JP5277965B2 - ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品 - Google Patents

ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品 Download PDF

Info

Publication number
JP5277965B2
JP5277965B2 JP2008551146A JP2008551146A JP5277965B2 JP 5277965 B2 JP5277965 B2 JP 5277965B2 JP 2008551146 A JP2008551146 A JP 2008551146A JP 2008551146 A JP2008551146 A JP 2008551146A JP 5277965 B2 JP5277965 B2 JP 5277965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose derivative
crosslinked cellulose
degree
absorption inhibitor
functional group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008551146A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008078797A1 (ja
Inventor
一平 山岡
尚之 吉田
和史 石田
修治 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
JNC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp filed Critical JNC Corp
Priority to JP2008551146A priority Critical patent/JP5277965B2/ja
Publication of JPWO2008078797A1 publication Critical patent/JPWO2008078797A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5277965B2 publication Critical patent/JP5277965B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/715Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • A61K31/716Glucans
    • A61K31/717Celluloses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/12Drugs for disorders of the metabolism for electrolyte homeostasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B11/00Preparation of cellulose ethers
    • C08B11/02Alkyl or cycloalkyl ethers
    • C08B11/04Alkyl or cycloalkyl ethers with substituted hydrocarbon radicals
    • C08B11/10Alkyl or cycloalkyl ethers with substituted hydrocarbon radicals substituted with acid radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B15/00Preparation of other cellulose derivatives or modified cellulose, e.g. complexes
    • C08B15/005Crosslinking of cellulose derivatives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B5/00Preparation of cellulose esters of inorganic acids, e.g. phosphates
    • C08B5/14Cellulose sulfate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L1/00Compositions of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
    • C08L1/08Cellulose derivatives
    • C08L1/16Esters of inorganic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L1/00Compositions of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
    • C08L1/08Cellulose derivatives
    • C08L1/26Cellulose ethers
    • C08L1/28Alkyl ethers
    • C08L1/284Alkyl ethers with hydroxylated hydrocarbon radicals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

