JP5275165B2 - 燃料電池用部材 - Google Patents

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本発明は、燃料電池部材に関するものであり、詳しくは、金属粉末を用いた多孔体の表面に直接、水素透過膜を形成し、その形成された水素透過膜の上に電解質膜を形成してなる金属粉末支持体を用いた燃料電池用部材に関するものである。
近年、高エネルギー変換が可能で、地球環境に優しいクリーンエネルギー源として燃料電池が注目されている。その原理は、水素と酸素から水を生成する電気化学反応を用いることによって電力を得るもので、作動温度や使用部材によっていくつかの種類がある。
例えば、800〜1000℃程度の高温で使用する固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、反応の促進や排熱の有効利用が可能なため、80℃程度の低温で使用する固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)に比べて発電効率に優れるという特長を有する。さらに、低温型の燃料電池に使われる反応促進用の高価な白金触媒を必要としないため、家庭用、自動車用、産業用等に開発が期待されている。しかしながら、構成部材が一般に全て耐高温用のセラミックスからなり、コストが高く、衝撃特性等の強度面の課題も多いため実用化の開発は遅れている。
こうした背景から、コスト面や強度特性に優れる金属材料の適用が可能な、200〜600℃程度の低い温度域で作動する「中温型燃料電池」の開発が注目されているが、低温化によって反応効率が低下するという問題がある。これを解決する重要な技術課題の一つが、水素イオンや酸素イオンを伝導する電解質膜の厚みを薄くすることである。燃料電池の電解質膜の電気抵抗は発電損失となるので、反応効率を高めて発電出力密度を向上させるには、電解質を薄膜化して膜抵抗を極力低減させることが必要である。これによって電解質膜中のイオン伝導性が高められ、作動温度の低温化による反応効率の低下を補うことが可能となる。
また、電解質膜には電池としての性能を確保するために、ある程度以上の大きさの面積が要求されることから、電解質膜を含む部材が自重によって壊れない機械的強度も要求される。そのため、燃料電池の電解質に、十分な強度が得られない非常に厚みの薄い薄膜の適用と、コスト面と強度特性の両立を可能とする金属材料の適用を行う場合には、十分な機械的強度とガス透過性を有する金属多孔質支持体上に、この電解質の薄膜を形成することが必要となる。この金属多孔質支持体としては、例えば、金属粉末の焼結多孔体等が適用可能である。
さらに、上記、金属多孔質支持体を水素ガス、または、水素源となる燃料ガスを供給する燃料極側の支持体として用いる場合には、水素のイオン化と、水素イオンの優れた透過性を有するPdやPd合金等からなる水素透過膜を、支持体と電解質薄膜の間に配置する場合がある。従って、この場合には、水素透過膜の上に、極めて厚みの薄い電解質薄膜を形成することが重要な課題となる。さらに、Pd等の高価な元素を含む水素透過膜自身の厚みも薄くすることも、反応の高効率化、およびコスト低減を行うために重要な課題である。
また、以上述べたような電解質膜及び水素透過膜の薄膜化を図る燃料電池においては、内部抵抗の増大によるイオン導電率の低下を防ぐために、欠陥のない薄膜を成膜することも大変重要となる。上記課題に対して、例えば特開2008−239353号公報(特許文献1)には、多孔質基材の表面に、第1〜第n被覆膜(n≧1)を形成し、その被覆膜の表面に水素選択透過膜を形成する。さらに、その水素選択透過膜の上に電解質薄膜を形成し、その上にカソード電極を形成する構造を特徴とする多孔体指示型燃料電池が開示されている。
特開2008−239353号公報
しかしながら、上記方法においては、水素選択透過膜を薄く、均一に、かつ平滑に形成するには、多孔質基材と水素透過膜の間に、開気孔の平均孔径が多孔質基材の平均孔径よりも小さくなる第1〜第n被覆膜が必要としている。さらに、薄く、均一で、ピンホールの無い電解質の薄膜を得るには、上記第1〜第n被覆膜上に、均一かつ平滑に形成された水素透過膜が下地として必要とされているため、この第1〜第n被覆膜が無い場合には、結果的に、水素透過膜だけでなく、電解質の薄膜を均一に形成することも困難になる。
