JP5277802B2 - 流体噴射装置および手術メス - Google Patents

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Description

本発明は、流体に脈動を発生させる圧電素子ユニットと、流体を吐出するノズルユニットと、これらを備え、流体をパルス状に噴射する流体噴射装置に関する。
噴射される流体による手術は、血管等の脈管構造を保存しながら臓器実質を切開することが可能であり、さらに、切開部以外の生体組織に与える付随的損傷が軽微であることから患者負担が小さく、また、出血が少ないため出血が術野の視界を妨げないことから迅速な手術が可能であり、特に微小血管からの出血に難渋する肝切除等に多く臨床応用されている。
生体組織を切開または切除する流体噴射装置として、流体室の容積を縮小して流体の吐出動作を行う脈動発生機構と、脈動発生機構の出口流路に一方の端部が接続され、他方の端部が出口流路の直径よりも縮小されたノズルが設けられた接続流路管と、を有する流体噴射装置というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−152127号公報
上述した特許文献1による流体噴射装置を手術に使用する場合、流体噴射装置に血液や体液等が付着することが考えられる。そこで、この流体噴射装置を繰り返し使用する場合には、外周部は勿論、内部の流体が流動する部分を含んで洗浄及びオートクレーブ等の手段を用いて滅菌することが要求される。
しかし、使用現場で滅菌することは困難であり、手術毎に流体噴射装置を使い捨てにすることがより好ましいとされていた。
しかしながら、ユーザーが分解、再組立困難な従来技術による流体噴射装置を使い捨てにすることは、ランニングコストが上昇することに繋がり、流体噴射装置を低コスト化するか、特に高コスト要素は繰り返し使用とし、血液、体液や流体が直接接触することが考えられる構成要素は低コスト化し使い捨てとすることが望まれる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る流体噴射装置は、流体室の容積をダイアフラムにより縮小してノズルから流体をパルス状に噴射する流体噴射装置であって、前記流体室と、前記流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室から流体を吐出する出口流路と、前記出口流路に連通するノズルと、を有するノズルユニットと、前記ダイアフラムを変位させる圧電素子を有する圧電素子ユニットと、を備え、前記ノズルユニットと前記圧電素子ユニットとが、着脱可能に装着されていることを特徴とする。
本適用例に係る流体噴射装置では、圧電素子が他の構成要素に比べて圧倒的に高コスト要素である。そこで、ノズルユニットと圧電素子ユニットとを着脱可能な構成とする。これにより、流体や体液や血液に直接接触することが考えられる入口流路、ダイアフラム、流体室、出口流路、ノズルを含むノズルユニットの使い捨て使用を可能にする。このノズルユニットは圧電素子に対して低コストであり、使い捨て使用に好適である。また、流体や体液や血液に直接接触することがなく、高コストである圧電素子ユニットを繰り返し使用とすることができ、安全性を高めると共に、ランニングコストを低減することができる。
なお、圧電素子としては、圧電特性を高めるために圧電材料と複数の層間電極とを交互に積層する積層型圧電素子を採用し、圧電材料としては鉛入り材料を用いる場合があり、層間電極としてはAg、またはAgとPdとの合金等が用いられる。
従って、流体噴射装置を廃棄する場合、構成要素が少ない圧電素子ユニットから鉛を含む圧電素子を分離し廃棄することで環境負荷の低減を図れる。
また、高価なAg、またはAgとPdとの合金を分離回収しやすいという効果がある。
[適用例2]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記圧電素子の伸縮方向の一方の端面に固着され前記ダイアフラムに密接する補助部材と、他方の端面に固着されると共に前記ノズルユニットの筐体に固定する蓋部材と、を有していることが好ましい。
このような構成によれば、圧電素子ユニットが、圧電素子と補助部材と蓋部材とから構成され、単純な構成となることから組立性が向上し、また、ユニット単独での取り扱いが容易となる。
[適用例3]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記圧電素子に駆動信号を入力する接続リードが接続され、前記接続リードと前記圧電素子との接続部を含む前記圧電素子の表面を覆う樹脂層が設けられていることが好ましい。
このような構成にすれば、圧電素子の周囲を樹脂で覆うことにより、圧電素子に水分が付着することによる電極間ショートを防止し、さらに圧電特性の劣化を防止することができる。
また、接続リードと圧電素子との接続部を樹脂層で覆うことにより、接続部の補強を行うことができる。
[適用例4]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記蓋部材に、前記接続リードを挿通する開口部が設けられていることが望ましい。
本適用例の構成では、圧電素子には駆動信号を入力する接続リードが接続される。そこで接続リードを挿入する開口部を蓋部材に設けることにより、接続リードを接続した状態でノズルユニットに圧電素子ユニットを装着することが可能となり、取り扱いを容易にすることができる。
[適用例5]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記補助部材が、前記ダイアフラム及び前記圧電素子よりもヤング率が小さい材料で形成されていることが望ましい。
ここで、補助部材の材料としては、例えば、AlまたはAl合金、CuまたはCu合金等が採用できる。
このようにすることで、圧電素子と補助部材との親和性を高め、脆性を有する圧電素子の補助部材との当接面またはコーナー部の欠け等を防止することができる。
