JP5272954B2 - 圧延制御装置、方法及びプログラム - Google Patents

圧延制御装置、方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、鋼材等を連続的に圧延して鋼板を製造する圧延制御装置に関し、特に、変形抵抗学習値を用いて圧延制御の設定計算を行う圧延制御装置、方法及びプログラムに関する。
従来から、複数の鋼種やサイズ等の種類の鋼材を連続圧延して鋼板を製造する連続圧延設備における圧延制御では制御対象をモデル化し数式で表わした制御モデル(温度モデル、荷重モデル、変形抵抗モデル等)が用いられているが、制御対象である圧延設備は複雑で、現象が非線形であり、圧延特性等が経時変化することが多い。そこで、その時間的変化に対応するために、圧延設備に配設した各種のセンサにより測定した実績値を使用して制御モデルを修正することが行われている。
この種の技術として、例えば特許文献1には、圧延材の各ロット(鋼種、製品厚、製品幅などの区分)単位でモデル式の学習項が設定され、ロット毎に圧延処理が実行される都度、学習を行ってモデル式の長期学習項を更新する圧延制御モデル学習装置が開示されている。具体的には、圧延対象となるロットに対応する長期学習項の習熟度を判定し、習熟度が基準よりも低いと判定されたときには、当該ロットに類似する他のロットの中から習熟度の高いロットの長期学習項を抽出して当該ロットの長期学習項を補正する。
また、例えば特許文献2には、圧延材の板厚、温度、鋼種の成分等により表現される圧延荷重モデルの式を用いて圧延荷重を予測し、予測した圧延荷重を用いて圧延された鋼板の圧延後の板厚、温度及び圧延荷重の実績値の情報に基づき、圧延荷重モデルの予測値の誤差を修正する圧延荷重モデルの学習方法及びその装置が開示されている。
特開2000−263110号公報 特開2007−245204号公報
制御モデルに用いられる変形抵抗値等の学習項を、実際の圧延材のロットそれぞれについて操業実績値を基に学習して設定するときに、その学習項の設定値が複数の圧延条件(例えば鋼種、温度、サイズ等の項目を含む)によって異なる場合、これら条件によって区切られた圧延材の区分に対するそれぞれ学習値を保存することが考えられる。この場合、条件の違いによる制御誤差への影響を小さくするためには、区分を細分化することが有効である。すなわち、複数の種類の圧延材に対する学習項の設定値に際して、圧延条件について細やかに対応することが有効である。
しかしながら、その一方で、区分を細分化しすぎると、各区分での圧延回数が少なくなることから、各区分の学習頻度が低くなってしまうので学習効果を上げるには長期間の学習が必要となり、時間的変化に対応できないものとなってしまう。また、短期間の学習では得られる設定値の信頼性が低下する虞がある。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、複数の種類の鋼材を連続圧延して高精度、高品位の圧延鋼板を製造するために、圧延設備の制御モデルに用いられる学習項の設定値が複数の圧延条件によって異なる場合でも、被圧延材の圧延制御に際して大きな影響を与える条件の違いに細やかに対応できるとともに、学習頻度が低くなるのを避けられるようにすることを目的とする。
本発明の圧延制御装置は、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備を、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御する圧延制御装置であって、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に、板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報を保有する鋼種別学習値情報保有手段と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材が圧延された圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報を保有する規格別学習値情報保有手段と、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを選択肢として有する選択手段とを備え、前記選択手段は、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とする。
また、本発明の圧延制御装置は、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備を、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御する圧延制御装置であって、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に、板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報を保有する鋼種別学習値情報保有手段と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材が圧延された圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報を保有する規格別学習値情報保有手段と、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを選択肢として有する選択手段とを備え、前記選択手段は、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とする。
