JP5083399B2 - 流体噴射装置および手術器具 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧した流体を噴射する流体噴射装置、流体噴射方法および流体噴射手術器具に関する。
従来、この種の技術としては、例えば、流体噴射口に連通する接続流路を有する流路管と、接続流路に連通する流体室及び流体室の容積を変更する圧電素子を有する脈動発生部と、流体室に流体を供給する流体供給手段と、を備える流体噴射装置がある(特許文献1参照)。
この流体噴射装置では、流体供給手段が流体室に流体を供給し、圧電素子が流体室の容積を変更することによって、流体噴射口から脈動する流体(以下、脈動流という)を噴射することが可能となる。
また、流体を噴射して生体組織を切開または切除する流体噴射装置として、流体を噴射するノズルと、流体の噴射によって破壊された組織片等を吸引する吸引管とを備え、ノズルと吸引管との配置関係を平行あるいは同軸にすることにより、噴射によって破砕された血栓片や組織片を他に飛散させることなく回収し、治療の効果安全性を向上させるというものがある(特許文献2参照)。
特開2008−082202号公報 特開2003−000713号公報
しかしながら、上記各特許文献に記載の技術を含め、流体を噴射して対象部位を切断または切除可能な流体噴射装置においては、使用者等の判断によって対象部位の切断または切除が行われているため、使用者等の技量によっては、切断または切除の対象としない部分を切除等する可能性があった。
即ち、流体を噴射して対象物を切断または切除する際に、確実に高精度な切断または切除を行うことが困難であった。
そこで、本発明は、流体を対象物に噴射する際に、より確実に高精度な流体噴射を行うことができる流体噴射装置、流体噴射方法および流体噴射手術器具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、第1の発明に係る流体噴射装置は、流体が流入する流体室と、前記流体室の容積を変更する容積変更手段と、前記流体室に連通する入口流路および出口流路と、を有する脈動発生部と、前記出口流路から流出した流体を噴射する流体噴射口と、前記入口流路に流体を供給する流体供給手段と、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御する制御手段と、前記流体噴射口に対向する流体噴射対象領域の色を検出する色検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色に応じて、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御することを特徴としている。
このように、噴射対象領域の色に応じて容積変更手段による流体室の容積の変更を制御するため、流体噴射対象物の性質に適した特性の脈動流を噴射することが可能となり、高精度な流体噴射を行うことが可能となる。
ここで、流体室としては、例えば、後述する流体室501が該当する。容積変更手段としては、例えば、後述する圧電素子401が該当する。入口流路としては、例えば、後述する入口流路503が該当する。出口流路としては、例えば、後述する出口流路511が該当する。脈動発生部としては、例えば、後述する脈動発生部100が該当する。流体噴射口としては、例えば、後述する流体噴射開口部212が該当する。流体供給手段としては、例えば、後述するポンプ20および流体容器10が該当する。制御手段としては、例えば、後述する制御手段30が該当する。色検出手段としては、例えば、後述する色センサ40が該当する。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色が、噴射対象部位における噴射禁止領域を示す色であるとき、前記脈動発生部における流体の吐出を停止するように、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御することを特徴としている。
これにより、噴射対象領域が噴射禁止領域である場合に、脈動発生部における流体の吐出を停止することができ、作業者が噴射禁止領域に過って流体を噴射するのを防止することができる。したがって、例えば、流体噴射装置を手術用のウォーターパルスメス等に適用した場合、術者が切除禁止領域を過って切断または切除してしまうのを防止することができ、より確実に高精度な切断または切除を行うことが可能となる。
さらに、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色が、噴射対象部位における噴射可能領域を示す色であるとき、前記色検出手段が検出した色に応じて異なる特性の脈動流を噴射するように、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御することを特徴としている。
これにより、噴射対象領域が噴射可能領域である場合に、噴射対象領域の色に応じて、噴射圧力や噴射周期等、噴射する脈動流の特性を変更することができ、流体噴射対象物の性質に適した特性の脈動流を噴射することが可能となり、高精度な流体噴射を行うことが可能となる。
また、第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、流体の噴射対象部位の形状を示すデータを取得する形状データ取得手段と、前記形状データ取得手段によって取得された噴射対象部位の形状を示すデータを基に、噴射対象部位における噴射可能領域および噴射禁止領域を設定する領域設定手段と、前記流体噴射対象領域が前記噴射可能領域および前記噴射禁止領域の何れかに該当するかを判定する領域判定手段と、前記領域判定手段によって、前記流体噴射対象領域が前記噴射禁止領域に該当していると判定された場合に、前記脈動発生部における流体の吐出を抑制させる吐出抑制手段と、をさらに備えることを特徴としている。
このように、形状データ取得手段によって取得した噴射対象部位の形状を示すデータに基づいて噴射対象領域が噴射禁止領域に該当すると判定した場合に、脈動発生部における流体の吐出を抑制するので、フェイルセーフ機能を付加することが可能となる。
ここで、形状データ取得手段としては、例えば、後述する3次元画像作成部801が該当する。領域設定手段としては、例えば、後述する領域設定部802が該当する。領域判定手段としては、例えば、後述する切除状態比較部807が該当する。吐出抑制手段としては、例えば、後述する切除状態比較部807が該当する。
