JP2006346227A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内部に大当り受入口を有した役物の開閉片を開閉させる始動入賞を留保可能とし、大当り受入口へ受入れられ易いように開閉片の開閉タイミングを変更することで、興趣が低下するのを防止することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】 始動入賞口に入賞させることで役物の可動片を開閉動作させた上で、役物内の第三転動演出装置の振り分けにより、大当り受入口に遊技球が受入れられると大当りとなるパチンコ機において、始動入賞口への始動入賞を留保可能とする留保手段621と、少なくとも第三転動演出装置の可動状況に応じて、留保手段621による可動片の開閉動作の実行開始から、実際に開閉動作するまでの変動時間を選択する変動時間選択手段622と、留保手段621により留保された留保数を表示する留保表示器122とを更に具備させる。
【選択図】 図55

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体として例えば遊技球が打ち込まれる遊技領域内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられている他、遊技領域の上下方向の途中の適宜位置に風車が設けられている。そして、所謂「ハネモノ」と言われる第二種の遊技機では、遊技領域の中央に、入球確率が変化するように左右に拡開する羽根を備えた役物や、役物の羽根を拡開させる始動口が設けられており、始動口に遊技球を入球させることで役物の羽根を開かせて役物内部へ遊技球を進入させ、役物内部で大当り受入口、及びハズレ受入口の何れかに遊技球を振り分け、遊技球が大当り受入口に入球すると遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるものが知られている。
また、遊技機の中には、始動口への遊技球の入球を検知すると所定の抽選結果を抽選し、表示手段において抽選結果に応じて図柄を変動させた後に停止させ、停止した図柄が所定の条件を満たすと有利遊技状態を発生させる、所謂「デジパチ」と言われる第一種の遊技機も知られている。
この第二種の遊技機では、有利遊技状態の発生中に遊技球が始動口に入球しても、始動口への入球による羽根の開閉が行われず、興趣を低下させてしまう恐れがあった。そこで、有利遊技状態が発生中に遊技球が始動口に入球すると、羽根の開閉動作の実行を留保して、有利遊技状態の終了後に留保した羽根の開閉動作を実行するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
また、第一種の遊技機では、始動口への遊技球の入球による抽選結果によって有利遊技状態の発生が決まるため、遊技領域内への遊技球の打ち込み操作が単純なものとなり易く、興趣を低下させてしまう恐れがあった。そこで、第一種の遊技機と第二種の遊技機とを合わせたような、例えば、始動口へ遊技球が入球すると羽根を開閉させると共に抽選を行うようなもの(例えば、特許文献3)、始動口へ遊技球が入球すると抽選を行い、その抽選結果に応じて羽根を開閉させたり有利遊技状態を発生させたりするもの(例えば、特許文献4)、等が提案されている。
特開2002−177515号公報 特開2004−159940号公報 特開2000− 33141号公報 特開2005− 6691号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に示された従来の遊技機では、留保された始動口への始動入賞を実行開始してから実際に羽根が開閉動作するまでの時間を一定の時間としているので、有利遊技状態の終了後に、多くの留保が実行されても、羽根の開閉タイミングと、遊技球が大当り受入口に受入れられるタイミングとが区々となり、せっかく始動入賞が留保されても、大当り受入口への受入れタイミング合わず、興趣を低下させてしまう問題があった。
また、特許文献4に示された従来の遊技機では、図柄の変動時間によって、留保が実行されてから羽根が実際に開閉動作するまでの時間が変化するが、その変動時間は、図柄の変動による演出効果を高めるために変化させているので、図柄の変動による羽根の開閉タイミングは、遊技球が大当り受入口に受入れられるタイミングと関係のないタイミングとなっており、このものでも、羽根が開閉しても、大当り受入口への受入れタイミングと合わず、興趣を低下させてしまう問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、内部に大当り受入口を有した役物の開閉片を開閉させる始動入賞を留保可能とし、大当り受入口へ受入れられ易いように開閉片の開閉タイミングを変更することで、興趣が低下するのを防止することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に配置され、前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口へ進入した前記遊技媒体を検出可能な始動検出手段と、
該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉片、
該開閉片が開くことで前記遊技媒体が進入可能となる進入口、
該進入口から進入した前記遊技媒体を検出する進入検出手段、
該進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態が発生する第一受入口、
該第一受入口とは異なり、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより前記有利遊技状態が発生しない第二受入口、
前記進入検出手段より下流側で、且つ、前記第一受入口及び前記第二受入口の上流側に配置され、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように振り分ける役物内可動役物
を有し、前記遊技領域内の前記始動口とは異なる位置に配置された役物と、
該役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられると、前記開閉片に所定の開閉動作をさせて前記有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
少なくとも前記始動検出手段、及び前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出に基いて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と
を具備する遊技機において、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じた前記開閉片の開閉動作を、遊技者の操作により変化する遊技状態に応じて実行又は留保する留保手段と、
該留保手段による前記開閉片の開閉動作の実行開始から、該開閉片が実際に開閉動作をするまでの猶予時間を、前記遊技状態、前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出、及び前記役物内可動役物の可動状況、の少なくとも一つに応じて選択する猶予時間選択手段と、
前記留保手段により留保された前記開閉片の開閉動作の留保数を少なくとも表示可能な表示手段と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「役物内可動役物」としては、例えば、「シーソーの様に揺動し、遊技媒体を左右方向に転動可能とされたガイド部材からなり、その左右両端の何れかから遊技媒体を放出することで振り分けるもの」、「移動することで遊技媒体を所定の方向へ押打可能とされ、遊技媒体を押打するか否かにより振り分けるもの」、「回転体の周方向に遊技媒体を収容可能な複数の収容部を周方向に備え、遊技媒体の収容される収容部に応じて振り分けるもの」、「遊技媒体が通過可能な通孔と、大当り受入口とを互いに相対移動させて遊技媒体を振り分けるもの」、等が挙げられる。
また、「表示手段」としては、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「ドットマトリックス」、「発光ダイオード(LED)」、「7セグメントLED」、「エレクトロルミネセンス(EL)」、「蛍光表示管」、「白熱ランプ」、等が挙げられる。なお、表示手段を複数備えても良く、抽選結果を表示するものと、留保数を表示するものとを、夫々別々の表示手段とすることもできる。
また、「始動検出手段による遊技媒体の検出に応じた」とは、例えば、「複数の始動口を有し、遊技媒体の進入した始動口に応じたもの」、「遊技媒体の検出により所定の乱数を発生させ、その発生した乱数に応じたもの」、「遊技媒体の検出により所定の抽選結果を抽選し、その抽選結果に応じたもの」、「遊技媒体の検出により発生する所定の乱数を用いて所定の抽選結果を抽選し、その抽選結果に応じたもの」、等が挙げられる。
更に、「遊技状態」としては、「特別図柄変動制御手段によって特別図柄が変動表示中」、「開閉制御手段によって開閉片を開閉制御中」、「度合示唆図柄の変動表示中」、「有利遊技状態の発生中」、「度合示唆図柄制御手段による度合図柄の変動開始から有利遊技状態発生手段による有利遊技状態の発生終了までの間」、「抽選結果の表示の留保の有無」、等が挙げられる。
また、「猶予時間」としては、例えば、「従来の第二種の遊技機と同等の時間(1sec〜2sec)」、「第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率の高い時間」、「第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率の低い時間」、「図柄を変動表示させる場合の、図柄の変動時間」、等が挙げられる。
更に、有利遊技状態とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
ところで、従来における第二種の遊技機では、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が始動口に進入しても、始動口への進入による開閉片の開閉動作(始動入賞)を実行することがなかったので、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が始動口に進入しても遊技者の興趣を高めることができなかった。そこで、上記の特許文献1及び特許文献2に示されたように、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が始動口に進入したら、開閉片の開閉動作の実行を有利遊技状態が終了するまで留保するものが提案されている。しかしながら、この場合、有利遊技状態の発生契機となる大当り受入口を備えた役物内には、大当り受入口へ遊技媒体を受入れさせるか否かを振り分け、所定サイクルで可動する役物内可動役物を有しており、この役物内可動役物の可動状況によって大当り受入口へ遊技媒体が受入れられる確率が高くなったり、低くなったりするタイミングがあり、留保された開閉動作が実行されて実際に開閉片が開閉動作するタイミングが、役物内可動役物による大当り受入口へ受入れられるタイミングと略一致する機会(確率)が低く、留保された開閉動作が実行されて開閉片が開閉動作しても、大当り受入口へ受入れられる可能性が低いので、興趣を高めるられる効果を期待することは困難であった。
また、特許文献2のものでは、留保された始動入賞が、大当り受入口に受入れられる確率を、役物内可動役物の可動状況に応じて算出した上で、表示手段に表示させるようにしているが、表示された確率が高ければ興趣を高められるものの、表示された確率が高くない(低い)場合は、かえって興趣を低下させてしまう問題がある。
手段1の構成によると、遊技領域内に配置された始動口に遊技媒体が進入すると、役物の開閉片が所定の開閉動作をし、開閉片が開状態の時に、開閉片によって閉鎖されていた進入口から遊技媒体が役物内へ進入し、役物内可動役物の可動によって第一受入口又は第二受入口の何れかに振り分けられ、第一受入口に受入れられると、開閉片を所定回数繰り返し開閉動作させる有利遊技状態が発生する遊技機、つまり、第二種の遊技機において、留保手段により始動口への遊技媒体の進入による開閉片の開閉動作の実行を遊技状態に応じて実行又は留保すると共に、その留保数を表示手段に表示し、猶予時間選択手段により開閉片の開閉動作の実行開始から実際に開閉動作するまでの猶予時間を、遊技状態、始動検出手段による遊技媒体の検出、及び役物内可動役物の可動状況、等に応じて選択するものである。
これにより、少なくとも役物内の第一受入口に遊技媒体を受入れさせると有利遊技状態が発生するので、まず、役物内部への入り口となる進入口を閉鎖する開閉片を開かせるために、始動口に遊技媒体を進入させるような遊技媒体の打ち込み操作をさせる。そして、始動口に遊技媒体が進入すると、遊技状態に応じて開閉片が所定の開閉動作をする。その際に、役物内可動役物の可動状況等に応じて猶予時間が選択されて、その猶予時間の経過後に開閉片が開閉動作するので、この猶予時間を、第一受入口へ受入れられ易いように選択(変更)することで、興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技状態に応じて開閉片の開閉動作の実行を留保し、その留保数を表示するようにしているので、例えば、有利遊技状態の発生中に始動口への遊技媒体の進入があると開閉動作の実行を留保するようにした場合、表示手段には、有利遊技状態の発生中に始動口に進入した遊技球の数が表示されることとなり、その数が多ければ多いほど有利遊技状態が終了した後のチャンスが多いことを認識させることができ、興趣を高められる効果が期待できる。
なお、例えば、猶予時間として、第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率の高い時間、詳しくは、開閉片が開閉動作した時に、役物内に進入した遊技媒体が役物内可動役物によって第一受入口へと振り分けられるタイミングで、実際に開閉片が開閉動作するような時間、とすることで、開閉片が開閉動作した時に、遊技媒体を進入させると、第一受入口に受入れられる可能性が高いので、特に進入口を狙って遊技媒体を打ち込ませることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、猶予時間を、従来の第二種の遊技機における始動口への始動入賞から実際に開閉片が開閉動作する時間と略同じ時間とすることもでき、これにより、従来における第二種の遊技と略同じ遊技となり、これまでの第二種の遊技機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、遊技の違和感による興趣の低下を抑制することができる。
また、設定された猶予時間を表示手段等により、遊技者に認識できるようにしても良く、これにより、開閉片が実際に開閉動作するタイミングを掴み易くすることができ、遊技を容易なものとすることができる。
更に、留保手段によって開閉片の開閉動作の実行において、表示手段等により視覚的或いは聴覚的に、実行が開始されるタイミングや、実際に開閉片が開閉動作するタイミングを案内するようにしても良く、これにより、開閉片が開閉するタイミングを取り易くなり、遊技内容が複雑となるのを防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。具体的には、例えば、留保の実行の開始を案内させたり、実行の開始と共に、所定の図柄を変動表示させたり、所定の音楽を鳴動させたりして、猶予時間が経過したら、図柄を停止表示させたり、音楽を停止させたりすることができる。なお、音楽を用いる場合は、猶予時間の経過時が、そのメロディーラインの中で強調された部分(例えば、さわりの部分、速度の変り目、音が強くなる部分、アクセントの部分、等)と一致するようにしても良い。
手段2:手段1の構成において、
「前記役物内可動役物は、可動範囲内において所定の基準位置を有し、
前記留保手段は、前記役物内可動役物の可動状況として該役物内可動役物が所定の基準位置に到達又は通過したことを契機に、留保された前記開閉片の開閉動作の実行を開始させる」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、役物内可動役物の可動状況として、所定の基準位置に到達したり、所定の基準位置を通過したりすると、留保された開閉片の開閉動作の実行を開始させるものである。これにより、開閉片の開閉動作の実行により、第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率を適宜なものとすることができ、その確率が高ければ遊技者の興趣を高めることができ、低ければ興趣を抑制することができる。
具体的には、例えば、役物内においては、遊技媒体が役物の進入口に進入してから役物内可動役物によって第一受入口に受入れられるまでの到達時間を、また可動する役物内可動役物では、所定の基準位置から遊技媒体が第一受入口に受入可能となるまでの受入可能時間を、夫々有しており、それら到達時間及び受入可能時間から、実際に開閉片を開閉動作させた時に役物内に進入した遊技媒体が役物内可動役物を介して第一受入口に受入れられる確率の高くなるタイミングや、低くなるタイミングを算出することができ、そのタイミングと役物内可動役物の可動状況とを基に猶予時間を選択することで、第一受入口へ受入れられる確率を適宜変更することができる。
また、役物内可動役物を常時可動させるだけでなく、遊技状態に応じて、その可動を変化させたり、停止させたりしても良く、例えば、所定の遊技状態を満たした時に、役物内可動役物を所定の基準位置で停止(到達に相当)させて、その状態で留保された開閉片の開閉動作を実行させるようにしても良く。この場合、役物内可動役物の可動停止を視覚的に認識することが可能となるので、所定の基準位置として、第一受入口に受入れ可能な位置であれば興趣を高めさせることができ、第一受入口に受入れ不能な位置であれば興趣を抑制させることができ、抑揚に富んだものとすることができる。
更に、例えば、所定の遊技状態を満たした時に、役物内可動役物を所定の基準位置から可動開始(通過に相当)すると共に、所定の猶予時間を設定した上で留保された開閉片の開閉動作を実行させるようにしても良い。これによっても上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段3:手段2の構成において、
「前記遊技状態に応じて前記役物内可動役物を、所定の基準位置から可動開始させる可動役物制御手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ところで、通常、遊技者は役物内可動役物の可動状況に応じて、遊技媒体を遊技領域内に打ち込む操作を行うが、役物内可動役物が一定の周期で可動し続けていると、遊技者の操作もそれに合わせて一定の操作となり易く、遊技者によっては飽きたりして興趣を低下させてしまう恐れがあった。そこで、役物内可動役物の可動状況として、その可動速度を変化させたり、一旦、可動を停止させたりすることが考えられるが、これらの場合、通常の可動状況に戻った時に、遊技者によっては再びその可動周期の感覚を取り戻すのに時間がかかったり、億劫になったりして興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段3の構成によると、可動役物制御手段により、遊技状態に応じて役物内可動役物を所定の基準位置から可動開始させるものである。つまり、遊技状態に応じて、一旦、役物内可動役物を停止させた上で、所定の基準位置から可動開始させるものである。これにより、基準位置から可動が開始されるので、可動周期のタイミングが取り易くなり、興趣が低下するのを抑制することができると共に、役物内可動役物の可動状況を変化させることができるので、遊技内容に起伏を付けることができ、飽き難くして興趣の低下を防止したりすることができる。
なお、遊技状態としては、例えば、有利遊技状態の発生が挙げられ、有利遊技状態の発生が終了すると、所定の基準位置から役物内可動役物を可動開始させるようにしても良い。これにより、有利遊技状態の発生が終了し、留保手段によって留保された開閉片の開閉動作が実行される際に、役物内可動役物が基準位置から可動開始するので、そのタイミングが取り易く、役物内可動役物を介して第一受入口への受入れを容易に狙うことができ、興趣を高められるものとすることができる。
手段4:手段2又は手段3の構成において、
「前記猶予時間選択手段は、
可動する前記役物内可動役物が所定の基準位置を通過した時に、前記留保手段による前記開閉片の開閉動作の実行開始させた場合に、該開閉片が実際に開閉動作をして前記進入口に進入した前記遊技媒体が前記役物内可動役物によって、前記第一受入口に受入れられる確率の高い第一猶予時間と、
該第一猶予時間よりも、前記第一受入口に受入れられる確率が低い第二猶予時間と
を少なくとも選択可能とする」ものであることを特徴とする。
ここで、「確率の高い」とは、少なくとも50%以上の確率のことである。また、第二猶予時間の確率は、あくまでも第一猶予時間の確立よりも低いのであって、必ずしも50%以下の確率である必要はないものである。なお、猶予時間の長さは、第一猶予時間の方が第二猶予時間よりも長くても良いし、第二猶予時間の方が第一猶予時間よりも長くても良い。
手段4の構成によると、猶予時間選択手段は、役物内の第一受入口に受入れられる確率の高い第一猶予時間と、第一猶予時間よりも確率の低い第二猶予時間とを少なくとも選択可能とするものである。これにより役物内可動役物を介して第一受入口に受入れられる確率を変化させて、遊技に面白味を付加することができる。
なお、第一猶予時間及び第二猶予時間は、あくまでも、役物内可動役物が所定の基準位置を通過したときに、留保された開閉片の開閉動作を実行開始させた場合の時間である。そのため、その留保された開閉動作が実行されるタイミングによっては、第一猶予時間よりも第二猶予時間の方が、役物内可動役物を介して第一受入口に受入れられる確率が高くなる場合も有るので、例えば、表示手段に何れの猶予時間であるかを表示させるようにした場合、選択された猶予時間と、役物内可動役物の可動状況とにより、遊技媒体を打ち込むタイミングをはかりながら遊技させることができ、遊技するための思考に深みを持たせて興趣を高められるものとすることができる。
また、遊技状態に応じて猶予時間選択手段により第一猶予時間及び第二猶予時間の何れかを選択させるようにしても良い。具体的には、有利遊技状態の発生終了後に留保された開閉片の開閉動作を実行させる場合は、第一猶予時間、第二猶予時間の何れかから猶予時間を選択させるようにし、その他の遊技状態においては、従来の第二種の遊技機と同様の時間を猶予時間として選択するようにしても良い。これにより、通常時に始動入賞すると、従来の第二種の遊技機と同様の猶予時間で開閉片が開閉動作をするので、従来機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができる。また、有利遊技状態の終了後には、第一猶予時間又は第二猶予時間の何れかを選択させると共に、役物内可動役物を所定の基準位置から可動開始させることで、選択された猶予時間で確実に第一受入口への受入れ確率を反映させることができ、引き続き有利遊技状態の発生チャンスを、留保された数だけ得ることができるので、興趣を維持させることが可能となり、興趣が低下するのを防止することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられる確率を変更する確率変更手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「確率変更手段」としては、「役物の進入口を開閉する開閉片の開閉動作パターンを変更するもの」、「役物内可動役物の可動状況を変更するもの」、「猶予時間選択手段により設定する猶予時間を変更するもの」、等が挙げられ、上記のものを適宜組み合わせたものとしても良い。
手段5の構成によると、確率変更手段によって、始動入賞に応じて第一受入口へ受入れられる確率を変更するものである。これにより、例えば、遊技媒体の進入した始動口の種類に応じて、確率を高くしたり低くしたりすることができるので、確率の高い始動口を狙った遊技をさせることができ、興趣が高められる効果を期待することができる。
また、例えば、始動口へ遊技媒体が受入れられることで、所定の乱数を発生させ、その乱数に応じて確率を変更することもでき、確率が変化することで、興趣を高めたり、抑制させたりすることができ、抑揚に富んだものとすることができる。なお、この場合、確率が変更される或いは変更されたことを表示手段等に表示させることが望ましく、これにより、確率の変更を認識させることができ、その確率に応じた遊技をさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、確率変更手段による確率の変更は、所定期間内、或いは、所定の遊技状態となるまでは、確率を変更させずに同一の確率を用いるようにしても良いし、遊技状態の変化、始動入賞等の度に確率を変更するようにしても良い。
また、確率変更手段による確率の変更や、確率を、表示手段等により遊技者に認識させるようにしても良く。これにより、特に、確率が高くなった場合は、チャンスの到来を認識することが可能となり、興趣を高めることができる。
手段6:手段5の構成において、
「前記確率変更手段は、
前記猶予時間選択手段により適宜の猶予時間を選択させることで、前記役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられる確率を変更する」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、確率変更手段によって、第一受入口に受入れられる確率に応じた猶予時間を猶予時間選択手段により設定させるものである。これにより、上記と同様の作用効果を奏すると共に、第一受入口へ受入れられる確率によって、留保された開閉片の開閉動作が実行されてから実際に開閉動作するまでの時間が異なるので、その時間の違いにより確率を認識させることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じ発生する所定の乱数を用いて抽選するもので、抽選され易く前記役物の前記開閉片に所定の開閉動作をさせる普通当り、前記普通当りよりも抽選され難く前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れ無しに前記有利遊技状態を発生させる特別当り、を少なくとも含む抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段による前記抽選結果に応じて前記役物の前記開閉片が所定の開閉動作を行うように開閉制御する開閉制御手段と
を更に具備し、
前記抽選手段による前記抽選結果を、前記表示手段に表示可能とすると共に、
該表示手段によって前記抽選結果が表示されると、前記開閉制御手段によって前記抽選結果に応じた前記開閉片の所定の開閉動作を開閉制御し、
前記留保手段は、前記表示手段による前記抽選結果の表示を実行又は保留することで、前記開閉片の開閉動作を実行又は留保するもの」であることを特徴とする。
ここで、「所定の乱数」としては、大当り判定乱数、継続回数判定乱数、変動表示パターン乱数、等が挙げられる。
また、「抽選結果の表示を留保する」とは、「抽選手段において発生する乱数を記憶手段等に記憶することで抽選結果の表示を留保するもの」、「抽選手段において発生した乱数を用いて決定された抽選結果を記憶手段等に記憶することで抽選結果の表示を留保するもの」、「抽選手段による抽選結果に応じて、生成される表示態様のコマンドや画像等を記憶手段等に記憶することで留保するもの」等が挙げられる。
ところで、上記の特許文献1及び特許文献2に示されたような従来の遊技機では、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が始動口に進入したら、開閉片の開閉動作の実行を有利遊技状態が終了するまで留保することができる。しかしながら、この場合、第二種の遊技機における有利遊技状態は、開閉片を繰り返し開閉動作させるものであるため、有利遊技状態が終了した後に留保された開閉動作を実行すると、遊技者には単に有利遊技状態による開閉動作が所定より長く繰り返されているように感じるだけであり、開閉片の開閉動作を留保するだけでは遊技者の興趣を向上させることが困難であった。なお、留保数を表示するようにしても、有利遊技状態と連続して消化(実行)されるだけなので、大きな効果を得るのを期待することは困難であった。
手段7の構成によると、始動口に遊技媒体が進入すると、抽選手段により、所定の開閉動作を開閉片にさせる普通当り、第一受入口への遊技媒体の受入れとは無関係に有利遊技状態を発生させる特別当りを含む抽選結果を抽選させて、表示手段にその抽選結果を表示させて、抽選結果に応じて開閉片を開閉動作させるものとすると共に、留保手段に開閉片の開閉動作の実行又は留保を、抽選結果の表示の実行又は留保とさせて、遊技状態に応じて抽選結果の表示を実行又は留保させるものである。
これにより、始動口に遊技媒体が進入すると、所定の抽選が行われて表示手段に抽選結果が表示され、抽選結果に応じた開閉片の開閉動作がなされる。その際に、開閉片を開閉動作させる普通当りが抽選され易いようになっているので、普通当りとなることで開閉片が所定の開閉動作をし、開状態の時に遊技媒体を進入口から役物内へ進入させて、第一受入口へ受入れさせるような遊技をすることができる。この上述の遊技は、従来における第二種の遊技と類似した遊技となり、これまでの第二種の遊技機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、遊技の違和感による興趣の低下を抑制することができる。
また、抽選結果の表示の際に、抽選結果には有利遊技状態の発生する特別当りがあるので、表示される抽選結果が普通当りか特別当りかで遊技者をワクワクさせて興趣を高められる効果が期待できると共に、有利遊技状態が発生する特別当りによって従来の第一種の遊技と類似した遊技もすることができ、第一種の遊技機に慣れた遊技者でも違和感無く遊技することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、有利遊技状態は、第一受入口への遊技媒体の受入れ、抽選結果が特別当り、の何れの場合でも、役物の開閉片を所定回数繰り返し開閉動作させるものとしている。つまり、有利遊技状態における遊技内容、及び遊技領域は、その発生契機の違いに関わらず同じものとなっているので、遊技領域を広く使うことが可能となり、インパクトのある遊技機とすることができると共に、遊技者に開閉片を備えた役物に注視した遊技をさせることができるので、遊技者の関心が分散するのを防止することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて抽選結果の表示の実行を留保し、その留保数を表示するようにしているので、例えば、有利遊技状態の発生中に始動口への遊技媒体の進入があると抽選結果の表示の実行を留保するようにした場合、表示手段には、有利遊技状態の発生中に始動口に進入した遊技球の数が表示されることとなり、その数が多ければ多いほど有利遊技状態が終了した後のチャンスが多いことを認識させることができ、興趣を高められる効果が期待できる。また、有利遊技状態が終了して留保された抽選結果の表示が実行される際に、例えば抽選結果が普通当りであって有利遊技状態と連続して開閉片が開閉動作しても、その前に抽選結果が表示手段に表示されるので、留保された抽選結果の表示が実行されているのを明確に認識させることができると共に、留保されている抽選結果が「特別当りかも知れない」と言う期待感も持たせることが可能となり、単に第二種の遊技機に留保を備えたものと比較して、より興趣の高められるものとすることができる。
なお、始動口へ遊技媒体が進入してから抽選結果が表示されて実際に開閉片が所定の開閉動作をするまでの猶予時間選択手段により設定される猶予時間を、従来の第二種の遊技機における始動口への遊技媒体の進入から開閉片が開閉動作するまでの時間と略同じ時間とすることが望ましく、これにより、従来の第二種の遊技により類似した遊技とすることが可能となり、遊技者の違和感を更に抑制することができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、抽選結果に応じて、猶予時間選択手段により選択される猶予時間を、時間の異なるものを選択するようにしても良い。例えば、普通当りの場合は、猶予時間を比較的短時間とすることで、従来の第二種の遊技機との違和感を緩和させ、特別当りの場合は、猶予時間を長い時間として、抽選結果が表示される前に、普通当りでないことを認識させることができ、興趣を盛り上げることができる。
更に、表示手段による抽選結果の表示として、複数の図柄を変動表示させた後に抽選結果を示唆する図柄を停止表示させるようにしても良く、これにより、従来の第一種の遊技と更に類似した遊技となり、遊技者の違和感を更に抑制することができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、留保手段による抽選結果の表示の実行又は留保は、例えば、抽選結果の表示がある場合は、一旦記憶手段等に留保した上で、古いものから実行するようにしても良いし、留保されている抽選手段の表示が無ければ、抽選結果の表示があれば、直接、それを実行させるようにしても良い。
手段8:手段7の構成において、
「前記猶予時間選択手段は、
前記抽選結果が普通当りの場合は前記第一猶予時間又は前記第二猶予時間の何れかを選択し、
前記抽選結果が特別当りの場合は前記第一猶予時間及び前記第二猶予時間よりも時間の長い第三猶予時間を選択する」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、抽選結果が、普通当りの場合は第一猶予時間又は第二猶予時間の何れかが選択され、特別当りの場合は、第一猶予時間及び第二猶予時間よりも長い第三猶予時間が選択されるものである。これにより、抽選結果が普通当りと特別当りとでは、猶予時間が異なるものとなっているので、第一猶予時間や第二猶予時間を過ぎても、抽選結果の表示がなされず開閉片が開閉動作しない場合は、抽選結果が特別当りであることを認識させることが可能となり、興趣を高めることができる。
なお、抽選結果が特別当りである場合、有利遊技状態が発生するので、猶予時間が長くても遊技者が違和感や苛立ちを覚えたりするのが緩和され興趣が低下するのを抑制することができる。また、例えば、その猶予時間中に、表示手段に所定の演出表示をさせるようにしても良く、これにより、遊技者を楽しませることができる。
手段9:手段7又は手段8の構成において、
「前記留保手段によって前記抽選結果の表示の実行が開始されると、前記表示手段に複数の特別図柄を変動表示させた上で、前記抽選結果を示唆する前記特別図柄を停止表示させる特別図柄表示制御手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「特別図柄」としては、数字、文字、記号、キャラクタ、物品等の単体の絵文字等や、これらの単体の絵文字等を組合わせた集合体等を例示できるが、これに限らず、特別図柄によって、抽選結果を遊技者に正確に認識させることができる表示であればよい。
手段9の構成によると、抽選結果の表示として、複数の特別図柄を変動表示させた上で、所定時間経過後に抽選結果を示唆する特別図柄を停止表示させるものである。これにより、抽選結果が表示されるまでの間、特別図柄が変動しているので、遊技者に何れの図柄で停止表示されるのか、つまり、抽選結果が何れであるのかをワクワクさせることができ、興趣を高められる効果を期待することができる。
なお、特別図柄に、猶予時間や、第一受入口へ受入れられる確率等を示唆する要素(例えば、図柄の色彩、補助的な図柄の付加、等)を含ませるようにしても良い。これにより、猶予時間や確率等を認識させることができ、遊技者に多様な遊技を模索させることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
手段10:手段1から手段9までの何れか一つの構成において、
「前記有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生に先立って、前記表示手段に複数の度合示唆図柄を変動表示させた上で、発生する前記有利遊技状態の有利度合を示唆する前記度合示唆図柄で停止表示させる度合示唆図柄制御手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「有利度合」とは、例えば、「開閉片が所定回数繰り返し開閉動作するのを1ラウンドとし、そのラウンドを何回まで継続させた有利遊技状態とするかを示すラウンド数」、「役物の進入口へ遊技媒体が進入した際に、遊技者に払い出される遊技媒体の数」、「特別当りの抽選確率」、等が挙げられる。
また、「度合示唆図柄」としては、数字、文字、記号、キャラクタ、物品等の単体の絵文字等や、これらの単体の絵文字等を組合わせた集合体等を例示できるが、これに限らず、有利度合を遊技者に明確に認識させることができる表示であればよい。
手段10の構成によると、有利遊技状態の発生に先立って、表示手段には、有利度合を示唆する度合示唆図柄が変動表示され、停止表示された度合示唆図柄に応じた有利遊技状態が発生するものである。つまり、有利遊技状態が発生する前に、例えば、度合示唆図柄として、所定回数繰り返し開閉動作する開閉片のラウンド数を示唆するものとした場合、より多くのラウンド数を示唆する度合示唆図柄が停止表示されることを望み、所望の度合示唆図柄が停止表示されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。