従って、上記方法においては、この第1〜第n被覆膜を形成することが重要なポイントとなるが、こうした多層構造の形成は工程が非常に複雑で、工業的な製造とコスト面の課題が大きいと考えられる。また、平滑な水素透過膜を得るには、この第1〜第n被覆膜の平均孔径は、0.1μm以下とすることが好ましいとされているが、コストと優れた強度特性を有し工業的に得られる金属粉末は、一番小さいものでも粉末自身の粒径が1〜20μm程度が一般的であり、上記特許文献1が述べるように、平均孔径0.1μm以下の多層膜を工業的生産性に優れる汎用の金属粉末の焼結多孔体等で構成するとすることは非常に困難なものと考えられる。
上述したような課題を解決するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、上記で述べられたような超微細構造を有し、複雑な第1〜第n被覆膜等を必要とせずに、水素透過膜、及び、電解質膜の緻密かつ均一な薄膜化を図り、支持体は汎用の金属粉末のみを用いて構成される多孔体を適用できる新たな燃料電池部材を見出した。
その発明の要旨とするところは、
(1)金属粉末を用いた焼結多孔体の表面に水素透過膜を形成し、さらに該水素透過膜の表面に電解質膜を形成する金属粉末焼結多孔体支持体を用いた燃料電池用部材において、上記金属粉末の平均粒径が1〜30μmであり、上記焼結多孔体の平均空孔率が5〜70%であり、上記焼結多孔体の表面が表面粗さRa≦0.5μmの研磨加工面であり、水素透過膜が電解めっき膜であり、かつ水素透過膜の表面が表面粗さRa≦1μmであることを特徴とする燃料電池用部材。
)前記(1)に記載の水素透過膜の厚みが20μm以下であることを特徴とする燃料電池用部材。
)前記(1)または(2)に記載の電解質膜の厚みが5μm以下であることを特徴とする燃料電池用部材。
)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の電解質膜の上部がカソード電極であることを特徴とする燃料電池用部材。
)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の電解質膜にプロトン伝導体を形成したことを特徴とする燃料電池用部材。
)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の金属粉末を、ガスアトマイズ法、または、水アトマイズ法で製造することを特徴とする燃料電池用部材にある。
以上述べたように、本発明により、従来技術例で示したような超微細構造で複雑な第1〜第n被覆膜等を必要とせずに、水素透過膜、及び、電解質膜の緻密かつ均一な薄膜化を図ることが可能となり、さらに、多孔質支持体を金属粉末のみから低コストで構成でき工業的生産を可能とする新たな燃料電池部材を提供することにある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る多孔質支持体は、セラミックスではなく、コスト、機械加工性、強度特性に優れた金属粉末焼結体を用いる。その材質としては、ステンレス鋼等の高Cr含有鋼、高Ni含有鋼が望ましく、一般に700℃以下の作動温度の燃料電池部材であれば、セラミックス等を使用しなくとも適用でき、それらに比べて安価で熱疲労耐久性に優れているからである。ただ、上記効果が得られるものであれば、ステンレス鋼、高Ni含有鋼なる金属に限定するものでなく、その効果を同一とするものであれば使用可能である。
上述した、金属粉末焼結多孔体にはガスアトマイズや水アトマイズ等の方法によって粉末化したものを所望の型に充填して焼結したものが用いられる。また、ステンレス鋼、高Ni含有鋼等からなる鋼を線状に延ばしたものを機械的に微細加工した後、焼結等による固化成形法で得られる多孔体も適用できる。特にステンレス鋼をガスアトマイズによって粉末化した後、焼結することによって製造した金属焼結多孔質体はステンレス鋼による良好な高温耐食性、ガスアトマイズ球状粉末による良好な通気性と良好な機械的特性が両立でき、機械加工や冷間加工等により表面を平滑化するための焼結体基材としても最適である。また、必要に応じて、金属粉末多孔体と水素透過膜の熱膨張率や、水素吸収時の熱膨張率等を同程度に制御しすることも金属粉末の成分調整と多孔体構造の最適化によって可能である。
