JP5263834B2 - 水中映像取得装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水中で超音波を物体に照射し、その反射波を受信して物体音響画像を取得する水中映像取得装置に係り、特に副極とグレーティングローブの影響を抑圧する水中映像取得装置に関する。
送波器に入力する電気信号の周波数を変更することによって送波ビームのステアリングを可能とする周波数掃引方式を適用した水中映像取得装置は、特許文献1および非特許文献1において詳しい解説がなされている。特許文献1および非特許文献1に記載の水中映像取得装置は、目標からの反射音波を収束させる音響レンズを受波器の前面に備えている。
周波数掃引方式は、極性を交互に反転させ配列した送波器用電気音響変換素子に、送信電気回路1chで異なる周波数の送信電気信号を入力するだけで、送波ビームのステアリングが可能である。また、周波数掃引方式は、送信方位によって周波数が異なるため、受波器1chで受波した受信信号をFFTするだけで方位に分離できる小型・軽量、コストパフォーマンスに優れた方式である。
周波数掃引方式は、送波ビームを周波数でステアリングするため、使用周波数帯域分の送信信号が必要になる。その使用周波数帯域幅は、原理上、下限周波数をF1とすると上限は約2×F1のオクターブ幅になる。このため、送波器も受波器もこの周波数範囲を送受波すべく広帯域な特性が要求される。
使用周波数帯域を送信する広帯域信号として、特許文献2のような広帯域雑音、特許文献3のようなリニアFMで送信する例はあるが、具体的なパルス幅の指定がない。周波数掃引方式を用いた送波器では、送波アレイが傾斜しているため、送信エネルギーを十分確保するためには、ある程度のパルス幅が必要になる。また、特許文献2のような広帯域雑音を送波する場合、複数の周波数信号を重畳するため、送信パワーが大きくなり、送波器の許容入力パワーを超え、電子回路の規模が大きくなる。また、特許文献3のようなリニアFMで送信する場合は、周波数を単調かつ連続的に増加あるいは減少させるため、送信方位が連続的に変化し十分な送信エネルギーを確保できず、取得した音響画像が不明瞭なものとなる。
送波器の広帯域化手法としては、非特許文献2に記載の音響整合層方式があるが、周波数掃引方式に採用した例はない。
また、送波器が不要な方向に超音波を送波してしまうと、音響画像に虚像やノイズが発生する。不要な超音波は、2種類ある。ひとつは、主極より音圧レベルは下がるが、主極の周りに発生する副極である。もうひとつは、主極と同等の音圧レベルで任意の方向に発生するグレーティングローブである。
副極を抑制する方法として、送波器の電気音響変換素子個々独立に異なる重み付け送信信号を入力する方法が一般的である。しかしながら、送信ch数が増えるため、電子回路の規模が大きくなる短所がある。一方、グレーティングローブは、この副極抑制方法でも抑制することはできない。
従来、このグレーティングローブを抑制するために、(1)特許文献1記載のように、送波器用電気音響変換素子を、同一位相を有する複数の群で構成し、その群相互間に一定の位相差となる送信信号を入力する方法、(2)送波器用電気音響変換素子の振動子面を、素子配列方向に対して傾斜させスプリアス抑圧を行なう方法等を適用していた。しかしながら、送信回路のch数が増え、電気音響変換素子の配列が複雑となり、製造コストが上昇し、歩留まりが悪くなる短所がある。
特開昭47−026160号公報 特公昭51−044773号公報 特公昭52−047698号公報
日本音響学会誌 31巻12号、p.716、1975年 医用超音波ハンドブック、p.61〜63、コロナ社、1985年
本発明の目的は、周波数掃引を適用した水中映像取得装置において、上記課題を解決することにある。使用周波数帯内の送信エネルギーおよび送受音響性能を最適にし、更に不要な方向の超音波を抑制し、最小限の電子回路規模で音響画像の明瞭化を可能とする水中映像取得装置を提供することに有る。
上記の課題を解決するための第一の発明は、電機音響変換素子から送波された各超音波全てが合成される時間Lsinθi/ν以上のパルス幅を持った任意の周波数の送信信号を単数または複数個連結することにより、十分な送信エネルギーを確保する映像取得装置である。
第二の発明は、各電気音響変換素子の音響放射面側に1〜3層の音響整合層を送波器または受波器、あるいはそのどちらにも備えることにより、送波電圧感度または受波電圧感度、あるいはそのどちらの電圧感度周波数特性をフラットかつ極大化し、ひいては音響画像の明瞭化を可能とする映像取得装置である。
