートポンプ加熱に用いている。また、屋外パネル30Pを冷媒凝縮器として運転し、夜間には長波長放射と外気放熱とを併用して、ヒートポンプ冷却する。さらに、屋外パネル30Pの表面に太陽電池SGを取付けて、太陽光発電が可能なように構成されており、当該発電により得られた電力(符号ESで示す)により、ヒートポンプその他の機器を駆動することも可能である。
地中熱利用ヒートポンプシステム102は、空調側1に空調用ヒートポンプ2の他に、給湯用ヒートポンプ2A、冷凍冷蔵庫2B、地中熱を直接利用するシステム2Cを備えている。ここで、システム2Cとしては、例えば冷房輻射パネルや、外気予熱器等がある。
給湯用ヒートポンプ2Aは循環水ラインLwの循環水を冷却し、冷凍冷蔵庫2Bは循環水を加熱する。
システム2Cについては、自然土壌温度(例えば17℃)はプラスマイナス数度の範囲に収まっているため、循環水を、例えば天井輻射冷房(冷房輻射パネル)に供給して、冷房に利用できる。また、外気予熱器は、寒冷な外気を予熱し、高温な外気を予冷することにより、外気負荷を低減する。
図13において、地中熱交換器4は、ヘッダH1およびヘッダH2を介して、太陽熱利用ヒートポンプ30、空調用ヒートポンプ2、給湯用ヒートポンプ2A、冷凍冷蔵庫2B、地中熱を直接利用するシステム2Cへ並列に接続されている。
より詳細には、太陽熱利用ヒートポンプ30には、ヘッダH1、ライン4−30Iを介して地中熱交換器4からの循環水が供給され、太陽熱利用ヒートポンプ30で熱交換を行った循環水は、ライン4−30O、ヘッダH2を介して地中熱交換器4に戻される。
空調用ヒートポンプ2には、ヘッダH1、ライン4−2Iを介して循環水が供給され、ライン4−2O、ヘッダH2を介して循環水が地中熱交換器4に戻される。
給湯用ヒートポンプ2Aの循環水供給側は、ヘッダH1、ライン4−2AIを介して地中熱交換器4に連通し、循環水吐出側は、ライン4−2AO、ヘッダH2を介して地中熱交換器4と連通する。
冷凍冷蔵庫2Bの循環水供給側は、ヘッダH1、ライン4−2BIを介して地中熱交換器4に連通し、循環水吐出側は、ライン4−2BO、ヘッダH2を介して地中熱交換器4と連通する。
システム2Cにおいては、ヘッダH1、ライン4−2CIを介して循環水が供給され、吐出された循環水は、ライン4−2CO、ヘッダH2を介して地中熱交換器4へ送られる。
図13で示す第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の第1実施形態と同様である。
図14〜図16を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態では、例えば夏季の13時〜16時の様に、電力負荷が最大となる時間帯に、熱源用ヒートポンプの冷却運転(循環水の冷却運転)の起動温度を、その他の時間帯よりも高く設定し、あるいは、熱源用ヒートポンプの冷却運転を行わない様にして、熱源用ヒートポンプの冷却運転による電力消費を節約している。
第3実施形態の制御は、図1〜図10の第1実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプシステム101に適用可能であるし、あるいは、図13の第2実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプシステム102に適用しても良い。換言すれば、図1の第1実施形態のみならず、図13の第2実施形態についても、第3実施形態に係る制御(図14〜図16で示す制御)を適用する事が出来る。
図14は、暖房運転時及び冷房運転時の双方における循環水の地中熱交換器出口水温の設定値と、時刻とが示されている。
図14において、時刻13時から時刻16時の間は、空調用ヒートポンプ2の冷房運転に際して、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転の起動温度(循環水地中熱交換器出口水温)設定値TCD4(図示の例では28℃)と、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を停止する温度(循環水地中熱交換器出口水温)設定値TCD3(図示の例では27℃)とが設定されている。
