JP5273580B2 - 直接型燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は有機物あるいは有機物の溶液を直接アノードに供給して発電を行うことができる直接型燃料電池システムに関する。
近年、環境問題や資源問題への対策が重要になっており、その対策のひとつとして燃料電池の開発が活発に行われている。特にアルコールなどの有機物を燃料に用いて改質・ガス化を行う事なく直接発電に利用する事ができる直接型燃料電池は、構造がシンプルで小型化・軽量化が容易であり、分散型電源、可搬型電源、コンピューター用、ポータブル電子機器用、携帯電話用等のコンシューマ電源として有望である。
これらの直接型燃料電池には、電解質膜の両側にカソード極およびアノード極を接合した膜電極接合体(MEA)をカソード極セパレータおよびアノード極セパレータで挟持した単電池セルを多数積層して構成したものや、複数のMEAを平面上に並べ、各MEAを電気的に接続したものなどが開発されている。特に、複数のMEAを平面上に並べた後者の形態は、ラップトップ型コンピュータなどのポータブル電子機器や携帯電話の電源として有望視されている。
直接型燃料電池ではアノード側に有機物溶液を供給すると、電池反応によって炭酸ガスが発生し、燃料排気側では廃燃料と炭酸ガスが排出される。一方、カソード側では酸化剤として空気を供給すると、電池反応により水が発生し、空気出口から排出される。
このような直接型燃料電池の中にも、カソードへの空気供給やアノードへの燃料供給にポンプ等の動力装置を用いるアクティブ型と、動力装置を用いないパッシブ型の直接メタノール型燃料電池が検討されてきた。
このようなパッシブ型の燃料電池は、アクティブ型の燃料電池と比較して、出力が取りにくいといった短所がある反面、ポンプ駆動のための電力が不要であり電池の発電効率を高くすることができるという長所がある。また、シンプルでコンパクトなシステムが構成できる、ポンプ駆動音のない静かな発電機となる、といった特長がある。そのため、よりシンプルなシステム構成が可能となり、携帯電話用電源、ラップトップコンピューター用電源といった小型コンシューマー用途に最適な燃料電池となる可能性がある。
我々は、直接型燃料電池の研究開発の過程で、特許文献1に示すように、特定の条件において、直接型燃料電池のアノードから水素が発生する現象を発見した。水素発生条件は、カソードへの酸化剤供給量と単電池電圧とによって決まり、単位電池の開路電圧が300〜800mVの範囲で水素が発生し、燃料電池から負荷に対する電力供給がなされているか否かには関らないことが分っている。
特許第3812581号公報
このことは、直接型燃料電池システムにおいて、特定の条件下で、意図せずに、直接型燃料電池システムから水素が排出される可能性があることを示している。水素は可燃性の気体であり、空気と、極めて広い混合比で爆発性の混合気を生じるため、直接型燃料電池システムにおける水素の発生は、爆発事故などを引き起す可能性があり、そのような危険性を回避する手段が求められている。
また、直接メタノール型燃料電池(DMFC)に関して、開路で、酸素欠乏状態の場合に、単一セル内で、電池反応と電解反応が共存し、カソードでCHOH+HO→CO+6H+6eの反応、アノードで6H+6e→3Hの反応が生じ、アノード側から水素が発生することも知られている(非特許文献1及び2参照)。
非特許文献1の論文は、「水素の発生は、運転中のセルにおける電力のアウトプットを減少させるばかりでなく、開路状態で燃料を連続的に消費するので、DMFCが運転中及び待機中のいずれの時でも、カソードに酸素を十分かつ一定に供給し続けることが重要である」と結論付け、非特許文献2の論文も、「大きなMEA面積を有するDMFCについては、システムのシャットダウン及びスタートアップによって引き起こされる水素の蓄積に注意する必要がある」と結論付けているから、アノード側から発生する水素は少なくした方がよい、又は、除去した方がよいという技術的思想は示されているといえるが、いずれの論文にも、水素を除去する手段については記載がない。
Electrochemical and Solid-State Letters,8(1)A52-A54(2005) Electrochemical and Solid-State Letters,8(4)A211-A214(2005)
