JP5274103B2 - 電極基材、及びタッチパネル - Google Patents

電極基材、及びタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は電極基材およびタッチパネルに関する。特に、単層カーボンナノチューブを用いた透明電極基板、及びこれを用いたタッチパネルに関する。より詳しくは、単層カーボンナノチューブを用いた反射防止層付透明電極基板及びこれを用いたタッチパネルに関する。
現在、ディスプレイに、直接、触れることによって、情報の入力が出来るデバイスとしてタッチパネルが知られている。これは、光を透過する入力装置を液晶画面などの各種ディスプレイ上に配置したものである。この種の代表的なものとして、2枚の透明電極基板を透明電極層が向かい合うように配置したタッチパネル、所謂、抵抗膜式タッチパネルが知られている。又、透明基板上に透明導電層が設けられた静電容量式のタッチパネルも知られている。
ところで、液晶ディスプレイなどに用いられているタッチパネルにあっては、視認性が重要な要素の一つである。従って、より光透過率の高い電極基板が求められている。
さて、このような電極基板における透明導電層は、これまで、インジウム錫酸化物(ITO)などが主に用いられて来た。
しかしながら、インジウム錫酸化物(ITO)は屈折率が2以上である。この為、基板上に、直接、積層した場合、反射率が高くなり、透過率が下がる問題点がある。
このような問題点を解決する為、例えば光透過性のフィルム基材の第1の面上に少なくとも第1の反射防止層が形成され、上記フィルム基材の上記第1の面とは反対側の第2の面上に少なくとも第2の反射防止層及びITO(In−Sn酸化物)からなる光透過性導電層がこの順に形成されて成ることを特徴とする表示体用フィルムが提案(特開2003−136625号公報)されている。尚、この提案にあっては、第2の反射防止層は、上記第2の面から順に第1の屈折率層及び第2の屈折率層が積層されて構成されている。そして、上記第1の屈折率層の厚さをd1 、屈折率をn1 とし、上記第2の屈折率層の厚さをd2 、屈折率をn2 とし、上記光透過性導電層の厚さをd3、屈折率をn3 として、光の波長をλとした場合、0.5n3・d3 ≦n1・d1 ≦2n3・d3,0.5(λ/4)≦n2・d2 ≦1.5(λ/4)の条件が満たされるように構成される。上記第1の屈折率層の材料は、TiO2 ,Nb23 ,Ta23 ,Nb25又はTa2 5 である。
又、透明な導電性反射防止膜を透明な基材の少なくとも片面に備え、前記導電性反射防止膜は前記基材側から順に積層された誘電体膜と導電膜とからなり、前記誘電体膜が複層構成であり、該誘電体膜の各層は、内側面から外側面に向かって段階的に低下させた屈折率を有し、かつ、前記内側面を形成する層は透明基板より高い屈折率を有することを特徴とする導電性透明積層体が提案(特開2004−361662号公報)されている。尚、この提案にあっては、前記誘電体膜における内側層屈折率が1.9〜2.4、外側層屈折率が1.36〜1.5、前記導電膜の屈折率:1.8〜2.2である。
特開2003−136625号公報 特開2004−361662号公報
ところで、前記提案のものでは、幾つかの問題点が残されている。例えば、特許文献1のものでは、高屈折率層と低屈折率層、透明導電層の屈折率と膜厚とが厳密な関係を満たす必要があり、設計の自由度が低い。
この問題点についての検討が、鋭意、推し進められて行った結果、透明導電層に用いられているインジウム錫酸化物の屈折率は高く、屈折率の高い透明導電層が表面に存在した場合、反射率が高くなるからであることが判って来た。尚、透明導電層を最表面に設けておかないと、導電性が確保できない。又、透明導電層が金属酸化物であることから、柔軟性に乏しく、タッチパネルとして用いた場合、割れ等の問題も有る。
又、タッチパネルは表示画面上に設けられるものである。従って、視認性が高いことが強く求められる。そして、このような視認性の要望を鑑みた場合、上記特許文献1,2のものでは満足できるものではなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、視認性が高く、かつ、光透過率が高く、しかも柔軟性に富む透明電極基材を提供することである。
前記の課題は、
基材と、前記基材上に設けられた反射防止層と、前記反射防止層上に設けられた透明導電層とを有する電極基材であって、
前記透明導電層は、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成されてなる
ことを特徴とする電極基材によって解決される。
