JP5257331B2 - 払拭性表面層材料、払拭性保護層材料、及び、払拭性化粧板 - Google Patents
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Description
近年ではユーザーニーズが多様化し、単なる装飾材としてだけではなく、汚れが付着しにくい化粧板、あるいは、付着した汚れを簡易に払拭できる化粧板など、意匠性に加えて高度の防汚性能が求められるようになってきた。
従来、化粧板表面の払拭性を改善する手段として、シリコーン樹脂などの払拭性物質を添加することが行われてきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかし、添加量が多くなることや、材料を製造する際のはじきや白濁などの発生により、化粧層の色柄の鮮明さを欠くという問題点があった。
(1)化粧板に用いられる払拭性表面層材料であって、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有し、上記第一の面側にさらに払拭性樹脂層が形成されており、
上記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする払拭性表面層材料。
(2)上記払拭性樹脂層は、固形分量で2〜20g/m2形成されている上記(1)に記載の払拭性表面層材料。
(3)上記シランカップリング剤は、有機基と反応性を有する官能基として、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものである上記(1)又は(2)に記載の払拭性表面層材料。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の払拭性表面層材料と、芯材層基材に熱硬化性樹脂を含浸させた芯材層材料とを積層してなる化粧板であって、上記払拭性表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなることを特徴とする払拭性化粧板。
(5)化粧板に用いられる払拭性保護層材料であって、保護層基材にメラミン樹脂が含浸され、第一の面と、第二の面とを有し、上記第一の面側に、さらに払拭性樹脂層が形成され、
上記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする払拭性保護層材料。
(6)上記払拭性樹脂層は、固形分量で2〜20g/m2形成されるものである上記(5)に記載の払拭性保護層材料。
(7)上記シランカップリング剤は、有機基と反応性を有する官能基として、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものである上記(5)又は(6)に記載の払拭性保護層材料。
(8)上記(5)ないし(7)のいずれかに記載の払拭性保護層材料と、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有する表面層材料と、芯材層基材に熱硬化性樹脂が含浸された芯材層材料とを積層してなる化粧板であって、上記払拭性保護層材料の第二の面側に、上記表面層材料の第一の面側を積層し、さらに、上記表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなることを特徴とする払拭性化粧板。
本発明の払拭性表面層材料は、化粧板に用いられる払拭性表面層材料であって、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有し、上記第一の面側にさらに払拭性樹脂層が形成されており、
上記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。
上記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。
また、本発明の払拭性化粧板は、上記払拭性保護層材料と、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有する表面層材料と、芯材層基材に熱硬化性樹脂が含浸された芯材層材料とを積層してなる化粧板であって、上記払拭性保護層材料の第二の面側に、上記表面層材料の第一の面側を積層し、さらに、上記表面層材
料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなることを特徴とする。
この払拭性化粧板101は、図1に示すように、本発明の払拭性表面層材料11と芯材層材料10とからなる。
払拭性表面層材料11は、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有する表面層材料11Aと、この表面層材料11Aの第一の面側に形成された払拭性樹脂層11Bとから構成される。
そして、払拭性化粧板101は、払拭性表面層材料11の第二の面側に、芯材層材料10を一枚あるいは複数枚積層してなるものである。図1においては、芯材層材料10は3枚積層されている。
この払拭性化粧板201は、図2に示すように、本発明の払拭性保護層材料22と、表面層材料21と、芯材層材料20とからなる。
払拭性保護層材料22は、保護層基材にメラミン樹脂が含浸され、第一の面と、第二の面とを有する保護層材料22Aと、この保護層材料22Aの第一の面側に形成された払拭性樹脂層22Bとから構成される。表面層材料21は、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有する。