さらにまた、第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明において、音声および光の少なくとも一方によって報知を行う報知手段をさらに備え、前記報知手段は、前記流体噴射対象領域が、前記噴射禁止領域および当該噴射禁止領域近傍の領域である近傍領域の何れかに該当するとき、前記報知を行うことを特徴としている。
これにより、噴射対象領域が噴射禁止領域や近傍領域に該当することを作業者に報知することができ、作業者が噴射禁止領域に過って流体を噴射するのをより確実に防止することができる。
ここで、報知手段としては、例えば、後述する青色LED100a、赤色LED100bおよびスピーカ100cが該当する。
さらに、第6の発明に係る流体噴射方法は、流体室に流体を供給し、前記流体室の容積を変更することによって、流体噴射口から加圧された流体を噴射し、前記流体噴射口に対向する流体噴射対象領域の色を検出し、前記検出した色に応じて、前記流体室の容積の変更を制御することを特徴としている。
これにより、流体噴射対象物の性質に適した特性の脈動流を噴射することが可能となり、高精度な流体噴射を行うことが可能となる。
また、第7の発明に係る流体噴射手術器具は、流体が流入する流体室と、前記流体室の容積を変更する容積変更手段と、前記流体室に連通する入口流路および出口流路と、を有する脈動発生部と、前記出口流路から流出した流体を噴射する流体噴射口と、前記入口流路に流体を供給する流体供給手段と、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御する制御手段と、前記流体噴射口に対向する手術対象部位の色を検出する色検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色に応じて、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御し、前記容積変更手段が前記流体室の容積を変更することにより前記流体噴射口から噴射される流体によって手術対象部位を切開又は切除することを特徴としている。
これにより、流体を噴射して対象物を切断または切除する際に、より確実に高精度な切断または切除を行うことが可能な手術装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るウォーターパルスメスを示す概略構成図である。 図1に示すウォーターパルスメスの脈動発生部を示す断面図である。 図2に示す脈動発生部を分解した状態の概略を示す斜視図である。 図2に示す脈動発生部の入口流路を示す平面図であり、上ケースを下ケースとの接合面側から視認した状態を表している。 制御手段の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における制御手段が実行する制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るウォーターパルスメスを示す概略構成図である。 患部において切除可能領域、切除禁止領域および近傍領域が設定された状態を示す模式図である。 第2の実施形態における制御手段が実行する制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本発明に係る流体噴射装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、物体の切断や切除、手術用メス等に適用することが可能である。
本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置を、手術対象部位の生体組織を切開又は切除することに好適なウォーターパルスメスに適用した場合について説明する。したがって、本実施の形態で用いる流体は、水、生理食塩水、薬液等である。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るウォーターパルスメスを示す概略構成図である。
図1に示すウォーターパルスメス(流体噴射装置、流体噴射手術器具)1は、流体を収容する流体容器10と、一定の圧力で流体を供給するポンプ20と、ポンプ20から供給される流体を脈動流動する脈動発生部100と、脈動発生部100及びポンプ20を制御する制御手段30と、色センサ40とを備える。
流体容器10は、水、生理食塩水、薬液等の流体を収容する。
ポンプ20は、接続チューブ15を介して流体容器10に収容された流体を吸引する。また、ポンプ20は、吸引した流体を、一定の圧力で接続チューブ25を介して脈動発生部100に供給する。ポンプ20の吐出圧力は概ね3気圧(0.3MPa)以下に設定する。
なお、このウォーターパルスメス1を用いて手術をする際には、術者が把持する部位は脈動発生部100である。したがって、脈動発生部100までの接続チューブ25はできるだけ柔軟であることが好ましい。そのためには、柔軟で薄いチューブで、流体を脈動発生部100に送液可能な範囲で低圧にすることが好ましい。
脈動発生部100は、流体室501(図2、参照)と、流体室501の容積変更手段とを備えている。本実施形態では、流体室501の容積変更手段として、圧電素子401を用いている。
また、脈動発生部100には、切除あるいは切開の状態の適否を報知するための青色および赤色のLED(Light Emitting Diode)100a,100bと、音声を出力するスピーカ100cとが内蔵されている。
次に、脈動発生部100について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
図2は、図1に示すウォーターパルスメスの脈動発生部を示す断面図である。なお、図2は、図4に示すA−A´線の断面図である。図3は、図2に示す脈動発生部を分解した状態の概略を示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、脈動発生部100は、上ケース500と、下ケース301とを有する。そして、上ケース500及び下ケース301は、互いに対向する面において接合され、4本の固定螺子(図示せず)によって螺着されている。
下ケース301は、鍔部を有する筒状部材であって、一方の端部は底板311で密閉されている。この下ケース301の内部空間に圧電素子401が配設される。
圧電素子401は、積層型圧電素子であってアクチュエータを構成する。圧電素子401の一方の端部は、上板411を介してダイアフラム400に固着されている。また、圧電素子401の他方の端部は、底板311の上面312に固着されている。