特に、基材と、前記基材上に設けられた反射防止層と、前記反射防止層上に設けられた透明導電層とを有する電極基材であって、
前記透明導電層は、バインダ樹脂を用いず、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成されてなる
ことを特徴とする電極基材によって解決される。
中でも、上記の電極基材であって、反射防止層はk(kは1以上の整数)個の反射防止層が積層された構成であり、
基材の屈折率をn、前記基材に一番近い位置に在る最下層の反射防止層の屈折率をn、前記基材から一番遠い位置に在る最上層の反射防止層の屈折率をn、前記最上層より一つ下側に在る反射防止層の屈折率をnk−1とした場合、
>n
を満足するように基材および反射防止層が構成されてなる
ことを特徴とする電極基材によって解決される。
更に、kが2以上の整数の場合には、
<n
<nk−1
を満足するように基材および反射防止層が構成されてなる
ことを特徴とする上記の電極基材によって解決される。
又、上記の電極基材であって、単層カーボンナノチューブで構成された導電層がフラーレンを有することを特徴とする電極基材によって解決される。又、上記の電極基材であって、透明導電層上に保護層が設けられてなることを特徴とする電極基材によって解決される。
本発明は、上記の電極基材が用いられて構成されたタッチパネルを提供するものでもある。
本発明にあっては、基材−反射防止層−透明導電層が順に積層された電極基材であって、透明導電層を絡み合った単層カーボンナノチューブで構成させた。
この絡み合った単層カーボンナノチューブで構成させた透明導電層は、屈折率がインジウム錫酸化物より低い。従って、導電層として必要な膜厚であっても、光学的影響が無視でき、視認性に優れている。特に、可視光領域(400〜700nm)における吸光係数がインジウム錫酸化物よりも均一であるので、ニュートラルグレーに近い色相を有し、視認性が高い。
かつ、本発明の透明電極基材は、設計の適用できる範囲が広い。しかも、光透過率が高く、かつ、柔軟性に富む。
又、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成させた透明導電層は、例えば塗布と言った方法によって簡単に構成でき、製造コストも低廉である。
そして、タッチパネルの用途では極めて有利に利用できる。
本発明は電極基材である。特に、抵抗膜式のタッチパネルや静電容量式のタッチパネルに用いられる電極基材(透明電極基板)である。この電極基材は、基材(透明基板)と、この基材上に設けられた反射防止層(透明反射防止層)と、この反射防止層上に設けられた透明導電層とを有する。そして、この透明導電層は、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成されたものである。中でも、バインダ樹脂を用いないで、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成されたものである。バインダ樹脂を用いない為、導電層を構成する単層カーボンナノチューブは、互いの単層カーボンナノチューブが絡み合った構造のものとする。これによって、単層カーボンナノチューブ同士が、直接、接触した構造となる。従って、間に絶縁物が介在してないことから、導電性が良い。しかも、絡み合っていることから、導電層の構成にバインダ樹脂を不要なものとする。尚、ここで、単層カーボンナノチューブが絡み合った構造であるか否かは、走査型電子顕微鏡で導電層表面を観察することで確認できる。そして、上記のように構成させた場合、透明導電層の屈折率を小さなものと出来る。尚、この透明導電層は、好ましくは、フラーレンを有する。
透明導電層の厚さは、求める表面抵抗値により適宜選択し得るが、通常10nm〜150nmの範囲内であるのが好ましい。厚すぎると光透過率が低くなり、薄すぎると導電性能を発現しなくなることがある。
本発明の電極基材は反射防止層を持つ。この反射防止層は、反射防止層が一層でも良いが、k(kは2以上の整数)個の反射防止層が積層された構成であるのが好ましい。反射防止層が一層からなる場合は、(反射防止層の屈折率)<(基材の屈折率)であることが好ましい。さて、反射防止層は複数層が積層した構成のものが極めて好ましい。この場合、基材の屈折率をn、前記基材に一番近い位置に在る最下層の反射防止層の屈折率をn、前記基材から一番遠い位置に在る最上層の反射防止層の屈折率をn、前記最上層より一つ下側に在る反射防止層の屈折率をnk−1とした場合、n>n,n<n,n<nk−1を満足するように基材および反射防止層を構成することが特に好ましい。例えば、反射防止層が二層の積層構成である場合、(基材の屈折率)<(基材に接する下層反射防止層の屈折率)、(基材に接しない上層反射防止層の屈折率)<(基材に接する下層反射防止層の屈折率)、(基材に接しない上層反射防止層の屈折率)<(基材の屈折率)であるように各々の材が選定される。