本発明はナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにその用途に関し、更に詳しくはそれぞれ過剰摂取等されたナトリウム、カリウムまたはリンの消化管内での吸収を阻害することにより、ナトリウム、カリウムまたはリンの糞中への排泄を促進させる作用に優れたナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにその医薬又は食品への利用に関する。
厚生省発行の国民栄養調査成績によると昭和50年以降毎年日本人が1日に摂取した食塩は11.5g以上であり、特に平成5年は12.8gであった。一方、1日の食塩摂取量と高血圧症の発生率との間には相関関係があることから、高血圧症の発生、ひいては脳卒中等の発生を防止すべく、厚生省では1日の食塩摂取量を10g以下にするよう推奨している。米国においても、日本同様に1日の食塩摂取量を制限しており、米国合同委員会勧告案は、高血圧症患者の1日の食塩摂取量を6g以下にするよう唱えている。
また、食塩摂取量と胃癌による死亡率との間にも相関関係があるといわれており、食塩摂取量の多い地域例えば富山市、弘前市等では、胃癌による死亡率が高く、反対に食塩摂取量の少ない地域例えば別府市、沖縄市等では、胃癌による死亡率が低いというデータも得られている。
アルギン酸塩などの食物繊維がある程度のナトリウムイオン吸着能を有することが報告されている(非特許文献1)が、その吸着能は未だ十分満足できるものではなかった。
この様に食塩が体内に過剰に存在すると、人体に悪影響を及ぼすことから、食塩の体内への吸収を有効に阻害し、過剰に存在する食塩を体外へ排泄する新しい技術の開発が待ち望まれている。
このような技術として、ナトリウム以外の金属によるセルロース誘導体の金属塩が提案されている(特許文献1)。
一方、セルロースの保水性を改質するための技術として、硫酸基導入後、得られた硫酸セルロースを架橋する技術が報告されている(非特許文献2、特許文献2)。
また、架橋セルロースに官能基を導入する技術として、ピリジン中でHClO3Sと反応させる技術が報告されている(非特許文献3)。
国際公開第01/051063号パンフレット 特表2003−520302号公報 日本家政学会誌、1988年、Vol.39、No.3、p.187−195 荒井健一郎、郷田英樹、「高度吸水性材料としての架橋硫酸セルロースナトリウム」、SEN−I GAKKAISHI、1993年、第49巻、第9号、p.482−485 J.PASTYR、L.KUNIAK、「PREPARATION AND PROPERTIES OF A CELLULOSE SULFATE CATION−EXCHANGER BASED ON POWDERED CROSS−LINKED CELLULOSE」、CELLULOSE CHEMISTRY AND TECHNOLOGY、1972年、6、p.249−254
しかしながら、特許文献1の技術は、消化管への障害、特に腸管壁を傷つけることによる出血傾向が認められ、ひいては極端な貧血を起こす場合があることが分かってきた。
従って、本発明の目的は、過剰摂取した食塩を積極的かつ安全に体外へ排泄させることのできる、ナトリウム吸収阻害剤、及び食塩過剰摂取に起因する疾患又は食塩摂取制限を必要とする疾患の予防及び治療剤、並びに食品を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討を重ねた結果、架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)が、ナトリウム吸収阻害能に優れ、かつ消化管障害/貧血を軽減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、架橋セルロース誘導体は、カリウム以外の金属による塩とすることによって、カリウム吸収阻害能に優れ、かつ消化管障害/貧血が軽く、食品および医薬に利用できることも見出した。
さらに、架橋セルロース誘導体の金属塩は、リン吸収阻害能に優れ、かつ消化管障害/貧血が軽く、食品および医薬に利用できることも見出した。
すなわち本発明は、下記のナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにナトリウム、カリウムおよびリンの、過剰摂取に起因する疾患又はこれらの摂取制限を必要とする疾患の予防剤、治療剤および食品を提供するものである。
[1] 下記一般式(I)で表される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするナトリウム吸収阻害剤。
R−O−A (I)
{式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
[2] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であることを特徴とする前記[1]記載のナトリウム吸収阻害剤。
[3] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする前記[1]記載のナトリウム吸収阻害剤。
[4] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする前記[1]記載のナトリウム吸収阻害剤。
[5] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする前記[1]記載のナトリウム吸収阻害剤。
[6] 官能基aが、下記一般式(II)〜(V)で表される基から選択されることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載のナトリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
{式(II)〜(V)中、alkは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0または1を表し、nは0〜2の整数を表す。}
[7] 官能基aが、下記一般式(II−1)、(II−2)、(III−1)〜(III−5)、(IV−1)、(V−1)および(V−2)から選択されることを特徴とする前記[6]記載のナトリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[8] 複数種の官能基aの組み合わせが、下記(c−1)〜(c−3)のいずれかであることを特徴とする前記[7]記載のナトリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[9] 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載のナトリウム吸収阻害剤。
[10] 前記架橋セルロース誘導体が架橋剤としてエピクロロヒドリンを用いて製造されたことを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれかに記載のナトリウム吸収阻害剤。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とする食塩過剰摂取に起因する疾患又は食塩摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
[12] 前記[1]〜[10]のいずれかに記載のセルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を含有することを特徴とする食品。
[13] 下記一般式(I)で表される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするカリウム吸収阻害剤。
R−O−A (I)
{式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
[14] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であることを特徴とする前記[13]記載のカリウム吸収阻害剤。
[15] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする前記[13]記載のカリウム吸収阻害剤。
[16] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする前記[13]記載のカリウム吸収阻害剤。
[17] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする前記[13]記載のカリウム吸収阻害剤。
[18] 官能基aが、下記一般式(II)〜(V)で表される基から選択されることを特徴とする前記[13]〜[17]のいずれかに記載のカリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
{式(II)〜(V)中、alkは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0または1を表し、nは0〜2の整数を表す。}
[19] 官能基aが、下記一般式(II−1)、(II−2)、(III−1)〜(III−5)、(IV−1)、(V−1)および(V−2)から選択されることを特徴とする前記[18]記載のカリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[20] 複数種の官能基aの組み合わせが、下記(c−1)〜(c−3)のいずれかであることを特徴とする前記[19]記載のカリウム吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[21] 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする前記[13]〜[20]のいずれかに記載のカリウム吸収阻害剤。
[22] 前記架橋セルロース誘導体が架橋剤としてエピクロロヒドリンを用いて製造されたことを特徴とする前記[13]〜[21]のいずれかに記載のカリウム吸収阻害剤。
[23] 前記[13]〜[22]のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするカリウム過剰摂取に起因する疾患又はカリウム摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
[24] 前記[13]〜[22]のいずれかに記載のセルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を含有することを特徴とする食品。
[25] 下記一般式(I)で表される架橋セルロース誘導体の金属塩を有効成分とすることを特徴とするリン吸収阻害剤。
R−O−A (I)
{式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
[26] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であることを特徴とする前記[25]記載のリン吸収阻害剤。
[27] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする前記[25]記載のリン吸収阻害剤。
[28] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする前記[25]記載のリン吸収阻害剤。
[29] 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする前記[25]記載のリン吸収阻害剤。
[30] 官能基aが、下記一般式(II)〜(V)で表される基から選択されることを特徴とする前記[25]〜[29]のいずれかに記載のリン吸収阻害剤。
Figure 0005277965
{式(II)〜(V)中、alkは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0または1を表し、nは0〜2の整数を表す。}
[31] 官能基aが、下記一般式(II−1)、(II−2)、(III−1)〜(III−5)、(IV−1)、(V−1)および(V−2)から選択されることを特徴とする前記[30]記載のリン吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[32] 複数種の官能基aの組み合わせが、下記(c−1)〜(c−3)のいずれかであることを特徴とする前記[31]記載のリン吸収阻害剤。
Figure 0005277965
[33] 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする前記[25]〜[32]のいずれかに記載のリン吸収阻害剤。
[34] 前記架橋セルロース誘導体が架橋剤としてエピクロロヒドリンを用いて製造されたことを特徴とする前記[25]〜[33]のいずれかに記載のリン吸収阻害剤。
[35] 前記[25]〜[34]のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩を有効成分とすることを特徴とするリン過剰摂取に起因する疾患又はリン摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
[36] 前記[25]〜[34]のいずれかに記載のセルロース誘導体の金属塩を含有することを特徴とする食品。
(a)<有用性に関する試験1>における、架橋型硫酸化セルロースカルシウム塩の糞便Na排泄効果の結果を平均値±標準偏差で示した図である。 (b)<参考試験>における、非架橋型硫酸化セルロースカルシウム塩の糞便Na排泄効果の結果を平均値±標準偏差で示した図である。 <有用性に関する試験1>における、架橋型硫酸化セルロースカルシウム塩の糞便K排泄効果の結果を平均値±標準偏差で示した図である。 <有用性に関する試験1>における、架橋型硫酸化セルロースカルシウム塩の糞便P排泄効果の結果を平均値±標準偏差で示した図である。
本発明に用いられる誘導体は、架橋工程と官能基導入工程とを含む製造方法によって製造することができる。架橋工程後に官能基導入工程を行うことが官能基の安定性の点から好ましい。すなわち、セルロースを架橋剤によって架橋して架橋セルロースを得る架橋工程、および該架橋セルロースの架橋に用いられなかった残りの水酸基の一部又は全部における水素原子を陽イオン交換能を有する官能基aで置換する官能基導入工程により得ることが好ましい。
セルロースとしては、公知の種々のセルロースを用いることができ、その分子量も特に限定されないが、重合度が均質化されて一定幅である、結晶性セルロース(日本薬局方掲載)が好ましい。
架橋工程は、セルロースに対して、架橋剤を反応させることによって行うことができる。本発明に用いられる架橋剤としては、グリオキザール、ジアルデヒドでんぷん、ポリアクロレインなどのアルデヒド類、N−メチロールメラミン、トリメチロールメラミンなどのメチロール化合物、ジビニルスルホンなどの活性ビニル化合物、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ブタン、1,4−ビスグリシドキシブタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)エチレン、1,−(2,3−エポキシプロピル)−2,3−エポキシシクロヘキサンなどのエポキシ化合物、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アスパラギン酸、グルタル酸、トリカルバリル酸、ブタンテトラカルボン酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−マレイン酸共重合物などのポリカルボン酸、ジイソシアネート化合物、オキシラニルメタノール、N−エチルビス(2−クロロエチル)アミン、メチルビニルジアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、4,5−ジヒドロキシエチレン尿素、ジビニルスルホン、が挙げられ、好ましくは、ハロヒドリン類、グリシジルエーテル類、エポキシアルカン類などのエポキシ化合物であり、特に好ましくは、エピクロロヒドリンである。
これらの架橋剤は、2種以上を用いることもできる。
上記架橋剤の使用量は、セルロース100重量部に対して、0.1〜500重量部、好ましくは、100〜300重量部である。さらに好ましくは、150〜200重量部である。これらの範囲内にあれば、十分な架橋が得られ、さらに未反応物が残らないため、有用である。
本発明において、上記架橋剤による架橋反応を円滑に進める目的で、該架橋剤の種類に応じ適宜架橋反応触媒を用いることが出来る。該架橋反応触媒としては、例えば架橋剤がポリカルボン酸である場合は、リン酸、次亜リン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸化合物、硫酸、塩酸などの無機酸、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、チタン化合物などが挙げられ、また、架橋剤としてエポキシ化合物を使用する場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性化合物、1級アミン、2級アミン、3級アミンなどのアミン類、四級アンモニウム塩、イミダゾール化合物、アルコール類や水などが挙げられる。
上記架橋反応触媒の使用量は、上記架橋剤100重量部に対して、1〜200重量部で、好ましくは、80〜150重量部である。
