JP5269488B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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Description

本発明は、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具に関する。
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして折り曲げ可能な軟性の眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。折り曲げ可能な眼内レンズを挿入するには、インジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具を使用することにより、眼内レンズを折り曲げた状態で眼内に挿入させることによって、患者眼に設ける切開創をできるだけ小径となるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−47091号公報
このようなインジェクターを用いた眼内レンズの挿入動作では、術者が水晶体の摘出後に眼内レンズの挿入に先立って、患者眼の眼内圧を所定の圧力に維持し球形状を確保するため眼内に粘弾性物質又は灌流液を注入しておく。そして、インジェクターの先端を患者眼の切開創へと挿入し、眼内レンズを眼内へと挿入する。従来、粘弾性物質等を眼内に注入するための器具と眼内レンズを挿入するための器具は別部品であるため、手順に従って使用する器具を取り替える必要があった。また、インジェクターを使用する際には、挿入時の眼内レンズのすべりを良くするために、使用直前に粘弾性物質を眼内レンズの周囲に塗布する必要があり、手間であった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、器具の取り替え、使用時の粘弾性物質塗布の手間をなくし、効率よく眼内レンズを患者眼内に挿入、設置することのできる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) レンズ押出軸を用いて被検者の眼内に眼内レンズを挿入する眼内レンズ挿入器具は、該挿入器具の遠位側から順に、先端に向かって先細りの形状を持つ挿入部と,眼内レンズを保持載置する保持部と,粘弾性物質または液体が充填済とされる充填室と,が連結されており、該充填室は前記保持部との連結部分に形成される連通孔と後方の可動壁とで挟まれた空間によって形成され、前記レンズ押出軸は前記可動壁と一体とされ、該可動壁の両側に伸びるように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、器具の取り替え、使用時の粘弾性物質等の塗布の手間をなくし、効率よく眼内レンズを患者眼内に挿入、設置できる。
以下に本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本実施形態の眼内レンズ挿入器具に設置される眼内レンズ100の構成を示した図である。図示するように、眼内レンズ100は所定の屈折力を有する光学部101と、光学部101を患者眼の眼内にて固定支持するための一対の支持部103とからなる。光学部101はシリコーン、親水性又は疎水性のアクリル樹脂からなる軟性の折り曲げ可能な材料から形成されている。支持部103はその一端(基端)が光学部に接合され、他端(先端)を自由端としたループ形状を有している。支持部103はPMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリプロピレン等の樹脂にて形成される。
次に、本発明の実施形態である眼内レンズ挿入器具1の構成を説明する。図2は眼内レンズ挿入器具1の概略を説明する模式図である。図2(a)は、眼内レンズ挿入器具1の概略側面図であり、図2(b)は、眼内レンズ挿入器具1の概略断面図である。図3は、載置部10の周辺の上面図である。図3では、説明の簡便のためカバー11は取り外した状態としている。図4は、ハンドピース50の先端側の構成とハンドピース50とカートリッジ20の接続を説明する図である。
図2(a)に示すように、眼内レンズ挿入器具1は眼球に挿入する側から順に大別して、眼内レンズ100を載置するカートリッジ20と、カートリッジ20の後端に接続され、粘弾性物質(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等)及び眼内レンズ100をカートリッジ20から押出すためのハンドピース50とで構成される。カートリッジ20は、眼球に形成される切開創に挿入する挿入部2、挿入部2の基端に設けられ眼内レンズ100を載置(保持)する載置部(保持部)10を備える。ハンドピース(押出手段)50は、載置部10の後端に連結され内部が筒状の空洞を有した外筒部30、外筒部30内部を挿通し眼内レンズ100及び粘弾性物質を挿入部2を通して外部に押し出すための棒状の押出部材40とを備える。
