JP2004233064A - 超音波送受波器 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明の目的は、超音波送受波素子の輻射面の大小に関係なく、超音波送受波面での指向角を容易に決めることができ、異なる周波数の超音波送受波素子を同一探知範囲、同一感度の超音波送受波器とすることにある。
【構成】この発明では、超音波を送信し、その反射波を受信する超音波送受波器において、超音波送受波素子と、反射板と、超音波送受波面とを含めて一体型とすること、超音波送受波素子と超音波送受波面との間は、反射板を介した超音波伝播経路である。
【選択図】 図6
【構成】この発明では、超音波を送信し、その反射波を受信する超音波送受波器において、超音波送受波素子と、反射板と、超音波送受波面とを含めて一体型とすること、超音波送受波素子と超音波送受波面との間は、反射板を介した超音波伝播経路である。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水中に超音波を送信し、魚体などの水中の物体の反射波を受信する超音波送受波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水深の計測や水中の魚群を探知する超音波探査装置として、魚群探知機が一般的に利用されている。魚群探知機は、超音波送受波器、表示器、操作パネル、送受信機等で構成されており、水中の状況を表示する装置である。
【0003】
魚群探知機の構成要素の1つである超音波送受波器は、数多くの種類の送受信周波数や送信出力が使用されている。そして、1つまたは複数の超音波送受波素子を用いて、複数の送受信周波数の超音波を送受信する超音波送受波器が使用されている。
【0004】
超音波を用いた魚群の探知では、シラスのように体長の短い魚は、送受信周波数が200kHzのような高周波の場合、シラスの体長がその波長(0.75cm)よりも長いので、大きい反射信号レベルとなる。また、送受信周波数が50kHzのような低周波の場合、シラスの体長がその波長(3.0cm)よりも短いので、小さな反射信号レベルとなる。
また、シラスの体長と比較して、鰯や鯖のように体長が長い魚は、送受信周波数が200kHz、50kHzのいずれの場合でも、鰯や鯖の体長がそれらの波長(0.75、3.0cm)よりも長いので、大きい反射信号レベルとなる。
このように、魚群の探知では、使用周波数と反射信号のレベルとの関係から、魚種等を判別することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、シラスのように極めて浅い深度に生息する魚を探知する場合は、探知範囲を広くする為に、超音波送受波器から放射される超音波の指向角を広くする必要がある。また、超音波送受波器は、超音波送受波素子の機械的共振周波数で振動するので、振動の余韻が残る性質がある。(これを一般に残響と言う。)残響は送信直後に生じ、近距離の反射信号を消してしまう。
【0006】
この残響の影響を少なくする方法として、超音波送受波素子と船底との距離を、超音波送受波素子の残響時間の超音波伝搬距離よりも、大に設定することで、送信直後に生じる残響の影響を削除する方法が開示されている。そして、この例によれば、超音波の送受波面には、FRP(強化プラスチック)が使用される(例えば、特許文献2参照)(第1従来技術)。
【0007】
一般に超音波送受波素子より放射される超音波の指向角θは、その超音波送受波素子の輻射面積をs、送受信周波数(超音波振動子の駆動周波数)をfとすれば、
【数1】
で与えられる。また、超音波送受波素子の許容入力電力は輻射面積sに比例するため、輻射面積sで決まる許容入力電力以上の送信電力の入力は、超音波送受波素子の破壊の原因となる。
【0008】
送受信周波数が、200kHz(高周波)用と50kHz(低周波)用のそれぞれの超音波送受波素子において、同一送信電力を入力可能とするために輻射面積sを同じにした場合、(1)式より、高周波の超音波送受波素子の指向角は低周波のそれに比べ1/4となり、両者の指向角は異なることとなる。
そこで、両者の指向角を同一にするためには、(1)式より、高周波の超音波送受波素子の輻射面積を低周波の輻射面積の1/16にするという第1の方法が考えられる。また、逆に低周波の超音波送受波素子の輻射面積を高周波の輻射面積の16倍にするという第2の方法も考えられる。
【0009】
輻射面積を変えずに指向角を変える方法として、超音波送受波素子の輻射面形状を凸面または凹面にして超音波の放射方向を変え、指向角を調整する方法がある。これは、通常、微小な超音波送受波素子を多数個用い、それぞれの輻射面が凸面または凹面を形成するように配置して構成している。
【0010】
さらに、他の方法として、音響レンズを振動子の輻射面に置く方法がある。超音波も光と同様の波動でありスネルの法則に従って屈折するので、音速の異なる材質でできた凸レンズまたは凹レンズを用いる事で超音波も収束または発散が可能であり、高周波と低周波とで同一の指向角とする構成が考えられる。
【0011】
さらに、他の方法として、コーン型反射板と、その軸上に、異なる送受信周波数をもつ複数の円筒状の送受波素子を配列することにより、指向角を同一にする方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照)(第2従来技術)
【0012】
【特許文献1】
特公昭40−025555号公報
【特許文献2】
実公平05−026545号公報
【特許文献3】
実開昭57−171381号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、(1)式にもとづけば、送受信周波数が高周波または低周波の超音波送受波素子の輻射面積のどちらか一方を大きくしたり、小さくすることにより、両者の指向角を同一にすることができる。
しかし、高周波の超音波送受波素子の輻射面積を小さくすることにより、両者の指向角を同一にする場合では、輻射面積が小さい超音波送受波素子には大きな送信電力が入れられず、結果的に高周波の探知能力が劣ってしまう欠点がある。また、低周波の超音波送受波素子の輻射面積を大きくするは、低周波の超音波送受波素子が、極めて大きくなり高価なものになるという問題がある。
【0014】
第2従来技術では、コーン型反射板の軸上に、異なる送受信周波数をもつ複数の円筒状の超音波送受波素子を配列し、超音波送受波素子から放射された超音波をコーン型反射板に反射させ、超音波の放射方向を同一にしている。
そして、第2従来技術では、45度コーン型平面反射板を使用するため、指向角を小さくするには、超音波送受波素子自体の輻射面を長くするか、同一周波数の複数の超音波送受波素子を縦に並べて、超音波輻射面を長くする必要がある。このため、超音波送受波素子の数が多くなればなるほど高価になるという問題がある。
【0015】
