JP5256894B2 - 燃料電池の冷却方法と燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に冷媒を循環供給して燃料電池の冷却を図る燃料電池の冷却方法と燃料電池システムに関する。
燃料電池は、アノードに供給された燃料ガス中の燃料、例えば水素と、カソードに供給された酸素含有ガス中の酸素との電気化学反応を進行させて発電する。この反応は発熱を伴うものであることから、燃料電池は通常、冷媒により冷却され、その際、冷媒は燃料電池に循環供給される。
冷媒の循環供給を図る冷却系には、冷媒の熱交換を図る熱交換器や、流量調整等の機器が組み込まれ、こうした機器や配管は、使用開始初期において多くのイオンを冷媒に溶出(初期溶出)させることがよく知られている。特に、熱交換器はその製造過程において、ロウ材にてプレートを多層にロウ付け積層することから、ロウ材に含まれる金属のイオンを多量に溶出させる。そして、燃料電池を含む電気系における高電圧対処の観点から、イオン溶出に伴う冷媒の導電性の低下および低導電性の維持が求められており、種々の対処策が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−311087号公報
この特許公報では、燃料電池の使用開始以降からの所定時間の間では、イオン交換器に多くの流量で冷媒を流して、イオン除去効率を高め、こうすることで、イオンの初期溶出の収束化を図っている。
しかしながら、上記した公報では、燃料電池の使用開始当初での初期溶出の収束を経て導電性の低下維持を達成できるものの、何らかの原因で導電性が増大するような事態が生じた際の対処が求められるに到った。
本発明は、上記した課題を踏まえ、燃料電池の冷却を図りつつ、冷媒の低導電性化と低導電性の維持の実効性を高めることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:燃料電池の冷却方法]
燃料電池に冷媒を循環供給して燃料電池の冷却を図る燃料電池の冷却方法であって、
前記燃料電池を含む冷媒の循環経路において前記燃料電池と並行に配置されたイオン交換器により、前記冷媒に含まれるイオンを除去しつつ、前記冷媒を前記燃料電池に循環供給するに際して、
前記循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から冷媒の循環供給の継続期間を計時し、
該計時した循環供給継続期間が所定期間に達するまでは、前記イオン交換器への流量を増大調整し、前記循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降は、前記イオン交換器への流量を減少調整し、
前記循環経路を循環する冷媒へのイオン溶出に起因する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への冷媒供給を新たな所定期間に亘って流量が低減しないよう調整する
前記循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降において、循環する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への流量調整を新たな所定期間に亘って増大側に転じる
ことを要旨とする。
[適用2:燃料電池システム]
燃料電池に冷媒を循環供給して燃料電池の冷却を図る燃料電池システムであって、
前記燃料電池を含む冷媒の循環経路において前記燃料電池と並行にイオン交換器を配置し、冷媒を前記燃料電池と前記イオン交換器とに循環供給する冷媒系と、
前記循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から冷媒の循環供給の継続期間を計時する計時手段と、
前記燃料電池を流れる冷媒流量と前記イオン交換器に流れる冷媒流量とを制御して、前記イオン交換器によるイオン除去を図りつつ、前記燃料電池への冷媒の循環供給を行う流量制御手段とを備え、
該流量制御手段は、
冷媒の循環供給に際して、前記計時手段の計時した循環供給継続期間が所定期間に達するまでは、前記イオン交換器への流量を増大調整し、前記循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降は、前記イオン交換器への流量を減少調整し、
前記循環経路を循環する冷媒へのイオン溶出に起因する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への冷媒供給を新たな所定期間に亘って流量が低減しないよう調整する
ことを要旨とする。
上記構成の燃料電池の冷却方法および燃料電池システムでは、循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から計時した冷媒の循環供給継続期間が所定期間に達するまでと、それ以降とで、イオン交換器への流量調整を次のように異なるものとする。なお、説明の便宜上、計時した冷媒の循環供給継続期間が所定期間に達するまでの期間を、以下の説明に際しては、当初循環供給継続期間と呼ぶ。
