JP5265250B2 - 天体走行車両用車輪 - Google Patents

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Description

この発明は、惑星及び衛星等の天体の表面上を走行する天体走行車両に装着される車輪に関し、特に、かかる車両本来の走行性能を十分に発揮させる車輪に関する。
従来、惑星及び衛星といった地球とは異なる周囲環境下で走行する車両に装着される車輪としては、特許文献1に記載されたものが知られている。この文献に記載の車輪は、車軸に接続される内輪と、天体の表面に接触する外輪とがスポークを介して互いに連結されており、これら外輪及びスポークには剛体が用いられていることから、車両からの荷重(半径方向の圧縮力)に対して車輪は極僅かに弾性変形するのみである。このような車輪は、地球と同等若しくはそれ以上の重力を有し、かつ比較的固い表面を有する天体にて使用される場合には走行性能に悪影響を及ぼすおそれは少ない。
特開平08−002204号公報
ところが、例えは月面のように地上よりも重力が極端に小さく、なおかつその表面が非常に粒径の小さい砂地等で形成されている天体にて使用される場合には、車輪の弾性変形が小さいことに起因して接地長が十分に確保されず車輪の接地圧が局所的に増大する。接地圧の局所的な増大は、車輪の空転を誘発し、ひいては車両を走行不能にするおそれがある。特に、車輪の踏み込み端側では接地圧の極大化により砂地が掘削され、車輪が砂地に潜り込んでしまう傾向にある。このようなことは、遠隔操作にて走行する車両にとっては走行不能状態から脱出する手段を備えていない限り致命的な問題となる。
これに対して、低重力環境及び砂地表面を有する天体にて使用される場合でも十分な接地長を確保して上述したような問題を回避可能な駆動系としてクローラが考えられる。クローラは、接地長が長く、接地体のバックリング(座屈現象)の発生のおそれもないことから安定な走行を確実にもたらす。バックリングとは、図12の車輪側面輪郭図にて示すように、走行時に接地体の踏み込み端60及び蹴り出し端61(主として踏み込み端60)が荷重を支える一方で、踏み込み端60と蹴り出し端61との間で接地体Pが部分的に座屈し、接地体Pの一部が接地面Gから浮き上がる現象である。ひとたびバックリングが発生すると、接地体Pの接地面Gとの接触面積が減少し、車輪の空転等の原因となる。クローラの場合には、図13に示すように、前側転輪63と後側転輪65との間に複数の中間転輪66が設けられ、この中間転輪66により接地体67が接地面Gに常時押し付けられているので、バックリングが発生することなく、安定した接地状態が確保される。
しかし、クローラは、多数の摺動部分を有することから別の問題を誘発する。すなわち、走行に伴い舞い上がった砂が確実に摺動部分に侵入しかかる部分が早期に損傷するという問題である。特に、上述したような低重力環境下では、一旦舞い上がった砂は長時間浮遊することから浮遊した砂は摺動部分に一層侵入し易くなる。このような損傷への懸念により、クローラが天体走行車両に適用された実績はあまりない。
そこで、車輪とクローラのそれぞれの有利な点(すなわち、車輪の場合には比較的摺動部が少なく軽量である点と、クローラの場合にはバックリングを起こすことなく長い接地長を確保できる点)の両方を併せ持つ天体走行車両用車輪が望まれている。ところが、車輪の接地長を長くするためには、車輪に車輪半径方向の外部荷重(車両の重量)が加わった際に、接地体が、かかる外部荷重により車輪半径方向内方に大きく撓むよう構成しなければならず、接地体を大きく撓むよう構成した場合、接地体のバックリングが発生するおそれがある。
それゆえこの発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、摺動部分が少ないこと、軽量であることを前提に、バックリングの発生を抑制しつつ十分な接地長を確保可能な天体走行車両用車輪を提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、天体の表面上を走行する車両に装着される天体走行車両用車輪であって、前記車両の車軸に接続されるハブ体と、前記ハブ体に対して車輪半径方向外方に位置する接地体と、前記ハブ体と前記接地体との間に配置され、車輪半径方向の外部荷重に基づいて前記接地体を車輪半径方向内方に弾性変位させるよう設けられた複数個の連結体と、前記連結体及び前記接地体の少なくとも一方に設けられ、前記接地体に車輪周方向の張力を付与する張力付与手段と、を具え、連結体は、ハブ体から車輪半径方向外方に延び、接地体に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第1連結体と、接地体から車輪半径方向内方に延び、ハブ体に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第2連結体と、これら第1及び第2連結体を互いに弾性的に連結する弾性体と、を有し、該弾性体は、外部荷重の負荷時に第2連結体を車輪半径方向内方に変位させるよう設けられていることを特徴とする天体走行車両用車輪である。