また、本発明の圧延制御装置の他の特徴とするところは、前記選択手段は、前記所定の内挿式として、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値、鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値、前回の圧延日時x、及び、今回の圧延日時x0に基づいて内挿式を演算して前記中間の値を導出する点にある
また、本発明の圧延制御装置の他の特徴とするところは、前記被圧延材の圧延に際して測定された荷重実績に基づいて変形抵抗実績値を求める変形抵抗実績値演算手段と、前記制御モデルに含まれる変形抵抗モデルにより変形抵抗計算値を求める変形抵抗計算値演算手段と、前記変形抵抗実績値と前記変形抵抗計算値とからこれらの値の関係を表わす所定の式により学習値を求める学習値演算手段と、前記学習値演算手段により求めた学習値と、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値及び前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値それぞれとを指数平滑し、新たな変形抵抗学習値として書き換える学習手段と、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時を更新する圧延日時更新手段とを備えた点にある。
また、本発明の圧延制御方法は、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備を制御する圧延制御方法であって、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを含む選択肢から選択する手順を有し、前記選択する手順では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とする。
また、本発明の圧延制御方法は、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備を制御する圧延制御方法であって、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを含む選択肢から選択する手順を有し、前記選択する手順では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備の制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを含む選択肢から選択する処理をコンピュータに実行させ、前記選択する処理では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とする
また、本発明のプログラムは、複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備の制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを含む選択肢から選択する処理をコンピュータに実行させ、前記選択する処理では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とする
本発明によれば、鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値と、鋼種別学習値情報と比べて細かい区分で区切られている規格別学習値情報の変形抵抗学習値とを使い分けることにより、変形抵抗学習値に影響を与える条件の違いに細やかに対応できるとともに、学習頻度が低くなるのを避けることができる。その結果、高品位、精度な鋼板を連続して生産することが可能になる。
本発明の実施形態に係る圧延制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明を適用可能な圧延設備の一例を説明するための概要図である。 鋼種別学習値テーブルの例を示す図である。 規格別学習値テーブルの例を示す図である。 鋼種コード決定テーブルの例を示す図である。 鋼種コードと規格との関係を示す図である。 圧延制御における設定計算処理の実施の形態の一例を示すフローチャートである。 圧延制御における設定計算処理の実施の形態の他の例を示すフローチャートである。 圧延制御における学習計算処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図2を参照して、本発明を適用可能な鋼材の圧延設備である連続熱間圧延設備の一例であって、仕上げ圧延するときの例を説明する。連続熱間圧延設備は、鋼材1を圧延する複数の圧延スタンドS1〜S6を備える。各圧延スタンドS1〜S6には、中心間の間隔が調整可能な上下一対のワークロールと、ワークロールを上下から押圧する一対のバックアップロールがそれぞれ設けられている。
また、上流側で粗圧延後の板温を測定する粗出側板温計2、圧延スタンドS1前の入側板温を測定する仕上入側板温計3、最終の圧延スタンドS6後の出側板温を測定する仕上出側板温計4、最終の圧延スタンドS6後の出側板厚(すなわち製品板厚)を測定する板厚計5、圧延スタンドS1〜S6それぞれの荷重を測定する複数の荷重計(不図示)が配設されている。
