(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、第1実施形態における遊技機1について説明する。図1は、遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2と、右側部が開閉回動自在となるようにヒンジ3を介して本体枠2に設置される開閉枠4とを備える。
開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。前面枠5には、遊技領域31を有する遊技盤30(図2参照)が配設される。前面枠5には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを有するガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはランプやLED等によって構成される枠装飾装置21(図19参照)が収容されており、この枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7での発光状態が調整される。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にランプやLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、ランプやLED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図19参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)する。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の近傍には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が備えられる。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等がある。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図18参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図18参照)によって振動を検出したりすることで検知される。また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図18参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図18参照)によって検出される。
ガラス枠6のカバーガラス6aの下方には、上皿11aを含む上皿ユニット11が設置される。上皿11aは、前面枠5に設けられた球発射装置(図示省略)に遊技球を供給する。ガラス枠6の下方位置であって前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14及び球発射装置を駆動するための操作部15が備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、下皿14に貯まった遊技球を排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームに遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、特別な遊技状態が発生していない通常遊技状態においても演出パターンを変更することができる。
ガラス枠6の下部中央には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18と排出ボタン19との間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられている。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる遊技盤30について説明する。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の前面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に遊技盤30の前方から嵌装される。センターケース34の上左側部には、変動表示ゲームの結果に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な上部大入賞口36が配設される。
遊技盤30の裏面には、変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する変動表示装置35が制御ベースユニット(図示省略)を介して配設される。変動表示装置35は、その表示部35aがセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の表示領域(例えば、左側、中央、右側の三つの表示領域)を設定し、各表示領域の各々で独立した識別情報を変動表示して、変動表示ゲームを実行する。
遊技領域31の下部中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームが行われる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームが行われる第2始動入賞口37bとを備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材37cを備えている。開閉部材37cは、通常遊技状態においては、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。後述する状態表示器42において実行される普図変動表示ゲームが当りとなった場合には、普電ソレノイド27(図18参照)によって先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)となる。
遊技領域31における第2始動入賞口37bの下方には、遊技状態に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な下部大入賞口38が配設される。また、遊技領域31におけるセンターケース34の左側方には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームが行われる普図始動ゲート39が配設される。さらに、遊技領域31における始動入賞口37の両側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が複数配設される。これらの他に遊技領域31には、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口41が配設される。
遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数を表示する状態表示器42が配設される。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33によって区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31内を流下する。遊技領域31内を流下した遊技球は、始動入賞口37、一般入賞口40、上部大入賞口36又は下部大入賞口38に入賞するか、アウト口41から排出される。
始動入賞口37、一般入賞口40、上部大入賞口36又は下部大入賞口38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置(図示省略)から排出される。
始動入賞口37に遊技球が入賞すると、変動表示装置35では三つの数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始される。始動入賞口37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた時には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当たり状態)となり、三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、上部大入賞口36及び下部大入賞口38の少なくとも一方が所定時間だけ遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。上部大入賞口36や下部大入賞口38が所定時間だけ開状態となることによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。上部大入賞口36及び下部大入賞口38の開閉は、各大入賞口ソレノイド28a、28b(図18参照)を介して行われる。
また、遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、状態表示器42で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート39への遊技球の通過が所定のタイミングでなされた時には普通図柄に関する当たり状態となり、状態表示器42に表示される普通図柄が当たり状態で停止する。この場合には、第2始動入賞口37bに設けられた開閉部材37cが普電ソレノイド27(図18参照)によって駆動され所定時間だけ拡開し、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
なお、始動入賞口37、一般入賞口40、上部大入賞口36又は下部大入賞口38に入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口41から排出される。
