JP5262364B2 - 熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機 - Google Patents

熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機 Download PDF

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Description

本発明は、熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機に関し、特に、レーザ光源を用いた熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機に関する。
自動車や船舶等に使用される金属部品の、耐摩耗性や強度向上を目的として焼入れ等の熱処理が行なわれている。金属部品の熱処理は、そのワークの材質、形状等を基に固有の温度に加熱し、加熱後に冷却することにより行なわれる。加熱ツールとしては、レーザ光、高周波による加熱等種々あるが、加熱コイルを備える高周波誘導加熱部と冷却液を噴射してワークの加熱部を冷却する冷却液噴射部とを有した焼入れ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
この焼入れ装置は、高周波電流を加熱コイルに流してワークを加熱する高周波誘導加熱部と、冷却液を噴射してその加熱されたワークを冷却する冷却液噴射部とを備える高周波焼入れ装置において、加熱中若しくは加熱後のワークに飛散してくる冷却液の飛沫を遮蔽する遮蔽手段を設けている。冷却液の飛散による降温や徐冷が生じる結果、鉄鋼材料の含有炭素量が少なくなるほど高周波焼入れを行うことが困難になるからである。
この焼入れ装置によれば、遮蔽手段を圧縮空気源と圧縮空気を噴出させるノズルとを有する遮蔽空気手段としているので、冷却液の飛散による焼入れへの影響を積極的に抑制でき、また、冷却液噴射部を高周波誘導加熱部に十分近接させることができ、高周波誘導加熱及びその後の冷却が短時間で終えられ、高周波焼入れ全体に係る時間も大幅に短縮できるとされている。
しかし、特許文献1に示された焼入れ装置は、ワークに冷却液を噴射して冷却するが、冷却液にワーク全体を漬けることによりワークを冷却する方が急冷効果が高く、焼入れ処理には適している。熱処理装置、複合加工機等で、ワークの加工(加熱加工、機械加工)と焼入れ処理のために冷却液で冷却を行なう場合には、加工時に加工箇所に供給するクーラント等と熱処理冷却液の分離が問題となる。対象温度が異なるため共通に使用できないからである。
特開2001−32017号公報
従って、本発明の目的は、ワークの加工及び熱処理のための冷却が行なえ、かつ、それぞれの冷却液の分離が可能な熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機を提供することにある。
[5]本発明は、上記目的を達成するために、ワークを回転させながら、前記ワークを所定パワーの加熱ツールで加熱する加熱工程と、前記加熱工程により加熱された前記ワークを、次工程に移動させる移動工程と、前記移動工程により移動された前記ワークを回転させながら冷却液に漬け込むことにより冷却する冷却工程とを有し、前記冷却工程は、前記移動工程により前記ワークを冷却カプセル内に挿入して収容し、前記冷却カプセル内に前記冷却液を満たすことにより行なわれることを特徴とする熱処理方法を提供する。
]また、前記冷却工程は、前記冷却カプセル内に満たされた冷却液の温度に基づき、前記冷却カプセルへの前記冷却液の供給を停止することにより、冷却速度を制御する冷却速度制御工程を含むことを特徴とする上記[]に記載の熱処理方法であってもよい。
]本発明は、上記目的を達成するために、ワークを回転させながら、前記ワークを所定のパワーで加熱する加熱ツール、及び、クーラントを前記ワークに供給しながら前記ワークの研削、切削等を行う機械加工ツールを有する加工部と、前記加工部において加熱された前記ワークを挿入して収容する冷却カプセル、及び、前記冷却カプセル内に冷却液を満たす冷却液供給部を有するワーク冷却部と、を有し、前記冷却液及び前記クーラントがそれぞれ共通の回収タンクに回収された後、それぞれが前記回収タンクから送出される冷却液回収タンク及びクーラント回収タンクが独立して設けられていることを特徴とする複合加工機を提供する。