さらに、仕上セットアップ用計算機6と、仕上セットアップ学習用計算機7とを備える。仕上セットアップ用計算機6は、予め設定された上記連続熱間圧延設備の制御モデル及びモデル式を用いて、製造条件、バー厚(入側での鋼材板厚)、粗出側板温、及び、仕上セットアップ学習用計算機7からの学習値を入力として、パススケジュール計算、温度計算、荷重計算、クラウン計算等を行い、圧延スタンドS1〜S6それぞれのモータ速度設定、圧下位置設定、ベンダー設定、関連設備設定等を行う。仕上セットアップ学習用計算機7は、圧延スタンドS1〜S6での実績値を入力として、温度学習、変形抵抗学習、ゲージメータ学習、摩擦係数学習、クラウン学習等を行い、学習値を仕上セットアップ用計算機6に伝送する。なお、連続熱間圧延設備の制御モデルは、温度モデル、荷重モデル、変形抵抗モデル等で構成され、例えば公知の手法の制御モデルを用いてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る圧延制御装置100の構成を示す。本実施形態では、統括制御コンピュータ(プロコンとも称される)内に、圧延制御装置100が構築されている例を説明する。圧延制御装置100は、当該連続圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御する。なお、圧延制御装置100は時計機能を有しているか、時刻情報が外部から入力されるものとする。
101は記憶装置であり、鋼種別学習値テーブル101a及び規格別学習値テーブル101bを保有する。
鋼種別学習値テーブル101aは、図3に示すように、鋼材の種類毎に連続熱間圧延設備の出側での鋼板の板厚(製品板厚)、温度及び変形抵抗学習値が関連付けられてテーブル形式に表わされた情報である。鋼種は、鋼板の成分元素の含有量(質量%)に応じて区別され鋼種コードが定められる。なお、図3で鋼種コードは、例えば図5に示すように、成分C≧a、成分Si≧b、成分Ni≧cであれば「鋼種コード1」、成分C≧a、成分Si≦b、成分Ni≧cであれば「鋼種コード2」、成分C≧a、成分Si≧b、成分Mn≧dであれば「鋼種コード3」等のように予め定められている。圧延制御装置100内には、図5に示すような、各成分元素の含有量と鋼種コードとを紐つけた一覧表である鋼種コード決定テーブルが記憶されている。なお、変形抵抗学習値とは、ある鋼材の種類について過去の被圧延材について実測した変形抵抗実績値Kmaと、変形抵抗モデルにより求めた変形抵抗計算値Kmcとの比から求めた補正係数を意味し、後で詳細に説明する。記憶装置101及び鋼種別学習値テーブル101aで鋼種別学習値情報保有手段を構成する。
規格別学習値テーブル101bは、図4に示すように、規格名毎に連続熱間圧延設備の出側での板厚、温度、変形抵抗学習値及び前回の圧延日時が関連付けられてテーブル形式に表わされた情報である。規格名は、製品の用途(建材用、自動車用等)、強度(引張り強度、圧縮強度等)等に応じて定められる。記憶装置101及び規格別学習値テーブル101bで規格別学習値情報保有手段を構成する。
一般的に、鋼種は数十種程度に区分されるのに対して、規格は数百種程度に区分されることが多い。すなわち、鋼種別学習値テーブル101aは数十種程度の粗い区分で区切られるのに対して、規格別学習値テーブル101bは数百種程度の細かい区分で分けられる。また、図6に示すように、各規格はいずれかの鋼種に属することになる。なお、図6では1つの規格が単一の鋼種コードに属す例を示したが、複数の鋼種コードに属する規格があってもよい。以下では説明を簡明にするために、1つの規格が単一の鋼種コードに属すときを念頭において記載する。
再び図1において102は製造条件受信部であり、上位の生産管理コンピュータ200(ビジコンとも称される)から圧延する被圧延材(鋼材)の製造条件を通常ネットワークを介して受信して、セットアップ計算の前提となる圧延条件に関する情報を含む製造条件ファイル102aを作成する。
103は材料トラッキング部であり、鋼材1の搬送ライン(製造ライン)の適所に設置されている鋼材の位置を検知するセンサからの位置情報等に基づいて、各鋼材について材料位置追跡を行う。
104は実績収集部であり、圧延中の被圧延材(鋼板)に対する各圧延スタンドS1〜S6での荷重実績等の製造条件の実績値が、各圧延スタンドS1〜S6に配設された荷重センサ等で測定されて入力され、被圧延材の鋼材の種類と紐つけて実績データファイル104aを作成する。
105は設定計算部(図2でいう仕上セットアップ用計算機6に相当)であり、詳細は後述するが、製造条件受信部102で作成された被圧延材の製造条件ファイル102a、及び予め設定されているその他の圧延条件等に基づいて、各圧延スタンドS1〜S6の板厚(目標値)を以下で説明するように設定し、被圧延材に対するストリップ(鋼板)温度、速度、変形抵抗、圧延荷重、ミルストレッチ、ロール圧下位置を計算する。ここで、変形抵抗の計算に際して、規格別学習値テーブル101bに記載されているところの被圧延材の規格と同じ規格の鋼板の前回の圧延日時の情報により、後で説明する基準に基づいて、鋼種別学習値テーブル101aに記載されているところの被圧延材の鋼種の変形抵抗学習値を用いるか、又は、規格別学習値テーブル101bに記載されている当該規格の変形抵抗学習値を用いるかを選択する。
106は学習計算部(図2でいう仕上セットアップ学習用計算機7に相当)であり、詳細は後述するが、被圧延材についての製造条件の実績値から実績収集部104で作成した実績データファイル104aに基づいて、変形抵抗実績値及び変形抵抗計算値を求める。つまり、変形抵抗実績値は荷重実績値から求め、変形抵抗計算値は変形抵抗モデル式より求める。そして、圧延した被圧延材に関して、これら変形抵抗実績値及び変形抵抗計算値から学習値を求めて、鋼種別学習値テーブル101aにおいて当該被圧延材の鋼種の変形抵抗学習値、及び規格別学習値テーブル101bにおいて当該被圧延材の規格の変形抵抗学習値に反映させる(書き換える)とともに、規格別学習値テーブル101bの前回の圧延日時の欄を、今回の圧延日時に更新する。
