JP5273574B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一
般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体として例えば遊技球が打ち込まれる遊
技領域内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられている他、遊技領域の
上下方向の途中の適宜位置に風車が設けられている。そして、遊技領域の中央に、入球が
可能又は不能となるように左右に拡開する羽根を備えた役物や、役物の羽根を拡開させる
始動口が設けられており、始動口に遊技球を入賞させることで役物の羽根を開かせて役物
内部へ遊技球を入賞させ、役物内部で当り受入口、及びハズレ受入口の何れかに遊技球を
振り分け、遊技球が当り受入口に入球すると遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるも
のが知られている。
ところで、従来の遊技機では、短時間に複数の遊技球が始動口に入賞したり、遊技球が
始動口に入賞してから羽根が開いて役物内に入賞した遊技球が当り受入口又はハズレ受入
口の何れかに受入れられるまでの間に他の遊技球が始動口に入賞したりした場合、役物に
おける羽根の開閉動作や、羽根の開閉により役物内に進入した遊技球が当り受入口へ受入
れられることによる有利遊技状態の発生等が、始動口に入賞した何れの遊技球によるお陰
なのか判別し難く、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
そのため、始動口に遊技球が入賞したら、その始動入賞により役物の羽根が開閉動作し
て役物内に入賞した遊技球が当り受入口又はハズレ受入口に受入れられて、役物内の遊技
球が何れかに確定されるまでの間、始動口での始動入賞を無効として役物の羽根が開閉し
ないようにすることが考えられる(例えば、特許文献1)。これにより、役物の羽根の開
閉動作や、役物内の当り受入口への受入れによる有利遊技状態の発生などの契機となった
、始動口に入賞した遊技球を特定することが可能となり、興趣が低下するのを抑制させる
ことができる。
この場合、役物内へ入賞した遊技球を検出する入賞センサと、当り受入口やハズレ受入
口に受入れられた遊技球を検出する受入センサとが備えられており、入賞センサと受入セ
ンサとで検出された遊技球の検出数によって役物内での遊技球の異常を検知することが可
能となり、夫々の検知数が同じであれば異常無しと判断し、検出数が異なっていれば異常
と判断し、異常の場合は、その旨を報知して異常の解除を促すようにすることで、遊技機
の信頼性を高めて、快適に遊技させられるものが考えられる。
特開2000−225254号公報
しかしながら、上記の遊技機では、異常と判断された場合、その異常が解除されるまで
は、遊技を中断しなければならず、遊技者によっては苛立ちの原因となり、興趣を低下さ
せてしまう問題がある。特に、入賞センサや受入センサにおける遊技球の挙動によっては
、同一の遊技球を複数回検出してしまい、夫々の検出数が同数とならず、本来ならばセン
サの誤作動であるものが、異常発生と判断されて遊技を中断させざる負えなくなり、上述
のような問題が発生することとなる。
また、近年、役物等の大型化、ユニット化等により、役物の前面がアクリル等の透明な
部材で一体に覆われており、役物内部が容易に触れられないようになっているので、役物
の前方から入賞センサや受入センサに遊技球を供給して、遊技球の検出数を同数とさせる
ことで異常を解除することが困難であり、容易に異常を解除することができず、異常の解
除に係る時間が長くなることで、遊技の中断時間が長くなり、より強い苛立ちの原因とな
り興趣を低下させてしまったり、当遊技機が敬遠されたりする恐れがある。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、遊技媒体の検出センサの誤作動による異常の発
生を抑制することで、始動口への始動入賞が無効となる時間を可及的に短くして興趣が低
下するのを防止することができる遊技機の提供を課題とするものである。
請求項1に記載の遊技機は、遊技者の操作により遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、前記遊技領域に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、前記始動口に進入した遊技媒体を検出する始動検出手段と、開閉動作が可能な開閉片、及び、該開閉片が開いたときに遊技媒体が進入可能となる進入口を有するとともに、前記遊技領域に配置された役物と、前記進入口に進入した遊技媒体を検出する進入検出手段と、前記役物内に配置され、前記進入口に進入した遊技媒体を受け入れ可能な当り口及びハズレ口と、前記ハズレ口に遊技媒体が受け入れられたとしても遊技者に所定の特典が付与されず、前記当り口に遊技媒体が受け入れられたことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段と、前記役物内に進入した遊技媒体が前記当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうる可動役物と、を備え、前記役物内には、前記遊技媒体が前記当り口と前記ハズレ口とのうち前記ハズレ口に向かうハズレルートと、前記遊技媒体が前記当り口または前記ハズレ口に振り分けられる抽選ルートとがあり、前記可動役物は、前記進入検出手段により遊技媒体が検出されたことに基づいて可動し、可動したときに、前記進入口から進入した遊技媒体と当接すると、該遊技媒体を、前記抽選ルートを転動させうる可動当接部と、前記進入口から進入した遊技媒体と前記可動当接部とが当接するときに、前記可動当接部の可動と略一致するタイミングで可動することによって、所定の演出動作をする可動演出部と、を有し、前記可動当接部の動きと、この可動当接部と略一致するタイミングで可動する前記可動演出部の動きとによって特有のポーズをすることで、前記進入口から進入した遊技媒体が前記抽選ルートをとおって前記当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうるようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記進入口から進入した遊技媒体を、前記当り口に向かう方向または前記ハズレ口に向かう方向に放出するガイド部材をさらに備えるものである。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、所定の演出画像が表示される演出表示手段をさらに備えるものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作により遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域に配置され前記遊技媒体の入賞による始動入賞に係る所定処理が有効又は無効の何れかとなる始動口と、
該始動口での始動入賞に係る所定処理が有効の時に、該始動口に前記遊技媒体が入賞すると、以後に前記始動口へ入賞した前記遊技媒体による始動入賞に係る所定処理を無効化する無効化手段と、
前記始動口での始動入賞に係る所定処理が有効の時に、該始動口に前記遊技媒体が入賞すると、前記始動口に入賞した前記遊技媒体とは異なる前記遊技媒体が流通可能な所定規模の空間内へ所定時間進入可能となる進入口と、
該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する進入検出手段と、
該進入検出手段により検出された前記遊技媒体が、特定領域を通過すると所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特定領域を通過した又は通過しなかった前記遊技媒体が前記空間内から排出されるのを検出する排出検出手段と、
少なくとも、該排出検出手段及び前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出、前記特典付与手段による特典の付与状況、に応じて前記始動口での始動入賞に係る所定処理を有効化する有効化手段と、
少なくとも前記始動口への前記遊技媒体の入賞に応じて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出手段と
を具備する」ものであることを特徴とする遊技機。
ここで、「始動入賞に係る所定処理」としては、「始動入賞により、遊技領域の異なる位置に配置された進入口を閉鎖する可動片(羽根)が所定の開閉動作をする処理」、「始動入賞により、表示手段等で演出画像を変動表示する処理」、等が挙げられる。なお、始動口は、複数備えても良いし、始動口によって可動片の開閉動作が異なる(開閉回数が異なる、開閉時間が異なる、等)ものとしても良い。
また、「遊技媒体の入賞による始動入賞に係る所定処理が有効又は無効」とは、「始動口に入賞した遊技媒体を検出する始動検出手段の作動を有効又は無効とするもの」、「始動口に入賞した遊技媒体を検出する始動検出手段からの検出信号の受付を有効又は無効とするもの」、「始動口に入賞した遊技媒体を検出する始動検出手段からの検出信号に基づいた所定処理の開始を有効又は無効とするもの」、「始動口を開閉する開閉片を有し、開閉片が開状態となることで始動口へ遊技媒体が入賞可能となり始動入賞が有効となり、開閉片が閉状態となると遊技媒体が入賞不能となり始動入賞が無効となるもの」、等が挙げられる。
また、「進入検出手段」としては、「役物用入賞口への入賞を検出するカウントセンサ
」が挙げられ、「排出検出手段」としては、「大当り受入口への受入を検出する大当り入
賞センサ」、「ハズレ受入口への受入を検出するハズレ入賞センサ」、等が挙げられる。
更に、「排出検出手段及び進入検出手段による遊技媒体の検出に応じて」としては、「
所定の時間内における、進入検出手段と排出検出手段とで検出された遊技媒体の検出数が
一致」、「次の条件を満たすもの:進入検出手段の検出数≦排出検出手段の検出数」、「
始動入賞に係る所定処理が無効となってから、又は進入口への進入が可能となってから所
定時間経過しても、進入検出手段及び排出検出手段で遊技媒体が検出されない」、「進入
検出手段、排出検出手段での検出が誤作動によるものと判定する誤作動判定手段を更に備
え、何れかが誤作動と判定された場合」、「進入検出手段、排出検出手段の少なくとも何
れか一方を高精度に遊技媒体の数を検出可能な特定検出手段とし、所定の時間内における
他の検出手段による検出数に関わらず特定検出手段による検出、又は、所定の時間内にお
ける特定検出手段の検出数と他の検出手段の検出数との一致」、等が挙げられる。また、
「特典の付与状況に応じて」としては、「有利遊技状態の発生終了」が挙げられる。
また、「特典付与手段」としては、「所定数の遊技媒体を払い出すもの」、「所定数の
遊技媒体が払い出される遊技媒体の入口への遊技媒体が進入する確率を高くしたり、入口
を所定条件の基で開放したりするもの(例えば、有利遊技状態を発生させるもの)」、等
が挙げられる。
この、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味す
るものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰
返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させ
たりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態
」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率
として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態
」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態
を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し
易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短
縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出し
を行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさ
せるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成
立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリール
の停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム
状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシス
トゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変
動状態」。
手段1の構成によると、始動入賞に係る所定処理が有効又は無効の何れかとなる始動口
と、始動入賞に係る所定処理が有効の時に入賞すると以後の始動入賞に係る所定処理を無
効化する無効化手段と、始動入賞に係る所定処理が有効の時に入賞すると所定規模の空間
内へ遊技媒体が所定時間進入可能となる進入口と、進入口に進入した遊技媒体を検出する
進入検出手段と、進入検出手段に検出された遊技媒体が特定領域を通過すると所定の特典
を付与する特典付与手段と、特定領域を通過した又は通過しなかった遊技媒体が空間内か
ら排出されるのを検出する排出検出手段と、少なくとも、進入検出手段及び排出検出手段
の検出、特典付与手段による特典の付与状況、に応じて始動入賞に係る所定処理を有効化
する有効化手段と、少なくとも始動口への入賞により遊技媒体を払い出す払出手段とを備
えたものである。
これにより、遊技媒体が始動口に始動入賞すると、以後の始動入賞に係る所定処理が無
効となると共に、進入口への遊技媒体の進入が所定時間可能となり、その間に遊技媒体を
進入口に進入させると、進入検出手段により検出された上で、所定規模の空間内を流通し
て、特定領域を遊技媒体が通過すると特典付与手段により遊技者に有利となる所定の特典
が付与される。その後、特定領域を通過しなかった遊技媒体も含めて排出検出手段に検出
されて空間内から排出される。そして、進入検出手段及び排出検出手段とが所定条件を満
たすか、特典の付与状況が所定の状況を満たしていると、始動口での始動入賞に係る所定
処理が有効となり、再び始動口を狙って遊技媒体を打ち込ませることができるようになり
、進入口への進入が可能となったり、特典が付与されたりする契機となった遊技媒体を特
定することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、進入検出手段と排出検出手段の検出に応じて、具体的には、例えば、「進入検出
手段か排出検出手段の何れかが誤作動した場合」、「進入検出手段の検出数が排出検出手
段の検出数以下の場合」、有効化手段により始動口での始動入賞に係る所定処理が有効化
されるので、従前のように、単なる検出センサでの遊技媒体の挙動異常によるダブルカウ
ントの場合でも、異常発生と判断されて遊技が中断してしまうが、ダブルカウントのよう
なものは誤作動とみなすことで異常発生と判断せずに所定処理を継続させることで遊技が
中断するのを防止することができ、苛立ちの原因となったり、当遊技機が敬遠されたりす
るのを防止することができる。また、ホール側の店員を呼ばなくても、速やかに始動入賞
に係る所定処理を有効化することが可能となり、始動口への始動入賞に係る所定処理が無
効となる時間を可及的に短くして興趣が低下するのを防止することができる。
なお、遊技媒体の始動口への始動入賞を、遊技状態に応じて所定数(例えば、4つ)ま
で保留すると共に、その保留数を表示するようにし、保留数が所定数に達するまでは、始
動入賞が有効とされるようにしても良い。この場合、始動入賞した遊技媒体が保留数とし
て表示されるので、何れの遊技媒体によるものであるのかを判別することが可能となり、
遊技媒体の判別不能による興趣の低下を防止することができると共に、複数の始動入賞が
保留されるので、その保留が解除されると、連続してチャンスが訪れることとなり、より
興趣の高められるものとすることができる。
また、払出手段では、始動入賞に係る所定処理が無効の場合でも、始動口に遊技媒体が
入賞したら、所定数の遊技媒体を遊技者に払い出すようにすることが望ましく、これによ
り、無効とされていることで所定処理が行われないことに起因して興趣が低下しても、所
定数の遊技媒体が払い出されることで、その興趣の低下を抑制することができる。
更に、始動口を複数備え、始動口によって進入口への遊技媒体の進入確率が変化(例え
ば、開閉片の開閉回数が変化、開閉片の開時間が変化)するようにしても良い。なお、こ
の場合、所定短時間内に複数の始動口に遊技媒体が入賞した場合は、進入口への進入確率
が高くなる始動口での始動入賞に係る所定処理を優先させて有効とし、他の始動入賞に係
る所定処理を無効とするようにしても良い。
手段2:手段1の構成において、
「少なくとも前記進入検出手段、及び前記排出検出手段が誤作動したのを判定する誤作
動判定手段を更に具備し、
少なくとも該誤作動判定手段により前記進入検出手段及び前記排出検出手段の何れか一
つが誤作動したと判定されると、前記有効化手段により前記始動口での始動入賞に係る所
定処理が有効化される」ものであることを特徴とする。
ここで、「誤作動」及び「異常」とは、何らかのノイズの入力や、跳ねたり振れたりす
る遊技媒体の挙動により、本来の然るべき検出とは異なる検出をすることを「誤作動」と
し、狭義では検出手段の故障による正常でない作動は含めないものする。また、検出手段
の故障による正常でない作動や、所定規模の空間内における遊技媒体の停留(例えば、球
詰まり)等は「異常」とするものである。
また、「誤作動判定手段」としては、「進入検出手段の検出数≦排出検出手段の検出数
:となった時に排出検出手段が誤作動したと判定するもの」、「所定短時間(例えば、1
00ms以下)内に複数回検出した時に誤作動したと判定するもの」、「進入検出手段や
排出検出手段の他に、遊技媒体を検出可能な検出手段を複数も設けて、各検出手段での検
出を総合的に判断することで誤作動したと判定するもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、進入検出手段、及び排出検出手段が誤作動したことを判定する
誤作動判定手段を更に備え、その誤作動判定手段により何れか一方の検出手段が誤作動し
たと判定されると、始動口での始動入賞に係る所定処理が有効化されるものである。これ
により、各検出手段が誤作動したか否かを的確に判定することができ、遊技を中断させる
ような異常の発生を防止することができ、始動口での始動入賞に係る所定処理を有効にし
て始動口への始動入賞に係る所定処理が無効となる時間を可及的に短くして興趣が低下す
るのを防止することができる。
なお、進入検出手段と排出検出手段の両方が誤作動した時にも、誤作動したと判定して
有効化するようにしても良いが、この場合、検出手段が故障している可能性もあるので、
その場合は異常が発生したと判断させて、遊技を中断させることが望ましいので、何れか
一方が誤作動した場合に、単なる検出手段の誤作動であると判断して始動入賞に係る所定
処理を有効化するようにしている。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記進入口、前記進入検出手段、及び前記排出検出手段を、少なくとも有した役物を
更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、少なくとも、進入口、進入検出手段、及び排出検出手段を一つ
の役物に備えたものである。これにより、遊技媒体を始動口に始動入賞させることで、役
物の進入口から遊技媒体が進入可能となり、その時に、役物内に遊技媒体を進入させた上
で、特定領域を通過すると所定の特典が付与されるような、面白味のある遊技とすること
ができると共に、役物内で単なる検出手段の誤作動による異常が発生しても、遊技が中断
されること無く続けられ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、役物の前面にアクリル等の透明な部材が一体的に備えられ、役物の内部に触れた
りすることのできないような役物の場合、遊技媒体の検出手段の誤作動による不具合が発
生しても、容易に解除することができないが、検出手段の誤作動の場合は異常と判定され
ず、速やかに始動入賞を有効化することができ、一体にユニット化され役物に好適に用い
ることができる。
なお、役物内に特定領域の方向へ遊技媒体を振り分けることのできる振分手段(例えば
、シーソー状のもの、回転体によるもの、等)を備えても良く、これにより、特定領域へ
遊技媒体が振り分けられるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり
、より興趣の高められる遊技機とすることができる。また、その場合、役物内での遊技媒
体の滞在時間が長くなり易く、それに伴って始動口での始動入賞に係る所定処理が無効と
なっている時間が長くなるので、異常の発生により遊技が中断すると、蓋然的にその中断
時間も長くなり遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがあるが、検出手段が誤作動した場
合は、異常とせずに始動入賞に係る所定処理を有効として、遊技が中断されるのを防止す
ることができるので、始動口への始動入賞に係る所定処理が無効となる時間を可及的に短
くして興趣が低下するのを防止することができる。
手段4:遊技機において、
「遊技者の操作により遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域に配置され前記遊技媒体の入賞による始動入賞に係る所定処理が有効又は無
効の何れかとなる始動口と、
該始動口での始動入賞に係る所定処理が有効の時に、該始動口に前記遊技媒体が入賞す
ると、以後に前記始動口へ入賞した前記遊技媒体による始動入賞に係る所定処理を無効化
する無効化手段と、
前記始動口での始動入賞に係る所定処理が有効の時に、該始動口に前記遊技媒体が入賞
すると前記始動口に入賞した前記遊技媒体とは異なる前記遊技媒体が流通可能な所定規模
の空間内へ所定時間進入可能となる進入口、該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する
進入検出手段、該進入検出手段により検出された前記遊技媒体が通過可能とされた特定領
域、該特定領域を通過した又は通過しなかった前記遊技媒体が前記空間内から排出される
のを検出する排出検出手段、を少なくとも有した役物と、
前記特定領域を前記遊技媒体が通過すると所定の特典を付与する特典付与手段と、
少なくとも該役物内の前記進入検出手段、及び前記排出検出手段が誤作動したのを判定
する誤作動判定手段と、
該誤作動判定手段により前記進入検出手段及び前記排出検出手段の何れか一つが誤作動
したと判定、少なくとも前記進入検出手段及び前記排出検出手段による前記遊技媒体の検
出、前記特典付与手段による特典の付与状況、の少なくとも一つに応じて、前記始動口で
の始動入賞を有効化する有効化手段と、
少なくとも前記始動口への前記遊技媒体の入賞に応じて所定数の前記遊技媒体を払い出
す払出手段と
を具備する」ものであることを特徴とする遊技機。
手段4の構成によると、始動入賞に係る所定処理が有効又は無効の何れかとなる始動口
と、始動入賞に係る所定処理が有効の時に入賞すると以後の始動入賞に係る所定処理を無
効化する無効化手段と、始動入賞に係る所定処理が有効の時に入賞すると所定規模の空間
内へ遊技媒体が所定時間進入可能となる進入口、進入口に進入した遊技媒体を検出する進
入検出手段、進入検出手段に検出された遊技媒体が通過可能とされた特定領域、特定領域
を通過した又は通過しなかった遊技媒体が空間内から排出されるのを検出する排出検出手
段、を少なくとも有した役物と、特定領域を遊技媒体が通過すると所定の特典を付与する
特典付与手段と、進入検出手段及び排出検出手段が誤作動したのを判定する誤作動判定手
段と、誤作動判定手段により進入検出手段及び排出検出手段の何れかが誤作動したと判定
、進入検出手段及び排出検出手段の検出、特典付与手段による特典の付与状況、の少なく
とも一つに応じて始動入賞に係る所定処理を有効化する有効化手段とを備えたものである
これにより、遊技媒体が始動口に始動入賞すると、以後の始動入賞に係る所定処理が無
効となると共に、役物の進入口への遊技媒体の進入が所定時間可能となる。その間に遊技
媒体を進入口から役物内に進入させると、進入検出手段により検出され、その後、遊技媒
体が特定領域を通過すれば遊技者に所定の特典が付与される。そして、特定領域を通過し
なかった遊技媒体も含めて排出検出手段に検出されて排出される。その際に、進入検出手
段か排出検出手段の何れかが誤作動するか、進入検出手段と排出検出手段とが所定条件を
満たすか、特典の付与状況が所定の状況を満たしていれば、始動口での始動入賞に係る所
定処理が有効となり、再び、始動口を狙って遊技媒体を打ち込むことが可能となる遊技と
することができ、遊技媒体の検出センサの誤作動による異常の発生を抑制することで、始
動口への始動入賞に係る所定処理が無効となる時間を可及的に短くして興趣が低下するの
を防止することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が
行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、
投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。
具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害
釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、
到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領
域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複
数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手
段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称さ
れるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出
手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定
の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動
を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数
の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや
種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を
行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表さ
れる「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「
アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1
ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数
の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段5の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏
することができる。
手段6:手段1から手段4までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操
作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを
回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、そ
の後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停