また、超音波送受波素子の輻射面形状を凸面または凹面にして放射方向を変える方法では、微小な超音波送受波素子を多数用い、それぞれの輻射面が凸面または凹面を形成するように配置して構成している。
しかしながら、この構成では、多数の超音波送受波素子が必要となるとともに配線も多くなる。このため、超音波送受波器が複雑、高価になるという問題がある。
さらに、音響レンズを超音波送受波素子の輻射面に置く方法では、音響インピーダンスを考慮しなければならず、極めて特殊な材質に制限されるという問題がある。
【0016】
したがって、本発明の1つの目的は、超音波送受波素子の輻射面の大小に関係なく、超音波送受波面での指向角を容易に決めることができ、異なる周波数の超音波送受波素子を同一探知範囲、同一感度の超音波送受波器とすることにある。
【0017】
第1従来技術では、超音波送受波素子と船底との距離を、超音波送受波素子の残響時間の超音波伝搬距離よりも、大に選定している。そして超音波送受波面は、超音波を透過させる材質、例えば、FRP(強化プラスチック)等、船底の材質に適合するものを使用している。このため、水と音響インピーダンスが異なり、超音波が減衰するという問題がある。
【0018】
したがって、本発明の第2の目的は、超音波送受波器内で、前記残響時間より大なる超音波伝播経路を設けることにより、送信直後に発生する残響に影響されず、超音波送受波面で送受信される超音波が減衰しにくい超音波送受波器を提供することにある。
【0019】
さらに上記各従来技術においては、超音波送受波素子と反射板および超音波送受波面とを含んで一体にモールド成形した超音波送受波器は存在しない。
このため、本発明のさらに他の目的は、一体型とされた超音波送受波素子、反射面および超音波送受波面を含む超音波送受波器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、超音波を送信し、その反射波を受信する超音波送受波器であって、超音波送受波素子と、反射板と、超音波送受波面とを含めて一体型とすること、超音波送受波素子と超音波送受波面との間は、反射板を介した超音波伝播経路であるよう構成されている。
【0021】
次に、請求項2の発明では、超音波送受波素子は、複数具備されている。
【0022】
また、請求項3の発明では、複数の超音波送受波素子の各々の対応する超音波送受波面での超音波放射の指向角が同一であるよう構成されている。
【0023】
また、請求項4の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間の伝播経路長は、伝播経路の媒質内を超音波送受波素子の残響時間の超音波伝播距離よりも、長いよう構成されている。
【0024】
また、請求項5の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間の伝播経路の媒質は、対応する超音波送受波面と同じ媒質であるよう構成されている。
【0025】
また、請求項6の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間に介在する反射板は、曲面反射板と平面反射板とを単独または組み合わせて使用するよう構成されている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態に関し、図面に基づき説明する。図1は本発明における第1実施例の超音波送受波器1を示す断面図である。送受波器ケース10は、ウレタンゴムの箱型形状のケースである。水中への超音波の出入面である超音波送受波面40は、本図の下側の太線部である。ウレタンゴムの音響インピーダンスは、水や海水とほぼ等しく、超音波送受波面40での反射損失が極めて少なく、超音波が良く透過する材料である。
図1a)は、反射板の反射面が凹面である凹面反射板20aを使用している例であり、図1b)は、反射板の反射面が凸面である凸面反射板20bを使用している例である。(以下、凹面反射板20aまたは凸面反射板20bを総称して曲面反射板20と記載することもある。)
【0027】
送受波器ケース10内には、超音波送受波素子30と曲面反射板20とがあり、充填材12で満たされている。超音波送受波素子30は、片側の輻射面を除いて遮音材21で包まれている。遮音材21は、超音波送受波素子30から不要方向への超音波の放射、または不要方向からの超音波送受波素子30への超音波の入射を防ぐ役割をしている。この遮音材21により、超音波送受波素子30からの超音波の放射方向、または入射方向が曲面反射板20の方向に制限される。
この遮音材21の材質は、コルク材や単泡スポンジのように剛性が弱く内部に気泡を持つものを使用している。
【0028】
超音波送受波素子30は、チタン酸バリウムなどの圧電セラミックの素子である。そしてこの超音波送受波素子30には、図示しない2つの電極があり、各電極から2本の信号線が出ている。この2本の信号線に、超音波送受波素子30の共振周波数のトーンバースト状の電気パルス信号が、送信信号として入力される。この送信信号により、超音波送受波素子30は、圧電逆効果により歪みを生じ、超音波送受波素子30の厚み方向、即ち図1a)と図1b)の左右方向に、振動し、左右の輻射面から超音波を放射する。
【0029】
曲面反射板20は、アルミ板等で作られており、図示するとおり一部が送受波器ケース10に固定され、その周りは、充填材12で満たされている。充填材12としては、例えばヒマシ油などが使われる。
曲面反射板20の音響インピーダンスは、充填材12と比較して大きいので、曲面反射板20は、充填材12中では、超音波を良く反射する。僅かの超音波は、曲面反射板20を透過する。この透過による影響を防ぐために曲面反射板20の反射面と反対側に遮音材21と同様の材質を貼り付ける場合がある(図示せず)。
【0030】
超音波送受波素子30から曲面反射板20へ放射された超音波は、曲面反射板20で反射し、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。
図1a)では、凹面反射板20aで反射された超音波は、そのビームが収束され、指向角は小さくなり、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。また、超音波送受波器1の外部から入射する超音波も、逆経路で、凹面反射板20aで反射し、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に図1b)では、凸面反射板20bで反射した超音波は、そのビームが発散され、指向角は大きくなり、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。また、超音波送受波器1の外部から入射する超音波も、逆経路で、凸面反射板20bで反射し、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
図1a)と図1b)の各超音波送受波器1では、同一輻射面積の超音波送受波素子30を用いて曲面反射板20の曲率を変えることにより、超音波送受波面40での指向角を同一にすることができる。
