JP5264546B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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本発明は、加熱ニップの長手方向の端部の温度が過剰とならないように単位時間当たり処理枚数が複数段階に制御される画像加熱装置、詳しくは、単位時間当たり処理枚数を不必要に低下させないための制御に関する。
記録材にトナー像を転写して画像を形成する画像形成装置には、トナー像が転写された記録材を加熱ニップで挟持搬送して加熱加圧する画像加熱装置が付設されている。
画像加熱装置は、回転部材(ベルト部材又はローラ部材)に加圧回転体(ベルト部材又はローラ部材)を圧接して、記録材の加熱ニップを形成する。画像加熱装置は、未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置の他に、半定着又は定着済みトナー画像を加熱して所定の表面状態に仕上げる表面処理装置も含む。
画像加熱装置は、回転部材の長手方向が加熱ヒータ等によって一体的に加熱されている場合、連続加熱処理を行うと、加熱ニップの長手方向の端部が過剰に温度上昇することがある。記録材によって冷却される加熱ニップの長手方向の中央部を所定の温調目標温度に加熱すると、一体的な加熱によって、記録材によって冷却されない加熱ニップの長手方向の端部の温度が高くなる。
そして、加熱ニップの長手方向の端部が過剰に温度上昇すると、中央部と端部との温度差の拡大によって記録材の搬送性能に影響が出たり、加熱ニップの長手方向の温度分布の均一性が損なわれたり、回転部材の寿命が短くなったりする。
このため、従来、記録材による除熱作用が大きい連続加熱処理では、予め回転部材の回転速度(プロセススピード)を低下させたり、記録材の給送間隔(紙間)を拡大したりして、加熱ニップの端部の温度上昇を抑制している。
特許文献1には、加熱ローラに加圧ローラを圧接して加熱ニップを形成する画像加熱装置が示される。ここでは、加熱ニップの端部が過剰に温度上昇しそうな記録材(加熱ニップの長手方向の長さが短い)の連続画像形成では、単位時間当たり処理枚数を低下させて連続画像形成を開始させている。
特許文献2には、無端状の加熱ベルトに加圧ローラを圧接して加熱ニップを形成する画像加熱装置が示され、加熱ベルトの内側面に加熱部材を摺擦させて加熱ベルト越しに加熱ニップを集中加熱している。ここでは、加熱部材の端部に温度センサを配置して、過剰な温度上昇が検出されると、一時的に連続画像形成を中断して、冷却を待った上で単位時間当たり処理枚数を低下させて連続画像形成を再開している。
特開平6−186875号公報 特開2000−250374号公報
単位時間当たり処理枚数を低下させる方法としては、回転部材の回転速度を低下させるよりも、記録材の給送間隔を拡大するほうが望ましい。回転部材の回転速度を低下させると、加熱ニップを用いた加熱プロセスや、トナー像の形成プロセス(帯電、現像、転写)に与える影響が大きいからである。
また、特許文献2に示されるように連続画像形成を中断すると、画像形成装置の生産性が大きく低下するので、連続画像形成の中で単位時間当たり処理枚数が機動的に変更されることが望ましい。
そこで、所定のプロセススピード、所定の給送間隔(紙間)で連続加熱処理を行いながら、所定の時間間隔で加熱部材の端部の温度をサンプリングし、端部が所定温度に達すると段階的に給送間隔を拡大する制御が提案された。
しかし、実際にそのような制御で連続加熱処理を実行したところ、不必要に単位時間当たり処理枚数が低下することが判明した(図5参照)。
すなわち、単位時間当たり処理枚数を一段階低下させた後、所定の時間間隔で再び加熱部材の端部の温度がサンプリングされる。このとき、加熱部材の端部の温度が低下傾向でも、所定温度を少しでも上回っていれば、自動的に単位時間当たり処理枚数がさらに1段階低下してしまう。
ここで、所定の時間間隔を大きくして1分以上にすれば、単位時間当たり処理枚数を一段階低下させた効果が確実に現れた後の温度をサンプリングできるため、単位時間当たり処理枚数がさらに1段階低下されないで済む。
しかし、所定の時間間隔を1分以上にすると、単位時間当たり処理枚数を一段階低下させたくらいでは温度上昇が収まらなかった場合に、加熱ニップの端部が過剰な高温度に達してしまう。
所定の時間間隔が長くなると給送制御の応答速度が低下するため、加熱部材の端部の温度低下に追従させて単位時間当たり処理枚数を増加させる時期が遅れて、画像形成装置の生産性が低下してしまう。
本発明は、連続加熱処理を通じて可変に設定される単位時間当たり処理枚数の不必要な低下を少なくして、連続加熱処理の生産性を高められる画像加熱装置を提供することを目的としている。