上記した遊技機1は、遊技状態に応じて遊技演出を行う演出装置100を備える。演出装置100は、遊技球とは異なる演出球を演出領域に送出し、演出領域流下時の演出球の挙動を遊技者に視認させることによって遊技演出を実行する装置である。この演出装置100は、センターケース34の上部に配設される。
図3及び図4を参照して、演出装置100の構成について説明する。図3は演出装置100の分解斜視図であり、図4は演出装置100の横断面図である。
演出装置100は、小演出球及び小演出球よりも大きい大演出球をそれぞれ2つずつ用いて遊技演出を行うように構成されている。演出装置100は、センターケース34に固定されるベース部材110と、ベース部材110の前面に配設される前面カバー120と、ベース部材110の裏面に回転自在に配設される回転部材130と、回転部材130を覆うようにベース部材110の裏面に配設される裏面カバー140と、回転部材130を回転駆動する駆動モータ(駆動部)150と、を備える。
図4及び図5を参照して、演出装置100のベース部材110について説明する。図5(A)はベース部材110の前面斜視図であり、図5(B)はベース部材110の裏面斜視図である。
図5(A)及び図5(B)に示すように、ベース部材110は、円筒部111と、円筒部111を前方の演出領域113及び後方の収容領域114に仕切る隔壁112と、を備える。演出領域113は、小演出球や大演出球が流下できるように形成されている。収容領域114には、図4に示すように回転部材130が回転自在に収容される。
隔壁112の上部には、小演出球を演出領域113側に通過させる小送出口115aと、大演出球を演出領域113側に通過させる大送出口115bとが形成される。小送出口115aは、大送出口115bよりも上方に形成される。小送出口115aの中心はベース部材110の中心を上下方向に通る中心線に対して一方側(図5(A)において左側)にずれて位置しており、大送出口115bの中心はその中心線に対して他方側(図5(A)において右側)にずれて位置している。
大送出口115bより下方の隔壁112には、流下した小演出球や大演出球を転動させる第1転動部116が突出形成される。第1転動部116は、左右方向に延設され、中央部が最も高くなる円弧状に形成される。
隔壁112の下部には、演出領域113を流下した小演出球を収容領域114側に通過させる小回収口117aと、演出領域113を流下した大演出球を収容領域114側に通過させる大回収口117bとが形成される。小回収口117aは、大回収口117bの直下方に形成される。小回収口117aの中心及び大回収口117bの中心は、ベース部材110の中心を上下方向に通る中心線上に位置している。
隔壁112の前面には、小演出球や大演出球の流下挙動をより複雑にするための第2転動部160が配設される。第2転動部160は、第1転動部116と大回収口117bとの間の演出領域113に設けられる。第2転動部160は、左右方向に延設される転動ステージ161と、転動ステージ161の中央部に設けられるクルーン162と、転動ステージ161の両端に形成される係合突起163とを備える。
転動ステージ161は、中央部が最も低くなる円弧状に形成されている。
クルーン162は、すり鉢状であって、図4に示すように円筒部111の前端部よりも前方に突出する。クルーン162は、転動ステージ161の中央部に一体形成されている。クルーン162の底部には、小演出球及び大演出球が通過可能な貫通孔164が形成されている。
係合突起163は、図5(A)に示すように、転動ステージ161の両端から下方に延設されている。第2転動部160は、係合突起163が円筒部111に形成された係合受部111aに係合することによって、ベース部材110に固定される。
ベース部材110は、隔壁112の前面に、三つの7セグメントLEDからなる表示部118を備える。表示部118は、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度に応じた数値等を表示するように構成されている。
次に、図4、図6、及び図7を参照して、ベース部材110の前面に配設される前面カバー120について説明する。図6(A)はベース部材110に設置された前面カバー120の前面斜視図であり、図6(B)は前面カバー120の裏面斜視図である。図7(A)はベース部材110に設置された前面カバー120の裏面斜視図であり、図7(B)は前面カバー120に形成される回収通路124の拡大図である。
図4、図6(A)、及び図6(B)に示すように、前面カバー120は、ベース部材110の前面を覆う円板部121と、第2転動部160のクルーン162を収容するクルーン収容部122と、壁部123によって画成されて小演出球及び大演出球を回収する回収通路(回収部)124と、ベース部材110の表示部118が臨む開口部125とを備える。前面カバー120は、遊技者がベース部材110の演出領域113を視認可能なように透明な樹脂材によって形成されている。
クルーン収容部122は、円板部121の略中央に、円板部121から前方に膨出するように形成される。クルーン収容部122は、半円柱状に形成される。クルーン収容部122内には、円筒部111の前端部から突出するクルーン162が収容される。
回収通路124は、図7(A)及び図7(B)に示すように、円板部121と、壁部123と、ベース部材110の隔壁112(図5(A)参照)とによって画成された通路であって、クルーン162の貫通孔164から落下した小演出球及び大演出球を流下させる。回収通路124は、上下方向に延設された通路であって、大演出球をベース部材110の大回収口117b(図5(A)参照)に誘導する第1誘導路126と、小演出球をベース部材110の小回収口117a(図5(A)参照)に誘導する第2誘導路127と、を備える。
第1誘導路126は、小演出球及び大演出球が流下可能な通路として形成される。第2誘導路127は、第1誘導路126の下流端から下方に延設され、小演出球のみが流下可能な通路として形成される。第1誘導路126と第2誘導路127との接続位置における壁部123の接続部123aは、大演出球を大回収口117b(図5(A)参照)に案内するように後方に向かって下り傾斜している。第2誘導路127の下流端底部127aは、小演出球を小回収口117a(図5(A)参照)に案内するように後方に向かって下り傾斜している。
クルーン162の貫通孔164から落下した大演出球は、第2誘導路127を通過することができないので、第1誘導路126を接続部123aまで流下した後、接続部123a上を転動して大回収口117b(図5(A)参照)に導かれる。一方、クルーン162の貫通孔164から落下した小演出球は、第1誘導路126を通過し、第2誘導路127の下流端まで流下した後、下流端底部127a上を転動して小回収口117a(図5(A)参照)に導かれる。
図4、図8、及び図9を参照して、ベース部材110の裏面に回転自在に配設される回転部材130について説明する。図8(A)は回転部材130の前面斜視図であり、図8(B)は回転部材130の裏面斜視図である。図9は、回転部材130に形成される大収容孔170及び小収容孔180の拡大図である。
回転部材130は、回収通路124(図7(A)参照)によって回収された小演出球及び大演出球を、球回収位置から演出領域113(図5(A)参照)の上部の球送出位置まで移送し、ベース部材110の小送出口115a及び大送出口115b(図5(A)参照)から送出する移送部である。
図4に示すように、回転部材130は、ベース部材110の収容領域114に収容された状態で、ベース部材110に対して回転可能な回転体として形成されている。回転部材130は、後述する駆動モータ150によって駆動され、回転部材130の中心を回転中心として回転する。
図8(A)及び図8(B)に示すように、回転部材130は、前方円板部131と、前方円板部131の裏面に配設される後方円板部132と、を備える。
前方円板部131には、ベース部材110の隔壁112(図4参照)と後方円板部132との間で大演出球を収容可能な大収容孔170及び隔壁112(図4参照)と後方円板部132との間で小演出球を収容可能な小収容孔180が形成される。
大収容孔170は前方円板部131に一対配設され、これら大収容孔170は回転中心に対して点対称となるように設けられる。
また、小収容孔180も前方円板部131に一対配設される。これら小収容孔180は、大収容孔170の近傍であって大収容孔170よりも前方円板部131の外縁側に設けられるとともに、回転中心に対して点対称となるように設けられる。大収容孔170及び小収容孔180は、回転中心を径方向に通る線上に沿って直線的に配置されている。
図9を参照して、大収容孔170及び小収容孔180について説明する。一対の大収容孔170は同じ構成を有しているので、一方の大収容孔170(図8(A)の上側の大収容孔170)についてのみ説明する。同様の理由から、小収容孔180についても、一方の小収容孔180(図8(A)の上側の小収容孔180)についてのみ説明する。
図9に示すように、大収容孔170は、大演出球が演出領域113(図5(A)参照)に送出されるのを許容する送出許容部171と、大演出球が演出領域113(図5(A)参照)に送出されるのを規制する送出規制部172と、回転部材130の回転に伴って大演出球が送出許容部171及び送出規制部172の間で往来できるように送出許容部171及び送出規制部172と連通する連通部173と、を備える。