なお、図1において、点線の矢印はタスクの流れを、実線の矢印はデータの流れを表す。設定計算部105及び学習計算部106は、鋼材1の搬送ラインの適所に設置されている各位置センサからの位置情報に基づいて起動する。具体的には、設定計算部は被圧延材が連続熱間圧延設備(仕上圧延機)に通板する前に起動する(粗出側温度計オン)。また、学習計算部は被圧延材が連続熱間圧延設備(仕上圧延機)により圧延された後に起動する(圧延スタンドS6オフ)。
以下、本発明の実施形態に係る圧延制御装置100による圧延制御における設定計算処理(図7)、学習計算処理(図9)について説明する。
まず、図7を参照して、設定計算部104により実行される学習値選択処理及び設定計算処理を説明する。ステップS101で、製造条件受信部102で作成された製造条件ファイル102aからこれから圧延する被圧延材の目標板厚(すなわち出側板厚)、目標温度(すなわち出側の板温度)、材質(鋼種)の成分情報を取り出す。また、ステップS102で、製造条件ファイル102aからこれから圧延する被圧延材の規格名(圧延後の製品の規格)を取り出す。そして、ステップS103で、上記ステップS101にて取り出した当該被圧延材の成分情報から、図5に示した、予め記憶させておいた鋼種コード決定テーブルを参照して鋼種コードを決定する。
続いて、以下で説明する学習値選択処理を行う。ステップS104で、ステップS101、S102にて取り出した被圧延材の規格名、目標板厚、目標温度に基づいて、被圧延材に該当する規格別学習値テーブル101bから、該当する板厚、温度の値に関連付けられている、当該圧延材と同じ仕様(規格名、目標板厚、目標温度等)の被圧延材が前回圧延された日時(前回の圧延日時)である情報を取り出す。ステップS104にて該当する規格名、(目標)板厚、(目標)温度があれば有効値が出力される。このとき、新規の規格ではないとき(ステップS105で判定)、ステップS106に進む。
ステップS106では、ステップS104にて取り出した前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして(すなわち、(x0−x))、(x0−x)≧L1か、L1>(x0−x)>L2か、又は、(x0−x)≦L2かを比較して判定する。一定期間L1、L2(日)は、L1>L2>0で正実数とする。なお、ステップS104にて該当する規格名、板厚、温度がなければNULL出力となり、新規の規格(又は板厚、温度)であるので(ステップS105で判定)、ステップS107で、規格別学習値テーブル101bにおいて被圧延材の規格名(又は板厚、温度)の新規区分を作成した上で、ステップS106に進む。この場合には例えば、新規区分には、今回の圧延日時x0から一定期間L(日)より前となるような日時(例えば、最小単位を日として2009年01月01日)を前回の圧延日時として関連付ける。
ステップS106にて、今回の被圧延材と同じ仕様の被圧延材の前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして、一定期間L2(例えば30日)内である場合(すなわち、新しい場合)((x0−x)≦L2)、ステップS108に進み、当該規格別学習値テーブル101bから、該当する板厚、温度に関連付けられている変形抵抗学習値を取り出す。
ステップS106にて、前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして、L2より前で且つL1より後の場合(L1>(x0−x)>L2)、ステップS110に進み、式(1)に示した内挿式により変形抵抗学習値を演算して導出する。
Figure 0005272954
ステップS106にて、前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして一定期間L1以前である場合(すなわち、古い場合)((x0−x)≧L1)、ステップS109に進み、ステップS103にて決定した被圧延材の鋼種(コード)に該当する鋼種別学習値テーブル101aから、被圧延材に該当する板厚、温度に関連付けられている変形抵抗学習値を取り出す。
ステップS111で、ステップS108、ステップS109、又はステップS110にて取り出した変形抵抗学習値を一次保存テーブルに保存する。なお、後述するS115において、変形抵抗モデル式によって計算した変形抵抗計算値に当該変形抵抗学習値を補正値として掛け、これを用いて設定値として使用する変形抵抗値を計算する。ステップS106〜S111の処理は、設定計算部104内の選択手段(図示せず)で実行される。
続いて、設定計算処理を行う。ステップS112で、当該被圧延材(バー)に関する初期データとして、粗出側板温計2や仕上入側板温計3により測定した被圧延材の板温、板厚計(図示せず)により測定した粗圧延後の板厚(バー厚さ)、及び被圧延材の搬送速度等を入力する。次に、ステップS113で、入側板厚、目標板厚、鋼種(コード)に応じて各圧延スタンドS1〜S6の板厚を、予め設定して記憶させておいたテーブルを参照して設定する。次に、ステップS114で、温度モデルを用いて各圧延スタンドS1〜S6のストリップ温度を計算し、鋼種、目標板厚に基づき速度を予め設定して記憶させておいたテーブルを参照して設定する。次に、ステップS115で、ステップS111にて変形抵抗モデルを用いて、各圧延スタンドS1〜S6の変形抵抗を計算し、一次保存テーブルに保存した変形抵抗学習値を用いて、計算した変形抵抗の補正を行う。次に、ステップS116で、圧延荷重モデルを用いて各圧延スタンドS1〜S6の圧延荷重を計算する。次に、ステップS117で、ミルストレッチモデルを用いて各圧延スタンドS1〜S6のミルストレッチを計算する。次に、ステップS118で、各圧延スタンドS1〜S6の圧下位置を計算する。なお、これら設定計算には既存の手法を用いることができ、ここではその詳細な説明は省略する。
