JP5256400B2 - コイルばねの形状測定装置と形状測定方法 - Google Patents

コイルばねの形状測定装置と形状測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5256400B2
JP5256400B2 JP2008272054A JP2008272054A JP5256400B2 JP 5256400 B2 JP5256400 B2 JP 5256400B2 JP 2008272054 A JP2008272054 A JP 2008272054A JP 2008272054 A JP2008272054 A JP 2008272054A JP 5256400 B2 JP5256400 B2 JP 5256400B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
image
coordinate value
reflected
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008272054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010101693A (ja
Inventor
隆行 小栗
憲幸 松本
英世 竹内
進 柴田
知泰 西郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo Hatsujo KK
Original Assignee
Chuo Hatsujo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chuo Hatsujo KK filed Critical Chuo Hatsujo KK
Priority to JP2008272054A priority Critical patent/JP5256400B2/ja
Publication of JP2010101693A publication Critical patent/JP2010101693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5256400B2 publication Critical patent/JP5256400B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、コイルばねに光を照射し、その反射光を撮影した画像からコイルばねの形状を測定する技術に関する。ここでいうコイルばねとは、正面視したときに、その軸方向に素線が複数回に亘って巻かれているばねを意味する。
様々な分野でコイルばねが使用されている。最近では、コイルばねの形状に要求される精度が高まっており、製造したコイルばねの形状測定が行われている。従来、コイルばねの形状測定は、物差しやノギスといった計測治具を用いて人の手によって実行されていた。人の手による測定では、測定時間が長くなるとか、測定の精度が測定者によってばらつくといった問題が生じていた。特に異型のばねを測定する場合に、上記の問題が顕著となる。
なお、特許文献1には、画像処理を用いて物体の形状を測定する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1のような画像処理を用いた形状測定技術をコイルばねの形状を測定することに適用した例は報告されていない。
特開平5−272927号公報
本発明は、人の手による測定ではなく、コイルばねを撮影した画像からコイルばねの形状を測定することができる技術を提供することを目的とする。
本明細書に開示する形状測定装置は、コイルばねの形状を測定する装置であり、コイルばねの表面に照射する照射手段と、コイルばねをその軸回りに回転させる回転手段と、コイルばねの表面からの反射光を撮影する撮影手段と、コイルばねをその軸回りに回転させたときの複数の回転角のそれぞれについて、照射手段からの光をコイルばねの軸方向の全体に亘って照射したときに撮影手段で撮影される撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像から、コイルばねの素線の座標値を算出する画像処理装置を備えている。
この形状測定装置では、照射手段が測定対象である物体に光を照射し、撮影手段が物体の表面からの反射光を撮影する。回転手段はコイルばねをその軸回りに回転させ、各回転角において、コイルばねの軸方向の全体に亘って照射手段からの光を照射し、コイルばねの表面からの反射光を撮影手段で撮影する。画像処理装置は、各回転角におけるコイルばねの撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像からコイルばねの素線の座標値を算出する。画像処理装置がコイルばねの素線の座標値を算出することで、コイルばねの素線の位置を特定することができ、コイルばねの形状を測定することができる。
上記した形状測定装置において、画像処理装置は、照射手段からの光が照射された状態でコイルばねの表面からの反射光を撮影した第1撮影画像と、照射手段からの光が照射されていない状態でコイルばねの表面からの反射光を撮影した第2撮影画像とを差分することで素線の座標値を算出することが好ましい。
上記のような差分を取ることで、照射手段からの光以外の光(漏れ光)を除去することができる。これによって、照射手段からの光に起因した反射光のみを選別することができ、コイルばねの素線の位置を正確に特定することができる。
前記した画像処理装置は、撮影画像内のコイルばねの素線表面から反射された照射手段からの光による反射像の形状と測定するコイルばねの素線の形状から算出されるコイルばねの素線の中心の座標値を、その反射像に対応する素線の座標値として算出することが好ましい。
例えば、素線の断面が円である場合、素線表面から反射された照射手段からの光による反射像は楕円形状となることが多い。この場合には、画像処理装置は、撮影画像に含まれる反射像を楕円近似することで得られた楕円中心を用いて素線の座標値を算出することができる。同様に、素線の断面が長方形または台形である場合、素線表面から反射された照射手段からの光による反射像は折れ線状(「L字状」,「逆L字状」,「コの字状」,「逆コの字状」,「I字状」など)となることが多い。この場合には、画像処理装置は、撮影画像に含まれる反射像を長方形や台形に近似することで得られた長方形や台形の中心を用いて素線の座標値を算出することができる。つまり、照射手段からの光による反射像と測定するコイルばねの素線の形状から素線の座標値を算出することができる。また、素線の座標値を算出する際には、幾何学的近似などの手法を用いて、素線の座標値を算出することができる。
上記のような処理を行うことで、コイルばねの素線の位置を厳密に特定することができ、コイルばねの形状を精度良く測定することができる。
前記した画像処理装置は、撮影画像内のコイルばねの素線表面から反射された照射手段からの光による反射像から抽出した曲率が小さくなる側の輪郭線に対して、(1)その輪郭線の一端から輪郭線上の点までの長さと、(2)その点と輪郭線の一端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度、及び、その点と輪郭線の他端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度の少なくとも一方の角度との関係を表すグラフに基づいて、反射像を分割することが好ましい。