また、ハンドピース50の先端側(載置部10の基端側)には、患者眼の前房確保(球形状の確保)及び眼内レンズの挿入時にすべりをよくするために用いられる粘弾性物質(粘性体)又は液体(例えば、白内障手術で用いられる灌流液等)の流体(以下、単に粘弾性物質と記す)が充填されるタンク部35が設けられる。なお、タンク部35は、患者眼の前房確保に必要とされる量の粘弾性物質を収めるだけの充分な容積を持つ。なお、本実施形態では、ハンドピース50にタンク部35が一体的に形成される。以下、タンク部35に粘弾性物質Vが保管されているものとする。なお、詳細は後述するが、タンク部35には、粘弾性物質Vを長期間保管できるように、略密封状態とする構成を持つ。また、ハンドピース50は、押出動作によりタンク部35の先端(ここでは、凸部31の先端)から粘弾性物質Vを押出できる構成を有する。
従って、眼内レンズ挿入器具1を用いた眼内レンズ100の挿入動作では、押出部材40が押し込まれる(前進される)ことにより粘弾性物質Vが挿入部2の先端2aから眼内へと挿入されることなる。この状態で、押出部材40がさらに押し込まれると、眼内レンズ100が先端2aから押出されることとなる。
また、外筒部30の先端には、載置部10の後端に形成された嵌合孔15と嵌合する形状を有した凸部31が形成されている。凸部31にはタンク部35内に充填されている粘弾性物質を載置部10側に送出するための孔が設けられている。嵌合孔15と凸部31により、カートリッジ20(載置部10)とハンドピース50(タンク部35)を着脱可能に接続する接続手段が構成される(詳細は後述する)。
カートリッジ20において、載置部10の上部に設けられたカバー11が開閉可能とされているため、カバー11を開けることで眼内レンズ100を載置部10内に置くことができる。また、詳細な説明は略すが、載置部10上方の天井はできるだけ低くなるように構成されており、カバー11が閉じられることにより、載置部10内の眼内レンズ100が上方に移動することが規制される。なお、載置部10に眼内レンズ100が置かれた状態で、粘弾性物質Vが載置部10の後端から挿入部2へと向かって移動できる程度の空間が設けられている。載置部10の載置台10aに置かれた眼内レンズ100は押出部材40にて押出され、挿入部2内にて折り畳まれ(丸め込まれ)ながら、挿入部2の先端2aより押出されることとなる。このとき、眼内レンズ100は、挿入部2の軸(眼内レンズの押出軸に一致する)に沿って前方に移動される。なお、図2(a)では、載置部10の内部に置かれる眼内レンズ100を点線で示し、模式的な配置位置を示した。
図2(b)に示されるように、挿入部2は眼球に設けられた切開創を必要以上に広げさせずに、眼内レンズ100を折り畳んだ状態で容易に挿入できるようにするために、後方の外筒部3より小径で先端2aに行くに従って先細りとなるテーパ形状の中空部材で構成される。また、挿入部2の基端側には、押出される光学部101を丸めるための側壁13が設けられている。側壁13は、光学部101に対して左右に配置されており、側壁13の間の間隔は、先端2aに向かうに従って狭まるようにされている。これにより、光学部101が先端2aに向かうに従って丸められることとなる。
載置部10には、眼内レンズ100の光学部101を載置する載置面10aが形成されている。載置部10の側壁は支持部103に干渉しない程度に光学部101の径よりも若干狭くなっているとともに、光学部101に対して応力を掛けない状態で固定保持させるために光学部101が接触する部分の側壁は、光学部101の外周に沿って凹んだ形状とされている。
また、載置台10の後端に形成される嵌合孔15の内径は、凸部31の外径と同程度とされる。嵌合孔15の後端部はすり鉢状とされ、凸部31が嵌合しやすいようにされている。
ハンドピース50において、外筒部30に保持される押出部材40は、外筒部30の内部を移動する際の軸ぶれを防止するための軸基部41を備え、この軸基部41の後端は術者が押圧する押圧部とされる。また、軸基部41の先端には、先端から延び軸基部41よりも細い径にて形成され眼内レンズを挿入部2から押出すための押出棒(押出軸)42が形成される。押出棒41の先端部は、眼内レンズ100の光学部101に当接し光学部101を押す役割を持つ。押出部材40は、外筒30の内部を前後方向(軸方向)に進退移動可能に取り付けられている。また、押出棒42の長さは、押出部材40を外筒30内に押し込んだときに、押出棒42の先端が挿入部2の先端から充分出るような長さとされる。