ダイアフラム400は、円盤状の金属薄板からなり、下ケース301の凹部303内において周縁部が凹部303の底面に密着固着されている。容積変更手段としての圧電素子401に駆動信号を入力することで、圧電素子401の伸張、収縮に伴いダイアフラム400を介して流体室501の容積を変更する。このように、容積変更手段として圧電素子401とダイアフラム400とを採用する構造にすることにより、構造の簡素化と、それに伴う小型化を実現できる。また、流体室501の容積変化の最大周波数を1KHz以上の高い周波数にすることができ、高速脈動流の噴射に最適となる。
ダイアフラム400の上面には、中心部に開口部を有する円盤状の金属薄板からなる補強板410が積層配設される。
上ケース500は、下ケース301と対向する面の中心部に凹部を有している。そして、この凹部とダイアフラム400とから構成され流体が充填された状態の回転体形状が流体室501である。つまり、流体室501は、上ケース500の凹部の封止面505と内周側壁501aとダイアフラム400とによって囲まれた空間である。流体室501の略中央部には出口流路511が穿設されている。
出口流路511は、流体室501から、上ケース500の一方の端面に突設された出口流路管510の端部まで貫通されている。出口流路511の流体室501の封止面505との接続部は、流体抵抗を減ずるために滑らかに丸められている。
なお、流体室501の形状は、本実施形態(図2参照)では、両端が封止された略円筒形状としているが、側面視して円錐形や台形、あるいは半球形状等でもよい。例えば、出口流路511と封止面505との接続部を漏斗のような形状にすれば、後述する流体室501内の気泡を排出しやすくなる。
出口流路管510には接続流路管200が接続されている。接続流路管200には接続流路201が穿設されている。接続流路201の直径は、出口流路511の直径より大きく形成されている。また、接続流路管200の管部の厚さは、流体の圧力脈動を吸収しない剛性を有する範囲に形成されている。
接続流路管200の先端部には、ノズル211が挿着されている。ノズル211には、流体噴射口212が穿設されている。流体噴射口212の直径は、接続流路201の直径より小さい。
また、ノズル211近傍には色センサ40が設置されている。色センサ40としては、例えば、フォトダイオードにカラーフィルタ(RGB)を組み合わせたものを用い、受光部を流体噴射方向に向けて配置するものとする。これにより、手術対象部位(噴射対象部位)における切除対象領域(流体噴射対象領域)の色が検出可能となる。ここで、切除対象領域とは、手術対象部位において、流体噴射口212に対向し流体噴射された場合に切除の対象となる領域をいう。
上ケース500の側面には、ポンプ20から流体を供給する接続チューブ25を挿着する入口流路管502が突設されている。入口流路管502には、入口流路側の接続流路504が穿設されている。接続流路504は入口流路503に連通している。入口流路503は、流体室501の封止面505の周縁部に溝状に形成され、流体室501に連通している。
上ケース500と下ケース301との接合面において、ダイアフラム400の外周方向の離間した位置には、下ケース301側にパッキンボックス304、上ケース500側にパッキンボックス506が形成されている。パッキンボックス304及びパッキンボックス506により形成される空間に、リング状のパッキン450が装着されている。
ここで、上ケース500と下ケース301とを組立てたとき、ダイアフラム400の周縁部と補強板410の周縁部とは、上ケース500の封止面505の周縁部と下ケース301の凹部303の底面によって密接されている。この際、パッキン450は上ケース500と下ケース301によって押し圧されて、流体室501からの流体漏洩を防止している。
流体室501内は、流体吐出の際に30気圧(3MPa)以上の高圧状態となり、ダイアフラム400、補強板410、上ケース500、下ケース301それぞれの接合部において流体が僅かに漏洩することが考えられるが、パッキン450によって漏洩を阻止している。
図2に示すようにパッキン450を配設すると、流体室501から高圧で漏洩してくる流体の圧力によってパッキン450が圧縮され、パッキンボックス304,506内の壁にさらに強く押し圧するので、流体の漏洩を一層確実に阻止することができる。このことから、駆動時において流体室501内の高い圧力上昇を維持することができる。
次に、上ケース500に形成される入口流路503について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
図4は、図2に示す脈動発生部の入口流路を示す平面図であり、上ケースを下ケースとの接合面側から視認した状態を表している。
図4に示すように、入口流路503は、一方の端部が流体室501に連通し、他方の端部が接続流路504に連通している。入口流路503と接続流路504との接続部には、流体溜り507が形成されている。入口流路503と接続流路504との接続部に流体溜り507を設けることにより、接続流路504のイナータンスが入口流路503に与える影響を抑制することができる。そして、流体溜り507と入口流路503との接続部は滑らかに丸めることによって流体抵抗を減じている。
また、入口流路503は、流体室501の内周側壁501aに対して略接線方向に向かって連通している。ポンプ20(図1参照)から一定の圧力で供給される流体は、内周側壁501aに沿って(図4において矢印で示す方向)流動して流体室501に旋回流を発生する。旋回流は、旋回することによる遠心力で内周側壁501a側に押し付けられるとともに、流体室501内に含まれる気泡は旋回流の中心部に集中する。
そして、中心部に集められた気泡は、出口流路511から排除される。このことから、出口流路511は旋回流の中心近傍、つまり回転形状体の軸中心部に設けられることがより好ましい。図4では、入口流路503は平面形状が湾曲されている。入口流路503は、直線で流体室501に連通させてもよいが、狭いスペースの中で所望のイナータンスを得るために、入口流路503の流路長を長くする必要性から湾曲させている。
なお、図2に示したように、ダイアフラム400と入口流路503が形成されている封止面505の周縁部との間には、補強板410が配設されている。補強板410を設ける意味は、ダイアフラム400の耐久性を向上することである。入口流路503の流体室501との接続部には切欠き状の接続開口部509が形成されるので、ダイアフラム400が高い周波数で駆動されたときに、接続開口部509近傍において応力集中が生じて疲労破壊を発生することが考えられる。そこで、切欠き部がない連続した開口部を有している補強板410を配設することで、ダイアフラム400に応力集中が発生しないようにしている。
