以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る遊技球供給装置1が設けられる遊技島100について説明する。図1は、遊技島100の内部構造を示す斜視図である。
遊技島100は、遊技場に設置され、複数の遊技機(図示省略)や付帯設備が設けられるものである。
遊技島100は、長手方向に2列に配列された複数の遊技機設置開口部5を有する。その遊技機設置開口部5には遊技機が設置される。これにより、遊技機は、遊技島100の長手方向に配列されると共に、短手方向には、それぞれの背面を合わせた背向状態で配置される。
遊技島100における遊技機の下方には、遊技に用いられる遊技球を貯留するための下部タンク2が設けられる。下部タンク2の遊技球は、遊技島100の長手方向略中央に設けられた揚送装置3に導かれる。
揚送装置3は、遊技球を磨きながら上方へと揚送する装置であり、揚送装置3によって揚送された遊技球は、揚送装置3の上部に設置された上部タンク4へと導かれる。
上部タンク4の左右両側のそれぞれには、上部タンク4の遊技球を各遊技機、及び各遊技機に併設され遊技球を貸し出すための球貸機(図示省略)へと供給する遊技球供給装置1が連結されている。なお、図1では、上部タンク4の一方側に連結された遊技球供給装置1のみを示す。また、以下において、左右とは、遊技島100の長手方向を指し、前後とは、遊技島100の短手方向を指すものとする。
遊技球供給装置1から遊技機へと供給された遊技球は、遊技機から賞球として遊技者に対して払い出され、払い出された遊技球は、遊技島100に設置された球計数機(図示省略)に投入されて下部タンク2に回収される。
また、遊技球供給装置1から球貸機へと供給された遊技球は、遊技機における遊技に用いられ、遊技機から排出された遊技球は、下部タンク2に回収される。なお、本実施の形態では、下部タンク2は、遊技機より排出された遊技球を回収して揚送装置3に導く回収樋に貯留機能を持たせたものであり、回収樋の下流端側に開閉部材(図示省略)が設けられる。
このように、遊技島100内の遊技球は、遊技島100内を循環する。
次に、主に図2〜図9を参照して、遊技球供給装置1について詳しく説明する。図2は遊技球供給装置1における上流端(上部タンク4側)の斜視図であり、図3及び図4は遊技球供給装置1における下流端の斜視図であり、図5は遊技球供給装置1における上流端の正面図であり、図6は遊技球供給装置1における上流端の長手方向断面図であり、図7は遊技球供給装置1における下流端の長手方向断面図であり、図8及び図9は遊技球供給装置1における短手方向断面図である。
遊技球供給装置1は、上流側と下流側に設けられた二つのローラ10,11(図6及び図7参照)に掛け回された無端状の搬送ベルト12と、下流側のローラ11を回転駆動して搬送ベルト12を周回させる駆動源としての駆動モータ13(図3〜図5参照)とを備える。
搬送ベルト12は、遊技島100の長手方向に水平に配置され、図6及び図7に示すように、平板上の下位部12a及び上位部12bと、円弧状の上流側円弧部12c及び下流側円弧部12dとから構成される。
遊技球供給装置1は、搬送ベルト12を支持する支持部材15を備え、支持部材15は、遊技島100の長手方向に延在して形成されると共に遊技島100の上部に取り付けられて固定される。
支持部材15は、図8及び図9に示すように、搬送ベルト12の上位部12bの下面に沿って配設された底部16aと底部16aの両端に立設して形成され上位部12bの両側を囲う立壁16bとを有する断面コの字状の支持部16と、前後の立壁16bのそれぞれから水平方向に延在し、遊技島100の上部に取り付けられるフランジ部17とを備える。
このように、支持部材15は、フランジ部17を介して遊技島100の上部に取り付けられて固定されると共に、支持部16にて搬送ベルト12の上位部12bを支持する。
駆動モータ13は、図3〜図5に示すように、遊技島100に固定されたモータ支持部材18に支持される。駆動モータ13の出力軸13aは第一プーリ19に連結され、ローラ11の軸11aは第二プーリ20に連結され、第一プーリ19と第二プーリ20はベルト21を介して連係している。ローラ11の軸11aを支持する軸受22(図3参照)は、支持部材15の下流側の端部に取り付けられた下流側支持部材23に支持される。
駆動モータ13を回転駆動することによってローラ11が回転駆動し、搬送ベルト12は、ローラ11とローラ10との間を周回する。このように、ローラ11が主動側であり、ローラ10が従動側である。