上記セルロースを上記架橋剤により架橋させる方法としては特に制限されないが、例えば特開昭63−54160号公報に記載されている方法などが挙げられる。具体的には、セルロースに架橋剤水溶液を含浸後、脱水し、高温で乾燥させる乾式架橋による方法、上記セルロースを架橋剤水溶液中で架橋させる水溶液架橋法、など多くの方法があるが、好ましくは、二層系で架橋剤とセルロースを架橋反応触媒水溶液中で激しく攪拌して架橋させる二層系架橋法がより好ましい。
架橋セルロースの架橋は、何れの位置であってもよく、また、一つのセルロース中での架橋であっても、セルロースどうしの架橋であってもよい。
本発明に用いられる架橋セルロース誘導体の金属塩の架橋度は、0.01以上であることが好ましい。
架橋度は以下の様に算出することができる。
ここでは、反応に用いるセルロースが分子量39000(平均重合度240)、架橋剤としてエピクロロヒドリンを用いる場合を例として説明する。
エピクロロヒドリンにより、セルロースの糖鎖に対し、下記構造式のように架橋構造部分が増加する。この増加する部分の分子量は56である。
Figure 0005277965
架橋前のセルロースの仕込量と架橋後の架橋セルロースの重量が、含水分(分析値)を差し引いた値で、4%増加していた場合、セルロースの分子量が39000であることから、
39000×0.04=1560、
増加する分子構造部分の分子量が56であることから、
1560÷56≒28
という計算から、架橋構造部分は、約28モルと算出される。即ち、架橋/セルロースの比は、28/1となる。
これを糖の水酸基1個あたりに換算すると、
セルロース1モルにはグルコースが240個(平均重合度)あり、グルコース単位当たり水酸基が3個あることから、セルロース1モル当たりの水酸基数は、
240×3=720
であり、架橋構造部分との比は、上記のとおり28/1であるから、
28/720=0.039
と算出される。即ち、水酸基1個当たり0.039個であり、この0.039を上記の例の架橋セルロースの「架橋度」として定義することが出来る。
架橋度は、前記したとおり、0.01以上であることが好ましい。0.01以上0.30以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.03以上0.20以下である。
架橋度を制御するには、セルロースに対する官能基を活性化させるための塩基或いは酸の投与量と架橋剤の投与量の比で行うことができる。また、固液反応であることから、用いる溶剤の種類によって、また、溶剤が二種以上の場合はその比率によっても制御することが可能である。架橋度を好ましい範囲に制御するには、セルロースに対する官能基を活性化させるための塩基或いは酸の投与量と架橋剤の投与量の比で主に行うことが好ましい。
例えば架橋剤がエピクロロヒドリンの場合、水酸基が官能基であることから、塩基として水酸化ナトリウムを用いるが、エピクロロヒドリンと水酸化ナトリウムの比を一定とした場合、セルロースに対してエピクロロヒドリンの量比を増加するに従って架橋度は高くなる。ただし、水酸化ナトリウムがセルロースに対して大過剰であったり、水酸化ナトリウム水溶液濃度が高い場合には、セルロースの分解反応も平行して進行する恐れがあり、必ずしも架橋度の向上には繋がらない。
また、用いる溶剤に極性溶媒、例えばメタノールやイソプロピルアルコールのようなものを大量に用いた場合にはセルロースの分解(低分子化)が進み、架橋度は上がるものの回収率の低下が起こる可能性がある。
発明者らが鋭意研究した結果、エピクロロヒドリンと水酸化ナトリウムの量比(モル換算)は、エピクロロヒドリン/水酸化ナトリウムが、1/2〜1/4が好ましく、更に好ましくは1/2.3〜1/3.2である。さらにセルロースとの量比で表すと、セルロース/水酸化ナトリウム/エピクロロヒドリンが、1/6/3〜1/20/5、さらに好ましくは1/7/3〜1/16/5である。
そして用いる溶媒は、n−へプタン/メタノール/水や、n−ヘプタン/イソプロピルアルコール/水などの三相系や、n−ヘプタン/水系などの二相系で、非極性溶媒と極性溶媒(水のみ、またはアルコール系)があるが、n−ヘプタン/水がさらに好ましい。
さらには、架橋剤を分割して、すなわち、小分けにして投与回数を増やすことにより、架橋反応に使われずに加水分解する架橋剤の量を抑制し、より架橋度を上げることができる。また、例えば、攪拌速度を上げる、攪拌羽の形状を変える、バッフルを追加する、反応スケールを小さくするなどして、攪拌効率を上げることにより、より架橋度を上げることができる。
本発明に用いられる架橋セルロース誘導体の金属塩は、セルロースに架橋と官能基が導入された金属塩である。該架橋セルロース誘導体は、下記一般式(I)で表される。
R−O−A (I)
{式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
上記陽イオン交換能を有する官能基aとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基等を有する基が挙げられ、好ましくは下記一般式(II)〜(V)で表される基が挙げられる。
Figure 0005277965
{式(II)〜(V)中、alkは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0または1を表し、nは0〜2の整数を表す。}
本発明に用いられる架橋セルロース誘導体は、陽イオン交換能を有する官能基aで置換されたセルロースエーテルであり、セルロース誘導体に置換される陽イオン交換能を有する官能基aは一種でもよいし、二種以上でもよい。
好ましい官能基aとして、下記のものを挙げることができる。
Figure 0005277965
また、前記したように本発明に用いられる架橋セルロース誘導体(I)は、二種以上の陽イオン交換能を有する官能基aを有していてもよく、例えば下記(c−1)〜(c−3)に示す組み合わせからなる異種の陽イオン交換能を有する官能基によって構成されているセルロース誘導体が好ましい。
Figure 0005277965
また、上記式(IV)または(V)で表されるホスホン酸基またはリン酸基を有する基は、該官能基中に水酸基が少なくとも1つ存在していればよく、該ホスホン酸基またはリン酸基中の水酸基は、必要に応じてアルコキシ基、ホスホン酸基、チオール基等により置換されていてもよい。具体的には、下記に示すような基も本発明の陽イオン交換能を有する官能基aに含まれる。
Figure 0005277965
前記したとおり、官能基導入工程は架橋工程後に行うことが好ましい。
官能基導入工程が硫酸化を含む場合、官能基導入工程を架橋工程後に行うことがより好ましい。例えば、官能基aが前記一般式(III)の骨格の場合、セルロースの水酸基に、硫酸基を導入する硫酸化剤としては、濃硫酸、発煙硫酸、無水硫酸、無水硫酸/DMF錯体、無水硫酸/ピリジン錯体、無水硫酸/トリエチルアミン錯体、クロロスルホン酸などが挙げられるが、好ましくは、無水硫酸/DMF錯体を用いる。
しかしながら、官能基aが、前記一般式(II)の骨格の場合、既存のセルロース誘導体、6−ヒドロキシエチルセルロースや、6−ヒドロキシプロピルセルロースを出発物質に用いる場合は、官能基導入工程が官能基変換(この場合、酸化反応)を含むことが好ましく、官能基導入工程の後に架橋工程を行うのが好ましい。
硫酸化された架橋セルロースは、未反応架橋剤およびその誘導体を溶媒とともに除去した後、例えば予め添加してある塩化カルシウムにより、直接金属塩となるか、或いはメタノール、又はイソプロパノールなどのアルコールと無機塩を加えて後激しく攪拌することによって金属塩を得ることが出来る。また、一旦カルシウム塩を製造した後に無機塩による置換反応にて金属塩を得ることもできる。
金属塩を形成する金属としては、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、鉄等の金属を用いることができる。中でも、イオン交換効率の点、血中や体内に放出されても許容される点から、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄が好ましい。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩は、前述したように、ナトリウム以外の金属による塩とすることによって、ナトリウム吸収阻害剤とすることができ、カリウム以外の金属による塩とすることによって、カリウム吸収阻害剤とすることができる。これはイオン交換能によるものと考えられる。また、架橋セルロース誘導体は、リン吸収阻害剤として用いることができる。さらに本発明に用いられる架橋セルロース誘導体の金属塩は、消化管への障害を抑えることが可能であり、これは架橋によるものと考えられる。
ここで、本発明におけるリン吸収阻害剤の作用を、説明のために金属塩の金属としてカルシウムを例にとって説明するが、本発明はこれに限られない。経口によって、通常は食物に含まれるリンが消化管を通って腸管内に至ると、腸管内は一般にアルカリ傾向であり、リンはその多くがHPO4 2-として存在し易いものと考えられる。架橋セルロース誘導体のカルシウム塩は、カルシウムが、例えば腸管内に存在するナトリウムと置換してカルシウムイオン(Ca2+)を遊離し、遊離したCa2+とHPO4 2-とが不溶性の塩を形成し、体内に吸収されること無く、体外に排出されるものと思われる。
置換度は元素分析値を元に以下の様に算出することができる。
官能基aの置換度(n)は、元素分析の対象となる元素の元素分析値(Y)とその原子量(y)および原子価(m)から下記式により求めることができる。
n=162Y÷{y/m−((官能基a部分の分子量)−(水素1個分)に相当する値)Y}
以下、各一般式における置換度(n)の算出について、具体的に説明する。
ここで、官能基aが前記一般式(III)の骨格の場合の置換度の算出について説明する。一例として、一般式(III)におけるmが0である場合のカルシウム塩”−SO3Ca1/2”の場合を例として算出方法を説明する。まず架橋していないセルロースに対する置換度は、セルロースの一単位であるグルコース骨格の分子量を162として算出する。セルロースにおいて、一級水酸基一カ所が−SO3Ca1/2に置き換わった場合、すなわち置換度1の場合には、分子量は、
{(無水硫酸分1個)+(Ca1/2)−(水素)}=99
が増加した261となり、Sの元素分析値を計算すると、
32/261=約12%
となる。置換度が2の場合には、分子量は、360に増加し、Sの元素分析値は、
64/360=約17.8%
になる。すなわち、Sの元素分析値をYとし、置換度をnとすると、
Y=32n÷(162+99n)
であるから、
n=162Y÷(32−99Y)
となる。この式を用いて、Sの元素分析値(Y)から置換度(n)が算出できる。たとえば、Sの元素分析値が18%の場合、置換度に換算すれば、約2.1となる。架橋セルロースの場合には、架橋の度合いを加味して算出する。例えば、架橋の構造がエピクロロヒドリンから得られる2−ヒドロキシ−1,3−エーテル骨格の場合、グルコース骨格と架橋構造部分の分子量と、架橋の割合を加味して算出することができる。
例えば、架橋度が後述する定義による0.1であったとすると、架橋構造部分(C34O)の分子量は、56であるから、グルコース骨格1個あたりでは(0.1×720×56÷240=)16.8となる。即ち、架橋セルロースの一単位あたりの分子量は、(162+16.8=)178.8となる。これを上述のセルロースの場合の式に当てはめると、置換度(n)は、n=178.8Y÷(32−99Y)と、Sの元素分析値(Y)から算出することが出来る。
次に官能基aが前記一般式(II)の骨格の場合の置換度の算出について説明する。一例として、一般式(II)におけるlを0、nを0とした場合のカルシウム塩”−CH2−COOCa1/2”の場合、セルロースの一単位であるグルコース骨格の水酸基一カ所が置換されたとすると、一単位の分子量は、162+78=240となる。Caの元素分析値をY、置換度をnとすると、
Y=20n÷(162+78n)
となり、置換度(n)は、Caの元素分析値(Y)が求められれば、
n=162Y÷(20−78Y)
で算出できる。
官能基aが前記一般式(IV)で代表されるような骨格で、alkをCH2とした場合は、Pの元素分析値(Y)から置換度(n)を算出出来る。即ち、−CH2O−P(O)(OCa1/22の場合、セルロースの一単位であるグルコース骨格の水酸基一カ所が置換されたとすると、一単位の分子量は、162+148=310となる。
Y=31n÷(162+148n)
となり、置換度(n)は、Pの元素分析値(Y)が求められれば、
n=162Y÷(31−148Y)
で算出出来る。
官能基aが前記一般式(V)で代表される様な骨格の場合は、前述した(II)の骨格の場合のようにアルキレン基の分子量分を加算して官能基aが(IV)の場合と同様に算出すればよい。
官能基が二種以上ある場合は、それぞれの官能基部分の分子量を計算し、前述の計算方法と同様に元素分析値からその置換度を求めればよい。
本発明におけるナトリウム吸収阻害剤の、前記置換度は、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.4以上であり、特に好ましくは1.5以上である。
本発明におけるカリウム吸収阻害剤の、前記置換度は、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.4以上であり、特に好ましくは1.5以上である。
本発明におけるリン吸収阻害剤の、前記置換度は、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.4以上であり、特に好ましくは1.5以上である。置換度を上記範囲とするには、架橋工程において架橋度を制御することが好ましい。
官能基aが、前記一般式(II)の骨格の場合、出発原料が既存の6−ヒドロキシエチルセルロースや、6−ヒドロキシプロピルセルロースである場合は、例外的に、置換度は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1.0以上である。
一方、従来の硫酸化方法では、架橋度を制御したのみでは、好ましい置換度を獲得することは容易ではない。以下、官能基aが前記一般式(III)の骨格の場合を例として説明する。
硫酸基の置換度を向上させるには、硫酸化剤の架橋セルロースに対する量比を上げてやればよい。しかしながら、最も強力な硫酸化剤である無水硫酸/DMF錯体は、DMF中への無水硫酸の溶解度が20%弱であることから、反応系中における硫酸化剤の濃度には自ずと限度が生じる。その結果、置換度を向上させるには限度が生じ、特に架橋度の高い架橋セルロースに対して置換度を上げることは困難であった。
発明者らは、この点について鋭意研究した結果、DMF溶媒中に架橋セルロースを分散させた反応系中に無水硫酸を直接添加していくことにより、無水硫酸のDMF中濃度は一定でも、架橋セルロースに対する濃度を約2倍以上にすることができ、これにより、無水硫酸/セルロースの比が2/1程度でも、従来の3/1の場合と同程度以上の置換度(1.5以上)のものを容易に得ることが出来ることを見出した。即ち、架橋度の高い架橋セルロースに高い置換度を求めるために、架橋セルロースに対しDMF量を減らして無水硫酸を高濃度状態で反応させることで達成することができる。官能基aが、前記一般式(III)の骨格の場合、置換度は、好ましくは、1.2以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上である。
得られた架橋セルロース誘導体の金属塩はそのまま使用してもよいが、必要に応じて、アルコール沈殿、イオン交換樹脂クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどにより、更に精製して用いてもよい。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩は、人体に経口投与可能な吸収阻害剤として有用である。
前述したように、ナトリウム以外の金属による塩とすることによって、ナトリウム吸収阻害剤とすることができ、特に、食塩の過剰摂取等に起因する種々の疾患、例えば高血圧症、胃癌、脳卒中、腎不全、骨粗鬆症の患者の食塩制限の緩和を図ることができ、その予防及び治療用の医薬として有用である。また、糞便中に多量にナトリウムイオンを排泄することから、腎不全等の腎からのナトリウム排泄が低下した患者に特に有効である。
カリウム以外の金属による塩とすることによって、カリウム吸収阻害剤とすることができ、特に、カリウムの過剰摂取等に起因する種々の疾患、例えば腎障害患者における高カリウム血症、腎不全患者のカリウム摂取を緩和することができ、その予防及び治療用の医薬として有用である。また、糞便中に多量にカリウムイオンを排泄することから、腎不全等の腎からのカリウム排泄が低下した患者に特に有効である。
また、架橋セルロース誘導体は、リン吸収阻害剤として用いることができ、特に、リンの過剰摂取等に起因する種々の疾患、例えば高リン血症、腎不全、骨粗鬆症等の患者のリン摂取を緩和することができ、その予防及び治療用の医薬として有用である。また、糞便中に多量にリンを排泄することから、腎疾患等の腎機能が低下した患者のリンの排泄に特に有効である。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩は、医薬品及び種々の食品等に含有させることができる。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩を含有する吸収阻害剤及び医薬(予防及び治療剤)は、上記の方法で得た金属塩を通常の方法により各種の形態に加工することで製造できる。例えば固体状物、液状物、乳化状物、ペースト状物、ゼリー状物等である。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩は、食品に有効に適用できる。これらの金属塩を含有する食品には、そのまま直ちに喫食できるもの、調理等を行って喫食するもの、食品製造用のプレミックスされた材料などのいずれもが含まれる。固体状のものとしては、粉末状、顆粒状、固形状のいずれのものでもよく、例えばビスケット、クッキー、ケーキ、スナック、せんべいなどの各種菓子類、パン、粉末飲料(粉末コーヒー、ココアなど)が含まれる。また液状物、乳化状物、ペースト状物、ゼリー状物の例としては、ジュース、炭酸飲料、乳酸菌飲料などの各種飲料が含まれる。