また、上ケース500の外周隅部には、4箇所の螺子孔500aが開設されており、この螺子孔位置において、上ケース500と下ケース301とが螺合接合される。
なお、図示は省略するが、補強板410とダイアフラム400とを接合し、一体に積層固着することができる。補強板410とダイアフラム400とを積層し、一体に固着すれば、脈動発生部100の組立性を向上させることができる他、ダイアフラム400の外周縁部の補強効果もある。固着手段としては、接着剤を用いる貼着としても、固層拡散接合、溶接等を採用することが可能であるが、補強板410とダイアフラム400とが、接合面において密着されていることがより好ましい。
図5は、色センサ40及び制御手段30の概略構成を示すブロック図である。
制御手段30は、図5に示すように、ポンプ20を制御するポンプ制御部31と、脈動発生部100の圧電素子401を制御する電圧制御部32と、電圧制御部32が参照するルックアップテーブルを格納するテーブル格納部33とを有する。また、電圧制御部32には、色センサ40の検出信号が入力される。
ポンプ制御部31は、ポンプ20が脈動発生部100に供給する流体の圧力を制御する。
電圧制御部32は、圧電素子401による流体室501の容積の変更を制御する。具体的には、圧電制御部32は、色センサ40の検出信号に基づいて、テーブル格納部33に格納されたルックアップテーブルを参照し、圧電素子401に印加する電圧を制御する。これにより、電圧制御部32は、切除対象領域の色に応じて、噴射する脈動流の特性を変更することが可能となっている。ここで、異なる特性の脈動流とは、噴射圧力及び噴射周期のうち少なくとも一方が異なる脈動流をいう。
本実施形態では、患部において腫瘍等が存在する領域(切除可能領域)を予め着色し、切除可能領域以外の領域(切除禁止領域)と区別しておくことで、患部の状態や種類に応じて噴射する脈動流の特性を変更するようにする。
切除可能領域を着色する手法としては、病変や病的表面の特性を感知できる機能(病変選択機能)を有するナノメートルサイズのナノカプセル(ナノロボット)を用いる。このナノカプセルは、内包された任意の薬剤、遺伝子、たんぱく質等を生体内の任意の細胞や組織に送達させることができるものであり、本実施形態では、色素を混入したナノカプセルを静注することで、切除可能領域だけ着色するようにする。
なお、このとき切除可能領域が視覚的に明確となるように、切除禁止領域とは異なる色に設定する。また、切除可能領域の種類に応じて異なる色を設定することも可能である。
テーブル格納部33は、電圧制御部32が参照するルックアップテーブルを格納する。ルックアップテーブルは、駆動信号の電圧パルス波形を記憶している。具体的には、ルックアップテーブルには、切除対象領域の色にそれぞれ対応して電圧パルス波形ひとつ分の電圧値がデジタル値として記憶されている。
ここで、ルックアップテーブルの設計方法について説明する。
ルックアップテーブルを設計する際には、術式例、実験例等に基づいて、手術対象部位の所定の性質(状態、種類)に対して噴射される脈動流の特性が適切となるように、ルックアップテーブルに記憶される電圧信号が設定される。具体的には、術式例から得た、所定の性質の手術対象部位に対して実際に噴射された適切と考えられる脈動流の特性と、予め仮定した脈動流の特性との近似値計算を行い、任意の更新基準に基づいて、予め仮定した脈動流の特性を更新する。そして、更新した結果得られた脈動流の特性と、術式例から得た脈動流の特性との乖離が所定以内となった場合、この更新した結果得られた脈動流の特性を、手術対象部位の所定の性質に対して適切な脈動流の特性として設定する。
そして、この設定された脈動流の特性に係る電圧信号を、手術対象部位の性質に応じた色に対応付けてルックアップテーブルに記憶し、このルックアップテーブルをテーブル格納部33に格納する。
次に、制御手段30が実行する処理について説明する。
図6は、制御手段30が実行する制御処理を示すフローチャートである。
ここで、制御手段30は、術者により流体の噴射を開始するためのスイッチ(図示せず)がON状態に操作されている際、図6に示す処理を繰り返し実行する。
術者により流体の噴射を開始するためのスイッチがON状態に操作されると、図6に示すように、先ずステップS1において、制御手段30のポンプ制御部31は、ポンプ20を駆動し、脈動発生部100に一定の圧力で流体を供給する。
次に、ステップS2において、制御手段30の電圧制御部32は、色センサ40の検出信号を読み込み、ステップS3に移行する。
ステップS3では、制御手段30の電圧制御部32は、前記ステップS2で読み込んだ検出信号に基づいて、流体が噴射される切除対象領域の色を判定する。
ステップS4では、制御手段30は、前記ステップS3で判定した色に基づいて、色判定フラグを設定する。具体的には、前記ステップS3で判定した色が予め術者が指定した色である場合は、切除対象領域が手術対象部位における切除可能領域に該当すると判定し、色判定フラグとして切除許可フラグを設定する。一方、前記ステップS3で判定した色が上記指定した色以外である場合は、切除対象領域が手術対象部位における切除禁止領域に該当すると判定し、色判定フラグとして切除禁止フラグを設定する。
次に、ステップS5において、制御手段30は、切除許可フラグおよび切除禁止フラグの設定の有無を判定し、切除許可フラグが設定されている場合、ステップS6に移行して青色のLED100aの発光を行う。
次に、ステップS7において、制御手段30は、前記ステップS3で判定した色に基づいて、テーブル格納部33に格納されたルックアップテーブルを参照し、圧電素子401に印加する電圧信号(駆動信号)を決定し、これを圧電素子401に入力してから後述するステップS10に移行する。
これにより、切除対象領域が切除可能領域に該当するときには、切除対象領域の色に応じた噴射圧力及び噴射周期となるように圧電素子401へ電圧パルス波形が入力される。このように、電圧制御部32から駆動信号が圧電素子401に入力されることにより、接続流路201にパルス状の流体吐出、つまり、脈動流が発生する。
また、前記ステップS5において、制御手段30が、切除禁止フラグが設定されていると判定した場合、ステップS8に移行して、スピーカ100cにより切除が禁止された旨の音声の警報を出力すると共に赤色のLED100bの発光を行う。