[適用例6]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記ダイアフラムが、前記圧電素子を付勢する弾性要素を備えていることが好ましい。
前述したように、本適用例に係る流体噴射装置は、ノズルユニットと圧電素子ユニットとが着脱可能な構成である。そして、これらユニットの分離境界部はダイアフラムであって、装着した状態でダイアフラムと圧電素子(補助部材を介在している)とは密接させる必要がある。
これらユニットには、製造上の寸法ばらつきが存在し、装着した状態でダイアフラムと圧電素子とが密接しないことが考えられる。そこで、ダイアフラムに弾性要素を備え圧電素子を常時付勢することによりダイアフラムと圧電素子との密接状態を維持し、圧電素子の伸縮に対してダイアフラムを追従させることができる。
[適用例7]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記補助部材と前記ダイアフラムとを密接した状態で、内部に前記圧電素子が配設される筐体の端面と前記蓋部材との接合部に隙間を設け、前記隙間が接合部材で充填されていることが望ましい。
このような構成によれば、ノズルユニットと圧電素子ユニットの製造上の寸法ばらつきを、ノズルユニット側の筐体の端面と、圧電素子ユニット側との蓋部材との隙間で吸収し接合することにより、圧電素子とダイアフラムとを密接させることができる。
なお、接合部材としては、低融点金属や接着剤を用いることがより好ましい。
[適用例8]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記ダイアフラムと前記圧電素子とが、低融点接合材で接合されていることが望ましい。
このようにすれば、ダイアフラムと圧電素子(補助部材を介在)とを密着接合することができ、さらに、接合に低融点接合材を使用することから、加熱することによりダイアフラムと圧電素子(つまり、ノズルユニットと圧電素子ユニット)との分離を行うことができる。
[適用例9]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記ノズルユニットが前記ダイアフラムを含み、前記圧電素子ユニットが、前記圧電素子を格納する筐体と、前記筐体の前記ダイアフラム方向の開口部を封止し前記圧電素子の一方の端面が固着される薄板部材と、前記筐体の前記ダイアフラムとは反対方向の開口部を封止し前記圧電素子の他方の端面に固着される蓋部材と、を有し、前記圧電素子ユニットと前記ノズルユニットとを装着するとき、前記ダイアフラムと前記薄板部材とが密接されることが好ましい。
このようにすれば、ノズルユニットと圧電素子ユニットとの分離をダイアフラムと薄板部材との間で行うことができると共に、ダイアフラムとほぼ同じ変位をすることから圧電素子の伸縮に対してダイアフラムを追従させることができる。
[適用例10]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記ダイアフラムと前記薄板部材との界面に流動性薄膜が設けられていることが望ましい。
このようにダイアフラムと薄板部材との間に流動性を有する薄膜を設けることにより、ダイアフラムと薄板部材とを密接させることができると共に、分離も容易に行うことができる。
また、流動性薄膜によりダイアフラムと薄板部材との間の空気層を排除することができる。ダイアフラムと薄板部材との間に空気層が存在すると、ダイアフラムを流体室の容積を縮小させる方向に変位させるときに空気層がダンパーとなることによる流体室内の圧力が充分上昇できないという課題を排除することができる。
[適用例11]上記適用例に係る流体噴射装置は、前記圧電素子ユニットの内部空間が、樹脂により充填されていることが好ましい。
このような構成によれば、圧電素子の周囲を樹脂で覆うことにより、圧電素子に水分が付着することによる電極間ショートを防止することができる。また、圧電素子に水分が付着することによる圧電特性の劣化を防止することができる。従って、充填される樹脂は吸水性の小さいものが望ましい。
[適用例12]本適用例に係るノズルユニットは、流体室と、前記流体室の容積を縮小するダイアフラムと、前記流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室から流体を吐出する出口流路と、前記出口流路に連通するノズルと、が備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、流動する流体に直接接触する要素がノズルユニットに集約されていること、構成要素が機械加工手段で加工でき低コスト化が可能なので、使い捨て使用に好適である。
[適用例13]本適用例に係る圧電素子ユニットは、圧電素子と、前記圧電素子の伸縮方向の一方の端面に固着され前記ダイアフラムに密接する補助部材と、他方の端面に固着される蓋部材と、が備えられていることを特徴とする。
圧電素子としては、圧電特性を高めるために圧電材料と複数の層間電極とを交互に積層する積層型圧電素子を採用し、圧電材料には鉛入り材料を用いる場合があり、層間電極にはAgまたはAgとPd合金が用いられる。
従って、鉛入り圧電材料を用いる場合には、構成要素が少ない圧電素子ユニットから鉛を含む圧電素子を分離し廃棄することで環境負荷の低減を図れることができる。また、高価なAgまたはAgとPdとの合金を分離回収しやすいという効果がある。
[適用例14]上記適用例に係る圧電素子ユニットは、少なくとも前記圧電素子の表面を覆う樹脂層が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、圧電素子ユニットの状態で、圧電素子の周囲を樹脂で覆うことにより、圧電素子に水分が付着することによる電極間ショートを防止、及び圧電特性の劣化を防止することができる。従って、被覆する樹脂は吸水性の小さいものが望ましい。
