JP5269715B2 - 園芸用バリカン - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、二種類のブレードアセンブリを使用可能な園芸用バリカンにおいて、ブレードアセンブリの固定ねじの紛失を防止し得る技術を提供する。
少なくとも一方のブレードアセンブリには、当該ブレードアセンブリをバリカン本体に固定するための固定ねじと、当該ブレードアセンブリとバリカン本体の間に位置するとともに、前記固定ねじの軸部が通過する貫通孔が形成された保持部材が設けられている。
固定ねじの軸部には、バリカン本体に捩じ込まれるねじ部分と、ねじ部分よりも頭部側に位置するとともに、ねじ部分よりも外径の小さい細径部分が形成されている。一方、保持部材の貫通孔には、固定ねじの細径部分が通過するとともに、固定ねじのねじ部分の外径よりも内径の小さい小径部分が形成されている。
この構成によると、通常は固定ねじの落下が防止されるとともに、必要であれば、固定ねじを回転させることで固定ねじをブレードアセンブリから取り外すこともできる。
この構成によると、ブレードアセンブリを取り替える際に、特別な工具を必要とすることなく、硬貨やメダルといったコイン状(円板状)部材によって、固定ねじを締め付けたり緩めたりすることができる。そのことから、園芸用バリカンを屋外で用いる際に、工具を併せて持ち歩く必要がない。
(特徴1) 園芸用バリカンは、二種類のブレードアセンブリを備えている。第1の種類のブレードアセンブリは、主に生垣の刈込作業に用いられる生垣用ブレードアセンブリであり、第2の種類のブレードアセンブリは、主に芝生の刈込作業に用いられる芝生用ブレードアセンブリである。ただし、生垣用ブレードアセンブリは、生垣の刈込作業のみでなく、他の立ち木の刈込作業にも用いることができる。同様に、芝生用ブレードアセンブリは、芝生の刈込作業のみでなく、他の草花の刈込作業にも用いることができる。
(特徴2) 各々のブレードアセンブリは、一対のシャーブレードを備えている。一対のシャーブレードのそれぞれは、スライド可能又は揺動可能に支持されている。各々のシャーブレードの基端部には、カム部材のいずれかのカムと係合する係合孔が設けられている。係合孔は、長円形状を有しており、その長径方向は、シャーブレードがスライド又は揺動する方向に対して直交する。それにより、各々のシャーブレードは、カム部材の回転に伴って、往復運動するように構成されている。
(特徴3) カム部材は、第1、第2、第3及び第4の四つのカムと、中間プレートを備えている。第1及び第2のカムは、中間プレートの一方側に設けられており、第3及び第4のカムは、中間プレートの他方側に設けられている。中間プレートは、カム部材を回転部材に対していずれの向きで取り付けても、回転部材に当接してカム部材を安定させる。
(特徴4) 固定ねじの頭部には、直線状に伸びる直線溝が形成されている。当該直線溝には、コイン状の部材を固定ねじの回転方向に関して係合させることができる。
なお、芝生用ブレードアセンブリ200に、生垣用ブレードアセンブリ100のような固定ねじ140は設けられていない。芝生用ブレードアセンブリ200は、生垣用ブレードアセンブリ100よりも寸法が短いので、後述するボトムカバー30のみによっても、バリカン本体12に対してしっかりと固定される。
ハウジング14の底部には、ブレードアセンブリ100、200を取り付ける開口部24が形成されている。ハウジング14の開口部24には、生垣用ブレードアセンブリ100と、芝生用ブレードアセンブリ200を、択一的に取り付けることができる。ハウジング14の開口部24には、ブレードアセンブリ100、200を取り付けた後に、ボトムカバー30が取り付けられる。なお、生垣用ブレードアセンブリ100の場合は、ボトムカバー30を取り付ける前に、固定ねじ140を締め付けておく。詳しくは後述するが、固定ねじ140は、スクリュウドライバといった工具を必要することなく、例えば硬貨のようなコイン状の部材によって締め付けたり緩めたりすることができる。
図4、図5に示すように、バリカン本体12は、園芸用バリカン10の原動機であるモータ40と、モータ40に設けられたモータピニオン42と、モータピニオン42に係合している二段ギヤ44と、二段ギヤ44に係合している最終ギヤ50を備えている。最終ギヤ50の下側の端面には、後述するカム部材60を部分的に収容する凹部52が形成されている。