次に、ステップS9において、制御手段30は、圧電素子401への電圧パルス波形の入力を停止し、ステップS10に移行する。
ステップS10では、制御手段30の電圧制御部32は、流体の噴射を開始するためのスイッチがON状態を継続しているか否かを判定し、ON状態を継続していると判定したときには前記ステップS2に移行し、ON状態からOFF状態へ変化したと判定したときにはステップS11に移行する。
ステップS11では、制御手段30のポンプ制御部31は、ポンプ20の駆動を停止すると共に、制御手段30の電圧制御部32は、脈動発生部100の圧電素子401への電圧信号の入力を停止して、一連の処理を終了する。
次に、本実施形態に係るウォーターパルスメス1の動作について説明する。
本実施形態に係るウォーターパルスメス1の脈動発生部100の流体吐出は、入口流路側のイナータンスL1(合成イナータンスL1と呼ぶことがある)と出口流路側のイナータンスL2(合成イナータンスL2と呼ぶことがある)の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンスは、個々の流路のイナータンスを電気回路におけるインダクタンスの並列接続、又は直列接続と同様に合成して算出することができる。
なお、入口流路側のイナータンスL1は、接続流路504が入口流路503に対して直径が十分大きく設定されているので、イナータンスL1は、入口流路503の範囲において算出される。この際、ポンプ20と入口流路を接続する接続チューブは柔軟性を有するため、イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、出口流路側のイナータンスL2は、接続流路201の直径が出口流路よりもはるかに大きく、接続流路管200の管部(管壁)の厚さが薄いためイナータンスL2への影響は軽微である。したがって、出口流路側のイナータンスL2は出口流路511のイナータンスに置き換えてもよい。
なお、接続流路管200の管壁の厚さは、流体の圧力伝播には十分な剛性を有している。
そして、本実施形態では、入口流路側のイナータンスL1が出口流路側のイナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路503の流路長及び断面積、出口流路511の流路長及び断面積を設定する。
次に、脈動発生部100の動作について説明する。
術者によりスイッチがON状態に操作され、制御手段30がポンプ20の駆動を開始すると、ポンプ20によって入口流路503には、常に一定圧力の液圧で流体が供給される。その結果、圧電素子401が動作を行わない場合、ポンプ20の吐出力と入口流路側全体の流体抵抗値の差によって、流体は流体室501内に流動する。
また、制御手段30が圧電素子401に駆動信号を入力すると、圧電素子401の伸張、収縮に伴いダイアフラム400を介して流体室501の容積が変更する。
すなわち、圧電素子401に駆動信号が入力され、急激に圧電素子401が伸張したとすると、流体室501内の圧力は、入口流路側及び出口流路側のイナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。
この圧力は、入口流路503に加えられていたポンプ20による圧力よりはるかに大きいため、入口流路側から流体室501内への流体の流入はその圧力によって減少し、出口流路511からの流出は増加する。したがって、前述した特許文献1によるウォーターパルスメスのような、入口流路側に設けられる逆止弁はなくてもよい。
ここで、入口流路503のイナータンスL1は、出口流路511のイナータンスL2よりも大きい。したがって、入口流路503から流体が流体室501へ流入する流量の減少量よりも、出口流路から吐出される流体の増加量のほうが大きいため、接続流路201にパルス状の流体吐出、つまり、脈動流が発生する。この吐出の際の圧力変動が、接続流路管200内を伝播して、先端のノズル211の流体噴射口212から流体が噴射される。
すなわち、脈動発生部100は、圧電素子401を駆動して脈動を発生することによって、ポンプ20から供給された流体を、接続流路管200、ノズル211を通して高速で噴射する。
ここで、ノズル211の流体噴射口212の直径は、出口流路511の直径よりも小さいので、流体は、さらに高圧、高速のパルス状の液滴(脈動流)として噴射される。
一方、流体室501内は、入口流路503からの流体流入量の減少と出口流路511からの流体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に真空状態となる。その結果、ポンプ20の圧力と、流体室501内の真空状態の双方によって一定時間経過後、入口流路503の流体は圧電素子401の動作前と同様な速度で流体室501内に向かう流れが復帰する。
入口流路503内の流体の流動が復帰した後、圧電素子401の伸張があれば、ノズル211からの脈動流を継続して噴射することができる。
また、上述した脈動発生部100の動作において、流体室501が、略回転体形状を有し旋回流発生部としての入口流路503を備えていることと、出口流路511が略回転体形状の回転軸近傍に開設されていることから、流体室501内において旋回流が発生し、流体内に含まれる気泡は速やかに出口流路511から外部に排出される。
したがって、圧電素子401による流体室501の微小な容積変化においても、気泡によって圧力変動が阻害されることなく、十分な圧力上昇が得られる。
ここで、ウォーターパルスメス1では、切除対象領域の色を検出し、検出した切除対象領域の色に応じて、脈動発生部100の圧電素子401に印加する電圧信号を設定する。
そして、ウォーターパルスメス1では、制御手段30の電圧制御部32は、検出した切除対象領域の色に応じて設定された電圧信号によって脈動発生部100の圧電素子401を制御する。これにより、切除対象領域の色に応じて、脈動発生部100の圧電素子401に印加する電圧が制御されることになる。
このように、ウォーターパルスメス1では、切除対象領域の色に応じて圧電素子401による流体室501の容積の変更を制御するため、手術対象部位の性質に適した特性の脈動流を噴射することが可能となる。
この場合、電圧制御部32は、切除対象領域が切除禁止領域であるとき、流体噴射開口部212から噴射される流体を停止するように、圧電素子401に入力する電圧信号を停止するため、より確実に高精度な切除または切開を行うことが可能となる。
さらに、色検出手段として色センサを採用するので、簡易な構成で切除対象領域の色を検出することができる。