[適用例15]上記適用例に係る圧電素子ユニットは、前記圧電素子を格納する筒状の筐体と、前記筐体の前記ダイアフラム側の開口部を封止するよう固着されると共に、前記補助部材に固着される薄板部材と、が備えられ、前記筐体の前記ダイアフラム側の開口部に対向する開口部を封止するよう前記蓋部材が固定されていることが好ましい。
このような構成によれば、圧電素子ユニットは、筐体の内部に圧電素子を格納した状態で一体化しているため、圧電素子に触れることなく単体で保管したり、ノズルユニットに装着することが可能であり、取り扱いが容易となる。
[適用例16]上記適用例に係る圧電素子ユニットは、前記筐体と前記蓋部材と前記薄板部材とから構成される空間内部が、樹脂により充填されていることが好ましい。
このような構成によれば、圧電素子ユニットの内部を樹脂で充填することにより、圧電素子に水分が付着することによる電極間ショートを防止することができる。また、圧電素子に水分が付着することによる圧電特性の劣化を防止することができる。
従って、充填される樹脂は吸水性の小さいものが望ましい。
さらに熱伝導率が高い材料を含む樹脂とすれば、圧電素子を駆動する際発生した熱を筐体を介して外部に発散させることで、圧電素子が高温になることによる特性の劣化を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は流体噴射システム、図2〜図8は実施形態1に係る流体噴射装置、図9,10は実施形態2、図11は実施形態3、図12は実施形態5を示している。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明による流体噴射システム及び流体噴射装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、手術用メス等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施の形態では、生体組織を切開または切除することに好適な流体噴射装置を例示して説明する。従って、実施の形態にて用いる流体は、水または生理食塩水等の液体であり、流体を液体と表すことがある。
(流体噴射システム)
図1は、流体噴射システムの概略構成を示す説明図である。図1において、流体噴射システム1は、基本構成として液体を収容する液体容器と圧力発生部としてのポンプ(図示は省略)とを含む制御装置20と、ポンプから供給される液体を脈動噴射する流体噴射装置10と、流体噴射装置10とポンプを連通する接続チューブ25とから構成されている。
流体噴射装置10は、供給された液体を高圧、高い周波数で脈動吐出する脈動発生機構30と、脈動発生機構に接続される接続流路管90とを有し、接続流路管90の先端部には流路の断面積が縮小された流体噴射開口部97を有するノズル95が挿着されている。
次に、この流体噴射システム1における液体の流動について説明する。制御装置20に備えられる液体容器に収容された液体は、ポンプにより一定の圧力で接続チューブ25を介して脈動発生機構30に供給される。
脈動発生機構30には、流体室120と、この流体室120の容積を変更する手段としてダイアフラム70及び圧電素子40(共に、図2参照)を備えており、容積変更手段を駆動し脈動を発生して流体噴射開口部97から液体を高速でパルス状に噴射する。
なお、圧力発生部としてはポンプに限らず、液体容器としての輸液バッグをスタンド等によって脈動発生機構30よりも高い位置に保持するようにしてもよい。従って、ポンプは不要となり、構成を簡素化することができる他、液体流路の消毒等が容易になる利点がある。
ポンプの吐出圧力は概ね3気圧(0.3MPa)以下に設定する。また、輸液バッグを用いる場合には、脈動発生機構30と輸液バッグの液上面との高度差が圧力となり、0.1〜0.15気圧(0.01〜0.015MPa)程度になるように高度差を設定することが望ましい。
なお、この流体噴射システム1を用いて手術をする際には、術者が把持する主たる部位は脈動発生機構30である。従って、脈動発生機構30に接続される接続チューブ25はできるだけ柔軟であることが好ましい。そのためには、柔軟で薄いチューブとし、液体を脈動発生機構30に送液可能な範囲で低圧にすることが好ましい。
また、特に、脳手術のときのように、流体噴射システム1の故障が重大な事故を引き起こす恐れがあるような場合には、接続チューブ25の切断等において高圧な流体が噴出することは避けなければならず、このことからも低圧にしておくことが要求される。
(実施形態1)
続いて、実施形態1に係る流体噴射装置の構造について説明する。
図2は実施形態1に係る流体噴射装置の主たる構成を液体の流路方向に沿って切断して示す断面図、図3は図2の流体噴射装置を右側から図示した側面図、図4は左側から図示した側面図である。
まず、図2〜図4を参照して流体噴射装置の概略構成を説明する。流体噴射装置10は、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12とが装着された状態で構成されている。
ノズルユニット11は、第1機枠80の一方の端面に設けられる流体室120と、流体室120に液体を供給する入口流路83と、流体室120から液体を吐出する出口流路88と、出口流路88に連通する接続流路管90と、接続流路管90に圧入されるノズル95と、から構成されている。
本実施形態では、接続流路管90は第1機枠80と着脱可能に螺合結合されていることから、接続流路管90を除いた部分をノズルユニット11としてもよい。
第1機枠80の壁面82には、リング形状のスペーサ60と円盤状の金属薄板からなるダイアフラム70の周縁とが重ねて密着固定されている。流体室120は、これら壁面82とスペーサ60の内周側壁61とダイアフラム70で囲まれた空間によって形成される。
第1機枠80の外側側面にはチューブ接続管81が突設されており、チューブ接続管81には流入接続流路84が開設されている。この流入接続流路84には壁面82に穿設される入口流路83に連通する接続流路85が設けられている。なお、入口流路83は図5、図6を参照して詳しく説明する。