従動側のローラ10の軸10aを支持する軸受24は、図2及び図5に示すように、支持部材15の上流側の端部に取り付けられた上流側支持部材25によって支持される。
搬送ベルト12の下位部12aの直下には、図6〜図9に示すように、下位部12aとの間で遊技球が移動する補給樋27を形成する補給樋画成部材28が下位部12aに沿って延在して配設される。
補給樋画成部材28は、両端のそれぞれが上流側支持部材25と下流側支持部材23とに取り付けられ固定される。
補給樋画成部材28は、図8及び図9に示すように、搬送ベルト12の下位部12aと所定の間隔を空けて配設された平板状の平板部28aと、平板部28aの両端に立設して形成され補給樋27を移動する遊技球の落下を防止するための立壁28bとから構成される断面コの字状の部材である。
搬送ベルト12は、ベルト表面に磁性体(図示省略)が設けられた公知の磁性ベルトである(特開平3−46942参照)。磁性体は、ベルト長手方向に延在して形成され、ベルト短手方向に所定間隔を空けて配列される。また、ベルトの短手方向にS極とN極が交互に並んで着磁されている。なお、補給樋画成部材28は非磁性体によって構成される。
補給樋27の上流端には、図6に示すように、上部タンク4に連通する連通路29が連結され、上部タンク4から連通路29に導かれた遊技球は、入口部27aを通じて補給樋27へと流入する。搬送ベルト12の下位部12aと補給樋画成部材28の平板部28aとの間隔は、遊技球の直径よりも僅かに大きく設定されているため、上部タンク4から導かれた遊技球は、入口部27aから補給樋27へとスムーズに流入し、平板部28a上へと導かれる。補給樋27へと流入した遊技球の上端と下位部12aの下面との間には僅かな隙間が存在する。このように、補給樋27へと流入する遊技球は、平板部28aと搬送ベルト12の下位部12aとによって挟持されることなく、遊嵌状態で平板部28a上に導かれる。
補給樋27へと流入した遊技球は、搬送ベルト12に設けられた磁性体の作用を受け、下位部12aの移動に伴って、ベルト長手方向の速度が付与され平板部28a上を移動する。このように、搬送ベルト12の磁性体の磁力は、遊技球が搬送ベルト12には吸着しないが、搬送ベルト12の移動によって平板部28a上を移動する程度の大きさに設定される。
搬送ベルト12に設けられた磁性体は、搬送ベルト12が周回するのに伴って、下位部12aと平板部28aとの間で遊嵌状態の遊技球に速度を付与する速度付与手段に該当する。遊技球は、磁性体の作用によって速度が付与され遊嵌状態で補給樋27を移動するのであり、搬送ベルト12によって挟持され圧送されることなく搬送されるため、駆動モータ13の負荷が大きくなることはない。
ここで、遊嵌状態の遊技球とは、上述のように、遊技球の上端と下位部12aとの間に隙間が存在する状態の他、搬送ベルト12のテンションが小さいため、下位部12aが下方に撓んで遊技球の上端に接触した状態も含む。
補給樋27を移動する遊技球は、補給樋27に設けられた図8に示す補給シュート40から遊技機及び球貸機へと導かれる。補給シュート40については後に詳しく説明する。
搬送ベルト12の下流端には、図3,図4,及び図7に示すように、搬送ベルト12の下流側円弧部12dの外周に沿って円弧状の湾曲部材31が配設される。湾曲部材31は、下流側円弧部12dとの間で遊技球が移動する端部樋30を形成する。
湾曲部材31は、下流側支持部材23に取り付けられ固定された円弧状の本体部31aと、本体部31aの内周に設けられ搬送ベルト12の下流側円弧部12dと所定の間隔を空けて設けられた湾曲部31bとを備える。
湾曲部31bはウレタン樹脂によって形成され、湾曲部31bと下流側円弧部12dとの間隔は遊技球の直径よりも僅かに小さく設定される。したがって、補給樋27を移動する遊技球のうち、補給シュート40から遊技機及び球貸機へと供給されなかった遊技球は、搬送ベルト12の下流端まで到達して端部樋30へと流入する。端部樋30へ流入した遊技球は、湾曲部31bと下流側円弧部12dとの間に挟持され、搬送ベルト12の下流側円弧部12dの移動によって湾曲部31b内周上を移動し、搬送ベルト12の上位部12b上へと導かれる。
上位部12bは、図8及び図9に示すように、その両側が支持部材15の立壁16bによって囲まれ、かつ上位部12b上に導かれた遊技球の重量は上位部12bの下方に配設された底部16aによって支持される。このように、上位部12bと支持部16によって、上位部12bの移動によって遊技球が移動する上部樋35が形成される。
