JP5263668B2 - 半導体磁器組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、PTCサーミスタ、PTCヒータ、PTCスイッチ、温度検知器などに用いられる、正の抵抗温度係数を有する半導体磁器組成物に関する。
従来、PTCR特性(正の比抵抗温度係数:Positive Temperature Coefficient of Resistivity)を示す材料としてBaTiOに様々な半導体化元素を加えた組成物が提案されている。これらの組成物は、キュリー温度が120℃前後である。なお、これら組成物は、用途に応じてキュリー温度をシフトさせることが必要になる。
例えば、BaTiOにSrTiOを添加することによってキュリー温度をシフトさせることが提案されているが、この場合、キュリー温度は負の方向にのみシフトし、正の方向にはシフトしない。現在、キュリー温度を正の方向にシフトさせる添加元素として知られているのはPbTiOである。しかし、PbTiOは環境汚染を引き起こすPbを含有するため、近年、PbTiOを使用しない材料が要望されている。
BaTiO系半導体磁器において、Pb置換による抵抗温度係数の低下を防止するとともに、電圧依存性を小さくし、生産性や信頼性を向上させることを目的として、PbTiOを使用しない、BaTiOのBaの一部をBi−Naで置換したBa1−2x(BiNa)TiOなる構造において、xを0<x≦0.15の範囲とした組成物にNb、Taまたは希土類元素のいずれか一種または一種以上を加えて窒素中で焼結した後、酸化性雰囲気中で熱処理するBaTiO系半導体磁器の製造方法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、実施例として、半導体化元素としてNdを0.1モル%添加した組成物が開示されているが、組成物の原子価制御を行う場合、3価の陽イオンを半導体化元素として添加すると、半導体化の効果が1価のNaイオンの存在のために低下する。そのため、室温比抵抗が高くなるという問題がある。
PTC材料における大きな特徴は、PTC材料の比抵抗値がキュリー点Tc(単位:℃)で急激に高くなること(ジャンプ特性=抵抗温度係数α)にあるが、これは、結晶粒界に形成された抵抗(ショットキー障壁による抵抗)が増大するために起こると考えられている。Tcは比抵抗値が25℃における比抵抗値の2倍となる温度と定義される。また抵抗温度係数αは次式で定義される。PTC材料の特性としては、この比抵抗値のジャンプ特性が高いものが要求されている。
(ここで、αの単位はΩ・cm、Rは最大比抵抗、TはRを示す温度、Tcはキュリー点、RはTにおける比抵抗である。)
特許文献1のようなPbを含有しないPTC材料は、ジャンプ特性に優れているものは室温比抵抗が高く、ジャンプ特性に劣るものは室温比抵抗が低くなり過ぎるという傾向があり、安定した室温比抵抗と優れたジャンプ特性を両立することができないという問題があった。また、ジャンプ特性が劣るものは、当該材料に電流を流した際、キュリー点付近での温度変動が大きくなるとともに、キュリー点よりも安定温度が高くなる傾向があるなどの問題があった。
安定温度の変動を抑制し、材料設計を容易に行うためには、ジャンプ特性を向上させる必要があり、それには室温比抵抗を若干上げることが考えられるが、高いジャンプ特性の維持と室温比抵抗の上昇抑制を両立することは非常に困難であり、室温比抵抗が上がり過ぎて実用的な範囲を超えてしまうのが通例であった。
また、特許文献1には、実施例として、出発原料となるBaCO、TiO、Bi、Na、PbOなど、組成物を構成する全ての元素を仮焼前に混合し、仮焼、成形、焼結、熱処理することが開示されているが、BaTiOのBaの一部をBi−Naで置換した組成物において、組成物を構成する全ての元素を仮焼前に混合すると、仮焼工程において、Biが揮散してBi−Naに組成ずれが生じ、それにより異相の生成が促進され、室温比抵抗の上昇、キュリー温度のばらつきを惹起するという問題がある。
Biの揮散を抑制するため、低い温度で仮焼するということも考えられるが、Biの揮散は抑制されるものの、完全な固溶体を形成することができず、所望の特性を得ることができないという問題がある。
発明者らは先に、上述した従来のBaTiO系半導体磁器の問題を解決するため、Pbを使用することなく、キュリー温度を正の方向へシフトすることができるとともに、室温比抵抗を大幅に低下させた、BaTiOのBaの一部をBi−Naで置換した材料として、[(A10.5A20.5(Ba1−y1−x]TiO(A1はNa、、Liのこれらから選ばれる少なくとも一種以上、A2はBi、QはLa、Dy、Eu、Gdのこれらから選ばれる少なくとも一種以上)、0<x≦0.2、0.002<y≦0.01を満足する半導体磁器組成物、及び[(A10.5A20.5Ba1−x][Ti1−z]O(A1はNa、、Liのこれらから選ばれる少なくとも一種以上、A2はBi、MはNb、Ta、Sbのこれらから選ばれる少なくとも一種以上)0<x≦0.2、0<z≦0.01を満足する半導体磁器組成物を提案した(特許文献2)。
さらに発明者らは、上記特許文献2による半導体磁器組成物を製造するに際して、(BaQ)TiO組成物と(BiNa)TiO組成物を別々に用意し、(BaQ)TiO組成物は比較的高温で、(BiNa)TiO組成物は比較的低温で、それぞれに応じた最適温度で仮焼することにより、(BiNa)TiO組成物のBiの揮散が抑制され、Bi−Naの組成ずれを防止して異相の生成を抑制することができ、それら仮焼粉を混合して、成形、焼結することにより室温比抵抗が低く、キュリー温度のばらつきが抑制された半導体磁器組成物が得られることを提案した(特許文献3)。
さらに発明者らは特許文献3における仮焼粉の(BaQ)TiO3組成物を製造するにあたり、原料であるTiO2とBaCO3を僅かに残存するよう仮焼する(特許文献4)、または仮焼粉である(BaQ)TiO組成物に原料であるTiO2とBaCO3を僅かに添加することで(特許文献5)、室温比抵抗がさらに低く、キュリー温度のばらつきが抑制された半導体磁器組成物が得られることを提案した。
特開昭56−169301号公報 特開2005−255493号公報 WO2006/118274A1公報 WO2008/050876A1公報 WO2008/050877A1公報