さらに、特許文献2には、直接メタノール型燃料電池において、アノードから排出されるガスをカソードに送りこみ、該ガスに含まれる気化されたメタノールをカソードで酸化することが記載されているが、水素ガスをカソードで酸化することは示唆されていない。
特開2006−32209号公報
水素ガスを燃料とする燃料電池においては、アノードから排出される水素オフガスをカソードから排出されるカソードオフガスと混合し、酸化触媒と接触させることにより、該ガス中の水素濃度を低減させて大気中に排出することが公知である(特許文献3参照)が、水素オフガスを酸化するための装置を別途設ける必要があった。
特開2002−289237号公報
本発明は、上記のような直接型燃料電池システムにおける水素の発生の問題を解決しようとするものであり、水素ガスが燃料電池システム外部に排出されることのない直接型燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段を採用する。
(1)固体高分子電解質膜を電解質とする直接型燃料電池と、前記直接型燃料電池のアノードに有機物あるいは有機物溶液を供給する燃料供給手段と、前記直接型燃料電池のカソードに酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、を備えた直接型燃料電池システムにおいて、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむ配管に水素透過膜を設け、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこみ、該ガスに含まれる水素ガスをカソードで酸化して水素ガスを除去した後に、直接型燃料電池システム外に排出することを特徴とする直接型燃料電池システム。
(2)前記アノードから水素ガスが発生する条件を検知する制御装置を設けて、前記制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむことを特徴とする前記(1)の直接型燃料電池システム。
(3)前記アノードから排出されるガスを直接型燃料電池システム外に排出する配管に三方コックを設け、前記制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、前記三方コックを切り替えて、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむことを特徴とする前記(2)の直接型燃料電池システム。
(4)前記アノードから排出されるガスを、燃料タンクを介して直接型燃料電池システム外に排出することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項の直接型燃料電池システム。
本発明によれば、直接型燃料電池システムのアノードから排出されるガスに含まれる水素ガスをカソードで酸化して水に変えて除去した後に、アノード排出ガスを燃料電池システム外に放出するので、排出ガスに含まれる水素ガスを酸化するための装置を別途設けることなく、アノード排出ガス中の水素ガスを酸化して水に変えることができ、簡単な構成で、漏洩水素による爆発・火災などの事故を防止することができる。
また、カソードに送りこむ配管に水素透過膜を設けた場合には、水素ガスのみを効率的に除去することができる。
さらに、水素ガス発生条件を検知する制御装置を用いた場合には、アノードから排出されるガスを、水素ガスが含まれる場合にのみ、カソードに送り込むことができるから、カソードを水素ガス除去手段として効率良く使用することができると共に、カソードの酸化触媒の寿命を延ばすことができる。
本発明の直接型燃料電池システムには、固体高分子電解質膜を電解質とする直接型燃料電池を使用する。固体高分子電解質膜は、有機物あるいは有機物溶液の透過性を持つものであれば良く、通常はプロトン伝導性を持つものが使用される。プロトン伝導性を持つ固体高分子電解質膜としては、デュポン社のナフィオン膜等のスルホン酸基を持つパーフルオロカーボンスルホン酸系膜が好ましい。
