JP5270455B2 - 排ガス分析装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの排ガスを分析する排ガス分析装置に関する。
特許文献1には、エンジンの排ガスを分析するための排ガスセンサが開示されている。この排ガスセンサは、エンジンの排出ポートに取り付けられ、エンジンから排出される排ガスの特性を検出する。
分析対象が多気筒エンジンの場合、各気筒に設けられた排出ポート毎に、排ガスの分析を行うことが好ましい。そこで、各気筒に設けられた排出ポートと同じピッチで、複数の排ガスセンサを一体に配列した排ガス分析装置が利用されている。
特開2007−322214号
エンジンには多数の型式が存在し、型式ごとに気筒数、排出ポートのピッチ等が異なる。従来の排ガス分析装置は、1つの型式のエンジン専用に設計されており、型式の異なるエンジンに対して使用することができなかった。このため、多数の型式のエンジンの排ガスを分析する場合には、エンジンの型式ごとに専用の排ガス分析装置を用意する必要があった。
本発明は上述した実情を鑑みて創作されたものであり、型式の異なる種々のエンジンの排ガス分析に用いることができる排ガス分析装置を提供することを目的とする。
本発明の排ガス分析装置は、多気筒エンジンの各気筒の排出ポートから排出される排ガスを分析する。この排ガス分析装置は、ブロックと、複数のリングと、複数の排ガスセンサを有している。ブロックは、多気筒エンジンの各排出ポートに対応する位置に排ガス通過孔が形成されている。リングは、筒形状を有する。排ガスセンサは、貫通孔を有しており、その貫通孔内を流れる排ガスの特性を検出する。各リングは、リングの内孔がブロックの排ガス通過孔に接続される位置に着脱可能である。各排ガスセンサは、排ガスセンサの貫通孔がリングの内孔に接続される位置に着脱可能である。
この排ガス分析装置では、ブロックをエンジンに取り付けるとともに、ブロックにリングと排ガスセンサを取り付けることで、エンジンの排ガスを分析することができる。また、この排ガス分析装置では、ブロックからリングと排ガスセンサを取り外すことができる。したがって、型式が異なるエンジンの排ガスを分析する際には、分析対象のエンジンに対応するブロックを用意し、そのブロックにリングと排ガスセンサを取り付けることで、そのエンジンの排ガスを分析することができる。すなわち、リングと排ガスセンサを、異なる型式のエンジンの排ガス分析に共用することができる。このように、この排ガス分析装置は、従来の排ガス分析装置に比べて汎用性が高い。
排ガス分析装置10の斜視図。 排ガス分析装置10の分解図。 排ガスセンサ40の平面図。 排ガス分析装置10の断面図。 3気筒エンジンに適用した排ガス分析装置の斜視図。 排出ポートのピッチが大きい4気筒エンジンに適用した排ガス分析装置の斜視図。 排ガスセンサ40を回転させた状態の排ガス分析装置の斜視図。 断面形状が楕円形の内孔34を有するリング30の平面図。 ダミーリング50を設置した排ガス分析装置の斜視図。
実施例の排ガス分析装置について、図面を参照して説明する。図1は排ガス分析装置10の斜視図を示しており、図2は排ガス分析装置10の分解図を示している。図1及び図2に示すように、排ガス分析装置10は、ブロック20と、複数のリング30と、複数の排ガスセンサ40を備えている。
ブロック20は、略板状の部材である。ブロック20は、4気筒エンジンに取り付けることができる。ブロック20には、その表裏を貫通する4つの排ガス通過孔22が形成されている。各排ガス通過孔22は、4気筒エンジンの各気筒の排出ポート(4つの排出ポート)に対応する位置に形成されている。ブロック20をエンジンに取り付けると、4つの排ガス通過孔22がエンジンの各排出ポートに接続される。また、ブロック20には、その表裏を貫通する5つの取付孔24が形成されている。図1及び図2には示していないが、ブロック20には、その他の取付用のネジ孔等も形成されている。
リング30は、略円筒形状の部材であり、その一端にはフランジ32が形成されている。図1及び図2には示していないが、フランジ32には、取付用の孔が形成されている。各リング30は、内孔34が排ガス通過孔22に接続された状態で、ブロック20に固定されている。
4つの排ガスセンサ40は、対応するリング30にそれぞれ固定されている。
図3は、排ガスセンサ40の拡大図を示している。排ガスセンサ40は、筐体42と、光ファイバ接続部44と、受光素子46と、2つのミラー48a、48bを有している。