発明者らによって提案された上記の半導体磁器組成物は、従来の材料に比べ、室温比抵抗が低く、且つジャンプ特性に優れるものであるが、PTCサーミスタ、PTCヒータ、PTCスイッチなどの各種用途に供するためには、同じPTCR特性のものを安定して得ることが必要である。
上記の半導体磁器組成物のPTCR特性に焼結条件が大きく影響するため、ジャンプ特性を安定して得るためには、焼結炉内に存在する温度、雰囲気のばらつきを抑制する必要がある。しかしこれを達成することは容易ではない。
本発明は、BaTiO3のBaの一部をBi-Naで置換した半導体磁器組成物において、ジャンプ特性がある程度確保され、且つ求められる室温比抵抗を有する半導体磁器組成物を安定して得ることを目的とする。
本発明は、上記半導体磁器組成物にオーミック電極を設けて発熱体素子とすること、またこれを組み立てて発熱モジュールとすること、さらに簡単な電力供給方法によって流体を加熱する加熱機構システムを提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意研究の結果、発明者らが先に提案した上記特許文献3及び4,5を組み合わせた方法、すなわち、(BaQ)TiO3組成物またはBa(TiM)O3組成物(以下「BT仮焼粉」と称する)と(BiNa)TiO3組成物(以下「BNT」仮焼粉と称する)を別々に用意し、BT仮焼粉とBNT仮焼粉をそれぞれに応じた最適温度で仮焼する方法(以下「分割仮焼法」と称する)及び、上述BT仮焼粉の原料にSiを添加することに着目した。
そして、分割仮焼法において、BT仮焼粉を用意するに際して、BT仮焼粉中にBaCO3及びTiO2が一部残存するように調整した後、BT仮焼粉とBNT仮焼粉を混合、焼結することにより、BaTiO3のBaの一部をBiとNaで置換された第一相と、BaとTiとNaを含みSiを前述の第一相より高濃度で含む第二相が生成されることを見出した。
上述の第二相の生成量をコントロールすることにより、PTCR特性のばらつきを低減できることを知見し、さらにこの第二相中のSi濃度を制御することで、PTCR特性のばらつきをより低減できることを知見し、本発明を完成した。
本願第1の発明は、第一相をBaとTiとBiおよびNaを主とする酸化物とし、第二相をBaとTiを主とする酸化物とし、
前記第一相を構成するBaの一部をLaで置換し、第一相の組成式を[(BiNa) (Ba 1−y La 1−x ]TiO と表し、モル比x及びyが0<x≦0.3、0<y≦0.02を満足し、
任意の研磨面において全面積に対する前記第二相の面積比をaで表したとき1≦a≦15 [%]であり、
前記第一相および第二相のうち少なくとも第二相がSiを含み、第一相に含まれるSiの濃度をb[wt%]、第二相に含まれるSiの濃度をc[wt%]で表したとき、b<cで、cが0<c≦7 [wt%]であることを特徴とする半導体磁器組成物である。
前記半導体磁器組成物は、(BaLa)TiO3組成物と(BiNa)TiO3組成物を別々に用意して仮焼し、その後、混合、焼結して得たものであり、
前記(BaLa)TiO3組成物を用意する際、前記(BaLa)TiO3組成物の原料にSi原料を添加し、
その後、仮焼粉中にBaCO3及びTiO2が一部残存するように仮焼して得ることができる。
前記Si原料は、SiO 2 換算で前記(BaLa)TiO3組成物の原料に対して0.97mol%以上2.86mol%以下の範囲で添加することが好ましい。
本願第2の発明は、本願第1の発明の半導体磁器組成物の少なくとも2箇所以上に分離してオーミック電極を設けたことを特徴とする発熱体素子である。
本願第3の発明は、本願第2の発明の発熱体素子を金属電極で挟持し、前記金属電極を介して電流を流すことを特徴とする発熱モジュールである。
本願第4の発明は、本願第3の発明の発熱モジュールを用いる流体の加熱機構システムであって、電源回路には電圧や位相を調整する手段により供給電力を制御する機能を有していないことを特徴とする加熱機構システムである。
本発明によれば、PTCR特性の評価指数であるジャンプ特性αが2[%/℃]以上であり、室温比抵抗ρ25が104Ω・cm未満であり、キュリー温度Tcが130℃以上である半導体磁器組成物を、室温比抵抗のばらつきΔρを小さくしつつ提供することができる。
前述の効果を達成するため、半導体磁器組成物中にBa、Ti、Naからなる酸化物である第二相を点在させる。この第二相はPTCR特性の発現機構に関る粒界構造を安定化させ、これにより室温比抵抗のばらつきを小さくすることができる。さらにSiを添加し、第一相と第二相中のSi濃度を制御することにより、いっそう粒界構造を安定化させ、室温比抵抗のばらつきを小さくすることができる。
また本発明によれば、通常の電気ヒーターで必要とされる温度計などの温度検出手段、設定温度との比較回路、供給電力調整回路、熱暴走やそれに伴う火災などに備えた安全のための過熱検出機構と電力供給遮断機構などを省略することが可能になり、小型で安価な加熱機構システムを実現することが可能になる。従来のPbを含む半導体磁器組成物を用いた発熱体素子を組み込んだ場合においても、温度計などの温度検出手段、設定温度との比較回路、供給電力調整回路を省略することが可能である。しかしながらPbを含む半導体磁器組成物では200℃付近より高い温度範囲では抵抗値が低下する特性があるために熱暴走やそれに伴う火災などに備えた安全のための過熱検出機構と電力供給遮断機構などを設けなければいけない場合がある。それをも省略することが可能になる本発明による加熱機構システムは最も簡便にも関わらず安全性を兼ね備えたものとなる。
本発明による半導体磁器組成物の第一相は、BaTiOのBaの一部をBi−Naで置換した、組成を含むものであればいずれの組成でも採用できるが、組成式を[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOと表し0<x≦0.3、0<y≦0.02を満足する組成が好ましい。
上記[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiO組成物において、xは(BiNa)の成分範囲を示し0<x≦0.3が好ましい範囲である。xが0ではキュリー温度を高温側へシフトすることができず、0.3を超えると室温の比抵抗が10Ωcmに近づき、PTCヒータなどに適用することが困難となるため好ましくない。