止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機
能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過
しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の
変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時におい
て、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合
わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応
じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技
者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段6の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏
することができる。
手段7:手段1から手段4までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば
5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例え
ば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、そ
の後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させ
るものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所
定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして
、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり
、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件
を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量
のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするもので
ある。
手段7の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、
上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、遊技媒体の検出センサの誤作動による異常の発生を抑制
することで、始動口への始動入賞が無効となる時間を可及的に短くして興趣が低下するの
を防止することができる遊技機を提供することができる。
パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 遊技領域の構成を示す拡大正面図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 各種の制御基板ボックスが装着された遊技盤を右下後方から示す斜視図である。 制御構成を概略的に示すブロック図である。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド送信処理が実行される際の主制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド出力処理を示すフローチャートである。 ACK待ち処理を示すフローチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 役物用入賞口の始動入賞処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り処理の内容を示すフローチャートである。 本実施形態における役物の一例を示す正面図である。 図25に示す役物を右上前方から示す斜視図である。 (A)は本実施形態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。 第一転動演出装置の構成を示す斜視図である。 第一転動演出装置における回動駆動手段の分解斜視図である。 第一転動演出装置の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。 第一転動演出装置におけるモータの動作を示すタイムチャートである。 (A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は第二転動演出装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。 第二転動演出装置における可動演出の状況を示す正面図である。 図34(A)に示す第二転動演出装置の分解斜視図である。 (A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。 (A)〜(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。 (A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜視図である。 図39における第三転動演出装置の一部を示す分解斜視図である。 役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。 第三転動演出装置の動作を示す説明図である。 第三演出装置の図42とは異なる動作を示す説明図である。 役物の分解斜視図である。 (A)は役物を遊技盤に取付けた状態を示す概略側面断面図であり、(B)は取付構造体の拡大断面図である。 演出表示制御における機能的な構成を示すブロック図である。 演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第二演出態様表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理を示すフローチャートである。 特別第三演出態様におけるハズレ演出態様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様の表示処理を示すフローチャートである。 第二転動演出装置の動作と特定演出態様の表示とを拡大して示す正面図である。 特定演出態様の具体的な演出例を示す図である。 第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面図である。 始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理における機能的な構成の一例を示すブロック図でありる。 始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)
を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた
状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された
図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されてい
る。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の
前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には
、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、
樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と
遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって
一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前
側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前
枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の
上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回
動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒン
ジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下
部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16
の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そ
して、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の
下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また
、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして
、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側
寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、
下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわた
る部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着され
ている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な
略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大き
な矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明
板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面
装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳
しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿5
1が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が
内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成さ
れている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配
列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み
込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー
58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けら
れてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60
が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し
本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠
装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2
に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の
本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能
に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1
の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露
出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿
入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との
係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フッ
ク74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明
する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を
示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設け
られかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、
遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参
照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール
78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお
、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射され
た遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され
下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レー
ル78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配
列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技
領域37のほぼ中央位置には、役物91が配設されており、この役物91のデザインによ
ってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部または左右側縁
部には、ワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊
技球がワープ入口に入り込むと、後述のワープ通路を通じて役物91の裏側に取り込まれ
た後に、役物91の途中または下縁部から再び遊技盤面に放出されるようになっている。
この役物91は、その上縁部近傍に、その内部に遊技球を取り込むことの可能な役物用
入賞口92が開閉可能に備えられている。そして、この役物91の内部には、役物用入賞
口92から取り込まれた遊技球が受入可能な大当り受入口93と、ハズレ受入口94とが
備えられており、これら大当り受入口93およびハズレ受入口94と、役物用入賞口92
との間には、役物用入賞口92から取り込まれた遊技球を、所定の通路上を転動させなが
らその動きを様々に変化させて遊技者に注目させた後に、大当り受入口93またはハズレ
受入口94の何れかに放出する第一転動演出装置95が更に備えられている。
この役物91は、第一転動演出装置95の一方の放出側(図3中左側)には遊技球を押
打可能な第二転動演出装置100が、また、第一転動演出装置95の他方の放出側(図3
中右側)には回転することで遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに
導く第三転動演出装置101が更に備えられている。また、第一転動演出装置95の下側
に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に
案内する第四転動演出装置102が更に備えられている。
また、遊技領域37には、役物91の下方位置に、左右に夫々配置された一対の第一始
動入賞口96と、一対の第一始動入賞口96の間に配置された第二始動入賞口97とが設
けられており、これら始動入賞口96,97に遊技球が入球すると、役物91の役物用入
賞口92が開閉するようになっている。詳しくは、第一始動入賞口96に遊技球が入球す
ると役物用入賞口92が所定間隔で一回だけ開閉動作し、第二始動入賞口97に遊技球が
入球すると役物用入賞口92が所定間隔で二回だけ開閉動作をするようになっている。
その他、遊技領域37には一般入賞口98が配設されている。また、役物91の内側に
は演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映
像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置1
15としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装
置を例示することができる。演出表示装置115の表示面は役物91の後側においてその
開口窓に臨んで装着されており、役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌
込まれ、役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116を有する表示
装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分
において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合
樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設け
られている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御
基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス
130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボック
ス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制
御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において
、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤
5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130
及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基
づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示
す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出
装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着
されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数
の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136
の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球
タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成される
とともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着
部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着され
ることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態に
おいて、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で
形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部
の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて
下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に
延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139
は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、
傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路
を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)
とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に
対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えた
タンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出
(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一
端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動する
ことでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態におい
て、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通
路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能とな
っている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出
する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を
隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレ
ール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同
一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の
後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔し
て配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151
との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになってい
る。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なること
なく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着さ
れている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出
ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装
着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135
の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ
172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5
との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。
これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また
、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端
、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一
面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形
状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取
付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるように
なっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の
出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画さ
れて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状
に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成され
ている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれ
かの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転
可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体
11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射
位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマー
を作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射
装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、
電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス1
96の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス
198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAM
を備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号
を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようにな
っている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御
基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突
出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構
成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の
箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱
可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前
方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周
壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の
計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれ
るヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後
カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135