チューブ接続管81には、接続チューブ25が嵌着されており、接続チューブ25は制御装置20(図1、参照)の内部に設けられるポンプに接続され、入口流路83を介して流体室120内に液体が供給されるよう構成されている。
また、第1機枠80には、壁面82の略中央に壁面82に対して略垂直に流体室120に連通する出口流路88が設けられている。そして、出口流路88は、出口流路88よりも直径(断面積)が大きい出口接続流路89に連続している。なお、出口流路88の流体室120との接続部は滑らかに丸められている。
第1機枠80のダイアフラム70に対向する端面方向には接続流路管挿着部80aが突設され、この接続流路管挿着部80aに接続流路管90が挿着される。そして、接続流路管挿着部80aの先端部から出口接続流路89に至る範囲に雌螺子80dが形成されている。
接続流路管90には、接続流路92が開設され、その先端部外周には雄螺子90aが形成されている。これらの螺子部を螺着することで接続流路管90は第1機枠80に固定される。従って、接続流路管90は第1機枠80に対して着脱可能な構成である。
また、接続流路管90は、雄螺子90aの先端部が雌螺子80dの底部に密接されるまで捩じ込まれて固定される。
なお、接続流路管90の長手方向の途中の外周部には、カット部90bが形成されている。カット部90bは接続流路管90の外周部を互いに対向する平面でカットして形成される。このカット部90bを治具等により掴んで回転し、接続流路管90と第1機枠80との着脱を行うことができる。
従って、このような構成によれば、万一、ノズル95が詰まったときなどに接続流路管90を取り外して洗浄、消毒することができる他、接続流路管90の交換を容易に行うことができる。
また、接続流路管90の形状を複数種類用意しておき、使用対象に応じて接続流路管90の形状を任意に選択して取り付けて使用することができる。
接続流路管90は、出口接続流路89に連通する接続流路92が開設され、出口流路88とは反対側の端部にノズル95が挿着されている。ノズル95は、接続流路92に連通するノズル流路96と、流体噴射開口部97とを有している。
ここで、接続流路92とノズル流路96と出口接続流路89とはそれぞれ同じ断面積を有し、この断面積は出口流路88の断面積より大きい。
また、流体噴射開口部97の断面積は、出口流路88断面積よりも減縮されている。このようにすることで、より高速で切除能力の高いパルス状の液滴を噴射することができる。
なお、上記断面積とは、液体の流動方向に対して垂直に切断したときの流路の断面積を表している。
第1機枠80には、外側鍔部56と筒部51を有する筒状部材である第2機枠50が装着されている。図3に示すように、外側鍔部56と筒部51の外形形状は四角形である。そして、第2機枠50を貫通する円筒状の孔51aが開設されている。
第1機枠80と第2機枠50とは、ダイアフラム70の周縁部とスペーサ60とを挟み込んだ状態で4隅を固定螺子161で螺着固定し(図4も参照する)、互いを密接させる。従って本実施形態では、第2機枠50を含んでノズルユニット11が構成されている。
圧電素子ユニット12は、圧電素子40の伸縮方向の一方の端部に補助部材としての上板110を、他方の端部には蓋部材としての下板100が固着されて構成されている。
なお、上板110は、AlまたはAl合金、CuまたはCu合金などのダイアフラム70及び圧電素子40よりもヤング率(または硬度)が小さい材料で形成されている。
圧電素子40は、圧電特性を高めるために圧電材料と複数の層間電極(図示せず)とを交互に積層する積層型圧電素子を採用し、層間電極にはAgまたはAgとPdとの合金等の導電性の良い材料が用いられる。
圧電素子40の対向する側面にはそれぞれ層間電極に接続する駆動電極(図示せず)が設けられ、これら駆動電極には、接続リード151,152が接続されている。接続リード151,152それぞれは、下板100に設けられた開口部としてのリード挿通孔101,102に挿通されて外部に導き出され、制御装置20(図1、参照)の駆動回路部(図示せず)に接続される。
また、圧電素子40の表面全周には、接続リード151,152との接続部及びリード挿通孔101,102の内部を含んで表面を覆う樹脂層140が設けられている。この樹脂層140は圧電素子40の周囲を被覆するため、圧電素子40の駆動を妨げない程度の可撓性を有している。なお、樹脂層140は、吸水性の小さい材料がより好ましい。
樹脂層140の材料としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはゴム系樹脂等から選択できる。これら各樹脂それぞれにおいても吸水性(吸水率)が異なるグレードがあり、その中でも吸水性が小さいものを選択することが望ましい。吸水率は0.5%以下にすることがより好ましい。
このようにして構成される圧電素子ユニット12は、上板110をダイアフラム70に密接するように、第2機枠50の孔51aの内部に挿入したうえで、下板100を第2機枠50の開口部端面に固定螺子160を用いて固定する(図3、参照)。従って、第2機枠50は、圧電素子ユニット12に対して筐体である。
なお、第2機枠50と下板100とは、ノズルユニット11に圧電素子ユニット12を装着した状態でダイアフラム70を変形させず、しかも密接するように寸法調整をしたうえで固定される。
続いて、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との接合部について図5を参照してより詳しく説明する。
図5は、実施形態1に係るノズルユニットと圧電素子ユニットとの接合部の詳細を示す断面図である。従って、図2と同じ符号を付与して説明する。
第1機枠80には壁面82の外側周囲にリング状凹部86が形成され、第2機枠50にはリング状凹部86に対向したリング状凸部53が形成されている。このリング状凹部86にリング状凸部53を挿着することで第1機枠80と第2機枠50との正確な位置規制がなされる。
この際、第1機枠80の中央部の壁面82と、第2機枠50のリング状凸部53の内側に突設される内周鍔部52との間にダイアフラム70とスペーサ60とが圧設される。