まず、当初循環供給継続期間では、イオン交換器への流量を増大調整するので、イオン交換器によるイオン除去を律速するようにする。このため、冷媒の循環経路に含まれる種々の機器や配管からの初期溶出イオンを効率よく除去できる。これにより、当初循環供給継続期間において、イオンの初期溶出の収束を図って冷媒の導電性の低下とその維持を図ることができる。この当初循環供給継続期間においても、燃料電池には冷媒は流れるので、当該期間において燃料電池の発電運転を行った際の燃料電池冷却に特段の支障はない。その一方、当初循環供給継続期間の経過以降にあっては、冷媒の導電性が低下したまま或いは導電性の増大が起きてもその増大程度が僅かであれば、イオン交換器でのイオン除去を当初循環供給継続期間ほど行う必要がないので、イオン交換器への流量を減少させ、低下済みの冷媒の導電性の維持を図る。そして、この当初循環供給継続期間の経過以降では、イオン交換器への流量減少の分、燃料電池への流量を増大できるので、燃料電池を支障なく冷却できる。
このようにしてイオンの初期溶出の収束を図る一方、何らかの原因で冷媒の導電性が有意に増大するような事態となると、上記構成の燃料電池の冷却方法および燃料電池システムでは、イオン交換器への冷媒供給を新たな所定期間に亘って流量が低減しないよう調整する。よって、冷媒の導電性が有意に増大するような事態となった以降の所定期間では、イオン交換器へは流量が低減しないよう冷媒供給が継続されるので、イオン交換器によるイオン除去の律速が可能となり、冷媒の導電性の低下とその維持を図る。よって、上記構成の燃料電池の冷却方法および燃料電池システムによれば、当初循環供給継続期間および当該期間経過後の燃料電池の冷却を支障なく継続して行いつつ、高い実効性で冷媒の導電性の低下とその維持を達成できる。
また、上記構成の燃料電池の冷却方法および燃料電池システムでは、イオンの初期溶出の収束のためのイオン交換器への流量増大調整を、循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から行う。つまり、イオン交換器への流量増大調整は、循環経路における冷媒循環ができればよく、燃料電池を運転させる必要がない。よって、燃料電池システムの製造過程のうちからでも循環経路での冷媒循環とその際のイオン交換器への流量増大調整により、イオン溶出の収束を早期のうちに図ることができる。
冷媒の導電性の有意な増大の有無は、それまで低下傾向にあった或いは維持されていた導電性が増大側に転じて増大を継続したり、それまで低下傾向にあった或いは維持されていた導電性が冷媒循環開始時点以降におきる導電性の増大推移と同じようにして増大することで判定できる。
上記した燃料電池の冷却方法および燃料電池システムは、次のような態様とすることができる。例えば、循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降において、前記循環する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への流量調整を前記新たな所定期間に亘って増大側に転じるようにできる。こうすれば、イオンの初期溶出の収束を図る当初循環供給継続期間が経過した後、何らかの原因で冷媒の導電性が有意に増大するような事態となると、イオン交換器への流量調整を新たな所定期間に亘って増大側に転じることで、イオン交換器によるイオン除去を再度律速させて、導電性の低下とその維持を図る。よって、当初循環供給継続期間および当該期間経過後の燃料電池の冷却を支障なく継続して行いつつ、高い実効性で冷媒の導電性の低下とその維持を達成できる。
また、冷媒の循環供給に関与する循環関与機器の交換があった場合には、その際の循環供給継続期間に拘わらず、前記イオン交換器への流量を循環関与機器の交換から新たな所定期間に亘って増大させて、前記イオン交換器によるイオン除去を律速させるようにできる。こうすれば、次の利点がある。
循環関与機器の交換は、その交換した循環関与機器からのイオンの初期溶出とこれに伴う冷媒の導電性増大をもたらすと予想される。よって、循環関与機器を当初循環供給継続期間において交換したとすると、特に、当初循環供給継続期間の経過間近に循環関与機器を交換したとすると、当初循環供給継続期間でのイオン交換器への流量増大によるイオン除去では、交換した循環関与機器からのイオンの初期溶出の収束が不十分となり、冷媒の導電性の低下も不十分となる事が危惧される。或いは、循環関与機器を当初循環供給継続期間の経過後において交換した場合、何らの対処も取らないとすれば、当初循環供給継続期間経過後であることからイオン交換器への冷媒の流量は減少済みであるので、この交換した循環関与機器からのイオンの初期溶出の収束が不十分となり、冷媒の導電性の低下も不十分となる事が危惧される。しかしながら、上記した態様であれば、イオン交換器への流量を循環関与機器の交換から新たな所定期間に亘って増大させて、イオン交換器によるイオン除去を律速させるので、循環関与機器の交換に伴うイオンの初期溶出の収束、延いては冷媒の導電性の低下とその維持を高い実効性で図ることができる。
また、循環する冷媒の導電性の推移を検知する検知手段を備えた上で、前記検知手段が前記導電性の推移は導電性の有意な増大であるとすると、当初循環供給継続期間に拘わらず、前記イオン交換器への流量を新たな所定期間に亘って増大させて、前記イオン交換器によるイオン除去を律速させるようにすることもできる。こうしても、導電性の有意な増大が検知された以降でのイオン溶出の収束、延いては冷媒の導電性の低下とその維持を高い実効性で図ることができる。