送出許容部171及び送出規制部172は、回転部材130の周方向に並んで連設される。送出許容部171が大送出口115b(図5(A)参照)に臨む場合に、送出許容部171の底部171aとなる面は、大演出球が演出領域113(図5(A)参照)に移動可能なように前方に向かって下り傾斜する。また、送出規制部172が大送出口115b(図5(A)参照)に臨む場合に、送出規制部172の底部172aとなる面には、大演出球が演出領域113(図5(A)参照)に移動するのを禁止するリブ174が突出形成される。リブ174は、送出規制部172の前端部に設けられる。
連通部173は、送出許容部171及び送出規制部172よりも回転部材130の外縁側に形成される。連通部173が大回収口117b(図5(A)参照)に臨む位置において、連通部173は回収通路124の第1誘導路126(図7(A)参照)と連通する。連通部173は、回転部材130の周方向に対向するとともに、回転部材130の回転に伴って大演出球を送出許容部171又は送出規制部172に転動させる一対の転動面173aを備えている。
一方、小収容孔180は、小演出球が演出領域113(図5(A)参照)に送出されるのを許容する送出許容部181と、小演出球が演出領域113(図5(A)参照)に送出されるのを規制する送出規制部182と、回転部材130の回転に伴って小演出球が送出許容部181及び送出規制部182の間で往来できるように送出許容部181及び送出規制部182と連通する連通部183と、を備える。
送出許容部181及び送出規制部182は、回転部材130の周方向に並んで連設される。小収容孔180の送出許容部181及び送出規制部182の周方向の並び順は、大収容孔170の送出許容部171及び送出規制部172の周方向の並び順とは逆に設定されている。
送出許容部181が小送出口115a(図5(A)参照)に臨む場合に、送出許容部181の底部181aとなる面は、小演出球が演出領域113(図5(A)参照)に移動可能なように前方に向かって下り傾斜する。また、送出規制部182が小送出口115a(図5(A)参照)に臨む場合に、送出規制部182の底部182aとなる面には、小演出球が演出領域113(図5(A)参照)に移動するのを禁止するリブ184が突出形成される。リブ184は、送出規制部182の前端部に設けられる。
連通部183は、送出許容部181及び送出規制部182よりも回転部材130の外縁側に形成される。連通部183は、連通部183が小回収口117a(図5(A)参照)に臨む位置において、回収通路124の第2誘導路127(図7(A)参照)と連通する。連通部183は、回転部材130の周方向に対向するとともに、回転部材130の回転に伴って小演出球を送出許容部181又は送出規制部182に転動させる一対の転動面183aを備えている。
なお、前方円板部131の厚さは大演出球の直径よりも僅かに大きく設定されていりため、小収容孔180に臨む位置の後方円板部132には小収容孔180の奥行きを調整するための調整リブ133が突出形成されている。
図4、図10(A)、及び図10(B)を参照して、裏面カバー140及び駆動モータ150について説明する。図10(A)及び図10(B)は、裏面カバー140の前面斜視図及び裏面斜視図である。
図4に示すように、裏面カバー140は、回転部材130を覆うようにベース部材110の裏面に配設される。
図10(A)及び図10(B)に示すように、裏面カバー140は、円板部141の裏面にモータ収容部142を備えている。駆動モータ150は、モータ収容部142を介して円板部141の裏面に設置される。駆動モータ150の駆動軸151は、円板部141の前方に突出し、図8(B)に示すように回転部材130の前方円板部131及び後方円板部132の中心に形成された軸受部134及び軸受部135に固定される。
裏面カバー140は、円板部141の前面に光電センサ144を収容するための収容凹部143を備える。収容凹部143には、回転部材130の位置を検出するためのコの字形状の光電センサ144が配設される。図8(B)に示すように、回転部材130の前方円板部131の裏面には、回転部材130の一方の送出許容部171、181がそれぞれ大送出口115b、小送出口115a(図5(A)参照)に臨む場合に光電センサ144の凹部に挿入され、光電センサ144の発射光を遮光する遮光部136が一対形成される。このように光電センサ144と回転部材130の遮光部136によって、回転部材130の位置が検出される。
なお、遮光部136は後方円板部132の挿通孔137を介して後方に突出するので、裏面カバー140の円板部141の前面には遮光部136が挿通する挿通溝145が形成される。この挿通溝145は、円板部141と同心の円形状溝として形成される。
次に、図11〜図17を参照して、上記した演出装置100の動作、小演出球及び大演出球の挙動ついて説明する。
まず、図11〜図14を参照して、大演出球を演出領域113に送出後、再び大演出球を演出領域113に送出する場合について説明する。図11(A)及び図11(B)は、大演出球送出直後の演出装置100及び回転部材130を示す図である。図12(A)及び図12(B)は、反時計回りに回転中の回転部材130を示す図である。図13(A)及び図13(B)は、反時計回りに回転後の回転部材130及び演出装置100を示す図である。図14は、回収通路124近傍の演出装置100の縦断面図である。
図11(A)に示すように大演出球が大送出口115bを介して演出領域113に送出された後、再び大演出球を送出する場合には、回転部材130は図11(B)の状態から反時計回りに180度回転駆動される。
図11(B)に示すように、大演出球の送出時には、残りの大演出球は大回収口117b(図5(A)参照)に臨む大収容孔170の連通部173にある。2つの小演出球はそれぞれ、小送出口115aに臨む小収容孔180の送出規制部182と、小回収口117a(図5(A)参照)に臨む小収容孔180の連通部183とにある。
回転部材130が反時計回りに回転駆動されると、大回収口117b側の大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は、図12(A)及び図12(B)に示すように、演出領域113の上部に位置する大送出口115bに向かって移送される。この大演出球は移送初期の段階では、図12(A)に示すように連通部173に位置したまま大送出口115bに向かって移送される。そして図12(B)に示すように大収容孔170の連通部173が回転部材130の回転中心よりも高くなった後に、大演出球はその自重によって連通部173の転動面173aを転動し大収容孔170の送出許容部171に移動する。このように移動した大演出球は、図13(A)及び図13(B)に示すように、送出許容部171に収容されたまま大送出口115bまで移送される。
一方、図12(A)及び図12(B)に示すように、小回収口117a側の小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は、演出領域113の上部に位置する小送出口115aに向かって移送される。この小演出球は移送初期の段階では、図12(A)に示すように、連通部183に位置したまま小送出口115aに向かって移送される。そして図12(B)に示すように小収容孔180の連通部183が回転部材130の回転中心よりも高くなった後に、小演出球はその自重によって連通部183の転動面183aを転動して送出規制部182に移動する。このように移動した小演出球は、図13(A)及び図13(B)に示すように、送出規制部182に収容されたまま、小送出口115aに向かって移送される。
なお、図11(A)及び図11(B)において、小送出口115a側の小収容孔180の送出規制部182に収容されている小演出球は、演出領域113の下部に位置する小回収口117aに向かって移送される。送出規制部182に収容されている小演出球は移送直後に小送出口115aを横切るように通過するが、送出規制部182にはリブ184が設けられているので、小送出口115aの通過時に小演出球が演出領域113に送出されることがない。この小演出球は移送初期の段階で、図12(A)に示すように自重によって送出規制部182から連通部183を介して送出許容部181に移動し、図12(B)に示すように送出許容部181に収容された状態で小回収口117aに向かって移送される。そして小収容孔180の送出許容部181が回転部材130の回転中心よりも低くなった後に、小演出球は、図13(A)に示すように送出許容部181から連通部183に移動し、小回収口117aまで移送される。
図13(A)及び図13(B)に示すように、大演出球が大送出口115bまで移送されると、大演出球は、下り傾斜する送出許容部171の底部171aを転動し、大送出口115bを介して演出領域113に送出される。送出された大演出球は、第1転動部116及び第2転動部160の転動ステージ161を転動した後に、クルーン162の貫通孔164を通って回収通路124に導かれる。
なお、回収通路124に導かれた大演出球は、図14に示すように、回収通路124の第1誘導路126を接続部123aまで流下した後、接続部123a上を転動して大回収口117bから回転部材130の大収容孔170の連通部173に収容される。
図13(B)に示すように大収容孔170の送出許容部171が大送出口115bに臨んでいる時には、小収容孔180の送出許容部181が小送出口115aに臨んでいるため、送出規制部182に収容されている小演出球が演出領域113に送出されることがない。