]前記冷却液は冷却水であって、前記冷却液回収タンクに回収された前記冷却水が前記クーラント回収タンクに供給されることを特徴とする上記[]に記載の複合加工機であってもよい。
本発明によれば、ワークの加工及び熱処理のための冷却が行なえ、かつ、それぞれの冷却液の分離が可能な熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機を提供することができる。
本発明の実施の形態において、加熱ツールとしては、レーザ光、電子ビーム、プラズマ、高周波、及び、TIG等が使用可能である。電子ビームによる加熱は、固体中の電子を高熱や高電界により空間に放出させ、これを電界により加速すると共に、電子レンズにより電子線をビーム状に収束させて照射することにより行なう。また、プラズマによる加熱は、電極間に不活性ガスを流し、放電することによって得られる高温プラズマにより行なう。具体的には、直流放電プラズマ、電子ビーム励起プラズマ等が使用できる。また、高周波による加熱では、誘導子(コイル)を用いてワーク表面の必要部分を表面だけ加熱することができる。また、TIG(Tungsten Insert Gas)による加熱は、タングステン電極を用い、アルゴン、ヘリウムといった不活性ガスをシールドガスとして用いることで必要部分を加熱することができる。以下の本発明の実施の形態では、所定のビーム形状でパワー制御が容易なレーザ光を加熱ツールとして使用した例を示す。
(本発明の第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置、熱処理方法を説明するための装置概略を示す図である。図2は、ワーク上に照射されるレーザ光源の構成を示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置、熱処理方法の特に冷却工程を説明するための図である。図4は、ワークに焼入れ処理を行なう場合の時間と温度の関係を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置は、ワークWを回転駆動するチャック部106、主軸105、及び、封止部107から大略構成される加工部900と、冷却液990が内部全体に充填される冷却カプセル800、カプセル内温度計810、冷却液供給部820、ドレン配管830、冷却液ポンプ840、液温制御部850、攪拌ファン860、及び、冷却液回収タンク910から大略構成される冷却部と、から構成されている。ここで、加工部900から冷却部901へのワークWの移動は、別途、移動・搬送装置を設けてもよく、また、加工部の移動ステージ(特に、トラーバース用ステージ)をワークWの冷却カプセル800への移動に使用してもよい。
加工部900において、ワークWは、チャック部106により主軸105に保持され、所定の回転数で回転駆動される。チャック部106とワークWの間には、封止部107が設けられており、ワークWを冷却カプセル800内に収容して冷却カプセル800内を冷却液990で内部全体を充填した時に、冷却液990がワークWと冷却カプセル800の開口部801の間隙から漏れにくくしている。この封止部107は、ワークWが回転可能で、ワークWと冷却カプセル800の開口部801の間隙を塞ぐように弾性部材で形成されている。
ワークWにレーザ光を照射するためのレーザ光源が設けられ、図1にはレーザヘッド600を図示している。このレーザヘッド600は、図示しないZ軸方向移動のためのステージに装着されており、ワークWの外周上を、所定のZ方向送り速度でレーザ照射でき、あるいは、所定の周波数でZ方向にレーザ光をスキャン照射できる。これにより、図1に示すように所望の加熱範囲110に亘ってレーザ照射により加熱することができる。
図2に示すように、レーザ光源は、レーザ発振器601とレーザヘッド600から大略構成され、レーザ発振器601とレーザヘッド600を光ファイバカップラ650を介して伝送ファイバ651で光学的に接続した構成とされている。レーザヘッド600は上記したようにZ方向の移動制御がされると共に、Y方向の移動制御がされてレーザ照射ビームの大きさを変更することができる。また、ワークWが図2に示すような、段部、テーパ部等を有する形状に対応するよう、回転(θ)機構により姿勢制御可能な構成とすることもできる。
レーザ発振器601は、レーザスタックモジュール602、603、及び604、ダイクロイックミラー605,606を有して構成されている。レーザスタックモジュール602〜604は、半導体レーザ発光素子を多数積層(スタック)して高出力化したものである。各レーザスタックモジュール602〜604は、特定の波長の光を反射しその他の波長の光を透過させるダイクロイックミラー605,606により1本のレーザ光に合成される。