なお、有利度合は、抽選手段による抽選結果に応じてその度合を決定するようにしても良いし、始動口や第一受入口への遊技媒体の受入れを契機として有利度合を決定するようにしても良い。
また、有利遊技状態の発生する前に表示される有利度合は、仮のものであっても良い。つまり、例えば、実際の有利度合が16ラウンドであった場合、有利度合としてのラウンド数を8ラウンドとして表示させ、初めは遊技者に有利度合が8ラウンドであると認識させておき、有利遊技状態の発生後に有利度合が変更されるような演出表示(例えば、再抽選表示)を行ってあたかも有利度合が16ラウンドに増えたかのような表示としても良い。これにより、遊技者に当所表示された有利度合よりも更に有利な有利度合が表示されることで、幸運を得たような感覚にさせることが可能となり、興趣を高めることができる。
手段11:手段10の構成において、
「前記留保手段は、
少なくとも、前記特別図柄変動制御手段によって前記特別図柄が変動表示中、前記開閉制御手段によって前記開閉片を開閉制御中、又は前記度合示唆図柄制御手段による前記度合図柄の変動開始から前記有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生終了までの間に前記遊技媒体が前記始動口へ進入した場合、前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じた前記開閉片の開閉動作の実行を留保する」ものであることを特徴とする。
ところで、従来の第二種の遊技機では、有利遊技状態が発生している時に、遊技媒体が始動口に進入しても、即座に始動口への進入による開閉片の開閉動作を実行することができないので、その始動口への進入による開閉動作を実行することなく無効のものとしていた。そのため、始動口に遊技媒体が進入したにも関わらず、開閉片が開閉動作しないので、遊技者に対して不利な状態となり、興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段11の構成によると、特別図柄の変動表示中、開閉片の開閉動作中、及び度合示唆図柄の変動開始から有利遊技状態の発生終了まで、の何れかの遊技状態にある時に、遊技媒体が始動口に進入すると、留保手段によって開閉片の開閉動作の実行が留保されるものである。これにより、上記の遊技状態において、遊技媒体が始動口に進入すると、開閉片の開閉動作の実行を一旦留保し、上記の遊技状態が解消された後に留保した開閉動作を実行させることができ、遊技者に対して不利な状態となるのを防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、留保手段によって留保される抽選結果の留保数が、所定数以上は留保しないようにしても良い。これにより、留保数に上限がないと、留保された開閉片の開閉動作を実行する時間が長くなり、遊技媒体を打ち込む本来の遊技が疎かとなり遊技媒体による遊技機で無くなる恐れがあると共に、遊技機を設置するホール側の負担が増加する恐れがあるためである。
手段12:手段10又は手段11の構成において、
「前記留保手段は、
前記開閉制御手段によって前記開閉片を開閉制御しておらず、且つ、前記表示手段に少なくとも前記特別図柄及び前記度合示唆図柄が変動表示されていない時に、前記遊技媒体が前記始動口へ進入した場合、前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じた前記開閉片の開閉動作を実行させる」ものであることを特徴とする。
ところで、開閉片を開閉制御中、特別図柄等を変動中に、開閉片の開閉動作を実行するようにした場合、それらの制御中に割込みが入ることとなり、開閉片の開閉制御が不完全なものとなる恐れがある他に、図柄の変動表示中に実行されると、先に変動表示が開始された図柄が停止表示されることがなくなり、遊技者に停止表示される図柄を的確に認識させることができず、興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段12の構成によると、開閉片が開閉制御されておらず、且つ、特別図柄及び度合示唆図柄の何れかが変動表示されていなければ、始動入賞による開閉片の開閉動作を実行させるものであり、留保されたものがあれば留保を解除して実行させ、留保されたものがなければ始動入賞による開閉片の開閉動作を実行させるものである。これにより、始動入賞による開閉片の開閉動作を実行する際に、確実に開閉動作を実行させることが可能となり、開閉片の開閉動作が不完全となったり、図柄による抽選結果や有利度合の表示が不明瞭となったりするのを防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段13:手段1から手段12までの何れか一つの構成において、
「前記開閉片は、
前記遊技媒体が進入した前記始動口、又は前記抽選手段による前記抽選結果の何れかに応じて、第一開放時間、又は該第一開放時間よりも長い第二開放時間の何れかの間、開状態とされる」ものであることを特徴とする。
ここで、第一開放時間としては、0.3sec〜0.6secの間が望ましく、特に約0.4secが望ましい。また、第二開放時間としては、1.5sec〜2.0secの間が望ましく、特に約1.8secが望ましい。
また、「開状態」とは、単に開閉片が開きっぱなしの状態だけでなく、所定の開閉時間間隔でその開放時間の間に開閉を繰り返すものも含まれるものである。
手段13の構成によると、遊技媒体が進入した始動口、又は抽選手段による抽選結果の何れかに応じて、開閉片の開状態となる時間を、第一開放時間又は第二開放時間の何れかとするものである。これにより、開閉片が単に開閉動作するだけでなく、始動口の種類や、抽選結果に応じて、開状態となる時間を異ならせることが可能となり、特に、第二開放時間の場合、長く開状態となるので、役物内へ遊技媒体を進入させ易くなり、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。なお、第一開放時間が選択される確率よりも、第二開放時間が選択される確率の方が低い確率とすることが望ましい。
手段14:手段13の構成において、
「前記抽選手段による前記抽選結果の通常当りは、
第一開放時間の間、前記開閉片を開状態とする第一通常当りと、
該第一通常当りの前記第一開放時間よりも長い第二開放時間の間、前記開閉片を開状態とする第二通常当りとからなる」ものであることを特徴とする。
手段14の構成によると、抽選手段による抽選結果の普通当りを、開閉片が開状態となる時間の短い第一普通当り、開状態となる時間の長い第二普通当り、としたものである。これにより、開閉片が開閉動作する普通当りを細分化すると共に、普通当りにおいても遊技者により有利な第二普通当りを設定し、普通当りによる興趣の向上をはかることができる。
なお、抽選手段によって第一普通当りが抽選される確率は、第二普通当りが抽選される確率よりも高い確率とすることが望ましく、更に、第二普通当りが抽選される確率は、特別当りが抽選される確率よりも高い確率とすることが望ましい。
手段15:手段8から手段14までの何れか一つの構成において、
「前記抽選結果には、前記開閉片を開閉動作させないハズレを更に含み、
前記猶予時間選択手段は、
前記抽選結果が前記ハズレの場合は、前記第三猶予時間を選択する」ものであることを特徴とする。
ところで、特別当りの時のみに猶予時間の長い第三猶予時間とした場合、その猶予時間が第一猶予時間や第二猶予時間よりも長ければ表示手段に抽選結果が表示される前に特別当りであることを容易に認識することができ、表示手段の表示による興趣の向上効果が減衰してしまう問題がある。
手段15の構成によると、抽選手段により抽選される抽選結果に、開閉片を開閉動作させないハズレを加え、ハズレが抽選されると第三猶予時間が選択されるものである。これにより、始動口に遊技媒体が進入しても必ず開閉片が開閉動作するとは限らず、抽選結果が当りかハズレかでハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができる。また、ハズレを抽選すると第三猶予時間が選択されるので、第一猶予時間や第二猶予時間(普通当り)よりも長い猶予時間であっても、抽選結果を推測することができず、ハズレか特別当りかの何れかであるかで、遊技者をより大きくハラハラ、ドキドキさせることができ、抑揚の富んだものとすることができる。
手段16:手段1から手段15までの何れか一つの構成において、
「前記留保手段は、所定数まで保留可能とされ、保留された順番で実行する」ものであることを特徴とする。
手段16の構成によると、留保可能な留保数を所定数までとし、留保された順番で順次実行するものである。これにより、始動入賞(開閉片の開閉動作、抽選結果の表示、等)の留保数に上限を設けることで、実行しきれないほど留保されるのを防止すると共に、留保するための記憶手段の記憶容量を所定の容量のものとすることができ、記憶手段が大型化するのを防止することができる。また、留保された順番で実行することで、留保の実行にかかる制御を容易なものとすることができ、制御にかかる負荷が増加するのを抑制することができる。
なお、所定数としては、2〜6の範囲内が望ましく、従来の第一種の遊技機と略同じ留保数とすることで、第一種の遊技感覚と類似した感覚とすることができ、違和感を緩和させて興趣が低下するのを抑制することができる。
手段17:手段7から手段16までの何れか一つの構成において、
「前記表示手段は、
前記抽選結果を表示するための抽選結果表示手段と、
前記留保手段によって留保された留保数を表示する留保数表示手段とを有する」ものであることを特徴とする。
手段17の構成によると、抽選結果の表示と、留保された留保数の表示とを夫々異なる抽選結果表示手段と、留保数表示手段とにより表示させるものである。これにより、夫々の表示が別々の表示とされるので、夫々を明確に分離して認識させることができ、見落としたり、見間違えたりするのを防止して、遊技に専念させることができる。
手段18:手段1から手段17までの何れか一つの構成において、
「前記役物内に配置された少なくとも前記役物内可動役物の動作状況、及び遊技媒体の位置状況を検出する状況検出手段と、
該状況検出手段により検出された状況に応じて、キャラクタ、図柄、及び背景の少なくとも一つからなる所定の演出態様を前記表示手段に表示させる演出表示制御手段と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「状況検出手段」としては、「役物内可動役物として、長尺状の部材をシーソーの様に揺動させて遊技媒体を振り分けるものの場合、その部材の揺動状況(揺動速度、揺動方向、揺動位置等)を検出するもの」、「周方向に遊技媒体を収容可能な収容部を有した回転体の回転により遊技媒体を振り分けるものの場合、回転体の回転状況(回転速度、回転方向、所定の収容部の回転位置等)を検出するもの」、「移動することで遊技媒体を所定方向に押打可能とされ遊技媒体を押打することで振り分けるものの場合、遊技媒体を押打する押打部の移動状況(移動位置、移動速度、移動方向等)を検出するもの」、「役物内部における遊技媒体を位置状況を検出するもの」、等が挙げられる。
また、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を挙げられる。
更に、「演出態様」とは、キャラクタ、背景及び図柄等を静止画や動画として、或る動きをさせたり、ストーリー性のある表示をさせたりして、所定の意図をもって表示される演出表示画像のことである。
ところで、従来より遊技機に表示手段を備え、その表示手段にキャラクタ等を表示させることで、遊技者に所定の演出態様を楽しませるようなものが知られている。従来の遊技機では、始動口や入賞口等に遊技媒体が受入れられることを契機として、所定の演出態様を表示するようにしているので、遊技領域内における遊技媒体の動きや、遊技領域内に配置された役物内に備えられた可動する転動演出装置等の動きとは関連しない演出態様が表示されているので、遊技媒体の遊技と、演出態様の演出表示とでその内容が乖離してしまい、遊技者の興趣を高めることが困難であった。
手段18の構成によると、役物内の役物内可動役物の動作状況や、遊技媒体の位置状況に応じて、表示手段には、キャラクタ等を用いた演出態様が表示されるので、始動口への始動入賞による開閉片の開閉動作や、抽選手段の抽選結果による遊技に加えて、表示手段に役物内可動役物や遊技媒体の動きと関連した演出態様が表示されるので、より面白味のあるものとすることができ、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができる。
なお、例えば、役物内可動役物の動作状況や、遊技媒体の位置によって、開閉片の開閉動作時に役物内に進入する遊技媒体や、役物内に進入した遊技媒体が、第一受入口に受入れられる可能性が高い時には、その旨を示唆する演出態様を表示するようにしても良く、遊技者にチャンスの到来を認識させることができ、更に興趣を高めることができる。
手段19:手段18の構成において、
「前記演出表示制御手段は、
前記状況検出手段によって検出された状況が前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられる可能性が高く、且つ前記留保手段によって実行される実行内容が所定条件を満たすと、前記遊技媒体が前記第一受入口に受入れられる可能性が高いことを示唆する特別演出態様を前記表示手段に表示させる」ものであることを特徴とする。
ここで、「特別演出態様」としては、キャラクタ、背景、及び図柄を適宜用いて、第一受入口に遊技媒体が受入れられる可能性が高いことを示唆する演出画像(静止画や動画)であれば良く、例えば、「キャラクタ等を遊技媒体が第一受入口の方向に移動表示するもの」、「特定のポーズをしたキャラクタを表示するもの」、「キャラクタ等を拡大表示するもの」、等が挙げられる。
手段19の構成によると、実行される実行内容(開閉片の開閉動作、抽選結果、等)が所定条件(例えば、普通当り)を満たし、役物内に進入する又は進入した遊技媒体が第一受入口に受入れられる可能性が高いと、表示手段にその旨を示唆する特別演出態様が表示されるものである。これにより、有利遊技状態が発生するチャンスが到来したことを容易に認識させることが可能となり、遊技媒体をこれから役物内へ進入させる場合では、開閉片が開閉動作する役物の進入口を狙った遊技をさせることができ、役物内へ遊技媒体が進入した後であれば、転動演出装置による遊技媒体の転動演出を楽しませながら第一受入口に受入れられるであろう遊技媒体の動きに胸躍らせるような興趣に富んだものとすることができる。
手段20:手段7から手段12までの何れか一つの構成において、
「前記実行保留手段によって実行される前記抽選結果が前記特別当りの場合、前記有利遊技状態発生手段によって前記有利遊技状態の発生が開始されるまで、前記開閉制御手段による前記開閉片の開閉動作が行われない」ものであることを特徴とする。
手段20の構成によると、有利遊技状態を発生させる特別当りが抽選されると、始動口への進入による開閉片の開閉動作を行わないようにしたものである。これにより、特別当りが抽選されると有利遊技状態が発生するので、開閉片の開閉動作を行わなくても、遊技者は特に不利な状態となったと認識することがなく、開閉片を開閉させることでホール側の負担が増加するのを効果的に抑制することができる。
手段21:手段1から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記役物内可動役物は、
前記進入口に進入し前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を左右方向に転動可能な転動面を有し、該転動面から前記遊技媒体を左右両端の何れかから放出可能とされ、左右両端の一方の下流側に前記第二受入口が、他方の下流側に前記第一受入口が夫々配置されている長尺状のガイド部材と、該ガイド部材を前記転動面上の前記遊技媒体が揺動するように動作させる動作駆動手段とからなる第一転動演出装置とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「揺動」とは、ガイド部材上において、遊技媒体が少なくとも1往復以上することであり、望ましくは、1.5往復以上、ガイド部材上を行ったり来たりすることである。なお、ガイド部材上を無限に揺動し続けることは含まず、所定時間、或いは、所定往復(サイクル)の後には、ガイド部材上から放出されて揺動が終わるものである。なお、遊技媒体がガイド部材上に供給された時の、遊技媒体の移動速度や移動方向、或いは、ガイド部材の回動状況等が所定条件を満たした時に、遊技媒体がガイド部材上を揺動するようにしても良い。
また、「遊技媒体が揺動するように動作させる」とは、ガイド部材をシーソーのように動作させ、低くなった方の端部に向かって転動する遊技媒体が、その端部から放出される前に、その端部を水平方向よりも高くして、遊技媒体が逆方向に転動させて他方の端部に向かわせ、他方の端部においても同様の動作を行い、それを繰り返すことで遊技媒体が揺動し、そのようにガイド部材を動作させることである。このような動作としては、「ガイド部材の長さに応じて、回動角度、及び回動速度を所定の条件を満たすように周期的に回動させることで遊技媒体を揺動させるもの」、「転動面上の遊技媒体の位置を検出する位置検出手段を設け、その位置検出手段の検出結果に基づいて動作駆動手段によりガイド部材の回動を適宜制御することで、遊技媒体を揺動させるもの」、等が挙げられる。なお、ガイド部材の回動中心の位置は、その長手方向端部でも良いし、中央部でも良く、その他の位置でも良い。
ところで、遊技領域内に、例えば、水平方向に延びるステージ状の載置面を設けて、その載置面上に遊技媒体を供給することで、遊技媒体の動きを水平方向に動くようにすることが考えられるが、この場合、載置面が水平であると、遊技媒体が載置面上に停止してしまう恐れがあり、遊技ができなくなる問題がある。そこで、載置面を傾斜させたり、中央部が両端部よりも相対的に高く、或いは、低くしたりすることも考えられるが、何れの場合も、載置面の低い方へ遊技媒体が流れるだけなので、遊技媒体の動きが飽きられ易いものとなる問題がある。なお、載置面の中央部が両端部よりも相対的に低くした場合、その中央部を中心に、遊技媒体が載置面上を行ったり来たりする可能性があり、遊技媒体の動きにある程度面白味を付与することが可能となるが、遊技媒体は、最終的には載置面の中央部から放出されるので、遊技媒体の流れが容易に予測でき、遊技媒体の動きに注目されなくなる恐れがある。また、載置面を傾斜可能として、傾斜する方向を変更できるようにすることも考えられるが、その場合でも、低い方へ遊技媒体が単に流れるだけなので、上記と同様の問題があった。
そこで、上記のステージ状の載置面をモータ等の駆動手段により、その傾斜角度や傾斜方向を常時変化させるようにすることで、ステージ状の載置面に供給される遊技媒体の流れる方向を予想し難くして、飽き難くすることが考えられるが、この場合、その載置面が常時変化するので、その載置面を見続けたり、遊技媒体の流れる方向を予測したりしなければならず、遊技者によっては、負担となったり、煩わしくなったりして、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段21の構成によると、役物内の役物内可動役物を、進入口から進入して進入検出手段により検出された遊技媒体を受取って、左右方向に延びる長尺状のガイド部材上を左右方向に揺動させて、ガイド部材の左右両端の一方の下流には第二受入口が、左右両端の他方の下流には第一受入口が夫々配置され、左右両端の何れかから遊技媒体を下流へ放出する第一転動演出装置としたものである。
これにより、役物の進入口を閉鎖する開閉片が開状態となった時に、進入口から役物内に進入して進入検出手段によって検出された遊技媒体が、第一転動演出装置のガイド部材上に送られて左右方向に揺動し、このガイド部材上での遊技媒体の揺動によって、第一受入口のある第三転動演出装置の側へ遊技媒体が放出されるか否かで、遊技者をドキドキさせることが期待できる。ところで、ガイド部材をシーソーのように交互に所定の周期で回動動作させると、ガイド部材上の遊技媒体が、行ったり来たりして揺動しながら、徐々にその端部に近づき、やがて端部から放出される。これは、遊技媒体をガイド部材の回動中心上を跨がないように揺動させると、ガイド部材の回動に伴って遊技媒体には常に遠心力が作用すると共に、その遠心力は回動中心から遠ざかるほど強く作用するので、遊技媒体が中心に近づく方向へ移動する距離よりも、中心から遠ざかる方向へ移動する距離のほうが長くなり、そのため揺動する遊技媒体が、徐々に中心から遠い方の端部へ移動するものと思われる。これにより、遊技媒体に、ガイド部材上を揺動しながら徐々に端部に移動するような動きを与えることができ、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することが可能となり、遊技者に対して、いつガイド部材から遊技媒体が放出されるかを予想させることで、より一層ハラハラ、ドキドキさせて、面白味のあるものとすることができる。
手段22:手段1から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記役物内可動役物は、
前記進入口に進入し前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体が、前記第二受入口に向かって流下する途中に配置され、前記遊技媒体と当接することで前記第一受入口の方向に押打可能な押打部と、該押打部を前記進入検出手段の検出結果に応じて、前記遊技媒体を押打可能となるように移動させる押打部駆動手段とを備えた第二転動演出装置とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「押打部駆動手段」としては、モータやソレノイド等を動力として、「押打部を直線移動させるもの」、「押打部を所定の軸を中心として回転移動させるもの」、等が挙げられる。
ところで、遊技領域内において、流下する遊技媒体の移動方向を、略水平方向つまり、左右方向に変更させるものとして、障害釘によりその方向を変更させることが従来より行われているが、その場合、障害釘と当接する遊技媒体の、流下速度や当接位置によって、遊技媒体を所望とする移動方向へ変更することが困難であった、そのため、例えば、垂直方向から水平方向へ滑らかに湾曲する湾曲面上を転動させることで、遊技媒体の移動方向を所望の方向へ変更することが考えられるが、この場合、その湾曲面を転動すれば向きが変わるので、遊技媒体の流れとしては、予め決められた流れをするだけで、単調なものとなっていた。そこで、流下する遊技媒体の流路上に、可動式の反射板を設けて、その反射板により遊技媒体の移動方向を変更させたり、させなかったりすることで、二通りの流れを作り、遊技媒体の動きに面白味を付加することも考えられるが、この場合でも、流路上に反射板があるか否かによって、遊技媒体の流れを予測することができるので、飽きられ易いものとなる。
手段22の構成によると、役物内の役物内可動役物を、進入検出手段と第二受入口との間に配置され、進入口から進入して進入検出手段により検出された遊技媒体を、第一受入口へ押打部により押打可能な第二転動演出装置としたものである。
これにより、役物の進入口を閉鎖する開閉片が開状態となった時に、進入口から役物内に進入して進入検出手段によって検出された遊技媒体が、有利遊技状態が発生しない第二受入口へと向かうので遊技者の興趣が低下する恐れがあるが、第二転動演出装置の押打部が移動して遊技媒体を、有利遊技状態が発生する第一受入口へと押打する。この際に、進入検出手段に検出されて流下する遊技媒体が押打部によって押打されるか否かで遊技者の期待感を高めることができ、更に、遊技媒体が押打部により押打されることで遊技媒体にインパクトのある動きをさせることができ抑揚に富んだ面白味のあるものとすることができる。
手段23:手段1から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記役物内可動役物は、
前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに誘導するために前記進入口に進入し前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を収容可能とし、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに対応する複数の収容部を周方向に配置した回転体と、該回転体を前記収容部に収容された前記遊技媒体を前記収容部と対応する前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように回転駆動する回転駆動手段とを備えた第三転動演出装置とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「収容部」としては、少なくとも遊技媒体が一つ収容可能な大きさであれば良く、「遊技媒体を回転体の軸方向から収容して軸方向に排出するもの」、「遊技媒体を回転体の軸方向から収容して半径方向に排出するもの」、「遊技媒体を回転体の半径方向から収容して軸方向に排出するもの」、「遊技媒体を回転体の半径方向から収容して半径方向に排出するもの」、等が挙げられる。
また、「回転体」としては、「回転体自体に収容部が備えられたもの」、「収容部と回転体とが別体とされ、回転体に収容部が周方向に支持されているもの(例えば、遊園地の観覧車状のもの)」、等が挙げられる。
手段23の構成によると、役物内の役物内可動役物を、進入口から進入して進入検出手段により検出され遊技媒体を収容可能とされ、第一受入口及び第二受入口に夫々対応した収容部を周方向に複数配置され、回転することで収容部に収容された遊技媒体を第一受入口及び第二受入口の何れかに誘導する回転体を備えた第三転動演出装置としたものである。
これにより、役物の進入口を閉鎖する開閉片が開状態となった時に、進入口から役物内に進入して進入検出手段によって検出された遊技媒体が、第三転動演出装置に送られて、有利遊技状態が発生する第一受入口に対応した収容部に遊技媒体が収容されるか否かによってハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができ、その収容部に収容されて第一受入口に導かれることで有利遊技状態が発生すると更に興趣を高めることができる。
手段24:手段1から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記役物内には、
前記進入口に進入し前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を左右方向に転動可能な転動面を有し、該転動面から前記遊技媒体を左右両端の何れかから放出可能な長尺状のガイド部材と、該ガイド部材を前記転動面上の前記遊技媒体が揺動するように動作させる動作駆動手段とからなる第一転動演出装置と、
該第一転動演出装置における前記ガイド部材から前記遊技媒体が放出される左右両端の何れか一方の下流側で、且つ、前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出可能とされた第二受入口の上流側に配置され、前記遊技媒体と当接することで該遊技媒体を前記ガイド部材における左右両端の何れか他方の下流側の方向へ押打可能な押打部と、該押打部を、前記進入口に進入した前記遊技媒体を検出する前記進入検出手段の検出結果に応じて、前記遊技媒体を押打可能となるように移動させる押打部駆動手段とを備えた第二転動演出装置と、
該第二転動演出装置とは異なる位置で、前記第一転動演出装置における前記ガイド部材から前記遊技媒体が放出される左右両端の何れか他方の下流側に配置され、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに前記遊技媒体を誘導するために該遊技媒体を収容可能とし、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに対応する複数の収容部を周方向に配置した回転体と、該回転体を前記収容部に収容された前記遊技媒体を前記収容部と対応する前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように回転駆動する回転駆動手段とを備え前記役物内可動役物としての第三転動演出装置と、
該第三転動演出装置に、前記第二転動演出装置の前記押打部によって押打された前記遊技媒体を案内する第四転動演出装置と
を備えた」ものであることを特徴とする。
ここで、「第四転動演出装置」としては、「所定形状の案内面により遊技媒体を案内するもの」、「二つのレール部材上に載置された遊技媒体が転動することで案内するもの」、「コンベア状のものに載置された遊技媒体がコンベアにより搬送されることで案内するもの」、等が挙げられる。
手段24の構成によると、役物内の転動演出装置を、進入口から進入して進入検出手段により検出された遊技媒体を、受取って左右方向に延びる長尺状のガイド部材上を左右方向に揺動させて、ガイド部材における左右両端の何れかから下流へ放出する第一転動演出装置と、第一転動演出装置の一方の下流側、且つ、第二受入口の上流側に配置されガイド部材から放出された遊技媒体を第一転動演出装置の他方の下流側へ押打部により押打可能な第二転動演出装置と、第一転動演出装置の他方の下流側に配置され、第一受入口及び第二受入口に夫々対応した収容部を周方向に複数配置され、回転することで収容部に収容された遊技媒体を第一受入口及び第二受入口の何れかに誘導する回転体を備えた第三転動演出装置と、第二転動演出装置の押打部によって押打された遊技媒体を第三転動演出装置に案内する第四転動演出装置とを備えたものとしたものである。
これにより、役物の進入口を閉鎖する開閉片が開状態となった時に、進入口から役物内に進入して進入検出手段によって検出された遊技媒体が、まず第一転動演出装置のガイド部材上に送られて左右方向に揺動し、このガイド部材上での遊技媒体の揺動によって、第一受入口のある第三転動演出装置の側へ遊技媒体が放出されるか否かで、遊技者をドキドキさせることが期待できる。ところで、ガイド部材をシーソーのように交互に所定の周期で回動動作させると、ガイド部材上の遊技媒体が、行ったり来たりして揺動しながら、徐々にその端部に近づき、やがて端部から放出される。これは、遊技媒体をガイド部材の回動中心上を跨がないように揺動させると、ガイド部材の回動に伴って遊技媒体には常に遠心力が作用すると共に、その遠心力は回動中心から遠ざかるほど強く作用するので、遊技媒体が中心に近づく方向へ移動する距離よりも、中心から遠ざかる方向へ移動する距離のほうが長くなり、そのため揺動する遊技媒体が、徐々に中心から遠い方の端部へ移動するものと思われる。これにより、遊技媒体に、ガイド部材上を揺動しながら徐々に端部に移動するような動きを与えることができ、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することが可能となり、遊技者に対して、いつガイド部材から遊技媒体が放出されるかを予想させることで、より一層ハラハラ、ドキドキさせて、面白味のあるものとすることができる。そして、揺動の末、下流に第二転動演出装置が配置された側のガイド部材の端部から遊技媒体が放出されると、その下流に有利遊技状態が発生しない第二受入口へと遊技媒体が向かうので遊技者の興趣が低下する恐れがあるが、第二転動演出装置の押打部が移動して遊技媒体を押打すると、第四転動演出装置によって第三転動演出装置へと案内される。この際に、ガイド部材の端部から放出された遊技媒体が押打部によって押打されるか否かで遊技者の期待感を高めることができ、更に、遊技媒体が押打部により押打されることで遊技媒体にインパクトのある動きをさせることができ抑揚に富んだ面白味のあるものとすることができる。そして、押打された遊技媒体が第四転動演出装置によって第三転動演出装置へ向かうに従って興趣を高めることができる。そして、第三転動演出装置では、有利遊技状態が発生する第一受入口に対応した収容部に遊技媒体が収容されるか否かによってハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができ、その収容部に収容されて第一受入口に導かれることで有利遊技状態が発生すると更に興趣を高めることができる。なお、第二転動演出装置の押打部によって押打されずに下流に配置された第二受入口に受入れられても、ここに至るまで充分に楽しませることができると共に、次の遊技媒体に期待させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。また、上記のように、役物内で遊技媒体を左右方向に大きく移動させることで、遊技者を遊技媒体の動きに注目させると共に、遊技媒体の動きによる興趣が低下するのを防止することができる。
手段25:手段18から手段24までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記始動検出手段、前記進入検出手段、及び前記抽選結果に応じて所定のコマンドを送信可能なコマンド送信手段、前記抽選手段、前記有利遊技状態発生手段、前記開閉制御手段、前記留保手段、前記猶予時間選択手段、前記特別図柄表示制御手段、及び前記払出装置を制御する払出制御手段、を少なくとも有する主基板と、
該主基板から送信されるコマンドを受信可能なコマンド受信手段、前記演出表示制御手段、及び度合示唆図柄制御手段、を少なくとも有した周辺基板と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段25の構成によると、遊技機における制御が、コンピュータを用いてなる主基板とコンピュータを用いてなる周辺基板とで分担される。そして、主基板にて、夫々、遊技の実態において特に重要な部分である払出制御手段、有利遊技状態発生手段、留保手段、猶予時間選択手段、開閉制御手段、及びコマンド送信手段等の制御を行う一方、この主基板からのコマンドに基づいて、周辺基板にて、遊技における表示手段の演出表示に重要な役割を果たす演出表示制御手段、度合示唆図柄制御手段等の制御が行われる。これにより、主基板の負担を大きくすることなく、上記の作用効果を奏する遊技機を実現することができる。なお、流通検出手段による検出を、周辺基板において行うようにすることが望ましく、これにより、更に主基板の負担を軽減することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段26:遊技機の構成において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に配置され、前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口へ進入した前記遊技媒体を検出可能な始動検出手段と、
該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉片、
該開閉片が開くことで前記遊技媒体が進入可能となる進入口、
該進入口から進入した前記遊技媒体を検出する進入検出手段、
該進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態が発生する第一受入口、
該第一受入口とは異なり、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより前記有利遊技状態が発生せず、受入れた前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出可能とされた第二受入口、
前記第一受入口及び前記第二受入口の上流側で、且つ、前記進入検出手段の下流側に配置され、該進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を左右方向に転動可能な転動面を有し、該転動面から前記遊技媒体を左右両端の何れかから放出可能な長尺状のガイド部材と、該ガイド部材を前記転動面上の前記遊技媒体が揺動するように動作させる動作駆動手段とからなる第一転動演出装置、
該第一転動演出装置における前記ガイド部材から前記遊技媒体が放出される左右両端の何れか一方の下流側で、且つ、前記第二受入口の上流側に配置され、前記遊技媒体と当接することで該遊技媒体を前記ガイド部材における左右両端の何れか他方の下流側の方向へ押打可能な押打部と、該押打部を、前記進入口に進入した前記遊技媒体を検出する前記進入検出手段の検出結果に応じて、前記遊技媒体を押打可能となるように移動させる押打部駆動手段とを備えた第二転動演出装置、
該第二転動演出装置とは異なる位置で、前記第一転動演出装置における前記ガイド部材から前記遊技媒体が放出される左右両端の何れか他方の下流側に配置され、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに前記遊技媒体を誘導するために該遊技媒体を収容可能とし前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに対応する複数の収容部を周方向に配置した回転体と、該回転体を前記収容部に収容された前記遊技媒体を前記収容部と対応する前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように回転駆動する回転駆動手段とを備えた第三転動演出装置、
該第三転動演出装置に、前記第二転動演出装置の前記押打部によって押打された前記遊技媒体を案内する第四転動演出装置、
前記第一転動演出手段、前記第二転動演出手段、前記第三転動演出手段、及び前記第四転動演出手段によって四方が囲まれる位置に配置され、キャラクタ、図柄、及び背景の少なくとも一つからなる所定の演出態様を表示可能な演出表示手段