上記した燃料電池の冷却方法および燃料電池システムは、発電電力システムとしての据え置き型の燃料電池システムの他、燃料電池搭載車両としても適用できる。そして、燃料電池搭載車両であれば、接触等の不用意な事故等により循環関与機器の交換が余儀なくされた場合であっても、その循環関与機器の交換後において、循環関与機器の交換に伴うイオンの初期溶出の収束、延いては冷媒の導電性の低下とその維持を高い実効性で図ることができるので、実用性が高まる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実施例としての燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図である。
図示するように、この燃料電池搭載車両10は、車体20に燃料電池システム40を搭載して備える。燃料電池システム40は、燃料電池100と、水素ガスタンク110を含む水素ガス供給系120と、モータ駆動のコンプレッサ130を含む空気供給系140と、ラジエータ150およびファン152とを含む冷却系160とを備える。燃料電池100は、電解質膜の両側にアノードとカソードの両電極を接合させた図示しない膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を備える発電モジュールを積層して構成され、前輪FWと後輪RWの間において車両床下に位置する。そして、この燃料電池100は、後述の水素ガス供給系120と空気供給系140から供給された水素ガス中の水素と空気中の酸素との電気化学反応を起こして発電し、その発電電力にて前後輪の図示しない駆動用モータ等の負荷を駆動する。燃料電池100の発電状況は電流センサ102にて計測され、その計測結果は電流センサ102から後述の制御装置200に出力される。
水素ガス供給系120は、水素ガスタンク110から燃料電池100に到る水素供給経路121と、未消費の水素ガス(アノードオフガス)を水素供給経路121に循環させる循環経路122とを備える。そして、この水素ガス供給系120は、水素供給経路121の流量調整バルブ123にて調整した流量と、循環経路122の循環ポンプ124にて調整した循環流量との合算した流量の水素ガスを、燃料電池100のアノードに供給する。この水素ガス供給量は、アクセル170の操作に基づいて、後述の制御装置200にて定められ、燃料電池100に求められる負荷に応じた供給量となる。なお、水素ガス供給系120は、循環経路122から分岐した排出管路125の開閉バルブ126の開閉調整を経て、適宜、アノードオフガスを大気放出する。
空気供給系140は、コンプレッサ130を経て燃料電池100に到る酸素供給経路141と、未消費の空気(カソードオフガス)を大気放出する放出経路142とを備える。そして、この空気供給系140は、酸素供給経路141の開口端から取り込んだ空気を、コンプレッサ130にて流量調整した上で燃料電池100のカソードに供給しつつ、放出経路142の排出流量調整バルブ143で調整された流量でカソードオフガスを放出経路142を経て大気放出する。このように空気供給系140にて空気供給とカソードオフガス排出とを行う場合、空気供給系140は、排出流量調整バルブ143を所定開度にした上で、コンプレッサ130にて空気を供給する。この際の空気供給量にあっても、水素ガスと同様に、アクセル170の操作に基づいて制御装置200にて定められ、燃料電池100に求められる負荷に応じた供給量となる。空気供給系140は、この負荷に応じた供給量を増量した供給量での空気供給と、排出流量調整バルブ143の所定開度以上の開度調整とを行うことで、カソード側の電極に残留する残留水量を放出経路142から排出して電極の残留水量の低減を図る。なお、空気の増量供給による残留水量低減は、本発明と直接の関係はないのでその説明を省略する。
冷却系160は、ラジエータ150から燃料電池100への冷媒の循環を図る循環経路161と、バイパス経路162と、経路合流点の三方流量調整弁163と、循環ポンプ164と、イオン交換器165を有するバイパス経路166と、経路合流点の三方流量調整弁167と、温度センサ168とを備える。そして、この冷却系160は、ラジエータ150にて熱交換した冷媒を循環経路161を経て燃料電池100の図示しないセル内循環経路に導き、燃料電池100を所定温度に冷却する。この場合、循環ポンプ164の駆動量、即ち冷媒の循環供給量や、三方流量調整弁163によるラジエータパイパス流量、三方流量調整弁167によるイオン交換器165への流量は、温度センサ168の検出温度たる燃料電池温度や電流センサ102の検出した発電状況に基づいて、制御装置200にて定められる。
制御装置200は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、燃料電池搭載車両10の種々の制御を司る。例えば、制御装置200は、アクセル170等のセンサ入力を受けて燃料電池100への水素・空気の供給量を定め、その定めた供給量での水素供給と空気供給ができるよう、流量調整バルブ123やコンプレッサ130を駆動制御する。また、制御装置200には、ラジエータ150や上記した流量調整弁、或いは上記経路の交換を行う際に、その作業者により操作される機器交換リセットスイッチ202が接続されている。この機器交換リセットスイッチ202については後述する。
次に、上記した構成を有する燃料電池搭載車両10の制御装置200が行う導電率低下処理とその関連処理について説明する。図2は冷却系160における冷媒循環の継続時間を計時する処理の様子を示すフローチャート、図3は導電率低下処理の手順を示すフローチャートである。