上記の通り、演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転駆動されると、大演出及び小演出球は回転部材130によって、連通部173、183が大回収口117b、小回収口117aに臨む球回収位置から、送出許容部171、181が大送出口115b、小送出口115aに臨む球送出位置まで移送される。この移送過程で、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の転動面173aを介して送出許容部171に移動し、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の転動面183aを介して送出規制部182に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部171にある大演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。
次に、図11(A)、図11(B)、図15〜図17を参照して、大演出球を演出領域113に送出後、小演出球を演出領域113に送出する時の演出装置100の動作について説明する。
図15(A)及び図15(B)は、時計回りに回転中の回転部材130を示す図である。図16(A)及び図16(B)は、時計回りに回転後の回転部材130及び演出装置100を示す図である。図17は、回収通路124近傍の演出装置100の縦断面図である。
図11(A)に示すように大演出球が大送出口115bを介して演出領域113に送出された後、小演出球を送出する場合には、回転部材130は図11(B)の状態から時計回りに180度回転駆動される。
回転部材130が時計回りに回転駆動されると、大回収口117b側の大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は、図15(A)及び図15(B)に示すように、演出領域113の上部に位置する大送出口115bに向かって移送される。この大演出球は移送初期の段階では、図15(A)に示すように連通部173に位置したまま大送出口115bに向かって移送される。そして図15(B)に示すように大収容孔170の連通部173が回転部材130の回転中心よりも高くなった後に、大演出球はその自重によって連通部173の転動面173aを転動し大収容孔170の送出規制部172に移動する。このように移動した大演出球は、図16(A)及び図16(B)に示すように、送出規制部172に収容されたまま大送出口115bに向かって移送される。
一方、図15(A)及び図15(B)に示すように、小回収口117a側の小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は、演出領域113の上部に位置する小送出口115aに向かって移送される。この小演出球は移送初期の段階では、図15(A)に示すように連通部183に位置したまま小送出口115aに向かって移送される。そして図15(B)に示すように小収容孔180の連通部183が回転部材130の回転中心よりも高くなった後に、小演出球はその自重によって連通部183の転動面183aを転動し小収容孔180の送出許容部181に移動する。このように移動した小演出球は、図16(A)及び図16(B)に示すように、送出許容部181に収容されたまま小送出口115aまで移送される。
なお、図15(A)に示すように、小送出口115a側の小収容孔180の送出規制部182に収容されている小演出球は、演出領域113の下部に位置する小回収口117aに向かって移送される。図15(B)に示すように小収容孔180の送出許容部181が回転部材130の回転中心よりも低くなった後に、送出規制部182に収容されている小演出球は送出規制部182から連通部183に移動し、図16(A)に示すように小回収口117aまで移送される。
図16(A)及び図16(B)に示すように、小演出球が小送出口115aまで移送されると、小演出球は、下り傾斜する送出許容部181の底部181aを転動し、小送出口115aを介して演出領域113に送出される。送出された小演出球は、第1転動部116及び第2転動部160の転動ステージ161を転動した後に、クルーン162を通って貫通孔164から回収通路124に導かれる。
なお、回収通路124に導かれた小演出球は、図17に示すように、回収通路124の第1誘導路126を通過し、第2誘導路127の下流端まで流下する。その後、小演出球は、下流端底部127a上を転動し、小回収口117aを介して回転部材130の小収容孔180の連通部183内に収容される。
図16(B)に示すように、小収容孔180の送出許容部181が小送出口115aに臨んでいる時には、大収容孔170の送出許容部171が大送出口115bに臨んでいるため、送出規制部172に収容されている大演出球が演出領域113に送出されることがない。
上記の通り、演出装置100の回転部材130が時計回りに回転駆動されると、大演出及び小演出球は回転部材130によって、連通部173、183が大回収口117b、小回収口117aに臨む球回収位置から、送出許容部171、181が大送出口115b、小送出口115aに臨む球送出位置まで移送される。この移送過程で、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の転動面183aを介して送出許容部181に移動し、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の転動面173aを介して送出規制部172に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部181にある小演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。
次に、図18及び図19を参照して、遊技機1の遊技制御装置500及び演出制御装置400について説明する。図18は、遊技機1の遊技制御装置500を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図19は、遊技機1の演出制御装置400を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図18に示す遊技制御装置500は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置500には、電源装置300、払出制御装置540、及び演出制御装置400が接続される。遊技制御装置500は、払出制御装置540や演出制御装置400に制御信号(主基板コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置500には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置500は、各種演算処理を行うCPU部510と、各種信号の入力を受け付ける入力部520と、各種信号や制御信号を出力する出力部530とを備える。CPU部510、入力部520及び出力部530は、互いにデータバスによって接続される。
入力部520は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから入力された信号や払出制御装置540から入力された信号を受け付ける。入力部520に入力された信号は、データバスを介してCPU部510に送信される。入力部520は、近接インターフェース(I/F)521及びポート522a、522bを備える。
ポート522a、522bは、近接I/F521を介して入力された信号を受け付けたり、外部から入力された信号を直接受け付けたりする。ポート522a、522bはデータバスに接続されており、ポート522a、522bに入力された情報はデータバスを介してCPU部510等に提供される。
近接I/F521は、各種スイッチからの入力信号を受け付け、それら入力信号を変換してポート522aに出力するインターフェースである。近接I/F521に信号を入力する各種スイッチには、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、及びカウントスイッチ205が含まれる。
第1始動口スイッチ201は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ202は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ203は、遊技球が普図始動ゲート39を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ204a〜204nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202の検出信号は、ポート522aに入力されるとともに、CPU部510の反転回路512を介して遊技用マイコン511に入力される。これは、遊技用マイコン511の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ205は、遊技球が上部大入賞口36又は下部大入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置500に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F521に入力される信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F521によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F521は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
なお、近接I/F521に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F521に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F521はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
