JP5278666B2 - 超微粒子薄膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は超微粒子薄膜の製造方法に関し、より詳しくは、ナノメートルレベルの超微粒子薄膜を湿式で基板上に形成する超微粒子薄膜の製造方法に関する。
この種の超微粒子薄膜は、積層コンデンサや各種センサ等の電子デバイスなどの各方面への応用が期待されており、研究・開発も盛んに行なわれている。
例えば、特許文献1には、基板の表面電位をセラミック超微粒子分散溶液のゼータ電位(ζ電位)とは逆極性で前記セラミック超微粒子分散溶液中のセラミック粒子と共有結合可能な電位に制御する表面電位制御工程と、前記基板を前記セラミック超微粒子分散溶液中に浸漬する工程と、前記基板を乾燥させる工程とを備えたセラミック超微粒子薄膜の製造方法が提案されている。
この特許文献1では、基板に3.1〜5.7Vの表面電位を付与し、その後、該表面電位とは逆極性のゼータ電位を有するセラミック超微粒子の分散溶液に基板を浸漬し、基板表面にセラミック超微粒子薄膜を形成している。
そして、特許文献1では、基板に表面電位を付与する方法として、次の2つの方法が記載されている。
第1の方法は、第1段階として、一般式R−Si−X(Rは炭化水素基、XはClまたはアルコキシ基)で表される第1のシラン系化合物溶液に基板を浸漬し、第2段階として、一般式(RO)n−Si−Ym(Rは炭化水素基、Yはアミノ基、メルカプト基、又はカルボキシル基、n=1〜3、m=1〜3)で表される第2のシラン系化合物溶液に基板を浸漬している。すなわち、第1段階では、一般式R−Si−Xで表される第1のシラン系化合物溶液に基板を浸漬させて表面電位を一旦低くし、前記第2のシラン系化合物が表面付着し易くしている。そして、続く第2段階で、一般式(RO)n−Si−Ymで表される第2のシラン系化合物溶液に基板を浸漬し、これにより、結果的に多量の第2のシラン系化合物が基板表面に付着するようにし、表面電位を高めている。
また、第2の方法は、第1段階では、第1の方法と同様の方法により、前記第1のシラン系化合物溶液に基板を浸漬して表面電位を一旦低くし、続く第2段階で、紫外線を照射し、紫外光によって前記第1のシラン系化合物溶液のR基を切断し、これにより極性を高め、表面電位を高めている。
このように特許文献1では、2段階処理を行なって基板に3.1〜5.7Vの高い表面電位を付与し、これによりセラミック超微粒子が基板上に付着し易いようにし、基板上に堆積されるセラミック超微粒子の充填率を高めている。
特開2007−256528号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、2段階処理で表面電位を制御しているため、表面電位の制御が煩雑になるという問題点があった。すなわち、基板に付与される表面電位は、第2のシラン系化合物の種類や紫外線照射の条件によって異なり、また、セラミック超微粒子を基板上に堆積させるための最適な表面電位は、成膜される超微粒子薄膜の種類によって異なるため、表面電位の制御が非常に煩雑になるという問題があった。
また、本発明者の実験結果により、特許文献1の製造方法を使用して積層膜を形成する場合、以下のような問題があることが分かった。
すなわち、特許文献1では、表面電位の付与や超微粒子薄膜の形成に際し、数回に亙って基板をシラン系化合物や超微粒子分散溶液に長時間浸漬している。
しかしながら、積層膜を形成する場合は、基板上に既に形成された超微粒子薄膜の表面に更に超微粒子薄膜を形成することとなる。したがって、基板をシラン系化合物溶液及び/又は超微粒子分散溶液に長時間浸漬している間に、下層側の超微粒子薄膜が基板から脱落し、このため緻密で欠陥のない所望の積層膜を得るのが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、煩雑な表面電位制御を要することもなく所望の超微粒子薄膜を形成することができ、かつ、下層側の超微粒子薄膜の脱落が生じることもなく緻密で欠陥のない積層膜を形成することが可能な超微粒子薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者が鋭意研究を行なったところ、基板を超微粒子分散溶液の溶液面に対し垂直状又は略垂直状に浸漬し、引き上げることにより、複雑な表面電位制御を行わなくとも、表面張力を利用して基板上に超微粒子薄膜を固定することができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法は、基板とシランカップリング化合物とを接触させて第1の有機分子膜を前記基板の表面に形成し、第1の表面電位を付与する第1の表面電位付与工程と、前記第1の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子を分散させた第1の分散溶液を作製する第1の分散溶液作製工程と、前記第1の表面電位の付与面が前記第1の分散溶液の溶液面に対し垂直状又は略垂直状となるように、前記基板を前記第1の分散溶液に浸漬し、次いで前記垂直状又は略垂直状を保持しながら前記基板を前記第1の分散溶液から引き上げ、前記第1の有機分子膜の表面に超微粒子薄膜を形成する第1の浸漬・引き上げ工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の超微粒子薄膜の製造方法は、前記第1の表面電位付与工程を実行する前に、前記基板の表面に紫外線を照射することを特徴としている。
