JP5271163B2 - マルチキャリヤ変調信号受信装置 - Google Patents

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本発明は、マルチキャリヤ変調信号受信装置に関し、特に、同期検出のための特殊な信号を挿入することなく、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出するマルチキャリヤ変調信号受信装置に関する。
デジタル放送や無線LANなどに用いるマルチキャリヤ変調方式には、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)がある。OFDMでは、マルチパスに対する耐性を得るために、ガードインターバル(GI:Guard Interval)またはサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)と呼ばれる期間を設けている。
一方、非特許文献1において、OFDMがトランスマルチプレクサの一種であることが指摘されている。図13は、一般的なトランスマルチプレクサの構成を示すブロック図である。このトランスマルチプレクサ100は、M個のインタポレータおよびM個の送信フィルタを備えた合成バンクと、M個の受信フィルタおよびM個のデシメータを備えた分析バンクとにより構成されている。合成バンクおよび分析バンクは、チャネル(伝送路)を介して接続される。
図14は、OFDMをトランスマルチプレクサとして表現したときの構成を示すブロック図である。図14から、OFDMは、プロトタイプフィルタのフィルタ係数が全て1であり、かつフィルタ長がサブチャネル数と一致するDFT変調トランスマルチプレクサであることがわかる。このことは、OFDMのパルス形成フィルタが矩形窓関数を用いていることからも明らかである。
しかし、このOFDMのプロトタイプフィルタは、第1サイドローブレベルが約−13dBであり、周波数特性が劣悪である。これに対応するため、GIを設定することにより、シンボル間干渉およびキャリヤ干渉の発生を抑制し、チャネル等化を行う必要がある。非特許文献1では、より理想的な周波数分割多重を行うことにより、チャネル(伝送路)の影響をより軽減できることが指摘されている。
ところで、DFT変調フィルタバンク(DFT変調トランスマルチプレクサの分析バンクと合成バンクが双対になって構成されたシステム)は、サブチャネル数を2のべき乗とすれば、分析および合成のために、FFT(Fast Fourier Transform)対を用いることができることから、実用面で有用であることが知られている。
非特許文献2には、DFT変調フィルタバンクのデシメーションを2段階にして修正を行うことにより、擬似的に完全再構成条件を満足することが示されている。すなわち、出力信号が入力信号の時間遅れの定数倍とほぼ等しくなることが示されている。
図15は、修正DFT変調合成バンクの構成を示すブロック図であり、図16は、修正DFT変調分析バンクの構成を示すブロック図である。図15において、修正DFT変調合成バンク101は、M個のサブチャネル信号を入力し、サブチャネル信号の実部成分および虚部成分を抽出してそれぞれ第1段階目のインタポレーションを行い、遅延させた実部成分と虚部成分とを合成する。そして、その合成信号に対して第2段階目のインタポレーションを行ってフィルタ処理を施し、全てのサブチャネル信号を合成して等価ベースバンド信号として出力する。図16において、修正DFT変調分析バンク102は、等価ベースバンド信号を入力し、M個の等価ベースバンド信号に分岐させ、それぞれフィルタ処理を施して第1段階目のデシメーションを行い、実部成分および遅延させた虚部成分に対して第2段階目のデシメーションを行い、実部成分と虚部成分とを合成してそれぞれM個のサブチャネル信号として出力する。
図15に示した修正DFT変調合成バンク101および図16に示した修正DFT変調分析バンク102をマルチキャリヤ変調方式の観点で見ると、修正DFT変調合成バンク101が変調器となり、修正DFT変調分析バンク102が復調器となる。すなわち、送受信端でそれぞれ修正DFT変調合成バンク101および修正DFT変調分析バンク102を用いることにより、マルチキャリヤ変調方式による信号伝送を実現することができる。この場合、サブチャネル数よりも長いフィルタ長のプロトタイプフィルタを用いることができるため、より良好な周波数特性を実現することができる。
ところで、マルチキャリヤ変調信号受信装置において、修正DFT変調合成バンク101により出力されたマルチキャリヤ変調信号を受信し、復調するためには、シンボルタイミングを検出し、適切なタイミングで受信信号を修正DFT変調分析バンク102へ入力し、1シンボル毎のブロック変換処理を行う必要がある。また、マルチキャリヤ変調信号送信装置とマルチキャリヤ変調信号受信装置との間で周波数オフセットが存在する場合には、受信特性に劣化を生じさせないようにするため、受信側で周波数オフセットを推定し、補正する必要がある。
従来のサイクリックプレフィックスOFDM方式の場合、マルチパスに対する耐性を得るために付加されているGIの自己相関性を利用した同期検出方法が広く用いられている。例えば、特許文献1には、シンボル同期およびキャリヤ同期を行うことが可能なOFDM同期復調回路が記載されている。
一方、修正DFT変調合成バンク101によりマルチキャリヤ変調された信号は基底関数が重複しているという点で、従来のOFDM方式による信号と異なっている。したがって、修正DFT変調合成バンク101によりマルチキャリヤ変調された信号は、GIを付加することなく、マルチパスに対する耐性が得られるという利点がある。しかしながら、従来のOFDM方式における同期検出方法を用いることができないという問題がある。
また、一般に同期検出を行うためには、非特許文献3に記載されているように、同期検出用の基準信号を送信する方法が用いられることがある。しかしながら、同期検出のための特殊な基準信号を送信することは、周波数利用効率を低下させるという問題がある。
特許第3074103号公報
Ali N.Akansu, Pierre Duhamel, Xueming Lin, and Marc de Courville.、"Orthogonal transmultiplexers in communications:A review."、IEEE Trans.Signal Process. 46(4):979-995,April 1998. Tanja Karp and N.J. Fliege.、"Modified DFT filter banks with perfect reconstruction."、IEEE Trans.Circuits and Syst. II,46(11):1404-1414,November 1999. Timothy M. Schmidl and Donald C. Cox.、"Robust frequency and timing synchronization for OFDM."、IEEE Trans.Commun. 45(12):1613-1621,December 1997.
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、同期検出のための特殊な信号を用いることなく、受信したマルチキャリヤ変調信号の最適なシンボルタイミング位置および周波数オフセットを検出可能なマルチキャリヤ変調信号受信装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、前記同期検出部が、等価ベースバンド信号に含まれる所定のサブキャリヤ位置に配置されたチャネル等化のために用いるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出し、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記シンボル間位相回転量から1フレーム当たりの位相回転数を算出し、前記1フレーム当たりの位相回転数に最も近い整数値を求めて第1のフレーム間位相回転量を算出し、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いて第2のフレーム間位相回転量を検出し、前記第1のフレーム間位相回転量と前記第2のフレーム間位相回転量とを加算して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出することを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、前記同期検出部が、前記等価ベースバンド信号に含まれる所定のサブキャリヤ位置に配置されたチャネル等化のために用いるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、前記同期検出部が、等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するための構成部として、前記等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備え、さらに、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出し、前記同期検出部の同期加算部が、1フレーム当たりのシンボル数をN、およびキャリヤ数をMとして、第1の同期加算用遅延器と、同期加算用デシメータと、第1の同期加算用乗算器と、第1の同期加算用加算器と、第2の同期期加算用遅延器と、第2の同期加算用乗算器と、MN個の同期加算用インタポレータと、第3の同期加算用遅延器と、第2の同期加算用加算器とを備え、前記第1の同期加算用遅延器が、前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を1サンプルずつ遅延させ、前記同期加算用デシメータが、前記相関信号の絶対値、および前記第1の同期加算用遅延器により1〜MN−1サンプル遅延したそれぞれの相関信号の絶対値を、前記MNを比とした間引き処理を行い、前記第1の同期加算用乗算器が、前記同期加算用デシメータにより間引き処理されたそれぞれの相関信号の絶対値に、所定の定数を乗算し、前記第2の同期加算用遅延器が、前記第1の同期加算用加算器により出力される加算信号を1サンプル遅延させ、前記第2の同期加算用乗算器が、前記第2の同期加算用遅延器により1サンプル遅延した信号に、所定の定数を乗算し、前記第1の同期加算用加算器が、前記第1の同期加算用乗算器による乗算結果と、前記第2の同期加算用乗算器による乗算結果とを加算し、加算信号を出力し、前記同期加算用インタポレータが、前記第1の同期加算用加算器により出力された加算信号を、前記MNを比としてインタポレーションを行い、前記第3の同期加算用遅延器が、前記同期加算用インタポレータによりインタポレーションされた信号をMN−1〜1サンプル遅延させ、前記第2の同期加算用加算器が、前記第3の同期加算用遅延器によりMN−1〜1サンプル遅延した信号をそれぞれ加算することを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、前記同期検出部が、等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するための構成部として、前記等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備え、さらに、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行う構成部として、前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を、1シンボル毎にフィルタ係数に設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第2のマッチドフィルタと、前記第2のマッチドフィルタにより出力された相関信号に対し、キャリヤ数Mを比とした間引き処理を行う第1のデシメータと、前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号を、1シンボル遅延させる第1の遅延器と、前記第1の遅延器により1シンボル遅延した相関信号の複素共役値を算出する第1の複素共役部と、前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号に、前記第1の複素共役部により算出された相関信号の複素共役値を乗算し、相関信号のシンボル間差分信号を出力する第1の乗算器と、前記第1の乗算器により出力された相関信号のシンボル間差分信号にフィルタ処理を行う第1のLPF(ローパスフィルタ)と、前記第1のLPFによりフィルタ処理された相関信号のシンボル間差分信号に基づいて、シンボル間位相回転量を算出し、周波数オフセットの粗推定を行う第1の位相算出部と、を備え、さらに、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出することを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、前記同期検出部が、キャリヤ数をMとして、前記第2のマッチドフィルタおよび第1のデシメータの代わりに、前記等価ベースバンド信号を1サンプルずつ遅延させるM−1個の第2の遅延器と、前記等価ベースバンド信号、および前記第2の遅延器により1〜M−1サンプル遅延したそれぞれの等価ベースバンド信号に対し、前記Mを比とした間引き処理を行うM個の第2のデシメータと、前記第2のデシメータにより間引き処理されたそれぞれの信号に、前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を乗算するM個の第2の乗算器と、前記第2の乗算器により乗算された信号をそれぞれ加算し、前記第1の遅延器および第1のLPFに出力する第1の加算器と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、前記同期検出部が、前記第1のマッチドフィルタおよび前記第2のマッチドフィルタの代わりに、前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を、1シンボル毎にフィルタ係数に設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を、前記絶対値算出部および前記第1のデシメータに出力する第3のマッチドフィルタ、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、前記同期検出部が、前記第1の位相算出部により算出されたシンボル間位相回転量に、1フレーム当たりのシンボル数Nを2πで割った定数を乗算し、フレーム間位相回転数を算出する第3の乗算器と、前記第3の乗算器により算出されたフレーム間位相回転数に対し、最も近い整数値を求める整数化部と、前記整数化部により求めたフレーム間位相回転数の整数値に定数2πを乗算し、フレーム間位相回転量を算出する第4の乗算器と、前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号、または、前記第1の加算器により加算された信号を、1フレーム遅延させる第3の遅延器と、前記第3の遅延器により1フレーム遅延した信号の複素共役値を算出する第2の複素共役部と、前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号、または、前記第1の加算器により加算された信号に、前記第2の複素共役部により算出された信号の複素共役値を乗算し、相関信号のフレーム間差分信号を出力する第5の乗算器と、前記第5の乗算器により出力された相関信号のフレーム間差分信号にフィルタ処理を行う第2のLPFと、前記第2のLPFによりフィルタ処理された相関信号のフレーム間差分信号に基づいて、フレーム間位相回転量を算出する第2の位相算出部と、前記第4の乗算器により算出されたフレーム間位相回転量と、前記第2の位相算出部により算出されたフレーム間位相回転量とを加算し、周波数オフセットの精密推定を行う第2の加算器と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、前記同期検出部が、等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出し、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出し、前記復調部が、前記周波数オフセットが補正され、前記シンボルタイミングが遅延した等価ベースバンド信号を入力し、2段階のデシメーションを行い、キャリヤ数をMとして、最大間引きレートMの2倍のレートで前記等価ベースバンド信号を周波数領域信号に変換し、実部成分および虚部成分のサブチャネル信号を出力する分析バンクと、前記分析バンクにより出力されたサブチャネル信号を線形等化し、等化後のキャリヤシンボルを出力する線形等化器と、前記線形等化器により出力された等化後のキャリヤシンボルをデマッピングし、パラレル信号に変換するデマッピング部と、前記デマッピング部により変換されたパラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明によるマルチキャリヤ変調信号受信装置は、前記AFC部が、前記同期検出部により検出された周波数オフセットに基づいて、振幅が1であって、1サンプル毎に符号が逆の位相回転が加わる補正値を算出する数値制御発振器と、前記等価ベースバンド信号に、前記数値制御発振器により算出された補正値を乗算する第6の乗算器と、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、パイロット信号のみを変調して得られる基準信号と受信信号との相関を示す信号(相関信号)を生成し、その絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するようにした。また、シンボルタイミングに同期した基準信号と受信信号との相関を示す信号(相関信号)を生成し、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行うようにした。また、相関信号を用い、フレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行うようにした。これにより、同期検出のための特殊な信号を用いることなく、受信したマルチキャリヤ変調信号の最適なシンボルタイミング位置および周波数オフセットを検出することができる。
本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。 同期検出部の第1の構成を示すブロック図である。 同期検出部に含まれる同期加算部の構成を示すブロック図である。 同期検出部の第2の構成を示すブロック図である。 同期検出部の第3の構成を示すブロック図である。 AFC部の構成を示すブロック図である。 復調部の構成を示すブロック図である。 復調部に含まれる分析バンクの第1の構成を示すブロック図である。 図8のサブチャネル処理部の構成を示すブロック図である。 復調部に含まれる分析バンクの第2の構成を示すブロック図である。 図10のポリフェーズ分析バンクの構成を示すブロック図である。 図10のサブチャネル処理部の構成を示すブロック図である。 一般的なトランスマルチプレクサの構成を示すブロック図である。 OFDMをトランスマルチプレクサとして表現したときの構成を示すブロック図である。 修正DFT変調合成バンクの構成を示すブロック図である。 修正DFT変調分析バンクの構成を示すブロック図である。 計算機シミュレーションにより求めた、マルチパス環境における受信信号の周波数オフセットおよびその推定値の関係を示す図である。 計算機シミュレーションにより求めた、周波数オフセットがある場合のマルチパス環境におけるBER(Bit Error Rate)特性を示す図である。 周波数領域におけるパイロット信号の配置を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔マルチキャリヤ変調信号受信装置〕
まず、マルチキャリヤ変調信号受信装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置の構成を示すブロック図である。このマルチキャリヤ変調信号受信装置1は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、同期検出部5、自動周波数制御(AFC:Automatic Frequency Control)部6、遅延器7および復調部8を備えている.
周波数変換部2は、マルチキャリヤ変調信号受信装置1が受信アンテナを介して受信した信号を入力し、その受信信号をIF信号に周波数変換する。周波数変換部2の出力するIF信号はA/D変換部3へ入力される。A/D変換部3は、周波数変換部2から入力されるIF信号(アナログIF信号)をデジタルIF信号にA/D変換する。A/D変換部3の出力するデジタルIF信号は直交復調部4へ入力される。直交復調部4は、A/D変換部3から入力されるデジタルIF信号を等価ベースバンド信号に直交復調する。直交復調部4の出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が同期検出部5へ、他方がAFC部6へそれぞれ入力される。
同期検出部5は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号から同期情報を検出する。すなわち、周波数オフセット(推定値)、シンボルタイミング(推定値)およびシンボル番号を検出する。同期検出部5の出力する周波数オフセット(推定値)はAFC部6へ入力され、シンボルタイミング(推定値)は遅延器7へ入力され、シンボル番号は復調部8へ入力される。
AFC部6は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号の周波数オフセットを、同期検出部5から入力される周波数オフセット(推定値)に基づいて補正する。AFC部6の出力する等価ベースバンド信号は遅延器7へ入力される。
遅延器7は、AFC部6から入力される等価ベースバンド信号を、同期検出部5から入力されるシンボルタイミング(推定値)に基づいて遅延させる。遅延器7の出力する等価ベースバンド信号は復調部8へ入力される。
復調部8は、遅延器7から入力される等価ベースバンド信号に対し、同期検出部5から入力されるシンボル番号にしたがって復調処理を行い、ビット列の信号を外部へ出力する。このように、マルチキャリヤ変調信号受信装置1は、受信信号を入力して周波数変換部2から復調部8までの各種処理を行い、ビット列の信号を外部へ出力する。
〔同期検出部/実施例1〕
次に、図1に示した同期検出部5について説明する。図2は、同期検出部5の第1の構成(実施例1)を示すブロック図である。この実施例1の同期検出部5−1は、マッチドフィルタ71、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、マッチドフィルタ75、デシメータ76、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF(Low Pass Filter)80−1,80−2、位相算出部(arg)81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている。
同期検出部5−1は、後述するように、パイロット信号を用いてシンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する。図19は、周波数領域において、チャネル等化のために用いる基準信号であるパイロット信号の配置を示す図である。図19に示すように、パイロット信号は、同一サブキャリヤにおいてはNシンボル毎に伝送され、また、パイロット信号の配置は、Nシンボル(1フレーム)周期であるとする。一般に、パイロット信号は、同期検出のための信号ではなく、チャネル等化のための基準信号である。本発明の実施形態においては、同期検出のための専用の信号を用いるのではなく、チャネル等化のための基準信号を用いて同期検出を行う。後述する同期検出部5−2,5−3についても同様である。以下、キャリヤ数をM、1フレーム当たりのシンボル数をNとする。
(シンボルタイミングの検出処理)
直交復調部4からの等価ベースバンド信号は2分配され、一方がマッチドフィルタ71へ、他方がマッチドフィルタ75へそれぞれ入力される。マッチドフィルタ71は、シンボル番号0におけるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を、シンボル番号0のパイロット信号の配置が反映されたフィルタ長Mのフィルタ係数に予め設定し、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号をフィルタ処理し、相関信号を出力する。マッチドフィルタ71の出力する相関信号は絶対値算出部72へ入力される。絶対値算出部72は、マッチドフィルタ71から入力される相関信号の絶対値を算出する。絶対値算出部72の出力する相関信号の絶対値は同期加算部73へ入力される。
同期加算部73は、絶対値算出部72から入力される相関信号の絶対値を同期加算する。同期加算部73の出力する、同期加算した相関信号の絶対値は、ピーク検出部74へ入力される。