また、容積変更手段として圧電素子を採用し、色センサが検出した切除対象領域の色に応じて、圧電素子に印加する電圧を制御するため、簡易な構成で流路管から噴射される流体の圧力の調整が可能となる。
さらに、切除対象領域の色に基づいてルックアップテーブルを参照し、圧電素子に印加する電圧を決定するため、手術対象部位の色に応じて噴射する脈動流の特性を容易に変更することが可能となる。
また、予め患者に任意の色素を含有させた対象病変の細胞選択性を有するナノカプセルを服用させるので、確実に切除すべき癌細胞等の腫瘍を任意色に着色することができ、色センサにより切除対象領域の色を判定することで、切除対象領域の性質を容易に検出することが可能となる。さらに、この色素マーキングの手法としてカテーテルを用いたり直接的に注射をしたりする一般的な手法を適用する場合と比較して、患者の負担を軽減させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、磁気センサによって検出したノズル位置や画像処理により検出した切除領域に応じて、切除状態を術者に報知する機能を追加したものである。
(構成)
図7は、本発明の第2の実施形態に係るウォーターパルスメスを示す概略構成図である。
図7に示すウォーターパルスメス1は、図1に示すウォーターパルスメス1において、磁気センサ600a〜600dと、カメラ700a〜700dと、作業支援装置800と、磁石213とを追加したことを除いては、図1に示すウォーターパルスメス1と同様の構成を有する。したがって、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
図7に示すように、接続流路管200のノズル211近傍位置には、ノズル211の位置を検出するために用いる磁石213が設置されている。
磁気センサ600a〜600dは、磁気検出によって3次元位置測定を行う磁気センサであり、脈動発生部100のノズル211近傍に設置された磁石213の磁気を検出して、検出した磁気を示す情報(以下、「磁気検出値」と言う。)を作業支援装置800に出力する。
なお、磁気センサ600a〜600dは、手術が行われる際に、患者を囲むようにそれぞれ異なる位置に設置される。そして、手術の実施に先立ち、設置された磁気センサ600a〜600dの検出基準軸の設定、3次元位置測定の座標と患部の実際の位置との対応付けおよび磁石213を用いた検出値のキャリブレーションが行われる。
カメラ700a〜700dは、カラー画像撮影が可能なデジタルカメラであり、撮影した画像データを作業支援装置800に出力する。
なお、カメラ700a〜700dは、手術が行われる際に、患部を撮影可能なそれぞれ異なる位置に設置される。
作業支援装置800は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスク等を備えるPC(Personal Computer)によって構成され、流体噴射装置1を用いて手術等が行われる際の作業を支援する作業支援処理を制御手段30と連携しながら実行する。
具体的には、作業支援装置800は、3次元画像作成部801と、領域設定部802と、領域データ記憶部803と、A/D(Analog to Digital)変換部804と、ノズル位置検出部805と、切除領域検出部806と、切除状態比較部807とを備えている。
3次元画像作成部801は、手術に先立ってMRI(Magnetic Resonance Imaging system)によって撮影された手術対象部位(例えば脳等)の形状を表す画像データを基に、手術対象部位の3次元画像を作成する。そして、3次元画像作成部801は、作成した3次元画像のデータを領域設定部802に出力する。
領域設定部802は、3次元画像作成部801から入力された3次元画像のデータに対し、手術において切除等する領域(切除可能領域)と、切除可能領域以外の領域(切除禁止領域)と、切除可能領域内であって、切除可能領域の外延から設定された閾値範囲内の領域(近傍領域)とを設定する。
図8は、患部において切除可能領域、切除禁止領域および近傍領域が設定された状態を示す模式図である。
図8に示すように、患部において腫瘍等が存在する領域は切除可能領域として設定され、切除可能領域外は、切除を行うことが不適切な切除禁止領域として設定されている。また、切除可能領域内において、切除禁止領域との境界に接する一定の領域は近傍領域として設定されている。
これらの領域を設定する場合、3次元画像のデータをディスプレイに表示し、医師が手動入力によって各領域を特定することや、患部の色や形をもとに、作業支援装置800が自動的に領域を設定し、医師がその領域設定を承認すること等が可能である。
そして、領域設定部802は、切除可能領域、禁止領域および近傍領域が設定された3次元画像のデータを領域データ記憶部803に出力する。
領域データ記憶部803は、領域設定部802から入力された切除可能領域、禁止領域および近傍領域が設定された3次元画像のデータを記憶する。
A/D変換部804は、磁気センサ600a〜600dから入力された磁気検出値をデジタル値に変換し、変換したデジタル値をノズル位置検出部805に出力する。
ノズル位置検出部805は、磁気センサ600a〜600dの磁気検出値を示すデジタル値それぞれを基に、磁石213の3次元位置を算出する演算を行うことにより、ノズル211の位置を検出する。
そして、ノズル位置検出部805は、検出したノズル211の位置を示す信号(以下、「ノズル位置信号」と言う。)を切除状態比較部807に出力する。
切除領域検出部806は、カメラ700a〜700dから入力された画像データを基に、手術によって切除あるいは切開された領域(以下、「切除領域」と言う。)を検出する。
例えば、切除領域検出部806は、手術前に撮影された各カメラ700a〜700dの画像において、エッジの抽出を行い、手術中に撮影された画像におけるエッジの変化を検出したり、エッジに囲まれた領域の色の変化を検出したりすることによって、切除あるいは切開された領域を検出することができる。
そして、切除領域検出部806は、検出した切除あるいは切開された領域を示すデータ(以下、「切除領域データ」と言う。)を切除状態比較部807に出力する。
切除状態比較部807は、切除領域検出部806から入力された切除領域データと、領域データ記憶部803に記憶された3次元画像のデータとを基に、手術における切除あるいは切開の状態を示すフラグ(画像判定フラグ)を設定する。
また、切除状態比較部807は、ノズル位置検出部805から入力されたノズル位置信号と、領域データ記憶部803に記憶された3次元画像のデータとを基に、ノズル位置の状態を示すフラグ(ノズル位置判定フラグ)を設定する。