を有し、前記遊技領域内の前記始動口とは異なる位置に配置された役物と、
該役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられると、前記開閉片に所定の開閉動作をさせて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
少なくとも前記始動検出手段、及び前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出に基いて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と、
遊技者の操作により変化する遊技状況に応じて前記演出表示手段に所定の演出態様を表示させる演出表示制御手段と
を具備する遊技機において、
前記第三転動演出装置を、可動範囲内に所定の基準位置を有した役物内可動役物とし、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて発生する所定の乱数を用いて抽選するもので、前記開閉片を第一開放時間の間開状態とする第一普通当り、前記開閉片を前記第一開放時間よりも長い第二開放時間の間開状態とする第二普通当り、前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れ無しに前記有利遊技状態を発生させる特別当り、前記開閉片を開閉動作させないハズレを少なくとも含み、前記第一普通当り、前記第二普通当り、前記特別当りの順に抽選され易くされた抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段による前記抽選結果を示唆する特別図柄を表示可能な抽選結果表示手段と、
該抽選結果表示手段での前記抽選結果の表示を、遊技者の操作により変化する遊技状態に応じて実行又は留保する留保手段と、
該留保手段による前記抽選結果の表示の実行開始から、前記開閉片が実際に開閉動作をするまでの猶予時間として、可動する前記役物内可動役物が所定の基準位置を通過した時に、前記留保手段による前記開閉片の開閉動作の実行開始させた場合に、該開閉片が実際に開閉動作をして前記進入口に進入した前記遊技媒体が前記役物内可動役物によって、前記第一受入口に受入れられる確率の高い第一猶予時間、該第一猶予時間よりも前記第一受入口に受入れられる確率が低い第二猶予時間、及び前記第一猶予時間及び前記第二猶予時間よりも時間の長い第三猶予時間を有し、前記抽選結果が前記第一普通当り又は前記第二普通当りの場合は前記第一猶予時間又は前記第二猶予時間の何れかを設定し、前記抽選結果が前記特別当り又は前記ハズレの場合は前記第一猶予時間及び前記第二猶予時間よりも時間の長い前記第三猶予時間を選択する猶予時間選択手段と、
該猶予時間選択手段によって選択された前記第一猶予時間、前記第二猶予時間、及び前記第三猶予時間の何れかの猶予時間の間、前記抽選結果表示手段に複数の前記特別図柄を変動表示させた上で、前記抽選結果を示唆する前記特別図柄を停止表示させる特別図柄表示制御手段と、
該特別図柄表示制御手段によって前記抽選結果を示唆する前記特別図柄が停止表示されると、前記抽選結果に応じて前記役物の前記開閉片が所定の開閉動作を行うように開閉制御する開閉制御手段と、
前記留保手段によって留保された前記抽選結果の表示の留保数を表示する留保数表示手段と、
前記役物の前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れ、及び前記留保手段により実行された前記抽選結果の表示における該抽選結果が前記特別当りの何れかを満たすと、前記有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生に先立って、前記演出表示手段に複数の度合示唆図柄を変動表示させた上で、発生する前記有利遊技状態の有利度合を示唆する前記度合示唆図柄で停止表示させる度合示唆図柄制御手段と、
前記有利遊技状態の発生終了後に、前記役物内可動役物を所定の基準位置から可動開始させる可動役物制御手段と、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記猶予時間選択手段に前記第一猶予時間又は前記第二猶予時間の何れかを設定させることで、前記役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられる確率を変更する確率変更手段と
を更に具備し、
前記留保手段は、
前記開閉制御手段によって前記開閉片を開閉制御しておらず、且つ、少なくとも前記抽選結果表示手段及び前記演出表示手段に前記特別図柄及び前記度合示唆図柄が変動表示されていない時に、前記遊技媒体が前記始動口へ進入して前記始動検出手段に検出され前記抽選手段によって所定の前記抽選結果が抽選されると、前記抽選結果の表示を実行させ、
少なくとも、前記特別図柄変動制御手段によって前記特別図柄が変動表示中、前記開閉制御手段によって前記開閉片を開閉制御中、又は前記度合示唆図柄制御手段による前記度合図柄の変動開始から前記有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生終了までの間に、前記遊技媒体が前記始動口へ進入して前記始動検出手段に検出され前記抽選手段によって所定の前記抽選結果が抽選されると、該抽選結果の表示の実行を留保させる」ものであることを特徴とする。
手段26の構成によると、少なくとも役物内の第一受入口に遊技媒体を受入れさせると有利遊技状態が発生するので、まず、役物内部への入り口となる進入口を閉鎖する開閉片を開かせるために、始動口に遊技媒体を進入させるような遊技媒体の打ち込み操作をさせてる。そして、始動口に遊技媒体が進入すると所定の抽選が行われ、その抽選結果に応じて猶予時間選択手段により所定の猶予時間が選択され、その猶予時間の間、特別図柄が変動表示され、その後、抽選結果を示唆する特別図柄が停止表示されて、抽選結果に応じた開閉片の開閉動作がなされる。その際に、猶予時間として、第一猶予時間又は第二猶予時間の何れかが選択され、その選択された猶予時間と、役物内可動役物としての第三転動演出装置の可動状況とにより、遊技媒体を打ち込むタイミングをはかりような遊技をさせることができ、遊技するための思考に深みを持たせて興趣が低下するのを抑制することができる。また、特別図柄の変動表示後に、抽選結果を示唆する特別図柄が停止表示されるので、何れの特別図柄で停止表示されるかで遊技者をドキドキ、ワクワクさせることが可能となり興趣を高めることができる。
この抽選結果は、第一普通当り、第二普通当り、特別当りの順に抽選され易いようになっており、開閉片が開閉動作する第一普通当りと第二普通当りの何れかが抽選される確率が高いので、第一普通当り又は第二普通当りが抽選されることで開閉片が所定の開閉動作をすると共に、第二普通当りが抽選されると第一普通当りよりも開閉片の開閉時間が長くなっており、第一普通当りが抽選されるよりもさらに遊技者の興趣を高められるようになっている。そして、開閉片が所定の開閉動作をすることで、開状態の時に遊技媒体を進入口から役物内へ進入させて、役物内の第一受入口へ受入れさせるような遊技をすることができる。この上述の遊技は、従来における第二種の遊技と類似した遊技となり、これまでの第二種の遊技機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、遊技の違和感による興趣の低下を抑制することができる。
一方、特別当りが抽選されると役物の開閉片が所定ラウンド開閉動作をする有利遊技状態が発生するので、一気に興趣を高めることができると共に、従来の第一種の遊技と類似した遊技もすることができ、第一種の遊技機に慣れた遊技者でも違和感無く遊技することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
ところで、ハズレが抽選されることもあり、特別当り又はハズレが抽選されると、第一普通当りや第二普通当りにおいて選択される第一猶予時間や第二猶予時間よりも時間の長い第三猶予時間が選択される。つまり、特別当りやハズレでは特別図柄の変動時間が長いので、特別図柄の変動時間が第一普通当りや第二普通当りよりも長い時間変動表示されると、抽選結果が特別当りかハズレの何れかであることを認識させることができ、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、ハズレが抽選されると興趣を低下させてしまうこととなるが、ハズレの対称にあるのが特別当りなので遊技者によっては惜しかったと言う思いを抱かせることが可能となり、大きく興趣が低下するのを抑制することができると共に、抑揚に富んだものとすることができる。
なお、始動口への遊技媒体の進入により抽選された抽選結果の表示の実行を留保する留保手段を備えており、特別図柄の変動中や有利遊技状態の発生中等に、遊技媒体が始動口に進入して所定の抽選結果が抽選されると、その実行を留保すると共に、留保されたことを留保数として留保数表示手段に表示させるので、留保されたことを確実に認識させることができ、留保されないことで遊技者が不利となって興趣を低下させてしまうのを防止することができると共に、留保数が多ければ多いほど有利遊技状態が終了した後等の留保が解除されて実行されると、チャンスが多いことを認識させることができ、興趣を高められる効果が期待できる。また、有利遊技状態が終了して留保された抽選結果の表示が実行される際に、例えば抽選結果が第一普通当りや第二普通当りであって有利遊技状態と連続して開閉片が開閉動作しても、その前に抽選結果が抽選結果表示手段に表示されるので、留保された抽選結果の表示が実行されているのを明確に認識させることができると共に、留保されている抽選結果が「特別当りかも知れない」と言う期待感も持たせることが可能となり、単に第二種の遊技機に留保を備えたものと比較して、より興趣の高められるものとすることができる。
また、役物内には、第一〜第四の複数の転動演出装置を備えており、開閉片が開状態となった時に進入口から進入した遊技媒体が、役物内において種々の動きをして遊技者を楽しませて興趣を高められるようになっている。具体的には、役物の進入口を閉鎖する開閉片が開状態となった時に、進入口から役物内に進入して進入検出手段によって検出された遊技媒体が、まず第一転動演出装置のガイド部材上に送られて左右方向に揺動し、このガイド部材上での遊技媒体の揺動によって、第一受入口のある第三転動演出装置の側へ遊技媒体が放出されるか否かで、遊技者をドキドキさせることが期待できる。ところで、ガイド部材をシーソーのように交互に所定の周期で回動動作させると、ガイド部材上の遊技媒体が、行ったり来たりして揺動しながら、徐々にその端部に近づき、やがて端部から放出される。これは、遊技媒体をガイド部材の回動中心上を跨がないように揺動させると、ガイド部材の回動に伴って遊技媒体には常に遠心力が作用すると共に、その遠心力は回動中心から遠ざかるほど強く作用するので、遊技媒体が中心に近づく方向へ移動する距離よりも、中心から遠ざかる方向へ移動する距離のほうが長くなり、そのため揺動する遊技媒体が、徐々に中心から遠い方の端部へ移動するものと思われる。これにより、遊技媒体に、ガイド部材上を揺動しながら徐々に端部に移動するような動きを与えることができ、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することが可能となり、遊技者に対して、いつガイド部材から遊技媒体が放出されるかを予想させることで、より一層ハラハラ、ドキドキさせて、面白味のあるものとすることができる。
そして、揺動の末、下流に第二転動演出装置が配置された側のガイド部材の端部から遊技媒体が放出されると、その下流に有利遊技状態が発生しない第二受入口へと遊技媒体が向かうので遊技者の興趣が低下する恐れがあるが、第二転動演出装置の押打部が移動して遊技媒体を押打すると、第四転動演出装置によって第三転動演出装置へと案内される。この際に、ガイド部材の端部から放出された遊技媒体が押打部によって押打されるか否かで遊技者の期待感を高めることができ、更に、遊技媒体が押打部により押打されることで遊技媒体にインパクトのある動きをさせることができ抑揚に富んだ面白味のあるものとすることができる。そして、押打された遊技媒体が第四転動演出装置によって第三転動演出装置へ向かうに従って興趣を高めることができる。
その後、第三転動演出装置では、有利遊技状態が発生する第一受入口に対応した収容部に遊技媒体が収容されるか否かによってハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができ、その収容部に収容されて第一受入口に導かれることで有利遊技状態が発生すると更に興趣を高めることができる。なお、第二転動演出装置の押打部によって押打されずに下流に配置された第二受入口に受入れられても、ここに至るまで充分に楽しませることができると共に、次の遊技媒体に期待させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。また、上記のように、役物内で遊技媒体を左右方向に大きく移動させることで、遊技者を遊技媒体の動きに注目させると共に、遊技媒体の動きによる興趣が低下するのを防止することができる。
ところで、有利遊技状態の発生に先立って演出表示手段には、発生する有利遊技状態の有利度合を示唆する度合示唆図柄が変動表示され、停止表示された度合示唆図柄に応じた有利遊技状態が発生するものである。つまり、有利遊技状態が発生する前に、例えば、度合示唆図柄として、所定回数繰り返し開閉動作する開閉片のラウンド数を示唆するものとした場合、より多くのラウンド数を示唆する度合示唆図柄が停止表示されることを望み、所望の度合示唆図柄が停止表示されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。
そして、有利遊技状態が発生すると、開閉片が所定の開閉動作を繰り返し、役物内へ遊技媒体が進入するように打ち込み操作を行って、遊技媒体が役物内に進入することで、興趣を高めることができ、その後、所定のラウンド数が消化されると有利遊技状態が終了する。この有利遊技状態の発生中に幾つかの遊技媒体が始動口に進入すると留保手段により抽選結果の表示が留保される。そして、有利遊技状態の終了により、留保された抽選結果の表示が実行されると共に、第三転動演出装置の回転体が所定の基準位置から回転を開始するので、回転体における第一受入口へ誘導する収容部への収容タイミングが取り易くなり、そのタイミングと設定される猶予時間とによって、遊技媒体を打ち込むタイミングをはかる遊技をさせて、興趣を高めることができる。この際に、猶予時間として、第一受入口へ受入れられる確率の高い第一猶予時間が設定されると、第一受入口へ受入れられて再び有利遊技状態が発生する可能性が高くなるので、更に興趣を高めることができる。なお、有利遊技状態の終了後には、始動入賞が複数留保されているので、最初の留保の実行で遊技媒体が第一受入口に受入れられなかっても、次の留保の実行に期待することができるので、興趣が低下するのを抑制することができる。
したがって、上述のように、内部に大当り受入口を有した役物の開閉片を開閉させる始動入賞を留保可能とし、大当り受入口へ受入れられ易いように開閉片の開閉タイミングを変更することで、興趣が低下するのを防止することのできる遊技機とすることができる。
手段27:手段1から手段26までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段27の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段28:手段1から手段26までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段28の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段29:手段1から手段26までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段29の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、内部に大当り受入口を有した役物の開閉片を開閉させる始動入賞を留保可能とし、大当り受入口へ受入れられ易いように開閉片の開閉タイミングを設定可能とすることで、興趣が低下するのを防止することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、役物91が配設されており、この役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部または左右側縁部には、ワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、後述のワープ通路を通じて役物91の裏側に取り込まれた後に、役物91の途中または下縁部から再び遊技盤面に放出されるようになっている。
この役物91は、その上縁部近傍に、その内部に遊技球を取り込むことの可能な役物用入賞口92が開閉可能に備えられている。そして、この役物91の内部には、役物用入賞口92から取り込まれた遊技球が入賞可能な大当り受入口93と、ハズレ受入口94とが備えられており、これら大当り受入口93およびハズレ受入口94と、役物用入賞口92との間には、役物用入賞口92から取り込まれた遊技球を、所定の通路上を転動させながらその動きを様々に変化させて遊技者に注目させた後に、大当り受入口93またはハズレ受入口94の何れかに放出する第一転動演出装置95が更に備えられている。
この役物91は、第一転動演出装置95の一方の放出側(図3中左側)には遊技球を押打可能な第二転動演出装置100が、また、第一転動演出装置95の他方の放出側(図3中右側)には回転することで遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに導く第三転動演出装置101が更に備えられている。また、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102が更に備えられている。
また、遊技領域37には、役物91の下方位置に、左右に夫々配置された一対の始動入賞口96が設けられており、これら始動入賞口96,96に遊技球が入球すると、所定の抽選が行われその抽選結果に応じて役物91の役物用入賞口92が開閉するようになっている。
その他、遊技領域37には一般入賞口98が配設されている。また、役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面は役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
また、図3に示すように、役物91内において、演出表示装置115の上側には、特別図柄によって抽選結果を表示するための特別図柄表示器121が備えられている。また、遊技領域37の図中右上で外周に沿った位置には、抽選結果の留保を表示する留保表示器122が備えられている。
なお、本例の特別図柄表示器121が、本発明の抽選結果表示手段に相当するものである。また、本例の演出表示装置115、特別図柄表示器121、及び留保表示器122が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として複数種類の態様の「大当り遊技」が用意されている。ここで、「大当り遊技」は、例えば役物用入賞口92を一定パターンで開閉させるラウンド動作を最大で16回、繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を役物用入賞口92に入球させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、ラウンド動作ついては、始動入賞口96への遊技球の入球に応じて行われる役物用入賞口92の開閉動作を初回の1ランウド目のラウンド動作とし、2ラウンド目以降のラウンド動作では、役物用入賞口92を所定間隔で18回開閉させるか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。
また、大当り遊技にて繰り返し行われるラウンド動作の回数については、始動入賞口96への遊技球の入球タイミング(より具体的には、始動口センサ318による遊技球の検出タイミング)、役物用入賞口92への遊技球の入球タイミング(より具体的には、カウントセンサ319による遊技球の検出タイミング)、大当り受入口93への入球タイミング(より具体的には、大当り受入センサ330による遊技球の検出タイミング)等の適宜タイミングや、役物91内での遊技球の振り分け先等によって行われた抽選の結果に応じて決定される。ここで、上記抽選は、大当りの態様を決定するための抽選であり、この抽選を行う手段を、「大当り態様抽選手段」として捉えることができる。
なお、以上の具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図11に基づき説明する。
図11は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、大当り受入センサ330、ハズレ受入センサ329、回動検出センサ494、回転位置検出センサ321等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、特別図柄表示器121、留保表示器122、ソレノイド331、モータ332、押打用ソレノイド325、回転体用モータ326等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、サブ統合基板336には、遊技球センサ361からの検出信号が入力される一方、役物用ソレノイド362へ駆動信号を出力する。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成、送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間の通信処理について、詳細に説明する。なお、信号名の先頭に「♯」が付されているものは、負理論であることを意味している。「ハイレベル」は2値信号の2つのレベルのうち「1」レベルを意味し、「ローレベル」は「0」レベルを意味している。
[主制御基板と払出制御基板との通信について]
主制御基板131と払出制御基板197との間では、種々のコマンドがシリアル転送によって送信される。コマンドを正常に受信した基板は、コマンドを送信した基板に対して、正常にコマンドを受け取ったことを伝えるACK(Acknowledge)信号を送信する。主制御基板131から払出制御基板197に対する主なコマンドとしては、遊技球の払い出しに関するコマンドや、払出制御基板197に動作状態の報告を指示するコマンドがある。遊技球の払い出しに関するコマンドとしては、例えば、遊技球の払い出し個数を指定するコマンドの他、遊技球の払い出しの開始を指示するコマンドや、遊技球の払い出しの停止を指示するコマンドなどが考えられる。払出制御基板197から主制御基板131に対する主なコマンドとしては、払出制御基板197の動作状態を伝えるコマンドがある。
図12は、主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。主制御基板131は、主制御基板131における種々の演算処理を行うCPUとして、外部とのシリアル通信機能およびパラレル通信機能を有するCPU314(主CPU)を備える。CPU314には、演算処理を行う演算処理部390と、外部とのシリアル通信を行うシリアル通信ユニットとしてのシリアルIF部391と、外部とのパラレル通信を行うパラレルIF部392とが回路構成されている。払出制御基板197とのコマンドのやり取りは、シリアルIF部391を介して行われ、払出制御基板197とのACK信号のやり取りは、パラレルIF部392を介して行われる。
シリアルIF部391は、演算処理部390からパラレルデータTDaを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ393と、送信バッファレジスタ393に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDabに変換して払出制御基板197にシリアル転送する送信シフトレジスタ394と、払出制御基板197からシリアルデータDbaを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ395と、受信シフトレジスタ395に記憶されたデータを受け取り、該データを演算処理部390によってパラレルデータRDaとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ396と、シリアルIF部391における各部の動作状態を管理するシリアル管理部397とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ393および送信シフトレジスタ394,受信シフトレジスタ395,受信バッファレジスタ396は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部397は、送信シフトレジスタ394および送信バッファレジスタ393に関して、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ393から送信シフトレジスタ394へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ393から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部397は、受信シフトレジスタ395および受信バッファレジスタ396に関して、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ395から受信バッファレジスタ396へのデータの受け渡しを許可し、演算処理部390が受信バッファレジスタ396からパラレルデータRDaを読み出した後に、受信バッファレジスタ396からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIF部391によるシリアル転送の転送レートは、CPU314を動作させるためのクロック信号を分周した信号に基づいて決定される。この転送レートを決定するクロック信号の分周比は、シリアルIF部391が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
演算処理部390は、送信バッファレジスタ393に対して書き込み信号♯WRaを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ393へりパラレルデータTDaの書き込みを行い、受信バッファレジスタ396に対して読み出し信号♯REaを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ396からのパラレルデータRDaの読み出しを行う。
演算処理部390は、シリアルIF部391における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部397から受ける。演算処理部390がシリアル管理部397から受ける信号としては、送信バッファレジスタ393がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEaと、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCaと、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データあり信号DFaとがある。
図12に示すように、払出制御基板197は、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信を行う回路が形成されたシリアルIFチップ398と、外部とのパラレル通信を行う回路が形成されたパラレルIFチップ399とを備える。主制御基板131とのコマンドのやり取りは、シリアルIFチップ398を介して行われ、主制御基板131とのACK信号のやり取りは、パラレルIFチップ399を介して行われる。
シリアルIFチップ398は、CPU333からパラレルデータTDbを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ400と、送信バッファレジスタ400に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDbaに変換して主制御基板131にシリアル転送する送信シフトレジスタ401と、主制御基板131からシリアルデータDabを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ402と、受信シフトレジスタ402に記憶されたデータを受け取り、該データをCPU333によってパラレルデータRDbとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ403と、シリアルIFチップ398における各部の動作状態を管理するシリアル管理部404とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ400および送信シフトレジスタ401,受信シフトレジスタ402,受信バッファレジスタ403は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部404は、送信シフトレジスタ401および送信バッファレジスタ400に関して、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ400から送信シフトレジスタ401へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ400から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部404は、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403に関して、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタ403へのデータの受け渡しを許可し、CPU333が受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbを読み出した後に、受信バッファレジスタ403からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIFチップ398がシリアル転送されたコマンドをサンプリングするタイミングは、主制御基板131のCPU314を動作させるためのクロック信号を分周したサンプリングクロックに基づいて決定される。このサンプリングクロックを決定刈るクロック信号の分周比は、シリアルIFチップ398が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
CPU333は、送信バッファレジスタ400に対して書き込み信号♯WRbを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ400へのパラレルデータTDbの書き込みを行い、受信バッファレジスタ403に対して読み出し信号♯RDbを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ403からのパラレルデータRDbの読み出しを行う。
CPU333は、シリアルIFチップ398における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部404から受ける。CPU333がシリアル管理部404から受ける信号としては、送信バッファレジスタ400がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEbと、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCbと、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFbとがある。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間におけるコマンド転送の際の動作について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送と、払出制御基板197から主制御基板131へのコマンド転送を行うことが可能である。
(主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図13は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理を実現するために所定の間隔(本実施形態では、4ミリセカンド(以下、msと表記))で定時割り込み処理を繰り返し実行し、この繰り返し実行される定時割り込み処理の一環として、払出制御基板197に対してコマンドを送信する場合に、図13に示したコマンド送信処理を実行する。
演算処理部390は、図13に示したコマンド送信処理を開始すると、払出制御基板197に対するコマンドを生成する(ステップS1001)。本実施形態では、払出制御基板197に対するコマンドは、シリアルIF部391の各レジスタの記憶容量である1バイトよりも大きな2バイトのコマンドである。
コマンドを生成した後(ステップS1001)、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1002)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1002)には、生成したコマンドの2バイトのうち上位1バイトである1バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込む(ステップS1003)。その後、予め設定された書込待機期間Lwaの待機を行った後(ステップS1004)、生成したコマンドの残りの下位1バイトである2バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込み(ステップS1005)、コマンド送信処理を終了する。
ここで、書込待機期間Lwaは、送信バッファレジスタ393へのコマンドの1バイト目の書き込みから、この1バイト目が送信シフトレジスタ394へと受け渡しされるまでの期間である送信レジスタ引渡期間Lbsよりも長い期間であり、その定時割り込み処理の終了までに2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)を実行可能な時間を残す期間であり、次の定時割り込み処理の開始まで長引くような期間ではない。また、書込待機期間Lwaは、コマンドの1バイト目のシリアル転送が完了するまでの期間であるシリアル転送期間Lscよりも短い期間であり、定時割り込み処理の間隔である4msよりも短い期間である。本実施形態では、書込待機期間Lwaは、2.5マイクロセカンド(以下、μsと表記)に設定されている。なお、本実施形態のシリアルIF部391のハードウエア仕様による送信レジスタ引渡期間Lbsは、約1.25μsである。また、2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)に要する演算処理部390の演算処理時間が、シリアルIF部391の送信レジスタ引渡期間Lbs異常である場合には、図13に示したコマンド待機処理のソフトウエアによる待機処理(ステップS1004)は不要である。
図14は、コマンド送信処理が実行される際の主制御基板131における各信号の様子を示すタイムチャートである。上述したコマンド送信処理にて、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」てあると判断されると(図13中のステップS1002)、パラレルデータTDaにコマンドの1バイト目の出力が開始される(タイミングta1)。その後、書き込み信号♯WRaの立ち上がりによって、送信バッファレジスタ393にコマンドの1バイト目が書き込まれる(タイミングta2,図13中のステップS1002)。
送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの1バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされる。送信シフトレジスタ394は、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの1バイト目をシリアルデータDabに出力する。シリアル転送中のシリアルデータDabには、スタートビットSTに続いて、コマンドの1ビット目D0から8ビット目D7までの各ビットが続き、最後にストップビットSPが出力される。このように、コマンドの1バイト目のシリアル転送が開始されると、シリアル転送中信号TCaはハイレベルとなる(タイミングta3)。
コマンドの1バイト目の書き込み(タイミングta2,図13中のステップS1002)から、書込待機期間Lwaの待機を経た後(図13中のステップS1004)、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393にコマンドの2バイト目が書き込まれる(タイミングta4,図13中のステップS1005)。