コイルばねは、その軸方向に素線が複数回に亘って巻かれて形成されている。そのため、隣接する素線の間隔や照射手段からの光の照射強度や照射方向によっては、隣接する素線からの反射像が繋がってしまう場合がある。反射像が繋がった場合、その反射像が素線表面からの反射光によるものなのか、素線以外の物体の表面からの反射光であるのかが判別できない。また、繋がった反射像を用いては、コイルばねの素線の位置を特定することができない。
上記の形状測定装置では、例えば、反射像から曲率が小さくなる側の輪郭線を抽出し、
(1)反射像の輪郭線の一端から輪郭線上の点までの長さ
(2)(a)その点と輪郭線の一端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度、及び/又は、(b)その点と輪郭線の他端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度
の関係を表すグラフを用いて、複数の素線からの反射像が繋がっているか否かを検出し、反射像が繋がっている場合には反射光を分割することができる。例えば、上記(2)の(a)の角度をθとし、上記(2)の(b)の角度をθとしたときに、cosθ×cosθの値を算出する。そして、cosθ×cosθと上記(1)の長さとの関係を表すグラフにおいて、輪郭線の中間の位置において極値が検出される場合には、当該極値が検出された位置におけるcosθ×cosθの値が予め設定された設定値以上であるか否かを判断する。極値が検出され、かつ極値を検出したときのcosθ×cosθの値角度が設定値以上である場合には、複数の素線からの反射像が繋がっていると判断する。一方、極値が検出されない場合、または極値が検出されてもcosθ×cosθの値が設定値よりも小さい場合には、複数の素線からの反射像が繋がっていないと判断する。
上記のような処理を行うことで、複数の素線からの反射像が繋がっている場合でも、それを分割し、分割した反射像を用いて各々の素線の位置を特定することができる。
前記した画像処理装置は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の1又は複数の座標値のそれぞれについて、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出することが好ましい。
上記のような軌跡を算出することで、隣接する回転角のときに撮影された撮影画像中の各素線の反射像が連結され、コイルばねの形状を特定することができる。
前記した画像処理装置は、算出されたコイルばねの素線の軌跡とコイルばねの回転方向から、コイルばねの巻き方向を決定することが好ましい。
上記のような処理を行うことで、コイルばねの形状をさらに認識することができる。
前記した画像処理装置は、座標値に隣接する撮影画像内に連結する座標値がない場合に、当該座標値をコイルばねの端部と決定することが好ましい。
コイルばねは、通常、端部において他の部材と接触し、互いに力をおよぼし合う。そのため、コイルばねの端部は正確に決定される必要がある。この形状測定装置では、上記処理によってコイルばねの端部を決定する。
上記のような処理を行うことで、コイルばねの端部の位置を正確に決定することができる。
前記した形状測定装置は、照射手段と回転手段と撮影手段と画像処理装置を制御する制御手段を更に備えていることが好ましい。制御手段は、(1)コイルばねの全周について回転手段のステップ角を粗く設定して撮影手段で撮影した撮影画像群からコイルばねの端部を決定する第1制御と、(2)第一制御によって決定した端部を含む一部について、回転手段のステップ角を細かく設定して撮影手段で撮影した撮影画像群からコイルばねの端部を詳細に決定する第2制御を実行する。
制御手段が上記のような制御を行うことで、コイルばねの端部の位置を詳細に決定することができる。
本明細書に開示する形状測定方法は、コイルばねの表面に光を照射する照射工程と、コイルばねを軸回りに回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、照射手段からの光をコイルばねの軸方向の全体に亘って照射し、コイルばねの表面からの反射光を撮影する撮影工程と、前記撮影した複数の撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像と、それら撮影画像を撮影した回転角から、コイルばねの素線の座標を検出する座標検出工程を備えている。また、この形状測定方法は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の1又は複数の座標値のそれぞれについて、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出する軌跡算出工程と、軌跡算出工程で連結された軌跡上の座標値のうち、当該座標値に隣接する撮影画像内に連結する座標値がない場合に、当該座標値をコイルばねの端部と決定する端部決定工程と、を備えていてもよい。
この方法によっても、コイルばねの素線の位置を特定することができ、コイルばねの形状を測定することができる。
本発明によれば、コイルばねの撮影画像からコイルばねの素線の位置を正しく特定し、コイルばねの形状を正しく測定することができる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を整理する。
(特徴1)コイルばねは、円すい形状をした上側固定治具と下側固定治具を用いて回転手段に固定されている。
(特徴2)画像処理装置は、コンピュータを用いて構成されている。コンピュータは、記憶しているソフトウェア(プログラム)によって、各処理を実行する。
(特徴3)画像処理装置は、回転手段に接続されている。
(特徴4)画像取得手段は、撮影手段で撮影された撮影画像を回転手段の回転角に関連づけて記憶する。
(特徴5)画像処理装置は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の座標値(以下、「当該座標値」という。)を、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内のコイルばねの素線の座標値と連結する場合において、当該他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち「当該座標値」からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が第1規定値以下となる座標値が存在しないときは、当該他の撮影画像と回転角が隣接する第2の他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が第2規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出する。
(特徴6)画像処理装置は、(特徴5)の処理を続ける回数を予め設定することができる。
(特徴7)画像処理装置は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の当該座標値を、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内のコイルばねの素線の座標値と連結する場合において、当該他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち「当該座標値」からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が第1規定値以下となる座標値が存在しないときは、他の撮影画像内の座標値を用いて「当該座標値」と連結する座標値を補完する。
