JP5268227B2 - 太陽電池封止材 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の封止材及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。さらに詳しくは、太陽電池モジュールの形成が容易で、透明性、耐熱性、柔軟性等に優れた封止材に関する。
無尽蔵な自然エネルギーを利用し、二酸化炭素の削減やその他の環境問題の改善が図れる水力発電、風力発電並びに太陽光発電などが脚光を浴びている。このうち太陽光発電は、太陽電池モジュールの発電効率等の性能向上が著しい一方、価格の低下が進んだこと、国や自治体が住宅用太陽光発電システム導入促進事業を進めてきたことから、近年その普及が著しく進んでいる。しかしながら更なる普及には一層の低コスト化が必要であり、そのため発電効率の一層の向上に向けた研究も日夜続けられている。
太陽電池モジュールは、一般にシリコン、ガリウムー砒素、銅ーインジウムーセレンなどの太陽電池素子を上部透明保護材と下部基板保護材とで保護し、太陽電池素子と保護材とを封止材で固定し、パッケージ化したものである。このため太陽電池封止材としては、発電効率を高めるためにも、透明性が良好であることが求められている。また太陽電池モジュールの使用時に温度上昇しても、封止材が流動したり変形したりするトラブルを避けるために、耐熱性を有することが求められている。また近年では、太陽電池素子の薄肉化に伴い、一層柔軟性に優れた封止材も求められている。
現在、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の封止材としては、柔軟性、透明性等の観点から、酢酸ビニル含量の高いエチレン・酢酸ビニル共重合体が使用されている。しかしながら、耐熱性が不足しているところから、有機過酸化物を併用する必要があった。そのため有機過酸化物を配合したエチレン・酢酸ビニル共重合体のシートを予め作成し、得られたシートを用いて太陽電池素子を封止するという2段階の工程を採用する必要があった。このシートの製造段階では、有機過酸化物が分解しないような低温度での成形が必要であるため、押出成形速度を大きくすることができず、また太陽電池素子の封止段階では、ラミネーターにおいて数分乃至十数分かけて仮接着する工程と、オーブン内において有機過酸化物が分解する高温度で数十分ないし1時間かけて本接着する工程とからなる2段階の時間をかけての接着工程を経る必要があった。そのため太陽電池モジュールの製造には手間と時間がかかり、その製造コストを上昇させる要因の一つとなっていた。
特公昭2−40709号公報
そこで本発明者らは、このような有機過酸化物の使用を必要とせず、したがって太陽電池モジュールの生産効率を顕著に改善することができ、しかも太陽電池用封止材として優れた特性を有する代替材料につき検討を行った。その結果、後記する材料が、透明性、柔軟性に優れ、また有機過酸化物等を使用しなくても耐熱性が優れるところから、代替材料として適していることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、70〜95重量部と結晶性α−オレフィン重合体(B)30〜5重量部(両者の合計で100重量部)を含有し、示差走査熱量計に基づく120〜170℃の融解ピークを有し、0.5mm厚みにおけるHAZEが10%以下のものであり、JIS A硬度が40〜100である樹脂組成物(C)からなるシート状太陽電池封止材(太陽電池素子封止材)を用いて作成された太陽電池モジュールに関する。
(a)炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく重合単位が20モル%以上であること。
(b)示差走査熱量計に基づく融解ピークが実質的に観測されないこと。
(c)Mw/Mnが5以下であること。
上記非晶性α−オレフィン重合体(A)としては、とくにメタロセン触媒系で製造されるプロピレン重合単位が30モル%以上のものが好ましい。また任意に配合される上記結晶性α−オレフィン重合体(B)としては、プロピレン単独重合体又はプロピレンとその他のα−オレフィンの共重合体であることが好ましい。
樹脂組成物(C)には、好ましくは、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が配合される。
樹脂組成物(C)としてはまた、150℃の貯蔵弾性率が10Pa以上のものが好ましい。
本発明は、上記した太陽電池封止材を用いて作成された太陽電池モジュールを提供するものである
本発明の太陽電池封止材は、透明性、耐熱性、柔軟性などに優れている。とくに適切な(A)及び(B)を使用することにより、150℃の貯蔵弾性率が10Pa以上、JIS A硬度が40〜100、0.5mm厚みにおけるHAZEが10%以下の封止材を容易に得ることができる。したがって本発明によれば、太陽電池モジュールの使用時に温度上昇しても、封止材が流動したり変形したりするトラブルを回避することが可能であり、太陽電池の外観を損なうことも無い。また上記したように、有機過酸化物の使用が省略できるので、太陽電池モジュール製造工程における生産性を著しく高めることが可能であり、太陽電池モジュールの製造コストを大幅に低減させることが可能である。