また、金属多孔体表面の平滑加工方法としては、研削加工、乾式研磨および湿式研磨加工、エッチングや電解研磨による加工、冷間圧延やプレスによる加工等である。その時の、表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましい。ここで、表面粗さの値Raは算術平均粗さであり、JIS B0601で定義される。このように多孔体支持体の表面を極めて平滑とすることによって、多孔体表面の空孔部分をうまく塞いでブリッジを形成するように、水素透過膜を形成できるため、ピンホールや割れ等の欠陥のない緻密な成膜を得ることができる。
さらに、水素透過膜は、Pd、Pd−Ag合金、又は他のPd合金等が一般的であるが、水素透過性を有するものであれば代用可能である。Pd−Ag合金を使用の場合、Pd膜よりもより多くの水素透過性が期待できる場合もある。また、水素透過膜の形成方法としては、多孔体表面の空孔部分をうまくブリッジ状に塞ぎ水素以外の他のガス成分を透過させない緻密な成膜ができるものであれば、物理気相蒸着(PVD)法、化学気相蒸着(CVD)法、液層法、塗布法、めっき法等の様々な適用が可能である。また、多孔体表面の空孔部分に一部楔状に水素透過膜が形成される場合、多孔体支持体に対する水素透過膜の密着性、耐剥離性等を向上することも可能であり、こうした楔型の膜形成が初期の成膜段階で進んだ場合でも、時間の経過に伴って、徐々に全体に平滑な成膜へと移行し、最終的に得られる水素透過膜の表面は全体に平滑なものを得ることも可能である。
また、研磨加工等によって平滑表面とした金属粉末焼結多孔体上に、例えば、電解めっき等で、水素透過膜を形成した場合、研磨等の追加プロセスを用いずに、水素透過膜形成ままの状態で、水素透過膜の表面粗さRa≦1μmを得ることが出来る。好ましくは、Ra≦0.2μmが得られる。これによって、水素透過膜の上に、さらに緻密な電解質薄膜を直接形成することが可能となる。尚、金属粉末の焼結条件と、水素透過膜の電解めっき条件の制御によっては、金属粉末焼結多孔体の研磨加工無しの場合でも、良好な水素透過膜を金属多孔体上に直接成膜することも可能である。
水素透過膜の厚みを20μm以下、望ましくは、10μm以下、さらには5μm以下に薄膜化して反応効率を向上させることが可能であり、電解質薄膜の厚みも5μm以下、望ましくは、1μm以下の緻密な薄膜とすることで同様に反応効率を向上させることが可能となる。
また、多孔体上の細孔は焼結温度や使用粉末粒径によって制御できる。多孔体表面に対する良好な水素透過膜の直接成膜を行うには、微細粉末を用いて表面の空孔径を小さくする方が望ましいが、使用粉末の最大粒径が1μm以下となると粉末のハンドリングが困難であり、かつ金属焼結多孔質体の空孔が小さくなり過ぎ、一部が閉塞して十分なガス透過性が得られない場合がある。また、使用する粉末の最小粒径が100μmを超えると得られる金属焼結多孔質体表面の空孔が大きくなりすぎ、均一な成膜が困難となる場合がある。従って、使用粉末の粒径は、1μm〜100μm程度が必要とされるが、好ましくは、3μm〜30μmである。又、大きな粒径の粉末と小さな粒径の粉末を適した配合として使用する場合、使用粉末の粒径に関係なく、水素透過膜の直接形成に適し、良好なガスバリア性を有する金属多孔体を得ることも可能である。
金属粉末を焼結させ、自立できるに十分な強度を持たせるためには、その平均空孔率を70%以下とすることが好ましい。但し、平均空孔率が5%以下では、焼結が過剰に進んで多孔質体内部のガス透過性が低下し、反応効率の低下を招く場合があるため、焼結多孔体の平均空孔率は、5%〜70%程度となる。
電解質薄膜の形成に、化学気相蒸着法、物理気相蒸着法、スパッタ法、液相法、塗布法等を用いることが可能である。また電解質薄膜にはガス透過性のない緻密な膜の形成が必要である。このような膜の形成のため、CVD法や、スパッタ法あるいはパルスレーザー堆積(PLD)法などのPVD法、スピンコート法や電解質材料を含有する粉体からなるペーストを用いたスクリーン印刷法なども考えられる。