本発明の画像加熱装置は、加熱ニップで記録材の画像面に接する回転部材と、前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の中央部から端部を一体的に加熱する加熱手段と、前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の中央部の温度を第一温度に維持するように前記加熱手段を制御する温度制御手段と、前記加熱ニップへ連続給送する記録材の単位時間当たり枚数を複数段階に変更可能な給送手段と、前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の端部の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出温度が前記第一温度よりも高く設定された第二温度に達すると前記単位時間当たり枚数を一段階少なくするとともに、その後の所定期間は、前記温度センサの検出温度が前記第二温度以上であっても、少なくした後の前記単位時間当たり枚数を維持するように、前記温度センサの出力に基づいて前記給送手段を制御する給送制御手段とを備えたものである。そして、前記給送制御手段は、前記所定期間の経過後に、前記温度センサの検出温度が前記第二温度以上であれば前記単位時間当たり枚数を更に一段階少なくする。
本発明の画像加熱装置では、加熱手段が加熱ニップの長手方向を一体的に加熱して長手方向の中央部を温度調整するため、単位時間当たり処理枚数が多いと、長手方向の中央部と端部の温度差が増す。このため、連続加熱処理中に長手方向の端部の温度が過剰になると、段階的に単位時間当たり処理枚数を減らす。
しかし、単位時間当たり処理枚数を減らした後の所定期間は、単位時間当たり処理枚数を減らした際の温度よりも高い温度にならないと、単位時間当たり処理枚数をさらには低下させない。
このため、単位時間当たり処理枚数を減らした際の温度よりも高い温度を超えてしまった場合への対応を可能にしつつ、単位時間当たり処理枚数を低下させた効果の遅れによる不必要な追加の単位時間当たり処理枚数の低下を回避できる。
従って、連続加熱処理を通じて可変に設定される単位時間当たり処理枚数の不必要な低下を少なくして、連続加熱処理の生産性を高められる。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の構成の説明図である。 定着装置の加圧機構の説明図である。 加熱部材の構成の説明図である。 比較例の制御の説明図である。 加熱ニップの長手方向の温度分布の説明図である。 実施例1の制御の説明図である。 実施例1の制御のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、記録材の給送間隔を段階的に変更して連続加熱処理を継続する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、ベルト部材に加圧ローラを圧接した画像加熱装置に限らず、ベルト部材に加圧ベルト、ローラ部材に加圧ローラ、ローラ部材に加圧ベルトをそれぞれ圧接した形式の画像加熱装置でも実施できる。画像加熱装置は、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置に限らず、定着済み又は半定着画像を加熱加圧する表面処理装置も含む。
画像加熱装置が搭載される画像形成装置は、中間転写ベルトを用いる画像形成装置に限らず、記録材搬送ベルトを用いる画像形成装置や、記録材へ枚葉式にトナー像を直接転写する画像形成装置であってもよい。ベルト部材に沿って複数の感光ドラムを配置したタンデム型に限らず、ベルト部材に沿って1個の感光ドラムを配置した1ドラム型であってもよい。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像加熱装置、画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト21に沿って現像色が異なる画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配置したタンデム型フルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム11aにイエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト21に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム11bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト21のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、感光ドラム11c、11dにそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト21のトナー像に重ねて順次一次転写される。
中間転写ベルト21に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2で記録材Pへ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置30で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に外部へ排出される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像に用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部Paは、感光ドラム11aの周囲に、帯電ローラ12a、露光装置13a、現像装置14a、一次転写ローラ15a、及びクリーニング装置16aを配置している。
感光ドラム11aは、帯電極性が負極性の感光層を表面に形成した金属円筒で構成され、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。