本発明を具現化した実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例の形状測定装置10を上面から示した図である。形状測定装置10は、コイルばね30の形状を計測する装置である。
図1に示すように、形状測定装置10は、レーザ14と、回転ステージ12と、CMOSカメラ16と、CMOSカメラ16に通信線18を介して接続されているコンピュータ22と、コンピュータ22に接続されているディスプレイ20を備えている。
レーザ14は、線光源であり、コイルばね30の軸方向に広がるスリット光15をコイルばね30の表面に照射する。レーザ14のオン・オフは、コンピュータ22によって制御される。回転ステージ12は、コイルばね30をその軸回りに回転可能に支持する台である。回転ステージ12は、図示しないモータを備えている。モータが回転すると、回転ステージ12も回転する。このモータは、エンコーダを備えており、エンコーダによりモータの回転角(即ち、回転ステージ12の回転角)が検出されるようになっている。コンピュータ22は、エンコーダで検出される回転ステージ12の回転角に基づいて、回転ステージ12を所定の角度に位置決めすることができる。コイルばね30は、図示されていない二つの円すい型の固定治具を用いて回転ステージ12に固定されている。本実施例では、コイルばね30が回転ステージ12に固定されることで、コイルばね30の軸がレーザ14の光軸上に配置される。CMOSカメラ16は、その光軸上にコイルばね30の軸が配置される向きに配置されており、コイルばね30の表面からの反射光を撮影する。即ち、コイルばね30はレーザ14によってその表面の一部にスリット光15が照明され、コイルばね30の表面で反射した反射像がCMOSカメラ16によって撮影される。CMOSカメラ16による撮影タイミングは、コンピュータ22によって制御される。
CMOSカメラ16が撮影した撮影画像は、通信線18を介してコンピュータ22に入力される。コンピュータ22は図示されていない配線によって回転ステージ12(即ち、回転ステージ12を回転させるモータ)に接続されており、コンピュータ22はCMOSカメラ16で撮影された撮影画像を回転ステージ12の回転角θに関連づけて記憶する。CMOSカメラ16は回転ステージ12の複数の回転角θ(本実施例では、0°,9°,・・,351°)において撮影を実行し、コンピュータ22は複数の撮影画像を各々の回転ステージ12の回転角θに関連づけて記憶する。コンピュータ22には、後述する形状測定処理を実行するためのプログラムが記憶されている。コンピュータ22は、CMOSカメラ16が撮影した撮影画像の画像データ群を処理し、コイルばね30の素線の座標値を算出する。コンピュータ22は、算出したコイルばね30の素線の座標値や素線の座標値を用いたグラフ等を、ディスプレイ20に表示する。
図4は、レーザ14からのスリット光15がコイルばね30に照射されている様子を示している。図4に示すように、レーザ14から照射されたスリット光15は、コイルばね30を切断する。コイルばね30は、その切断面でスリット光15を反射し、その反射像がCMOSカメラ16で撮影される。図5は、図4のコイルばね30の表面をCMOSカメラ16側から見た図を拡大して示した図である。コイルばね30の素線32a,32b,32cの表面には、レーザ14からのスリット光15に起因した円弧状の反射像34a,34b,34cが形成されている。CMOSカメラ16は図5に示すコイルばね30の表面を撮影し、通信線18を介してコンピュータ22に入力する。コンピュータ22は、図5を撮影した撮影画像から反射像34を抽出し、抽出した反射像34から素線32a,32b,32cの座標値を算出する処理を行う。
図2は、形状測定装置10によるコイルばね30の形状測定の流れを示すフローチャートである。形状測定装置10は、図2に示す工程、処理を経て、コイルばね30の素線の座標値を算出する。以下、図2に示すフローチャートに沿って、形状測定装置10によるコイルばね30の形状測定の流れを説明する。
先ず、図2のステップS12,S14において、CMOSカメラ16を用いてコイルばね30の撮影を行う。ステップS12では、スリット光15が照射された状態のコイルばね30の撮影画像(第1撮影画像)が撮影され、ステップS14では、スリット光15が照射されていない状態のコイルばね30の撮影画像(第2撮影画像)が撮影される。撮影された第1撮影画像と第2撮影画像が、通信線18を介してコンピュータ22に入力される。なお、ステップS12とステップS14は、回転ステージ12の回転角θを変更せずに行われる。即ち、同一の回転角θについて、スリット光15が照射された画像と、スリット光が照射されていない画像が撮影される。
次に、ステップS16では、コンピュータ22は、第1撮影画像と第2撮影画像を用いて第1撮影画像と第2撮影画像を差分した差分画像を算出する。CMOSカメラ16にはコイルばね30の表面からの反射光だけでなく、外部からの漏れ光も入射されている。そのため、第1撮影画像にはスリット光15による反射像34の他、漏れ光による反射像が含まれている。第1撮影画像と第2撮影画像を差分することで、第1撮影画像から漏れ光による反射像を除去することができる。これによって、コンピュータ22には、図6(A)に示すように、スリット光15に起因した反射像のみが含まれる差分画像が取得される。
尚、漏れ光による反射像を撮影画像から除去する際には、コイルばね30を含む形状測定装置10全体を黒いカバー等で覆い遮光を施してもよい。この場合、ステップS14,S16の処理は必ずしも必要がない。この場合には、ステップS12で撮影された第1撮影画像が、スリット光15に起因した反射像のみが含まれる差分画像となる。
差分画像には、コイルばね30からの反射像34の他、コイルばね30を回転ステージ12に固定する固定治具からの反射像が含まれている。そのため、ステップS18〜24において、コンピュータ22は、差分画像から固定治具からの反射像を除去するとともに、コイルばね30からの反射像34のみを抽出する処理を行う。
先ず、ステップS18において、差分画像から固定治具からの反射像が含まれている領域を特定する。図7を用いてステップS18の動作を説明する。図7(B)は、図6(A)と同様の差分画像である。図7(A)に示すように、コンピュータ22は、図7(B)の差分画像に含まれる反射像の強度(反射強度)をx軸方向に加算して、y軸方向における反射強度分布A(y)を算出する。ここで、y軸方向は、コイルばね30の軸方向に等しく、x軸方向は、コイルばね30の径方向に等しい。
次に、算出された反射強度分布A(y)を規定強度A1と比較し、反射強度分布A(y)が規定強度A1を上回った部分のうち、y軸座標が最大となるyを検出し、これを上側固定治具の上部のy軸座標と特定する。また、y軸座標yから上側固定治具の大きさを元に予め設定された値だけy軸下側に移動したy軸座標yを算出し、これを上側固定治具の下部のy軸座標と特定する。コンピュータ22は、y軸座標y,yを用いて上側固定治具の反射像が含まれている領域B1を特定する。同様に、コンピュータ22は、反射強度分布A(y)を規定強度A1と比較し、反射強度分布A(y)が規定強度A1を上回った部分のうち、y軸座標が最小となるy軸座標yを検出し、これを下側固定治具の下部のy軸座標と特定する。また、y軸座標yから下側固定治具の大きさを元に予め設定された値だけy軸上側に移動したy軸座標yを算出し、これを下側固定治具の上部のy軸座標と特定する。コンピュータ22は、y軸座標y,yを用いて下側固定治具の反射像が含まれている領域B2を特定する。