図2の計時処理は、制御装置200での機器制御処理が可能となった上で冷却系160における冷媒の循環供給を最初に開始してから、所定時間ごとに繰り返し実行され、まず、機器交換リセットスイッチ202のスイッチ操作がONであるか否かを判定する(ステップS100)。機器交換リセットスイッチ202は、冷却系160に含まれてイオン溶出を起こす可能性のある機器、具体的にはラジエータ150や、三方流量調整弁163、循環ポンプ164、三方流量調整弁167等の機器と循環経路161等の経路配管が交換されたときにその交換作業者・保守要員によりON操作され、上記の機器・配管の交換を行った旨の信号を出力する。
燃料電池システム40、延いては燃料電池搭載車両10の製造過程では、機器交換に該当しないことから、機器交換リセットスイッチ202はオフとされているので、ステップS100では否定判定される。この否定判定に続いては、冷却系160における冷媒の循環供給を最初に開始してから冷媒循環供給を実行している経過時間(冷媒循環開始当初からの経過時間IT)を積算して、その積算時間を経過時間ITとして更新記憶し(ステップS110)、一旦処理を終了する。この場合、冷却系160における冷媒の循環供給を最初に開始してから冷媒循環が中断されれば、その中断の時間は、冷媒循環開始当初からの経過時間ITに含まれない。
本実施例では、冷却系160における冷媒の循環供給を、燃料電池100の車体20への設置と冷却系160の組み付けとが完了した時点から開始するようにした。つまり、水素ガス供給系120や空気供給系140の組み付けやこれら供給系でのガス供給を行う以前の製造ラインオンの時点から、冷却系160での冷媒の循環供給を開始するようにし、その経過時間を計時するようにした。この場合、製造ラインオンでは冷却系160での冷媒の循環供給を行わず、製造ラインオフ後に冷却系160での冷媒の循環供給を行うのであれば、この製造ラインオフ後の冷媒の循環供給の開始時点からの経過時間が計時されることになる。
ステップS100で、機器交換リセットスイッチ202のオン入力があると肯定判定した場合は、イオン溶出を起こし得るラジエータ150等の機器や配管が交換されたことになる。よって、この場合には、冷媒循環開始当初からの経過時間ITに初期値(=0)をセットして(ステップS120)、初期化した後にステップS110に進んで新たに経過時間ITの積算・記憶を行う。
上記した計時処理により、冷却系160での冷媒の循環供給が最初に開始されたときからラジエータ150等の機器や配管交換がなければ、ステップS100での肯定判定が繰り返されて、冷却系160での冷媒の循環供給が最初に開始された時点からの経過時間ITが計時される。その一方、冷却系160での冷媒の循環供給が最初に開始された以後において機器・配管の交換があれば、機器交換リセットスイッチ202のON入力を受けて経過時間ITが初期化され、それ以降、即ち、機器・配管の交換がなされた以降からの経過時間ITが計時されることになる。
導電率低下処理は、図3に示すような手順で実行される。まず、冷媒循環開始当初からの経過時間ITを読み込み(ステップS200)、その経過時間ITが予め定めた設定時間TSに達しているか否かを判定する(ステップS210)。この設定時間TSは、冷却系160に含まれるラジエータ150等の機器や循環経路161等の配管から初期に溶出するイオンをイオン交換器165にて除去することで、冷媒の導電率を高電圧対策上必要とされる低伝導率にまで低下できるに足りる時間として設定されており、ラジエータ150等の材質やスペックや配管の材質や経路長等を考慮して定められる。本実施例では、この設定時間TSを8〜60時間の範囲の時間とした。なお、この設定時間TSは、冷媒の流量やイオン交換器165のイオン交換容量に応じて種々設定される。
以降の手順の説明に際しては、冷媒循環開始当初からの経過時間ITの経過に合わせて説明する。この経過時間ITが短くて設定時間TSを一度も下回ったことがない場合は、ステップS210で肯定判定され、続くステップ220にて導電率低下処理を行う。つまり、経過時間ITが設定時間TSに達していない期間では、ラジエータ150等からのイオンの初期溶出が未収束であるとして、制御装置200は、循環ポンプ164を後述の冷却通常処理の場合よりも多い流量で冷媒が流れるよう制御した上で、三方流量調整弁167については、冷却通常処理の場合よりもイオン交換器165への流量が多くなるよう、制御する。これにより、イオン交換器165には多量の冷媒が流れ込むことから、イオン交換器165によるイオン溶出が律速される。よって、冷媒の導電率を低下させることができる。なお、循環ポンプ164の駆動制御に際しては、後述の冷却通常処理の場合と同じ流量で冷媒が流れるよう制御するようにすることもできる。
このステップS220での導電率低下処理に続いては、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達したか否かを判定し(ステップS230)、ここで否定判定すれば、ステップS200に移行する。これにより、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達するまでは、イオン交換器165には流量が増大調整された状態で継続して冷媒が流れて(ステップS220)、このイオン交換器165によるイオン除去が律速して継続される。よって、冷却系160に含まれるラジエータ150等からの初期溶出イオンを効率よく除去でき、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達するまでの間において、イオンの初期溶出の収束を図って冷媒の導電率を低下させた上で、その低導電率を維持できる。