帯電ローラ12aは、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加されて、感光ドラム11aの表面を一様な負極性の電位に帯電させる。
露光装置13aは、画像データを展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを多面体ミラーで走査して、帯電した感光ドラム11aの表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置14aは、負極性に帯電したトナーを現像スリーブに担持させて感光ドラム11aを摺擦し、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブに印加して、感光ドラム11aの静電像を反転現像する。
一次転写ローラ15aは、中間転写ベルト21を押圧して感光ドラム11aと中間転写ベルト21との間に一次転写部Taを形成する。一次転写ローラ15aに正極性の直流電圧を印加することにより、トナー像が感光ドラム11aから中間転写ベルト21へ一次転写される。
二次転写ローラ24は、対向ローラ20との間に中間転写ベルト21を挟み込んで、中間転写ベルト21と二次転写ローラ24との間に二次転写部T2を形成する。カセット25から1枚ずつ引き出された記録材Pは、レジストローラ28で待機し、中間転写ベルト21のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
二次転写部T2は、トナー像に重ね合わせて記録材Pを挟持搬送する。二次転写ローラ24に正極性の直流電圧を印加することで、中間転写ベルト21から記録材Pへトナー像が二次転写される。
<定着装置>
図2は定着装置の構成の説明図、図3は定着装置の加圧機構の説明図である。
図2に示すように、定着装置30は、いわゆるPOD(Print On Demand)方式に対応しており、スタンバイ時に加熱ヒータ6に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えている。定着装置30は、ベルト加熱方式又はフィルム加熱方式を採用しており、加熱ヒータ6と加圧ローラ2との間で、加熱ベルト1を介して記録材P上のトナー像Tが加熱・加圧される。
定着装置30は、加熱部材4及び加圧部材5によって内側面を支持された加熱ベルト1に加圧ローラ2を圧接して、記録材Pの加熱ニップNを形成する。加熱ニップNが記録材Pを挟持搬送する過程で、加熱ヒータ6から加熱ベルト1を介して記録材Pに熱が供給されることにより、未定着トナー像Tが加熱溶融して、記録材Pの表面に定着される。
回転部材の一例である加熱ベルト1は、記録材の画像面に当接して回転する。加熱ベルト1は、加圧ローラ2に当接して加圧ローラ2の回転に従動回転して、加熱ヒータ6が配置された加熱面に密着して摺動しながら、未定着トナー像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転する。
加熱ベルト1は、熱伝導率が高く引張り強度が高い金属層に重ねてゴム材料の弾性層を形成しており、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して、内径φ25mmの無端状に形成されている。金属層は、厚さ50μmのステンレス材料、弾性層は、熱伝導率が1.0W/m・Kのシリコンゴム、離型層は、厚さ30μmのPFAチューブである。
加圧回転体の一例である加圧ローラ2は、外径φ10mm、肉厚3mmのアルミ管で形成された軸部材3の外側に、肉厚3mm、アスカー硬度64°のシリコンゴムの弾性層7を形成している。加圧ローラ2は、弾性層7の表面を厚さ50μmのPFAチューブの離型層で覆って外径φ25mmに形成されている。
加圧部材5は、幅10mm×高さ10mm×肉厚2.3mmのコの字断面の鋼材を用いて梁状に形成してある。
加熱部材4は、耐熱性があって弾性係数が高く、摩擦係数が低くて熱伝導性が低い液晶ポリマー等の合成樹脂材料を用いて梁状に形成され、加熱ベルト1を長手方向に貫通した状態で加熱ベルト1の内側面を摺擦する。加熱部材4は、加圧ローラ2側に形成された凹所に加熱ヒータ6を埋め込んで表面をガラス材料で封止している。
図3に示すように、加圧部材5は、定着装置30のフレーム5aに両持ち梁として支持され、長手方向の下面を加熱部材4に接触させて、加熱部材4を加圧ローラ2へ向かって押圧する。
加圧ローラ2は、加圧機構9によって両端を上方へ押圧されることにより、加熱部材4に内側面を支持された加熱ベルト1に圧接する。これにより、図2に示すように、加圧ローラ2の弾性層7が変形して、回転方向に連続した加熱ニップNが形成される。
なお、加熱ベルト1の長手方向の長さは340mm、加熱ヒータ6の長手方向の長さは370mm、加熱部材4の長手方向の長さは374mm、加圧ローラ2の長手方向の長さは330mmである。
<温度制御>
図4は加熱部材の構成の説明図である。
図2を参照して図4に示すように、加熱ヒータ6は、加熱ニップNの長手方向が一体的に加熱されるように回転部材を加熱する。加熱ヒータ6の下面に、電力供給により発熱する発熱源として抵抗発熱体6aが形成され、加熱ヒータ6は、抵抗発熱体6aの発熱により昇温する。抵抗発熱体6aは、Al基板上にAg・Pdペーストを厚膜印刷して焼成することにより形成されている。