この際の送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目をシリアル転送中であり、コマンドの2バイト目を送信バッファレジスタ393から受け取ることができないため、送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの2バイト目を記憶して保持し、送信バッファ空き信号TEaはローレベルとなる(タイミングta4)。
その後、送信シフトレジスタ394によるコマンドの1バイト目のシリアル転送が終了すると、送信バッファレジスタ393は、記憶するコマンドの2バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされ、送信バッファ空き信号TEaはハイレベルとなる(タイミングta5)。
その後、送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの2バイト目をシリアルデータDabに出力する(タイミングta6〜ta7)。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。本実施形態の主制御基板131は、払出制御基板197に対してコマンドを送信してから所定の期間の間に、払出制御基板197からACK信号の返答がない場合には、コマンドを再送する。
なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
なお、本実施形態では、CPU314は、4ミリセカンドの感覚で定時割り込み処理を繰り返し実行するのに対し、シリアルIF部391は、1200bps(Bit Per Second)の転送レートでシリアル転送を実行する。したがって、本実施形態では、シリアルIF部391が2バイトのコマンドをシリアル転送する時間は約16.7msとなり、CPU314は、その間に定時割り込み処理を約4回繰り返し実行することとなる。このように、CPU314は、送信バッファレジスタ393にコマンドを書き込んでしまえば、そのコマンドの払出制御基板197へのシリアル転送をシリアルIF部391に任せることができる。なお、シリアル転送における1200bpsの転送レートは、電気的ノイズに対するコマンド転送の信頼性を確保可能な転送レートであり、また、比較的安価なフォトカプラを用いたアイソレーションによってシリアル転送することが可能な転送レートである。
なお、主制御基板131は、シリアル転送中(送信バッファレジスタ393にコマンドが有る状態)に、制御処理を中断することなく、入賞があれば入賞情報を記憶するなど他の制御処理を実行する。パチンコ機の場合、遊技板13へと打ち出される遊技球は、1分間に最大100個までと規制されているため、遊技球の打ち出し間隔は約600msである。したがって、遊技球が入賞口61に連続して入賞したとしても、主制御基板131は、遊技球の検出情報を滞りなく処理し、賞球コマンドを払出制御基板197にシリアル転送することができる。
(払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図15は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図15に示したコマンド受信処理を実行する。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1101)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1101)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1101)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1102)。その後、受信シフトレジスタ402を介して受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目を読み出し(ステップS1103)、コマンド受信処理を終了する。
図16は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。前述した主制御基板131におけるコマンド送信処理によって、シリアルデータDabにコマンドの1バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの1バイト目が記憶された後、受信バッファレジスタ403にコマンドの1バイト目が受け渡され、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる。
コマンドの1バイト目に続いた、シリアルデータDabにコマンドの2バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの2バイト目が記憶される。この際には、受信バッファレジスタ403からコマンドの1バイト目が読み出されておらず、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされていないため、受信シフトレジスタ402はコマンドの2バイト目の記憶を保持する。
その後、図15に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図15中のステップS1101)、読み出し信号♯REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb5〜tb6,図15中のステップS1102)。
コマンドの1バイト目の読み出しが完了すると、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb6)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタへとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信出た有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb7)。その後、コマンドの1バイト目と同様にして、受信バッファレジスタ403からコマンドの2バイト目が読み出される(タイミングtb8〜tb9,図15中のステップS1103)。なお、説明の便宜上、図16では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されているが、実際には、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間は、CPU333の演算処理時間に比べて相当の時間を要する。したがって、図15に示したコマンド受信処理は、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。本実施形態の払出制御基板197は、主制御基板131からコマンドを受信してから所定の期間の間に、主制御基板131に対してACK信号を送信する。
なお、本実施形態では、シリアルIFチップ398のサンプリングタイミングは、転送レート(1200bps)の16倍である19.2キロヘルツ(kHz)に設定されている。本実施形態では、シリアルIFチップ398は、スタートビット,コマンドの各データビット,ストップビットのビット毎に、それぞれ3回のサンプリングを行い、この3回のサンプリングで検出された値を多数決判定することによって、コマンド受信の信頼性の向上を図っている。
なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、CPU333に代えて演算処理部390、受信シフトレジスタ402に代えて受信シフトレジスタ395、受信バッファレジスタ403に代えて受信バッファレジスタ396が、それぞれ上述した払出制御基板197の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
上記の構成により、主制御基板131のCPU314が1回の定時割り込み処理内を行う間に、シリアルIF部391がシリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアルIF部391の送信バッファレジスタ393,送信シフトレジスタ394に格納することができ、主制御基板131のCPU314がコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮することができる。その結果、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。したがって、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することができる。
ところで、上記の払出制御基板197では、CPU333,シリアルIFチップ398及びパラレルIFチップ399を備えたものを示したが、以下に示すような構成としても良い。具体的には、図17に示すような、払出制御基板197に、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信およびパラレル通信を行う回路が形成されたシリパラIFチップ405とを備えるものとすることができる。このシリパラIFチップ405には、主制御基板131のパラレルIF部392とパラレル通信をするパラレルIF部406が備えられている。なお、図17は、図12に示すものとは異なる主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。また、上記以外の構成については、図12に示したものと同様の構成であり、同一の符号を付してある。
図17に示す払出制御基板197のシリアル管理部407は、図12に示すシリアル管理部404とは異なるものとされている。このシリアル管理部407は、シリアル管理部407は、受信バッファレジスタ403のデータがCPU333からの読み出しによって消去される図13に示すシリアル管理部404とは異なり、CPU333からのバッファクリア信号#CBbに基づいて、受信バッファレジスタ403からデータを消去する。
(図17における主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図18は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理の一環として、図18に示したコマンド送信処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
演算処理部390は、図18に示したコマンド送信処理を開始すると、ジョブフラグFjの値を判断する(ステップS1201)。ジョブフラグFjは、コマンド送信処理における状態を示すフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「ジョブフラグFj=0」の場合には、払出制御基板197に対するコマンドの出力するためのコマンド出力処理を実行し(ステップS1202)、「ジョブフラグFj=1」の場合には、払出制御基板197からのACK信号を確認するためのACK待ち処理を実行する(ステップS1203)。コマンド出力処理(ステップS1202)、または、ACK待ち処理(ステップS1203)を終了した後、コマンド送信処理を終了する。なお、コマンド出力処理(ステップS1202),ACK待ち処理(ステップS1203)の詳細については後述する。
図18に示したコマンド送信処理におけるコマンド出力処理(図18中のステップS1202)の詳細について説明する。図19は、コマンド出力処理(図18中のステップS1202)を示すフローチャートである。演算処理部390は。図19に示すコマンド出力処理を開始すると、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1301)。「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1301)には、「チェックフラグFc=1」であるか否かを判断する(ステップS1302)。チェックフラグFcは、払出制御基板197からのACK信号が確認できない場合に、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するためのフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「チェックフラグFc=1」でない場合であって(ステップS1302)、遊技球の入賞口への入賞がある場合には(ステップS1303)、払出制御基板197に所定の個数の賞品球の払い出しを指示する入賞コマンドの1バイト目を生成する(ステップS1304)。
一方、「チェックフラグFc=1」である場合には(ステップS1302)、チェックフラグFcを「0」に設定し(ステップS1305)、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するチェックコマンドの1バイト目を生成する(ステップS1306)。なお、主制御基板131は、払出制御基板197からの動作状態の報告を、払出制御基板197から主制御基板131に対するコマンドの形態で受け取る。
入賞コマンドまたはチェックコマンドの1バイト目を生成した後(ステップS1304,S1306)、生成した1バイト目の各ビットを反転して、すなわち、1バイト目のビットのうち、「0」であるビットを「1」とし、「1」であるビットを「0」として、コマンドの2バイト目を生成する(ステップS1307)。本実施形態では、コマンドの1バイト目は、コマンドとしての実質的な意味を持つデータであり、コマンドの2バイト目は、払出制御基板197側でコマンドの正誤を判断するためのデータである。
コマンドの2バイト目を生成した後(ステップS1307)、生成したコマンドを送信する(ステップS1308〜S1310)。この処理(ステップS1308〜S1310)は、図13に示したコマンド送信処理における処理(ステップS1003〜S1005)と同様である。コマンドを送信した後(ステップS1308〜S1310)、ジョブフラグFjを「1」に設定し(ステップS1311)、コマンド出力処理を終了する。
コマンド出力処理においてコマンドの送信が実行される際(ステップS1308〜S1310)の主制御基板131における各信号の様子は、図14に示した主制御基板131における各信号の様子と同様である。
図18に示したコマンド送信処理におけるACK待ち処理(図18中のステップS1203)の詳細について説明する。図20は、ACK待ち処理(図17中のステップS1203)を示すフローチャートである。演算処理部390は、図20に示すACK待ち処理を開始すると、払出制御基板197からACK信号を検出したか否かを判断する(ステップS1401)。ACK信号を検出した場合には(ステップS1401)、ジョブフラグFjを「0」に設定し(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
一方、ACK信号を検出しない場合には(ステップS1401)、コマンドの送信(図19中のステップS1308〜S1310)を終えてから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1403)。この所定の時間は、払出制御基板197からのACK信号の返答を待つ時間であり、本実施形態では、100msに設定されている。所定の時間が経過していない場合には(ステップS1403)、そのままACK待ち処理を終了し、所定の時間が経過した場合には(ステップS1403)、チェックフラグFcを「1」に設定し(ステップS1404)、ジョブフラグFjを「0」に設定した後(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
(図17における払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図21は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図21に示したコマンド受信処理を実行する。なお、図21に示したコマンド受信処理は、図15に示したコマンド受信処理と同様に、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1501)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1501)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出した後(ステップS1502)、再び受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1503)。その後、1回目に読み出したコマンドの1バイト目と、2回目に読み出したコマンドの1バイト目とを照合して(ステップS1504)、両者が一致するか否かを判断する(ステップS1505)。
読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致する場合には(ステップS1505)、バッファクリア信号♯CBbを立ち下げることによって受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの1バイト目をクリアする(ステップS1506)。これによって、受信シフトレジスタ402に記憶されていたコマンドの2バイト目が、受信バッファレジスタ403に受け渡される。
受信バッファレジスタ403をクリアした後(ステップS1506)、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの2バイト目を、コマンドの1バイト目と同様に、2回の読み出しの後に照合を行い(ステップS1507,S1508,S1509)、1回目と2回目とが一致する場合には(ステップS1510)、受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目をクリアする(ステップS1511)。
その後、読み出したコマンドの1バイト目と、読み出したコマンドの2バイト日とを照合して(ステップS1512)、両者が整合するか否かを判断する(ステップS1513)。なお、前述したように、コマンドの2バイト目は、主制御基板131がコマンドの1バイト目の各ビットを反転して生成したデータである。
読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合する場合には(ステップS1513)、主制御基板131に対してACK信号を送信して(ステップS1514)、コマンド送信処理を終了する。
一方、読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致しない場合や(ステップS1505)、読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合しない場合には(ステップS1513)、次回のコマンド受信に備えるために、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403をクリアして(ステップS1515)、コマンド送信処理を終了する。
図22は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。なお、説明の便宜上、図22では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されている。
図21に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図21中のステップS1501)、読み出し信号#REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb11〜tb12,図21中のステップS1502)。その後、さらにコマンドの1バイト目が、1回目と同様にして読み出される(タイミングtb13〜tb14,図21中のステップS1503)。
コマンドの1バイト目の2回の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb15,図21中のステップS1506)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタヘとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb16)。
その後、コマンドの2バイト目が、コマンドの1バイト目と同様にして受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb21〜tb24,図21中のステップS1507,S1508)。コマンドの2バイト目の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb25,図21中のステップS1511)。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、第一の実施例と同様である。
以上、図17から図22に示した構成によれば、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。更に、払出制御基板197のCPU333側の都合に応じて受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの消去を行うことができるため、2バイト単位で1バイト毎にシリアル転送されるコマンドに対して、CPU333による2バイト単位での取り扱いの容易化を図ることができる。
また、払出制御基板197は、コマンドを重複して読み取り、重複して読み取ったコマンドを照合するため(図21中のステップS1502〜S1505)、受信バッファレジスタ403からCPU333へのコマンドの受け渡しの際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、主制御基板131は、コマンドの1バイト目を反転して2バイト目を生成し(図19中のステップS1307)、払出制御基板197は、コマンドの1バイト目と2バイト目とを照合するため(図21中のステップS1512〜S1513)、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送の際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、コマンドを受け取った払出制御基板197は、主制御基板131に対してACK信号を送信するため、主制御基板131は、コマンドが正常に転送されたか否かを確認することができる。さらに、主制御基板131は、払出制御基板197からのACK信号の返答がない場合に、払出制御基板197に対してチェックコマンドを送信するため、コマンドが正常に転送されなかった理由が払出制御基板197における異常動作に基づくものであるか否かを判断することができる。
なお、上記図12から図22に示した構成は、サブ統合基板336や電飾制御基板337,338および波形制御基板339などの基板に適用可能であり、或いは、主制御基板131とサブ統合基板336との間のコマンド転送に適用しても良い。主制御基板131からサブ統合基板336に対するコマンドとしては、演出表示装置115における表示画像の演出内容を指示する演出コマンドがある。
また、送信側CPUが生成する2バイト以上のコマンドは、偶数バイトであることとしても良い。これによって、送信側CPUからシリアル通信ユニットに対する1回の定時割込処理あたり2バイト分のコマンドの格納を効率良く実行することができる。例えば、主制御基板131は、演出指示を規定した3バイトの指示コマンドと、この指示コマンドのチェックサムを算出した1バイトのチェックコマンドとから成る計4バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、4バイトの一群のコマンドを2回分に分けて、2回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
また、主制御基板131は、3バイトの指示コマンドと、1バイトのチェックコマンドとの各ビットを反転させた4バイトの反転コマンドも併せて、計8バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、8バイトの一群のコマンドを4回に分けて、4回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[遊技処理について] 図23〜図32に基づき説明する。
図23は遊技処理のルーチンを示すフローチャートである。図24は変動開始処理のルーチンを示すフローチャートである。図25は大当り判定処理のルーチンを示すフローチャートである。図26は変動表示パターン設定処理のルーチンを示すフローチャートである。図27は普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理のルーチンを示すフローチャートである。図28は変動中処理のルーチンを示すフローチャートである。図29は役物用入賞口開閉処理のルーチンを示すフローチャートである。図30は大当り遊技開始処理のルーチンを示すフローチャートである。図31は大当り遊技中処理のルーチンを示すフローチャートである。図32は大当り遊技終了後の特別図柄の変動時間と大当り受入口への受入れ確率との関係を示すタイムチャートである。
図23は、遊技処理の一例を示すフローチャートであり、主基板310のCPU314は、まず、ステップS1601において始動入賞口96に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、始動口センサ318がONとなって検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口センサから検出信号が出力された場合には始動入賞口96に遊技球が入賞したと判別しステップS1602へと進む。なお、ステップS1601において始動口センサ318がONとなったと判断されると、各種乱数(大当り判定乱数、継続回数判定乱数、確率変更判定乱数、変動表示パターン乱数、等)を取得する。
そして、ステップS1601において、始動入賞口96に遊技球が入球して所定の乱数を取得すると、続くステップS1602では、RAM316に設けられている留保球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判断する。そして、留保球数カウンタの値が4未満であれば、ステップS1603へと進み、ステップS1601で取得した所定の乱数を記憶手段としてのRAM316に記憶格納させるための始動記憶格納処理が行われる。なお、ステップS1601において始動口センサ318がONでない場合、及びステップS1602において留保球数カウンタの値が4以上である場合、には始動記憶格納処理を実行しないようになっている。
ステップS1603における始動記憶格納処理では、留保球数カウンタに「1」を加算する処理と、留保球数カウンタの加算に伴って留保数表示制御手段による留保表示器122に表示される留保球数の数を変更する処理(例えば、4つのランプからなる留保表示器122とした場合は、留保球数をランプの点灯数で示す処理)と、取得した乱数値(例えば、大当り判定乱数、継続回数判定乱数、確率変更判定乱数、等)をRAM316に設けられた始動記憶の保存領域に留保球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、留保球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS1602において留保球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS1601で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS1601で始動入賞口96に遊技球が入球したと判断したときには、ステップS1601〜ステップS1603の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS1601で各種乱数を取得せずに、ステップS1602で留保球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS1603)で取得するようにしてもよい。
その後、遊技処理では、CPU314が遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照し、処理選択フラグが[0]であればステップS1604の変動開始処理を、処理選択フラグが[1]であればステップS1605の変動表示パターン設定処理を、処理選択フラグが[2]であればステップS1606の変動中処理を、処理選択フラグが[3]であれば役物用入賞口開閉処理を、処理選択フラグが[4]であれば大当り遊技開始処理を、処理選択フラグが[5]であれば大当り遊技中処理を、行うようになっている。
なお、本例では、大当り判定乱数による抽選結果として、「ハズレ」、「第一普通当り」、「第二普通当り」、及び「特別当り」、の四種類が用意されている。具体的には、抽選結果の「ハズレ」は役物用入賞口92を開閉しないものでありる。また、「第一普通当り」は役物用入賞口92を第一開放時間(0.3sec〜0.6secの間、望ましくは約0.4秒)開閉させるものであり、「第二普通当り」は役物用入賞口92を第二開放時間(1.5秒〜2.0secの間、望ましくは約1.8秒)開閉させるものであり、これら「第一普通当り」または「第二普通当り」が抽選されることで役物用入賞口92が開き、そのタイミングで役物用入賞口92から役物91内へ遊技球を進入させ、役物91内の大当り受入口93に遊技球が受入れられると有利遊技状態として「大当り遊技」を発生させることができるものである。更に、「特別当り」は役物用入賞口92を開かせて役物91内に遊技球を進入させ、その内部の大当り受入口93に遊技球を受入れさせなくても、「大当り遊技」発生させる、つまり、始動入賞口96への遊技球の入賞だけで直接「大当り遊技」を発生させるものであり、これが抽選されることで、遊技者の興趣を大きく高めることができるものである。
処理選択フラグが[0]のときに実行される変動開始処理(ステップS1604)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、ステップS1601において取得した大当り判定乱数に応じた抽選結果としての「特別当り」、「第一普通当り」、「第二普通当り」、及び「ハズレ」の何れであるかの判定を行い、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグが[1]のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS1605)では、特別図柄および図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器121にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理選択フラグを[2]に更新する。処理選択フラグが[2]のときに実行される変動中処理(ステップS1606)では、変動表示パターン設定処理(ステップS1605)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことにもとづいて特別図柄表示器121における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS1604)にて抽選結果が「特別当り」であれば処理選択フラグを[4]に更新し、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であれば処理選択フラグを[3]に更新し、それ以外、つまり「ハズレ」であれば処理選択フラグを[0]に更新する。
また、処理選択フラグが[3]のときに実行される役物用入賞口開閉処理(ステップS1607)では、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の場合に、その抽選結果に応じた役物用入賞口92の開閉を実行させる。詳しくは後述するが具体的には、役物用入賞口92を開閉させ、役物91内へ進入した遊技球が大当り受入口に入球すれば処理選択フラグを[4]に更新し、大当り受入口に入球しなければ処理選択フラグを[0]に更新する。
更に、処理選択フラグが[4]のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS1608)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、役物用入賞口92の開放回数等の設定を行う。処理選択フラグが[5]のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS1609)では、カウントセンサ319によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数の遊技球が役物用入賞口92に入賞したとき、または、所定期間が経過したとき役物用入賞口92を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、役物用入賞口92を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを[0]に更新する。
図24は、上述の変動開始処理(ステップS1604)の一例を示すフローチャートである。この変動開始処理では、まず、ステップS1621において、主基板310のCPU314にでは、留保球数カウンタの値が0であるか否か判断する。上述したように、留保球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS1621で留保球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて、ステップS1625で大当り終了フラグをOFFにして、本ルーチンの処理を終了する。なお、詳細は後述するが、大当り終了フラグは、大当り遊技が終了するとONとなるものである。
一方、ステップS1621で留保球数カウンタの値が0でなければ、ステップS1622に進み、始動記憶移行処理を実行する。ステップS1622の始動記憶移行処理では、留保球数カウンタを1減算する処理と、RAM316に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数、確率変更判定乱数、等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて留保球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における留保球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS1623では、留保記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り判定処理を行い、大当り判定乱数による抽選結果が、「特別当り」、「第一普通当り」、及び「第二普通当り」の何れであるかの判定を行い、続くステップS1624において、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグを[1]に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(図23参照)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS1605)が実行可能となる。
図25は、大当り判定処理(ステップS1623)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理が開始されると、まず、ステップS1641において、ROM315に記憶された大当り判定テーブルが選択され、続くステップS1642では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「特別当り」であるか否かが判定され、「特別当り」であればステップS1643へと進み、特別当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方ステップS1642において、大当り判定乱数が「特別当り」でない場合は、ステップS1644へと進む。
このステップS1644では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「第一普通当り」であるか否かが判定され、「第一普通当り」であれば、ステップS1645へと進み、第一普通当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方、ステップS1644において、大当り判定乱数が「第一普通当り」でない場合は、ステップS1646へと進む。このステップS1646では、大当り判定テーブルを用いて大当り判定乱数が「第二普通当り」であるか否かが判定され、「第二普通当り」であれば、ステップS1647へと進み、第二普通当りフラグをON状態として、大当り判定処理を終了する。一方、ステップS1646において、大当り判定乱数が「第二普通当り」でない場合は、何れの当りフラグをON状態とすることなく、大当り判定処理を終了する。
ところで、大当り判定乱数により、各抽選結果が抽選される確率を、例えば、「ハズレ」を1/200、「第一普通当り」を188/200、「第二普通当り」を10/200、「特別当り」を1/200、となるように設定することができる。しかしながら、上記の確率に限定するものではなく、適宜それらの確率を変更して設定することができるが、何れの設定においても、「特別当り」の確率が最も低くなるようにする必要がある。また、「ハズレ」は無くても良い。