の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一
体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン2
15が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれ
る。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他
側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係
止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210
が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置
制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部か
ら上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによっ
て、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主
として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠
蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210
によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部に
は、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カ
バー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査
装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されてお
り、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるよう
になっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後
壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間
高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部
212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱
孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部
材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応す
る大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じら
れた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔
233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた
状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認する
ことができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用
される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に
製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態
では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略
C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(
レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先
端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが
形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続
され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体
210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機
を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合
を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明す
る。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を
取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス
部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿
用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示し
ない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球
を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース
基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース
基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に
介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的
に接続するようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として複数種類の態様
の「大当り遊技」が用意されている。ここで、「大当り遊技」は、例えば役物用入賞口9
2を一定パターンで開閉させるラウンド動作を最大で16回、繰り返すものであり、この
ようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技
の間に遊技球を役物用入賞口92に入球させることで、多くの賞球を獲得することができ
る。なお、ラウンド動作ついては、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97への遊
技球の入球に応じて行われる役物用入賞口92の1回または2回の開閉動作を初回の1ラ
ンウド目のラウンド動作とし、2ラウンド目以降のラウンド動作では、役物用入賞口92
を所定間隔で18回開閉させるか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件
を満たすと終了する。
また、大当り遊技にて繰り返し行われるラウンド動作の回数については、第一始動入賞
口96または第二始動入賞口97への遊技球の入球タイミング(より具体的には、第一始
動口センサ318aまたは第二始動口センサ318bによる遊技球の検出タイミング)、
役物用入賞口92への遊技球の入球タイミング(より具体的には、カウントセンサ319
による遊技球の検出タイミング)、大当り受入口93への入球タイミング(より具体的に
は、大当り入賞センサ330による遊技球の検出タイミング)等の適宜タイミングや、役
物91内での遊技球の振り分け先等によって行われた抽選の結果に応じて決定される。こ
こで、上記抽選は、大当りの態様を決定するための抽選であり、この抽選を行う手段を、
「大当り態様抽選手段」として捉えることができる。
なお、以上の具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、こ
れら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図11に基づき説明する。
図11は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグル
ープとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り
判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動
作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制
御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのRO
M315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、R
OM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われ
る各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号
を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理におい
て生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131に
は、ゲートセンサ317、第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318b、カウ
ントセンサ319、大当り入賞センサ330、ハズレ入賞センサ329、回動検出センサ
494、回転位置検出センサ321等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板1
31は、ソレノイド331、モータ332、押打用ソレノイド325、回転体用モータ3
26等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCP
U333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRA
M335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力した
コマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装
置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェース
を介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信す
ると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板3
37,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基
板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一
方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンド
の送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電
子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行すること
ができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板3
39との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1
つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接
続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の
点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯さ
せる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ラン
プ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する
表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は
実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、サブ統合基板336には、遊
技球センサ361からの検出信号が入力される一方、役物用ソレノイド362へ駆動信号
を出力する。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波
形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出
力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上
記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には
超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間
で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並
べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、
相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作
をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算
装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370
,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備
えている。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間の通信処理について、詳細に説明
する。なお、信号名の先頭に「♯」が付されているものは、負理論であることを意味して
いる。「ハイレベル」は2値信号の2つのレベルのうち「1」レベルを意味し、「ローレ
ベル」は「0」レベルを意味している。
[主制御基板と払出制御基板との通信について]
主制御基板131と払出制御基板197との間では、種々のコマンドがシリアル転送に
よって送信される。コマンドを正常に受信した基板は、コマンドを送信した基板に対して
、正常にコマンドを受け取ったことを伝えるACK(Acknowledge)信号を送信する。主
制御基板131から払出制御基板197に対する主なコマンドとしては、遊技球の払い出
しに関するコマンドや、払出制御基板197に動作状態の報告を指示するコマンドがある
。遊技球の払い出しに関するコマンドとしては、例えば、遊技球の払い出し個数を指定す
るコマンドの他、遊技球の払い出しの開始を指示するコマンドや、遊技球の払い出しの停
止を指示するコマンドなどが考えられる。払出制御基板197から主制御基板131に対
する主なコマンドとしては、払出制御基板197の動作状態を伝えるコマンドがある。
図12は、主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブ
ロック図である。主制御基板131は、主制御基板131における種々の演算処理を行う
CPUとして、外部とのシリアル通信機能およびパラレル通信機能を有するCPU314
(主CPU)を備える。CPU314には、演算処理を行う演算処理部390と、外部と
のシリアル通信を行うシリアル通信ユニットとしてのシリアルIF部391と、外部との
パラレル通信を行うパラレルIF部392とが回路構成されている。払出制御基板197
とのコマンドのやり取りは、シリアルIF部391を介して行われ、払出制御基板197
とのACK信号のやり取りは、パラレルIF部392を介して行われる。
シリアルIF部391は、演算処理部390からパラレルデータTDaを受け取り、該
データを記憶する送信バッファレジスタ393と、送信バッファレジスタ393に記憶さ
れたデータを受け取り、該データをシリアルデータDabに変換して払出制御基板197
にシリアル転送する送信シフトレジスタ394と、払出制御基板197からシリアルデー
タDbaを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ395と、受信シフトレジ
スタ395に記憶されたデータを受け取り、該データを演算処理部390によってパラレ
ルデータRDaとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ396と、シリアル
IF部391における各部の動作状態を管理するシリアル管理部397とを備え、これら
を1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ393および送信シフトレ
ジスタ394,受信シフトレジスタ395,受信バッファレジスタ396は、それぞれ1
バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部397は、送信シフトレジスタ394および送信バッファレジスタ39
3に関して、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレ
ジスタ393から送信シフトレジスタ394へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し
後に、該データを送信バッファレジスタ393から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部397は、受信シフトレジスタ395および受信バッファレジスタ39
6に関して、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されていない場合に、受信シフ
トレジスタ395から受信バッファレジスタ396へのデータの受け渡しを許可し、演算
処理部390が受信バッファレジスタ396からパラレルデータRDaを読み出した後に
、受信バッファレジスタ396からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIF部391によるシリアル転送の転送レートは、CPU314を動作
させるためのクロック信号を分周した信号に基づいて決定される。この転送レートを決定
するクロック信号の分周比は、シリアルIF部391が有するレジスタ(図示しない)の
値によって設定することができる。
演算処理部390は、送信バッファレジスタ393に対して書き込み信号♯WRaを立
ち上げることによって、送信バッファレジスタ393へりパラレルデータTDaの書き込
みを行い、受信バッファレジスタ396に対して読み出し信号♯REaを立ち上げること
によって、受信バッファレジスタ396からのパラレルデータRDaの読み出しを行う。
演算処理部390は、シリアルIF部391における種々の状態を示す信号を、シリア
ル管理部397から受ける。演算処理部390がシリアル管理部397から受ける信号と
しては、送信バッファレジスタ393がクリアされている際にハイレベルとされる送信バ
ッファ空き信号TEaと、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中である際にハイレ
ベルとされるシリアル転送中信号TCaと、受信バッファレジスタ396にデータが記憶
されている際にハイレベルとされる受信データあり信号DFaとがある。
図12に示すように、払出制御基板197は、払出制御基板197における種々の演算
処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信を行う回路が形成され
たシリアルIFチップ398と、外部とのパラレル通信を行う回路が形成されたパラレル
IFチップ399とを備える。主制御基板131とのコマンドのやり取りは、シリアルI
Fチップ398を介して行われ、主制御基板131とのACK信号のやり取りは、パラレ
ルIFチップ399を介して行われる。
シリアルIFチップ398は、CPU333からパラレルデータTDbを受け取り、該
データを記憶する送信バッファレジスタ400と、送信バッファレジスタ400に記憶さ
れたデータを受け取り、該データをシリアルデータDbaに変換して主制御基板131に
シリアル転送する送信シフトレジスタ401と、主制御基板131からシリアルデータD
abを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ402と、受信シフトレジスタ
402に記憶されたデータを受け取り、該データをCPU333によってパラレルデータ
RDbとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ403と、シリアルIFチッ
プ398における各部の動作状態を管理するシリアル管理部404とを備え、これらを1
チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ400および送信シフトレジス
タ401,受信シフトレジスタ402,受信バッファレジスタ403は、それぞれ1バイ
トの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部404は、送信シフトレジスタ401および送信バッファレジスタ40
0に関して、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレ
ジスタ400から送信シフトレジスタ401へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し
後に、該データを送信バッファレジスタ400から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部404は、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ40
3に関して、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されていない場合に、受信シフ
トレジスタ402から受信バッファレジスタ403へのデータの受け渡しを許可し、CP
U333が受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbを読み出した後に、受
信バッファレジスタ403からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIFチップ398がシリアル転送されたコマンドをサンプリングするタ
イミングは、主制御基板131のCPU314を動作させるためのクロック信号を分周し
たサンプリングクロックに基づいて決定される。このサンプリングクロックを決定刈るク
ロック信号の分周比は、シリアルIFチップ398が有するレジスタ(図示しない)の値
によって設定することができる。
CPU333は、送信バッファレジスタ400に対して書き込み信号♯WRbを立ち上
げることによって、送信バッファレジスタ400へのパラレルデータTDbの書き込みを
行い、受信バッファレジスタ403に対して読み出し信号♯RDbを立ち上げることによ
って、受信バッファレジスタ403からのパラレルデータRDbの読み出しを行う。
CPU333は、シリアルIFチップ398における種々の状態を示す信号を、シリア
ル管理部404から受ける。CPU333がシリアル管理部404から受ける信号として
は、送信バッファレジスタ400がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッフ
ァ空き信号TEbと、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中である際にハイレベル
とされるシリアル転送中信号TCbと、受信バッファレジスタ403にデータが記憶され
ている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFbとがある。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間におけるコマンド転送の際の動作
について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、主制御基板131から払出制御基板1
97へのコマンド転送と、払出制御基板197から主制御基板131へのコマンド転送を
行うことが可能である。
(主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明
する。図13は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示
すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御す
る処理を実現するために所定の間隔(本実施形態では、4ミリセカンド(以下、msと表
記))で定時割り込み処理を繰り返し実行し、この繰り返し実行される定時割り込み処理
の一環として、払出制御基板197に対してコマンドを送信する場合に、図13に示した
コマンド送信処理を実行する。
演算処理部390は、図13に示したコマンド送信処理を開始すると、払出制御基板1
97に対するコマンドを生成する(ステップS1001)。本実施形態では、払出制御基
板197に対するコマンドは、シリアルIF部391の各レジスタの記憶容量である1バ
イトよりも大きな2バイトのコマンドである。
コマンドを生成した後(ステップS1001)、「送信バッファ空き信号TEaがハイ
レベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送
信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ
394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1002)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがロー
レベル」である場合(ステップS1002)には、生成したコマンドの2バイトのうち上
位1バイトである1バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込む(ステップS1
003)。その後、予め設定された書込待機期間Lwaの待機を行った後(ステップS1
004)、生成したコマンドの残りの下位1バイトである2バイト目を、送信バッファレ
ジスタ393に書き込み(ステップS1005)、コマンド送信処理を終了する。
ここで、書込待機期間Lwaは、送信バッファレジスタ393へのコマンドの1バイト
目の書き込みから、この1バイト目が送信シフトレジスタ394へと受け渡しされるまで
の期間である送信レジスタ引渡期間Lbsよりも長い期間であり、その定時割り込み処理
の終了までに2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)を実行可能な時
間を残す期間であり、次の定時割り込み処理の開始まで長引くような期間ではない。また
、書込待機期間Lwaは、コマンドの1バイト目のシリアル転送が完了するまでの期間で
あるシリアル転送期間Lscよりも短い期間であり、定時割り込み処理の間隔である4m
sよりも短い期間である。本実施形態では、書込待機期間Lwaは、2.5マイクロセカ
ンド(以下、μsと表記)に設定されている。なお、本実施形態のシリアルIF部391
のハードウエア仕様による送信レジスタ引渡期間Lbsは、約1.25μsである。また
、2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)に要する演算処理部390
の演算処理時間が、シリアルIF部391の送信レジスタ引渡期間Lbs異常である場合
には、図13に示したコマンド待機処理のソフトウエアによる待機処理(ステップS10
04)は不要である。
図14は、コマンド送信処理が実行される際の主制御基板131における各信号の様子
