JP5428561B2 - 直接形燃料電池システム及びその運転停止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物あるいは有機物の溶液を直接燃料極に供給して発電を行うことができる直接形燃料電池システム及びその運転停止方法に関する。
近年、環境問題や資源問題への対策の一つとして燃料電池の開発が活発に行われている。特にアルコールなどの有機物を燃料に用いて改質・ガス化を行うことなく直接発電に利用することができる直接形燃料電池は、構造がシンプルで小型、軽量化を容易とし、コンピュータや携帯電話等の使用に有望視されている。
直接形燃料電池では、電解質の両側に酸化剤極及び燃料極を接合した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、MEAという。)を酸化剤極側セパレータ及び燃料極側セパレータで挟持した単電池セルを多数積層して構成したものや、複数のMEAを平面上に並べ、各MEAを電気的に接続したもの等がある。
直接形燃料電池は、特定の条件において、燃料極から水素を発生させる。この水素発生条件は、酸化剤極への酸化剤供給量と単電池電圧とによって決まり、燃料電池から負荷に対する電力供給の有無は関係しないと考えられている(特許文献1)。
直接形燃料電池の一つである、直接メタノール形燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell、以下、「DMFC」という。)では、DMFC内部で発電反応と電解反応とが同時に進行するとき、具体的には、燃料及び酸化剤が存在している状態で、開回路電圧がメタノール水溶液の電気分解が起こる電圧以上であり、かつカソード側に局所的な酸化剤の欠損がある場合に、水素の発生が起こると考えられている(非特許文献1)。
特開2006−151781号公報
山本好浩、石丸文也、奥山良一、村田利雄著、「DMFCにおける水素発生現象 Hydogen Gas Evolution Phenomenon from DMFC」、第20頁〜第23頁、GS Yuasa Technical Report 2006年12月 第3巻 第2号、株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション発行
水素は可燃性の気体であり、直接形燃料電池システムの停止時において、意図しない水素の発生は、爆発事故などを引き起こす可能性があり危険である。
本発明は、上記のような直接形燃料電池システムの停止時における水素の発生の問題を解決しようとするものであり、停止時に意図しない水素の発生を抑止することができる直接形燃料電池システム及びその制御方法を提供することを課題とする。
第1の発明は、酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有する直接形燃料電池と、直接形燃料電池にメタノール等の液体燃料を供給する燃料供給手段と、直接形燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を調整する手段と、この調整する手段の動作を制御する制御手段と、を備えた直接形燃料電池システムである。この制御手段は、酸化剤の供給を停止する際に、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を、直接形燃料電池が発電していたときの押し合う力よりも小さくする。
第1の発明では、酸化剤の供給を停止する際に、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を発電時よりも小さくすることにより、酸化剤の供給を停止して酸化剤がなくなるまでの間に局所的な酸化剤の欠損を起きないようにし、水素の発生を抑制することができる。
第2の発明は、酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止する際に、押し合う力を調整する手段によって酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくする制御手段を備えた直接形燃料電池システムである。この予め設定した力は、事前の調査により、燃料電池スタックの燃料排出口から、単位分、単位電極面積当たりの水素発生量が許容量である1.5×10−5ml・min−1・cm−2以下となる力の値を測定しておき、その値を設定することが好ましい。
第2の発明では、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を予め設定しておいた力よりも小さくすることで、簡単に水素の発生を許容量以下に抑制することができる。
第3の発明は、酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有するとともに、単セルの積層を積層方向の両端で保持するエンドプレートを有する直接形燃料電池と、酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止する際に、間隔調節手段によってエンドプレート間の間隔を、直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くする制御手段を備えた直接形燃料電池システムである。