さらに、上記方法と同様の方法を繰り返すことにより、下層側の超微粒子薄膜の基板からの脱落を招くことなく、基板上には異なる2種類以上の超微粒子薄膜を積層することが可能であるという知見を得た。
すなわち、本発明の超微粒子薄膜の製造方法は、前記基板上の前記超微粒子薄膜とシランカップリング化合物とを接触させて第2の有機分子膜を前記超微粒子薄膜の表面に形成し、第2の表面電位を付与する第2の表面電位付与工程と、前記第2の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子を分散させた第2の分散溶液を作製する第2の分散溶液作製工程と、前記第2の表面電位の付与面が前記第2の分散溶液の溶液面に対し垂直状又は略垂直状となるように、前記超微粒子薄膜が形成された基板を前記第2の分散溶液に浸漬し、前記垂直状又は略垂直状を保持しながら前記基板を前記第2の分散溶液から引き上げ、前記第2の有機分子膜の表面に超微粒子薄膜を形成する第2の浸漬・引き上げ工程とを含み、前記第1の浸漬・引き上げ工程を実行した後、前記第2の表面電位付与工程、前記第2の分散溶液作製工程、及び前記第2の浸漬・引き上げ工程を1回以上順次実行し、少なくとも2種類以上の異なる超微粒子薄膜を前記基板上に積層することを特徴としている。
また、本発明の超微粒子薄膜の製造方法は、前記第2の表面電位付与工程が、前記シランカップリング化合物を密閉雰囲気で蒸発させて前記超微粒子薄膜の表面に付着させた後、加水分解反応を生じさせて前記第2の有機分子膜を形成することを特徴としている。
さらに、本発明の超微粒子薄膜の製造方法は、前記第2の表面電位付与工程を実行する前に、前記基板上の前記超微粒子薄膜の表面に紫外線を照射することを特徴としている。
また、本発明の超微粒子薄膜の製造方法は、前記シランカップリング化合物が、チオール基及びアミノ基のうちのいずれか一方を含有していることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、第1の浸漬・引き上げ工程で、第1の分散溶液に分散している超微粒子は該第1の分散溶液の表面張力により基板に均一に整列して付着する。したがって、特許文献1のような煩雑な表面電位制御を行なわなくとも、基板上には緻密で欠陥のない超微粒子薄膜を形成することができる。
また、第1の浸漬・引き上げ工程を実行した後、第2の表面電位付与工程、第2の分散溶液作製工程、及び第2の浸漬・引き上げ工程を1回以上順次実行し、少なくとも2種類以上の異なる超微粒子薄膜を前記基板上に積層するので、特許文献1のように第2の有機分子膜や超微粒子薄膜形成時に基板が溶液中に長時間浸漬されることもなく、積層膜を形成することが可能となる。すなわち、下層側の超微粒子薄膜が基板から脱落することもなく、第2の分散溶液の表面張力を利用して緻密かつ欠陥のない良質の2種類以上の超微粒子薄膜が積層された積層膜を得ることができる。
また、第2の表面電位付与工程は、シランカップリング化合物を密閉雰囲気で蒸発させて前記超微粒子薄膜の表面に付着させた後、加水分解反応を生じさせて第2の有機分子膜を形成するので、基板をシランカップリング化合物の溶液に浸漬させることなく、少量のシランカップリング化合物を使用することにより、第2の有機分子膜を超微粒子薄膜上に形成することができる。
また、第1及び第2の表面電位付与工程を実行する前に、紫外線を照射するので、基板及び超微粒子薄膜の各々表面は親水性を有することとなり、基板上及び超微粒子薄膜上での加水分解反応を容易に生じさせることができる。
また、シランカップリング化合物は、チオール基及びアミノ基のうちのいずれか一方を含むので、チオール基は負の表面電位を付与し、アミノ基は正の表面電位を付与することから、これらチオール基又はアミノ基と逆極性のゼータ電位を有する種々の超微粒子薄膜を基板上に形成することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1及び図2は、本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の一実施の形態(第1の実施の形態)を示す製造工程図であって、基板上に単層膜を形成する場合を示している。
(1)第1の親水化処理工程
まず、基板1を洗浄する。すなわち、基板1をエタノールやアセトン等の有機溶媒中に浸漬し、超音波洗浄を行ない、その後、加熱して前記有機溶媒を蒸発させる。