本発明の医薬としては、錠剤、散剤、顆粒、細粒、液剤等が挙げられ、これらの製剤は、前記架橋セルロース誘導体の金属塩を薬学的に許容される担体とともに常法に従って製剤化することにより製造できる。
前記架橋セルロース誘導体の金属塩は、ナトリウム吸収阻害剤の場合、約10gで食塩約1g(ナトリウムイオン約400mg)を排泄吸収することが好ましい。よって、これを目安とし、前記金属塩に換算し1日約0.5g〜50g程度摂取することが好ましい。
カリウム吸収阻害剤の場合には、約10gでカリウム約100mgを排泄吸収することが好ましい。よって、これを目安とし、前記金属塩に換算し1日約0.5g〜50g程度摂取することが好ましい。
リン吸収阻害剤の場合には、約10gでリン約150mgを排泄吸収することが好ましい。よって、これを目安とし、前記金属塩に換算し1日約0.5g〜50g程度摂取することが好ましい。
以下実施例により、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[参考製造例:硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:CaCS-005(Lot.IK031215)]
{第一段階:硫酸化工程}
40℃で真空乾燥した結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 20.0g(123.5mmol(グルコース換算))を500mLセパラブルフラスコに入れ、DMF 100mLにて4日間攪拌下含浸を行なった。
この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、セパラブルフラスコに接続した滴下ロートから、20%無水硫酸−DMF錯体溶液 371.8g(SO3:0.929mol)を、系内温度を5℃に維持しながら徐々に滴下した。滴下終了後、恒温槽にて16〜17℃に調整し、6時間攪拌した。
次にイソプロパノール 500mLをこの反応液に加えた。反応液中からの析出物をろ別した。ろ過物を水 500mLにて溶解し、飽和塩化カルシウム水溶液 137.0gを加え、カルシウム化を行ない、粗生成物を析出させ、ろ別し目的物を得た。さらにイソプロパノール(500mL×2回)で洗浄した。濾過操作にてイソプロパノールを除去後、真空乾燥器にて乾燥させ、27.5gの硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;16.0%、Ca;12.4%、置換度は、1.6であった。
{第二段階:UF膜限外ろ過工程}
第一段階で得られた硫酸化セルロースカルシウム塩 25.05g(78.18mmol(グルコース換算))を冷却下イオン交換水 2000mLにて溶解した。
次にUF膜(旭化成製:ペンシル型モジュールACP-0013,公称分画分子量:13,000)を用いて、流速1.88〜1.92L/minで限外ろ過を行なった。原液が200mLになるまで循環濃縮した。200mL分を凍結乾燥にかけ最終的に17.68gの白色粉末を得た。
元素分析を行なったところ、S;18.3%、Ca;12.4%、置換度は、2.1であった。
[製造例:架橋硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:CaCS-006(Lot.IK031224)]
{第一段階;架橋工程}
結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 5.0g(30.8mmol(グルコース換算))を500mL三口フラスコに入れ、冷却管、滴下ロートを接続した。別途、水酸化ナトリウム(96%品) 8.6g(206mmol)を水 50mLに溶解した。この調製した水酸化ナトリウム水溶液を滴下ロートに移し、結晶性セルロースに加えた。室温で10分間攪拌し、懸濁状態を維持した。
次に反応系にn-ヘプタン 50mLとメタノール 50mLを加え、50℃に昇温した。そこへ滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 8.5g(92mmol)をメタノール 50mLに溶解したものを懸濁液に速やかに滴下した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して3時間攪拌した。
室温まで冷却後、攪拌したまま濃塩酸を徐々に加え、水層のpHが、7.0付近にした。一旦、減圧濾過し、濾過物を水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、真空乾燥機にて充分乾燥させ、6.1gの架橋セルロースを得た。架橋度は、0.174であった。
{第二段階;硫酸化工程}
第一段階で得られた架橋セルロース 4g(0.0247mol(グルコース換算))を500mLセパラブルフラスコに入れ、DMF 20mLにて攪拌下3日間含浸した。その後この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、セパラブルフラスコに接続した滴下ロートから、20%無水硫酸−DMF錯体溶液 74.12g(SO3:0.185mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は5℃を維持した。滴下終了後、恒温槽にて16〜17℃に調整し、24時間攪拌した。
次にイソプロパノール 100mLをこの反応液に添加した。反応液中からの析出物をろ過分別した。ろ過物を水 250mL加え、攪拌した。さらに、飽和塩化カルシウム水溶液 27.45gを添加し2時間攪拌した。不溶物をろ別し、さらにイソプロパノール(100mL×2回)で洗浄した。濾過操作にてイソプロパノールを除去後、真空乾燥器にて充分乾燥させ、8.09gの架橋硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;17.6%、Ca;10.8%、置換度は、2.3であった。
[製造例:架橋硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:CaCS-007(Lot.IK040113)]
{第一段階;架橋工程}
結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 16.0g(99mmol(グルコース換算))を500mL三口フラスコに入れ、冷却管、滴下ロートを接続した。次に反応系にn-ヘプタン 300mLとイソプロパノール 10mLを加えた。30分攪拌後、別途、水酸化ナトリウム(96%品) 32.0g(768mmol)を水 100mLに溶解した。この調製した水酸化ナトリウム溶液の半量を滴下ロートに移し懸濁液に加え、室温で1時間攪拌した。
滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 26.0g(281mmol)を懸濁液に速やかに滴下後、50℃に昇温した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して3時間攪拌した。次に残りの水酸化ナトリウム溶液を滴下し、1.5時間攪拌した。これにエピクロロヒドリン 26.0g(281mmol)を加え、さらに2時間攪拌した。
室温まで冷却後、不溶物をろ別し、濾過物を水、2N塩酸、水で順次洗浄し、洗液のpHが中性付近になるまで洗浄した。さらにメタノールで洗浄した。真空乾燥機にて乾燥させ、18.1gの架橋セルロースを得た。架橋度は、0.198であった。
{第二段階;硫酸化工程}
第一段階で得られた架橋セルロース 10g(0.0617mol(グルコース換算))を500mLセパラブルフラスコに入れ、DMF 50mLにて攪拌下3日間含浸した。その後この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、セパラブルフラスコに接続した滴下ロートから、18%無水硫酸−DMF錯体溶液 206.04g(SO3:0.463mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は5℃を維持した。滴下終了後、恒温槽にて16〜17℃に調整し、24時間攪拌した。
次にイソプロパノール 250mLをこの反応液に添加した。反応液中からの析出物をろ過分別した。ろ過物を水 625mL加え、攪拌した。さらに、飽和塩化カルシウム水溶液 68.60gを添加し2時間攪拌した。不溶物をろ別し、さらにイソプロパノール(100mL×2回)で洗浄した。濾過操作にてイソプロパノールを除去後、真空乾燥器にて充分乾燥させ、13.7gの架橋硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;7.40%,Ca;5.38%、置換度は、0.58であった。
[製造例:架橋硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:Lot.IK-40223]
{第一段階;架橋工程}
結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 80.0g(0.494mol(グルコース換算))を3L三口フラスコに入れ、MeOH 800mLとn-ヘキサン 800mLに懸濁した。冷却管、攪拌羽根(攪拌モーター付)、滴下ロートを接続し、攪拌した。別途、水酸化ナトリウム(96%品) 140.0g(3.36mol)を水 1600mLに溶解しておいた。この調製した水酸化ナトリウム水溶液を滴下ロートに移し、懸濁液に加えた。室温で30分間攪拌し、懸濁状態を維持した。
次に反応系を50℃に昇温し、そこへ滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 138.8g(1.5mol)をメタノール 200mLに溶解したものを懸濁液に滴下した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して3時間攪拌した。
室温まで冷却後、洗液がpH=7.0付近になるまで、水、2N塩酸、水で順次洗浄した。
減圧濾過し、濾過物をメタノールで洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、真空乾燥機にて乾燥させ、84.4gの架橋セルロースを得た。架橋度は、0.053であった。
{第二段階;硫酸化工程}
第一段階で得られた架橋セルロース 40g(0.247mol(グルコース換算))を500mLセパラブルフラスコに入れ、DMF 200mLにて攪拌下3日間含浸した。その後この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、セパラブルフラスコに接続した滴下ロートから、18%無水硫酸−DMF錯体溶液 900g(SO3:2.025mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は5℃を維持した。滴下終了後、恒温槽にて16〜17℃に調整し、一昼夜攪拌した。
次にイソプロパノール 1000mLをこの反応液に添加した。反応液中からの析出物をろ過分別した。ろ過物を水 1000mLにて溶解し、飽和塩化カルシウム水溶液 274.5gを添加しカルシウム化を行ない、粗生成物を析出させ、ろ過分別し目的物を得た。さらにイソプロパノール(1000mL×2回)で洗浄した。濾過操作にてイソプロパノールを除去後、真空乾燥器にて充分乾燥させ、76.8gの架橋硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;16.8%、Ca;12.8%、置換度は、1.9であった。
[製造例:架橋硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:Lot.SS-1054]
{第一段階;架橋工程}
結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 80.0g(0.494mol(グルコース換算))を3L三口フラスコに入れ、冷却管、攪拌羽根(攪拌モーター付)、滴下ロートを接続した。そこへメタノール 800mLおよびn-ヘキサン 800mLを加え攪拌し、懸濁液とした。別途、水酸化ナトリウム(96%品) 144.0g(3.457mol)を氷冷下で水 800mLに溶解した。この調製した水酸化ナトリウム水溶液を滴下ロートに移し、懸濁液に加えた。室温で60分間攪拌し、懸濁状態を維持した。
次に反応系を50℃に昇温し、そこへ滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 159.9g(1.728mol)をメタノール 200mLに溶解したものを懸濁液に速やかに滴下した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して6時間攪拌した。
室温まで冷却し、さらに20時間攪拌を続けた後、5Lビーカーに移し4時間静置した。上澄み液をデカンテーションによって除去し、残渣を水で懸濁後、減圧濾過した。濾過物を水で再度懸濁後、攪拌したまま濃塩酸を徐々に加え、pHが、7.0付近にした。一旦、減圧濾過し、濾過物を水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、真空乾燥機にて充分乾燥させ、80.8gの架橋セルロースを得た。架橋度は、0.01未満であった。
{第二段階;硫酸化工程}
第一段階で得られた架橋セルロース 30g(0.18mol(グルコース換算))を2L三口フラスコに入れ、DMF 150mLを加えて室温で21時間攪拌した。この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、三口フラスコに接続した滴下ロートから、無水硫酸DMF錯体DMF溶液(18.5%品) 721.0g(0.871mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は5±5℃を維持した。滴下終了後、室温まで昇温し、24時間攪拌した。
次にイソプロパノール 1000mLを洗浄液に用いて加圧濾過した。濾過物を水 750mLに溶解後、別に調製した塩化カルシウム水溶液(31.1%) 198.0g(0.555mol)を加えた。そこへ攪拌しながらイソプロパノール 1000mLを加え結晶を析出させた後、60分間静置した。上澄み液をデカンテーションによって除去し、残渣をイソプロパノールで懸濁後、減圧濾過した。さらにイソプロパノールで洗浄した。濾過操作にてイソプロパノールを除去後、真空乾燥機にて充分乾燥させ、79.8gの架橋硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;17.8%、Ca;12.4%、置換度は、2.0であった。
[製造例:架橋硫酸化セルロースカルシウム塩の製造:Lot.Type-007]
{第一段階;架橋工程}
結晶性セルロース(旭化成製、商品名:セオラスPH-101) 80.0g(0.494mol(グルコース換算))を3L三口フラスコに入れ、冷却管、攪拌羽根(攪拌モーター付)、滴下ロートを接続した。別途、水酸化ナトリウム(96%品) 329.2g(7.901mol)を水 800mLに溶解した。この調製した水酸化ナトリウム水溶液を滴下ロートに移し、結晶性セルロースに加えた。室温で30分間攪拌し、懸濁状態を維持した。
次に反応系を50℃に昇温し、そこへ滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 228.4g(2.469mol)をn-ヘプタン 1,600mLに溶解したものを懸濁液に速やかに滴下した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して3時間攪拌した。
室温まで冷却後、攪拌したまま濃塩酸を徐々に加え、水層のpHが、7.0付近にした。一旦、減圧濾過し、濾過物を水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、真空乾燥機にて充分乾燥させ、94.9gの架橋セルロースを得た。本化合物のX線回折を行って得られた結晶性が無くなったことを示すチャートから、架橋が進んだことが確認された。架橋度は、0.180であった。
{第二段階;硫酸化工程}
第一段階で得られた架橋セルロース 25g(0.130mol(グルコース換算))を塩化カルシウム 34.3g(0.309mol)とともに500mL三口フラスコに入れ、DMF 300mLを加えて室温で24時間攪拌した。この懸濁液を5℃まで冷却した。次に攪拌したまま、三口フラスコに接続した滴下ロートから、無水硫酸 28.9mL(0.694mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は20±5℃を維持した。滴下終了後、室温まで昇温し、24時間攪拌した。
次にイソプロパノール 1000mLを洗浄液に用いて減圧濾過した。濾過物を水(1000mL×3回)で洗浄した。さらにメタノール(500mL×2回)で洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、真空乾燥機にて充分乾燥させ、48.0gの架橋硫酸化セルロースカルシウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;16.7%、Ca;9.7%、置換度は、1.9であった。