モータ40は、トリガ16を介して電池パック20に電気的に接続されている。利用者がトリガ16を操作すると、電池パック20からの電力によってモータ40が回転する。モータ40が回転すると、モータピニオン42及び二段ギヤ44を介して、最終ギヤ50が回転駆動される。最終ギヤ50は、シャフト70によって支持されており、シャフト70を中心に回転する。このように、最終ギヤ50は、モータ40によって回転駆動される回転部材である。
詳しくは後述するが、カム部材60は、バリカン本体12に取り付けられたブレードアセンブリ100、200の一対のシャーブレード110、210に接続される。カム部材60は、回転することによって接続された一対のシャーブレード110、210を往復運動させる。ここで、一対のシャーブレード110、210は、互いに180度の位相差を持って往復運動する。なお、バリカン本体12に生垣用ブレードアセンブリ100を取り付ける場合と、バリカン本体12に芝生用ブレードアセンブリ200を取り付ける場合で、カム部材60は最終ギヤ50に対して表裏反対向きに取り付けられる。
各々のカム61、62、63、64は、円板形状を有しており、第1カム61、第2カム62、第3カム63、第4カム64の順に積層されている。また、第2カム62と第3カム63の間には、円板部材である中間プレート65が設けられている。カム部材60には、バリカン本体12のシャフト70を受入れる中心孔66と、最終ギヤ50の連結ピン54を受入れるピン挿入孔67が形成されている。従って、中心孔66の位置が、カム部材60の回転中心を示す。四つのカム61、62、63、64と中間プレート65は、二本の締結ピン68によって互いに結合されている。
なお、変形例として、中心孔66に対して第1カム61及び第2カム62をオフセットさせる方向と、中心孔66に対して第3カム63及び第4カム64をオフセットさせる方向を、互いに直交するように設計してもよい。この場合でも、中心孔66に対して四つのカムが90度間隔で配置されることから、カム部材60の質量バランスが維持される。
第3カム63と第4カム64の径寸法が同一でない場合、第3カム63と第4カム64の質量が互いに相違することから、カム部材60の質量バランスが悪化することになる。そこで、本実施例では、径寸法が小さい方の第4カム64の厚み寸法D4を、径寸法が大きい方の第3カム63の厚み寸法よりも大きくしている。それにより、第3カム63と第4カム64の質量差を小さくして、カム部材60の質量バランスを改善している。このように、各カムの径寸法や中心孔66からのオフセット距離に応じて、各カムの厚み寸法を調整することにより、カム部材60の質量バランスを改善することができる。具体的には、径寸法が大きいほど、その厚み寸法を小さくするとよい。あるいは、オフセット距離が大きいほど、その厚み寸法を小さくするとよい。
図8、図9に示すように、生垣用ブレードアセンブリ100の各々のシャーブレード110の基端部114には、カム部材60に係合するための係合孔116が形成されている。バリカン本体12に生垣用ブレードアセンブリ100を取り付ける場合、カム部材60は、第3カム63と第4カム64が最終ギヤ50側に位置する向きで、最終ギヤ50に固定される。それにより、生垣用ブレードアセンブリ100の場合は、下側に位置するシャーブレード110の係合孔116に第1カム61が係合し、上側に位置するシャーブレード110の係合孔116に第2カム62が係合する。この状態でカム部材60が回転駆動されると、一対のシャーブレード110は、バリカン本体12に対して進退するように往復運動する。
さらに、カム部材60の中間プレート65は、最終ギヤ50の下側の端面に当接している。中間プレート65が最終ギヤ50に当接することで、カム部材60の最終ギヤ50に対する姿勢が安定する。それにより、動作時の不快な振動や騒音の発生が防止される。特に、本実施例では、中間プレート65がその全周に亘って最終ギヤ50に当接することで、カム部材60の最終ギヤ50に対する姿勢が非常に安定することになる。
図11を参照して、固定ねじ140と保持部材150の構造について説明する。図11に示すように、固定ねじ140は、頭部142と軸部144を備えている。軸部144には、細径部分146とねじ部分148が形成されている。ねじ部分148は、バリカン本体12のナット72に捩じ込まれる。細径部分146は、ねじ部分148よりも頭部142側に位置しており、その外径はねじ部分148の外径よりも小さくなっている。
