JP2013206675A - 導電性積層体およびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】
耐擦傷性と表面導電性が良好な導電性積層体を提供する。
【解決手段】
本発明の導電性積層体は、基材の少なくとも片面に、基材側から順に、導電性の線状構造体を含む導電層および保護層が積層されており、この保護層上に金属部が点在して形成され、この金属部が導電性の線状構造体と接触している。
【選択図】図1
耐擦傷性と表面導電性が良好な導電性積層体を提供する。
【解決手段】
本発明の導電性積層体は、基材の少なくとも片面に、基材側から順に、導電性の線状構造体を含む導電層および保護層が積層されており、この保護層上に金属部が点在して形成され、この金属部が導電性の線状構造体と接触している。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性の線状構造体を含む導電層を有する導電性積層体に関する。詳しくは、耐擦傷性と表面導電性が良好な導電性積層体に関する。
導電性積層体は、タッチパネル、有機EL、液晶ディスプレイやPDPなどの用途に加えて、フレキシブルディスプレイや太陽電池といった新たな分野でも電極用の導電部材として広く用いられている。このような導電性を発現する導電性積層体を形成するにあたり、樹脂に導電性の線状構造体を含有させて膜を形成する方法がある。
上記導電性の線状構造体として、カーボンナノチューブや金属ナノワイヤーが知られている。これらの導電性の線状構造体を分散させた塗料を塗布して形成された塗膜(導電層)は、塗膜内で線状構造体同士が接したネットワーク構造を構築することによって導電性が発現する。
このような導電性の線状構造体を含有して形成される導電層は、膜強度が弱く、耐擦傷性が低い。このため、導電層表面に薄膜の保護層(オーバーコート層)を設けて導電層を保護することが一般に知られている(特許文献1、2)。この保護層は薄膜であるために、導電層を構成する線状構造体の一部が保護層表面から突出もしくは表面近傍に存在し、保護層表面の表面導電性を確保することができる。
高い表面導電性は、タッチパネル用途で使用される際に有利である。一般的に、タッチパネルデバイスは、スペーサー層によって分離される2つの対向する導電性表面を備えており、ユーザーが一方のパネルをタッチすると、対向する導電性表面が、他方のパネルの導電性表面と接触する。その際、接触抵抗が生じ、静電場内に帯電が発生する。従って、高い表面導電性はタッチパネルとしての性能を高めることが出来る。
しかしながら、膜強度や耐擦傷性を高めるために、導電層上に保護層を設けると、安定して高い表面導電性を得ることができないという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、耐擦傷性と表面導電性が良好な導電性積層体を提供することにある。
本発明の導電性積層体は、基材の少なくとも片面に、基材側から順に、導電性の線状構造体を含む導電層および保護層が積層され、この保護層上に金属部が点在して形成されており、この金属部が前記導電性の線状構造体と接触しているものである。
また、本発明のタッチパネルは、本発明の導電性積層体を用いたものである。
また、本発明のタッチパネルは、本発明の導電性積層体を用いたものである。
本発明によれば、導電層を保護層で覆うことで耐擦傷性を確保しつつも、表面導電性も良好な導電性積層体を提供できる。
本発明の導電性積層体の構成を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の導電性積層体の一例を示す模式断面図であり、図2は図1の部分拡大図である。本発明の導電性積層体は、基材1上に導電層2および保護層4がこの順に積層されている。導電層2は、導電性の線状構造体3を含有している。そして、保護層4上に金属部5が点在して形成されている。この点在して形成されている点が本発明の導電性積層体の特徴である。
図1は、本発明の導電性積層体の一例を示す模式断面図であり、図2は図1の部分拡大図である。本発明の導電性積層体は、基材1上に導電層2および保護層4がこの順に積層されている。導電層2は、導電性の線状構造体3を含有している。そして、保護層4上に金属部5が点在して形成されている。この点在して形成されている点が本発明の導電性積層体の特徴である。
図1に示すように、導電性の線状構造体3は線状であるため、導電性の線状構造体3の中には、その一部分が保護層4の中に入り込んでいるものがある。さらに図2に示すように、この一部分が保護層4の中に入り込んでいる導電性の線状構造体3には、一部分が保護層4から突出しているものと、保護層4から突出せずに埋設しているものとがある。金属部5は、保護層4の中に埋設している導電性の線状構造体3、あるいは保護層4の表面から突出している導電性の線状構造体3と接触するように形成されている。
図2中、金属部5aは保護層4の表面から突出している導電性の線状構造体3を覆うようにして形成され、導電性の線状構造体3と接触している。金属部5bは一部分が保護層4の中に入り込んで形成され、この入り込んだ部分が保護層4の中に埋設している導電性の線状構造体3と接触している。このように特徴的な形状の金属部5aおよび5bを形成する方法としては、電気めっき法が好ましく用いられる。金属部5aや5bを電気めっきで形成する方法の詳細は後で説明る。
なお、金属蒸着法などを用いて、保護層4の全面を覆うように金属部を層状に形成することもできる。この場合、金属部は導電性の線状構造体3と、保護層4から突出している部分で接触する。しかしながら、このように金属部が保護層4の全面を覆ってしまうと、金属部により光の透過が遮られ、導電性積層体の透明性が悪くなってしまう。本発明の導電性積層体のように、保護層4上に金属部5を点在して形成し、各金属部5を導電性の線状構造体3と接触させることで、導電性積層体の透明性を確保できる。