なお、スペーサ60の内周側壁61と第2機枠50の内周鍔部52の直径は略同等に設定され、ダイアフラム70の変位に対する支持位置を同じにしている。
第1機枠80のリング状凹部86の底部と、第2機枠50のリング状凸部53の先端部の間にはシール材としてのパッキン130が介在されている。ダイアフラム70とスペーサ60とが圧設された状態でパッキン130が押圧され、外部と流体室120の間の液体の移動を規制している。
次に、入口流路83について図6、図7を参照して説明する。
図6は、第1機枠を圧電素子側から視認した状態を示す平面図である。入口流路83は、第1機枠80の壁面82に溝として形成され、接続流路85との接続部に端を発し、流体室120に連通する流入口部83aに至るまで略円弧形状に延在されている。
この溝は、出口流路88を中心とする同心円で接続流路85との接続部から反時計回りに図示符号Aの位置まで延在され、符号Bから符号Cまでの範囲はスペーサ60の内周側壁61の接線方向(つまり、流体室120の側壁の接線方向)に延在される。さらに、符号Cから符号Dの範囲は、スペーサ60の内周側壁61に沿って延在されている。
また、符号Aから符号Bまでの範囲は、液体を滑らかに流動方向を変化させるような小円弧で接続される。
このように形成される溝の大部分の開口部(図示上方)は、リング形状のスペーサ60によって封止されて入口流路83を形成し、流入口部83aが、流体室120に連通される。
このように入口流路83を形成することによって、接続チューブ25から一定の圧力で流入される液体は、スペーサ60の内周側壁61に沿う旋回流となる。
このように、流体室120内において液体を旋回流にすることにより、液体は遠心力により流体室120の外側方向に寄せられ、液体中に含まれる気泡は中心部に集まり、出口流路88から液体の吐出に伴い外部に排出することができる。従って、流体室120内に気泡が滞留することを抑制し、流体室120内部の圧力を充分上げることができることから確実な脈動吐出を行うことができる。
なお、入口流路83の流体室120への流入口部83aは底面から壁面82まで斜面83dで連続されている。
図7は、流入口部を拡大して示す断面図である。流入口部83aは、図6に示す入口流路83の符号Cから符号Dまでの範囲で、溝の底面83bから斜面によって壁面82に連続されている。
このようにすることで、流入口部83aと壁面82との接続部における流体抵抗を減じ、また、急激に流路が変更されることにより発生する渦流による旋回流への乱れや気泡の発生を抑制することができる。
次に、本実施形態におけるノズルと接続流路管との接合構造について図面を参照して説明する。
図8は、ノズルと接続流路管との接合構造を示す断面図である。ノズル95は、先端鍔部98と挿入部99とから構成され、接続流路管90の接続流路92に連通するノズル流路96と流体噴射開口部97とが開設されている。挿入部99の外周面には、長手方向途中に溝99aが形成されると共に、挿入側先端部には外径が減縮された細管部99bが形成されている。
また、接続流路管90の端部には、ノズル挿着穴90fが形成されている。ノズル95は、ノズル挿着穴90fに圧入される。この際、ノズル95の端面99cがノズル挿着穴90fの底面94に密接される。
なお、ノズル95は、挿入部99の外周側面に圧入強度の補強のために接着剤が塗布されたうえで接続流路管90に圧入される。この圧入時に、接着剤が溝99aに溜まる。従って、本実施形態における溝99aは接着剤溜まりであって、接着強度を高める機能と、ノズル95と接続流路管90との接合部において、液体漏れや空気の浸入を防止する機能を有する。
また、細管部99bは、接着剤がこの細管部99bの範囲で止まり、接続流路92またはノズル流路96の内部に入り込むことを防止している。
次に、本実施形態における流体噴射装置10の動作について図2,5を参照して説明する。本実施形態の液体吐出は、入口流路側のイナータンスL1(合成イナータンスL1と呼ぶことがある)と出口流路側のイナータンスL2(合成イナータンスL2と呼ぶことがある)の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、液体の密度ρ、流路の断面積S、流路の長さhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差ΔP、流路を流れる液体の流量Q、時間tとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形し、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
なお、合成イナータンスL1は、流入接続流路84と接続流路85の断面積が入口流路83の断面積に対して十分大きく設定されているので、合成イナータンスL1は、入口流路83の範囲において算出される。この際、接続チューブ25は柔軟性を有するため、合成イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、合成イナータンスL2は、接続流路管90が液体の圧力波の伝播に充分な剛性を有していることから出口流路88と出口接続流路89との和と考えることができる。
そして、本実施形態では、合成イナータンスL1が合成イナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路83の流路長及び断面積、出口流路88及び出口接続流路89の流路長及び断面積を設定する。
続いて、液体噴射の動作について図5を参照して説明する。
ポンプによって入口流路83には、常に一定圧力の液圧で液体が供給される。その結果、圧電素子40が動作を行わない場合、ポンプの吐出圧力と入口流路側全体の流体抵抗値の差によって液体は流体室120内に流入する。