なお、ここでいう「天体」とは、衛星、惑星、小惑星及び彗星を含むものとする。
かかる天体走行車両用車輪にあっては、車輪が接地面に接地すると、接地領域内の連結体は、車輪半径方向の外部荷重、すなわち、車両の荷重に基づいて接地体を車輪半径方向に変位させ、接地領域内の接地体を、接地面の形状に対応して大きく撓み変形させる。このとき、接地領域内の接地体は、張力付与手段により張力が付与され伸張状態となるので、負荷転動時においてもかかる接地体にバックリングが生じて接地体が接地面から浮き上がることはなく、接地体は接地面に常時均一に押し付けられる。
従って、この発明の天体走行車両用車輪によれば、低重力環境及び砂地表面を有する天体にて使用される場合でも、十分な長さの接地長とともに接地領域にわたる接地体の均一な接地が確保され、車輪が空転したり砂地内に沈下したりするおそれがなく、それゆえ車両は、本来の走行性能を十分に発揮することが可能である。また、この発明の車輪は、摺動部分がなく砂や塵の侵入のおそれがないことから損傷や故障の可能性は低い。さらに、この発明の車輪は、クローラのように多数の転輪を必要としないことから軽量である。
このようにこの発明の天体車両用車輪は、低重力環境及び砂地表面を有する天体にて使用される場合に特に効果的に用いることができることから、地上よりも低重力環境であるとともにその表面が砂地等で形成されている月面にて使用される月面走行車両用車輪として用いることが好適である。
また、この発明の天体走行車両用車輪においては、張力付与手段は、車輪周方向に伸長可能な弾性部材であることが好ましい。
さらに、張力付与手段は、ばね素子であることが好ましい。
あるいは、連結体は、外部荷重に基づいてハブ体と接地体とでなす距離を縮めつつ車輪幅方向外方に弾性的に突出変形するよう設けられていることが好ましい。
また、接地体は、車輪周方向に連続して延びる無端ベルトとして構成しても良い。
あるいは、接地体は、車輪周方向に沿って分割された分割セグメントとして構成しても良い。
この発明の天体走行車両用車輪によれば、摺動部分が少ないこと、軽量であることを前提に、接地体のバックリングの発生を抑制しつつ十分な接地長を確保して車両本来の走行性能を十分に発揮させることができる。
以下、この発明の天体走行車両用車輪の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図1は、車両に装着する前の状態の、この発明に従う実施形態の天体走行車両用車輪(以下、単に「車輪」という。)の概略斜視図である。図2は、図1に示す車輪の連結体の、車輪半径方向に沿う部分断面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。
図1に示すように、車輪1は、車両の車軸(図示省略)に接続されるハブ体3と、このハブ体3に対して車輪半径方向外方に位置し該車輪の周面を形成する接地体5とを具える。接地体5は、車両走行時に天体の表面に接触(接地)する。また、ハブ体3と接地体5との間には、車両の重量に基づいて接地体5を車輪半径方向内方に弾性変形させつつ(すなわち、ハブ体3と接地体5とを近接方向に弾性的に相対変位させつつ)該重量を支持する連結体7が配置されている。
ハブ体3は、環状をなし、その中心に車両の車軸を連結するための貫通孔3aが設けれ、さらにその貫通孔3aの周囲には、車輪固定用のボルト(図示省略)を通すボルト孔3bが設けられている。接地体5は、車輪周方向に連続して延びる、例えば無限軌道に用いられるような無端ベルトとして形成されており、接地体5は、図示のように、複数のピースを互いにピンで結合し一本の無端ベルトとしてなるものでも良く、図示を省略するが連続した薄いシート状の部材(例えば金属帯)で構成しても良い。また、走行時における接地面とのスリップを抑制すべく、接地体5の外周面に車輪幅方向に延びる段差部を設けることが好ましく、同様の観点から、かかる表面に金属繊維(図示省略)を設けることが好ましい。