[製造例:架橋硫酸化セルロースカリウム塩の製造:Lot.KCS01-001]
{第二段階;硫酸化工程}
攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2Lフラスコに製造例Lot.Type-007の{第一段階;架橋工程}の製造法と同様に製造した架橋セルロース 50.0g(0.260mol(グルコース換算))及び塩化カルシウム 68.5g(0.617mol)を入れた。窒素気流下とした後、氷冷しながらDMF 800mLを加えて懸濁液とした。5℃まで冷却した後、室温まで昇温し、窒素気流下で24時間攪拌した。この懸濁液を-20℃まで冷却した。次に攪拌したまま、セパラブルフラスコに接続した滴下ロートから、無水硫酸 59.0mL(1.42mol)を徐々に滴下した。このとき、反応温度は-20〜0℃を維持した。滴下終了後、20±5℃まで昇温し、24時間攪拌した。
次に反応系内にメタノール 1000mLを加えた後、加圧濾過する。イソプロパノール 1000mLで洗浄した後、濾過物を水 800mLに加え、攪拌し懸濁液とした。この懸濁液に水酸化カリウム水溶液を徐々に加え、水層のpHを7.0付近にした。加圧濾過し、得られた濾過物に25%塩化カリウム水溶液、400gを加え2時間攪拌状態を保持した。減圧濾過し、再び得られた濾過物に25%塩化カリウム水溶液、400gを加え2時間攪拌状態を保持した。減圧濾過し、さらに水及びアセトンで洗浄した後、真空乾燥機にて充分乾燥した。その結果、109.8gの架橋硫酸化セルロースカリウム塩を得た。元素分析を行ったところ、S;15.7%、K;20.2%、Ca;0.45%、置換度は、1.89であった。
[製造例:架橋アルキル硫酸化セルロースカルシウム塩の製造]
〔架橋プロピル硫酸化セルロースカルシウム塩:Lot.ME13-138〕
Figure 0005277965
{第一段階;架橋工程}
{第二段階;硫酸化工程}
7.8g(0.20mol)のNaHを100mLのヘキサンで洗浄後、200mLのDMSOに懸濁し、アルゴン置換した。この溶液に、30gの架橋化セルロース(上記化学反応式中の化合物1;本発明例Lot.Type-007の{第一段階;架橋工程}の製造法と同様に製造した架橋セルロース(0.156mol(グルコース換算))を加え、50℃で1時間攪拌し、さらに、23.7g(0.19mol)の1,3-プロパンスルトンのDMSO(25mL)溶液を滴下し、50℃で16時間攪拌した。この反応液を700mLの冷メタノールに加え、得られた結晶(上記化合物2)を減圧濾過し、メタノールで洗浄後(100mL×3)、70℃で2時間真空乾燥した。
収量は、51.4gであった。元素分析を行ったところ、Na;6.1%、S;8.9%、置換度は、0.9であった。
117g(0.80mol)のCaCl2・2H2Oの水溶液(350mL)に、50gの化合物2(0.149mol(グルコース換算))を加え、50℃で12時間攪拌した。反応液を遠心分離(3000rpm/20分/4℃)し、得られた残渣を250mLの水で洗浄・遠心分離し(それぞれ3回実施)、450mLのメタノールに加え、室温下30分間攪拌し、化合物3を得た。得られた化合物3を減圧濾過し、メタノール(100mL×2)で洗浄し、70℃で4時間真空乾燥した。
収量は、47.3gであった。元素分析を行ったところ、Ca;5.5%、S;8.7%、置換度は、0.8であった。
〔架橋プロピル硫酸化セルロースカルシウム塩 Lot.ME13-138の硫酸化:Lot.ME13-135、ME13-141〕
Figure 0005277965
2.0gの上記化合物3(6.00mmol(グルコース換算))と0.98g(8.8mmol)のCaCl2を無水DMF 15mLに懸濁し、アルゴン置換下、室温で12時間攪拌した。この懸濁液に、3.1g(20mmol)の無水硫酸DMF錯体を加え、室温で1時間、50℃で10時間攪拌した。この反応液に30mLのイソプロパノールを加え、結晶を減圧濾過した。得られた残渣に30mLの水に加え、水酸化カルシウム水溶液で中和した。この溶液を、遠心分離(3000rpm/30min./4℃)した。残渣に50mLの水を加え攪拌後、同条件で遠心分離した。水での洗浄操作を再度行い遠心分離し、得られた化合物4をメタノール100mLに懸濁した後、減圧濾過し、60℃で10時間真空乾燥した。(ME13-135)
収量は、1.9gであった。元素分析を行ったところ、Ca;8.5%、S;13%、置換度は、1.7であった。
また、同様の方法によって45gの化合物3から49gの化合物4を得た。(ME13-141)
元素分析を行ったところ、Ca;10.7%、S;12.6%、であった。置換度は、1.6であった。
〔架橋化ビスプロピル硫酸化カルシウム塩の製造:Lot.ME13-147〕
Figure 0005277965
17.6g(0.44mol)のNaHを120mLのヘキサンで洗浄後、200mLのDMSOに懸濁し、アルゴン置換した。この溶液に30gの化合物1;本発明例Lot.Type-007の{第一段階;架橋工程}の製造法と同様に製造した架橋セルロース(0.156mol(グルコース換算))を加え、50℃で1時間攪拌し、さらに、53.8g(0.44mol)の1,3-プロパンスルトンのDMSO(50mL)溶液を滴下し、50℃で24時間攪拌した。反応液を400mLの冷メタノールに加え、得られた結晶(上記化合物5)を減圧濾過し、メタノール(250mL×2)とジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、70℃で1時間真空乾燥した。(ME13-146)
収量は、73.9gであった。元素分析を行ったところ、Na;9.1%、S;12%、置換度は、1.6であった。
229g(1.5mol)のCaCl2・2H2Oの水溶液(300mL)に、70gの化合物5(0.146mol(グルコース換算))を加え、50℃で12時間攪拌した。反応液を遠心分離(3000rpm/20分/4℃)し、得られた残渣を水(250mL)で洗浄・遠心分離し(それぞれ3回実施)、400mLのメタノールに加えた。得られた化合物6を減圧濾過し、メタノール(100mL×2)で洗浄し、70℃で4時間真空乾燥した。(ME13-147)
収量は、46.8gであった。元素分析を行ったところ、Ca;7.2%、S;11%、置換度は、1.3であった。
[製造例:架橋6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロースカルシウム塩の製造]
Figure 0005277965
{第1工程;6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロースの製造}
攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた1L丸底フラスコにヒドロキシエチルセルロース(和光純薬製) 10.2g(0.0495mol(グルコース換算))をイオン交換水 700mLに分散させ、これにTEMPO 28mgと臭化ナトリウム 260mgを加え、室温で攪拌した。これに5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬製) 77gを加えた。
反応液のpHが徐々に下がっていくので、0.2M−水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、pH10.5程度を維持した。約1時間後、あまりpHが変化しないことを確認後、0.2M−水酸化ナトリウム水溶液を10mL加え、室温で一晩攪拌した。翌朝、pHが9.9になっていた反応液を1N-塩酸を用いて、pH1.8まで下げた。
反応液を3Lビーカーに移し、1400mLの2-プロパノールを加え、晶析を行った。二晩静置後、上澄み液をデカンテーションし、残分を吸引濾過した。濾過物をエタノールで洗浄し、60℃で一晩減圧乾燥した。白色粉末 10.8gを得た。
IRを測定したところ、1730cm−1にカルボキシル基由来のC=O伸縮由来の強い吸収ピークを確認した。
{第2工程;6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロースの架橋}
第1工程で得られた6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロース 10.8g(0.049mol(グルコース換算))を1L三口フラスコに入れ、冷却管、攪拌羽根(攪拌モーター付)、滴下ロートを接続した。別途、水酸化ナトリウム(96%品) 4.2g(0.1mol)を水 200mLに溶解した。この調製した水酸化ナトリウム水溶液を結晶性セルロースに加えた。室温で30分間攪拌した。
次に反応系を50℃に昇温し、そこへ滴下ロートを用いて、エピクロロヒドリン 12g(0.13mol)をn-ヘプタン 160mLに溶解したものを懸濁液に速やかに滴下した。二層が良く混合するようにしながら、50〜60℃を保持して3時間攪拌した。
室温まで冷却後、攪拌したまま濃塩酸を徐々に加え、水層のpHを、7.0付近にした。一旦、減圧濾過し、濾過物を水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。濾過操作にてメタノールを除去後、減圧乾燥機で60℃で一晩減圧乾燥した。その結果、12.8gの6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロースを得た。本化合物のX線回折を行って得られた結晶性が無くなったことを示すチャートから、架橋が進んだことが確認された。
{第3工程;架橋6-ヒドロキシカルボニルメチルオキシセルロースのカルシウム化}
この白色粉体 12g(0.05mol(グルコース換算))を純水 100mLに溶解し、塩化カルシウム 30gと水酸化カルシウム 4gを加えた。この懸濁液を3時間攪拌後、一晩静置した。1N-塩酸を用いて、懸濁液のpHを11.5から7.5に下げて中和した。これを吸引濾過し、濾過物をエタノールで洗浄した。60℃で一晩減圧乾燥し、白色微粉末 12gを得た。
元素分析を行ったところ、Ca;7.2%、置換度は、1.0であった。また本化合物のIRを測定したところ、1730cm−1にカルボキシル基由来のC=O伸縮由来の強い吸収ピークを確認した。
<有用性に関する試験1>
{架橋型硫酸化セルロース(Ca)の正常ラットの糞便への電解質排泄に及ぼす影響}
〔方法〕
動物は日本チャールスリバー(株)より購入したSD系雄性ラットを用いた。ラットは一夜絶食飼育した後3日間、精製飼料(Casein 25.0%、アルファコーンスターチ 51.5%、大豆油 6.0%、シュクロース 5.0%、AIN76ミネラル混合 3.5%、AIN76ビタミン混合 1.0%、セルロース 8.0%)の1%をNaCl、5%をCelluloseで置換したセルロース食を用いて制限給餌下に粉末飼料へ馴化させた。その後、動物の体重を測定し、馴化期間中の摂餌量および体重を指標に群分けした。即ち、セルロース食を摂取させたコントロール群、精製飼料セルロースの、1%をNaCl、5%を試験物質で置換させた飼料を摂取させた試験物質(SS1054, IK-40223, Type007)群を設けた。各群のラットは一夜絶食飼育させた後、各試験食で4日間制限給餌(20g/day)させた。試験食飼育の3日目には17時から48時間採糞を行った。尚、試験期間中、各群のラットには蒸留水を自由に摂取させた。採取した糞便は50℃の乾燥機内で5日間乾燥させた後、乾燥重量を求めた後、灰化(500℃、36時間以上)し、蒸留水にて懸濁し、遠心分離した後その上清のNaおよびK濃度をイオン電極法で測定しそれぞれの含量を求めた。Pについては濃硝酸による可溶化処理の後、酵素法により溶液中濃度を測定し含量を求めた。
〔結果〕
セルロース群(n=4)の糞便電解質排泄量(mg/day、平均値±標準偏差)はそれぞれ1.0±0.4(Na)、0.9±0.3(K)、34.9±2.0(P)であり、SS-1054群(n=4)の糞便電解質排泄(mg/day)はそれぞれ29.6±8.5(Na)、17.3±3.1(K)、48.3±5.7(P)、IK-40233群(n=4)の糞便電解質排泄(mg/day)はそれぞれ18.2±5.2(Na)、10.5±2.2(K)、44.8±4.2(P)、Type007群(n=4)の糞便電解質排泄(mg/day)はそれぞれ30.6±2.7(Na)、10.2±1.9(K)、45.4±0.9(P)であり、試験物質群で各種電解質の糞便排泄の増加が認められた。これらの結果をグラフ化して、図1の(a)および図2〜図3に示す。
また、試験物質群の尿中電解質排泄は糞便排泄の増加に応じた低下がみられた。後記する<有用性に関する試験6>に用いたCaCS006についても同様の効果が認められた。
<参考試験>
{硫酸化セルロース(Ca)の正常ラットの糞便への電解質排泄に及ぼす影響}
(硫酸化セルロースカルシウム塩の製造)
蒸留水(D.W.)1Lの入った5L容ビーカーに硫酸化セルロースナトリウム塩(米 Acros社製)50gを入れ攪拌し、完全に溶解させた。その後、塩化カルシウム・2水和物(片山化学社製)93gの水溶液300mLを投入し、30分間攪拌した。これに、イソプロピルアルコール1Lを加え、更に1時間攪拌後、1晩静置した。上清をデカンテーションにより除去し、さらに残渣を遠心分離して沈殿を得た。再度この沈殿をイソプロピルアルコール1Lに懸濁し、30分間攪拌後、1晩静置した。上清をデカンテーションにより除去し、さらに残渣を遠心分離して沈殿を得た。この沈殿を減圧乾燥して、硫酸化セルロースカルシウム塩44gを白色粉末として得た。
〔方法〕
実験動物は9週齢のウィスター(Wistar)系雄性ラット(日本チャールスリバー(株))を用いた。動物は一夜絶食した後、個別代謝ゲージに移し、3日間セルロース食(カゼイン 20%(w/w以下同じ)、αコーンスターチ 59.5%、大豆油 5%、シュークロース 5%、AIN-76ビタミン混合 1%、AIN-76ミネラル混合 3.5%、食塩 1%及びセルロース 5%)を用いて制限給餌下(20g/ラット/日)に粉末飼料へ馴化させた。その後、動物の体重を測定し、訓化期間中の摂餌量及び体重を指標に群分け(n=5/群)した。即ち、セルロース食を摂取させたセルロース群、該セルロース食のセルロースを硫酸化セルロースカルシウム塩で40%置換した飼料又は全量置換した飼料を摂取させた、硫酸化セルロースカルシウム塩2%群及び硫酸化セルロースカルシウム塩5%群をそれぞれ設けた。
各群のラットは一夜絶食させた後、各試験食で2日間制限給餌下(20g/ラット/日)に飼育した。試験食飼育の2日目には、午後7時より24時間尿及び糞便の採取を行った。尚、試験期間中各群のラットには蒸留水を自由に摂取させた。摂取した糞便は、70℃、4日間の乾燥処理を施し乾燥重量を求めた後、灰化(500℃以上、36時間)し、原子吸光法によるナトリウムの測定を行った。採取した尿は採尿カップの重量差より比重1.0と仮定して尿中ナトリウムをイオン電極法により測定した。
〔結果〕
図1(b)に各群の糞便ナトリウム排泄を示した。図1(b)中では、硫酸化セルロースカルシウム塩を「Ca化硫酸セルロース」と記載した。
糞便ナトリウム排泄は、セルロース群の0.2±0.1mg/日に比し、硫酸化セルロースカルシウム塩2%群は10.4±2.2mg/日、硫酸化セルロースカルシウム塩5%群では29.9±7.5mg/日であり、硫酸化セルロースカルシウム塩摂取による用量依存的な糞便ナトリウム排泄の増加が確認された。
一方、尿中ナトリウム排泄は、セルロース群では、89.6±6.5mg/日の尿中ナトリウム排泄が見られたのに比し、硫酸化セルロースカルシウム塩2%群で65.3±4.5mg/日、硫酸化セルロースカルシウム塩5%群では40.3±3.4mg/日と、カルシウム化硫酸セルロース摂取による用量依存的な尿中ナトリウム排泄の低下が確認された。
<有用性に関する試験2>
〔方法〕
前記<有用性に関する試験1>と同様の方法により試験を実施した。精製飼料(950gあたりの原材料がCasein 200g、アルファコーンスターチ 595g、大豆油 50g、シュクロース 50g、AIN76ミネラル混合 35g、AIN76ビタミン混合 10g、NaCl 10g)を9の割合に対しME13-147を1の割合で混ぜた飼料を2日間経口摂取(20g/day)させ、試験食飼育の2日目に採糞した。
〔結果〕
Cellulose群(0.8±0.1(Na)、0.5±0.1(K))に比して、ME13-147群(4.3±1.3(Na)、4.2±1.7(K))とそれぞれの電解質で糞便排泄の増加がみられた。
<有用性に関する試験3>
〔方法〕
前記<有用性に関する試験1>と同様の方法により試験を実施した。精製飼料(Casein 20%、アルファコーンスターチ 59.5%、大豆油 5%、シュクロース 5%、AIN76ミネラル混合 3.5%、AIN76ビタミン混合 1%、NaCl 1.0%、CelluloseまたはME13-141 5.0%)を4日間経口摂取(20g/day)させ、試験食飼育の3日目と4日目に採糞した。
〔結果〕
Cellulose群(0.5±0.1(Na)、0.4±0.1(K))に比して、ME13-141群(23±6(Na)、6±2(K))とそれぞれの電解質で糞便排泄の増加がみられた。
<有用性に関する試験4>
〔方法〕
前記<有用性に関する試験1>と同様の方法により試験を実施した。精製飼料(Casein 20%、アルファコーンスターチ 59.5%、大豆油 5%、シュクロース 5%、AIN76ミネラル混合 3.5%、AIN76ビタミン混合 1%、NaCl 1.0%、CelluloseまたはKCS01-001 5.0%)を4日間経口摂取(20g/day)させ、試験食飼育の3日目と4日目に採糞した。
〔結果〕
Cellulose群(0.3±0.0(Na)、0.6±0.1(K))に比して、KCS01-001群(47±7(Na)、34±5(K))はそれぞれの電解質で糞便排泄の増加がみられた。
<有用性に関する試験5>
{架橋型硫酸化セルロース(Ca)の正常ラットの消化管に及ぼす影響}
〔方法〕
動物は日本チャールスリバー(株)より購入した7-9週齢CBA系雄性マウスを用いて、体重を指標に群分けした。各群のマウスには市販の粉末飼料(オリエンタル酵母工(株)、粉末CRF1)の10%をセルロース(粉末、ナカライテスク(株))または試験物質(SS1054, IK-40223, Type007)でそれぞれ置換した試験食を1週間自由摂取させた。試験食摂取終了の後、それぞれのマウスより糞便を一つ以上採取し、スライドを用いた化学法による便潜血検査(便潜血スライドシオノギII、シオノギ製薬)を実施し、色調の変化の程度に応じて0(変化なし)〜5(濃)まで点数化した。
〔結果〕
セルロース群は全例、便性状は正常であり、便潜血反応スコアは0.5±0.0(n=8、平均値±標準偏差)であった。SS-1054群は、8例中6例に肛門周囲に血液の付着が見られるほど消化管症状が悪化し、試験開始4日目以後、摂餌量の明らかな低下を認めるほど全身症状が重篤化した。IK-40223群は7日間の試験期間中に摂餌量の低下は見られず、便潜血反応スコアも1.5±0.8(8)であった。Type007群ではいずれのマウスの便も正常であり、便潜血反応スコアも0.5±0.3(10)であった。
<有用性に関する試験6>
{架橋型硫酸化セルロース(Ca)の正常ラットの消化管に及ぼす影響}
〔方法〕
動物は日本チャールスリバー(株)より購入した9週齢CBA系雄性マウスを用いて、体重を指標に群分けした。各群のマウスには市販の粉末飼料(オリエンタル酵母工(株)、粉末CRF1)の10%をセルロース(粉末、ナカライテスク(株))または試験物質(CaCS005, CaCS006, CaCS007)でそれぞれ置換した試験食を6日間自由摂取させた。試験食摂取終了の後、それぞれのマウスより糞便を一つ以上採取し、スライドを用いた化学法による便潜血検査(便潜血スライドシオノギII、シオノギ製薬)を実施し、色調の変化の程度に応じて0(変化なし)〜5(濃)まで点数化した。
〔結果〕
セルロース群は全例、便性状は正常であり、試験終了時の便潜血反応スコアは0.3±0.3(n=5、平均値±標準偏差)であった。CaCS005群は試験開始二日目より便潜血反応(スコア1.8±0.5(n=4))がみられた。以降、CaCS005群の動物では摂餌量の低下が著明であり、粘血便がみられるほど重篤化する動物もみられ、全例で貧血により手足が白色化した。試験終了時における便潜血反応スコアは3.3±1.3(n=4)であった。CaCS006群およびCaCS007群の試験期間中における便性状はほぼ正常に推移し、試験終了時におけるスコアはCaCS006群で0.5±0.0(n=3,ただし試験開始5日目)、CaCS007群で0.2±0.3(n=3)と明らかに消化管への障害性は軽減されていた。貧血は見られなかった。
<有用性に関する試験7>
〔方法〕
前記<有用性に関する試験5>と同様の方法により試験物質(KCS01-001)を市販の粉末飼料(オリエンタル酵母工業(株)、粉末CRF1)に10%混ぜた飼料をマウスに一週間自由摂取させた。
〔結果〕
セルロース群は全例、便性状は正常であり、便潜血反応スコアは0.5〜1(n=8)であった。KCS01-001群も便性状は正常であり便潜血反応スコアも0.5〜1(n=8)と便潜血検査は軽微な反応であった。
<有用性に関する試験8>
〔方法〕
前記<有用性に関する試験5>と同様の方法により試験物質(ME13-147, ME13-141)を市販の粉末飼料(オリエンタル酵母工業(株)、粉末CRF1)に10%混ぜた飼料をマウスに一週間自由摂取させた。
〔結果〕
いずれの試験物質を摂取させた場合も血便はみられず、便潜血検査も軽微な反応であった。

