JP5270508B2 - 石油系重質油の水素化分解方法 - Google Patents

石油系重質油の水素化分解方法 Download PDF

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Description

本発明は、石油系重質油の水素化分解方法に関する技術分野に属するものであり、詳細には、重金属成分を含有する石油系重質油の水素化分解方法に関し、特には、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油のような重金属成分を含有する石油系重質油を触媒の存在下で水添し、高度に軽質化された製品を得る方法に関する技術分野に属するものである。
原油の重質化と需要の軽質化が同時に進行するという需要構造の急激な変化を背景に、不足する軽質製品を余剰の重質油から製造する重質油分解技術が注目されており、有限な石油埋蔵量の減少が不可避の情勢にあってその重要度がますます増大してきている。
これまでに、重質油の熱分解、水素化分解について多くの方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、減圧残渣油等のような重金属成分を含有する重質油の軽質化に対しては、なんらかの問題点を有している。
即ち、このようなタイプの重質油は、かなり大量の窒素化合物および硫黄化合物を含む傾向にあり、さらに、重質油分解を触媒存在下で行なわせる場合、触媒に極めて有害となりがちな多量の有機金属性の不純物を含有している。このような有機金属性の不純物(以下、金属不純物ともいう)としては、ニッケル(Ni)及びバナジウム(V)を含むものが最も多いが、他の金属を含むものも多い。これらの金属不純物は、重質油中のアスファルテン等の比較的高分子量の有機化合物と化学的に結合している。これらが存在すると、窒素、硫黄及び酸素含有化合物の分解除去に対する触媒活性がかなり阻害される。
触媒を用いずに、減圧残渣油等を処理する方法としては、熱分解方法である、いわゆるコーカー法が知られているが、この方法は多量に副生するコークスの処理の問題があり、また、過分解によるガス生成量の増加のため、得られる留出油の収率低下が免れない上、芳香族分、オレフィン成分が多く、品質の悪いものになるという欠点を有する。
粒状の触媒を反応器内に充填して行う固定床方式の水素化分解方法では、高度に軽質化を行うと、上述のごとく原料中のアスファルテンやV、Niなどの重金属の影響を受け、副生するコークや重金属が次第に触媒層に沈積し、その結果、触媒の活性低下や触媒層の閉塞をもたらし、長期連続運転に限界がある。
Co-Mo 系等の押出成形粒子触媒を使用して沸騰床方式の反応器で水素化分解を行わせる方法においては、沸騰床反応器内の激しい混合状態により、コーク等の蓄積による圧力損失の増加の問題はなく、また、運転中に触媒の抜き出しと、補給が可能なことから触媒の活性を一定に保ったまま、長期に連続運転ができ、固定床方式に比べ利点を有している。しかしながら、触媒を循環させて運転するため、ポンプ等のメカニカルな問題があり、固定床方式に比べ運転の難しさがある。また、触媒が高価であり、反応圧力は一般的に15〜20MPaG(150 〜200kg/cm2 )と高く、反応生成物の脱硫、脱窒素は不十分である。さらには、重質油の種類によっては、転化率を向上させると触媒の失活がおこり、頻繁に反応器内触媒を抜き出すと共に、新触媒を反応器に供給する運転が必要となるため、50〜60%程度に転化率を抑制して運転される。
上記のような従来法の欠点を克服する技術として、石油系重質油を、低廉な使い捨ての鉄系触媒と循環された反応生成重質物と共に、懸濁床(スラリー床)反応器に供給し、水素化分解反応させることにより、90%以上の高転化率を得る方法がある(例えば特開2001−89772 号公報参照)。この方法においては、原料の重質油供給量に対して80wt%以上の高収率で、オイル(沸点:C5-525℃)を生産することが可能であるが、その内訳は、VGO (Vacuum Gas Oil:減圧軽油)留分(沸点:343-525 ℃)が30-40 wt%、灯軽油留分(沸点:171-343 ℃)が40-50 wt%、ナフサ留分(沸点:C5(36℃)-171℃)が約20wt%と、需要の高い輸送用燃料となる留分(C5-343℃)は全オイル中の60-70 wt%にとどまる。本方法(プロセス)で生産されたVGO 留分は、別のプロセス、例えばFCC (Fluid Catalytic Cracking)法等により、軽質化を図ることは可能であるが、より経済的なプロセスとするためには、同一プロセスの中で、高価格で販売可能なナフサ、灯軽油留分をできるだけ多く生産することが望まれる。