この場合、設定時間TSは既述したように8〜60時間であることから、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達するまでに、燃料電池100の発電運転がなされることが考えられる。ところが、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達するまでにおいても、三方流量調整弁167の調整により燃料電池100の側に冷媒を循環供給できることから、燃料電池100の発電運転を行っても支障なく燃料電池100を冷媒にて冷却できる。
冷媒循環開始当初からの経過時間ITが長くなって設定時間TSに達すると、ステップS230では否定判定され、これ以降においては、流量を増大調整した状態でのイオン交換器165への冷媒供給は停止される。そして、ステップS230での否定判定に続くステップ240では、これ以上の導電率低下処理は不要であるとして、冷却通常処理を行う。つまり、制御装置200は、循環ポンプ164を上記した導電率低下処理の場合より少ない流量で冷媒が流れるよう制御した上で、三方流量調整弁167については、イオン交換器165への流量が少なくなり、燃料電池100への流量が多くなるよう、制御する。これにより、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達した以降では、イオン交換器165へは減少調整した流量の冷媒を供給することで、低下済みの冷媒の導電率を維持できる。しかも、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達した以降では、イオン交換器165への流量減少の分、燃料電池100への流量を増大できるので、燃料電池100を支障なく冷却できる。
以上説明した構成を有する本実施例の燃料電池搭載車両10によれば、次の利点がある。図4は冷媒循環開始当初からの経過時間ITの経過と共にイオン交換器165への冷媒供給と燃料電池100への冷媒供給および導電率推移とを示す説明図、図5は機器交換が設定時間TSの以前において実施された場合の冷媒供給の様子と導電率推移とを示す説明図である。まず、ラジエータ150等の機器交換がない場合について説明する。
図4に示すように、冷却系160での冷媒循環の開始当初(t=0)からの経過時間ITが設定時間TSに達するまでは、図3を用いて説明したように、ステップ220での導電率低下処理が継続される。よって、イオン交換器165へは増大調整された流量で冷媒が供給され、燃料電池100には少ない流量で冷媒が供給される。冷媒の導電率は、冷却系160における冷媒の循環供給の開始に伴いラジエータ150等からのイオン溶出が起きることから増大し、増大調整された流量でのイオン交換器165への冷媒の循環供給が継続されてイオン除去が律速されるに連れて、ピーク値から低下する。この場合、イオン交換器165への冷媒供給量(増大調整流量)は、導電率ピーク値が高電圧対策上必要とされる導電率上限値dHより低くなるよう、ラジエータ150等のスペックなどを考慮して定められている。また、イオン交換器165への冷媒供給量(増大調整流量)は、冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達すると、導電率が所定の導電率下限値dLに近似する事も考慮して定められている。
既述したように、本実施例の設定時間TSは8〜60時間であることから、最初の冷媒循環開始をラインオンの状態から行えば、この設定時間TSの間に燃料電池100の発電運転、換言すれば燃料電池搭載車両10は走行することもある。こうした場合に備えて、次のように冷媒供給を調整できる。燃料電池搭載車両10は、電流センサ102や温度センサ168、アクセル170を備え、制御装置200は、これらセンサからの入力により、設定時間TSにおける燃料電池100の発電運転期間にあっては、燃料電池100への冷媒供給量を増加減調整する。こうすれば、燃料電池100をより効率よく冷却できる。そして、このような設定時間TSにおける燃料電池100の発電運転期間では、設定時間TSであって燃料電池100が運転していない場合より冷却系全体での冷媒循環供給量を循環ポンプ164の制御により調整することもできる。こうすれば、イオン交換器165への冷媒供給量を増量したまま確保できるので、初期溶出イオンの除去効率を維持でき、イオンの初期溶出の収束および導電率低下を遂行できる。
冷媒循環開始当初からの経過時間ITが設定時間TSに達すると、それまでのイオン交換器165によるイオン除去により冷媒の導電率は図4に示すように、導電率下限値dL近くまで低下する。よって、図3を用いて説明したように、ステップ220での導電率低下処理に代わり、ステップS240での冷却通常処理が開始され、当該処理が継続される。つまり、イオン交換器165へは減少調整された流量で冷媒が供給され、燃料電池100には増量調整された流量で冷媒が供給される。これにより、流量が減少したとはいえイオン交換器165への冷媒供給が継続されるので、導電率は、低下を続け、やがて導電率下限値dLに近似した値に収束して維持される。燃料電池100については、増大調整された流量での冷媒供給がなされるので、発電運転に支障を及ぼすことなく、燃料電池100を冷却できる。なお、この際にあっても、温度センサ168からのセンサ入力に応じて、燃料電池100への冷媒の供給量の増加減調整を行うようにできる。