ハブ体3の幅方向両端部近傍には、車輪半径方向外方に延び、接地体5に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第1連結体7aが立設されている。第1連結体7aは、棒体で構成されている。該第1連結体7aは、車輪周方向に適宜のピッチで配置できる。第1連結体7aとハブ体3とは、溶接、嵌合、係合及び螺合等種々の固定方法により相互に固定可能である。
一方で、接地体5の内周面には、そこから車輪半径方向内方であって第1連結体7に向けて延び、ハブ体3に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第2連結体7bが設けられている。第2連結体7bは、この実施形態では有底の円筒で形成されている。第2連結体7bは、第1連結体7a同様に種々の固定方法により接地体5に固定可能である。
また、図2に示すように、第1連結体7aは、第2連結体7bの筒内に挿入されるとともに、第1連結体7aの先端と第2連結体7bの内底部との間には、弾性体としてのコイルばね9が挿設されている。
そして、この車輪1は、無端ベルトとして形成された接地体5に車輪周方向の張力を付与する張力付与手段としてのU字状の板ばね11が、接地体5の内周面上に車輪周方向に亘って多数設けられている。U字状の板ばね11は、接地体5の内周面上にその開口(凹側)が該内周面を向き、接地体5に図1の矢印方向の付勢力を与えるよう配置されている。張力付与手段としては、U字状の板ばね11の他に、コイルばねや平坦な薄板、また可撓性を有する範囲でI型部材等を用いることができる。
この実施形態の車輪1を車両に装着し接地面Gに接地させると、図2(b)に示すように、車両からの荷重(図中の矢印参照)により接地領域内のコイルばね9が収縮し、第1連結体7aと第2連結体7bとは車輪半径方向に沿って近接方向に相対変位する。この結果、接地領域内にある接地体5は接地面Gの形状に対応して大きく撓み変形する。このとき、接地領域内の接地体5は、U字状の板ばね11により張力が付与され伸長状態となるので、負荷転動時においてもかかる接地体5に、図12に示すようなバックリングが生じて接地体5が接地面Gから浮き上がることはなく、接地体5は接地面Gに常時均一に押し付けられる。
従って、かかる車輪1によれば、低重力環境及び砂地表面を有する天体にて使用される場合でも、十分な長さの接地長とともに接地領域にわたる接地体5の均一な接地が確保され、車輪1が空転したり砂地内に沈下したりするおそれがなく、それゆえ車両は、本来の走行性能を十分に発揮することが可能である。また、この車輪1は、摺動部分がなく砂や塵の侵入のおそれがないことから損傷や故障の可能性は低い。さらに、この車輪1は、クローラのように多数の転輪を必要としないことから軽量である。また、この実施形態では接地面Gとの接地幅に対し連結体7やU字状の板ばね11等の車輪構成部材が幅広に形成されていないので、すなわち接地体5よりも幅方向内側に位置しているので、これらの車輪構成部材が走行時に外部の障害物(岩石等)と接触することはなく、車輪の耐久性は向上する。
次いで、この発明の他の実施形態の車輪について説明する。ここに、図3は、車両に装着する前の状態の、この発明に従う他の実施形態の車輪の概略側面図である。図4は、図3に示す車輪の一部を拡大して示す概略斜視図である。図5は、図3に示す車輪を接地させた状態で示す概略側面図である。なお、先の実施形態で示した車輪の部材と同様の部材についてはその説明を省略する。
図3及び4に示すように、この車輪21は、ハブ体23と接地体25とを具え、接地体25は、車輪周方向に連続して延びる無体ベルトとして形成されている。ハブ体23と接地体25との間には、車両の重量に基づいて接地体25を車輪半径方向内方に弾性変形させつつ(すなわち、ハブ体23と接地体25とを近接方向に弾性的に相対変位させつつ)該重量を支持する複数の連結体27が配置されている。
連結体27は、ハブ体23のフランジ部23aから車輪半径方向外方に延び、接地体25に到達する前に終端する、一対の第1連結体27a、27aと、接地体25の内周面から車輪半径方向内方に延び、ハブ体23に到達する前に終端する第2連結体27bと、これら第1連結体27a及び第2連結体27bとを弾性的に連結する弾性体としての複数個のコイルばね29とを具えてなる。第1連結体27aは、車輪周方向に亘って適宜のピッチで多数配置されている。また、第1連結体27aは、曲げ剛性を高める観点からチャンネル状の板材で形成されている。第2連結体27bは、車輪周方向に隣り合う第1連結体27a間に延出している。第2連結体27bは、この実施形態では平板材で形成されている。コイルばね29は、第1連結体27aの車輪半径方向の外端近傍と、第2連結体27bの車輪半径方向の内端近傍との間に掛け渡されている。この実施形態では、各第2連結体27bに、それに隣接する4つの第1連結体27aから計8個のコイルばね29が延びるよう設けられているが、コイルばね29の個数は適宜変更可能である。