【0031】
図2は本発明における第2実施例の超音波送受波器2を示す断面図である。図1と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30a、超音波送受波素子30bと、曲面反射板20と、平面反射板20cとがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。また平面反射板20cも、アルミ板等でつくられている。本実施例では、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの輻射面の大きさは同一である。従って、超音波送受波素子30aを、送受信周波数50kHzとし、超音波送受波素子30bを、送受信周波数200kHzとすると、超音波送受波素子30aは、超音波送受波素子30bより輻射面での指向角は小さくなる。
【0032】
図2a)は、凸面反射板20bと平面反射板20cを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、高い周波数の超音波送受波素子の指向角に合わせる構成例を示す図である。
超音波送受波素子30aから平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射し、(1)式で算出される指向角で超音波送受波器2の外部へ放射される。そして、外部からの入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30bから凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で超音波送受波器2の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0033】
図2b)は、凹面反射板20aと平面反射板20cを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、低い周波数の超音波送受波素子の指向角に合わせる構成例を示す図である。
超音波送受波素子30aから凹面反射板20aへ放射された超音波は、凹面反射板20aで反射して収束する。従って、この凹面反射板20aの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも小さい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器2の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30bから平面反射板20cへ放射された超音波は、反射板20cで反射し、(1)式で算出される指向角で超音波送受波器2の外部へ放射される。そして、外部からの入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
上述の図2a)および図2b)では、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの個々の輻射面での指向角は周波数の違いにより異なっている。しかし、上述のように構成することにより、超音波を曲面反射板20に反射させることで、超音波送受波面40での指向角を同一にすることができる。
【0034】
図3は本発明における第3実施例の超音波送受波器3の構成を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。図2の場合と同様、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの超音波送受波素子の輻射面の大きさは同一である。
図3a)は、凹面反射板20a、凸面反射板20bを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、それぞれ収束または発散させることで、同じにする例を示す図である。
超音波送受波素子30a(送受信周波数が超音波送受波素子30bより低周波とする)から凹面反射板20aへ放射された超音波は、凹面反射板20aで反射し収束する。従って、この凹面反射板20aの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも小さい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30b(送受信周波数が超音波送受波素子30aより高周波とする)から凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
【0035】
図3b)は、凸面反射板20bと、凸面反射板20bより曲率の大きい凸面反射板20dを用いて、双方とも反射発散させることで、超音波送受波面40から放射される、異なる周波数の超音波送受波面での指向角を、同じにする例を示す図である。
この凸面反射板20dは、アルミ板等で作られている。ここで、超音波送受波素子30aと30bとは同一の大きさの超音波送受波輻射面をもっている。
超音波送受波素子30a(送受信周波数が超音波送受波素子30bに比較して低い)から凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30b(送受信周波数が超音波送受波素子30aに比較して高い)から凸面反射板20dへ放射された超音波は、凸面反射板20dで反射して発散する。従って、この凸面反射板20dの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射される。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30bの輻射面に入射する。
超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの個々の輻射面での指向角は異なる。しかし、超音波を適宜な曲面反射板20で反射させることにより、超音波送受波面40から放射される際の指向角を、所定の周波数の指向角にすることができる。
【0036】
図4は本発明における第4実施例の超音波送受波器4を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30、曲面反射板20と、平面反射板20cとがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。
【0037】
図4a)は、平面反射板20cと凸面反射板20bを用いて、超音波送受波素子30から放射される超音波を2枚の反射板を用いて、超音波送受波面40から放射される超音波の指向角を大きくする例を示す図である。また、平面反射板20cと凸面反射板20bとを用いることにより、超音波送受波素子30から超音波送受波面40までの経路長を長くしている。