ここで、圧電素子40に駆動信号が入力され、急激に圧電素子40が伸張したとすると、流体室120内の圧力は、入口流路側及び出口流路側の合成イナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。この圧力は、入口流路83に加えられていたポンプによる圧力よりはるかに大きいため、入口流路83から流体室120内への液体の流入はその圧力によって減少し、出口流路88からの流出が増加する。
しかし、入口流路側の合成イナータンスL1は、出口流路側の合成イナータンスL2よりも大きいため、入口流路83から液体が流体室120へ流入する流量の減少量よりも、出口流路88から吐出される液体の増加量の方が大きい。そのことから、出口流路88にパルス状の流体吐出、つまり、脈動流が発生する。
この吐出の際の圧力変動が、接続流路管90内を伝播して、先端のノズル95の流体噴射開口部97(共に、図2参照)から液体が噴射される。流体噴射開口部97の直径は、出口流路88の直径よりも減縮されているので、液体は、さらに高圧、高速のパルス状の液滴として噴射される。
一方、流体室120内は、入口流路83からの液体流入量の減少と出口流路88からの液体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に真空状態となる。その結果、ポンプの圧力と、流体室120内の真空状態の双方によって一定時間経過後、入口流路83の液体は圧電素子40の動作前と同様な速度で流体室120内に向かう流れが復帰する。入口流路83内の液体の流動が復帰した後、圧電素子40の伸張があれば、ノズル95から液体をパルス状に継続して噴射することができる。
従って、本実施形態によれば、圧電素子40が他の構成要素に比べて圧倒的に高コスト要素である。そこで、流動する液体や体液や血液に直接接触することが考えられる入口流路83、ダイアフラム70、流体室120、出口流路88、接続流路管90及びノズル95を含み、しかも圧電素子ユニット12(圧電素子40)に対して低コストのノズルユニット11を使い捨て使用とし、流動する液体や体液や血液に直接接触することがなく高コストの圧電素子ユニット12を繰り返し使用とすることにより、安全性を高めると共に、ランニングコストを低減することができる。
なお、圧電素子40としては、圧電特性を高めるために圧電材料と複数の層間電極とを交互に積層する積層型圧電素子を採用する。圧電材料は鉛入り材料を用いることがあり、層間電極はAgまたはAgとPdとの合金等が用いられる。
従って、圧電素子40が鉛を含む場合には、構成要素が少ない圧電素子ユニット12から圧電素子40を分離し廃棄することで環境負荷の低減を図れる。
また、高価なAgまたはAgとPdとの合金を分離回収しやすいという効果がある。
また、圧電素子ユニット12が、圧電素子40と上板110と下板100とから構成され、単純な構成となることから取り扱いが容易となり、組立性を向上する。
また、接続リード151,152と圧電素子40との接続部を含む圧電素子40の表面を吸水性が小さい樹脂層140で覆うことにより、圧電素子40に水分が付着することによる層間電極間ショートを防止し、さらに圧電特性の劣化を防止することができる。
また、接続リード151,152が挿通されるリード挿通孔101,102の内部にも樹脂層140を充填することにより、接続リード151,152の補強をすることができる。
さらに、圧電素子ユニット12を単独で扱う際、圧電素子40が樹脂層140で被覆しているため、圧電素子40に傷をつけたり、欠けを発生させないことから取り扱いを容易にする。
本実施形態による圧電素子ユニット12は、圧電素子40と上板110と下板100とから構成される。この際、リード挿通孔101,102を下板100に設け接続リード151,152を挿通する、接続リード151,152を接続した状態でノズルユニット11に圧電素子ユニット12を装着することが可能となり、取り扱いを容易にすることができる。
また、上板110をAlまたはAl合金、CuまたはCu合金等のダイアフラム70及び圧電素子40よりもヤング率が小さい材料で形成している。このことにより、圧電素子40と上板110との親和性を高め、一般的に脆性を有する圧電素子の補助部材との当接面またはコーナー部の欠け等を防止することができる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る流体噴射装置について図面を参照して説明する。実施形態2は、ダイアフラム70が圧電素子40を付勢する弾性要素を備えていることに特徴を有する。前述した実施形態1との相違個所を中心に具体的な二つの実施例を例示して説明する。なお、ダイアフラム70の形状を誇張して図示している。
まず、実施例1について説明する。
図9は、実施形態2に係る流体噴射装置の実施例1を示す部分断面図である。ダイアフラム70は、周縁部が第1機枠80と第2機枠50との間にスペーサ60を介在して圧設固定されている。ここで、ダイアフラム70の中心部は、圧電素子40方向に凸状に形成され、上板110に当接されている。
この状態において、圧電素子ユニット12はノズルユニット11に対して装着途中であって、第2機枠50の開口部側の端面57と下板100の周縁部端面103とは、僅かに隙間を有している。
この状態から、第2機枠50の開口部側の端面57と下板100の周縁部端面103とが密接するまで圧電素子ユニット12をノズルユニット11に押し込む。すると、圧電素子ユニット12により、ダイアフラム70は、ダイアフラム70’(二点鎖線で表す)で図示する位置まで変位する。
ダイアフラム70’は、実施形態1(図5、参照)とほぼ同じ容積を有する流体室120を形成する。このことにより、ダイアフラム70の変位量に相当する弾性力で圧電素子40を付勢する。従って、上板110(つまり、圧電素子40)とダイアフラム70とは密接される。
前述したように、流体噴射装置10は、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との境界部はダイアフラム70であって、両ユニットを装着した状態でダイアフラム70と圧電素子40とは密接させる必要がある。