次に、図1(a)に示すように、例えば波長172nmのキセノンエキシマランプ等の紫外線ランプ2を使用し、基板1に所定時間紫外線を照射して基板1の表面を親水性に処理する。
尚、基板1の材料としては、特に限定されるものではなく、Si基板、MgO基板、アルミナ基板、導電性基板、各種セラミック基板等、任意の基板を使用することができる。
(2)第1の表面電位付与工程
基板1をシランカップリング化合物と接触させ、図1(b)(i)に示すように、前記基板1の表面に第1の有機分子膜3を形成し、第1の表面電位を付与する。
本発明で使用するシランカップリング化合物は、加水分解基ORと有機官能基Xとを有し、下記一般式(A)で表される。
(OR−Si−R−X ・・・(A)
ここで、Rはエチレン基又はプロピレン基である。
そして、少量(例えば、数mL以下)のシランカップリング化合物を入れた容器と親水性処理された基板1とを密封容器に入れて加熱し、前記シランカップリング化合物を蒸発させて基板表面に付着させ、次いで、この基板1を密封容器から取り出して加熱する。するとシランカップリング化合物は基板1上で加水分解反応を起してシラノール基(Si−OH)を生成し、基板表面のOH基と水素結合する。その結果、基板1の表面には緻密な第1の有機分子膜3が形成され、基板1に第1の表面電位が付与される。
尚、このような加水分解基ORとしては、加水分解反応によりシラノール基(Si−OH)を形成すればよく、例えば、メトキシ基(−CHO)やエトキシ基(−CO)を挙げることができる。
一方、有機官能基Xは、無機物の超微粒子との化学結合に寄与するものであり、形成されるべき超微粒子薄膜のゼータ電位の極性に対し逆極性を有する官能基で構成される。すなわち、ゼータ電位が正極性の超微粒子薄膜を形成する場合は、負極性の表面電位を付与する有機官能基、例えば、チオール基(−SH)で構成され、ゼータ電位が負極性の超微粒子薄膜を形成する場合は、正極性の表面電位を付与する有機官能基、例えば、アミノ基(−NH)で構成される。
ここで、負極性の表面電位を付与するシランカップリング化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((OCHSiCSH)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン((OCSiCSH)等を使用することができる。
また、正極性の表面電位を付与するシランカップリング化合物としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン((OCSiCN)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン((OCHSiCN)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン((OCHSiCHNCN)等を使用することができる。
尚、図1(b)(ii)は、基板1に負の表面電位が付与されている場合を示している。
(3)第1の分散溶液作製工程
この工程では、図1(c)に示すように、前記第1の表面電位に対し、逆極性のゼータ電位を有する無機物からなる超微粒子4を分散させた第1の分散溶液5を作製する。
まず、前記第1の表面電位に対し逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子粉末4を作製する。すなわち、第1の表面電位が負極性の場合は、正極性のゼータ電位を有する超微粒子粉末を作製し、第1の表面電位が正極性の場合は、負極性のゼータ電位を有する超微粒子粉末を作製する。ここで、正極性のゼータ電位を有する超微粒子粉末としては、例えば、BaTiO、Ag、Au等が挙げられ、負極性のゼータ電位を有する超微粒子粉末としては、例えば、TiO、SiO等が挙げられる。
そしてこの後、必要に応じて前記超微粒子粉末を湿式で解砕し、有機溶媒で希釈し、これにより超微粒子4が溶液中に分散した第1の分散溶液5を作製する。
例えば、無機物としてBaTiOを使用する場合、BaTiO超微粒子の分散溶液は、以下のようにして作製することができる。
まず、所定濃度に調製されたBa(OH)水溶液に所定量のTiO超微粒子を添加する。そして、加熱下攪拌し、Ba(OH)とTiOとを反応させ、BaTiO超微粒子粉末を沈殿させる。
次いで、BaTiO超微粒子粉末を有機溶媒中に分散させて粉砕機に投入し、BaTiO超微粒子粉末の凝集塊を解砕し、スラリーを得る。そして、このスラリーを有機溶媒で希釈し、これによりBaTiO超微粒子が所定濃度で分散した第1の分散溶液5を作製することができる。
(4)第1の浸漬・引き上げ工程
所謂ディップ法により、基板1の表面に超微粒子薄膜を形成する。
すなわち、図2(d)の矢印Aに示すように、第1の分散溶液5の溶液面5aに対し表面電位の付与面3aが垂直状又は略垂直状となるように基板を浸漬する。
