JP5268139B2 - 賦型樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は表面に規則的な形状を有する樹脂シートの製造方法に係り、特に、光学的に機能を発現する形状が付与された、歪が無く形状安定性に優れた賦型樹脂シートの製造方法に関する。
表面形状によって光学的機能を発現する樹脂シートとして、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズおよびプリズムシート等が様々な分野で使用されている。このような樹脂シートの表面には、規則的な凹凸形状が形成されており、この凹凸形状により、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズそしてプリズムとしてのそれぞれの光学的性能を発揮している。
このような樹脂シートを製造する方法として、これまでに各種の提案がなされている(特許文献1〜5参照)。これらの提案においては、いずれも、生産性向上の観点よりローラ成形方式が採用されている。たとえば、特許文献1は、樹脂シートをローラから剥離するまでの間の冷却手段に工夫を施すことにより、転写性の向上を図っている。特許文献2は、ローラに金型を巻き付けてフレネルレンズを製造する方法を開示している。特許文献3は、成形ローラの内部に熱緩衝部材を配して、生産性及び転写性の向上を図っている。特許文献4は、コロナ放電処理を採用することにより、転写性の向上、欠陥の低減を図っている。さらに特許文献5では、ダイから吐出されたシート状の溶融樹脂を型ロールと鏡面ロールで挟圧し賦型する工程を複数回行い、賦型形状の転写性を向上させている。
特開平8−31025号公報 特開平7−314567号公報 特開2003−53834号公報 特開平8−287530号公報 特開2006−56215号公報
しかしながら、上記従来の提案は、いずれも、効率的に転写を行い形状の転写性を向上させる効果はあるが、高さ100μm以下の微細形状を転写させた場合、微細賦型部分に歪が残存し、後工程にて賦型シートをガラス転移温度以上に加熱すると歪み緩和現象によって転写した賦型形状が変形・崩れなどが発生する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、連続的に且つ効率的に微細な形状を転写賦型し、得られた賦型シートを後工程にてガラス転移温度以上まで加熱しても、賦型形状に変形が発生しない、賦型形状安定性に優れた導光板や各種光学素子に使用するのに好適な樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成する為には、ダイより押し出したシート状の溶融樹脂材料を第1の型ロールと該第1の型ローラに対向配置される第2の冷却ローラとで挟圧し、該第1の型ロール表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、転写後の前記樹脂材料を該第2の冷却ロールに巻き掛けることにより該第1の型ローラより剥離し、剥離後の前記樹脂材料を更に第2の冷却ロールと該第2の型ロールに対向配置される第3の冷却剥離ロールに巻き掛けることを特徴とした、賦型樹脂シートの製造方法が必要である。
さらには、第1型ロールの表面温度を樹脂材料のガラス転移温度+40℃以上、第2冷却ロールおよび第3冷却剥離ロールの表面温度をガラス転移温度−50℃以下に温度制御されることが必要である。つまり、賦型部の残留歪みを低減させ形状安定性を発現させるには、第1型ロールの表面温度はガラス転移温度+40℃以上、好ましくはガラス転移温度+60℃以上であり、ガラス転移温度+100℃以下の範囲である。第1型ロール表面温度がガラス転移温度+40℃未満では、形状転写はされるが微細賦型部に残留歪が残存し、後の加熱工程などで形状変形が発生し易くなる。一方、第1型ロール表面温度がガラス転移温度+100℃を超えると、第1型ロールとシート状樹脂との離型時の応力により賦型形状が変形し易くなる。また、賦型部の残留歪みを低減させ形状安定性を発現させるには、第2冷却ロールおよび第3冷却剥離ロールの表面温度はガラス転移温度−50℃以下、好ましくはガラス転移温度−60℃以下であり、ガラス転移温度−100℃以上の範囲である。