特開2001−89772 号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、常圧蒸留残渣油や減圧蒸留残渣油等のような重金属成分を含有する石油系重質油を鉄系触媒の存在下で水素化分解するに際し、より経済的に高収率で高度に軽質化された油を得ることができる石油系重質油の水素化分解方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、請求項1〜5記載の石油系重質油の水素化分解方法であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の石油系重質油の水素化分解方法は、重金属成分を含有する石油系重質油を水素化分解するにあたり、水素化分解のための反応器として複数器直列に連結されたスラリー床反応器を用い、触媒として鉄系触媒を用いて水素化分解し、最下流側のスラリー床反応器での反応生成物から分離された重質反応生成物を最上流側のスラリー床反応器にリサイクルする石油系重質油の水素化分解方法であって、前記複数器直列に連結された各スラリー床反応器の上部に気液分離部を有し、この気液分離部の気相部からの流体を冷却器で凝縮させ、この343〜525℃留分が含まれる凝縮液を各々のスラリー床反応器にリサイクルすると共に、前記最下流側のスラリー床反応器から前記最上流側のスラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物が343 〜525 ℃、+525℃の留分からなることを特徴とする石油系重質油の水素化分解方法である〔第1発明〕。
請求項2記載の石油系重質油の水素化分解方法は、前記スラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物の343 〜525 ℃留分の量がスラリー床反応器への石油系重質油供給量に対して100 〜130 質量%、同重質反応生成物の+525℃留分の量が同重質油供給量に対して10〜100 質量%となる量とする請求項1記載の石油系重質油の水素化分解方法である〔第2発明〕。
請求項3記載の石油系重質油の水素化分解方法は、前記気相部からの流体を冷却器で凝縮させる際の条件が、圧力:スラリー床反応器と同圧力、温度:200 〜300 ℃である請求項1または2記載の石油系重質油の水素化分解方法である〔第3発明〕。
請求項4記載の石油系重質油の水素化分解方法は、前記スラリー床反応器での反応条件が、反応圧力:8〜12MPa 、反応温度:430 〜450 ℃、反応時間:30〜120 分である請求項1〜3のいずれかに記載の石油系重質油の水素化分解方法である〔第4発明〕。
請求項5記載の石油系重質油の水素化分解方法は、前記鉄系触媒が石油系溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子径2μm以下のリモナイト鉄鉱石触媒であり、その添加量が石油系重質油の量に対して鉄成分として0.3 〜2質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の石油系重質油の水素化分解方法である〔第5発明〕。
本発明に係る石油系重質油の水素化分解方法によれば、常圧蒸留残渣油や減圧蒸留残渣油等のような重金属成分を含有する石油系重質油を鉄系触媒の存在下で水素化分解するに際し、より経済的に高収率で高度に軽質化された油を得ることができる。
本発明の実施例に係る重質油の水素化分解方法の実施形態の一例を示す模式図である。 比較例に係る石油系重質油の水素化分解方法の実施形態の一例を示す模式図である。
本発明に係る石油系重質油の水素化分解方法は、前述のように、重金属成分を含有する石油系重質油を水素化分解するにあたり、水素化分解のための反応器としてスラリー床反応器を用い、触媒として鉄系触媒を用いて水素化分解し、この反応生成物から分離された重質反応生成物をスラリー床反応器にリサイクルする石油系重質油の水素化分解方法であって、スラリー床反応器の上部に気液分離部を有し、この気相部からの流体を冷却器で凝縮させ、スラリー床反応器にリサイクルするようにしている。