以上述べたように、前回の圧延日時xが比較的新しい場合(一定期間L2内である場合)、鋼種別学習値テーブル101aと比べて細かい区分で区切られている規格別学習値テーブル101bの変形抵抗学習値を設定計算に用いる。それに対して、前回の圧延日時xが比較的古い場合(一定期間L1以前である場合)、学習頻度が低いとして、規格別学習値テーブル101bと比べて粗い区分で区切られている鋼種別学習値テーブル101aの変形抵抗学習値を設定計算に用いる。さらに、前回の圧延日時xと今回の圧延日時x0の差が一定の範囲にある場合(一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後の場合)、規格別学習値テーブルの値と鋼種別学習値テーブルの値とに基づいて、値が連続するように、式(1)に示したような内挿式を用いて変形抵抗学習値を決定する。
なお、内挿式としては、式(1)の形式以外でもよく、連続圧延設備の特性及び被圧延材の物性等によって、適宜経験的に設定することができる。規格別学習値テーブル101bでは、区分が細分化されているので、条件の違いによる影響を小さくして精度を高めることができるが、学習頻度が低くなりやすい。それに対して、鋼種別学習値テーブル101aの場合、粗い区分に区切られているため、条件の違いによる影響の点では精度が劣るが、学習頻度が高くなりやすく、時間的変化による影響を受けにくい。これらテーブル101a、101bを使い分けることによって、両者の利点をうまく利用するものである。
なお、上記のS106〜S110の処理について、L1=L2=Lとして、図8に示すように処理を簡略化してもよい。すなわちステップS106´にて、今回の被圧延材と同じ仕様の被圧延材の前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして(すなわち、(x0−x))、一定期間L(例えば30日)内である場合((x0−x)≦L)、ステップS108に進み、当該規格別学習値テーブル101bから、該当する板厚、温度に関連付けられている変形抵抗学習値を取り出す。一方、ステップS106´にて、前回の圧延日時xが、今回の圧延日時x0を基準にして、一定期間Lより前である場合((x0−x)>L)、ステップS109に進み、ステップS103にて決定した被圧延材の鋼種(コード)に該当する鋼種別学習値テーブル101aから、被圧延材に該当する板厚、温度に関連付けられている変形抵抗学習値を取り出す。ステップS111で、ステップS108又はステップS109にて取り出した変形抵抗学習値を一次保存テーブルに保存する。以上のように、L1=L2=Lとするときには、図7に示したステップS110は実質的に無用であり、図8に示したフローとなる。
次に、図9を参照して、学習計算部105により実行される学習計算処理を説明する。ステップS201で、実績データファイル104aから、圧延処理が完了した被圧延材について実績データを取り込む。また、ステップS202で、製造条件ファイル102aから目標板厚、目標温度、材料の成分情報を取り出す。
次に、ステップS203で、図7の設定計算処理のステップS109にて選択対象となった鋼種別学習値テーブル101aを読み込む。また、ステップS204で、図7の設定計算処理のステップS108にて選択対象となった規格別学習値テーブル101bを読み込む。
次に、ステップS205で、ステップS201にて取り込んだ荷重実績から変形抵抗実績値Kmaを求める。変形抵抗実績値の求め方は既存のものでもよいが、下式(2)に示すように、変形抵抗は圧延荷重、板幅、接触弧長、圧下力関数の関数で表されることが知られている。なお、ステップS205は、学習計算部105内の変形抵抗実績値演算手段で実行される。
Figure 0005272954
また、ステップS206で、ステップS201にて取り込んだ温度実績等を用いて、所定の変形抵抗モデル式から、変形抵抗計算値Kmcを求める。変形抵抗モデル式は既存のものでよいが、下式(3)で表されることが知られている。なお、ステップS206は、学習計算部105内の変形抵抗計算値演算手段で実行される。
Figure 0005272954
そして、ステップS207で、ステップS205にて求めた変形抵抗実績値Kmaと、ステップS206にて求めた変形抵抗計算値Kmcとを用いて、下式(4)により変形抵抗学習値KMLNを計算する。なお、ステップS206は、学習計算部105内の学習値演算手段で実行される。
KMLN=(Kma/Kmc)−1・・・(4)
その後、ステップS208で、ステップS207にて求めた学習値と、ステップS203にて読み込んだ鋼種別学習値テーブル101aの該当する板厚、温度に関連付けられている現在の変形抵抗学習値とを指数平滑して、新たな変形抵抗学習値として書き換える。
すなわち、新たな変形抵抗学習値をKMLNnew、実績より計算した変形抵抗学習値をKMLNact、設定時の変形抵抗学習値をKMLNsetとすると、指数平滑による新たな変形抵抗学習値は(5)に示す内挿式により表される。
KMLNnew=α・KMLNact+(1−α)・KMLNset・・・(5)
ここで、αは0以上1以下の定数である。αが大きければKMLNactの重みが大きく、αが小さければKMLNsetの重みが大きくなる。