図3は、本発明の導電性積層体の一例を示す模式平面図である。図3において、保護層4上に金属部5が点在して形成されている。点在している金属部5の一個当たりの大きさ(面積)は、1〜500μm2の範囲が好ましく、3〜100μm2の範囲がより好ましい。
上記したように、保護層4上に、導電層2を構成する導電性の線状構造体3と接触するように金属部5を形成することにより、良好な耐擦傷性と高い表面導電性を実現することができる。
以下、本発明の導電性積層体を構成する各構成要素について詳細に説明する。
[基材]
基材は、その上に導電層が積層される材料であり、例えば剛性または柔軟性を有する基材を用いることができる。具体的には樹脂、ガラスなどを挙げることができ、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基材であってもよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、190μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。
基材は、その上に導電層が積層される材料であり、例えば剛性または柔軟性を有する基材を用いることができる。具体的には樹脂、ガラスなどを挙げることができ、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基材であってもよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、190μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、および、これら樹脂の混合および/あるいは共重合したものが挙げられ、例えばその樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとすることができる。
ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。
また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。
さらに、基材には、必要に応じ、表面処理が施されていてもよい。表面処理は、グロー放電、コロナ放電、プラズマ処理、火炎処理等の物理的処理、あるいは樹脂層を設けてあってもよい。フィルムの場合、易接着層のあるものでもよい。基材の種類は上述に限定されることはなく、用途に応じて透明性や耐久性や可撓性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
[導電層]
導電層は、導電性の線状構造体を含有する。
導電性の線状構造体としては、金属系線状導電体、金属酸化物系線状導電体、繊維状の非金属材料の表面に金属あるいは金属酸化物を被覆した線状構造体などが挙げられる。これらの線状構造体の形状としては、ワイヤー状やチューブ状が挙げられる。
導電層は、導電性の線状構造体を含有する。
導電性の線状構造体としては、金属系線状導電体、金属酸化物系線状導電体、繊維状の非金属材料の表面に金属あるいは金属酸化物を被覆した線状構造体などが挙げられる。これらの線状構造体の形状としては、ワイヤー状やチューブ状が挙げられる。
金属系線状導電体としては、金、白金、銀、ニッケル、シリコン、ステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、マグネシウムなどから製造される繊維状、ナノワイヤー状、ナノチューブ状の金属および合金などが挙げられる。
金属酸化物系線状導電体としては、InO2、InO2Sn、SnO2、ZnO、SnO2−Sb2O4、SnO2−V2O5、TiO2(Sn/Sb)O2、SiO2(Sn/Sb)O2、K2O−nTiO2−(Sn/Sb)O2、K2O−nTiO2−Cなどから製造される繊維状、ナノワイヤー状、ナノチューブ状の金属酸化物および金属酸化物複合体などが挙げられる。
繊維状の非金属材料の表面に金属あるいは金属酸化物を被覆した線状構造体としては、植物繊維、合成繊維、無機繊維などの非金属材料の表面に前記金属や前記金属酸化物でコーティングまたは蒸着したものが挙げられる。
上記した線状構造体のうち、透明性等の光学特性、導電性等の観点から銀ナノワイヤーを好ましく使用することができる。
本発明の導電層は、導電性の線状構造体を分散媒に分散させた塗料を基材上に塗布することによって形成することができる。
上記分散媒としては、導電性の線状構造体が安定分散可能な液体であれば特に限定されず用いることができるが、具体的には、水、アルコール、ケトン、エーテル、炭化水素、または芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)等が好ましく用いられる。また、上記液体は、揮発性であることが好ましく、液体の沸点は200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、100℃以下が特に好ましい。
また、導電層を形成するための塗料は、塗布適性、基材との密着性、導電層の製膜性等の観点から、結合材を含有することが好ましい。
結合材としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、2−ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が好ましく用いられる。