ポート522aには磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、ポート522bには前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。また、ポート522bには、払出制御装置540から出力される各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置500のCPU部510は、遊技用マイコン511と、反転回路512と、水晶発振器513とを備える。
遊技用マイコン511は、CPU511a、ROM511b、及びRAM511cを有しており、入力部520を介して入力された信号に基づいてROM511bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン511は、出力部530を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器42等から構成される特図/普図/遊技状態表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28a、28b、演出制御装置400及び払出制御装置540等に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン511は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM511bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM511cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路512は、近接I/F521を介して入力された信号(第1始動口スイッチ201及び第2始動口スイッチ202からの信号)の論理値を反転させ、遊技用マイコン511に入力する。
水晶発振器513は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源となっている。
遊技制御装置500の出力部530は、ポート531a〜531eと、バッファ532a、532bと、ドライバ533a〜533dと、フォトカプラ534とを備える。
ポート531a〜531eは、データバスを介して入力された信号を受け付ける。
バッファ532a、532bは、データバスやポート531a、531bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ533a〜533dは、ポート531c〜531eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ534は、検査装置機543に接続され、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ534と検査装置機543との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置540には、ポート531aを介してパラレル通信によってCPU部510から出力された情報が送信される。払出制御装置540に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート531aから払出制御装置540の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置540は、遊技制御装置500からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置540は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置500に出力する。払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置400には、出力部530のポート531aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート531bからの8bitのデータ信号がバッファ532aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ532aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ532aは、演出制御装置400から遊技制御装置500に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置400に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28a、28b及び普電ソレノイド27には、ポート531c及びドライバ533aを介して、CPU部510から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは上部大入賞口36を開閉し、大入賞口ソレノイド28bは下部大入賞口38を開閉する。普電ソレノイド27は、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを開閉する。
特図/普図/遊技状態表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器42等から構成されている。遊技制御装置500は、特図/普図/遊技状態表示装置を制御するため信号を送信する。特図/普図/遊技状態表示装置を制御するための信号は、セグメントについてはポート531c及びドライバ533bを介して出力され、デジットについてはポート531d及びドライバ533cを介して出力される。なお、デジット線については、同期信号の入力を受け付けるように構成されている。
外部情報端子542は、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当たり状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート531e及びドライバ533dを介して出力される。
遊技制御装置500は、試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ201、第2始動口スイッチ202、ゲートスイッチ203、入賞口スイッチ204a〜204n、及びカウントスイッチ205からの信号や、大入賞口ソレノイド28a、28b及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な情報が入力される。
遊技制御装置500は、シュミット回路523を介して、電源装置300に接続する。シュミット回路523は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路523には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置300は、通常電源部310及びバックアップ電源部320を備える。
通常電源部310は、DC32Vの電源と、DC12Vの電源と、DC5Vの電源とから構成されている。DC32Vの電源は、各種ソレノイドを駆動させるための電源である。DC12Vの電源は、近接I/F521のIC、フォトカプラ534、特図/普図/遊技状態表示装置のLEDを駆動するためのドライバICに供給される電源である。DC5Vの電源は、電源モニタ用LEDの電源である。
バックアップ電源部320は、遊技用マイコン511のRAM511cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
通常電源部310は、停電監視回路を有しており、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出した電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、電源装置300から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路523を経由して、入力部520のポート522bに入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。電源装置300からのリセット信号は、シュミット回路523を経由して、遊技用マイコン511及び出力部530の各ポート531a〜531eに入力する。遊技制御装置500は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部510の動作を停止させる。
電源装置300は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態(操作された状態)となっている場合に、電源装置300から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路523を介して、入力部520のポート522bに入力する。
図19に示すように、演出制御装置400は、遊技制御装置500から送信された制御信号(主基板コマンド)等に基づいて変動表示装置35、枠装飾装置21及び枠演出装置22、演出装置100等から構成される盤装飾装置及び盤演出装置、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを制御する。演出制御装置400には、演出ボタン17が操作されたことを検出する演出ボタンスイッチ206と、演出装置100の回転部材130の回転位置を検出する回転位置検出スイッチ207とが接続する。