直接型燃料電池のアノードに供給する有機物としては、プロトン伝導性を持つ固体高分子電解質膜を透過し、電気化学的に酸化されてプロトンを生成する液体又は気体燃料であれば良く、メタノール、エタノール、エチレングリコール、2−プロパノールなどのアルコール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド、蟻酸などのカルボン酸、ジエチルエーテルなどのエーテルを含む液体燃料が好ましい。有機物溶液としては、これらの液体燃料と水を含む溶液、その中でも、アルコール、特にメタノールを含む水溶液が好ましい。
直接型燃料電池のカソードに供給する酸化剤としては、酸素を含む気体又は酸素が好ましく、空気を使用することができる。
メタノールを燃料とし、酸素を含む気体を酸化剤とする直接型燃料電池においては、通常、以下のように、アノード側で(A)の反応、カソード側で(B)の反応が起きて、発電が行われている。
(A)CHOH+HO→6H+6e+CO
(B)6H+6e+3/2O→3H
一方、ナフィオン等のプロトン伝導性固体電解質膜を用いた場合には、CHOHがアノードからカソードへ透過するクロスオーバー現象が知られており、空気流量が低下すると、カソードの酸素供給の不足する領域で、(B)の反応が起きず、クロスオーバーメタノールが電解酸化され、(D)の反応が起き、一方、アノード側では、(C)の反応が起きて水素が発生する。
(C)6H+6e→3H
(D)CHOH+HO→6H+6e+CO
本発明においては、アノード側で上記(C)の反応により生成した水素ガスをそのまま直接型燃料電池システム外に排出すると上記のような危険性があるので、アノードから排出されるガスをカソードに送りこみ、該ガスに含まれる水素ガスをカソードで酸化して水素ガスを除去することを特徴とする。この場合、カソード触媒が、酸化触媒となって水素ガスが酸化される。
水素ガスのみを効率的に除去するために、アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむ配管に水素透過膜を設けることが好ましい。水素透過膜は限定されるものではないが、厚さが5〜50μmであって、無機多孔層上に形成されて選択的に水素を透過させることができる水素透過性の金属膜を使用することができる。無機多孔層は水素透過性の金属膜を保持するための担体であって、厚さが0.1mmから1mmの範囲で多孔性のステンレス鋼不織布、セラミックス、ガラス等から形成される。水素透過性の金属膜としてはPdを含む合金、Niを含む合金又はVを含む合金を使用することができるが、Pdを含む合金が好ましい。Pdを含む合金としてはPd・Ag合金、Pd・Y合金、Pd・Ag・Au合金等を挙げることができる。
また、本発明においては、カソードを水素ガス除去手段として効率良く使用し、カソードの酸化触媒の寿命を延ばすために、アノードから水素ガスが発生する条件を検知する制御装置を設けて、制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、アノードから排出されるガスをカソードに送りこむことが好ましい。
特許文献1に示されているように、水素ガスの発生は、開路電圧に依存し、空気流量が低下し、開路電圧が300〜800mVになると、水素ガスが発生することが分かっているから、直接型燃料電池の単位電池の電圧を計測する電圧計測手段を備え、該電圧計測手段によって計測された単位電池の開路電圧が、800mV以下となった場合に、アノードから排出されるガスをカソードに送りこむようにする手段を採用することができる。例えば、アノードから排出されるガスを直接型燃料電池システム外に排出する配管に三方コックを設け、制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、三方コックを切り替えて、アノードから排出されるガスをカソードに送りこむようにしてもよい。
以下、燃料としてメタノール水溶液を用いる直接メタノール型燃料電池を例に、図を用いながら、本発明を詳細に説明する。
(比較例)
白金とルテニウムとを活性炭素に担持させてなる燃料極触媒に、テフロン(登録商標)分散液およびナフィオン(登録商標)溶液を混合して作製した燃料極ペーストを、カーボンペーパー上に塗布してアノード1を得、白金を活性炭素に担持させてなる空気極触媒に、テフロン(登録商標)分散液およびナフィオン(登録商標)溶液を混合して作製した空気極ペーストを、カーボンペーパーに塗布してカソードを得た。アノード・カソードとも、電極面積は64cm、触媒担持量は1mg/cmとした。