このリサイクルされた流体は水素化分解を受け、軽質化される。従って、この分、軽質化された油を多く得ることができる。
即ち、上記気液分離部の気相部からの流体(ガス)には、沸点が525 ℃以下(-525℃)の留分が含まれており、これを冷却器で凝縮させたもの(凝縮液)には、主として343-525 ℃留分が含まれている。この凝縮液をスラリー床反応器にリサイクルすると、この凝縮液中の343-525 ℃留分が水素化分解を受け、軽質化される。このようなリサイクルを繰り返すと、 343-525℃留分は343 ℃以下の留分に軽質化され、従って、この分、343 ℃以下の留分の油を多く得ることができ、ひいては、343 ℃以下の留分の油の収率を高めることができる。
スラリー床反応器の上部に気液分離部を設け、この気相部からの流体を凝縮させる冷却器を設け、この冷却器での冷却により得られた凝縮液を受ける凝縮液受器を設け、この凝縮液をスラリー床反応器に導入する手段を設けたものを、図1に示す。これらを設けないもの、即ち、通常のスラリー床反応器を、図2に示す。図1に示すものによる場合、図2に示すものによる場合に比較して、得られるオイル中C5-343℃留分の割合が多くなる。これは、図2に示すものによる場合、スラリー床反応器内気相中にある343-525 ℃留分が気相流体としてスラリー床反応器から流出してしまうが、図1に示すものによる場合、スラリー床反応器から流出した気相中 343-525℃留分が冷却器で凝縮され、凝縮受け器を通して、何度も反応器に循環(リサイクル)されるため、スラリー床反応器内で 343-525℃留分から 343℃以下の留分への分解が起こりやすくなるからである。
以上のことからわかるように、本発明に係る石油系重質油の水素化分解方法は、同一プロセスの中で軽質化ができるので、FCC 法等のような別のプロセスで軽質化を図る場合に比較し、極めて経済性に優れている。
従って、本発明に係る石油系重質油の水素化分解方法によれば、重金属成分を含有する石油系重質油を鉄系触媒の存在下で水素化分解するに際し、より経済的に高収率で高度に軽質化された油を得ることができるといえる。
前記スラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物が 343〜525 ℃、+525℃の留分からなり、この343 〜525 ℃留分の量がスラリー床反応器への石油系重質油供給量に対して100 〜130 質量%、+525℃留分の量が同重質油供給量に対して10〜100 質量%となる量とすることが望ましい。
上記のように+525℃留分の量が10〜100 質量%となるようにすることにより、リサイクル(循環)効果がより発揮され、オイル(C5-525℃)収率が高くなる。+525℃留分の量が10質量%未満の場合は、オイル収率がほとんど向上せず、+525℃留分の循環効果があまり発揮されない。+525℃留分の量が100 質量%超の場合は、オイル収率は高くなるものの、オイル収率の増加率は、+525℃留分の量が10〜100 質量%の場合より少なく循環効果が低下する。
上記のように 343〜525 ℃留分の量が100 〜130 質量%となるようにすることにより、オイル(C5-525℃)中C5-343℃留分の割合が高くなり、80%以上となる。 343〜525 ℃留分の量が100 質量%未満の場合は、オイル中C5-343℃留分の割合が低くなって、80%以下となり、必ずしもC5-343℃留分リッチなオイル留分構成とはならない。また、 343〜525 ℃留分の量が130 質量%までの量でほぼオイル中C5-343℃留分の割合が100 %近くに到達するので、 343〜525 ℃留分の量を130 質量%超にしても意味がない。
前記気相部からの流体を冷却器で凝縮させる際の条件については、圧力:スラリー床反応器と同圧力、温度:200 〜300 ℃とすることが望ましい。