加熱ヒータ6の抵抗発熱体6aと反対側の面に固定して温度センサS1、S2が配置されている。温度センサS1は、加熱ニップN(又は回転部材)における記録材Pの通過中心となる長手方向の中央部の温度を見積もるため、加熱ヒータ6の長手方向の中央部に配置されている。
温度調整回路31は、温度センサS1の出力から判別される測定温度が目標温調温度(第一温度)に近付くように、抵抗発熱体6aに対する電力供給を制御する。温度調整回路31は、測定温度と目標温調温度との差分に比例して単位時間当たりの供給電力の増減量を決定する比例制御を行う。これにより、加熱ニップNの長手方向の中央部の温度が所定の定着温度範囲に維持される。
連続画像形成時は、起動に続く前回転時に抵抗発熱体6aに対する電力供給が開始され、約30秒を経て目標温調温度へ到達した後に、連続画像形成が開始される。連続画像形成時中を通じて、加熱ヒータ6の中央部が目標温調温度に温調され、最後の記録材Pが加熱ニップNを通過すると、直ちに加熱ヒータ6への通電が停止され、記録材Pの排出後に加圧ローラ2の回転駆動も停止される。
ところで、長手方向の最大加熱幅よりも小さい幅の記録材をプリントする場合、加熱ニップNの長手方向の記録材が通過する領域と記録材Pが通過しない領域とでは、記録材Pによって奪われる熱量が大きく異なる。
このため、長手方向の中央部の温度センサS1が目標温調温度を保つように加熱ヒータ6を温調すると、記録材Pが熱を奪わない加熱ニップNの長手方向の端部の温度が徐々に上昇する。
記録材Pが通過しない長手方向の端部で異常昇温が発生すると、加熱ベルト1の部品寿命が低下する。小サイズの記録材Pの外側で加熱ニップNが高温になった状態のまま続けて大サイズの記録材を定着すると、中央部と端部とで定着された画像の光沢が違ってくる。加熱ニップNの端部を通過する記録材Pの部分に加熱ニップNの温度が高過ぎることによるホットオフセットという定着不良が発生する。
そこで、定着装置30では、加熱ニップNの長手方向の端部で過剰な昇温が発生しないように、記録材Pの搬送速度(プロセススピード)を一定に保った状態で、記録材の給送間隔を制御している。
給送制御手段の一例である制御部10は、加熱ニップNの長手方向の端部の温度が過剰とならないように、加熱ニップNを用いた単位時間当たり処理枚数を複数段階に制御して記録材を連続給送させる。
<給送制御>
図1に示すように、制御部10は、加熱ニップNの長手方向の端部で過剰な昇温が発生すると、露光装置13a、13b、13c、13dを制御して画像の書き込み間隔を拡大する。画像の書き込み間隔に対応して、レジストローラ28が二次転写部T2へ送り出す記録材Pの給送間隔が拡大し、これにより、定着装置30へ給送される記録材Pの給送間隔も拡大する。
図2を参照して図4に示すように、温度センサS2は、加熱ニップN(又は回転部材)の記録材Pの通過範囲を外れた長手方向の端部の温度を見積もるため、加熱ヒータ6の長手方向の端部に配置されている。温度センサS2は、加熱ヒータ6の長手方向の中心から147mmの位置に設けてある。
通過センサS3は、定着装置30の入口で記録材Pの通過を検出するためのフォトインタラプタである。
制御部10は、通過センサS3の出力から記録材Pの後端の通過タイミングを検出し、所定の搬送時間を待って、記録材Pの後端が加熱ニップNを通過した直後のタイミングで温度センサS2の出力をサンプリングする。加熱ニップNを記録材Pの後端が通過した直後に、加熱ヒータ6の投入電力が最大となり、加熱ニップNの長手方向の端部の温度がピークに達するからである。
制御部10は、記録材Pの後端が加熱ニップNを通過するごとの、間欠的な温度センサS2による温度測定結果に応じて、給送間隔を段階的に順次切り替える。測定温度が端部温度のしきい値である判断温度T1に達すると、給送間隔を1段階だけ拡大する。
Figure 0005264546
表1に示すように、給送間隔(紙間)は、プロセススピード120mm/secを一定にして、スループット(単位時間当り処理枚数)Lvを切り替えることで段階的に設定される。
制御部10は、給送間隔を1段階拡大しても測定温度が上昇し続ける場合は、給送間隔をさらに1段階拡大する。このようにして、給送間隔を拡大すると、スループットLvが低下するが、加熱ニップNの長手方向の端部における過剰な昇温は回避される。
制御部10は、初期スループットLv1(30ppm)で連続画像形成を開始する。その後、判断温度T1に達すると、スループットLv1をスループットLv2(20PPM)に下げて連続画像形成を継続する。記録材幅が小さい記録材Pの連続画像形成等によって、温度センサS2による測定温度が判断温度T1に到達すると、スループットLvを1段階下げる。ただし、表1のスループットLvの値は、画像形成装置100、定着装置30によって最適な値が異なり、一意的に決まるものではない。
このようにして、一定のプロセススピードの連続画像形成の中で、給送間隔を調整して、加熱ニップNの端部の過剰な昇温を防止するため、連続画像形成を中断する制御のようなダウンタイムが不必要である。不必要な生産性低下を起こすことが無い分、画像形成装置100の平均的なスループットLvが高く維持される。
<比較例1>
図5は比較例の制御の説明図、図6は加熱ニップNの長手方向の温度分布の説明図である。
図4を参照して図5に示すように、制御部10は、温度センサS2による温度の測定結果を判別するしきい値の判断温度T1を一段階に設定している。記録材Pが加熱ニップNを抜けるタイミングで測定した測定温度を判断温度T1に比較して、判断温度T1を超えていれば給送間隔を一段階拡大する。