また、上記塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などが挙げられる。
上記した導電層を形成するための塗料を基材上に塗布する方法としては、ウェットコーティング法が好ましく用いられる。ウェットコーティング法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート、スピンコート、グラビアコート、エクストルージョンコート、スライドビードコート、カーテンコートなど公知の方法を用いることができる。
本発明において、導電性の線状構造体は、導電層中においてネットワーク構造で存在していることが好ましい。ネットワーク構造とは、少なくとも1つの接点で導電性の線状構造体同士が接していることである。最も小さいネットワーク構造は2本の導電性の線状構造体が、ある一接点を有している場合である。接点は導電性の線状構造体のいかなる部分同士で形成されていてもよく、導電性の線状構造体の末端部同士が接していたり、末端と導電性の線状構造体の末端以外の部分が接していたり、導電性の線状構造体の末端以外の部分同士が接していてもよく、また、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。
そして前述したように、導電性の線状構造体は線状であるので、導電性の線状構造体の中には、その一部分が保護層の中に入っているものがある。さらにこの一部分が保護層の中に入っている導電性の線状構造体には、一部分が保護層から突出しているものと、保護層から突出せずに埋設しているものとがある。
[保護層]
保護層は、導電層上に積層されて導電性積層体の耐擦傷性を向上させる役目を有する。
保護層は、導電層上に積層されて導電性積層体の耐擦傷性を向上させる役目を有する。
上記の観点から、保護層は樹脂を含むことが好ましい。保護層に含有させる樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリオレフィンなど樹脂が挙げられる。
また、保護層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
保護層を形成する方法としては、ウェットコーティング法が好ましく用いられる。ウェットコーティング法としては、前述の導電層の塗布方法に挙げたものと同様のものが用いられる。
本発明における保護層の膜厚は、耐擦傷性の観点からは、厚い方が好ましい。具体的には10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、100nm以上が特に好ましく、120nm以上が最も好ましい。一方、導電層中の導電性の線状構造体と接触する金属部を形成するためには、導電性の線状構造体の一部が保護層表面近傍にあることが好ましく、特に保護層表面から突出していることが好ましい。この観点からは、保護層の厚みは薄い方が好ましい。具体的には500nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、300nm以下が特に好ましい。
[金属部]
金属部は、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体、あるいは保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触するように、保護層上に点在して形成される。保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触する金属部は、一部分が保護層の中に入り込んで導電性の線状構造体と接触する。保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触する金属部は、導電性の線状構造体の突出している部分を覆うように形成される。
金属部は、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体、あるいは保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触するように、保護層上に点在して形成される。保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触する金属部は、一部分が保護層の中に入り込んで導電性の線状構造体と接触する。保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触する金属部は、導電性の線状構造体の突出している部分を覆うように形成される。
このような特徴的な形状の金属部を形成する方法としては、電気めっき法が好ましく用いられる。電気めっき中の電流は導通し易い経路を通じて流れるので、電流の大部分は、導電性の線状構造体の保護層の表面から突出している部分、または導電性の線状構造体の保護層の表面近くにある部分を通じて流れる。そのため、そのような部分に集中して金属めっきが形成される。保護層の表面から突出している導電性の線状構造体については、その突出している部分を覆うようにして金属めっきが成長し、点状の金属部が形成される。また、保護層に埋設している導電性の線状構造体については、保護層の表面から保護層表面近くにある導電性の線状構造体に向かって、金属めっきが保護層の中に入り込みながら徐々に成長し、最終的に導電性の線状構造体に接触して点状の金属部が形成される。金属めっきに用いられる金属としては、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀、および金からなる群の中から選ばれる少なくとも一種の金属を用いることが好ましい。