を示すタイムチャートである。上述したコマンド送信処理にて、「送信バッファ空き信号
TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」てあると判断され
ると(図13中のステップS1002)、パラレルデータTDaにコマンドの1バイト目
の出力が開始される(タイミングta1)。その後、書き込み信号♯WRaの立ち上がり
によって、送信バッファレジスタ393にコマンドの1バイト目が書き込まれる(タイミ
ングta2,図13中のステップS1002)。
送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの1バイト目を送信シフトレジ
スタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリア
される。送信シフトレジスタ394は、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマ
ンドの1バイト目をシリアルデータDabに出力する。シリアル転送中のシリアルデータ
Dabには、スタートビットSTに続いて、コマンドの1ビット目D0から8ビット目D
7までの各ビットが続き、最後にストップビットSPが出力される。このように、コマン
ドの1バイト目のシリアル転送が開始されると、シリアル転送中信号TCaはハイレベル
となる(タイミングta3)。
コマンドの1バイト目の書き込み(タイミングta2,図13中のステップS1002
)から、書込待機期間Lwaの待機を経た後(図13中のステップS1004)、コマン
ドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393にコマンドの2バイト目が書き込
まれる(タイミングta4,図13中のステップS1005)。
この際の送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目をシリアル転送中であり
、コマンドの2バイト目を送信バッファレジスタ393から受け取ることができないため
、送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの2バイト目を記憶して保持し
、送信バッファ空き信号TEaはローレベルとなる(タイミングta4)。
その後、送信シフトレジスタ394によるコマンドの1バイト目のシリアル転送が終了
すると、送信バッファレジスタ393は、記憶するコマンドの2バイト目を送信シフトレ
ジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリ
アされ、送信バッファ空き信号TEaはハイレベルとなる(タイミングta5)。
その後、送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファ
レジスタ393から受け取ったコマンドの2バイト目をシリアルデータDabに出力する
(タイミングta6〜ta7)。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイト
のコマンドが送信される。本実施形態の主制御基板131は、払出制御基板197に対し
てコマンドを送信してから所定の期間の間に、払出制御基板197からACK信号の返答
がない場合には、コマンドを再送する。
なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作
は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信
バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401
が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現され
る。
なお、本実施形態では、CPU314は、4ミリセカンドの感覚で定時割り込み処理を
繰り返し実行するのに対し、シリアルIF部391は、1200bps(Bit Per Second)
の転送レートでシリアル転送を実行する。したがって、本実施形態では、シリアルIF部
391が2バイトのコマンドをシリアル転送する時間は約16.7msとなり、CPU3
14は、その間に定時割り込み処理を約4回繰り返し実行することとなる。このように、
CPU314は、送信バッファレジスタ393にコマンドを書き込んでしまえば、そのコ
マンドの払出制御基板197へのシリアル転送をシリアルIF部391に任せることがで
きる。なお、シリアル転送における1200bpsの転送レートは、電気的ノイズに対す
るコマンド転送の信頼性を確保可能な転送レートであり、また、比較的安価なフォトカプ
ラを用いたアイソレーションによってシリアル転送することが可能な転送レートである。
なお、主制御基板131は、シリアル転送中(送信バッファレジスタ393にコマンド
が有る状態)に、制御処理を中断することなく、入賞があれば入賞情報を記憶するなど他
の制御処理を実行する。パチンコ機の場合、遊技板13へと打ち出される遊技球は、1分
間に最大100個までと規制されているため、遊技球の打ち出し間隔は約600msであ
る。したがって、遊技球が入賞口61に連続して入賞したとしても、主制御基板131は
、遊技球の検出情報を滞りなく処理し、賞球コマンドを払出制御基板197にシリアル転
送することができる。
(払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明す
る。図15は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフ
ローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御す
る一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図15に示したコマン
ド受信処理を実行する。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイ
レベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されて
いる場合」であるか否かを判断する(ステップS1101)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である
と判断される場合(ステップS1101)には、主制御基板131から払出制御基板19
7に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファ
レジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1101)には、
受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステッ
プS1102)。その後、受信シフトレジスタ402を介して受信バッファレジスタ40
3に記憶されたコマンドの2バイト目を読み出し(ステップS1103)、コマンド受信
処理を終了する。
図16は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様
子を示すタイムチャートである。前述した主制御基板131におけるコマンド送信処理に
よって、シリアルデータDabにコマンドの1バイト目が出力されると(タイミングtb
1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの1バイト目が記憶された後、受信
バッファレジスタ403にコマンドの1バイト目が受け渡され、受信データ有り信号DF
bはハイレベルとなる。
コマンドの1バイト目に続いた、シリアルデータDabにコマンドの2バイト目が出力
されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの2バイ
ト目が記憶される。この際には、受信バッファレジスタ403からコマンドの1バイト目
が読み出されておらず、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってク
リアされていないため、受信シフトレジスタ402はコマンドの2バイト目の記憶を保持
する。
その後、図15に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレ
ベル」であると判断されると(図15中のステップS1101)、読み出し信号♯REb
の立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマン
ドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッフ
ァレジスタ403から読み出される(タイミングtb5〜tb6,図15中のステップS
1102)。
コマンドの1バイト目の読み出しが完了すると、受信バッファレジスタ403はシリア
ル管理部404によってクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タ
イミングtb6)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタへとコ
マンドの2バイト目が受け渡されると、受信出た有り信号DFbはハイレベルとなる(タ
イミングtb7)。その後、コマンドの1バイト目と同様にして、受信バッファレジスタ
403からコマンドの2バイト目が読み出される(タイミングtb8〜tb9,図15中
のステップS1103)。なお、説明の便宜上、図16では、コマンドの1バイト目と2
バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと
比べ縮小されているが、実際には、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送
時間は、CPU333の演算処理時間に比べて相当の時間を要する。したがって、図15
に示したコマンド受信処理は、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込
み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2
バイトのコマンドが受信される。本実施形態の払出制御基板197は、主制御基板131
からコマンドを受信してから所定の期間の間に、主制御基板131に対してACK信号を
送信する。
なお、本実施形態では、シリアルIFチップ398のサンプリングタイミングは、転送
レート(1200bps)の16倍である19.2キロヘルツ(kHz)に設定されてい
る。本実施形態では、シリアルIFチップ398は、スタートビット,コマンドの各デー
タビット,ストップビットのビット毎に、それぞれ3回のサンプリングを行い、この3回
のサンプリングで検出された値を多数決判定することによって、コマンド受信の信頼性の
向上を図っている。
なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は
、CPU333に代えて演算処理部390、受信シフトレジスタ402に代えて受信シフ
トレジスタ395、受信バッファレジスタ403に代えて受信バッファレジスタ396が
、それぞれ上述した払出制御基板197の場合と同様の動作を行うことによって実現され
る。
上記の構成により、主制御基板131のCPU314が1回の定時割り込み処理内を行
う間に、シリアルIF部391がシリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアルI
F部391の送信バッファレジスタ393,送信シフトレジスタ394に格納することが
でき、主制御基板131のCPU314がコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮す
ることができる。その結果、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主
制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。したがっ
て、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することが
できる。
ところで、上記の払出制御基板197では、CPU333,シリアルIFチップ398
及びパラレルIFチップ399を備えたものを示したが、以下に示すような構成としても
良い。具体的には、図17に示すような、払出制御基板197に、払出制御基板197に
おける種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信およ
びパラレル通信を行う回路が形成されたシリパラIFチップ405とを備えるものとする
ことができる。このシリパラIFチップ405には、主制御基板131のパラレルIF部
392とパラレル通信をするパラレルIF部406が備えられている。なお、図17は、
図12に示すものとは異なる主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成
の詳細を示すブロック図である。また、上記以外の構成については、図12に示したもの
と同様の構成であり、同一の符号を付してある。
図17に示す払出制御基板197のシリアル管理部407は、図12に示すシリアル管
理部404とは異なるものとされている。このシリアル管理部407は、シリアル管理部
407は、受信バッファレジスタ403のデータがCPU333からの読み出しによって
消去される図13に示すシリアル管理部404とは異なり、CPU333からのバッファ
クリア信号#CBbに基づいて、受信バッファレジスタ403からデータを消去する。
(図17における主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明
する。図18は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示
すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御す
る処理の一環として、図18に示したコマンド送信処理を所定のタイミングで繰り返し実
行する。
演算処理部390は、図18に示したコマンド送信処理を開始すると、ジョブフラグF
jの値を判断する(ステップS1201)。ジョブフラグFjは、コマンド送信処理にお
ける状態を示すフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「ジョブフラグFj=0」の場合には、払出制御基板197に対するコマンドの出力す
るためのコマンド出力処理を実行し(ステップS1202)、「ジョブフラグFj=1」
の場合には、払出制御基板197からのACK信号を確認するためのACK待ち処理を実
行する(ステップS1203)。コマンド出力処理(ステップS1202)、または、A
CK待ち処理(ステップS1203)を終了した後、コマンド送信処理を終了する。なお
、コマンド出力処理(ステップS1202),ACK待ち処理(ステップS1203)の
詳細については後述する。
図18に示したコマンド送信処理におけるコマンド出力処理(図18中のステップS1
202)の詳細について説明する。図19は、コマンド出力処理(図18中のステップS
1202)を示すフローチャートである。演算処理部390は。図19に示すコマンド出
力処理を開始すると、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送
中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393に
データが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でな
い場合」であるか否かを判断する(ステップS1301)。「送信バッファ空き信号TE
aがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップ
S1301)には、「チェックフラグFc=1」であるか否かを判断する(ステップS1
302)。チェックフラグFcは、払出制御基板197からのACK信号が確認できない
場合に、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するためのフラグであり、演
算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「チェックフラグFc=1」でない場合であって(ステップS1302)、遊技球の入
賞口への入賞がある場合には(ステップS1303)、払出制御基板197に所定の個数
の賞品球の払い出しを指示する入賞コマンドの1バイト目を生成する(ステップS130
4)。
一方、「チェックフラグFc=1」である場合には(ステップS1302)、チェック
フラグFcを「0」に設定し(ステップS1305)、払出制御基板197に対して動作
状態の報告を指示するチェックコマンドの1バイト目を生成する(ステップS1306)
。なお、主制御基板131は、払出制御基板197からの動作状態の報告を、払出制御基
板197から主制御基板131に対するコマンドの形態で受け取る。
入賞コマンドまたはチェックコマンドの1バイト目を生成した後(ステップS1304
,S1306)、生成した1バイト目の各ビットを反転して、すなわち、1バイト目のビ
ットのうち、「0」であるビットを「1」とし、「1」であるビットを「0」として、コ
マンドの2バイト目を生成する(ステップS1307)。本実施形態では、コマンドの1
バイト目は、コマンドとしての実質的な意味を持つデータであり、コマンドの2バイト目
は、払出制御基板197側でコマンドの正誤を判断するためのデータである。
コマンドの2バイト目を生成した後(ステップS1307)、生成したコマンドを送信
する(ステップS1308〜S1310)。この処理(ステップS1308〜S1310
)は、図13に示したコマンド送信処理における処理(ステップS1003〜S1005
)と同様である。コマンドを送信した後(ステップS1308〜S1310)、ジョブフ
ラグFjを「1」に設定し(ステップS1311)、コマンド出力処理を終了する。
コマンド出力処理においてコマンドの送信が実行される際(ステップS1308〜S1
310)の主制御基板131における各信号の様子は、図14に示した主制御基板131
における各信号の様子と同様である。
図18に示したコマンド送信処理におけるACK待ち処理(図18中のステップS12
03)の詳細について説明する。図20は、ACK待ち処理(図17中のステップS12
03)を示すフローチャートである。演算処理部390は、図20に示すACK待ち処理
を開始すると、払出制御基板197からACK信号を検出したか否かを判断する(ステッ
プS1401)。ACK信号を検出した場合には(ステップS1401)、ジョブフラグ
Fjを「0」に設定し(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
一方、ACK信号を検出しない場合には(ステップS1401)、コマンドの送信(図
19中のステップS1308〜S1310)を終えてから所定の時間が経過したか否かを
判断する(ステップS1403)。この所定の時間は、払出制御基板197からのACK
信号の返答を待つ時間であり、本実施形態では、100msに設定されている。所定の時
間が経過していない場合には(ステップS1403)、そのままACK待ち処理を終了し
、所定の時間が経過した場合には(ステップS1403)、チェックフラグFcを「1」
に設定し(ステップS1404)、ジョブフラグFjを「0」に設定した後(ステップS
1402)、ACK待ち処理を終了する。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイト
のコマンドが送信される。なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払
出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジ
スタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送
信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行
うことによって実現される。
(図17における払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明す
る。図21は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフ
ローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御す
る一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図21に示したコマン
ド受信処理を実行する。なお、図21に示したコマンド受信処理は、図15に示したコマ
ンド受信処理と同様に、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理
の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイ
レベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されて
いる場合」であるか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である
と判断される場合(ステップS1501)には、主制御基板131から払出制御基板19
7に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファ
レジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1501)には、
受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出した後(ス
テップS1502)、再び受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バ
イト目を読み出す(ステップS1503)。その後、1回目に読み出したコマンドの1バ
イト目と、2回目に読み出したコマンドの1バイト目とを照合して(ステップS1504
)、両者が一致するか否かを判断する(ステップS1505)。
読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致する場合には(ステップS
1505)、バッファクリア信号♯CBbを立ち下げることによって受信バッファレジス
タ403に記憶されたコマンドの1バイト目をクリアする(ステップS1506)。これ
によって、受信シフトレジスタ402に記憶されていたコマンドの2バイト目が、受信バ
ッファレジスタ403に受け渡される。
受信バッファレジスタ403をクリアした後(ステップS1506)、受信バッファレ
ジスタ403に記憶されているコマンドの2バイト目を、コマンドの1バイト目と同様に
、2回の読み出しの後に照合を行い(ステップS1507,S1508,S1509)、
1回目と2回目とが一致する場合には(ステップS1510)、受信バッファレジスタ4
03に記憶されたコマンドの2バイト目をクリアする(ステップS1511)。
その後、読み出したコマンドの1バイト目と、読み出したコマンドの2バイト日とを照
合して(ステップS1512)、両者が整合するか否かを判断する(ステップS1513
)。なお、前述したように、コマンドの2バイト目は、主制御基板131がコマンドの1
バイト目の各ビットを反転して生成したデータである。
読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合する場合には(ステップS15
13)、主制御基板131に対してACK信号を送信して(ステップS1514)、コマ
ンド送信処理を終了する。
一方、読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致しない場合や(ステ
ップS1505)、読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合しない場合に
は(ステップS1513)、次回のコマンド受信に備えるために、受信シフトレジスタ4
02および受信バッファレジスタ403をクリアして(ステップS1515)、コマンド
送信処理を終了する。
図22は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様
子を示すタイムチャートである。なお、説明の便宜上、図22では、コマンドの1バイト
目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケ
ールと比べ縮小されている。
図21に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」で
あると判断されると(図21中のステップS1501)、読み出し信号#REbの立ち下
がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バ
イト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジス
タ403から読み出される(タイミングtb11〜tb12,図21中のステップS15
02)。その後、さらにコマンドの1バイト目が、1回目と同様にして読み出される(タ
イミングtb13〜tb14,図21中のステップS1503)。
コマンドの1バイト目の2回の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの
立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DF
bはローレベルとなる(タイミングtb15,図21中のステップS1506)。その後
、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタヘとコマンドの2バイト目が受け
渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb16)。
その後、コマンドの2バイト目が、コマンドの1バイト目と同様にして受信バッファレ
ジスタ403から読み出される(タイミングtb21〜tb24,図21中のステップS
1507,S1508)。コマンドの2バイト目の読み出しが完了した後、バッファクリ
ア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信デ
ータ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb25,図21中のステップS1
511)。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2
バイトのコマンドが受信される。なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信
する主制御基板131の動作は、第一の実施例と同様である。
以上、図17から図22に示した構成によれば、主制御基板131における他の制御処
理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制するこ
とができる。更に、払出制御基板197のCPU333側の都合に応じて受信バッファレ
ジスタ403に記憶されているコマンドの消去を行うことができるため、2バイト単位で
1バイト毎にシリアル転送されるコマンドに対して、CPU333による2バイト単位で
の取り扱いの容易化を図ることができる。
また、払出制御基板197は、コマンドを重複して読み取り、重複して読み取ったコマ
ンドを照合するため(図21中のステップS1502〜S1505)、受信バッファレジ
スタ403からCPU333へのコマンドの受け渡しの際に、ノイズなどの影響によって
書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止する
ことができる。
また、主制御基板131は、コマンドの1バイト目を反転して2バイト目を生成し(図
19中のステップS1307)、払出制御基板197は、コマンドの1バイト目と2バイ
ト目とを照合するため(図21中のステップS1512〜S1513)、主制御基板13
1から払出制御基板197へのコマンド転送の際に、ノイズなどの影響によって書き換え
られてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することがで
きる。
また、コマンドを受け取った払出制御基板197は、主制御基板131に対してACK
信号を送信するため、主制御基板131は、コマンドが正常に転送されたか否かを確認す
ることができる。さらに、主制御基板131は、払出制御基板197からのACK信号の
返答がない場合に、払出制御基板197に対してチェックコマンドを送信するため、コマ
ンドが正常に転送されなかった理由が払出制御基板197における異常動作に基づくもの
であるか否かを判断することができる。
なお、上記図12から図22に示した構成は、サブ統合基板336や電飾制御基板33
7,338および波形制御基板339などの基板に適用可能であり、或いは、主制御基板
131とサブ統合基板336との間のコマンド転送に適用しても良い。主制御基板131
からサブ統合基板336に対するコマンドとしては、演出表示装置115における表示画
像の演出内容を指示する演出コマンドがある。
また、送信側CPUが生成する2バイト以上のコマンドは、偶数バイトであることとし
ても良い。これによって、送信側CPUからシリアル通信ユニットに対する1回の定時割
込処理あたり2バイト分のコマンドの格納を効率良く実行することができる。例えば、主
制御基板131は、演出指示を規定した3バイトの指示コマンドと、この指示コマンドの
チェックサムを算出した1バイトのチェックコマンドとから成る計4バイトのコマンドを
一群のコマンドとして生成し、4バイトの一群のコマンドを2回分に分けて、2回の定時
割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
また、主制御基板131は、3バイトの指示コマンドと、1バイトのチェックコマンド
との各ビットを反転させた4バイトの反転コマンドも併せて、計8バイトのコマンドを一
群のコマンドとして生成し、8バイトの一群のコマンドを4回に分けて、4回の定時割り
込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明
する。
[役物用入賞口の始動入賞処理について] 図23に基づき説明する。
図23は役物用入賞口の始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS16
01)。具体的には、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97に遊技球が入球する
ことで、第一始動入賞口96、第二始動入賞口97に夫々対応する第一始動口センサ31
8a、第二始動口センサ318bが検出信号を出力し、その検出信号が入力されると、始
動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断され
る。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS1601においてYES)、次に遊技球
を検出した始動口センサ318に応じて役物用入賞口92を所定回数開閉動作させる開閉
処理が行われる(ステップS1602)。具体的には、第一始動口センサ318aにおい
て遊技球を検出した場合は役物用入賞口92を開閉するソレノイド331により役物用入
賞口92を所定時間一回だけ開閉する。一方、第二始動口センサ318bにおいて遊技球
を検出した場合はソレノイド331により役物用入賞口92を所定時間間隔で二回だけ開
閉する。そして、役物用入賞口92が所定回数開閉されると、開閉処理を終えて本ルーチ
ンがリターンされる。
[大当り処理について] 図24に基づき説明する。
図24は大当り処理の内容を示している。
遊技球が役物91内部の大当り受入口93に入球して大当り入賞センサ330により検
出されると、内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行される。先ず主制御基板13
1において乱数を発生させると共に、発生した乱数によって大当り遊技のラウンド回数で
ある設定最大継続回数が設定される(ステップS1701)。本実施形態では、ラウンド
回数が、2回、8回、16回の何れかから乱数によって設定される。具体的には、2回、
8回、16回の夫々のラウンド回数が選択される割合が、例えば、2回が「1/4」、8
回が「1/4」、16回が「1/2」となるように割り振られた適宜の選択テーブルを用
いて、乱数に応じたラウンド回数が設定される。
ステップS1701において設定最大継続回数が設定されると、続いて所定のラウンド
カウンタが初期化(例えばラウンドカウンタの数値=2)される(ステップS1702)
。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウン
ドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数
をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了と
なる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセット
され(ステップS1703)、続いて役物用入賞口92が所定時間間隔で開閉動作が開始
される(ステップS1704)。そして、次のステップS1705では役物用入賞口92
の開閉回数が設定最大回数(例えば18回)以内であるか否かが判断される。開閉回数が
設定最大回数内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが
判断される(ステップS1706)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ
(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断
される(ステップS1707)。役物用入賞口92への入賞によりカウントセンサがON
になると(YES)、次のステップS1708で入賞球数カウンタに「1」が加算され、
再度ステップS1604の判断が行われる。あるいは、ステップS1707で大入賞口へ
の入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが
加算されることなくステップS1705の判断が行われる。
1回のラウンド動作中において、役物用入賞口92の開閉が設定最大回数である18回
に達するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると
1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS17
05またはステップS1706の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために
役物用入賞口92の開閉動作が停止(ステップS1709)される。そして、次のステッ
プS1710でラウンドカウンタの値が、2ラウンド、8ラウンドまたは16ラウンドの
中から選択されて設定された設定最大継続回数に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達していなければ(ステップS1710に
おいてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS1711)されて
入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS1703)。
なお、本例では、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97への遊技球の入球に応
じて行われる役物用入賞口92の1回または2回の開閉動作を第1ラウンドとしてラウン
ド回数を算定しているため、上記の処理は、第2ラウンド以降の1回のラウンド動作の処
理に相当する内容である。そして、第2ラウンド以降においては、ラウンド動作が繰り返
されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達したと判断されると(ステップS1
710においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[役物の構成について]
次に本実施形態における役物91の具体的な構成について図25乃至図27を基に詳細
に説明する。図25は本実施形態における役物の一例を示す正面図であり、図26は図2
5に示す役物を右上前方から示す斜視図である。また、図27(A)は役物用入賞口を拡
大して示す正面図であり、(B)は役物用入賞口の可動片をその動きと共に示す説明図で
ある。
本実施形態の役物91は、その内部に遊技球が進入可能な役物用入賞口92と、役物用
入賞口92に入球した遊技球を、所定の通路上を転動演出させた後に二方のうちの何れか
一方に放出することの可能な第一転動演出装置95と、第一転動演出装置95の一方の放
出側(図25中左側)に配置され遊技球を押打可能な第二転動演出装置100と、第一転
動演出装置95の他方の放出側(図25中右側)に配置され回転することで遊技球を大当
り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに導く第三転動演出装置101と、第一転動
演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転
動演出装置101に案内する第四転動演出装置102と、第一転動演出装置95の左右に
配置され放出された遊技球の流れを夫々整流する第一整流手段500a及び第二整流手段
500bと、役物91の上方から流下する遊技球を第一転動演出装置95及び第四転動演
出装置102と当接しないように役物91の下流に導くワープ通路510とを備えている
この役物91は、図3にも示すように、遊技領域の比較的広い範囲内を占めるような大
きさとされており、一目で認識できるものとなっている。これにより、本例のパチンコ機
1を容易に識別することができると共に、遊技者の関心を引き付け易いようになっている
(役物用入賞口について)
役物用入賞口92は、役物91の中央かつ上縁部近傍に配置され大きく口を開けたキャ
ラクタ体455の口とされており、これにより、遊技球がキャラクタ体455に飲み込ま
れるような雰囲気を醸し出すことが可能となり、遊技の面白味を高める効果が期待できる
ようになっている。
この役物用入賞口92は、キャラクタ体455の口の左右両側に配置された左右一対の
可動片456(羽根部材)と、一対の可動片456の間に配置され遊技球を役物内部へと
導くための球入口457と、球入口457を通過した遊技球を検出する遊技球検出センサ
としてのカウントセンサ319と、カウントセンサ319を通過した遊技球を第一転動演
出装置95に受け渡す受渡口458とを備えている。
一対の可動片456は、役物91の裏面に配置されたソレノイド331が駆動されるこ
とで、そのプランジャ(図示しない)が直線運動し、その直線運動がリンク機構470を
介して駆動軸471を回動運動させることで可動片456が回動するようになっている(
図26参照)。この一対の可動片456は、その先端を互いに離反する方向に回動させる
ことで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球可能となり、また、その先端を互い
に接近する方向に回動させることで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球不能と
なるようになっている(図27(A)参照)。つまり、一対の可動片456を回動させる
ことで、役物用入賞口92が開閉可能とされている。なお、本例では、一対の可動片45
6は、夫々別々のソレノイド331により駆動されるようになっている。
この可動片456について図27を基に更に詳しく説明する。図27(A)は本実施形
態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。同図
(B)に示すように、この可動片456は、ソレノイド331の駆動により回動駆動され
る駆動軸471を有し駆動軸471を回転中心として回動する主可動片472と、主可動
片472の駆動軸471とは異なる位置に回動軸473を有すると共に主可動片472の
回動に伴って回動軸473を回転中心として回動する副可動片474とを備えている。つ
まり、この可動片456は、主可動片472が駆動軸471を、副可動片474が回動軸
473を夫々中心として回動可能とされている。
主可動片472は、駆動軸471と共に回動し所定方向に延出する回動延出部475と
、回動延出部475の先端に備えられ遊技球を誘導する誘導部476と、回動延出部47
5の所定位置に設けられ副可動片474のガイド部477に係合する被ガイド部478と
を備えている。
一方、副可動片474は、回動軸473の他に、主可動片472の被ガイド部478と
係合すると共に被ガイド部478を回動軸473の半径方向にガイド可能なガイド部47
7と、ガイド部477のガイド方向と略平行とされ遊技球を誘導するための誘導面479
とを更に備えている。
なお、この可動片456では、回動軸473、ガイド部477および被ガイド部478
が夫々駆動軸471よりも上方に配置されると共に、駆動軸471を中心とした主可動片
472の回転半径が、回動軸を中心とした副可動片474の回転半径よりも大とされてい
る。
続いて、可動片456の動作について詳細に説明する。この可動片456は、同図(B
)において鎖線(一点および二点鎖線)で示すように、役物用入賞口92を閉鎖する位置
(第一姿勢)にある場合、主可動片472の被ガイド部478は副可動片474のガイド
部477の回動軸473に接近する端部に位置している。この状態では、図示するように
、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面479上に大きく重なるよう
に位置している。また、図示は省略するが、この状態では、ソレノイド331のプランジ
ャが没入端に位置した状態となっている。
この状態から可動片456を、ソレノイド331の駆動によって駆動軸471を回動(
図中反時計回り)させ、図中実線で示すように、役物用入賞口92を開放する位置(第二
姿勢)に回動させた場合、駆動軸471の回動により主可動片475が回動すると、被ガ
イド部478がガイド部477を介して副可動片474を回転方向に押し、これによって
副可動片474が主可動片472と同じ方向に回動する。
その際に、主可動片472の被ガイド部478は、副可動片474のガイド部477内
を回動軸473から遠ざかる方向に移動する。そして、これら主可動片472及び副可動
片477が共に同図において実線で示す位置まで回動すると、ソレノイド331のプラン
ジャの伸長端に達し、回動駆動が停止され、可動片456の回動動作が停止する。この状
態では、図示するように、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面47
9上に重なる部分が少なくなり、誘導部476が誘導面479よりも外側に飛出した位置
となる。
このように、この可動片456は、開閉動作させることで、主可動片472の誘導部4
76が副可動片474のガイド部477に沿って相対移動し、可動片456を開くと、誘
導部476が副可動片474の誘導面479の先端よりも外側に突出した位置に移動する
ので、可動片456自体が長くなったように見える。しかしながら、可動片456の回転
中心である駆動軸471を中心として最も外側端部までの長さ、換言すれば、主可動片4
72自体の長さは、変化しないので、現実には可動片456の長さは変化していない。つ
まり、回動させることで誘導部476と誘導面479との位置が変化するようにすること
で、あたかも可動片456の長さが変化したような錯覚を遊技者に与えることができるよ
うになっている。
これにより、可動片456が開動作した時に、可動片456が長くなったように錯覚さ
せることができるので、遊技球が役物用入賞口92に入賞し易いものと思わせることが可
能となり、数ある遊技機の中から取り分け本実施形態のパチンコ機1で遊技したいと思わ
せることができると共に、入賞への期待感が高められ興趣を高めることができる。なお、
実際には、開放された一対の可動片456の開口幅は変化しないので、見た目よりは入賞
する割合は増加せず必要以上に興趣が高くなるのを抑制すると共に、ホール側の負担が増
加するのを抑制することができるようになっている。
なお、上記の可動片456では、ソレノイド331におけるプランジャの没入端と伸長
端とによって、駆動軸471の回動端つまり可動片456の回動端が規制されたものを示
したが、被ガイド部478は、ガイド部477の両端部に当接することで可動片456の
回動端が規制されるものとしても良いし、プランジャ及びガイド部477の両方により回
動端が規制されるものであっても良い。
(第一転動演出装置について)
次に、第一転動演出装置95について、図28乃至図33に基づいて詳細に説明する。
図28は、第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。図29は、第一転動演出装
置の構成を示す斜視図である。図30は、第一転動演出装置における回動駆動手段の分解
斜視図である。図31は、第一転動演出装置の動作を示す説明図である。図32は、第一
転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。図33は、第一転動演出装置
におけるモータの動作を示すタイムチャートである。
この第一転動演出装置95は、図25、図26及び図28乃至図30に示すように、左
右方向に延び上面に遊技球が転動可能な転動面490を有した長尺状のガイド部材491
と、ガイド部材491を回動可能に支持する回動支持軸492と、ガイド部材491を回
動駆動させる回動駆動手段493と、ガイド部材491の回動状況を検出する回動検出セ
ンサ494とを備えている。
ガイド部材491は、転動面490から遊技球が前側(遊技機に対して遊技者側)に落
下するのを防止する堰部495が転動面490の略全長に亘って設けられている。また、
転動面490はその前側が低くなるように前後方向において傾斜しており、これにより、
転動面490上に投入された遊技球Bが堰部495に沿って転動すると共に、ガイド部材
491の後側に配置された受渡口458などに遊技球Bが当接するのを防止するようにな
っている。
回動駆動手段493は、モータ332と、モータ332の回転駆動を往復駆動に変換し
てガイド部材491に伝達する伝達機構480とから構成されている。この伝達機構48
0は、モータ332の回転軸に固定された第一ギア481と、第一ギア481と噛合して
回転する第二ギア482と、第二ギア482と一体に形成され第二ギア482の回転軸芯
に対して偏芯した位置に配置されたクランクピン483と、クランクピン483を略水平
方向で直線状に滑動可能に保持しクランクピン483の公転により略垂直方向で直線状に
往復移動可能とされた往復部材484と、往復部材484を略垂直方向で直線状に滑動可
能に支持する滑動支持部材485と、これらモータ332、第一ギア481、第二ギア4
82、往復部材484、滑動支持部材485等を所定位置に保持するためのケーシング4
86とから構成されている。
往復部材485は、クランクピン483を略水平方向に滑動可能に保持し長穴状に形成
されたクランクピン保持溝487と、滑動支持部材485と滑動可能に連結される滑動連
結部488と、外方に突設されガイド部材491へ往復駆動を伝達するための伝達部48
9とを備えている。
滑動支持部材485は、金属(例えば、鉄、真鍮、アルミ等)製の円柱棒状の部材とさ
れており、その表面には摩擦低減層496が形成されている(図29参照)。この摩擦低
減層496は、本例では、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,
(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、往復部材
485の滑動連結部488との滑動による摩擦が低減され、長期に亘って良好な滑動が得
られるようになっている。
ガイド部材491の両端後面側には、後方に突出するピン497が夫々設けられており
、回動駆動手段498は、その往復部材485の伝達部489が、ガイド部材491の図
中左側のピン497を下側から受けるように当接する位置に配置されている。このガイド
部材491における伝達部489と当接するピン497は、バネ(コイルバネ)498に
より下方に付勢されている(図29参照)。つまり、伝達部489とピン497とが互い
に接近する方向にバネ498により付勢されている。
バネ498の付勢力は、ガイド部材491のピン497、伝達部489を介して往復部
材485へと伝達され、往復部材485の滑動連結部488から滑動支持部材485を変
形させるような力として作用するが、滑動支持部材485が金属製とされているので、十
分な強度剛性を有しており、滑動支持部材485が変形して往復部材485の滑動を妨げ
ることを防止するようになっている。
本例では、モータ332を所定方向に回転させることで、ガイド部材491は、伝達機
構480を介して、回動支持軸492周りをシーソーのように回動して往復動作するよう
になっている。なお、本例では、モータ332を一回転させると、ガイド部材491が、
二往復シーソーのように回動するようになっている。また、モータ332の軸芯方向がガ
イド部材491の延びる方向(左右方向)と略同じ方向とされており、これにより、ガイ
ド部材491の後方、つまり、パチンコ機1の裏面での突出量が抑制されている。
一方、ガイド部材491における回動駆動手段493が配置された側とは反対側(図中
右側)の端部に設けられたピン497は、回動検出センサ494により検出可能な回動検
出部499を支持している(図29参照)。この回動検出センサ494は、図28に示す
ように、ガイド部材491が略水平位置となると回動検出部499を検出するような位置
に配置されており、本例では、回動検出部499は、回動検出センサ494が水平よりも
上側にあると検出状態となり、水平よりも下側にあると非検出状態となるようになってい
る。
続いて、第一転動演出装置95における、遊技球Bの動作について図32を基に詳細に
説明する。なお、便宜上、反時計回りの回転を正とし、時計回りの回転を負として説明す
る。ガイド部材491は、モータ332の回転により、所定周期でシーソーのように回動
を繰り返しており、その状態で、ガイド部材491の転動面上に遊技球Bが供給される。
この時、例えばガイド部材491が同図(ア)に示すように、図中右側が低くなるように
傾斜している場合、ガイド部材491上に供給された遊技球Bは、重力によりガイド部材
491の右側端部の方向に転動する。その後、ガイド部材491が正の方向に回動してそ
の右側端部が回動支持軸492よりも高くなると、遊技球Bはその転動する方向を折り返
して、回動支持軸492の方向に転動する(同図(イ)参照)。なお、遊技球Bには、そ
の転動する方向に慣性力が働くので、ガイド部材491の傾斜方向が変わっても、その遊
技球Bの転動方向はすぐには変わらない。
そして、遊技球Bが回動支持軸492に到達する前に、ガイド部材491が負の方向に
回動して右側端部が回動支持軸492よりも低くなると、遊技球Bは再び転動する方向を
折り返して、ガイド部材491の右側端部の方向へ転動する(同図(ウ)参照)。その後
、ガイド部材491が正の方向に回動してその右側端部が回動支持軸492よりも高くな
ると、再度転動する方向を折り返して、遊技球Bが再び回動支持軸492の方向へ転動す
る(同図(エ)参照)。この時、遊技球Bの転動の折り返し位置は、前回の折り返し位置
よりも、ガイド部材491の右側端部に近い位置となる。これは、遊技球Bがガイド部材
491の回動と共に回動支持軸492を中心として回動するので、遊技球Bには、回動支
持軸492から遠ざかる方向に遠心力が作用しており、これによって、遊技球Bが回動支
持軸492の方向へ移動する距離よりも、ガイド部材491の端部の方向へ移動する距離
の方が長くなるためである。
上記のように、ガイド部材491がシーソーのように回動することで、ガイド部材49
1上の遊技球Bが揺動すると共に、徐々にガイド部材491の端部へと移動し、やがてガ
イド部材491の端部から放出される(同図(キ)参照)。なお、遊技球Bが放出される
過程において、同図(オ)及び(カ)に示すように、ガイド部材491の右側端部の近傍
まで転動した遊技球Bが、回動支持軸492の方向へ折り返すような場合もあり、この遊
技球Bが放出されそうでされないような動きにより、遊技者に、ハラハラ、ドキドキさせ
て抑揚に富んだ演出が可能となっている。なお、上記では、ガイド部材491の回動支持
軸492よりも右側における遊技球Bの動きを示したが、回動支持軸492よりも左側に
おいても遊技球Bは同様の動きをするものである。
ところで、本例では、モータ332の回転が、図33に示すように、所定の周期で停止
するようになっている。具体的には、回動検出センサ494により回動検出部499を所
定回数(ここでは4回)検出する毎に、その検出から所定時間後に、モータ332を所定
時間停止させることで、ガイド部材491が、右側端部が高くなった位置で所定時間停止
するようになっている(図31(A)参照)。これにより、図32(カ)に示すように、
回動支持軸492の右側で揺動する遊技球Bを、回動支持軸492の左側へ移動させ、そ
の左側において遊技球Bを揺動させて、ガイド部材491の左側端部から遊技球Bを放出
させることができる。
なお、この第一転動演出装置95では、ガイド部材491の長さ、回動角度、回動速度
は、ガイド部材491上に供給される遊技球Bの移動速度、移動方向、等が所定の条件を
満たす時に、ガイド部材491上を遊技球Bが揺動するようにしており、その条件以外で
遊技球Bが供給されると、ガイド部材491上を揺動することなく、何れかから放出され
る。
また、上記のモータ332の回転制御は、主基板310における主制御基板131のC
PU314において、所定のプログラムを実行することで機能する転動演出制御手段によ
って制御されている。
(第二転動演出装置について)
次に、第二転動演出装置100について、図34乃至図38に基づいて詳細に説明する
。図34(A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は、第二転動演出
装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。図35は、第二転動演出装置に
おける可動演出の状況を示す正面図である。図36は、図34(A)に示す第二転動演出
装置の分解斜視図である。図37は(A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示
す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。図38(A)〜
(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。
この第二転動演出装置100は、図示するように、役物91において、ガイド部材49
1の左側に配置されている。つまり、遊技球が打ち込まれる遊技領域において、その左右
方向の中心に対して左側に配置されている。この第二転動演出装置100は、遊技球Bと
当接することで遊技球Bを左右方向へ押打可能な押打部531と、押打部531が遊技球
Bを押打するように押打部531を移動させる押打部駆動手段532とを備えている。ま
た、第二転動演出装置100には、上記のキャラクタ体455とは異なる態様のキャラク
タ体533を更に備えており、このキャラクタ体533の足534が押打部531とされ
ている。また、第二転動演出装置100には、キャラクタ体533の腕541と顔542
を可動させて所定の演出動作させる可動演出手段543を更に備えている。
押打部駆動手段532は、押打部531を回動可能に支持すると共に回動駆動させるた
めの回動軸535と、回動軸535に固定された第一ギア536と、第一ギア536と噛
合する扇状の第二ギア537と、第二ギア537の回転中心から所定距離離れた位置に配
置されたクランクピン538と、クランクピン538を摺動可能に保持するクランクピン
ホルダ539と、クランクピンホルダ539をプランジャ540の出没(進退)により所
定方向に移動させる押打用ソレノイド325とを備えている。
また、押打部駆動手段532は、回動軸535と第一ギア536との間に所定回転角度
の遊嵌を有した回転伝達継手525を備えている。この回転伝達継手525は、回動軸5
35側に固定され第一ギア536側へ突出する二つの突起526を有した第一回転板52
