JP5256556B2 - 紙幣収納装置、紙幣処理装置、及び紙幣取扱装置 - Google Patents
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Description
図6(a)及び(b)は従来の紙幣収納装置の概略構成、及び動作を示す図であり、(a)は昇降収納部材が下降している状態であり、(b)は昇降収納部材が上昇している状態を示している。
この紙幣収納装置100は、還流式紙幣収納庫101と、還流式紙幣収納庫101の上方に配置された非還流式紙幣収納庫110と、紙幣を還流式紙幣収納庫と非還流式紙幣収納庫に振り分け搬送する紙幣搬送路130と、を備えている。なお、この紙幣収納装置100は、紙幣処理装置140内に装備されている。紙幣処理装置140は、入出金部141、紙幣識別装置142、紙幣搬送路143等を備えている。
ガイド片対120の紙幣導入方向奥部(図中右端部)から立ち上がった連結片121の上端部には、ガイド片対の上方にオーバーハングするように収納アーム122が一体化されており、全体としてコ字状に一体化された昇降収納部材123を構成している。昇降収納部材123は、モータ124の出力軸124aに一端部を固定されたカム部材124bと、カム部材124bの他端部により回動自在に軸支されたクランクシャフト124cと、からなる駆動機構により昇降駆動される。
収納アーム122は、上昇時に下部保持部材106間の間隙、及び上部保持部材107間の間隙を通過しつつ保持された高額紙幣の中間部を押し上げ可能な形状を備えている。
コ字状の昇降部材123が水平な姿勢を維持したまま昇降する過程で、下部のガイド片対120上の低額紙幣を紙幣ガイド104が積載台103上に押し込み、移載する動作を実施し、上部の収納アーム122が下部保持部材106上の高額紙幣P2を上部保持部材107上に移載する動作を実施する。
次いで、図6(b)は、昇降収納部材123が最上昇位置にあって、下部保持部材106上の高額紙幣P2を上部保持部材107上に移載する途中の状態を示している。紙幣導入口111から高額紙幣P2が高額紙幣収納部内に導入される際には収納アーム122は下部保持部材106よりも下方に位置しているが、下部保持部材106上に高額紙幣が保持されると収納アーム122が上昇を開始して下部保持部材106間の間隙、及び上部保持部材107間の間隙を順次上昇する過程で高額紙幣の幅方向中間部下面を押し上げる。このため、高額紙幣は変形しながら上部保持部材107の上方に押し上げられる(図6(b)の状態)。高額紙幣が上部保持部材107を完全に通過した後で収納アーム122は下降して下部保持部材106よりも下方に退避する。このように非還流式紙幣収納庫110内において紙幣を収納する動作を実現するためには収納アーム122が図6(b)中に示したストロークS2の範囲を移動すればよい。
即ち、還流式紙幣収納庫101内において低額紙幣の収納動作を実施するためにガイド片対120が上下動するストロークS1は、低額紙幣P1を導入する際にガイド片対120の最下降位置を下部導入部102より十分に低く設定して複数枚の紙幣を導入した場合でも支障なく保持できるようにしてあるため、非還流式紙幣収納庫110内において高額紙幣の収納動作を行うために収納アーム122が上下動するストロークS2よりも長くなる。換言すれば、収納アーム122は、ガイド片対120よりも短いストロークで高額紙幣の収納動作を実施することができる。しかし、ガイド片対120と一体化された収納アーム122は、ガイド片対120による低額紙幣の収納動作中にガイド片対と同じストロークだけ上下動するため、両ストロークS1、S2間に十分なスペースS3を確保する必要がある。また、収納された低額紙幣を釣り銭として払い出す際に、推積した低額紙幣の最上面を繰出しローラ105に押し当てるべく、ガイド片対120を最下降位置から上昇させて下部導入部102より上方の中間位置で停止させたときに収納アーム122が非還流式紙幣収納庫110内に入り込んで上部保持部材107上に保持されている高額紙幣と無用の干渉をしないように、両ストロークS1、S2間にはデッドスペースS3が設けられている。