このように構成されたレーザ発振器601は、光出力1.8kW、発振波長は800nm〜1000nmの近赤外光である。尚、半導体レーザ以外に、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等を使用することも可能である。
レーザ発振器601から出射されるレーザ光は、コリメートされて光ファイバカップラ650を介して伝送ファイバ651に光学的に接続され、レーザヘッド600に導光される。レーザヘッド600内の集光レンズによりワーク10へ集光して照射される。
図1に示すように、冷却カプセル800は、内部にワークWを収容できる内空部802を有し、また、加工部900に対向する側にワークWを挿入可能な開口部801が設けられている。冷却カプセル800内の下部には、冷却液990の温度分布を均一にするための攪拌ファン860が設けられ、上部には内空部802の冷却液温度を検出するため熱電対によるカプセル内温度計810が設けられている。また、上部には冷却液供給部850、ドレン配管830の取出口835が設けられている。冷却カプセル800の下のテーブル915には冷却液回収タンク910が加工部900から離間して独立して設けられている。
次に、図3に示すように、ワークWが冷却カプセル800の内空部802に収容され、封止部107で開口部801が覆われた状態で、冷却液供給部820から冷却カプセル800の内空部802に冷却液990が供給される。冷却液990は、内空部802に十分充填され、過剰な冷却液990はドレン配管830の取出口835からドレン配管830を通して冷却液回収タンク910に回収される。また、封止部107と開口部801の隙間から漏れる冷却液990も冷却液回収タンク910に回収される。回収された冷却液990は冷却液ポンプ840で汲水され、カプセル内温度計810による冷却液温度の測定結果に基づいて液温制御部850が冷却液ポンプ840を制御して、所定の温度になるよう冷却液供給部820から冷却液990を適宜供給する。
尚、冷却液990としては工業用水を使用することができるが、これに限らず、ワークWを冷却できる液状冷却媒体であれば使用可能である。
(熱処理方法)
ワークWを回転させながら、ワークWを所定パワーの加熱ツールで加熱する加熱工程(S101)と、加熱工程(S101)により加熱されたワークWを、次工程に移動させる移動工程(S102)と、移動工程(S102)により移動されたワークWを回転させながら冷却液990に漬け込むことにより冷却する冷却工程(S103)、を有することを特徴とする熱処理方法である。
(加熱工程)S101
加熱工程(S101)は、ワークWにレーザヘッド600からレーザ照射を行ない所定の温度まで加熱する工程である。図1に示すように、ワークWを封止部107を装着した状態でチャック部106により主軸105に取り付ける。ワークWを所定の回転数で回転させながら、レーザヘッド600から所定のレーザパワーでワークWの外周面上の加熱範囲110にレーザ照射を行なう。レーザ照射は、所定のZ方向送り速度でレーザ照射し、あるいは、所定の周波数でZ方向にレーザ光をスキャン照射することにより行ない、熱処理必要部位にのみ加熱することができる。
(移動工程)S102
移動工程S102は、加熱工程S101により加熱されたワークWを、次の工程である冷却工程S103を行う冷却カプセル800内へ移動させる工程である。加工部900から冷却部901へのワークWの移動は、別途、移動・搬送装置を設けてもよく、また、加工部の移動Zステージ(トラーバース用ステージ)をワークWの冷却カプセル800への移動に使用してもよい。この移動工程は、例えば、焼き入れ処理の場合には、温度低下が所定内であるように、CCT(Continuous Cooling Transformation)線図に基づき、所定の時間内に行なう必要がある。
(冷却工程)S103