Figure 0005264546
表2に示すように、判断温度T1は、加熱ベルト1の耐熱性などの観点から予め決定される。判断温度T1は、加熱ベルト1の耐熱性など、定着装置30の構成や部材設計によって異なり、一意的に決まるものではない。
図6に示すように、記録材幅に応じて加熱ニップNの長手方向の温度分布が変化し、同一のスループットLvに対する昇温特性や温度分布のピーク位置が変化する。このため、表2に示すように、記録材幅に応じて判断温度を設定してある。
記録材幅が小さいほど、加熱ニップNの温度分布のピーク温度が温度センサS2の位置の温度よりも高くなる。このため、記録材幅が小さいほど、判断温度T1を低くして、加熱ニップNの長手方向の端部が過剰な温度になることを確実に阻止している。ただし、記録材幅が290mm以上では、温度センサS2の位置の温度が記録材Pによる冷却を受けて、温度センサS2よりも外側の温度を正確に見積もれなくなるため、安全率を大きく採って判断温度T1を低くしている。
制御部10は、タイミングt1で測定温度が判断温度T1を超えて、給送間隔を一段階だけ拡大した後は、実際に加熱ニップNに拡大した給送間隔が現れるまで、温度判断を中止する。給送間隔が拡大することによって初めて加熱ヒータ6への電力供給が減らされて、端部の温度が低下し始めるからである。露光装置13a、13b、13c、13dで画像間隔が変更されて、実際にその効果が定着ニップNの長手方向の温度分布に現れるまでに、10秒前後の遅れがある。
制御部10は、通過センサS3の出力から拡大した給送間隔が確認されると、記録材Pの後端が加熱ニップNを通過するごとの温度センサS2による温度測定を再開して給送間隔を段階的に切り替える。
従って、タイミングt2で測定温度が判断温度を超えていると、さらに1段階給送間隔が拡大される。
しかし、この場合、タイミングt2では測定温度は低下傾向であるため、さらに1段階給送間隔を拡大しなくても、少し待てば、測定温度は判断温度を下回るため、下げる必要性に乏しい。
このため、比較例1の制御では、画像形成装置100のスループットLv(単位時間当たり画像形成枚数)が不必要に低下する傾向がある。
比較例1の制御では、温度センサS2による測定温度が端部温度のしきい値(判断温度)に到達すると、スループットLvが1段階下がるが、その後、すぐに次の1段階低いスループットLvに落ちる状態が連続的に起こる。これは、加熱ニップNの端部の温度を測定するための温度センサS2が判断温度に達して給送間隔が拡大しても、測定温度が下がりきる前に再度、判断温度を検知するためである。このような現象は、給送間隔が短くて、記録材の搬送方向の長さが長いときに起こり易い。このようなスループットLvの低下は、最適なスループットLvを大きく下回っており、不必要なものだと言える。
一方、破線THのように、温度上昇が続いた場合、タイミングt2まで待っていては、加熱ニップNの温度が過剰に上昇してしまい、タイミングt2でスループットLvを下げたのでは手遅れになる可能性がある。図1に示すように、次に続く画像が感光ドラム11a、11b、11c、11d〜中間転写ベルト21に既に形成されている場合、スループットLvを即座に下げても、下げた効果は10秒近く遅れて出てくる。このため、スループットLvの低下を待って、現状の給送間隔の適否を判断していたのでは手遅れになる可能性がある。
<実施例1>
図7は実施例1の制御の説明図、図8は実施例1の制御のフローチャートである。
図4を参照して図7に示すように、制御部10は、加熱ヒータ6の長手方向の端部の温度の測定結果を判別する判断温度を二段階(T1、T2)に設定している。判断温度T2は、単位時間当たり処理枚数を低下させた効果で温度の上昇がピークを打って下降に転じる場合のオーバーシュートが、加熱ベルト1の耐熱限界温度より低く定めた一段高い温度を越えないように設定されている。
Figure 0005264546
制御部10は、測定温度が判断温度T1(第二温度)を超えて給送間隔を拡大した後も、単純に、記録材Pの後端が加熱ニップNを通過するごとに温度センサS2による温度測定を継続する。しかし、拡大した給送間隔が確認されてから、記録材Pが3枚(A4サイズ横送り)加熱ニップNを通過するまでの変更期間については、元の判断温度よりも一段高い判断温度T2(第三温度)を用いて、給送間隔を制御する。
所定期間の一例である変更期間は、実施例1では、拡大した給送間隔が確認されてから記録材Pが3枚加熱ニップNを通過するまでの期間としている。
このため、給送間隔を拡大した後の10秒間も加熱ニップNの端部の温度上昇を見逃さない。次の記録材Pの後端で一段高い判断温度T2を付き抜けるほど温度上昇が急速な場合は、図5の比較例1の制御におけるタイミングt2を待つことなく、さらに給送間隔を拡大する。このため、図5の比較例1の制御よりも速やかに加熱ニップNの端部の温度を許容範囲に収束できる。
また、変更期間については、一段高い判断温度T2で給送間隔の適否を判断するため、図7に示すように、温度上昇がピークを打って下降に転じれば、給送間隔がさらに一段階拡大されることがない。
このため、図5の比較例1の制御に比べて、画像形成装置(100:図1)のスループットLvが高く維持され、不必要な生産性低下を起こすことなく、スループットLvの最大化が実現できる。