そして、払拭性化粧板201は、払拭性保護層材料22の第二の面側に、表面層材料21の第一の面側を積層し、さらに、表面層材料21の第二の面側に、芯材層材料20を一枚あるいは複数枚積層してなるものである。図2においては、芯材層材料20は3枚積層されている。
これらの表面層材料に用いられる表面層基材としては、第一の面側に意匠面が形成されたシート状の基材であり、その材質としては特に限定されないが、好ましくは、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維などを用いることができ、例えば、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙などを用いることができる。
表面層基材の坪量としては特に限定されないが、坪量80〜150g/m2のものを好適に用いることができる。
表面層基材へのメラミン樹脂の含浸量としては、固形分換算で、表面層材料に対するメラミン樹脂の含有率を、例えば45〜80重量%とすることができる。
本発明の払拭性表面層材料は、上記で説明した表面層材料の第一の面側に、さらに払拭性樹脂層が形成されており、この払拭性樹脂層は、払拭性樹脂組成物により形成されるものである。
.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有するものを用いることができる。
シリコーンオイルとは、シロキサン結合の繰り返し単位からなる主鎖を有し、アルキル基やアリール基を有する化合物である。カルビノール変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルに、反応性官能基としてメチロール基などを導入したものであり、メラミン樹脂との反応性に富むものであるので、シリコーンオイルが有する撥水性、撥油性という特性を、化粧板の長期の使用に際しても持続させることができる。
このように、払拭性樹脂組成物にカルビノール変性シリコーンオイルを用いることにより、化粧板の良好な意匠性を損なうことなく、少量の使用で化粧板に優れた防汚性、払拭性を付与することができる。
配合量が0.1重量%未満の場合、上記効果を充分に発現できないことがある。また、1.0重量%を超えると、化粧板表面に白濁などの外観上の問題が起こることがある。
通常、水系であるメラミン樹脂含有組成物にシリコーンオイルを添加、混合する場合には、分離防止のため分散剤が使用される。しかし、使用する分散剤によってはシリコーンオイルにより発現する効果を阻害する場合がある。
本発明で使用されるシランカップリング剤とは、分子中に有機基と反応性を有する官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物である。メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂ワニスに所定量のシランカップリング剤を添加し、加水分解させた後に上記カルビノール変性シリコーンオイルを添加、攪拌することにより、良好な分散状態の払拭性樹脂組成物を得ることができる。そして、払拭性樹脂組成物の均一混合性を高め、カルビノール変性シリコーンオイルの作用を効果的に発現させることができる。
これらの中でも、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものであることが好ましい。これにより、メラミン樹脂との相溶性、反応性に優れ、払拭性樹脂組成物の均一性をより高めることができるので、カルビノール変性シリコーンオイルの作用をさらに効果的に発現させることができる。
また、加水分解性のケイ素基としてはアルコキシシリル基、メトキシシリル基、エトキシシリル基が好ましい。
配合量が0.05重量%未満の場合、良好な分散状態を確保できないことがある。また、0.3重量%を超えて配合しても、分散状態に差異が見られなくなる。
払拭性樹脂層が上記下限値より少ないと、充分な防汚性、払拭性の効果を発現できない
ことがある。また、上記上限値を超えると、払拭性樹脂層の形成量によっては払拭性樹脂層にクラックや白濁などの外観上の問題が起こることがある。
払拭性樹脂組成物ワニスを塗布又は塗工する方法としては特に限定されないが、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、ナイフロール法、ロールコート法、ダイコート法、カーテンコート法などの方法を適用することができる。これらの中でも、スプレーコート法、グラビアコート法が少量の塗布、塗工に対応しやすいため好ましい。
まず、払拭性保護層材料22に用いられる保護層材料22Aについて説明する。
保護層材料に用いられる保護層基材としては、シート状の基材であり、その材質としては特に限定されないが、好ましくは、晒しパルプなどを用いることができる。
保護層基材の坪量としては特に限定されないが、坪量20〜60g/m2のものを好適に用いることができる。
保護層基材へのメラミン樹脂の含浸量としては、固形分換算で、保護層材料に対するメラミン樹脂の含有率を、例えば50〜100重量%とすることができる。
払拭性樹脂層が上記下限値より少ないと、充分な防汚性、払拭性の効果を発現できないことがある。また、上記上限値を超えると、払拭性樹脂層の形成量によっては払拭性樹脂層にクラックや白濁などの外観上の問題が起こることがある。
払拭性樹脂組成物ワニスを塗布又は塗工する方法としては特に限定されないが、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、ナイフロール法、ロールコート法、ダイコート法、カーテンコート法などの方法を適用することができる。これらの中でも、スプレーコート法、グラビアコート法が少量の塗布、塗工に対応しやすいため好ましい。