冷却工程S103は、加熱されたワークWを、冷却カプセル800で冷却液990に漬け込むことにより強制冷却する工程である。冷却カプセル800の内空部802にワークWを配置し、開口部801を封止部107で覆うことにより、冷却液供給部820から冷却液990を供給し、内空部802に冷却液990を満たすことでワークWが冷却液990中に漬け込まれる状態とする。この状態で、ワークWを所定の回転数で回転させる。冷却液990を攪拌ファン860により攪拌して温度分布を均一にしながら、冷却液供給部820から冷却カプセル800の内空部802に冷却液990を供給する。冷却液990は、内空部802に十分充填され、過剰な冷却液990はドレン配管830の取出口835からドレン配管830を通して冷却液回収タンク910に回収される。また、封止部107と開口部801の隙間から漏れる冷却液990も冷却液回収タンク910に回収される。回収された冷却液990は冷却液ポンプ840で汲水され、カプセル内温度計810による冷却液温度の測定結果に基づいて液温制御部850が冷却液ポンプ840を制御して、所定の温度になるよう冷却液供給部820から冷却液990が適宜供給される。
上記のような工程により、加熱されたワークWを強制冷却するが、所定の温度あるいは所定の時間で強制冷却を終了し、徐冷に切り替えることができる。ワークWを開口部801から冷却カプセル800の外に出すことにより、ワークWは空冷状態となる。例えば、鋼の焼入れ処理では、約250℃で空冷に切り替えることで、危険区域(約250℃)を回避した焼入れ処理が可能となり、焼き割れの発生が抑制できる。
(本発明の第1の実施の形態に係る熱処理方法による鋼材の焼入処理)
図2に示すように、ワークWが、円筒面以外に、段付部の端面及びテーパ面等を有するワーク形状の場合に、鋼材に焼入れ処理を行なう場合を説明する。
(加熱工程S101)
熱処理される鋼材(例えば、S45C)であるワークWを、加工部900においてチャック部106により主軸105に保持して、所定の回転速度で回転させる。ワークWの焼入れ必要部位に対して、レーザヘッド600のY方向(必要に応じてθ角度)の制御を行いながら、レーザヘッド600をZ方向にスキャンしながらレーザ光を照射する。レーザ光のスキャン照射において、入力されたワークの形状データに基づいて、ワーク内部の熱伝導性を考慮しながら加熱制御することができる。また、ワーク熱処理範囲に対して温度測定を行ないながら、レーザパワー、ワーク回転数、スキャン速度(スキャン周波数)及びスキャン回数を制御することにより上記の加熱制御を行なうことも可能である。
図4に示すtから加熱工程が始まり、tには、加熱範囲110の温度がA3変態温度(約730℃)以上となる約900℃まで上昇する。上記示したような加熱制御により、加熱範囲110全体が均一にA3変態温度以上となったtで加熱工程が終了する。
(移動工程S102)
加熱工程が終了したワークWを、加工部900から冷却部901まで移動させる。この移動工程は、CCT線図に基づき、所定の時間内に行なう必要があり、S45Cの場合は約2秒以内である。この移動工程は、図4に示すt〜tであり、この間に若干の温度低下が生じる。
(冷却工程S103)
冷却工程では、加熱されたワークWを、冷却カプセル800で冷却液990に漬け込むことにより強制冷却し、tからtの間でワークWは急冷される。この急冷により、オーステナイトからマルテンサイト組織となり、所定の深さまで焼入れ処理が施される。
(危険区域の回避処理)
上記示した冷却工程では、tからtの約常温までワークWを急冷したが、例えば非接触で温度測定を行なうことで、あるいは、所定の時間経過後に、ワークWを開口部801から冷却カプセル800の外に出すことにより、危険区域(約250℃)を回避した焼入れ処理が可能である。すなわち、約250℃に達したtの時点でワークWを冷却カプセル800の外に出すことで、その後は大気雰囲気での徐冷となり、焼き割れの発生が抑制できる。
上記において、本発明の第1実施の形態に係る熱処理方法に基づいて、熱処理として焼入れ処理を説明したが、加熱工程においてワークWを焼戻し温度(約200℃)まで均一に加熱し、冷却工程では例えば冷却液990の液量を減らして徐冷することで焼戻し処理を行なうこともできる。その他、加熱工程及び冷却工程の組合せにより、焼きならし等の種々の熱処理を行なうこともできる。
(本発明の第1実施の形態の効果)
本発明の第1実施の形態に係る熱処理装置、熱処理方法によれば、次のような効果を有する。
(1)冷却カプセル800で使用する冷却液990を回収する冷却液回収タンク910を、加工部900から離間して独立して設ける構成としているので、加工時に加工箇所に供給するクーラント等と熱処理のための冷却液の分離回収が可能となる。これにより、複合加工機への適用も可能となる。