そして、切除状態比較部807は、画像判定フラグおよびノズル位置判定フラグを基に手術の適切性を判定し、判定結果を示す信号を制御手段30に出力する。
図9は、作業支援装置800および制御手段30が連携して実行する制御処理を示すフローチャートである。
ここで、制御手段30は、術者により流体の噴射を開始するためのスイッチ(図示せず)がON状態に操作されている際、図9に示す処理を繰り返し実行する。
この図9に示す制御処理において、前述した第1の実施形態における図6の制御処理と同一処理を行うステップには同一ステップ番号を付し、処理の異なる部分を中心に説明する。
前記ステップS1の処理後、ステップS21で、作業支援装置800は、領域データ記憶部803に記憶されている3次元画像データを読み出し、前記ステップS2に移行する。
また、前記ステップS4の処理後、ステップS22で、作業支援装置800は、ノズル位置検出部805によってノズル211の位置を検出し、次いでステップS23に移行して、作業支援装置800は、切除領域検出部806によって切除領域を検出する。
次に、ステップS24において、作業支援装置800は、切除状態比較部807によって、切除流域およびノズル211の位置それぞれが切除可能領域、切除禁止領域あるいは近傍領域のいずれに該当するかを判定し、判定結果に応じたフラグ(画像判定フラグおよびノズル位置フラグ)を設定する。
具体的には、切除状態比較部807は、切除領域データが示す切除領域が、領域データ記憶部803に記憶された3次元画像のデータにおいて、切除可能領域、切除禁止領域あるいは近傍領域のいずれに該当するかを判定する。
そして、切除状態比較部807は、切除領域が切除可能領域に該当する場合、切除・切開の状態が適切であることを示す切除状態適切フラグを設定し、切除領域が切除禁止領域に該当する場合、切除・切開の状態が不適切であることを示す切除状態不適切フラグを設定する。また、切除領域が近傍領域に該当する場合、切除・切開の状態が注意すべき状態であることを示す切除状態注意フラグを設定する。
また、切除状態比較部807は、ノズル位置検出部805から入力されたノズル位置信号と、領域データ記憶部803に記憶された3次元画像のデータとを基に、ノズル位置が切除可能領域、切除禁止領域あるいは近傍領域のいずれに該当するかを判定する。
そして、切除状態比較部807は、ノズル位置が切除可能領域に該当する場合、ノズル位置が適切であることを示すノズル位置適切フラグを設定し、ノズル位置が切除禁止領域に該当する場合、ノズル位置が不適切であることを示すノズル位置不適切フラグを設定する。また、ノズル位置が近傍領域に該当する場合、ノズル位置が注意すべき状態であることを示すノズル位置注意フラグを設定する。
次に、ステップS25において、作業支援装置800は、切除状態比較部807によって、画像判定フラグおよびノズル位置判定フラグを参照し、手術の適切性を示す信号を制御部30に出力する。
具体的には、切除状態比較部807は、画像判定フラグおよびノズル位置判定フラグを参照し、まず、切除状態不適切フラグあるいはノズル位置不適切フラグのいずれかが設定されている場合、制御部30に対して切除・切開の状態が不適切である旨を示す信号(以下、「切除禁止信号」と言う。)を出力する。
また、切除状態比較部807は、切除状態不適切フラグおよびノズル位置不適切フラグのいずれも設定されていない場合に、切除状態注意フラグあるいはノズル位置注意フラグのいずれかが設定されている場合、制御部30に対して切除・切開の状態が注意を高めるべき状態である旨を示す信号(以下、「切除注意信号」と言う。)を出力する。
さらに、切除状態比較部807は、切除状態不適切フラグおよびノズル位置不適切フラグのいずれも設定されておらず、かつ、切除状態注意フラグおよびノズル位置注意フラグのいずれも設定されていない場合に、切除状態適切フラグあるいはノズル位置適切フラグのいずれかが設定されている場合、制御部30に対して切除・切開の状態が適切である旨を示す信号(以下、「切除許可信号」と言う。)を出力する。
このように、切除状態比較部807は、いずれの領域が脈動発生部100の噴射対象領域に相当する切除対象領域となっているかを判定し、その判定結果に応じた信号を制御手段30に出力する。
次に、ステップS26において、制御手段30は、前記ステップS4で設定された色判定フラグと、前記ステップS25で切除状態比較部807から入力された手術の適切性を示す信号とに基づいて、フラグ判定を行う。
具体的には、色判定フラグとして切除許可フラグが設定されており、且つ手術の適切性を示す信号が切除許可信号であるとき、前記ステップS6に移行する。また、色判定フラグとして切除禁止フラグが設定されており、且つ手術の適切性を示す信号が切除禁止信号であるとき、前記ステップS8に移行する。また、手術の適切性を示す信号が切除注意信号であるか、色判定フラグ又は手術の適切性を示す信号が切除禁止フラグ又は切除禁止信号であるときには、ステップS27に移行する。
ステップS27では、制御手段30は、注意を促す音声の警報および青色のLED100aと赤色のLED100bの点滅発光を行い、前記ステップS7に移行する。
このような構成により、色センサ40で検出した切除対象領域の色に基づいて切除許可フラグが設定された場合であっても、画像データ解析に基づいて切除注意信号や切除禁止信号が出力された場合には音声による警報や発光が行われるので、術者の注意を促すことができる。
また、仮に色センサ40に不具合が生じ切除対象領域の色を適正に判定することができない場合であっても、画像データ解析に基づいて切除禁止信号や切除注意信号が出力されることで音声による警報や発光が行われるので、切除対象領域が切除禁止領域やその近傍領域に該当する可能性があることを術者に報知することができる。
このように、上記第2の実施形態におけるウォーターパルスメス1では、脈動発生部(ノズル211)に設置された磁石(磁石213)と、脈動発生部に設置された磁石の磁気を検出する磁気検出手段(磁気センサ600a〜600d)とを備え、磁気検出手段によって検出された磁気に基づいて脈動発生部の位置を検出し、検出した脈動発生部の位置に基づいて、噴射可能領域および噴射禁止領域のいずれが脈動発生部による噴射対象領域となっているかを判定する。
このような構成により、脈動発生部に磁石を設置することで、簡単に正確な位置を検出することができる。
また、噴射対象部位を撮影する撮影手段(カメラ700a〜700d)を備え、撮影手段によって撮影された噴射対象部位の画像に基づいて、噴射可能領域および噴射禁止領域のいずれが脈動発生部による噴射対象領域となっているかを判定する。