本発明は冷却した凝縮液をスラリー床反応器に戻すことを意図しているため、上記のように圧力についてはスラリー床反応器と同圧力とするのが運転操作上最も簡便であり、かつ、無駄がなくて効率的であるので、そうするのがよい。この圧力条件下において、上記のように温度:200 〜300 ℃とすることにより、343 ℃以下の留分の油の収率の向上効果をより大きくできる。温度:200 ℃未満とすると、分解するに不必要なナフサ留分(C5-171℃)をより多く、スラリー床反応器に戻すことになり、この留分の軽質化により炭化水素ガスがより多く生成される。温度:300 ℃超にすると、分解するに必要な343-525 ℃留分が凝縮されず、気相として流出してしまい、スラリー床反応器に戻る量が減少し、ひいては343 ℃以下の留分の油の収率の向上効果が小さくなる。
前記スラリー床反応器での反応条件としては、特には限定されず、例えば、反応圧力:8〜12MPa 、反応温度:430 〜450 ℃、反応時間:30〜120 分とする。
前記鉄系触媒としては、石油系溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子径2μm以下のリモナイト鉄鉱石触媒を用い、その添加量が石油系重質油の量に対して鉄成分として0.3 〜2質量%であることが望ましい。この理由は下記の点にある。リモナイト鉄鉱石触媒は、Fe2O3 (ヘマタイト)、FeS2(パイライト)、FeSO4 (硫酸鉄)等の鉄系触媒に比べ高活性であり、しかも天然で採取される安価な触媒である。リモナイト鉄鉱石触媒の中でも、石油系溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子径2μm以下のリモナイト鉄鉱石触媒は触媒活性に優れている。その添加量が0.3 質量%未満の場合は、コーク生成量が急激に高くなる傾向があり、2質量%超の場合は、オイル収率がほとんど増加せず、かえってコスト高になる傾向がある。なお、リモナイト鉄鉱石触媒の平均粒子径は、例えば次のような方法により求めることができる。リモナイト鉄鉱石触媒を油中でボールミル等で粉砕する。この粉砕後の触媒の粒径をレーザー回折式粒度分布測定器で測定する。このとき、同測定器の分散溶媒にはエタノール、イソプロピルアルコール等を用いる。この溶媒中に試料(油と前記粉砕後の触媒の混合物)を投入する。そして、同測定器より出力される粒径分布曲線(粒径 vs wt%積算値)より50%粒子径(Dp50)を読み取る。この50%粒子径を平均粒子径とする。
本発明においてスラリー床反応器については1基のみの場合と複数基の場合とがある。スラリー床反応器が1基のみの場合、重金属成分を含有する石油系重質油、鉄系触媒および水素を該反応器に供給すると共に、該スラリー床反応器での水素化分解の反応生成物から分離された重質反応生成物を該スラリー床反応器にリサイクルし、一方、該スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該スラリー床反応器に管接続された冷却器で凝縮させ、該スラリー床反応器にリサイクルする。通常、上記重質反応生成物のリサイクル、上記凝縮させたもの(凝縮液)のリサイクルは、それぞれ繰り返して行う。なお、上記の水素化分解の反応生成物から分離された重質反応生成物は、通常、この水素化分解の反応生成物から気液分離器等の分離手段により171-343 ℃留分〔灯軽油留分(沸点:171-343 ℃)〕、及び、C5-171℃留分〔ナフサ留分(沸点:36-171℃)〕を分離した後の残部であって、重質成分(343 ℃〜525 ℃留分、及び、+525℃留分)および触媒の混合物である(以下、同様)。
スラリー床反応器が複数基直列に(多段に)連結されている場合、上流側のスラリー床反応器での反応生成物が該スラリー床反応器の下流側のスラリー床反応器に供給されて水素化分解されるように水素化分解が多段に行われ、通常、最下流側のスラリー床反応器での反応生成物から分離された重質反応生成物を最上流側のスラリー床反応器にリサイクルし、一方、各々のスラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、各々のスラリー床反応器に管接続された冷却器で凝縮させ、通常、各々のスラリー床反応器にリサイクルする。通常、上記重質反応生成物のリサイクル、上記凝縮させたもの(凝縮液)のリサイクルは、それぞれ繰り返して行う。