Claims (21)

  1. 下記一般式(I)
    R−O−A (I)
    {式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
    で表される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)であって、
    該架橋セルロース誘導体の架橋が、二層系で架橋剤とセルロースを架橋反応触媒水溶液中で激しく攪拌して架橋させる二層系架橋法により形成されたものであり、
    該架橋剤が、エピクロロヒドリンであり、
    該架橋反応触媒が、水酸化ナトリウムであり、
    該架橋セルロース誘導体の架橋度が、0.01以上であり、
    該架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であり、
    該官能基aが、下記式(II−1)、(III−1)および(III−4):
    Figure 0005277965
    から選択される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするナトリウム吸収阻害剤
  2. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする請求項1記載のナトリウム吸収阻害剤。
  3. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする請求項1記載のナトリウム吸収阻害剤。
  4. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする請求項1記載のナトリウム吸収阻害剤。
  5. 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のナトリウム吸収阻害剤。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とする食塩過剰摂取に起因する疾患又は食塩摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しナトリウム塩を除く)を含有することを特徴とする食品。
  8. 下記一般式(I)
    R−O−A (I)
    {式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
    で表される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)であって、
    該架橋セルロース誘導体の架橋が、二層系で架橋剤とセルロースを架橋反応触媒水溶液中で激しく攪拌して架橋させる二層系架橋法により形成されたものであり、
    該架橋剤が、エピクロロヒドリンであり、
    該架橋反応触媒が、水酸化ナトリウムであり、
    該架橋セルロース誘導体の架橋度が、0.01以上であり、
    該架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であり、
    該官能基aが、下記式(II−1)、(III−1)および(III−4):
    Figure 0005277965
    から選択される架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするカリウム吸収阻害剤
  9. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする請求項記載のカリウム吸収阻害剤。
  10. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする請求項記載のカリウム吸収阻害剤。
  11. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする請求項記載のカリウム吸収阻害剤。
  12. 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする請求項11のいずれかに記載のカリウム吸収阻害剤。
  13. 請求項12のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を有効成分とすることを特徴とするカリウム過剰摂取に起因する疾患又はカリウム摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
  14. 請求項12のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩(但しカリウム塩を除く)を含有することを特徴とする食品。
  15. 下記一般式(I)
    R−O−A (I)
    {式(I)中、Rは架橋セルロース残基を表し、Aは陽イオン交換能を有する官能基aを表す。}
    で表される架橋セルロース誘導体の金属塩であって、
    該架橋セルロース誘導体の架橋が、二層系で架橋剤とセルロースを架橋反応触媒水溶液中で激しく攪拌して架橋させる二層系架橋法により形成されたものであり、
    該架橋剤が、エピクロロヒドリンであり、
    該架橋反応触媒が、水酸化ナトリウムであり、
    該架橋セルロース誘導体の架橋度が、0.01以上であり、
    該架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1以上であり、
    該官能基aが、下記式(II−1)、(III−1)および(III−4):
    Figure 0005277965
    から選択される架橋セルロース誘導体の金属塩を有効成分とすることを特徴とするリン吸収阻害剤
  16. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.2以上であることを特徴とする請求項15記載のリン吸収阻害剤。
  17. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.4以上であることを特徴とする請求項15記載のリン吸収阻害剤。
  18. 前記架橋セルロース誘導体のグルコース単位の水酸基の官能基aによる置換度が、1.5以上であることを特徴とする請求項15記載のリン吸収阻害剤。
  19. 前記架橋セルロース誘導体が結晶性セルロースを用いて製造されたことを特徴とする請求項1518のいずれかに記載のリン吸収阻害剤。
  20. 請求項1519のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩を有効成分とすることを特徴とするリン過剰摂取に起因する疾患又はリン摂取制限を必要とする疾患の予防剤及び治療剤。
  21. 請求項1519のいずれかに記載の架橋セルロース誘導体の金属塩を含有することを特徴とする食品。
JP2008551146A 2006-12-26 2007-12-26 ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品 Expired - Fee Related JP5277965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008551146A JP5277965B2 (ja) 2006-12-26 2007-12-26 ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006349270 2006-12-26
JP2006349270 2006-12-26
JP2008551146A JP5277965B2 (ja) 2006-12-26 2007-12-26 ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品
PCT/JP2007/075030 WO2008078797A1 (ja) 2006-12-26 2007-12-26 ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008078797A1 JPWO2008078797A1 (ja) 2010-04-30
JP5277965B2 true JP5277965B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=39562588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008551146A Expired - Fee Related JP5277965B2 (ja) 2006-12-26 2007-12-26 ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20100324280A1 (ja)
EP (1) EP2107072A1 (ja)
JP (1) JP5277965B2 (ja)
TW (1) TW200835508A (ja)
WO (1) WO2008078797A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018131716A1 (ja) * 2017-01-16 2018-07-19 株式会社カネカ 生地、焼き菓子、医薬組成物、及びこれらの製造方法
WO2018131717A1 (ja) * 2017-01-16 2018-07-19 株式会社カネカ 生地、焼き菓子、医薬組成物、及びこれらの製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154451A (ja) * 1984-08-24 1986-03-18 Chemo Sero Therapeut Res Inst 群特異性を有するアフイニテイクロマトグラフイ用ゲルおよびその製法
JPH02241547A (ja) * 1989-03-13 1990-09-26 Kanebo Ltd 架橋多孔性イオン交換セルロース微粒子およびその製造法
JPH04161431A (ja) * 1990-10-25 1992-06-04 Oji Paper Co Ltd 高吸水性セルロース誘導体材料の製造方法
JPH10330401A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Kao Corp 新規多糖誘導体及びその製造方法
JP2001002581A (ja) * 1999-06-24 2001-01-09 Nisshinbo Ind Inc リン吸収阻害剤及びナトリウムイオン吸収阻害剤並びにそれを含む治療剤及び食品
WO2001051063A1 (fr) * 2000-01-14 2001-07-19 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Inhibiteurs de l'absorption de l'ion sodium, et agents prophylactiques ou therapeutiques et produits alimentaires renfermant lesdits inhibiteurs
WO2005094384A2 (en) * 2004-03-30 2005-10-13 Ilypsa, Inc. Methods and compositions for treatment of ion imbalances