演出制御装置400は、遊技制御装置500と同様に、電源装置300から電力の供給を受ける。演出制御装置400に電力を供給する通常電源部310には、遊技制御装置500に電力を供給する電源のほか、DC18Vの電源及びNDC24Vの電源が含まれる。NDC24Vにおける“NDC”は、脈流(整流後の電圧であって且つ平滑化処理前の電圧)を表す。
演出制御装置400は遊技の結果(遊技価値の付与)に影響を及ぼすような情報が記憶されていないため、バックアップ電源部320からは電力が供給されない構成となっている。
なお、停電検出時には、電源装置300から演出制御装置400にリセット信号が出力される。
演出制御装置400は、CPU401、コマンドインターフェース(I/F)402、PROM403、CPU/VDP404、PROM/画像ROM405、VRAM406、信号変換回路407、音源LSI408、音声ROM409、アンプ回路410a、410b、各種制御回路411〜414、及びSW入力回路415を備える。
コマンドI/F402は、遊技制御装置500からの主基板コマンドの入力を受け付けるインターフェースである。主基板コマンドは、コマンドI/F402を介してCPU401に入力する。CPU401には、SW入力回路415を介して、演出ボタンスイッチ206及び回転位置検出スイッチ207からの信号が入力する。
CPU401は、遊技制御装置500からの制御信号等と、PROM403に格納された情報(プログラム、データ等)とに基づいて、視覚的な演出を行うCPU/VDP404、音声による演出を行う音源LSI408、各種制御回路411〜414に指示を送り、各種演出を実行する。CPU401は、遊技における演出制御に必要な情報を一時的に記憶するワークエリアとして利用されるRAM401aを備えている。
CPU401は、各種制御回路411〜414に制御信号を出力し、枠装飾装置21及び枠演出装置22、演出装置100等から構成される盤装飾装置及び盤演出装置を制御する。CPU401と各種制御回路411〜414とは、アドレスバス/データバスによって接続されている。
CPU/VDP404は、視覚的な演出を行うための演算装置であって、CPU401からの要求に応じて変動表示装置35を制御する。CPU/VDP404は、画像データ等が記憶されたPROM/画像ROM405と、画像処理に必要な情報を一時的に記憶するVRAM406とに接続する。CPU/VDP404は、RAM404a及びスケーラ404bを備える。RAM404aは、演出制御に必要な情報を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。スケーラ404bは、CPU/VDP404によって生成された1画素分の表示データを複数画素で共通に使用することによって表示データを拡大し、大画面の液晶パネルに画像を表示する。
CPU/VDP404は、信号変換回路407を介して変動表示装置35に画像信号を出力する。信号変換回路407は、変動表示装置35の仕様にあわせて信号を変換する。
CPU/VDP404は、CPU401及び信号変換回路407に対して同期信号(VSYNC、HSYNC)を出力する。これにより、音声等による演出と変動表示装置35における画像による演出との同期を取ることが可能になる。
音源LSI408は、CPU401からの要求に応じて、音声ROM409に記憶された音声データに基づいて効果音及び報知音等の音声信号を出力する。音源LSI408から出力された音声信号は、アンプ回路410a、410bによって増幅され、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから出力される。
次に、図20を参照して、演出制御装置400の動作状態について説明する。図20は、演出制御装置400の状態遷移図である。
電源装置300から演出制御装置400に電力が供給されると、演出制御装置400はコマンド入力待ち状態となる(S101)。
コマンド入力待ち状態で電源投入コマンド(cd)が入力されると、演出制御装置400は、RAM初期化処理を実行する(S102)。RAM初期化処理では、RAM401aの内容が初期化され、電源投入時に必要な処理が実行される。また、コマンド入力待ち状態で停電復旧コマンドが入力された場合には、演出制御装置400は停電復旧中状態となる(S103)。停電復旧中状態では、停電復旧に必要な処理が実行される。そして、RAM初期化処理及び停電復旧時処理の実行後、演出制御装置400は、メインコマンドからの入力を待つ待機状態に遷移し、入力されたメインコマンドに応じた処理を実行する(S104)。
客待ちデモコマンドが入力されると、演出制御装置400は、客待ち中状態となる(S105)。客待ち中状態では、演出制御装置400は、所定時間(例えば10分間)の間、他のコマンドが入力されたか否かを判定する。所定時間の間に他のコマンドが入力された場合には、演出制御装置400は入力された他のコマンドに対応する状態へ遷移する。これに対して、所定時間の間に他のコマンドが入力されなかった場合には、演出制御装置400は客待ちデモ中状態に遷移する(S106)。客待ちデモ中状態では、客待ちデモを変動表示装置35に表示する。
演出制御装置400にエンディングコマンドが入力されると、演出制御装置400はエンディング中状態に遷移し、大当たりが終了したことを示すエンディング画面を変動表示装置35に表示する(S107)。
演出制御装置400にインターバルコマンドが入力されると、演出制御装置400はインターバル中状態に遷移する(S108)。インターバル中状態では、大当たり中に上部大入賞口36や下部大入賞口38が閉じられるインターバル期間であることを変動表示装置35に表示する。
演出制御装置400にラウンド数コマンドが入力されると、演出制御装置400はラウンド中状態に遷移する(S109)。ラウンド中状態では、現在のラウンド数を変動表示装置35に表示する。
演出制御装置400にファンファーレコマンドが入力されると、演出制御装置400はファンファーレ中状態に遷移する(S110)。ファンファーレ中状態では、ファンファーレ音を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから出力する。
次に、変動パターンコマンド、先読み演出コマンド、及び飾り特図保留数コマンドが演出制御装置400に入力された場合について説明する。
変動パターンコマンドが入力されると、演出制御装置400は、図柄変動中状態に遷移する(S111)。図柄変動中状態では、変動パターンコマンドによって特定される変動時間の間、変動表示装置35で図柄を変動表示させるとともに演出装置100で遊技演出を実行させる。そして、変動パターンコマンドに含まれる変動時間が経過すると、演出制御装置400は、図柄確定中状態に遷移する(S112)。図柄確定中状態では、機種・図柄指定情報の図柄指定情報に基づいて、変動表示されていた図柄を停止する。図柄変動中状態S111及び図柄確定中状態S112において、先読み演出コマンド及び飾り特図保留数コマンドが入力されていると、先読み演出が実行される。
なお、電源が投入されている状態であっても、停電復旧コマンドが入力された場合には、演出制御装置400は停電復旧中状態に遷移する(S103)。そして、電源投入コマンドが入力された場合には、演出制御装置400はRAM初期化処理を実行する(S102)。
上記した演出制御装置400は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度の高さに応じて演出装置100を制御する。
図21(A)を参照して、演出制御装置400による演出装置100の制御について説明する。図21(A)は、遊技制御装置500から演出制御装置400に送信される変動パターンコマンドをテーブル化した情報設定テーブルの一例である。
演出制御装置400は、図21(A)の情報設定テーブルに示した変動パターンコマンドに基づいて、演出装置100の回転部材130及び表示部118の動作を制御するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bにおける予告音演出を制御する。
まず、変動表示装置35で実行される特図変動表示ゲームの結果がハズレとなる場合について説明する。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、3つの可変表示領域の図柄が全て異なる図柄となるノーマル変動の場合には、演出装置100での演出球による遊技演出及び上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されず、演出装置100の表示部118は消灯状態に設定される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、2つの可変表示領域の図柄が同じになるノーマルリーチ変動後にハズレとなる場合には、演出装置100での演出球による遊技演出及び上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されず、演出装置100の表示部118は消灯状態に設定される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、2つの可変表示領域の図柄が同じになるとともにリーチ状態が長く続くロングリーチ変動後にハズレとなる場合には、上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されないが、演出装置100の回転部材130が時計回りに回転駆動され(図15(A)〜図16(B)参照)、小演出球による遊技演出が実行される。また、演出装置100の表示部118には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当たり結果態様)となる期待度の高さに応じた数値が点灯表示される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、ロングリーチ変動よりも特別結果となる期待度の高いスペシャル(SP)1変動後にハズレとなる場合には、上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されないが、演出装置100の回転部材130が時計回りに回転駆動され、小演出球による遊技演出が実行される。また、演出装置100の表示部118には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度の高さに応じた数値が点灯表示される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、SP1リーチ変動よりも特別結果となる期待度の高いSP2変動後にハズレとなる場合には、演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転駆動され(図12(A)〜図13(B)参照)、大演出球による遊技演出が実行される。演出装置100の表示部118には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度の高さに応じた数値が点灯表示される。さらに、上下スピーカー10a、10bからは特別結果となる期待度に応じた予告音が報知される。