より具体的には、例えば、スラリー床反応器が2基直列に(2段に)連結されていて、最上流側のスラリー床反応器を第1スラリー床反応器、次の(該第1スラリー床反応器の下流側の)スラリー床反応器を第2スラリー床反応器ということにすると、第1スラリー床反応器に、重金属成分を含有する石油系重質油、鉄系触媒および水素と、第2スラリー床反応器からの反応生成物から分離され、リサイクルされた重質反応生成物とを供給して水素化分解し、この反応生成物と、鉄系触媒および水素を第2スラリー床反応器に供給して水素化分解し、この反応生成物から分離された重質反応生成物を第1スラリー床反応器にリサイクルし、一方、第1スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該第1スラリー床反応器に管接続された第1冷却器で凝縮させ、該第1スラリー床反応器にリサイクルすると共に、第2スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該第2スラリー床反応器に管接続された第2冷却器で凝縮させ、該第2スラリー床反応器にリサイクルする。
スラリー床反応器が3基直列に(3段に)連結されていて、最上流側のスラリー床反応器を第1スラリー床反応器、次の(該第1スラリー床反応器の直ぐ下流側の)スラリー床反応器を第2スラリー床反応器、その次の(最下流側の)スラリー床反応器を第3スラリー床反応器ということにすると、第1スラリー床反応器に、重金属成分を含有する石油系重質油、鉄系触媒および水素と、第3スラリー床反応器からの反応生成物から分離され、リサイクルされた重質反応生成物とを供給して水素化分解し、この反応生成物と、鉄系触媒および水素を第2スラリー床反応器に供給して水素化分解し、この反応生成物と、鉄系触媒および水素を第3スラリー床反応器に供給して水素化分解し、この反応生成物から分離された重質反応生成物を第1スラリー床反応器にリサイクルし、一方、第1スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該第1スラリー床反応器に管接続された第1冷却器で凝縮させ、該第1スラリー床反応器にリサイクルすると共に、第2スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該第2スラリー床反応器に管接続された第2冷却器で凝縮させ、該第2スラリー床反応器にリサイクルし、また、第3スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの流体を、該第3スラリー床反応器に管接続された第3冷却器で凝縮させ、該第3スラリー床反応器にリサイクルする。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
本発明の実施例1に係る重質油の水素化分解方法の実施形態(装置、プロセスフロー)を図1に示す。スラリー床反応器としては第一スラリー床反応器と第二スラリー床反応器とを有し、この第一スラリー床反応器と第二スラリー床反応器とは直列に(2段に)連結されている。第一スラリー床反応器の上部には、気液分離部の気相部からの流体を凝縮させる冷却器が管接続され、この冷却器の下方には冷却器で冷却されて生成した凝縮液を受ける凝縮液受器が設けられ、この凝縮液受器の下部と第一スラリー床反応器とは管接続されている。また、これと同様に、第二スラリー床反応器の上部には、気液分離部の気相部からの流体を凝縮させる冷却器が管接続され、この冷却器の下方には冷却器で冷却されて生成した凝縮液を受ける凝縮液受器が設けられ、この凝縮液受器の下部と第二スラリー床反応器とは管接続されている。このような装置を用い、以下のようにして本発明の実施例1に係る重質油の水素化分解方法を実施した。
重金属を含有する石油系重質油として、常圧蒸留残渣(以下、AR)を用いた。また、鉄系触媒として、リモナイト鉄鉱石触媒を用いた。なお、リモナイト鉄鉱石触媒は、天然リモナイト鉄鉱石を石油系溶剤中で機械的に粉砕し平均粒子径1μmとしたものを用いた。このリモナイト鉄鉱石触媒の添加量は、石油系重質油の量に対して鉄で1質量%となるようにした。助触媒の硫黄添加量は、前記鉄の量の1.2 倍(モル比)となるようにした。