図26は、上述の変動表示パターン設定処理(ステップS1605)の一例を示すフローチャートである。この変動表示パターン設定処理では、ステップS1661において、大当り判定乱数が「特別当り」であるか否かが判断される。具体的には、特別当りフラッグがON状態であるか否かが判断され、特別当りフラッグがON状態、つまり「特別当り」であれば、ステップS1662へと進み、ROM315に記憶されている特別当り時変動表示パターンテーブルを選択する。一方、ステップS1661において、「特別当り」でないと判断されると、ステップS1663へと進み、大当り判定乱数が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の何れかであるか否かが判断される。つまり、第一普通当りフラグ又は第二普通当りフラグの何れかがON状態であると、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であると判定し、ステップS1664へと進み、ROM315から普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理(詳細は、後述する)を行って、所定の変動表示パターンテーブルが選択される。
一方、ステップS1663において、「第一普通当り」又は「第二普通当り」でないと判定される、つまり、何れの当りフラグがON状態でない場合、ステップS1665へと進み、ROM315に記憶されているハズレ時変動表示パターンテーブルが選択される。
そして、変動表示パターンテーブルが選択されると、ステップS1666において、変動表示パターン乱数を用いて先に選択された変動表示パターンテーブルから対応する変動表示パターンを決定し、続くステップS1667において、決定した変動表示パターンの変動表示パターンコマンドをセットしてステップS1668へと進む。
ステップS1668では、ステップS1668において決定された変動表示パターンに応じた変動時間をタイマにセットする。具体的には、本例では、例えば、「第一普通当り」又は「第二普通当り」で、後述の普通当り時通常変動表示パターンテーブルから決定された変動表示パターンの場合、変動時間として、例えば1sec〜2secの間の通常変動時間がセットされる。一方、特別当り時変動表示パターンテーブル又は外れ時変動表示パターンテーブルの何れかから決定された変動表示パターンの場合、つまり、「特別当り」又は「ハズレ」の場合、変動時間として、通常変動時間よりも長い特別変動時間がセットされる。これにより、「特別当り」又は「ハズレ」の時は、特別図柄の変動時間が長く設定されており、変動時間が普通当りよりも長いと、「特別当り」又は「ハズレ」の何れかであることを認識させることができ、遊技者をワクワク、ドキドキさせて興趣を高められるようになっている。
なお、本例の特別変動時間が、本発明の第三猶予時間に相当している。
ステップS1668において、変動時間がセットされると、続くステップS1669において、処理選択フラグを[2]に更新してステップS1670へと進み、これまでに決定、或いはセットされた、大当り判定乱数、変動表示パターン乱数、変動表示パターンコマンド、変動時間、等を周辺基板311へ送信するためのコマンドとしてセットして、本ルーチンがリターンされ、決定された変動表示パターンに基づいて、特別図柄表示器121の特別図柄の変動表示が開始される。
図27は、上述の普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理(ステップS1664)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1671では、大当り終了フラグがONとなっているか否かが判定され、ONでなければステップS1672へ進み、普通当り時変動表示パターンテーブルを選択して、本ルーチンをリターンする。つまり、大当り遊技中に遊技球が始動入賞口96へ始動入賞しなかった場合、換言すると、通常の遊技状態での始動入賞の場合、普通当り時通常変動表示パターンテーブルを選択するものである。
一方、ステップS1671において、大当り終了フラグがONであると判定されると、つまり、大当り遊技中に遊技球が始動入賞口96へ始動入賞し留保され場合、ステップS1673へと進み、RAM316に記憶された始動記憶のうち確率変更判定乱数を読込んで、この確率変更判定乱数が変更値であるか否かを判断する。そして、確率変更判定乱数が変更値であると判断されると、ステップS1674へと進み、普通当り時第一変動表示パターンテーブルを選択し、本ルーチンをリターンする。一方、ステップS1673において、確率変更判定乱数が変更値でないと判断されると、ステップS1675へと進み、普通当り時第二変動表示パターンテーブルを選択し、本ルーチンをリターンする。
この普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理は、第一普通当り又は第二普通当りの時に用いる変動表示パターンテーブルを選択するものであり、上述のように通常の遊技状態において選択される普通当り時通常変動表示パターンテーブルは、第一普通当り又は第二普通当りに応じた変動表示パターンを複数有しており、従来の第二種の遊技機と違和感の無いような通常変動時間(1sec〜2sec)となっている。
一方、大当り遊技の終了時に、RAM316に始動記憶が記憶されている場合(大当り遊技中に始動入賞があった場合)において選択される普通当り時第一変動表示パターンテーブル又は普通当り時第二変動表示パターンテーブルは、役物91内の第三転動演出装置101が所定の基準位置を通過した時に特別図柄の変動を開始した場合に、その特別図柄の変動停止後に役物用入賞口92を開閉させて役物91内に進入した遊技球が、回転する第三転動演出装置101によって大当り受入口93に入球する確率の高くなる第一変動時間で変動する第一変動パターンと、第一変動時間よりも大当り受入口93に入球する確率の低い第二変動時間で変動する第二変動パターンと、を有しており、更に、第一変動パターン及び第二変動パターンには、夫々第一普通当り又は第二普通当りに応じた変動表示パターンを有している。
これら普通当り時第一変動表示パターンテーブル及び普通当り時第二変動表示パターンテーブルでは、夫々第一変動パターン及び第二変動パターンが選択される確率が異なるように設定されており、例えば、普通当り時第一変動表示パターンテーブルでは、第一変動パターン、及び第二変動パターンが選択される確率を99/100、及び1/100とし、また、普通当り時第二変動表示パターンテーブルでは、第一変動パターン、及び第二変動パターンが選択される確率を50/100、及び50/100とすることができる。これにより、普通当り時第一変動表示パターンテーブルが選択されると、第一変動時間で変動する第一変動パターンが選択される確率が高いので、役物91の第三転動演出装置101が所定の基準位置を通過した時に、特別図柄の変動が開始されると、遊技球が大当り受入口93に入球する確率を高くすることができるようになっている。
なお、普通当り時第二変動表示パターンテーブルでも、第一変動パターンが選択される確率が50/100なので、遊技球が大当り受入口93に入球する可能性が充分にあり、興趣を高めることができるようになっている。また、第一変動時間は、1sec〜3secの間の時間とされ、第二変動時間は、3sec〜5secの間の時間とされている。
また、本例の第一変動時間及び第二変動時間は、本発明の第一猶予時間及び第二猶予時間に夫々相当している。
図28は、上述の変動中処理(ステップS1606)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1681では、特別図柄表示器121において変動表示されている特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていなければ本ルーチンをリターンする。一方、タイムアップしたと判断されるとステップS1682へと進み、実行中の抽選結果が「特別当り」であるか否かが判断され、「特別当り」であると判断されると、ステップS1683へと進み、処理選択フラグを[4]に更新し、更に、ステップS1684にて特別当りフラグをOFFにして本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、「特別当り」を示唆する特別図柄が停止表示される。
一方、ステップS1682において、「特別当り」でないと判断されると、ステップS1685へと進み、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」であるか否かが判断され、「第一普通当り」又は「第二普通当り」であると判断されると、ステップS1686に進み、処理選択フラグを[3]に更新し、本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、抽選結果に応じた「第一普通当り」又は「第二普通当り」を示唆する特別図柄が停止表示される。
なお、ステップS1685において、抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」でないと判断される、つまり、「ハズレ」であると判断されると、ステップS1687へと進み、処理選択フラグを[0]に更新し、本ルーチンをリターンする。その際に、特別図柄表示器121では、「ハズレ」を示唆する特別図柄が停止表示される。
図29は、上述の役物用入賞口開閉処理(ステップS1607)の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず、ステップS1701において、抽選結果が「第一普通当り」であるか否かが判断され、「第一普通当り」であればステップS1702へと進み、第一普通当りフラグをOFFし、続くステップS1703で第一開放時間をセットする。一方、ステップS1701において、「第一普通当り」でないと判断されると、換言すると、「第二普通当り」であると判断されると、ステップS1704へと進み、第二普通当りフラグをOFFし、続くステップS1705で第二開放時間をセットする。
そして、ステップS1703又はステップS1705において、開放時間がセットされると、ステップS1706へと進み、セットされた開放時間に応じて役物用入賞口92の開閉動作が行われる。具体的には、開放時間が第一開放時間の場合は、例えば、0.3sec〜0.6secの間、役物用入賞口92を開放又は開閉させるもので、更には、約0.4秒の間、開放させることが望ましい。また、開放時間が第二開放時間の場合は、第一開放時間よりも長い時間で、例えば、1.5秒〜2.0secの間、役物用入賞口92を開放又は開閉させるもので、更には、約1.8秒の間、開放させることが望ましい。
ステップS1706において、役物用入賞口92の開閉が終了すると、ステップS1707へと進み、大当り受入センサ330がONとなったか否かを判断する。つまり、ステップS1706において、役物用入賞口92が開いて役物91内に遊技球が進入し、役物91内の大当り受入口93に遊技球が受入れられたか否かを判断する。そして、大当り受入口93に遊技球が受入れられると大当り受入センサ330がONとなりステップS1708へと進み、処理選択フラグを[4]に更新し、続くステップS1709において、例えば、大当り遊技中に、演出表示装置115に表示し周辺基板311により制御される演出表示パターンを含む所定のコマンドをセットして、本ルーチンをリターンする。
一方、ステップS1707において、大当り受入センサ330がONとならなかった場合、つまり、遊技球が役物用入賞口92から役物91内に進入しなかった場合、或いは、役物用入賞口92から役物91内に遊技球が進入したものの大当り受入口93に受入れられなかった場合、ステップS1710へと進み、処理選択フラグを[0]に更新して、本ルーチンをリターンする。
図30は、上述の大当り遊技開始処理(ステップS1608)の一例を示すフローチャートである。この大当り遊技開始処理は、始動入賞口96への遊技球の入賞により発生する大当り判定乱数に基づく抽選結果が「特別当り」の場合、又は、役物用入賞口92の開閉により役物91内に進入した遊技球が大当り受入口93に受入れられた場合、に開始される処理である。まず、ステップS1721では、継続回数判定乱数により、大当り遊技のラウンド数である設定最大継続回数が設定される。本実施形態では、ラウンド数が、2回、8回、16回の何れかから継続回数判定乱数によって設定される。具体的には、2回、8回、16回の夫々のラウンド数が選択される割合が、例えば、2回が「1/4」、8回が「1/4」、16回が「1/2」となるように割り振られた適宜の選択テーブルを用いて、継続回数判定乱数に応じたラウンド数が設定される。この継続回数判定乱数は、始動入賞口96への入賞時に、大当り判定乱数等と共に発生させるようにしても良いし、大当り処理を開始する際に発生させるようにしても良い。
ステップS1721において設定最大継続回数が設定されると、続くステップS1722では、継続回数判定表示処理が行われる。具体的には、継続回数判定乱数に基づいて、ROM315に記憶された継続回数判定表示パターンテーブルから、対応する継続回数判定表示パターンを決定し、決定した継続回数判定表示パターンの表示パターンコマンドをセットする。そして、セットされた表示パターンコマンドを周辺基板311に送信するようにセットする。
この継続回数判定表示パターンとしては、種々の表示パターンが用意されており、継続回数判定乱数により設定される設定最大継続回数、つまり、最大ラウンド数を示唆する表示パターンや、最大ラウンド数よりも少ないラウンド数を示唆する表示パターン、等がある。具体的には、例えば、実際のラウンド数が16であった場合、表示パターンにより表示されるラウンド数を8として表示させ、初めは遊技者にラウンド数が8であると認識させておき、大当り遊技中にラウンド数が変更されるような演出表示(例えば、再抽選表示)を行ってあたかもラウンド数が16に増えたかのような表示としても良い。これにより、遊技者に当所表示されたラウンド数よりも更に有利なラウンド数が表示されることで、幸運を得たような感覚にさせることが可能となり、興趣を高めることができるようにすることができるものである。
なお、本例のラウンド数が本発明の有利度合に相当している。
そして、ステップS1722において、継続回数判定表示処理が終了すると、ステップS1723へと進み、処理選択フラグを[5]に更新して、本ルーチンをリターンする。
図31は、上述の大当り遊技中処理(ステップS1609)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1741において、所定のラウンドカウンタが初期化(例えばラウンドカウンタの数値=2)される。このラウンドカウンタは例えばRAM316内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
ステップS1741においてラウンドカウンタが初期化された後、続くステップS1742では、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ、続いて役物用入賞口92が所定時間間隔で開閉動作が開始される(ステップS1743)。そして、次のステップS1744では役物用入賞口92の開閉回数が設定最大回数(例えば18回)以内であるか否かが判断される。開閉回数が設定最大回数内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS1745)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサ319の検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS1746)。役物用入賞口92への入賞によりカウントセンサ319がONになると(YES)、次のステップS1747で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS1644の判断が行われる。あるいは、ステップS1746で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサ319がONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS1744の判断が行われる。
1回のラウンド動作中において、役物用入賞口92の開閉が設定最大回数である18回に達するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS1744またはステップS1745の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために役物用入賞口92の開閉動作が停止(ステップS1748)される。そして、次のステップS1749でラウンドカウンタの値が、2ラウンド、8ラウンドまたは16ラウンドの中から選択されて設定された設定最大継続回数に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達していなければ(ステップS1749においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS1750)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS1742)。
なお、本例では、始動入賞口96への遊技球の入球に応じて行われる役物用入賞口92の開閉動作を第1ラウンドとしてラウンド回数を算定しているため、上記の処理は、第2ラウンド以降の1回のラウンド動作の処理に相当する内容である。そして、第2ラウンド以降においては、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達したと判断されると(ステップS1749においてYES)、ステップS1751に進み、大当り終了フラグをONにし、続くステップS1752で処理選択フラグを[0]に更新する。その後、次のステップS1753で第三転動演出装置101を所定の基準位置からその回転を開始させて、大当り処理を終了する。
なお、上述のように大当り遊技中は、役物用入賞口92への入球をカウントしており、役物91内に進入した遊技球が、大当り受入口93に受入れられて、大当り受入センサ330に検出されても、その検出が無視されるようになっている。
次に、大当り遊技中に、始動入賞口96への始動入賞があった場合の、特別図柄の変動時間と、大当り受入口93へ遊技球が受入れられる確率について図32を基に説明する。図32は、大当り遊技終了後の特別図柄の変動時間と大当り受入口への受入れ確率との関係を示すタイムチャートである。まず、大当り処理が終了し、RAM316に始動記憶が記憶されていれば、上述したように、図27に示す普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理において、確率変更判定乱数に応じて、普通当り時第一変動表示パターンテーブル又は普通当り時第二変動表示パターンテーブルの何れかが選択され、更に、それら変動表示パターンテーブルから、第一変動パターン又は第二変動パターンの何れかが選択されるようになっている。
なお、本例では、例えば、遊技球が役物91の役物用入賞口92から進入して、第一転動演出装置95、第二転動演出装置100、及び第四転動演出装置102を介して、第三転動演出装置101に受入れられるまでの遊技球の到達時間を約4secとすると共に、第三転動演出装置101の回転周期を約4secとし、所定の基準位置から回転を開始してから、遊技球を大当り受入口93へ受入れ可能となるまでの時間を約2secとし、第一変動時間を約2sec、第二変動時間を約4secとした場合で説明する。
図示するように、第三転動演出装置101は、回転開始から、約2secで大当り受入口93への受入れ確率が高くなり、その後約4secの周期でその確率が高くなったり低くなったりする。この状態で、第一変動時間が選択されて、特別図柄が変動を開始すると、約2sec後に役物用入賞口92が開閉し、そのタイミングで遊技球が役物91内に進入すると、そこから約4sec後に第三転動演出装置101に到達する。つまり、特別図柄の変動開始から第三転動演出装置101に到達するまでの時間が約6secであり、その時の第三転動演出装置101において大当り受入口93に受入れられる確率が最も高くなっており、第一変動時間が選択されることで大当りとなる可能性を高くできるようになっている。
一方、第二変動時間が選択されると、特別図柄の変動開始から約4sec後に役物用入賞口92が開閉し、そのタイミングで遊技球を役物91内に進入させると、そこから約4sec後に第三転動演出装置101に到達する。つまり、特別図柄の変動開始から、第三転動演出装置101に到達するまでの時間が約8secとなり、その時の第三転動演出装置101における大当り受入口93への受入れ確率が最も低くなっており、第二変動時間が選択されることで大当りとなる可能性を低くすることができるようになっている。
このように、本例の遊技処理によると、特別図柄の変動表示中や、大当り処理中等の状況以外では、始動入賞口96に入賞すると比較的短時間で役物用入賞口92が開閉動作するので、従来の第二種のパチンコ機と類似した遊技となり、従来の第二種のパチンコ機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。また、役物用入賞口92が開閉動作する前に、変動した特別図柄が停止表示されて開閉動作のパターン(抽選結果)を認識することができ、停止表示した特別図柄の示唆が、「第一普通当り」とよりも「第二普通当り」であれば、より有利となるので、特別図柄の停止表示により遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
また、特別図柄の変動時間が長いと、抽選結果が「ハズレ」又は「特別当り」の何れかであることを認識させることができ、特別図柄が停止表示されて抽選結果が認識可能となるまでの間、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、抑揚に富んだものとすることができるようになっている。また、始動入賞口96への入賞により、大当りとなる「特別当り」を備えているので、従来の第一種の遊技と更に類似した遊技となり、遊技者の違和感を更に抑制することができ、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
更に、大当り遊技が終了すると、大当り遊技中に始動入賞口96へ始動入賞した始動記憶が実行されて、特別図柄が変動を開始すると共に、第三転動演出装置101が所定の基準位置から回転を開始する。その際に、変動時間として第一変動時間がセットされることで、第三転動演出装置101を介して大当り受入口93に入球する可能性が高いので、第一変動時間がセットされるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることができると共に、再び大当り遊技となる可能性が高くなるので、より興趣を高められるようになっている。
[役物の構成について]
次に本実施形態における役物91の具体的な構成について図33乃至図35を基に詳細に説明する。図33は本実施形態における役物の一例を示す正面図であり、図34は図33に示す役物を右上前方から示す斜視図である。また、図35(A)は役物用入賞口を拡大して示す正面図であり、(B)は役物用入賞口の可動片をその動きと共に示す説明図である。
本実施形態の役物91は、その内部に遊技球が進入可能な役物用入賞口92と、役物用入賞口92に入球した遊技球を、所定の通路上を転動演出させた後に二方のうちの何れか一方に放出することの可能な第一転動演出装置95と、第一転動演出装置95の一方の放出側(図33中左側)に配置され遊技球を押打可能な第二転動演出装置100と、第一転動演出装置95の他方の放出側(図33中右側)に配置され回転することで遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに導く第三転動演出装置101と、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102と、第一転動演出装置95の左右に配置され放出された遊技球の流れを夫々整流する第一整流手段500a及び第二整流手段500bと、役物91の上方から流下する遊技球を第一転動演出装置95及び第四転動演出装置102と当接しないように役物91の下流に導くワープ通路510とを備えている。
この役物91は、図3にも示すように、遊技領域の比較的広い範囲内を占めるような大きさとされており、一目で認識できるものとなっている。これにより、本例のパチンコ機1を容易に識別することができると共に、遊技者の関心を引き付け易いようになっている。
(役物用入賞口について)
役物用入賞口92は、役物91の中央かつ上縁部近傍に配置され大きく口を開けたキャラクタ体455の口とされており、これにより、遊技球がキャラクタ体455に飲み込まれるような雰囲気を醸し出すことが可能となり、遊技の面白味を高める効果が期待できるようになっている。
この役物用入賞口92は、キャラクタ体455の口の左右両側に配置された左右一対の可動片456(羽根部材)と、一対の可動片456の間に配置され遊技球を役物内部へと導くための球入口457と、球入口457を通過した遊技球を検出する遊技球検出センサとしてのカウントセンサ319と、カウントセンサ319を通過した遊技球を第一転動演出装置95に受け渡す受渡口458とを備えている。
一対の可動片456は、役物91の裏面に配置されたソレノイド331が駆動されることで、そのプランジャ(図示しない)が直線運動し、その直線運動がリンク機構470を介して駆動軸471を回動運動させることで可動片456が回動するようになっている(図34参照)。この一対の可動片456は、その先端を互いに離反する方向に回動させることで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球可能となり、また、その先端を互いに接近する方向に回動させることで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球不能となるようになっている(図35(A)参照)。つまり、一対の可動片456を回動させることで、役物用入賞口92が開閉可能とされている。なお、本例では、一対の可動片456は、夫々別々のソレノイド331により駆動されるようになっている。
この可動片456について図35を基に更に詳しく説明する。図35(A)は本実施形態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。同図(B)に示すように、この可動片456は、ソレノイド331の駆動により回動駆動される駆動軸471を有し駆動軸471を回転中心として回動する主可動片472と、主可動片472の駆動軸471とは異なる位置に回動軸473を有すると共に主可動片472の回動に伴って回動軸473を回転中心として回動する副可動片474とを備えている。つまり、この可動片456は、主可動片472が駆動軸471を、副可動片474が回動軸473を夫々中心として回動可能とされている。
主可動片472は、駆動軸471と共に回動し所定方向に延出する回動延出部475と、回動延出部475の先端に備えられ遊技球を誘導する誘導部476と、回動延出部475の所定位置に設けられ副可動片474のガイド部477に係合する被ガイド部478とを備えている。
一方、副可動片474は、回動軸473の他に、主可動片472の被ガイド部478と係合すると共に被ガイド部478を回動軸473の半径方向にガイド可能なガイド部477と、ガイド部477のガイド方向と略平行とされ遊技球を誘導するための誘導面479とを更に備えている。
なお、この可動片456では、回動軸473、ガイド部477および被ガイド部478が夫々駆動軸471よりも上方に配置されると共に、駆動軸471を中心とした主可動片472の回転半径が、回動軸を中心とした副可動片474の回転半径よりも大とされている。
なお、本例の役物用入賞口92が本発明の進入口に、本例のカウントセンサ319が本発明の進入検出手段に、及び、本例の可動片456が本発明の開閉片に夫々相当している。
続いて、可動片456の動作について詳細に説明する。この可動片456は、同図(B)において鎖線(一点および二点鎖線)で示すように、役物用入賞口92を閉鎖する位置(第一姿勢)にある場合、主可動片472の被ガイド部478は副可動片474のガイド部477の回動軸473に接近する端部に位置している。この状態では、図示するように、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面479上に大きく重なるように位置している。また、図示は省略するが、この状態では、ソレノイド331のプランジャが没入端に位置した状態となっている。
この状態から可動片456を、ソレノイド331の駆動によって駆動軸471を回動(図中反時計回り)させ、図中実線で示すように、役物用入賞口92を開放する位置(第二姿勢)に回動させた場合、駆動軸471の回動により主可動片475が回動すると、被ガイド部478がガイド部477を介して副可動片474を回転方向に押し、これによって副可動片474が主可動片472と同じ方向に回動する。
その際に、主可動片472の被ガイド部478は、副可動片474のガイド部477内を回動軸473から遠ざかる方向に移動する。そして、これら主可動片472及び副可動片477が共に同図において実線で示す位置まで回動すると、ソレノイド331のプランジャの伸長端に達し、回動駆動が停止され、可動片456の回動動作が停止する。この状態では、図示するように、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面479上に重なる部分が少なくなり、誘導部476が誘導面479よりも外側に飛出した位置となる。
このように、この可動片456は、開閉動作させることで、主可動片472の誘導部476が副可動片474のガイド部477に沿って相対移動し、可動片456を開くと、誘導部476が副可動片474の誘導面479の先端よりも外側に突出した位置に移動するので、可動片456自体が長くなったように見える。しかしながら、可動片456の回転中心である駆動軸471を中心として最も外側端部までの長さ、換言すれば、主可動片472自体の長さは、変化しないので、現実には可動片456の長さは変化していない。つまり、回動させることで誘導部476と誘導面479との位置が変化するようにすることで、あたかも可動片456の長さが変化したような錯覚を遊技者に与えることができるようになっている。
これにより、可動片456が開動作した時に、可動片456が長くなったように錯覚させることができるので、遊技球が役物用入賞口92に入賞し易いものと思わせることが可能となり、数ある遊技機の中から取り分け本実施形態のパチンコ機1で遊技したいと思わせることができると共に、入賞への期待感が高められ興趣を高めることができる。なお、実際には、開放された一対の可動片456の開口幅は変化しないので、見た目よりは入賞する割合は増加せず必要以上に興趣が高くなるのを抑制すると共に、ホール側の負担が増加するのを抑制することができるようになっている。
なお、上記の可動片456では、ソレノイド331におけるプランジャの没入端と伸長端とによって、駆動軸471の回動端つまり可動片456の回動端が規制されたものを示したが、被ガイド部478は、ガイド部477の両端部に当接することで可動片456の回動端が規制されるものとしても良いし、プランジャ及びガイド部477の両方により回動端が規制されるものであっても良い。
(第一転動演出装置について)
次に、第一転動演出装置95について、図36乃至図41に基づいて詳細に説明する。図36は、第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。図37は、第一転動演出装置の構成を示す斜視図である。図38は、第一転動演出装置における回動駆動手段の分解斜視図である。図39は、第一転動演出装置の動作を示す説明図である。図40は、第一転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。図41は、第一転動演出装置におけるモータの動作を示すタイムチャートである。
この第一転動演出装置95は、図33、図34及び図36乃至図38に示すように、左右方向に延び上面に遊技球が転動可能な転動面490を有した長尺状のガイド部材491と、ガイド部材491を回動可能に支持する回動支持軸492と、ガイド部材491を回動駆動させる回動駆動手段493と、ガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494とを備えている。
ガイド部材491は、転動面490から遊技球が前側(遊技機に対して遊技者側)に落下するのを防止する堰部495が転動面490の略全長に亘って設けられている。また、転動面490はその前側が低くなるように前後方向において傾斜しており、これにより、転動面490上に投入された遊技球Bが堰部495に沿って転動すると共に、ガイド部材491の後側に配置された受渡口458などに遊技球Bが当接するのを防止するようになっている。
回動駆動手段493は、モータ332と、モータ332の回転駆動を往復駆動に変換してガイド部材491に伝達する伝達機構480とから構成されている。この伝達機構480は、モータ332の回転軸に固定された第一ギア481と、第一ギア481と噛合して回転する第二ギア482と、第二ギア482と一体に形成され第二ギア482の回転軸芯に対して偏芯した位置に配置されたクランクピン483と、クランクピン483を略水平方向で直線状に滑動可能に保持しクランクピン483の公転により略垂直方向で直線状に往復移動可能とされた往復部材484と、往復部材484を略垂直方向で直線状に滑動可能に支持する滑動支持部材485と、これらモータ332、第一ギア481、第二ギア482、往復部材484、滑動支持部材485等を所定位置に保持するためのケーシング486とから構成されている。
往復部材485は、クランクピン483を略水平方向に滑動可能に保持し長穴状に形成されたクランクピン保持溝487と、滑動支持部材485と滑動可能に連結される滑動連結部488と、外方に突設されガイド部材491へ往復駆動を伝達するための伝達部489とを備えている。
滑動支持部材485は、金属(例えば、鉄、真鍮、アルミ等)製の円柱棒状の部材とされており、その表面には摩擦低減層496が形成されている(図37参照)。この摩擦低減層496は、本例では、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、往復部材485の滑動連結部488との滑動による摩擦が低減され、長期に亘って良好な滑動が得られるようになっている。
ガイド部材491の両端後面側には、後方に突出するピン497が夫々設けられており、回動駆動手段498は、その往復部材485の伝達部489が、ガイド部材491の図中左側のピン497を下側から受けるように当接する位置に配置されている。このガイド部材491における伝達部489と当接するピン497は、バネ(コイルバネ)498により下方に付勢されている(図37参照)。つまり、伝達部489とピン497とが互いに接近する方向にバネ498により付勢されている。
バネ498の付勢力は、ガイド部材491のピン497、伝達部489を介して往復部材485へと伝達され、往復部材485の滑動連結部488から滑動支持部材485を変形させるような力として作用するが、滑動支持部材485が金属製とされているので、十分な強度剛性を有しており、滑動支持部材485が変形して往復部材485の滑動を妨げることを防止するようになっている。
本例では、モータ332を所定方向に回転させることで、ガイド部材491は、伝達機構480を介して、回動支持軸492周りをシーソーのように回動して往復動作するようになっている。なお、本例では、モータ332を一回転させると、ガイド部材491が、二往復シーソーのように回動するようになっている。また、モータ332の軸芯方向がガイド部材491の延びる方向(左右方向)と略同じ方向とされており、これにより、ガイド部材491の後方、つまり、パチンコ機1の裏面での突出量が抑制されている。
一方、ガイド部材491における回動駆動手段493が配置された側とは反対側(図中右側)の端部に設けられたピン497は、回動検出センサ494により検出可能な回動検出部499を支持している(図37参照)。この回動検出センサ494は、図36に示すように、ガイド部材491が略水平位置となると回動検出部499を検出するような位置に配置されており、本例では、回動検出部499は、回動検出センサ494が水平よりも上側にあると検出状態となり、水平よりも下側にあると非検出状態となるようになっている。
なお、本例の回動検出センサ494、及び回動検出部499が本発明の動作状況検出手段に相当している。
続いて、第一転動演出装置95における、遊技球Bの動作について図40を基に詳細に説明する。なお、便宜上、反時計回りの回転を正とし、時計回りの回転を負として説明する。ガイド部材491は、モータ332の回転により、所定周期でシーソーのように回動を繰り返しており、その状態で、ガイド部材491の転動面上に遊技球Bが供給される。この時、例えばガイド部材491が同図(ア)に示すように、図中右側が低くなるように傾斜している場合、ガイド部材491上に供給された遊技球Bは、重力によりガイド部材491の右側端部の方向に転動する。その後、ガイド部材491が正の方向に回動してその右側端部が回動支持軸492よりも高くなると、遊技球Bはその転動する方向を折り返して、回動支持軸492の方向に転動する(同図(イ)参照)。なお、遊技球Bには、その転動する方向に慣性力が働くので、ガイド部材491の傾斜方向が変わっても、その遊技球Bの転動方向はすぐには変わらない。