7と、第一ギア536と一体回転し第一回転板の突起526と係合可能な溝528を有し
た第二回転板529とから構成されている。この第一回転板527の突起526と第二回
転板529の溝528とを互いに係合させることで回転が伝達されるようになっている。
また、突起526の幅に対して溝528の幅が所定量大きくされており、これにより、回
転方向に対して所定の遊嵌を有した状態となっている(図34及び図36参照)。
更に、押打部駆動手段532は、回転伝達継手525における第一回転板527の外周
に所定重量の錘530が取付けられており、この錘530に作用する重力によって、第一
回転板527を所定方向に回転(回動)するように付勢している。具体的には、図37(
A)に示すように、押打部531が図中実線で示す位置に位置するときは、反時計回りの
方向にその付勢力が作用すると共に、押打部531が図中破線で示す位置に位置するとき
は、時計回りの方向に付勢力が作用するようになっている。なお、押打部531が回動軸
535の軸心よりも偏芯した位置に位置しているので、錘530の重量を適宜設定するこ
とで、偏芯した押打部531により回動軸535にかかるモーメントを少なくなるように
しても良く、これにより、押打用ソレノイド325の駆動力を少なくすることができ、押
打用ソレノイド325を小型化することができる。
この押打部駆動手段532は、押打用ソレノイド325によりプランジャ540を出没
させることで、回動軸535を回動させて、キャラクタ体533の足534と共に押打部
531を回動させて移動させるものである。なお、本例では、プランジャ540が押打用
ソレノイド325に没入すると足534が上がり、プランジャ540を進出させると足5
34が下がるようになっている。
ところで、図35に示すように、役物91には、第二転動演出装置100の下側に、遊
技球Bを転動可能で上方に開放された円弧状の受部105が設けられており、その受部1
05の底部にハズレ受入口94が開口している。この受部105の半径は、押打部531
の回動中心と略同心上にその中心が配置されると共に、押打部531の回動により描かれ
るその先端の軌跡よりも若干大きい半径とされている。そして、受部105の図中右側端
部は、押打部531が最も上昇した位置よりも所定距離低い位置とされ、後述の第四転動
演出手段102の上側端部(左側端部)と接続されている。
本例では、押打部531の移動範囲として、受部105と第四転動演出装置102との
境界部よりも下側を第一範囲と、受部105と第四転動演出装置102との境界部よりも
上側を第二範囲とするものである。詳しくは、図37(A)に示すように、図中破線と二
点鎖線とで示す押打部531の回動範囲が第一範囲とされ、二点鎖線と実線とで示す押打
部531の回動範囲が第二範囲とされている。そして、この押打部531の回動移動は、
第一範囲内においては、押打用ソレノイド325の駆動により回動移動し、第二範囲内に
おいては、回転伝達継手525における錘530の付勢力により回動移動するようになっ
ている。
可動演出手段543は、キャラクタ体533の腕(右腕)541がその肩を中心に回動
可能とされていると共に、顔(上顎から上の部分)542が上下方向にスライド可能とさ
れている。具体的には、腕541の裏側には、腕541がその一端(肩)を中心に回転可
能に支持するための支持ピン520と、支持ピン520から腕541の先端(手)方向へ
所定距離離れた位置に設けられたピン状の突起521とが夫々突設されており、腕541
の支持ピン520がキャラクタ体533の肩部に回転可能に支持されている。また、顔5
42の裏側にも、後方に突出する支持ピン522が設けられている。
また、可動演出手段543は、キャラクタ体533の後側に配置され、プランジャ54
4を出没可能に駆動する役物用ソレノイド362と、役物用ソレノイド362のプランジ
ャ544の出没量を増幅させるリンク機構545と、リンク機構545により上下方向に
移動するスライド板部材とを備えている(図34(A)及び図36参照)。
このスライド部材546には、キャラクタ体533の顔542に突設された支持ピン5
22を回転可能に軸支するための支持部523と、腕541の突起521に下方から当接
可能とされた突起当接部524とが形成されている。なお、スライド部材546の裏面(
キャラクタ体533とは反対側の面)には、リンク機構545と連結する連結部547が
設けられている。
この可動演出手段543は、役物用ソレノイド362によりスライド部材546が上昇
することで、顔542が上昇すると共に、スライド部材546の突起当接部が腕541の
突起と当接することで、腕541が図35中時計回りに回動するようになっている(図3
7(B)参照)。なお、顔542の支持ピン522がスライド部材546の支持部523
に軸支されているので、顔542が上昇した際に、その勢いにより顔542が支持部52
3の軸を中心に揺動するようになっている。
続いて、第二転動演出装置100の動作について説明する。この第二転動演出装置10
0は、役物用入賞口92のカウントセンサ319により遊技球Bが検出されると、押打用
ソレノイド325により、押打部531を、図25中二点鎖線で示す位置まで回動させて
、遊技球Bを押打することが可能となる。具体的には、カウントセンサ319により遊技
球Bが検出されてから所定時間後(例えば、0.5〜2.5秒後)に押打部531を回動
させる。これにより、役物用入賞口92に進入した遊技球Bが、ガイド部材491上を揺
動した上で第二転動演出手段100により押打可能な押打領域に到達する頃に、押打部5
31が回動するので、押打部531により遊技球Bを押打することができる。なお、実際
には、遊技球Bが第二転動演出装置100に到達する到達時間が区々となるので、押打部
531が作動するタイミングと、遊技球Bが到達するタイミングとが一致し難く、ガイド
部材491上を揺動する遊技球の動きに、一層、ハラハラ、ドキドキさせて興趣を高める
ことができる。
この第二転動演出装置100における押打部531の動きを更に詳細に説明すると、第
二転動演出装置100では、押打部531が回動移動するタイミングと、第一整流手段5
00aから遊技球Bが供給される(ガイド部材491から遊技球Bが放出される)タイミ
ングとによって、遊技球Bに様々な動きを付与することができるものである。具体的には
、押打部531が押打用ソレノイド325の駆動により、第一範囲の略上端部に到達した
タイミングで遊技球Bが供給されると、遊技球Bが押打部531と当接して第四転動演出
装置102へと押打される(図38(A)参照)。これにより、遊技球Bが押打されるの
で、インパクトのある動きを付与することができる。
一方、押打部531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達した
後に、更に、錘530の付勢力により第二範囲の上端付近に到達したタイミングで遊技球
Bが供給されると、押打部531と当接した遊技球Bの力が錘530による付勢力に抗し
て、押打部531を下側(第二範囲の下端)へ回動移動させると共に、遊技球Bが押打部
531と共に下降して第四転動演出装置102へと送られる(図38(B)参照)。これ
により、流下する遊技球Bを、一旦押打部531に受けるように当接させた上で下降させ
て送ることができるので、遊技球Bの動きにアクセントを付けて楽しませることができる
また、押打手段531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達す
る前に遊技球Bが供給された場合、第一整流手段500aから放出された遊技球Bが、役
物91の受部105と第四転動演出装置102との境界部を通過して、受部105に受け
られると共に、受部105に沿ってハズレ受入口94の方向へ転動し、その転動途中にお
いて、押打用ソレノイド325の駆動により図中反時計周りの方向へ回動移動する押打部
531と当接した上で、押打部531によって受部105に沿って上昇させられ、受部1
05の上端から第四転動演出装置102へと送られる(図38(C)参照)。これにより
、遊技球Bが第四転動演出装置102との境界付近を通過すると、第四転動演出装置10
2側に送られないような錯覚を起こし興趣が低下するが、通過しても押打部531と当接
することで境界付近まで上昇して第四転動演出装置102側に送られると興趣が高められ
、遊技者を一喜一憂させることが可能な遊技球Bの動きとすることができる。
なお、この第二転動演出装置100は、押打部531により押打した遊技球Bを、第四
転動演出装置102に送ると共に、押打されずに押打領域を通過した遊技球Bを、第二転
動演出装置100の下側に配置されたハズレ受入口94から、遊技領域外へ排出するよう
になっている。
また、上記の押打用ソレノイド325の駆動制御は、主基板310における主基板13
1のCPU314において、所定のプログラムを実行することで機能する当接部制御手段
によって制御されている。
ところで、第二転動演出装置100は、上述した遊技球Bの転動演出だけでなく、キャ
ラクタ体533を可動させることで、所定の可動演出をすることもできるものである。な
お、第二転動演出手段100の上流側に配置された第一整流手段500aには、その内部
を通過した遊技球Bを検出する遊技球センサ361が設けられており、この遊技球センサ
361は、周辺基板311(サブ統合基板336)に接続されている(図11参照)。こ
の第二転動演出装置100は、役物用入賞口92に進入した遊技球Bを検出するカウント
センサ319と、ガイド部材491の動作状況(回動状況)を検出する回動検出センサ4
94と、第一整流手段に設けられた遊技球センサ361との検出結果に応じて、所定の可
動演出をするようになっている。
具体的には、主基板310(主制御基板131)において、カウントセンサ319によ
り遊技球Bを検出したときに、回動検出センサ494によりガイド部材491の傾きが、
第二転動演出装置100側が低くなるような回動状況であると、遊技球が第二転動演出装
置100側に放出される可能性が高いことを示唆する制御コマンドを周辺基板311に送
信する。そして、周辺基板311では、上述の制御コマンドを受信した後に、所定時間内
に遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、役物用ソレノイド362を駆動し
て、可動演出手段543におけるキャラクタ体533の腕541を回動させると共に顔5
42を上昇させる。この可動演出手段543を可動させる所定時間(タイミング)は、上
述した、主基板310による押打部531の回動タイミングと略一致しており、これによ
り、キャラクタ体533は、図35(図37(B))に示すような手足を曲げ大きく口を
開けて頭(顔542)を揺らした独特のポーズをすることとなる。つまり、遊技球Bが、
押打部531により押打される可能性が極めて高いと、可動演出としてキャラクタ体53
3が独特のポーズをして、チャンスの到来を遊技者に示唆して興趣を高められるようにな
っている。なお、可動演出手段543の制御を周辺基板311によって行っているので、
キャラクタ体533を可動演出させても主基板310の負荷を抑制することができるよう
になっている。なお、周辺基板311には、上記の可動演出を制御するための可動演出制
御手段が備えられている。
なお、上記の役物用ソレノイド362の駆動制御は、周辺基板311におけるサブ統合
基板336のCPU350において、所定のプログラムを実行することで機能する可動演
出制御手段によって制御されている。
(第三転動演出装置について)
次に、第三転動演出装置101について、図39乃至図43に基づいて詳細に説明する
。図39(A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜
視図である。図40は、図39における第三転動演出装置の一部を示す分解斜視図である
。図41は、役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。図42は
、第三転動演出装置の動作を示す説明図である。図43は、第三演出装置の図42とは異
なる動作を示す説明図である。この第三転動演出装置101は、第一転動演出装置95又
は第二転動演出装置100から送られた遊技球Bを、大当り受入口93又はハズレ受入口
94の何れかに振り分けて導くものである。
この第三転動演出装置101は、遊技球Bを収容可能な複数の収容部550と、それら
収容部550を周方向に複数配置した回転体552と、回転体552を回転させることで
収容部550を移動させる移動手段551とを備えている。この移動手段551は、回転
体552を回転駆動させるための回転軸553と、回転軸553に固定され回転体552
の回転位置を検出するための回転検出部554と、回転軸553を回転駆動する回転体用
モータ326とを備えている。なお、本例では、回転体用モータ326から回転軸553
への回転伝達は、一組のギア555を介して伝達されるようになっている。また、本例で
は、収容部550が基本的に、その前方側と、回転体552の半径方向外側が開放された
形態とされている。
この第三転動演出装置101には、回転体552の後方側(遊技者が位置する側とは反
対側)に配置され、大当り受入口93を有し、大当り受入口93に入球した遊技球Bを大
当り入賞センサ330へ導く大当り誘導部556と、回転体552の外周を覆うと共にそ
の周方向の所定位置にハズレ受入口94を有し、ハズレ受入口94に入球した遊技球Bを
ハズレ入賞センサ329へ導くハズレ誘導部557とを更に備えている。なお、本例では
、ハズレ誘導部557は、ハズレ受入口94を有し回転体552の外周を覆ってその半径
方向外側が開放された収容部550から遊技球Bがその半径方向外側へ移動するのを阻止
する筒状部558と、ハズレ入賞センサ329へ遊技球Bを導く誘導部559とが、夫々
別部材により構成されている(図42及び図43参照)。
この第三転動演出装置101には、図40にも示すように、大当り誘導部556の更に
後方側に、回転体552側に種々の色の光を照射可能な図示しない発光手段(例えば、L
ED)が備えられた発光基板575を収納する発光収納部576と、発光収納部576の
後方側に配置され、回転軸553に固定された回転検出部554、一組のギア555、及
び、回転位置検出センサ321を収容すると共に、回転体用モータ326が取り付け可能
な駆動ケーシング部577とを更に備えている。
なお、本例では、回転位置検出センサ321がフォトセンサとされており、回転検出部
554により遮光されることで、ON・OFF信号を発信し、その信号の立ち上がり部又
は、立ち下がり部を観ることで回転体552の回転位置(例えば、後述の特定収容部55
0cの位置)を検出するようになっている。
大当り誘導部556及び発光収納部576は、複数のレンズが形成された板状の隔壁部
578a,578bが夫々形成されており、それら隔壁部578a,578bの間に遊技
球Bが転動可能な転動通路579が形成されている。この転動通路579は、大当り受入
口93と、大当り入賞センサ330とを連絡するものである。なお、大当り入賞センサ3
30は、図39(A)に示すように、大当り誘導部556と発光収納部576とにより挟
持されている。また、本例では、少なくとも、回転体552、大当り誘導部556、及び
発光収納部576が、透光性を有する素材により形成されている。
収容部550は、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる長さの短い第一
収容部550aと、第一収容部550aよりも、少なくとも遊技球Bの長さ分、回転体5
52の外周からその中心部に向かって延びる長さの長い第二収容部550bとからなって
おり、本例では、第一収容部550aと第二収容部550bとが、夫々四つずつ回転体5
52の周方向に交互に配置されている。
ところで、収容部550は、第二収容部550bの一つが、遊技球Bを大当り受入口9
3へと導く特定収容部550cとされており、この特定収容部550cは、回転体552
の前後方向に開放されると共に、半径方向には開放されていない形態とされている。換言
すれば、特定収容部550cは、回転体552の回転軸553の軸方向に遊技球を通過可
能な開口が形成されている。
なお、特定収容部550c以外の収容部550は、全て遊技球Bをハズレ受入口94へ
と導くものとされており、回転体552の回転軸553の半径方向に遊技球を通過可能な
開口が形成されている。
回転体552は、第一収容部550aよりも中心側の位置において、前方側に所定量突
出した突出部560が形成されており、この突出部560には、その半径方向の外側から
、回転体552の第二収容部550bと連続するような凹部567が設けられている。つ
まり、回転体552の突出部560には、第二収容部550bが備えられている。なお、
本例では、図39(B)に示すように、回転体552の突出部560は、特定収容部55
0cと共に、回転体552の本体とは別部材により構成されている。また、回転体552
は、その軸の延出方向が、遊技盤5に対して略直角方向とされている。
この第三転動演出装置101には、全ての収容部550、つまり、第一収容部550a
及び特定収容部550cを含む第二収容部550bで遊技球Bの収容が許容される第一収
容領域と、特定収容部550cを含む第二収容部550bのみが遊技球Bの収容を許容さ
れる第二収容領域とを仕切る仕切り部561を更に備えている。この仕切り部561は、
図41に示すように、回転体552の突出部560を挿通可能な挿通孔562と、挿通孔
562の下側に配置され回転体552における第一収容部550aに望むように扇状に開
口する開口部563とを有し、回転体552の前面に配置される板状の仕切り板564か
ら構成されている。また、仕切り部561には、挿通孔562の略外周に沿うように前方
に延びだし挿通孔562に挿通された回転体552の突出部560の外周を所定範囲覆う
被覆部565が更に備えられている。この仕切り部561は、図41に示すように、挿通
孔562の図中左側に、仕切り板564から前方に延び、ガイド部材491からの遊技球
Bを挿通孔562へ導くL字形状の壁部566を更に備えている。なお、本例では、仕切
り板564が略透明な素材により形成されており、仕切り板564を介して回転体552
が見えるようになっている。
なお、本例では、開口部563の大きさが、遊技球Bの直径に対して、1.5〜3倍の
大きさとされている。
この第三転動演出装置101は、仕切り部561により挿通孔562に回転体552の
突出部560を挿通させることで第一収容領域が形成される共に、その下側の開口部56
3により第二収容領域が形成されるようになっている。つまり、ガイド部材491からの
遊技球Bが回転体552の突出部560に備えられた四つの第二収容部550bの何れか
に収容されるようになっていると共に、押打部531により押打された遊技球Bが回転体
552の八つの収容部550(第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収
容部550b)の何れかに収容されるようになっている。
なお、本例では、第二収容部550bの一つが大当り受入口93へ遊技球Bを導く特定
収容部550cとされているので、その特定収容部550cに遊技球Bが収容される確率
は、ガイド部材491から流出したものが1/4、押打部531により押打されたものが
1/8の確率となっている。
続いて、第三転動演出装置101の動作について説明する。この第三転動演出装置10
1は、遊技球Bの収容部550を有した回転体552が、回転体用モータ326により、
時計回りに所定速度で回転させられている。そして、回転体552を回転させた状態で、
遊技球Bが供給されると、何れかの収容部550に収容される。例えば、ガイド部材49
1の右側端部から流出した遊技球Bの場合は、仕切り部561により回転体552の突出
部560に配置された四つの第二収容部550bの何れかに収容された後に、回転体55
2の回転に伴って遊技球Bが移動し、その第二収容部550bが回転体552の中心より
も下側に位置すると、遊技球Bは、第二収容部550bにおいて回転体552の半径方向
外側の位置に移動する。一方、押打部531により押打された遊技球Bの場合は、第四転
動演出装置102及び仕切り部561の開口部563を介して、回転体552における全
ての収容部550の何れかに収容された後に、回転体552の回転と共に、回転体552
の半径方向外側の位置に保ったまま移動する。
そして、遊技球Bが特定収容部550cに収容された場合は、図42に示すように、回
転体552の回転に伴って時計回りに移動し、大当り受入口93が開口する位置に達する
と、特定収容部550cはその後方側が開放されているので、そこから遊技球Bが大当り
受入口93に入球し、大当り誘導部556の転動通路579を通って大当り入賞センサ3
30に検出された後に遊技領域外へ排出される。なお、特定収容部550cは、半径方向
外側には開放されていないので、ハズレ受入口94に到達しても入球することはない。
一方、遊技球Bが特定収容部550c以外の収容部550に収容された場合は、図43
に示すように、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、ハズレ誘導部557の筒
状部558に開口するハズレ受入口94に達すると、これらの収容部550は、半径方向
に開放されているので、そこから遊技球Bがハズレ受入口94へと入球し、ハズレ誘導部
557を通ってハズレ入賞センサ329に検出された後に遊技領域外へと排出される。な
お、特定収容部550c以外の収容部550は、その後方側が開放されていないので、そ
の収容部550が大当り受入口93に到達しても入球することはない。
このように、第三転動演出装置101は、回転体552に複数の収容部550を備えて
、供給された遊技球Bを特定収容部550c又はそれ以外の収容部550の何れかに収容
させることで、遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94に誘導して振り分けるこ
とができる。これにより、特定収容部550cに収容されることで大当りが得られるので
、供給された遊技球Bが、特定収容部550cに収容される否かに重大な関心を寄せ、遊
技球Bの動きと回転体552の回転により遊技球が収容されるまでの間、ハラハラ、ドキ
ドキさせて、興趣を高められるものとなっている。
また、少なくとも、仕切り板564、回転体552、大当り誘導部556、及び発光収
納部576が、透光性を有する素材により形成されているので、これにより、大当り誘導
部556と発光収納部576との間に形成された転動通路579を転動する遊技球Bを見
ることができ、転動通路579を転動する遊技球Bの動きを楽しませることができる。ま
た、発光基板575に備えられた発光手段により回転体552側へ光を照射するようにし
ているので、回転体552や大当り誘導部556等の形状により転動通路579の遊技球
Bが見辛くても、発光手段からの光の照射により、遊技球Bがシルエットとして浮かび出
させることができ、遊技球Bの動きを確実に認識させることができる。更に、仕切り板5
64の前面を転動する遊技球B、回転体552の収容部550に収容された遊技球B、及
び転動通路579を転動する遊技球Bを、同時に認識することが可能となっているので、
遊技球Bが立体的に配置された状態となり、遊技球Bが入り乱れるようなこれまでにない
遊技球Bの動きを楽しませることができる。
(第四転動演出装置について)
次に、第四転動演出装置102について詳細に説明する。この第四転動演出装置102
は、図25及び図26に示すように、第二転動演出装置100における押打部531によ
り押打された遊技球を、第三転動演出装置101へと案内するものである。
この第四転動演出装置102は、図示するように、ガイド部材491の下方に配置され
、第二転動演出装置100側から第三転動演出装置101側へ緩く傾斜するように延びる
案内面571を有している。この案内面571は、ガイド部材491と略同じ長さとされ
ていると共に、その下流側先端には、第三転動演出装置101の開口部563の下縁形状
と一部が略一致するような円弧状の揺動面572が設けられている。
この第四転動演出装置102では、第二転動演出装置100からの遊技球を、所定長さ
の案内面571上を転動させることで、遊技球の動きを認識できるようにしており、これ
により、遊技球が第三転動演出装置101に到達するタイミングが、第三転動演出装置1
01における回転体552の回転による特定収容部550cに収容されるタイミングとな
るか否かを楽しませるようになっている。また、案内面571の先端に揺動面572が設
けられているので、遊技球はその揺動面を揺動した後に回転体552に備えられた収容部
550に収容されるので、その遊技球の揺動具合によって、収容部550に収容されるタ
イミングが区々となるので、遊技者をハラハラ、ドキドキさせて楽しませることができる
ようになっている。
なお、本例では、案内面571を滑らかな面としたものを示したが、案内面571に複
数の凹凸を設けて、案内される遊技球の動きに変化を付けて、その動きを楽しませるよう
にしても良い。
(整流手段について)
次に、整流手段について詳細に説明する。本例の整流手段は、図25及び図26に示す
ように、ガイド部材491の左側端部の左斜め下には、ガイド部材491の左側端部から
放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第一整流手段500aが備えられてい
る。この第一整流手段500aは、その左側に上下方向に延びる仕切り部501と、仕切
り部501の下端に遊技球を受けると共に役物91の奥へと導く受部502と、受部50
2の下側に配置され受部502により受けられた遊技球を遊技領域へと流出させる流出口
503とを備えている。この第一整流手段500aにより受けられた遊技球は、仕切り部
501及び受部502により整流され、流出口503からその下方に配置された第二転動
演出装置100に送られるようになっている。
また、ガイド部材491の右側端部の右斜め下には、ガイド部材491の右側端部から
放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第二整流手段500bが備えられてい
る。この第二整流手段500bは、上部が開放されたカップ形状とされており、この第二
整流手段500bに受けられた遊技球は、渦巻状に回転しながら整流され、第三転動演出
装置101に送られるようになっている。なお、第二整流手段500bは、図示するよう
に、第三転動演出装置101の上方に配置されたキャラクタ体504のどんぶりとされて
おり、そのどんぶり内で遊技球を旋回させることで、面白味を増させている。
これら第一整流手段500a及び第二整流手段500bにより、ガイド部材491によ
り振り分けられた遊技球が整流されて、スムーズに下流の第二転動演出装置100や第三
転動演出装置101へ受け渡しできるようになっている。
なお、本例の第二整流手段500bは、第三転動演出装置101の仕切り部561の一
部が備えられており、第二収容領域へ遊技球を確実に誘導できるようになっている。
(ワープ通路について)
次に、ワープ通路について詳細に説明する。本例のワープ通路は、図25及び図26に
示すように、ワープ通路510は、役物用入賞口92の左右に配置され、遊技盤5を流下
する遊技球を受ける受取口511と、受取口511により受けられた遊技球をガイド部材
491と当接することなく、ガイド部材491の下方に導く誘導路512と、誘導路51
2により導かれた遊技球を第四転動演出装置102と当接することなく遊技盤5に流出さ
せる流出口513とを備えている。この受取口511は、役物用入賞口92の可動片45
6が開いた状態では、その上方が略覆われるような位置及び大きさとされている。
このワープ通路510は、ガイド部材491の上方において、役物用入賞口92に入賞
しなかった遊技球を受取口511により受けられるようになっており、受渡口458以外
からガイド部材491に遊技球が供給されないようになっている。これにより、ガイド部
材491及び第四転動演出装置102上を揺動及び転動する遊技球に、無用に他の遊技球
が当接して、遊技球の揺動や転動を阻害しないようになっている。
(役物におけるその他の部位について)
次に、役物におけるその他の部位として、役物91を遊技盤5に取付けるための取付構
造体について図44及び図45を基に説明する。図44は、役物の分解斜視図である。図
45(A)は役物を遊技盤に取付けた状態を示す概略側面断面図であり、(B)は取付構
造体の拡大断面図である。図45に示すように、役物91には、上述の役物用入賞口92
、第一転動演出装置95、第二転動演出装置100、第三転動演出装置101、第四転動
演出装置102、整流手段500、ワープ通路510、及び演出表示装置115等を遊技