図3は、同期加算部73の構成を示すブロック図である。この同期加算部73は、遅延器731−1〜731−(MN−1)、デシメータ732−0〜732−(MN−1)、乗算器733−0〜733−(MN−1),加算器734−0〜734−(MN−1)、遅延器735−0〜735−(MN−1)、乗算器736−0〜736−(MN−1)、インタポレータ737−0〜737−(MN−1)、遅延器738−0〜738−(MN−1)および加算器739−0〜739−(MN−2)を備えている。
絶対値算出部72からの相関信号の絶対値は2分配され、デシメータ732−0および遅延器731−1へそれぞれ入力される。遅延器731−1は、絶対値算出部72から入力される相関信号の絶対値を1サンプル遅延させて出力する。遅延器731−1の出力する相関信号の絶対値は2分配され、一方が遅延器731−2へ、他方がデシメータ732−1へそれぞれ入力される。
同様に、遅延器731−k(2≦k<MN−1)は、遅延器731−(k−1)から入力される相関信号の絶対値を1サンプル遅延させて出力する。遅延器731−kの出力する相関信号の絶対値は2分配され、一方が遅延器731−(k+1)へ、他方がデシメータ732−kへそれぞれ入力される。
遅延器731−(MN−1)は、遅延器731−(MN−2)から入力される相関信号の絶対値を1サンプル遅延させて出力する。遅延器731−(MN−1)の出力する相関信号の絶対値はデシメータ732−(MN−1)へ入力される。
デシメータ732−k(0≦k≦MN−1)は、入力した相関信号の絶対値に比M(キャリヤ数である変換サイズM)×Nのデシメーション(間引き)を行い出力する。デシメータ732−kの出力する信号は乗算器733−kへそれぞれ入力される。
乗算器733−k(0≦k≦MN−1)は、デシメータ732−kから入力される信号にαを乗算して出力する。ここで、αは0に近い正の定数である。乗算器733−kの出力する信号は加算器734−kへ入力される。加算器734−k(0≦k≦MN−1)は、乗算器733−kから入力される信号と、後述する乗算器736−kから入力される信号とを加算して出力する。加算器734−kの出力する信号は2分配され、一方がインタポレータ737−kへ、他方が遅延器735−kへそれぞれ入力される。
遅延器735−k(0≦k≦MN−1)は、加算器734−kから入力される信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器735−kの出力する信号は乗算器736−kへ入力される。乗算器736−k(0≦k≦MN−1)は、遅延器735−kから入力される信号に1−αを乗算して出力する。乗算器736−kの出力する信号は加算器734−kへ入力される。
インタポレータ737−k(0≦k≦MN−1)は、加算器734−kから入力される信号に比M(キャリヤ数である変換サイズM)×Nのインタポレーションを行い出力する。インタポレータ737−k(0≦k≦MN−2)の出力する信号は加算器739−kへそれぞれ入力される。また、インタポレータ737−(MN−1)の出力する信号は遅延器738−(MN−1)へ入力される。
遅延器738−(MN−1)は、インタポレータ737−(MN−1)から入力した信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器738−(MN−1)の出力する信号は加算器739−(MN−2)へ入力される。
同様に、遅延器738−k((MN−2)≧k≧1)は、加算器739−kから入力される信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器738−kの出力する信号は加算器739−(k−1)へ入力される。
加算器739−k((MN−2)≧k≧0)は、遅延器738−(k+1)から入力される信号と、インタポレータ737−kから入力される信号とを加算して出力する。加算器739−k((MN−2)≧k≧1)の出力する信号は遅延器738−kへ入力される。加算器739−0の出力する信号はピーク検出部74へ入力される。
このように、同期加算部73は、相関信号の絶対値を、MNサンプル毎に同期加算し、その結果をピーク検出部74に出力する。ここで、同期加算部73の出力する加算結果は、MNサンプルのうちの、マッチドフィルタ71に設定されている基準信号であるシンボル番号0のパイロット信号に合致する位置で大きいピーク値となり、その位置が1フレーム内のシンボル同期位置となる。そして、ピーク検出部74は、ピーク値を検出することにより、1フレーム内のシンボル同期位置を特定し、そのシンボル同期位置に基づいて、1フレームを構成するNシンボルにおけるシンボル毎のシンボルタイミングを推定することができる。
図2に戻って、ピーク検出部74は、同期加算部73から入力される、同期加算された相関信号の絶対値について、その絶対値が最大となる時間位置のインデックスをシンボルタイミングとして出力すると共に、マッチドフィルタ71に設定されている基準信号の複素共役値に相当するシンボルのシンボル番号0を出力する。そして、ピーク検出部74は、Mサンプル毎にシンボルタイミングを出力すると共に、シンボル番号を加算して更新することにより、シンボル番号1〜(N−1)を順番に出力する。ピーク検出部74の出力するシンボルタイミングは2分配され、一方がマッチドフィルタ75に、他方が遅延器7へそれぞれ入力される。また、ピーク検出部74の出力するシンボル番号は2分配され、マッチドフィルタ75および復調部8へ入力される。
(周波数オフセットの検出処理)
マッチドフィルタ75は、ピーク検出部74から入力されるシンボルタイミングに同期して、ピーク検出部74から入力されるシンボル番号に応じた位置のパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数に設定し、1シンボル毎にフィルタ係数を更新する。また、マッチドフィルタ75は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号を、設定したフィルタ係数によりフィルタ処理し、相関信号を出力する。マッチドフィルタ75の出力する相関信号はデシメータ76へ入力される。
デシメータ76は、マッチドフィルタ75から入力される相関信号に比M(キャリヤ数である変換サイズM)のデシメーション(間引き)を行い、相関信号を出力する。デシメータ76の出力する相関信号は4分配され、乗算器79−1,79−2および遅延器77−1,77−2へそれぞれ入力される。
遅延器77−1は、デシメータ76から入力される相関信号を、間引き後の1サンプル(1シンボル、すなわち間引き前のMサンプル)遅延させて複素共役部78−1に出力する。複素共役部78−1は、遅延器77−1から入力される、1サンプル遅延した相関信号の複素共役値を算出し、乗算器79−1に出力する。乗算器79−1は、デシメータ76から入力される相関信号に、複素共役部78−1から入力される相関信号の複素共役値を乗算し、相関信号のシンボル間差分信号を求める。乗算器79−1の出力する相関信号のシンボル間差分信号はLPF80−1へ入力される。
LPF80−1は、乗算器79−1から入力されるシンボル間差分信号を時間方向に平滑化(平均化)する。LPF80−1の出力するシンボル間差分信号は位相算出部81−1へ入力される。
位相算出部81−1は、LPF80−1から入力されるシンボル間差分信号の位相を算出し、シンボル間位相回転量を求める。位相算出部81−1の出力するシンボル間位相回転量は、周波数オフセットの粗推定の結果として、乗算器82へ入力される。
乗算器82は、位相算出部81−1から入力されるシンボル間位相回転量に、1フレーム当たりのシンボル数Nを2πで割った定数を乗算し、1フレーム当たりの位相回転数を求める。乗算器82の出力する1フレーム当たりの位相回転数は整数化部83へ入力される。
整数化部83は、乗算器82から入力される1フレーム当たりの位相回転数を、その位相回転数に最も近い整数値に丸める。整数化部83の出力する整数値は乗算器84へ入力される。
乗算器84は、整数化部83から入力される、1フレーム当たりの位相回転数に最も近い整数値に2πを乗算し、1フレーム当たりの位相回転量(フレーム間位相回転量)を求める。乗算器84の出力するフレーム間位相回転量は加算器85へ入力される。
遅延器77−2は、デシメータ76から入力される相関信号を、間引き後のNサンプル(N=Nサンプル、1フレーム、すなわち間引き前のN×Mサンプル)遅延させて複素共役部78−2に出力する。複素共役部78−2は、遅延器77−2から入力される、1フレーム遅延した相関信号の複素共役値を算出し、乗算器79−2に出力する。乗算器79−2は、デシメータ76から入力される相関信号に、複素共役部78−2から入力される相関信号の複素共役値を乗算し、相関信号のフレーム間差分信号を求める。乗算器79−2の出力する相関信号のフレーム間差分信号はLPF80−2へ入力される。
LPF80−2は、乗算器79−2から入力されるフレーム間差分信号を時間方向に平滑化(平均化)する。LPF80−2の出力するフレーム間差分信号は位相算出部81−2へ入力される。
位相算出部81−2は、LPF80−2から入力されるフレーム間差分信号の位相を算出し、フレーム間位相回転量を求める。位相算出部81−2の出力するフレーム間位相回転量は加算器85へ入力される。
加算器85は、乗算器84から入力されるフレーム間位相回転量と位相算出部81−2から入力されるフレーム間位相回転量とを加算する。加算器85の出力する加算結果のフレーム間位相回転量は、周波数オフセットの精密推定の結果として、乗算器86へ入力される。
乗算器86は、加算器85から入力されるフレーム間位相回転量に、2πと1フレーム当たりのシンボル数Nとの乗算結果の逆数を乗算し、シンボル当たりの位相回転量を求める。乗算器86の出力するシンボル当たりの位相回転量は、周波数オフセットとしてAFC部6へ入力される。
尚、図2では、説明を簡単にするために、乗算器86は、加算器85から入力されるフレーム間位相回転量に、1フレーム当たりのサンプル数(N×M)の逆数を乗算し、1サンプルの単位時間当たりの位相回転量を求めている。乗算器86の出力する1サンプルの単位時間当たりの位相回転量は、周波数オフセットとしてAFC部6へ入力される。これは、シンボル当たりの位相回転量に、2πとシンボル長との乗算結果の逆数を乗算したものが周波数オフセットであり、1サンプルの単位時間当たりの位相回転量が周波数オフセットと等価になるからである。
(シンボルタイミングの検出処理の詳細)
次に、シンボルタイミングの検出について、数式を用いて詳細に説明する。前述のとおり、同期検出部5−1のマッチドフィルタ71、絶対値算出部72、同期加算部73およびピーク検出部74により、シンボルタイミングが検出される。
マルチキャリヤ変調信号送信装置から伝送される周波数領域信号であるキャリヤシンボルのうち、パイロット信号からなる集合をSとする。このパイロット信号は、マルチキャリヤ変調信号受信装置1においてチャネル等化のために用いる基準信号である。図15に示した修正DFT変調合成バンク101によってパイロット信号のみを変調すると、以下の基準信号r(t)が得られる。
Figure 0005271163
ここで、fは、合成バンクのk番目のフィルタ係数を示す。
シンボルタイミングのメトリックP(d)は、受信信号x(n)と式(1)に示した基準信号r(t)との間の相関により、相関信号として、以下のように定められる。
Figure 0005271163
ここで、r(t)は基準信号r(t)の複素共役値を、tは0≦t<Mを満たすシンボルタイミングからのオフセットを、Tはマッチドフィルタ71のフィルタ長を、Mはトランスマルチプレクサの変換サイズを示す。特に、マルチパスによる受信信号のシンボル間での重なりに対する耐性を得るためには、0<T≦Mを満たすことが望ましい。
図2に示したマッチドフィルタ71には、式(1)に示した基準信号r(t)の複素共役値r(t)がフィルタ係数として与えられる。そして、式(2)に示したシンボルタイミングのメトリックである相関信号P(d)は、受信信号x(n)の等価ベースバンド信号をマッチドフィルタ71に入力することにより求めることができる。
また、伝送シンボルsが適切なインターリーブ処理などにより、充分に白色であると仮定すると、式(2)に示したシンボルタイミングのメトリックである相関信号P(d)は、適切なシンボルタイミングで最大値になるから、以下の式により、シンボルタイミングdが推定される。
Figure 0005271163
ここで、argは|E[P(d)]|が最大となるdを演算する関数、E[・]は期待値演算の関数を示す。図3に示したように、同期加算部73において、M×Nサンプル毎、すなわち1フレーム毎の同期加算を行い、ピーク検出部74において同期加算の結果の最大値を検出することにより、シンボルタイミングを推定することができる。