金属部の厚みは、表面導電性を向上させる観点から、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。ここで金属部の厚みは、保護層表面から金属部の最も高い部分まで高さであり、無作為に選択した5個の金属部の平均値である。例えば、レーザー顕微鏡で測定することができる。
[導電性積層体]
本発明の導電性積層体は、導電層上に保護層を介して、導電層を構成する導電性の線状構造体と接触するように金属部を形成することにより、良好な耐擦傷性と高い表面導電性を実現することができる。
本発明の導電性積層体は、導電層上に保護層を介して、導電層を構成する導電性の線状構造体と接触するように金属部を形成することにより、良好な耐擦傷性と高い表面導電性を実現することができる。
本発明の導電性積層体は、タッチパネル、有機EL、液晶ディスプレイやPDPなどの電極用の導電部材として好ましく使用することができる。特にタッチパネルの電極部材として好ましく用いられる。
タッチパネルの方式としては、抵抗膜式と静電容量式とが主流であるが、これらの方式に限らずいずれの方式にも好ましく用いることができる。
静電容量式タッチパネルに適用する場合は、一般に導電層はエッチング等でパターン化されるが、本発明の導電性積層体は、導電層上に保護層を介して金属部が積層された状態で、導電層と金属部をエッチングすることができる。この場合、エッチング液は、導電性の線状構造体と金属部を溶解できるものが選択され得る。例えば、塩酸と硝酸の混合物のような通常の酸性エッチング液を使用して、導電性の線状構造体と金属部とをエッチングすることができる。
上記のパターン化には、保護層および金属部上に、レジストパターンを形成させた後、化学エッチングにより導電性の線状構造体を非導電化する方法を用いることができる。
導電性成分が線状構造体である場合は、線状構造体同士のネットワーク構造による接触で導電性を発現するため、完全に除去しなくとも非導電性部を形成可能である。線状構造体の一部を溶解させたり、あるいは表面を化学的に変化させて断線させたりして、絶縁体とすることで、パターンを形成可能である。
以下に、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<表面抵抗値の測定>
実施例および比較例で作製した導電性積層体を60mm×50mmのシートサイズにカットして測定用サンプルを作製した。このサンプルの導電層側の面の両端に銅箔粘着テープ(寺岡製作所社製)10mm×50mmをそれぞれ貼り付けた。デジタルマルチメーター(エー・アンド・デイ社製AD−5536)を用い、端子を40mm離して表面抵抗値を測定した。
実施例および比較例で作製した導電性積層体を60mm×50mmのシートサイズにカットして測定用サンプルを作製した。このサンプルの導電層側の面の両端に銅箔粘着テープ(寺岡製作所社製)10mm×50mmをそれぞれ貼り付けた。デジタルマルチメーター(エー・アンド・デイ社製AD−5536)を用い、端子を40mm離して表面抵抗値を測定した。
<金属部の厚み>
保護層表面から金属部の最も高い部分まで高さをレーザー顕微鏡で測定した。レーザー顕微鏡はキーエンス社製VK9710を用いた。無作為に選択した5個の金属部の平均値を金属部の厚みとした。
保護層表面から金属部の最も高い部分まで高さをレーザー顕微鏡で測定した。レーザー顕微鏡はキーエンス社製VK9710を用いた。無作為に選択した5個の金属部の平均値を金属部の厚みとした。
[実施例1]
以下の要領で本発明の導電性積層体を作製した。
以下の要領で本発明の導電性積層体を作製した。
<導電層の積層>
厚さが125μmの光学用ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製のルミラー)の片面に、下記の導電層形成用塗料をダイコート法で固形分塗布量が1g/m2となるように塗布し、80℃で乾燥して、基材上に導電層を積層した。
厚さが125μmの光学用ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製のルミラー)の片面に、下記の導電層形成用塗料をダイコート法で固形分塗布量が1g/m2となるように塗布し、80℃で乾燥して、基材上に導電層を積層した。
<導電層形成用塗料>
銀ナノワイヤー分散溶液(米Cambrios社製、CleraOhm Ink−A AQ)30質量部あたり、超純水(和光純薬工業社製、超純水Ultrapure Watar)を70質量部、防錆剤(米Cambrios社製、ClearOhm SFT−D)を0.12部添加し、導電層形成用塗料を調製した。
銀ナノワイヤー分散溶液(米Cambrios社製、CleraOhm Ink−A AQ)30質量部あたり、超純水(和光純薬工業社製、超純水Ultrapure Watar)を70質量部、防錆剤(米Cambrios社製、ClearOhm SFT−D)を0.12部添加し、導電層形成用塗料を調製した。
<保護層の積層>
上記で基材上に積層した導電層の上に、下記の保護層形成用塗料を保護層の厚み(硬化後の厚み)が210nmとなるようにダイコート法で塗布し、80℃で乾燥し、UV(ヒュージョンUVシステムズジャパン社製、LH10−70UVランプ)を照射して(200mJ/cm2)硬化することで保護層を形成した。保護層を形成した段階で、サンプルの一部を取り出して切断し、切断面を顕微鏡で観察した。一部分が保護層の中に入っている導電性の線状構造体が観察された。さらにこの一部分が保護層の中に入っている導電性の線状構造体には、一部分が保護層から突出しているものと、保護層から突出せずに埋設しているものとがあった。