第三の発明は、電気音響変換素子の共通電極に窓関数を乗じた形状にすることならびに第一の発明の送信信号に窓関数を乗じた信号を電気音響変換素子に印加することにより、音響画像を取得するのに不要な方向に出力される副極を抑制し、電子回路規模を最小限で音響画像の明瞭化を可能とする映像取得装置である。
第四の発明は、送波器の近傍に音波を反射または吸収させる音響反射翼を単数または複数個配置することにより、音響画像を取得するのに不要な方向に出力されるグレーティングローブを抑制し、最小限の電子回路規模で音響画像の明瞭化を可能とする映像取得装置である。
更に第1、第3の発明に第2で発明した送波器を、また第1〜第3の発明に第4で発明した音響反射翼を適用し、最小限の電子回路規模で音響画像の明瞭化を可能とする映像取得装置である。
上述した課題は、送波器と、反射音波を受波する受波器と、前記反射音波を前記受波器に収束させる音響レンズとを備え、送波器は、入力される電気信号の周波数に基づいて、送波ビームの送信方向を掃引し、電気信号は、パルス幅が少なくともLsinθi/νのPCWを複数個連結された信号である水中映像取得装置により、達成できる。
また、送波器と、反射音波を受波する受波器と、前記反射音波を前記受波器に収束させる音響レンズとを備え、送波器は、入力される電気信号の周波数に基づいて、送波ビームの送信方向を掃引し、送波器の電極幅は、送波器の長さ方向について、中央部で幅が広く、端部で幅が狭い水中映像取得装置により、達成できる。
本発明によれば、最小限の電子回路規模で不要な方向の超音波を抑制し、明瞭な物体の像を得ることができる水中映像取得装置を提供できる。
周波数掃引を説明する送波器の側面図である。 超音波の送出方向に対する送波器の配置を説明する側面図である。 送波器への送信信号である。 送波ビーム形状を説明するグラフである(その1)。 整合層付送波器(受波器)の側面図である。 整合層付送波器の送波電圧感度周波数特性のグラフである。 整合層付受波器の受波電圧感度周波数特性のグラフである。 送波器の正面図および側面図である。 送波ビーム形状を説明するグラフである(その2)。 送波器への送信信号である。 送波ビーム形状を説明するグラフである(その3)。 送波器に対する音響反射翼の配置図である(その1)。 送波器に対する音響反射翼の配置図である(その2)。 送波器に対する音響反射翼の配置図である(その3)。 水中映像取得装置のブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、実施例を用い図面を参照しながら説明する。
まず、図1を参照して、周波数掃引方式の送波器の構成を説明する。図1において、送波器101は、多数個のチタン酸ジルコン酸鉛からなる電気音響変換素子101aをそれぞれ分極方向(A)が交互に反対になるように横方向に配置し、上下両面に各電気音響変換素子共通となる電極101b、101cを設けている。電極101b、101c間に送信器102より周波数を任意に変化させた入力電圧を印加する。これにより、超音波はある瞬間には矢印(B)に示すように、送信器102によって加えられた周波数によって定まる2つの方向に送出される。送波面における垂線に対する角度θは入力周波数に対応してθ1からθnまで変化する。
図2において、送波器200は、通常、2つの方向に送出された超音波のうち片方の組を使用する。このため、送波器200は、超音波の送出方向(矢印方向)に対して送波面を傾斜させて使用するのが一般的である。電気音響変換素子201−1〜201−nは、電極を共通とするため、電極間に入力電圧を印加するとn個の電気音響変換素子201は、同時に振動し、音響媒体となる水中へ超音波を発生させる。
超音波の送出方向が角度θiの場合、電気音響変換素子201−nと電気音響変換素子201−1から超音波の送出方向と垂直に引いた(C)までの距離は、送波器長をLとして、Lsinθiとなる。水中の音速をνとすると、電気音響変換素子201−nから送出した超音波が(C)までに到達する時間はLsinθi/νとなる。よって電気音響変換素子201−1〜201−nから送出された超音波が全て合成されるためには、少なくともLsinθi/νの時間(=パルス幅)が必要となる。もしこのパルス幅が短く全ての超音波が合成しない場合、送信エネルギーが十分確保できない。その結果、超音波の出力音圧の低下や送波ビームの指向性の低下が起こり、水中映像取得装置で取得した音響画像が不明瞭となる。