次に、図1に示すように、上記のようにして作製したアノード1及びカソード(図示せず)をナフィオン117(登録商標)からなる電解質膜(2)の両面にホットプレスで接合し、得られた膜電極接合体10個を、シリコンゴム製のパッキン(3)とグラファイト製のバイポーラ型セパレータ(4)を介して積層した。さらに、図2に示すように、この積層体(5)を2枚の金属製集電板(6)で挾持したものを、シリコンゴム製の絶縁板(7)を介して、2枚の金属性エンドプレート(8)で挾持し、図3に示すように、これらエンドプレート同士をボルト(9)とナット(10)で結合することによって、直接メタノール型燃料電池スタック(11)を作製した。
上記バイポーラ型セパレータ(4)には、片面に燃料供給用の溝(12)〔図示せず。図1においては、セパレータ(4)の裏面に形成されている。〕が設けられるとともに、燃料供給用の溝(12)に燃料を供給するためのマニホールド穴(13)がセパレータ(4)を貫通して形成されている。各セパレータ(4)の燃料供給用マニホールド穴(13)はスタック(11)を組み立てた状態で相互に連通するとともに、集電板(6)、積層体(5)、絶縁板(7)、エンドプレート(8)に設けられた燃料供給用マニホールド穴とも連通している。また、上記バイポーラ型セパレータ(4)には、燃料供給用の溝(12)から燃料を排出するためのマニホールド穴(14)がセパレータ(4)を貫通して形成されている。各セパレータ(4)の燃料排出用マニホールド穴(14)はスタック(11)を組み立てた状態で相互に連通するとともに、集電板(6)、積層体(5)、絶縁板(7)、エンドプレート(8)に設けられた燃料排出用マニホールド穴とも連通している。このことによって、燃料電池スタック(11)の外部からエンドプレート(8)の燃料供給用マニホールド穴に供給された燃料は、各バイポーラ型セパレータ(4)の燃料供給用の溝(12)を流れて各単電池のアノード(1)に供給される。アノード(1)で消費されなかった燃料は、アノード(1)で発生した反応生成物とともに、エンドプレート(8)の燃料排出用マニホールド穴から排出される。
また、上記バイポーラ型セパレータ(4)には、燃料供給用の溝が設けられた面と反対側の面に、酸化剤供給用の溝(15)が設けられるとともに、酸化剤供給用の溝(15)に酸化剤を供給するためのマニホールド穴(16)がセパレータ(4)を貫通して形成されている。各セパレータ(4)の酸化剤供給用マニホールド穴(16)はスタック(11)を組み立てた状態で相互に連通するとともに、集電板(6)、積層体(5)、絶縁板(7)、エンドプレート(8)に設けられた酸化剤供給用マニホールド穴とも連通している。また、上記バイポーラ型セパレータ(4)には、酸化剤供給用の溝(15)から酸化剤を排出するためのマニホールド穴(17)がセパレータ(4)を貫通して形成されている。各セパレータ(4)の酸化剤排出用マニホールド穴(17)はスタック(11)を組み立てた状態で相互に連通するとともに、集電板(6)、積層体(5)、絶縁板(7)、エンドプレート(8)に設けられた酸化剤排出用マニホールド穴とも連通している。このことによって、燃料電池スタック(11)の外部からエンドプレート(8)の酸化剤供給用マニホールド穴に供給された酸化剤は、各バイポーラ型セパレータ(4)の酸化剤供給用の溝(15)を流れて各単電池のカソードに供給される。カソードで消費されなかった酸化剤は、カソードで発生した反応生成物とともに、エンドプレート(8)の酸化剤排出用マニホールド穴から排出される。
上記燃料電池スタック(11)を用いて、図4に示す燃料電池システムを構成した。ブロア(51)は、酸化剤としての空気を燃料電池スタック(11)に送り込む。ポンプ(52)は、燃料としての約3重量パーセントのメタノール水溶液を、燃料タンク(56)から燃料電池スタック(11)に送り込む。燃料電池スタック(11)では、空気中の酸素とメタノールが反応し、電力を発生する。発生した電力は、電力端子(63)および(64)から負荷に供給される。燃料電池スタック(11)の酸化剤排出用マニホールドからは、反応によって生成した水と、未反応の空気が排出され、ラジエータ(53)によって冷却された後に、排気口(65)から燃料電池システム外へ排出される。ラジエータ(53)で凝縮した水は、水タンク(54)へ回収される。