次いで、図2(e)の矢印Bに示すように、垂直状又は略垂直状を維持しつつ、基板1を第1の分散溶液5から上方に引き上げる。基板1の表面電位が、図1(b)(ii)のように負極性の場合は、無機物の超微粒子4は正極性のゼータ電位を有するように構成されるので、超微粒子4は基板1に付着し易い状態にある。そして、この状態で基板1は矢印B方向に引き上げることから、表面張力の作用により、基板1の表面には超微粒子が均一に規則的に配列され、その結果、図2(f)(i)に示すように、基板1の表面には超微粒子薄膜7が形成される。
尚、図2(f)(ii)は、負極性の表面電位が付与された基板1上に、正極性のゼータ電位を有する超微粒子薄膜7が形成された状態を示している。
このように本第1の実施の形態では、基板1とシランカップリング化合物とを接触させて第1の有機分子膜3を基板1の表面に形成し、第1の表面電位を付与する第1の表面電位付与工程と、第1の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子4を分散させた第1の分散溶液5を作製する第1の分散溶液作製工程と、前記第1の表面電位の付与面3aが第1の分散溶液5の溶液面5aに対し垂直状又は略垂直状となるように、基板1を第1の分散溶液5に浸漬し、次いで垂直状又は略垂直状を保持しながら基板1を第1の分散溶液5から引き上げ、第1の有機分子膜3の表面に超微粒子薄膜7を形成する第1の浸漬・引き上げ工程とを含むので、第1の分散溶液5中の超微粒子4は該第1の分散溶液5の表面張力により基板1に均一に整列して付着する。したがって、特許文献1のような煩雑な表面電位制御を行なわなくとも、基板1上には緻密で欠陥のない超微粒子薄膜7を形成することができる。
しかも、第1の表面電位付与工程を実行する前に、紫外線ランプ2を使用して基板1に紫外線照射しているので、基板1は表面が親水化処理されており、したがって、加水分解基ORを有するシランカップリング化合物は、基板1で容易に加水分解反応を起こし、緻密な第1の有機分子膜3を基板上に容易に形成することができ、その後の超微粒子薄膜7の形成を円滑に行なうことができる。
そして、本発明の製造方法は、異なる2種類以上の超微粒子薄膜を基板1上に積層するのに特に有効である。
以下、第2の実施の形態として、斯かる積層膜を形成する場合について詳述する。
図3及び図4は、本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の第2の実施の形態を示す要部製造工程図である。
まず、第1の実施の形態と同様、上記(1)〜(4)の各工程を実施し、基板1の表面に超微粒子薄膜7を形成し、その後、下記(5)〜(8)の各工程を実行する。
(5)第2の親水化処理工程
超微粒子薄膜7の形成された基板1を加熱し、前記第1の浸漬・引き上げ工程で基板1の表面に付着した有機溶媒を蒸発させて除去する。そしてこの後、第1の実施の形態と同様、図3(a)に示すように、紫外線ランプ8を使用し、超微粒子薄膜7の表面に所定時間紫外線を照射し、該超微粒子薄膜7の表面を親水性に処理する。
(6)第2の表面電位付与工程
第1の実施の形態と略同様の方法により、超微粒子薄膜7をシランカップリッグ剤と接触させ、図3(b)(i)に示すように、前記超微粒子薄膜7の表面に第2の有機分子膜9を形成し、第2の表面電位を付与する。
すなわち、超微粒子薄膜7の形成された基板1と少量のシランカップリング化合物を入れた容器とを密封容器に入れて加熱し、前記シランカップリング化合物を蒸発させて超微粒子薄膜7の表面に付着させ、その後、この基板1を密封容器から取り出して加熱し、超微粒子薄膜7の表面で加水分解反応を起こさせる。そして、シランカップリング化合物は、シラノール基(Si−OH)を生成し、超微粒子薄膜表面のOH基と水素結合する。これにより、超微粒子薄膜7の表面には緻密な第2の有機分子膜9が形成され、超微粒子薄膜7に第2の表面電位が付与される。
上述した第1の実施の形態でも、同様の方法で、基板1とシランカップリング化合物とを接触させ、第1の有機分子膜3を形成しているが、この有機分子膜の形成方法は、本第2の実施の形態のように積層膜を作製する場合に特に有効である。
すなわち、第2の有機分子膜9の形成方法としては、特許文献1に記載されているように、超微粒子薄膜7の形成された基板1をシランカップリング化合物に浸漬させて形成することも可能である(浸漬法)。
しかしながら、このような浸漬法で第2の有機分子膜9を形成しようとした場合、長時間の浸漬により、第1の浸漬・引き上げ工程で形成された超微粒子薄膜7が基板1から剥離して脱落すると、緻密で良質な積層膜を得られなくなるおそれがある。
これに対し本第2の実施の形態では、密閉容器内で少量のシランカップリング化合物を加熱蒸発させて超微粒子薄膜7上に付着させ、その後加熱させて加水分解反応を起こさせているので、超微粒子薄膜7が基板1から脱落することもなく、第2の有機分子膜9を形成することができ、緻密で欠陥のない良質の超微粒子積層膜の形成が可能となる。