そして、この車輪21では、無端ベルトとして形成された接地体25に車輪周方向の張力を付与する張力付与手段としてのU字状の板ばね31が、接地体25の内周面上に車輪周方向に亘って多数設けられている。U字状の板ばね31は、接地体25の内周面上にその開口(凹側)が該内周面を向き、接地体5に周方向の張力を与えるよう配置されている。
図5に示すように、この実施形態の車輪を車両に装着し接地面Gに接地させると、車両からの荷重により接地領域内のコイルばね29が伸長し、第2連結体27bは車輪半径方向内方に変位する(第1連結体27aと第2連結体27bとは車輪半径方向に沿って近接方向に相対変位する)。この結果、接地領域内にある接地体25は接地面Gの形状に対応して大きく撓み変形し、接地体25の接地長は長くなり接地圧は低減される。このとき、接地領域内の接地体25は、U字状の板ばね31により張力が付与され伸長状態となるので、負荷転動時においてもかかる接地体25に、図12に示すようなバックリングが生じて接地体25が接地面Gから浮き上がることはなく、接地体25は接地面Gに常時均一に押し付けられる。
また、この実施形態では、第1連結体27a、第2連結体27b及びコイルばね29は接地体5の両端部よりも幅方向内側に位置しているので、これらが走行時に外部の障害物(岩石等)に接触することがない。
さらに、この実施形態では、図3〜5に示すように、車輪周方向に隣接する第2連結体27b同士を車輪周方向に互いに離反させるよう付勢するばね部材33(図示例ではU字状のばね部材)を用いることが好ましい。これによれば、車輪1の形状を確実に保持することができ、また、車輪周方向に隣接する第2支持体27b同士が走行時に過剰に接近及び接触して接地体25の撓み変形を阻害するのを防止することができる。
ところで、この発明の張力付与手段は、接地体に車輪周方向の張力を付与できるものであれば上述の形態に限定されることはなく、その設置位置や個数等に関しても適宜変更することができる。例えば、図6及び7に示すこの発明に従う他の実施形態の車輪21では、基本的な構造は図3〜5に示す実施形態のものと概ね同じであるものの、張力付与手段としてのU字状の板ばねの設置位置及び個数は異なる。つまり、図6及び7に示す車輪21では、車輪周方向に隣接する第2連結体27b間のそれぞれに、これら第2連結体27bを繋ぐように2つのU字状の板ばね35a、35bが並設されている。また、U字状の板ばね35a、35bは、その凸側が車輪半径方向外方を向くように配置されている。このように張力付与手段の配設個数を増やせばバックリングの抑制効果をより一層高めることができる。そして、このように連結体27間に複数の板ばね35a、35bを設けることで、連結体27の幅方向の動きや捩れを抑制することができ、走行安定性を向上させることができる。なお、幅方向の動きや捩れを抑制する観点では、U字状の板ばね35a、35bは、より半径方向内側に設ける方が効果的である。また、各連結体27b間の設けるU字状の板ばねは3個以上としても良い。
次いで、この発明のさらに他の実施形態について説明する。ここで、図8は、車両に装着する前の状態の、この発明に従う他の実施形態の車輪を、一部を実線で示すとともに残余の部分を仮想線で省略して示す概略斜視図である。図9は、図8に示す車輪の車輪幅方向断面の一部をそれぞれ概略して示す幅方向断面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。図10は、図8に示す車輪を、一部を省略してそれぞれ示す側面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。
図8及び10に示すように、車輪41は、円盤形状のハブ体43と、このハブ体43の車輪半径方向外方に配置された接地体45とを有する。接地体45は、先の実施形態同様、車輪周方向に連続してのびる無端ベルトとして形成されている。ハブ体43と接地体45との間には、車両の重量に基づいてこれらハブ体43と接地体45とでなす距離を縮めつつ車輪幅方向外方に弾性的に突出変形する連結体としての薄い板ばね部材47が設けられている(図8では、板ばね部材47は、一部を実線で、残りを仮想線で示されているが、板ばね部材は、図10に示すように車輪全周にわたって配置されている。)。