第3の発明では、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力をエンドプレート間の間隔を調整することで、簡単に水素の発生を抑制することができる。
このエンドプレート間の間隔の調整は、一例であり、燃料電池スタックの各構成部材間の間隔を調整したり、他の構成部材の厚さ寸法を変化させることによって、水素の発生を抑制することもできる。
第4の発明は、第1乃至3の発明において、酸化剤の供給を停止するタイミングを、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力が、直接形燃料電池が発電していたときの前記押し合う力よりも小さくされたあと、または、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力が、水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくされたあと、または、エンドプレート間の間隔が直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くされたあと、のいずれか一つとしても良い。
第4の発明では、酸化剤の供給を停止する前に、局所的な酸化剤の欠損部分を無くす処理を確実に行い、水素の発生をより確実に抑制することができる。
第5の発明は、直接形燃料電池システムの停止方法である。先ず、直接形燃料電池システムの停止の際に、燃料及び酸化剤の供給を継続した状態で、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を小さくする。次に、押し合う力が所定の値よりも小さくなった後に燃料及び酸化剤の供給を停止する。
第6の発明は、第5の発明における所定の値を、水素発生量の許容量以下となる力の値とする。
第7の発明は、酸化剤極と導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力の調整する方法として、直接形燃料電池のエンドプレート間の長さを調整する。具体的には、直接形燃料電池システムの停止の際のエンドプレート間の長さを発電時の長さよりも長くする。
第8の発明は、第5乃至7の発明において、第4の発明と同様に酸化剤の供給を停止するタイミングを規定している。
本発明に係る直接形燃料電池システム及びその停止方法では、酸化剤の供給の停止時、意図しない水素の発生を低減又は防止することができる。これにより、直接形燃料電池システムを安全に運転することができる。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの全体の概略を示す図である。 図2は、エンドプレート間の長さを調節するための構造を示した概略図である。 図3は、エンドプレートと油圧シリンダとの間の長さを調節するための構造を示した概略図である。 図4は、単位電池の構造を概略的に示した図である。 図5は、本発明に係る燃料電池システムの発電の停止操作を示すフローチャートである。 実施例の結果を示すグラフである。
−燃料電池の発電停止時における水素発生の抑制について−
本発明の直接形燃料電池システムには、固体高分子電解質膜を電解質とする直接形燃料電池を使用する。固体高分子電解質膜は、通常はプロトン伝導性を持つものが使用される。また、固体高分子電解質膜は、有機物あるいは有機物溶液の透過性を有している。プロトン伝導性を持つ固体高分子電解質膜としては、デュポン社のナフィオン膜等のスルホン酸基を持つパーフルオロカーボンスルホン酸系膜が好ましい。
酸化剤極(以下、カソードという。)は、固体高分子電解質膜の表面に備えられているシート状のものである。カソードの最も外側、つまり、カソード側セパレータと相対向する側にガス拡散層がある。ガス拡散層は導電性のある材質でできており、多孔質である。また、カソード側セパレ一タは、導電性のある板状の部材で、カソードに対向する位置に配置されていて、カソードに対応する位置にはガス流通用の溝が設けられている。
直接形燃料電池の燃料極(以下、アノードという。)に供給する有機物としては、プロトン伝導性を持つ固体高分子電解質膜を透過し、電気化学的に酸化されてプロトンを生成する液体又は気体燃料であればよく、メタノール、エタノール、エチレングリコール、2−プロパノールなどのアルコール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド、蟻酸などのカルボン酸、ジエチルエーテルなどのエーテルを含む液体燃料が好ましい。有機物溶液としては、これらの液体燃料と水を含む溶液、その中でも、アルコール、特にメタノールを含む水溶液が好ましい。
直接形燃料電池のカソードに供給する酸化剤としては、酸素を含む気体又は酸素が好ましく、空気を使用することができる。
メタノールを燃料とし、酸素を含む気体(空気)を酸化剤とする直接形燃料電池においては、通常、以下のように、アノード側で(A)の反応、カソード側で(B)の反応が起きて、発電が行われている。