今、設定時間TSの経過後に、冷却系160に含まれる機器や配管、例えば、ラジエータ150が交換されたとする(時刻=TC)。そうすると、ラジエータ交換時点TCからは、その交換されたラジエータ150からのイオンの初期溶出が起きるので、図4に示すように導電率dRは、冷媒の循環供給を最初に開始したときのように増大する。この導電率の増大の様子は、ラジエータ交換時点TCは導電率が十分に低下した状況でのラジエータ150からのイオンの初期溶出に基づくものであることから、それまで低下推移にあった導電率が増大に転じて更に増大を継続するという有意な導電率の増大となる。
ラジエータ150の交換が済むと、その交換作業者或いは保守要員により、機器交換リセットスイッチ202がON操作される。よって、図2におけるステップS120により、それまで計時されていた経過時間ITは初期値(=0)とされるので、このラジエータ交換時点TCから、経過時間ITは値ゼロから計時されることになる。このため、図3のステップS210では肯定判定となり、既述したようにイオン交換器165への冷媒供給量の増大調整を経たイオン除去の律速が再開され、イオン交換器165への冷媒供給量の増大調整は、ラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達するまで継続される。この結果、ラジエータ150の交換に伴って有意に増大した導電率は、ラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達するまでの間においてイオン交換器165によるイオン除去の律速に伴い低下し、ラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達した以降では、導電率下限値dLの付近まで低下して維持されることになる。
上記したような導電率の有意な増大は、機器交換に伴うイオンの初期溶出が起きることに起因するので、イオンの初期溶出の程度、即ち、交換する機器や配管によって相違する。よって、機器交換後においては、設定時間TSを交換する機器や配管に応じて新たに設定するようにすることもできる。例えば、ラジエータ150は、多層のプレートをロウ材にて積層させた構造であることから、三方流量調整弁163等のバルブや配管に比べて、イオンの初期溶出量は多い。よって、制御装置200に交換対象となった機器や部品の信号を入力するようにして、交換対象機器や配管を判別するようにする。その上で、交換対象機器や配管に応じて新たな設定時間TSを長短設定すればよい。具体的には、ラジエータ150の交換であれば新たに設定する設定時間TSを長くし、三方流量調整弁163等のバルブ交換であれば新たに設定する設定時間TSをラジエータ交換の場合より短くし、循環経路161等の配管交換であれば、新たに設定する設定時間TSを最短とする。こうすれば、交換対象機器や配管に応じた時間内でのイオン溶出の収束を図ることができるので、イオン交換器165への流量増大調整を図る期間を不用意に長くしないようにでき、その分、エネルギロスを低減できる。
次に、設定時間TSの経過前に、冷却系160に含まれる機器や配管、例えば、ラジエータ150が交換された場合について図5を用いて説明する。この場合であっても、図5に示すように、ラジエータ交換時点TCから、その交換されたラジエータ150からのイオンの初期溶出に伴って、導電率dRは増大し、その増大の様子は、既述したように。導電率の有意な増大となる。
このように設定時間TSの経過前にラジエータ交換がなされた場合であっても、交換作業者或いは保守要員による機器交換リセットスイッチ202のON操作がなされる。よって、図2におけるステップS120により、それまで計時されていた経過時間ITは初期値(=0)とされるので、図5に示すラジエータ交換時点TCから、経過時間ITは値ゼロから計時されることになる。このため、図3のステップS210では肯定判定となり、既述したようにイオン交換器165への冷媒供給量の増大調整を経たイオン除去の律速が再開され、イオン交換器165への冷媒供給量の増大調整は、ラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達するまで継続される。この結果、設定時間TSの経過前でのラジエータ交換に伴って有意に増大した導電率は、図5に示す設定時間TSの経過前でのラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達するまでの間において低下し、ラジエータ交換時点TCからの経過時間ITが設定時間TSに達した以降では、導電率下限値dLの付近まで低下して維持されることになる。
上記したような設定時間TSの経過前での機器・配管交換に伴う導電率の有意な増大は、ラジエータ交換時点TCでの導電率の状況と機器交換に伴うイオンの初期溶出が起きることに起因する。よって、既述したように交換対象機器や配管に応じたイオン溶出の程度と、設定時間TSにおけるラジエータ交換時点TCの発生時期とを考慮して、ラジエータ交換時点TCからの設定時間TSを新たに設定するようにすることもできる。例えば、ラジエータ150の交換であっても、その交換時点が、冷却系160での冷媒循環の開始当初(t=0)から導電率が増大傾向にある場合には、ラジエータ150の交換に伴って更に導電率の有意な増大が起きるので、この場合には、新たな設定時間TSを長く設定する。こうすれば、イオン交換器165への冷媒供給量の増大調整の継続期間が長くなるので、イオン交換器165によるイオン除去の律速も長期に亘ることから、確実な導電率の低下と維持を達成できる。また、交換対象機器や配管と設定時間TSにおけるラジエータ交換時点TCの発生時期とに応じて、冷媒の循環供給量を増大するよう循環ポンプ164を駆動制御することもできる。こうすれば、イオン交換器165への冷媒の供給量が増えることから、イオン除去効率も高まり、速やかなイオン溶出の収束、並びに導電率低下・維持を図ることができる。