また、変更期間の経過後は、元の判断温度T1を用いた制御に切り替えているが、そのとき既に測定温度は元の判断温度T1以下に低下しているため、給送間隔はそのまま維持される。このため、図5の比較例1の制御に比べて、画像形成装置(100:図1)のスループットLvが安定に保たれ、不必要に頻繁なスループットLvの切り替えが少なくて済む。
実施例1の制御では、温度センサS2の測定温度が判断温度に達したとき、判断温度がT1からT2(T1<T2)に所定期間だけ変更される。
上記表3に示すように、A4サイズ横送りの場合、T2−T1=10℃である。これにより、給送間隔が大きくなるため、給送間隔が大きくなることで測定温度が低下に転じるような条件であれば、不必要なスループットLvの低下を行うことなく、生産性を維持できる。
しかし、判断温度をT2に変更してもなお加熱ニップNの長手方向の端部の温度が上昇し続ける条件であれば、加熱ベルト1の耐熱性を超えてしまう可能性がある。加熱ニップNの端部の温度が上昇し続ける条件は、以下である。
(1)温度センサS1を用いた加熱ヒータ6の温調に用いる目標温調温度が高い。
(2)記録材Pの熱容量に比較してスループットLvがまだ高すぎる(十分に下がっていない)。
このため、変更期間の経過後には、最初に設定していた判断温度T1に判断温度T2を戻す必要がある。
実施例1では、変更期間(所定期間)は、スループットLvの低下確認後、3枚目の加熱処理終了までの所定期間(予め定めた一定枚数の記録材の加熱処理が終了する期間)なので、変更期間は、スループットLvの低下とともに、画像書き込み間隔に比例して長くなる。
ただし、変更期間は、一定秒数でも、可変の秒数でも、一定枚数でも、可変の枚数でもよい。しかし、実際の制御では、加熱ニップNの長手方向の端部の温度上昇は、画像書き込み間隔の周期で変化して記録材Pの後端でピークを持つ。このため、記録材Pの後端で温度測定したほうが制御の再現性が高まるため、一定枚数で規定することが好ましい。
図1を参照して図8に示すように、制御部10は、連続画像形成のプリントを受け付けると、定着装置30を立ち上げて(S1)、初期スループットLv1を設定して(S2)、連続画像形成を開始する(S3)。
制御部10は、定着ニップNを記録材の後端が通過するタイミングで温度センサS2による温度測定を行う。そして、測定温度が判断温度T1に達していなければ(S4のNO)、連続画像形成枚数が終了するまで(S9のNO)、そのときのスループットLvで連続画像形成を継続する(S3)。
しかし、制御部10は、測定温度が判断温度T1以上の場合(S4のYES)、スループットLvNをLvN+1に落として判断温度をT1からT2に変更する(S5)。
制御部10は、判断温度T1の変更後、変更期間が経過すると(S7のYES)、判断温度をT2から元のT1に戻す(S8)。
制御部10は、連続画像形成枚数が終了すると(S9のYES)、定着装置30を停止して(S10)連続画像形成を終了する。
制御部10は、判断温度T1の変更後、所定期間が経過する前に(S7のNO)、測定温度が判断温度T2を超えると(S4のYES)、さらにスループットLvを一段階低下させて、所定期間をリセットする(S5)。
実施例1の制御によれば、制御部10は、測定温度が元の判断温度T1を超えて給送間隔が拡大された後に、測定温度が高いほうの判断温度T2を超えることなく下がり傾向の場合には、給送間隔をそれ以上拡大しない。このため、スループットLvを下げた後に加熱ニップNの端部の温度が下がりきる前に、再び判断温度T1以上を検出して不必要な生産性低下を起こすことがない。
しかし、給送間隔が拡大された後の所定期間に、測定温度が高いほうの判断温度T2を超えると、給送間隔を速やかに拡大して、加熱ニップNの端部の温度上昇を速やかに収束させて低下に転じさせる。
そして、変更期間を過ぎると、高いほうの判断温度T2を元の判断温度T1に戻して、測定温度が元の判断温度T1よりも高い状態で保たれることを確実に阻止する。
実施例1の制御によれば、小サイズの記録材のプリント時に、記録材Pの搬送を一時中断して連続画像形成を待機させるダウンタイムを発生させることなく、あらゆる条件に対してスループットLvを最適・最大化できる。
これにより、生産性の向上に対しての要望に応えている。スループットの最大化と端部の温度抑制を両立している。定着装置30の温度状態、記録材サイズ、記録材の坪量によって端部の昇温状態が異なっていても、あらゆるプリントモードに対してスループットを最適化できる。あらゆる紙種、環境温湿度、定着装置30の各部材の公差ばらつきに対応してスループットを最適化できる。端部の温度上昇率が各条件によって誤差を生じても、予測に頼らず、スループットを最適化できる。
<実施例2>
実施例1の制御では、連続画像形成中に判断温度T1以上が測定されると順次、スループットLvを段階的に引き下げて給送間隔を拡大する制御を説明した。
実施例2の制御では、実施例1の制御において、スループットLvを段階的に引き下げた効果が現れて、判断温度T3を下回る温度が測定されると、今度は、逆にスループットLvを1段階高くする。
Figure 0005264546
表4に示すように、表3の記録材幅ごとの判断温度T1との間に温度差を設定して、給送間隔の切り替えが、頻繁に繰り返されないようにしている。
実施例2の制御では、給送間隔を拡大したことにより、加熱ヒータ6の長手方向の中央部と端部の温度差が低下して、端部の温度が十分に低下すると、給送間隔を段階的に順次短くするように切り替える。これにより、実施例1の制御で損なわれた画像形成のスループットLvを少しでも回復させる。
