以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、ナビゲーションユニット1、リモートコントローラ(以下、「リモコン」と略す)2、表示装置3およびスピーカ4を備えている。
ナビゲーションユニット1は、ナビゲーション装置の全体を制御する。このナビゲーションユニット1については、後に詳細に説明する。
リモコン2は、ユーザが、表示装置3に表示されている画面をスクロールさせたり、経路探索時に目的地または経由地を入力したり、表示装置3またはスピーカ4から出力される操作を促すメッセージに応答したりするために使用される。なお、リモコン2の代わりに、または、リモコン2と併用して、表示装置3の画面に設置されたタッチセンサに直接に触れることにより、各種情報を入力するタッチパネルを設けることもできる。
表示装置3は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)から構成されており、ナビゲーションユニット1から送られてくる表示信号に応じて、地図、自車位置マーク、誘導経路、その他の種々のメッセージを表示する。スピーカ4は、ナビゲーションユニット1から送られてくる音声信号に応じて、誘導案内メッセージを音声で出力する。
次に、ナビゲーションユニット1の詳細を説明する。ナビゲーションユニット1は、制御部11、GPS(Global Positioning System)受信機12、車速センサ13、ジャイロセンサ14、道路情報受信機15、インタフェース部16、マップマッチング部17、経路探索部18、誘導案内部19、地図データベース(DB)20、地図データ処理部21および地図生成部22を備えている。
制御部11は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、ナビゲーションユニット1の全体を制御する。インタフェース部16、マップマッチング部17、経路探索部18、誘導案内部19、地図データ処理部21および地図生成部22は、このマイクロコンピュータの制御の下で動作するアプリケーションプログラムから構成されている。
GPS受信機12は、GPS衛星からアンテナを介して受信されたGPS信号に基づき車両の現在位置を検出する。このGPS受信機12で検出された車両の現在位置を表す現在位置データは、制御部11に送られる。
車速センサ13は、このナビゲーション装置が搭載された車両から送られてくる車速信号に基づき車両の移動速度を検出する。この車速センサ13で検出された車両の移動速度を表す速度データは、制御部11に送られる。ジャイロセンサ14は、車両の進行方位を検出する。このジャイロセンサ14で検出された車両の進行方位を表す方位データは制御部11に送られる。
車速センサ13からの速度データおよびジャイロセンサ14からの方位データを受け取った制御部11は、これら速度データおよび方位データに基づいて自立航法により車両の現在位置を検出して現在位置データを生成する。これにより、例えばトンネルまたはビルディングの谷間に入るなどによってGPS受信機12で車両の現在位置を検出できなくなっても、自立航法によって車両の現在位置を検出できるので、ナビゲーション装置は、常に正しい車両の現在位置を検出できる。
道路情報受信機15は、例えば、道路交通データ通信システムから送信される道路情報信号を受信する。この道路情報受信機15で受信された道路情報信号は、道路情報として制御部11に送られる。制御部11は、この道路情報に基づいて、例えば道路の渋滞を表すメッセージを作成し、表示装置3およびスピーカ4から出力する。
インタフェース部16は、リモコン2から送られてくる指令または図示しない操作パネルが操作されることにより発生される指令を受信し、制御部11に送る。制御部11は、この指令に応じて、画面のスクロール、施設探索、経路探索または誘導案内などを実現するための処理を実行する。
マップマッチング部17は、制御部11から送られてくる現在位置データによって示される自車位置を、地図データベース20から制御部11を介して読み出した地図データによって表される地図に対応させ、地図上に自車位置マークを形成する処理を実行する。このマップマッチング部17の処理結果は、制御部11を介して地図データ処理部21に送られる。
経路探索部18は、制御部11から送られてくる現在位置データによって示される自車の現在位置から、リモコン2または図示しない操作パネルからインタフェース部16および制御部11を介して送られてくる指令によって示される目的地までの経路を、地図データベース20から制御部11を介して取得した地図データに基づき探索する。この経路探索部18で探索された経路は、制御部11を介して地図データ処理部21に送られる。
誘導案内部19は、地図データベース20から制御部11を介して読み出した地図データに基づき、経路探索部18で探索された経路に沿って車両が移動する際に出力するための誘導案内図および音声案内メッセージを生成し、表示装置3およびスピーカ4に送る。これにより、表示装置3に誘導案内図が表示されるとともに、スピーカ4から誘導音声案内メッセージが音声で出力される。