上記[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiO組成物において、yはLaの成分範囲を示し、0<y≦0.02が好ましい範囲である。yが0では組成物が半導体化せず、0.02を超えると室温の抵抗率が大きくなるため好ましくない。このyの値を変化させて、原子価制御を行うのであるが、Baの一部をBi−Naで置換した系において、組成物の原子価制御を行う場合、3価の陽イオンを半導体化元素として添加すると半導体化の効果が1価のNaイオンの存在とBiの揮散のために低下し、室温の抵抗率が高くなるという問題がある。従って、より好ましい範囲は0.002≦y≦0.02である。なお、0.002≦y≦0.02はmol%表記では0.2mol%〜2.0mol%となる。ちなみに、先述した特許文献1においては、半導体元素としてNdを0.1モル%添加しているが、これではPTC用途としては十分な半導体化を実現できていないものと考えられる。
上述した[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOにおいて、BiとNaの比は1:1を基本とする。組成式では、[(Bi0.5Na0.5(Ba1−y1−x]TiO、と表記することができる。前述の「BiとNaの比は1:1を基本とする」と明記したのは、仮焼工程などにおいてBiが揮散してBiとNaの比が1:1とならないことがあるためである。従って原料配合時はBiとNaの比が1:1であるが、焼結体では1:1になっていない場合なども、本発明に含まれるものとする。
本発明は上記構成を有する半導体磁器組成物において、任意の研磨面における全面積に対する前記第二相の面積比をaで表したとき1≦a≦15 [%]である半導体磁器組成物を特徴とする。
上述した第二相は焼結体中に点在しており、焼結体断面の全体面積に他する面積比率をaで表したとき1≦a≦15%であることが望ましい。15%を超える場合、室温比抵抗を低く安定して得られず、PTCヒータなどに適用することが困難となるため好ましくない。また1%未満である場合は室温比抵抗を低く維持しつつ、抵抗温度係数を2.0[%/K]以上安定して得ることが困難となる。
本発明は上記構成を有する半導体磁器組成物において、第一相に含まれるSiの濃度をb、第二相に含まれるSiの濃度をcで表したとき、b<c [wt%]である半導体磁器組成物を特徴とする。
第二相は焼結中に融点が約1200℃であるBNTが液相となり、Biが揮散することでTiとNaが残り、これらとBT仮焼粉中に含まれる未反応のBaCO3及びTiO2が反応することで生じる。従って本発明の半導体磁器組成物における第二相はEDXの組成分析においてBiの濃度が0.1wt%未満の極微量であり、TiがBaよりも組成比で多く含まれていることを特徴とする。
第二相は焼結前の半導体磁器組成物に含まれるSiを焼結中に第二相自身に集める効果がある。これは焼結中に液相となったBNTがSiを取り込みつつBiを揮散し、安定化するためと考えられる。この第二相が前述第一相を主相とする半導体磁器組成物中に一様に点在することで、PTCR特性発現をさらに安定して得られる適切な濃度のSiを第一相及び第二相中に含有させることができる。
第一相と第二相に含まれるSiの濃度は、第二相の焼結過程中のSiを取り込む性質のため第二相の方が第一相よりも多い。従って第一相に含まれるSiの濃度をb、第二相に含まれるSiの濃度をcで表したとき、b<c [wt%]となる。原料組成、仮焼条件、混合粉砕および焼成までの一連の工程を理想的に制御した場合には第一相中のSi含有量が検出限界以下になることもある。
本発明は上記構成を有する半導体磁器組成物において、第二相に含まれるSiの濃度cが0<c≦7 [wt%]、より望ましくは0<c≦5 [wt%]である半導体磁器組成物を特徴とする。
前述第二相に含まれるSi濃度cが0[%wt]である場合、室温比抵抗を低く安定して得られず、特性が一様なPTCヒータの提供が困難となるため好ましくない。また7[%wt]<cである場合、室温比抵抗が104Ω・cm以上となり、PTCヒータなどに適用することが困難となるため好ましくない。
本発明は前述の構成を有する半導体磁器組成物の少なくとも2箇所以上に分離してオーミック電極を設けた発熱体素子であることを特徴とする。2箇所だけの電極を設けた場合には一定出力の発熱源として利用することができ、3箇所以上の電極を設ける場合には電流を流す電極の組み合わせを変更することにより、実質的に発熱源の定格電力を切り替えることが可能になる。
本発明の半導体磁器組成物にAg電極やAu電極を設けた場合、半導体-金属界面に抵抗が生じ、合成の抵抗率が104Ω・cmを超えるため好ましくない。これは半導体-金属界面がショットキー接続をしているためと考えられ、オーミック接続となるAg-Zn電極を用いることで界面抵抗をほぼ無くすことができる。これにより室温比抵抗が低いPTC特性を有する発熱体素子を提供することができる。
発生した熱を効率よく流体に伝えてその流体を加熱するには、電力を供給する金属電極で発熱体素子を挟み込み、その金属電極に熱を拡散させることが最も望ましい。金属電極の面積を大きくすることで気体や液体などの流体に効率よく熱を伝えることができる。
本発明の半導体磁器組成物を用いた発熱体素子を組み込んだ加熱機構システムでは温度計などの温度検出手段、設定温度との比較回路、供給電力調整回路、熱暴走や火災などに備えた安全のための過熱検出機構とそれに伴う電力供給遮断機構などを省略することができ、単純なオン/オフスイッチを挿入して交流または直流の電源に直接接続すればよい。
まず、本発明においては、BaTiOのBaの一部をBi−Naで置換した半導体磁器組成物の製造に際して、Siを添加した(Ba1−xLax)TiO(0<x≦0.02)からなるBT仮焼粉と、(Bi0.5Na0.5)TiO仮焼粉からなるBNT仮焼粉を別々に用意し、該BT仮焼粉とBNT仮焼粉をそれぞれに応じた適正温度で仮焼する分割仮焼法を採用する。
上記分割仮焼法を用いることにより、仮焼工程におけるBNT仮焼粉のBiの揮散によるBi−Naの組成ずれを防止して仮焼工程での異相の生成を抑制することができる。BT仮焼粉とBNT仮焼粉とを混合して、成形、焼結することにより、PTCR特性が一様な半導体磁器組成物が得られる。