また、ステップS209で、ステップS207にて算出した学習値と、ステップS204にて読み込んだ規格別学習値テーブル101bの該当する板厚、温度に関連付けられている現在の変形抵抗学習値とを指数平滑して、新たな変形抵抗学習値として書き換える。なお、ステップS208、S209は、学習計算部105内の学習手段で実行される。さらに、ステップS210で、当該規格別学習値テーブル101bにおいて、書き換えた変更抵抗学習値に関連付けられている前回の圧延日時欄の値を更新する。なお、ステップS210は、学習計算部105内の圧延日時更新手段で実行される。
以上の処理を具体的に説明すると、図7の設定計算処理において、例えば鋼種コード「○○」の鋼種別学習値テーブル101aの板厚「5.0以下」、温度「700〜800」の変形抵抗学習値が用いられたとする。この場合、ステップS208では、鋼種コード「○○」の鋼種別学習値テーブル101aの板厚「5.0以下」、温度「700〜800」の変形抵抗学習値が指数平滑した値に書き変えられる。また、ステップS209では、ステップS102において取り出した規格に該当する規格別学習値テーブル101bの板厚「5.0以下」、温度「700〜800」の変形抵抗学習値が指数平滑した値に書き変えられる。
また、図7の設定計算処理において、例えば規格「××」の規格別学習値テーブル101bの板厚「5.0〜10.0」、温度「800〜900」の変形抵抗学習値が用いられたとする。この場合、ステップS208では、ステップS103において決定された鋼種に該当する鋼種別学習値テーブル101aの板厚「5.0〜10.0」、温度「800〜900」の変形抵抗学習値が指数平滑した値に書き変えられる。また、ステップS209では、規格「××」の規格別学習値テーブル101bの板厚「5.0〜10.0」、温度「800〜900」の変形抵抗学習値が指数平滑した値に書き変えられる。
本実施形態では、ステップS207にて算出した学習値と、鋼種別学習値テーブル101a及び規格別学習値テーブル101bにある現在の変形抵抗学習値とを指数平滑しているが、これは変形抵抗学習値が急激に変動するのを防ぐためである。なお、指数平滑を例にしたが、例えばステップS207にて算出した学習値と、鋼種別学習値テーブル101a及び規格別学習値テーブル101bにある現在の変形抵抗学習値との移動平均をとる等してもよい。
なお、本発明の圧延制御装置及び方法の上記の実施の形態では、式(4)で規定する変形抵抗学習値を用いて説明した。しかしながら、本発明において変形抵抗学習値はこの形式に限定する必要は無く、変形抵抗実績値Kmaと変形抵抗計算値Kmcとの関係を1対1に、一意的に表わす他の表式で規定してもよい。
本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体及びそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
100 圧延制御装置
101 記憶装置
101a 鋼種別学習値テーブル
101b 規格別学習値テーブル
102 製造条件受信部
102a 製造条件ファイル
103 材料トラッキング部
104 実績収集部
104a 実績データファイル
105 設定計算部
106 学習計算部
200 生産管理コンピュータ

Claims (8)

  1. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備を、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御する圧延制御装置であって、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に、板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報を保有する鋼種別学習値情報保有手段と、
    前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材が圧延された圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報を保有する規格別学習値情報保有手段と、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを選択肢として有する選択手段とを備え
    前記選択手段は、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とする圧延制御装置。
  2. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備を、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御する圧延制御装置であって、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に、板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報を保有する鋼種別学習値情報保有手段と、
    前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材が圧延された圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報を保有する規格別学習値情報保有手段と、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを選択肢として有する選択手段とを備え