地図データベース20は、道路データおよび施設データといった地図に関連する様々なデータを、地図データとして格納している。この地図データベース20に格納された地図データは、制御部11および地図データ処理部21によって読み出される。地図データ処理部21は、地図データベース20に格納されている地図データを読み出し、この読み出した地図データに基づき種々の処理を実行する。この地図データ処理部21の詳細は後述する。
地図生成部22は、地図データ処理部21から送られてくる表示データに基づき、表示装置3に地図などを表示させるための描画データを生成する。この地図生成部22で生成された描画データは、表示信号として表示装置3に送られる。これにより、表示装置3の画面に、地図、自車位置マーク、誘導経路、その他の種々のメッセージなどが表示される。
次に、地図データ処理部21の詳細を説明する。図2は、地図データ処理部21の機能的な構成を示すブロック図である。この地図データ処理部21は、地図スクロール部31、表示中心指定部32、施設データ探索部33、探索情報解析部34、探索情報表示部35、地図表示部36および地図表示データ取得部37を備えている。
地図スクロール部31は、リモコン2または図示しない操作パネルからインタフェース部16および制御部11を介して送られてくるスクロール指令によって示される地図のスクロール方向を求め、この求めたスクロール方向に存在し、次に表示の中心位置となる複数の位置(以下、「次の表示中心位置」という)を決定する。この地図スクロール部31で決定された次の表示中心位置は、表示中心指定部32に送られる。
表示中心指定部32は、地図スクロール部31から送られてくる次の表示中心位置の中から、描画の中心位置を指定する。この描画の中心位置は、地図をスクロールさせる際のカーソル位置になる。この表示中心指定部32で指定された描画の中心位置は、施設データ探索部33および地図表示部36に送られる。
施設データ探索部33は、表示中心指定部32から送られてく描画の中心位置(カーソル位置)から一定距離の範囲の地図上(スクロール先の地図上)に存在する施設の施設データを地図データベース20から探索する。この施設データ探索部33で探索された施設データは、探索情報解析部34に送られる。
探索情報解析部34は、施設データ探索部33から送られてくる施設データを解析することにより、施設の統計情報(施設の種類毎の件数)を生成するとともに、所定の条件を満たさない不要な施設の情報は除去する。この探索情報解析部34で実行される処理の詳細は後述する。
探索情報表示部35は、探索情報解析部34で生成された統計情報をサブウインドウに表示するための表示データを生成する。サブウインドウは、表示装置3の画面の一部に形成される小さい画面である。この探索情報表示部35で生成された表示データは、地図生成部22に送られる。
地図表示部36は、制御部11から送られてくる現在位置データによって示される現在位置または表示中心指定部32から送られてくる描画の中心位置(カーソル位置)を中心とする地図を表示するための表示データを生成する。この地図表示部36で生成された表示データは、地図表示データ取得部37に送られる。
地図表示データ取得部37は、地図表示に必要なデータを地図データベース20から取得し、地図表示部36から送られてくる表示データに付加した新たな表示データを生成して地図生成部22に送る。地図生成部22は、地図表示データ取得部37から送られてくる表示データと、探索情報表示部35から送られてくる表示データとを合成した描画データを生成し、表示信号として表示装置3に送る。これにより、表示装置3には、地図上に施設の統計情報を含むサブウインドウが重ねられた画面が表示される。
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を説明する。まず、ナビゲーション装置の一般的な動作を説明する。ナビゲーション装置に電源が投入されると、現在位置データおよび地図データの取得が行われる。すなわち、制御部11は、GPS受信機12から取得した現在位置データまたは自律航法により算出した現在位置データを、マップマッチング部17に送る。
マップマッチング部17は、地図データベース20から制御部11を介して地図データを読み出し、制御部11から受け取った現在位置データに対応する位置に自車位置マークを重ね合わせるマッチング処理を行う。このマッチング処理が施された地図データは、制御部11および地図データ処理部21を経由して地図生成部22に送られる。地図生成部22は、マップマッチング部17から送られてくる地図データに基づいて描画データを生成し、表示信号として表示装置3に送る。これにより、表示装置3には、自車の現在位置を中心とする地図が表示される。