次に、ステップS20において、図6(A)に示す差分画像に2値化処理を行い、反射強度が規定強度A2よりも小さい画素の反射強度をゼロに変換する。これにより、図6(B)に示すように、反射強度の低い反射像が除去された差分画像がコンピュータ22に取得される。
次に、ステップS22において、領域B1,B2から固定治具の反射像を除去する。図8は領域B1を示しており、図8を用いて領域B1から上側固定治具の反射像を除去する処理を説明する。
まず、図8(A)に示すように、コンピュータ22は、領域B1に含まれる反射像から上側固定治具の外形の特徴(ここでは、直線40)を有する部分を検出する。次に、図8(B)に示すように、直線40をx軸方向(コイルばね30の半径方向外側)にシフトさせた直線を用いて境界線42を形成し、この境界線に囲まれた領域44を特定する。領域44には、上側固定治具の外形の特徴を有する部分が含まれる。次に、領域44に含まれる反射像を除去する。これによって、図8(C)に示すように、領域B1から上側固定治具の反射像が除去される。
図9は領域B2を示しており、領域B2から下側固定治具の反射像を除去する処理を示している。直線40が直線50となり、境界線42が境界線52となり、領域44が領域54となる他は、上側固定治具の反射像を除去する処理と同一であるため、重複した説明を省略する。
上記の処理により、図6(C)に示すように、固定治具の反射像がさらに除去された差分画像がコンピュータ22に取得される。
次に、ステップS24において、差分画像からノイズを除去し、コイルばね30からの反射像34を抽出する。コンピュータ22は、図6(C)の差分画像に含まれる反射像の外形や反射強度等の情報を用いて、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であるか否かを選別する。本実施例では、図6(C)の差分画像に含まれる反射像から、円弧状の反射像をコイルばね30からの反射像34として抽出する。コンピュータ22は、コイルばね30からの反射像34を抽出する際には、以下に示す抽出方法の1または複数個を用いる。
(抽出方法1)
この方法では、反射像の高さ(y軸方向の幅)と幅(x軸方向の幅)の比Rと反射像の面積Sを検出し、比Rと面積Sの両方が所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。比Rと面積Sのいずれか一方が所定範囲内にないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。
(抽出方法2)
この方法では、図10に示すように、反射像を最小二乗法などで円近似し、この近似により得られた中心点d(x,y)の座標値と半径rが所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。中心点d(x,y)の座標値と半径rのいずれか一方が所定範囲内にないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。
(抽出方法3)
この方法では、図11に示すように、反射像を直線近似し、近似により得られた直線X(y)=ay+bと反射像内の各点における濃度値G(x,y)と反射像の重心(cx,cy)を用いて、第1左側重み付け値S1leftと第1右側重み付け値S1rightを算出する(数1参照)。第1左側重み付け値S1leftと第1右側重み付け値S1rightは、以下のように定義される。第1左側重み付け値S1leftは、濃度値G(x,y)とy軸方向における重心からの距離の積を、重心(cx,cy)から直線X(y)=ay+bに向かっておろした垂線Lによって分断した反射像のうち、x座標値が小さい一方の領域F1について合計した値である。また、第1右側重み付け値S1rightは、濃度値G(x,y)とy軸方向における重心からの距離の積を、重心(cx,cy)から直線X(y)=ay+bに向かっておろした垂線Lによって分断した反射像のうち、x座標値が大きい他方の領域F2について合計した値である。
この方法では、第1左側重み付け値S1leftと第1右側重み付け値S1rightの比が所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。第1左側重み付け値S1leftと第1右側重み付け値S1rightの比が所定範囲内でないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。
Figure 0005256400
(抽出方法4)
この方法では、図11に示すように、反射像を直線近似し、近似により得られた直線X(y)=ay+bと濃度値G(x,y)と重心(cx,cy)を用いて、第2左側重み付け値S2leftと第2右側重み付け値S2rightを算出する(数2参照)。第2左側重み付け値S2leftと第1右側重み付け値S2rightは、以下のように定義される。第2左側重み付け値S2leftは、濃度値G(x,y)と重心からの距離を、領域F1について合計した値である。また、第2右側重み付け値S2rightは、濃度値G(x,y)と重心点からの距離を、領域F2について合計した値である。
この方法では、第2左側重み付け値S2leftと第2右側重み付け値S2rightの比が所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。第2左側重み付け値S2leftと第2右側重み付け値S2rightの比が所定範囲内でないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。
Figure 0005256400
(抽出方法5)
この方法では、反射像を細線化する。コンピュータ22は、反射像の一方の輪郭線を選択することで反射像を細線化する。または、反射像のx軸に平行な断面において、その中央のx座標値を選択することで反射像を細線化する。
この方法では、得られた細線の平均曲率ρを算出し、この平均曲率ρが所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。この平均曲率ρが所定範囲内にないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。
(抽出方法6)
この方法では、反射像を細線化し、得られた細線に含まれる細線化系列C(xi,yi)(i=0〜M)を抽出する。細線化系列C(xi,yi)の始点C(x,y)は、細線の一端である。細線化系列C(xi,yi)の終点C(x,y)は、細線の他端である。細線化系列C(xi,yi)の中間点C(xi,yi)(i=1〜M−1)は、細線上に等間隔で配置されている。細線化系列C(xi,yi)の隣接点間のベクトルm(i),p(i)は、以下のように表される。