これらの芯材層材料は、芯材層基材に熱硬化性樹脂を含浸させてなるものである。芯材層基材としては特に限定されないが、クラフト紙などを好適に用いることができる。
芯材層基材の坪量としては特に限定されないが、坪量150〜250g/m2のものを好適に用いることができる。
芯材層基材への熱硬化性樹脂の含浸量としては、固形分換算で、芯材層材料に対する熱硬化性樹脂の含有率を、例えば30〜70重量%とすることができる。
芯材層材料は、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化樹脂ワニスを芯材層基材に含浸させ、これを乾燥させることにより得ることができる。
本発明の払拭性化粧板は、下記の二形態がある。
本発明の払拭性化粧板の第一の形態は、上記払拭性表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなるものである。すなわち、第一の形態の払拭性化粧板は、上記払拭性表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧成形することにより得ることができる。
また、本発明の払拭性化粧板の第二の形態は、上記払拭性保護層材料の第二の面側に、上記表面層材料の第一の面側を積層し、さらに、上記表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなるものである。すなわち、第二の形態の払拭性化粧板は、上記払拭性保護層材料の第二の面側に、上記表面層材料の第一の面側を重ね合わせ、さらに、上記表面層材料の第二の面側に、上記芯材層材料を一枚あるいは複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧成形することにより得ることができる。
そして、成形時には鏡面仕上げ板、エンボス板またはエンボスフィルム等を外側に重ね合わせることができる。これにより、払拭性化粧板表面を鏡面仕上げ、エンボス仕上げ等に仕上げることができる。
本発明の払拭性化粧板においては、上記の表面仕上げをエンボス仕上げとすることにより、指紋などの汚れを見えにくくする効果を発現させることができる。
払拭性樹脂層が上記所定量のカルビノール変性シリコーンオイルを含有することにより、化粧板表面において高い撥水性、撥油性を発現させることができる。また、上記所定量のシランカップリング剤を含有することにより、カルビノール変性シリコーンオイルの分散性を向上させ、撥水性、撥油性の効果の均一性を大きく高めることができる。
そして、払拭性樹脂層がメラミン樹脂を含有することにより、化粧板表面に表面硬度、耐汚染性、透明性を付与するとともに、払拭性表面層材料が有する払拭性樹脂層と表面層
材料、あるいは、払拭性保護層材料が有する払拭性樹脂層と保護層材料との接着性を高めることができる。
本発明の化粧板は、このような特性を有することにより、キッチン廻り、テーブル、家具などに特に好適に用いることができるものである。
実施例、比較例で示される「%」は「重量%」を表す。
(1)払拭性表面層材料
(1.1)表面層材料
表面層基材として、坪量80g/m2の酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材に、メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.3%を添加したメラミン樹脂ワニスを塗布した後乾燥し、表面層材料に対するメラミン樹脂分50%、揮発分6%の表面層材料を得た。
(1.2)払拭性表面層材料
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」/有機基と反応性を有する官能基としてエポキシ基を有するもの)0.2%を添加し、10分間攪拌した後、カルビノール変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−4015」)0.5%を添加、攪拌し、払拭性樹脂組成物ワニスを得た。
上記で得られた表面層材料の意匠面側(第一の面側)に、スプレーコート法で上記払拭性樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で10g/m2の払拭性樹脂層が形成された払拭性表面層材料を得た。
芯材層基材として、坪量190g/m2の未晒しクラフト紙を用いた。
上記基材に、フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)とを反応モル比(F/P)=1.3として反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂ワニス(樹脂固形分50%)を塗布した後乾燥し、芯材層材料に対するフェノール樹脂分35%、揮発分6%の芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた払拭性表面層材料の第二の面側(意匠面と反対側)に、上記(2)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.2mmの払拭性化粧板を得た。
(1)払拭性表面層材料
実施例1(1)(1.1)と同様にして、表面層材料を得た。