板ばね部材47は、ハブ体43の幅方向の一端部から車輪半径方向外方に延びた後に接地体45の内周面に沿って延び、さらにハブ体43の幅方向の他端部に向けて車輪半径方向内方に延びてそこに固定されている。板ばね部材47は、車輪周方向に適宜のピッチで配置することができるが、走行時に車輪周方向に隣接する板ばね部材47同士が接触して板ばね部材47の弾性変形を阻害しないよう留意する必要がある。板ばね部材47は、車輪半径方向の荷重に基づいて車輪幅方向外方に突出変形するよう、図9(a)に示すように、ハブ体43と接地体45の間が車輪幅方向に予め凸に湾曲している。従って、板ばね部材47は、ハブ体43と接地体45とを互いに連結するとともに車輪半径方向の荷重を支持する。なお、図示例では、予め湾曲した板ばね部材47を示したが、車輪41の接地時に車輪幅方向外方へ復元可能に屈曲するよう予め屈曲した板ばね部材(図示省略)を用いても良い。また、図示例では、ハブ体43の幅方向の一端部から接地体45の内周面上を通って他端部に延びる板ばね部材47は、一本の連続した板ばね部材47で形成されているが、ハブ体43の幅方向の一端部から接地体45の内周面まで延びる分割板ばね部材(図示省略)と、ハブ体43の幅方向の他端部から接地体45の内周面まで延びる分割板ばね部材(図示省略)とを別個に設けることもできる。この場合、これら別個の分割板ばね部材は、車輪周方向位置を異ならせても良い。
図8に示すように、この車輪41では、無端ベルトとして形成された接地体45に車輪周方向の張力を付与する張力付与手段としてのU字状の板ばね49が、接地体45の内周面上に車輪周方向に亘って多数設けられている。U字状の板ばね49は、接地体25の内周面上にその開口が該内周面を向き、接地体45に図8の矢印方向の付勢力を与えるよう配置されている。
図9(b)及び図10(b)に示すように、車輪41を車両に装着し、接地面Gに接地させると、接地領域内の板ばね部材47は、車両からの荷重により押し潰され、湾曲状に撓む。すなわち、図9(a)及び図10(a)に示すような接面領域に入る前の、ハブ体43と接地体45との間の板ばね部材47は、接面領域に入ると図9(b)及び図10(b)のように車輪半径方向に圧縮されて湾曲状に撓みを発生し幅方向外方に大きく突出変形する。このとき、接地領域内の接地体45は、U字状の板ばね49により車輪周方向に張力が付与され伸長状態となるので、負荷転動時においてもかかる接地体45に、図12に示すようなバックリングが生じて接地体が接地面Gから浮き上がることはなく、接地体45は接地面Gに常時均一に押し付けられる。
ところで、図11に示す他の実施形態(便宜上、図8に示す車輪と同一の符号が付されている。)では、接地体45は、上述した無端ベルトに代えて、図11に示すように、車輪周方向に沿って分割された分割セグメント45aとして構成しても良い。各分割セグメント45aは、図示例では、車輪幅方向に対向する2本の薄い板ばね部材47に跨って配置され、車輪幅方向に延在している。この実施形態では、張力付与手段としてのU字状の板ばね49は、車輪周方向に隣接する分割セグメント45a間に、その開口が車輪半径方向外方へ向き、接地体45に図11の矢印方向の付勢力、すなわち車輪周方向に隣接する分割セグメント45aを離間させる付勢力を与えるよう配置されている。これによれば、U字状の板ばね49は、接地体45に張力を付与し、走行時における分割セグメント45a同士の過剰な接近及び接触を防止し、図12に示すような接地体45のバックリングの発生を抑制する。さらに、かかる板ばね49は、分割セグメント45a同士を連結し、車輪51の形状を保持するよう作用する。
なお、上述した実施形態の車輪において、車輪の負荷転動時にて、車輪の周長に対する接地長の比率は、おおよそ10%以上であることが好ましい。これによれば、張力付与手段によりバックリングを抑制しつつ、十分な長さの接地長をより確実に確保できるので、車両本来の走行性能をより確実に発揮させることができる。
上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、上述した実施形態の車輪を構成する各部品の寸法及び材質並びに弾性材料(U字状の板ばね11、31、49、ばね部材33、板ばね部材47及びコイルばね9、29)の弾性係数等を適宜選択することにより、かかる車輪を使用される天体の環境(温度や重力、表面状態等)及び車両の形態並びに用途に適合させることができる。また、張力付与手段としてのU字状の板ばねの配設位置及び個数は、この発明を限定するものではなく、例えば、車輪周方向に隣接する連結体間に設けても良い。
