JP5272559B2 - ハイドロプレーニング発生速度推定装置 - Google Patents
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Description
Pf=(1/2)・ρ・V2 …(A)
で与えられるものと仮定する。なお、ρは、水の密度であり、Vは、タイヤ路面への水の進入速度であり、車速に一致するものとする。かかる状態に於いて、
水の動圧Pf≧最大接地圧Pc
となると、タイヤは、路面から浮き上がるとすることができるので、従って、ハイドロプレーニング発生車速V*は、
V*≧(2/ρ・Pc)1/2 …(B)
により与えられることとなる。また、タイヤの接地圧力の分布が放物線状となることから、タイヤ最大接地圧Pcは、タイヤの内圧Paを用いて、
Pc=1.55Pa …(C)
と与えられるので、式(B)は、
V*≧63(Pa)1/2 …(D)
にて表される。
Pc=A・(RL/Rd)・Pa
により与えられるようになっていてよい。ここで、Aは、実験的に又は理論的に与えられる所定の係数である。(上記の式に於いて、Rdは、車速と伴に増大するので、Pcは、車速と伴に低減する。)
V*={(2/ρ)・A・(RL/Rd)・Pa}1/2
によって与えられるようになっていてよい。ここで、ρは、水の密度である。
図1は、本発明の一つの実施形態による車両のハイドロプレーニング発生車速推定装置及び周辺機器の構成をブロック図の形式で表したものである。本実施形態の装置は、自動車等の車両に搭載され、車両が水膜を有する路面上を走行しているときにハイドロプレーニング発生車速を推定し、実際の車両の車速がハイドロプレーニング発生車速以上になると、運転者に対してハイドロプレーニング現象が発生する可能性があることの警報を発するよう構成される。なお、本実施形態の装置は、自動車等の車両に搭載された電子制御装置又はコンピュータ(双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有する通常の形式のものであってよい。)の、プログラムに従った作動により実現されてよい。
本発明に於けるハイドロプレーニング発生車速推定の原理は、基本的には、図5に例示の従来から知られている力学的モデルに基づく原理と同様であり、タイヤの転動方向の中央軸線上、即ち、タイヤと路面との間に進入する水膜の溜点に於ける水の動圧Pfとタイヤの接地圧力Pcとの釣り合い、即ち、
(1/2)・ρ・V2=Pc …(1)
から、ハイドロプレーニング発生車速が決定される(上記式(A)参照)。しかしながら、従来のモデルでは、タイヤの転動方向の中央軸線上のタイヤの接地圧力が車速によらず一定であると仮定していたのに対し、本発明では、車両の走行実験の結果に基づき、タイヤの転動方向の中央軸線上のタイヤの接地圧力が車速と伴に低減し、その接地圧力がタイヤの転動方向の中央部(中央軸線上)の動荷重半径と、タイヤの転動方向のショルダ部(側部)の動荷重半径と、タイヤ空気圧とにより表されると仮定される。
Pc=α(Ve)×Pa …(2)
により表され、ここで、α(Ve)は、車速Veと伴に低下する。
Pc=A・RL/Rd・Pa …(3)
と表される。なお、Aは、実験的に又は理論的に与えられる係数である。従って、式(1)に式(3)を代入すると、ハイドロプレーニング発生車速V*は、
V*={(2/ρ)・A・(RL/Rd)・Pa}1/2 …(4)
により与えられる。なお、ρ=1/128.03kgf・s2/m4とすると、
V*=51{A・(RL/Rd)・Pa}1/2 …(5)
となる。本実施形態では、式(5)がハイドロプレーニング発生車速V*の推定に用いられる。
[上記のV*が算出されている状態は、タイヤの中央部に於ける水の動圧とタイヤの接地圧力とが釣り合った状態であり、かかる状態では、タイヤのショルダ部に於いては、接地圧力が水の動圧より高く、従って、タイヤのショルダ部では、タイヤは、浮き上がっていない状態となっている。しかしながら、接地圧力分布の計測結果によれば、タイヤのショルダ部よりも内側の領域に於いて全体的に接地圧力が低下するので、上記のタイヤの中央部に於ける水の動圧とタイヤの接地圧力とが釣り合った状態で、タイヤの殆どの領域が浮き上がり始め、これにより、タイヤが滑りやすくなることが想定される。そこで、本実施形態では、上記にて算出されるV*をハイドロプレーニング発生車速と定義している。]
