JP5261028B2 - 表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な表示素子に関する。
従来から、封止ガラスを用いて素子の劣化の原因となる水分をはじめとするガス成分の浸入を防いだ有機EL表示素子や、液晶表示素子、電子ペーパーなどの表示素子が知られている。例えば、特許文献1には、対向する一対の電極間に有機層(有機化合物層)を狭持して基板上に設け、さらに、電極上に、順に、保護層、充填層および封止ガラスを設けた有機EL素子が開示されている。
また、特許文献2には、素子部材の間を、樹脂材料を介して張り合わせた表示素子が記載されている。ここで、樹脂材料は、複数箇所に分散させて塗布している。また、該特許文献2の実施例では、封止部材として、封止ガラスが採用されている。
しなしながら、このような封止ガラスを用いた場合、素子の厚みが厚くなる傾向にある。また、素子の重量が増加してしまうという問題がある。一方、素子の厚みを薄くしたり、素子を軽くしようとすると、ガスバリア性が劣ってしまう。
特開2006−228519号公報 特開2002−216950号公報
本発明は、上記問題点を解決することを目的としたものであって、薄くて軽い有機EL素子を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討した結果、封止部材として、封止ガラスが用いられている点に問題があることが分かった。そこで、本発明者らは、封止部材としてガスバリアフィルムを用い、さらに、ガスバリアフィルムの有機領域の少なくとも1つおよび接着層の組成を特定のものとすることにより、驚くべきことに、ガスバリア性を維持しつつ、表示素子の薄層化および軽量化をなし得ることを見出した。具体的には、以下の手段により達成された。
(1)基板と、該基板上に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に設けられた有機化合物層と、電極上であって有機化合物層が設けられた側とは反対側に設けられた接着層と、該接着層上であって電極が設けられた側とは反対側に該接着層に接するように設けられたガスバリアフィルムとを有し、該ガスバリアフィルムは、少なくとも1つの有機領域と少なくとも1つの無機領域を含むバリア層を有し、かつ、接着層および有機領域の少なくとも1つは、それぞれ、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とする、表示素子。
(2)接着層および有機領域のうち少なくとも1つは、それぞれ、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の重合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物の重合物を主成分とする、(1)に記載の表示素子。
(3)基板と、該基板上に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に設けられた有機化合物層と、電極上であって有機化合物層が設けられた側とは反対側に設けられた接着層と、該接着層上であって電極が設けられた側とは反対側に該接着層に接するように設けられたガスバリアフィルムとを有し、該ガスバリアフィルムは、有機領域と無機領域を含むバリア層を有し、かつ、前記有機領域の1つが、接着層と接しており、さらに、接着層および該接着層と接する有機領域は、それぞれ、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とする、表示素子。
(4)接着層および該接着層と接する有機領域は、それぞれ、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の重合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物の重合物を主成分とする、(3)に記載の表示素子。
(5)重合物は、光重合開始剤または熱重合開始剤を用いて重合されたものである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の表示素子。
(6)前記有機領域と無機領域を含むバリア層が少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層とを有することを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の表示素子。
(7)前記有機化合物層が電界発光効果により発光することを特徴とする有機EL素子である、(1)〜(6)いずれかに記載の表示素子。
本発明により、ガスバリア性を維持しつつ、薄くて軽い表示素子を得ることが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本明細書における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
まず、図1に従って、本発明の表示素子を有機EL素子で例示して説明する。しかしながら、本発明は図1に示される有機EL素子に限定されるものではないことは言うまでもない。
図1(a)は、有機EL素子の基板11と、該基板上に設けられた一対の電極12と、該電極間に設けられた有機化合物層13とを有する有機EL部材1と、基材フィルム21と、基材フィルム上に設けられた無機領域22である無機層と有機領域23である有機層とを有するガスバリアフィルム2をそれぞれ示したものである。
ここで、有機EL部材1は、基板と電極の間、電極間、電極上に後述するような他の構成層を有していても良い。一方、ガスバリアフィルム2は、該図では、基材フィルム21が設けられているが、本発明では、必ずしも必須の要件ではない。例えば、仮支持体上に、無機領域および有機領域を設け、後述するように、有機EL部材を封止した後、仮支持体を剥がしても良い。また、図1(a)では、有機領域である有機層と無機領域である無機層が2層づつ交互に積層しているが、有機層および/または無機層は1層であってもよいし、3層であってもよい。また、後述するように有機領域と無機領域が層として明確に区別されない構成であってもよい。さらに、ガスバリアフィルム2は、他の構成層を含んでいてもよい。
そして、本発明では、図1(b)に示すように、有機EL部材1の上に、接着層3が設けられており、該接着層に接するようにガスバリアフィルムが設けられている。ここで、「有機EL部材の上に」とは、有機EL部材1の表面に直接に接着層が設けられている場合の他、他の層やフィルムを介している場合を含む趣旨である。そして、本発明では、接着層3と接するガスバリアフィルム2の層は有機領域23であることが好ましい。
また、本発明において、接着層3と、有機領域23の少なくとも1つが、それぞれ、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とすることを特徴とする。このような構成とすることにより、ガスバリア性を高いレベルで維持しつつ、有機EL素子の薄層化および軽量化を達成することができる。さらに、接着層3と該接着層3に接する有機領域23がそれぞれ、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とすることが好ましい。