上述した分割仮焼法を用いて、本発明による半導体磁器組成物を得るには、以下に示す三つの方法を採用することができる。(1)分割仮焼法においてBT仮焼粉を用意するに際して、BT仮焼粉中にBaCO及びTiOが一部残存するように調製する方法(以下「残存法」と称する)、(2)分割仮焼法にて作製したBT仮焼粉及び/又はBNT仮焼粉にBaCO及び/又はTiOを添加する方法(以下「添加法」と称する)、(3)分割仮焼法にて作製したBT仮焼粉とBNT仮焼粉を焼結する際に、BTとBNTを完全に固溶させずに焼結する方法(以下「不完全焼結法」と称する)である。以下順に説明する。
(1)残存法
分割仮焼法においては、BT仮焼粉を用意するに際して、BaCO、TiOと半導体化元素の原料粉末であるLa、及び特性安定化のためのSiO2を混合して混合原料粉末を作製する。残存法は、この混合原料粉を900℃以下で仮焼し、(Ba1−xLax)TiOを完全に形成させずに、仮焼粉中にBaCO、TiOを一部残存させるものである。
残存法によるBaCO、TiOを一部残存させたBT仮焼粉と、別に用意したBNT仮焼粉を混合し、混合仮焼粉を成形、焼結することにより、本発明によるBaTiOのBaの一部がBi−Naで置換された第一相と、BaとTiとNaからなる酸化物である第二相とを有する半導体磁器組成物を得ることができる。
BT仮焼粉中におけるBaCO及びTiOの残存量を変化させるには、BT仮焼粉を用意する工程において、仮焼温度を900℃以下で変化させたり、仮焼時間を変化させたり、あるいはBT仮焼粉の配合組成を変化させることにより、BT仮焼粉中におけるBaCO及びTiOの残存量を変化させることができ、これによって第二相の生成量を制御することができる。
上記残存法において、仮焼温度が900℃を超えると(Ba1−xLax)TiOが形成され過ぎ、BaCO、TiOを残存させることができなくなるため好ましくない。仮焼時間は0.5時間〜10時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。
BT仮焼粉におけるBaCO及びTiOの残存量は、(Ba1−xLax)TiOと、BaCO及びTiOの合計を100mol%としたとき、BaCOが30mol%以下、TiOが30mol%以下であることが好ましい。
BaCOの残存量を30mol%以下としたのは、30mol%を超えると第二相が過剰に生じ、室温比抵抗が上昇するためである。また、焼結工程においてCOガスが発生し、焼結体にクラックが生じるため好ましくない。TiOの残存量を30mol%以下としたのは、30mol%を超えると第二相が過剰に生じ、室温比抵抗のばらつきが大きくなるためである。
BaCO及びTiOの残存量の上限はBaCO30mol%、TiO30mol%の合計60mol%、下限は0を超える量となるが、BaCOが20mol%を超える場合、TiOが10mol%未満になると第二相が過剰に生じ室温比抵抗のばらつきが大きくなるため好ましくない。TiOが20mol%を超え、BaCOが10mol%未満になる場合も同様に好ましくない。よって、BaCO又はTiOの一方が20mol%を超える場合は、他方を10mol%以上にするよう、仮焼温度や温度、配合組成などを調整することが好ましい。
上述したBaCO及びTiOが一部残存するBT仮焼粉と混合する (Bi0.5Na0.5)TiO仮焼粉からなるBNT仮焼粉を用意する工程は、まず、原料粉末となるNaCO、Bi、TiOを混合して混合原料粉末を作製する。このとき、Biを過剰に(例えば5mol%を超えて)添加すると、仮焼時に異相を生成し、室温比抵抗が高くなり好ましくない。
次に、上記混合原料粉末を仮焼する。仮焼温度は700℃〜950℃の範囲が好ましい。仮焼時間は0.5時間〜10時間が好ましく、2時間〜6時間がさらに好ましい。仮焼温度が700℃未満あるいは仮焼時間が0.5時間未満では未反応のNaCOや分解して生成したNaOが雰囲気の水分あるいは湿式混合の場合はその溶媒と反応し、組成ずれや特性のばらつきを生じるため好ましくない。また、仮焼温度が950℃を超えるかあるいは仮焼時間が10時間を超えると、Biの揮散が進み、組成ずれを起こし、異相の生成が促進されるため好ましくない。
上述した各々の仮焼粉を用意する工程においては、原料粉末の混合の際に、原料粉末の粒度に応じて粉砕を施してもよい。また、混合、粉砕は純水やエタノールを用いた湿式混合・粉砕または乾式混合・粉砕のいずれでもよいが、乾式混合・粉砕を行うと、組成ずれをより防止することができ好ましい。なお、上記においては、原料粉末として、BaCO、NaCO、TiOなどを例としてあげたが、その他のBa化合物、Na化合物などを用いてもよい。
上記の通り、BaCO、TiOが一部残存するBT仮焼粉とBNT仮焼粉を別々に用意し、各仮焼粉を後述の比率に配合した後、混合する。混合は、純水やエタノールを用いた湿式混合または乾式混合のいずれでもよいが、乾式混合を行うと、組成ずれをより防止することができ好ましい。また、仮焼粉の粒度に応じて、混合の後粉砕、あるいは混合と粉砕を同時に行ってもよい。混合、粉砕後の混合仮焼粉の平均粒度は、0.5μm〜2.5μmが好ましい。
BT仮焼粉とBNT仮焼粉の混合比率は素子の使用温度によって、調整する必要がある。Tcを120〜180℃に制御し、かつ低い室温比抵抗のPTCR素子を提供するためには、該半導体磁器組成物の組成を[(BiNa)(BaLa)1−x]TiOと表記したとき0<X≦0.3となるよう混合するが好ましい。
BT仮焼粉とBNT仮焼粉を混合する工程により得られた混合仮焼粉は、所望の成形手段によって成形する。成形前に必要に応じて混合仮焼粉を造粒装置によって造粒してもよい。成形後の成形体密度は2.5〜3.5g/cmが好ましい。
焼結は、大気中または還元雰囲気中、あるいは低酸素濃度の不活性ガス雰囲気で行うことができるが、特に、酸素濃度1%未満の窒素またはアルゴン雰囲気中で焼結することが好ましい。焼結温度は1250℃〜1360℃が好ましい。焼結時間は1時間〜8時間が好ましく、4時間〜6時間がより好ましい。いずれも好ましい条件からはずれるに従って室温比抵抗が増加する、またはジャンプ特性が低下するため好ましくない。