図3を参照して、送信信号を説明する。図3において、横軸は時間(t)、縦軸は振幅(V)である。送信信号は、任意の周波数の信号で各々Lsinθi/ν以上のパルス幅を持つPCW(Pulse Continuous Wave)を単数あるいは複数個連結した一定振幅の信号である。送信する周波数F1〜Fnの順番は、低周波から高周波でもその逆でも、またランダムでも良い。なお、PCWは、単一周波数の音(純音)が一定時間継続するパルス状の波形である。
図4を参照して、送波器で生成した送波ビームを説明する。図4において、縦軸は相対密度、横軸は方位である。送波ビームの形状は、電気音響変換素子の各々の間隔や大きさ、送波器のアレイ長L、周波数等により異なるが、周波数掃引方式の送波器で生成した送波ビームの形状は概ね図4のようになる。(D)(D’)は下限周波数F1の送波ビーム、(E)(E’)は上限周波数Fn(=2×F1)の送波ビームである。図4に示すように周波数掃引方式の送波器で生成した送波ビームは、中心方位0度を境界に左右2つ生成され、ここで(D)(E)の送波ビームを音響画像取得に用いるならば(この場合の映像取得装置の視野範囲は、約−30〜−90度の範囲となる)、(D’)(E’)は不要な超音波出力であるグレーティングローブとなる。
(F)(F’)(F−1)および(F’−1)は、3×F1の送波ビームである。図4から解るように、周波数を3×F1にすると、第1のグレーティングローブ(F’)の他に、第2、第3のグレーティングローブ(F−1)、(F’−1)が生成する。特に第2のグレーティングローブ(F−1)は、主極(F)と同じ約−30〜−90度の映像取得装置の視野範囲内に発生する。つまり、使用周波数範囲をF1〜3×F1まで拡大すると、虚像が発生し、水中映像取得装置の取得音響画像が不明瞭となる。よって、周波数掃引方式の使用周波数範囲は、下限周波数をF1とすると、上限周波数は概ね2×F1となる。したがって、周波数掃引方式を用いた映像取得装置の送波器、受波器は、使用周波数F1〜2×F1で最適化すればよい。
なお、(G)で示す複数のピークは、副極である。このように不要な方向に超音波を送波してしまうと、音響画像に虚像やノイズが発生する。
図5を参照して、整合層付送波器の構成を説明する。図5において、整合層付送波器500は、複数の電気音響変換素子501の放射面側(水中の方向)に3層の音響整合層504a〜504cを備える。音響整合層504a〜504cの設計方法は、非特許文献2にあるように、音響インピーダンス(材料の密度×音速で表される物理量)を電気音響変換素子501の値から水の値に徐々に変化させる。音響整合層504a〜504cの材料は、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂に金属粉等を混ぜるものが一般的であり、金属粉の量を変えることにより音響インピーダンスを変化させる。なお、音響整合層504は、単層であってもよい。また、整合層付受波器も同様に構成することができる。
整合層を備えた整合層付送波器500は、共振が複数発生し図6に示す送波電圧感度周波数特性(H)〜(J)を有する。図6において、整合層付送波器500は、電圧感度のフラットな領域を広げること(広帯域化)ができる。ここで、送波電圧感度周波数特性(H)〜(J)において、横軸は周波数F(Hz)、縦軸は送波電圧感度Ss(dB)である。送波電圧感度周波数特性(H)〜(J)は、それぞれ音響整合層504を1〜3層に変化させたときの特性である。使用周波数範囲がF1〜2×F1の場合、最適な音響整合層504の層数は1〜3層で、これ以上枚数を増やすと、感度が低下し、使用周波数範囲外の雑音が受波され、取得した音響画像の劣化を招く。
送波器の構成は受波器にも同様に適用でき、設計方法も、音響整合層504の材質も同じである。図7を参照して、音響整合層4を1〜3枚に変化させたときの受波電圧感度周波数特性を説明する。図7において、受波電圧感度周波数特性(K)〜(M)の横軸は周波数F(Hz)、縦軸は受波電圧感度Mo(dB)である。を示す。図7から解るように受波電圧感度周波数特性(K)〜(M)は、いずれも良好である。なお、使用周波数範囲がF1〜2×F1の場合、最適な音響整合層の層数は送波器と同じく1層〜3層である。また、上限がある理由も送波器と同じである。