ここで、透明導電層の屈折率nは約1.5〜1.6の範囲内に有るので、上記した透明導電層の厚さの範囲では、反射率に影響を与えるほどの光学膜厚に対して低いものである。従って、上記の反射防止層の上に透明導電層を形成しても反射防止性能を阻害しない。
本発明で用いられる反射防止層は種々の材料のものが適宜選定される。例えば、屈折率が1.30以上で1.50以下の材料としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムやフッ素樹脂が挙げられる。好ましいフッ素樹脂の例としては、フッ素含有オレフィン系化合物の重合体、並びにフッ素含有オレフィン系化合物及びこれと共重合可能な単量体からなる共重合体が挙げられる。そのような(共)重合体の例としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ−テル共重合体(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PECTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEPE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)が挙げられる。フッ素樹脂として市販のフッ素含有組成物を重合させたものを使用しても良い。市販のフッ素含有組成物として、例えばオプスター(ジェイエスアール株式会社製)やサイトップ(旭硝子株式会社製)が挙げられる。屈折率が1.50以上の材料としては、例えば酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化イットリウムからなる群より選択された少なくとも一種が好ましいものとして挙げられる。尚、これ等の反射防止層の厚さは、適宜、設定される。
本発明は基材−反射防止層−透明導電層の構成を必須とする。しかしながら、これ以外の層を持っていても良い。例えば、基材−ハードコート層−反射防止層−透明導電層−保護層、基材−アンチニュートン層−反射防止層−透明導電層と言った層構成であっても良い。その他にも、基材の反対側の面に、反射防止層、ハードコート層、防汚層、アンチグレア層など公知の機能層が積層されたものであっても良い。又、耐指紋処理層が設けられても良い。
本発明で用いる透明基材は、透明な基材であれば格別な制限は無い。但し、全光線透過率が80%以上100%以下のシート状ないしはフィルム状のものが好ましい。材質にも格別な制限は無い。例えば、ガラス等のセラミックであっても良い。又、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂も用いられる。又、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂なども用いられる。透明基材の厚みは用途によって好ましい範囲が決まる。シート状のものが求められる場合、500μm〜10mmの厚さである。フィルム状のものが求められる場合、10μm〜500μmの厚さである。
本発明になる電極基板は、その全光線透過率が60%以上で100%以下であり、かつ、その表面抵抗値が100Ω/□以上で50000Ω/□以下であることが好ましい。それは、全光線透過率が低すぎると、視認性が低下するからである。尚、単層カーボンナノチューブを用いた導電層は、全光線透過率と表面抵抗値との間にはトレードオフの関係がある。従って、表面抵抗率は、タッチパネルが動作する限り、高いほうが好ましい。尚、ここで、全光線透過率は単層カーボンナノチューブを含む導電層のみならず基材を含めた全光線透過率である。
本発明で用いられる単層カーボンナノチューブは、公知の製法によって得られた単層カーボンナノチューブであれば良い。例えば、アーク放電法、化学気相法、レーザー蒸発法などによる製法で得られたものを用いることが出来る。但し、結晶性の観点から、アーク放電による製造法で得られたものが好ましい。そして、このものは入手も容易である。