上部樋35は、遊技球が移動する向きが補給樋27とは逆、つまり補給樋27とは上流と下流が逆となる。上部樋35の遊技球は、上部タンク4に向かう方向へと移動する。
上部樋35を移動する遊技球は、上部樋35に設けられた図8に示す補助シュート41から補給シュート40へと導かれる。補助シュート41については後に詳しく説明する。
上部樋35を移動する遊技球のうち、補助シュート41から補給シュート40へと導かれなかった遊技球は、上部樋35の下流端まで到達し、上部樋35から連通路29へと落下する。連通路29へと落下した遊技球は、入口部27aを通じて再び補給樋27へと流入する。
このように、上部タンク4から補給樋27へと導かれた遊技球のうち、補給樋27に設けられた補給シュート40、及び上部樋35に設けられた補助シュート41のいずれにも導かれず、遊技機及び球貸機へと供給されなかった遊技球は、遊技島100内を循環するのではなく、補給樋27へと戻り搬送ベルト12に沿って遊技球供給装置1内を循環する。
次に、主に図8及び図10を参照して、補給樋27に設けられた補給シュート40、及び上部樋35に設けられた補助シュート41について説明する。図10は、遊技球供給装置1における補給シュート40及び補助シュート41の斜視図である。
補給シュート40は、遊技機に遊技球を供給する遊技機用補給シュート40A(40a)と、球貸機に遊技球を供給する球貸機用補給シュート40B(40b)とから構成され、遊技機用補給シュート40Aと球貸機用補給シュート40Bは補給樋27の長手方向に沿って設けられる。遊技機用補給シュート40Aは各遊技機のそれぞれに設けられ、球貸機用補給シュート40Bは各球貸機のそれぞれに設けられる。なお、以下では、遊技機用補給シュート40A(40a)及び球貸機用補給シュート40B(40b)を総称する場合、「補給シュート40」と称する。
補助シュート41は、上部樋35の長手方向に沿って、全ての補給シュート40に対応して設けられる。つまり、上部樋35には、補給シュート40と同数の補助シュート41が設けられる。
搬送ベルト12は、図5、図8、及び図9に示すように、短手方向に所定の傾斜角度で傾斜して配設される。具体的には、図1に示す手前側が高く、奥側が低く形成される。これにより、上部樋35は短手方向に傾斜して形成されることになる。また、補給樋画成部材28の平板部28aも、搬送ベルト12と同一の傾斜角度で傾斜して配設されるため、補給樋27も短手方向に傾斜して形成されることになる。
このように、搬送ベルト12、補給樋27、及び上部樋35は、長手方向には水平であるが、短手方向には傾斜して配設される。
補給樋27及び上部樋35は短手方向に傾斜して形成されるため、補給シュート40及び補助シュート41は、遊技球の自重で遊技球を遊技機及び球貸機に供給できるように、それぞれ補給樋27及び上部樋35の低所側に設けられる。
つまり、補給樋27及び上部樋35を移動する遊技球は、遊技球の自重によって低所側へと寄った状態で移動し、低所側に配設された補給シュート40及び補助シュート41を通じて遊技機及び球貸機に供給される。
補給樋27及び上部樋35を移動する遊技球は低所側へと寄った状態で移動するため、上部樋35から落下して再び補給樋27へと戻る遊技球と、上部タンク4から連通路29を介して補給樋27へと流入する遊技球とが合流する補給樋27の入口部27a付近では、遊技球が渋滞して球詰まりが発生する可能性がある。これを回避するために、上部樋35の下流端部の低所側には、図2及び図5に示すように、上部樋35の低所側に寄った遊技球を高所側へ誘導して補給樋27の入口部27aへと導くための誘導板36が設けられる。誘導板36は、支持部16の立壁16bに取り付けられ、上部樋35の中央に向かって斜めに延在して形成される。上部樋35の下流端の低所側に誘導板36を設けることによって、補給樋27の入口部27a付近の遊技球の流れが均一化され、遊技球の球詰まりが防止される。
また、補給樋27は、図5,図8,及び図9に示すように、補給樋画成部材28の平板部28aにおける低所側の傾斜角度が高所側よりも大きく形成される。具体的には、平板部28aにおける低所側の端部28cは曲げ加工されて、大きい傾斜角度に形成される。したがって、補給樋27を移動し自重によって低所側へと寄った遊技球は、端部28cの大きい傾斜によって補給シュート40に向かって案内されると共に、磁性を有する搬送ベルト12との間隔が大きくなり、搬送ベルト12から磁力の影響を受け難くなるため、スムーズに補給シュート40へと導かれる。なお、端部28cの形状は、図示のように平板状に限らず、曲面状としてもよい。