以下、副極の抑制を説明する。まず、電気音響変換素子801−1〜801−nの超音波出力に重み付けをすることで副極を抑制することは知られている。具体的には、送波器801の中心位置にある電気音響変換素子801−n/2の超音波出力を大きく、外側の電気音響変換素子801−1、801−nの超音波出力を小さくすれば良い。この重み付け関数は、FFTの窓関数と同じが最適で、ハニング、ハミング、ガウス関数等がある。水中映像取得装置は、これら関数の違いにより副極の抑制レベルが変化する。
各電器音響変換素子に重み付けする具体的な方法として、送波器の電気音響変換素子801−1〜801−nそれぞれへ入力する電圧振幅に重み付けをする方法がある。しかしながら、送信ch数が増えるため、電子回路の規模が大きくなる短所がある。
送信1chで副極を抑制する手法について、図8を参照して具体的に説明する。図8において、送波器800は、n個のチタン酸ジルコン酸鉛からなる電気音響変換素子801をそれぞれ分極方向が交互に反対になるように横方向に配置し、上下両面に各電気音響変換素子共通となる電極を設けている。電極間に発信器804と増幅器803により周波数を任意に変化させた入力電圧を印加する。
図8の正面図において、電気音響変換素子801−1〜801−n各々の超音波出力に重み付けをするために、電極面積に重み付けの関数を乗じる。すなわち、共通電極802の形状は、送波器800の中央で電気音響変換素子の送波面と同じ大きさと、送波器800の端に行くほど幅を狭くする。つまり、共通電極802は、平たい菱形とする。電極面積が大きければ大きいほど大きな超音波出力を実現でき、送波器800は、この共通電極802の面積を重み付け関数で各電気音響変換素子に割り付ければ、電子回路で重み付けする場合と同様の効果を得る。この重み付けの関数は、FFTの窓関数と同じが最適で、ハニング、ハミング、ガウス関数等である。なお、この共通電極802の面積を重み付け関数で各電気音響変換素子に割り付けるのは、一方の共通電極だけでもよい。
図9を参照して、電極形状に重み付けした送波器の送波ビームの形状を説明する。図9において、横軸は方位(度)、縦軸は相対感度(dB)である。図4と比較すると、副極が抑制されていることが解る。更に副極を抑制するために図3を参照して説明した入力信号(送信信号)に対し重み付けを乗じる方法があり、図10を参照して、説明する。なお、重み付け関数は、前述と同様である。
図10において、横軸は時間(t)、縦軸は振幅(V)である。図10(a)において、周波数の異なるPCWにパルス振幅で重み付けを乗じた複数の送信信号を連結させる。これにより、送信エネルギーを最大化し、副極を抑制することができる。また、各々のパルスは重み付けを乗じているため、図10(a)のように各々パルス前後の振幅は小さくなる。
このため、図10(b)のように加算振幅が大きくならない範囲であれば、複数の異なる周波数の信号を加算し、総パルス幅を圧縮できる。
図11を参照して、送波器の電気音響変換用素子の電極形状および送信波形の両方に窓関数を乗じた場合の送波ビームの形状を説明する。図11において、横軸は方位(度)、縦軸は相対感度(dB)である。図9と比較すると、副極が更に抑制されていることが解る。
周波数掃引では、送波器から左右対称に等価な送信波が出力される。左右2つの送信波のうち、いずれか一方を目標に照射させて映像取得に供する場合、もう一方は不要なビーム(グレーティングローブ)であって、抑制することが好ましい。しかし、素子電極の形状や送信波形に窓関数を乗じても、グレーティングローブの音圧を減じることはできない。
グレーティングローブの影響を抑制する最も簡単な方法は、必要とする主極のみを対象とする目標に向け、グレーティングローブの送信方向には極力何も物体を置かず、それによりグレーティングローブの反射波が受信されぬようにすることである。しかし、実際は、グレーティングローブの送信方位には壁など何かしらの物体があることが多く、そのような他物体によって反射あるいは拡散したグレーティングローブが、結果的に環境ノイズとして受信され、取得映像の画質に悪影響を及ぼす。
そこで、グレーティングローブを主極とは大きく異なる方位へ反射させ、グレーティングローブの一部を吸収して音圧を低減するような単数または複数の音響反射翼を、送波器の近傍に配置して、グレーティングローブの悪影響を抑制する。
以下、図12ないし図14を参照して、グレーティングローブの悪影響を抑制する方法を説明する。図12において、送波器1201は、その送波面の垂線方向1202に対し、左右対称に送波ビームを出力する。そのうち、左側のビームを主極1203と定義する。水中映像取得装置は、主極1203を図示しない目標で反射させ、映像取得に供する。もう一方の右側ビームは、不要なグレーティングローブ1204である。