次に、地図のスクロール操作が行われた時に実行される解析処理を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ユーザが、リモコン2または図示しない操作パネルを用いてスクロール操作を行うと、表示装置3に表示される地図は、自車の現在位置を中心とする地図から、カーソルを中心とする地図に変更される。具体的には、地図スクロール部31は、リモコン2または図示しない操作パネルからインタフェース部16および制御部11を介してスクロール指令が送られてくると、このスクロール指令によって示される地図のスクロール方向を求めて次の表示中心位置を決定し、表示中心指定部32に送る。表示中心指定部32は、地図スクロール部31から送られてくる次の表示中心位置の中から描画の中心位置を指定し、カーソル位置として施設データ探索部33および地図表示部36に送る。
この状態で、表示中心(カーソル位置)からスクロール方向に一定距離までの施設データが探索される(ステップST11)。すなわち、施設データ探索部33は、表示中心指定部32から送られてく描画の中心位置(カーソル位置)から一定距離の範囲の地図上に存在する施設の施設データを地図データベース20から探索する。
次いで、探索された施設データが取得される(ステップST12)。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST11における探索により得られた全ての施設データを、施設データ探索部33から取得する。その後、ステップST13以下において、施設情報の解析処理が行われる。
解析処理では、まず、営業日を考慮するか否かが調べられる(ステップST13)。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データの中から1つの施設に対応する施設データを取得し、この取得した施設データによって示される施設の営業日を考慮するかどうかを調べる。営業日を考慮するか否かは、ユーザが予め設定しておくように構成できる。
このステップST13において、施設の営業日を考慮しないことが判断されると、シーケンスはステップST14に進む。一方、ステップST13において、施設の営業日を考慮することが判断されると、次いで、営業日であるか否かが調べられる(ステップST14)。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST13で取得した施設データの営業日を参照し、本日(スクロール操作を行った日)が営業日であるかどうかを調べる。
このステップST14において、営業日であることが判断されると、シーケンスはステップST15に進む。一方、ステップST14において、営業日でないことが判断されると、その施設に関する情報はユーザにとって不要であると判断されてカウント対象とされず、シーケンスはステップST20に進む。
ステップST15では、営業時間を考慮するか否かが調べられる。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データによって示される施設の営業時間を考慮するかどうかを調べる。営業時間を考慮するか否かは、ユーザが予め設定しておくように構成できる。
このステップST15において、営業時間を考慮しないことが判断されると、シーケンスはステップST17に進む。一方、ステップST15において、営業時間を考慮することが判断されると、次いで、営業時間内であるか否かが調べられる(ステップST16)。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データの営業時間を参照し、現時刻が営業時間中であるかどうかを調べる。
このステップST16において、営業時間内であることが判断されると、シーケンスはステップST17に進む。一方、ステップST16において、営業時間内でないことが判断されると、その施設に関する情報はユーザにとって不要であると判断されてカウント対象とされず、シーケンスはステップST20に進む。
ステップST17では、施設までの到着予測時間を考慮するか否かが調べられる。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データによって示される施設までの到着時間を考慮するかどうかを調べる。施設までの到着予測時間を考慮するか否かは、ユーザが予め設定しておくように構成できる。
このステップST17において、施設までの到着予測時間を考慮しないことが判断されると、シーケンスはステップST19へ進む。一方、ステップST17において、施設までの到着予測時間を考慮することが判断されると、次いで、営業時間内に到着可能であるか否かが調べられる(ステップST18)。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データによって示される施設の営業時間内に、該施設に到着可能であるかどうかを調べる。
このステップST18において、営業時間内に到着可能であると判断されると、シーケンスはステップST19に進む。一方、ステップST18において、営業時間内に施設に到着可能でないと判断されると、その施設に関する情報はユーザにとって不要であると判断されてカウント対象とされず、シーケンスはステップST20に進む。ステップST19においては、ステップST12で取得された施設に関する情報はユーザにとって必要であると判断され、カウント対象とされる。その後、シーケンスはステップST20に進む。