超音波送受波素子30から平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射する。そして、経路変更された超音波は、さらに凸面反射板20bで反射して発散しする。これにより、超音波送受波素子30から放射された超音波は超音波送受波素子30の輻射面での指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、超音波送受波面40から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0038】
図4b)は、凹面反射板20aと平面反射板20cを用いて、超音波送受波素子30から放射される超音波を2枚の反射板を用いて、超音波送受波面40から放射される超音波の指向角を小さくする例を示す図である。また、図4a)と同様、超音波の経路長を長くしている。
超音波送受波素子30から平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射する。そして、経路変更された超音波は、さらに凹面反射板20aで反射して収束する。これにより、超音波送受波素子30から放射された超音波は、超音波送受波素子30の輻射面での指向角よりも小さい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、超音波送受波器4の外部から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0039】
図4c)は、超音波送受波素子30から放射される超音波の指向角を、凸面反射板20bを2枚用いて、超音波送受波面40から放射される際、超音波送受波素子30から放射される指向角より大きくする例を示す図である。
超音波送受波素子30から凸面反射板20b−1へ放射された超音波は、反射、発散する。そして、経路変更された超音波は、凸面反射板20b−2でさらに反射、発散する。このように、超音波送受波素子30から放射されたときの指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、外部から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
本実施例のように、複数の反射板を用いることにより、送受波器ケース10の幅、即ち図4の送受波器輻射面の左右方向、をほとんど長くすることなく、超音波送受波素子30と超音波送受波面40との間の伝搬経路を長くすることができる。同時に、超音波送受波面40での指向角を任意に設定することができる。
【0040】
図5は、本発明における第5実施例の超音波送受波器5の構成を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30と、曲面反射板20を含む複数の反射板とがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。
本実施例は、超音波送受波素子30aおよび30bと平面反射板20cおよび曲面反射板20で構成されている。
【0041】
図5a)は、凹面反射板20aと複数の平面反射板20cを用いて、構成されている。
本実施例において、超音波送受波素子30aおよび30bから放射される超音波の経路および指向角については、前述と同様であり、説明を省略する。
【0042】
図5b)は、複数の曲面反射板20と複数の平面反射板20cを用いて、構成されている。
本実施例においても、超音波送受波素子30aおよび30bから放射される超音波の経路および指向角については、前述と同様であり、説明を省略する。
【0043】
図6は本発明における第6実施例の超音波送受波器6の構成を示す断面図である。送受波器ケース10内の構造および原理は他の実施例と同じであるため前述してある各構成品についての説明は省略する。
本実施例では、超音波伝搬経路の媒質を充填材12でなく充填物13を用いている。充填材13は、超音波送受波面40と同じ材質、例えばウレタンゴムとされる。これにより製作コストが低下するとともに超音波送受波素子30aおよび30bの輻射面超音波送受波面40まで同一音響インピーダンスとなり、超音波信号の減衰を低減することができる。
【0044】
以上各実施例で超音波送受波素子の送受波面の輻射面の大きさが同一であることは、説明した。超音波送受波素子の輻射面の大きさが同一であれば、供給できる送信電力も同一となり、超音波送受波器の探知範囲・感度等も同一とすることが可能である。また、本発明の超音波送受波器内に組み込まれた曲面反射板の曲率をかえることで同じ送信周波数の複数の超音波送受波器を具備し、各々の超音波送受波器の指向角を異ならせることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係わる超音波送受波器は、超音波送受波素子と反射板と超音波送受波面とを含めて一体型とすることで、超音波送受波素子から放射された超音波は、反射板に反射することにより、超音波送受波素子の輻射面の大きさ・形状を変えることなく、超音波送受波器から放射される際の超音波の指向角を変えることができる。したがって、送受信周波数が異なる複数の周波数の超音波送受波器での探知範囲、感度を同一にできる。さらに送受信周波数が同じ複数の周波数の超音波送受波器では、それぞれ異なる指向角を持たせることでより精密な探知ができるという効果が奏される。
【0046】
また、超音波送受波素子から放射された超音波を反射板に反射させることで、超音波送受波器内の伝搬経路が長くなり、超音波送受波素子の送信直後の残響に影響されることなく、超音波送受波器近傍を探知できるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の超音波送受波器1を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の超音波送受波器2を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の超音波送受波器3を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例の超音波送受波器4を示す断面図である。
【図5】本発明の第5実施例の超音波送受波器5を示す断面図である。
【図6】本発明の第6実施例の超音波送受波器6を示す断面図である。
【符号の説明】
10 送受波器ケース
12 充填材
13 充填材
20 曲面反射板
20a 凹面反射板
20b 凸面反射板
20c 平面反射面
20d 凸面反射板
21 遮音材
30 超音波送受波素子
30a 超音波送受波素子
30b 超音波送受波素子
40 超音波送受波面
【発明が属する技術分野】
本発明は、水中に超音波を送信し、魚体などの水中の物体の反射波を受信する超音波送受波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水深の計測や水中の魚群を探知する超音波探査装置として、魚群探知機が一般的に利用されている。魚群探知機は、超音波送受波器、表示器、操作パネル、送受信機等で構成されており、水中の状況を表示する装置である。