遊技機は、遊技島100の短手方向には、それぞれの背面を合わせた背向状態で配置される。そのため、背向状態で配置される一対の遊技機のうち、一方は補給樋27の低所側に位置し、他方は高所側に位置することになる。
補給シュート40は補給樋27の低所側に設けられるため、補給樋27の低所側に位置する遊技機及び球貸機に対しては、補給シュート40を通じてそのまま遊技球が供給される。これに対して、補給樋27の高所側に位置する遊技機及び球貸機に対しては、図5及び10に示すように、補給シュート40の出口部42に連結され補給樋画成部材28の平板部28aの下方を横切って配設された連絡樋49を通じて遊技球が供給される。
このように、補給樋27を移動する遊技球は、補給樋27の低所側に設けられた補給シュート40を通じて、補給樋27の低所側から前後方向へと分配され、背向状態で配置された遊技機及び球貸機へと供給される。したがって、背向状態で配置された遊技機及び球貸機に対して均等に遊技球を分配することができる。
以上のように、背向状態で配置される一対の遊技機及び球貸機には、図10に示すように、補給樋27の低所側に位置する遊技機及び球貸機に対して遊技球を供給する遊技機用補給シュート40A及び球貸機用補給シュート40Bと、補給樋27の高所側に位置する遊技機及び球貸機に対して遊技球を供給する遊技機用補給シュート40a及び球貸機用補給シュート40bとの合計4つの補給シュート40が設けられる。
補助シュート41は、全ての補給シュート40に対応して設けられるため、補給シュート40と同様に、背向状態で配置される一対の遊技機及び球貸機に合計4つ設けられる。
補給シュート40は、図10に示すように、補給樋画成部材28の低所側の立壁28bに取り付けられた筐体43と、筐体43を封止するカバー44とを備える。なお、図10における遊技機用補給シュート40A,40aについては、カバー44を外した状態の図である。
筐体43には、補給樋画成部材28の低所側の立壁28bに形成された開口部と連通し、補給樋27から遊技球を受け入れる入口部45が形成される。
筐体43の底面は、下り傾斜して形成され、入口部45から流入した遊技球を下流端に設けられた出口部42へと案内する案内路46として構成される。
入口部45は、補給樋27の長手方向の寸法が、遊技球が複数個通過可能な寸法に形成される。出口部42は、遊技球が1個通過可能な程度の寸法に形成される。また、案内路46は、遊技球が1条で転動可能な程度の幅に形成される。
案内路46の途中には、案内路46を転動する遊技球を上下1段に均す均し部材47が設けられる。したがって、入口部45から筐体43内に流入した遊技球は、案内路46へと落下して案内路46上を転動し、均し部材47によって上下1段に均されて1球ずつ出口部42から排出される。出口部42から排出された遊技球は、遊技機又は球貸機へと供給される。
筐体43の上部は、カバー44によって封止されずに開口して形成され、その開口には補助シュート41の出口部42が連通している。
補給シュート40の筐体43内における補助シュート41の出口部42の直下には、補助シュート41の出口部42から排出された遊技球を案内路46へと導く誘導路48が下り傾斜して配設される。
したがって、補助シュート41の出口部42から排出され補給シュート40の筐体43内へと流入した遊技球は、誘導路48から案内路46へと導かれて出口部42から排出される。
このように、補給シュート40の筐体43内では、補給シュート40の入口部45から流入した遊技球と、誘導路48から導かれる遊技球とが合流することになる。しかし、この遊技球が合流する合流部は、均し部材47の上流側に設けられるため、補給シュート40の出口部42における遊技球の球詰まりが防止される。
補給シュート40は、以上のように構成され、遊技機用補給シュート40Aと球貸機用補給シュート40Bは同様に構成される。
補助シュート41は上部樋35から遊技球を受け入れる入口部45を有し、入口部45は支持部16の低所側の立壁16bに形成された開口部に連通して形成される。補助シュート41におけるその他の構成は、補給シュート40の構成と同様であり、補給シュート40と同様の構成には同一の符号を付す。