起動温度設定値TCD4(28℃)は、13時〜16時の時間帯を除くと、空調用ヒートポンプ2の冷房運転に際して、昼間に熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を開始する温度設定値TCD2(図示の例では23℃)よりも5℃高く設定されている。
また、停止温度設定値TCD3(27℃)は、13時〜16時の時間帯を除くと、空調用ヒートポンプ2の冷房運転に際して、昼間に熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を停止する温度設定値TCD1(図示の例では22℃)よりも5℃高く設定されている。
次に、図15を参照して、第3実施形態に係る制御について説明する。
ここで、図14では、夏季における13時〜16時の間は、循環水地中熱交換器出口水温TWが、熱源用ヒートポンプ3により循環水を冷却する運転を開始する温度設定値TCD2(他の時間帯よりも5℃高く設定)以上であれば、熱源用熱交換器3を駆動する。
それに対して図15の制御では、夏季の13時〜16時には、熱源用ヒートポンプ3は駆動せず、循環水の冷却運転を行わない。
図15では、ステップS4(図5と同じ)とステップS5(図5と同じ)との間に、「夏季の13時〜16時か?」を判断する工程であるステップS45を追加し、夏季の13時〜16時の場合(ステップS45がYES)には、熱源用ヒートポンプ3を停止している。
図15で示す制御のその他の部分については、図5で示す制御と同様である。
第3実施形態における制御も、図15に限定されるものではない。
図16で示す制御は、図15の制御の変形例を示しており、図15のステップS2に相当する制御(暖房運転か冷房運転かの判断)を省略している。
図16の制御では、ステップS23が「YES」の場合に「夏季の13時〜16時であるか否か」を判定し(ステップS234)、夏季の13時〜16時であれば(ステップS234がYES)、ステップS26において熱源用ヒートポンプ3による循環水の冷却運転を行わない。
図16の制御におけるその他の部分については、図6で示す制御と同様である。
換言すれば、図14で示す制御は、夏季の13時〜16時において、熱源用ヒートポンプ2の冷却運転(循環水の冷却運転)を開始する循環水の地中熱交換器出口温度TWを、温度TCD2よりも高温である温度TCD4に設定し、熱源用ヒートポンプ3の冷却運転(循環水の冷却運転)を停止する循環水の地中熱交換器出口温度を、温度TCD1よりも高温であるが、温度TCD4よりも低温な温度TCD3に設定している。
一方、図15、図16の制御では、夏季の13時〜16時には、熱源用ヒートポンプによる循環水の冷却運転(循環水の冷却運転)を行わない様に制御している。
何れの場合においても、図14〜図16で説明したように制御すれば、熱源用ヒートポンプが循環水を冷却する時間あるいは頻度は低下する。
図14〜図16の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図13の実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、図示の実施形態ではコイル状の地中熱交換器が示されているが、複数のヘアピンが連続した形状の地中熱交換器を用いることができる。
本発明の第1実施形態を示すブロック図。 地中熱交換器の一例を示す正面図。 図2の地中熱交換器の平面図。 第1実施形態における制御の概要を示す時刻−循環水温特性図。 第1実施形態の制御フローチャート。 第1実施形態の制御フローチャートの変形例を示す図。 暖房運転時における第1実施形態の効果を示す時刻−循環水温特性図。 暖房運転時における第1実施形態の効果を示す経過日数−循環水温特性図。 冷房運転時における第1実施形態の効果を示す時刻−循環水温特性図。 冷房運転時における第1実施形態の効果を示す経過日数−循環水温特性図。 第1実施形態の第1変形例を示すブロック図。 第1実施形態の第2変形例を示すブロック図。 本発明の第2実施形態を示すブロック図。 第3実施形態における制御の概要を示す図。 第3実施形態の制御フローチャート。 第3実施形態の制御フローチャートの変形例を示す図。 暖房運転時における従来技術の問題を示す時刻−循環水温特性図。 暖房運転時における従来技術の問題を示す経過日数−循環水温特性図。 冷房運転時における従来技術の問題を示す時刻−循環水温特性図。 冷房運転時における従来技術の問題を示す経過日数−循環水温特性図。 その他の従来技術を示すブロック図。 別の従来技術を示すブロック図。 さらにその他の従来技術を示すブロック図。