また、本発明において、微細な形状を転写賦型するには、挟圧が重要である。一般的に挟圧は線圧で表すことが出来るが、高さ100μm以下の微細形状の転写には好ましくは50kg/cm以上の線圧が必要である。より好ましくは100〜200kg/cmの範囲である。200kg/cmを超えると、押しつぶしによってシートの厚み方向前面に歪が発生し易く、シートのカール、反りなどの原因となると共に圧力によるロール軸の歪みが発生し易く、幅方向の賦型程度に差が発生する原因となる。
本発明の製造方法では、第1から第3ロールが必要である。このような3本ロール構成としては、横向きのダイから樹脂を吐出し縦型3本ロールで製膜する方法、下向きのダイから樹脂を吐出し横型の3本ロールで製膜する方法があるが、本発明においては、第1型ロールと第2ロールとで挟圧する前に、第2冷却ロール上に予めシート状溶融樹脂を密着させ固化を進ませることが好ましい。シート状溶融樹脂を第2冷却ロール上に密着させる方法としては、高電圧を金属線にかけて、静電気を発生させ密着させる静電ワイヤー式、スリットから高圧空気を噴出し密着させるエアーナイフ式など非接触式の密着方法が望ましい。特に設備の設置しやすさ、シートの温度制御性から静電ワイヤー式が好適である。
本発明の目的である、歪が無く形状安定性に優れた微細形状を賦型するには、樹脂が軟化する高い温度および高い圧力で賦型し、その後、硬化する温度まで冷却する工程を、第2冷却ロール上で行なう必要がある。このとき、重要な点は、第1型ロールと第2冷却ロールで挟圧する前に、予めシート状溶融樹脂を冷却し固化層を第2冷却ロール側に生成させておく必要がある。この固化層の生成が不十分の場合、高圧で挟圧を行なうと、シート膜厚が薄くなるばかりで、微細賦型部に圧力が掛からず転写不良となる。また、固化層厚みが薄いとシート全体の剛性が低く柔軟の為、挟圧した場合、第1型ロール側にシートが部分粘着しシワ、賦型形状崩れの原因となる。一方、固化が進み、シート厚み方向全域でガラス転移温度以下まで温度が低下すると、第1型ロールからの熱だけでは、転写賦型に十分な熱量を得ることが出来ず、その結果転写不良となる。本発明において、この固化層の生成を制御することによって効果を得ることが可能である。固化層の調整には、ダイから吐出される樹脂温度、シートの厚みなどによって条件は変化するが、第2冷却ロール温度および、第2冷却ロールにシート状溶融樹脂が密着してから第1型ロールおよび第2冷却ロールで挟圧されるまでの時間によって制御することが可能である。この第2冷却ロールに密着してから第1型ロールと挟圧されるまでの時間は2秒以上が好ましい。より好ましくは2〜10秒の範囲である。この時間は、ロールの外径と回転速度によって選択することが可能である。また、挟圧され形状を転写されたシート状樹脂材料が、第2冷却ロールに巻き掛けられている時間は4秒以上が好ましく、4〜15秒の範囲がより好ましい。
本発明によれば、微細な形状を正確に転写賦型でき、さらにはガラス転移温度以上に加熱しても形状が変形することのない微細な形状を連続的に転写賦型された熱可塑性樹脂シートを得ることが可能である。
以下、添付図面に従って、本発明に係る樹脂シートの製造方法の好ましい実施の形態(第1実施形態)について詳説する。図1は、本発明に係る樹脂シートの製造方法が適用される、樹脂シートの製造ラインの例を示す構成図である。
この樹脂シートの製造ラインは、押出し機(図示略)によって溶融された樹脂材料をシート状に賦形するためのシート用のダイ(1)と、表面に凹凸形状が形成された第1型ロール(2)と、第1型ロール(2)に対向配置される第2冷却ロール(3)と、第2冷却ロール(3)と対向配置される第3剥離ロール(4)より構成される。
ダイ(1)のスリットサイズは、成形された溶融樹脂材料の幅が第1型ロール(2)の幅よりも広くなるように形成され、また、このダイ(1)から押し出される溶融樹脂材料が第2冷却ロール(3)の上部に押し出されるように配置されている。この溶融樹脂が第2冷却ロール(3)上部に接触する位置の上位に金属線(5)を配置し、静電気を発生させシート状溶融樹脂を第2冷却ロールに密着させる。
第1型ロール(2)の表面には、規則的な凹凸形状が形成されている。この規則的な凹凸形状は、たとえば、成形後の樹脂材料の反転形状とすることができる。
第1型ロール(2)の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