この方法では、ベクトルm(i),p(i)を用いて平均余弦値cosθを算出し、この平均余弦値cosθが所定範囲内であるときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34であると判断する。算出された平均余弦値cosθが所定範囲内でないときに、当該反射像がコイルばね30からの反射像34でないと判断する。平均余弦値cosθは、以下の式で算出される。
Figure 0005256400
(抽出方法1)〜(抽出方法6)を用いることで、図6(C)の差分画像に含まれる反射像から、円弧状の反射像をコイルばね30の反射像34として抽出することができる。
ステップS18〜24の工程によって、コンピュータ22は、差分画像から固定治具からの反射像やノイズを除去する。これによって、コンピュータ22には、図6(D)に示すような、コイルばね30からの反射像34のみが含まれる差分画像が取得される。
次にコンピュータ22は、ステップS26〜32において、反射像34の代表点H(x,y)の座標値を算出し、その代表点H(x,y)の座標値をワールド座標系における座標値へと変換する。ここでワールド座標系とは実空間を表す座標系を意味しており、本実施例では、コイルばね30の中心軸を基準とした円筒座標系を意味している。
先ず、ステップS26において、反射像34を細線化する。反射像34を細線化する処理は抽出方法5で行われる処理と等しいため、重複した説明を省略する。なお、ステップS26では、平均曲率ρが小さい方の輪郭線を選択して細線化している。
次に、ステップS28において、得られた細線を最小二乗法などで近似処理を行う。本実施例では、コイルばね30の素線32の断面形状(円)に基づいた幾何学的近似である楕円近似を行う。これにより、楕円の中心点d1(x,y)の座標値と半径r1が算出される。
次に、ステップS30において、中心点d1(x,y)の座標値及び/又は半径r1を用いて、反射像34の代表点H(x,y)の座標値を算出する。即ち、コンピュータ22は、算出された中心点d1(x,y)の座標値を代表点H(x,y)の座標値として特定することができる。あるいは、ステップS28で得られた楕円とステップS26で得られた細線が重複する範囲において、中心点d1(x,y)からの長さが最も長くなる点の座標値を代表点H(x,y)の座標値として特定することができる。これによって、反射像34の代表点H(x,y)の座標値が差分画像内の座標系を用いて表される。
なお、素線の断面が長方形となるばねの形状を測定する場合は、コイルばね30の素線32の断面形状(長方形)に基づいた幾何学的近似である長方形近似を行い、求めた長方形の中心点d1(x,y)を代表点H(x,y)の座標としても良い。
次に、ステップS32において、差分画像内の座標系で表された代表点H(x,y)の座標値を円筒座標系で表された座標値へと変換する。円筒座標系のX軸方向は差分画像内のx軸方向と平行であり、円筒座標系のY軸方向は差分画像内のy軸方向と平行である。そのため、x,y座標値に差分画像内の座標系と円筒座標系の間の原点位置の移動に伴うオフセット値を加算することでX,Y座標値へと変換することができる。また、代表点H(X,Y,θ)のθ座標値には、代表点H(x,y)が含まれる撮影画像が撮影された際の回転ステージ12の回転角θが適用される。
以上の変換により、コンピュータ22は、差分画像内の点として検知していた代表点Hを、円筒座標系で表現された実空間上の点として特定する。
ステップS2〜32の工程によって、形状測定装置10は、コイルばね30を構成する素線32上の各点における座標を取得し、さらに、コイルばね30の中心軸を基準とした実空間上の座標として特定する。これによって、形状測定装置10は、コイルばね30を実空間上の物体として検知することができ、コイルばね30の形状を精度良く測定することができる。
なお、コイルばね30の隣接する素線32の間隔(線間距離)が狭い場合や、スリット光15の照射強度や照射方向によっては、図12に示すように、隣接する素線32からの反射像34がお互いに連結して1つの反射像36を形成する場合がある。反射像34が連結して反射像36を構成している場合、反射像36を構成している反射像34は、ステップS24においてコイルばね30からの反射像34と判別されず、反射像34の代表点Hの座標値を算出することができない。そのため、ステップS22の完了後、ステップS24に先立って、反射像34が連結しているか否かを判断し、反射像34が連結している場合には、連結している反射像36を各々の反射像34に分割する処理が行われることが有効である。図3は、ステップS22とステップS24の間に行われる反射像36の分割処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3に示すフローチャートに沿って、反射像36の分割処理の流れを説明する。
先ず、ステップS102において、反射像36の輪郭線36a,36bのうち、平均曲率が小さくなる側の輪郭線36aを抽出する。
次に、ステップS104において、輪郭線36aに含まれる輪郭線系列D(xi,yi)(i=0〜n)を抽出する。輪郭線系列D(xi,yi)の始点A(x,y)は、輪郭線の一端である。輪郭線系列D(xi,yi)の終点B(x,y)は、輪郭線の他端である。輪郭線系列D(xi,yi)の中間点Pi(xi,yi)(i=1〜n−1)は、輪郭線上に等間隔で配置されている。上記の座標値を用いて、始点Aから終点BへのベクトルAB、終点Bから始点AへのベクトルBA、始点Aから中間点PiへのベクトルAPi、終点Bから中間点Pi始点AへのベクトルBPiは、以下のように表される。
Figure 0005256400
次に、ステップS106において、図13に示すように、ベクトルABとベクトルAPiのなす角θ(i)の余弦値cosθ(i)と、ベクトルBAとベクトルBPiのなす角θ(i)の余弦値cosθ(i)の積であるP(i)を算出する。即ち、余弦値cosθ(i)と余弦値cosθ(i)と積P(i)は、以下の式で特定される。
Figure 0005256400
次に、ステップS108において、積P(i)を用いて、反射像36に分割処理を行うか否かを決定する。コンピュータ22は、番号iの関数として積P(i)をグラフ化する。コンピュータ22は、番号iの中間点(0<i<N)において積P(i)が極大値Pを有するか否かを検出し、極大値Pを有する場合には、その極大値Pが規定値(本実施例では0.995)よりも大きいか否かを検出する。
コンピュータ22は、図14,15に示すように、番号iの中間点において積P(i)が極大値Pを有しており、その極大値Pが規定値よりも大きい場合には、分割処理を行うと決定する。一方、コンピュータ22は、その他の場合には、分割処理を行わないと決定する。例えば、図16に示すように、番号iの中間点において積P(i)が極大値Pを有していても、その極大値Pが規定値よりも小さい場合には、分割処理を行わないと決定する。
コンピュータ22は、分割処理を行うと決定した反射像36を分割する。これによって、反射像34が連結した場合でも、連結している反射像36を各々の反射像34に分割することができ、分割された反射像34を用いて代表点Hの座標値を算出することができる。このため、線間距離の短いコイルばねであっても、その形状を測定することができる。