上記で基材上に積層した導電層の上に、下記の保護層形成用塗料を保護層の厚み(硬化後の厚み)が210nmとなるようにダイコート法で塗布し、80℃で乾燥し、UV(ヒュージョンUVシステムズジャパン社製、LH10−70UVランプ)を照射して(200mJ/cm2)硬化することで保護層を形成した。保護層を形成した段階で、サンプルの一部を取り出して切断し、切断面を顕微鏡で観察した。一部分が保護層の中に入っている導電性の線状構造体が観察された。さらにこの一部分が保護層の中に入っている導電性の線状構造体には、一部分が保護層から突出しているものと、保護層から突出せずに埋設しているものとがあった。
<保護層形成用塗料>
アクリル樹脂系塗料(中国塗料社製、フォルシードNo.420C 樹脂濃度50重量%)5質量部あたり、酢酸エチルを95質量部加えて保護層形成用塗料を調製した。
アクリル樹脂系塗料(中国塗料社製、フォルシードNo.420C 樹脂濃度50重量%)5質量部あたり、酢酸エチルを95質量部加えて保護層形成用塗料を調製した。
<金属部の形成>
次に、上記作製した積層体をスルファミン酸ニッケル浴(25℃)に10秒間浸漬させて、保護層上にニッケルめっき金属部を形成させて本発明の導電性積層体を得た。尚、電気めっき時の電位差は5Vとした。金属部は保護層上に点在して形成されていた。さらに、得られた導電性積層体を切断し、切断面を顕微鏡で観察した。金属部はいずれも、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体、あるいは保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触していた。また、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触する金属部は、一部分が保護層の中に入り込んで導電性の線状構造体と接触していた。保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触する金属部は、導電性の線状構造体の突出している部分を覆うように形成されていた。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.0μmであった。
次に、上記作製した積層体をスルファミン酸ニッケル浴(25℃)に10秒間浸漬させて、保護層上にニッケルめっき金属部を形成させて本発明の導電性積層体を得た。尚、電気めっき時の電位差は5Vとした。金属部は保護層上に点在して形成されていた。さらに、得られた導電性積層体を切断し、切断面を顕微鏡で観察した。金属部はいずれも、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体、あるいは保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触していた。また、保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触する金属部は、一部分が保護層の中に入り込んで導電性の線状構造体と接触していた。保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触する金属部は、導電性の線状構造体の突出している部分を覆うように形成されていた。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.0μmであった。
[実施例2]
保護層の厚み(硬化後の厚み)を175nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.2μmであった。
保護層の厚み(硬化後の厚み)を175nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.2μmであった。
[実施例3]
保護層の厚み(硬化後の厚み)を150nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.3μmであった。
保護層の厚み(硬化後の厚み)を150nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.3μmであった。
[実施例4]
保護層の厚み(硬化後の厚み)を125nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.5μmであった。
保護層の厚み(硬化後の厚み)を125nmに変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性積層体を得た。導電性積層体を切断して導電性の線状構造体と金属部を観察したところ、実施例1と同様の状態であった。無作為に選択した5個の金属部の厚みの平均値は4.5μmであった。
[比較例1]
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例1と同様にして導電性積層体を得た。
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例1と同様にして導電性積層体を得た。
[比較例2]
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例2と同様にして導電性積層体を得た。
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例2と同様にして導電性積層体を得た。
[比較例3]
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例3と同様にして導電性積層体を得た。