また、タンク部35は押出棒42に挿通される構成を持つ。具体的には、凸部31は、外筒部30より径が小さい径の筒状の部材とされ、押出棒42を挿通させるとともに、粘弾性物質が通過できるような内形状の通路を備える。また、凸部31は後述する可動壁36を通過させない形状を持ち、例えば、可動壁36の外径より小さい径で形成される。また、凸部31の外径は、嵌合孔15に嵌合する程度の径とされ、ここでは、嵌合孔15の内径と同程度とされる。
また、図4に示すように、タンク部35の先端は、凸部31の先端に着脱可能に取り付けられた密封部材となるキャップ32により密封され、タンク部35の後端は、押出棒42の進退移動に連動し進退移動するように押出棒42の軸途中に係止された可動壁(後端栓)36にて密封される。これにより、タンク部35は、粘弾性物質Vを密封状態で保管する空間を有することとなり、押出棒42の進退移動により連動する可動壁36によりタンク部35の容積が変化する。したがって、タンク部35内に粘弾性物質Vが充填された状態で、押出棒42の進退移動によりタンク部35の容積が小さくされると、その分のタンク部35内に充填された粘弾性物質Vが凸部31から送出されることとなる。
ここで、キャップ32は、ゴム等の弾性、復元力を持つ素材を、凸部31の先端を覆うと共に外径よりも若干小さい径で形成した部材である。なお、密封部材としては、キャップ32の代わりに、凸部31の先端をシールするフィルム状の部材、凸部31の通路を塞ぐ栓等を用いてもよい。なお、粘弾性物質Vを保管する空間は、長期保管において粘弾性物質Vの蒸発等が抑制できる程度の密封状態であればよい。
可動壁36は、外筒部30の内壁に可動壁36の外周が密着しつつ外筒部30の内部を進退移動可能な構成とされる。ここでは、可動壁36が外筒部30と密着した状態を維持できる素材、例えば、ゴム等の弾性、復元力を有した素材を、密着状態を維持でき、外筒部30内を摺動可能な程度の厚みを持つ板状の部材を外筒部30の断面(軸に直交する)形状と合致するように加工して得る。また、可動壁36には、押出棒42を挿通するために押出棒42の外径と同程度の内径を持つ貫通孔37が形成されている。このような、貫通孔37に押出棒31が挿通されることで、押出棒42が可動壁36に保持(ここでは、係止)されることとなる。これにより、押出棒42は進退移動において、可動壁36に軸出しされることとなり、可動壁36が押出棒42を押出軸上に進退移動させるためのガイド手段を兼ねることとなる。
また、押出棒42には、その先端から所定の長さの位置に可動壁36を係止するための係止手段が設けられる。本実施形態では、押出棒42の軸部から突出して形成された突起45が係止手段とされる。貫通孔37の内壁には突起45が嵌合する嵌合部38が形成されている。この嵌合部38に突起45が嵌合することで、可動壁36が押出棒42に係止される(この状態を係止状態と呼ぶ)。突起45は、可動壁36が押出棒42の前進に連動して前進しつつ、タンク部35内の粘弾性物質Vを凸部31から押出できる程度に可動壁36を係止する。また、突起45は、押出棒42が前進され可動壁36が凸部31の後端に当接した後にさらに押出棒42が前進されると、突起45と嵌合部38の係止状態が解除される程度に可動壁36を係止する。このような係止状態は、突起45の外壁からの突出量等の形状及び押出棒42硬さ、弾性力等の特性と、可動壁36の弾性、復元力及び嵌合部38の形状によって定められる。
突起45の押出棒42上での配置位置は、可動壁36の係止状態において、タンク部35が、先端2aを介して眼内に押出された際に患者眼の前房確保に必要とされる量の粘弾性物質Vを収めることができるように定められる。また、突起45の配置位置は、押出部材40の前進移動において、前房確保に必要とされる量の粘弾性物質Vが挿入部より押出された後に眼内レンズが挿入部より押出されるように定められる。
本実施形態では、可動壁36の係止状態が解除される際に、患者眼の前房が確保された状態で押出棒42が前進される構成とされる。具体的には、粘弾性物質Vが前房を確保する前に、眼内レンズ100が押出棒42に押され挿入部2の先端側等の内径が小さい箇所で粘弾性物質Vの通過を塞いでしまわないように突起45の位置が定められる。本実施形態では、係止状態が解除される際に、押出棒42が眼内レンズ100に当接するか又は載置面10a上で眼内レンズ100を押す程度となるように、突起45の位置が定められる。
なお、可動壁36は押出棒42の軸途中に形成される構成に限るものではない。タンク部内の粘弾性物質が前房確保に充分な量押出された後に眼内レンズが押出される構成であればよく、押出棒42の先端に可動壁が係止される構成であってもよい。
なお、貫通孔37の内径を押出棒42の外径よりも若干小さい径とすることで、可動壁36に押出棒42が係止される(押出棒42に可動壁36が係止される)構成としてもよい。この場合、押出棒42の素材及び径と、可動壁36の素材及び貫通孔37の形状により係止度合が定められる。また、押出棒押出部材の軸方向の回転により、係止状態を解除する構成としてもよい。例えば、貫通孔37に放射状に延びたスリットを設け、押出棒にこのスリットを通過する突起を設ける。可動壁の押出動作においては、突起にて可動壁を後方から係止する。係止状態を解除する際には、押出棒を回転させて、スリットを突起が通過するようにする。