周波数掃引方式では送信周波数により送信方位が変化する。図12(a)は、送信周波数が使用する最高周波数(2×F1)の場合である。主極1203とグレーティングローブ1204の送信方位は、送波面の垂線方向1202にそれぞれ近くなる。そのため、送波器1201の両端A、Bと、主極1203、およびグレーティングローブ1204が交わる点Cにより定義される三角形ABCの高さTが高くなる。
一方、図12(b)は、送信波が当該システムにおいて使用する最低周波数(F1)の場合である。この場合、主極1203とグレーティングローブ1204の送信方位は送波面の垂線方向1202から互いに離れる。同様に定義した三角形ABC’の高さはより低くなる。
高周波、低周波いずれの場合においても、主極1203とグレーティングローブ1204との最終的な送信方位差を大きくし、グレーティングローブ1204の全部または一部が目標の方向に極力向かわないよう、送波器1201の近傍に音響反射翼1205〜1208を設置することが好ましい。
一方でこのとき、音響反射翼が主極1203と干渉しないよう、音響反射翼が図12の点線で挟まれる領域(主極の音場)に入らないようにしなければならない。本実施例の場合、送波器1201と音響反射翼1205との距離を、当該システムで使用する最大周波数の時の三角形ABCの高さT以上に離す必要がある。
この三角形ABCの高さTが大きく、あるいは使用する周波数帯域が広いためにグレーティングローブの送信方位に幅がある場合は、単数の音響反射翼ではその面積が大きくなりすぎ、実装上の問題となることがある。そのような場合、本実施例のように、音響反射翼を4枚に分割する。分割によって、より狭いスペースで効率的にグレーティングローブを反射させることができる。このとき、個々の音響反射翼1205、1206、1207および1208を、前方(目標側)に向かうほど長く、逆に目標とは反対側に向かうほど短く設計することで、反射されたグレーティングローブ1204が、結果的に目標とは反対の方向に向かい易い。
更に、目標とは大きく方位が異なる方向にグレーティングローブ1204を逃がしても、その方向に反射体があって環境ノイズになりやすい場合や、別の測定装置があってその測定に悪影響が出るような場合は、グレーティングローブを反射させるだけではなく、効率的にこれを吸収し、減衰させることが望ましい。
積極的な吸収を図13を参照して、説明する。図13において、9枚の音響反射翼の表面に吸音材1301を貼り付け、グレーティングローブの吸収を図っている。このとき、音響反射翼の枚数を多くし、各音響反射翼の間隔を狭くするほど、グレーティングローブの反射回数が増え、効率的に減衰させることができる。
また減衰率が十分に大きければ、図14のように音響反射翼の出口側を閉じ、内壁に吸音材を貼り付けことで、閉構造1401内にグレーティングローブを閉じ込めることができる。グレーティングローブの多くは閉構造1401内で反射するうちに減衰し、外に漏れることはない。
図15を参照して、水中映像取得装置の構成を説明する。図15において、水中映像取得装置は、信号処理/制御装置1501、2台の送波器1503、2組の音響反射翼1512、音響レンズ1506、受波器1507、受信器1508、表示装置1510、パン・チルト制御装置1512から構成される。
信号処理/制御装置1501は、送信信号を生成する。送信信号は、信号ケーブル1502(a)、1502(b)を介して、送波器1503(a)、1503(b)に供給される。送波器1503は、電気音響変換素子にて電気音響変換を行ない、音響媒体である水中に超音波を送出する。このとき、グレーティングローブは、音響反射翼1512(a)1512(b)にて後方に反射または吸収され抑制され、副極は、送信信号および電極形状の効果により抑制される。周波数掃引方式を採用しているため、水平方位(送波器の向きを垂直に変えれば垂直方位となる)により送出された超音波の周波数が異なる。
