JP5128824B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、燃料の溶存酸素量を好適な範囲に制御した燃料電池システムに関する。
直接酸化型燃料電池は、燃料を水素に改質せずに、直接アノードへ供給する。アノードでは、燃料の酸化反応が起こり、カソードでは、酸素の還元反応が起こる。例えば、メタノールを燃料とする直接メタノール酸化型燃料電池(DMFC)の場合、アノードおよびカソードでの反応は、下記の式(1)および式(2)で表される。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e- (1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O (2)
式(1)に示すように、アノードでの反応は、水を必要とする。しかし、水を燃料電池システムの内部に貯蔵すると、燃料電池システムの小型化やエネルギー密度の向上が困難になる。よって、燃料電池システムは、図1に示すような水回収機構を備えることが望ましい。水回収機構は、カソードでの反応(式(2))で生成した水を回収し、アノードに供給する。
図1において、燃料電池1は、燃料と水とを含む燃料溶液の供給を受けるアノード2と、酸素の供給を受けるカソード3と、アノード2とカソード3との間に介在する電解質膜4とを備える。カソード3からの回収水5は、燃料タンク6からの燃料であるメタノールと混合部7で混合され、燃料ポンプ8によりアノード2の燃料供給部2aに供給される。燃料タンク6には、例えばメタノールやメタノール水溶液が貯蔵されている。
ところで、還元剤である燃料と、酸化剤である酸素とが燃料電池内で混合されると、燃料電池の性能が低下する。例えば、直接メタノール酸化型燃料電池の場合、アノードとカソードとの間に介在する電解質膜をメタノールが透過する、いわゆるメタノールクロスオーバー現象が知られている。電解質膜を透過してカソードに到達したメタノールは、カソードで、式(1)と同様の反応によって電子を放出する。そのため、いわゆる混成電位が形成され、カソードの電位が低下し、燃料電池の電圧が低下する。
同様に、アノードに酸素が混入すると、酸素は、アノードで式(2)と同様の反応によって電子を消費する。そのため、アノードの電位が上昇し、燃料電池の電圧が低下する。すなわち、燃料溶液に酸素が混入すると、燃料電池の発電性能は低下すると考えられる。しかし、通常に流通しているメタノールには、酸素が溶存していると考えられる。メタノールの一般的な溶存酸素量は、5〜10mg/L程度である。また、燃料溶液に含まれる水にも酸素が溶存していると考えられる。
特許文献1は、カソードから回収した水を冷却水として再利用する場合に、回収水に含まれる酸素および二酸化炭素を除去する燃料電池システムを提案している。
特開平5−129027号公報
文献によると、例えばメタノールの飽和溶存酸素量は、18.8℃、常圧において、125mg/Lとされている。一方、水の飽和溶存酸素量は、20℃、常圧において、8.8mg/Lであり、メタノールの飽和溶存酸素量の1/10以下である。このことから、アノードに供給する燃料溶液中の燃料濃度が高くなるほど、燃料溶液中の溶存酸素量は増加する傾向がある。
また、カソードには酸素が供給されるため、カソードで生成した水は、大量の溶存酸素を含む。そのため、回収水を燃料と混合して、そのままアノードへ供給すると、アノードに酸素が供給され、燃料電池の性能が低下する。
特許文献1は、回収水を脱酸素して再利用することを提案しているが、回収水を燃料電池システムの冷却水として使用することを提案しているだけである。特許文献1は、燃料中の溶存酸素に関する問題点や、回収水を再び電極へ供給する場合の問題点には無関心である。
本発明は、燃料溶液に含まれる溶存酸素量を低減することで、アノードの電位の上昇を抑制し、発電効率の高い燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、アノード、カソードおよびアノードとカソードとの間に介在する電解質膜を含む膜−電極接合体と、アノードに燃料溶液を供給する燃料流路を有するアノード側セパレータと、カソードに酸素を供給する酸素流路を有するカソード側セパレータと、燃料溶液をアノードに供給する燃料供給部と、燃料供給部の上流に設けられた脱酸素部とを具備し、燃料溶液メタノールと水とを含み、脱酸素部は、メタノールと酸素との反応を促進する触媒を含み、燃料溶液は、脱酸素部にて脱酸素されて燃料溶液中の溶存酸素量が低減されてから燃料供給部に供給される、燃料電池システムに関する。
燃料溶液の溶存酸素量は、3mg/L以下であることが好ましい