ハイドロプレーニング発生車速推定部10に対しては、図1に示されているパラメータが、随時入力され利用できるよう構成され、作動スイッチ12がON状態となると、ハイドロプレーニング発生車速推定部10は、上記に説明された如く、各輪のタイヤ空気圧Pai、各輪の車輪回転速ωi、対地車速Veを参照して、式(5)を用いてハイドロプレーニング発生車速V*を推定し、対地車速Veがハイドロプレーニング発生車速V*以上となったとき、警報装置20に対して、警報を発するよう指令する。図4は、作動スイッチ12がON状態のときに、ハイドロプレーニング発生車速推定部10の処理作動をフローチャートの形式にて表したものである。図示の処理作動は、作動スイッチ12がON状態の間、繰り返し実行される。
Rdi=Ve/ωi …(6)
により算出される(ステップ100)。次いで、算出された動荷重半径Rdiと、タイヤ空気圧Paiとを用いて、ハイドロプレーニング発生車速V*が、
V*=51{A・(RL/Rdi)・Pai}1/2 …(5)
により算出される(ステップ110)。なお、RLは、車両の静止時のスピンドル高の値が用いられてよい。また、V*は車輪毎に算出されてよい。そして、算出されたハイドロプレーニング発生車速V*と対地車速Veが比較され(ステップ120)、
Ve≧V* …(7)
が成立するとき、警報装置20に対して、警報を発するよう指令が与えられ(ステップ130)、処理が繰り返される。他方、式(7)が成立しないときは、警報発令が為されずに処理が繰り返される。なお、式(7)の判定は、車輪毎に実行され、車両のいずれかの車輪に於いて、式(7)が成立したときに、警報が発せられるようになっていてよい。
[上記の処理は、作動スイッチ120がOFF状態になると停止される。]
12…作動スイッチ
14i…タイヤ空気圧検知部
16i…車輪回転速センサ
18…対地車速検知部
20…警報装置
22…GPS装置
24…対地非接触型レーザーセンサ
Claims (5)
- 車両のハイドロプレーニング現象が発生する車速を推定する装置であって、前記車両のタイヤの転動方向から見たときの前記タイヤの側部の動荷重半径と前記タイヤの中央部の動荷重半径と前記タイヤの空気圧とに基づいてハイドロプレーニング現象が発生する車速を推定するハイドロプレーニング発生車速推定部を含むことを特徴とする装置。
- 請求項1の装置であって、前記ハイドロプレーニング現象が発生する車速が前記タイヤの転動方向から見たときの中央部に於ける前記タイヤと路面との間に進入する水の動圧と前記タイヤの接地圧力との釣り合いの式から算出される車速であり、前記タイヤの中央部に於ける接地圧力が前記車両の実際の車速の増大と伴に低減すると仮定されていることを特徴とする装置。
- 請求項2の装置であって、前記タイヤの中央部に於ける接地圧力Pcが、前記タイヤの側部の動荷重半径Rdと前記タイヤの中央部の動荷重半径RLと前記タイヤの空気圧Paと所定の係数Aとを用いて、
Pc=A・(RL/Rd)・Pa
により与えられることを特徴とする装置。 - 請求項1乃至3のいずかの装置であって、前記タイヤの側部の動荷重半径Rdと前記タイヤの中央部の動荷重半径RLと前記タイヤの空気圧Paと所定の係数Aと水の密度ρとを用いて、前記ハイドロプレーニング現象が発生する車速V*が、
V*={(2/ρ)・A・(RL/Rd)・Pa}1/2
によって与えられることを特徴とする装置。 - 請求項1乃至4のいずれかの装置であって、前記車両の現在の車速値を取得する現在車速取得部と、前記現在の車速値が前記ハイドロプレーニング現象が発生する車速を上回るときに前記車両の運転者に対して警報を発する警報発生部とを含むことを特徴とする装置。
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