特許文献1では、還流式紙幣収納部と非還流式紙幣収納部に夫々紙幣を収納させる際に、別個の収納部材を個別に昇降させて相対的なストローク量を確保して省スペース化を達成しているが、2つの収納部材を個別に動作させるために機構が複雑化し、コストアップの原因となっている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大、コスト増を招くことなく、装置全高を低く抑えつつ、共通の昇降収納部材を用いて還流式紙幣収納庫と非還流式紙幣収納庫に対する紙幣収納動作を円滑に実施することができる紙幣収納装置、紙幣処理装置、及び紙幣取扱装置を提供することを目的としている。
請求項2の発明に係る紙幣処理装置は、請求項1に記載の紙幣収納装置を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る紙幣取扱装置は、請求項2に記載の紙幣処理装置を備えたことを特徴する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る紙幣収納装置の概略構成、及び動作を示す図であり、(a)は昇降収納部材が下降している状態であり、(b)は昇降収納部材が上昇している状態を示している。図2(a)(b)及び(c)は紙幣収納装置における昇降収納部材の最下降状態、中間状態(繰出し状態)、及び最上昇状態を夫々示す拡大正面図であり、図3(a)及び(b)は昇降収納部材の構成及び動作説明図であり、図4(a)(b)及び(c)は非還流式紙幣収納庫内における収納動作を示す斜視図である。更に、図5(a)(b)及び(c)は紙幣ガイドの構成を示す斜視図、下部保持部材の構成を示す斜視図、及び上部保持部材の構成を示す斜視図である。
紙幣収納装置10を備えた紙幣処理装置1は、例えば各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備される。
紙幣収納装置10は、低額紙幣(例えば、千円紙幣)P1を収納したり釣銭として払出す機能を有した還流式紙幣収納庫11と、還流式紙幣収納庫11の上方に配置された非還流式紙幣収納庫20と、還流式紙幣収納庫11の紙幣導入排出口11aと非還流式紙幣収納庫20の紙幣導入口20aとに紙幣を振り分け搬送する紙幣搬送路50と、を備えている。
なお、この紙幣収納装置10は、紙幣処理装置1内に装備されている。紙幣処理装置1は、入出金部2、紙幣識別装置3、紙幣搬送路4等を備えている。
なお、ガイド片対30は図3に示した如き二本の長尺なガイド片を並行に配置した構成を備えており、両ガイド片間の間隙は、紙幣ガイド13が通過し得るように寸法設定されている。また、紙幣ガイド13は図5(a)に示したような構成を有している。
下部保持部材21は、図5(b)に示すように二本の長尺部材を並行に差し渡した構成を備え、両長尺部材間の間隙を収納アーム33が通過し得るように寸法設定されている。また、上部保持部材22は図5(c)に示したように断面円形の二本の棒状部材を並行に差し渡した構成を有し、両棒状部材間の間隙を後述する収納アーム33が通過し得るように寸法設定されている。
収納アーム33は、軸支部32を介してガイド片対30の昇降と連動して昇降し、上昇時に下部保持部材21間の間隙、及び上部保持部材22間の間隙を通過可能な形状を備えている。更に、収納アーム33は、上昇時に下部保持部材21間の間隙、及び上部保持部材22間の間隙を通過しつつ保持された高額紙幣の中間部を押し上げ可能な形状を備えている。
図2(a)のように紙幣導入口20aから高額紙幣P2が高額紙幣収納部内に導入される際にはガイド片対30が最も下降した位置にあり、収納アーム33は、軸支部32を中心として上向き傾斜し(前端部を上向きに傾斜し)、且つ下部保持部材21よりも下方に位置しており、図2(b)に示すようにガイド片対30が上昇するに連れて収納アーム33は先端部を支点として上昇(上向きに回動)する。そして各下部保持部材21の直下に達した時点以降は水平姿勢となり、図2(c)に示す位置まで上昇する。このとき各下部保持部材上に紙幣導入口から導入された高額紙幣が載置されていると、収納アーム33が下部保持部材21間の間隙、及び上部保持部材22間の間隙を順次上昇する過程で高額紙幣の幅方向中間部下面を押し上げることになる。このため、高額紙幣は変形しながら上部保持部材22の上方に押し上げられる(図1(b)の状態)。高額紙幣が上部保持部材22を完全に通過した後で収納アーム33は下降して下部保持部材21よりも下方に退避する。図1(b)、図2(b)の状態において、高額紙幣P2は重り23と収納アーム33との間で挟持される。このように非還流式紙幣収納庫20内において紙幣を収納する動作を実現するために収納アーム33が移動するストロークS2は、図1(b)中に示した通りの範囲となる。