ステップS108において、反射像36を分割したのちに、さらに分割された反射像34の形状の異常を判定する処理(ステップS110)が実行される。コンピュータ22は、分割された反射像34について再度ステップS102からステップS104の処理を実行することによって、改めて余弦値cosθ(i), cosθ(i)を算出し、この余弦値cosθ(i), cosθ(i)を用いて相関関数Iを算出する。相関関数Iは、以下の数6に示す式によって定義される。なお、数6の中のcosθ(上線付き)はcosθ(i)の平均値を表しており、cosθ(上線付き)はcosθ(i)の平均値を表している。コンピュータ22は、相関関数Iが所定範囲内でないときに、当該分割された反射像が異常形状であると判断し、この形状を除去する。相関関数Iが所定範囲内であるときに、当該分割された反射像が異常形状でないと判断する。
本実施例では、ステップS110の処理を行うことで、差分画像に残ったノイズによる反射像を精度良く除去することができる。例えば、ステップS108において、反射像34からノイズによる反射像が分割された場合は、ステップS110の処理を行うことで、ノイズによる反射像を除去することができる。これによって、差分画像に残った反射像からノイズを確実に除去することができる。
Figure 0005256400
また、本実施例では、コイルばね30の形状データを測定後、測定された形状データを用いて、その構造が解析されることが有効である。図17は、代表点Hの座標値を用いたコイルばね30の構造解析の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、コンピュータ22には、一定角度ごと(本実施例では9°)に撮影されて処理された複数枚(本実施例では40枚)の差分画像が取得されており、各差分画像には、コイルばね30の形状に起因した複数の代表点Hが含まれている。なお、図18では、理解のために各代表点HにそのY座標値が降順となる番号を付して表示している。形状測定装置10は、図17に示す工程を経て、図18に含まれる代表点Hを連結してコイルばね30の軌跡Eを特定し、特定した軌跡Eを用いてコイルばね30の巻き方向や端部の構造を解析する。以下、図17に示すフローチャートに沿って、コイルばね30の構造解析の流れを説明する。
先ず、ステップS202において、コイルばね30の軌跡Eを特定する。コイルばね30の軌跡を特定する手順を以下に説明する。
先ず、図18の複数の差分画像から1つの差分画像を選択し、その差分画像に含まれる代表点Hから1つの代表点Hを選択する。次いで、図19に示すように、この第1選択代表点H1が含まれる撮影画像nに対して回転角が大きくなる側に隣接する撮影画像n+1を検出し、撮影画像n+1に含まれる代表点群Hを抽出する。第1選択代表点H1としては、撮影画像n内の全ての代表点Hが順に選択される。第1選択代表点H1を選択する順番は、例えば、図18に示された付された番号に従って選択することができる。また、回転角が大きくなる側で隣接する撮影画像n+1が存在しない場合には、回転角が最も小さい撮影画像を隣接する撮影画像n+1として検出する。
次に、コンピュータ22は、第1選択代表点H1と代表点Hとの距離sを検出し、この距離sが最も小さくなる代表点Hを第2選択代表点H2として検出する。
次に、コンピュータ22は、第1選択代表点H1と第2選択代表点H2の距離sを規定値と比較する。コンピュータ22は、第1選択代表点H1と第2選択代表点H2の距離sを規定値と比較し、その距離が規定値以下であれば、第1選択代表点H1と第2選択代表点H2の間を連結する。その距離が規定値よりも大きければ、第1選択代表点H1と第2選択代表点H2の間を連結しない。全ての代表点Hで上記の処理を行うことで、代表点Hの間が連結され、コイルばね30の軌跡Eが特定される。
素線32の表面状態によっては、素線32の形状が正しい場合でも、素線32からの反射像34の濃度値G(x,y)が低くなる場合がある。この場合には、図2に示すフローチャートに含まれる画像処理によって反射像34が除去されてしまい、図20に示すように、撮影画像n+1に第1選択代表点H1が連結する第2選択代表点が存在しない場合がある。
このような場合には、ステップS204において、コイルばね30の軌跡Eを補完する処理を行うことが有効である。コンピュータ22は、撮影画像nに対して回転角が大きくなる側に次に隣接する撮影画像n+2を検出し、撮影画像n+2に含まれる代表点Hを抽出する。第1選択代表点H1と代表点Hとの距離sを検出し、この距離sが最も小さくなる代表点Hを第3選択代表点H3として検出する。
次に、コンピュータ22は、第1選択代表点H1と第3選択代表点H3の距離sを第2の規定値と比較する。コンピュータ22は、第1選択代表点H1と第3選択代表点H3の距離sを第2の規定値と比較し、その距離が第2の規定値以下であれば、第1選択代表点H1と第3選択代表点H3の間を連結する。その距離が第2の規定値よりも大きければ、第1選択代表点H1と第3選択代表点H3の間を連結しない。
本実施例では、ステップS204の処理を行うことで、第2選択代表点H2に対応する代表点Hが存在しない場合でも、第3選択代表点H3が存在する場合には、第1選択代表点H1と第3選択代表点H3を連結することができ、軌跡Eを特定することができる。これによって、素線32に沿って連続する軌跡Eを特定することができる。
また、コンピュータ22は、第1選択代表点H1に連結する代表点Hを検出する処理を繰返し実行してもよい。この場合には、繰返し実行する回数を設定しておくことが有効である。これによって、実際に連結する代表点Hが存在しない端部において、連結する代表点Hを検出する処理を無限に繰返すことが防止される。
また、ステップS204では、以下に示すような補完処理を行ってもよい。コンピュータ22は、撮影画像n+1の中から第1選択代表点H1からの距離sが1番目に短い代表点H21と二番目に短い代表点H22を検出し、代表点H21と代表点H22を用いて第2選択代表点H2を算出する。例えば、代表点H21と代表点H22の中間点を2選択代表点H2としてもよい。あるいは撮影画像n+1に含まれる代表点群Hの相互の位置関係から2選択代表点H2を算出する。この補完処理を行うことで、第2選択代表点H2に対応する代表点Hが存在しない場合でも、軌跡Eを特定することができる。これによって、素線32に沿って連続する軌跡Eを特定することができる。
次に、ステップS206において、コイルばね30の軌跡Eを用いて、コイルばね30の巻き方向を決定する。コンピュータ22は、画像番号nの関数として示した軌跡E(n)のY座標値をグラフ化する。画像番号nは、左回りに移動するとその数が増加するように設定されている。図21に示すように、画像番号nが増加するにつれて軌跡E(n)のY座標値が増加する場合には、コイルばね30が左巻きであると検出する。図22に示すように、画像番号nが増加するにつれて軌跡E(n)のY座標値が減少する場合には、コイルばね30が右巻きであると検出する。
次に、ステップS208において、コイルばね30の巻き方向を用いてコイルばね30の端部を決定する。コンピュータ22は、軌跡Eの端部をコイルばね30の端部と決定する。軌跡Eの端部は、ステップS204とステップS206において、連結する代表点Hが存在しないとされた第1選択代表点H1によって決定される。
コイルばね30は、使用時に通常、その端部において他の部材と接触する。そのため、コイルばね30の端部の位置は精度よく検出されることが必要とされる。