以下、本発明の表示素子について、さらに詳しく説明する。
(ガスバリアフィルム)
ガスバリアフィルムは大気中の酸素、水分を遮断する機能を有するフィルムである。本発明で用いるガスバリアフィルムは、有機化合物を主成分とする有機領域と無機化合物を主成分とする無機領域を有するバリア層を有する。ここで、「主成分とする」とは、これら化合物が、これらの領域の第一の成分であることをいい、通常、重量比が最も多い成分をいう。ガスバリア層を構成する組成が膜厚方向に有機領域と無機領域が連続的に変化するいわゆる傾斜材料層であってもよいし、有機領域である有機層と無機領域である無機層が交互に積層する構成であってもよい。ここで、有機層とは、有機領域のうち、層として設けられているものをいい、無機層は、無機領域のうち、層として設けられているものをいう。前記傾斜材料の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(20005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料や、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機領域と無機領域が界面を持たない連続的なガスバリア層等が挙げられる。
カスバリアフィルムを構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。なお、バリア層はプラスチックフィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
(接着層および有機領域)
上述のとおり、接着層および有機領域の少なくとも1つ、好ましくは、接着層および該接着層に接する有機領域は、それぞれ、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とする。ここで、「主成分とする」とは、これら重合物が、これらの層の第一の成分であることをいい、通常、重量比が最も多い成分をいう。
ここで、ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。エチレン性不飽和基を有する化合物にはアクリル酸及びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類が含まれる。特にアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類が好ましく、例えば米国特許6,083,628号、6,214,422号明細書に記載の化合物が挙げられる。以下に、本発明で用いるラジカル重合性化合物の好ましい例示を挙げるが、本発明は、これに制限されるものではない。
Figure 0005261028
上記のほか、下記の化合物も用いることができる。
Figure 0005261028
Figure 0005261028
一方、エーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号公報、特開2001−31892号公報、特開2001−40068号公報、特開2001−55507号公報、特開2001−31093 8号公報、特開2001−310937号公報、特開2001−220526号公報、特開2003−335041号公報、特開2007−91925号公報などに記載されているエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明においては、接着層および有機領域は、それぞれ、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の重合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物の重合物を主成分とすることがより好ましい。また、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合の官能基とカチオン重合可能な官能基の両方を分子内に有する化合物も好ましく用いることができる。モノマー重合法としては特に限定は無いが、加熱重合、光(紫外線、可視光線)重合、電子ビーム重合、プラズマ重合、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。加熱重合を行う場合、基材フィルムは相応の耐熱性を有する必要がある。この場合、少なくとも、加熱温度よりもプラスチックフィルムのTg(ガラス転移温度)が高いことが必要である。
光重合を行う場合は、光重合開始剤を併用する。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えばイルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えばダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えばエザキュアTZM、エザキュアTZTなど)等が挙げられる。
照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.5J/cm2以上が好ましく、2J/cm2以上がより好ましい。アクリレート、メタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
このとき、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
さらに、接着層および有機領域の少なくとも1つは、熱膨張率が、20×10-6/℃〜100×10-6/℃であることが好ましい。このような手段を採用することにより、水蒸気や酸素の拡散の低減によると推定される表示素子の寿命が改善される傾向にある。加えて、接着層に用いられる重合物および有機領域の少なくとも1つに用いられる重合物の熱膨張率の差が50×10-6/℃以内であることが表示素子の寿命の改善や製造適性の観点からより好ましい。このような手段を採用することにより、素子駆動時の発熱などによる変形の抑制という効果が得られる。また、接着層および有機領域の少なくとも1つの引っ張り強度は、それぞれ、300〜800kg/cm2の範囲にあることが好ましく、弾性率の差が200kg/cm2以内であることが好ましい。このような手段を採用することにより、表示素子の寿命の改善や取扱い性の向上という効果が得られる。
上記範囲内とするための方法は特に定めるものではなく、接着層および有機領域の少なくとも1つとに用いる重合物の種類を選択して上記範囲内となるようにしてもよいし、フィラー等を添加することにより、調整してもよい。また、これらの効果は、接着層およびこれに接する有機領域が上記要件を満たしているほうがより好ましい。
これらの手段を採用することにより、接着層と該接着層と接する有機領域の密着性がより高められ、結果として、本発明の有機EL素子のガスバリア効果がより顕著に発揮される。