次に、特図変動表示ゲームの結果が大当たりとなる場合について説明する。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、ノーマルリーチ変動後に大当たりとなる場合には、演出装置100での演出球による遊技演出及び上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されず、演出装置100の表示部118は消灯状態に設定される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、ロングリーチ変動後に大当たりとなる場合には、上下スピーカー10a、10bでの予告音演出は実行されないが、演出装置100の回転部材130が時計回りに回転駆動され、小演出球による遊技演出が実行される。また、演出装置100の表示部118には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度の高さに応じた数値が点灯表示される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、SP1変動後に大当たりとなる場合には、演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転駆動され、大演出球による遊技演出が実行される。演出装置100の表示部118には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度の高さに応じた数値が点灯表示される。さらに、上下スピーカー10a、10bからは特別結果となる期待度に応じた予告音が報知される。
特図変動表示ゲームの変動パターンが、SP2変動後に大当たりとなる場合には、演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転駆動され、大演出球による遊技演出が実行される。上下スピーカー10a、10bからは特別結果となる期待度に応じた予告音が報知される。演出装置100の表示部118には、大当たりであることを報知するように”777”等の数値が点灯表示される。
なお、特図変動表示ゲームが大当たりとなる場合には、演出効果をより高めるために、表示部118における数値を点滅表示させるようにしてもよい。
図21(B)を参照して、SP1変動後に大当たりとなる場合における演出装置100及び上下スピーカー10a、10bの演出タイミングについて説明する。図21(B)は、演出装置100等による遊技演出のタイミングチャートの一例である。
第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ201がオンになり、変動表示装置35の表示部35aで特図変動表示ゲームが開始される。
特図変動表示ゲームの変動パターンがSP1変動後に大当たりとなる場合には、リーチ変動期間が開始するタイミングで、遊技制御装置500から図21(A)のFF03Hコマンドが演出制御装置400に送信される。このコマンドに基づいて演出制御装置400は、演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転するように(図12(A)〜図13(B)参照)、駆動モータ150を駆動させる。これと同時に、演出装置100の表示部118では特図変動表示ゲームに対する期待度に応じた数値が表示され、上下スピーカー10a、10bからは予告音が報知される。
回転部材130が反時計回りに回転し始めると回転位置検出スイッチ207がオフになり、回転部材130の大収容孔170の送出許容部171が球送出位置に達した時に回転位置検出スイッチ207がオンとなる。この時、大演出球が演出領域113に送出され、大演出球による遊技演出が行われる。特図変動表示ゲームのリーチ変動期間が終わるまでに、大演出球は回収通路124まで流下し、大演出球による遊技演出は終了する。
なお、変動表示ゲーム実行中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合には、今回の変動表示ゲーム終了後に変動表示ゲームを実行するように、演出制御装置400に保留記憶される。
以上により、第1実施形態における演出装置100によれば、下記の効果を得ることが可能となる。
演出装置100は、小演出球及び大演出球が流下する演出領域113を有するベース部材110と、ベース部材110の裏面に回転自在に配設される回転部材130と、を備える。回転部材130に形成される小収容孔180の送出許容部181及び送出規制部182の周方向の並び順は、大収容孔170の送出許容部171及び送出規制部172の周方向の並び順とは逆に設定されている。演出装置100の回転部材130が反時計回りに回転駆動されると、大演出及び小演出球は回転部材130によって、連通部173、183が大回収口117b、小回収口117aに臨む球回収位置から、送出許容部171、181が大送出口115b、小送出口115aに臨む球送出位置まで移送される。この移送過程で、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の一方の転動面173aを介して送出許容部171に移動し、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の一方の転動面183aを介して送出規制部182に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部171にある大演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。これに対して、回転部材130が時計回りに回転駆動されると、大演出及び小演出球は回転部材130によって球回収位置から球送出位置まで移送される。この移送過程で、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の他方の転動面183aを介して送出許容部181に移動し、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の他方の転動面173aを介して送出規制部172に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部181にある小演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。
このように演出装置100では、回転部材130の回転方向を変更することによって、大演出球による遊技演出と小演出球による遊技演出を選択的に実行するので、大きさが同じ演出球のみで遊技演出を行う従来の演出装置と比較して、演出効果を高めることが可能となる。
また、演出装置100では、回転部材130を駆動モータ150によって直接回転駆動するようにしたので、比較的簡素な構成で大演出球又は小演出球による遊技演出を実行することが可能となる。
演出装置100は変動表示ゲームの結果が特別結果となることに対する期待度に応じて回転部材130の回転方向が制御され、期待度が低い場合には小演出球が送出されるように回転部材130が時計回りに回転駆動され、期待度が高い場合には大演出球を送出されるように回転部材130が反時計回りに回転駆動される。したがって、演出装置100では、特別結果となる期待度に応じた遊技演出を実行することができ、遊技演出の演出効果をさらに高めることが可能となる。
(第2実施形態)
図22を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図22は、第2実施形態の演出装置100の分解斜視図である。
以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付する。
図22に示す第2実施形態の演出装置100においては、ベース部材110の裏面に回転自在に配設される回転部材130の構成が第1実施形態の回転部材の構成と異なっている。
図23〜図26を参照して、回転部材130の構成について説明する。図23(A)は回転部材130の分解斜視図であり、図23(B)は回転部材130の裏面斜視図である。図24(A)は回転部材130の前面斜視図であり、図24(B)は大収容孔170及び小収容孔180の拡大図である。図25(A)は回転部材130の縦断面図であり、図25(B)は回転部材130の横断面図である。図26(A)は前面カバー120の一部を省略した時の演出装置100の前面斜視図であり、図26(B)は演出装置100の縦断面図である。