筐体42には、その表裏を貫通する貫通孔43が形成されている。図1及び図2に示すように、排ガスセンサ40は、貫通孔43がリング30の内孔34に接続された状態で、リング30に固定されている。したがって、貫通孔43内には、エンジンからの排ガスが流れる。また、筐体42には、貫通孔43の内面に開口する複数の透光孔42a〜42hが形成されている。
光ファイバ接続部44は、筐体42の上面に形成されている。光ファイバ接続部44には、光ファイバ45を接続することができる。光ファイバ45の他端にレーザ光を入射させると、光ファイバ接続部44から透光孔42a内にレーザ光が照射される。
ミラー48a、48bは、筐体42の内部に設置されている。ミラー48a、48bは、貫通孔43を挟んで互いに対向するように配置されている。ミラー48aは、透光孔42c、42e、42g内に露出している。ミラー48bは、透光孔42b、42d、42f内に露出している。
受光素子46は、筐体42の下面に取り付けられている。受光素子46の受光面は、透光孔42h内に面している。受光素子46には、ケーブル47を接続することができる。受光素子46の出力は、ケーブル47を介して外部装置に伝えられる。
光ファイバ接続部44から透光孔42a内に照射されたレーザ光は、図3の矢印90に示すように、ミラー48a、48bに反射されることによって透光孔42a〜42hに沿って進行し、受光素子46の受光面に入射する。したがって、受光素子46は、受光したレーザ光の強度を出力する。矢印90に示すように、レーザ光は貫通孔43内を往復する。したがって、貫通孔43内を流れるガスの透明度等によって、受光素子46で受光されるレーザ光の強度は変化する。すなわち、受光素子46の出力値は、貫通孔43内を流れるガスの成分によって変化する。
図4は、エンジンに取り付けた状態における排ガス分析装置10の取付構造を示す断面図である。なお、図4は、1つの排ガス経路の断面(図1のIV−IV線に示すように、ブロック20の排ガス通過孔22、リング30、及び、排ガスセンサ40からなる排ガス経路に対応する断面)を示しているが、4つの排ガス経路のそれぞれが同様の構造を有している。
図4に示すように、ブロック20は、ガスケット62を介して、エンジンの排出ポート60に当接している。ブロック20の取付孔24には、支柱70が挿通されている。支柱70の一端は、図示していない箇所でエンジンに固定されている。リング30は、フランジ32側の端面がリングガスケット64を介してブロック20に当接している。リング30は、フランジ32がブロック20にネジ止めされることによって、ブロック20に固定されている。排ガスセンサ40は、貫通孔43内にリング30の端部が挿入された状態で、リングガスケット66を介してリング30に当接している。なお、リング30のうちの排ガスセンサ40の貫通孔43内に挿入される部分(すなわち、フランジ32の上面から反フランジ32側の端部までの長さ)が短いため、排ガスセンサ40の貫通孔43内のレーザ光の経路にリング30は干渉しない。排ガスセンサ40の反リング30側の端面には、リングガスケット68を介してエキゾーストマニホールド72が当接している。エキゾーストマニホールド72は、支柱70にも当接している。エキゾーストマニホールド72は、支柱70に対してネジ止めにより固定されている。エキゾーストマニホールド72が固定されることによって、排ガス分析装置10全体がエンジンに対して固定されている。
排ガスの分析を行う際には、各排ガスセンサ40を動作させるとともに、エンジンを作動させる。エンジンを作動させると、排ガスがエンジンの各気筒の排出ポートから排出される。排出された排ガスは、ブロック20の排ガス通過孔22内、リング30の内孔34内、及び、排ガスセンサ40の貫通孔43内をそれぞれ通って、エキゾーストマニホールド72内へ流れる。各排ガスセンサ40は、各排出ポートから排出された排ガスの透明度等に応じた出力値を出力する。各排ガスセンサ40の出力値によって、排ガスの特性が示され、エンジンの各気筒の燃焼状態等を分析することができる。