ここで、シランカップリング化合物としては、第1の実施の形態でも述べたように、第2の有機分子膜9上に形成される超微粒子薄膜のゼータ電位の極性と逆極性となるような有機官能基Xを有するシランカップリング剤が使用される。
図3(b)(ii)は、超微粒子薄膜7の表面に正の表面電位が付与された場合を示している。
(7)第2の分散溶液作製工程
この工程では、図3(c)に示すように、前記第1の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物からなる超微粒子10を分散させた第2の分散溶液11を作製する。
この第2の分散溶液作製工程は、超微粒子の種類が第1の分散溶液作製工程で使用した超微粒子と異なる点を除き、同様の方法で作製することができる。
例えば、無機物としてTiOを使用する場合は、TiO超微粒子粉末を有機溶媒で希釈することにより、TiO超微粒子が所定濃度で分散した第2の分散溶液11を容易に作製することができる。
(8)第2の浸漬・引き上げ工程
第1の実施の形態と略同様、所謂ディップ法により、超微粒子薄膜7の表面に該超微粒子薄膜とは異なる種類の超微粒子薄膜を形成する。
すなわち、図4(d)の矢印Cに示すように、第2の分散溶液11の溶液面11aに対し表面電位の付与面9aが垂直状又は略垂直状となるように基板を浸漬する。
次いで、図4(e)の矢印Dに示すように、基板1を第2の分散溶液11から垂直状又は略垂直状を維持しつつ上方に引き上げる。超微粒子薄膜7の表面電位が、図3(b)(ii)のように正極性の場合は、無機物の超微粒子10は負極性のゼータ電位を有するように構成されるので、超微粒子10は超微粒子薄膜7の表面に付着し易い状態になっている。したがって、基板1を矢印D方向に引き上げることにより、表面張力の作用で超微粒子薄膜7の表面には超微粒子10が均一に規則的に配列され、これにより図4(f)(i)に示すように、超微粒子薄膜7の表面には第2の有機分子膜9を介して超微粒子薄膜12が形成される。
すなわち、基板1を長時間浸漬させることなくディップ法で垂直方向又は略垂直方向に基板1を上下運動させているので、表面張力の作用により、下層側の超微粒子薄膜7が基板1から脱落することもなく、超微粒子薄膜12を形成することができる。
尚、図4(f)(ii)は、正の表面電位が付与された超微粒子薄膜7上に負のゼータ電位を有する超微粒子薄膜12が形成されている状態を示したものである。
このように本第2の実施の形態では、第1の浸漬・引き上げ工程を実行した後、第2の表面電位付与工程、第2の分散溶液作製工程、及び第2の浸漬・引き上げ工程を順次実行し、2種類の異なる超微粒子薄膜7、12を基板1上に積層するので、第2の有機分子膜9や超微粒子薄膜12の形成時に、基板1が長時間浸漬されることもなく、デッィプ法で積層膜が形成されることとなる。したがって、下層側の超微粒子薄膜7が基板1から脱落することもなく、第2の分散溶液11の表面張力を利用して緻密かつ欠陥のない良質の2種類以上の超微粒子薄膜7、12が積層した積層膜を得ることができる。
また、このようにして第2の表面電位付与工程、第2の分散溶液作製工程、及び第2の浸漬・引き上げ工程を繰り返し実行することにより、緻密で良質な異なる種類の超微粒子薄膜を積層することができ、様々な特性が要求される各種電子デバイスや電子部品への応用が可能となる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。超微粒子薄膜を積層形成する場合は、下層側の超微粒子薄膜が基板から脱落するのを防ぐ観点から、上述した方法で行なうのが好ましいが、単層膜を形成する場合や第1層目の薄膜形成については、超微粒子薄膜の基板からの脱落を考慮する必要がなく、第1の有機分子膜3は浸漬法で形成してもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔実施例1〕
上述した実施の形態に従い、基板上にBaTiO/TiOの積層膜を形成し、積層膜の状態を観察した。
〔試料の作製〕
(1)第1の親水化処理
基板として、縦10mm、横15mm、厚み1.5mmのMgO単結晶を用意し、この基板をエタノ−ル中に投入し、超音波洗浄器で10分間洗浄した。次に、この基板をアセントン中に投入し、超音波洗浄器で10分間洗浄し、その後、温度150℃で5分間加熱し、基板表面のアセトンを蒸発させた。
次いで、波長172nmのキセノンエキシマランプを使用して5分間紫外線照射を行い、基板表面が親水性となるように処理した。
(2)第1の表面電位の付与
シランカップリング化合物として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((OCHSiCSH)を用意した。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2mLをビーカに入れ、このビーカと親水性処理をした上記基板とを密封容器中に入れ、閉蓋した。そして、この密封容器を加熱炉に入れ、80℃の温度で10時間加熱した。これにより3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを蒸発させて基板表面に付着させた。