補助シュート41は上部樋35の低所側に設けられるため、上部樋35を移動する遊技球は、低所側から補給シュート40に導かれる。したがって、上部樋35を移動する遊技球は各補給シュート40へ均等に分配される。
以上のように、搬送ベルト12に沿って遊技球供給装置1内を循環する遊技球のうち、補給樋27を移動する遊技球は、自重で低所側へと誘導され補給シュート40から遊技機又は球貸機へと供給され、上部樋35を移動する遊技球も、自重で低所側へと誘導され補助シュート41を通じて補給シュート40へと導かれ、遊技機又は球貸機へと供給される。
ここで、遊技島100に配置された遊技機の稼動が少ない場合には、遊技球供給装置1内を循環する遊技球が多くなり、過剰になる場合がある。この対策として、上部樋35には、上部樋35を移動する過剰な遊技球を下部タンク2へと導くオーバーフローシュート50が設けられる。
以下に、図9及び図11〜図13を参照して、オーバーフローシュート50について説明する。図11は遊技球供給装置1におけるオーバーフローシュート50の斜視図であり、図12は搬送ベルト12の動作を制御する搬送制御装置55のブロック図であり、図13は搬送制御装置55による制御の流れを示すフローチャートである。
オーバーフローシュート50は、上部樋35の高所側に1つか2つ程度設けられる。
オーバーフローシュート50の筐体43には、支持部16の高所側の立壁16bに形成された開口部と連通し、上部樋35から遊技球を受け入れる入口部45が形成される。
オーバーフローシュート50の出口部42から排出された遊技球は下部タンク2へと導かれる。その出口部42には、通過する遊技球を検出するセンサ51(遊技球検出手段)が設けられる。
なお、本実施の形態では、オーバーフローシュート50の出口部42から排出された遊技球は、回収樋に貯留機能を持たせた下部タンク2へと導かれるが、貯留機能を持たない回収樋に導かれるようにしてもよい。また、遊技機から排出された遊技球を、貯留機能を持たない回収樋へ排出し、回収樋を経て揚送装置3に導き、一方、オーバーフローシュート50の出口部42から排出された遊技球を、回収樋の機能を持たないタンクへと導くようにしてもよい。なお、回収樋の機能を持たないタンクであれば、遊技島100の下部に設ける必要はなく、例えば、揚送装置3の周囲に設けてもよい。
オーバーフローシュート50におけるその他の構成は、補給シュート40の構成と同様であり、補給シュート40と同様の構成には同一の符号を付す。
遊技島100に配置された遊技機の稼動が多い場合には、遊技球供給装置1内を循環する遊技球は比較的少なく、補給樋27及び上部樋35を低所側へと寄った状態で移動する。しかし、遊技機の稼動が少ない場合には、遊技球供給装置1内を循環する遊技球が多くなり、過剰になってしまう場合がある。その場合には、補給樋27及び上部樋35における遊技球は、高所側まで充満され、上部樋35の高所側に設けられたオーバーフローシュート50から下部タンク2へと導かれる。
遊技島100には搬送制御装置55が搭載され、搬送制御装置55は、オーバーフローシュート50を通じて下部タンク2へと導かれる遊技球の個数に応じて、搬送ベルト12を駆動する駆動モータ13の動作を制御する。次に、搬送制御装置55について説明する。
搬送制御装置55は、図12に示すように、センサ51から出力された信号を基に上部樋35における過剰度合を判定する状態判定手段56と、状態判定手段の判定結果を基に駆動モータ13に対して駆動信号を出力して駆動モータ13の回転速度を制御する駆動信号出力手段57とを備える。なお、状態判定手段56と駆動信号出力手段57が制御手段に該当する。
次に、図13を参照して、搬送制御装置55による制御の流れを説明する。図13(a)は状態判定手段56による状態判定処理の流れを示すフローチャートであり、図13(b)は駆動信号出力手段57による駆動信号出力処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図13(a)を参照して、状態判定手段56による状態判定処理の流れを説明する。
状態判定処理が開始されると、ステップ101では電源が投入され、ステップ102では搬送制御装置55が初期化される。
ステップ103では、タイマがオンとなり、経過時間のカウントが開始される。
ステップ104では、センサ51によって検出された検出結果を基にカウントされた前回のデータがクリアされる。