本発明の構成では、下部電極に水素透過性を有するPd等の水素透過膜の緻密な膜を用いているため、下部電極側がアノード電極(水素極)側となり、上部電極側がカソード電極(空気極)側になる。このような構成の場合、水素と酸素の反応により生成する水はカソード側に発生するため、カソード電極には電気伝導度、触媒作用に加えて、ガス透過性が要求される。そのため、通常は数μmの平均粒径を持つカソード用材料の粉末に有機バインダーや低融点ガラスなどを加えてペースト状にしたものを塗布してカソード電極を形成することが多い。
このペーストの塗布方法としては、針金などで塗布する他、スクリーン印刷などを用いることができる。また、有機バインダーや低融点ガラス成分を加えてペーストを形成する代わりに、カソード用材料の粉末と同等組成のゾルゲル液と混ぜることでペースト状にして針金などで塗布することも可能である。こうすることにより、低融点ガラス成分などの不純物のないカソード電極を形成することができる。なお、カソード電極の材質としては、(La0.8Sr0.2)MnO3(LSM)や(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3(LSCF)を用いることが多いが、他の材質でも使用することができる。
本発明の構成では、下部電極として緻密なPd膜がめっきにより形成されるため、Pd膜を通じてのガスの透過は水素以外は不可能である。そのため、Pd膜をアノード電極として作用させ、生成する水の排気はカソード側で行う必要があり、電解質薄膜はプロトン伝導性を有する必要がある。ただし、Pd膜側に発生した水の排気経路を何らかの形で形成することができればこの限りではない。本発明に使用可能な代表的なプロトン伝導体としては、YやYbをドープしたペロブスカイト系酸化物(SrZrO3やBaCeO3)がある。
図1は、本発明に係る燃料電池構造体の構造例を示す図である。この図に示すように、金属粉末の焼結多孔体1上の平滑面に水素透過膜(Pd、Pd合金)2を成膜し、その水素透過膜2上に電解質薄膜3を形成する。符号4はカソード電極である。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す、ステンレス鋼や高Ni含有鋼からなる各金属材料粉末をガスアトマイズ又は水アトマイズ法により得た後、所定の粒度に分級を行い使用粉末を選定した。この金属粉末をセラミック型に充填して1000℃以上で焼結してφ25×1mmのコイン状とした各種基板を得る。一部の基板は、得られた基板の片側を、湿式研磨およびバフ研磨によって平滑仕上げを施した。表面粗さの値は、平面粗さ計を使用し、検査距離5mmのRa測定値を用いた。平均粒径は粉末粒度分布測定装置にて測定した平均粒径結果を用いた。平均空孔率については、多孔体断面を金属顕微鏡にて撮影し、この画像を画像処理にて空孔部と金属部に分け、その比を100分率で表したものを用いた。
次に、上記金属多孔体表面へ水素透過膜を直接形成する方法として、電解めっき法を用いたPd、又はPd合金層の形成を行い、水素透過膜が得られた。次に、Pdめっき層の上に、液相法の一つであるスピンコート法を用いて、各電解質薄膜層を形成した。スピンコート原料として、Sr、Zr、Y元素をそれぞれ1:0.8:02の元素比率で含むゾルゲル液(溶媒:1−ブタノール)を用いた。ゾルゲルの濃度は5質量%とした。このゾルゲル液を適量Pdめっき層上に滴下し、回転数500rpmで10秒間、引き続き4000rpmで20秒間、金属粉末の焼結多孔体を回転させることにより余分なゾルゲル液を除去し、均一なゾルゲル薄膜をPdめっき層の上に形成した。
その後、基板を80℃で1分間加熱してゾルゲル薄膜の溶媒を除去したあと、300℃で2分間、400℃で3分間加熱することでゾルゲル薄膜を熱分解して、Sr、Zr、Yからなる酸化物の非晶質薄膜を形成した。この非晶質薄膜形成プロセスを5回繰り返すことにより、約0.25μmの膜厚の非晶質薄膜を形成した。その後、電気炉を用いて、600℃の温度で大気中、30分間の焼結を行い結晶化することで電解質薄膜を得た。なお、ここでは電解質薄膜の形成にゾルゲル溶液を用いたが、MOD(Metal Organic Deposition)溶液を使用しても良く、他にスパッタ法やCVD法などを使用しても良い。