型ロール表面の凹凸パターン形成方法としては、凹凸パターン(ピッチ、深さ、等)や型ローラ表面の材質にもよるが、一般的にはNC旋盤による切削加工と仕上げバフ加工との組み合わせが好ましく採用できる。また、他の公知の加工方法(研削加工、超音波加工、放電加工、等)も採用できる。型ロール表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
また型ロールは、ガラス転移温度以上の高温でシート状樹脂に接触する為、ロール表面への樹脂の粘着が発生する。その為、型ロール表面には何かしらの離型処理を行なうことが望ましい。離型処理としては、表面にフッ素系樹脂の焼付け塗布、シリコン系樹脂の焼付け塗布などが一般的であるが、微細形状表面に塗布することによって形状が変化してしまう恐れがあるので、好ましくは、彫刻された凹凸パターンの表面に、Ni−PTFEのような離型効果の高いメッキを数μm程度メッキする方法。または、凹凸パターンにTiNやDLCのような蒸着を行なうことも有効である。型ロールは、図示しない駆動手段により、所定の周速度で回転駆動されるようになっている。また、型ロールには、温度調節手段が施されている。このような温度調節手段が設けられることにより、本発明の効果を発現する為、樹脂材料のガラス転移温度+50℃以上に加熱されている。温度調節手段の構成については、後述する。
第2冷却ロール(3)は、第1型ロール(2)に対向配置され、型ロールとにより樹脂材料を挟圧するためのロールである。
第3剥離ロール(4)は、第2冷却ロール(3)に対向配置され、第2冷却ロール(3)とにより樹脂材料を挟圧するとともに、樹脂材料を巻き掛けることにより樹脂材料を第2冷却ロール(3)より剥離させるためのローラである。
冷却ロール及び剥離ロールの表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面とすることにより、成形後の樹脂材料の裏面を良好な状態にできる。そして、冷却ロール及び剥離ロール表面の表面粗さは、Raで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
冷却ロール及び剥離ロールの材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
冷却ロール及び剥離ロールは、いずれも、図示しない駆動手段により、所定の周速度で回転駆動されるようになっている。なお、剥離ロールに駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂材料の裏面を良好な状態にできる点より、駆動手段を設けることが好ましい。
各ロールに駆動手段を設ける場合に、それぞれの駆動速度を可変とする構成が好ましく採用できる。
型ロール、冷却ロール及び剥離ロールには、いずれも、図示しない加圧手段が設けられており、型ロール、冷却ロール及び剥離ロールとの間の樹脂材料を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、いずれも、型ロール、冷却ロール及び剥離ロールとの接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。本発明においては、好ましくは線圧50kg/cm以上が必要となる為、シート幅が800mmの場合4000kg以上加圧力が必要なことから油圧シリンダが好ましい。
型ロール、冷却ロール及び剥離ロールには、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、冷却ロール及び剥離ロールに、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
型ロール、冷却ロール及び剥離ロールのそれぞれのロール温度調節手段としては、ロール内部に温度調節したオイルを循環させる構成が好ましく採用できる。このオイルの供給と排出は、ローラの端部にロータリージョイントを設ける構成により実現できる。
他の温度調節手段としては、たとえば、ローラの内部にシースヒータを埋め込む構成、ローラの近傍に誘電加熱手段を配する構成等、公知の各種手段が採用できる。
以上説明した各ロール、及び、樹脂材料の各箇所の表面温度がモニターできるように、表面温度測定手段(図示略)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