他の焼結工程として、温度1290℃〜1360℃、酸素濃度1%未満の雰囲気中において、(1)4時間未満の焼結時間で実行するか、あるいは(2)式:ΔT≧25t(t=焼結時間(hr)、ΔT=焼結後の冷却速度(℃/hr))を満足する焼結時間で実行され、次いで、上記式を満足する冷却速度で焼結後の冷却を実行することにより、室温比抵抗を低く保ったまま、高温域(キュリー温度以上)で抵抗温度係数を向上させた半導体磁器組成物を得ることができる。
(2)添加法
添加法において、BT仮焼粉を用意するには、BaCO、TiOと半導体化元素の原料粉末であるLaを混合して混合原料粉末を作製し、仮焼する。仮焼温度は1000℃以上が好ましい。仮焼温度が1000℃未満では(Ba1−xLa)TiOの完全な単一相が形成されないため好ましくない。完全な単一相が形成されないと未反応のBaCO、TiOが残存することとなり、BaCO粉及び/又はTiO粉の添加を前提とするためその添加量の予測が困難になるためであるが、若干のBaCOやTiOの残存は許容できる。好ましい仮焼温度は1000℃〜1300℃である。仮焼時間は0.5時間〜10時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。
添加法において、BNT仮焼粉を用意する工程、BT仮焼粉とBNT仮焼粉の混合(粉砕)工程などについては、上述した残存法と同様である。
上記により用意したBT仮焼粉又はBNT仮焼粉或いはそれらの混合仮焼粉に、SiO2、BaCO及び/又はTiOを添加することが、添加法の特徴である。添加後の混合仮焼粉を成形、焼結することにより、この発明によるBaTiOのBaの一部がBi−Naで置換され、第二相を有する半導体磁器組成物を得ることができる。
BaCO及び/又はTiOの添加量は、(Ba1−xLa)TiOと、SiO2、BaCO及び/又はTiOの合計を100mol%としたとき、BaCOが30mol%以下、TiOが30mol%以下であることが好ましい。この添加量を変化させることにより、第二相の面積比率を制御することができる。特に、添加法によれば、添加量を正確に調整できるため、極めて精度よくジャンプ特性のコントロールが可能になるという効果も有する。
BaCOの添加量を30mol%以下としたのは、30mol%を超えると第二相が過剰に生じ、室温比抵抗のばらつきが大きくなるためである。また、焼結工程においてCOガスが発生し、焼結体にクラックが生じるため好ましくない。TiOの添加量を30mol%以下としたのは、30mol%を超えると第二相が過剰に生じ、室温比抵抗のばらつきが大きくなるためである。
BaCOとTiOを両方含むとき、添加量の上限はBaCO30mol%、TiO30mol%の合計60mol%、下限は0%を超える量となるが、BaCOが20mol%を超える場合、TiOが10mol%未満になると第二相が過剰に生じ、室温比抵抗のばらつきが大きくなるためである。TiOが20%molを超え、BaCOが10mol%未満になる場合も同様に好ましくない。よって、BaCOまたはTiOの一方が20%molを超える場合は、他方を10mol%以上にすることが好ましい。
添加法において、完全な単一相のBT仮焼粉の作製後にSiO添加を行わない場合は、先述の残存法のときと同様、最初の原料混合の時にBaCO、TiO、La、及び特性安定化のためのSiO2を添加する必要がある。SiO2の添加量は0mol%より多く3mol%未満が好ましい。この範囲外では室温比抵抗のばらつきが大きくなるためである。特に3mol%以上添加した場合、室温比抵抗が104Ω・cm以上となるため好ましくない。
なお、BT仮焼粉として(Ba1−xLa)TiOとの完全な単一相が形成されているものが好ましいことは先に述べた通りであるが、完全な単一相が形成されたBT仮焼粉の一部を、上述した残存法によるBaCO、TiOが残存するBT仮焼粉で置換し、さらに、SiO2、BaCO及び/又はTiOを所定量添加することにより、添加量を変化させることもできる。
添加法では、上記の通り、BT仮焼粉とBNT仮焼粉と別々に用意した後、該BT仮焼粉又はBNT仮焼粉或いはそれらの混合仮焼粉にSiO2、BaCO及び/又はTiOを添加する。次いで、各仮焼粉を所定量に配合した後、混合する。混合は、純水やエタノールを用いた湿式混合または乾式混合のいずれでもよいが、乾式混合を行うと、組成ずれをより防止することができ好ましい。また、仮焼粉の粒度に応じて、混合の後粉砕、あるいは混合と粉砕を同時に行ってもよい。混合、粉砕後の混合仮焼粉の平均粒度は、0.5μm〜2.5μmが好ましい。
BT仮焼粉とBNT仮焼粉を混合する工程以降の、成形、焼結などの工程は、上述した残存法と同様である。
(3)不完全焼結法
不完全焼結法において、BT仮焼粉を用意する工程、BNT仮焼粉を用意する工程、BT仮焼粉とBNT仮焼粉を混合(粉砕)する工程、成形工程については、上述した残存法と添加法の何れも採用できる。
不完全焼結法では、BT仮焼粉とBNT仮焼粉との混合仮焼粉を焼結する際に、BT仮焼粉とBNT仮焼粉を完全に固溶させないで焼結することが特徴である。これにより、この発明によるBaTiOのBaの一部がBi−Naで置換され、第二相を有する半導体磁器組成物を得ることができる。
不完全焼結法における焼結温度、焼結時間は、BT仮焼粉の仮焼温度によって異なるが、例えば、BT仮焼粉の仮焼温度が700℃〜1200℃の場合、焼結温度は1250℃〜1380℃、焼結時間は2.5時間以下が好ましい範囲である。但し、焼結温度が比較的低い場合(例えば1300℃の場合)の好ましい焼結時間は3.5時間以下でもよく、焼結温度が比較的高い場合(例えば1380℃の場合)の好ましい焼結時間は2時間以下となる。焼結温度が高い場合(例えば1400℃以上の場合)や焼結温度が低くても焼結時間が長い場合(例えば5時間以上の場合)は、BT仮焼粉とBNT仮焼粉が完全に固溶してしまうため好ましくない。
上記のように、焼結温度と焼結時間を制御することにより、BT仮焼粉とBNT仮焼粉の固溶度を変化させることができ、これによって第二相の面積比率を制御することができる。
該半導体磁器組成物に適用する電極としてAg電極やAu電極を用いた場合、半導体-金属界面に抵抗が生じ、合成の比抵抗が104Ω・cmを超えるため好ましくない。これは半導体-金属界面がショットキー接続をしているためと考えられ、オーミック接続となるAgとZnとの合金電極を用いることで界面抵抗をほぼ無くすことができる。これにより室温における抵抗率が低いPTC特性を有する発熱体素子を提供することができる。
