JP5275391B2 - 水素化ホウ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は米国エネルギー省により付与されたコンタクト番号DE−FC36−05GO15053の下での米国政府の支援を伴ってなされた。米国政府は本発明における特定の権利を有する。
本発明は概して水素化ホウ素化合物の製造方法に関する。
NaAl(CHOCHCHO)およびトリス(n−ブトキシ)ボロキシンからの水素化ホウ素ナトリウムの製造は特開平4−292401号に記載されている。しかしこの文献は本願の特許請求の範囲に特定される一体化された方法を開示していない。
特開平4−292401号公報
本発明によって取り組まれる課題は効率的で経済的な水素化ホウ素化合物の製造方法を見いだすことである。
本発明は水素化ホウ素化合物M(BHの製造方法に関する。本方法は(a)式:(RO)Mの化合物を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒であって、アルミニウムの重量を基準にして少なくとも200ppmの量で存在する当該触媒、アルミニウム、並びに水素と一緒にして、式:M(AlHOR(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つによって置換されたフェニルであり;Mはアルカリ金属、Be、またはMgであり;並びに、yは1または2である)の化合物を生じさせる工程;
(b)式:M(AlHORの化合物をボラート、ボロキシンもしくはボラジン化合物と一緒にして、ナトリウムおよびアルミニウムアリールオキシドを含む副生成物混合物、並びにM(BHを生じさせる工程;並びに、
(c)副生成物混合物からM(BHを分離する工程;を含む。
他に示されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(重量%)であり、温度は℃単位である。「アルキル」基は、1〜12個の炭素原子を線状、分岐もしくは環式の配置で有する飽和ヒドロカルビル基である。好ましくは、アルキル基は、非環式;あるいはC−C非環式である。「アリール」基は6〜10個の炭素原子を有し、場合によってはアルキルおよび/またはアルコキシ置換基を有する芳香族ヒドロカルビル基である。「アラルキル」基はアリール基で置換されたアルキル基であり、例えば、ベンジル基である。「水素化ホウ素化合物」は式:M(BH(式中、Mはアルカリ金属、BeまたはMgである)の化合物である。
好ましくは、Mはアルカリ金属であり、好ましくはアルカリ金属はリチウム、ナトリウムもしくはカリウムであり;好ましくはナトリウムもしくはカリウムであり;好ましくはナトリウムである。
好ましくはRはフェニルであるか、または(i)1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜6個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくはRはフェニルであるか、または(i)1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜4個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくは、Rはフェニルではなく、またはメチルで置換されたフェニルではない。好ましくはRは(i)1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜4個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくは、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、好ましくは、メトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシで置換されたフェニルである。好ましくは、Rは4−メトキシフェニル;2−メトキシフェニル;3−メトキシフェニル;4−エトキシフェニル;2−エトキシフェニル;3−エトキシフェニル;4−イソプロピルフェニル;2−イソプロピルフェニル;3−イソプロピルフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル;2,4−ジ−t−ブチルフェニル;2,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;または2,6−ジ−イソプロピルフェニルである。好ましくは、Rは4−メトキシフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル;または2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;好ましくは、4−メトキシフェニルである。