本発明で用いられる単層カーボンナノチューブは、酸処理を施したものが好ましい。ここで、酸処理とは、酸性液体中に単層カーボンナノチューブを浸漬することによって実施される。浸漬の代わりに噴霧と言った手法を採用も出来る。酸性液体は公知の化合物であれば各種のものを用いることが出来る。例えば、無機酸や有機酸が用いられる。但し、無機酸を用いることが好ましい。例えば、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、或いはこれらの混合物が挙げられる。中でも、硝酸、或いは硝酸と硫酸との混酸を用いた酸処理が好ましい。好ましい酸処理条件は、80℃〜100℃の温度下で、1日〜7日間掛けて反応させる条件である。そして、この酸処理によって、単層カーボンナノチューブと炭素微粒子とがアモルファスカーボンを介して物理的に結合している場合に、アモルファスカーボンを分解することによって両者を分離したり、単層カーボンナノチューブ作製時に使用した金属触媒の微粒子を分解することになる。従って、本発明にあっては、単層カーボンナノチューブの酸処理は好ましい。例えば、酸処理を施さない場合に比べ、導電性が向上する。
本発明で用いられる単層カーボンナノチューブは、濾過によって不純物が除去され、純度が向上したものであることが好ましい。その理由は、不純物による導電性の低下や光透過率の低下が防止されるからである。濾過には各種の手法を用いることが出来る。例えば、吸引濾過、加圧濾過、クロスフロー濾過などを用いることが出来る。中でも、スケールアップの観点から、中空糸膜を用いたクロスフロー濾過が好ましい。
本発明の導電層は、絡み合った単層カーボンナノチューブのみで構成されたものでも良い。しかしながら、特に好ましいのは、導電層がフラーレン(本明細書にあっては、フラーレンの言葉にはフラーレン類縁体も含まれる。以下、同様。)を有することである。中でも、水酸化フラーレンを有することである。すなわち、フラーレンを含ませておくことにより、耐熱性が向上する。又、導電性も優れていた。本発明で用いられるフラーレンはフラーレンならば如何なるものでも良い。例えば、C60,C70,C76,C78,C82,C84,C90,C96等が挙げられる。勿論、これ等の複数種のフラーレンの混合物でも良い。尚、分散性能からC60が特に好ましい。更に、C60は入手し易いメリットも有る。又、C60のみでは無く、C60と他の種類のフラーレン(例えば、C70)との混合物でも良い。又、フラーレンの内部に、適宜、金属原子を内包したものでも良い。尚、フラーレン類縁体としては、水酸基、エポキシ基、エステル基、アミド基、スルホニル基、エーテル基など公知の官能基を含むものや、フェニル−C61−プロピル酸アルキルエステル、フェニル−C61−ブチル酸アルキルエステル、水素化フラーレンなどが挙げられる。中でも、フラーレンはOH基(水酸基)を持つもの(水酸化フラーレン)が好ましい。それは、単層カーボンナノチューブを分散液として塗工する際の分散性が高かったからである。尚、水酸基の量が少ないと、単層カーボンナノチューブの分散性向上度が低下し、逆に、多すぎると、合成が困難である。従って、水酸基の量はフラーレン1分子当り5〜30個が好ましい。特に、8〜15個が好ましい。フラーレンの添加量は、多すぎると、導電性が低下する。逆に、少なすぎると、効果が乏しい。従って、フラーレン量は、好ましくは、単層カーボンナノチューブ100質量部に対して10〜1000質量部である。特に、好ましくは、単層カーボンナノチューブ100質量部に対して20〜100質量部である。
本発明の電極基材は、単層カーボンナノチューブからなる導電層上に保護層を有することが好ましい。この保護層に用いられる材料には格別な制限は無い。例えば、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ビニル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。又、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などの公知のコーティング材料を用いることも出来る。但し、保護層の材料は、密着性の観点から、透明基材と同じ(同系統)材料が好ましい。例えば、基材がポリエステル樹脂の場合は、保護層もポリエステル樹脂が好ましい。尚、保護層の膜厚は厚すぎると、透明導電層の接触抵抗が大きくなり、逆に、薄すぎると、保護層としての効果が得られない。従って、保護層の厚さは1nm〜1μmであることが好ましい。特に、10nm以上であることが好ましい。又、100nm以下であることが好ましい。