金属電極は発生した熱を効率よく流体に伝えてその流体を加熱すると同時に、電力を供給する役割も持つため、アルミニウムまたは銅を主とする金属または合金を用いることが望ましい。電気的接続を良好かつ均一にするために、金属電極と本発明の半導体磁器組成物を用いる発熱素子の間には導電性と耐熱性があり、かつ柔軟なスペーサを挿入することもしばしば有効である。そのようなスペーサ材料としてはグラファイトシート、金属粒子を分散した導電性樹脂シートが挙げられる。また時には導電性接着剤を用いることも有効である。
本発明の半導体磁器組成物を用いた発熱体素子を組み込んだ加熱機構システムでは温度計などの温度検出手段、設定温度との比較回路、供給電力調整回路、熱暴走や火災などに備えた安全のための過熱検出機構とそれに伴う電力供給遮断機構などを省略することができ、単純なオン/オフスイッチを挿入して交流または直流の電源に直接接続すればよい。しかしながら、操作する人にとって加熱機構システムの作動状態がわかりやすいように表示装置へと接続される動作電源検出回路や、温度表示回路、電池や発電機のような電力供給源のオーバーロードを防止するための電流検出回路を適宜設けてもよい。
参考例1]
BaCO、TiO、Laの原料粉末を準備し、(Ba0.994La0.006)TiOとなるように配合し、純水で混合した。得られた混合原料粉末を900℃で4時間大気中にて仮焼し、BT仮焼粉を用意した。この温度での仮焼は前述の残存法になる。
NaCO、Bi、TiOの原料粉末を準備し、(Bi0.5Na0.5)TiOとなるように配合し、乾式混合した。得られた混合原料粉末を、800℃で2時間大気中にて仮焼し、BNT仮焼粉を用意した。
用意したBT仮焼粉とBNT仮焼粉を表1に示すモル比率で配合し、純水を媒体としてポットミルにより、混合仮焼粉の中心粒径が1.0μm〜2.0μmになるまで混合、粉砕した後、乾燥させた。該混合仮焼粉の粉砕粉にPVAを添加、混合した後、造粒装置によって造粒した。得られた造粒粉を一軸プレス装置にて8MPaで成形し、上記成形体を700℃で脱バインダー後、1340℃にて4時間、窒素雰囲気中にて焼結し、焼結体を得た。焼結時の雰囲気は酸素濃度を1%未満に制御した窒素を常時流入し、窒素雰囲気とした。昇温、降温の速度は200℃とした。なお、表1中のBNT添加量とLa添加量の括弧内の数値は第一相を[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOと表記したときのxとyの値である。
得られた焼結体を10mm×10mm×1mmの板状に加工して試験片を作製し、オーミック電極を形成の後、各試験片を抵抗測定器で室温から270℃までの範囲で比抵抗値の温度変化を測定し、室温比抵抗、キュリー温度、抵抗温度係数を求めた。また、同条件で作製したサンプル50個から室温比抵抗の分布を求め、最大値と最小値の差を比抵抗ばらつきΔρとして求めた。その結果を表1に示す。表1において試料番号の横に*印を付したものは比較例である。なお、実施例において、抵抗温度係数αは次式により求めた。α=(lnR−lnR)×100/(T−T) Rは最大比抵抗、RはTにおける比抵抗、TはRを示す温度、Tはキュリー温度である。
図1に試料番号1−5の焼結体のSEM観察像の例を示す。観察視野は焼結体断面を平均粒径1μmのダイヤモンド砥粒で研磨処理を施した面である。像中に点在する黒いコントラストが第二相である。像中に点在する第二相よりも小さい白いコントラストは空孔がエッジ効果により明るく見えているものである。第二相が黒いコントラストとして見えるのは第二相の組成にBi がほぼ含まれておらず、BTにBNTが固溶した第一相に比べ第二相の二次電子発生量が少ないためである。これより、第二相は容易に第一相と区別可能であることが分かる。
また、得られた焼結体の平面における走査型電子顕微鏡(SEM)で得られた観察像の画像処理を行い、第二相に該当する部分のドット数を数え、そのドット数に1ドット当たりの面積を掛け、その面積を画像処理した部分の全面積で割り、第二相の面積比率a(%)を求めた。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、BNT添加量の比率を上げることで、キュリー温度、第二相の面積比率を増加させることができる。またBNTの添加量が0mol%(試料1−1)では高キュリー温度と第二相を得ることができていない。一方、BNTが30mol%(試料1−9)より多いと室温比抵抗が104Ω・cm程度となり、Δρが200となるため好ましくない。従って、BNT添加量を0<x≦0.3とし、aが0<a≦15[%]となるよう制御することで、低比抵抗の物を安定して作ることができる。
参考例2]
BNT仮焼粉の添加量、La添加量を表2に示す値とし、BT仮焼温度、焼結温度、焼結時間を参考例1と同様にして得られた焼結体の室温比抵抗、キュリー温度、抵抗温度係数、室温比抵抗のばらつきを求めた。その結果を表2に示す。表2において試料番号の横に*印を付したものは比較例である。なお、表2中のBNT添加量とLa添加量の括弧内の数値は第一相を[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOと表記したときのxとyの値である。
表2よりLa添加量を増やすことで、室温比抵抗が減少させることができるのがわかる。しかし、添加量が3mol%より大きくなると(試料2−6)室温比抵抗が104Ω・cmを超えるため好ましくない。また、添加量が0mol%(試料2−1)はαが2以下となるため好ましくない。従ってLa添加量は0より大きく、2mol%以下であることが望ましい(試料2−2〜2−5)。
[実施例
BaCO、TiO、Laの原料粉末を準備し、(Ba0.994La0.006)TiOとなるように配合し、さらに(Ba0.994La0.006)TiOに対し、SiO2粉を表3に示した量となるよう添加し純水で混合した。得られた混合原料粉末を表3で示した温度にて4時間大気中にて仮焼し、BT仮焼粉を用意した。