    前記選択手段は、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とする圧延制御装置。
  3. 前記選択手段は、前記所定の内挿式として、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値、鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値、前回の圧延日時x、及び、今回の圧延日時x0に基づいて内挿式を演算して前記中間の値を導出することを特徴とする請求項に記載の圧延制御装置。
  4. 前記被圧延材の圧延に際して測定された荷重実績に基づいて変形抵抗実績値を求める変形抵抗実績値演算手段と、
    前記制御モデルに含まれる変形抵抗モデルにより変形抵抗計算値を求める変形抵抗計算値演算手段と、
    前記変形抵抗実績値と前記変形抵抗計算値とからこれらの値の関係を表わす所定の式により学習値を求める学習値演算手段と、
    前記学習値演算手段により求めた学習値と、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値及び前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値それぞれとを指数平滑し、新たな変形抵抗学習値として書き換える学習手段と、
    前記規格別学習値情報の前回の圧延日時を更新する圧延日時更新手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の圧延制御装置。
  5. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備を制御する圧延制御方法であって、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを含む選択肢から選択する手順を有し、
    前記選択する手順では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とする圧延制御方法。
  6. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備を制御する圧延制御方法であって、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを含む選択肢から選択する手順を有し、
    前記選択する手順では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とする圧延制御方法。
  7. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備の制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるかを含む選択肢から選択する処理をコンピュータに実行させ
    前記選択する処理では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した期間L内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、前記期間Lより前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いることを特徴とするプログラム。
  8. 複数の鋼種の鋼材を被圧延材として所定の規格の鋼板に順次連続的に圧延する圧延設備によって、該圧延設備の制御モデルを用いて変形抵抗値を算出し設定計算により制御量を求め、圧延実績値を学習しながら制御するのに際して、
    前記被圧延材の成分組成について区別する鋼種コード毎に板厚、温度、及び、変形抵抗値を補正するための変形抵抗学習値が関連付けられた鋼種別学習値情報と、前記被圧延材の規格毎に板厚、温度、及び、変形抵抗の計算値を補正するための変形抵抗学習値、並びに、該被圧延材と同じ規格の被圧延材が圧延された前回の圧延日時が関連付けられた規格別学習値情報とを用いて、鋼材を圧延する圧延設備の制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    新たな被圧延材Aに対する圧延制御の設定計算に際して、前記被圧延材Aが圧延される今回の圧延日時と、前記規格別学習値情報に含まれた前記被圧延材Aと同じ規格の被圧延材Bの前回の圧延日時とに基づいて、前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用いるか、又は、両者の変形抵抗学習値の中間の値を用いるかを含む選択肢から選択する処理をコンピュータに実行させ
    前記選択する処理では、前記規格別学習値情報の前回の圧延日時xが、前記今回の圧延日時x 0 を基準にして、予め設定した第1の期間L2内であるときには前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、第2の期間L1(L1>L2)以前であるときには前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値を用い、一定期間L2より前で且つ一定期間L1より後であるときには、前記規格別学習値情報の変形抵抗学習値と前記鋼種別学習値情報の変形抵抗学習値との中間の値を所定の内挿式を演算して導出して用いることを特徴とするプログラム。
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