(A)CHOH+HO→6H+6e+CO
(B)6H+6e+3/2O→3H
一方、ナフィオン等のプロトン伝導性固体電解質膜を用いた場合には、CHOHがアノードからカソードへ透過するクロスオーバー現象が知られており、空気流量が低下すると、カソードの酸素供給の不足する領域で、(B)の反応が起きず、クロスオーバーメタノールが電解酸化され、(D)の反応が起き、一方、アノード側では、(C)の反応が起きて水素が発生する。
(C)6H+6e→3H
(D)CHOH+HO→6H+6e+CO
直接形燃料電池システムにおいては、通常、十分な空気流量で発電しているからカソードの全体に十分に酸素が供給されているため、水素が発生することはない。しかし、直接形燃料電池の運転を停止するときのような空気流量が徐々に低下する状態では、カソードにおいて局所的に酸素不足が生じる。このようにカソードで酸素不足が生じている領域があり、かつアノードには燃料(メタノール)が残っていると、カソード側で(D)の反応、アノード側で(C)の反応が起きる。それと同時に、カソードで酸素不足が生じていない領域では、カソード側で(B)の反応、アノード側で(A)の反応が起きる。このとき、カソードとアノードとの間に負荷が接続されておらず電気的な導通がない状態であっても、カソードでの(B)と(D)との反応の間と、アノードでの(A)と(C)との反応の間でそれぞれ電子の授受が行われるために、上記(A)、(B)、(C)および(D)の反応は進行する。その結果、水素ガスが発生するという問題が生じる。そこで、本発明においては、負荷を切り離して開回路状態とした際に、カソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力を調整することにより、直接形燃料電池システムからの水素発生を低減または防止する。すなわち、カソードへの酸化剤の供給を停止する際に、カソードの酸素供給の不足する領域を無くすと水素の発生は起こらないため、水素発生を低減または防止することができる。
カソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力とは、具体的に、カソード側セパレータの溝の畝部分とカソードのガス拡散層とが接触する部分にかかる力である。したがって、この力が強くなるにしたがってガス拡散層は圧縮される。また、この互いに押し合う力は、カソード側セパレータの溝の畝部分とカソードのガス拡散層とが接していない場合はゼロである。さらに、本発明において酸化剤極と導電性のある板状の部材とが押し合う力を小さくすることは、ガス拡散層の圧縮を緩和することを意味する。
以下、燃料としてメタノール水溶液を用いる直接メタノール形燃料電池を例に、図を用いながら、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲と解される限りにおいて、いかなる意味においても以下の実施形態により制限的に解釈されるものではない。
(第1の実施形態)−発電停止時に水素の発生を抑制する燃料電池システムについて−
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一例として全体の概略を示す図である。ブロア31は、酸化剤としての空気を燃料電池スタック1に送り込む。ポンプ32は、燃料としてのメタノール水溶液を、燃料タンク36から燃料電池スタック1に送り込む。燃料電池スタック1では、空気中の酸素とメタノールが反応し、電力を発生する。発生した電力は、電力端子43および44から負荷に供給される。燃料電池スタック1の酸化剤排出用マニホールドからは、反応によって生成した水と、未反応の空気が排出され、ラジエータ33によって冷却された後に、排気口45から燃料電池システム外へ排出される。ラジエータ33で凝縮した水は、水タンク34へ回収される。
運転に伴い、燃料中のメタノールが燃料電池スタック1で消費されるため、燃料タンク36の燃料中のメタノール濃度は徐々に低下する。燃料タンク36に設置されたメタノール濃度センサー(図示せず)および燃料温度センサー(図示せず)からの信号54が、制御装置40に送られ、制御装置40はこれらの信号54から燃料中のメタノール濃度を推定する。燃料中のメタノール濃度がある所定値以下となった時点で、制御装置40は、信号53をバルブ42に送り、バルブ42を開く。これにより、高濃度燃料タンク35に貯蔵されている高濃度のメタノール水溶液が燃料タンク36に補給され、燃料タンク36の燃料のメタノール濃度を一定値に調整する。
また、燃料タンク36の液量が減少したことを、燃料タンク36に設置された液量センサー(図示せず)が検知すると、液量センサーから制御装置40に信号54が送られる。信号54を受け取った制御装置40は、バルブ41に信号52を送ってバルブ41を開く。これにより、水タンク34に貯蔵されている水が、燃料タンク36に補給され、燃料タンク36中の燃料液量を回復する。また、燃料中のメタノール濃度がある一定値を越えたときは、制御装置40は、信号52をバルブ41に送り、バルブ41を開く。これにより、水タンク34に貯蔵されている水が燃料タンク36に補給され、燃料タンク36の燃料のメタノール濃度を一定値に調整する。