そのため、ステップS208において、コイルばね30の端部を決定した後に、コイルばね30の端部を詳細に探索する処理(ステップS210)が行われることが有効である。ステップS210において、コンピュータ22は、ステップS208において決定したコイルばね30の端部が含まれる撮影画像の画像番号nを検出し、その回転角θ’を中心とした詳細探索範囲(本実施例ではθ’±20°)で、回転角θをステップS2,4よりも細かく(本実施例では4°)移動させながらコイルばね30の画像を撮影する。これにより、コイルばね30の端部の位置をより正確に測定することができる。
上述したように、本実施例の形状測定装置10によると、コイルばね30を撮影した画像からコイルばねの形状を算出するため、コイルばね30の形状を短時間で、かつ、精度良く測定することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、コイルばね30に照射される光は必ずしもスリット光15に限定されない。例えば、ポイントレーザや透過照明をコイルばね30の軸方向の全体に亘って照射することでコイルばね30の光切断画像を取得してもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
形状測定装置の構成を示す図。 形状測定装置による形状測定の流れを示すフローチャート。 反射像の分割処理の流れを示すフローチャート。 スリット光の照射の様子を示す図。 反射像を示す図。 コンピュータによる画像処理の過程を示す図。 撮影画像の反射強度分布を示す図。 コンピュータによる画像処理を示す図。 コンピュータによる画像処理を示す図。 コンピュータによる反射像抽出処理を示す図。 コンピュータによる反射像抽出処理を示す図。 コンピュータによる反射像抽出処理を示す図。 コンピュータによる反射像抽出処理を示す図。 反射像の分割処理に用いられるグラフ。 図14を拡大したグラフ。 反射像の分割処理に用いられるグラフ。 コイルばねの構造解析の処理の流れを示すフローチャート。 差分画像を示す図。 代表点の連結処理を示す図。 代表点の連結処理を示す図。 コイルばねの軌跡を示す図。 コイルばねの軌跡を示す図。
符号の説明
10:形状測定装置
12:回転ステージ
14:レーザ
15:スリット光
16:CMOSカメラ
18:通信線
20:ディスプレイ
22:コンピュータ
30:コイルばね
32:素線
34:反射像
36:反射像
36a,36b:輪郭線
A:反射強度分布
C:細線化系列
D:輪郭線系列
E:軌跡
G:濃度値
H:代表点
I:相関関数
θ:回転角
ρ:平均曲率

Claims (6)

  1. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの表面に光を照射する照射手段と、
    コイルばねをその軸回りに回転させる回転手段と、
    コイルばねの表面からの反射光を撮影する撮影手段と、
    コイルばねをその軸回りに回転させたときの複数の回転角のそれぞれについて、照射手段からの光をコイルばねの軸方向の全体に亘って照射したときに撮影手段で撮影される撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像から、コイルばねの素線の座標値を算出する画像処理装置を備え、
    画像処理装置は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の1又は複数の座標値のそれぞれについて、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出する一方で、
    当該座標値に隣接する撮影画像内に連結する座標値がない場合に、当該座標値をコイルばねの端部と決定することを特徴とする形状計測装置。
  2. 画像処理装置は、算出されたコイルばねの素線の軌跡とコイルばねの回転方向から、コイルばねの巻き方向を決定することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 照射手段と回転手段と撮影手段と画像処理装置を制御する制御手段を更に備えており、
    制御手段は、(1)コイルばねの全周について回転手段のステップ角を粗く設定して撮影手段で撮影した撮影画像群からコイルばねの端部を決定する第1制御と、(2)第一制御によって決定した端部を含む一部について、回転手段のステップ角を細かく設定して撮影手段で撮影した撮影画像群からコイルばねの端部を詳細に決定する第2制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の形状測定装置。
  4. 画像処理装置は、撮影画像内のコイルばねの素線表面から反射された照射手段からの光による反射像から抽出した曲率が小さくなる側の輪郭線に対して、(1)その輪郭線の一端から輪郭線上の点までの長さと、(2)その点と輪郭線の一端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度、及び、その点と輪郭線の他端を結んだ線分と輪郭線の両端を結んだ線分とから形成される角度の少なくとも一方の角度との関係を表すグラフに基づいて、反射像を分割することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  5. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの表面に光を照射する照射手段と、
    コイルばねをその軸回りに回転させる回転手段と、
    コイルばねの表面からの反射光を撮影する撮影手段と、
    コイルばねをその軸回りに回転させたときの複数の回転角のそれぞれについて、照射手段からの光をコイルばねの軸方向の全体に亘って照射したときに撮影手段で撮影される撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像から、コイルばねの素線の座標値を算出する画像処理装置を備え、
    画像処理装置は、撮影画像から算出されたコイルばねの素線の1又は複数の座標値のそれぞれについて、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出し、
    算出されたコイルばねの素線の軌跡とコイルばねの回転方向から、コイルばねの巻き方向を決定することを特徴とする形状計測装置。
  6. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの表面に光を照射する照射工程と、
    コイルばねを軸回りに回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、照射手段からの光をコイルばねの軸方向の全体に亘って照射し、コイルばねの表面からの反射光を撮影する撮影工程と、
    前記撮影した複数の撮影画像から抽出される円弧状または折れ線状の反射像と、それら撮影画像を撮影した回転角から、コイルばねの素線の座標を検出する座標検出工程と、
    撮影画像から算出されたコイルばねの素線の1又は複数の座標値のそれぞれについて、当該撮影画像と回転角が隣接する他の撮影画像内の1又は複数の座標値のうち当該座標値からの距離が最も短くなる座標値であって、その距離が規定値以下となる座標値を、当該座標値と連結してコイルばねの素線の軌跡を算出する軌跡算出工程と、
    軌跡算出工程で連結された軌跡上の座標値のうち、当該座標値に隣接する撮影画像内に連結する座標値がない場合に、当該座標値をコイルばねの端部と決定する端部決定工程と、を備える形状測定方法。