参考例1と同様にBNT仮焼粉を用意し、BNTが8mol%となるよう混合、成形、焼結、加工を行い試験片を用意し、PTCR特性を評価した。得られた焼結体の室温比抵抗、キュリー温度、抵抗温度係数、室温比抵抗のばらつきを表3に示す。表3において試料番号の横に*印を付したものは比較例である。なお、表3中のBNT添加量とLa添加量の括弧内の数値は第一相を[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOと表記したときのxとyの値である。
表3よりSiO2添加量が0.97%mol以上、3.77mol%以下(試料3−2〜3−5)とすることで、室温比抵抗ρ25のばらつきΔρを10Ω・cm以下に低減できていることができるのがわかる。しかし、添加量が3.77mol%では室温比抵抗が104Ω・cmを超えるため好ましくない。
上述のSiO2添加量が0.97mol%以上、3.77mol%以下(試料3−2〜3−5)における第一相中Si濃度b[wt%]と第二相中Si濃度c[wt%]に注目すると、b<cとなっている。これは前述したように、第二相が焼結中の液相−固相反応にてSiを収集したためと考えられる。さらにcの値に注目すると0<c≦5wt%となるよう制御することで良好な特性を安定して得ることができる。
仮焼温度を950℃、SiO2添加量を8.41mol%としたとき(試料3−6)、ρ25が104Ω・cmを超えるため好ましくない。このときb>cとなっており、これは仮焼温度を高くしたためBaCO3とTiO2の残存量が減り第二相の生成量が少なくなり、焼結中のSiの収集が不十分であったと考えられる。従ってc<bであることが望ましい。
表4に試料番号1−5の焼結体の第一相と第二相の組成分析の結果を示す。第二相にはBiが含まれていないことが分かる。なお、組成分析には走査型電子顕微鏡S-2300(日立製作所製)を用いた。加速電圧20kVにて点分析を行い(X線発生領域はビーム中心から直径1μm程度)、組成分析はエネルギー分散型(EDX)の半導体X線検出器を用いて、Ba、Ti、Bi、Na、Si、Oを分析対象元素とした。ただし、X線スペクトルに明らかに前述の元素のピークが見られない場合は分析対象から外した。
焼結した半導体磁器組成物の表面は粗いので平面研削盤や、スライサーを用いて加工を行なった。適宜バレル研磨などでバリや面取り加工を行なうことも有効である。加工は、半導体磁器組成物を小型の素子として回路基板に取り付けたり、加熱機構システムに組み込んだりするときに寸法精度を所定の値に保つ寸法調整の目的を兼ねて行なった。
つぎに加工した半導体磁器組成物をトレーに搭載し、スクリーン印刷法で電極形成を行なう。トレーに搭載した半導体磁器組成物が所定の位置に正しく整列し固定されるよう、トレーには半導体磁器組成物を一方向に整列するばね機構などの工夫をすることが望ましい。まず銀微粒子と亜鉛微粒子を混合し有機バインダ、分散剤と有機溶剤で調整したペーストを印刷、乾燥しオーミック電極を所望の位置に印刷形成する。半導体磁器組成物との密着性を強くするためにガラスや酸化物等を少量混合することもしばしば有効である。なお、亜鉛は化学的な性質の似ているカドミウムを微量不純物として含有することがあるが、環境汚染の観点からは有害物質のカドミウム含有量は少ないことが望ましい。オーミック電極の表面には、さらに銀微粒子を主成分として有機バインダ、分散剤と有機溶剤で調整したペーストを印刷、乾燥し表面電極を形成する。表面電極にもガラスや酸化物等を少量混合し、密着性や緻密性を向上する効果を得ることができる。
こうして2層構造の電極を形成したのち、焼結炉にて電極を焼結する。なお、半導体磁器組成物の材質、オーミック電極の材質、表面電極の材質の組み合わせによっては電極焼結を2回に分ける方が望ましい場合もある。すなわちオーミック電極をいったん焼結した後に、表面電極を印刷形成し2回目の焼結を行なう方法である。これにより、オーミック電極と表面電極の相互拡散が抑制されそれぞれの特徴を十分に発揮させることができる。さらに半導体磁器組成物の材質、オーミック電極の材質、表面電極の材質によっては、その特徴を発揮させるために焼結時の雰囲気を調整する場合もあり、特に酸素濃度を調整することで電極密着強度と電気特性を向上できる場合がある。酸素濃度を調整するためには空気と窒素ガスを混合して、その比率を変更することが最も容易である。印刷、焼結の工法によって形成したオーミック電極、表面電極それぞれの焼結後の厚みは通常5から20μm程度にすると制御し易い。これらの電極は印刷、焼結による形成方法だけではなく、真空蒸着やイオンプレーティング、スパッタ、めっきなどの薄膜法で形成することも可能である。薄膜法で形成するときには所望ではない部分にも電極が付着することがあるので、平面研削盤や、スライサーを用いた加工は電極形成の後で行い、所望ではない部分に付着した電極の除去を兼ねるように加工することが合理的である。
半導体磁器組成物を発熱体素子として用いるとき、電極の構造と配置は半導体磁器組成物を介して2つの電極が離れた位置で対になっていることが基本である。しかし時には3箇所以上に分離して設けることも応用設計として有効である。図2には本発明の半導体磁器組成物1に幅w(2mm)の帯状電極をそれぞれ間隔d(10mm)をおいて3箇所に設けて発熱体素子10とした例を示す。この例では電極1aと電極1b間の間隔は10mmであり、その間の室温での直流抵抗は20Ωであった。電極1aと電極1c間の間隔は22mmであり、その間の室温での直流抵抗は40Ωであった。電極1aと電極1b間に直流/交流いずれでも良いので20Vの電圧を印加し3分以上放置して自己発熱が安定したところで電流を測定すると2.6A、消費電力は52Wであった。一方、電極1aと電極1c間に同様に20Vの電圧を印加すると、安定状態での電流は1.3A、消費電力は26Wに半減した。さらに中央の電極1bを共通電極にして電極1aと電極1cに同じ電圧(交流の場合は同じ位相、かつ同じ振幅の電圧)20Vを印加すると、電流は5.2A、消費電力は104Wであった。上記いずれの場合でも安定状態の温度は電力にはほとんど関係なく、材料のキュリー温度に従いほぼ一定であった。このように2箇所以上、図2の例では3箇所に分離して電極を設ければ電圧を印加する電極を適切に選択することによって消費電力を数段階に変更することが可能であり電源装置の負荷状況や、希望する加熱の緩急の必要度合いに応じて単純な外付けスイッチなどで選択することができる。