盤5に取付けるための取付構造体590を備えている。
この取付構造体590は、第一転動演出装置95における回転駆動手段493、第二転
動演出装置100における押打部駆動手段532、第三転動演出装置101における移動
手段551、及び演出表示装置115等を固定する役物ベース591と、役物ベース59
1の前面を覆うと共に、その前面にガイド部材491、キャラクタ体504、キャラクタ
体533、等が配置され、役物91内部での遊技球Bの通路を形成するための通路形成板
592と、通路形成板592の前面に配置され、通路形成板592と協働して遊技球Bが
流通可能な流通空間を形成し、役物91を遊技盤5に取付けるための台板593とを備え
ている。
役物ベース591は、その裏面に回転駆動手段493、押打部駆動手段532、移動手
段551等を固定するためのボス部や取付溝等が複数設けられている。また、通路形成板
592は、透明な樹脂素材により形成されており、その前面には、第一整流手段500a
の受部502、第二整流手段500bの壁部566、回転体552の突出部560を覆う
被覆部565、等が形成されている。この通路形成板592は、第三転動演出装置101
の部位では、仕切り板564とされている。
台板593は、役物ベース591及び通路形成板592を介して第一転動演出装置95
、第二転動演出装置100、第三転動演出装置102、及び演出表示装置115を支持可
能な支持部594と、支持部594を遊技盤5に形成された開口部598に挿通させた状
態で遊技盤5に取付け、遊技盤5の前面と当接する枠状の枠状取付部595と、枠状取付
部595により形成される開口を閉鎖するように形成され、枠状取付部595の表面と略
同一表面とされた前面被覆部596と、枠状取付部595及び前面被覆部596の前面側
の表面に一体化された補強フィルム597とを備えている(図45参照)。
この台板593は、図45(A)に示すように、枠状取付部595及び前面被覆部59
6が一枚の板状部材とされており、その板状部材に対して略直角に支持部594が後方に
延在するように配置されており、枠状取付部595及び前面被覆部596と支持部594
とで断面が略T字状に形成され、構造上強度剛性が高くなるような構成となっている。そ
して、この支持部594は、遊技盤5の開口部598に略沿うような連続した壁状に形成
されており、台板593全体の強度剛性が更に増加するようになっている。なお、図中下
側に位置する支持部594の一部が、第四転動演出装置102の案内面571とされてい
る。
この台板593は、透明な樹脂素材(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン等)
により形成されており、台板593よりも後方に配置されたものが前方から視認可能とさ
れている。台板593の補強フィルム597には、その裏面の一部に装飾層599が備え
られている(図45(B)参照)。つまり、台板593の内部に装飾層599が埋設され
た状態となっている。
ここで、台板593の成形方法について説明する。まず、透明な樹脂フィルム(例えば
、ポリカーボネイト等)の裏面に、スクリーン印刷等公知の印刷方法を用いて、所定の加
飾層599を印刷する。このとき、装飾面が樹脂フィルム側となるように印刷する。その
後、加飾層599を有した樹脂フィルムを所定の成形型を用いて、所定の形状に加圧成形
し、補強フィルム597を得る。補強フィルム597を成形する際に、同時に所定のトリ
ミングやパンチングを行っても良いし、所定形状に形成した後にトリミング等を行っても
良い。次に、台板593を成形するための成形型(射出成形型)に、補強フィルム597
をセットした上で、所定の溶融樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)をキャビティに射出
し、台板593を成形すると同時に補強フィルム597を一体化させる。つまり、インサ
ート成形により補強フィルム597が一体化された台板593を成形する。
このようにして成形された台板593は、補強フィルム597と一体化された枠状取付
部595及び前面被腹部596の板厚が、通常の射出成形により良好な状態で得られる板
厚よりも、補強フィルム597の分だけ厚い板厚とすることができ、より強度剛性の優れ
たものとなっている。なお、台板593をインサート成形する前に、補強フィルム597
の裏面に接着剤層を設けても良い。或いは、射出成形時に装飾層599が融解して流動す
るのを防止するために、装飾層599の裏に更に保護層を備えても良い。
本例の取付構造体590は、図示するように、台板593の支持部594の後方を閉鎖
するように通路形成板592が取付けられている。つまり、通路形成板592、支持部5
94、及び前面被覆部596によって、取付構造体590を箱状に形成しており、更に強
度剛性が高くなるような構成となっている。なお、上記の例では、台板593の表面に装
飾層599を有した補強フィルム597を一体化したものを示したが、その他の部材に補
強フィルム597により補強したり、所定の装飾を施すようにしても良い。
このように、本例の取付構造体590は、前面被覆部596と補強フィルム597とに
より補強されているので、充分な強度剛性を得ることができ、より大型の演出表示装置1
15や複数の第一〜第四転動演出装置95,100,101,102を良好に支持するこ
とが可能となり、より興趣の高められる役物91、更には、パチンコ機1とすることがで
きる。また、補強フィルム597と一体となった台板593の内部に装飾層599を備え
ているので、取付構造体590に遊技球Bが接触しても、遊技球Bが直接装飾層599と
接触するのを防止することができ、遊技球Bとの接触により装飾層599が剥げ落ちるの
を防止して長期に亘って装飾を良好な状態に維持することができる。更に、補強フィルム
597に装飾層599を設けることで取付構造体590を容易に装飾することができ、従
来のように色彩等が異なる毎に別部品として組み立てる必要がなく、取付構造体590を
簡単な構成のものとすることができると共に、装飾層599を印刷により備えるようにし
ているので、種々の装飾を容易に施すことが可能となり、より装飾性の優れた取付構造体
590つまり役物91とすることができる。また、取付構造体590が補強フィルム59
7により補強されているので、支持する演出表示装置115や転動演出装置等がぐらつい
たりすることがなく、それらが見辛くなったり、遊技媒体の動きが意図しない動きとなっ
たりするのを防止することが可能となり、興趣が低下するのを防止することができる。
なお、図中符号600は、台板593の前面に取付けられる役物91の前面装飾部であ
る。
[演出表示装置における演出表示について]
次に本実施形態における演出表示装置115に表示される演出表示の制御処理について
、図46〜図57に基づき説明する。図46は演出表示制御における機能的な構成を示す
ブロック図である。図47は演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャート
である。図48は具体的な演出例を示す図である。図49は第二演出態様表示処理を示す
フローチャートである。図50は具体的な演出例を示す図である。図51は第三演出態様
表示処理を示すフローチャートである。図52は特別第三演出態様におけるハズレ演出態
様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。図53は具体的な演出例を示
す図である。図54は第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様
の表示処理を示すフローチャートである。図55は第二転動演出装置の動作と特定演出態
様の表示とを拡大して示す正面図である。図56は特定演出態様の具体的な演出例を示す
図である。図57は第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面
図である。
本例のパチンコ機1では、役物91の略中央に演出表示装置115が配置されており、
この演出表示装置115に、キャラクタや背景等を表示させると共に、遊技状態に応じて
、それらキャラクタ等の表示態様を変化させることで、遊技者に所定の演出表示を楽しめ
るようにしたり、遊技状態を認識できるようにしたりするものである。
(演出表示制御における機能的構成について)
キャラクタや背景等の演出表示制御における機能的な構成、すなわち、演出プログラム
として実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な演出表示の例を説明す
る。図46に示すように、主基板310には、役物91内部に配置された第三転動演出装
置101によって大当り受入口93に遊技球が入球し大当り入賞センサ330により検出
されると抽選手段として乱数を発生させる乱数発生手段611と、乱数発生手段611に
よって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて、大当りとして遊技者に有利な有利遊
技状態(図24に示す大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段612と、乱数発
生手段611によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御コマンドとして周辺基板3
11(具体的にはサブ統合基板336)へ送信するコマンド送信手段613とが備えられ
ている。なお、有利遊技状態発生手段612は、役物用入賞口92に入賞した遊技球をカ
ウントするためのカウントセンサ319からの検出信号に応じて、有利遊技状態の発生を
制御している。
また、主基板310には、始動口としての第一始動入賞口96、第二始動入賞口97に
遊技球が入球し第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318bからなる始動口セ
ンサ318により検出されると、ソレノイド311により可動片456を駆動することで
役物用入賞口92の開閉を制御する開閉制御手段614と、第一転動演出手段95におけ
るガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494からの検出結果により、
ガイド部材491を回動駆動させるモータ332を制御してガイド部材491上で遊技球
が揺動するように制御する転動演出制御手段615とを更に備えている。なお、始動口セ
ンサ318、回動検出センサ494、カウントセンサ319、及び回転位置検出センサ3
21からの検出信号は、コマンド送信手段613を介して周辺基板311へ送信されるよ
うになっている。
一方、周辺基板311には、主基板から送信される制御コマンドを受信するコマンド受
信手段631と、コマンド受信手段631によって受信された制御コマンドに基づいて、
演出表示装置115に所定の演出表示を表示させる演出表示制御手段632と、コマンド
受信手段631により受信された制御コマンドのうち始動口センサ318、カウントセン
サ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321に関する制御コマンド
によってガイド部材491の第三転動演出装置101の方向に放出される遊技球の放出度
合を判定して演出表示制御手段632に判定された放出度合を出力する放出度合判定手段
633とを備えている。なお、演出表示制御手段632には、遊技球センサ361からの
検出信号が送られるようになっている。
演出表示制御手段632は、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段634
と、背景を動的に表示させる背景制御手段635と、図柄を動的に表示させる図柄制御手
段636とを備え、主基板310からの制御コマンドに応じて、キャラクタ制御手段63
4、背景制御手段635、及び図柄制御手段636によって、記憶手段(例えば、サブ統
合基板336や電飾制御基板338のROM351やROM371)に予め記憶されてい
るキャラクタや背景等の静止画や動画等の画像から所定の画像を呼出して、所定の演出態
様を演出表示装置115に表示させるものである。つまり、遊技状態に応じた所定の演出
態様を表示するようになっている。
演出表示制御手段632は、遊技状態に応じて演出表示装置115に表示させる演出表
示の演出態様を変更する演出態様変更手段637を更に備えている。この演出態様変更手
段637には、演出態様を変更させるものとして、キャラクタや背景等の移動速度を変更
させる速度変更手段638、放出度合判定手段633により判定された放出度合に基づい
てキャラクタや背景等を所定の演出表示する放出度合表示制御手段639とを有している
。この放出度合表示制御手段639は、例えば、放出度合に応じて、キャラクタの色、表
情、ポーズ等を変更することで遊技者に放出度合が認識できるようにするものである。
(演出表示処理について)
次に、上述の構成による演出表示処理について図47及び図48に基づいて具体的に説
明する。本例のパチンコ機1では、演出表示処理として、図47に示すように、先ずステ
ップS1801において、第一演出態様表示処理が行われる。このステップS1801に
おいて演出表示装置115に表示される第一演出態様は、図48(a)に示すように、画
面の略中央に所定のキャラクタC1が表示されると共に、キャラクタC1の後に背景H(
塀や道)が表示され、このキャラクタC1は、その向きを所定方向(ここでは、第二転動
演出装置100のある図中左方向)に向けられると共に、歩いているように手足を動かす
表示がなされる。一方、背景Hは、キャラクタC1の手足の動きに合った速度(第一速度
)でキャラクタC1の向く方向とは逆方向(例えば図中右方向)へ移動表示され、これに
より、キャラクタC1があたかもその進行方向(左方向)へ向かって歩いているような演
出態様となっている。
また、ステップS1801における第一演出態様表示処理では、単にキャラクタC1が
歩いている演出表示だけでは遊技者に飽きられ易くなるため、周辺基板311に備えられ
た図示しない乱数発生手段により取得された乱数に応じて、画面上に、犬C2、蛙C3、
鳥C4、小物(缶)C5、等が適宜表示されるようになっており、演出表示を飽き難くし
て、面白味のあるものとしている。
演出表示装置115に第一演出態様が表示されると、続くステップS1802において
、始動口センサ318(第一始動口センサ318a,第二始動口センサ318b)におい
て、遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されるまで、ループするようにな
っている。つまり、遊技球が始動口(第一始動入賞口96又は第二始動入賞口97)に入
球されるまで、演出表示装置115には、第一演出態様が表示され続けるようになってい
る。
そして、ステップS1802では、始動口センサ318において遊技球が検出されると
、ステップS1803へと進み、第一演出態様表示処理に代えて、第二演出態様表示処理
が行われる。この第二演出態様表示処理は、演出表示制御手段632における演出態様変
更手段637によって第二演出態様に変更されるもので、具体的には、図48(b)に示
すように、キャラクタC1の向きはそのままで、キャラクタC1が走っているような表示
がなされると共に、背景Hが速度変更手段638により第一速度よりも速い第二速度で図
中右側へ移動表示される。これにより、キャラクタC1があたかも走っているような演出
表示がなされる。
なお、第二演出態様では、図示は省略するが、遊技球が入球した始動口の種類(第一始
動入賞口96,第二始動入賞口97)によって異なる背景等が表示されるようにしても良
い。また、図示は省略するが、この第二演出態様においても、第一演出態様と同様に、キ
ャラクタC1以外のキャラクタ等を、取得した乱数等により適宜表示するようにしても良
い。
ステップS1803において、第二演出態様が表示されると、続くステップS1804
において、カウントセンサ319によって遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が
検出されなければ、続くステップS1805において、始動口センサ318により遊技球
が検出されてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していなければ、ステ
ップS1804に戻って再び、カウントセンサ319による遊技球の検出を判断する。つ
まり、所定時間が経過するまでカウントセンサ319、すなわち役物用入賞口92に遊技
球が入球したか否かが判断されると共に、第二演出態様が表示され続ける。なお、ステッ
プS1805における所定時間は、遊技球が入球した始動口の種類(第一始動入賞口96
,第二始動入賞口97)によって異なっており、第二始動入賞口97への入球の方が、第
一始動入賞口96への入球よりも所定時間が長い時間とされている。
そして、所定時間が経過してもカウントセンサ319による遊技球の検出がなれければ
、ステップS1805からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によっ
て第二演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1804において、所定時間内にカウントセンサ319により遊技球
が検出されると、ステップS1807へと進み、第二演出態様表示処理に代えて、第三演
出態様表示処理が行われる。この第三演出態様表示処理は、具体的な表示内容としては、
まず、図48(c)に示すように、カウントセンサ319により遊技球が検出されると、
キャラクタC1の頭上にタライC6が落下してキャラクタC1に当たると共に、第二演出
態様において移動表示されている背景Hが停止表示される。その後、図48(d)に示す
ように、キャラクタC1が上を見上げながら顔を左右に振る演出表示がなされる。
この第三演出態様は、詳述すると、演出表示装置115がガイド部材491の左右方向
略中央の直下に配置されており、役物用入賞口92に入球し球入口457を通ってその下
方の受渡口458からガイド部材491上へと受け渡される遊技球の動きと連動するよう
に、タライC6がキャラクタC1の頭上に落下するような演出表示がなされるので、この
演出表示により、遊技者に遊技球がタライC6に変化してキャラクタC1に当たったよう
に錯覚させることができ、面白味のある演出表示となっている。更に、その後、キャラク
タC1が上を見ながらキョロキョロし、演出表示のストーリーとしてはタライC6が何処
から落ちてきたのかを不思議がるものであるが、ガイド部材491上を左右方向に揺動す
る遊技球と、キャラクタC1のキョロキョロ表示とが重なって、あたかもキャラクタC1
が揺動する遊技球を見ているような演出表示となって、遊技者を楽しませるような演出表
示となるようになっている。
そして、ステップS1807において、第三演出態様が表示されると、続くステップS
1808において、大当り入賞センサ330によって遊技球が検出されたか否かを判断し
、遊技球が検出されなければ、続くステップS1809において、始動口センサ318或
いはカウントセンサ319により遊技球が検出されてから所定時間経過したか否かを判断
し、所定時間経過していなければ、ステップS1808に戻って再び、大当り入賞センサ
330による遊技球の検出を判断する。つまり、所定時間が経過するまで大当り入賞セン
サ330、すなわち大当り受入口93に遊技球が入球したか否かが判断されると共に、第
三演出態様が表示され続ける。なお、このステップS1809における所定時間は、上述
のステップS1805と同様の時間としても良いし、カウントセンサ319による遊技球
の検出からの時間としても良い。
そして、所定時間が経過しても大当り入賞センサ330による遊技球の検出がなれけれ
ば、ステップS1809からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によ
って第三演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1808において、所定時間内に大当り入賞センサ330により遊技
球が検出されると、ステップS1810において、第三演出態様表示処理に代えて、大当
り演出態様表示処理が行われる。この大当り演出態様表示処理は、詳細は省略するが、例
えば、図53(b)に示すような、大当りであることを示唆する表示をした後に、乱数発
生手段611により発生された乱数(抽選結果)に応じた、有利遊技状態におけるラウン
ド演出表示や、カウントセンサ319によるカウント演出表示等の所定の演出表示がなさ
れ、有利遊技状態が終了すると、ステップS1806へと進み、演出態様変更手段637
によって第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
ところで、本例のパチンコ機1では、始動口センサ318、カウントセンサ319、回
動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321からの検出信号に基づいて、放出度
合判定手段633によって、ガイド部材491上の遊技球が第三転動演出装置101の方
向へ放出される放出度合が判定され、演出表示制御手段632において、その放出度合に
応じて(放出度合が高い(例えば、75〜100%))、第二演出態様及び第三演出態様
を、夫々特別演出態様として特別第二演出態様及び特別第三演出態様に変更して、演出表
示による面白味を付加して興趣を高められるようになっている。
(第二演出態様表示処理について)
次に、第二演出態様表示処理について、図49及び図50に基づいて詳細に説明する。
図47に示すフローチャートのステップS1803において、第二演出態様表示処理が実
行されると、まず、ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況(動作状
況)を取得する。具体的には、ガイド部材491は、図33に示すように、所定周期でモ
ータ332により回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動
検出センサ494による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点
の、ガイド部材491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステ
ップS1902において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が
第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材4
91の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。
或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記
憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づい
て記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS1903では、ステップS1902で取得した放出度合が所定
以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステ
ップS1904へ進み、図48(b)に示すような第二演出態様を表示させる。一方、ス
テップS1903において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ステップS1
905へと進み、特別第二演出態様を表示させる。
この特別第二演出態様は、図50(a)に示すように、演出態様変更手段637によっ
て、第一演出態様に対して、キャラクタC1を第三転動演出装置101の方向(大当り受
入口93の配置された方向)に向けられると共に、速度変更手段638により背景を、上
述の第二演出態様における第二速度よりも速い第三速度でキャラクタC1の向く方向とは
反対方向に移動表示させるものである。これにより、キャラクタC1が大当り受入口93
のある方向に向かって急いで走っているような演出表示をさせることができ、この演出表
示により、遊技者に遊技球が大当り受入口93側へ放出されることを示唆することができ
るものである。
また、特別第二演出態様では、放出度合表示制御手段639により、図50(b)に示
すように、放出度合の値に応じて、キャラクタC1の顔を変化(例えば驚いたような表情
に変化)させると共に、その色も変更(例えば肌色から赤色に変更)し、キャラクタC1
が、より大急ぎで大当り受入口93側へ走るような演出表示をさせることで、遊技者にそ
の方向に放出される可能性(確率)が高いことを示唆するようになっている。
(第三演出態様表示処理について)
次に、第三演出態様表示処理について、図51〜図53に基づいて詳細に説明する。図
47に示すフローチャートのステップS1807において、第三演出態様表示処理が実行
されると、まず、ステップS2001において、第二演出態様表示処理において、特別第
二演出態様が表示されたか否かが判断され、特別第二演出態様が表示されていない場合は
、ステップS2002へと進み、図48(c)及び(d)に示すような第三演出態様が表
示される。
一方、ステップS2001において、特別第二演出態様が表示されたと判断した場合、
続くステップS2003において、ガイド部材491の回動状況(動作状況)を取得する
。具体的には、ガイド部材491は、図33に示すように、所定周期でモータ332によ
り回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動検出センサ49
4による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点の、ガイド部材
491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS2003において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステ
ップS2004において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が
第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材4
91の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。
或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記
憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づい
て記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS2005では、ステップS2004で取得した放出度合が所定
以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステ
ップS2002へ進み、図48(c)及び(d)に示すような第三演出態様を表示させる
。一方、ステップS2005において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ス
テップS2006へと進み、特別第三演出態様を表示させる。
この特別第三演出態様は、図53(a)に示すように、演出態様変更手段637によっ
て、キャラクタC1が拡大表示されると共に、キャラクタC1の前後に炎を示す背景Hが
表示されると共に、キャラクタC1の表情が炎に炙られて熱がっているような表情に変更
表示される。これにより、キャラクタC1が炎に包まれて大変な状態になっている演出表
示がなされ、遊技者に熱い状態であることを認識させることで遊技球が第三転動演出装置
101の方向、つまり、大当り受入口93の方向へ放出される可能性が高いことを示唆し
、チャンスの到来を認識させて、演出表示と同様に遊技者を熱くさせて興趣を高める効果
が期待できるようになっている。
そして、図47のフローチャートに示すようにステップS1808及びステップS18
09において、所定時間内に大当り受入口93に遊技球が入球して大当り入賞センサ33
0に検出されると、図53(b)に示すような大当りを示唆する表示がなされた後に、所
定の有利遊技状態の発生と共に、所定の大当り演出態様(大当りラウンド演出態様)表示
処理が行われる。
ところで、本例では、図47に示すフローチャートにおいて、ステップS1809とス
テップS1806との間に、図52に示すような、追加フローを備えている。詳述すると
、図47におけるステップS1809において所定時間が経過すると、ステップS210