次に、カソード電極として、LSCF層を塗布法により形成した。LSCF粉末(平均粒径:約3μm)を、La、Sr、Co、Feの元素からなるスピンコート液とまぜることでペースト状にし、それを細い針金などで電解質薄膜上に塗布し、その後電気炉を用いて600℃の温度で大気中、30分間の焼結を行って、LSCFを固化してカソード電極を形成した。この際用いたLSCF粉末に比較的大きな平均粒径を持つ粉末を用いたため、カソード電極にはガス透過性が発現した。なお、本実施例ではペースト状のLaSrCoFe酸化物を針金などで塗布したが、スクリーン印刷しても良い。また、LaSrCoFe酸化物のスピンコート液をLSCF物粉末と混ぜることでペースト状にする代わりに、低融点ガラスおよび有機樹脂を混ぜてペーストを形成しても良い。
以上のような工程により、目的とする燃料電池の単セルを形成する。実際の燃料電池においては、このような工程で作られた単セルを複数枚、結合することでより高い発電特性を実現する。
Figure 0005275165
表1に示す、No.1〜10は本発明例であり、No.11〜18は比較例である。
表1に示す、比較例No.11は金属粉末多孔体の平均空孔率が小さく、水素透過膜での表面粗さRaが大きく、膜厚が厚いために、反応効率が悪い。比較例No.12は金属粉末多孔体の平均粒径が小さく、電解質膜が厚いために、ガス透過性が悪く、かつ反応効率が悪い。比較例No13は水素透過膜での表面粗さRaが大きく、膜厚が厚く、かつ電解質膜が厚いために、反応効率が悪い。
比較例No.14は金属粉末多孔体の平均空孔率が大きく、電解質膜が厚いために、強度が弱く、反応効率が悪い。比較例No.15は金属粉末多孔体の平均粒径が大きく、水素透過膜での膜厚が厚いために、均一な成膜が得られず、かつ反応効率が悪い。比較例No.16は金属粉末多孔体の平均粒径が大きく、電解質膜が厚いために、均一な成膜が得られず、かつ反応効率が悪い。
比較例No.17は金属粉末多孔体の平均空孔率が大きく、水素透過膜での表面粗さRaが大きために、均一な成膜が得られず、かつ反応効率が悪い。比較例No.18は水素透過膜での表面粗さRaが大きく、膜厚が厚いために、反応効率が悪い。これに対し、本発明例No.1〜10はいずれも本発明の条件を満足していることから、ガス透過性、均一な成膜性、強度、発電特性である反応効率に優れていることが分かる。
本発明に係る燃料電池構造体の構造例を示す図である。
1 金属粉末の焼結多孔体
2 水素透過膜(Pd、Pd合金)
3 電解質薄膜
4 カソード電極


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社 他1名
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (6)

  1. 金属粉末を用いた焼結多孔体の表面に水素透過膜を形成し、さらに該水素透過膜の表面に電解質膜を形成する金属粉末焼結多孔体支持体を用いた燃料電池用部材において、上記金属粉末の平均粒径が1〜30μmであり、上記焼結多孔体の平均空孔率が5〜70%であり、上記焼結多孔体の表面が表面粗さRa≦0.5μmの研磨加工面であり、水素透過膜が電解めっき膜であり、かつ水素透過膜の表面が表面粗さRa≦1μmであることを特徴とする燃料電池用部材。
  2. 請求項1に記載の水素透過膜の厚みが20μm以下であることを特徴とする燃料電池用部材。
  3. 請求項1または2に記載の電解質膜の厚みが5μm以下であることを特徴とする燃料電池用部材。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質膜の上部がカソード電極であることを特徴とする燃料電池用部材。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質膜にプロトン伝導体を形成したことを特徴とする燃料電池用部材。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属粉末を、ガスアトマイズ法、または、水アトマイズ法で製造することを特徴とする燃料電池用部材。
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