本発明で用いる非晶性α−オレフィン重合体(A)は、全単量体単位含有量を100モル%とするときに、炭素原子数が3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が20モル%以上、好ましくは、30モル%以上の重合体である。上記単量体含有量が少なすぎると、透明性、耐ブリード性に劣ることがある。とくに耐熱性、透明性を考慮すると、プロピレン単位含有量が30モル%以上、好ましくは50モル%以上、とくに好ましくは80モル%以上の重合体を使用するのが好ましい。上記炭素原子数が3〜20のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィンなどが例示され、これらは2種類を組み合わせて使用することもできる。
非晶性α−オレフィン重合体(A)は、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン以外の単量体に基づく単量体単位を含有していてもよく、該単量体としては、たとえば、エチレン、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等があげられる。該単量体単位の含有量は、非晶性α−オレフィン重合体中の全単量体単位を100モル%として、70モル%以下、好ましくは50モル%以下、とくに好ましくは20モル%以下であることが望ましい。
非晶性α−オレフィン重合体(A)としては、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとエチレンとの共重合体であり、より好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ヘキセン共重合体であり、さらに好ましくはプロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体であり、特に好ましくはプロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体であり、最も好ましくはプロピレン・1−ブテン共重合体である。上記重合体は、1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
非晶性α−オレフィン重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)により、融解ピークが実質的に観測されない重合体である。融解ピークが観測されるものは、透明性に劣ることがある。
非晶性α−オレフィン重合体(A)としてはまた、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が5以下、好ましくは1〜4のものが使用される。分子量分布が大きすぎるものを使用すると、耐ブリード性、透明性等に劣ることがある。
上記のような性状の非晶性α−オレフィン重合体(A)は、メタロセン系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等で製造できる。該触媒としては、たとえば特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平10−508055号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載のメタロセン系触媒を例示することができる。また、メタロセン触媒を用いた製造方法の特に好ましい例として、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を例示することができる。
本発明において、非晶性α−オレフィン重合体(A)と共に用いることができる結晶性α−オレフィン重合体(B)は、炭素数2〜10のα−オレフィンの重合体もしくは共重合体であって、X線による結晶化度が30%以上のものである。非晶性α−オレフィン重合体(A)との相溶性、透明性、耐熱性等を考慮すると、プロピレン単独重合体又はプロピレンと小割合のその他α−オレフィンとのランダム共重合体を使用することが好ましい。該ランダム共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンを挙げることができる。中でもエチレン及び/又は1−ブテンが好ましい。ランダム共重合体にあっては、上記α−オレフィン単位含量は、10重量%以下のものが好ましい。上記プロピレン単独重合体又はプロピレンのランダム共重合体としてはまた、耐熱性の点から、示差走査熱量計(DSC)に基づく融解ピークが120〜170℃、とくに150〜170℃のものが好ましい。
このようなプロピレン単独重合体又はプロピレンと小割合のその他α−オレフィンとのランダム共重合体は、チタン系またはメタロセン系などの遷移金属化合物成分、有機アルミニウム成分、必要に応じて電子供与体、担体等を含む立体規則性オレフィン重合触媒の存在下に、プロピレンを重合させるか、あるいはプロピレンとα−オレフィンを共重合させることによって製造することができる。
