JP5266836B2 - 疲労き裂伝播抵抗性、且つ延性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents
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1.質量%で、C:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼を、1000℃以上、1250℃以下に加熱し、Ar3点以上で累積圧下率50%以上、仕上げ圧延温度Ar3点以上で圧延後空冷し、Ar3未満〜Ar3−80℃の温度域より550℃以下300℃以上まで、10℃/s以上で加速冷却し、引き続き加速冷却停止温度から1℃/s以上の昇温速度で550℃以上Ac1以下まで加熱して放冷することを特徴とする、疲労き裂伝播抵抗性且つ延性に優れた鋼材の製造方法。
2.更に、鋼成分として、質量%で、Cu:0.4%以下、Ni:0.8%以下、Cr:0.4%以下、Mo:0.4%以下、Nb:0.05%以下、V:0.10%以下、Ti:0.03%以下、B:0.003%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする1記載の疲労き裂伝播抵抗性且つ延性に優れた鋼材の製造方法。
C
Cは強度を確保するため0.04%以上添加する。0.20%を超えて添加すると溶接性が阻害されるため、0.04〜0.20%、好ましくは0.06〜0.18%を添加する。
Siは脱酸と強度を確保するため0.05%以上添加する。0.50%を超えて添加すると溶接性、靭性が劣化するため、0.05〜0.50%、好ましくは0.10〜0.40%とする。
Mnは焼入れ性の増加により、強度、靭性を確保させるため、0.5%以上添加する。1.8%を超えると溶接性を劣化させるため、0.5〜1.8%、好ましくは0.8〜1.6%を添加する。
Pは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.05%以下、好ましくは0.03%以下とする。
Sは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.02%以下、好ましくは0.01%以下とする。
Cuは固溶により強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材製造時に疵が生じやすくなるので0.4%以下とし、好ましくは、0.3%以下とする。
Niは低温靭性や耐候性を向上させ、またCuを添加した場合の熱間脆性を改善するので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.8%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材コストが上昇するので0.8%以下とし、好ましくは、0.6%以下とする。
Crは強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.4%以下とし、好ましくは、0.3%以下とする。
Moは強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.4%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.4%以下とし、好ましくは、0.2%以下とする。
Nbは圧延時のオーステナイト再結晶を抑制し細粒化を図ると同時に、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.05%を超えると靭性が損なわれるので0.05%以下とし、好ましくは0.03%以下とする。
Vは、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.10%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.10%以下、好ましくは0.03%以下とする。
Tiは、強度を上昇させ、溶接部靭性を向上させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.03%を超えると鋼材コストが上昇するので0.03%%以下、好ましくは0.02%以下とする。
Bは焼入れ性を高め、強度を上昇させるので、所望する特性に応じて添加する。添加する場合、0.003%を超えると溶接性が低下するので、0.003%以下、好ましくは0.002%以下とする。
本発明に係る鋼材は上記に記載の成分の鋼を、1000℃以上、1250℃以下に加熱し、Ar3点以上で累積圧下率50%以上の圧延を行いAr3点以上で圧延を終了した後、Ar3未満〜Ar3−80℃の温度域より650℃以下450℃以上まで、10℃/s以上で加速冷却することにより得られる。
加熱温度は圧延温度を確保するため1000℃以上とする。1250℃を超えると鋼の結晶粒が粗大化するので上限を1250℃以下とする。
圧延終了温度はAr3点を下回る場合、二相域圧延となり、パーライトが圧延方向に伸張することで疲労き裂伝播速度に異方性が生じるため、Ar3点以上とする。また、Ar3点以上の累積圧下率が50%を下回る場合、オーステナイト粒の微細化を通じたフェライト粒の微細化や組織微細化が達成されない。なお、上記圧延は異方性を生じさせないためにオーステナイト再結晶域で行うことが望ましい。
加速冷却開始温度は、初析フェライトを析出させて疲労き裂伝播特性と延性を向上させるためにAr3点未満とする。また、パーライト変態を抑え、加速冷却によりバンド状ベイナイトを形成させるため、加速冷却開始温度の下限をAr3点−80℃とする。
550℃以下、300℃以上の冷却停止温度では第二相がベイナイトとなるため、全伸びが劣化する。再加熱は、全伸びを回復させる目的で、550℃以上Ac1以下に加熱して行う。
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- 質量%で、C:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼を、1000℃以上、1250℃以下に加熱し、Ar3点以上で累積圧下率50%以上、仕上げ圧延温度Ar3点以上で圧延後空冷し、Ar3未満〜Ar3−80℃の温度域より550℃以下300℃以上まで、10℃/s以上で加速冷却し、引き続き加速冷却停止温度から1℃/s以上の昇温速度で550℃以上Ac1以下まで加熱して放冷することを特徴とする、疲労き裂伝播抵抗性且つ延性に優れた鋼材の製造方法。
- 更に、鋼成分として、質量%で、Cu:0.4%以下、Ni:0.8%以下、Cr:0.4%以下、Mo:0.4%以下、Nb:0.05%以下、V:0.10%以下、Ti:0.03%以下、B:0.003%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の疲労き裂伝播抵抗性且つ延性に優れた鋼材の製造方法。
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