そこで、本実施例の保持部材150では、貫通孔152の一部に大径部分156が形成されている。図11に示すように、大径部分156は、バリカン本体12側の端部まで伸びており、その内径は、固定ねじ140のねじ部分148の外径よりも大きい。この構成によれば、固定ねじ140を締め付けたり緩めたりする際に、固定ねじ140のねじ部分148は大径部分156に出入りすることから、ねじ部分148が保持部材150に干渉することが防止される。特に、本実施例の大径部分156は、固定ねじ140のねじ部分148よりも十分に長く形成されており、固定ねじ140のねじ部分148を完全に収容できる構成となっている。
図12、図13に示すように、芝生用ブレードアセンブリ200の各々のシャーブレード210の基端部214には、カム部材60に係合するための係合孔216が形成されている。バリカン本体12に芝生用ブレードアセンブリ200を取り付ける場合、カム部材60は、第1カム61と第2カム62が最終ギヤ50側に位置する向きで、最終ギヤ50に固定される。それにより、芝生用ブレードアセンブリ200の場合は、下側に位置するシャーブレード210の係合孔216に第4カム64が係合し、上側に位置するシャーブレード210の係合孔216に第2カム62が係合する。この状態でカム部材60が回転駆動されると、一対のシャーブレード210は、バリカン本体12に対して揺動するように往復運動する。
図16は、変形例の固定ねじ160及び保持部材170を用いて、バリカン本体12に生垣用ブレードアセンブリ100を取り付けた状態を示す。図16に示すように、保持部材170の長さ寸法が短縮されたことによって、ナット72と保持部材170との間に空間が形成され、保持部材170はナット72に当接せず、その代わりにバリカン本体12の他の一部に当接する。
このように、変形例の保持部材170は、その構造がシンプルであり、例えば汎用のナット等で構成することもできる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:バリカン本体
24:開口部
40:モータ
50:最終ギヤ(回転部材)
52:凹部
60:カム部材
61:第1カム
62:第2カム
63:第3カム
64:第4カム
65:中間プレート
100:生垣用ブレードアセンブリ
110:生垣用ブレードアセンブリのシャーブレード
140、160:固定ねじ
142、162:頭部
142a、162a:直線溝
144、164:軸部
146、166:細径部分
148、168:ねじ部分
150、170:保持部材
152、172:保持部材の貫通孔
154:保持部材の貫通孔の小径部分
156:保持部材の貫通孔の大径部分
200:芝生用ブレードアセンブリ
210:芝生用ブレードアセンブリのシャーブレード
Claims (4)
- 第1及び第2の種類のブレードアセンブリと、
第1及び第2の種類のブレードアセンブリを択一的に取付可能なバリカン本体を備え、
少なくとも一方のブレードアセンブリには、
当該ブレードアセンブリを前記バリカン本体に固定するための固定ねじと、
当該ブレードアセンブリと前記バリカン本体の間に位置するとともに、前記固定ねじの軸部が通過する貫通孔が形成された保持部材が設けられており、
前記固定ねじの軸部には、前記バリカン本体に捩じ込まれるねじ部分と、ねじ部分よりも頭部側に位置するとともに、ねじ部分よりも外径の小さい細径部分が形成されており、
前記保持部材の貫通孔には、前記固定ねじの細径部分が通過するとともに、前記固定ねじのねじ部分の外径よりも内径の小さい小径部分が形成されている、
ことを特徴とする園芸用バリカン。 - 前記保持部材の貫通孔の小径部分には、前記固定ねじのねじ部分に対応する寸法の雌ねじが刻設されていることを特徴とする請求項1に記載の園芸用バリカン。
- 前記保持部材は、当該ブレードアセンブリが前記バリカン本体に取り付けられた状態で、当該ブレードアセンブリと前記バリカン本体の両者に当接し、
前記保持部材の貫通孔の一部であって、バリカン本体側の端部まで伸びる長さ範囲には、その内径が前記固定ねじのねじ部分の外径よりも大きい大径部分がさらに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の園芸用バリカン。 - 前記固定ねじの頭部には、コイン状の部材が係合可能な溝が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の園芸用バリカン。
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