ステップST20においては、探索された全施設データがチェックされたか否かが調べられる。すなわち、探索情報解析部34は、ステップST12で取得した施設データによって示される全ての施設に対する処理が完了したかどうかを調べる。このステップST20において、探索された全施設データがチェックされていないことが判断されると、シーケンスはステップST13に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップST20において、探索された全施設データがチェックされたことが判断されると、施設の種類毎の個数がまとめられる(ステップST21)。すなわち、探索情報解析部34は、カウント対象とされた施設の種類毎に、施設の個数をまとめた統計情報を作成する。以上により、解析処理は終了する。図4は、解析処理の結果として得られる統計情報の一例を示す図である。
次に、上述した解析処理により得られた統計情報を表示装置3に表示させる画面表示処理を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
画面表示処理では、まず、解析処理の結果が取得される(ステップST31)。すなわち、探索情報表示部35は、探索情報解析部34から、上述した解析処理により得られた統計情報(図4示す情報)を取得する。
次いで、サブウインドウを表示するか否かが調べられる(ステップST32)。すなわち、探索情報表示部35は、サブウインドウを表示するか否かを調べる。なお、サブウインドウを表示するか否かは、ユーザが予め設定しておくように構成できる。また、スクロールに連動して自動的に決定するように構成することもできる。
このステップST32において、サブウインドウを表示させることが判断されると、次いで、地図上の施設アイコンを表示させるか否かが調べられる(ステップST33)。すなわち、探索情報表示部35は、地図上に施設アイコンを表示するか否かを調べる。なお、地図上の施設アイコンを表示するか否かは、ユーザが予め設定しておくように構成できる。
このステップST33において、地図上の施設アイコンを表示させないことが判断されると、サブウインドウに表示させる施設の選択が行われる(ステップST34)。すなわち、探索情報表示部35は、ステップST31で取得した統計情報の中から、サブウインドウに表示させる施設を選択する。その後、シーケンスは、ステップST37に進む。
一方、ステップST33において、地図上の施設アイコンを表示させることが判断されると、サブウインドウと地図上に表示させる施設の選択が行われる(ステップST35)。すなわち、探索情報表示部35は、ステップST31で取得した統計情報の中から、サブウインドウに表示させる施設を選択するとともに、地図上に表示させる施設を選択する。その後、シーケンスは、ステップST37に進む。
上記ステップST32において、サブウインドウを表示させないことが判断されると、従来と同様に、地図上に表示させる施設の選択が行われる(ステップST36)。すなわち、探索情報表示部35は、ステップST31で取得した統計情報の中から、地図上に表示させる施設を選択する。その後、シーケンスは、ステップST37に進む。
ステップST37においては、表示処理が行われる。すなわち、探索情報表示部35は、ステップST34で選択したサブウインドウに表示させる施設、ステップST35で選択したサブウインドウおよび地図上に表示させる施設、または、ステップST36で選択した地図上に表示させる施設を表示させるための表示データを生成し、地図生成部22に送る。
次いで、画面表示が行われる(ステップST38)。すなわち、地図生成部22は、探索情報表示部35から送られてくる施設を表示させるための表示データと、地図表示データ取得部37から送られてくる地図を表示させるための表示データとを合成した描画データを生成し、表示信号として表示装置3に送る。これにより、表示装置3の画面には、地図が表示されるとともに、地図上の施設、または、解析結果によって得られた施設を示すサブウインドウ、または、これらの両方が表示される。
図6は、地図上に解析結果を含むサブウインドウが表示された例を示す図である。ユーザが、地図を矢印で示すスクロール方向にスクロールする操作を行うと、表示画面の中心(十字で示すカーソル位置)を中心とした全方向の解析結果が、表示画面のスクロール方向側に作成されたサブウインドウに表示される。具体的には、サブウインドウには、解析結果として、施設の種類毎の件数が表示される。これにより、スクロール先にある施設を容易に把握できる地図表示が可能になる。