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」)0.2%を添加し、10分間攪拌した後、カルビノール変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−4015」)0.8%を添加、攪拌し、払拭性樹脂組成物ワニスを得た。
上記で得られた表面層材料の意匠面側(第一の面側)に、スプレーコート法で払拭性樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で8g/m2の払拭性樹脂層が形成された払拭性表面層材料を得た。
実施例1(2)と同様にして、芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた払拭性表面層材料の第二の面側(意匠面と反対側)に、上記(2)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.2mmの払拭性化粧板を得た。
(1)払拭性保護層材料
(1.1)保護層材料
保護層基材として、坪量40g/m2の晒しパルプ紙を用いた。
上記基材に、メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.3%を添加したメラミン樹脂ワニスを塗布した後乾燥し、保護層材料に対するメラミン樹脂分60%、揮発分5%の保護層材料を得た。
(1.2)払拭性保護層材料
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」)0.2%を添加し、10分間攪拌した後、カルビノール変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−4015」)0.5%を添加、攪拌し、払拭性樹脂組成物ワニスを得た。
上記で得られた保護層材料の第一の面側に、スプレーコート法で払拭性樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で8g/m2の払拭性樹脂層が形成された払拭性保護層材料を得た。
表面層基材として、坪量80g/m2の酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材に、メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.3%を添加したメラミン樹脂ワニスを塗布した後乾燥し、表面層材料に対するメラミン樹脂分50%、揮発分6%の表面層材料を得た。
実施例1(2)と同様にして、芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた払拭性保護層材料の第二の面側に、上記(2)で得られた表面層材料の意匠面側を重ね合わせ、その反対側に、上記(3)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.25mmの払拭性化粧板を得た。
(1)樹脂層付き表面層材料
実施例1(1)(1.1)と同様にして、表面層材料を得た。
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%を添加、攪拌し、メラミン樹脂ワニスを得た。
上記で得られた表面層材料の意匠面側(第一の面側)に、スプレーコート法で上記メラミン樹脂ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で11g/m2のメラミン樹脂層が形成された樹脂層付き表面層材料を得た。
実施例1(2)と同様にして、芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた樹脂層付き表面層材料の第二の面側に、上記(2)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.2mmの化粧板を得た。
(1)樹脂層付き表面層材料
実施例1(1)(1.1)と同様にして、表面層材料を得た。
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」)0.2%を添加し、10分間攪拌した後、カルビノール変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−4015」)1.5%を添加、攪拌し、樹脂組成物ワニスを得た。
上記で得られた表面層材料の意匠面側(第一の面側)に、スプレーコート法で上記樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で8g/m2のメラミン樹脂層が形成された樹脂層付き表面層材料を得た。
実施例1(2)と同様にして、芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた樹脂層付き表面層材料の第二の面側(意匠面と反対側)に、上記(2)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.2mmの化粧板を得た。
(1)樹脂層付き表面層材料
実施例1(1)(1.1)と同様にして、表面層材料を得た。
メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50%)のメラミン樹脂固形分に対して触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」)0.4%、内部離型剤(中京油脂社製「セパール328」)0.2%を添加し、10分間攪拌した後、カルビノール変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−4015」)0.5%を添加、攪拌し、樹脂組成物ワニスを得た。樹脂組成物ワニスは均一ではなく、分離が見られた。