(2)上記の構成により、冷却カプセル800で大量の冷却液を使用できるようになるので、ワークWを冷却液に漬け込むことにより冷却(急冷)でき、特に、冷却速度が均一化されること、温度の制御性がよいこと、急冷効果が高いことから、高品質な焼き入れが可能となる。
(3)カプセル内温度計810による冷却液温度の測定結果に基づいて液温制御部850が冷却液ポンプ840を制御して、所定の温度になるよう冷却液供給部820から冷却液990を適宜供給するので、熱処理温度の制御が可能となり、高精度の熱処理が可能となる。
(4)加熱ツールとしてレーザ光源を使用するので、ワークWの熱処理必要部位のみを加熱でき、高機能な熱処理が可能となる。
(5)ワークWを収容できる大きさの冷却カプセル800に冷却液を供給して熱処理を行なう構成であるので、使用する冷却液を削減でき、また、冷却カプセルの小型化が可能となる。
(6)冷却カプセル800内で熱処理を行なうので、蒸気の発生が抑制され、クリーンな装置環境が得られる。
(本発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に係る熱処理装置を、複合加工機に適用したものである。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る熱処理装置を複合加工機に適用した場合の構成を示す平面図である。図6は、冷却水を加工用クーラントに供給して利用する場合の回収タンクの構成を示す図である。
(複合加工機の構成)
本発明の実施の形態に係る複合加工機は、ワーク加工ユニット200に種々の加工ツール501を装着でき、例えば、図5に示すように、熱処理加工ツールであるレーザヘッド600が装着される。尚、図5において、上下にX方向及び左右にZ方向を規定する。
この複合加工機10は、図示しないコンピュータ数値制御装置(CNC)により全体の駆動が制御されるものであり、複合加工機本体と図示しない付属装置からなる。主な付属装置は、レーザ発振器、オイル供給装置、冷却装置、エア供給機器、クーラント供給装置、切屑収集装置及びこれらの装置を複合加工機本体と接続するダクト装置等からなっている。
複合加工機10は、ベッド11上に載置され、軸物あるいは長尺状のワークWを回転駆動可能に支持するワーク支持駆動ユニット100と、ベッド11上に装架されてX及びZ方向の移動及び位置決めを行なうXステージ301及びZステージ302と、Zステージ302上に載置され各種の加工ツールを着脱可能に搭載するワーク加工ユニット200と、加工ツール501をワーク加工ユニット200の所定位置に着脱するツール装着ユニット400とを有する。尚、ワーク加工ユニット200は、Xステージ301及びZステージ302によりX及びZ方向の移動を行うだけでなく、例えば、閉リンク機構を並列に配置して旋回動作も可能な所謂パラレル機構等によりXZ平面内で移動するものであってもよい。
ワーク支持駆動ユニット100は、ベッド11上に載置された主軸台ベース101に、主軸台スライドガイド102を介してZ方向にスライド可能に移動可能な主軸台103を有し、主軸台103には、主軸105を所定の回転数で回転駆動する主軸駆動モータ104が搭載されている。主軸台103はチャック部106を備え、封止部107を装着した状態でチャッキングしてワークWを片持ち支持する構成とされている。
ワーク加工ユニット200は、研削加工等の工具の回転とワークWとの回転により加工を行なう場合には、加工ツール501を装着したツール回転主軸202をツール駆動モータ201で所定回転数で回転駆動する。また、旋削、熱処理等の工具を回転させずワークWの回転により加工を行なう場合には、加工ツール501を装着したツール回転主軸202は回転させず所定の回転方向位置で所定の静止剛性で固定される。
第1の実施の形態と同様に、冷却液回収タンクを加工部から離間して独立して設けることができる。すなわち、冷却液回収タンクと研削、切削等で使用するクーラント回収タンクを別々にベッド11上に設けることができる。
しかし、本第2の実施の形態では、ベッド11上で冷却液及びクーラントがそれぞれ共通の回収タンクに回収された後、独立して設けられた冷却液回収タンク及びクーラント回収タンクにそれぞれ送出されて回収される例を示す。
図5に示すように、ワークWが支持された主軸105の延長線上には冷却カプセル800がベッド11上に載置され、ワークWが加工される領域と冷却カプセル800の配置される領域に跨って共通の回収タンクとしてオイルパン920がベッド11上に設けられている。