なお、可動壁36は、外筒部30の内壁に略密着状態で摺動できる構成であればよく、タンク部35に満たされた粘弾性物質又は液体が可動壁36からほとんど漏れない構成であればよい。例えば、樹脂等にて形成されてもよい。
以上説明した、カートリッジ20とハンドピース50を接続する場合、キャップ32を取り外し、凸部31を嵌合孔15に嵌合させる。これにより、カートリッジ20とハンドピース50が着脱可能に接続され、眼内レンズ挿入器具1が構成される。このとき、タンク部35、凸部31、載置台10は粘弾性物質等及び押出棒42が通過する通路を構成することとなる。なお、以上の説明では、キャップ32を取り外し、タンク部35の密封を解除した後に、ハンドピース50とカートリッジ20を接続する構成としたが、これに限るものではない。凸部の先端をフィルムで密封し、嵌合孔にこのフィルムを破るための突起等を形成する。このようにして、嵌合孔に凸部が嵌合されるとフィルムが敗れるような構成とする。これにより、ハンドピースとカートリッジを接続する動作によって、タンク部35の密閉状態が手間なく解除できる。
以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具1において、眼内レンズ100の押出動作を説明する。図5は、眼内レンズ挿入器具1の押出動作を説明する模式的断面図であり、図5(a)は、粘弾性物質Vの押出動作を示し、図5(b)は、眼内レンズ100の押出動作を示す。
術者がハンドピース50のキャップ32を取り外す。そして、カートリッジ20とハンドピース50を接続させる(接続手段である嵌合孔15と凸部31を嵌合させる)ことで、眼内レンズ挿入器具1が構成される。そして、カバー11を開け、載置面10aに眼内レンズ100を置く。又は、工場にて載置面10aに眼内レンズ100が予め置かれた状態で工場出荷されたものを術者が使用する。
術者により、押出部材40の押圧部が押されると、軸に沿って押出棒42が前進される。この動作に伴い可動壁36がタンク部35内の粘弾性物質Vを前方へ押出す。言い換えると、タンク部35の容量が可動壁36の前進に伴い小さくされ、容量が小さくなった分だけ粘弾性物質Vが凸部31から押出される。これにより、載置部10、挿入部2の内部に粘弾性物質Vが満たされ、眼内レンズ100の周囲に粘弾性物質が塗布される。このとき、挿入部2が上になるように操作する。なお、この状態では、眼内レンズ100はまだ押出棒42には当接していない。
さらに、押出部材40が押されると、押出棒42が眼内レンズ100に当接し、眼内レンズ100の前進が始まる(図5(a)の状態)。この状態においても、粘弾性物質Vは可動壁36に押出され先端2aから眼内へと送出される。
図5(b)の状態から押出部材40が押されると、可動壁36が凸部31の後端に当接し、前進が規制される。この状態で、押出部材40が押され押出棒42が前進されると、可動壁36の係止状態が解除される。具体的には、突起45が嵌合部38から外れ前方へと移動することで、押出棒42と可動壁36との連動が解除される。係止状態が解除される前の動作において、可動壁36の移動に伴い先端2aから送出される粘弾性物質Vにより、患者眼の前房が確保されることとなる。
係止状態が解除された押出棒42は、さらに眼内レンズ100を前方へと押出す(図5(b)の状態)。眼内レンズ100は側壁13、挿入部2により折り畳まれ、小さく丸められた状態で先端2aから眼内へと押出される。
なお、粘弾性物質Vが可動壁36により挿入部2の先端から押出される(眼内に送出される)際に、患者眼にとって粘弾性物質Vの量が多くても、粘弾性物質Vの余剰分は、患者眼の切開創から流出する。
また、以上の説明において、カートリッジ20とハンドピース50の連結箇所、カバー11と載置部10の間に若干の隙間がある場合であっても、粘弾性物質等の漏出はほとんどなく、先端2aからほとんどの粘弾性物質等が眼内へと押出される。
以上のように、本実施形態では眼内レンズ挿入器具を用いた眼内レンズの挿入動作の前に、患者眼の前房を確保する(眼内圧を所定の圧力に維持し球形状にする)ために、粘弾性物質又は灌流液等の液体を注入するための注入器具を用いる必要がない。このため、手術中に術者が、従来眼内レンズ挿入器具とは別部品である粘弾性物質等の注入器具に取り替える手間が省ける。また、注入器具を使わずに、眼内レンズ挿入器具内に粘弾性物質等を充填することができるため、眼内レンズの周囲に粘弾性物質等を塗布する手間が省ける。
このようにして、効率よく眼内レンズを患者眼内に挿入、設置できる。