また、フィラーとしては、例えば、珪酸含有フィラー及びアルミニウム含有フィラーからなる群から選択される少なくとも1種の無機フィラーが挙げられる。珪酸含有フィラーとしては、例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、珪酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。アルミニウム含有フィラーとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム等を挙げることができる。また、珪酸アルミニウム、マイカのように珪酸及びアルミニウム含有フィラーであってもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらは、平均粒径0.01〜20μmのものが好ましく、0.1〜0.5μmのものがより好ましい。フィラーの含量は、通常、接着層または該接着層と接する有機領域の層重量の80重量%以下である。
本発明において、接着層および該接着層と接する有機領域の主成分である重合物は、モノマー等を用いて架橋して製膜しても、重合物をそのまま付与してもよい。好ましくは、溶剤等への溶解性の観点から、モノマー等を用いて架橋することが好ましい。さらに、重合物は、光重合開始剤または熱重合開始剤を用いて重合されたものであることが好ましい。
さらに、接着剤層および該接着剤層と接する有機領域には、硬化剤、硬化促進剤、硬化触媒が含有されていてよい。例えば、室温硬化樹脂にあっては、アミン系硬化剤や、イミダゾール系硬化促進剤、アミンアダクト型硬化促進剤、リン系硬化促進剤、有機金属錯体、ポリアミンの尿素化物(ウレア変性ポリアミン)等の硬化促進剤等が使用可能である。
(基材フィルム)
本発明におけるガスアリアフィルムに用いられる基材フィルムは、通常、プラスチックフィルムである。用いられるプラスチックフィルムは、有機領域、無機領域等の積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、金属支持体(アルミニウム、銅、ステンレス等)ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明におけるプラスチックフィルムは耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上および/または線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明な素材からなることが好ましい。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学(株)ネオプリム:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
プラスチックフィルムは透明であること、すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
本発明のガスアリアフィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明のガスアリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるので特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
(無機領域)
無機領域は無機物で構成されガスバリア性を有すれば特に制限はない。無機物としては、典型的には、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、亜鉛、スズの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、水素化物等が挙げられる。これらは純物質でもよいし、複数組成からなる混合物や傾斜材料層でもよい。これらのうち、アルミニウムの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物、または珪素の酸化物、窒化物若しくは酸窒化物が好ましい。ガスバリアフィルムを構成する各無機領域の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10nm〜200nmである。
無機領域の形成方法としては、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、ゾルーゲル法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、具体的には特許登録第3400324号公報、特開2002−322561号公報、特開2002−361774号公報記載の形成方法を採用することができる。
特に、珪素の化合物を成膜する場合、誘導結合プラズマCVD、電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマを用いたPVDまたはCVDのいずれかの形成方法を採用するのが好ましく、誘導結合プラズマCVDによる形成方法を採用するのが最も好ましい。誘導結合プラズマCVDや電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマとを用いたCVD(ECR−CVD)は、例えば、化学工学会、CVDハンドブック、p.284(1991)に記載の方法にて実施することができる。また、電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマとを用いたPVD(ECR−PVD)は、例えば、小野他、Jpn.J.Appl.Phys.23、No.8、L534(1984)に記載の方法にて実施することができる。前記CVDを用いる場合の原料としては、珪素供給源としてシラン等のガスソースや、ヘキサメチルジシラザン等の液体ソースを用いることができる。
(有機領域)
ガスバリアフィルムを構成する有機領域のうち、上記接着層に接する有機領域でない場合は、従来からガスバリアフィルムの有機領域に用いられている材料が広く採用できる。好ましくはラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層である。
(重合性化合物)
本発明で用いる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物(アクリレートとメタクリレートをあわせて(メタ)アクリレートと表記する)、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
以下に、(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005261028
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有機領域は、上述した接着層とそれに接する有機領域と同じ材料もしくは同じ材料を含む組成である有機ポリマーを主成分とする有機ポリマー層で構成されることがより好ましい。
前記有機ポリマーは架橋されていてもよい。また、有機領域中に含まれる有機ポリマーは、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。本発明におけるガスバリアフィルムを作製する際、有機ポリマーを用いて有機領域を成膜する場合には、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合反応および/または架橋反応により形成することができる。