このように、同期検出部5−1のマッチドフィルタ71、絶対値算出部72、同期加算部73およびピーク検出部74により、シンボルタイミングが検出される。
(周波数オフセットの検出/粗推定処理の詳細)
次に、周波数オフセットの検出について、数式を用いて詳細に説明する。前述のとおり、同期検出部5−1のマッチドフィルタ75、デシメータ76、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82、整数化部83、乗算器84、加算器85および乗算器86により、周波数オフセットが検出される。このうち、位相算出部81−1により、周波数オフセットの粗推定の結果として、シンボル間位相回転量が出力される。以下、周波数オフセットの粗推定について、数式を用いて詳細に説明する。
図2に示したマッチドフィルタ75には、式(3)により得られるシンボルタイミングdに同期して、シンボル番号に応じてパイロット信号の位置が反映された基準信号r(t)の複素共役値r(t)がフィルタ係数として与えられる。ここで、受信信号x(t)に、以下の式に示す周波数オフセットΔfが存在するものとする。
Figure 0005271163
このとき、式(2)に示した、受信信号x(n)と基準信号r(t)との間の相関信号(相関係数)P(d)にも、同様の周波数オフセットによる位相回転が加わる。
Figure 0005271163
ここで、dはn番目のシンボルタイミングを示す。したがって、シンボル間において式(5)に示した相関信号の位相差を以下の式を用いて求めることにより、周波数オフセットΔfによるシンボル間位相回転量φを検出することができる。
Figure 0005271163
ここで、Tはシンボル長を、argは偏角を表す関数を示す。
式(5)に示した、受信信号x(n)とパイロット信号のみを変調した基準信号r(t)との間の相関信号は、シンボル間でパイロット信号が伝送されるサブキャリヤまたはキャリヤシンボルが異なる場合、信号が理想的な伝送路を通過したとしても、シンボル間では厳密に等しくならない。すなわち、式(6)によって得られる相関信号は、以下の式により表される。
Figure 0005271163
但し、aは1に近い実数であり、
Figure 0005271163
は0に近い実数である。したがって、式(6)によって得られる相関信号のシンボル間位相回転量(周波数オフセットΔfによるシンボル間位相回転量)φは、以下の式により表される。
Figure 0005271163
このように、周波数オフセットΔfによるシンボル間位相回転量φには、検出手法による誤差
Figure 0005271163
が含まれる。
このように、同期検出部5−1のマッチドフィルタ75、デシメータ76、遅延器77−1、複素共役部78−1、乗算器79−1、LPF80−1および位相算出部81−1により、周波数オフセットの粗推定の結果として、シンボル間位相回転量φが推定される。
(周波数オフセットの検出/精密推定処理の詳細)
次に、周波数オフセットの精密推定について、数式を用いて詳細に説明する。前述のとおり、加算器85により、周波数オフセットの精密推定の結果として、フレーム間位相回転量が出力される。
伝送シンボルsが充分に白色であると仮定すると、同一のサブキャリヤかつ同一のキャリヤシンボルのパイロット信号が伝送されるフレーム間において、式(2)に示した相関信号は等しくなる。すなわち、以下の式により表される。
Figure 0005271163
したがって、フレーム間において式(9)に示した相関信号の位相差を求め、以下の式により、周波数オフセットΔfによるフレーム間位相回転量φを検出することができる。
Figure 0005271163
ところで、一般に、偏角は−π〜+πの範囲で定義されるため、絶対値がπ以上の位相差については、2πのあいまいさが存在する。キャリヤ間隔fは、以下の式で表される
Figure 0005271163
このため、式(6)に示したシンボル間位相回転量φでは誤差を含むものの、以下の式のように、f/2までの周波数オフセットΔfを検出することができる。
Figure 0005271163
一方、式(10)に示したフレーム間位相回転量φは精確ではあるものの、以下の式のように、f/2Nまでの周波数オフセットΔfしか検出することができない。
Figure 0005271163
一般に、シンボル間位相回転量φとフレーム間位相回転量φと間の関係は、以下の式により表される。
Figure 0005271163
そして、以下の式を用いてフレーム間位相回転量を求めることにより、精密な周波数オフセットを推定することができる。
Figure 0005271163
ここで、int(・)は整数への丸めの演算を示す。右辺の第1項φは、式(10)により算出されたフレーム間位相回転量であり、第2項は、式(6)により算出された粗推定のシンボル間位相回転量をフレーム間位相回転量に変換したものである。
このように、同期検出部5−1の乗算器82、整数化部83、乗算器84により算出された、周波数オフセットの粗推定の結果であるシンボル間位相回転量φから、粗推定によるフレーム間位相回転量が求められる。そして、遅延器77−2、複素共役部78−2、乗算器79−2、LPF80−2および位相算出部81−2により、フレーム間位相回転量φが求められ、加算器85により、粗推定によるフレーム間位相回転量とフレーム間位相回転量φとが加算され、周波数オフセットの精密推定の結果として、フレーム間位相回転量が推定される。
〔同期検出部(ポリフェーズ構成)/実施例2〕
次に、実施例2の同期検出部5について説明する。図4は、同期検出部5の第2の構成(実施例2)を示すブロック図である。この実施例2の同期検出部5−2は、マッチドフィルタ71、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、遅延器87−1〜87−(M−1)、デシメータ88−0〜88−(M−1)、乗算器89−0〜89−(M−1)、加算器90−1〜90−(M−2)、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている。
図2に示した実施例1の同期検出部5−1と、図4に示す実施例2の同期検出部5−2とを比較すると、同期検出部5−1,5−2は、マッチドフィルタ71、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている点で同一である。一方、実施例2の同期検出部5−2は、実施例1の同期検出部5−1におけるマッチドフィルタ75およびデシメータ76の代わりに、遅延器87−1〜87−(M−1)、デシメータ88−0〜88−(M−1)、乗算器89−0〜89−(M−1)および加算器90−0〜90−(M−2)を備えている点で相違する。以下、図4に示す同期検出部5−2において、図2に示した同期検出部5−1と共通する部分は、説明を省略する。
直交復調部4からの等価ベースバンド信号は3分配され、マッチドフィルタ71、遅延器87−1およびデシメータ88−0へそれぞれ入力される。遅延器87−1は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器87−1の出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器87−2へ、他方がデシメータ88−1へそれぞれ入力される。
同様に、遅延器87−k(2≦k<M−1)は、遅延器87−(k−1)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器87−kの出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器87−(k+1)へ、他方がデシメータ88−kへそれぞれ入力される。
遅延器87−(M−1)は、遅延器87−(M−2)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させて出力する。遅延器87−(M−1)の出力する等価ベースバンド信号はデシメータ88−(M−1)へ入力される。
デシメータ88−k(0≦k≦M−1)は、入力した等価ベースバンド信号に比M(キャリヤ数である変換サイズM)のデシメーション(間引き)を行い出力する。デシメータ88−kの出力する信号は乗算器89−kへそれぞれ入力される。
乗算器89−k(0≦k≦M−1)の被演算子は、図2に示したマッチドフィルタ75のポリフェーズ成分であり、マッチドフィルタ75のフィルタ長が間引き率よりも小さいとき、定数となるため、乗算器89−kは入力信号の定数倍を出力する。具体的には、乗算器89−kは、ピーク検出部74から入力されるシンボルタイミングに同期して、デシメータ88−kから入力される信号に、ピーク検出部74から入力されるシンボル番号に応じた位置のパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を乗算して出力する。乗算器89−k(0≦k<M−1)の出力する信号は加算器90−kへ入力され、乗算器89−(M−1)の出力する信号は加算器90−(M−2)へ入力される。
加算器90−(M−2)は、乗算器89−(M−1)から入力される信号と乗算器89−(M−2)から入力される信号とを加算し出力する。加算器90−(M−2)の出力する信号は加算器90−(M−3)へ入力される。加算器90−k(M−3≧k≧1)は、加算器90−(k+1)から入力される信号と乗算器89−kから入力される信号とを加算し出力する。加算器90−kの出力する信号は加算器90−(k−1)へ入力される。加算器90−0は、加算器90−1から入力される信号と乗算器89−0から入力される信号とを加算し出力する。加算器90−0の出力する信号は、4分配され、乗算器79−1,79−2および遅延器77−1,77−2へそれぞれ入力される。
このような遅延器87−1〜87−(M−1)、デシメータ88−0〜88−(M−1)、乗算器89−0〜89−(M−1)および加算器90−0〜90−(M−2)の構成が、図2に示したFIR型のマッチドフィルタ75およびデシメータ76の構成をType1のポリフェーズ構成で実現したものであり、両者が等価であることは明らかである。したがって、実施例2の同期検出部5−2によれば、実施例1の同期検出部5−1と同様に、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出することができる。
〔同期検出部(マッチドフィルタの共有)/実施例3〕
次に、実施例3の同期検出部5について説明する。図5は、同期検出部5の第3の構成(実施例3)を示すブロック図である。この実施例3の同期検出部5−3は、マッチドフィルタ91、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、デシメータ92、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている。
図2に示した実施例1の同期検出部5−1と、図5に示す実施例3の同期検出部5−3とを比較すると、同期検出部5−1,5−3は、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている点で同一である。一方、実施例3の同期検出部5−3は、実施例1の同期検出部5−1におけるマッチドフィルタ71の代わりに、ピーク検出部74の出力するシンボルタイミングおよびシンボル番号が入力されるマッチドフィルタ91を備えている点で相違する。また、実施例3の同期検出部5−3は、実施例1の同期検出部5−1におけるマッチドフィルタ75を備えていない点で相違する。
また、図4に示した実施例2の同期検出部5−2と、図5に示す実施例3の同期検出部5−3とを比較すると、同期検出部5−2,5−3は、絶対値算出部72、同期加算部73、ピーク検出部74、遅延器77−1,77−2、複素共役部78−1,78−2、乗算器79−1,79−2、LPF80−1,80−2、位相算出部81−1,81−2、乗算器82,84,86、整数化部83および加算器85を備えている点で同一である。一方、実施例3の同期検出部5−3は、実施例2の同期検出部5−2におけるマッチドフィルタ71の代わりに、ピーク検出部74の出力するシンボルタイミングおよびシンボル番号が入力されるマッチドフィルタ91を備えている点で相違する。また、実施例3の同期検出部5−3は、実施例2の同期検出部5−2における遅延器87−1〜87−(M−1)、デシメータ88−0〜88−(M−1)、乗算器89−0〜89−(M−1)および加算器90−0〜90−(M−2)を備えていない点で相違する。以下、図5に示す同期検出部5−3において、図2に示した同期検出部5−1と共通する部分は、説明を省略する。