<実施例3>
実施例1では、判断温度T2で給送間隔を制御する変更期間は、スループットLvの低下確認後、3枚目の加熱処理終了までの時間である。
実施例3では、判断温度T2で給送間隔を制御する変更期間は、スループットLvの低下確認後、記録材幅に応じたN枚の加熱処理終了までの所定期間である。
Figure 0005264546
実施例3の制御では、判断温度T1、T2は、上記表3に示すように記録材幅に応じて設定され、図8のフローチャートに従って、プロセススピードを一定に保って、給送間隔が可変に制御される。
しかし、給送間隔が1段階下がって、判断温度T1が判断温度T2に一段高く変更された後、再び判断温度T2が判断温度T1に戻されるまでの変更期間は、記録材幅に応じて異ならせている。
判断温度T1、T2を記録材幅に応じて変更する理由は、記録材幅によって、加熱ニップNの端部の温度の上昇速度が変化するからである。記録材幅によって、加熱ベルト1が耐熱限界温度に達する際の温度センサS2による温度測定値が異なるからである。
これに対して、変更期間を記録材幅に応じて変更する理由は、記録材Pの通過面積によって加熱ニップNから奪う熱量が異なり、加熱ニップNの端部の温度の下降速度が変化するからである。そして、温度センサS2が固定位置にあるため、加熱ニップNの長手方向の温度分布のピーク値と温度センサS2による温度測定値との関係が変わるためである。
よって、表3に示したように、判断温度T1、T2を記録材幅に応じて変更し、表5に示したように、変更期間を記録材幅に応じて変更することによって、スループットLvの制御が実施例1の制御よりも最適化される。
なお、表3、表5の各数値は、画像形成装置100及び定着装置30を用いた実験結果より最適化したものである。判断温度T1、T2と変更期間の値を複数段階に変更して、それぞれの記録材サイズについて、スループットLvを段階的に変更して温度センサS2による温度測定を行って各数値を求めた。
記録材幅が小さい方が、加熱ニップNの端部の温度の上昇速度が高く、判断温度Tからのオーバーシュートが大きいため、判断温度T2と判断温度T1との温度差を大きくしている。しかし、加熱ベルト1が耐熱限界温度を超えて加熱されることを防ぐために、記録材幅が小さい方が、所定期間を短くしている。
加熱ヒータ6単独で考えると、記録材幅が違っても加熱ニップNの長手方向の端部における単位面積当たりの発熱量は等しい。しかし、加熱ニップNの長手方向の「熱移動+端部からの放熱量」を考えると、記録材幅が大きいほうが、加熱ニップNの長手方向の端部の温度の上昇速度が高い。特に、図4に示すように、温度センサS2の位置が加熱ヒータ6の端部に近く、加熱ヒータ6の長さに近い記録材幅(A3サイズ、LDR)の場合に顕著である。
また、加熱ベルト1の耐熱温度(しきい値)を決定する要因は、定着装置30の構成によって異なり、加熱ヒータ6の温度だけでは決まらない。図4に示す構成では、加熱ベルト1の表面温度で耐熱温度が決まるため、加熱ベルト1の長手方向の熱移動も加味する必要があり、加熱ヒータ6の単位面積当たりの発熱量だけでは温度上昇の様子を説明できない。従って、表3、表5の各数値は、定着装置30の構成に応じて異なり、一意的に決まるものではない。
<実施例4>
実施例4の制御では、判断温度T1、T2及び変更期間が、それぞれ表6、表7に示すように、スループットLvに応じて設定される。それ以外は実施例1と同様に、図8のフローチャートに従って制御され、プロセススピードを一定に保って、給送間隔が可変に制御される。
実施例4の制御では、表6に示すように、判断温度T1、T2がスループットLv(記録材Pの給送間隔)によって異なる。
Figure 0005264546
スループットLvが異なると、加熱ニップNの長手方向の端部における温度の上昇速度が変化する。これに伴って、加熱ベルト1が耐熱限界温度に達するときの温度センサS2の測定温度も変化する。これは、連続加熱処理において単位時間あたりに記録材Pに与える熱量が変化すると、これに伴って加熱ヒータ6が加熱ニップNの端部へ与える熱量が変化するためである。
すなわち、定着装置30の耐熱限界温度は、加熱ベルト1の表面温度で規定されており、加熱ヒータ6の温度では規定されていない。そして、加熱ヒータ6と加熱ベルト1の表面との間には熱抵抗が存在するため、温度センサS2による測定温度の昇温カーブと加熱ベルト1の表面の昇温カーブとには、記録材Pの給送間隔によって異なる温度差が発生する。
このため、スループットLvの違いで加熱ベルト1の表面が耐熱限界温度に達する温度センサS2による測定温度が違ってくる。
スループットLvが高い(LvNのNが小さい)ほうが加熱ベルト1の長手方向の端部における温度の上昇速度が大きく、切り替え前の給送間隔で流れてくる記録材Pの枚数も多くなる。このため、加熱ベルト1の長手方向の端部における温度のオーバーシュートが大きくなる。従って、判断温度T2は、判断温度T1との相対温度差が大きくなるように設定している。
実施例4の制御では、表7に示すように、変更期間がスループットLv(記録材Pの給送間隔)によって異なる。
Figure 0005264546