この発明により、摺動部分が少ないこと、軽量であることを前提に、接地体のバックリングの発生を抑制しつつ十分な接地長を確保して車両本来の走行性能を十分に発揮させることが可能となった。
車両に装着する前の状態の、この発明に従う実施形態の天体走行車両用車輪の概略斜視図である。 図1に示す天体走行車両用車輪の連結体の、車輪半径方向に沿う部分断面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。 車両に装着する前の状態の、この発明に従う他の実施形態の天体走行車両用車輪の概略側面図である。 図3に示す天体走行車両用車輪の一部を拡大して示す概略斜視図である。 図3に示す天体走行車両用車輪を接地させた状態で示す概略側面図である。 この発明に従う他の実施形態の天体走行車両用車輪の概略側面図である。 図6に示す天体走行車両用車両の概略斜視図であり、一部を省略して示すものである。 車両に装着する前の状態の、この発明に従う他の実施形態の天体走行車両用車輪を、一部を実線で示すとともに残余の部分を仮想線で省略して示す概略斜視図である。 図6に示す天体走行車両用車輪の車輪幅方向断面の一部をそれぞれ概略して示す幅方向断面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。 図6に示す天体走行車両用車輪を、一部を省略してそれぞれ示す側面図であり、(a)は、接地前の状態を、(b)は、接地後の状態を示すものである。 車両に装着する前の状態の、この発明に従う他の実施形態の天体走行車両用車輪の概略斜視図である。 接地体にバックリングが生じた状態を示す、天体走行車両用車輪の側面輪郭図である。 接地面に接地した状態にあるクローラの概略側面図である。
符号の説明
1 車輪
3 ハブ体
5 接地体
7 連結体
9 コイルばね
11 U字状の板ばね
21 車輪
23 ハブ体
25 接地体
27 連結体
29 コイルばね
31、35a、35b U字状の板ばね
33 ばね部材
41 車輪
43 ハブ体
45 接地体
47 板ばね部材
49 U字状の板ばね
51 車輪

Claims (6)

  1. 天体の表面上を走行する車両に装着される天体走行車両用車輪であって、
    前記車両の車軸に接続されるハブ体と、
    前記ハブ体に対して車輪半径方向外方に位置する接地体と、
    前記ハブ体と前記接地体との間に配置され、車輪半径方向の外部荷重に基づいて前記接地体を車輪半径方向内方に弾性変位させるよう設けられた複数個の連結体と、
    前記連結体及び前記接地体の少なくとも一方に設けられ、前記接地体に車輪周方向の張力を付与する張力付与手段と、を具え
    前記連結体は、前記ハブ体から車輪半径方向外方に延び、前記接地体に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第1連結体と、前記接地体から車輪半径方向内方に延び、前記ハブ体に到達する前に終端する、車輪周方向に複数配列された第2連結体と、これら第1及び第2連結体を互いに弾性的に連結する弾性体と、を有し、該弾性体は、前記外部荷重の負荷時に前記第2連結体を車輪半径方向内方に変位させるよう設けられていることを特徴とする天体走行車両用車輪。
  2. 前記張力付与手段は、車輪周方向に伸長可能な弾性部材である、請求項1に記載の天体走行車両用車輪。
  3. 前記張力付与手段は、ばね素子である、請求項2に記載の天体走行車両用車輪。
  4. 前記連結体は、前記外部荷重に基づいて前記ハブ体と前記接地体とでなす距離を縮めつつ車輪幅方向外方に弾性的に突出変形するよう設けられている、請求項1〜3の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。
  5. 前記接地体は、車輪周方向に連続して延びる無端ベルトとして構成される、請求項1〜の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。
  6. 前記接地体は、車輪周方向に沿って分割された分割セグメントとして構成される、請求項1〜の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。
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