直交復調部4からの等価ベースバンド信号はマッチドフィルタ91へ入力される。また、ピーク検出部74からのシンボルタイミングおよびシンボル番号はマッチドフィルタ91へ入力される。マッチドフィルタ91は、ピーク検出部74から入力されるシンボルタイミングに同期して、ピーク検出部74から入力されるシンボル番号に応じた位置のパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数に設定し、1シンボル毎にフィルタ係数を更新する。また、マッチドフィルタ91は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号を、設定したフィルタ係数によりフィルタ処理し、相関信号を出力する。
マッチドフィルタ91は、フレーム同期が未確立の状態では、任意のシンボル、例えばシンボル番号0におけるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数に設定し、フィルタ処理を行う。この場合、同期加算部73は、図3に示した構成により、入力した相関信号の絶対値を、MNサンプル毎に同期加算する。そして、ピーク検出部74は、ピーク値を検出することにより、MNサンプル内すなわち1フレーム内のシンボル同期位置を特定し、シンボルタイミングおよびシンボル番号0をマッチドフィルタ91へ出力する。さらに、そのシンボル同期位置に基づいて、1フレームを構成するNシンボルにおけるシンボル毎のシンボルタイミングおよびシンボル番号1〜(N−1)をマッチドフィルタ91へ出力する。そして、マッチドフィルタ91は、フレーム同期が確立した後は、すなわち、ピーク検出部74が有効なピーク値を検出した後、ピーク検出部74から入力されるシンボルタイミング毎に、ピーク検出部74から入力されるシンボル番号に応じた位置のパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値にフィルタ係数を変更する。この場合、同期加算部73は、入力した相関信号の絶対値を、Mサンプル毎に同期加算する。フレーム同期が確立する前の同期加算部73は、図3に示した構成により、MNサンプル毎の同期加算を行うが、フレーム同期が確立した後の同期加算部73は、図3を縮小した構成により、すなわち、遅延器731−1〜731−(M−1)、比Mのデシメーションを行うデシメータ732−0〜732−(M−1)、乗算器733−0〜733−(M−1),加算器734−0〜734−(M−1)、遅延器735−0〜735−(M−1)、乗算器736−0〜736−(M−1)、比Mのインタポレーションを行うインタポレータ737−0〜737−(M−1)、遅延器738−0〜738−(M−1)および加算器739−0〜739−(M−2)を備えることにより、Mサンプル毎の同期加算を行う。ここで、フレーム同期が確立した後の同期加算部73の出力する加算結果は、Mサンプルのうちの、マッチドフィルタ91に設定されている基準信号であるシンボル番号のパイロット信号に合致する位置で大きいピーク値となり、その位置がシンボル同期位置となる。そして、ピーク検出部74は、ピーク値を検出することにより、シンボル同期位置を特定し、シンボルタイミングおよびシンボル番号を出力する。これにより、シンボル毎にシンボルタイミングを検出することができる。
デシメータ92は、マッチドフィルタ91から入力される相関信号に比M(キャリヤ数である変換サイズM)のデシメーション(間引き)を行い、1シンボル当たり1サンプルの相関信号を出力する。デシメータ92の出力する相関信号は4分配され、乗算器79−1,79−2および遅延器77−1,77−2へそれぞれ入力される。
このように、実施例3の同期検出部5−3によれば、実施例1の同期検出部5−1および実施例2の同期検出部5−2と同様に、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出することができる。
〔自動周波数制御(AFC)〕
次に、図1に示したAFC部6について説明する。図6は、AFC部6の構成を示すブロック図である。このAFC部6は、数値制御発振器(NCO:Numerically Controlled Oscillator)61および乗算器62を備えている。
数値制御発振器61は、同期検出部5から入力される周波数オフセット(推定値)に基づいて、1サンプル当たりの位相回転量を算出する。ここで、1サンプル当たりの位相回転量は、式(15)に示したフレーム間位相回転量に、1フレーム当たりのサンプル数(N×M)の逆数を乗算することにより算出される。尚、同期検出部5から周波数オフセット(推定値)として1サンプル当たりの位相回転量が入力される場合は、このような算出処理は必要ない。そして、数値制御発振器61は、振幅が1であって、1サンプル毎に符号が逆の位相回転が加わる補正値、すなわち、周波数オフセットによる位相回転量が1サンプル毎に逆回転する補正値(符号が1サンプル毎に反転する補正値)を算出する。数値制御発振器61の出力する補正値は乗算器62へ入力される。
乗算器62は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号に、数値制御発振器61から入力される補正値を乗算することにより、等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正する。乗算器62の出力する等価ベースバンド信号は遅延器7へ入力される。
このように、AFC部6によれば、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号の周波数オフセットを、同期検出部5から入力される周波数オフセット(推定値)に基づいて補正することができる。
〔遅延器〕
次に、図1に示した遅延器7について説明する。遅延器7は、AFC部6から入力される等価ベースバンド信号を、同期検出部5から入力されるシンボルタイミング分遅延させて出力する。具体的には、シンボル長をTとし、同期検出部5から入力されるシンボルタイミングをdとすると、遅延器7は、AFC部6から入力される等価ベースバンド信号のシンボルを、(T−d)分遅延させて出力する。遅延器7の出力する等価ベースバンド信号は復調部8へ入力される。
このように、遅延器7によれば、AFC部6から入力される等価ベースバンド信号を、同期検出部5から入力されるシンボルタイミング(推定値)に基づいて遅延させることができる。これにより、シンボルタイミングが補正されるから、復調部8において適切なブロック単位で復調処理を実現することができる。
〔復調部〕
次に、図1に示した復調部8について説明する。図7は、復調部8の構成を示すブロック図である。この復調部8は、分析バンク41、線形等化器42、等化係数算出部43、デマッピング部44およびパラレルシリアル変換部45を備えている。
分析バンク41は、遅延器7から入力される、周波数オフセットが補正されシンボル同期がなされた等価ベースバンド信号を、最大間引き率の2倍のレートで周波数領域信号に変換し、図16に示した通常の修正DFT変調分析バンク102における出力信号の実部成分および虚部成分の他に、通常の出力信号と対となる虚部成分および実部成分も合わせてサブチャネル信号として出力する。すなわち、分析バンク41は、2系統の実部成分および2系統の虚部成分、合わせて4系統の実数信号からなる実部サブチャネル信号ベクトル、および2系統の実部成分および2系統の虚部成分、合わせて4系統の実数信号からなる虚部サブチャネル信号ベクトルをそれぞれ出力する。分析バンク41の出力する実部サブチャネル信号ベクトルおよび虚部サブチャネル信号ベクトル(以下、総称してサブチャネル信号ベクトルという。)は2分配され、一方が線形等化器42へ、他方が等化係数算出部43へ入力される。分析バンク41の詳細については後述する。
線形等化器42は、等化係数算出部43から入力される等化係数を用いて、分析バンク41から入力されるサブチャネル信号ベクトルを線形等化する。すなわち、サブチャネル毎にチャネル歪みの等化を行う。線形等化器42の出力する等化後のキャリヤシンボルは2分配され、一方がデマッピング部44へ、他方が等化係数算出部43へ入力される。
等化係数算出部43は、分析バンク41から入力されるサブチャネル信号ベクトルおよび線形等化器42から入力される等化後のキャリヤシンボルのうちのパイロット信号を用いて等化係数を算出する。等化係数算出部43の出力する等化係数は線形等化器42へ入力される。
デマッピング部44は、線形等化器42から入力される等化後のキャリヤシンボルをデマッピングし、パラレル信号に変換する。デマッピング部44の出力するパラレル信号はパラレルシリアル変換部45へ入力される。パラレルシリアル変換部45は、デマッピング部44から入力されるパラレル信号をシリアル信号に変換する。
このように、復調部8は、遅延器7から等価ベースバンド信号を入力し、分析バンク41からパラレルシリアル変換部45までの各種処理を行い、ビット列の信号を外部へ出力する。
(分析バンク(直接構成))
次に、図7に示した分析バンク41の第1の構成(直接構成)について説明する。図8は、分析バンク41の第1の構成を示すブロック図である。この分析バンク41−1は、遅延器11−1〜11−(M−1)、分析フィルタ12−0〜12−(M−1)、デシメータ13−0〜13−(M−1)およびサブチャネル処理部14−0〜14−(M−1)を備えている。分析バンク41−1は、遅延器7から等価ベースバンド信号が入力され、実部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1および虚部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1を生成して出力する。以下、任意のサブチャネルをkとする。
図1に示した遅延器7から入力される等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器11−1へ、他方が分析フィルタ12−0へ入力される。遅延器11−1は、遅延器7から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器11−1の出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が分析フィルタ12−1へ、他方が遅延器11−2へ入力される。
同様に、遅延器11−k(2≦k<M−1)は、前段の遅延器11−(k−1)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器11−kの出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が後段の遅延器11−(k+1)へ、他方が分析フィルタ12−kへ入力される。
遅延器11−(M−1)は、遅延器11−(M−2)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器11−(M−1)の出力する等価ベースバンド信号は分析フィルタ12−(M−1)へ入力される。
分析フィルタ12−k(0≦k≦M−1)は、等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理する。分析フィルタ12−kの出力するフィルタ処理後の等価ベースバンド信号はそれぞれデシメータ13−kへ入力される。
デシメータ13−k(0≦k≦M−1)は、分析フィルタ12−kから入力されるフィルタ処理後の等価ベースバンド信号に対し、比M/2のデシメーション(間引き)を行う。デシメータ13−kの出力するデシメーション後の等価ベースバンド信号(サブチャネル信号k)はそれぞれサブチャネル処理部14−kへ入力される。
サブチャネル処理部14−k(0≦k≦M−1)は、デシメータ13−kから入力されるデシメーション後の等価ベースバンド信号(サブチャネル信号k)に、サブチャネル毎の処理を行い、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルk(サブチャネル信号ベクトルk)を生成して出力する。
なお、図8に示した分析バンク41−1において、デシメータ13−kの前段に設けられた遅延器11−kおよび分析フィルタ12−kは、最大間引き率のレート(最大間引きレート)のM倍で動作する。一方、デシメータ13−kでは間引き率がM/2であるから、デシメータ13−kの後段に設けられたサブチャネル処理部14−kは、最大間引きレートの2倍で動作する。
(分析バンク(直接構成)のサブチャネル処理部)