制御装置40は、さらに、油圧ポンプ6に信号56を送って燃料電池スタック1に取付けられた油圧シリンダ(図示せず)を操作することにより、所定のカソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力を調整する。
図2は、本発明に係る燃料電池システムの一例としてエンドプレート間の長さを調節するための構造を示した概略図である。単位電池の積層物7をエンドプレート2aとエンドプレート2bとで挟み、これらのエンドプレート間にボルト3を通し、エンドプレート2a側でナット4、エンドプレート2b側で油圧シリンダー5を介してナット4により両端を固定して、燃料電池スタック1は構成されている。燃料電池スタック1は、油圧ポンプ6で油圧シリンダ5を伸縮させることにより、エンドプレート2aとエンドプレート2bとの間の長さを調節する。これにより、燃料電池スタック1の発電の停止の際に、カソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力を水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力、具体的には、予め調査して得た燃料電池スタック1の燃料排出口から単位電極面積当たり、単位分当たりの水素発生量が1.5×10−5ml・min−1・cm−2以下となる力にする。一対のセパレータの間隔が広くなる方向に油圧シリンダを作動させると、酸化剤極と酸化剤極側セパレータとが互いに押し合う力を小さくすることができる。押し合う力が小さくなるにしたがって、ガス拡散層の圧縮が緩和されてカソードでの酸素供給が不足する領域が少なくなる。その結果、水素発生が抑制される。
図3は、本発明に係る燃料電池システムの他の一例としてエンドプレートと油圧シリンダとの間の長さを調節するための構造を示した概略図である。単位電池の積層物7をエンドプレート2aと油圧シリンダ5を介してエンドプレート2bとで挟み、これらのエンドプレート間にボルト3を通し、ナット4によりそのボルト3の両端を固定して燃料電池1を構成する。燃料電池スタック1は、油圧ポンプ6で油圧シリンダ5を伸縮させることにより、エンドプレート2aと油圧シリンダ5との間の長さを調節する。これにより、図2と同様に燃料電池スタック1の発電停止時、燃料排出口からの排出ガス中の水素発生量を1.5×10−5ml・min−1・cm−2以下にすることができる。
図4は、単位電池の構造を概略的に示した図である。単位電池10は、電解質膜11の両面に設けたアノード13a及びカソード13bからなるMEAと、酸化剤や燃料の漏れを防ぐためにアノード13a及びカソード13bの周囲に設けたアノードガスケット12a及びカソードガスケット12bと、MEAに臨む面に一方はアノード13aに供給するメタノール水溶液を流通するための流路(図示せず)を設けたアノード側セパレータ14aと、他方はカソード13bに供給する空気を流通するための流路15を設けたカソード側セパレータ14bとを備えている。図2及び図3の単位電池の積層体7は、この単位電池10を複数積層してたものである。カソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力は、カソード側セパレータ14bの流路15を構成する畝部分14cがカソード13bを押す力と等しくなる。
第1の実施形態では、燃料電池スタックの発電の停止時に、カソードとカソード側セパレータとが互いに押し合う力、つまり、単位電池の積層体の積層方向の長さを調整することにより、水素の発生を抑制することができる。
(第2の実施形態)−水素の発生を抑制する燃料電池の発電の停止操作について−
図5は、本発明に係る燃料電池システムの発電の停止操作を示すフローチャートである。ブロア31及びポンプ32により酸化剤としての空気及び燃料としてのメタノール水溶液を燃料電池スタック1に供給を継続した状態で発電の停止を開始する(ステップS1)。このとき、直接形燃料電池の積層方向の間隔の長さは、通常運転時の所定値となっている。次に、油圧ポンプ6で油圧シリンダ5を動かして、その積層方向の間隔の長さを停止時の所定値に設定する(ステップS2)。次に、ブロア31及びポンプ32を停止し、燃料電池スタック1への空気及びメタノール水溶液の供給を停止する(ステップS3)。次に、油圧ポンプ6で油圧シリンダ5を伸縮させて直接形燃料電池の積層方向の間隔の長さを通常運転時の所定値に戻し(ステップS4)、その積層方向の間隔の長さが通常運転時の所定値であることを確認して燃料電池システムの発電の停止操作を終了する(ステップS5)。この燃料電池システムの発電停止操作により、アノードの水素発生を抑制して燃料電池スタック1の発電を停止することができる。酸化剤ガスを停止してからカソードで酸素不足が生じるまでには時間がかかる。この時間以内であれば、酸化剤ガスの停止が油圧シリンダ作動よりも前に行われても本発明の効果が得られる。なお、図5には図示されていないが、燃料電池システムの発電停止では、上記操作により負荷への電力供給を停止した後、補機類の電源をオフにすることも含む。