次に、図1に示される樹脂シートの製造ラインによる樹脂シートの具体的製造方法について説明する。
本発明に適用される樹脂材料としては、ポリエチレンナフタレート樹脂が挙げられ、ガラス転移温度約120℃のポリエチレンナフタレートを用いた賦型シートの製造方法について例示する。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例に記載した種々の特性値は、次に示す方法により測定したものである。
(固有粘度 IV)
テトラクロロエタン:フェノール=4:6の混合溶媒を用いて、35℃で測定した。
(ガラス転移温度 Tg)
セイコー電子工業(株)製DSC(示差走査熱量計)220を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。試料フィルム10mgをDSC装置にセットし、昇温速度20℃/分で加熱し、300℃の温度で溶融した後、液体窒素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点を検知する。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール51重量部を酢酸コバルト四水和物0.010重量部(10ミリモル%)、酢酸マンガン0.030重量部(30ミリモル%)の存在下、定法によりエステル交換反応を行いメタノール溜出20分後に三酸化アンチモン0.012重量部(10ミリモル%)を添加し、エステル交換反応終了前に正リン酸0.020重量部(50ミリモル%)を添加した。次いで295℃、1.3×10Pa以下の高真空下で重縮合反応を行い固有粘度0.47dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートプレポリマーを得た。さらにこのプレポリマーを用いて定法により固相重合を行い、固有粘度0.68dl/g、ガラス転移温度125℃のポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットを得た。
ペレット状の樹脂を175℃で5時間熱風乾燥させてからスクリュ径30mmの同方向2軸押出し機にて300℃で溶融し、幅300mmのTダイより吐出させた。この溶融したシート状樹脂を、ロール径400mmΦ、ハードクロムメッキされ鏡面を有する第2冷却ロール(3)の上部に落下させ、設置された線形0.2mmのステンレス線に10kvの高電圧をかける静電密着(ピンニング)法によってシート状溶融樹脂を第2冷却ロール(3)に密着させた。その後、第2冷却ロールと対向する位置に設置された、円周方向に連続な底辺50μm、高さ25μm、頂角90°のV溝を有する第1型ロール(2)と、第2冷却ロール(3)とで挟圧を行なった。第1型ロールは、通常の20mmΦ鋼管ロール表面に0.5mmのCuメッキを行なった後、上記のV溝を切削加工行い、その表面にNi−PTFEメッキを6μm程度のせた。
その後、シート状樹脂は、半周冷却ロール上を沿わせた後、更に第2冷却ロール(3)と対向する位置に設置されたロール径400mmΦで表面がCrメッキされ鏡面処理された第3剥離ロール(4)に巻き掛け賦型樹脂シートを得た。このときの、各ロール温度は、第1型ロール(2)は油温調機によって210℃に加熱し、第2冷却ロールおよび第3剥離ロールについては、水温調機によって60℃に表面温度を制御した。第1型ロールの軸には油圧シリンダが設置され、第2冷却ロールに対し押し付けることが可能である。この押付圧は300mm幅のロールに対し3tonの力で押付け、線圧100kg/cmを得た。一方、同様に第3剥離ロールを第2冷却ロールに線圧10kg/cmにて押付けた。シート引取り速度3m/minとし、シート厚みが200μmになるように押出機吐出量を調整した。
このとき、シート状溶融樹脂が第2冷却ロールに密着してから、第1型ロールとで挟圧されるまでの時間は6.2秒、更に、第1ロールと挟圧されてから、第3剥離ロールへまきかえられるまでの時間は12.4秒であった。このようにして、製造された賦型シートの賦型形状を、キーエンス社レーザー顕微鏡(VK−9700)を用いて測定したところ、頂角90°高さ23μmのプリズム形状が正確に転写賦型されていた。またこのシートを、ガラス転移温度以上の140℃に加熱した後、同様に賦型形状を測定したところ、頂角および高さ共に変化は見られなかった。