図7は、地図上に解析結果を含むサブウインドウが表示された他の例を示す図である。ユーザが、地図を矢印で示すスクロール方向にスクロールする操作を行うと、表示画面の中心(十字で示すカーソル位置)を中心とした全方向の解析結果が、表示画面のスクロール方向と反対方向側に作成されたサブウインドウに表示される。具体的には、サブウインドウには、解析結果として、施設の種類毎の件数が表示される。これにより、地図をスクロールする方向に存在する道路または施設などの表示を妨げることなく、施設を容易に表示できる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、探索された施設が、カーソルの位置からどの方向に存在するか不明である。これに対し、実施の形態2に係るナビゲーション装置は、ユーザが、探索された施設が存在する方向を視覚的に認識しやすくしたものである。
この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の構成は、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。
次に、実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を、探索された施設とカーソル位置との関係を解析する位置解析処理を中心に、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、この位置解析処理は、図3に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の解析処理によってカウント対象とされた施設に対して行われる。
ユーザが、リモコン2または図示しない操作パネルを用いてスクロール操作を行うことにより上述した解析処理が実行され、この解析処理によりカウント対象が決定した後に、この位置解析処理は開始される。位置解析処理では、まず、カーソルの右上にある施設であるか否かが調べられる(ステップST41)。すなわち、探索情報解析部34は、探索された施設が、画面中心に存在するカーソルの右上に存在する施設であるか否か、具体的には、カーソル位置から見て右上の45度の方位間隔内に存在するか否かを調べる。このステップST41において、カーソルの右上にある施設であることが判断されると、シーケンスはステップST45に進む。
ステップST41において、カーソルの右上にある施設でないことが判断されると、次いで、カーソルの左上にある施設であるか否かが調べられる(ステップST42)。すなわち、探索情報解析部34は、探索された施設が、画面中心に存在するカーソルの左上に存在する施設であるか否か、具体的には、カーソル位置から見て左上の45度の方位間隔内に存在するか否かを調べる。このステップST42において、カーソルの左上にある施設であることが判断されると、シーケンスはステップST45に進む。
ステップST42において、カーソルの左上にある施設でないことが判断されると、次いで、カーソルの右下にある施設であるか否かが調べられる(ステップST43)。すなわち、探索情報解析部34は、探索された施設が、画面中心に存在するカーソルの右下に存在する施設であるか否か、具体的には、カーソル位置から見て右下の45度の方位間隔内に存在するか否かを調べる。このステップST43において、カーソルの右下にある施設であることが判断されると、シーケンスはステップST45に進む。
ステップST43において、カーソルの右下にある施設でないことが判断されると、カーソルの左下にある施設であることが決定される(ステップST44)。すなわち、探索情報解析部34は、探索された施設が、画面中心に存在するカーソルの左下に存在する施設である、具体的には、カーソル位置から見て左下の45度の方位間隔内に存在する施設であることを判断し、その後、シーケンスはステップST45に進む。
ステップST45においては、施設の種類毎かつ位置毎の個数が表にまとめられる。すなわち、探索情報解析部34は、カウント対象とされた施設の種類毎かつ位置毎に、その個数をまとめた統計情報を作成する。上述した処理は、図示は省略しているが、探索された全ての施設に対して行われる。以上により、位置解析処理は終了する。図9は、位置解析処理の結果として得られる統計情報の一例を示す図である。
以上の位置解析処理により得られた統計情報は、上述した図5に示すフローチャートにより実現される画面表示処理によって、表示装置3に表示される。図10は、地図上に位置解析結果を含む4個のサブウインドウが表示された例を示す図である。ユーザが、地図のスクロール操作を行うと、カーソル位置を中心とした全方向の解析結果が方向毎に分類され、この分類された施設の種類および数が、左上、左下、右上および右下といった4つの方位間隔の方向に作成されたサブウインドウに表示される。これにより、ユーザは、施設が存在する方向を視覚的に判断することが容易になる。
なお、上述した実施の形態2に係るナビゲーション装置では、全方位を4個の方位間隔に分け、地図上に表示するサブウインドウを4つ(4方向)だけ設けたが、全方位を任意の数の方位間隔に分け、各方位間隔に対応させてサブウインドウを設けるように構成することができる。