ステップ105では、オーバーフローシュート50の出口部42に設けられたセンサ51によって検出された検出結果を基に、出口部42を通過する遊技球の個数がカウントされる。
ステップ106では、タイマの経過時間が予め定められた所定時間に到達したか否かが判定される。所定時間に到達していないと判定された場合には、ステップ105による遊技球の個数のカウントが継続される。
ステップ106にて、タイマの経過時間が所定時間に到達したと判定された場合にはステップ107に進み、ステップ105による遊技球の個数のカウントを終了する。以上の手順によって、所定時間内にオーバーフローシュート50の出口部42を通過した遊技球の個数がカウントされる。
ステップ108では、ステップ105にてカウントされた遊技球の個数と予め定められた基準値とが比較される。
ステップ108にて、カウントされた遊技球の個数が基準値以上である場合にはステップ109に進み、上部樋35における遊技球がオーバーフロー状態であると判定し、オーバーフロー状態に設定される。
また、ステップ108にて、カウントされた遊技球の個数が基準値未満である場合にはステップ110に進み、上部樋35における遊技球はオーバーフロー状態ではないと判定し、オーバーフロー状態解除に設定される。
次に、図13(b)を参照して、駆動信号出力手段57による駆動信号出力処理の流れを説明する。
駆動信号出力処理が開始されると、ステップ201では電源が投入される。
ステップ202では、上部樋35における遊技球がオーバーフロー状態であるか否かが判定される。状態判定手段56による状態判定処理におけるステップ109にてオーバーフロー状態と設定された場合には、ステップ203に進み、駆動モータ13に対してスロー駆動信号が出力される。これにより、駆動モータ13の回転速度は低くなるように制御される。
また、状態判定手段56による状態判定処理におけるステップ110にてオーバーフロー状態解除と設定された場合には、ステップ204に進み、駆動モータ13に対して通常駆動信号が出力される。これにより、駆動モータ13の回転速度は通常の回転速度に制御される。
以上のように、駆動モータ13の回転速度は、上部樋35における遊技球の過剰度合によって制御される。つまり、遊技島100の遊技機の稼動率が高く、上部樋35における遊技球の過剰度合が高くない場合には、駆動モータ13の回転速度は通常の回転速度に設定される。これに対して、遊技島100の遊技機の稼動率が低く、上部樋35における遊技球の過剰度合が高い場合には、駆動モータ13の回転速度は低く設定される。
このように、駆動モータ13の回転速度は、遊技島100の遊技機の稼動率に応じて設定されるため、遊技球供給装置1の無駄な稼動を抑制することができる。つまり、遊技島100の遊技機の稼動率が低い場合には、搬送ベルト12は省エネルギーモードにて運転されることになる。
以上の本実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
搬送ベルト12は遊技島100の長手方向に水平に配置されるため、高さ方向に大きな設置スペースを必要としない。
また、補給樋27を移動する遊技球は、搬送ベルト12に設けられた磁性体の作用によって、搬送ベルト12の下位部12aと平板部28aとの間を遊嵌状態で移動し、補給シュート40から遊技機及び球貸機に供給される。このように、補給樋27を移動する遊技球は、搬送ベルト12によって挟持されることなく搬送されるため、駆動モータ13に掛かる負荷が抑制されコスト高を招くことがない。
また、補給樋27から遊技機及び球貸機に供給されなかった遊技球は、端部樋30を通じて上部樋35へと導かれ、上位部12bの移動によって補給樋27の入口部27aへと導かれる。このように、補給樋27から遊技機及び球貸機に供給されなかった遊技球は、遊技島100内を循環することなく、再び補給樋27の入口部27aへと導かれる。したがって、遊技島100の循環装置内における遊技球の無駄な循環が発生せず、揚送装置等の稼働率が上がることが防止されるため、循環装置のランニングコストを低く抑えることができる。
また、上部樋35を移動する遊技球は、補助シュート41を通じて遊技機及び球貸機へと供給されるため、遊技機及び球貸機に対して安定して遊技球を供給することができる。
また、搬送ベルト12、補給樋27、及び上部樋35は、短手方向に傾斜して形成されるため、搬送ベルト12、補給樋27、及び上部樋35の短手方向の水平出しが不要となり、搬送ベルト12、補給樋27、及び上部樋35の配設を簡便に行うことができる。