媒は、多孔質基材からなる担体に担持されていることが好ましく、白金を含むことが
好ましい。
本発明によれば、燃料溶液に含まれる溶存酸素量を低減することができる。そのため、アノードの電位の上昇が抑制され、発電効率の高い燃料電池を提供することができる。
本発明の燃料電池システムは、アノード、カソードおよびアノードとカソードとの間に介在する電解質膜を含む膜−電極接合体と、アノード側セパレータと、カソード側セパレータと、燃料供給部とを具備する。アノード側セパレータは、アノードに燃料溶液を供給する燃料流路を有する。カソード側セパレータは、カソードに酸素を供給する酸素流路を有する。
燃料溶液は、燃料供給部からアノードに供給される。ここで、燃料溶液は、燃料と水とを含み、かつ脱酸素されてから燃料供給部に供給される。燃料溶液を脱酸素することで、アノードへの酸素の混入が抑制される。よって、アノードでの水素と酸素との反応が抑制され、アノードの電位の上昇が抑制される。これにより、燃料電池の電圧降下を抑制することができる。
なお、脱酸素とは、燃料溶液中の溶存酸素量を低減することをいう。脱酸素の有効性の観点から、脱酸素される前の燃料溶液の溶存酸素量をXmg/Lとするとき、脱酸素後の燃料溶液の溶存酸素量は(0.1×X)mg/L以下であることが好ましい。
燃料としては、例えばメタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどが好ましく用いられる。よって、燃料溶液には、メタノール水溶液、エタノール水溶液、ジメチルエーテル水溶液などが好ましく用いられる。燃料溶液がメタノール水溶液である場合、メタノール水溶液におけるメタノール濃度は、1〜18mol/Lであることが一般的である。また、脱酸素される前のメタノール水溶液中の溶存酸素量は、3〜10mg/Lであることが一般的である。
燃料電池の電圧降下を抑制する効果を高める観点から、燃料供給部に供給される燃料溶液中の溶存酸素量は、3mg/L以下であることが好ましく、0〜1mg/Lであることが更に好ましい。よって、本発明では、脱酸素により、燃料溶液中の溶存酸素量を3mg/L以下にまで低減することが望ましい。
燃料電池システムの燃料供給部には、予め脱酸素された燃料溶液を直接供給してもよく、燃料電池システムの燃料供給部の上流に脱酸素部を設けてもよい。後者の場合、脱酸素部に脱酸素されていない燃料溶液を供給し、そこで燃料溶液中の溶存酸素量を低減させ、その後、脱酸素された燃料溶液を燃料供給部に供給する。
脱酸素部は、例えば、不活性ガス供給部、加熱装置、減圧装置、触媒等を含むもの。不活性ガス供給部は、不活性ガス(例えば窒素、アルゴン等)を燃料溶液中にバブリングさせる。これにより、燃料溶液中の溶存酸素と不活性ガスとを置換することができる。加熱装置は、燃料溶液を加熱し、溶液温度を上昇させる。これにより、燃料溶液の飽和溶存酸素量が低減し、これに伴い酸素が燃料溶液から放出される。減圧装置は、燃料溶液を収容する脱酸素部中の空間を減圧する。これにより、燃料溶液の飽和溶存酸素量が低減し、これに伴い酸素が燃料溶液から放出される。
触媒は、酸素と燃料溶液中の成分とを反応させることにより、酸素量を低減する。触媒を含む脱酸素部は、例えば携帯機器用電源のような小型の燃料電池システムにおいて特に有用である。触媒を用いることにより、脱酸素部による電力消費を抑制でき、脱酸素部による燃料電池システムの体積増加も抑制できる。よって、燃料電池システムによる消費電力の低減と、燃料電池システムの小型化が可能になる。
燃料溶液が、例えばメタノールを含む場合には、メタノールと酸素との反応を促進する触媒を用いる。メタノールと酸素との反応は、例えば以下の式(3)で表される。
CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O (3)
触媒として用いる材料は、特に限定されない。ただし、メタノールと酸素との反応を促進する触媒は、白金を含むことが好ましい。このような触媒として、例えば、白金、白金−ルテニウム合金などが挙げられる。白金−ルテニウム合金中の白金含有量は、例えば原子比50%(50atm%)が好ましい。触媒は単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
触媒反応を十分に利用する観点から、燃料溶液と触媒との接触面積は、できるだけ大きくすることが望ましい。これにより、十分に脱酸素された燃料溶液を得ることができる。よって、触媒は、表面積の大きな担体に担持されていることが好ましく、特に多孔質基材に担持されていることが好ましい。例えば多孔質基材に担持された触媒を、脱酸素部内の空間に充填することが好ましい。多孔質基材の形状は、例えば、球状、ペレット状、円筒状、ハニカム状、螺旋状、粒状、リング状であればよい。