[比較例1]
前記特許文献3(特開2003−53834号公報)に一例として記載されている、従来の賦型設備での実施形態について、本発明の比較として図2に示し詳細を説明する。
図2に示す、従来のプロセスでは、ダイ(1)から吐出されたシート状樹脂は、金属冷却ロール(6)と対向に位置する型ロール(7)との接触面に落下させ挟圧され賦型される。そして、型ロール(7)上で冷却されたシートは、型ロール(7)と対向の位置に設置された剥離ロール(8)に巻添えられる。このときの、各ロール材質、溶融樹脂押出、Tダイなどは上記実施例1と同様とした。このとき、冷却ロール(6)、型ロール(7)共に、130℃を超えるとロール剥離困難となり、型ロール(7)と剥離ロール(8)でシート面にシワが発生する。その為、シワの無いシートを得る為には、冷却ロール(6)を100℃、型ロール(7)を120℃、剥離ロール(8)を60℃とした。この温度で得られた賦型シートの賦型形状を観察したところ、頂角90°高さ21μmとほぼプリズム形状が転写賦型されているが、このシートを140℃加熱処理すると、賦型形状は頂角が消滅し半円状となり、高さは11μmと著しく変形した。
[参考例1]
実施例1と同様の設備、条件にて、シート引取り速度を15m/minに変更して、厚み150μmのシートを得た。シート状溶融樹脂が第2冷却ロールに密着してから、第1型ロールとで挟圧されるまでの時間は1.3秒であった。その時、第1型ロール(2)との挟圧によって、シート全体が第1型ロール間で剥離不良が発生し、その結果シートが第1型ロールに取られて、シート面にシワが発生した。
[参考例2]
実施例1と同様の設備、条件にて、第1型ロール(2)の温度を150℃に変更して、厚み200μmのシートを得たが、得られたシートの賦型形状は、頂角90°高さ23μmと正確にプリズム形状が転写賦型されていたが、そのシートを140℃に加熱処理を行なったところ、プリズム形状は変形し、頂角が消滅し円形となり、高さは13μmとなった。
図1は、本発明における賦型樹脂シートの製造に使用できる装置の一態様を示す概略図である。 図2は、比較例に示した賦型樹脂シートの製造に使用される装置の一態様を示す概略図である。
符号の説明
1:ダイ
2:第1型ロール
3:第2冷却ロール
4:第3剥離ロール
5:静電密着用ワイヤー
6:冷却ロール
7:型ロール
8:剥離ロール

Claims (3)

  1. ダイより押し出したシート状のポリエチレンナフタレート樹脂からなる溶融樹脂材料を第1の型ロールと該第1の型ロールに対向配置される第2の冷却ロールとで挟圧し、該第1の型ロール表面の凹凸形状を前記樹脂材料に転写し、転写後の前記樹脂材料を該第2の冷却ロールに巻き掛けることにより該第1の型ロールより剥離し、剥離後の前記樹脂材料を更に第2の冷却ロールと該第2の冷却ロールに対向配置される第3の冷却剥離ロールに巻き掛ける賦型樹脂シートの製造方法において、第1型ロールの表面温度が樹脂材料のガラス転移温度+40℃以上ガラス転移温度+100℃以下の範囲、第2冷却ロールおよび第3冷却剥離ロールの表面温度がガラス転移温度−50℃以下ガラス転移温度−100℃以上の範囲に温度制御する賦型樹脂シートの製造方法。
  2. 第1型ロールと第2冷却ロールとの挟圧において、線圧50kg/cm以上の圧力にて挟圧する請求項1記載の賦型樹脂シートの製造方法。
  3. 第1型ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却剥離ロールは水平方向に配置され、ダイより押出した溶融状態のシート状樹脂材料を第2冷却ロール上部に自然落下させた後、静電ワイヤーおよび/またはエアーナイフにてシート状樹脂材料を第2冷却ロールに密着させた後、第1型ロールによって挟圧され形状が転写される工程において、シート状溶融樹脂が第2冷却ロールに密着してから第1型ロールに挟圧されるまでの時間が2秒以上、また挟圧され形状を転写されたシート状樹脂材料が更に第2冷却ロールに巻き掛けられている時間が4秒以上である請求項1記載の賦型樹脂シートの製造方法。
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