図23(A)及び図24(A)に示すように、回転部材130は、前方円板部131が後方円板部132に組付けられた状態で大収容孔170と小収容孔180が形成されるように構成されている。大収容孔170は回転部材130に一対設けられ、これら大収容孔170は回転部材130の回転中心に対して点対称となるように設けられる。また、小収容孔180も回転部材130に一対設けられる。これら小収容孔180は、大収容孔170の近傍であって大収容孔170よりも回転部材130の外縁側に設けられるとともに、回転中心に対して点対称となるように設けられる。大収容孔170及び小収容孔180は、回転中心を径方向に通る線上に沿って直線的に配置されている。
図25(A)、図26(A)、及び図26(B)に示すように、大収容孔170の送出許容部171は、前方円板部131及び後方円板部132に形成される。大収容孔170の送出規制部172は、後方円板部132に形成される。送出許容部171と送出規制部172とは前後方向に並んで連設される。送出許容部171が大送出口115bに臨む場合に、送出許容部171の底部171aとなる面は、大演出球が演出領域113に移動可能なように前方に向かって下り傾斜する。また、送出規制部172が大送出口115bに臨む場合に、送出規制部172の底部172aとなる面には、大演出球が送出許容部171に移動するのを禁止するリブ174が突出形成される。
大収容孔170の連通部173は、送出許容部171及び送出規制部172よりも回転部材130の外縁側であって、前方円板部131及び後方円板部132の前後方向に亘って形成される。連通部173は、回転部材130の回転に伴って大演出球が送出許容部171及び送出規制部172の間で往来できるように、送出許容部171と送出規制部172とを連通する。
図25(A)、図26(A)、及び図26(B)に示すように、小収容孔180の送出許容部181は、前方円板部131に形成される。小収容孔180の送出規制部182は、後方円板部132に形成される。送出許容部181と送出規制部182とは前後方向に並んで連設される。送出許容部181が小送出口115aに臨む場合に、送出許容部181の底部181aとなる面は、小演出球が演出領域113に移動可能なように前方に向かって下り傾斜する。また、送出規制部182が小送出口115aに臨む場合に、送出規制部182の底部182aとなる面には、小演出球が送出許容部181に移動するのを禁止するリブ184が突出形成される。
小収容孔180の連通部183は、送出許容部181及び送出規制部182よりも回転部材130の外縁側であって、前方円板部131及び後方円板部132の前後方向に亘って形成される。連通部183は、回転部材130の回転に伴って小演出球が送出許容部181及び送出規制部182の間で往来できるように、送出許容部181と送出規制部182とを連通する。
なお、後方円板部132は、図23(B)に示すように、小収容孔180が形成される部分よりも大収容孔170が形成される部分が後方に突出するように構成されている。後方円板部132は、大収容孔170が形成される部分の裏面に一対の遮光部136を備えている。
図24(B)及び図25(B)に示すように、大収容孔170の連通部173及び小収容孔180の連通部183は、回転部材130の周方向において対向する一対の転動面173a及び一対の転動面183aを備える。
大収容孔170の連通部173の転動面173aは、前後方向(回転部材130の回転中心軸方向)に対して傾斜するように形成されている。図24(B)においては、連通部173の転動面173aは後方ほど前後方向に対して右側に傾斜する。
小収容孔180の連通部183の転動面183aは、前後方向(駆動モータ150の駆動軸151の延設方向)に対して傾斜するように形成されている。図24(B)においては、連通部183の転動面183aは後方ほど前後方向に対して左側に傾斜する。このように小収容孔180の連通部183の転動面183aの傾斜方向は、大収容孔170の連通部173の転動面173aの傾斜方向とは逆向きに設定されている。
したがって、図25(B)に示すように、大収容孔170及び小収容孔180が水平状態となる位置では、右側の小収容孔180の連通部183の転動面183aは前方に下り傾斜し、右側の大収容孔170の連通部173の転動面173aは後方に下り傾斜する。一方、左側の小収容孔180の連通部183の転動面183aは後方に下り傾斜し、左側の大収容孔170の連通部173の転動面173aは前方に下り傾斜する。
図27(A)及び図27(B)を参照して、小演出球送出時の演出装置100の動作について説明する。図27(A)及び図27(B)は、演出装置100の横断面図及び縦断面図である。なお、図27(A)及び図27(B)は、小演出球を演出領域113に送出後、再び小演出球を演出領域113に送出する場合を例示したものである。
小演出球を送出する場合、演出装置100の回転部材130は、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球を小送出口115aまで移送するように、反時計回りに180度回転駆動される。
図27(A)に示すように、小収容孔180及び大収容孔170が水平状態となる位置まで回転部材130が反時計回りに回転駆動されると、小送出口115aに向かって移送中の小演出球は、自重により連通部183の転動面183aを転動し、連通部183の前方に移動する。この時、大送出口115bに向かって移送中の大演出球は、自重により連通部173の転動面173aを転動し、連通部173の後方に移動する。大回収口117bに向かって移送中の大演出球は、自重により連通部173の転動面173aを転動し、連通部173の前方に移動する。
そして、図27(A)の状態よりも回転部材130が反時計回りに回転駆動されると、小送出口115aに向かって移送中の小演出球は、自重により連通部183の前方から送出許容部181に移動する。この時、大送出口115bに向かって移送中の大演出球は、自重により連通部173の後方から送出規制部172に移動する。大回収口117bに向かって移送中の大演出球は、連通部173に収容されたままである。
図27(B)に示すように、小演出球が小送出口115aまで移送されると、小演出球は、下り傾斜する送出許容部181の底部181aを転動し、小送出口115aを介して演出領域113に送出される。なお、前回送出されていた小演出球は、回収通路124の第2誘導路127を通り、小回収口117aを介して小収容孔180の連通部183に収容される。
小収容孔180の送出許容部181が小送出口115aに臨んでいる時には、大収容孔170の送出許容部171及び送出規制部172は大送出口115bに臨んでいる。しかしながら、大演出球は、送出規制部172に収容されているため、演出領域113に送出されることはない。
以上により、第2実施形態における演出装置100によれば、下記の効果を得ることが可能となる。
演出装置100は、小演出球及び大演出球が流下する演出領域113を有するベース部材110と、ベース部材110の裏面に回転自在に配設される回転部材130と、を備える。大収容孔170の連通部173の転動面173a及び小収容孔180の連通部183の転動面183aは前後方向に対して傾斜しており、小収容孔180の連通部183の転動面183aの傾斜方向は大収容孔170の連通部173の転動面173aの傾斜方向とは逆向きに設定されている。
小演出球送出時には、演出装置100の回転部材130は反時計回りに回転駆動される。このように回転部材130が回転駆動されると、大演出及び小演出球は回転部材130によって、連通部173、183が大回収口117b、小回収口117aに臨む球回収位置から、送出許容部171、181が大送出口115b、小送出口115aに臨む球送出位置まで移送される。この移送過程で、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の一方の転動面183aを介して連通部183の前方に移動し、その後連通部183から送出許容部181に移動し、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の一方の転動面173aを介して連通部173を後方に移動し、その後連通部173から送出規制部172に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部181にある小演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。これに対して、大演出球送出時には、演出装置100の回転部材130は時計回りに回転駆動される。このように回転部材130が回転駆動されると、球回収位置から球送出位置への大演出球及び小演出球の移送過程で、小収容孔180の連通部183に収容されている小演出球は連通部183の他方の転動面183aを介して連通部183を後方に移動し、その後連通部183から送出規制部182に移動し、大収容孔170の連通部173に収容されている大演出球は連通部173の他方の転動面173aを介して連通部173を前方に移動し、その後連通部173から送出許容部171に移動する。したがって、球送出位置において、送出許容部171にある大演出球のみが演出領域113に送出されることとなる。
このように演出装置100では、回転部材130の回転方向を変更することによって、大演出球による遊技演出と小演出球による遊技演出を選択的に実行することができ、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。