また、補給シュート40及び補助シュート41は、それぞれ補給樋27の低所側及び上部樋35の低所側に設けられるため、補給樋27及び上部樋35を移動する遊技球は、低所側から前後方向へと分配され、背向状態で配置された遊技機及び球貸機へと供給される。したがって、背向状態で配置された遊技機及び球貸機に対して均等に遊技球を分配することができる。
また、補給樋27では、上流側に設けられた補給シュート40に遊技球が流入し易く、下流側に設けられた補給シュート40には遊技球が流入し難い傾向となる。同様に、上部樋35でも、上流側に設けられた補助シュート41に遊技球が流入し易く、下流側に設けられた補助シュート41には遊技球が流入し難い傾向となる。補給樋27と上部樋35は、上流と下流が逆であるため、補給樋27では流入し易い上流側の補給シュート40には、補助シュート41からの遊技球は流入し難く、補給樋27では流入し難い下流側の補給シュート40には、補助シュート41からの遊技球は流入し易くなる。したがって、長手方向に配設された補給シュート40に対して均等に遊技球が振り分けられることになる。
さらに、上部樋35を移動する遊技球がオーバーフローシュート50を通じて下部タンク2へと導かれる場合には、オーバーフローされた遊技球の個数に応じて上部樋35における遊技球の過剰度合が判定され、その判定結果を基に駆動モータ13の回転速度が制御されるため、遊技島100の遊技機の稼動率に応じて駆動モータ13の回転速度を設定することができる。したがって、遊技球供給装置1の無駄な稼動を抑制することができるため、遊技球供給装置1のランニングコストを低く抑えることができる。
次に、本実施の形態の他の形態、具体的には、補給樋27を移動する遊技球に対して速度を付与する速度付与手段の他の形態について説明する。
(1)搬送ベルト12に磁性体を設ける代わりに、図14に示すように、搬送ベルト12のベルト表面に、ベルト短手方向に渡って立設した突出壁60をベルト長手方向に所定間隔を空けて設けるようにしてもよい。
突出壁60の高さは2mm程度に形成され、隣合う突出壁60の所定間隔は遊技球数個分、具体的には遊技球4,5個分程度に形成される。
搬送ベルト12に突出壁60を設けることによって、搬送ベルト12が周回するのに伴って、下位部12aと平板部28aとの間で遊嵌状態の遊技球の上部に突出壁60が当接する。これにより、平板部28a上の遊技球にベルト長手方向の速度が付与され、遊技球は補給樋27を移動する。
このように、補給樋27を移動する遊技球は、搬送ベルト12によって挟持されることなく搬送されるため、駆動モータ13に掛かる負荷が抑制されコスト高を招くことがない。
(2)搬送ベルト12に磁性体を設ける代わりに、図15に示すように、搬送ベルト12のベルト表面に突設する、椀状の半球体61を複数形成するようにしてもよい。半球体61の半径は2mm程度に形成される。
半球体61の配列としては、図15に示すように、千鳥状に配列するのが望ましい。具体的には、半球体61は、短手方向に所定間隔を空けて配列された半球体列を形成し、その半球体列が、長手方向に所定間隔を空けて、かつ隣合う半球体列の各半球体が千鳥状となるように配列される。半球体61の短手方向の所定間隔、及び半球体列の長手方向の所定間隔は、遊技球1,2個分程度に形成される。
搬送ベルト12に半球体61を設けることによって、搬送ベルト12が周回するのに伴って、下位部12aと平板部28aとの間で遊嵌状態の遊技球の上部に半球体61が当接する。これにより、平板部28a上の遊技球にベルト長手方向の速度が付与され、遊技球は補給樋27を移動する。
このように、補給樋27を移動する遊技球は、搬送ベルト12によって挟持されることなく搬送されるため、駆動モータ13に掛かる負荷が抑制されコスト高を招くことがない。
また、搬送ベルト12に突起物を設ける場合、補給樋27の入口部27a付近にて、突起物と平板部28aとの間で遊技球の球詰まりが発生する可能性がある。しかし、半球体61は短手方向に間隔を空けて配列されるため、遊技球は短手方向に隣合う半球体61の隙間に逃げることができ、球詰まりの発生が防止される。また、隣合う半球体列の各半球体が千鳥状となるように配列されるため、隙間に逃げた遊技球には、後続の半球体列の半球体61が当接して、ベルト長手方向の速度が付与される。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。