本発明の太陽電池封止材には、上記非晶質α−オレフィン重合体(A)50〜100重量部、好ましくは60〜99重量部、一層好ましくは70〜95重量部と、結晶性α−オレフィン重合体(B)50〜0重量部、好ましくは40〜1重量部、一層好ましくは30〜5重量部((A)と(B)の合計が100重量部である)とからなる樹脂組成物(C)が用いられる。樹脂組成物(C)としてはまた、結晶性α−オレフィン重合体(B)に起因する120〜170℃、好ましくは150〜170℃の融解ピーク(示差走査熱量計に基づく)を有し、150℃の貯蔵弾性率が10Pa以上となり、JIS A硬度が40〜100、好ましくは50〜90となり、また0.5mmシート厚みにおけるHAZEが10%以下、好ましくは5%以下となるように、(A)及び(B)の種類及びその配合割合を選択することが望ましい。
本発明の太陽電池封止材を構成する樹脂組成物(C)には、必要に応じ、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤として具体的には、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やホスファイト系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、光拡散剤、顔料(例えば白色顔料)、難燃剤、変色防止剤などを例示することができる。また、本発明では樹脂組成物に架橋剤や架橋助剤を配合する必要はないが、高度の耐熱性を要求される場合は架橋剤および/または架橋助剤を配合してもよい。
シランカップリング剤は、封止材の保護材や太陽電池素子等に対する接着性を向上させるのに有用であり、その例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤として具体的には、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。シランカップリング剤は、樹脂組成物(C)100重量部に対し、0.1〜5重量部程度配合することが望ましい。
本発明の太陽電池封止材に添加することができる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、などを挙げることができる。またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。これら紫外線吸収剤は、樹脂組成物(C)100重量部に対し0〜2.0重量部配合することが好ましい。
本発明の太陽電池封止材を用い、太陽電池素子を上下の保護材で固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。例えば上部透明保護材/封止材/太陽電池素子/封止材/下部保護材のように太陽電池素子の両側から封止材で挟む構成のもの、下部基板保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と上部透明保護材を形成させるような構成のもの、上部透明保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作成したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のものなどを挙げることができる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、ガリウムー砒素、銅ーインジウムーセレン、カドミウムーテルルなどのIIIーV族やIIーVI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。
太陽電池モジュールを構成する上部保護材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などを例示することができる。下部保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルムなどの単体もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの1層もしくは多層の保護材を例示することができる。
本発明の太陽電池封止材は、通常、0.1〜1mm程度の厚みのシート状で使用される。樹脂組成物(C)からなるシート状太陽電池封止材は、T−ダイ押出機、カレンダー成形機などを使用する公知のシート成形法によって製造することができる。例えば非晶性α−オレフィン重合体(A)に、必要に応じて添加される結晶性α−オレフィン重合体(B)、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を予めドライブレンドしてT−ダイ押出機のホッパーから供給し、シート状に押出成形することによって得ることができる。勿論、非晶性α−オレフィン重合体(A)と結晶性α−オレフィン重合体(B)は予め溶融混合しておくこともできるし、逐次重合によって両者の組成物(C)を製造することもできる。またドライブレンドに際して、一部又は全部の添加剤は、マスターバッチの形で使用することができる。またT−ダイ押出やカレンダー成形において、予め非晶性α−オレフィン重合体(A)及び/又は結晶性α−オレフィン重合体(B)に一部又は全部の添加剤を、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて溶融混合して得た樹脂組成物を使用することもできる。