燃料の停止のタイミングは特に限定されない。燃料節約の観点からは、燃料電池の放電が停止した直後に燃料供給を停止するのが好ましい。次回起動時の昇温時間を節約する観点からは、できる限り遅い時期に燃料供給を停止するのが良い。
(実施例)
以下、本発明の実施形態の一例として実施例を説明する。先ず、実施例による水素発生量を評価するために、まず以下の手順により燃料電池スタックを製作した。
1.アノードの製作
白金とルテニウムとを活性炭素に担持させてなるアノード触媒に、テフロン(登録商標)分散液及びナフィオン(登録商標)溶液を混合して作製したアノードペーストを、カーボンペーパー上に塗布してアノードを得た。このアノードの電極面積は64cmとし、触媒担持量は1mg/cmとした。
2.カソードの製作
白金を活性炭素に担持させてなるカソード触媒に、テフロン(登録商標)分散液およびナフィオン(登録商標)溶液を混合して作製したカソードペーストを、カーボンペーパーに塗布してカソードを得た。このカソードの電極面積は64cmとし、触媒担持量は1mg/cmとした。
3.MEA(膜電極接合体)の製作
上記1.及び2.で作製したアノードとカソードとでナフィオン115(登録商標)からなる電解質膜を挟持した後ホットプレスで接合しMEAを得た。このMEAの厚さは約650μmであった。
4.燃料電池スタックの製作
(1)上記3.で作製したMEAのカソード及びアノードの外周部をシリコンゴム製のガスケットで囲い、それをグラファイト製のバイポーラ型セパレータで挟持して単位電池を形成した。
(2)上記(1)の単位電池を1セルとして10セル積層し、この積層体を金属製集電板で挾持し、さらに、シリコンゴム製の絶縁板を介して金属性エンドプレートで挾持した。
(3)上記(2)のエンドプレート同士をボルトとナットで結合し,さらに,セパレータ間の積層方向の長さを変えるための長さ調節手段を備えることによって、燃料電池スタックを作製した。
5.実験結果
上記手順によって製作された燃料電池スタックを用いた燃料電池システムにおいて、燃料を150ml/minの流量でアノードに、空気を8000ml/minの流量でカソードに1時間供給した。このとき、燃料電池スタックでは、60Wの電力が発生した。その後、負荷を外してエンドプレート間、つまり、セパレータ間の積層方向の長さを変化させ、燃料及び空気の供給を停止した。この停止の際に、燃料電池スタックの燃料の排出口から排出された気体を収集し、ガスクロマトグラフィーで成分分析した。
図6は、実施例の結果を示すグラフである。図6は、縦軸に1分当たりの水素発生量[ml・min−1]を横軸にセパレータ間の積層方向の平均長さ[μm]を表している。図6からセパレータの積層方向の長さが長くなるにつれて水素発生量が減少することがわかる。
(まとめ)
燃料電池の発電停止の際、燃料電池スタックからの水素の発生量は、セパレータ間の積層方向の長さによって変化する。そして、その水素の発生量は、セパレータ間の長さが短くなると多く、セパレータ間の長さが長くなる、つまり、酸化剤極と酸化剤極側セパレータとの押し合う力が小さくなると少なくなることがわかった。したがって、燃料電池の停止の際にその長さを調整することで、水素の発生量を抑えることができると考えられる。
本発明によって、直接形燃料電池からの水素発生が抑制されるため、安全性の高い直接形燃料電池システムが得られる。特に、飛行機や鉄道などの輸送機関や、携帯される直接形燃料電池の安全性を高める事ができるため、産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 燃料電池スタック
2a,2b エンドプレート
3 ボルト
4 ナット
5 油圧シリンダー
6 油圧ポンプ
7 単位電池の積層体
10 単位電池
11 電解質膜
12a アノードガスケット
12b カソードガスケット
13a アノード
13b カソード
14a アノード側セパレータ
14b カソード側セパレータ
14c 畝部分
15 流路
31 ブロア
32 ポンプ
33 ラジエータ
34 水タンク
35 高濃度燃料タンク
36 燃料タンク
40 制御装置
41、42 バルブ
43、44 電力端子
45 排気口
46 ベント
50、51、52、53、54、56 信号
55 運転停止命令

Claims (6)

  1. 酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有する直接形燃料電池と、
    前記直接形燃料電池に液体燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記直接形燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
    酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を調整する手段と、
    前記調整する手段の動作を制御する制御手段と、
    を備えた直接形燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、前記酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止する際に、前記押し合う力を調整する手段によって酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくする
    ことを特徴とする直接形燃料電池システム。
  2. 酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有するとともに、単セルの積層を積層方向の両端で保持するエンドプレートを有する直接形燃料電池と、
    前記直接形燃料電池に液体燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記直接形燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
    前記エンドプレート間の間隔を調節するための間隔調節手段と、
    前記間隔調節手段の動作を制御する制御手段と、
    を備えた直接形燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、前記酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止する際に、
    水素発生量が許容量以下となるように、
    前記間隔調節手段によってエンドプレート間の間隔を、前記直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くする
    ことを特徴とする直接形燃料電池システム。
  3. 前記酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止するタイミングは
    酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力が、水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくされたあと、
    または、エンドプレート間の間隔が直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くされたあとである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直接形燃料電池システム。
  4. 酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有する直接形燃料電池と、
    前記直接形燃料電池に液体燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記直接形燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
    酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を調整する手段と、
    前記調節する手段の動作を制御する制御手段と、
    を備えた直接形燃料電池システムであって、
    酸化剤の供給を停止する際に、前記酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力を水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくする工程
    を含むことを特徴とする直接形燃料電池システムの停止方法。
  5. 酸化剤が流れるための溝を設けた導電性のある板状の部材を単セルの酸化剤極に押し付けた構造を有するとともに、単セルの積層を積層方向の両端で保持するエンドプレートを有する直接形燃料電池と、
    前記直接形燃料電池に液体燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記直接形燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
    前記エンドプレート間の間隔を調節するための間隔調節手段と、
    前記間隔調節手段の動作を制御する制御手段と、
    を備えた直接形燃料電池システムであって、
    酸化剤の供給を停止する際に、水素発生量が許容量以下となるように、前記エンドプレート間の間隔を、前記直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くする工程
    を含むことを特徴とする直接形燃料電池システムの停止方法。
  6. 前記酸化剤供給手段による酸化剤の供給を停止するタイミングは
    酸化剤極と前記導電性のある板状の部材とが互いに押し合う力が、水素発生量が許容量以下となるように予め設定した力よりも小さくされたあと、
    または、エンドプレート間の間隔が直接形燃料電池が発電していたときの長さよりも長くされたあとである
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の直接形燃料電池システムの停止方法。
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