第一スラリー床反応器には、AR、水素及び触媒(*) が供給されると共に、第二スラリー床反応器での水素化分解の反応生成物から分離された重質反応生成物が第一スラリー床反応器にリサイクルされる。なお、この重質反応生成物は、次のようにして得られる。即ち、第二スラリー床反応器での水素化分解の反応生成物を高温高圧気液分離器に導入して気液分離し、更に、分離された液体を気液分離手段にて気液分離する操作などを行って、171-343 ℃留分〔灯軽油留分(沸点:171-343 ℃)〕、及び、C5-171℃留分〔ナフサ留分(沸点:36-171℃)〕を分離し、その残部として得られる。この残部が重質反応生成物であり、第一スラリー床反応器にリサイクルされる。上記の触媒(*) は、リモナイト鉄鉱石触媒の主成分であるFeOOH と助触媒(S)が下記式により反応し、生成したピロータイト(Fe1-x S )である。
FeOOH +S+3/2H2 →Fe1-x S +2H2O
上記の第一スラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物は、343 〜525 ℃留分および+525℃留分からなる。このリサイクルされる重質反応生成物の量は、この重質反応生成物中の343 〜525 ℃留分の量が第一スラリー床反応器へのAR供給量に対して107 質量%(以下、%ARともいう)、+525℃留分の量が50%ARであった。
第一スラリー床反応器、第二スラリー床反応器での反応圧力、反応温度は、反応圧力:10MPa 、反応温度:450 ℃である。また、反応時間は、第一スラリー床反応器と第二スラリー床反応器合わせて60分である。
第一スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの気相流体は、冷却器において250 ℃で冷却されて凝縮され、生成された凝縮液は全て凝縮液受器および管を介して第一スラリー床反応器の上部にリサイクルされる。上記冷却器において凝縮しなかった気相(主としてH2、炭化水素ガス、ナフサ留分等からなるガス状生成物)は、反応工程の下流にある気液分離器に供給される。
第二スラリー床反応器においても同様であり、第二スラリー床反応器の上部の気液分離部の気相部からの気相流体は、冷却器において250 ℃で冷却されて凝縮され、生成された凝縮液は全て凝縮液受器および管を介して第二スラリー床反応器の上部にリサイクルされる。上記冷却器において凝縮しなかった気相は前記と同様の気液分離器に供給される。
このような重質油の水素化分解方法を実施した結果、表1に示すような成績(各成分の収率)を得た。オイル(C5-525℃留分)の収率は80.5%AR(即ち、AR供給量に対して80.5質量%)であり、オイル中C5-343℃留分の割合は87%であった。C5-343℃留分の収率は70.1%ARである。なお、原料ARの留分構成は表2に示すとおりである。
〔実施例2〕
第一スラリー床反応器にリサイクルする重質反応生成物の量を、この重質反応生成物中の343 〜525 ℃留分の量が127 %AR(第一スラリー床反応器へのAR供給量に対して127 質量%)、+525℃留分の量が50%ARとなる量とした。この点を除き、実施例1の場合と同様の装置、原料(AR)、触媒を用い、同様の反応条件で、同様の方法により、本発明の実施例2に係る重質油の水素化分解方法を実施した。
その結果、表3に示すような成績(各成分の収率)を得た。オイル(C5-525℃留分)の収率は80.0%AR(即ち、AR供給量に対して80.0質量%)であり、オイル中C5-343℃留分の割合は97%であった。C5-343℃留分の収率は77.5%ARである。
〔実施例3〕
第一スラリー床反応器にリサイクルする重質反応生成物の量を、この重質反応生成物中の343 〜525 ℃留分の量が86%AR、+525℃留分の量が50%ARとなる量とした。この点を除き、実施例1の場合と同様の装置、原料(AR)、触媒を用い、同様の反応条件で、同様の方法により、本発明の実施例3に係る重質油の水素化分解方法を実施した。
その結果、表4に示すような成績(各成分の収率)を得た。オイル(C5-525℃留分)の収率は83.4%AR(即ち、AR供給量に対して83.4質量%)であり、オイル中C5-343℃留分の割合は75%であった。C5-343℃留分の収率は62.7%ARである。
〔比較例1〕
比較例1に係る重質油の水素化分解方法の実施形態(装置、プロセスフロー)を図2に示す。スラリー床反応器としては第一スラリー床反応器と第二スラリー床反応器とを有しており、この第一スラリー床反応器と第二スラリー床反応器とは直列に(2段に)連結されている。しかし、第一スラリー床反応器の上部に気液分離部がなく、冷却器も凝縮液受器も設けられておらず、また、第二スラリー床反応器の上部に気液分離部がなく、冷却器も凝縮液受器も設けられていない。このような装置を用い、以下のようにして比較例1に係る重質油の水素化分解方法を実施した。