排ガス分析装置10は、異なる型式のエンジンの排ガスの分析に用いることもできる。例えば、3気筒のエンジンの排ガスを分析する場合には、そのエンジンの3つの排出ポートの配置(形状、ポート間のピッチ)に合わせて3つの排ガス通過孔22が形成されているブロック20を用意する。そして、図5に示すように、ブロック20の各排ガス通過孔22にリング30と排ガスセンサ40を設置する。これによって、3気筒のエンジンの排ガスを分析することができる。また、上記のエンジンとは排出ポート間のピッチが異なる4気筒エンジンの排ガスを分析する場合には、そのエンジンの排出ポート間のピッチと同じピッチで4つの排ガス通過孔22が形成されているブロック20を用意する。そして、図6に示すように、ブロック20の各排ガス通過孔22にリング30と排ガスセンサ40を設置する。これによって、ピッチが異なる4気筒エンジンの排ガスを分析することができる。このように、エンジンの型式(すなわち、排出ポートの数、排出ポート間のピッチ等)に応じてブロック20を用意することで、リング30及び排ガスセンサ40を共通して種々の型式のエンジンの排ガス分析に用いることができる。したがって、エンジンの型式毎に排ガス分析装置を用意する必要が無くなり、コストの低減を図ることができる。
また、エンジンの各部品の配置によっては、排ガスセンサ40とエンジンの部品とが干渉したり、排ガスセンサ40に接続されている光ファイバ45やケーブル47とエンジンの部品とが干渉して、排ガス分析装置10を適切に取り付けることが困難となる場合がある。しかしながら、排ガス分析装置10では、リング30の外周面(排ガスセンサ40に挿入される部分の外周面)の断面形状が円形であるとともに、排ガスセンサ40の貫通孔43の断面形状が円形である。したがって、図7に示すように、排ガスセンサ40をリング30を軸として回転させることができる。これによって、排ガスセンサ40を、エンジンの部品と干渉しないように配置することができる。これによって、排ガス分析装置10の汎用性がより向上されている。
なお、エンジンの排出ポートの形状は、エンジンの型式によって異なる。したがって、ブロック20の排ガス通過孔22の形状、及び、リング30の内孔34の形状は、エンジンの排出ポートの形状に合わせて変更することができる。例えば、排出ポートの内面の断面形状が円形である場合には、ブロック20の排ガス通過孔22及びリング30の内孔34の断面形状を、排出ポートの内径に応じた内径を有する円形とすることができる。また、排出ポートの内面の断面形状が楕円形である場合には、排ガス通過孔22及び内孔34の断面形状を楕円形とすることができる。このように、排ガス通過孔22及び内孔34の形状を排出ポートの形状に応じた形状とすると、排ガス分析装置10を取り付けても排ガスの排気抵抗が通常の状態からほとんど変化しない。したがって、通常の動作状態に近い状態でエンジンを動作させて、排ガスを分析することができる。なお、リング30の外周面(排ガスセンサ40に挿入されている部分の外周面)の形状は、排ガスセンサ40の貫通孔43に応じた形状とする必要がある。したがって、例えば、排出ポートの内面の断面形状が楕円形であり、排ガスセンサ40の貫通孔43の断面形状が円形である場合には、図8に示すように、リング30の外周面(排ガスセンサ40に挿入される部分の外周面)の断面形状を円形とし、リング30の内孔34の断面形状を楕円形とすることができる。
また、多気筒エンジンの排出ポートのうちの1つの排出ポートから排出される排ガスだけを分析する場合には、図9に示すように、分析対象でない排ガス経路にダミーリング50を取り付けることができる。これによって、分析対象でない排ガス経路の機密性を確保しつつ、分析対象の排ガス経路の排ガスを分析することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:排ガス分析装置
20:ブロック
22:排ガス通過孔
24:取付孔
30:リング
32:フランジ
34:内孔
40:排ガスセンサ
42:筐体
43:貫通孔
44:光ファイバ接続部
45:光ファイバ
46:受光素子
47:ケーブル
48a:ミラー
48b:ミラー
60:排出ポート
72:エキゾーストマニホールド

Claims (1)

  1. 多気筒エンジンの各気筒の排出ポートから排出される排ガスを分析する装置であって、
    多気筒エンジンの各排出ポートに対応する位置に排ガス通過孔が形成されているブロックと、
    筒形状を有する複数のリングと、
    貫通孔が形成されており、その貫通孔内を流れる排ガスの特性を検出する複数の排ガスセンサを有しており、
    各リングは、リングの内孔がブロックの排ガス通過孔に接続される位置に着脱可能であり、
    各排ガスセンサは、排ガスセンサの貫通孔がリングの内孔に接続される位置に着脱可能である、
    ことを特徴とする排ガス分析装置。
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