本実施例では、既述したように、燃料電池システム40や燃料電池搭載車両10の製造ラインオンの時点から冷却系160での冷媒循環とその際のイオン交換器165への流量増大調整により、イオン溶出の収束を図るようにした。よって、燃料電池搭載車両10がユーザーに納車される前に、或いは納車後の早期のうちに、導電率の低下・維持を通した高電圧対処を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態を実施例にて説明したが、本発明は上記した実施例や変形例の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上記の実施例では、ラジエータ150や三方流量調整弁163或いは循環経路161といった冷却系160に含まれる機器や配管の交換があれば、導電率の有意な増大を招くとして、これら機器・配管交換に伴い165によるイオン除去の律速を再開或いは継続するようにしたが、次のように変形することもできる。
図6は変形例の燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図、図7はこの変形例で実行される導電率検知処理を示すフローチャートである。図7に示すように、この変形例では、冷却系160に、冷媒の導電率を検出する導電率検知センサ180を備え、この導電率検知センサ180からのセンサ出力に応じて、導電率の有意な増大の有無を検知する。
つまり、図7に示すように、導電率検知センサ180から導電率αの入力を行い(ステップS300)、その入力した導電率αの推移に有意な増大が見られるか否かを判定する(ステップS310)。この導電率の有意な増大の有無は、ラジエータ150の交換を例に説明したように、低下推移にあった導電率が増大に転じて更に増大を継続する状況(図4参照)や、増大推移している導電率がより一層増大して更に増大を継続する状況(図5参照)により判別できる。
そして、ステップS310にて、導電率αの推移に有意な増大は見られないと否定判定すれば、冷却系160における冷媒の循環供給を最初に開始してから冷媒循環供給を実行している経過時間(冷媒循環開始当初からの経過時間IT)を積算して、その積算時間を経過時間ITとして更新記憶し(ステップS320)、一旦処理を終了する。なお、また、冷却系160における冷媒の最初の循環供給は、既述したように、製造ラインオンの時点から、或いは製造ラインオフ後に行うようにできる。
ステップS3100で、導電率αの推移に有意な増大は見られると肯定判定すれば、例えば、図4や図5で示したような導電率の増大推移が起きれば、冷媒循環開始当初からの経過時間ITに初期値(=0)をセットして(ステップS330)、初期化した後にステップS110に進んで新たに経過時間ITの積算・記憶を行う。なお、冷却系160における冷媒の循環供給を最初に開始した状況では、導電率αの推移に有意な増大は見られることにもなるので、ステップS310で否定判定されて経過時間ITへの初期値セットとその後の計時が行われることになる。
こうして経過時間ITを計時した後は、図3で説明した導電率低下処理を行うことになり、こうすれば、導電率αの推移に有意な増大が起きたときには、その後のイオン交換器165への流量増大調整の継続と、これによるイオン交換器165でのイオン除去の律速の継続がなされる。よって、この変形例にあっても、既述した効果を奏することができる。
図8はまた別の変形例の燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図である。この変形例では、イオンの初期溶出の収束用のイオン交換器を別途も受けた点に特徴がある。図8に示すように、この変形例では、イオン交換器165と並行にサブイオン交換器190を備え、当該交換器にバイパス経路191から冷媒を供給する。この際の冷媒供給量は、バイパス経路191の分岐箇所に設けた三方流量調整弁192にて調整される。
この図8に示す燃料電池搭載車両10では、イオン溶出の収束を図るためのイオン交換器165への流量増大調整に当たり、三方流量調整弁192を、サブイオン交換器190の側に冷媒供給を行いイオン交換器165については冷媒を供給しないように制御する。つまり、経過時間ITが設定時間TSに達するまでに行うイオン交換器への冷媒流量の増大調整とこれによるイオン除去の律速を、サブイオン交換器190にて行い、イオン交換器165ではイオン除去を行わないようにする。そして、経過時間ITが設定時間TSに達した以降において、三方流量調整弁192を、サブイオン交換器190には冷媒供給を行わずイオン交換器165にのみ冷媒供給を行うように切り換え制御する。こうすれば、経過時間ITが設定時間TSに達するまでサブイオン交換器190にて既に導電率が低下済みであり、イオン交換器165では、低下済みの導電率を維持できればよいことから、イオン交換器165の小型化、軽量化を図ることができる。そして、燃料電池搭載車両10にあっては、ユーザー引き渡し後の定期点検時期等において、サブイオン交換器190を取り外すことができる。このため、サブイオン交換器190の取り外しとイオン交換器165の小型・軽量化と相まって、燃料電池搭載車両10の軽量化を図ることができ、燃費向上にも資することができる。なお、ラジエータ150等の交換を行った際に、再度、サブイオン交換器190を装着して、ラジエータ交換に伴うイオン溶出の収束を確実に図るようにすることもできる。