上記電極基材は、特に、タッチパネルに採用される。例えば、導電層が互いに向い合うように対向配置されてなる抵抗膜式のタッチパネルに採用される。この場合、一方の電極基材のみが上記に示された本発明の電極基材であっても良い。これは、本発明による電極基材は、インジウム錫酸化物などのセラミック性導電層とも接触抵抗が小さいので、一方がセラミック性導電層であってもタッチパネルとして良好な動作性が確保できるからである。勿論、双方の電極基材が本発明の電極基材であっても良い。又、一つの電極基材で構成される静電容量式タッチパネルにも採用できる。抵抗膜式タッチパネルにあっては、全光線透過率が70%以上で、かつ、表面抵抗値が100Ω/□以上5000Ω/□以下の電極基材の採用が好ましい。静電容量式タッチパネルにあっては、全光線透過率が60%以上で、かつ、表面抵抗値が100Ω/□以上1000Ω/□以下の透明導電膜の採用が好ましい。本発明になる抵抗膜式タッチパネルの場合には、上部電極、下部電極いずれかの導電層上にドット印刷を施してあることが好ましい。これによって、導電層同士の誤接触が防止される。抵抗膜式タッチパネルにあっては、上部基板、下部基板いずれもがシート状あるいはフィルム状のものであっても良いし、一方がシート状で、他方がフィルム状のものであっても良い。尚、抵抗膜式のタッチパネルにあっては、下部電極基板は液晶ディスプレイの最表面の基板に本発明の導電層が積層されたものでも良い。
以下、更に、具体的に説明する。
[実施例1]
アーク放電法によって作製された単層カーボンナノチューブを63%硝酸にて85℃で2日間に亘って反応させた。そして、濾過を行なって、単層カーボンナノチューブを精製、回収した。上記のようにして得られた単層カーボンナノチューブ10mgと、水酸基含有フラーレン(商品名 ナノムスペクトラ D−100 フロンティアカーボン社製)10mgと、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)1mgと、水5mlと、2−プロパノール5mlとを混合した。そして、この混合液に1分間に亘って超音波照射(装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH−600SR、エスエムテー社製)を行ない、単層カーボンナノチューブ分散液を得た。得られた単層カーボンナノチューブ分散液を反射防止層付きポリエステルフィルム(反射防止層は二層構成)上にバーコータで塗布した。尚、塗布厚はウェット膜厚で20μmである。そして、塗布後に、80℃で3分間乾燥させた。
尚、走査型電子顕微鏡による観察によれば、この透明導電層における単層カーボンナノチューブは互いに絡み合ったものであり、かつ、この絡み合った箇所においては単層カーボンナノチューブ同士が直接に接触しているものであった。勿論、絡み合ってない箇所でも、単層カーボンナノチューブ同士が直接に接触しているものであった。又、導電層は水酸基含有フラーレンを有する。但し、バインダ樹脂を含むものでは無い。
そして、本実施例で用いられた透明基材(ポリエステルフィルム:屈折率1.60)は厚さが188μm、基材側より第1層(屈折率1.75)は厚さが100nm、第2層(屈折率1.40)は厚さが90nmであった。
上記乾燥工程の後、塗工面をメタノールで洗浄し、そして80℃で3分間乾燥させた。
この後、透明導電層上にアクリル樹脂(商品名:ウォーターゾール S707−IM 大日本インキ化学工業社製)を膜厚10nmになるように積層し、80℃で3分間乾燥させ、透明電極基板を得た。
この透明電極基板の表面抵抗値をロレスタ−FP(ダイアインスツルメンツ社製)で調べた処、800Ω/□であった。
又、分光光度計(U−4000 日立製作所社製)を用いて分光透過率を調べたので、その結果を図1に示す。
図1によれば、透過率が93%(550nm)であり、本発明の電極基板は高透過率の電極基板であることが判る。
更に、分光光度計(U−4000 日立製作所社製)を用いて分光反射率(5°正反射)を調べたので、その結果を図2に示す。
図2によれば、反射率が0.2%(550nm)であり、本発明の電極基板は低反射率の電極基板であることが判る。
又、一定の半径を持つ棒に電極基板を巻き付け、一定荷重で引っ張りながら表面抵抗を2端子法にて測定し、表面抵抗値が急激に上昇した半径(限界曲率半径)を調べた。その結果、本実施例においては、限界曲率半径が2mm以下であった。この結果から、本発明の透明電極基板はインジウム錫酸化物からなる透明導電膜よりも柔軟な膜であることが判った。
そして、上記のようにして得られた電極基板を上部電極、ITO付ガラスを下部基板とし、各々、銅箔シートを対向する2辺に張り、対向電極とした(図3,4参照)。又、上部基板、下部基板の対向電極が直行するように張り合わせ、抵抗膜式タッチパネルを作製した(図5,6参照)。
[実施例2]
基材側より第1層(厚み60nm、屈折率1.65)、第2層(厚み80nm、屈折率1.70)、第3層(厚み90nm、屈折率1.40)で構成された反射防止層が実施例1と同様な透明基材(ポリエステルフィルム)上に設けられたものを用いた以外は実施例1に準じて行ない、抵抗膜式タッチパネルを作製した。