1へと進み、特別第三演出態様が表示されたか否かが判断される。そして、ステップS2
101で特別第三演出態様が表示されていないと判断されると、ステップS1806へと
進み、第一演出態様に変更される。
一方、ステップS2101において、特別第三演出態様が表示されたと判断された場合
は、ステップS2102へと進み、図53(c)に示すようなハズレ演出態様を表示する
。つまり、特別第三演出態様が表示された後に大当りとならずに、ハズレとなるとハズレ
演出態様が表示されるようになっている。このハズレ演出態様は、図示するように、キャ
ラクタC1が真っ黒に黒焦げになった状態で横たわるような表示とされており、先の特別
第三演出態様において炎に包まれたキャラクタC1が、ハズレとなったことで、真っ黒に
燃え尽きたような演出表示となる。これにより、大当りとなる可能性の高い特別第三演出
態様が表示された後に、ハズレとなるとハズレとなったことを積極的に示唆するハズレ演
出態様を表示するので、期待感が高揚したところで、一気に減退させることができ、それ
が逆に面白味となって抑揚に富んだものとする効果が期待できるものとなっている。
なお、上述した種々の演出態様において、キャラクタC1以外に、犬C2や蛙C3等の
他のキャラクタを適宜出現させたり、背景Hを適宜異なるものと変更したりしても良い。
(特定演出態様表示処理について)
ところで、本例では、第二転動演出装置100において遊技球が第三転動演出装置10
1側へ押打される可能性が高い場合、演出表示装置115に特定演出態様(特別特定演出
態様を含む)が表示されるようになっている。この特定演出態様表示処理について、図5
4乃至図57に基づいて詳細に説明する。図54は、特定演出態様表示処理を示すフロー
チャートであり、このフローチャートは、図51に示すフローチャートにおけるステップ
S2002に続くものである。
図54に示すように、第三演出態様表示処理のステップS2002において第三演出態
様の表示が開始された後に、ステップS2201において、カウントセンサ319により
遊技球が検出されてからK1時間経過したか否かが判断され、K1時間が経過するまでス
テップS2201をループするようになっている。そして、K1時間が経過すると、続く
ステップS2202へと進み、このステップS2202では、遊技球センサ361により
遊技球が検出されたか否かが判断され、検出されなければ、続くステップS2203にお
いて、カウントセンサ319により遊技球が検出されてからK2時間経過したか否かが判
断され、K2時間が経過していなければ、ステップS2202へ戻り、遊技球センサ36
1による検出の有無を判断するようになっている。
このステップS2202〜ステップS2203は、カウントセンサ319が遊技球を検
出した後、K1時間経過してからK2時間経過するまでの間に、遊技球センサ361によ
り遊技球が検出されたか否かが判断される。つまり、カウントセンサ319のよる検出に
基づいて第二転動演出装置100の押打部531が駆動されて、遊技球が押打可能となる
タイミングがK1〜K2時間の範囲内とされ、その時間内に整流手段500aを遊技球が
通過するか否かを判断するようになっている。なお、K1とK2との関係は、K1<K2
を満たす関係とされており、例えば、0.5≦K1<K2≦2.5を満たす関係とされて
いる。
そして、ステップS2203においてK2時間経過すると、特定演出態様等には変更さ
れず、第三演出態様を表示した状態で特定演出態様表示処理が終了する。一方、ステップ
S2202において、遊技球センサ361により遊技球が検出されると、ステップS22
04へと進み、第三転動演出装置101における回転体552の回転状況が所定の回転状
況であるか否かが判断される。具体的には、回転体552の回転軸553に設けられた回
転検出部554を回転位置検出センサ321により検出することで回転体552の回転位
置を検出すると共に、検出された回転位置が、第二転動演出装置100からの遊技球が特
定収容部550cに収容される可能性の高い位置であると、所定の回転状況である判断さ
れる。
このステップS2204において、回転体552が所定の回転状況でないと判断された
場合、ステップS2205へと進み、特定演出態様を表示する。この時、役物91では、
図55に示すように、特定演出態様の表示と共に、第二転動演出装置100における押打
部531が押打部駆動手段532により図中反時計回りの方向へ回動(移動)された状態
となり、整流手段500aからの遊技球Bを、第三転動演出装置101つまり第四転動演
出装置102の方向へ押打するようになっている。
この特定演出態様は、図55に示すように、第二転動演出装置100としてのキャラク
タ体533と同じキャラクタC7が略同じポーズで、遊技球Bが押打される方向(図中右
方向)とは反対側の演出表示装置115における表示領域の外側から、表示領域の略中央
に向かって、その後方に残像を表示しながら移動表示され、一端、略中央で停止した後に
(図56(a)参照)、その後方(図中左側)から遊技球Bを模した図柄TBに押される
ように図柄TBと共にキャラクタC7が、遊技球Bが押打される方向の表示領域外へと移
動表示され、遊技球Bが第二転動演出装置100により押打される可能性が極めて高いこ
とを示唆する演出表示となっている。
一方、ステップS2204において、回転体552が所定の回転状況であると判断され
た場合、つまり、第二転動演出装置100において遊技球Bが押打されると、第三転動演
出装置101における回転体552の特定収容部550cに、遊技球Bが収容される可能
性が高いと判断されるとステップS2206へ進み、図55及び図56に示す特定演出態
様とは異なる特別特定演出態様を表示すると共に、役物用ソレノイド362が駆動される
。これにより、役物91は、図57に示すように、第二転動演出装置100の押打部53
1と、可動演出手段543とが駆動されることで、キャラクタ体533が所定のポーズを
とる可動演出をすると共に、演出表示装置115に、キャラクタ体533と略同じポーズ
のキャラクタC7が拡大表示される。
特別特定演出態様は、図57に示すように、キャラクタC7の顔を正面に向けると共に
、漸次拡大表示させるものであり、これにより、キャラクタC7が遊技者に迫ってくるよ
うな表示とされ、遊技者を驚かせると共に、押打された遊技球Bが、第三転動演出装置1
01における回転体552の特定収容部550cに収容される可能性が高いことを示唆す
ることができ、より興趣を高められる演出表示となっている。
なお、上述の特定演出態様及び特別特定演出態様の表示は、演出表示制御手段632に
おける演出態様変更手段637によって、第三演出態様から変更されるものである。
ところで、上述のカウントセンサ319による遊技球Bの検出からの経過時間の求める
方法としては、例えば、カウントセンサ319の検出によりスタートする計測手段を備え
ることで経過時間を求める方法、パチンコ機1に時計手段を備えておき、カウントセンサ
319により検出された時点の時間を記憶し、その記憶した時間を基に経過時間を算出し
て求める方法、等がある。
なお、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319により遊技
球Bが検出された時間を記憶手段に記憶し、遊技球センサ361により遊技球Bが検出さ
れると、その遊技球センサ361により検出された時間と、記憶手段に記憶されたカウン
トセンサ319による検出時間とで、経過時間を算出し、算出した経過時間が、所定時間
範囲内(例えば、K1〜K2時間内)であれば、特定演出態様や特別特定演出態様を表示
するようにしても良い。これにより、カウントセンサ319により計測が開始されるよう
な手段を備える必要がないので、構成を簡略化することができる。
また、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319による遊技
球Bの検出から所定時間範囲内のみ、遊技球センサ361による検出を行うようにし、そ
の時間内に遊技球Bが検出されると、特定演出態様や特別特定演出態様を表示するように
しても良く、これにより、常時遊技球センサ361による検出処理をし続ける必要が無く
なり、制御処理にかかる負荷を低減させることができる。
(始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理)
次に、始動入賞の有効無効化処理について、図58及び図59に基づいて説明する。
図58は、始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理における機能的な構成の一例を示
すブロック図であり、図59は、始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理の一例を示す
フローチャートである。
本例のパチンコ機1では、第一始動口96や第二始動口97への始動入賞による役物9
1の可動片456の開閉動作や、役物91内に進入した遊技球Bが大当り受入口93に入
球することで発生する大当り遊技等の遊技者が有利となる有利状態等が、何れの遊技球B
の始動入賞によるものなのかを特定し易くして、遊技者の興趣が低下するのを防止するた
めに、第一始動口96や第二始動口97への始動入賞による有利状態が確定するまでの間
、それら第一始動口96や第二始動口97に入賞しても、始動入賞に係る所定処理として
可動片456の開閉処理が無効となるようになっている。
この始動入賞に係る開閉処理を無効化、或いは有効化する処理に係る機能的な構成、す
なわち、有効無効化プログラムとして実現される機能的な構成と、その構成を用いた具体
的な処理内容について説明する。図58に示すように、主基板310には、上述の図46
に示す機能的な構成とは別に、始動口センサ318からの信号を受信可能な始動入賞受信
手段621と、始動入賞受信手段621による始動口センサ318からの入賞信号が開閉
制御手段614へ送られるのを無効化する無効化手段622と、始動入賞受信手段621
による始動口センサ318からの入賞信号が開閉制御手段614へ送られるのを有効化す
る有効化手段623とが備えられている。
この無効化手段622は、始動入賞に係る開閉処理が有効の時に、始動入賞受信手段6
21において始動口センサ318からの入賞信号を受信すると、それ以後は始動入賞受信
手段621から開閉制御手段614へその信号の送信を停止させることで始動入賞に係る
開閉処理を無効化するようになっている。なお、図示は省略するが、少なくとも始動口セ
ンサ318、カウントセンサ319からの検出信号に応じて、所定数の遊技球Bを払い出
すための払出制御手段を備えており、無効化手段622により始動入賞に係る開閉処理が
無効化されていても始動口センサ318、カウントセンサ319等からの入賞信号は払出
制御手段に送られるので、遊技球Bの払い出しは行われるようになっている。これにより
、無効とされていることで開閉処理が行われないことに起因して興趣が低下しても、所定
数の遊技球Bが払い出されることで、その興趣の低下を抑制することができる。
また、主基板310には、カウントセンサ319、大当り入賞センサ330、及びハズ
レ入賞センサ329からの遊技球Bの検出信号が誤検出であるか否かを判定する誤検出判
定手段624が夫々備えられている。これらの誤検出判定手段624により、各センサが
正しく遊技球Bを検出していると判定されると、各センサがONつまり遊技球Bを検出し
たものとして以後の処理が正しく進められるようになっている。
ここで、「誤作動(誤検出)」及び「異常」とは、何らかのノイズの入力や、跳ねたり
振れたりする遊技球Bの挙動により、本来の然るべき検出とは異なる検出をすることを「
誤作動(誤検出)」とし、狭義では検出手段の故障による正常でない作動は含めないもの
する。また、検出手段の故障による正常でない作動や、所定規模の空間内における遊技球
の停留(球詰まり)等は「異常」とするものである。
また、主基板310には、誤検出判定手段624において、誤検出と判定された情報(
例えば、球詰まりやセンサの故障など)により遊技を中断させなければならないような異
常が発生したか、或いはセンサの単なる誤作動なのかを判定する誤作動判定手段625を
更に備えている。この誤作動判定手段625により、球詰まり等の異常が発生していると
判定されると、異常報知手段626により遊技者やホール側に異常が発生したことを報知
するようになっている。
有効化手段623は、カウントセンサ319での検出数と、大当り入賞センサ330と
ハズレ入賞センサ329との合計の検出数が同じである時、或いは、それらの検出数が異
なっていても誤作動判定手段625でセンサの誤作動であり異常が発生したのではないと
判定された時に、始動入賞受信手段621による始動口センサ318からの信号を開閉制
御手段614に送信可能として始動入賞に係る開閉処理を有効化するものである。
なお、図中に示された他の構成については、図46と同様の作用をするものであり、詳
細な説明は省略する。
また、本例の役物用進入口92が本発明の進入口に、本例のカウントセンサ319が本
発明の進入検出手段に、本例の大当り入賞センサ330及びハズレ入賞センサ329が本
発明の排出検出手段に、夫々相当している。また、本例の大当り受入口93が本発明の特
定領域に相当している。
次に、上記の構成による始動入賞に係る開閉処理の有効無効化処理について図59を基
に説明する。まず、ステップS2501において始動口センサ318がONか否かが判断
され、ONでなければリターンして本ルーチンが終了される。一方、始動口センサ318
がONである場合は、続くステップS2502へと進み、始動有効無効フラグFに「1」
がセットされ、始動有効無効フラグFに「0」がセットされるまで、第一始動入賞口96
や第二始動入賞口97に遊技球Bが入賞しても、役物91の可動片456の開閉処理が行
われないようになっている。
そして、続くステップS2503において、第1タイマがセット(リセット&スタート
)され、次のステップS2504へと進み、ステップS2501においてONとなった始
動口に応じた開閉処理が行われる。つまり、第一始動入賞口96での始動入賞の場合は1
回、第二始動入賞口97での始動入賞の場合は2回、可動片456が開閉動作する。
続く、ステップS2505では、可動片456の開閉動作により役物91内に遊技球B
が入賞したか否かが判断される。具体的には、カウントセンサ319がONとなったか否
かが判断され、カウントセンサ319がOFFのままでONとならなければ役物91内に
入賞ていないと判断され、ステップS2506へと進む。このステップS2506では、
第1タイマが所定時間経過したか否かが判断され、所定時間経過していなければステップ
S2505へと戻る。つまり、ステップS2505とステップS2506により第1タイ
マが所定時間経過するまでの間に、遊技球Bが入賞するか否かを見るようにしている。
そして、ステップS2506において第1タイマが所定時間経過すると、つまり、第1
タイマが所定時間経過するまでに役物91内に遊技球Bが入賞しなければ、ステップS2
507へと進み、始動有効無効フラグFを「0」にセットして、第一始動入賞口96や第
二始動入賞口97への遊技球Bの入賞により役物91における可動片456の開閉処理が
行われるようにして、本ルーチンをリターンして終了させる。
一方、ステップS2505において、第1タイマが未だに所定時間経過していない間に
、役物91内に遊技球Bが入賞すると、つまり、カウントセンサ319がONとなると、
ステップS2508へと進み、第2タイマがセット(リセット&スタート)され、続くス
テップS2509へと進む。
ステップS2509では、排出センサがONとなったか否かが判断される。具体的には
、役物入賞口92から入賞した遊技球Bが、大当り受入口93やハズレ受入口94に到達
して、大当り入賞センサ330やハズレ入賞センサ329がONとなったか否かが判断さ
れ、排出センサがONでないと判断されると、つまり、遊技球Bが大当り受入口93やハ
ズレ受入口94に到達していないと判断されると、ステップS2510へと進む。このス
テップS2510では、第2タイマが所定時間経過したか否かが判断され、所定時間が経
過していなければ、ステップS2509へと戻るようになっている。
一方、ステップS2509において、排出センサがONになったと判断されると、ステ
ップS2511へと進み、入賞数と排出数とが同じであるか否かが判断される。つまり、
カウントセンサ319によりカウントされた遊技球Bの数と、大当り入賞センサ330及
びハズレ入賞センサ329でカウントされた遊技球Bの合計数とが同じであるか否かが判
定され、それらの数が同じであれば、ステップS2507へと進み、始動有効無効フラグ
Fに「0」をセットし、第一始動入賞口96や第二始動入賞口97への遊技球Bの入賞に
より役物91における可動片456の開閉処理が行われるようにして、本ルーチンをリタ
ーンして終了させる。
このステップS2510において、入賞数と排出数とが同じでないと判断されるとステ
ップS2509へと戻り、再び排出センサがONであるか否かが判断され、第2タイマが
所定時間経過するまで、排出センサがONであるか否かが判断される。つまり、例えば、
複数の遊技球Bが役物91内に入賞し、夫々の流通流路や転動具合などにより排出される
タイミングが異なるため、ステップS2509及びステップS2510により、第2タイ
マが所定時間経過するまで排出される遊技球Bを検出する(数える)ようになっている。
そして、ステップS2510において、第2タイマが所定時間経過すると、即ち、第2
タイマが所定時間経過しても、排出センサがONとならなかったり、入賞数と排出数とが
同じとならなかった場合は、異常が発生したことになり、ステップS2512へと進み、
入賞数よりも排出数が多いか否かが判断され、排出数の方が多い場合は、ステップS25
13へと進み、異常検出をリセットしてた上でステップS2507へ進み、始動有効無効
フラグFに「0」をセットし、第一始動入賞口96や第二始動入賞口97への遊技球Bの
入賞により役物91における可動片456の開閉処理が行われるようにして、本ルーチン
をリターンして終了させる。
一方、ステップS2512において、入賞数の方が排出数よりも多いと判断された場合
は、ステップS2514へと進み、役物91内で球詰まり等の異常が発生していると判断
して、異常状態を報知すると共に、遊技を中断させた上で、本ルーチンをリターンして終
了させる。
なお、本例では、第1タイマの所定時間が、3〜13secとされていると共に、第2
タイマの所定時間が、1000ms〜3000msとされている。なお、これらの数値は
、上記以外の数値に適宜変更しても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球Bが第一始動入賞口96又は
第二始動入賞口97に始動入賞すると、以後の始動入賞に係る開閉処理が無効となると共
に、役物91の役物用進入口92への遊技球Bの進入が所定時間可能となる。その間に遊
技球Bを役物用進入口92から役物91内に進入させると、カウントセンサ319により
検出され、その後、遊技球Bが大当り受入口93に入賞すれば遊技者に有利となる大当り
遊技が発生する。そして、大当り受入口93に入賞しなかった遊技球Bも含めて排出検出
手段(大当り入賞センサ330及びハズレ入賞センサ329)に検出されて排出される。
その際に、入賞数をカウントするカウントセンサ319と、排出数をカウントする大当り
入賞センサ330及びハズレ入賞センサ329とによる遊技球Bの検出数が所定条件を満
たしていれば(本例では、入賞数≦排出数)、第一始動入賞口96及び第二始動入賞口9
7での始動入賞煮かかる開閉処理が有効となり、再び、第一始動入賞口96及び第二始動
入賞口97を狙って遊技球Bを打ち込むことが可能となる遊技とすることができ、遊技球
Bの検出センサの誤作動による異常の発生を抑制することで、第一始動入賞口96及び第
二始動入賞口97への始動入賞に係る開閉処理が無効となる時間を可及的に短くして興趣
が低下するのを防止することができる。
また、本例のパチンコ機1では役物91の前面がアクリル等の透明な前面被覆部595
で一体に覆われているので、役物91の前方から役物91内に容易に触れることができず
、ダブルカウント等の異常等が発生しても、従来のように遊技球Bをセンサに供給して、
カウント数を同数とすることで異常を解決することが困難となっているが、上記の構成に
より、各センサが誤検出した場合は、異常とせずに通常の状態と同様に処理されるので、
速やかに始動入賞が有効化され、遊技者が苛立ったり、当パチンコ機1が敬遠されたりす
るのを防止することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一始動入賞口96や第二始動入賞口97
に遊技球Bが進入すると、球払出装置170により所定数の遊技球Bが払い出されると共
に、役物91における役物用入賞口92が開閉動作し、開いた役物用入賞口92に遊技球
Bが進入すると、カウントセンサ319により検出された上で第一転動演出装置95のガ
イド部材491上に送られる。そして、ガイド部材481の往復動作によりガイド部材4
91上を遊技球Bが左右方向に揺動する。その後、ガイド部材491から遊技球Bが、大
当り受入口93が配置された第三転動演出装置101側か、ハズレ受入口94が配置され
た第二転動演出装置100側かの何れかに放出される。そして、ガイド部材491から第
三転動演出装置101側へ放出されると、遊技球Bは、第三転動演出装置101における
複数の収容部550の何れかに収容され、特定収容部550cに収容されると回転体55
2の回転により遊技球Bが大当り受入口93に受入られ、その後方に配置された転動通路
579を転動して、大当り入賞センサ330により検出されると、所定の特典(有利遊技
状態)が付与される。一方、ガイド部材491から第二転動演出装置100側へ放出され
ると、遊技球Bは第二転動演出装置100へと送られ、カウントセンサ319による検出
に応じて第二転動演出装置100の押打部531が回動移動して遊技球Bを押打しなけれ
ばハズレ受入口94へ、押打すると第四転動演出装置102を介して第三転動演出装置1
01へと送られる。これにより、第一始動入賞口96や第二始動入賞口97に遊技球Bが
進入すると、役物用入賞口92が開閉動作し、役物用入賞口92に遊技球Bを進入させよ
うと、より多くの遊技球Bを役物用入賞口92に向かって打ち込ませて興趣を高めること
ができる。そして、役物用入賞口92に遊技球Bが進入すると、所定の往復動作をするガ
イド部材491上で遊技球Bがこれまでにないような揺動する動きをして遊技球Bの動き
を楽しませることができると共に、特典の付与される第三転動演出装置101側に放出さ
れるか否かにより遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができる。その後、第三転動演
出装置101側に遊技球Bが放出されると、その後、第三転動演出装置101側に遊技球
Bが放出されると、第三転動演出装置101において、所望の収容部550(大当り受入
口93に対応した特定収容部550c)に収容されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキ
ドキさせることができる。一方、ハズレ受入口94のある第二転動演出装置100側に放
出されて興趣が低下しても、第二転動演出装置100の押打部531に押打されることで
第三転動演出装置101側に送られる可能性があるので再び興趣を高めることができ、抑
揚に富んだものとすることができる。そして、この役物91は、遊技球Bが流下する際に
演出表示装置115を中心に上下左右に配置された転動演出装置に供給されて、ダイナミ
ックな動きを遊技球Bに与えられると共に、演出表示装置115に遊技球Bの動き等と関
連した演出画像を表示させることで、臨場感に溢れ、一喜一憂し起伏に富んだ遊技が可能
なパチンコ機1とすることができる。また、役物91の取付構造体590は、前面被覆部
596を備えている上に更に補強フィルム597により補強されているので、これにより
、上述の演出表示装置115や複数の第一〜第四転動演出装置95,100,101,1
02等を確実に支持することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態
に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ
機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合
させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
1 パチンコ機
5 遊技盤
37 遊技領域
50 透明板
91 役物
92 役物用入賞口(進入口)
93 大当り受入口
94 ハズレ受入口
95 第一転動演出装置
96 第一始動入賞口(始動口)
97 第二始動入賞口(始動口)
100 第二転動演出装置
101 第三転動演出装置
102 第四転動演出装置
115 演出表示装置
170 球払出装置(払出手段)
318 始動口センサ
319 カウントセンサ(進入検出手段)
321 回転位置検出センサ
325 押打用ソレノイド
326 回転体用モータ
329 ハズレ入賞センサ(排出検出手段)
330 大当り入賞センサ(排出検出手段)
331 ソレノイド
332 モータ
456 可動片
494 回動検出センサ
499 回動検出部
531 押打部
532 押打部駆動手段
543 可動演出手段
550 収容部
550a 第一収容部
550b 第二収容部
550c 特定収容部
551 移動手段
552 回転体
564 仕切り板
571 案内面
590 取付構造体
591 役物ベース
592 通路形成板
593 台板
594 支持部
595 枠状取付部
596 前面被覆部
597 補強フィルム
598 開口部
599 装飾層
600 前面装飾部
621 始動入賞受信手段
622 無効化手段
623 有効化手段
624 誤検出判定手段
625 誤作動判定手段

Claims (3)

  1. 遊技者の操作により遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
    前記遊技領域に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
    前記始動口に進入した遊技媒体を検出する始動検出手段と、
    開閉動作が可能な開閉片、及び、該開閉片が開いたときに遊技媒体が進入可能となる進入口を有するとともに、前記遊技領域に配置された役物と、
    前記進入口に進入した遊技媒体を検出する進入検出手段と、
    前記役物内に配置され、前記進入口に進入した遊技媒体を受け入れ可能な当り口及びハズレ口と、
    前記ハズレ口に遊技媒体が受け入れられたとしても遊技者に所定の特典が付与されず、前記当り口に遊技媒体が受け入れられたことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段と、
    前記役物内に進入した遊技媒体が前記当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうる可動役物と、
    を備え、
    前記役物内には、
    前記遊技媒体が前記当り口と前記ハズレ口とのうち前記ハズレ口に向かうハズレルートと、前記遊技媒体が前記当り口または前記ハズレ口に振り分けられる抽選ルートとがあり、
    前記可動役物は、
    前記進入検出手段により遊技媒体が検出されたことに基づいて可動し、可動したときに、前記進入口から進入した遊技媒体と当接すると、該遊技媒体を、前記抽選ルートを転動させうる可動当接部と、
    前記進入口から進入した遊技媒体と前記可動当接部とが当接するときに、前記可動当接部の可動と略一致するタイミングで可動することによって、所定の演出動作をする可動演出部と、
    を有し、前記可動当接部の動きと、この可動当接部と略一致するタイミングで可動する前記可動演出部の動きとによって特有のポーズをすることで、前記進入口から進入した遊技媒体が前記抽選ルートをとおって前記当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうるようにした
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記進入口から進入した遊技媒体を、前記当り口に向かう方向または前記ハズレ口に向かう方向に放出するガイド部材をさらに備える
    請求項1に記載の遊技機。
  3. 所定の演出画像が表示される演出表示手段をさらに備える
    請求項1又は2に記載の遊技機。
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