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例3と同様にして導電性積層体を得た。
[比較例4]
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例4と同様にして導電性積層体を得た。
保護層上に金属部を形成しないこと以外は実施例4と同様にして導電性積層体を得た。
<評価>
実施例および比較例で作製した導電性積層体について表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
実施例および比較例で作製した導電性積層体について表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
表1の結果より、保護層上に金属部を設けた実施例1〜実施例4はいずれも、金属部を設けていない比較例1〜比較例4と比較して表面抵抗値が大幅に小さくなっていることが分かる。
本発明の導電性積層体は、タッチパネル用途に好適に使用される。さらに、本発明の導電性積層体は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも好適に使用することができる。
1. 基材
2. 導電層
3. 導電性の線状構造体
4. 保護層
5. 金属部
5a. 保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触するように形成された金属部
5b. 保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触するように形成された金属部
2. 導電層
3. 導電性の線状構造体
4. 保護層
5. 金属部
5a. 保護層の表面から突出している導電性の線状構造体と接触するように形成された金属部
5b. 保護層の中に埋設している導電性の線状構造体と接触するように形成された金属部
Claims (10)
- 基材の少なくとも片面に、基材側から順に、導電性の線状構造体を含む導電層および保護層が積層され、この保護層上に金属部が点在して形成されており、この金属部が前記導電性の線状構造体と接触している、導電性積層体。
- 以下の(1)および/または(2)の状態で前記金属部と前記導電性の線状構造体とが接触している、請求項1の導電性積層体。
(1)一部分が保護層の中に入り込んでいる導電性の線状構造体と、一部分が保護層の中に入り込むように形成された金属部とが、これら保護層の中に入り込んでいる部分同士で接触している。
(2)一部分が保護層表面から突出した導電性の線状構造体の、この突出した部分を覆うように金属部が形成され、金属部と導電性の線状構造体とが接触している。 - 前記金属部が、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀および金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の電気めっきにより形成されたものである、請求項1または2の導電性積層体。
- 前記金属部の厚みが0.1μm以上である、請求項1〜3のいずれかの導電性積層体。
- 前記導電性の線状構造体が、少なくとも1つの接点で線状構造体同士が接したネットワーク構造を有する、請求項1〜4のいずれかの導電性積層体。
- 前記導電性の線状構造体が、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、またはそれらの組み合わせである、請求項1〜5のいずれかの導電性積層体。
- 前記線状構造体が銀ナノワイヤーである、請求項6の導電性積層体。
- 前記導電性の導電性積層体が、タッチパネルに用いられるものである、請求項1〜7のいずれかの導電性積層体。
- 請求項8の導電性積層体を用いてなるタッチパネル。
- 基材の少なくとも片面に、基材側から順に、導電性の線状構造体を含む導電層および保護層が積層された積層体を、金属めっき浴につけて電気めっきを施すことで、前記保護層上に点在した金属部を形成する、導電性積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012073247A JP2013206675A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 導電性積層体およびタッチパネル |
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ID=49525564
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018205425A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | 日東電工株式会社 | 調光フィルム |
CN110333793A (zh) * | 2019-05-09 | 2019-10-15 | 业成科技(成都)有限公司 | 可挠触控结构 |
US11462341B2 (en) | 2018-05-09 | 2022-10-04 | Canatu Oy | Electrically conductive multilayer film including a coating layer |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012073247A patent/JP2013206675A/ja active Pending
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