目標1505にて反射した超音波は、目標との距離が十分に離れていれば、ほぼ平面波1520として取り扱うことができ、3個の音響レンズ1506を介して、受波器1507に収束される。もし目標1505(a)が送波周波数F1の位置にある場合は、周波数F1の反射波が、そして目標1505(b)が送波周波数Fnの位置にある場合は、周波数Fnの反射波が受波器1507に到来し、音響電気変換されることにより、音響信号が電気信号に変換される。この電気信号をFFTすることにより水平方位分解できるため、水平方向の受波器1507はch分割しない。一方垂直方向(送波器の向きを垂直に変えれば水平方位となる)からの反射波は、音響レンズ1506により、受波器1507へ音波が収束されるが、この収束位置が垂直方位により異なる。従って、収束位置ごとに受波器1507を垂直方向にch分割すれば、垂直方位分解も可能となり、3次元の音響画像を取得することが可能となる。
受波器1507で音響電気変換された電気信号について、受信器1508は、増幅、A/D変換、多重化、E/O変換する。信号ケーブル1509からの光信号について、信号処理/制御装置1501は、O/E変換、信号処理等を実施する。表示装置1510は、信号処理/制御装置1501からの3次元の音響画像を表示する。
また、水中映像取得装置は、船の前面、側面に固定して使用される場合が多く、水平、垂直方向に回転できるパン・チルト制御装置1511を装備することにより水中を広範囲に映像取得することが可能となる。
上述した実施例に拠れば、十分な送信エネルギーを確保するための送信方式、送受音響性能を最適化する整合層の最適構成、更に電子回路を小規模で不要な方向の超音波を抑制可能とする方式、ならびにその構造を採用することにより、電子回路規模を最小限で音響画像の明瞭化を可能とする水中映像取得装置を提供できる。
101…送波器、101a…電気音響変換素子、101b〜c…電極、102…送信器、201…送波器、201−1〜201−n…電気音響変換素子、202…音響媒体、500…整合層付送波器、501…電気音響変換素子、502…送信器、503…音響媒体、504…音響整合層、801…送波器、801−1〜801−n…電気音響変換素子、803…増幅器、804…発信器、1201…送波器、1202…送波器の垂線方向、1203…主極、1204…グレーティングローブ、1205〜1208…音響反射翼、1301…吸音材、1401…閉構造、1501…信号処理/制御装置、1502…信号ケーブル、1503…送波器、1504…音響媒体、1505…目標、1507…受波器、1508…受信器、1509…信号ケーブル、1510…表示装置、1511…パン・チルト制御装置、1512…音響反射翼。

Claims (7)

  1. 送波器と、反射音波を受波する受波器と、前記反射音波を前記受波器に収束させる音響レンズとを備えた水中映像取得装置において、
    前記送波器は、入力される電気信号の周波数に基づいて、送波ビームの送信方向を掃引し、
    送波器長をL、前記送波器の送波面の垂線に対するi番目の周波数の超音波の送出角度をθi、水中の音速をν、として、
    前記電気信号は、パルス幅が少なくともLsinθi/νのPCWを複数個連結された信号であることを特徴とする水中映像取得装置。
  2. 請求項1に記載の水中映像取装置であって、
    使用周波数帯域内の送波の電圧感度を平坦化するために、
    前記送波器の複数の電気音響変換素子の音響放射面に整合層を1層ないし3層備えることを特徴とする水中映像取得装置。
  3. 請求項1に記載の水中映像取装置であって、
    使用周波数帯域内の受波の電圧感度を平坦化するために、
    記受波器の複数の電気音響変換素子の音響放射面に整合層を1層ないし3層備えることを特徴とする水中映像取得装置。
  4. 請求項1に記載の水中映像取得装置であって、
    前記電気信号は、窓関数を乗じられた信号であることを特徴とする水中映像取得装置。
  5. 請求項4に記載の水中映像取得装置であって、
    前記電気信号は、前記PCWを連結前後で加算して、総パルス幅が圧縮されていることを特徴とする水中映像取得装置。
  6. 送波器と、反射音波を受波する受波器と、前記反射音波を前記受波器に収束させる音響レンズとを備えた水中映像取得装置において、
    前記送波器は、入力される電気信号の周波数に基づいて、送波ビームの送信方向を掃引し、
    前記送波器の電極幅は、前記送波器の長さ方向について、中央部で幅が広く、端部で幅が狭いことを特徴とする水中映像取得装置。
  7. 請求項1または請求項6に記載の水中映像取得装置であって、
    不要な方位に発生する音圧の高いグレーティングローブを抑制するために、複数の音響反射翼を送波器の近傍に備えることを特徴とする水中映像取得装置。
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