運転に伴い、燃料中のメタノールが燃料電池スタック(11)で消費されるため、燃料タンク(56)の燃料中のメタノール濃度は徐々に低下する。燃料タンク(56)に設置されたメタノール濃度センサー(図示せず)および燃料温度センサー(図示せず)からの信号(92)が、制御装置(60)に送られ、制御装置(60)はこれらの信号(92)から燃料中のメタノール濃度を推定する。燃料中のメタノール濃度が2重量パーセント以下と推定された場合には、制御装置(60)は、信号(91)をバルブ(62)に送り、バルブ(62)を開く。これにより、高濃度燃料タンク(55)に貯蔵されている50〜60重量パーセントのメタノール水溶液が燃料タンク(56)に補給され、燃料タンク(56)の燃料のメタノール濃度を約3重量パーセントに調整する。
また、燃料タンク(56)の液量が減少したことを、燃料タンク(56)に設置された液量センサー(図示せず)が検知すると、液量センサーから制御装置(60)に信号(92)が送られる。信号(92)を受け取った制御装置(60)は、バルブ(61)に信号(90)を送ってバルブ(61)を開く。これにより、水タンク(54)に貯蔵されている水が、燃料タンク(56)に補給され、燃料タンク(56)中の燃料液量を回復する。また、燃料中のメタノール濃度が4重量パーセントを越えたと制御装置(60)が推定した場合には、制御装置(60)は、信号(90)をバルブ(61)に送り、バルブ(61)を開く。これにより、水タンク(54)に貯蔵されている水が燃料タンク(56)に補給され、燃料タンク(56)の燃料のメタノール濃度を約3重量パーセントに調整する。
この燃料電池システムを用いて、毎分5リットルの空気と、毎分1リットルの燃料を燃料電池スタック(11)に供給したところ、70Wの電力が発生した。燃料タンク(56)に取り付けたベント(66)から排出された気体を収集し、ガスクロマトグラフィーで成分分析したところ、水素は検出されなかった。
続いて、この状態で、空気流量を毎分500ミリリットルに低下させたところ、燃料電池スタック(11)の電極間電圧は約4Vとなり、5Wの電力が発生した。燃料タンク(56)に取り付けたベント(66)から排出された気体を収集し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、水素の発生が確認された。水素発生速度は、毎分約10ミリリットルであった。
比較例の燃料電池システムに機能を付加し、ブロア(51)と燃料電池スタック(11)を接続する配管と、燃料タンク(56)の排気口(65)とを逆止弁(67)を介して接続した。逆止弁(67)は、ブロア(51)から燃料電池スタック(11)に供給される空気が燃料タンク(56)に流れないようにするための物である。接続部(68)はベンチュリ管構造になっており、ブロア(51)の吐出する空気の流れに燃料タンク(56)からの排気ガスが引き込まれるようになっている。従って、燃料電池スタック(11)のアノードから排出されたアノード排気ガスは、燃料タンク(56)を経由して、燃料電池スタック(11)のカソードに送り込まれる。アノード排気ガスに含まれる水素は、燃料電池スタック(11)のカソード内でカソード触媒によって酸化されて水になり、一部はラジエータ(53)によって回収されて、水タンク(54)に送られ、残りは排気口(65)から燃料電池システム外に排出される。本実施例の燃料電池システムの構成を図5に示す。
上記の燃料電池システムを用いて、毎分5リットルの空気と、毎分1リットルの燃料を燃料電池スタック(11)に供給したところ、70Wの電力が発生した。
続いて、この状態で、空気流量を毎分500ミリリットルに低下させたところ、燃料電池スタック(11)の電極間電圧は約3Vとなり、4Wの電力が発生した。排気口(65)から排出された気体を収集し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、水素は検出されなかった。