式:(RO)Mの化合物と、アルミニウム、水素および金属触媒との反応は、下記式に示され、式中、Rは4−メトキシフェニルであり、Mはナトリウムであり、金属触媒はチタンである:
Figure 0005275391
好ましくは、金属触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムまたはこれらの組み合わせを含み、好ましくはチタンを含む。好ましくは、金属触媒はアルミニウムの重量を基準にして、少なくとも240ppm、好ましくは少なくとも280ppm、好ましくは少なくとも300ppm、好ましくは少なくとも320ppm、好ましくは少なくとも340ppmの量でアルミニウムに組み込まれる。好ましくは、金属触媒は、アルミニウムの重量を基準にして10,000ppm以下、好ましくは5,000ppm以下の量でアルミニウムに組み込まれる。好ましくは、金属触媒は上述のと同じ量で、その金属の化合物として添加されうる。金属触媒がチタンの場合には、チタンはアルミニウム中の合金として、チタン(IV)イソプロポキシドもしくは塩化チタン(IV)のようなチタンの化合物として、またはフリーのチタン金属として添加されうる。好ましくは、アルミニウム:ROMのモル比は0.9以上:1、好ましくは0.95以上:1、好ましくは1以上:1であり;好ましくはこの比率は2以下:1、好ましくは1.5以下:1、好ましくは1.2以下:1である。yが2である場合には、これらのモル比は上記数値の2倍になる。しかし、反応が固定床におけるアルミニウムを通る他の反応物質のフローを用いて行われる場合には、その床における反応液に対して、存在するアルミニウムの量はかなり大きくなるであろうことを当業者は認識するであろう。好ましくは、アルミニウムは50〜1000ミクロン、好ましくは75〜700ミクロンの平均粒子サイズを有する。好ましくは式:(RO)M(式中、Mはアルカリ金属、BeまたはMgである)の化合物と、アルミニウム、水素および金属触媒との反応は少なくとも300psi(2MPa)、好ましくは少なくとも500psi(3.4MPa)、好ましくは少なくとも700psi(4.8MPa)の絶対圧力下で進行する。好ましくはこの反応は、1500psi(10.3MPa)以下、好ましくは1200psi(8.3MPa)以下の圧力で進行する。好ましくは、この反応は少なくとも90℃、好ましくは少なくとも110℃、好ましくは少なくとも130℃、好ましくは少なくとも150℃の温度で進行する。好ましくは、この反応は200℃以下、好ましくは180℃以下、好ましくは170℃以下の温度で進行する。
金属触媒の存在下での(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応は溶媒中でまたはスラリー反応として進行しうる。金属触媒の存在下での(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応に好適な溶媒には、エーテル、例えば、ジグリム、テトラグリム、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジブチルジグリム、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メチルテトラヒドロフラン;並びに芳香族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが挙げられる。濃度は重要ではないが、(RO)Mが溶媒中に完全に溶解されているのが好ましい。同じ溶媒がスラリー反応についても好適であろう。
化合物M(AlHORはボラート、ボロキシンまたはボラジン化合物と一緒にされて、水素化ホウ素アルカリ金属、好ましくはボラートもしくはボロキシン化合物を生じさせる。好ましくは、ボラートもしくはボロキシン化合物は式:B(ORもしくは(ROBO)(式中、Rはアリールもしくはアラルキルである)を有するボロキシンであり、好ましくはRがアリールであるボロキシンである。M(AlHORがボロキシンもしくはボラジンと反応し、かつyが1である場合には、好ましくはMAlHOR:ボロキシンのモル比は3.5:1〜4.5:1、好ましくは約4:1であり;yが2である場合には、このモル比は上述の半分であろう。好ましくはRはアリールである。好ましくは、RはRと同じである。この反応は下記式において示され、式中、RおよびRは4−メトキシフェニルであり、Mはナトリウムであり、反応物質はボロキシンである:
Figure 0005275391