重金属を含有する石油系重質油、鉄系触媒として、実施例1の場合と同様のものを用いた。鉄系触媒の添加量、助触媒の硫黄添加量は、実施例1の場合と同様とした。
第一スラリー床反応器には、実施例1の場合と同様、AR、水素及び触媒(*) が供給されると共に、第二スラリー床反応器での水素化分解の反応生成物から分離された重質反応生成物が第一スラリー床反応器にリサイクルされる。この第一スラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物は、343 〜525 ℃留分、+525℃の留分からなる。このリサイクルされる重質反応生成物の量は、この重質反応生成物中の343 〜525 ℃留分の量が84%AR、+525℃留分の量が50%ARとなる量であった。
第一スラリー床反応器での反応条件、第二スラリー床反応器での反応条件は、実施例1の場合と同様である。
なお、比較例1の場合、前述のように、スラリー床反応器の上部に気液分離部がなく、冷却器も凝縮液受器も設けられていないので、当然のことながら、実施例1の場合のような気相流体の冷却、凝縮、凝縮液のスラリー床反応器へのリサイクルは行わない。
このような重質油の水素化分解方法を実施した結果、表5に示すような成績(各成分の収率)を得た。オイル(C5-525℃留分)の収率は85.1%ARであり、オイル中C5-343℃留分の割合は68%であった。C5-343℃留分の収率は58.0%ARである。
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本発明に係る石油系重質油の水素化分解方法は、常圧蒸留残渣油や減圧蒸留残渣油等のような重金属成分を含有する石油系重質油を鉄系触媒の存在下で水素化分解するに際し、より経済的に高収率で高度に軽質化された油を得ることができるので、重金属成分を含有する石油系重質油の水素化分解方法として好適に用いることができて有用である。

Claims (5)

  1. 重金属成分を含有する石油系重質油を水素化分解するにあたり、水素化分解のための反応器として複数器直列に連結されたスラリー床反応器を用い、触媒として鉄系触媒を用いて水素化分解し、最下流側のスラリー床反応器での反応生成物から分離された重質反応生成物を最上流側のスラリー床反応器にリサイクルする石油系重質油の水素化分解方法であって、前記複数器直列に連結された各スラリー床反応器の上部に気液分離部を有し、この気液分離部の気相部からの流体を冷却器で凝縮させ、この343〜525℃留分が含まれる凝縮液を各々のスラリー床反応器にリサイクルすると共に、前記最下流側のスラリー床反応器から前記最上流側のスラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物が343 〜525 ℃、+525℃の留分からなることを特徴とする石油系重質油の水素化分解方法。
  2. 前記スラリー床反応器にリサイクルされる重質反応生成物の343 〜525 ℃留分の量がスラリー床反応器への石油系重質油供給量に対して100 〜130 質量%、同重質反応生成物の+525℃留分の量が同重質油供給量に対して10〜100 質量%となる量とする請求項1記載の石油系重質油の水素化分解方法。
  3. 前記気相部からの流体を冷却器で凝縮させる際の条件が、圧力:スラリー床反応器と同圧力、温度:200 〜300 ℃である請求項1または2記載の石油系重質油の水素化分解方法。
  4. 前記スラリー床反応器での反応条件が、反応圧力:8〜12MPa 、反応温度:430 〜450 ℃、反応時間:30〜120 分である請求項1〜3のいずれかに記載の石油系重質油の水素化分解方法。
  5. 前記鉄系触媒が石油系溶剤中で機械的に粉砕された平均粒子径2μm以下のリモナイト鉄鉱石触媒であり、その添加量が石油系重質油の量に対して鉄成分として0.3 〜2質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の石油系重質油の水素化分解方法。
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