次に、この基板を密封容器から取り出し、120℃の温度で5分間加熱し、基板表面で加水分解反応を起こさせ、これにより緻密な第1の有機分子膜を形成し、第1の表面電位を付与した。この第1の表面電位をケルビンプローブ原子間力顕微鏡(KFM:Kelvin Probe Force Microscopy)で測定したところ、−0.03Vであり、負極性を有することが確認された。
(3)BaTiO分散溶液(第1の分散溶液)の作製
1.0モル/LのBa(OH)水溶液1.0Lに、1.0モルのTiOの微粒子粉末を添加し、80℃以上の温度で1時間攪拌させてBa(OH)とTiOとを反応させ、BaTiO粉末を沈殿させた。
次いで、このBaTiO粉末をトルエン等の有機溶剤中に分散させ、ビ−ズミルを使用してBaTiO粉末の凝集塊を解砕し、濃度が100g/Lの結晶微粒子スラリーを得た。さらに、このスラリーを希釈し、濃度が1g/LのBaTiO結晶微粒子が分散したBaTiO分散溶液を得た。
次に、マルバ−ン社製ゼ−タサイザ−ナノシリ−ズ(商品名:Nano-ZS)を用い、BaTiO分散溶液の粒度分布を動的光散乱法で測定し、さらに、BaTiO分散溶液のゼ−タ電位を電気泳動法で測定した。
図5は、BaTiO分散溶液の粒度分布を示している。横軸が粒径(nm)、縦軸は強度(%)である。
この図5から明らかなように、BaTiO超微粒子粉末は粒径が15nm〜200nm範囲で分散溶液中をシャープに単分散していることが分かった。また、平均粒径は45.6nm、平均ゼ−タ電位は+44mVであった。
(4)BaTiO超微粒子薄膜の形成
SDI社製ディップコ−タ(ND-0407)を使用し、第1の有機分子膜が形成された基板の表面にBaTiOからなる超微粒子薄膜を形成した。すなわち、前記基板の表面電位付与面がBaTiO分散溶液の溶液面と垂直状となるように基板をBaTiO分散溶液に浸漬し、次いで、10μm/secの引き上げ速度で基板をBaTiO分散溶液から上方に引き上げ、BaTiO超微粒子薄膜を基板の表面に形成した。
(5)第2の親水化処理
BaTiO超微粒子薄膜の形成された基板を150℃の温度で30分間加熱し、基板に付着しているトルエン等の有機溶剤を蒸発させて除去した。次いで、波長172nmのキセノンエキシマランプを使用して5分間紫外線照射を行い、BaTiO超微粒子薄膜の表面が親水性となるように処理した。
(6)第2の表面電位の付与
シランカップリング化合物として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン((OCSiCN)を用意した。
そして、3−アミノプロピルトリエトキシシラン2mLをビーカに入れ、このビーカと親水性処理をした上記基板とを密封容器中に入れ、閉蓋した。そして、この密封容器を加熱炉に入れ、80℃の温度で10時間加熱した。そして、これによりアミノプロピルトリエトキシシランが蒸発して基板表面に付着した。
次に、基板を密封容器から取り出し、120℃の温度で5分間加熱し、BaTiO超微粒子薄膜の表面で加水分解反応させ、これにより緻密な第2の有機分子膜を形成し、第2の表面電位を付与した。第1の表面電位と同様の方法で第2の表面電位を測定したところ、+3.42Vであり、正極性を有することが確認された。
(7)TiO分散溶液の作製
長瀬産業社製TiOの分散溶液(商品名:nsol-101-5k(濃度:5%、溶媒:メチルエチルケトン))を濃度が1%になるようにメチルエチルケトンで希釈し、TiO超微粒子が分散したTiO分散溶液(第2の分散溶液)を調製した。
このTiO分散溶液について、BaTiO分散溶液と同様の方法で粒度分布、及びゼ−タ電位を測定した。
図6は、TiO分散溶液の粒度分布を示している。横軸が粒径(nm)、縦軸は強度(%)である。
この図6から明らかなように、TiO超微粒子粉末は4nm程度から300nm程度の広範囲に分布していることが分かった。また、平均粒径は30nmであり、平均ゼ−タ電位は−30.2mVであった。
(8)TiO超微粒子薄膜の形成
上述したSDI社製ディップコ−タ(型番:ND-0407)を使用し、10μm/secの引き上げ速度でもって、第2の有機分子膜が形成されたBaTiO超微粒子薄膜の表面にTiO超微粒子薄膜を形成し、これにより実施例1の試料を作製した。
〔試料の観察〕
実施例1の試料の断面をFIB(Focused Ion Beam)加工し、TEM(Transmission Electron Microscope;透過型電子顕微鏡)で観察した。
図7は倍率5万倍で撮像した積層膜断面のTEM像であり、図8は倍率30万倍で撮像した積層膜断面のTEM像である。