スループットLvが高い(LvNのNが小さい)ほうが、加熱ベルト1の長手方向の端部の温度が下がり始めると、温度の下降速度も速くなる。従って、変更期間は、スループットLvが高い(LvNのNが小さい)ほど少ない枚数で、判断温度T2が判断温度T1に戻るように設定している。スループットLvが低い(LvNのNが大きい)ほど加熱ベルト1の長手方向の端部の温度が耐熱限界温度を超えて上昇するのを防ぐために、変更期間の枚数Nを大きく設定している。
実施例4の制御によれば、判断温度T1、T2と変更期間とをスループットLvに応じて最適化することによって、更なるスループットLvの最大化が可能となる。
表6、表7は、A4サイズ横送り条件でスループットLvを変化させて、加熱ニップNの長手方向端部における実測温度と温度センサS2による測定温度とを測定した実験結果に基づく。実験では、判断温度T1、T2と変更時間とを段階的に変更して、スループットLvに対する温度変化を調査した。ただし、各数値は、定着装置30の構成に応じて異なり、一意的に決まるものではない。
<実施例5>
実施例5では、実施例3と実施例4の制御とを組み合わせる。
1つの組み合わせでは、表3に示すように判断温度T1、T2を記録材幅に応じて変化させる一方、変更期間を表7に示すようにスループットLvに応じて変化させる。
別の組み合わせでは、表6に示すように判断温度T1、T2をスループットLvに応じて変化させる一方、変更期間を表5に示すように記録材幅に応じて変化させる。
さらに別の組み合わせとしては、記録材幅とスループットLvの組み合わせのそれぞれに対して、判断温度T1、T2及び変更期間をそれぞれ実験して最適に設定する。すなわち、横軸が記録材幅、縦軸がスループットLvのマトリックス(表)の1コマごとに判断温度T1、T2及び変更期間を定める。これらにより、更なる効果が期待できる。
連続加熱処理によって加熱ニップの長手方向の端部が中央部よりも温度上昇する定着装置等の画像加熱装置。
1 加熱ベルト
2 加圧ローラ
3 軸部材
4 加熱部材
5 加圧部材
6 加熱ヒータ
7 弾性層
9 加圧機構
S1、S2 温度センサ
10 制御部
11a、11b、11c、11d 感光ドラム
13a、13b、13c、13d 露光装置
21 中間転写ベルト
24 二次転写ローラ
28 レジストローラ
30 定着装置
31 温度調整回路
N 加熱ニップ
P 記録材

Claims (7)

  1. 加熱ニップで記録材の画像面に接する回転部材と、
    前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の中央部から端部を一体的に加熱する加熱手段と、
    前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の中央部の温度を第一温度に維持するように前記加熱手段を制御する温度制御手段と、
    前記加熱ニップへ連続給送する記録材の単位時間当たり枚数を複数段階に変更可能な給送手段と、
    前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の端部の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの検出温度が前記第一温度よりも高く設定された第二温度に達すると前記単位時間当たり枚数を一段階少なくするとともに、その後の所定期間は、前記温度センサの検出温度が前記第二温度以上であっても、少なくした後の前記単位時間当たり枚数を維持するように、前記温度センサの出力に基づいて前記給送手段を制御する給送制御手段と、を備え
    前記給送制御手段は、前記所定期間の経過後に、前記温度センサの検出温度が前記第二温度以上であれば前記単位時間当たり枚数を更に一段階少なくすることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記給送制御手段は、前記所定期間に、前記温度センサの検出温度が前記第二温度よりも高く設定された第三温度に達すると前記単位時間当たり枚数を更に一段階少なくすることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記給送制御手段は、前記温度センサよりも前記加熱ニップの長手方向における前記回転部材の中央側を搬送される記録材に対しては、記録材の前記加熱ニップの長手方向における長さが大きいほど前記第二温度を高く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記給送制御手段は、前記単位時間当たり枚数が多いほど前記第二温度を高く設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記給送制御手段は、前記単位時間当たり枚数が少ないほど前記所定期間を長く設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記所定期間は、少なくした後の前記単位時間当たり枚数にて、予め定めた一定枚数の記録材の加熱処理が終了する期間であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記回転部材は、加圧回転体に当接して前記加熱ニップを形成する加熱ベルトであって、
    前記加熱手段は、前記加圧回転体との間に前記加熱ベルトを挟み込んで前記加熱ベルトの内側面を摺擦する加熱部材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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