また、図10に示す例では、地図上に表示するサブウインドウの形状を角丸四角形としたが、サブウインドウの形状は角丸四角形に限らず、矩形または楕円形などといった、その他の形状を有するよう構成できる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、カーソルの位置からどの程度離れた場所に探索された施設が存在するか不明である。これに対し、実施の形態3に係るナビゲーション装置は、ユーザが、探索された施設が存在する位置までの距離を視覚的に認識しやすくしたものである。
この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の構成は、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。
次に、実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を、探索された施設とカーソル位置からの距離を解析する距離解析処理を中心に、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、この距離解析処理は、図3に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の解析処理によってカウント対象とされた施設に対して行われる。
ユーザが、リモコン2または図示しない操作パネルを用いてスクロール操作を行うことにより上述した解析処理が実行され、この解析処理によりカウント対象が決定した後に、この距離解析処理は開始される。距離解析処理では、まず、1km以内にある施設であるか否かが調べられる(ステップST51)。すなわち、探索情報解析部34は、画面中心に存在するカーソルの位置から、探索された施設までの距離が1km以内であるか否かを調べる。このステップST51において、1km以内にある施設であることが判断されると、シーケンスはステップST54に進む。
ステップST51において、1km以内にある施設でないことが判断されると、次いで、5km以内にある施設であるか否かが調べられる(ステップST52)。すなわち、探索情報解析部34は、画面中心に存在するカーソルの位置から、探索された施設までの距離が5km以内であるか否かを調べる。このステップST52において、5km以内にある施設であることが判断されると、シーケンスはステップST54に進む。
ステップST52において、5km以内にある施設でないことが判断されると、5km以上先にある施設であることが決定される(ステップST53)。すなわち、探索情報解析部34は、探索された施設が、画面中心に存在するカーソルの位置から5km以上先に存在することを判断し、その後、シーケンスはステップST54に進む。
ステップST54においては、施設の種類毎かつ距離毎の個数が表にまとめられる。すなわち、探索情報解析部34は、カウント対象とされた施設の種類毎かつ距離毎に、その個数をまとめた統計情報を作成する。上述した処理は、図示は省略しているが、探索された全ての施設に対して行われる。以上により、距離解析処理は終了する。図12は、距離解析処理の結果として得られる統計情報の一例を示す図である。
以上の距離解析処理により得られた統計情報は、上述した図5に示すフローチャートにより実現される画面表示処理によって、表示装置3に表示される。ユーザが、地図のスクロール操作を行うと、カーソル位置を中心とした全方向の解析結果として施設の種類毎かつ施設までの距離毎の件数が得られ、これがサブウインドウに表示される。これにより、ユーザは、施設までの距離を視覚的に判断することが容易になる。
図13は、地図上に距離解析結果を含むサブウインドウが表示された例を示す図である。ユーザが、地図をスクロールする操作を行うと、画面の中心(十字で示すカーソル位置)を中心とした全方向の解析結果が、表示画面の一部(図13に示す例では右側)に作成されたサブウインドウに表示される。具体的には、サブウインドウには、解析結果として、施設の種類毎および施設までの距離毎(「1km以内」、「5km以内」および「5km以上」といった3種類の距離毎)に施設の件数が横棒グラフで表示される。なお、「1km以内」、「5km以内」および「5km以上」といった各項目に異なる色を付して表示することもできる。
図14は、地図上に距離解析結果を含むサブウインドウが表示された他の例を示す図である。図12の表に示す距離「1km以内」を「近」、「5km以内」を「中」および「5km以上」を「遠」で表したものである。なお、「近」、「中」および「遠」といった各項目に異なる色を付して表示することもできる。
図15は、地図上に距離解析結果を含むサブウインドウが表示されたさらに他の例を示す図である。図12の表に示す距離「1km以内」、「5km以内」および「5km以上」を3次元の縦棒グラフで表したものである。なお、図15では記載していないが、図13および図14に示したように、各縦棒グラフの凡例を表示することもできる。
なお、上述した実施の形態3に係るナビゲーション装置では、画面中心にあるカーソルの位置から探索した施設までの距離を「1km以内」、「5km以内」および「5km以上」といった3種類に分類したが、この距離は3種類に限らず、任意の数に分類するように構成できる。
実施の形態4.