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL252506A (ja) * 1959-06-12
CA1340434C (en) 1986-06-27 1999-03-16 Carlisle Mitchell Herron Process for making individualized crosslinked fibers having reduced residuals and fibers thereof
US5196527A (en) * 1988-04-05 1993-03-23 Kanebo Ltd. Porous ion-exchanged fine cellulose particles, method for production thereof, and affinity carrier
WO1989009651A1 (en) * 1988-04-05 1989-10-19 Kanebo Ltd. Fine particles of porous ion-exchange cellulose, process for their production, and affinity carrier
BR0107740A (pt) 2000-01-19 2003-03-05 Weyerhaeuser Co Fibra celulósica modificada, fibras celulósicas sulfatadas, produto em rolo, artigo absorvente, compósito absorvente, processo para preparar fibras celulósicas, produto, e, núcleo absorvente para um artigo absorvente

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154451A (ja) * 1984-08-24 1986-03-18 Chemo Sero Therapeut Res Inst 群特異性を有するアフイニテイクロマトグラフイ用ゲルおよびその製法
JPH02241547A (ja) * 1989-03-13 1990-09-26 Kanebo Ltd 架橋多孔性イオン交換セルロース微粒子およびその製造法
JPH04161431A (ja) * 1990-10-25 1992-06-04 Oji Paper Co Ltd 高吸水性セルロース誘導体材料の製造方法
JPH10330401A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Kao Corp 新規多糖誘導体及びその製造方法
JP2001002581A (ja) * 1999-06-24 2001-01-09 Nisshinbo Ind Inc リン吸収阻害剤及びナトリウムイオン吸収阻害剤並びにそれを含む治療剤及び食品
WO2001051063A1 (fr) * 2000-01-14 2001-07-19 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Inhibiteurs de l'absorption de l'ion sodium, et agents prophylactiques ou therapeutiques et produits alimentaires renfermant lesdits inhibiteurs
WO2005094384A2 (en) * 2004-03-30 2005-10-13 Ilypsa, Inc. Methods and compositions for treatment of ion imbalances