有機領域の形成方法としては、例えば、通常の溶液塗布法や真空成膜法等を挙げることができる。溶液塗布法としては、例えばディップコ−ト法、エア−ナイフコ−ト法、カ−テンコ−ト法、ロ−ラ−コ−ト法、ワイヤ−バ−コ−ト法、グラビアコ−ト法、スライドコート法、或いは、米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコ−ト法や、ポリマーを溶液塗布しても良いし、特開2000−323273公報、特開2004−25732公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いても良い。前記真空成膜法は、特に制限されないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましく、成膜速度を制御しやすい抵抗加熱蒸着法がより好ましい。本発明においては、成膜中もしくは成膜後に有機物を重合することにより、有機ポリマー層を形成することができる。有機物を重合する方法は特に限定は無いが、加熱重合、光(紫外線、可視光線)重合、電子ビーム重合、プラズマ重合、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。
また、未反応モノマーをポリマーに転換するためにポスト重合を行ってもよい。前記ポスト重合は、加熱、光(紫外線、可視光線)照射、電子線照射、プラズマ照射、およびこれらの組み合わせを用いて行うことができる。また、前記ポスト重合は有機領域を設置した直後に行ってもよいし、すべての層を設置した後に行ってもよい。前記有機領域を複数層設置する場合には、各有機領域設置ごとにポスト重合を行ってもよい。このポスト重合によって、未反応モノマーに起因するガス成分の発生や有機領域の機械特性の劣化をより抑制することができる。有機領域は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機領域の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。有機領域の膜硬度は鉛筆硬度としてHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
有機領域の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難となるため、バリア性能を発現させる十分な積層構造が構築できない場合があり、厚すぎると外力によりクラックを発生し、バリア性が低下する可能性がある。かかる観点から、前記有機領域の厚みは、10nm〜2000nmが好ましく、20nm〜1000nmさらに好ましく、50nm〜500nmが最も好ましい。
さらに、本発明で用いるガスバリアフィルムには、上記の他、基材フィルムとガスバリア層との間、或いは、ガスバリアフィルムと接着層の間、該フィルムの最外側にバリアフィルムに付与する機能性層と同様な所望の機能層を設置することができる。このような機能層の例としては前述の様に平滑化層・密着改良層、反射防止層等が挙げられる。
本発明で用いるガスバリアフィルムの40℃・相対湿度90%における水蒸気透過率は、0.01g/m2・day以下であることが好ましく、0.001g/m2・day以下であることがより好ましく、0.0001g/m2・day以下であることが特に好ましい。
また、本発明で用いるガスバリアフィルムの厚さは、10〜1000μmであることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。
<有機EL素子>
次に、有機EL素子の有機EL部材について詳しく説明する。有機EL部材は、基板と、基板上に設けられた陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、または、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでもよく、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割してもよい。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
次に、有機EL部材を構成する各要素について、詳細に説明する。
(基板)
本発明における有機EL素子に用いられる基板は、公知の有機EL素子に用いられる基板が広く採用できる。基板は、樹脂フィルムであってもよいし、ガスバリアフィルムであってもよい。特開2004−136466号公報、特開2004−148566号公報、特開2005−246716号公報、特開2005−262529号公報等に記載のガスバリアフィルムも好ましく用いることができる。
本発明で用いる基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(陽極)
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITOまたはIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
(陰極)
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としては2属金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属または2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属または2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
(発光層)
有機EL部材は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機発光層−
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、または正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、または電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
前記燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子またはランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するものおよびアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(ガスバリアフィルムの作製)
基材フィルムとして、帝人デュポン社からテオネックスQ65FAの商品名で市販されているポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚さ:200μm)を20cm角に裁断したものを用い、その平滑面側に以下のようなバリア層を成膜した。
(1)第1層(有機層1)の形成