本発明の半導体磁器組成物に上記の例とは異なる構造と配置の電極を3箇所に分離して電極2a,電極2b,電極2cを設けた発熱体素子11を製作した。図3を参照しながら説明をする。焼成と加工を行なった半導体磁器組成物2の大きさは10mm×23mmの平板状で厚みは0.7mmである。電極2aと電極2cはそれぞれ一辺(W)が10mmの正方形であり間隙D(3mm)をあけて同一の面に並ぶように形成した。電極2bは、電極2aや電極2cとは平板状の半導体磁器組成物をはさんで反対側の面のほぼ全面にわたって形成した。
この発熱体素子を電極を兼ねた金属製の放熱フィンに挟み込むようにして固定した。このときの放熱フィンの構造を図4を参照しながら説明する。発熱体素子11の一方の面に形成した電極2aは電力供給電極20aに熱的および電気的に密着し、電極2cは電力供給電極20cに熱的および電気的に密着し、他方の面に形成した電極2bは電力供給電極20bに熱的および電気的に密着するよう組み立てられ発熱モジュール20となる。電力供給電極20a,20b,20cはそれぞれ放熱フィン20a1,20b1,20c1と熱的に接続している。発熱体素子11で生じた熱は電極2a,2b,2c,電力供給電極20a,20b,20c,放熱フィン20a1,20b1,20c1の順に伝わり主に放熱フィン20a1,20b1,20c1から雰囲気中に放出される。電力供給電極20a,20c間に設けた絶縁物20dは両者の電気的絶縁を図る。電源との接続は電力供給電極20aと電力供給電極20bの間、または電力供給電極20cと電力供給電極20bの間に接続すれば低消費電力となり、電力供給電極20aおよび電力供給電極20cの両方と電力供給電極20bの間に接続すれば大消費電力となり、消費電力を2段階に変更することが可能である。こうして電源装置の負荷状況や、希望する加熱の緩急の必要度合いに応じて加熱能力を切り替え可能な発熱モジュールとなる。
上記の加熱能力切り替え可能な発熱モジュールを電源に接続して加熱機構システムを製作した例を図5を参照しながら説明する。用意する電源は直流/交流どちらでも良い。発熱モジュール20の電力供給電極20aと電力供給電極20cはそれぞれ別のスイッチ30a,30bを介して電源30cの一方の電極に並列接続され、電力供給電極20bは共通端子として電源30cの他方の電極に接続され加熱機構システム30を構成する。スイッチ30a,30bの何れか一方を投入すれば加熱能力を小さくして電源の負荷を軽くすることができ、両方を投入すれば加熱能力を大きくすることができる。電源の位相や振幅を調整する回路が不要なので簡単に加熱能力を切り替え可能な加熱機構システムを実現することができる。安定状態の温度は半導体磁器組成物のキュリー温度で一定に収束するので温度検出機構や目標温度との比較機構、加熱電力調整回路なども不要なため、非常に簡単に加熱機構システムを実現することができる。図5に示したフィンの間に空気を流して暖めたり、水などの液体を通す管状の金属を接続して液体を温めるために好適で安全な加熱機構システムとすることができる。
本発明により得られる半導体磁器組成物は、PTCサーミスタ、PTCヒータ、PTCスイッチ、温度検知器などの材料として最適である。
本発明による半導体磁器組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察像を示す写真である。 本発明による半導体磁器組成物の利用方法の応用として多数電極を設けた場合の、特に片面に合計3箇所設けた場合の素子の一例である。 本発明による半導体磁器組成物の利用方法の応用として多数電極を設けた場合の、特に両面に合計3箇所設けた場合の素子の一例である。 本発明による半導体磁器組成物に電極を設け、電極を兼ねた金属製の放熱フィンに挟み込んで固定した形態の発熱モジュールの模式図。 図4の発熱モジュールに電源を接続した加熱機構システムの模式図。
符号の説明
1,2 半導体磁器組成物
1a,1b,1c,2a,2b,2c 電極
10,11 発熱体素子
20 発熱モジュール
20a,20b,20c 電力供給電極
20a1,20b1,20c1 放熱フィン
20d 絶縁物
30 加熱機構システム
30a,30b スイッチ
30c 電源

Claims (6)

  1. 第一相をBaとTiとBiおよびNaを主とする酸化物とし、第二相をBaとTiを主とする酸化物とし、
    前記第一相を構成するBaの一部をLaで置換し、第一相の組成式を[(BiNa)(Ba1−yLa1−x]TiOと表し、モル比x及びyが0<x≦0.3、0<y≦0.02を満足し、
    任意の研磨面において全面積に対する前記第二相の面積比をaで表したとき1≦a≦15 [%]であり、
    前記第一相および第二相のうち少なくとも第二相がSiを含み、第一相に含まれるSiの濃度をb[wt%]、第二相に含まれるSiの濃度をc[wt%]で表したとき、b<cで、cが0<c≦7 [wt%]であることを特徴とする半導体磁器組成物。
  2. 前記半導体磁器組成物は、(BaLa)TiO3組成物と(BiNa)TiO3組成物を別々に用意して仮焼し、その後、混合、焼結して得たものであり、
    前記(BaLa)TiO3組成物を用意する際、前記(BaLa)TiO3組成物の原料にSi原料を添加し、
    その後、仮焼粉中にBaCO3及びTiO2が一部残存するように仮焼することを特徴とする請求項1に記載の半導体磁器組成物。
  3. 前記Si原料は、SiO 2 換算で前記(BaLa)TiO3組成物の原料に対して0.97mol%以上2.86mol%以下の範囲で添加することを特徴とする請求項2に記載の半導体磁器組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の半導体磁器組成物の少なくとも2箇所以上に分離してオーミック電極を設けたことを特徴とする発熱体素子。
  5. 請求項4記載の発熱体素子を金属電極で挟持し、前記金属電極を介して電流を流すことを特徴とする発熱モジュール。
  6. 請求項5記載の発熱モジュールを用いる流体の加熱機構システムであって、電源回路には電圧や位相を調整する手段により供給電力を制御する機能を有していないことを特徴とする加熱機構システム。
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