多孔質基材の材料には、例えば、セラミックス、セラミックス発泡体、カーボンペーパ、樹脂多孔膜、樹脂多孔膜の炭化物などを用いることができる。なお、セラミックスとしては、例えばアルミナ、コージェライト、ジルコニア、珪酸マグネシウムなどが用いられる。
本発明の燃料電池システムでは、カソードで生成した水を回収し、回収水をアノードに供給してもよい。この場合、燃料電池システムは、回収水を燃料溶液と混合する混合部を有することが好ましい。ただし、カソードからの回収水は、未反応空気との気液混合流体としてカソードから排出される。そのため、回収水中の溶存酸素量は比較的高く、飽和溶存酸素量に近い量の酸素を含有していることが多い。20℃の温度では、飽和溶存酸素量は8.8mg/Lである。よって、脱酸素部は、混合部と燃料供給部との間に設けることが好ましい。これにより、1つの脱酸素部により、燃料溶液に含まれる溶存酸素と回収水に含まれる溶存酸素とを、同時に低減することができる。なお、燃料溶液は、例えば燃料電池システムが備える燃料タンクから、混合部、脱酸素部または燃料供給部に供給される。
図2に、本発明の燃料電池システムの一例を示し、図1と同様の構成要素には同じ符号を付す。以下、図1の燃料電池システムとの相違点を中心に、図2の燃料電池システムについて説明する。
図2の燃料電池システムは、燃料ポンプ8の上流に、脱酸素部9を有する。燃料溶液は、脱酸素部9で溶存酸素量が低減された後、アノード2の燃料供給部2aに供給される。よって、アノードに供給される酸素量が低減し、電圧降下は抑制される。
カソード3で生成した水は、回収水5として混合部7に供給される。混合部7では、燃料タンク6から供給される燃料溶液と回収水5とが混合される。得られた混合物は、脱酸素部9に供給される。脱酸素部9では、燃料タンク6から供給される燃料溶液だけでなく、回収水5に含まれる溶存酸素量が同時に低減される。
このように、カソードで生成した水を再利用することにより、燃料電池システム内部の水を貯蔵する空間を低減することができる。よって、燃料電池システムの小型化やエネルギー密度の向上を図ることができる。
次に、図3を参照しながら、脱酸素部の一例について説明する。脱酸素部9には、触媒12を担持した多孔質基材11が充填されている。触媒12は、多孔質基材11上に高分散状態で担持されていることが好ましい。脱酸素される前の燃料溶液10aは、触媒12を担持した多孔質基材11を通過する際に、触媒と接触し、酸素と燃料(例えばメタノール)との反応が進行する。このときの反応により、酸素が消費され、燃料溶液は脱酸素される。こうして、脱酸素部9では、溶存酸素量が低減された燃料溶液10bが生成する。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明の内容を限定するものではない。
《実施例1》
(i)触媒層
アノード触媒粉末には、30nmの平均一次粒子径を有する導電性カーボン粒子に、原子比1:1の白金−ルテニウム合金を50重量%担持させたものを使用した。
カソード触媒粉末には、30nmの平均一次粒子径を有する導電性カーボン粒子に、白金を50重量%担持させたものを使用した。
アノード触媒粉末を、高分子電解質の分散液(DuPont社製のNafion(登録商標))と混合した後、脱泡して、アノード触媒ペーストを得た。
カソード触媒粉末を、高分子電解質の分散液(旭硝子(株)製のFlemion(登録商標))と混合した後、脱泡して、カソード触媒ペーストを得た。
各触媒ペーストにおいて、触媒粉末と高分子電解質との合計に占める高分子電解質の含有量は30重量%とした。
これらのペーストを、厚さ50μmのポリプロピレン製シート上に、バーコーターを用いて塗布し、常温で1日放置して、塗膜を乾燥させた。これにより、アノード触媒層とカソード触媒層とを得た。
(ii)電解質膜
電解質膜には、DuPont社製のNafion(登録商標)117(厚さ180μm)を用いた。アノード触媒層とカソード触媒層とを、電解質膜を挟持するように配置した。その後、ホットプレス機を用いて、アノード触媒層と電解質膜とカソード触媒層との積層体を、120℃で3分間、加圧した。その結果、アノード触媒層とカソード触媒層は、電解質膜に熱転写された。その後、ポリプロピレン製シートを除去した。各触媒層は、一辺が5cmの正方形とした。
(iii)ガス拡散層