次に、図8に示したサブチャネル処理部14−kについて説明する。図9は、サブチャネル処理部14−kの構成を示すブロック図である。このサブチャネル処理部14−kは、遅延器15−1〜15−3、デシメータ16−1,16−2、実部抽出部17−1,17−2、虚部抽出部18−1,18−2および乗算器19−1,19−2を備えている。サブチャネル処理部14−kは、図8に示したデシメータ13−kからサブチャネル信号kを入力し、4個の要素からなる実部サブチャネル信号ベクトルkおよび4個の要素からなる虚部サブチャネル信号ベクトルkをそれぞれ生成して出力する。
図8に示したデシメータ13−kから入力されるサブチャネル信号kは2分配され、一方が遅延器15−1へ、他方がデシメータ16−1へ入力される。遅延器15−1は、デシメータ13−kから入力されるサブチャネル信号kを1サンプル遅延させる。なお、遅延器15−1は最大間引きレートの2倍で動作するから、ここでの1サンプルとは、最大間引きレートの1/2倍の時間をいう。遅延器15−1の出力するサブチャネル信号はデシメータ16−2へ入力される。
デシメータ16−1は、図8に示したデシメータ13−kから入力されるサブチャネル信号kに対し、比2のデシメーションを行う。デシメータ16−1の出力するデシメーション後のサブチャネル信号は2分配され、一方が実部抽出部17−1へ、他方が虚部抽出部18−1へ入力される。
デシメータ16−2は、遅延器15−1から入力されるサブチャネル信号に対し、比2のデシメーションを行う。デシメータ16−2の出力するデシメーション後のサブチャネル信号は2分配され、一方が虚部抽出部18−2へ、他方が実部抽出部17−2へ入力される。
実部抽出部17−1は、デシメータ16−1から入力されるサブチャネル信号から実部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。実部抽出部17−1の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力され、他方が遅延器15−3へ入力される。
虚部抽出部18−1は、デシメータ16−1から入力されるサブチャネル信号から虚部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。虚部抽出部18−1の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力され、他方が遅延器15−2へ入力される。
虚部抽出部18−2は、デシメータ16−2から入力されるサブチャネル信号から虚部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。虚部抽出部18−2の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素として、他方が虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力される。
実部抽出部17−2は、デシメータ16−2から入力されるサブチャネル信号から実部を抽出し、実数サブチャネル信号を生成する。実部抽出部17−2の出力する実数サブチャネル信号は2分配され、一方が実部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力され、他方が乗算器19−1へ入力される。
乗算器19−1は、実部抽出部17−2から入力される実数サブチャネル信号に−1を乗算し、符号を反転させる。乗算器19−1の出力する、符号が反転した実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力される。
遅延器15−2は、虚部抽出部18−1から入力される実数サブチャネル信号を1サンプル遅延させる。遅延器15−2の出力する実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力される。
遅延器15−3は、実部抽出部17−1から入力される実数サブチャネル信号を1サンプル遅延させる。遅延器15−3の出力する実数サブチャネル信号は乗算器19−2へ入力される。乗算器19−2は、遅延器15−3から入力される実数サブチャネル信号に−1を乗算し、符号を反転させる。乗算器19−2の出力する、符号が反転した実数サブチャネル信号は、虚部サブチャネル信号ベクトルkの1要素としてサブチャネル処理部14−kから出力される。
なお、図9に示したサブチャネル処理部14−kにおいて、デシメータ16−2の前段に設けられた遅延器15−1は、前述のとおり、最大間引きレートの2倍で動作する。一方、デシメータ16−1,16−2では間引き率が2であるから、デシメータ16−1,16−2の後段に設けられた実部抽出部17−1,17−2、虚部抽出部18−1,18−2、遅延器15−2,15−3および乗算器19−1,19−2は、最大間引きレートで動作する。しかし、デシメータ16−1により出力されたサブチャネル信号は2個の信号に分岐しており、分岐した2個のサブチャネル信号に対して同じサンプリングレート(最大間引きレート)で処理が行われている。したがって、デシメータ16−1により出力されたサブチャネル信号は、最大間引きレートの2倍で処理されていることになる。デシメータ16−2により出力されたサブチャネル信号についても同様である。つまり、サブチャネル処理部14−k全体として、実質的に、最大間引きレートの2倍で動作する。
一般に、マルチキャリヤ変調信号送信装置によりマルチキャリヤ変調されて送信された信号のうちの実部成分の信号に着目すると、チャネル(伝送路)のマルチパスなどによる影響は、実部成分に加えて虚部成分にも及んでしまう。そこで、マルチキャリヤ変調信号受信装置1では、分析バンク41−1のサブチャネル処理部14−kにおいて、デシメータ16−1により出力されたサブチャネル信号を2分配し、実部抽出部17−1により実部成分を抽出し、虚部抽出部18−1により虚部成分を抽出するようにした。つまり、実部成分の信号に対して、マルチパスなどの影響が及ぶ実部成分および虚部成分を抽出するようにした。さらに、デシメータ16−2により出力されたサブチャネル信号を2分配し、実部抽出部17−2により実部成分を抽出し、虚部抽出部18−2により虚部成分を抽出するようにした。これらの4つの実数信号を要素とするように実部サブチャネル信号ベクトルkを構成した。同様に、マルチキャリヤ変調信号送信装置によりマルチキャリヤ変調されて送信された信号のうちの虚部成分の信号に着目すると、チャネル(伝送路)のマルチパスなどによる影響は、虚部成分に加えて実部成分にも及んでしまう。そこで、マルチキャリヤ変調信号受信装置1では、分析バンク41−1のサブチャネル処理部14−kにおいて、デシメータ16−2により出力されたサブチャネル信号を2分配し、虚部抽出部18−2により虚部成分を抽出し、実部抽出部17−2により実部成分を抽出するようにした。つまり、虚部成分の信号に対して、マルチパスの影響が及ぶ虚部成分および実部成分を抽出するようにした。さらに、実部抽出部17−1の出力を遅延部15−2により1サンプル遅延させたサブチャネル信号と、虚部抽出部18−1の出力を遅延部15−3により1サンプル遅延させ、乗算器19−2により−1を乗算することで符号を反転させたサブチャネル信号を生成し、前記実部成分および虚部成分と合わせて4つの実数信号を要素とするように虚部サブチャネル信号ベクトルkを構成した。これに対し、図16に示した修正DFT変調分析バンク102では、実部成分の信号に対してマルチパスなどの影響を受けた実部成分のみを抽出し、虚部成分の信号に対してマルチパスなどの影響を受けた虚部成分のみを抽出している。本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1では、線形等化器42において互いに干渉成分を打ち消すことが可能な実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkを、分析バンク41−1のサブチャネル処理部14−kにて生成し、擬似的に直交性を取り戻せるようにしている。
このように、実部抽出部17−1の出力する実数サブチャネル信号、虚部抽出部18−1の出力する実数サブチャネル信号、虚部抽出部18−2の出力する実数サブチャネル信号、および実部抽出部17−2の出力する実数サブチャネル信号は、それぞれを要素とする実部サブチャネル信号ベクトルkとしてサブチャネル処理部14−kから出力される。また、虚部抽出部18−2の出力する実数サブチャネル信号、乗算器19−1の出力する実数サブチャネル信号、遅延器15−2の出力する実数サブチャネル信号、および乗算器19−2の出力する実数サブチャネル信号は、それぞれを要素とする虚部サブチャネル信号ベクトルkとしてサブチャネル処理部14−kから出力される。
なお、実部抽出部17−1により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 0005271163
とし、虚部抽出部18−1により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 0005271163
とし、虚部抽出部18−2により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 0005271163
とし、実部抽出部17−2により抽出される実数サブチャネル信号を
Figure 0005271163
とすると、実部サブチャネル信号ベクトルkは、以下のようになる。
Figure 0005271163
ここで、上付きのTは転置を、下付きのkはサブチャネルを、上付きのRおよびIはそれぞれ実部および虚部を、zは最大間引きレートであること、すなわちサンプル間隔がシンボル長の1/Mであることを示す。
一方、虚部サブチャネル信号ベクトルkは、以下のようになる。
Figure 0005271163
以上のように、分析バンク41−1によれば、実部サブチャネル信号ベクトルkを生成すると共に、この実部サブチャネル信号ベクトルkに基づいて虚部サブチャネル信号ベクトルkを生成するようにした。また、式(17)に示したように、実部サブチャネル信号ベクトルkから虚部サブチャネル信号ベクトルkへの変換は、定数である変換行列により行われる。これにより、後段の線形等化器42において、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkに対して異なる等化係数を用いることなく、両ベクトルにそれぞれ共通の等化係数を用いて線形等化を行うことができ好適である。
(分析バンク(ポリフェーズ構成))
次に、図7に示した分析バンク41の第2の構成(ポリフェーズ構成)について説明する。図10は、分析バンク41の第2の構成を示すブロック図である。この分析バンク41−2は、遅延器21、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2およびサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)を備えている。分析バンク41−2は、遅延器7から等価ベースバンド信号が入力され、実部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1および虚部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1を生成して出力する。
図1に示した遅延器7から入力される等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器21へ、他方がポリフェーズ分析バンク22−1へ入力される。遅延器21は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号をM/2サンプル遅延させる。遅延器21の出力する等価ベースバンド信号はポリフェーズ分析バンク22−2へ入力される。
ポリフェーズ分析バンク22−1は、直交復調部4から入力される等価ベースバンド信号をポリフェーズ分析し、サブチャネル信号0〜M−1を生成する。ポリフェーズ分析バンク22−1の出力するサブチャネル信号0〜M−1はサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)へ入力される。
ポリフェーズ分析バンク22−2は、遅延器21から入力される等価ベースバンド信号をポリフェーズ分析し、サブチャネル信号0〜M−1を生成する。ポリフェーズ分析バンク22−2の出力するサブチャネル信号0〜M−1はサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)へ入力される。
サブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)は、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2から入力されるそれぞれのサブチャネル信号0〜M−1に、サブチャネル毎の処理を行い、実部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1および虚部サブチャネル信号ベクトル0〜M−1、すなわち実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルk(サブチャネル信号ベクトルk)を生成して出力する。