これらユニットには、製造上の寸法ばらつきが存在し、装着した状態でダイアフラム70と圧電素子40とが密接しないことが考えられる。そこで、ダイアフラム70に弾性要素を備え圧電素子40を伸縮方向に常時付勢することによりダイアフラム70と圧電素子40との密接状態を形成し、圧電素子40の伸縮運動に対してダイアフラム70を追従させることができる。
次に、実施例2について説明する。
図10は、実施形態2に係る流体噴射装置の実施例2を示す部分断面図である。ダイアフラム70は、周縁部が第1機枠80と第2機枠50との間にスペーサ60を介在して圧設固定されている。ここで、図10は、圧電素子ユニット12をノズルユニット11に装着した(第2機枠50の開口部側の端面57と下板100の周縁部端面103とが密接する)状態を表している。
圧電素子ユニット12を装着する前では、ダイアフラム70は変形せず(二点鎖線で図示する略フラットな状態)であり、圧電素子ユニット12を装着した状態では、流体室120の内側にダイアフラム70’で図示する位置まで変位される。
このことにより、ダイアフラム70の変位量に相当する弾性力で圧電素子40を圧電素子40の伸縮方向に付勢する。従って、上板110(つまり、圧電素子40)とダイアフラム70とは密接される。
なお、圧電素子ユニット12を装着した状態において、流体室120の容積が所定の容積となるように寸法を補正しておけばなおよい。具体的には、スペーサ60の厚さを調整することで容易に行える。
このような構成してもダイアフラム70に弾性要素を備え圧電素子40を伸縮方向に常時付勢することによりダイアフラム70と圧電素子40との密接状態を形成し、圧電素子40の伸縮運動に対してダイアフラム70を追従させることができる。
(実施形態3)
続いて、実施形態3に係る流体噴射装置について図面を参照して説明する。実施形態3は、ノズルユニット側の第2機枠の端面と、圧電素子ユニット側の下板との接合部に隙間を設け、この隙間により、圧電素子とダイアフラムとを密接した状態に調整することに特徴を有する。従って、実施形態1(図5、参照)との相違個所を中心に説明する。
図11は、実施形態3に係る流体噴射装置を示す部分断面図である。ダイアフラム70は、周縁部が第1機枠80と第2機枠50との間にスペーサ60を介在して圧設固定されている。圧電素子40は上板110を介在してダイアフラム70に密接されている。
この状態において、第2機枠50の開口部側の端面57と下板100の周縁部端面103とは、僅かに隙間を有するよう予め寸法を設定しておく。
ダイアフラム70と上板110とが当接する位置は、出口流路88から光検出装置を用いて、ダイアフラム70の位置、または変位位置を検出すれば可能である。あるいは、ダイアフラム70と上板110との電気的接続や接触抵抗値を検出することでも可能である。
こうして、上板110がダイアフラム70に当接したことを検出したときに、第2機枠50の開口部側の端面57と下板100の周縁部端面103との間の隙間に、接合部材141を充填し固化する。
接合部材141としては、低融点金属や熱可塑性接着剤を用いることが可能で、常温状態では充分な接合強度(剛性)を有し、加熱することにより第2機枠50と下板100との接合を分離する。つまり、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との分離を行う。
圧電素子ユニット12を再使用する際には、接合部材141の残渣を洗浄し取り除き、前述した方法でノズルユニット11に装着すればよい。
このような構成によれば、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12の製造上の寸法ばらつきを、筐体としての第2機枠50の端面57と下板100の端面との隙間で吸収し接合することにより、圧電素子40とダイアフラム70とを密接させることができる。
(実施形態4)
続いて、実施形態4に係る流体噴射装置について説明する。実施形態4は、ダイアフラムと圧電素子とが低融点接合材で接合されていることに特徴を有する。実施形態1との相違個所を中心に図2,5を参照して説明する。
実施形態1と同様に圧電素子ユニット12は、圧電素子40と上板110と下板100とを互いに接着剤等により固着し構成されている。本実施形態では、圧電素子ユニット12は、圧電素子40を上板110を介在してダイアフラム70に低融点接合材で接合したうえ、下板100を第2機枠50に固定螺子160を用いて固定する。
低融点接合材としては、低融点金属や熱可塑性接着剤を用いることが可能で、常温状態では充分な接合強度(剛性)を有している。また、溶剤により溶解することが可能な接着剤を用いることもできる。
ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との分離は、固定螺子160を外した後、加熱することによりダイアフラム70と上板110との接合を分離する。つまり、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との分離を行うことが可能となる。
このようにすれば、ダイアフラム70と圧電素子40とを密着接合することができるため、圧電素子40の伸縮に対してダイアフラム70の変位を追従させることができる。
さらに、接合に低融点接合材を使用することから、加熱することによりノズルユニット11と圧電素子ユニット12との分離を容易に行うことができる。
(実施形態5)
続いて、実施形態5に係る流体噴射装置について図面を参照して説明する。実施形態5は、圧電素子ユニットが、ダイアフラムと密接する薄板部材を備えていることに特徴を有する。従って、実施形態1(図5、参照)との相違個所を中心に説明する。
図12は、実施形態5に係る流体噴射装置を示す部分断面図である。第1機枠80の圧電素子40側の壁面82には、スペーサ60及びダイアフラム70が重ねて固着されて、流体室120を形成している。
一方、圧電素子ユニット12は、筐体としての筒状の第2機枠50と、第2機枠50のダイアフラム70に対向する端面に薄板部材としての分離板75が固着されている。