[実施例3]
基材側より第1層(厚み30nm、屈折率1.85)、第2層(厚み15nm、屈折率1.35)、第3層(厚み40nm、屈折率1.80)、第4層(厚み100nm、屈折率1.35)で構成された反射防止層が実施例1と同様な透明基材(ポリエステルフィルム)上に設けられたものを用いた以外は実施例1に準じて行ない、抵抗膜式タッチパネルを作製した。
[比較例1]
ITO層(厚み50nm、屈折率2.12)を積層した以外は実施例1と同様な透明基材(ポリエステルフィルム)上に設けられたものを用い、実施例1に準じて行ない、抵抗膜式タッチパネルを作製した。
[比較例2]
ITO層(厚み50nm、屈折率2.12)を積層した以外は実施例2と同様な透明基材(ポリエステルフィルム)上に設けられたものを用い、実施例1に準じて行ない、抵抗膜式タッチパネルを作製した。
[比較例3]
ITO層(厚み50nm、屈折率2.12)を積層した以外は実施例3と同様な透明基材(ポリエステルフィルム)上に設けられたものを用い、実施例1に準じて行ない、抵抗膜式タッチパネルを作製した。
[特性]
上記各例で得られたタッチパネルを液晶表示画面上に設置し、液晶表示画面を点灯させ、10人の目視により視認性を調べたので、その結果を表−1に示す。
表−1
視認性
実施例1 ○
実施例2 ○
実施例3 ○
比較例1 ×
比較例2 ×
比較例3 ×
この表−1より、本発明の電極基板を用いたタッチパネルは視認性が高いことが判る。
[反射率]
図7、図8から判るように、カーボンナノチューブからなる透明導電膜は反射防止層上に製膜しても反射防止性能が低下しないが、従来のITO膜を積層すると反射率が大きく向上することが分かる。即ち、透過率が低下するので視認性が低下する。
又、本発明の電極基板は、何れも光透過率が高く、かつ、柔軟性に富むものであった。
透明電極基板の分光透過率のグラフ 透明電極基板の5°正反射率のグラフ 抵抗膜式タッチパネルの電極図(上面図) 抵抗膜式タッチパネルの電極図(側面図) 抵抗膜式タッチパネルの構成図(上面図) 抵抗膜式タッチパネルの構成図(側面図) 実施例2、比較例2の分光透過率のグラフ 実施例3、比較例3の分光透過率のグラフ
符号の説明
1 電極基板
2 対向電極
3 上部対向電極
4 上部電極基板
5 下部対向電極
6 粘着テープ
7 下部電極基板

特許出願人 株式会社クラレ
特許出願人 株式会社タッチパネル研究所
代 理 人 宇 高 克 己

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた反射防止層と、前記反射防止層上に設けられた透明導電層とを有する電極基材であって、
    前記反射防止層はk(kは1以上の整数)層の反射防止層を有する層であり、
    前記基材の屈折率をn 、前記基材から一番遠い位置に在る最上層の反射防止層の屈折率をn とした場合、n >n を満足するように前記基材および前記反射防止層が構成されてなり、
    前記透明導電層は、絡み合った単層カーボンナノチューブで構成されてなる
    ことを特徴とする電極基材。
  2. 反射防止層はk(kは2以上の整数)層の反射防止層が積層された構成であり、
    基材の屈折率をn、前記基材に一番近い位置に在る最下層の反射防止層の屈折率をn、前記基材から一番遠い位置に在る最上層の反射防止層の屈折率をn、前記最上層より一つ下側に在る反射防止層の屈折率をnk−1とした場合、n<n,n<nk−1を満足するように前記基材および前記反射防止層が構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1の電極基材。
  3. 単層カーボンナノチューブで構成された導電層はバインダ樹脂を有さない
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の電極基材。
  4. 単層カーボンナノチューブで構成された導電層がフラーレンを有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの電極基材。
  5. フラーレンがOH基を有するフラーレンである
    ことを特徴とする請求項4の電極基材。
  6. 透明導電層上に保護層が設けられてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの電極基材。
  7. 請求項1〜請求項6いずれかの電極基材が用いられてなることを特徴とするタッチパネル。
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