JP2008272054A 2008-10-22 2008-10-22 コイルばねの形状測定装置と形状測定方法 Active JP5256400B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008272054A JP5256400B2 (ja) 2008-10-22 2008-10-22 コイルばねの形状測定装置と形状測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008272054A JP5256400B2 (ja) 2008-10-22 2008-10-22 コイルばねの形状測定装置と形状測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010101693A JP2010101693A (ja) 2010-05-06
JP5256400B2 true JP5256400B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=42292467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008272054A Active JP5256400B2 (ja) 2008-10-22 2008-10-22 コイルばねの形状測定装置と形状測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5256400B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5536744B2 (ja) * 2011-12-06 2014-07-02 旭精機工業株式会社 コイルばね計測装置
JP5943778B2 (ja) * 2012-08-27 2016-07-05 日本発條株式会社 座厚測定装置、プログラム、記録媒体、及び方法
JP6013088B2 (ja) * 2012-08-27 2016-10-25 日本発條株式会社 中心位置検出装置、プログラム、記録媒体、及び方法
JP5963262B2 (ja) * 2012-11-30 2016-08-03 国立大学法人横浜国立大学 対象物認識装置、方法、プログラム、及び記録媒体
JP6360706B2 (ja) * 2014-03-10 2018-07-18 日本発條株式会社 形状測定装置、プログラム、記録媒体、及び方法
JP6581493B2 (ja) * 2014-12-22 2019-09-25 中央発條株式会社 コイルばねの形状測定方法と形状測定装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0810130B2 (ja) * 1986-11-25 1996-01-31 株式会社日立製作所 光切断線法による物体測定装置
JPH03246405A (ja) * 1990-02-23 1991-11-01 Kato Hatsujo Kaisha Ltd ばね方向判別装置
JPH063118A (ja) * 1991-03-04 1994-01-11 Mitsubishi Rayon Co Ltd バネのピッチ測定装置
JPH07111342B2 (ja) * 1991-04-06 1995-11-29 茨城県 コイルばねの形状計測方法と装置
JPH05272927A (ja) * 1992-03-25 1993-10-22 Yoshiharu Morimoto 物体形状計測法およびその装置
JPH05296715A (ja) * 1992-04-17 1993-11-09 Hitachi Ltd 弦巻状線材位置計測装置
JPH06265321A (ja) * 1993-03-11 1994-09-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 外観検査方法
JPH1038531A (ja) * 1996-07-19 1998-02-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd パイプ形状自動計測装置及び計測方法
JP3419213B2 (ja) * 1996-08-30 2003-06-23 ミノルタ株式会社 3次元形状データ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010101693A (ja) 2010-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5256400B2 (ja) コイルばねの形状測定装置と形状測定方法
TWI614722B (zh) 用於檢測晶圓上缺陷之系統
JP4909859B2 (ja) 検査装置及び検査方法
TWI600897B (zh) 用於偵測晶圓上之缺陷之電腦實施方法、非暫時性電腦可讀媒體及系統
JP6220061B2 (ja) 自由形態の保護領域を使用するウエハ検査
JP5461630B2 (ja) 合焦位置を決定する方法及びビジョン検査システム
JP5651428B2 (ja) パターン測定方法,パターン測定装置及びそれを用いたプログラム
JP2007108835A (ja) 画像処理装置
KR101761586B1 (ko) 홍채와 공막의 경계선 검출 방법
JP5114301B2 (ja) 画像計測装置、画像計測方法及びコンピュータプログラム
JP2009259036A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、記録媒体、及び画像処理システム
US20140320610A1 (en) Depth measurement apparatus and controlling method thereof
US6718074B1 (en) Method and apparatus for inspection for under-resolved features in digital images
JP2011158367A (ja) 被検査物の検査方法、検査用プログラム及び検査装置
CN113375555A (zh) 一种基于手机影像的电力线夹测量方法及系统
EP2300990B1 (en) Image analysis system & method
CN107529962B (zh) 图像处理装置、图像处理方法和记录介质
AU2011265379A1 (en) Single shot image based depth mapping
KR20180072517A (ko) 홍채와 공막의 경계선 검출 방법
JP2006337257A (ja) ビーズアレイ用蛍光読取装置及びビーズアレイ用蛍光読取方法
WO2020217970A1 (ja) ワイヤ形状測定装置及びワイヤ三次元画像生成方法並びにワイヤ形状測定方法
KR20210148424A (ko) 자동화된 3-d 측정
EP2535923B1 (en) Detection method and detection device
JP5812284B2 (ja) 帯状構造検出装置及び方法並びにプログラム
JP2009250777A (ja) 表面検査装置および表面検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5256400

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250