【0003】
魚群探知機の構成要素の1つである超音波送受波器は、数多くの種類の送受信周波数や送信出力が使用されている。そして、1つまたは複数の超音波送受波素子を用いて、複数の送受信周波数の超音波を送受信する超音波送受波器が使用されている。
【0004】
超音波を用いた魚群の探知では、シラスのように体長の短い魚は、送受信周波数が200kHzのような高周波の場合、シラスの体長がその波長(0.75cm)よりも長いので、大きい反射信号レベルとなる。また、送受信周波数が50kHzのような低周波の場合、シラスの体長がその波長(3.0cm)よりも短いので、小さな反射信号レベルとなる。
また、シラスの体長と比較して、鰯や鯖のように体長が長い魚は、送受信周波数が200kHz、50kHzのいずれの場合でも、鰯や鯖の体長がそれらの波長(0.75、3.0cm)よりも長いので、大きい反射信号レベルとなる。
このように、魚群の探知では、使用周波数と反射信号のレベルとの関係から、魚種等を判別することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、シラスのように極めて浅い深度に生息する魚を探知する場合は、探知範囲を広くする為に、超音波送受波器から放射される超音波の指向角を広くする必要がある。また、超音波送受波器は、超音波送受波素子の機械的共振周波数で振動するので、振動の余韻が残る性質がある。(これを一般に残響と言う。)残響は送信直後に生じ、近距離の反射信号を消してしまう。
【0006】
この残響の影響を少なくする方法として、超音波送受波素子と船底との距離を、超音波送受波素子の残響時間の超音波伝搬距離よりも、大に設定することで、送信直後に生じる残響の影響を削除する方法が開示されている。そして、この例によれば、超音波の送受波面には、FRP(強化プラスチック)が使用される(例えば、特許文献2参照)(第1従来技術)。
【0007】
一般に超音波送受波素子より放射される超音波の指向角θは、その超音波送受波素子の輻射面積をs、送受信周波数(超音波振動子の駆動周波数)をfとすれば、
【数1】
で与えられる。また、超音波送受波素子の許容入力電力は輻射面積sに比例するため、輻射面積sで決まる許容入力電力以上の送信電力の入力は、超音波送受波素子の破壊の原因となる。
【0008】
送受信周波数が、200kHz(高周波)用と50kHz(低周波)用のそれぞれの超音波送受波素子において、同一送信電力を入力可能とするために輻射面積sを同じにした場合、(1)式より、高周波の超音波送受波素子の指向角は低周波のそれに比べ1/4となり、両者の指向角は異なることとなる。
そこで、両者の指向角を同一にするためには、(1)式より、高周波の超音波送受波素子の輻射面積を低周波の輻射面積の1/16にするという第1の方法が考えられる。また、逆に低周波の超音波送受波素子の輻射面積を高周波の輻射面積の16倍にするという第2の方法も考えられる。
【0009】
輻射面積を変えずに指向角を変える方法として、超音波送受波素子の輻射面形状を凸面または凹面にして超音波の放射方向を変え、指向角を調整する方法がある。これは、通常、微小な超音波送受波素子を多数個用い、それぞれの輻射面が凸面または凹面を形成するように配置して構成している。
【0010】
さらに、他の方法として、音響レンズを振動子の輻射面に置く方法がある。超音波も光と同様の波動でありスネルの法則に従って屈折するので、音速の異なる材質でできた凸レンズまたは凹レンズを用いる事で超音波も収束または発散が可能であり、高周波と低周波とで同一の指向角とする構成が考えられる。
【0011】
さらに、他の方法として、コーン型反射板と、その軸上に、異なる送受信周波数をもつ複数の円筒状の送受波素子を配列することにより、指向角を同一にする方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照)(第2従来技術)
【0012】
【特許文献1】
特公昭40−025555号公報
【特許文献2】
実公平05−026545号公報
【特許文献3】
実開昭57−171381号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、(1)式にもとづけば、送受信周波数が高周波または低周波の超音波送受波素子の輻射面積のどちらか一方を大きくしたり、小さくすることにより、両者の指向角を同一にすることができる。
しかし、高周波の超音波送受波素子の輻射面積を小さくすることにより、両者の指向角を同一にする場合では、輻射面積が小さい超音波送受波素子には大きな送信電力が入れられず、結果的に高周波の探知能力が劣ってしまう欠点がある。また、低周波の超音波送受波素子の輻射面積を大きくするは、低周波の超音波送受波素子が、極めて大きくなり高価なものになるという問題がある。
【0014】
第2従来技術では、コーン型反射板の軸上に、異なる送受信周波数をもつ複数の円筒状の超音波送受波素子を配列し、超音波送受波素子から放射された超音波をコーン型反射板に反射させ、超音波の放射方向を同一にしている。
そして、第2従来技術では、45度コーン型平面反射板を使用するため、指向角を小さくするには、超音波送受波素子自体の輻射面を長くするか、同一周波数の複数の超音波送受波素子を縦に並べて、超音波輻射面を長くする必要がある。このため、超音波送受波素子の数が多くなればなるほど高価になるという問題がある。
【0015】
また、超音波送受波素子の輻射面形状を凸面または凹面にして放射方向を変える方法では、微小な超音波送受波素子を多数用い、それぞれの輻射面が凸面または凹面を形成するように配置して構成している。
しかしながら、この構成では、多数の超音波送受波素子が必要となるとともに配線も多くなる。このため、超音波送受波器が複雑、高価になるという問題がある。
さらに、音響レンズを超音波送受波素子の輻射面に置く方法では、音響インピーダンスを考慮しなければならず、極めて特殊な材質に制限されるという問題がある。
【0016】
したがって、本発明の1つの目的は、超音波送受波素子の輻射面の大小に関係なく、超音波送受波面での指向角を容易に決めることができ、異なる周波数の超音波送受波素子を同一探知範囲、同一感度の超音波送受波器とすることにある。
【0017】
第1従来技術では、超音波送受波素子と船底との距離を、超音波送受波素子の残響時間の超音波伝搬距離よりも、大に選定している。そして超音波送受波面は、超音波を透過させる材質、例えば、FRP(強化プラスチック)等、船底の材質に適合するものを使用している。このため、水と音響インピーダンスが異なり、超音波が減衰するという問題がある。
【0018】
したがって、本発明の第2の目的は、超音波送受波器内で、前記残響時間より大なる超音波伝播経路を設けることにより、送信直後に発生する残響に影響されず、超音波送受波面で送受信される超音波が減衰しにくい超音波送受波器を提供することにある。