(ポリフェーズ分析バンク)
次に、図10に示したポリフェーズ分析バンク22−1,22−2について説明する。図11は、ポリフェーズ分析バンク22−1,22−2の構成を示すブロック図である。このポリフェーズ分析バンク22は、遅延器24−1〜24−(M−1)、デシメータ25−0〜25−(M−1)、ポリフェーズフィルタ26−0〜26−(M−1)、FFT部27および乗算器28−0〜28−(M−1)を備えている。ポリフェーズ分析バンク22は、等価ベースバンド信号を入力し、サブチャネル信号0〜M−1を生成して出力する。
ポリフェーズ分析バンク22へ入力される等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器24−1へ、他方がデシメータ25−0へ入力される。遅延器24−1は、入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−1の出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が遅延器24−2へ、他方がデシメータ25−1へ入力される。
同様に、遅延器24−k(2≦k<M−1)は、前段の遅延器24−(k−1)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−kの出力する等価ベースバンド信号は2分配され、一方が後段の遅延器24−(k+1)へ、他方がデシメータ25−kへ入力される。
遅延器24−(M−1)は、遅延器24−(M−2)から入力される等価ベースバンド信号を1サンプル遅延させる。遅延器24−(M−1)の出力する等価ベースバンド信号はデシメータ25−(M−1)へ入力される。
デシメータ25−k(0≦k≦M−1)は、等価ベースバンド信号を入力し、等価ベースバンド信号に対し、比Mのデシメーション処理を行う。デシメータ25−kの出力するデシメーション後の等価ベースバンド信号はポリフェーズフィルタ26−kへ入力される。
ポリフェーズフィルタ26−k(0≦k≦M−1)は、デシメータ25−kから入力されるデシメーション後の等価ベースバンド信号にポリフェーズフィルタ処理を行う。ポリフェーズフィルタ26−kの出力するポリフェーズフィルタ処理後の等価ベースバンド信号はFFT部27へ入力される。
ポリフェーズフィルタE(z)は、プロトタイプフィルタp(n)のType1のポリフェーズ成分であり、以下の式で表される。
Figure 0005271163
ここで、Nはプロトタイプフィルタのフィルタ長を、Mはサブチャネル数を示す自然数を、kは任意のサブチャネルをそれぞれ示す。
FFT部27は、ポリフェーズフィルタ26−kから入力されるポリフェーズフィルタ処理後のそれぞれの等価ベースバンド信号をFFT処理する。FFT部27の出力するM個のサブチャネル信号はそれぞれ乗算器28−kへ入力される。
乗算器28−k(0≦k≦M−1)は、FFT部27から入力されるサブチャネル信号にjM−kを乗算する。ただしjは虚数単位である。乗算器28−kの出力するサブチャネル信号kは、図10に示すサブチャネル処理部23−kへ入力される。
このように、ポリフェーズ分析バンク22は、等価ベースバンド信号を入力し、サブチャネル信号0〜M−1を生成してサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)に出力する。以下、ポリフェーズ分析バンク22−1の出力するサブチャネル信号をk1とし、ポリフェーズ分析バンク22−2の出力するサブチャネル信号をk2とする。
(分析バンク(ポリフェーズ構成)のサブチャネル処理部)
次に、図10に示したサブチャネル処理部23−0〜23−(M−1)について説明する。図12は、サブチャネル処理部23−k(0≦k≦M−1)の構成を示すブロック図である。このサブチャネル処理部23−kは、実部抽出部29−1,29−2、虚部抽出部30−1,30−2、遅延器31−1,31−2および乗算器32−1,32−2を備えている。サブチャネル処理部23−kは、図10および図11に示したポリフェーズ分析バンク22−1からサブチャネル信号k1を入力すると共に、ポリフェーズ分析バンク22−2からサブチャネル信号k2を入力し、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkを生成して出力する。
サブチャネル処理部23−kと図9に示したサブチャネル処理部14−kとを比較すると、図9に示したサブチャネル処理部14−kは、サブチャネル信号kが入力され、遅延器15およびデシメータ16−1,16−2を備えているのに対し、サブチャネル処理部23−kは、サブチャネル信号k1,k2が入力され、遅延器15に相当する遅延器およびデシメータ16−1,16−2に相当するデシメータを備えていない点で相違する。
サブチャネル処理部23−kの実部抽出部29−1,29−2、虚部抽出部30−1,30−2、遅延器31−1,31−2および乗算器32−1,32−2は、それぞれ図9に示したサブチャネル処理部14−kの実部抽出部17−1,17−2、虚部抽出部18−1,18−2、遅延器15−2,15−3および乗算器19−1,19−2に相当する。これらの構成については既に図9において説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
なお、図10、図11および図12において、デシメータ25−0〜25−(M−1)の前段に設けられた遅延器21,24−1,24−2は、最大間引きレートのM倍で動作する。また、デシメータ25−0〜25−(M−1)の後段に設けられたポリフェーズフィルタ26−0〜26−(M−1)、FFT部27、乗算器28−0〜28−(M−1)、実部抽出部29−1,29−2、虚部抽出部30−1,30−2、遅延器31−1,31−2および乗算器32−1,32−2は、最大間引きレートで動作する。しかし、ポリフェーズ分析バンク22−1および22−2それぞれから最大間引きレートのサブチャネル信号k1,k2が入力され、間引きが行われることなくサブチャネル信号ベクトルkが出力されるため、サブチャネル処理部23−k全体として、実質的に、最大間引きレートの2倍で動作する。
以上のように、分析バンク41−2によれば、分析バンク41−1と同様に、実部サブチャネル信号ベクトルkを生成すると共に、この実部サブチャネル信号ベクトルkに基づいて虚部サブチャネル信号ベクトルkを生成するようにした。また、式(17)に示したように、実部サブチャネル信号ベクトルkから虚部サブチャネル信号ベクトルkへの変換は、定数である変換行列により行われる。これにより、後段の線形等化器42において、実部サブチャネル信号ベクトルkおよび虚部サブチャネル信号ベクトルkに対して異なる等化係数を用いることなく、両ベクトルにそれぞれ共通の等化係数を用いて線形等化を行うことができ好適である。
以上、復調部8について説明したが、さらに詳細については、本特許出願と同一の出願人によりなされた特願2008−266739号公報を参照されたい。
〔シミュレーション結果〕
次に、図1に示した本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1について、計算機シミュレーションにより得た結果を説明する。図17は、計算機シミュレーションにより求めた、マルチパス環境における受信信号の周波数オフセットおよびその推定値の関係を示す図である。図17において、横軸は、周波数オフセットをキャリヤ間隔fで正規化した値を示し、縦軸は、図1に示した同期検出部5により検出された周波数オフセットをキャリヤ間隔fで正規化した推定値を示している。また、C/Nは0〜30dBとし、マルチパスのD/Uを0dBとし、遅延時間を0.75シンボルとしている。
図17によれば、C/Nが低く、またレベルが大きく、遅延時間が長いマルチパス環境においても、本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1の同期検出部5によって、正しい周波数オフセットの推定値が得られていることがわかる。
図18は、計算機シミュレーションにより求めた、周波数オフセットがある場合のマルチパス環境におけるBER特性を示す図である。図18において、横軸はC/N(dB)を示し、縦軸はBERを示している。また、キャリヤ変調を64QAMとし、周波数オフセットはキャリヤ間隔で正規化した値で0.478とし、マルチパスのD/Uを3dBとし、遅延時間を0.75シンボルとしている。図中の点線は、本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1によりシンボルタイミングおよび周波数オフセットを推定し、AFCを用いて周波数オフセットを補正した場合のBER特性を示し、実線は、点線のBER特性との間で比較するために、周波数オフセットがなく同期検出が理想的な場合のBER特性を示している。
図18によれば、マルチパス環境においても、本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1の同期検出部5によって同期検出が行われ、AFC部6によって周波数オフセットの補正が行われることにより、理想同期の場合とほぼ同等のBER特性が得られていることがわかる。
以上のように、本発明の実施形態によるマルチキャリヤ変調信号受信装置1によれば、パイロット信号のみを変調して得られる基準信号と受信信号との相関を示す信号(相関信号)を生成し、その絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するようにした。また、マルチキャリヤ変調信号受信装置1によれば、シンボルタイミングに同期した基準信号と受信信号との相関を示す信号(相関信号)を生成し、シンボル間位相回転量を検出することにより周波数オフセットの粗推定を行い、生成した相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出することにより周波数オフセットの精密推定を行うようにした。これにより、同期検出のための特殊な信号を用いることなく、受信したマルチキャリヤ変調信号の最適なシンボルタイミング位置および周波数オフセットを検出することができる。
1 マルチキャリヤ変調信号受信装置
2 周波数変換部
3 A/D変換部
4 直交復調部
5 同期検出部
6 AFC部
7 遅延器
8 復調部
11,15,21,24,31 遅延器
12 分析フィルタ
13,16,25 デシメータ
14,23 サブチャネル処理部
17,29 実部抽出部
18,30 虚部抽出部
19,28,32 乗算器
22 ポリフェーズ分析バンク
26 ポリフェーズフィルタ
27 FFT部
41 分析バンク
42 線形等化器
43 等化係数算出部
44 デマッピング部
45 パラレルシリアル変換部
61 数値制御発振器
62 乗算器
71,75,91 マッチドフィルタ
72 絶対値算出部
73 同期加算部
74 ピーク検出部
76,88,92 デシメータ
77,87 遅延器
78 複素共役部
79,82,84,86,89 乗算器
80 LPF
81 位相算出部
83 整数化部
85,90 加算器
100 トランスマルチプレクサ
101 修正DFT変調合成バンク
102 修正DFT変調分析バンク
731,735,738 遅延器
732 デシメータ
733,736,乗算器
734,739 加算器
737 インタポレータ

Claims (9)

  1. 受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、
    前記同期検出部は、等価ベースバンド信号に含まれる所定のサブキャリヤ位置に配置されたチャネル等化のために用いるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出し、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記シンボル間位相回転量から1フレーム当たりの位相回転数を算出し、前記1フレーム当たりの位相回転数に最も近い整数値を求めて第1のフレーム間位相回転量を算出し、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いて第2のフレーム間位相回転量を検出し、前記第1のフレーム間位相回転量と前記第2のフレーム間位相回転量とを加算して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出することを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  2. 前記同期検出部は、