PENフィルム上に、下記に示すモノマー混合物(20g)および紫外線重合開始剤(Cibaイルガキュア907の商品名で市販されているもの)0.6gからなる組成物を調整し、有機層を設けた。具体的には、ヴァイテックス・システムズ社製、有機無機積層成膜装置(Guardian200)を用いて、フィルムの平滑面側に有機層を設置した。Guardian200は有機無機積層型のバリア層を作成できる装置である。有機層と無機層を真空一貫成膜するため、有機無機積層体が完成するまで大気に開放されることが無い。同装置の有機層成膜法は内圧3Paでのフラッシュ蒸着であり、重合のための紫外線の照射エネルギーは2J/cm2であった。
モノマー混合物の組成
2−ブチル−2−2エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート(BEPGA)
60重量%
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 20重量%
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA−4EO)
20重量%
Figure 0005261028
(2)第2層(無機層)の形成
引き続き、有機無機積層成膜装置(Guardian200)を用いて、前記第1有機層(有機層1)を設けた基材フィルムを真空から取り出すことなく、その上に第1無機層(酸化アルミニウム)を成膜した。無機成膜はアルミニウムをターゲットとする直流パルスによる反応性スパッタ法(反応性ガスは酸素)による酸化アルミニウム成膜である。成膜圧力は0.1Pa、到達膜厚は40nmであった。
上記(1)および(2)を繰り返して積層し、ガスバリアフィルムを作製した。
さらに、上記において、有機層1を下記表1の組成に変更した。また、「硬化条件」は、有機層作製の際の硬化条件を示している。「光硬化」の場合、上記有機層1の作製と同様の条件で硬化させており、加熱硬化の場合、100℃で、30秒間加熱して硬化させている。また、有機層2〜6については、有機層組成物をメチルエチルケトン(MEK)にて希釈した後塗布して硬化させている。さらに、有機層7については、MEKにて希釈後、塗布して設けている(硬化せず)。
Figure 0005261028
有機EL素子の作製と評価
(1)有機EL部材の作製
ITO膜を有する導電性のガラス基板(表面抵抗値10Ω/□)を2−プロパノールで洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
最後にフッ化リチウムを1nm、金属アルミニウムを100nm順次蒸着して陰極とし、その上に厚さ5μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL部材を作製した。
上記で得られた有機EL部材に下記表2に示す接着層によって、塗布後、加熱あるいは光硬化することにより上記で作製した各バリアフィルムと一体化した。
Figure 0005261028
本実施例で作製した有機EL素子の組み合わせを下記表3に示す。
Figure 0005261028
これらを有機EL素子を、40℃、90%相対湿度で、600時間後のダークスポットに静置し、目視にて評価した。
その結果を下記表4に示す。下記結果より、本実施例で作製した有機EL素子は、優れたガスバリア性を有することが分かった。
Figure 0005261028
これらの有機EL素子は特開2005−26210号公報に記載の画素に分割された素子や特開2006−179352号公報に記載のアクティブトップエミッションの素子の場合でも同様の結果が得られることを確認した。
本実施例で得られた有機EL素子は、いずれも、上記特許文献1(特開2006−228519号公報)に記載の実施例で作製された有機EL素子よりも、著しく素子の厚みが薄く、かつ、素子が軽いことが分かった。
また、基材フィルムの厚みを100μmのPENフィルムに変えた以外は有機層1と接着層1を前述の方法で付与したバリアフィルムと、基材フィルムをPENフィルムから、東レ社からルミラーT60の商品名で市販されている二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み:100μm)に変えた以外は有機層1と接着層1を前述の方法で付与したバリアフィルムをそれぞれ作成したところ、いずれも基材フィルムにかかわらず同等の性能のバリアフィルムを得ることができた。
この基材フィルムを変更したバリアフィルムを用いて同様に有機EL素子を作成したところ、いずれも基材フィルムにかかわらず同等の性能の素子を得ることができた。
図1は、本発明の有機EL素子の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 有機EL部材
11 基板
12 電極
13 有機化合物層
2 ガスバリアフィルム
21 基材フィルム
22 無機領域
23 有機領域
3 接着層

Claims (6)

  1. 基板と、該基板上に設けられた一対の電極と、該一対の電極間に設けられた有機化合物層と、電極上であって有機化合物層が設けられた側とは反対側に設けられた接着層と、該接着層上であって電極が設けられた側とは反対側に該接着層に接するように設けられたガスバリアフィルムとを有し、該ガスバリアフィルムは、少なくとも1つの有機領域と少なくとも1つの無機領域を含むバリア層を有し、かつ、前記有機領域の1つが、接着層と接しており、さらに、該接着層は、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物を主成分とし、かつ該接着層と接する有機領域はラジカル重合性化合物を主成分とする光硬化された有機層である表示素子。
  2. 接着層は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の重合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物の重合物を主成分とし、かつ該接着層と接する有機領域は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の重合物を主成分とする、請求項1に記載の表示素子。
  3. 接着層は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合の官能基とカチオン重合可能な官能基の両方を分子内に有する化合物の重合物を主成分とする、請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 重合物は、光重合開始剤または熱重合開始剤を用いて重合されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の表示素子。
  5. 前記の有機領域と無機領域を含むバリア層が少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示素子。
  6. 前記有機化合物層が電界発光効果により発光することを特徴とする有機EL素子である、請求項1〜5のいずれかに記載の表示素子。
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