このような構成により、一般に用いられているデジタルカメラ等のカメラによって、脈動発生部による噴射対象領域を容易に判定することができる。
したがって、フェイルセーフ機能を付加することが可能となり、より高精度な切断または切除を行うことが可能となる。
なお、上記第2の実施形態においては、色判定フラグおよび手術の適切性を示す信号の何れか一方が切除禁止を示すものであるとき、図9のステップS26からステップS27に移行して、音声および光によって術者に注意を促すための報知を行う場合について説明したが、図9のステップS26からステップS8に移行するようにしてもよい。
この場合、色判定フラグおよび手術の適切性を示す信号の少なくとも一方が切除禁止を示すものであるときには、ステップS8で音声による警報および赤色LED100bの発光が行われると共に、ステップS9で圧電素子401への電圧パルス波形の入力が停止されるので、噴射可能領域以外の領域に流体を噴射してしまうのをより確実に防止することができる。
また、上記判定条件の設定や警報の大きさ等は、術者の技量に応じて適宜設定可能とすることもできる。
さらに、上記第2の実施形態においては、レーザを照射して物体の形状を検出する形状検出手段を設け、該形状検出手段によって撮影された噴射対象部位の形状に基づいて、噴射可能領域および噴射禁止領域のいずれが脈動発生部による噴射対象領域となっているかを判定することもできる。このような構成により、簡単かつ正確に物体の形状を検出して、脈動発生部による噴射対象領域を判定することができる。
また、脈動発生部に、脈動発生部の位置および姿勢を検出するジャイロセンサを設け、該ジャイロセンサによって検出された脈動発生部の位置および姿勢に基づいて、噴射可能領域および噴射禁止領域のいずれが脈動発生部による噴射対象領域となっているかを判定することもできる。このような構成により、脈動発生部自体に位置および姿勢を検出する機能を備えることができるため、装置構成を簡単なものとすることができる。
なお、上記各実施形態においては、色検出手段として色センサを適用する場合について説明したが、色検出手段としてカラー画像撮影が可能なカメラを適用することもできる。
また、上記各実施形態においては、色センサで検出した切除対象領域の色に応じて、その切除対象領域が切除可能領域であるか切除禁止領域であるかを判定する場合について説明したが、色センサで検出した色に加えてカメラで撮影した画像データを用いて上記判定を行うこともできる。これにより、より切除対象領域の性質に適した制御が可能となる。
また、上記各実施形態では、流体を噴射する脈動発生部100を一つ備える構成であるが、脈動発生部100を複数備える構成としてもよい。
さらに、上記各実施形態においては、本発明を手術用のウォーターパルスメスに適用する場合について説明したが、前述したように、細密な物体及び構造物の洗浄、物体の切断や切除にも本発明を適用可能である。例えば、物体に付着した汚れや錆を洗浄する洗浄装置に本発明を適用した場合、背景色(物体本来の色)以外の色を検出した場合に、汚れの種類に応じた異なる特性で水や洗剤等を噴射するようにすることができ、作業効率を向上させることができる。
1 ウォーターパルスメス(流体噴射装置、流体噴射手術器具)、20 ポンプ(流体供給手段)、30 制御手段、31 ポンプ制御部、32 電圧制御部、33 テーブル格納部、40 色センサ、100 脈動発生部、200 接続流路管(流路管)、201 接続流路、212 流体噴射開口部(流体噴射口)、401 圧電素子(容積変更手段)、501 流体室、503 入口流路、511 出口流路、600a〜600d 磁気センサ、700a〜700d カメラ、800 作業支援装置、801 3次元画像作成部、802 領域設定部、803 領域データ記憶部、A/D変換部、805 ノズル位置検出部、806 切除領域検出部、807 切除状態比較部。

Claims (4)

  1. 流体が流入する流体室と、前記流体室の容積を変更する容積変更手段と、前記流体室に連通する入口流路および出口流路と、を有する脈動発生部と、
    前記出口流路から流出した流体を噴射する流体噴射口と、
    前記入口流路に流体を供給する流体供給手段と、
    前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御する制御手段と、
    前記流体噴射口に対向する流体噴射対象領域の色を検出する色検出手段と、
    流体の噴射対象部位の形状を示すデータを取得する形状データ取得手段と、
    前記形状データ取得手段によって取得された噴射対象部位の形状を示すデータを基に、噴射対象部位における噴射可能領域および噴射禁止領域を設定する領域設定手段と、
    前記流体噴射対象領域が前記噴射可能領域および前記噴射禁止領域の何れかに該当するかを判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段によって、前記流体噴射対象領域が前記噴射禁止領域に該当していると判定された場合に、前記脈動発生部における流体の吐出を抑制させる吐出抑制手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色に応じて、前記容積変更手段による前記
    流体室の容積の変更を制御することを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記制御手段は、前記色検出手段が検出した色が、噴射対象部位における噴射禁止領域を示す色であるとき、前記脈動発生部における流体の吐出を停止するように、前記容積変更手段による前記流体室の容積の変更を制御することを特徴とする請求項に記載の流体噴射装置。
  3. 音声および光の少なくとも一方によって報知を行う報知手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記流体噴射対象領域が、前記噴射禁止領域および当該噴射禁止領域近傍の領域である近傍領域の何れかに該当するとき、前記報知を行うことを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の流体噴射装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の流体噴射装置を用いた手術器具。
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