水素化ホウ素と共に形成されるアルミニウム含有生成物は、この式によって示されるよりも複雑である場合があり、かつアルカリ金属アリールオキシドを伴う場合がある。この反応は対応するトリアリールボラートである(4−CHOCO)Bを用いても進行する。この反応に好ましい溶媒はその溶媒中で水素化ホウ素アルカリ金属が限定された溶解度を有する溶媒であり、例えば、エーテル、例えば、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびジブチルジグリム;芳香族溶媒;並びに、アルカンが挙げられる。特に好ましい溶媒には、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランおよびジメトキシエタンが挙げられる。好ましくは、この反応は0℃〜50℃、好ましくは10℃〜35℃の範囲の温度で進行する。好ましくは、水素化ホウ素アルカリ金属が反応溶媒から沈殿し、分離される一方で、アリールオキシド塩は溶液中に留まる。
化合物M(AlHORは、式:M(AlH4−x(OR(式中、xは0〜4の整数である)を有する他の関連する化合物を様々な量で含むことができる。様々な量のM(AlHが存在しうる。xが0、2または3に等しい化合物も、ボロキシンまたはボラートと反応する。しかし、アルミニウムのアリールオキシド(OR)に対する比率が0.5〜2、好ましくは0.7〜1.5、好ましくは0.8〜1.2であるのが好ましい。
好ましくは、水素化ホウ素アルカリ金属と共に形成され、アルカリ金属および/またはアルミニウムを含むアリールオキシド化合物はこの水素化ホウ素から分離されて、水もしくは水性酸、好ましくは鉱酸で処理されて、再利用のためにフェノールもしくは置換フェノール、ROHを再生させる。好ましい水性酸には硫酸および塩酸が挙げられる。回収されるフェノールは、ボラートもしくはボロキシンを形成するために、および/またはM(AlHORのための出発物質である(RO)Mを形成するために再利用されうる。このフェノールもしくは置換フェノールはホウ酸(またはメタホウ酸もしくは酸化ホウ素)またはトリアルキルボラートと一緒にされて、その反応の化学量論量および温度に応じて、トリアリールボラート(ArO)B、またはトリアリールボロキシン(ArOBO)を形成し;そのホウ素化合物とアルコールもしくはフェノールとの間の1:1化学量論量および高温はボロキシンに有利である。好ましくは反応温度は100℃〜300℃、好ましくは110℃〜250℃、好ましくは110℃〜200℃である。ボロキシンを形成する反応は以下に示され、この場合では置換フェノールは4−メトキシフェノールであり、これはホウ酸と反応する:
Figure 0005275391
ボラジンはオルトアミノ置換基を有するフェノールとホウ酸もしくはトリアルキルボラートとの反応から生じうる。
溶媒は水素化ホウ素生成物を分離するために使用されうる。好適な溶媒は、その水素化ホウ素化合物が可溶性であり、かつ水素化ホウ素と相対的に非反応性である溶媒である。水素化ホウ素化合物が可溶性である溶媒は、その水素化ホウ素化合物が25℃で少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%の濃度で可溶性である溶媒である。好ましい溶媒には、液体アンモニア、アルキルアミン(第一級および第二級)、複素環式アミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、グリコールエーテル、アミド溶媒(例えば、複素環式アミドおよび脂肪族アミド)、ジメチルスルホキシド、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、溶媒は実質的に水を含まず、例えば、溶媒は0.5%未満、より好ましくは0.2%未満の水含量を有し;ただし、この媒体、例えば、約40%の水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム中の水素化ホウ素の既知の安定性のせいで、水酸化アルカリ金属濃厚水溶液(30〜45%)が使用されうる場合を除く。特に好ましい溶媒には、アンモニア、C−Cモノアルキルアミン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリドン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