アノード側ガス拡散層およびカソード側ガス拡散層には、いずれも東レ(株)製のカーボンペーパ(TGP−H−090)を使用した。カーボンペーパに撥水処理を施すため、ダイキン工業(株)製のND−1(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)の分散液)の希釈液に1分間浸漬した。その後、カーボンペーパを希釈液から引き上げ、100℃の熱風乾燥機中で乾燥させ、更に、270℃の電気炉中で2時間焼成した。焼成後のカーボンペーパをガス拡散層として用いた。ガス拡散層におけるFEPの含有量は5重量%であった。
(iv)撥水層
アセチレンブラック粉末(一次粒径30nm)とダイキン工業(株)製のD−1(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の分散液)とを混合したペーストを、バーコーターを用いて、ガス拡散層上に塗布し、撥水層を形成した。撥水層におけるPTFEの含有量は40%とした。撥水層の厚さは30μmとした。
(v)燃料電池
セパレータには、厚さ2mmの黒鉛板を用いた。黒鉛板の一方の面に、切削によって、燃料流路を形成し、アノード側セパレータとした。また、別の黒鉛板の一方の面に、切削によって、空気流路を形成し、カソード側セパレータとした。燃料流路は1本の溝で形成し、5cm平方の領域を溝が満遍なく蛇行するサーペンタイン型とした。空気流路は平行に配した複数の直線溝で形成した。各流路の溝の断面は、正方形とし、溝の深さおよび幅は、それぞれ1mmとした。
触媒層を接合した電解質膜の両側にガス拡散層を配置した。その際、撥水層を触媒層に対面させた。次に、ガス拡散層の両外側に、アノード側セパレータとカソード側セパレータを配置した。その際、燃料流路および空気流路を、それぞれガス拡散層と対面させた。アノード側セパレータおよびカソード側セパレータの両外側に、集電板とPTFE製の絶縁板と端板とを順次配置し、端板で全体を挟持した。集電板には、金メッキを施した厚さ2mmの銅板を用いた。端板には、予めボルトを通すための穴を開けてある厚さ10mmのステンレス鋼板を用いた。両側の端板を、ボルト、ナットおよびばねを用いて、電解質膜面に垂直な方向に締結した。締結圧は5kgf/cm2とした。こうして、燃料電池を完成させた。
(vi)脱酸素部
日本ガイシ(株)製の直径2.5cm、長さ5cmのコージェライト製ハニカム(多孔質基材)に、田中貴金属(株)製のPt−Ru合金(原子比はPt:Ru=1:1)(触媒)を240mg担持させた。こうして得られた触媒を担持した多孔質基材1つを所定の容器に充填し、脱酸素部とした。
(vii)燃料電池システム
図2と同様の構成の燃料電池システムを以下の要領で作製した。
脱酸素部には、燃料溶液入口と燃料溶液出口とを設け、燃料溶液出口は燃料ポンプと接続した。燃料ポンプは、燃料電池のアノードと接続した。よって、燃料溶液は、脱酸素部を通過してから、燃料ポンプを通過し、その後、アノードに導入されることになる。
脱酸素部の燃料溶液入口は、所定の混合部を介して、燃料タンクと接続した。燃料タンクには、溶存酸素量が1mg/L以下で、メタノール濃度が0.5mol/Lのメタノール水溶液を充填した。混合部には、燃料電池のカソードから排出される回収水だけでなく、アノードから排出される回収燃料溶液も導入した。回収水および回収燃料溶液は、混合部でメタノール水溶液と合流し、その後、脱酸素部に送られることになる。
[評価試験]
(i)脱酸素部の評価
本評価では、安定した試験を行うために、カソードからの回収水およびアノードからの回収燃料溶液の代わりに、それぞれの擬似液を用いた。燃料タンクからアノードへの燃料供給は行わなかった。
カソードからの回収水の擬似液(カソード擬似液)としては、溶存酸素量8mg/Lのイオン交換水を用意した。
アノードからの回収燃料溶液の擬似液(アノード擬似液)としては、溶存酸素量1mg/L以下で、メタノール濃度が0.5mol/Lのメタノール水溶液を用意した。
カソード擬似液とアノード擬似液とを、体積比が1:1になるように混合し、得られた混合液を0.5ml/分の流量で、脱酸素部に供給した。
脱酸素部を通過後の混合液の溶存酸素量を1時間にわたって測定したところ、溶存酸素量の平均値は0.8mg/Lであった。よって、アノード擬似液に含まれるメタノールと溶存酸素とが、脱酸素部中の触媒上で式(3)のように反応し、溶存酸素量が低下したものと考えられる。
(ii)アノード過電圧
燃料溶液の溶存酸素量を変化させたときの、燃料電池のアノード過電圧の変化を、以下の要領で測定した。