なお、収納アーム33は図1(a)、図2(a)に示した最下降時には上向きに傾斜しているが、軸支部32に設けたストッパ32aが連結片31と当接することにより、昇降収納部材35が図2(b)の位置を越えて上昇したとしても、収納アーム33は図2(b)に示した水平姿勢を越えて下向きに回動できなくなっているため、非還流式紙幣収納庫20内では水平姿勢を維持することができる。図1(a)、図2(a)に示した昇降収納部材35の下降時には、収納アームの後端部(軸支部32)は図示した位置まで下降するが、収納アーム33の前端部は装置本体側に設けた係止部11bに当接することによりそれ以上下方へ回動できないため、収納アームは全体として前端部が上向きに傾斜した姿勢となる。
昇降収納部材35が昇降する過程で、常時水平姿勢を維持している下部のガイド片対30上の低額紙幣を紙幣ガイド13が積載台12上に押し込み、移載する動作を実施し、軸支部32を中心として上下動可能な上部の収納アーム33が下部保持部材21上の高額紙幣P2を上部保持部材22上に移載する動作を実施する。このように還流式紙幣収納庫11と、非還流式紙幣収納庫20内における各紙幣収納動作を単一の昇降収納部材35により実現することにより、駆動源が増加することはない。
本発明の紙幣収納装置は、投入された紙幣を受け入れる入金機能や、釣り銭や払出し金として紙幣を払い出す出金機能を備えた紙幣処理装置に適用することができる。また、紙幣処理装置は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に適用することができる。
Claims (3)
- 還流式紙幣収納庫と、該還流式紙幣収納庫の上方に配置された非還流式紙幣収納庫と、
前記還流式紙幣収納庫の紙幣導入排出口と前記非還流式紙幣収納庫の紙幣導入口とに紙幣を振り分け搬送する紙幣搬送路と、を備えた紙幣収納装置であって、
前記還流式紙幣収納庫は、前記紙幣導入排出口と、紙幣を積載する昇降自在且つ上向きに付勢された下部積載台と、前記積載台の上方において昇降自在に支持され且つ前記紙幣導入排出口から導入されてきた紙幣の幅方向両端縁下面を保持するガイド片対と、該ガイド片対の上昇時に該ガイド片対により保持された前記紙幣の中間部を相対的に押し下げて前記積載台上に移載する紙幣ガイドと、該紙幣ガイドにより回転自在に支持された繰出しローラと、を備え、
前記非還流式紙幣収納庫は、前記紙幣導入口と、前記紙幣ガイドの上方に固定配置され且つ前記紙幣導入口から導入されてきた紙幣の幅方向両端下面を保持する二本の下部保持部材と、該各下部保持部材の上方に夫々所定の間隔をおいて固定配置された二本の上部保持部材と、を備え、
前記ガイド片対の紙幣導入方向奥部には、上方に延びる連結片が設けられており、
前記ガイド片対よりも上部位置には、奥部を回動自在な軸支部を介して前記連結片と連結した収納アームが配置されており、
前記収納アームは、前記軸支部を介して前記ガイド片対の昇降と連動して昇降し、上昇時に前記下部保持部材間の間隙、及び前記上部保持部材間の間隙を通過可能な形状を備えたものであり、
前記ガイド片対が最も下降した位置にある時には、前記収納アームは、前記軸支部を中心として上向き傾斜し、且つ前記下部保持部材よりも下方に位置しており、
前記収納アームは、前記ガイド片対が上昇するに連れて上昇し、前記各下部保持部材の間隙を通過した時点以降は水平姿勢となり、前記各下部保持部材上に前記紙幣導入口から導入された紙幣が存在する場合は、該紙幣の中間部を押し上げて前記上部保持部材上に移載することを特徴とする紙幣収納装置。 - 請求項1に記載の紙幣収納装置を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
- 請求項2に記載の紙幣処理装置を備えたことを特徴する紙幣取扱装置。
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