この反応は溶媒なしでも、例えば、スラリープロセスとして、または固体反応物質をグラインドすることによっても進められうる。反応物質のグラインディングは反応を促進させるであろうし、固体粒子にエネルギーを適用し、機械化学反応を誘起する何らかの方法、特に、固体をミクロンサイズ範囲、好ましくはサブミクロンサイズ範囲まで小さくし、反応のための新しい表面を継続的に露出させる何らかの方法、例えば、インパクトミリング、ジェットミリングまたは摩擦ミリングを用いて達成されうる。好ましい方法には、ボールミリング、振動(超音波を含む)ミリング、空気分類ミリング、ユニバーサル/ピンミリング、ジェット(スパイラルおよび流動化ジェットを含む)ミリング、ローターミリング、パールミリングが挙げられる。特に好ましい方法は、遊星ボールミリング、遠心ボールミリング、および同様の種類の高運動エネルギーロータリーボールミリングである。好ましくは、ミリングは水素雰囲気もしくは不活性雰囲気、例えば、窒素雰囲気で行われる。溶媒が使用される実施形態においては、反応物質のグラインディングはスラリーをグラインディングするのに好適な何らかの方法を用いて達成されうる。溶媒は熱移動を容易にし、それにより、ホットスポットを最小限にし、より良好な温度制御を可能にする。方法の経済性を向上させるために、溶媒の再利用が可能である。この方法中に使用するのに好適な溶媒の例には、アミン、特に第三級アミン;アルカンおよびシクロアルカン、特にC−C12アルカンおよびシクロアルカン;イオン性液体;液体クラウンエーテル;並びに、より低い温度の反応条件のためには、トルエン、グリムおよびエーテルが挙げられる。好適な反応溶媒は、水素化ホウ素化合物が可溶性であり、かつ水素化ホウ素と相対的に非反応性である溶媒である。
反応を促進させる別の方法は、放射技術を単独で、もしくは反応性ミリングと組み合わせて使用することである。例えば、マイクロ波照射は特定の反応面にエネルギーを向かわせることができ、反応物質の素早い加熱および深いエネルギー透過を提供することができる。ミリング媒体として使用されることができた金属粉体のようなマイクロ波吸収体、および両性(dipolar)有機液体が反応系に添加され、反応を促進することもできる。これらの技術の利点は、抵抗加熱熱技術で得られたよりもかなり低い処理温度で高い反応速度が起こりうることである。
本発明のある実施形態においては、M(BHは(RO)M、アルミニウム、水素およびボラートもしくはボロキシン化合物の反応によって直接製造される。好ましくはボロキシン化合物が出発物質として使用される。好ましくは、この反応は溶媒中で行われる。好ましくは、この反応は90℃〜180℃、好ましくは120℃〜160℃の範囲の温度で、少なくとも700psi(4.8MPa)、好ましくは少なくとも800psi(5.5MPa)、好ましくは少なくとも900psi(6.2MPa)の絶対圧力下で進行する。好ましくはこの反応は、5000psi(34.4MPa)以下、好ましくは2000psi(13.7MPa)以下の圧力で進行する。好ましくは、この反応は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウムおよびスカンジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒の存在下で起こる。好ましくは、触媒量は、M(AlHORを形成するための(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応に関連して前述した通りである。好ましくは、直接反応に使用されるボラートもしくはボロキシン化合物は式:B(ORまたは(ROBO)を有する。好ましくは、水素化ホウ素アルカリ金属と共に形成され、アルキル金属および/またはアルミニウムを含むアリールオキシド化合物はROHの再利用について上述したように分離され、処理される。
ナトリウムトリヒドリドアルミニウム−(4−メトキシ)フェノキシド(STAMP)の製造:
不活性雰囲気下で、100g(113mL)のテトラヒドロフラン中の20g(0.137mol)のナトリウム4−メトキシフェノキシドが300mLの高圧反応器に入れられた。0.185%のTiを含むアルミニウム金属粉体(11g、0.40mol)が添加され、反応器が密閉された。次いで、この反応器は160℃に加熱され、1000psi(6.9MPa)の水素ガスが供給された。15分後、水素の取り込みが停止し、反応器が冷却され、不活性雰囲気下で溶液がろ過されて、過剰なアルミニウムを除き、1.09Mの活性水素化物を含むテトラヒドロフラン溶液を残した。活性水素化物は水素を形成するように反応性である水素化物である。
均一チタン触媒を使用するSTAMPの製造:
不活性雰囲気下で、テトラヒドロフラン中のナトリウム4−メトキシフェノキシドの20重量パーセント無水溶液が製造された。0.1975gのチタンテトラ(n−ブトキシド)(0.00058mol)が、テトラヒドロフラン中のナトリウム4−メトキシフェノキシドの20重量パーセントの100g部分に添加された。次いで、38.62gのチタン含有溶液が、テトラヒドロフラン中のナトリウム4−メトキシフェノキシドの20重量パーセントのさらなる61.41gと混合された。最終溶液は300mLの高圧反応器に入れられた。アルミニウム金属粉体(20g、0.74mol)が添加され、反応器が密閉された。次いで、この反応器は水素を用いて650psig(4.4MPa)に加圧され、160℃に加熱された。必要に応じて水素を添加することにより、160℃で圧力は915〜925psig(6.31〜6.38MPa)に維持された。水素の取り込みは最初は非常に穏やかであったが、時間と共に増大した。約450分後、水素の取り込みが停止し、反応器が冷却され、不活性雰囲気下で溶液がろ過されて、過剰なアルミニウムを除いた。マスフローコントローラー流速の積分に基づいた水素の取り込みは0.17mol(理論的には0.20mol)であった。主としてアルミニウム金属である固体の回収量は15.78g(0.156mol消費、理論的には0.137mol)であった。溶液加水分解は0.44molの水素を生じさせ(理論的には0.41mol)、1.3MのNaAlH(OR)溶液に相当する。
チタンを使用せずに試みられた、ナトリウムトリヒドリドアルミニウム−(4−メトキシ)フェノキシドの製造:
不活性雰囲気下で、100g(125mL)のテトラヒドロフラン中の、25g(0.171mol)のナトリウム4−メトキシフェノキシドが300mLの高圧反応器に入れられた。アルミニウム金属粉体(11g、0.40mol)が添加され、反応器が密閉された。次いで、この反応器は180℃に加熱され、1000psi(6.9MPa)の水素ガスが供給された。4.5時間後、水素の取り込みは観察されず、反応器は冷却され、不活性雰囲気下で溶液がろ過されて、過剰なアルミニウムを除き、未反応のナトリウム4−メトキシフェノキシドおよび未反応のアルミニウム粉体を含むテトラヒドロフラン溶液を残した。
Ti濃度−可溶性Tiの添加の効果
Figure 0005275391
注:ppmTiはAlの量に対するものである。
実施例1〜6はアルミニウム金属(600μm平均粒子サイズの粒子)、50ppm未満のTi、ナトリウム4−メトキシフェノールおよび100g(88.9mL)のテトラヒドロフランを、表に特定された量のチタンを提供するのに充分なチタン(IV)ブトキシドと共に300mLの高圧反応器に入れることにより準備された。この反応器は密閉され、最初に水素で600psigに加圧され、次いで、160℃に加熱し、その際、一旦その温度になったら、925psigの反応器圧力が維持されるように水素圧力を調節した。その反応の完了後に、反応器は冷却され、不活性雰囲気下で溶液がろ過され、不溶物を除き、特定される活性水素化物の全モル数を含むテトラヒドロフラン溶液を残した。
実施例1は、添加されるチタンの非存在下では、低濃度および低速度ではあるが、可溶性水素化物が製造されることを示す。可溶性生成物に加えて、未反応のアルミニウム中に5.4%の水素化ナトリウム(NaH)が観察され、これは水素変換の一部分となっている。実施例2は実施例1よりも低い程度の水素変換率を有するが、反応不溶物中に水素化ナトリウムは観察されなかった。実施例1で認められた高い変換率はおそらくNaH形成の結果であろう。残りの実施例は実施例2におけるよりかなり高い変換率をもたらし、同様に、不溶性の未反応のアルミニウム中にNaHは観察されなかった。
水素化ホウ素ナトリウムの製造:
不活性雰囲気下で、2.3g(5.1mmol)のトリ(4−メトキシフェノキシ)−ボロキシンが15gの2−メチル−テトラヒドロフラン(2−MeTHF)に溶解された。次いで、得られた溶液は、100mLのシュレンクフラスコ中の、7.84重量%のナトリウムトリヒドリドアルミニウム−(4−メトキシ)フェノキシド(STAMP)(22.5mmol、1.1当量)の磁気攪拌された2−MeTHF溶液50.5gに15分間にわたって滴下添加された。この添加中に白色沈殿物が形成し、フラスコが暖かくなった。このスラリーはさらに15分間攪拌され、次いで、この攪拌は停止され、このフラスコは一晩静置させられて冷却され、固体を沈降させた。次いで、この固体がろ別され、10mLの2−MeTHFで洗浄され、真空乾燥された。11Bおよび27Al NMRで、この白色固体は不純物がほとんどない水素化ホウ素ナトリウムであったことが確認された。収率:0.537g(14.2mmol、93%)。水素発生による純度:99.6%。
4−メトキシフェノール(MEHQ)の回収:
水素化ホウ素ナトリウムを形成する反応(水素化ホウ素ナトリウム反応に使用された試薬を基準にして77.3%のMEHQ、14.0g、113mmol)からの白色副生成物の18.1gが、不活性雰囲気下で、70gの窒素スパージ脱イオン水で処理され、得られたスラリーは10分間攪拌された。正の窒素パージの下で、29.1gの1N塩酸水溶液が段階的にこのスラリーに添加されて、pHを7.00に調節した。次いで、45gのメチルイソブチルケトン(MIBK)が攪拌されたスラリーに添加され、得られた混合物を空気中でろ過した。フィルターケーキは15mL脱イオン水で2回、次いで、15gMIBKで3回洗浄された。集められた濾液は分離漏斗に移され、上部の有機層が250mLのシュレンクフラスコに集められた。水性層は25gのMIBKで2回洗浄され、合わせた有機画分を真空蒸発させて灰白色の粉体を得た。H NMRで、この集められた固体は、高純度MEHQであったことが確認された。収率:13.6g(110mmol、97%)。
トリス(4−メトキシフェノキシ)−ボロキシンの製造:
250mLの攪拌2つ口丸底フラスコに、61.83g(1.0mol)のオルトホウ酸および130.3g(1.05mol)の4−メトキシフェノールが添加された。このフラスコの1つの口上にはショートパス蒸留カラムが取り付けられており、もう一方の口上には熱電対および不活性ガスニードルが取り付けられていた。この反応器は窒素でフラッシュされ、温度は120℃に上昇させられ、その時点で水が生成した。1時間後、その温度を160℃に上昇させて、さらに1時間保持した。水が観察されなくなった後で、その温度を180℃に設定した。次いで真空が適用されて、過剰な4−メトキシフェノールを除いて、トリス(4−メトキシフェノキシ)ボロキシン(149g、0.33mol)を残した。

Claims (10)

  1. (a)式:(RO)Mの化合物を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒であって、アルミニウムの重量を基準にして少なくとも200ppmの量で存在する当該触媒、アルミニウム、並びに水素と一緒にして、式:M(AlHOR の化合物を生じさせる工程前記各式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1つによって置換されたフェニルであり;Mはアルカリ金属、Be、またはMgであり;並びにyは1または2である);
    (b)式:M(AlHORの化合物をボラート、ボロキシンもしくはボラジン化合物と一緒にして、アルカリ金属およびアルミニウムアリールオキシドを含む副生成物混合物、並びにM(BHを生じさせる工程;並びに、
    (c)副生成物混合物からM(BHを分離する工程;
    を含む、水素化ホウ素化合物M(BHの製造方法。
  2. Mがリチウム、ナトリウムもしくはカリウムであり、かつyが1である、請求項1に記載の方法。
  3. が、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されたフェニルである、請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1種の金属がチタンである請求項3に記載の方法。
  5. Mがナトリウムであり、かつRが4−メトキシフェニルである請求項4に記載の方法。
  6. 前記ボラート、ボロキシンもしくはボラジン化合物が、式:B(ORもしくは(ROBO)を有するボラートもしくはボロキシン化合物である請求項1に記載の方法。
  7. 副生成物混合物を水もしくは水性酸と一緒にして、ROHを生じさせることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. OHをホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素もしくはトリアルキルボラートと一緒にして、式:B(ORもしくは(ROBO)のボラートもしくはボロキシン化合物を形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 副生成物混合物を水もしくは水性酸と一緒にすることにより生じるROHが使用されてROMを形成し、次いで、当該ROMが、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒、アルミニウム、並びに水素と一緒にされて、式:MAlHOR(式中、Mはナトリウムであり、かつRは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されたフェニルである)の化合物を生じさせる、請求項8に記載の方法。
  10. (RO)M(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1つによって置換されたフェニルであり;Mはアルカリ金属、BeもしくはMgであり;並びに、yは1または2である)、アルミニウム、水素およびボラートもしくはボロキシン化合物を接触させることによる、水素化ホウ素化合物M(BHを直接製造する方法。
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