太陽電池モジュールの製造に当たっては、本発明の封止材のシートを予め作っておき、封止材が溶融する温度で圧着するという従来同様の方法によって、すでに述べたような構成のモジュールを形成することができる。この場合、封止材に有機過酸化物を含有させる必要がないので、封止材のシート成形を高温で生産性よく行うことができるとともに、モジュールの形成においても2段階の接着工程を経る必要はなく、高温度で短時間に完結することができる。さらに本発明の封止材料を押出コーティングすることによって太陽電池素子や上部保護材あるいは下部保護材と積層する方法を採用すれば、わざわざシート成形することなく一段階で太陽電池モジュールを製造することが可能である。したがって本発明の封止材を使用すれば、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
本発明の諸物性は、下記の方法で測定した。
(1)貯蔵弾性率(E’)
150℃で15分の条件で2mmのプレスシートを作成し、下記の条件で150℃の貯蔵弾性率(E’)を測定した。
・装置:ユービーエム社製DVE−V4
・測定モード:引張り
・サンプルサイズ:30mm×5mm
・周波数:10Hz
・昇温速度:3℃/min
・振幅:2μm
(2)HAZE、全光線透過率
2枚の3mmの青色ガラスに0.5mmシートを挟み、真空貼り合わせ機にて150℃で15分間張り合わせ、JIS K7105に準じてHAZEおよび全光線透過率を測定した。
(3)60°傾斜試験
3mmの青色ガラスとアルミ板に0.5mmシートを挟み、真空貼り合わせ機にて150℃で15分間張り合わせ、100℃で60°に傾斜して、シートが溶融してガラスからずれないかを500時間まで観察した。
(4)ゲル分率
150℃で30分の条件で1mmのプレスシートを作成し、約1gを切り取り精秤した。キシレン100ccに浸漬し110℃で24時間処理し、ろ過後残渣を乾燥し精秤した。処理前の重量で割りゲル分率を算出した。
(実施例1)
非晶性プロピレン重合体85重量部及び結晶性ポリプロピレン15重量部からなる樹脂組成物(商品名:タフセレンT3512、住友化学工業(株)製、示差走査熱量計に基づく融解ピーク:158℃、JIS A硬度:56)を用い、異型押出機(スクリュー径40mm、L/D=26、スクリューフルフライト CR=2.6)を用い、加工温度160℃で厚み0.5mmのシートを作成した。得られたシートについて、各種の物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005268227
本発明によって提供される太陽電池用封止材は、透明性、耐熱性、柔軟性などに優れている太陽電池用封止材である。
本発明によって提供される太陽電池用封止材は、有機過酸化物の使用を必須としないので、太陽電池モジュール製造工程における生産性を著しく高めることが可能であり、太陽電池モジュールの製造コストを大幅に低減させることが可能である。
本発明において適切な(A)非晶性α−オレフィン重合体及び(B)結晶性α−オレフィン重合体を使用することにより提供される太陽電池封止材は、150℃の貯蔵弾性率が高く、HAZEが低い上に、適度の硬度を有するので、それから得られる太陽電池モジュールの使用時に温度上昇しても、封止材が流動したり変形したりするトラブルを回避することが可能であり、太陽電池の外観を損なうことも無い。
本発明によれば、本発明の太陽電池用封止材を用いたすぐれた性能を有する太陽電池モジュールが提供される。

Claims (6)

  1. 下記要件(a)〜(c)を満たす非晶性α−オレフィン重合体(A)70〜95重量部と結晶性α−オレフィン重合体(B)30〜5重量部(両者の合計で100重量部)を含有し、示差走査熱量計に基づく120〜170℃の融解ピークを有し、0.5mm厚みにおけるHAZEが10%以下のものであり、JIS A硬度が40〜100である樹脂組成物(C)からなるシート状太陽電池封止材を用いて作成された太陽電池モジュール
    (a)炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく重合単位が20モル%以上であること。
    (b)示差走査熱量計に基づく融解ピークが実質的に観測されないこと。
    (c)Mw/Mnが5以下であること。
  2. 非晶性α−オレフィン重合体(A)が、プロピレン重合単位が30モル%以上のものである請求項1記載の太陽電池モジュール
  3. 非晶性α−オレフィン重合体(A)が、メタロセン系触媒を用いて製造されたものである請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール
  4. 結晶性α−オレフィン重合体(B)が、プロピレン単独重合体又はプロピレンとその他のα−オレフィンの共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール
  5. 樹脂組成物(C)に、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が配合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール
  6. 樹脂組成物(C)が、150℃の貯蔵弾性率が10Pa以上のものである請求項1〜のいずれかに記載の太陽電池モジュール
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