【0019】
さらに上記各従来技術においては、超音波送受波素子と反射板および超音波送受波面とを含んで一体にモールド成形した超音波送受波器は存在しない。
このため、本発明のさらに他の目的は、一体型とされた超音波送受波素子、反射面および超音波送受波面を含む超音波送受波器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、超音波を送信し、その反射波を受信する超音波送受波器であって、超音波送受波素子と、反射板と、超音波送受波面とを含めて一体型とすること、超音波送受波素子と超音波送受波面との間は、反射板を介した超音波伝播経路であるよう構成されている。
【0021】
次に、請求項2の発明では、超音波送受波素子は、複数具備されている。
【0022】
また、請求項3の発明では、複数の超音波送受波素子の各々の対応する超音波送受波面での超音波放射の指向角が同一であるよう構成されている。
【0023】
また、請求項4の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間の伝播経路長は、伝播経路の媒質内を超音波送受波素子の残響時間の超音波伝播距離よりも、長いよう構成されている。
【0024】
また、請求項5の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間の伝播経路の媒質は、対応する超音波送受波面と同じ媒質であるよう構成されている。
【0025】
また、請求項6の発明では、超音波送受波素子と対応する超音波送受波面との間に介在する反射板は、曲面反射板と平面反射板とを単独または組み合わせて使用するよう構成されている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態に関し、図面に基づき説明する。図1は本発明における第1実施例の超音波送受波器1を示す断面図である。送受波器ケース10は、ウレタンゴムの箱型形状のケースである。水中への超音波の出入面である超音波送受波面40は、本図の下側の太線部である。ウレタンゴムの音響インピーダンスは、水や海水とほぼ等しく、超音波送受波面40での反射損失が極めて少なく、超音波が良く透過する材料である。
図1a)は、反射板の反射面が凹面である凹面反射板20aを使用している例であり、図1b)は、反射板の反射面が凸面である凸面反射板20bを使用している例である。(以下、凹面反射板20aまたは凸面反射板20bを総称して曲面反射板20と記載することもある。)
【0027】
送受波器ケース10内には、超音波送受波素子30と曲面反射板20とがあり、充填材12で満たされている。超音波送受波素子30は、片側の輻射面を除いて遮音材21で包まれている。遮音材21は、超音波送受波素子30から不要方向への超音波の放射、または不要方向からの超音波送受波素子30への超音波の入射を防ぐ役割をしている。この遮音材21により、超音波送受波素子30からの超音波の放射方向、または入射方向が曲面反射板20の方向に制限される。
この遮音材21の材質は、コルク材や単泡スポンジのように剛性が弱く内部に気泡を持つものを使用している。
【0028】
超音波送受波素子30は、チタン酸バリウムなどの圧電セラミックの素子である。そしてこの超音波送受波素子30には、図示しない2つの電極があり、各電極から2本の信号線が出ている。この2本の信号線に、超音波送受波素子30の共振周波数のトーンバースト状の電気パルス信号が、送信信号として入力される。この送信信号により、超音波送受波素子30は、圧電逆効果により歪みを生じ、超音波送受波素子30の厚み方向、即ち図1a)と図1b)の左右方向に、振動し、左右の輻射面から超音波を放射する。
【0029】
曲面反射板20は、アルミ板等で作られており、図示するとおり一部が送受波器ケース10に固定され、その周りは、充填材12で満たされている。充填材12としては、例えばヒマシ油などが使われる。
曲面反射板20の音響インピーダンスは、充填材12と比較して大きいので、曲面反射板20は、充填材12中では、超音波を良く反射する。僅かの超音波は、曲面反射板20を透過する。この透過による影響を防ぐために曲面反射板20の反射面と反対側に遮音材21と同様の材質を貼り付ける場合がある(図示せず)。
【0030】
超音波送受波素子30から曲面反射板20へ放射された超音波は、曲面反射板20で反射し、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。
図1a)では、凹面反射板20aで反射された超音波は、そのビームが収束され、指向角は小さくなり、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。また、超音波送受波器1の外部から入射する超音波も、逆経路で、凹面反射板20aで反射し、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に図1b)では、凸面反射板20bで反射した超音波は、そのビームが発散され、指向角は大きくなり、超音波送受波面40から超音波送受波器1の外部へ放射される。また、超音波送受波器1の外部から入射する超音波も、逆経路で、凸面反射板20bで反射し、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
図1a)と図1b)の各超音波送受波器1では、同一輻射面積の超音波送受波素子30を用いて曲面反射板20の曲率を変えることにより、超音波送受波面40での指向角を同一にすることができる。
【0031】
図2は本発明における第2実施例の超音波送受波器2を示す断面図である。図1と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30a、超音波送受波素子30bと、曲面反射板20と、平面反射板20cとがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。また平面反射板20cも、アルミ板等でつくられている。本実施例では、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの輻射面の大きさは同一である。従って、超音波送受波素子30aを、送受信周波数50kHzとし、超音波送受波素子30bを、送受信周波数200kHzとすると、超音波送受波素子30aは、超音波送受波素子30bより輻射面での指向角は小さくなる。
【0032】
図2a)は、凸面反射板20bと平面反射板20cを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、高い周波数の超音波送受波素子の指向角に合わせる構成例を示す図である。