オイルパン920は、ワークWが機械加工される場合にクーラント供給ノズル700から供給されるクーラント991をベッド11上で回収し、また、冷却カプセル800での冷却工程で使用した冷却液990を回収する。オイルパン920で回収されるクーラント991と冷却水992をどの様に処理するかは後述する。
ツール回転主軸202は、加工ツール501のテーパ部510をクランプして、加工ツール501とツール回転主軸202を強固に締結するクランプ部203を有している。具体的には、クランプ部203は、複合加工機用のHSKインターフェース規格等の互換性を有する規格により構成されている。HSKインターフェース規格によりクランプ部203が構成されている場合、加工ツール501のテーパ部510と端面は2面拘束により、ツール回転主軸202に強固に締結される。
ツール装着ユニット400は、ベッド11上の所定の位置に載置され、種々の加工ツール501を保持可能な複数のツールポッド402を有したツールタレット403と、X軸回りに割出し制御をするサーボモータ404により構成されている。ツールポッド402の内部には、加工ツール501の先端部に形成された溝部が着脱可能となる結合部405が形成されている。
加工ツール501には、旋削加工に使用される旋削用電着ホイール等の旋削工具502、穴あけ、溝加工等に使用されるドリル、エンドミル等の切削工具503、レーザヘッド600等の加熱ツールとしての熱処理工具504、研削加工に使用される砥石車(例えば、CBNホイール)等の研削工具505、超仕上げ、ELID研削等に使用される表面仕上げ工具506がある。
図6に、複合加工機10のクーラント991及び冷却水992の回収システムを説明するための構成を示す。加工部900において、例えば研削工具505が加工ツール501として図示省略するツール回転主軸202に装着され、クーラント供給ノズル700からクーラント991を供給しながら、ワークWに研削加工を行う。このとき使用したクーラント991は、オイルパン920で回収され、切替バルブ930によりクーラントタンク940に送出される。
研削加工終了後、研削工具505をツール装着ユニット400側に回収し、レーザヘッド600を装着してワークWの必要部位に加熱を行なう。この加熱工程の後に、Zステージ302によりワークWを冷却カプセル800の内空部802まで移動させ、冷却液990を満たすことによりワークWを急冷させる。このとき使用された冷却液990はオイルパン920で回収され、切替バルブ930により冷却液タンク950に送出される。
クーラントタンク940内のクーラント991は、クーラント供給ポンプ960によりクーラント供給装置970に送出され、必要に応じてクーラント供給ノズル700へ供給される。一方、冷却カプセル800への冷却液990の供給は、冷却液供給バルブ980を介して必要に応じて冷却液供給部820から供給される。
尚、本実施の形態では、冷却液990として冷却水992(工業用水)を使用することができる。この場合には、冷却液タンク950に回収された冷却水992は一定水位以上になると隣接するクーラントタンク940にオーバフローして、クーラントタンク940に冷却水992が供給される。これにより、蒸発によるクーラントタンク940内の水分の補給が可能となる。
(本発明の第2実施の形態の効果)
本発明の第2実施の形態に係る複合加工機によれば、第1実施の形態の効果に加えて次のような効果を有する。すなわち、複合加工機では、加工時にワークWにクーラントを供給するが、これと熱処理のための冷却液との分離が容易にできる。さらに、冷却液を冷却水(工業用水)とすることで、クーラントタンク940への水の補給も可能となる。
以上、本発明の熱処理装置、熱処理方法、及び、複合加工機を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置、熱処理方法を説明するための装置概略を示す図である。 図2は、ワーク上に照射されるレーザ光源の構成を示す斜視図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置、熱処理方法の特に冷却工程を説明するための図である。 図4は、ワークに焼入れ処理を行なう場合の時間と温度の関係を示す図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る熱処理装置を複合加工機に適用した場合の構成を示す平面図である。 図6は、冷却水を加工用クーラントに供給して利用する場合の回収タンクの構成を示す図である。
符号の説明