そして、遊技球Bが回動支持軸492に到達する前に、ガイド部材491が負の方向に回動して右側端部が回動支持軸492よりも低くなると、遊技球Bは再び転動する方向を折り返して、ガイド部材491の右側端部の方向へ転動する(同図(ウ)参照)。その後、ガイド部材491が正の方向に回動してその右側端部が回動支持軸492よりも高くなると、再度転動する方向を折り返して、遊技球Bが再び回動支持軸492の方向へ転動する(同図(エ)参照)。この時、遊技球Bの転動の折り返し位置は、前回の折り返し位置よりも、ガイド部材491の右側端部に近い位置となる。これは、遊技球Bがガイド部材491の回動と共に回動支持軸492を中心として回動するので、遊技球Bには、回動支持軸492から遠ざかる方向に遠心力が作用しており、これによって、遊技球Bが回動支持軸492の方向へ移動する距離よりも、ガイド部材491の端部の方向へ移動する距離の方が長くなるためである。
上記のように、ガイド部材491がシーソーのように回動することで、ガイド部材491上の遊技球Bが揺動すると共に、徐々にガイド部材491の端部へと移動し、やがてガイド部材491の端部から放出される(同図(キ)参照)。なお、遊技球Bが放出される過程において、同図(オ)及び(カ)に示すように、ガイド部材491の右側端部の近傍まで転動した遊技球Bが、回動支持軸492の方向へ折り返すような場合もあり、この遊技球Bが放出されそうでされないような動きにより、遊技者に、ハラハラ、ドキドキさせて抑揚に富んだ演出が可能となっている。なお、上記では、ガイド部材491の回動支持軸492よりも右側における遊技球Bの動きを示したが、回動支持軸492よりも左側においても遊技球Bは同様の動きをするものである。
ところで、本例では、モータ332の回転が、図41に示すように、所定の周期で停止するようになっている。具体的には、回動検出センサ494により回動検出部499を所定回数(ここでは4回)検出する毎に、その検出から所定時間後に、モータ332を所定時間停止させることで、ガイド部材491が、右側端部が高くなった位置で所定時間停止するようになっている(図39(A)参照)。これにより、図40(カ)に示すように、回動支持軸492の右側で揺動する遊技球Bを、回動支持軸492の左側へ移動させ、その左側において遊技球Bを揺動させて、ガイド部材491の左側端部から遊技球Bを放出させることができる。
なお、この第一転動演出装置95では、ガイド部材491の長さ、回動角度、回動速度は、ガイド部材491上に供給される遊技球Bの移動速度、移動方向、等が所定の条件を満たす時に、ガイド部材491上を遊技球Bが揺動するようにしており、その条件以外で遊技球Bが供給されると、ガイド部材491上を揺動することなく、何れかから放出される。
また、上記のモータ332の回転制御は、主基板310における主制御基板131のCPU314において、所定のプログラムを実行することで機能する転動演出制御手段によって制御されている。
ところで、ガイド部材491への遊技球Bの供給は、その上流に配置されたカウントセンサ319が、図33に示すように、役物91の左右方向の中心に対して左側に偏った位置に配置されている。つまり、ガイド部材491の回動支持軸492を通る垂直軸に対して図中左側に偏った位置に配置されている。これにより、受渡口458からガイド部材491上へ供給される遊技球Bは、ガイド部材491の回動支持軸492によりも図中左側、つまり押打部531側に偏って供給されることとなり、ガイド部材491上から放出される遊技球の放出割合が、図中左側端部からの放出が高く右側端部からの放出が低くなっている。
これにより、遊技球Bがガイド部材491の左側端部から流出する割合が高いので、左側端部の下方に配置された第二転動演出装置100側へ放出される機会を増やすことができ、第二転動演出装置100による遊技をより楽しませることができると共に、ガイド部材491の回動だけで有利遊技状態が決まってしまう遊技よりも、ガイド部材491と第二転動演出装置100とによる二段階に亘って有利遊技状態の発生が期待できる遊技とすることができ、より興趣の高められるものとすることができるようになっている。
なお、役物用入賞口92は、役物91の左右方向の略中央に配置されているので、役物用入賞口92に進入した遊技球Bが、一見するとガイド部材491の中心に供給されるように認識させ、ガイド部材491による左右への振り分けが均等に振り分けられているように認識させることができ、遊技者には役物用入賞口92への遊技球Bの進入に対して常に期待感を持たせるようにすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。一方、パチンコ機1を設置するホール側等では、大当り受入口93の配置された右側端部から流出する割合が低いので、有利遊技状態が発生する機会が抑制され、ホール側等の負担が増加するのを防止することができるようになっている。
(第二転動演出装置について)
次に、第二転動演出装置100について、図42乃至図46に基づいて詳細に説明する。図42(A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は、第二転動演出装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。図43は、第二転動演出装置における可動演出の状況を示す正面図である。図44は、図42(A)に示す第二転動演出装置の分解斜視図である。図45は(A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。図46(A)〜(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。
この第二転動演出装置100は、図示するように、役物91において、ガイド部材491の左側に配置されている。つまり、遊技球が打ち込まれる遊技領域において、その左右方向の中心に対して左側に配置されている。この第二転動演出装置100は、遊技球Bと当接することで遊技球Bを左右方向へ押打可能な押打部531と、押打部531が遊技球Bを押打するように押打部531を移動させる押打部駆動手段532とを備えている。また、第二転動演出装置100には、上記のキャラクタ体455とは異なる態様のキャラクタ体533を更に備えており、このキャラクタ体533の足534が押打部531とされている。また、第二転動演出装置100には、キャラクタ体533の腕541と顔542を可動させて所定の演出動作させる可動演出手段543を更に備えている。
押打部駆動手段532は、押打部531を回動可能に支持すると共に回動駆動させるための回動軸535と、回動軸535に固定された第一ギア536と、第一ギア536と噛合する扇状の第二ギア537と、第二ギア537の回転中心から所定距離離れた位置に配置されたクランクピン538と、クランクピン538を摺動可能に保持するクランクピンホルダ539と、クランクピンホルダ539をプランジャ540の出没(進退)により所定方向に移動させる押打用ソレノイド325とを備えている。
また、押打部駆動手段532は、回動軸535と第一ギア536との間に所定回転角度の遊嵌を有した回転伝達継手525を備えている。この回転伝達継手525は、回動軸535側に固定され第一ギア536側へ突出する二つの突起526を有した第一回転板527と、第一ギア536と一体回転し第一回転板の突起526と係合可能な溝528を有した第二回転板529とから構成されている。この第一回転板527の突起526と第二回転板529の溝528とを互いに係合させることで回転が伝達されるようになっている。また、突起526の幅に対して溝528の幅が所定量大きくされており、これにより、回転方向に対して所定の遊嵌を有した状態となっている(図42及び図44参照)。
更に、押打部駆動手段532は、回転伝達継手525における第一回転板527の外周に所定重量の錘530が取付けられており、この錘530に作用する重力によって、第一回転板527を所定方向に回転(回動)するように付勢している。具体的には、図45(A)に示すように、押打部531が図中実線で示す位置に位置するときは、反時計回りの方向にその付勢力が作用すると共に、押打部531が図中破線で示す位置に位置するときは、時計回りの方向に付勢力が作用するようになっている。なお、押打部531が回動軸535の軸心よりも偏芯した位置に位置しているので、錘530の重量を適宜設定することで、偏芯した押打部531により回動軸535にかかるモーメントを少なくなるようにしても良く、これにより、押打用ソレノイド325の駆動力を少なくすることができ、押打用ソレノイド325を小型化することができる。
この押打部駆動手段532は、押打用ソレノイド325によりプランジャ540を出没させることで、回動軸535を回動させて、キャラクタ体533の足534と共に押打部531を回動させて移動させるものである。なお、本例では、プランジャ540が押打用ソレノイド325に没入すると足534が上がり、プランジャ540を進出させると足534が下がるようになっている。
ところで、図43に示すように、役物91には、第二転動演出装置100の下側に、遊技球Bを転動可能で上方に開放された円弧状の受部105が設けられており、その受部105の底部にハズレ受入口94が開口している。この受部105の半径は、押打部531の回動中心と略同心上にその中心が配置されると共に、押打部531の回動により描かれるその先端の軌跡よりも若干大きい半径とされている。そして、受部105の図中右側端部は、押打部531が最も上昇した位置よりも所定距離低い位置とされ、後述の第四転動演出手段102の上側端部(左側端部)と接続されている。
本例では、押打部531の移動範囲として、受部105と第四転動演出装置102との境界部よりも下側を第一範囲と、受部105と第四転動演出装置102との境界部よりも上側を第二範囲とするものである。詳しくは、図45(A)に示すように、図中破線と二点鎖線とで示す押打部531の回動範囲が第一範囲とされ、二点鎖線と実線とで示す押打部531の回動範囲が第二範囲とされている。そして、この押打部531の回動移動は、第一範囲内においては、押打用ソレノイド325の駆動により回動移動し、第二範囲内においては、回転伝達継手525における錘530の付勢力により回動移動するようになっている。
可動演出手段543は、キャラクタ体533の腕(右腕)541がその肩を中心に回動可能とされていると共に、顔(上顎から上の部分)542が上下方向にスライド可能とされている。具体的には、腕541の裏側には、腕541がその一端(肩)を中心に回転可能に支持するための支持ピン520と、支持ピン520から腕541の先端(手)方向へ所定距離離れた位置に設けられたピン状の突起521とが夫々突設されており、腕541の支持ピン520がキャラクタ体533の肩部に回転可能に支持されている。また、顔542の裏側にも、後方に突出する支持ピン522が設けられている。
また、可動演出手段543は、キャラクタ体533の後側に配置され、プランジャ544を出没可能に駆動する役物用ソレノイド362と、役物用ソレノイド362のプランジャ544の出没量を増幅させるリンク機構545と、リンク機構545により上下方向に移動するスライド板部材とを備えている(図42(A)及び図44参照)。
このスライド部材546には、キャラクタ体533の顔542に突設された支持ピン522を回転可能に軸支するための支持部523と、腕541の突起521に下方から当接可能とされた突起当接部524とが形成されている。なお、スライド部材546の裏面(キャラクタ体533とは反対側の面)には、リンク機構545と連結する連結部547が設けられている。
この可動演出手段543は、役物用ソレノイド362によりスライド部材546が上昇することで、顔542が上昇すると共に、スライド部材546の突起当接部が腕541の突起と当接することで、腕541が図43中時計回りに回動するようになっている(図45(B)参照)。なお、顔542の支持ピン522がスライド部材546の支持部523に軸支されているので、顔542が上昇した際に、その勢いにより顔542が支持部523の軸を中心に揺動するようになっている。
続いて、第二転動演出装置100の動作について説明する。この第二転動演出装置100は、役物用入賞口92のカウントセンサ319により遊技球Bが検出されると、押打用ソレノイド325により、押打部531を、図33中二点鎖線で示す位置まで回動させて、遊技球Bを押打することが可能となる。具体的には、カウントセンサ319により遊技球Bが検出されてから所定時間後(例えば、0.5〜2.5秒後)に押打部531を回動させる。これにより、役物用入賞口92に進入した遊技球Bが、ガイド部材491上を揺動した上で第二転動演出手段100により押打可能な押打領域に到達する頃に、押打部531が回動するので、押打部531により遊技球Bを押打することができる。なお、実際には、遊技球Bが第二転動演出装置100に到達する到達時間が区々となるので、押打部531が作動するタイミングと、遊技球Bが到達するタイミングとが一致し難く、ガイド部材491上を揺動する遊技球の動きに、一層、ハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができる。
この第二転動演出装置100における押打部531の動きを更に詳細に説明すると、第二転動演出装置100では、押打部531が回動移動するタイミングと、第一整流手段500aから遊技球Bが供給される(ガイド部材491から遊技球Bが放出される)タイミングとによって、遊技球Bに様々な動きを付与することができるものである。具体的には、押打部531が押打用ソレノイド325の駆動により、第一範囲の略上端部に到達したタイミングで遊技球Bが供給されると、遊技球Bが押打部531と当接して第四転動演出装置102へと押打される(図46(A)参照)。これにより、遊技球Bが押打されるので、インパクトのある動きを付与することができる。
一方、押打部531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達した後に、更に、錘530の付勢力により第二範囲の上端付近に到達したタイミングで遊技球Bが供給されると、押打部531と当接した遊技球Bの力が錘530による付勢力に抗して、押打部531を下側(第二範囲の下端)へ回動移動させると共に、遊技球Bが押打部531と共に下降して第四転動演出装置102へと送られる(図46(B)参照)。これにより、流下する遊技球Bを、一旦押打部531に受けるように当接させた上で下降させて送ることができるので、遊技球Bの動きにアクセントを付けて楽しませることができる。
また、押打手段531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達する前に遊技球Bが供給された場合、第一整流手段500aから放出された遊技球Bが、役物91の受部105と第四転動演出装置102との境界部を通過して、受部105に受けられると共に、受部105に沿ってハズレ受入口94の方向へ転動し、その転動途中において、押打用ソレノイド325の駆動により図中反時計周りの方向へ回動移動する押打部531と当接した上で、押打部531によって受部105に沿って上昇させられ、受部105の上端から第四転動演出装置102へと送られる(図46(C)参照)。これにより、遊技球Bが第四転動演出装置102との境界付近を通過すると、第四転動演出装置102側に送られないような錯覚を起こし興趣が低下するが、通過しても押打部531と当接することで境界付近まで上昇して第四転動演出装置102側に送られると興趣が高められ、遊技者を一喜一憂させることが可能な遊技球Bの動きとすることができる。
なお、この第二転動演出装置100は、押打部531により押打した遊技球Bを、第四転動演出装置102に送ると共に、押打されずに押打領域を通過した遊技球Bを、第二転動演出装置100の下側に配置されたハズレ受入口94から、遊技領域外へ排出するようになっている。
また、本例の第二転動演出装置100の下側に配置されたハズレ受入口94が、本発明の第二受入口に相当している。
また、上記の押打用ソレノイド325の駆動制御は、主基板310における主制御基板131のCPU314において、所定のプログラムを実行することで機能する当接部制御手段によって制御されている。
ところで、第二転動演出装置100は、上述した遊技球Bの転動演出だけでなく、キャラクタ体533を可動させることで、所定の可動演出をすることもできるものである。なお、第二転動演出手段100の上流側に配置された第一整流手段500aには、その内部を通過した遊技球Bを検出する遊技球センサ361が設けられており、この遊技球センサ361は、周辺基板311(サブ統合基板336)に接続されている(図11参照)。この第二転動演出装置100は、役物用入賞口92に進入した遊技球Bを検出するカウントセンサ319と、ガイド部材491の動作状況(回動状況)を検出する回動検出センサ494と、第一整流手段に設けられた遊技球センサ361との検出結果に応じて、所定の可動演出をするようになっている。
具体的には、主基板310(主制御基板131)において、カウントセンサ319により遊技球Bを検出したときに、回動検出センサ494によりガイド部材491の傾きが、第二転動演出装置100側が低くなるような回動状況であると、遊技球が第二転動演出装置100側に放出される可能性が高いことを示唆する制御コマンドを周辺基板311に送信する。そして、周辺基板311では、上述の制御コマンドを受信した後に、所定時間内に遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、役物用ソレノイド362を駆動して、可動演出手段543におけるキャラクタ体533の腕541を回動させると共に顔542を上昇させる。この可動演出手段543を可動させる所定時間(タイミング)は、上述した、主基板310による押打部531の回動タイミングと略一致しており、これにより、キャラクタ体533は、図43(図45(B))に示すような手足を曲げ大きく口を開けて頭(顔542)を揺らした独特のポーズをすることとなる。つまり、遊技球Bが、押打部531により押打される可能性が極めて高いと、可動演出としてキャラクタ体533が独特のポーズをして、チャンスの到来を遊技者に示唆して興趣を高められるようになっている。なお、可動演出手段543の制御を周辺基板311によって行っているので、キャラクタ体533を可動演出させても主基板310の負荷を抑制することができるようになっている。なお、周辺基板311には、上記の可動演出を制御するための可動演出制御手段が備えられている。
なお、上記の役物用ソレノイド362の駆動制御は、周辺基板311におけるサブ統合基板336のCPU350において、所定のプログラムを実行することで機能する可動演出制御手段によって制御されている。
(第三転動演出装置について)
次に、第三転動演出装置101について、図47乃至図51に基づいて詳細に説明する。図47(A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜視図である。図48は、図47における第三転動演出装置の一部を示す分解斜視図である。図49は、役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。図50は、第三転動演出装置の動作を示す説明図である。図51は、第三演出装置の図50とは異なる動作を示す説明図である。この第三転動演出装置101は、第一転動演出装置95又は第二転動演出装置100から送られた遊技球Bを、大当り受入口93又はハズレ受入口94の何れかに振り分けて導くものである。
この第三転動演出装置101は、遊技球Bを収容可能な複数の収容部550と、それら収容部550を周方向に複数配置した回転体552と、回転体552を回転させることで収容部550を移動させる移動手段551とを備えている。この移動手段551は、回転体552を回転駆動させるための回転軸553と、回転軸553に固定され回転体552の回転位置を検出するための回転検出部554と、回転軸553を回転駆動する回転体用モータ326とを備えている。なお、本例では、回転体用モータ326から回転軸553への回転伝達は、一組のギア555を介して伝達されるようになっている。また、本例では、収容部550が基本的に、その前方側と、回転体552の半径方向外側が開放された形態とされている。
この第三転動演出装置101には、回転体552の後方側(遊技者が位置する側とは反対側)に配置され、大当り受入口93を有し、大当り受入口93に入球した遊技球Bを大当り受入センサ330へ導く大当り誘導部556と、回転体552の外周を覆うと共にその周方向の所定位置にハズレ受入口94を有し、ハズレ受入口94に入球した遊技球Bをハズレ受入センサ329へ導くハズレ誘導部557とを更に備えている。なお、本例では、ハズレ誘導部557は、ハズレ受入口94を有し回転体552の外周を覆ってその半径方向外側が開放された収容部550から遊技球Bがその半径方向外側へ移動するのを阻止する筒状部558と、ハズレ受入センサ329へ遊技球Bを導く誘導部559とが、夫々別部材により構成されている(図50及び図51参照)。
この第三転動演出装置101には、図48にも示すように、大当り誘導部556の更に後方側に、回転体552側に種々の色の光を照射可能な図示しない発光手段(例えば、LED)が備えられた発光基板575を収納する発光収納部576と、発光収納部576の後方側に配置され、回転軸553に固定された回転検出部554、一組のギア555、及び、回転位置検出センサ321を収容すると共に、回転体用モータ326が取り付け可能な駆動ケーシング部577とを更に備えている。
なお、本例では、回転位置検出センサ321がフォトセンサとされており、回転検出部554により遮光されることで、ON、OFF信号を発信し、その信号の立ち上がり部又は、立ち下がり部を観ることで回転体552の回転位置(例えば、後述の特定収容部550cの位置)を検出するようになっている。
大当り誘導部556及び発光収納部576は、複数のレンズが形成された板状の隔壁部578a,578bが夫々形成されており、それら隔壁部578a,578bの間に遊技球Bが転動可能な転動通路579が形成されている。この転動通路579は、大当り受入口93と、大当り受入センサ330とを連絡するものである。なお、大当り受入センサ330は、図47(A)に示すように、大当り誘導部556と発光収納部576とにより挟持されている。また、本例では、少なくとも、回転体552、大当り誘導部556、及び発光収納部576が、透光性を有する素材により形成されている。
収容部550は、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる長さの短い第一収容部550aと、第一収容部550aよりも、少なくとも遊技球Bの長さ分、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる長さの長い第二収容部550bとからなっており、本例では、第一収容部550aと第二収容部550bとが、夫々四つずつ回転体552の周方向に交互に配置されている。
ところで、収容部550は、第二収容部550bの一つが、遊技球Bを大当り受入口93へと導く特定収容部550cとされており、この特定収容部550cは、回転体552の前後方向に開放されると共に、半径方向には開放されていない形態とされている。換言すれば、特定収容部550cは、回転体552の回転軸553の軸方向に遊技球を通過可能な開口が形成されている。
なお、特定収容部550c以外の収容部550は、全て遊技球Bをハズレ受入口94へと導くものとされており、回転体552の回転軸553の半径方向に遊技球を通過可能な開口が形成されている。
回転体552は、第一収容部550aよりも中心側の位置において、前方側に所定量突出した突出部560が形成されており、この突出部560には、その半径方向の外側から、回転体552の第二収容部550bと連続するような凹部567が設けられている。つまり、回転体552の突出部560には、第二収容部550bが備えられている。なお、本例では、図47(B)に示すように、回転体552の突出部560は、特定収容部550cと共に、回転体552の本体とは別部材により構成されている。また、回転体552は、その軸の延出方向が、遊技盤5に対して略直角方向とされている。
この第三転動演出装置101には、全ての収容部550、つまり、第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収容部550bで遊技球Bの収容が許容される第一収容領域と、特定収容部550cを含む第二収容部550bのみが遊技球Bの収容を許容される第二収容領域とを仕切る仕切り部561を更に備えている。この仕切り部561は、図49に示すように、回転体552の突出部560を挿通可能な挿通孔562と、挿通孔562の下側に配置され回転体552における第一収容部550aに望むように扇状に開口する開口部563とを有し、回転体552の前面に配置される板状の仕切り板564から構成されている。また、仕切り部561には、挿通孔562の略外周に沿うように前方に延びだし挿通孔562に挿通された回転体552の突出部560の外周を所定範囲覆う被覆部565が更に備えられている。この仕切り部561は、図49に示すように、挿通孔562の図中左側に、仕切り板564から前方に延び、ガイド部材491からの遊技球Bを挿通孔562へ導くL字形状の壁部566を更に備えている。なお、本例では、仕切り板564が略透明な素材により形成されており、仕切り板564を介して回転体552が見えるようになっている。
なお、本例では、開口部563の大きさが、遊技球Bの直径に対して、1.5〜3倍の大きさとされている。
この第三転動演出装置101は、仕切り部561により挿通孔562に回転体552の突出部560を挿通させることで第一収容領域が形成される共に、その下側の開口部563により第二収容領域が形成されるようになっている。つまり、ガイド部材491からの遊技球Bが回転体552の突出部560に備えられた四つの第二収容部550bの何れかに収容されるようになっていると共に、押打部531により押打された遊技球Bが回転体552の八つの収容部550(第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収容部550b)の何れかに収容されるようになっている。
なお、本例では、第二収容部550bの一つが大当り受入口93へ遊技球Bを導く特定収容部550cとされているので、その特定収容部550cに遊技球Bが収容される確率は、ガイド部材491から流出したものが1/4、押打部531により押打されたものが1/8の確率となっている。
なお、本例の大当り受入口93が本発明の第一受入口に相当しており、本例の回転体552によって誘導されるハズレ受入口94が本発明の第二受入口に相当している。
続いて、第三転動演出装置101の動作について説明する。この第三転動演出装置101は、遊技球Bの収容部550を有した回転体552が、回転体用モータ326により、時計回りに所定速度で回転させられている。そして、回転体552を回転させた状態で、遊技球Bが供給されると、何れかの収容部550に収容される。例えば、ガイド部材491の右側端部から流出した遊技球Bの場合は、仕切り部561により回転体552の突出部560に配置された四つの第二収容部550bの何れかに収容された後に、回転体552の回転に伴って遊技球Bが移動し、その第二収容部550bが回転体552の中心よりも下側に位置すると、遊技球Bは、第二収容部550bにおいて回転体552の半径方向外側の位置に移動する。一方、押打部531により押打された遊技球Bの場合は、第四転動演出装置102及び仕切り部561の開口部563を介して、回転体552における全ての収容部550の何れかに収容された後に、回転体552の回転と共に、回転体552の半径方向外側の位置に保ったまま移動する。
そして、遊技球Bが特定収容部550cに収容された場合は、図50に示すように、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、大当り受入口93が開口する位置に達すると、特定収容部550cはその後方側が開放されているので、そこから遊技球Bが大当り受入口93に入球し、大当り誘導部556の転動通路579を通って大当り受入センサ330に検出された後に遊技領域外へ排出される。なお、特定収容部550cは、半径方向外側には開放されていないので、ハズレ受入口94に到達しても入球することはない。
一方、遊技球Bが特定収容部550c以外の収容部550に収容された場合は、図51に示すように、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、ハズレ誘導部557の筒状部558に開口するハズレ受入口94に達すると、これらの収容部550は、半径方向に開放されているので、そこから遊技球Bがハズレ受入口94へと入球し、ハズレ誘導部557を通ってハズレ受入センサ329に検出された後に遊技領域外へと排出される。なお、特定収容部550c以外の収容部550は、その後方側が開放されていないので、その収容部550が大当り受入口93に到達しても入球することはない。
なお、上述のように、大当り遊技中に大当り受入口93に遊技球が受入れられても、大当り受入センサ330の受入れ検出が無視されるので、大当り遊技中における第三転動演出装置101による大当り受入口93への遊技球Bの誘導は、特に重要視する必要がないので、大当り遊技中に回転体552の回転を、遊技状態に応じて、回転させ続けたり、適宜、回転速度を変化させたり、停止させたりすることができるようになっている。
また、本例では、大当り遊技が終了すると、回転体552が所定の基準位置から回転を開始するようになっている。具体的には、回転体552を時計に喩えると、特定収容部550cが12時の位置を、所定の基準位置として、その位置から回転体552が回転を開始するようになっている。
このように、第三転動演出装置101は、回転体552に複数の収容部550を備えて、供給された遊技球Bを特定収容部550c又はそれ以外の収容部550の何れかに収容させることで、遊技球を大当り受入口93又はハズレ受入口94に誘導して振り分けることができる。これにより、特定収容部550cに収容されることで大当りが得られるので、供給された遊技球Bが、特定収容部550cに収容される否かに重大な関心を寄せ、遊技球Bの動きと回転体552の回転により遊技球が収容されるまでの間、ハラハラ、ドキドキさせて、興趣を高められるものとなっている。
また、少なくとも、仕切り板564、回転体552、大当り誘導部556、及び発光収納部576が、透光性を有する素材により形成されているので、これにより、大当り誘導部556と発光収納部576との間に形成された転動通路579を転動する遊技球Bを見ることができ、転動通路579を転動する遊技球Bの動きを楽しませることができる。また、発光基板575に備えられた発光手段により回転体552側へ光を照射するようにしているので、回転体552や大当り誘導部556等の形状により転動通路579の遊技球Bが見辛くても、発光手段からの光の照射により、遊技球Bがシルエットとして浮かび出させることができ、遊技球Bの動きを確実に認識させることができる。更に、仕切り板564の前面を転動する遊技球B、回転体552の収容部550に収容された遊技球B、及び転動通路579を転動する遊技球Bを、同時に認識することが可能となっているので、遊技球Bが立体的に配置された状態となり、遊技球Bが入り乱れるようなこれまでにない遊技球Bの動きを楽しませることができる。
(第四転動演出装置について)
次に、第四転動演出装置102について詳細に説明する。この第四転動演出装置102は、図33及び図34に示すように、第二転動演出装置100における押打部531により押打された遊技球を、第三転動演出装置101へと案内するものである。
この第四転動演出装置102は、図示するように、ガイド部材491の下方に配置され、第二転動演出装置100側から第三転動演出装置101側へ緩く傾斜するように延びる案内面571を有している。この案内面571は、ガイド部材491と略同じ長さとされていると共に、その下流側先端には、第三転動演出装置101の開口部563の下縁形状と一部が略一致するような円弧状の揺動面572が設けられている。
この第四転動演出装置102では、第二転動演出装置100からの遊技球を、所定長さの案内面571上を転動させることで、遊技球の動きを認識できるようにしており、これにより、遊技球が第三転動演出装置101に到達するタイミングが、第三転動演出装置101における回転体552の回転による特定収容部550cに収容されるタイミングとなるか否かを楽しませるようになっている。また、案内面571の先端に揺動面572が設けられているので、遊技球はその揺動面を揺動した後に回転体552に備えられた収容部550に収容されるので、その遊技球の揺動具合によって、収容部550に収容されるタイミングが区々となるので、遊技者をハラハラ、ドキドキさせて楽しませることができるようになっている。
なお、本例では、案内面571を滑らかな面としたものを示したが、案内面571に複数の凹凸を設けて、案内される遊技球の動きに変化を付けて、その動きを楽しませるようにしても良い。
(整流手段について)
次に、整流手段について詳細に説明する。本例の整流手段は、図33及び図34に示すように、ガイド部材491の左側端部の左斜め下には、ガイド部材491の左側端部から放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第一整流手段500aが備えられている。この第一整流手段500aは、その左側に上下方向に延びる仕切り部501と、仕切り部501の下端に遊技球を受けると共に役物91の奥へと導く受部502と、受部502の下側に配置され受部502により受けられた遊技球を遊技領域へと流出させる流出口503とを備えている。この第一整流手段500aにより受けられた遊技球は、仕切り部501及び受部502により整流され、流出口503からその下方に配置された第二転動演出装置100に送られるようになっている。
また、第一整流手段500aには、その途中に遊技球センサ361が配置されており、第一整流手段500aを流通する遊技球Bを検出するようになっている。
なお、本例の遊技球センサ361もまた本発明の動作状況検出手段に相当している。
また、ガイド部材491の右側端部の右斜め下には、ガイド部材491の右側端部から放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第二整流手段500bが備えられている。この第二整流手段500bは、上部が開放されたカップ形状とされており、この第二整流手段500bに受けられた遊技球は、渦巻状に回転しながら整流され、第三転動演出装置101に送られるようになっている。なお、第二整流手段500bは、図示するように、第三転動演出装置101の上方に配置されたキャラクタ体504のどんぶりとされており、そのどんぶり内で遊技球を旋回させることで、面白味を増させている。
これら第一整流手段500a及び第二整流手段500bにより、ガイド部材491により振り分けられた遊技球が整流されて、スムーズに下流の第二転動演出装置100や第三転動演出装置101へ受け渡しできるようになっている。
なお、本例の第二整流手段500bは、第三転動演出装置101の仕切り部561の一部が備えられており、第二収容領域へ遊技球を確実に誘導できるようになっている。
(ワープ通路について)
次に、ワープ通路について詳細に説明する。本例のワープ通路は、図52に示すように、ワープ通路510は、役物用入賞口92の左右に配置され、遊技盤5を流下する遊技球を受ける受取口511と、受取口511により受けられた遊技球をガイド部材491と当接することなく、ガイド部材491の下方に導く誘導路512と、誘導路512により導かれた遊技球を第四転動演出装置102と当接することなく遊技盤5に流出させる流出口513とを備えている。この受取口511は、役物用入賞口92の可動片456が開いた状態では、その上方が略覆われるような位置及び大きさとされている。
このワープ通路510は、ガイド部材491の上方において、役物用入賞口92に入賞しなかった遊技球を受取口511により受けられるようになっており、受渡口458以外からガイド部材491に遊技球が供給されないようになっている。これにより、ガイド部材491及び第四転動演出装置102上を揺動及び転動する遊技球に、無用に他の遊技球が当接して、遊技球の揺動や転動を阻害しないようになっている。
ところで、ワープ通路510内を移動する遊技球B及びワープ通路510を通過した遊技球Bの夫々は、役物91の移動先変化領域を移動する遊技球Bと、相互に往来不能で、しかも、互いに影響を及ぼすことなく正面視にて交差可能である。次に、これを説明する。
まず、ワープ通路510の受取口511から役物91に導入された遊技球B(図52の矢印a参照)は、第一転動演出装置95の後側に配設された誘導路512を通じて上下方向に移動する。一方、第一転動演出装置95にて移動する遊技球Bは、ワープ通路510の誘導路512の前側にて左右方向に移動する。そして、第一転動演出装置95にて移動する遊技球Bと、誘導路512を移動する遊技球Bとは、移動先変化領域の一部である第一転動演出装置95が組み込まれた領域を前側領域711とし、誘導路512の内部空間により構成された領域を後側領域712として、夫々、相互に交差可能に個別に移動する。ここで、前側領域711と後側領域712との間には、相互を区画する区画部713が設けられており、前側領域711を移動する遊技球Bと後側領域712を移動する遊技球Bとは、相互に往来不能で、しかも、相互に影響を及ぼすことなく、移動する。特に、本例では、区画部713が隔壁から構成されており、前側領域711と後側領域712とが確実に隔絶されている。