超音波送受波素子30aから平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射し、(1)式で算出される指向角で超音波送受波器2の外部へ放射される。そして、外部からの入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30bから凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で超音波送受波器2の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0033】
図2b)は、凹面反射板20aと平面反射板20cを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、低い周波数の超音波送受波素子の指向角に合わせる構成例を示す図である。
超音波送受波素子30aから凹面反射板20aへ放射された超音波は、凹面反射板20aで反射して収束する。従って、この凹面反射板20aの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも小さい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器2の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30bから平面反射板20cへ放射された超音波は、反射板20cで反射し、(1)式で算出される指向角で超音波送受波器2の外部へ放射される。そして、外部からの入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
上述の図2a)および図2b)では、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの個々の輻射面での指向角は周波数の違いにより異なっている。しかし、上述のように構成することにより、超音波を曲面反射板20に反射させることで、超音波送受波面40での指向角を同一にすることができる。
【0034】
図3は本発明における第3実施例の超音波送受波器3の構成を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。図2の場合と同様、超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの超音波送受波素子の輻射面の大きさは同一である。
図3a)は、凹面反射板20a、凸面反射板20bを用いて、超音波送受波面40から放射される異なる周波数の超音波の指向角を、それぞれ収束または発散させることで、同じにする例を示す図である。
超音波送受波素子30a(送受信周波数が超音波送受波素子30bより低周波とする)から凹面反射板20aへ放射された超音波は、凹面反射板20aで反射し収束する。従って、この凹面反射板20aの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも小さい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30b(送受信周波数が超音波送受波素子30aより高周波とする)から凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
【0035】
図3b)は、凸面反射板20bと、凸面反射板20bより曲率の大きい凸面反射板20dを用いて、双方とも反射発散させることで、超音波送受波面40から放射される、異なる周波数の超音波送受波面での指向角を、同じにする例を示す図である。
この凸面反射板20dは、アルミ板等で作られている。ここで、超音波送受波素子30aと30bとは同一の大きさの超音波送受波輻射面をもっている。
超音波送受波素子30a(送受信周波数が超音波送受波素子30bに比較して低い)から凸面反射板20bへ放射された超音波は、凸面反射板20bで反射して発散する。従って、この凸面反射板20bの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射することができる。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30aの輻射面に入射する。
同様に超音波送受波素子30b(送受信周波数が超音波送受波素子30aに比較して高い)から凸面反射板20dへ放射された超音波は、凸面反射板20dで反射して発散する。従って、この凸面反射板20dの曲率を適宜に選択することで、(1)式で算出される指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から超音波送受波器3の外部へ放射される。そして、外部から入射する超音波も、逆経路で、超音波送受波素子30bの輻射面に入射する。
超音波送受波素子30aと超音波送受波素子30bの個々の輻射面での指向角は異なる。しかし、超音波を適宜な曲面反射板20で反射させることにより、超音波送受波面40から放射される際の指向角を、所定の周波数の指向角にすることができる。
【0036】
図4は本発明における第4実施例の超音波送受波器4を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30、曲面反射板20と、平面反射板20cとがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。
【0037】
図4a)は、平面反射板20cと凸面反射板20bを用いて、超音波送受波素子30から放射される超音波を2枚の反射板を用いて、超音波送受波面40から放射される超音波の指向角を大きくする例を示す図である。また、平面反射板20cと凸面反射板20bとを用いることにより、超音波送受波素子30から超音波送受波面40までの経路長を長くしている。
超音波送受波素子30から平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射する。そして、経路変更された超音波は、さらに凸面反射板20bで反射して発散しする。これにより、超音波送受波素子30から放射された超音波は超音波送受波素子30の輻射面での指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、超音波送受波面40から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0038】
図4b)は、凹面反射板20aと平面反射板20cを用いて、超音波送受波素子30から放射される超音波を2枚の反射板を用いて、超音波送受波面40から放射される超音波の指向角を小さくする例を示す図である。また、図4a)と同様、超音波の経路長を長くしている。
超音波送受波素子30から平面反射板20cへ放射された超音波は、平面反射板20cで反射する。そして、経路変更された超音波は、さらに凹面反射板20aで反射して収束する。これにより、超音波送受波素子30から放射された超音波は、超音波送受波素子30の輻射面での指向角よりも小さい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、超音波送受波器4の外部から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
