JP5261271B2 - 金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遮断器、断路器など引出形開閉器を収納する金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置に関する。
従来、引出形開閉器を収納した金属閉鎖形スイッチギヤにおいては、引出形開閉器の開路、閉路状態や、断路、接続位置によって、正面扉の開閉を制御するインターロック装置が設けられている。例えば、引出形開閉器が母線側の主回路と接続位置のときには正面扉を開閉不可とし、断路位置のときには正面扉を開閉可としている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−135919号公報 (第3〜4ページ、図1)
上記の従来の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置においては、引出形開閉器の接続、断路位置によって、正面扉の開閉を制御し、充電された主回路への近接防止の観点から作業性の向上が図られていた。
一方、正面扉においては、事故時などの内部アークに対し、容易に開放されないように、強固に固定しなければならない。箱体との係止点を数個所とすれば強固な固定ができるが、このような正面扉においても、扉を固定する機械的強度を保ちつつ、開閉を制御する機械的なインターロック装置が望まれていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、引出形開閉器の断路、接続位置によって、正面扉の開閉を制御する金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置は、正面扉の上下方向に設けた複数の固定ピンと、前記固定ピンが係止される箱体の上下方向に設けた複数の係止溝と、前記固定ピンの複数に連結された前記正面扉の開閉を制御するインターロック機構と、前記箱体内に収納される引出形開閉器とを備え、前記インターロック機構は、前記固定ピン端に固定されたインターロック板と、前記インターロック板に設けたインターロック孔を移動自在に貫通するとともに、前記引出形開閉器に当接して移動するインターロックピンとを有することを特徴とする。
本発明によれば、正面扉を箱体に係止する複数の固定ピンに、引出形開閉器の断路、接続位置で動作するインターロック装置を連動させているので、断路、接続位置によって確実に正面扉の開閉を制御することができる。
本発明の実施例1に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の構成を示す斜視図。 本発明の実施例1に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の構成を示す拡大断面図。 本発明の実施例1に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の構成を示す拡大正面図。 本発明の実施例1に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の動作を説明する拡大正面図。 本発明の実施例2に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の構成を示す拡大断面図。 本発明の実施例3に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置の構成を示す拡大正面図。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置を図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、箱体1の開口部2には、一側辺が蝶番3で固定された開閉自在の正面扉4が設けられている。正面扉4の他側辺は、箱体1側にL字状に折り曲げられており、板状の第1の上下板5aに形成されている。第1の上下板5aと略平行に板状の第2の上下板5bが設けられ、第1の上下板5aと第2の上下板5bとで上下方向に伸びた溝状の固定溝5が形成されている。第1の上下板5aと第2の上下板5bとには、上下方向に長円状の複数の開口孔6が設けられている。
固定溝5内には、上下方向に移動自在の断面コ字状の可動金具7が設けられている。可動金具7には、水平配置された回転自在の複数の固定ピン8がコ字状の両側面を貫通し、開口部6まで達している。開口孔6を貫通した固定ピン8の両端には、Cリング9が設けられ、固定ピン8が開口孔6から外れないようになっている。可動金具7の中間部のコ字状底部には、移動自在の手動ハンドル10の一方端が固定されており、他方端が正面扉4の外側に導出されている。また、上下方向の中間部の複数本の固定ピン8には、後述するインターロック機構11が連結されている。
可動金具7に対向する箱体1側には、二枚の固定板12が上下方向に所定の間隔を保って設けられている。固定板12には、固定ピン8に対向し、複数の係止溝13が設けられている。係止溝13は、L字状となっており、手動ハンドル10を持ち上げたとき固定ピン8が水平移動できる水平部13aと、手動ハンドル10を下げたとき固定ピン8が下方向に移動できる垂直部13bとで構成されている。
箱体1内には、遮断器などの引出形開閉器14が収納されており、開口部2側に引き出したときが断路位置となり、奥行方向に挿入したときが接続位置となる。
インターロック機構11は、図2、3に示すように、複数の固定ピン8端にL字状のインターロック板15の一側面が固定されている。図2では二本の固定ピン8でインターロック板15が固定され、確実に連動して移動できるようになっている。インターロック板15の他側面には、インターロックピン16が貫通する上下方向に長円状のインターロック孔17が設けられている。
インターロックピン16は、両端の太径部16aと中間部の細径部16bとで構成されている。また、インターロック孔17は、上下端にインターロックピン16の太径部16aが移動自在に貫通できる太径部17aと、太径部17a間を結び細径部16bが移動できる細溝部17bとで構成されている。
インターロック孔17を設けたインターロック板15の両側面には、所定の間隔を保ってコ字状の支え板18が設けられている。そして、インターロックピン16の太径部16aが支え板18の両側面を移動自在に貫通している。インターロックピン16の箱体1側には、このインターロックピン16を箱体1側に移動させるように付勢されたバネ19が設けられている。支え板18は、ベース板20で正面扉4に固定されている。
ここで、図2、3は、正面扉4を閉状態とし、引出形開閉器14を接続位置にしたときを示している。インターロックピン16の太径部16aがインターロック孔17の上端の太径部17aを貫通しており、インターロック板15を上方向に移動させることができないようになっている。即ち、固定ピン8が係止溝13の垂直部13bに位置し、上方向に移動させることができないので、手動ハンドル10を持ち上げることができず、正面扉4を開けることができない。