上記で得られた表面層材料の意匠面側(第一の面側)に、スプレーコート法で上記樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥させ、固形分量で10g/m2のメラミン樹脂層が形成された
樹脂層付き表面層材料を得たが、表面にはじき、白濁が発生した。
実施例1(2)と同様にして、芯材層材料を得た。
上記(1)で得られた樹脂層付き表面層材料の第二の面側(意匠面と反対側)に、上記(2)で得られた芯材層材料5枚を重ね合わせ、さらに、外側にプレスプレートを配して、圧力8MPa、化粧板最高温度140℃となるようにプレス装置で加熱加圧成形して、厚みが1.2mmの化粧板を得た。
評価項目ならびに評価方法は以下の通りである。
化粧板の加熱加圧成形後の意匠面側の外観を目視で確認した。
(2)プレスプレートの状態
化粧板の加熱加圧成形の際に、意匠面側に用いたプレスプレートの状態を目視で確認した。
(3)油性マジック拭き取り性
化粧板表面に油性マジックで直径10mm程度の円を描き、これをティッシュペーパーで拭き取り、拭き取り性の比較を行った。
(4)耐汚染性
JIS K 6902(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)の耐汚染性試験に準拠して実施した。化粧板表面に薬品を滴下し、24時間放置後、拭き取り性を評価した。薬品として、青インキ及び1%沃素アルコール溶液を用いた。24時間放置後流水で洗浄し、次いで表面をメタノールで拭き取った。拭き取れなかった場合は、続いて研磨剤液を用いて拭き取った。符号は以下の通りである。
◎:汚染を流水で洗浄し拭き取ることが出来た
○:汚染をメタノールで拭き取ることが出来た
△:汚染を研磨剤液で拭き取ることが出来た
×:汚染を研磨剤液でも拭き取ることが出来なかった
比較例1は、カルビノール変性シリコーンオイル、及び、シランカップリング剤を含有しない樹脂層を表面に有する化粧板であるが、払拭性、防汚性において低下が見られた。
比較例2は、カルビノール変性シリコーンオイルを所定量よりも多く配合した樹脂層を表面に有する化粧板であるが、化粧板の外観において低下が見られた。
比較例3は、カルビノール変性シリコーンオイルは含有するが、シランカップリング剤を含有しない樹脂層を表面に有する化粧板であり、化粧板外観、払拭性、防汚性において低下が見られた。
本発明の払拭性化粧板は、耐汚染性要求が高く、洗浄メンテナンスが日常的に必要とされるキッチン廻り、テーブル、家具用途等に好適に使用されるものである。
10 芯材層材料
11 払拭性表面層材料
11A 表面層材料
11B 払拭性樹脂層
201 払拭性化粧板
20 芯材層材料
21 表面層材料
22 払拭性保護層材料
22A 保護層材料
22B 払拭性樹脂層
Claims (8)
- 化粧板に用いられる払拭性表面層材料であって、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有し、前記第一の面側にさらに払拭性樹脂層が形成されており、
前記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする払拭性表面層材料。 - 前記払拭性樹脂層は、固形分量で2〜20g/m2形成されている請求項1に記載の払拭性表面層材料。
- 前記シランカップリング剤は、有機基と反応性を有する官能基として、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものである請求項1又は2に記載の払拭性表面層材料。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の払拭性表面層材料と、芯材層基材に熱硬化性樹脂を含浸させた芯材層材料とを積層してなる化粧板であって、前記払拭性表面層材料の第二の面側に、前記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなることを特徴とする払拭性化粧板。
- 化粧板に用いられる払拭性保護層材料であって、保護層基材にメラミン樹脂が含浸され、第一の面と、第二の面とを有し、前記第一の面側に、さらに払拭性樹脂層が形成され、
前記払拭性樹脂層は、メラミン樹脂と、このメラミン樹脂の固形分に対してカルビノール変性シリコーンオイル0.1〜1.0重量%、及び、シランカップリング剤0.05〜0.3重量%を含有する払拭性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする払拭性保護層材料。 - 前記払拭性樹脂層は、固形分量で2〜20g/m2形成されるものである請求項5に記載の払拭性保護層材料。
- 前記シランカップリング剤は、有機基と反応性を有する官能基として、アミノ基及び/又はエポキシ基を有するものである請求項5又は6に記載の払拭性保護層材料。
- 請求項5ないし7のいずれかに記載の払拭性保護層材料と、表面層基材にメラミン樹脂が含浸され、意匠性を有する第一の面と、第二の面とを有する表面層材料と、芯材層基材に熱硬化性樹脂が含浸された芯材層材料とを積層してなる化粧板であって、前記払拭性保護層材料の第二の面側に、前記表面層材料の第一の面側を積層し、さらに、前記表面層材料の第二の面側に、前記芯材層材料を一枚あるいは複数枚積層してなることを特徴とする払拭性化粧板。
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