符号の説明
1・・・被空調空間/空調側
2・・・空調機器/空調用ヒートポンプ
3・・・熱源機器/熱源用ヒートポンプ
4・・・熱交換器/地中熱交換器
5・・・制御手段/コントロールユニット
6・・・水温計測手段/温度センサ
7・・・円筒状支持部材
8・・・架橋ポリエチレン管
Lw・・・配管系/循環水ライン

Claims (4)

  1. 空調機器(2、2A、2B)と、その空調機器に供給される熱媒体と、その熱媒体と土壌との熱交換を行う地中熱交換器(4)と、前記熱媒体を冷却又は加熱可能な熱源機構(3)とを有し、その熱源機構(3)は土壌温度が所定の温度範囲内になるように熱媒体を冷却し又は加熱する機能を有する地中熱利用装置において、熱源機構(3)は時間によって熱媒体の温度範囲を変更する機能を有し、空調機器(2、2A、2B)と地中熱源機構(3)と地中熱交換器(4)とが単一の熱媒体を用いており、地中熱交換器(4)はその出口(Jo)近傍には水温計測装置(6)が介装され、前記熱源機構(3)は前記水温計測装置(6)による熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか、加熱するか、停止するかを決定する機能を有することを特徴とする地中熱利用装置。
  2. 空調機器(2、2A、2B)と、その空調機器に供給される熱媒体と、その熱媒体と土壌との熱交換を行う地中熱交換器(4)と、前記熱媒体を冷却又は加熱可能な熱源機構(3)とを有し、その熱源機構(3)は土壌温度が所定の温度範囲内になるように熱媒体を冷却し又は加熱する機能を有する地中熱利用装置において、熱源機構(3)は時間によって熱媒体の温度範囲を変更する機能を有し、地中熱交換器(4)はその出口(Jo)近傍には水温計測装置(6)が介装され、前記熱源機構(3)は熱媒体の温度の閾値を変更する機能を有し、所定の時間帯で、熱源機構(3)が起動して冷却運転を開始する熱媒体温度の閾値は高く、熱源機構を起動して加熱運転する熱媒体温度の閾値を低く設定し、前記熱源機構(3)は前記水温計測装置(6)による熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか、加熱するか、熱源機構(3)を停止するかを決定する機能を有することを特徴とする地中熱利用装置。
  3. 熱源機構(3)は、熱媒体の温度(TW)と閾値とを比較して熱媒体を冷却するか加熱するかを決定し、熱媒体の温度が第1の閾値(THD2、THN2)以下の場合は加熱し、熱媒体の温度が第2の閾値(THD1、THN1)以上で且つ第3の閾値(TCD1、TCN1)以下の場合は停止し、熱媒体の温度が第4の閾値(TCD2、TCN2)以上の場合は冷却する機能を有しており、第4の閾値(TCD2、TCN2)は第3の閾値以上(TCD1、TCN1)であり、第3の閾値(TCD1、TCN1)は第2の閾値(THD1、THN1)以上であり、第2の閾値(THD1、THN1)は第1の閾値(THD2、THN2)以上である請求項1、請求項2の何れかに記載の地中熱利用装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の地中熱利用装置の制御方法において、熱媒体の温度(TW)が第1の閾値(THD2、THN2)以下の場合は熱源機構(3)により熱媒体を加熱する工程(S30、S38)と、熱媒体の温度が第2の閾値(THD1、THN1)以上で且つ第3の閾値(TCD1、TCN1)以下の場合は熱源機構(3)を停止する工程と、熱媒体の温度が第4の閾値(TCD2、TCN2)以上の場合は熱源機構(3)により熱媒体を冷却する工程(S24、S32)とを有し、第4の閾値(TCD2、TCN2)は第3の閾値(TCD1、TCN1)以上であり、第3の閾値(TCD1、TCN1)は第2の閾値(THD1、THN1)以上であり、第2の閾値(THD1、THN1)は第1の閾値(THD2、THN2)以上であることを特徴とする地中熱利用装置の制御方法。
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