また、図9は、BaTiO超微粒子薄膜とTiO超微粒子薄膜の接触界面を高分解能で撮像したTEM像である。
図7〜図9から明らかなように、ナノメートルレベルの異なる種類の超微粒子を有する緻密で欠陥がなく界面密着性の優れた積層膜を得ることができることが分かった。
〔実施例2〕
上述した実施の形態に従い、基板上にAg/TiO/Agの積層膜を形成し、積層膜の状態を観察した
〔試料の作製〕
〔第1層膜の作製〕
〔実施例1〕と同様の方法で、MgO単結晶基板に第1の親水化処理を行ない、第1の表面電位を付与した。
次いで、溶媒にトルエンを使用し固形分が60重量%に調製された戸田工業社製ナノシルバ分散体(商品名:KPAG−TL01MS/F2)を用い、濃度が1%となるようにトルエンで希釈し、Ag超微粒子が分散したAg分散溶液を作製した。
このAg分散溶液について、〔実施例1〕と同様の方法で粒度分布を測定した。
図10は、Ag分散溶液の粒度分布を示している。横軸が粒径(nm)、縦軸は強度(%)である。
この図10から明らかなように、Ag超微粒子粉末は5nm〜20nm程度の範囲で分布していることが分かった。また、平均粒径は10nmであった。
次いで、〔実施例1〕と同様、SDI社製ディップコ−タ(型番:ND-0407)を使用し、10μm/secの引き上げ速度でもって、第1の有機分子膜が形成された基板の表面にAg超微粒子薄膜を形成した。
〔第2層膜の作製〕
Ag超微粒子薄膜の形成された基板に対し、〔実施例1〕と同様の方法・手順で親水化処理を行ない、その後、アミノプロピルトリエトキシシランを使用してAg超微粒子薄膜の表面に表面電位を付与した。
また、〔実施例1〕と同様の方法でTiO分散溶液を作製した。
そして、上述したSDI社製ディップコ−タ(型番:ND-0407)を使用し、10μm/secの引き上げ速度でもって、第2の有機分子膜が形成されたAg超微粒子薄膜の表面にTiO超微粒子薄膜を積層した。
〔第3層膜の作製〕
TiO超微粒子薄膜の形成された基板に対し、上述と同様の方法・手順で親水化処理を行ない、その後、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを使用して第2の有機分子膜を形成し、TiO超微粒子薄膜に表面電位を付与した。
次いで、第1層膜形成時に作製したAg分散溶液を使用し、上述と同様の方法・手順でTiO超微粒子薄膜の表面にAg超微粒子薄膜を積層し、これにより実施例2の試料を作製した。
〔試料の観察〕
〔実施例1〕と同様、実施例2の試料の断面をFIB加工し、TEMで観察した。
図11は倍率60万倍で撮像した積層膜断面のTEM像である。
この図11から明らかなように、積層数を増やして、異なる種類の超微粒子薄膜を積層した場合であっても、緻密で欠陥がなく界面密着性の優れた積層膜を得ることができることが分かった。
〔比較例〕
第1及び第2の有機分子膜、BaTiO超微粒子薄膜及びTiO超微粒子薄膜を、浸漬法で形成し、これにより基板上にBaTiO/TiOの積層膜を形成し、積層膜の状態を観察した。
まず、〔実施例1〕と同様の方法で、基板の親水化処理を行なった。
次に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが1vol%となるようにトルエンで調合し、シランカップリング化合物溶液を作製した。
次いで、親水化処理された基板をシランカップリング化合物溶液に投入して60分間浸漬した。その後、基板をシランカップリング化合物溶液から取り出し、120℃の温度で5分間加熱して、基板表面で加水分解反応を起こさせて、緻密な第1の有機分子膜を形成した。表面電位を測定したところ、〔実施例1〕と同様、−0.03Vであった。
次いで、〔実施例1〕と同様の方法でBaTiO分散溶液を作製した。
そして、第1の有機分子膜が形成された基板をBaTiO分散溶液に投入して60分間浸漬し、その後、基板をBaTiO分散溶液から取り出し、0℃の環境下で72時間ゆっくりと乾燥させ、基板表面にBaTiO超微粒子薄膜を形成した。
次いで、BaTiO超微粒子薄膜が形成された基板を150℃の温度で30分間加熱し、BaTiO超微粒子薄膜の表面に残存しているトルエンやエタノ−ルを蒸発させ、BaTiO超微粒子薄膜の表面に紫外線を照射して親水化処理した。
次いで、アミノプロピルトリエトキシシランが1vol%となるようにトルエンで調合し、シランカップリング化合物溶液を作製した。
次いで、BaTiO超微粒子薄膜の表面を親水化処理した基板をシランカップリング化合物溶液に投入して60分間浸漬した。そして、基板をシランカップリング化合物溶液から取り出し、120℃の温度で5分間加熱し、基板表面で加水分解反応を起こさせて、緻密な第2の有機分子膜を形成した。そして、表面電位を測定したところ、〔実施例1〕と同様、+3.42Vであった。
次いで、上記〔実施例1〕と同様にして得られたTiO分散溶液に、前記第2の有機分子膜が形成された基板を投入して60分浸漬し、その後、基板をTiO分散溶液から取り出し、0℃の環境下で72時間ゆっくりと乾燥させ、BaTiO超微粒子薄膜の表面にTiOを形成し、比較例試料を得た。