上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、カーソルの位置から探索された施設に到着するまでに要する時間が不明である。これに対し、実施の形態4に係るナビゲーション装置は、ユーザが、探索された施設に到着するまでに要する時間を視覚的に認識しやすくしたものである。
この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置の構成は、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。
次に、実施の形態4に係るナビゲーション装置の動作を、カーソルの位置から探索された施設に到着するまでに要する時間を解析する時間解析処理を中心に、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、この時間解析処理は、図3に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の解析処理によってカウント対象とされた施設に対して行われる。
ユーザが、リモコン2または図示しない操作パネルを用いてスクロール操作を行うことにより上述した解析処理が実行され、この解析処理によりカウント対象が決定した後に、この時間解析処理は開始される。時間解析処理では、まず、5分以内に到着できる施設であるか否かが調べられる(ステップST61)。すなわち、探索情報解析部34は、画面中心に存在するカーソルの位置から、探索された施設に到着するまでに要する時間が5分以内であるか否かを調べる。このステップST61において、5分以内に到着できる施設であることが判断されると、シーケンスはステップST64に進む。
ステップST61において、5分以内に到着できる施設でないことが判断されると、次いで、10分以内に到着できる施設であるか否かが調べられる(ステップST62)。すなわち、探索情報解析部34は、画面中心に存在するカーソルの位置から、探索された施設に到着するまでに要する時間が10分以内であるか否かを調べる。このステップST62において、10分以内に到着できる施設であることが判断されると、シーケンスはステップST64に進む。
ステップST62において、10分以内に到着できる施設でないことが判断されると、到着に10分以上かかる施設であることが決定される(ステップST63)。すなわち、探索情報解析部34は、画面中心に存在するカーソルの位置から、探索された施設に到着するまでに要する時間が10分以上であることを判断し、その後、シーケンスはステップST64に進む。
ステップST64においては、施設の種類毎かつ時間毎の個数がまとめられる。すなわち、探索情報解析部34は、カウント対象とされた施設の種類毎かつ時間毎に、その個数をまとめた統計情報を作成する。上述した処理は、図示は省略しているが、探索された全ての施設に対して行われる。以上により、時間解析処理は終了する。図17は、時間解析処理の結果として得られる統計情報の一例を示す図である。
以上の時間解析処理により得られた統計情報は、上述した図5に示すフローチャートにより実現される画面表示処理によって、表示装置3に表示される。ユーザが、地図のスクロール操作を行うと、カーソル位置を中心とした全方向の解析結果として施設の種類毎かつ施設までの時間毎の件数が得られ、これがサブウインドウに表示される。これにより、ユーザは、施設までの時間を視覚的に判断することが容易になる。
図18は、地図上に時間解析結果を含むサブウインドウが表示された例を示す図である。ユーザが、地図をスクロールする操作を行うと、表示画面の中心(十字で示すカーソル位置)を中心とした全方向の解析結果が、表示画面の一部(図13に示す例では右側)に作成されたサブウインドウに表示される。具体的には、サブウインドウには、解析結果として、施設の種類毎および施設に到着するまでの時間毎(「5分以内」、「10分以内」および「10分以上」といった3種類の時間毎)に施設の件数が横棒グラフで表示される。なお、「5分以内」、「10分以内」および「10分以上」といった各項目に異なる色を付して表示することもできる。
図19は、地図上に時間解析結果を含むサブウインドウが表示された他の例を示す図である。図18に示す時間「5分以内」を「近」、「10分以内」を「中」および「10分以上」を「遠」で表したものである。なお、「近」、「中」および「遠」といった各項目に異なる色を付して表示することもできる。
図20は、地図上に時間解析結果を含むサブウインドウが表示されたさらに他の例を示す図である。図19に示す時間「5分以内」、「10分以内」および「10分以上」を3次元の縦棒グラフで表したものである。なお、図20では記載していないが、図18および図19に示したように、各縦棒グラフの凡例を表示することもできる。
なお、上述した実施の形態4に係るナビゲーション装置では、画面中心にあるカーソルの位置から探索した施設までの時間を「5分以内」、「10分以内」および「10分以上」といった3種類に分類したが、この時間は3種類に限らず、任意の数の種類に分類することができる。
ところで、地図データベース20は、一般に、パーセルと呼ばれる矩形の空間領域に分割されており、このパーセルを用いて施設データを探索する範囲を定めるように構成できる。すなわち、施設データ探索部33は、指定された距離と方向によってどのパーセルから施設データを探索すべきかを決定する。