また、灌流液を注入して前房確保を行う場合、従来は、灌流液の注入器具(例えば、灌流吸引ハンドピース等)で眼内に灌流液を注入する。そして、眼内レンズ挿入器具を用いるために、灌流吸引ハンドピースを眼内から抜く。このときに、灌流液が眼内から多少漏れてしまう。本実施形態のタンク部35に灌流液を充填しておくことで、眼内レンズ挿入器具1の一連の動作で、灌流液での前房確保と眼内レンズの挿入ができ、灌流液の使用量を減らすことができる。
また、カートリッジ20に予め眼内レンズ100が保管されている場合、粘弾性物質等をタンク部35にて保管するため、眼内レンズ100が粘弾性物質等に触れることなく長期保管できる。
なお、以上説明した本実施形態では、ハンドピースの先端の密封を取り除いた後に、カートリッジとハンドピースを連結させて眼内レンズ挿入器具とする構成としたが、これに限るものではない。予めハンドピースとカートリッジが一体とされた眼内レンズ挿入器具とされてもよい。例えば、凸部の先端をフィルムで密封し、ハンドピースとカートリッジを組み合わせる。このとき、フィルムはハンドピースとカートリッジの隙間から出る程度の大きさとする。術者がこのフィルムを抜き取ることにより、眼内レンズ挿入器具が前述のように使用できる。このようにして、予め構成された眼内レンズ挿入器具を簡単に使用可能とできる。この場合、ハンドピースにタンク部を設けることで、眼内レンズに粘弾性物質等が接触することなく眼内レンズを長期保管できる。
また、眼内レンズが親水性の素材で作製されている場合、以下のような保管方法としてもよい。例えば、カートリッジのカバーを隙間なく載置部に固定し、眼内レンズをカートリッジ内に収める(例えば、後端から入れる)。そして、ハンドピースとカートリッジを隙間なく連結し、タンク部、カートリッジ内部に灌流液等を満たして、挿入部の先端を密封部材で密封する。使用の際には、挿入部の先端の密封部材を取り外せはよい。これにより、親水性の眼内レンズを眼内レンズ挿入器具で保管できると共に、前述のように眼内レンズ挿入器具の取り替え動作の手間は省くことができる。
なお、以上説明した本実施形態では、カートリッジは、応力を掛けない状態で眼内レンズを保持(載置)し、押出動作において眼内レンズを折り曲げる構成としたが、これに限るものではない。折り畳まれた眼内レンズが挿入部の先端から押出される構成であればよく、カートリッジに保持された眼内レンズが載置部の内形状により折り畳まれる構成であってもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、押出動作において、押出棒の軸途中に係止された可動壁が押出棒の前進中の所定の位置で係止状態が解除される構成としたが、これに限るものではない。眼内レンズの挿入の前に、患者眼の前房が確保されるように粘弾性物質等が挿入部から眼内へと挿入され、眼内レンズに粘弾性物質等が塗布される構成であればよい。例えば、可動壁を押出棒に固定する構成(押出棒の先端が挿入部から出る範囲において)としてもよいし、軸基部の先端側が可動壁の代わりとなるように軸基部に密封性を持たす構成としてもよい。
眼内レンズ100の外観を示した図である。 本実施形態における眼内レンズ挿入器具1の概略構成図である。 カートリッジ20を説明する図である。 ハンドピース50の先端側の構成とハンドピース50とカートリッジ20の接続を説明する図である。 粘弾性物質Vと眼内レンズ100を押出す動作を説明する図である。
符号の説明
1 眼内レンズ挿入器具
2 挿入部
10 載置部
20 カートリッジ
30 外筒部
40 押出部材
42 押出棒
35 タンク部
36 可動壁
31 凸部
50 ハンドピース
100 眼内レンズ
101 光学部
103 支持部

Claims (2)

  1. レンズ押出軸を用いて被検者の眼内に眼内レンズを挿入する眼内レンズ挿入器具は、
    該挿入器具の遠位側から順に、先端に向かって先細りの形状を持つ挿入部と,眼内レンズを保持載置する保持部と,粘弾性物質または液体が充填済とされる充填室と,が連結されており、
    該充填室は前記保持部との連結部分に形成される連通孔と後方の可動壁とで挟まれた空間によって形成され、
    前記レンズ押出軸は前記可動壁と一体とされ、該可動壁の両側に伸びるように形成されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1の眼内レンズ挿入器具は、カートリッジとハンドピースの2つの部材からなり、
    前記カートリッジは前記挿入部と,保持部とを含み、
    前記ハンドピースは前記保持部に連結可能とされた遠位側に前記連通孔が設けられてなる前記充填室と,前記レンズ押出軸とを含み、
    前記カードリッジ部に前記ハンドピース部を着脱可能にしたことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
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