まず、25℃環境下で、溶存酸素量が3mg/Lでメタノール濃度が2mol/Lのメタノール水溶液に酸素または窒素をバブリングし、溶存酸素量の異なる複数種の燃料溶液を調製した。具体的には、酸素をバブリングすることで、溶存酸素量が7mg/L、12mg/Lのメタノール水溶液をそれぞれ調製した。また、窒素をバブリングすることで、溶存酸素量が1mg/L、0.1mg/L、0.01mg/Lのメタノール水溶液をそれぞれ調製した。メタノール水溶液の溶存酸素濃度は、(株)堀場製作所製の溶存酸素メータ(OM−51)により測定した。その後、所定の溶存酸素量を有するメタノール水溶液を、燃料電池に供給した。
運転中の燃料電池の温度は、ヒーターを使用して、60℃に保持した。
アノードには、1cm2/分の流量でメタノール水溶液を供給した。
カソードには、60℃の加湿器によって加湿された水素を100cm2/分の流量で供給した。カソードに水素を供給するとともに、外部電源によって電流を流すことで、式(1)(CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-)によってメタノールが酸化されたときに発生するプロトンが、カソードに到達し、式(4)のように還元される。
2H++e-→H2 (4)
式(4)の反応速度は非常に速いことから、上記操作により、カソードでの反応の影響を受けないアノードでの反応の過電圧のみを計測することができる。
また、カソードに水素を流すことで、カソードの電位をほぼ標準水素電極に近い電位に保つことができる。よって、カソードは参照電極の役割も果たす。そこで、カソードの電位を基準(0V)としたときのアノードの電位を測定し、アノード過電圧とした。
外部電源には直流電源を用い、電流密度100mA/cm2の電流を流した。アノード過電圧は、デジタル電圧計により測定した。アノード過電圧と溶存酸素量との関係を図4に示す。
図4では、溶存酸素量が0.01mg/Lである燃料溶液を用いて測定したアノード過電圧の値を1とした。各溶存酸素量(12mg/L、7mg/L、3mg/L、1mg/L、0.1mg/L、0.01mg/L)の燃料溶液を用いたときのアノード過電圧は、溶存酸素量が0.01mg/Lであるときの値に対する比率で示した。
図4からわかるように、溶存酸素量が3mg/L以下の領域において、アノード過電圧に大きな低下がみられた。すなわち、溶存酸素量を3mg/L以下とすることで、溶存酸素の還元反応とメタノールの酸化反応に由来する混成電位の形成が抑制され、アノード過電圧の上昇が抑制されたものと考えられる。
本発明の燃料電池システムは、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノートPC、ビデオカメラ等の携帯用小型電子機器用の電源として有用であり、自動二輪車および自動車用の電源等にも適用できる。
従来の燃料電池システムの構成を示す略式図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す略式図である。 本発明の一実施形態に係る脱酸素部の構成を示す略式図である。 アノード過電圧と溶存酸素量との関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 アノード
2a 燃料供給部
3 カソード
4 電解質膜
5 回収水
6 燃料タンク
7 混合部
8 燃料ポンプ
9 脱酸素部
10a 脱酸素される前の燃料溶液
10b 脱酸素された燃料溶液
11 担体
12 触媒

Claims (4)

  1. アノード、カソードおよび前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質膜を含む膜−電極接合体と、
    前記アノードに燃料溶液を供給する燃料流路を有するアノード側セパレータと、
    前記カソードに酸素を供給する酸素流路を有するカソード側セパレータと、
    燃料溶液を前記アノードに供給する燃料供給部と、
    前記燃料供給部の上流に設けられた脱酸素部と
    を具備し、
    前記燃料溶液メタノールと水とを含み、前記脱酸素部は、メタノールと酸素との反応を促進する触媒を含み、
    前記燃料溶液は、前記脱酸素部にて脱酸素されて前記燃料溶液中の溶存酸素量が低減されてから前記燃料供給部に供給される、燃料電池システム。
  2. 前記触媒、多孔質基材からなる担体に担持されている、請求項記載の燃料電池システム。
  3. 前記触媒白金を含む、請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料溶液の溶存酸素量が、3mg/L以下である、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の燃料電池システム
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