上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置では、図21(a)に示すように、スクロール方向が右方向である場合は、現在表示中のパーセルの右に存在する1つのパーセルを探索対象パーセルとし、図21(b)に示すように、スクロール方向が上方向である場合は、現在表示中のパーセルの上に存在する1つのパーセルを探索対象パーセルとし、図21(c)に示すように、スクロール方向が右上である場合は、現在表示中のパーセルの右上に存在する1つのパーセルを探索対象パーセルとしてそれぞれ施設データを探索するように構成できる。なお、図示は省略するが、スクロール方向が左方向、下方向、右下方向、左上方向および左下方向の場合も、これらの方向に存在する1つのパーセルを探索対象パーセルとすることができる。
また、施設データ探索部33は、スクロール方向に存在する1つのパーセルだけでなく、スクロール方向に関連する方向に存在する複数のパーセルを探索対象パーセルとすることもできる。例えば、図22(a)に示すように、スクロール方向が右である場合は、現在表示中のパーセルの右、右上、上、右下および下に存在する5つのパーセルを探索対象パーセルとし、図22(b)に示すように、スクロール方向が上である場合は、現在表示中のパーセルの上、左上、左、右上および右に存在する5つのパーセルを探索対象パーセルとし、図22(c)に示すように、スクロール方向が右上である場合は、現在表示中のパーセルの右上、上および右に存在する3つのパーセルを探索対象パーセルとしてそれぞれ施設データを探索するように構成できる。なお、図示は省略するが、スクロール方向が左方向、下方向、右下方向、左上方向および左下方向の場合も、これらの方向の方位間隔内に存在する複数のパーセルを探索対象パーセルとすることができる。
また、施設データ探索部33は、スクロール方向の近傍に存在する1つのパーセルだけでなく、現在表示中のパーセルの周囲の全てのパーセルを探索対象パーセルとすることもできる。例えば、図23(a)に示すように、スクロール方向が右である場合、図23(b)に示すように、スクロール方向が上である場合、および、図23(c)に示すように、スクロール方向が右上である場合のいずれであっても、現在表示中のパーセルの周囲の全てのパーセルを探索対象パーセルとして施設データを探索するように構成できる。なお、図示は省略するが、スクロール方向が左方向、下方向、右下方向、左上方向および左下方向の場合も同様である。
以上説明したパーセルを用いて施設データを探索する範囲を定める場合、地図のスクロール時、現在表示中のパーセル以外のパーセルの施設データが、画面上にサブウインドウとして表示される。なお、上述した例では、現在表示中のパーセルに隣接するパーセルを探索対象パーセルとしたが、さらに、その外側に存在するパーセルを探索対象パーセルとすることもできる。この場合、探索対象とするパーセルの範囲をユーザが任意に設定できるように構成することができる。探索対象とするパーセルの範囲は、スクロール方向のパーセル数によって決定するように構成することもできる。
また、地図のスクロール操作を継続した場合、スクロール速度が増加するように構成されたナビゲーション装置においては、探索対象パーセルは、次のように決定することができる。図24は、スクロール速度が増加する場合に探索対象パーセルを決定する動作を説明するための図である。
スクロール操作により右方向へのスクロールが開始された場合、探索対象パーセルの地図の縮尺は、表示中パーセルの地図の縮尺と同じであるが、スクロール速度が増加した場合は、探索対象パーセルの地図の縮尺は、表示中パーセルの地図より広域の地図(上層の地図)の縮尺に変更される。したがって、実際の探索範囲は、スクロール速度が増加する前の範囲より広くなり、この広くなった範囲から施設データが探索される。この構成によれば、施設データの探索を、より効率的に行うことができる。
上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置では、地図のスクロール操作を止めたときに、現在表示中のパーセルおよび周辺に存在する探索対象パーセルの中に位置する施設が表示されることになるが、地図のスクロール操作を継続しながら現在表示中のパーセルおよび周辺に存在する探索対象パーセルの中に位置する施設を表示する用に構成することもできる。
また、上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置では、スクロール操作を行ったときに施設探索が行われるように構成したが、施設探索は、停車中または走行中に行うように構成することもできる。
また、上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置においては、ユーザがあらかじめ必要とする施設のカテゴリやサブカテゴリなどを指定しておき、指定されたカテゴリやサブカテゴリに属する施設のみを表示するように構成できる。
また、上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置では、縮尺に応じて表示する施設のカテゴリやサブカテゴリなどを予め指定しておき、指定されたカテゴリやサブカテゴリに属する施設のみをサブウインドウに表示するように構成することもできる。
さらに、上述した実施の形態1〜実施の形態4に係るナビゲーション装置では、ヘッドアップとノースアップが変更されることによりスクロール方向が変更された場合であっても、上述したのと同様の解析結果が得られる。