また、本例では、前側領域711と役物91前方の領域とを区画する区画部(より具体的には隔絶する隔壁)を構成する部材が透明となっている。加えて、区画部713は、ワープ通路510の誘導路512を略矩形の筒状に形成する前側の部材により構成されており、この区画部713を構成する部材は、透明、或いは、表面に縦方向の凹凸や梨子地模様程度の微小な凹凸が形成された半透明となっている。これにより、前側領域711にて移動する遊技球B、すなわち、是非とも注目させたい第一転動演出装置95にて移動する遊技球Bの挙動を遊技者に確認させることができ、しかも、ワープ通路510の誘導路512を移動する遊技球Bも確認させることができる構成となっている。
このように、役物91の上部において、役物91の内部に設けられた前側領域711及び後側領域712の夫々を移動する遊技球Bは、相互に交差可能に移動するため、本例のパチンコ機1では、この前側領域711と後側領域712とを有する構成でもって、遊技媒体が交差可能な領域である交差可能領域が構成されている。なお、本例のパチンコ機1では、後述のように別の交差可能領域をも有しており、各交差可能領域を明確に区別するため、上述した役物91の上部の交差可能領域を第一交差可能領域710と称し、後述する役物91の下部の交差可能領域を第二交差可能領域720と称する。
誘導路512を通過した遊技球Bは、ワープ通路510の流出口513から放出される(図52の矢印c参照)。ここで、流出口513は、役物91全体の縦方向において、役物91の下端部分ではなく、役物91の中間部分に設けられており、遊技球Bは、役物91全体の前方に形成された役物前方領域における下部の領域に放出される。具体的に、流出口513は、役物91内の移動先変化領域の一部を構成する第四転動演出装置102が組み込まれた領域の上方に配設されており、流出口513から放出された遊技球Bは、役物91の下部前方の遊技領域を前側領域721として、この前側領域721にて上下方向に移動する。より具体的には、前側領域721にて自由落下する。
なお、ワープ通路510の略矩形の筒状に形成された誘導路512の内壁面には、その前側の内壁及び後側の内壁に、通過する遊技球Bの通過速度を遅くさせる緩衝部512aが設けられている。流出口513から放出される遊技球Bは、緩衝部512aによってその勢いが弱められ、前側領域721に放出される。ここで、緩衝部512aは、具体的に、前側の内壁と後側の内壁とで千鳥状に突出するように、誘導路512の巾方向に延設された突条によって構成されており、遊技球Bは、誘導路512内にて各突条に衝突しながら落下することで、その勢いが弱められる(図52の矢印b参照)。
一方、第一転動演出装置95及び第二転動演出装置100での振分けを経て、役物91内の移動先変化領域の一部を構成する第四転動演出装置102が組み込まれた領域に達した遊技球Bは、この第四転動演出装置102が組み込まれた領域を後側領域722として、この後側領域722を左右方向に移動する。
ここで、前側領域721と後側領域722との間には、相互を区画する区画部723が設けられており、前側領域721を移動する遊技球Bと後側領域722を移動する遊技球Bとは、相互に往来不能で、しかも、相互に影響を及ぼすことなく、交差可能な状態で移動する。特に、本例では、区画部723が隔壁から構成されており、前側領域721と後側領域722とが確実に隔絶されている。また、区画部722を構成する部材は、透明または半透明となっており、後側領域722を移動する遊技球Bを遊技者が確認することができるようになっている。
このように、役物91の下部において、役物91の前方下部の前側領域721、より具体的には、役物91の前面と透明板50の後面との間にて形成され、遊技球Bが流通可能となった前側領域721、及び、役物役物91の内部に設けられた後側領域722の夫々を移動する遊技球Bは、相互に交差可能に移動するため、本例のパチンコ機1では、この前側領域721と後側領域722とを有する構成でもって、遊技媒体が交差可能な領域である第二交差可能領域720が構成されている。
なお、本例では、第二交差可能領域720の後側領域722を移動する遊技球B、すなわち第四転動演出装置102を移動する遊技球Bは、第二転動演出装置100から第三転動演出装置101へと横方向に単に移動するだけであり、移動先が変化せず、第一転動演出装置95、第二転動演出装置100及び第三転動演出装置101での挙動に比して単調である。よって、この遊技球Bの挙動は、遊技者にさほど注目されない。このため、後側領域722の前方において、前側領域721を多数(後側領域722を移動する遊技球Bに比して多数)の遊技球Bが上下方向に移動し、この上下方向に移動する遊技球Bによって、後側領域722の遊技球Bの挙動が確認し難くなったとしても、大きな支障とならず、前側領域721にて上下方向に移動する遊技球Bが目障りとはならない。
このように構成されたパチンコ機1は、遊技領域37の一部である役物91の上部の第一交差可能領域710及び役物91の下部の第二交差可能領域720の夫々の領域において、正面視にて、相互に干渉しない状態で互いに交差するといった今までにはない遊技球Bの挙動を実現させることができるので、遊技球Bの挙動に工夫を凝らして遊技の面白みを向上させることができる。
ところで、役物91を横方向に大型化すると、役物91の中央部分に打ち込まれた遊技球Bのうち、役物用入賞口92から役物91内に進入しなかった遊技球Bの流通経路を役物91外に形成することが困難となるため、従来のパチンコ機1では、役物91を大型化し難い。また、始動入賞口96への遊技球Bの進入に応じて開動作する役物用入賞口92が設けられた役物91を備えたパチンコ機1では、役物用入賞口92付近に集まるように遊技球Bが打ち込まれるのが通常である。よって、遊技中においては、役物用入賞口92の下方に、役物91内への進入を果たせなかった多量の遊技球Bが集まるため、この多量の遊技球Bの流通経路を十分に確保しなければならなず、遊技球Bの流通経路を役物91外に形成することが、より一層困難となる。ここで、この流通経路を役物91内に単に設けることも考えられるが、単に設けただけでは、この流通経路を移動する遊技球Bが、役物91内への進入を果たして移動先変化領域にて多様な挙動を示す遊技球Bに影響を与える虞があり、遊技者が不快感を感じる可能性がある。
これに対して、本例のパチンコ機1では、役物用入賞口92の下方に集まる多量の遊技球Bを、第一交差可能領域710にて、第一転動演出装置95にて移動する遊技球Bに影響を与えることなく交差させて役物91内を通過させるため、役物91を横方向に大型化しても、大きな問題を生じない。よって、役物91を横方向に積極的に大型化することができ、これにより、役物91内において遊技球Bを多様に挙動させて面白みを深めることができる。また、第一転動演出装置95での遊技球Bの挙動は、遊技者に是非とも注目させたい挙動であるが、本例では、第一転動演出装置95側の領域を前側領域711とし、ワープ通路510の誘導路512側の領域を後側領域712としているため、前側領域711にて移動する遊技球Bの挙動が確認し難くなることがなく、好適である。
また、遊技球Bが遊技領域37にて、極力、隠蔽されず、視認できるようにするのが好ましい。何故ならば、遊技領域37内の一部にて遊技球Bが隠蔽されて視認できなくなると、パチンコ機1の内部にて遊技球Bに対して何らかの処理がなされているのではないか、といった疑義を遊技者が抱く可能性があるからである。これに対して、本例のパチンコ機1では、第一交差可能領域710における前側領域711及び後側領域712の夫々を移動する遊技球Bが視認可能であり、また、第二交差可能領域720における前側領域721及び後側領域722の夫々を移動する遊技球Bについても、視認可能である。よって、遊技者に無用な疑義が抱かれることがない。
更に、第二交差可能領域720においては、前側領域720を移動する遊技球Bによって、移動先変化領域の一部である後側領域722を移動する遊技球Bを確認し難くなるが、この後側領域722を移動する遊技球Bは、第二転動演出装置100から第三転動演出装置101へと単に移動するものであるため、多少、確認し難くても大きな問題を生じない。一方、遊技者に是非とも注目して欲しい第一転動演出装置95にて移動する遊技球Bの挙動については、この遊技球Bが移動する領域が第一交差可能領域710の前側領域711となっていることから、確実に確認させることができる。
また、役物91の左右両側部に設けられた第二転動演出装置100や第三転動演出装置101等、役物91の側部に設けられ、遊技球Bの移動先を一定とせずに変化させる等、遊技球Bの挙動に様々な変化を与える転動演出装置での遊技球Bの挙動も、遊技者に是非とも注目して欲しいものである。本例のパチンコ機1では、第一転動演出装置95及び第四転動演出装置102を除いた第二転動演出装置100や第三転動演出装置101等の他の転動演出装置部分には交差可能領域が設けられておらず、他の転動演出装置にて移動する遊技球Bの挙動については、何ら問題なく確実に確認することができる。
ところで、役物91には、その上方の遊技領域37に打ち込まれた遊技球Bを、ワープ通路510の受取口511に導く誘導部515を備えている(図33、図53参照)。この誘導部515は、受取口511に向かって下方に傾斜する傾斜面とされており、この誘導部515に遊技球Bが当接すると、その傾斜面によって遊技球Bが受取口511に導かれるようになっている。
この誘導部515により、ワープ通路510の受取口511に受入れられる遊技球Bの流下範囲を、広くすることができる。つまり、誘導部515の備えられたところに流下するように遊技球Bを打ち込むだけで、ワープ通路510を介して役物91下方の遊技領域37に流下させることが可能となり、ワープ通路510を狙った遊技をより容易なものとすることができ、遊技球Bの打ち込み操作を更に簡単なものとすることができる。
なお、ワープ通路510の受取口511は、可動片456が開状態となった時に、その上方が可動片456によって略覆われるような位置に配置されている。これにより、ワープ通路510の受取口511を狙って遊技球Bを流下させる遊技をすることで、可動片456が開くと受取口511を狙った遊技球Bが、可動片456から役物用入賞口92へと入賞する確率を高くすることができ、始動口96を狙う打ち込み操作と、役物用入賞口92を狙う打ち込み操作とを略同じ操作とすることができ、遊技球Bの打ち込み操作が煩雑となって興趣が低下するのを抑制できるものとなっている。
(役物におけるその他の部位について)
次に、役物におけるその他の部位として、役物91を遊技盤5に取付けるための取付構造体について図53及び図54を基に説明する。図53は、役物の分解斜視図である。図54(A)は役物を遊技盤に取付けた状態を示す概略側面断面図であり、(B)は取付構造体の拡大断面図である。図54に示すように、役物91には、上述の役物用入賞口92、第一転動演出装置95、第二転動演出装置100、第三転動演出装置101、第四転動演出装置102、整流手段500、ワープ通路510、及び演出表示装置115等を遊技盤5に取付けるための取付構造体590を備えている。
この取付構造体590は、第一転動演出装置95における回転駆動手段493、第二転動演出装置100における押打部駆動手段532、第三転動演出装置101における移動手段551、及び演出表示装置115等を固定する役物ベース591と、役物ベース591の前面を覆うと共に、その前面にガイド部材491、キャラクタ体504、キャラクタ体533、等が配置され、役物91内部での遊技球Bの通路を形成するための通路形成板592と、通路形成板592の前面に配置され、通路形成板592と協働して遊技球Bが流通可能な流通空間を形成し、役物91を遊技盤5に取付けるための台板593とを備えている。
役物ベース591は、その裏面に回転駆動手段493、押打部駆動手段532、移動手段551等を固定するためのボス部や取付溝等が複数設けられている。また、通路形成板592は、透明な樹脂素材により形成されており、その前面には、第一整流手段500aの受部502、第二整流手段500bの壁部566、回転体552の突出部560を覆う被覆部565、等が形成されている。この通路形成板592は、第三転動演出装置101の部位では、仕切り板564とされている。
台板593は、役物ベース591及び通路形成板592を介して第一転動演出装置95、第二転動演出装置100、第三転動演出装置102、及び演出表示装置115を支持可能な支持部594と、支持部594を遊技盤5に形成された開口部598に挿通させた状態で遊技盤5に取付け、遊技盤5の前面と当接する枠状の枠状取付部595と、枠状取付部595により形成される開口を閉鎖するように形成され、枠状取付部595の表面と略同一表面とされた前面被覆部596と、枠状取付部595及び前面被覆部596の前面側の表面に一体化された補強フィルム597とを備えている(図54参照)。
この台板593は、図54(A)に示すように、枠状取付部595及び前面被覆部596が一枚の板状部材とされており、その板状部材に対して略直角に支持部594が後方に延在するように配置されており、枠状取付部595及び前面被覆部596と支持部594とで断面が略T字状に形成され、構造上強度剛性が高くなるような構成となっている。そして、この支持部594は、遊技盤5の開口部598に略沿うような連続した壁状に形成されており、台板593全体の強度剛性が更に増加するようになっている。なお、図中下側に位置する支持部594の一部が、第四転動演出装置102の案内面571とされている。
この台板593は、透明な樹脂素材(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン等)により形成されており、台板593よりも後方に配置されたものが前方から視認可能とされている。台板593の補強フィルム597には、その裏面の一部に装飾層599が備えられている(図54(B)参照)。つまり、台板593の内部に装飾層599が埋設された状態となっている。
ここで、台板593の成形方法について説明する。まず、透明な樹脂フィルム(例えば、ポリカーボネイト等)の裏面に、スクリーン印刷等公知の印刷方法を用いて、所定の加飾層599を印刷する。このとき、装飾面が樹脂フィルム側となるように印刷する。その後、加飾層599を有した樹脂フィルムを所定の成形型を用いて、所定の形状に加圧成形し、補強フィルム597を得る。補強フィルム597を成形する際に、同時に所定のトリミングやパンチングを行っても良いし、所定形状に形成した後にトリミング等を行っても良い。次に、台板593を成形するための成形型(射出成形型)に、補強フィルム597をセットした上で、所定の溶融樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)をキャビティに射出し、台板593を成形すると同時に補強フィルム597を一体化させる。つまり、インサート成形により補強フィルム597が一体化された台板593を成形する。
このようにして成形された台板593は、補強フィルム597と一体化された枠状取付部595及び前面被腹部596の板厚が、通常の射出成形により良好な状態で得られる板厚よりも、補強フィルム597の分だけ厚い板厚とすることができ、より強度剛性の優れたものとなっている。なお、台板593をインサート成形する前に、補強フィルム597の裏面に接着剤層を設けても良い。或いは、射出成形時に装飾層599が融解して流動するのを防止するために、装飾層599の裏に更に保護層を備えても良い。
本例の取付構造体590は、図示するように、台板593の支持部594の後方を閉鎖するように通路形成板592が取付けられている。つまり、通路形成板592、支持部594、及び前面被覆部596によって、取付構造体590を箱状に形成しており、更に強度剛性が高くなるような構成となっている。なお、上記の例では、台板593の表面に装飾層599を有した補強フィルム597を一体化したものを示したが、その他の部材に補強フィルム597により補強したり、所定の装飾を施すようにしても良い。
このように、本例の取付構造体590は、前面被覆部596と補強フィルム597とにより補強されているので、充分な強度剛性を得ることができ、より大型の演出表示装置115や複数の第一〜第四転動演出装置95,100,101,102を良好に支持することが可能となり、より興趣の高められる役物91、更には、パチンコ機1とすることができる。また、補強フィルム597と一体となった台板593の内部に装飾層599を備えているので、取付構造体590に遊技球Bが接触しても、遊技球Bが直接装飾層599と接触するのを防止することができ、遊技球Bとの接触により装飾層599が剥げ落ちるのを防止して長期に亘って装飾を良好な状態に維持することができる。更に、補強フィルム597に装飾層599を設けることで取付構造体590を容易に装飾することができ、従来のように色彩等が異なる毎に別部品として組み立てる必要がなく、取付構造体590を簡単な構成のものとすることができると共に、装飾層599を印刷により備えるようにしているので、種々の装飾を容易に施すことが可能となり、より装飾性の優れた取付構造体590つまり役物91とすることができる。また、取付構造体590が補強フィルム597により補強されているので、支持する演出表示装置115や転動演出装置等がぐらついたりすることがなく、それらが見辛くなったり、遊技媒体の動きが意図しない動きとなったりするのを防止することが可能となり、興趣が低下するのを防止することができる。
なお、図中符号600は、台板593の前面に取付けられる役物91の前面装飾部である。
[演出表示装置における演出表示について]
次に本実施形態における演出表示装置115に表示される演出表示の制御処理について、図55〜図67に基づき説明する。図55は演出表示制御における主基板の機能的な構成を示すブロック図である。図56は演出表示制御における周辺基板の機能的な構成を示すブロック図である。図57は演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャートである。図58は具体的な演出例を示す図である。図59は第二演出態様表示処理を示すフローチャートである。図60は具体的な演出例を示す図である。図61は第三演出態様表示処理を示すフローチャートである。図62は特別第三演出態様におけるハズレ演出態様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。図63は具体的な演出例を示す図である。図64は第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様の表示処理を示すフローチャートである。図65は第二転動演出装置の動作と特定演出態様の表示とを拡大して示す正面図である。図66は特定演出態様の具体的な演出例を示す図である。図67は第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面図である。
本例のパチンコ機1では、役物91の略中央に演出表示装置115が配置されており、この演出表示装置115に、キャラクタや背景等を表示させると共に、遊技状態に応じて、それらキャラクタ等の表示態様を変化させることで、遊技者に所定の演出表示を楽しめるようにしたり、遊技状態を認識できるようにしたりするものである。
(演出表示制御における機能的構成について)
キャラクタや背景等の演出表示制御における機能的な構成、すなわち、演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な演出表示の例を説明する。図55に示すように、主基板310には、遊技球Bが始動入賞口96に入賞して始動口センサ318により検出されると乱数発生手段611により所定の大当り判定乱数を発生させ、その乱数に基づいて主制御基板131のROM315に記憶された大当り判定テーブルから対応する抽選結果を抽出することで所定の抽選結果を抽選する抽選手段620と、抽選手段620により抽選された抽選結果の表示を遊技状態に応じて実行又は留保する留保手段621と、留保手段621による抽選結果の表示の実行開始から特別図柄による抽選結果の表示までの時間を、実行される抽選結果が「第一普通当り」又は「第二普通当り」の時は普通変動時間に、実行される抽選結果が「ハズレ」又は「特別当り」の時は特別変動時間を選択する変動時間選択手段622と、留保手段621によって抽選結果の表示の実行が開始されると、特別図柄表示器121に複数の特別図柄を変動表示させると共に、実行する抽選結果に応じて変動時間選択手段622により選択された変動時間が経過すると抽選結果を示唆する特別図柄で停止表示させる特別図柄表示制御手段623と、留保手段621によって実行される抽選結果が「特別当り」又は第三転動演出装置101の大当り受入口93に遊技球Bが入球して大当り受入センサに検出されると、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図31に示す大当り遊技中処理)を発生させる有利遊技状態発生手段612と、有利遊技状態発生手段612又は留保手段621によって実行される抽選結果が「第一普通当り」、「第二普通当り」の何れかであるとソレノイド311により可動片456を駆動することで役物用入賞口92の開閉を制御する開閉制御手段614と、留保手段621により実行を留保される抽選結果としての大当り判定乱数等を主基板310のRAM316に記憶する記憶手段624と、記憶手段624に記憶された抽選結果の数(留保球数)を留保数として留保表示器122に表示させる留保数表示手段625と、乱数発生手段611によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御コマンドとして周辺基板311(具体的にはサブ統合基板336)へ送信するコマンド送信手段613とが備えられている。
また、主基板310には、遊技球の始動入賞口96への始動入賞により始動口センサ318によって検出されると、乱数発生手段611によって発生する乱数に応じて、遊技球が、役物91の大当り受入口93へに受入れられる確率を変更する確率変更手段626を更に備えている。なお、有利遊技状態発生手段612は、役物用入賞口92に入賞した遊技球をカウントするためのカウントセンサ319からの検出信号に応じて、有利遊技状態の発生を制御している。
この主基板310における留保手段621は、遊技状態として、開閉制御手段614による可動変456の開閉制御状態、特別図柄表示制御手段623による特別図柄の表示状態、等に応じて、抽選結果を留保したり、抽選された直後の抽選結果或いは記憶手段624に記憶(留保)された抽選結果を抽出して実行したりするものである。なお、詳細な処理内容については、上述の遊技処理に示した通りである(図23〜図31参照)。
また、主基板310には、第一転動演出手段95におけるガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494からの検出結果により、ガイド部材491を回動駆動させるモータ332を制御してガイド部材491上で遊技球が揺動するように制御する転動演出制御手段615とを更に備えている。なお、始動口センサ318、回動検出センサ494、カウントセンサ319、及び回転位置検出センサ321からの検出信号は、コマンド送信手段613を介して周辺基板311へ送信されるようになっている。
一方、周辺基板311には、図56に示すように、主基板310から送信される制御コマンドを受信するコマンド受信手段631と、コマンド受信手段631によって受信された制御コマンドに基づいて、演出表示装置115に所定の演出表示を表示させる演出表示制御手段632と、コマンド受信手段631により受信された制御コマンドのうち始動口センサ318、カウントセンサ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321に関する制御コマンドによってガイド部材491の第三転動演出装置101の方向に放出される遊技球の放出度合を判定して演出表示制御手段632に判定された放出度合を出力する放出度合判定手段633とを備えている。なお、演出表示制御手段632には、遊技球センサ361からの検出信号が送られるようになっている。
演出表示制御手段632は、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段634と、背景を動的に表示させる背景制御手段635と、図柄を動的に表示させる図柄制御手段636とを備え、主基板310からの制御コマンドに応じて、キャラクタ制御手段634、背景制御手段635、及び図柄制御手段636によって、記憶手段(例えば、サブ統合基板336や電飾制御基板338のROM351やROM371)に予め記憶されているキャラクタや背景等の静止画や動画等の画像から所定の画像を呼出して、所定の演出態様を演出表示装置115に表示させるものである。つまり、遊技状態に応じた所定の演出態様を表示するようになっている。
演出表示制御手段632は、遊技状態に応じて演出表示装置115に表示させる演出表示の演出態様を変更する演出態様変更手段637を更に備えている。この演出態様変更手段637には、演出態様を変更させるものとして、キャラクタや背景等の移動速度を変更させる速度変更手段638、放出度合判定手段633により判定された放出度合に基づいてキャラクタや背景等を所定の演出表示する放出度合表示制御手段639とを有している。この放出度合表示制御手段639は、例えば、放出度合に応じて、キャラクタの色、表情、ポーズ等を変更することで遊技者に放出度合が認識できるようにするものである。
また、演出表示制御手段632は、大当り処理を実行する前に、主基板310からの制御コマンドのうち抽選結果となる乱数を基に演出表示装置115に大当りのラウンド数を有利度合いの度合示唆図柄として変動表示させた上で抽選結果のラウンド数を示唆する度合示唆図柄で停止表示させる度合示唆図柄制御手段640を備えている。この度合示唆図柄制御手段640により表示されるラウンド数を示唆する演出表示は、図示は省略するが周辺基板311のROM351又はROM371に予め記憶されたラウンド抽選テーブルから抽出されるラウンド抽選演出態様を表示するもので、その演出態様には、予め確定されているラウンド数を初めから表示させる演出態様や、例えば、予め確定されているラウンド数が16ラウンドであった場合、当初はラウンド数を8ラウンドとして表示させ、初めは遊技者にラウンド数が8であると認識させておき、ラウンドの進行に伴って途中でラウンド数が変更されるような演出態様(例えば、再抽選演出態様)を行ってあたかもラウンド数が途中で増えたかのような演出態様を表示することもできる。これにより、遊技者に当所表示された有利度合よりも更に有利な有利度合が表示されることで、幸運を得たような感覚にさせることが可能となり、興趣を高めることができるようになっている。
なお、本例のカウントセンサ319が本発明の進入検出手段に相当している。
(演出表示処理について)
次に、上述の構成による演出表示処理について図57及び図58に基づいて具体的に説明する。本例のパチンコ機1では、演出表示処理として、図57に示すように、先ずステップS1801において、第一演出態様表示処理が行われる。このステップS1801において演出表示装置115に表示される第一演出態様は、図58(a)に示すように、画面の略中央に所定のキャラクタC1が表示されると共に、キャラクタC1の後に背景H(塀や道)が表示され、このキャラクタC1は、その向きを所定方向(ここでは、第二転動演出装置100のある図中左方向)に向けられると共に、歩いているように手足を動かす表示がなされる。一方、背景Hは、キャラクタC1の手足の動きに合った速度(第一速度)でキャラクタC1の向く方向とは逆方向(例えば図中右方向)へ移動表示され、これにより、キャラクタC1があたかもその進行方向(左方向)へ向かって歩いているような演出態様となっている。
また、ステップS1801における第一演出態様表示処理では、単にキャラクタC1が歩いている演出表示だけでは遊技者に飽きられ易くなるため、周辺基板311に備えられた図示しない乱数発生手段により取得された乱数に応じて、画面上に、犬C2、蛙C3、鳥C4、小物(缶)C5、等が適宜表示されるようになっており、演出表示を飽き難くして、面白味のあるものとしている。
演出表示装置115に第一演出態様が表示されると、続くステップS1802において、始動口センサ318において、遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されるまで、ループするようになっている。つまり、遊技球が始動入賞口96に入球されるまで、演出表示装置115には、第一演出態様が表示され続けるようになっている。
そして、ステップS1802では、始動口センサ318において遊技球が検出されると、ステップS1803へと進み、第一演出態様表示処理に代えて、第二演出態様表示処理が行われる。この第二演出態様表示処理は、演出表示制御手段632における演出態様変更手段637によって第二演出態様に変更されるもので、具体的には、図58(b)に示すように、キャラクタC1の向きはそのままで、キャラクタC1が走っているような表示がなされると共に、背景Hが速度変更手段638により第一速度よりも速い第二速度で図中右側へ移動表示される。これにより、キャラクタC1があたかも走っているような演出表示がなされる。
なお、第二演出態様では、図示は省略するが、遊技球が入球した始動入賞口96の位置や、抽選結果の種類によって異なる背景等が表示されるようにしても良い。また、図示は省略するが、この第二演出態様においても、第一演出態様と同様に、キャラクタC1以外のキャラクタ等を、取得した乱数等により適宜表示するようにしても良い。
ステップS1803において、第二演出態様が表示されると、続くステップS1804において、カウントセンサ319によって遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されなければ、続くステップS1805において、始動口センサ318により遊技球が検出されてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していなければ、ステップS1804に戻って再び、カウントセンサ319による遊技球の検出を判断する。つまり、所定時間が経過するまでカウントセンサ319、すなわち役物用入賞口92に遊技球が入球したか否かが判断されると共に、第二演出態様が表示され続ける。なお、ステップS1805における所定時間は、主基板310において抽選結果に応じて変動時間選択手段622によって選択される変動時間とされている。
そして、所定時間が経過してもカウントセンサ319による遊技球の検出がなれければ、ステップS1805からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第二演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1804において、所定時間内にカウントセンサ319により遊技球が検出されると、ステップS1807へと進み、第二演出態様表示処理に代えて、第三演出態様表示処理が行われる。この第三演出態様表示処理は、具体的な表示内容としては、まず、図58(c)に示すように、カウントセンサ319により遊技球が検出されると、キャラクタC1の頭上にタライC6が落下してキャラクタC1に当たると共に、第二演出態様において移動表示されている背景Hが停止表示される。その後、図58(d)に示すように、キャラクタC1が上を見上げながら顔を左右に振る演出表示がなされる。
この第三演出態様は、詳述すると、演出表示装置115がガイド部材491の左右方向略中央の直下に配置されており、役物用入賞口92に入球し球入口457を通ってその下方の受渡口458からガイド部材491上へと受け渡される遊技球の動きと連動するように、タライC6がキャラクタC1の頭上に落下するような演出表示がなされるので、この演出表示により、遊技者に遊技球がタライC6に変化してキャラクタC1に当たったように錯覚させることができ、面白味のある演出表示となっている。更に、その後、キャラクタC1が上を見ながらキョロキョロし、演出表示のストーリーとしてはタライC6が何処から落ちてきたのかを不思議がるものであるが、ガイド部材491上を左右方向に揺動する遊技球と、キャラクタC1のキョロキョロ表示とが重なって、あたかもキャラクタC1が揺動する遊技球を見ているような演出表示となって、遊技者を楽しませるような演出表示となるようになっている。
そして、ステップS1807において、第三演出態様が表示されると、続くステップS1808において、大当り受入センサ330によって遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されなければ、続くステップS1809において、始動口センサ318或いはカウントセンサ319により遊技球が検出されてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していなければ、ステップS1808に戻って再び、大当り受入センサ330による遊技球の検出を判断する。つまり、所定時間が経過するまで大当り受入センサ330、すなわち大当り受入口93に遊技球が入球したか否かが判断されると共に、第三演出態様が表示され続ける。なお、このステップS1809における所定時間は、上述のステップS1805と同様の時間としても良いし、カウントセンサ319による遊技球の検出からの時間としても良い。
そして、所定時間が経過しても大当り受入センサ330による遊技球の検出がなれければ、ステップS1809からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第三演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1808において、所定時間内に大当り受入センサ330により遊技球が検出されると、ステップS1810において、第三演出態様表示処理に代えて、大当り演出態様表示処理が行われる。この大当り演出態様表示処理は、詳細は省略するが、例えば、図63(b)に示すような、大当りであることを示唆する表示をした後に、乱数発生手段611により発生された乱数(抽選結果)に応じた、有利遊技状態におけるラウンド演出表示や、カウントセンサ319によるカウント演出表示等の所定の演出表示がなされ、有利遊技状態が終了すると、ステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
ところで、本例のパチンコ機1では、始動口センサ318、カウントセンサ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321からの検出信号に基づいて、放出度合判定手段633によって、ガイド部材491上の遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される放出度合が判定され、演出表示制御手段632において、その放出度合に応じて(放出度合が高い(例えば、75〜100%))、第二演出態様及び第三演出態様を、夫々特別演出態様として特別第二演出態様及び特別第三演出態様に変更して、演出表示による面白味を付加して興趣を高められるようになっている。
(第二演出態様表示処理について)
次に、第二演出態様表示処理について、図59及び図60に基づいて詳細に説明する。図57に示すフローチャートのステップS1803において、第二演出態様表示処理が実行されると、まず、ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況(動作状況)を取得する。具体的には、ガイド部材491は、図41に示すように、所定周期でモータ332により回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動検出センサ494による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点の、ガイド部材491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステップS1902において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材491の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づいて記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS1903では、ステップS1902で取得した放出度合が所定以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステップS1904へ進み、図58(b)に示すような第二演出態様を表示させる。一方、ステップS1903において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ステップS1905へと進み、特別第二演出態様を表示させる。
この特別第二演出態様は、図60(a)に示すように、演出態様変更手段637によって、第一演出態様に対して、キャラクタC1を第三転動演出装置101の方向(大当り受入口93の配置された方向)に向けられると共に、速度変更手段638により背景を、上述の第二演出態様における第二速度よりも速い第三速度でキャラクタC1の向く方向とは反対方向に移動表示させるものである。これにより、キャラクタC1が大当り受入口93のある方向に向かって急いで走っているような演出表示をさせることができ、この演出表示により、遊技者に遊技球が大当り受入口93側へ放出されることを示唆することができるものである。