【0039】
図4c)は、超音波送受波素子30から放射される超音波の指向角を、凸面反射板20bを2枚用いて、超音波送受波面40から放射される際、超音波送受波素子30から放射される指向角より大きくする例を示す図である。
超音波送受波素子30から凸面反射板20b−1へ放射された超音波は、反射、発散する。そして、経路変更された超音波は、凸面反射板20b−2でさらに反射、発散する。このように、超音波送受波素子30から放射されたときの指向角よりも大きい指向角で、超音波送受波面40から放射される。そして、外部から入射する超音波は、逆経路で、超音波送受波素子30の輻射面に入射する。
本実施例のように、複数の反射板を用いることにより、送受波器ケース10の幅、即ち図4の送受波器輻射面の左右方向、をほとんど長くすることなく、超音波送受波素子30と超音波送受波面40との間の伝搬経路を長くすることができる。同時に、超音波送受波面40での指向角を任意に設定することができる。
【0040】
図5は、本発明における第5実施例の超音波送受波器5の構成を示す断面図である。図2と同一符号の説明は省略する。送受波器ケース10内には超音波送受波素子30と、曲面反射板20を含む複数の反射板とがあり、実施例1と同様に充填材12で満たされている。
本実施例は、超音波送受波素子30aおよび30bと平面反射板20cおよび曲面反射板20で構成されている。
【0041】
図5a)は、凹面反射板20aと複数の平面反射板20cを用いて、構成されている。
本実施例において、超音波送受波素子30aおよび30bから放射される超音波の経路および指向角については、前述と同様であり、説明を省略する。
【0042】
図5b)は、複数の曲面反射板20と複数の平面反射板20cを用いて、構成されている。
本実施例においても、超音波送受波素子30aおよび30bから放射される超音波の経路および指向角については、前述と同様であり、説明を省略する。
【0043】
図6は本発明における第6実施例の超音波送受波器6の構成を示す断面図である。送受波器ケース10内の構造および原理は他の実施例と同じであるため前述してある各構成品についての説明は省略する。
本実施例では、超音波伝搬経路の媒質を充填材12でなく充填物13を用いている。充填材13は、超音波送受波面40と同じ材質、例えばウレタンゴムとされる。これにより製作コストが低下するとともに超音波送受波素子30aおよび30bの輻射面超音波送受波面40まで同一音響インピーダンスとなり、超音波信号の減衰を低減することができる。
【0044】
以上各実施例で超音波送受波素子の送受波面の輻射面の大きさが同一であることは、説明した。超音波送受波素子の輻射面の大きさが同一であれば、供給できる送信電力も同一となり、超音波送受波器の探知範囲・感度等も同一とすることが可能である。また、本発明の超音波送受波器内に組み込まれた曲面反射板の曲率をかえることで同じ送信周波数の複数の超音波送受波器を具備し、各々の超音波送受波器の指向角を異ならせることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係わる超音波送受波器は、超音波送受波素子と反射板と超音波送受波面とを含めて一体型とすることで、超音波送受波素子から放射された超音波は、反射板に反射することにより、超音波送受波素子の輻射面の大きさ・形状を変えることなく、超音波送受波器から放射される際の超音波の指向角を変えることができる。したがって、送受信周波数が異なる複数の周波数の超音波送受波器での探知範囲、感度を同一にできる。さらに送受信周波数が同じ複数の周波数の超音波送受波器では、それぞれ異なる指向角を持たせることでより精密な探知ができるという効果が奏される。
【0046】
また、超音波送受波素子から放射された超音波を反射板に反射させることで、超音波送受波器内の伝搬経路が長くなり、超音波送受波素子の送信直後の残響に影響されることなく、超音波送受波器近傍を探知できるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の超音波送受波器1を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の超音波送受波器2を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の超音波送受波器3を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例の超音波送受波器4を示す断面図である。
【図5】本発明の第5実施例の超音波送受波器5を示す断面図である。
【図6】本発明の第6実施例の超音波送受波器6を示す断面図である。
【符号の説明】
10 送受波器ケース
12 充填材
13 充填材
20 曲面反射板
20a 凹面反射板
20b 凸面反射板
20c 平面反射面
20d 凸面反射板
21 遮音材
30 超音波送受波素子
30a 超音波送受波素子
30b 超音波送受波素子
40 超音波送受波面
Claims (6)
- 超音波を送信し、その反射波を受信する超音波送受波器であって、
超音波送受波素子と、反射板と、超音波送受波面とを含めて一体型とすること、
前記超音波送受波素子と前記超音波送受波面との間は、前記反射板を介した超音波伝播経路であることを特徴とする超音波送受波器。 - 請求項1において、
前記超音波送受波素子は、複数具備されていることを特徴とする超音波送受波器。 - 請求項2において、
前記複数の超音波送受波素子の各々の対応する超音波送受波面での超音波放射の指向角が同一であることを特徴とする超音波送受波器。 - 請求項1乃至3のそれぞれにおいて、
前記超音波送受波素子と対応する前記超音波送受波面との間の伝播経路長は、当該伝播経路の媒質内を前記超音波送受波素子の残響時間の超音波伝播距離よりも、長いことを特徴とする超音波送受波器。 - 請求項1乃至4のそれぞれにおいて、
前記超音波送受波素子と対応する前記超音波送受波面との間の伝播経路の媒質は、対応する前記超音波送受波面と同じ媒質であることを特徴とする超音波送受波器。 - 請求項3において、
前記超音波送受波素子と対応する前記超音波送受波面との間に介在する反射板は、曲面反射板と平面反射板とを単独または組み合わせて使用することを特徴とする超音波送受波器。
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-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003018346A patent/JP2004233064A/ja active Pending
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