〔試料の観察〕
得られた比較例試料の断面をTEMで観察したが、第1層となるべきBaTiO超微粒子が殆ど存在せず、TiO超微粒子のみが確認された。これは第2の有機分子膜やTiO超微粒子薄膜を形成する際に、数回に亙って試料を長時間漬したため、BaTiO超微粒子が基板上から脱落したためと考えられる。
本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の一実施の形態(第1の実施の形態)の製造工程図(1/2)である。 本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の一実施の形態(第1の実施の形態)の製造工程図(2/2)である。 本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の第2の実施の形態の要部製造工程図(1/2)である。 本発明に係る超微粒子薄膜の製造方法の第2の実施の形態の要部製造工程図(2/2)である。 実施例1で使用したBaTiO超微粒子の粒度分布を示す図である。 実施例1で使用したTiO超微粒子の粒度分布を示す図である。 実施例1の積層膜断面を倍率5万倍で撮像したTEM像である。 実施例1の積層膜断面を倍率30万倍で撮像したTEM像である。 実施例1の積層膜断面を高分解能で撮像したTEM像である。 実施例2で使用したAg超微粒子の粒度分布を示す図である。 実施例2の積層膜断面を倍率60万倍で撮像したTEM像である。
符号の説明
1 基板
3 第1の有機分子膜
3a 電位付与面
4 超微粒子粉末
5 第1の分散溶液
5a 溶液面
7 超微粒子薄膜
9 第2の有機分子膜
9a 電位付与面
10 超微粒子粉末
11 第2の分散溶液
11a 溶液面
13 超微粒子薄膜

Claims (6)

  1. 基板とシランカップリング化合物とを接触させて第1の有機分子膜を前記基板の表面に形成し、第1の表面電位を付与する第1の表面電位付与工程と、
    前記第1の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子を分散させた第1の分散溶液を作製する第1の分散溶液作製工程と、
    前記第1の表面電位の付与面が前記第1の分散溶液の溶液面に対し垂直状又は略垂直状となるように、前記基板を前記第1の分散溶液に浸漬し、次いで前記垂直状又は略垂直状を保持しながら前記基板を前記第1の分散溶液から引き上げ、前記第1の有機分子膜の表面に超微粒子薄膜を形成する第1の浸漬・引き上げ工程とを含むことを特徴とする超微粒子薄膜の製造方法。
  2. 前記第1の表面電位付与工程を実行する前に、前記基板の表面に紫外線を照射することを特徴とする請求項1記載の超微粒子薄膜の製造方法。
  3. 前記基板上の前記超微粒子薄膜とシランカップリング化合物とを接触させて第2の有機分子膜を前記超微粒子薄膜の表面に形成し、第2の表面電位を付与する第2の表面電位付与工程と、
    前記第2の表面電位とは逆極性のゼータ電位を有する無機物の超微粒子を分散させた第2の分散溶液を作製する第2の分散溶液作製工程と、
    前記第2の表面電位の付与面が前記第2の分散溶液の溶液面に対し垂直状又は略垂直状となるように、前記超微粒子薄膜が形成された基板を前記第2の分散溶液に浸漬し、前記垂直状又は略垂直状を保持しながら前記基板を前記第2の分散溶液から引き上げ、前記第2の有機分子膜の表面に超微粒子薄膜を形成する第2の浸漬・引き上げ工程とを含み、
    前記第1の浸漬・引き上げ工程を実行した後、前記第2の表面電位付与工程、前記第2の分散溶液作製工程、及び前記第2の浸漬・引き上げ工程を1回以上順次実行し、少なくとも2種類以上の異なる超微粒子薄膜を前記基板上に積層することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超微粒子薄膜の製造方法。
  4. 前記第2の表面電位付与工程は、前記シランカップリング化合物を蒸発させて前記超微粒子薄膜の表面に付着させた後、加水分解反応を生じさせて前記第2の有機分子膜を形成することを特徴とする請求項3記載の超微粒子薄膜の製造方法。
  5. 前記第2の表面電位付与工程を実行する前に、前記基板上の前記超微粒子薄膜の表面に紫外線を照射することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の超微粒子薄膜の製造方法。
  6. 前記シランカップリング化合物は、チオール基及びアミノ基のうちのいずれか一方を含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超微粒子薄膜の製造方法。
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