分離板75は、外径がダイアフラム70と略同じ、厚さがダイアフラム70と同じか、または薄い円盤状部材で形成されている。
圧電素子40は、両端面に上板110と下板100とを固着した状態で第2機枠50の内部に挿入され、上板110が分離板75に固着されており、下板100を第2機枠50の開口部端面に、固定螺子160(図2、参照)により固定されている。
従って、圧電素子ユニット12は、第2機枠50の開口部両端面を分離板75と下板100で封止した内部空間に圧電素子40が格納されたユニットとして構成されている。
なお、圧電素子40には接続リード151,152が接続され、接続リード151,152は、下板100に開設されるリード挿通孔101,102を挿通して外部に導きだされている。
ノズルユニット11と圧電素子ユニット12とは、実施形態1と同様に固定螺子161(図2、参照)により固定される。従って、着脱可能な構成である。
なお、本実施形態では、圧電素子ユニット12の内部及びリード挿通孔101,102を含んで、吸水性が小さい樹脂142により充填されている。樹脂142の材料としては、前述した実施形態1に記載の樹脂層140(図2、参照)と同様なものを選択できる。
また、樹脂142は熱伝導率が高い材料とすることがより好ましい。熱伝導率が高い材料としては、母材樹脂に無機セラミックス粉末や炭素粉末等の熱伝導率が高い材料を混入する材料が考えられる。
なお、樹脂142は、吸収性が小さく熱伝導率が高いという両方の条件を満たす材料であればなお好ましい。
なお、ダイアフラム70と分離板75との界面に液状薄膜(図示せず)が設けられている。流動性を有する薄膜としては、例えばシリコンオイル等を採用することができ、薄い薄膜として界面に一様に広がるように適度の粘性を有する材質を選択する。
従って、ノズルユニット11と圧電素子ユニット12との分離は、ダイアフラム70と分離板75との間で行うことができると共に、分離板75がダイアフラム70とほぼ同じ変位形態をすることから圧電素子40の伸縮の動きに対してダイアフラム70を追従させることができる。
また、ダイアフラム70と分離板75との間に流動性を有する薄膜を設けることにより、ダイアフラム70と分離板75と流動性薄膜を介在して密接させることができると共に、分離も容易に行える。
さらに、流動性薄膜によりダイアフラム70と分離板75との間の空気層を排除することができる。ダイアフラム70と分離板75との間に空気層が存在すると、圧電素子40によりダイアフラム70を流体室120の容積を縮小させる方向に変位させるときに空気層がダンパーとなることにより、流体室120内の圧力が充分に上昇できないという課題を排除することができる。
また、圧電素子ユニット12の内部を吸水性の小さい樹脂142で充填することにより、圧電素子40に水分が付着することによる層間電極のショートを防止することができる。また、圧電素子40に水分が付着することによる圧電特性の劣化を防止することができる。さらに、接続リード151,152を補強することができ、信頼性を高めることができる。
流体噴射装置10を長時間継続して駆動すると圧電素子40が発熱する。そこで、圧電素子40と第2機枠50との空間に熱伝導率が高い樹脂を充填することにより、発生した熱を第2機枠50を介して外部に発散させることで、圧電素子40が高温になることによる特性の劣化を防止することができるという効果がある。
流体噴射システムの概略構成を示す説明図。 実施形態1に係る流体噴射装置の主たる構成を液体の流路方向に沿って切断して示す断面図。 図2の流体噴射装置を右側から図示した側面図。 図2の流体噴射装置を左側から図示した側面図。 実施形態1に係るノズルユニットと圧電素子ユニットとの接合部の詳細を示す断面図。 実施形態1に係る第1機枠を圧電素子側から視認した状態を示す平面図。 実施形態1に係る流入口部を拡大して示す断面図。 実施形態1に係るノズルと接続流路管との接合構造を示す断面図。 実施形態2に係る流体噴射装置の実施例1を示す部分断面図。 実施形態2に係る流体噴射装置の実施例2を示す部分断面図。 実施形態3に係る流体噴射装置を示す部分断面図。 実施形態5に係る流体噴射装置を示す部分断面図。
符号の説明
10…流体噴射装置、11…ノズルユニット、12…圧電素子ユニット、40…圧電素子、70…ダイアフラム、83…入口流路、88…出口流路、95…ノズル、120…流体室。

Claims (4)

  1. 流体室の容積をダイアフラムにより変更してノズルから流体をパルス状に噴射する流体噴射装置であって、
    前記流体室と、前記流体室に流体を供給する入口流路と、前記流体室から流体を吐出する出口流路と、前記出口流路に連通するノズルと、を有するノズルユニットと、
    前記ダイアフラムを変位させる圧電素子を有する圧電素子ユニットと、
    前記圧電素子の伸縮方向の一方の端面に固着され前記ダイアフラムに密接する補助部材と、他方の端面に固着されると共に前記ノズルユニットの筐体に固定する蓋部材と、
    を備え、
    前記ノズルユニットと前記圧電素子ユニットとが、着脱可能に装着され
    前記補助部材と前記ダイアフラムとを密接した状態で、内部に前記圧電素子が配設される筐体の端面と前記蓋部材との接合部に隙間を設け、前記隙間が接合部材で充填されていることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置において、
    前記圧電素子に駆動信号を入力する接続リードが接続され、前記接続リードと前記圧電素子との接続部を含む前記圧電素子の表面を覆う樹脂層が設けられていることを特徴とする流体噴射装置。
  3. 請求項または請求項に記載の流体噴射装置において、
    前記補助部材が、前記ダイアフラム及び前記圧電素子よりもヤング率が小さい材料で形成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流体噴射装置を用いた手術メス。
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