    前記等価ベースバンド信号に含まれる所定のサブキャリヤ位置に配置されたチャネル等化のために用いるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、
    前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、
    前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、
    前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  3. 受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、
    前記同期検出部は、
    等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するための構成部として、
    前記等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、
    前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、
    前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、
    前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備え、
    さらに、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出し、
    前記同期検出部の同期加算部は、
    1フレーム当たりのシンボル数をN、およびキャリヤ数をMとして、第1の同期加算用遅延器と、同期加算用デシメータと、第1の同期加算用乗算器と、第1の同期加算用加算器と、第2の同期期加算用遅延器と、第2の同期加算用乗算器と、MN個の同期加算用インタポレータと、第3の同期加算用遅延器と、第2の同期加算用加算器とを備え、
    前記第1の同期加算用遅延器は、前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を1サンプルずつ遅延させ、
    前記同期加算用デシメータは、前記相関信号の絶対値、および前記第1の同期加算用遅延器により1〜MN−1サンプル遅延したそれぞれの相関信号の絶対値を、前記MNを比とした間引き処理を行い、
    前記第1の同期加算用乗算器は、前記同期加算用デシメータにより間引き処理されたそれぞれの相関信号の絶対値に、所定の定数を乗算し、
    前記第2の同期加算用遅延器は、前記第1の同期加算用加算器により出力される加算信号を1サンプル遅延させ、
    前記第2の同期加算用乗算器は、前記第2の同期加算用遅延器により1サンプル遅延した信号に、所定の定数を乗算し、
    前記第1の同期加算用加算器は、前記第1の同期加算用乗算器による乗算結果と、前記第2の同期加算用乗算器による乗算結果とを加算し、加算信号を出力し、
    前記同期加算用インタポレータは、前記第1の同期加算用加算器により出力された加算信号を、前記MNを比としてインタポレーションを行い、
    前記第3の同期加算用遅延器は、前記同期加算用インタポレータによりインタポレーションされた信号をMN−1〜1サンプル遅延させ、
    前記第2の同期加算用加算器は、前記第3の同期加算用遅延器によりMN−1〜1サンプル遅延した信号をそれぞれ加算することを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  4. 受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、
    前記同期検出部は、
    等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出するための構成部として、
    前記等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値をフィルタ係数として設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第1のマッチドフィルタと、
    前記第1のマッチドフィルタにより出力された相関信号の絶対値を算出する絶対値算出部と、
    前記絶対値算出部により算出された相関信号の絶対値を、1フレーム毎に同期加算する同期加算部と、
    前記同期加算部により同期加算された相関信号の絶対値から最大値を検出し、その時間位置をシンボルタイミングとして出力するピーク検出部と、を備え、
    さらに、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行う構成部として、
    前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を、1シンボル毎にフィルタ係数に設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を出力する第2のマッチドフィルタと、
    前記第2のマッチドフィルタにより出力された相関信号に対し、キャリヤ数Mを比とした間引き処理を行う第1のデシメータと、
    前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号を、1シンボル遅延させる第1の遅延器と、
    前記第1の遅延器により1シンボル遅延した相関信号の複素共役値を算出する第1の複素共役部と、
    前記第1のデシメータにより間引き処理された相関信号に、前記第1の複素共役部により算出された相関信号の複素共役値を乗算し、相関信号のシンボル間差分信号を出力する第1の乗算器と、
    前記第1の乗算器により出力された相関信号のシンボル間差分信号にフィルタ処理を行う第1のLPF(ローパスフィルタ)と、
    前記第1のLPFによりフィルタ処理された相関信号のシンボル間差分信号に基づいて、シンボル間位相回転量を算出し、周波数オフセットの粗推定を行う第1の位相算出部と、を備え
    さらに、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出することを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  5. 前記同期検出部は、
    キャリヤ数をMとして、前記第2のマッチドフィルタおよび第1のデシメータの代わりに、
    前記等価ベースバンド信号を1サンプルずつ遅延させるM−1個の第2の遅延器と、
    前記等価ベースバンド信号、および前記第2の遅延器により1〜M−1サンプル遅延したそれぞれの等価ベースバンド信号に対し、前記Mを比とした間引き処理を行うM個の第2のデシメータと、
    前記第2のデシメータにより間引き処理されたそれぞれの信号に、前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を乗算するM個の第2の乗算器と、
    前記第2の乗算器により乗算された信号をそれぞれ加算し、前記第1の遅延器および第1のLPFに出力する第1の加算器と、を備えたことを特徴とする請求項4に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  6. 前記同期検出部は、
    前記第1のマッチドフィルタおよび前記第2のマッチドフィルタの代わりに、
    前記ピーク検出部により出力されるシンボルタイミングに同期して、前記パイロット信号のみを変調して得られる基準信号の複素共役値を、1シンボル毎にフィルタ係数に設定し、前記等価ベースバンド信号を入力してフィルタ処理を行い、相関信号を、前記絶対値算出部および前記第1のデシメータに出力する第3のマッチドフィルタ、を備えたことを特徴とする請求項4に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  7. 前記同期検出部は、
    前記第1の位相算出部により算出されたシンボル間位相回転量に、1フレーム当たりのシンボル数Nを2πで割った定数を乗算し、フレーム間位相回転数を算出する第3の乗算器と、
    前記第3の乗算器により算出されたフレーム間位相回転数に対し、最も近い整数値を求める整数化部と、
    前記整数化部により求めたフレーム間位相回転数の整数値に定数2πを乗算し、フレーム間位相回転量を算出する第4の乗算器と、
    請求項4の第1のデシメータにより間引き処理された相関信号、または、請求項5の第1の加算器により加算された信号を、1フレーム遅延させる第3の遅延器と、
    前記第3の遅延器により1フレーム遅延した信号の複素共役値を算出する第2の複素共役部と、
    請求項4の第1のデシメータにより間引き処理された相関信号、または、請求項5の第1の加算器により加算された信号に、前記第2の複素共役部により算出された信号の複素共役値を乗算し、相関信号のフレーム間差分信号を出力する第5の乗算器と、
    前記第5の乗算器により出力された相関信号のフレーム間差分信号にフィルタ処理を行う第2のLPFと、
    前記第2のLPFによりフィルタ処理された相関信号のフレーム間差分信号に基づいて、フレーム間位相回転量を算出する第2の位相算出部と、
    前記第4の乗算器により算出されたフレーム間位相回転量と、前記第2の位相算出部により算出されたフレーム間位相回転量とを加算し、周波数オフセットの精密推定を行う第2の加算器と、を備えたことを特徴とする請求項4から6までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  8. 受信したマルチキャリヤ変調信号を等価ベースバンド信号に直交復調する直交復調部と、前記等価ベースバンド信号に基づいて、シンボルタイミングおよび周波数オフセットを検出する同期検出部と、前記検出した周波数オフセットにより前記等価ベースバンド信号の周波数オフセットを補正するAFC(自動周波数制御)部と、前記検出したシンボルタイミングにより前記等価ベースバンド信号を遅延させる遅延器と、前記周波数オフセットが補正され、前記遅延した等価ベースバンド信号を復調し、ビット列の信号を出力する復調部と、を備えたマルチキャリヤ変調信号受信装置であって、
    前記同期検出部は、等価ベースバンド信号に含まれるパイロット信号のみを変調して得られる基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号を生成し、前記相関信号の絶対値のピークを検出してシンボルタイミングを検出し、前記シンボルタイミングに同期した前記基準信号と、前記等価ベースバンド信号との間の相関信号のシンボル間において、シンボル間位相回転量を検出して周波数オフセットの粗推定を行い、前記等価ベースバンド信号のフレーム間において、前記相関信号を用いてフレーム間位相回転量を検出して周波数オフセットの精密推定を行い、周波数オフセットを検出し、
    前記復調部は、
    前記周波数オフセットが補正され、前記シンボルタイミングが遅延した等価ベースバンド信号を入力し、2段階のデシメーションを行い、キャリヤ数をMとして、最大間引きレートMの2倍のレートで前記等価ベースバンド信号を周波数領域信号に変換し、実部成分および虚部成分のサブチャネル信号を出力する分析バンクと、
    前記分析バンクにより出力されたサブチャネル信号を線形等化し、等化後のキャリヤシンボルを出力する線形等化器と、
    前記線形等化器により出力された等化後のキャリヤシンボルをデマッピングし、パラレル信号に変換するデマッピング部と、
    前記デマッピング部により変換されたパラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換部と、を備えたことを特徴とするマルチキャリヤ変調信号受信装置。
  9. 前記AFC部は、
    前記同期検出部により検出された周波数オフセットに基づいて、振幅が1であって、1サンプル毎に符号が逆の位相回転が加わる補正値を算出する数値制御発振器と、
    前記等価ベースバンド信号に、前記数値制御発振器により算出された補正値を乗算する第6の乗算器と、を備えたことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のマルチキャリヤ変調信号受信装置。
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