一方、引出形開閉器15を図示しない可動装置で断路位置にすると、図4に示すように、引出形開閉器14がインターロックピン16端に当接し、インターロックピン16が引出形開閉器15に押されて正面扉4側に移動する。これによりバネ19が圧縮され、インターロックピン16の細径部16bがインターロック板15の位置まで移動する。
すると、細径部16bは、インターロック孔17の細溝部17bを移動することが可能なため、固定ピン8を持ち上げることができる。インターロック孔17の下端の太径部17aにインターロックピン16が位置するまでインターロック板15を移動させると、固定ピン8が係止溝13の垂直部13bから水平部13aまで移動するので、正面扉4を開放することができる。
これらのことより、引出形開閉器14を接続位置にしたときには正面扉4を開閉不可とし、断路位置にしたときには正面扉4を開閉可とすることができる。なお、引出形開閉器14が故障などで移動不可のときには、箱体1外となる第1の上下板5a側に設けているCリング9を取外すことにより、固定ピン8を引抜くことができ、正面扉4を臨時的に開放することができる。
上記実施例1の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置によれば、箱体1側に設けた複数の係止溝13と、正面扉4側に設けた複数の固定ピン8とにより正面扉4の固定を行うとともに、複数の固定ピン8にインターロック機構11を連動させているので、引出形開閉器14の断路、接続位置によって正面扉4の開閉を確実に制御することができる。また、複数の固定ピン8により、正面扉4を強固に固定することができる。
次に、本発明の実施例2に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置を図5を参照して説明する。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、インターロックピンに電気的なインターロックを付加したことである。図5において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、インターロックピン16端が当接する引出形開閉器14の部位にインターロックスイッチ21を設けている。また、インターロックピン16端には、弾性体からなる緩衝材22を設けている。なお、インターロックスイッチ21と緩衝材22は、少なくとも一方を設けることができる。また、緩衝材22は、インターロックピン16端側、および引出形開閉器14側の少なくとも一方に設ければよい。
上記実施例2の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置によれば、実施例1による効果のほかに、引出形開閉器14の位置を表示するなどの電気的なインターロックを付加することができる。また、緩衝材22により、インターロックピン16端が当接する引出形開閉器14部分の損傷を防ぐことができる。
次に、本発明の実施例3に係る金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置を図6を参照して説明する。なお、この実施例3が実施例1と異なる点は、インターロック孔の形状である。図6において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、インターロック孔17の下方端の形状を、長円状の太径長円部17a1とし、細溝部17bに連接させている。即ち、インターロックピン16の太径部16aが上下方向に若干移動できるようになっている。
これにより、正面扉4を開放して引出形開閉器14を箱体1外に搬出したとき、正面扉4を閉じることができる。これは、インターロック孔17の下方を太径長円部17a1としているため、固定ピン8を係止溝13の水平部13aから垂直部13bの上部付近まで移動させられるためである。即ち、固定ピン8を太径長円部17a1の大きさの割合だけ、垂直部13b内を移動させることができ、正面扉4を仮止めをすることができる。
上記実施例3の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置によれば、実施例1による効果のほかに、引出形開閉器14を箱体1外に搬出したとき、正面扉4を閉じて仮止めすることができる。
1 箱体
2 開口部
3 蝶番
4 正面扉
5 固定溝
5a 第1の上下板
5b 第2の上下板
6 開口孔
7 可動金具
8 固定ピン
9 Cリング
10 手動ハンドル
11 インターロック機構
12 固定板
13 係止溝
13a 水平部
13b 垂直部
14 引出形開閉器
15 インターロック板
16 インターロックピン
16a、17a 太径部
16b 細径部
17 インターロック孔
17a1 太径長円部
17b 細溝部
18 支え板
19 バネ
20 ベース板
21 インターロックスイッチ
22 緩衝材

Claims (5)

  1. 正面扉の上下方向に設けた複数の固定ピンと、
    前記固定ピンが係止される箱体の上下方向に設けた複数の係止溝と、
    前記固定ピンの複数に連結された前記正面扉の開閉を制御するインターロック機構と、
    前記箱体内に収納される引出形開閉器とを備え、
    前記インターロック機構は、前記固定ピン端に固定されたインターロック板と、
    前記インターロック板に設けたインターロック孔を移動自在に貫通するとともに、前記引出形開閉器に当接して移動するインターロックピンとを有することを特徴とする金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置。
  2. 前記インターロック孔は、両端の太径部と前記太径部間を結ぶ細溝部とからなり、
    前記インターロックピンは、前記インターロック孔の太径部を貫通できる太径部と、前記インターロック孔の細溝部を移動できる細径部とからなり、
    前記引出形開閉器が接続位置のとき、前記インターロック孔の太径部に前記インターロックピンの太径部が位置し、
    前記引出形開閉器が断路位置のとき、前記インターロック孔に前記インターロックピンの細径部が位置することを特徴とする請求項1に記載の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置。
  3. 前記インターロックピン端、およびこのインターロックピン端が当接する前記引出形開閉器の部位の少なくとも一方に緩衝材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置。
  4. 前記インターロックピン端が当接する前記引出形開閉器の部位にインターロックスイッチを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置。
  5. 前記インターロック孔の太径部を、前記インターロックピンの太径部が移動できる長円状としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属閉鎖形スイッチギヤのインターロック装置。
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