上記した実施例と変形例では、燃料電池システム40を搭載した燃料電池搭載車両10について説明したが、冷却系160でのイオン溶出収束は、燃料電池システム40を据え置き設置した発電システムとしても適用できる。
本発明の実施例としての燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図である。 冷却系160における冷媒循環の継続時間を計時する処理の様子を示すフローチャートである。 導電率低下処理の手順を示すフローチャートである。 冷媒循環開始当初からの経過時間ITの経過と共にイオン交換器165への冷媒供給と燃料電池100への冷媒供給および導電率推移とを示す説明図である。 機器交換が設定時間TSの以前において実施された場合の冷媒供給の様子と導電率推移とを示す説明図である。 変形例の燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図である。 この変形例で実行される導電率検知処理を示すフローチャートである。 また別の変形例の燃料電池搭載車両10を概略的に平面視して示す説明図である。
符号の説明
10…燃料電池搭載車両
20…車体
40…燃料電池システム
100…燃料電池
102…電流センサ
110…水素ガスタンク
120…水素ガス供給系
121…水素供給経路
122…循環経路
123…流量調整バルブ
124…循環ポンプ
125…排出管路
126…開閉バルブ
130…コンプレッサ
140…空気供給系
141…酸素供給経路
142…放出経路
143…排出流量調整バルブ
150…ラジエータ
152…ファン
160…冷却系
161…循環経路
162…バイパス経路
163…三方流量調整弁
164…循環ポンプ
165…イオン交換器
166…バイパス経路
167…三方流量調整弁
168…温度センサ
170…アクセル
180…導電率検知センサ
190…サブイオン交換器
191…バイパス経路
192…三方流量調整弁
200…制御装置
202…機器交換リセットスイッチ
FW…前輪
RW…後輪

Claims (2)

  1. 燃料電池に冷媒を循環供給して燃料電池の冷却を図る燃料電池の冷却方法であって、
    前記燃料電池を含む冷媒の循環経路において前記燃料電池と並行に配置されたイオン交換器により、前記冷媒に含まれるイオンを除去しつつ、前記冷媒を前記燃料電池に循環供給するに際して、
    前記循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から冷媒の循環供給の継続期間を計時し、
    該計時した循環供給継続期間が所定期間に達するまでは、前記イオン交換器への流量を増大調整し、前記循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降は、前記イオン交換器への流量を減少調整し、
    前記循環経路を循環する冷媒へのイオン溶出に起因する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への冷媒供給を新たな所定期間に亘って流量が低減しないよう調整し、
    前記冷媒に接触した上で該冷媒の循環供給に関与する循環関与機器の交換があった場合には、前記循環供給継続期間に拘わらず、前記循環関与機器の交換から新たな所定期間に亘って前記イオン交換器への流量を新たな所定期間に亘って増大させると共に、前記新たな所定期間を、交換した前記循環関与機器に応じて長短設定する
    燃料電池の冷却方法。
  2. 燃料電池に冷媒を循環供給して燃料電池の冷却を図る燃料電池システムであって、
    前記燃料電池を含む冷媒の循環経路において前記燃料電池と並行にイオン交換器を配置し、冷媒を前記燃料電池と前記イオン交換器とに循環供給する冷媒系と、
    前記循環経路において冷媒の循環供給を最初に開始した冷媒循環開始時点から冷媒の循環供給の継続期間を計時する計時手段と、
    前記燃料電池を流れる冷媒流量と前記イオン交換器に流れる冷媒流量とを制御して、前記イオン交換器によるイオン除去を図りつつ、前記燃料電池への冷媒の循環供給を行う流量制御手段とを備え、
    該流量制御手段は、
    冷媒の循環供給に際して、前記計時手段の計時した循環供給継続期間が所定期間に達するまでは、前記イオン交換器への流量を増大調整し、前記循環供給継続期間が前記所定期間に達した以降は、前記イオン交換器への流量を減少調整し、
    前記循環経路を循環する冷媒へのイオン溶出に起因する冷媒の導電性が有意に増大した場合にあっては、前記イオン交換器への冷媒供給を新たな所定期間に亘って流量が低減しないよう調整すると共に、
    前記冷媒に接触した上で該冷媒の循環供給に関与する循環関与機器の交換があった場合には、前記循環供給継続期間に拘わらず、前記循環関与機器の交換から新たな所定期間に亘って前記イオン交換器への流量を新たな所定期間に亘って増大させると共に、前記新たな所定期間を、交換した前記循環関与機器に応じて長短設定する
    燃料電池システム。
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