実施例1において、比較例と比べて、電圧および電力が低下している原因は、アノード排気ガスをカソードに送っているために、カソードで水素およびメタノール蒸気の酸化反応が起ること、および、カソード排ガス中の二酸化炭素によって、カソードにおける酸素分圧が下るためと考えられる。後者の現象は、通常運転時に充分な酸素供給がなされているために水素発生が起らない条件においても生じ、燃料電池システムの効率を下げる。これを回避するために、図6に示すように、燃料タンク(56)からの排気を三方コック(69)で切り替えるようにして、制御装置(60)が水素発生条件を検知した場合のみ、信号(93)によって三方コック(69)を切り替えて燃料タンク(56)からの排気ガスを燃料電池スタック(11)のカソードに導くようにした。
なお、上記の実施例は、本発明への理解を容易にするために例として挙げたものに過ぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施例では、ポンプなどの動力装置で燃料や空気を燃料電池スタックに送り込む、アクティブ型と呼ばれる直接メタノール型燃料電池システムを例にとって説明を行ったが、燃料や空気の供給にポンプなどの動力機器を用いない、パッシブ型と呼ばれるタイプの直接メタノール型燃料電池システムにも、本発明は好適に用いられる。
本発明によって、直接メタノール型燃料電池システムから外部環境への水素の放出が抑制されるため、安全性の高い直接メタノール型燃料電池システムが得られる。特に、飛行機や鉄道などの輸送機関に持ち込まれたり、衣服のポケット内に携帯される直接メタノール型燃料電池の安全性を高める事ができるため、直接メタノール型燃料電池の実用化に本発明は大きく貢献できる。
実施例および比較例の単電池の構成図である 実施例および比較例の燃料電池スタックの構成図である 実施例および比較例の燃料電池スタックの斜視図である 比較例の燃料電池システムの構成図である 実施例1の燃料電池システムの構成図である 実施例2の燃料電池システムの構成図である
符号の説明
1 アノード
2 電解質膜
3 パッキン
4 セパレータ
5 積層体
6 集電板
7 絶縁板
8 エンドプレート
9 ボルト
10 ナット
11 燃料電池スタック
12 燃料供給用の溝
13 燃料供給用マニホールド穴
14 燃料排出用マニホールド穴
15 酸化剤供給用の溝
16 酸化剤供給用マニホールド穴
17 酸化剤排出用マニホールド穴
51 ブロア
52 ポンプ
53 ラジエータ
54 水タンク
55 高濃度燃料タンク
56 燃料タンク
60 制御装置
61,62 バルブ
63,64 電力端子
65 排気口
66 ベント
67 逆止弁
68 接続部
69 三方コック
90〜93 信号

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜を電解質とする直接型燃料電池と、前記直接型燃料電池のアノードに有機物あるいは有機物溶液を供給する燃料供給手段と、前記直接型燃料電池のカソードに酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、を備えた直接型燃料電池システムにおいて、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむ配管に水素透過膜を設け、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこみ、該ガスに含まれる水素ガスをカソードで酸化して水素ガスを除去した後に、直接型燃料電池システム外に排出することを特徴とする直接型燃料電池システム。
  2. 前記アノードから水素ガスが発生する条件を検知する制御装置を設けて、前記制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむことを特徴とする請求項に記載の直接型燃料電池システム。
  3. 前記アノードから排出されるガスを直接型燃料電池システム外に排出する配管に三方コックを設け、前記制御装置が水素ガス発生条件を検知した場合に、前記三方コックを切り替えて、前記アノードから排出されるガスを前記カソードに送りこむことを特徴とする請求項に記載の直接型燃料電池システム。
  4. 前記アノードから排出されるガスを、燃料タンクを介して直接型燃料電池システム外に排出することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の直接型燃料電池システム。
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