また、特別第二演出態様では、放出度合表示制御手段639により、図60(b)に示すように、放出度合の値に応じて、キャラクタC1の顔を変化(例えば驚いたような表情に変化)させると共に、その色も変更(例えば肌色から赤色に変更)し、キャラクタC1が、より大急ぎで大当り受入口93側へ走るような演出表示をさせることで、遊技者にその方向に放出される可能性(確率)が高いことを示唆するようになっている。
(第三演出態様表示処理について)
次に、第三演出態様表示処理について、図61〜図63に基づいて詳細に説明する。図57に示すフローチャートのステップS1807において、第三演出態様表示処理が実行されると、まず、ステップS2001において、第二演出態様表示処理において、特別第二演出態様が表示されたか否かが判断され、特別第二演出態様が表示されていない場合は、ステップS2002へと進み、図58(c)及び(d)に示すような第三演出態様が表示される。
一方、ステップS2001において、特別第二演出態様が表示されたと判断した場合、続くステップS2003において、ガイド部材491の回動状況(動作状況)を取得する。具体的には、ガイド部材491は、図41に示すように、所定周期でモータ332により回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動検出センサ494による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点の、ガイド部材491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS2003において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステップS2004において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材491の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づいて記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS2005では、ステップS2004で取得した放出度合が所定以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステップS2002へ進み、図58(c)及び(d)に示すような第三演出態様を表示させる。一方、ステップS2005において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ステップS2006へと進み、特別第三演出態様を表示させる。
この特別第三演出態様は、図63(a)に示すように、演出態様変更手段637によって、キャラクタC1が拡大表示されると共に、キャラクタC1の前後に炎を示す背景Hが表示されると共に、キャラクタC1の表情が炎に炙られて熱がっているような表情に変更表示される。これにより、キャラクタC1が炎に包まれて大変な状態になっている演出表示がなされ、遊技者に熱い状態であることを認識させることで遊技球が第三転動演出装置101の方向、つまり、大当り受入口93の方向へ放出される可能性が高いことを示唆し、チャンスの到来を認識させて、演出表示と同様に遊技者を熱くさせて興趣を高める効果が期待できるようになっている。
そして、図57のフローチャートに示すようにステップS1808及びステップS1809において、所定時間内に大当り受入口93に遊技球が入球して大当り受入センサ330に検出されると、図63(b)に示すような大当りを示唆する表示がなされた後に、所定の有利遊技状態の発生と共に、所定の大当り演出態様(大当りラウンド演出態様)表示処理が行われる。
ところで、本例では、図57に示すフローチャートにおいて、ステップS1809とステップS1806との間に、図62に示すような、追加フローを備えている。詳述すると、図57におけるステップS1809において所定時間が経過すると、ステップS2101へと進み、特別第三演出態様が表示されたか否かが判断される。そして、ステップS2101で特別第三演出態様が表示されていないと判断されると、ステップS1806へと進み、第一演出態様に変更される。
一方、ステップS2101において、特別第三演出態様が表示されたと判断された場合は、ステップS2102へと進み、図63(c)に示すようなハズレ演出態様を表示する。つまり、特別第三演出態様が表示された後に大当りとならずに、ハズレとなるとハズレ演出態様が表示されるようになっている。このハズレ演出態様は、図示するように、キャラクタC1が真っ黒に黒焦げになった状態で横たわるような表示とされており、先の特別第三演出態様において炎に包まれたキャラクタC1が、ハズレとなったことで、真っ黒に燃え尽きたような演出表示となる。これにより、大当りとなる可能性の高い特別第三演出態様が表示された後に、ハズレとなるとハズレとなったことを積極的に示唆するハズレ演出態様を表示するので、期待感が高揚したところで、一気に減退させることができ、それが逆に面白味となって抑揚に富んだものとする効果が期待できるものとなっている。
なお、上述した種々の演出態様において、キャラクタC1以外に、犬C2や蛙C3等の他のキャラクタを適宜出現させたり、背景Hを適宜異なるものと変更したりしても良い。
(特定演出態様表示処理について)
ところで、本例では、第二転動演出装置100において遊技球が第三転動演出装置101側へ押打される可能性が高い場合、演出表示装置115に特定演出態様(特別特定演出態様を含む)が表示されるようになっている。この特定演出態様表示処理について、図64乃至図67に基づいて詳細に説明する。図64は、特定演出態様表示処理を示すフローチャートであり、このフローチャートは、図61に示すフローチャートにおけるステップS2002に続くものである。
図64に示すように、第三演出態様表示処理のステップS2002において第三演出態様の表示が開始された後に、ステップS2201において、カウントセンサ319により遊技球が検出されてからK1時間経過したか否かが判断され、K1時間が経過するまでステップS2201をループするようになっている。そして、K1時間が経過すると、続くステップS2202へと進み、このステップS2202では、遊技球センサ361により遊技球が検出されたか否かが判断され、検出されなければ、続くステップS2203において、カウントセンサ319により遊技球が検出されてからK2時間経過したか否かが判断され、K2時間が経過していなければ、ステップS2202へ戻り、遊技球センサ361による検出の有無を判断するようになっている。
このステップS2202〜ステップS2203は、カウントセンサ319が遊技球を検出した後、K1時間経過してからK2時間経過するまでの間に、遊技球センサ361により遊技球が検出されたか否かが判断される。つまり、カウントセンサ319のよる検出に基づいて第二転動演出装置100の押打部531が駆動されて、遊技球が押打可能となるタイミングがK1〜K2時間の範囲内とされ、その時間内に整流手段500aを遊技球が通過するか否かを判断するようになっている。なお、K1とK2との関係は、K1<K2を満たす関係とされており、例えば、0.5≦K1<K2≦2.5を満たす関係とされている。
そして、ステップS2203においてK2時間経過すると、特定演出態様等には変更されず、第三演出態様を表示した状態で特定演出態様表示処理が終了する。一方、ステップS2202において、遊技球センサ361により遊技球が検出されると、ステップS2204へと進み、第三転動演出装置101における回転体552の回転状況が所定の回転状況であるか否かが判断される。具体的には、回転体552の回転軸553に設けられた回転検出部554を回転位置検出センサ321により検出することで回転体552の回転位置を検出すると共に、検出された回転位置が、第二転動演出装置100からの遊技球が特定収容部550cに収容される可能性の高い位置であると、所定の回転状況である判断される。
このステップS2204において、回転体552が所定の回転状況でないと判断された場合、ステップS2205へと進み、特定演出態様を表示する。この時、役物91では、図65に示すように、特定演出態様の表示と共に、第二転動演出装置100における押打部531が押打部駆動手段532により図中反時計回りの方向へ回動(移動)された状態となり、整流手段500aからの遊技球Bを、第三転動演出装置101つまり第四転動演出装置102の方向へ押打するようになっている。
この特定演出態様は、図65に示すように、第二転動演出装置100としてのキャラクタ体533と同じキャラクタC7が略同じポーズで、遊技球Bが押打される方向(図中右方向)とは反対側の演出表示装置115における表示領域の外側から、表示領域の略中央に向かって、その後方に残像を表示しながら移動表示され、一端、略中央で停止した後に(図66(a)参照)、その後方(図中左側)から遊技球Bを模した図柄TBに押されるように図柄TBと共にキャラクタC7が、遊技球Bが押打される方向の表示領域外へと移動表示され、遊技球Bが第二転動演出装置100により押打される可能性が極めて高いことを示唆する演出表示となっている。
一方、ステップS2204において、回転体552が所定の回転状況であると判断された場合、つまり、第二転動演出装置100において遊技球Bが押打されると、第三転動演出装置101における回転体552の特定収容部550cに、遊技球Bが収容される可能性が高いと判断されるとステップS2206へ進み、図65及び図66に示す特定演出態様とは異なる特別特定演出態様を表示すると共に、役物用ソレノイド362が駆動される。これにより、役物91は、図67に示すように、第二転動演出装置100の押打部531と、可動演出手段543とが駆動されることで、キャラクタ体533が所定のポーズをとる可動演出をすると共に、演出表示装置115に、キャラクタ体533と略同じポーズのキャラクタC7が拡大表示される。
特別特定演出態様は、図67に示すように、キャラクタC7の顔を正面に向けると共に、漸次拡大表示させるものであり、これにより、キャラクタC7が遊技者に迫ってくるような表示とされ、遊技者を驚かせると共に、押打された遊技球Bが、第三転動演出装置101における回転体552の特定収容部550cに収容される可能性が高いことを示唆することができ、より興趣を高められる演出表示となっている。
なお、上述の特定演出態様及び特別特定演出態様の表示は、演出表示制御手段632における演出態様変更手段637によって、第三演出態様から変更されるものである。
ところで、上述のカウントセンサ319による遊技球Bの検出からの経過時間の求める方法としては、例えば、カウントセンサ319の検出によりスタートする計測手段を備えることで経過時間を求める方法、パチンコ機1に時計手段を備えておき、カウントセンサ319により検出された時点の時間を記憶し、その記憶した時間を基に経過時間を算出して求める方法、等がある。
なお、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319により遊技球Bが検出された時間を記憶手段に記憶し、遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、その遊技球センサ361により検出された時間と、記憶手段に記憶されたカウントセンサ319による検出時間とで、経過時間を算出し、算出した経過時間が、所定時間範囲内(例えば、K1〜K2時間内)であれば、特定演出態様や特別特定演出態様を表示するようにしても良い。これにより、カウントセンサ319により計測が開始されるような手段を備える必要がないので、構成を簡略化することができる。
また、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319による遊技球Bの検出から所定時間範囲内のみ、遊技球センサ361による検出を行うようにし、その時間内に遊技球Bが検出されると、特定演出態様や特別特定演出態様を表示するようにしても良く、これにより、常時遊技球センサ361による検出処理をし続ける必要が無くなり、制御処理にかかる負荷を低減させることができる。
[役物と遊技領域との関係について]
次に、本実施形態における役物と遊技領域との関係について、図68に基いて詳細に説明する。図68は、遊技領域における役物等の配置構成を正面から概略で示す説明図である。図示するように、役物91は、遊技領域37の略中央に配置され、その左右方向の幅W1が、遊技領域37の幅W2に対して、80%〜95%の大きさとされており、役物91が遊技領域37に占める割合が、従来のパチンコ機と比較して、大きいものとなっている。これにより、遊技者の視線に大きく役物91が入り、インパクトのあるパチンコ機1となっていると共に、他のパチンコ機との識別性を高めることができ、遊技者に注目させて遊技させ易くすることのできるものとなっている。
なお、役物91の左右両端と、遊技領域37の外周縁との間の隙間Sの大きさは、夫々遊技球Bの直径に対して1.5〜6倍の大きさとされており、さらには、1.5〜4倍の大きさとすることが望ましい。また、隙間Sは、必ずしも左右が同じ大きさである必要は無く、異なっていても良い。
また、図示するように、遊技領域37における役物91の下方には、始動入賞口96、及び一般入賞口98が配置されている。そして、始動入賞口96は、ワープ通路510の流出口513の直下に配置されている。換言すると、ワープ通路510の流出口513が、始動入賞口96を通る垂直線上に配置されている。これにより、ワープ通路510の流出口513から流出した遊技球Bが、始動入賞口96に入る可能性が高くなるようになっている。また、吐出口513の直下に始動入賞口96が配置されているので、吐出口513から流下する遊技球Bが始動入賞口96に進入する可能性が極めて高いことを遊技者に一見して認識させることが可能となり、遊技球Bを吐出口513から流下するような遊技、つまり、ワープ通路510によって遊技球Bが誘導されるように遊技させることができる。
また、図示するように、始動入賞口96の左右には一般入賞口98が夫々配置されている。これにより、ワープ通路510の吐出口513から流出した遊技球Bが、始動入賞口96、及び一般入賞口98の何れかに入賞する可能性を高くすることができ、何れの入賞口に入賞するかで、遊技者の興趣を高められることが期待できるようになっている。
なお、図示は省略するが、遊技領域37には、障害釘や風車90等の役物を適宜配置しても良く、例えば、ワープ通路510の吐出口513と始動入賞口96との間に、それらを適宜配置することで、吐出口513から流出した遊技球Bが始動入賞口96等に入賞する確率を適宜変更することが可能となり、遊技に難易度を持たせることで、遊技者の興趣を高められる効果が期待できると共に、パチンコ機1を設置するホール側の負担を軽減させることができるようになっている。
また、役物91では、ワープ通路510の受取口511の左右外側に夫々誘導部515が配置され、可動片456が閉状態の時に、誘導部515の左右外側端部を結ぶ範囲内(図中、W3の範囲内)に、遊技球Bが流下すると、ワープ通路510に遊技球Bが導かれるようになっており、その範囲W3は、遊技領域37の幅W2の50%〜70%とされ、役物91の上方に打ち込まれた遊技球Bが、ワープ通路510を介して役物91の下方へ流出し易いようになっている。
なお、本発明の誘導部は、本例における誘導部515のみではなく、可動片456、キャラクタ体455の側面も含むものである。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、少なくとも役物91内の大当り受入口93に遊技球Bを受入れさせると有利遊技状態が発生するので、まず、役物91内部への入り口となる役物用入賞口92を閉鎖する可動片456を開かせるために、始動入賞口96に遊技球Bを進入させるような遊技球Bの打ち込み操作をさせてる。そして、始動入賞口96に遊技Bが進入すると、所定の抽選が行われて、その抽選結果に応じて変動時間選択手段622により特別図柄の変動時間が選択され、その変動時間の間、特別図柄表示器121に特別図柄が変動表示され、その後、抽選結果を示唆する特別図柄が停止表示されて、抽選結果に応じた可動片456の開閉動作がなされる。その際に、選択された変動時間と、役物91における第三転動演出装置101の回転体552の回転状況とにより、遊技球Bを打ち込むタイミングをはかるような遊技をさせることができ、遊技するための思考に深みを持たせて興趣が低下するのを抑制することができる。また、特別図柄の変動表示後に、抽選結果を示唆する特別図柄が停止表示されるので、何れの特別図柄で停止表示されるかで遊技者をドキドキ、ワクワクさせることが可能となり興趣を高めることができる。この抽選結果は、「第一普通当り」、「第二普通当り」、「特別当り」の順に抽選され易いようになっており、可動片456が開閉動作する「第一普通当り」と「第二普通当り」の何れかが抽選される確率が高いので、「第一普通当り」又は「第二普通当り」が抽選されることで可動片456が所定の開閉動作をすると共に、「第二普通当り」が抽選されると「第一普通当り」よりも可動片456の開閉時間が長くなっており、「第一普通当り」が抽選されるよりもさらに遊技者の興趣を高められるようになっている。そして、可動片456が所定の開閉動作をすることで、開状態の時に遊技媒体を役物用入賞口92から役物91内へ進入させて、役物91内の大当り受入口93へ受入れさせるような遊技をすることができる。この上述の遊技は、従来における第二種の遊技と類似した遊技となり、これまでの第二種の遊技機に慣れた遊技者にも違和感無く遊技させることができ、遊技の違和感による興趣の低下を抑制することができる。一方、「特別当り」が抽選されると役物91の可動片456が所定ラウンド開閉動作をする有利遊技状態が発生するので、一気に興趣を高めることができると共に、従来の第一種の遊技と類似した遊技もすることができ、第一種の遊技機に慣れた遊技者でも違和感無く遊技することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。ところで、「ハズレ」が抽選されることもあり、「特別当り」又は「ハズレ」が抽選されると、特別図柄表示器121における特別図柄の変動時間が「第一普通当り」や「第二普通当り」よりも長い時間変動表示されるので、特別図柄の変動時間が「第一普通当り」や「第二普通当り」の通常変動時間を超えると、抽選結果が「特別当り」か「ハズレ」の何れかであることを認識させることができ、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、「ハズレ」が抽選されると興趣を低下させてしまうこととなるが、「ハズレ」の対称にあるのが「特別当り」なので遊技者によっては惜しかったと言う思いを抱かせることが可能となり、大きく興趣が低下するのを抑制することができると共に、抑揚に富んだものとすることができる。なお、始動入賞口96への遊技球Bの進入により抽選された抽選結果の表示の実行を留保する留保手段621を備えており、特別図柄の変動中や有利遊技状態の発生中等に、遊技球Bが始動入賞口96に進入して所定の抽選結果が抽選されると、その実行を留保すると共に、留保されたことを留保数として留保表示器122に表示させるので、留保されたことを確実に認識させることができ、留保されないことで遊技者が不利となって興趣を低下させてしまうのを防止することができると共に、留保数が多ければ多いほど有利遊技状態が終了した後等の留保が解除されて実行されると、チャンスが多いことを認識させることができ、興趣を高められる効果が期待できる。また、有利遊技状態(大当り遊技)が終了して留保された抽選結果の表示が実行される際に、例えば抽選結果が「第一普通当り」や「第二普通当り」であって有利遊技状態と連続して可動片456が開閉動作しても、その前に抽選結果が特別図柄表示器121に表示されるので、留保された抽選結果の表示が実行されているのを明確に認識させることができると共に、留保されている抽選結果が「「特別当り」かも知れない」と言う期待感も持たせることが可能となり、単に第二種の遊技機に留保を備えたものと比較して、より興趣の高められるものとすることができる。また、役物91内には、第一〜第四の複数の転動演出装置を備えており、可動片456が開状態となった時に役物用入賞口92から進入した遊技球Bが、役物91内において種々の動きをして遊技者を楽しませて興趣を高められるようになっている。具体的には、役物91の役物用入賞口92を閉鎖する可動片456が開状態となった時に、役物用入賞口92から役物91内に進入してカウントセンサ319によって検出された遊技球Bが、まず第一転動演出装置95のガイド部材491上に送られて左右方向に揺動し、このガイド部材491上での遊技球Bの揺動によって、大当り受入口93のある第三転動演出装置101の側へ遊技球Bが放出されるか否かで、遊技者をドキドキさせることが期待できる。ところで、ガイド部材491をシーソーのように交互に所定の周期で回動動作させると、ガイド部材491上の遊技球Bが、行ったり来たりして揺動しながら、徐々にその端部に近づき、やがて端部から放出される。これは、遊技媒体をガイド部材の回動中心上を跨がないように揺動させると、ガイド部材491の回動に伴って遊技球Bには常に遠心力が作用すると共に、その遠心力は回動中心から遠ざかるほど強く作用するので、遊技球Bが中心に近づく方向へ移動する距離よりも、中心から遠ざかる方向へ移動する距離のほうが長くなり、そのため揺動する遊技球Bが、徐々に中心から遠い方の端部へ移動するものと思われる。これにより、遊技球Bに、ガイド部材491上を揺動しながら徐々に端部に移動するような動きを与えることができ、これまでにない、遊技球Bの動きを実現することが可能となり、遊技者に対して、いつガイド部材491から遊技球Bが放出されるかを予想させることで、より一層ハラハラ、ドキドキさせて、面白味のあるものとすることができる。そして、揺動の末、下流に第二転動演出装置100が配置された側のガイド部材491の端部から遊技球Bが放出されると、その下流に有利遊技状態が発生しないハズレ受入口94へと遊技球Bが向かうので遊技者の興趣が低下する恐れがあるが、第二転動演出装置100の押打部531が移動して遊技球Bを押打すると、第四転動演出装置102によって第三転動演出装置101へと案内される。この際に、ガイド部材491の端部から放出された遊技球Bが押打部531によって押打されるか否かで遊技者の期待感を高めることができ、更に、遊技球Bが押打部531により押打されることで遊技球Bにインパクトのある動きをさせることができ抑揚に富んだ面白味のあるものとすることができる。そして、押打された遊技球Bが第四転動演出装置102によって第三転動演出装置101へ向かうに従って興趣を高めることができる。その後、第三転動演出装置101では、有利遊技状態が発生する大当り受入口93に対応した特定収容部550cに遊技球Bが収容されるか否かによってハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができ、その特定収容部550cに収容されて大当り受入口93に導かれることで有利遊技状態が発生すると更に興趣を高めることができる。なお、遊技球Bが第二転動演出装置100の押打部531によって押打されずに下流に配置されたハズレ受入口94に受入れられても、ここに至るまで充分に楽しませることができると共に、次の遊技球Bに期待させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。また、上記のように、役物91内で遊技球Bを左右方向に大きく移動させることで、遊技者を遊技球Bの動きに注目させると共に、遊技球Bの動きによる興趣が低下するのを防止することができる。ところで、有利遊技状態の発生に先立って演出表示装置115には、発生する有利遊技状態の有利度合としてのラウンド数を示唆する度合示唆図柄が変動表示され、停止表示された度合示唆図柄に応じた有利遊技状態が発生するので、遊技者はより多くのラウンド数を示唆する度合示唆図柄が停止表示されることを望み、所望の度合示唆図柄が停止表示されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。そして、有利遊技状態が発生すると、可動片456が所定の開閉動作を繰り返し、役物91内へ遊技球Bが進入するように打ち込み操作を行って、遊技球Bが役物91内に進入することで、興趣を高めることができ、その後、所定のラウンド数が消化されると有利遊技状態が終了する。この有利遊技状態の発生中に幾つかの遊技球Bが始動入賞口96に進入すると留保手段621により抽選結果の表示が留保される。そして、有利遊技状態の終了により、留保された抽選結果の表示が実行されると共に、第三転動演出装置101の回転体552が所定の基準位置から回転を開始するので、回転体552における大当り受入口93へ誘導する特定収容部550cへの収容タイミングが取り易くなり、そのタイミングと設定される変動時間とによって、遊技球Bを打ち込むタイミングをはかる遊技をさせて、興趣を高めることができる。この際に、変動時間として、大当り受入口93へ受入れられる確率の高い第一変動時間が設定されると、大当り受入口93へ受入れられて再び有利遊技状態が発生する可能性が高くなるので、更に興趣を高めることができる。なお、有利遊技状態の終了後には、始動入賞が複数留保されているので、最初の留保の実行で遊技球Bが大当り受入口93に受入れられなかっても、次の留保の実行に期待することができるので、興趣が低下するのを抑制することができる。したがって、上述のように、内部に大当り受入口93を有した役物91の可動片456を開閉させる始動入賞を留保可能とし、大当り受入口93へ受入れられ易いように可動片456の開閉タイミングを設定可能とすることで、興趣が低下するのを防止することのできるパチンコ機1とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、役物91における第三転動演出装置101の回転体552に突出部560を備え、その突出部560に形成された凹部567を介して特定収容部550cを含む第二収容部550bに収容されるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、突出部560を廃止すると共に、突出部560の外周の一部を覆っていた被覆部565を壁部566と連結して下方に開放された部位を無くした形態とし、ガイド部材491の右側端部から流出した遊技球Bを第二整流手段500bを介して、又は直接被覆部565の内周面で受けて、その内周面上を転動させた後に、第二収容部550bに収容させるようにしても良い。これにより、遊技球Bが被覆部565の内周面上から何れかの第二収容部550bに収容される際に、一旦、被覆部565の内周面上を揺動するように転動した後に、何れかの第二収容部550bに収容されるので、何れの第二収容部550bに収容されるのかでハラハラ、ドキドキさせることができ、興趣を高められるものとすることができる。また、突出部560を備えていないので、回転体552の構成を簡略化することができ、コストを低減させることができる。なお、挿通孔562の大きさは、適宜の大きさとすることができ、例えば、遊技球Bが一つ通過可能な大きさとした場合は、挿通孔562を通過し難くなるので、被覆部565における遊技球Bの転動時間を長くすることができる。一方、挿通孔562を大きくすると、遊技球Bが挿通孔562を通過し易くなり、被覆部565における遊技球Bの転動時間を短くすることができる。
更に、本実施形態では、大当り状態の発生終了後の始動記憶に対して、第一変動時間や第二変動時間を選択させるものを示したが、これに限定するものではなく、通常の遊技状態においても、第一変動時間や第二変動時間が選択されるようにしても良い。これにより、遊技内容に変化を与えることが可能となり、飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる。なお、その他の構成については、実施形態と同様の構成であっても良いし、異なる構成であっても良い。
パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 遊技領域の構成を示す拡大正面図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 各種の制御基板ボックスが装着された遊技盤を右下後方から示す斜視図である。 制御構成を概略的に示すブロック図である。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド送信処理が実行される際の主制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド出力処理を示すフローチャートである。 ACK待ち処理を示すフローチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 遊技処理のルーチンを示すフローチャートである。 変動開始処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り判定処理のルーチンを示すフローチャートである。 変動表示パターン設定処理のルーチンを示すフローチャートである。 普通当り時変動表示パターンテーブル設定処理のルーチンを示すフローチャートである。 変動中処理のルーチンを示すフローチャートである。 役物用入賞口開閉処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り遊技中処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り遊技終了後の特別図柄の変動時間と大当り受入口への受入れ確率との関係を示すタイムチャートである。 本実施形態における役物の一例を示す正面図である。 図33に示す役物を右上前方から示す斜視図である。 (A)は本実施形態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。 第一転動演出装置の構成を示す斜視図である。 第一転動演出装置における回動駆動手段の分解斜視図である。 第一転動演出装置の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。 第一転動演出装置におけるモータの動作を示すタイムチャートである。 (A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は第二転動演出装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。 第二転動演出装置における可動演出の状況を示す正面図である。 図42(A)に示す第二転動演出装置の分解斜視図である。 (A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。 (A)〜(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。 (A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜視図である。 図47における第三転動演出装置の一部を示す分解斜視図である。 役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。 第三転動演出装置の動作を示す説明図である。 第三演出装置の図50とは異なる動作を示す説明図である。 ワープ通路を切断して示す側面断面図である。 役物の分解斜視図である。 (A)は役物を遊技盤に取付けた状態を示す概略側面断面図であり、(B)は取付構造体の拡大断面図である。 演出表示制御における機能的な主基板の構成を示すブロック図である。 演出表示制御における機能的な周辺基板の構成を示すブロック図である。 演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第二演出態様表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理を示すフローチャートである。 特別第三演出態様におけるハズレ演出態様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様の表示処理を示すフローチャートである。 第二転動演出装置の動作と特定演出態様の表示とを拡大して示す正面図である。 特定演出態様の具体的な演出例を示す図である。 第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面図である。 遊技領域における役物等の配置構成を正面から概略で示す説明図である。
符号の説明
1 パチンコ機
5 遊技盤
37 遊技領域
91 役物
92 役物用入賞口(進入口)
93 大当り受入口(第一受入口)
94 ハズレ受入口(第二受入口)
95 第一転動演出装置
96 始動入賞口(始動口)
100 第二転動演出装置
101 第三転動演出装置
102 第四転動演出装置
115 演出表示装置(演出表示手段)
170 球払出装置(払出装置)
121 特別図柄表示器(抽選結果表示手段)
122 留保表示器(留保数表示手段)
318 始動口センサ(始動検出手段)
319 カウントセンサ(進入検出手段)
321 回転位置検出センサ(動作状況検出手段)
325 押打用ソレノイド(押打部駆動手段)
326 回転体用モータ
329 ハズレ受入センサ
330 大当り受入センサ
331 ソレノイド
332 モータ(動作駆動手段)
361 遊技球センサ
456 可動片(開閉片)
494 回動検出センサ(動作状況検出手段)
499 回動検出部(動作状況検出手段)
500a 第一整流手段
510 ワープ通路
511 受取口
512 誘導路
513 流出口
515 誘導部
531 押打部
532 押打部駆動手段
543 可動演出手段
550 収容部
550a 第一収容部
550b 第二収容部
550c 特定収容部
551 移動手段
552 回転体
554 回転検出部
560 突出部
561 仕切り部
562 挿通孔
563 開口部
564 仕切り板
565 被覆部
566 壁部
567 凹部
590 取付構造体
591 役物ベース
592 通路形成板
593 台板
594 支持部
595 枠状取付部
596 前面被覆部
597 補強フィルム
598 開口部
599 装飾層
612 有利遊技状態発生手段
613 コマンド送信手段
620 抽選手段
621 留保手段
622 変動時間選択手段
623 特別図柄表示制御手段
624 記憶手段
625 留保数表示手段
626 確率変更手段
631 コマンド受信手段
632 演出表示制御手段
634 キャラクタ制御手段
635 背景制御手段
636 図柄制御手段
637 演出態様変更手段
640 度合示唆図柄制御手段

Claims (1)

  1. 遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
    該遊技領域内に配置され、前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
    該始動口へ進入した前記遊技媒体を検出可能な始動検出手段と、
    該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉片、
    該開閉片が開くことで前記遊技媒体が進入可能となる進入口、
    該進入口から進入した前記遊技媒体を検出する進入検出手段、
    該進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態が発生する第一受入口、
    該第一受入口とは異なり、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体の受入れにより前記有利遊技状態が発生しない第二受入口、
    前記進入検出手段より下流側で、且つ、前記第一受入口及び前記第二受入口の上流側に配置され、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体を、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように振り分ける役物内可動役物
    を有し、前記遊技領域内の前記始動口とは異なる位置に配置された役物と、
    該役物の前記第一受入口に前記遊技媒体が受入れられると、前記開閉片に所定の開閉動作をさせて前記有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
    少なくとも前記始動検出手段、及び前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出に基いて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と
    を具備する遊技機において、
    前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じた前記開閉片の開閉動作を、遊技者の操作により変化する遊技状態に応じて実行又は留保する留保手段と、
    該留保手段による前記開閉片の開閉動作の実行開始から、該開閉片が実際に開閉動作をするまでの猶予時間を、前記遊技状態、前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出、及び前記役物内可動役物の可動状況、の少なくとも一つに応じて選択する猶予時間選択手段と、
    前記留保手段により留保された前記開閉片の開閉動作の留保数を少なくとも表示可能な表示手段と
    を更に具備するものであることを特徴とする遊技機。
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