10…複合加工機、11…ベッド、100…ワーク支持駆動ユニット、101…主軸台ベース、102…主軸台スライドガイド、103…主軸台、104…主軸駆動モータ、105…主軸、106…チャック部、107…封止部、110…加熱部、200…ワーク加工ユニット、201…ツール駆動モータ、202…ツール回転主軸、203…クランプ部、301…Xステージ、302…Zステージ、400…ツール装着ユニット、402…ツールポッド、403…ツールタレット、404…サーボモータ、405…結合部、501…加工ツール、502…旋削工具、503…切削工具、504…熱処理工具、505…研削工具、506…表面仕上げ工具、510…テーパ部、600…レーザヘッド、601…レーザ発振器、602,603,604…レーザスタックモジュール、605,606…ダイクロイックミラー、650…光ファイバカップラ、651…伝送ファイバ、700…クーラント供給ノズル、800…冷却カプセル、801…開口部、802…内空部、810…カプセル内温度計、820…冷却液供給部、830…ドレン配管、835…取出口、840…冷却液ポンプ、850…液温制御部、860…攪拌ファン、900…加工部、901…冷却部、910…冷却液回収タンク、915…テーブル、920…オイルパン、930…切替バルブ、940…クーラントタンク、950…冷却液タンク、960…供給ポンプ、970…クーラント供給装置、980…冷却液供給バルブ、990…冷却液、991…クーラント、992…冷却水

Claims (8)

  1. ワークを回転させながら、前記ワークを所定のパワーで加熱する加熱ツールを有する加工部と、
    前記加工部において加熱された前記ワークを挿入して収容する冷却カプセル、前記冷却カプセル内に冷却液を満たす冷却液供給部、及び、前記冷却液供給部から排出される前記冷却液を回収する冷却液回収タンクを有するワーク冷却部と、を有し、
    前記冷却液回収タンクが前記加工部から離間して独立して設けられていることを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記加熱ツールは、レーザ光源を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記冷却カプセルは、前記冷却カプセル内の温度を測定してこの測定結果に基づいて前記冷却液の温度制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  4. 前記加工部と前記ワーク冷却部との間に、前記ワークを移動させる搬送部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  5. ワークを回転させながら、前記ワークを所定パワーの加熱ツールで加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程により加熱された前記ワークを、次工程に移動させる移動工程と、
    前記移動工程により移動された前記ワークを回転させながら冷却液に漬け込むことにより冷却する冷却工程とを有し、
    前記冷却工程は、前記移動工程により前記ワークを冷却カプセル内に挿入して収容し、前記冷却カプセル内に前記冷却液を満たすことにより行なわれることを特徴とする熱処理方法。
  6. 前記冷却工程は、前記冷却カプセル内に満たされた冷却液の温度に基づき、前記冷却カプセルへの前記冷却液の供給を停止することにより、冷却速度を制御する冷却速度制御工程を含むことを特徴とする請求項に記載の熱処理方法。
  7. ワークを回転させながら、前記ワークを所定のパワーで加熱する加熱ツール、及び、クーラントを前記ワークに供給しながら前記ワークの研削、切削等を行う機械加工ツールを有する加工部と、
    前記加工部において加熱された前記ワークを挿入して収容する冷却カプセル、及び、前記冷却カプセル内に冷却液を満たす冷却液供給部を有するワーク冷却部と、を有し、
    前記冷却液及び前記クーラントがそれぞれ共通の回収タンクに回収された後、それぞれが前記回収タンクから送出される冷却液回収タンク及びクーラント回収タンクが独立して設けられていることを特徴とする複合加工機。
  8. 前記冷却液は冷却水であって、前記冷却液回収タンクに回収された前記冷却水が前記クーラント回収タンクに供給されることを特徴とする請求項に記載の複合加工機。
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