Also Published As

Publication number Publication date
EP2107072A1 (en) 2009-10-07
US20100324280A1 (en) 2010-12-23
JPWO2008078797A1 (ja) 2010-04-30
TW200835508A (en) 2008-09-01
WO2008078797A1 (ja) 2008-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU759388B2 (en) Pharmaceutical compositions containing lipase inhibitors and chitosan
US4470975A (en) Method and composition for the elimination of water from an animal body
US20050171056A1 (en) Sodium ion absorption inhibitors, and preventive and therapeutic agents and foods containing the same
JP5277965B2 (ja) ナトリウム吸収阻害剤、カリウム吸収阻害剤およびリン吸収阻害剤、並びにそれを含む予防剤、治療剤および食品
KR100729478B1 (ko) 펩티드 및 전해질 배설 촉진물질 함유 조성물 및 그것을함유하는 식품
JP5866693B2 (ja) 大腸癌の前癌病変発生抑制剤及び方法
JP5277964B2 (ja) 架橋セルロース誘導体の金属塩
JP5349744B2 (ja) ミネラル吸収促進剤、食品及び飼料
JP4001443B2 (ja) リン吸収阻害剤及びそれを含む治療剤
WO2016180363A1 (en) Chitosan citrate and composition containing same
JP2009114261A (ja) 尿毒症改善薬、および尿毒症改善用食品
EP4099837A1 (en) Use of ionic polymers in biomass processing for preparation of animal feed additive
US5324717A (en) Therapeutical composition comprising hydrolyzed carboxylalkyl cellulose
WO1998008877A1 (fr) Derives de chitosane, procedes permettant de produire ceux-ci et leur utilisation
JP3425664B2 (ja) カルシウム吸収を促進する多糖類食品素材およびその製造方法
JPS6026121B2 (ja) 新規デキストラン誘導体及びその製法
JPH05310571A (ja) 非晶質性ベンゾイルウレア系化合物の抗ガン性医薬組成物
JP2780201B2 (ja) 血圧降下および上昇抑制剤
JPH0120129B2 (ja)
JP2002087980A (ja) ナトリウムイオン排泄促進剤及びそれを含む食品
JPH08217785A (ja) 硫酸化フルオロアルキルラミナリペンタオシド及びそれを有効成分とする抗ウイルス剤
JP2007051113A (ja) 経口リン吸着剤及びそれを含有する食品
CN101230024A (zh) 一类新型的水溶性薁衍生物及其制备方法
JPH0144687B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100917

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101019

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110331

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130506

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5277965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees