JP5255854B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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技術は、液晶表示装置に関し、例えばTN(Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FFS(Fringe Field Switching)等の液晶モードに適用することができる。本技術は、配向膜の下面を溝形状として配向膜に特定方向の配向能を付与することにより、従来に比して生産性が高く、液晶に対する十分な配向規制力を有し、高い画質を確保することができるようにする。
従来、TN、ECB、STN、IPS、FFS等の各種液晶モードの液晶表示パネルでは、配向処理により液晶分子を一定方向に配向させており、この配向処理に種々の手法が提案されている。
この配向処理の1つであるラビング法は、最も頻繁に使用される方法であり、ポリイミド等からなる高分子膜による配向膜を透明電極上に形成した後、表面に布等を取り付けたローラーでこの配向膜を一定方向に擦ることにより、この配向膜に配向能を付与する。しかしながらラビング法では、ラビング屑等が付着して配向膜の表面を汚染する恐れがあり、また静電気の発生によりパネル上のTFT(薄膜トランジスタ)を破壊する恐れもある。
ラビング法に代わる配向処理方法であるいわゆるグレーティング法は、基板表面を加工してグレーティング(溝)を形成し、このグレーティングによる弾性歪みを利用して液晶分子を配向させる。グレーティング法では、弾性自由エネルギーが最も安定になるグレーティングに沿って平行な方向に液晶分子が配向する。
このグレーティング法に関して、M.Nakamura et al. J. Appl. Phys, 52, 210(1981)には、感光性ポリマーの層に光を照射して一定の間隔で直線状にグレーティングを形成する方法が提案されている。また特開平11−218763号公報には、基板上の光重合性モノマーに光を照射してグレーティング状の配向膜を形成する方法が提案されている。また特開2000−105380号公報には、転写の手法を適用して、基板表面に形成された樹脂塗布膜にグレーティングの凹凸形状を形成し、グレーティング状の配向膜を形成する方法が提案されている。
このグレーティング法では、グレーティングのピッチと高さとの調節によりアンカリングエネルギーを制御できることが知られている(Y. Ohta et al., J.J.Appl. Phys., 43, 4310(2004))。
またグレーティング法では、ポリイミド等の配向膜材自体が有する配向規制力を利用してアンカリング強度を向上する方法も提案されている。すなわち特開平5−88177号公報には、フォトリソグラフィー法により感光性ポリイミドをパターニングする方法が提案されており、また特開平8−114804号公報には、所定方向ではストライプ状であって、この所定方向と直交する方向では表面形状が鋸歯状である凹凸形状を第1配向膜の表面に形成し、この第1配向膜上に、この直交する方向に分子軸が揃った有機物を積層して配向膜を形成する方法が提案されている。また特開平3−209220号公報には、感光性ガラスをフォトエッチングして表面に凹凸形状を形成した後、配向材を塗布する方法が提案されている。
グレーティング法によれば、ラビング法による配向膜表面の汚染、静電気の発生を防止することができる。
特開平11−218763号公報 特開2000−105380号公報 特開平5−88177号公報 特開平8−114804号公報 特開平3−209220号公報 M. Nakamura et al. J. Appl. Phys, 52, 210(1981) Y. Ohta et al., J.J.Appl. Phys., 43, 4310(2004) M. I. Bessonov et al : Polyimides: Thermally Stable Polymers, Consultants Bureau New York 1987 S. I. Kim et al. : Macromolecules, 30, 7890, 1997 最新ポリイミド〜基礎と応用、日本ポリイミド研究会編、今井淑夫、横田力男編著、エヌ・ティー・エス、2002
しかしながらグレーティング法により、単に弾性歪み効果のみを利用して液晶分子を配向させる場合には、ラビング法と同等のアンカリング強度にするために、溝のピッチPと高さHとの比T(=H/P)を十分に大きくする必要がある。具体的に、上述のY. Ohta et al., J.J.Appl. Phys., 43, 4310(2004)によれば、ラビング処理を行った配向膜と同等の方位角アンカリング強度(約1×10-4〔J/m2 〕)を得るためには、溝のピッチPと高さHとの比Tを1以上とする必要がある。
従って実用で想定されるグレーティングのピッチが1〔μm〕以上であることから、十分な方位角アンカリング強度を確保するためには、単に弾性歪み効果のみを利用して液晶分子を配向させる場合、グレーティングの深さを1〔μm〕以上とすることが必要になる。ここで液晶表示パネルでは、セルギャップが3〜4〔μm〕程度であることから、グレーティングの深さを1〔μm〕以上とすると、深さが1〔μm〕以上の周期的な凹凸がパネル面内に形成されることになり、液晶のリタデーションがパネル面内で変化することになり、コントラスト比を十分に確保することが困難になる。また生産性を考慮すると、グレーティングの深さを1〔μm〕未満として、十分なアンカリング強度を確保することが望まれる。
また、ポリイミド等の配向膜の配向規制力を利用する方法に関しても、以下のような問題を有する。例えば、特開平5−88177号、特開平3−209220号の方法の場合、表面の凸凹による配向規制力と配向膜による配向規制力を比較すると、後者の方が強いため、液晶分子の配向方向は、配向膜の分子長軸の配向方向に向くことになる。しかし、配向膜の分子長軸の方向が制御されていないために、全体として十分な配向規制力が得られるとは言い難い。
また、特開平8−114804号の方法の場合、表面の凸凹で配向膜の分子軸を制御しているが、配向膜として使用しているのは光重合製の液晶材料で、信頼性、電気的特性に優れた通常の量産で用いられているポリイミドを使用することができないという問題点を有する。また、液晶の配向方向が溝に対して平行となるため、プレチルト角を制御するためには、溝を非常に複雑な形状に制御する必要があるという問題点を有する。すなわち、ストライプ状の凸凹に対してほぼ直角方向に鋸歯状の凸凹を形成する必要があり、スタンプ等の利用による著しく生産性の低い方法によらざるを得ない。
技術は上述した従来の技術の課題に鑑み、グレーティング法を改善して生産性が高く十分な配向性を有し、高い画質を確保することができる液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本技術にかかる液晶表示装置は、所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板と、該間隙に保持された液晶と、少なくとも片方の基板に形成され該液晶の分子を配向する配向層と、少なくとも一方の基板に形成され該液晶に電圧を印加するための電極とを備え、前記配向層は、複数本の溝が平行に形成された主面を有する基層と、該溝の形成された主面を被覆する被膜とからなり、前記被膜は、ポリイミド材料で且つイミド化率が50%以上であり、主面に対して電圧無印加の状態で該液晶の分子の長手方向を示す分子長軸を平行に配向する水平配向能を有し、各溝は所定の方向に沿って伸びており、且つ該所定の方向と直交する直交方向に沿って与えられたピッチで繰り返し配列されており、以って液晶の分子長軸が該溝の該所定の方向と直交する直交方向に指向して水平配向することを特徴とする。
好ましくは、前記基層の主面は複数の領域に分割されており、隣り合う領域に与えられる該溝の該所定の方向が互いに異なる。
又本技術は、所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板と、該間隙に保持された液晶と、少なくとも片方の基板に形成され該液晶の分子を配向する配向層と、少なくとも一方の基板に形成され該液晶に電圧を印加するための電極とを備えた液晶表示装置の製造方法において、前記配向層は、複数本の溝が平行に配された主面を有する基層と、該溝の配された主面を被覆する被膜とで形成し、前記被膜は、ポリイミド材料で且つイミド化率が50%以上であり、主面に対して電圧無印加の状態で該液晶の分子の長手方向を示す分子長軸を平行に配向する水平配向能を有し、各溝は所定の方向に沿って伸びており、且つ該所定の方向と直交する直交方向に沿って与えられたピッチで繰り返し配列し、以って液晶の分子長軸が該溝の該所定の方向と直交する直交方向に指向して水平配向することを特徴とする。
技術によれば、液晶分子を配向させるための配向層が、二層構造になっている点に特徴がある。即ち配向層は下側の基層と上側の被膜とからなる。基層はその表面(主面)に複数本の溝(グレーティング)が形成されている。一方被膜はポリイミド配向膜からなり、液晶の分子長軸を主面に対して平行に配向する水平配向能を有する。この様にストライプ状のグレーティングを形成した基層と水平配向能を有する被膜とを組み合わせることで、グレーティングの溝が延びる所定の方向(以下本明細書ではこの所定方向を直線方向と呼ぶ場合がある)と直交する直交方向に液晶の分子長軸を指向して整列させることができる。以下この配向状態を直交配向と呼ぶ場合がある。これに対し、従来の単純なグレーティング方式は溝の直線方向に沿って液晶の分子長軸を平行に整列させたものである。以下この配向状態を平行配向と呼ぶ場合がある。
従来のグレーティング方式は液晶の分子長軸を溝の直線方向と平行に整列させるため、溝のアスペクト比を大きく取る必要があり、表示品質や生産性の上で大きな障害となっていた。これに対し、本技術はグレーティングと水平配向能を有する被膜を組み合わせることで、液晶の分子長軸を溝の直線方向ではなく直交方向に整列させている。この直交配向は基層のグレーティングと高分子被膜の水平配向能とを組み合わせた複合効果もしくは相乗効果により得られるもので、従来はまったく知られていなかったものである。従来の溝に沿った平行整列はグレーティングのみに依存しているため、溝のアスペクト比を大きく取る必要があった。これに対し本技術の直交配向はグレーティングと高分子被膜の複合効果で得られるため、溝のアスペクト比自体は従来の単純なグレーティング法に比較して大きく取る必要が無く、生産性や表示品質の上で優れている。
また本技術では、溝の方向に対して、液晶分子は直交方向に配向しているため、溝の断面形状を非対称にするだけで、容易にチルト角を発現させることができるという利点を有する。加えて、本技術では、配向膜として特殊な材料ではなく、長年の実績を有するポリイミドを使用することができ、現有の生産設備でそのまま生産可能であるという利点を有する。
特に本技術では、配向被膜として用いるポリイミド材料のイミド化率を50%以上にしている。従来、TN、ECB、STN、IPS、FFS等の各種液晶モードの液晶表示パネルでは、配向処理により液晶分子を一定方向に配向させており、この配向処理に種々の手法が提案されている。この配向処理の1つであるラビング法は、最も頻繁に使用される方法であり、ポリイミドからなる高分子膜による配向膜を透明電極上に形成した後、表面に布等を取り付けたローラーでこの配向膜を一定方向に擦ることにより、この配向膜に配向能を付与する。しかしながらラビング法では、ラビング屑等が付着して配向膜の表面を汚染する恐れがあり、また静電気の発生によりパネル上のTFT(薄膜トランジスタ)を破壊する恐れもある。
ラビング法に代わる配向処理方法であるいわゆるグレーティング法は、基板表面を加工してグレーティング(溝)を形成し、このグレーティングによる弾性歪みを利用して液晶分子を配向させる。グレーティング構造を局所的に変化させることで分割配向が可能であるという利点を有するが、配向特性が悪いという問題点を有する。この問題を解決するために、高分子からなる配向層を塗布して、グレーティングに対して液晶分子を直交させる配向方法によって、配向特性を向上させる方法が上記のように新グレーティング配向方法として見出されている。
前記の新グレーティング配向法において、塗布する高分子からなる配向層は種々の材料が考えられるが、耐熱性、薄膜が形成できること、化学的安定性、物理的強度に優れることに加え、液晶パネルにおけるこれまでの量産実績より、ポリイミド材料が最も適当であると考えられる。
ポリイミド膜は、その前駆体であるポリアミック酸を脱水環化(イミド化)して作成され、全体に対してイミド化される割合はイミド化率と呼ばれている。このイミド化率の変化によって、配向特性、信頼性等の配向膜の特性が大きく変わることがラビング配向法では知られている。しかし、上記新グレーティング配向法は従来知られていなかった方法であるので、イミド化率と配向特性との相関に関する知見を新たに調べる必要がある。
また、本技術のグレーティングによる液晶配向作用は、配向膜材料だけでなく、グレーティング形状にも起因するが、このことは生産ばらつきによる形状のばらつきにより、配向特性が変化してしまうという問題を有する。このため、配向膜の材料、プロセス条件の工夫により、生産マージンを拡大することが望まれている。本技術は、かかる課題の認識のもとになされたものである。その結果として、イミド化率が50%以上のポリイミド材料をグレーティングの配向被膜としている。これによりグレーティング形状に対する配向特性のマージンが増加し、生産性が向上する。
以下図面を参照して本技術の好適な実施形態を詳細に説明する。図1は本技術にかかる液晶表示装置の要部を示す模式的な一部斜視図である。本技術にかかる液晶表示装置は、基本的に所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板と、この間隙に保持された液晶と、少なくとも片方の基板に形成され液晶の分子を配向する配向層と、少なくとも一方の基板に形成され液晶に電圧を印加するための電極とを備えている。図1は特に配向層が形成された片方の基板を模式的に表している。なお電極は図を見易くするため図示を省略している。
配向層は、複数本の溝Mが平行に形成された主面を有する基層と、溝Mの形成された主面を被覆する被膜とからなる。但し、複数本の溝Mは幾何学的に厳密に平行である必要は無く、本技術の作用効果を奏する範囲で概ね若しくは実質的に平行であればよい。この被膜は高分子フィルムからなる。図示の例では、有機高分子被膜を構成する高分子鎖は溝Mに沿って整列している。但しこれは高分子鎖の状態を模式的に表したものであり、本技術は必ずしもこの様な高分子鎖配列に限定されるものではない。この被膜は、電圧無印加の状態で液晶の分子の長手方向を示す分子長軸を主面に対して平行に配向する水平配向能を有する。この様に液晶分子に対する配向能を有する被膜を、以下本明細書では配向膜と称する場合がある。また主面は、複数本の溝Mが形成された基層の表面を表しており、基板面と平行である。
各溝Mは与えられた直線方向に沿って伸びており、且つ直線方向と直交する直交方向に沿って与えられたピッチで繰り返し配列されている。この直交方向に沿った基層の断面は、各溝Mの底に対応した凹部と、隣り合う溝Mの境に対応した凸部とが、交互に繰り返し現れる凹凸構造となっている。
技術の特徴事項として、液晶分子の長軸が溝の直線方向と直交する直交方向に指向して水平配向をしている。従来のグレーティングを利用した配向では、液晶分子が溝Mの直線方向と平行に指向した平行配向となっている。本技術はグレーティングを水平配向膜で被覆することにより、従来の平行配向とは異なる直交配向を実現している。この直交配向は、グレーティング基層と水平配向膜との相乗効果により得られたものであり、従来に比べアスペクト比を大きくとる必要が無い。溝Mの配列ピッチに対する溝の深さの比率を表すアスペクト比は、本技術に従って1未満に抑えることができる。
又本技術の特徴事項として、配向被膜はイミド化率が50%以上のポリイミド材料で作成している。図2は、ポリイミド配向膜の一般的な作成方法を示す。ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸は、酸無水物とジアミンとの反応で得られる。ポリイミド配向膜を得るため方法として、溶媒に溶かしたポリアミック酸を基板に塗布、250〜300℃に加熱(ベーク)して、基板上で直接、熱的にイミド化する方法(A)と、溶液中で化学的にイミド化した可溶性ポリイミドを溶媒に溶かしたものを塗布、加熱する方法(B)の2種類が知られている。ポリアミック酸、可溶性ポリイミドの何れを出発材料として使用するかにより得られる特性が変わってくるので、目的、用途に応じて使い分けがなされている。また、両者の利点を兼ね備えた方法として、ポリアミック酸と可溶性ポリイミドを混合した溶液を使用して、それぞれの原料に基づく2層を形成するハイブリッドタイプのものも知られている。
各ベーク温度によるイミド化率について調べた結果を図3に示す。ここでは、イミド化による結合エネルギー状態のスペクトル変化を軟X線吸収分光、NEXAFS(Near Edge X−ray Absorption Fine Structure)によって測定した結果より、イミド化率を調べた。その他、一般に行われている赤外分光法によりイミド化率の評価を行っても構わない。図3の結果より、125℃よりイミド化反応は進行し、250℃でほぼ完了することが分かった。
図4は、一対の基板に保持された液晶の配向状態を表した模式図である。図示するように、液晶の分子長軸は、一定の方向に整列して水平配向しており、本明細書ではこの配向状態をホモジニアス配向と呼ぶ場合がある。また液晶の分子長軸の整列方向を本明細書では配向方向と呼ぶ場合がある。よって本技術に固有の直交配向は、配向方向がグレーティングの直交方向に一致するホモジニアス配向である。
液晶表示装置は、配向層を用いて液晶を配向制御し且つ印加電圧を制御して配向状態を切換え、所望の画像表示を行う。配向状態の変化は例えば上下一対の偏光板で輝度変化に変換することができる。(A)は一対の偏光板のクロスニコル配置を表しており、上下の偏光板の透過軸が互いに直交している。入射側になる下側の偏光板の透過軸は液晶の配向方向と平行である。出射側となる偏光板の透過軸は液晶の配向方向と直交している。液晶が理想的なホモジニアス配向にあるとき、入射光は一対の偏光板によって完全に遮断され、漏れ光はゼロになる。よって黒表示が得られる。
(B)は一対の偏光板のパラニコル配置を表している。このパラニコル条件は上下の偏光板の透過軸が共に液晶の配向方向と平行である。この場合入射光はそのまま吸収を受けることなく出射する。よって白表示が得られる。電圧無印加状態でパラニコル配置を採用したとき、ノーマリホワイト表示となる。逆にクロスニコル配置を採用したとき、電圧無印加状態でノーマリブラック表示となる。
次に、本技術の効果を確認するために行った実験の方法について説明を行う。本実験では、ポリイミド配向膜の材料として、無水ピロメリト酸PMDAとビス(4−アミノフェノール)エーテルODAを出発原料として合成したポリアミック酸を有機溶媒に溶かしたもの(PMDA/ODA)を使用した。PMDA/ODAを使用した理由は、ポリイミド材料の中で最も基本的で、構造が公開され、各種調査に関するデータが豊富であるためである。
最初に、液晶配向を誘起するグレーティング形状が形成された基板上に、PMDA/ODA溶液をオフセット印刷法によって塗布した。次に、95℃、72secのプリベーク処理により溶媒の乾燥処理を施した。その後、125〜240℃の種々の温度条件でベーク処理を75分間施し、PMDA/ODA配向膜のイミド化率を変化させたサンプルを作成した。
配向膜形成処理が完了した二枚の基板を重ねあわせ、スクライブブレイク、液晶注入後に封止、熱処理してセルの作成を行った。この時、液晶分子がホモジニアス配向するように両側基板の配向処理を実施し、液晶配向方向に平行と直交方向になるよう(クロスニコル)にセルの両側に偏光板を貼って、光学特性を行った。液晶配向特性は、偏光板を貼った後のセルの光の漏れの程度を測定することで評価を行った。
図5に上記実験の結果を示す。図5は、イミド化率と液晶配向特性の相関について調べた結果である。図5のグラフは、横軸はグレーティング形成時のステッパー露光量で、グレーティングの形状変化量、特に高さ(溝の深さ)に比例する。具体的には、露光時間500msにおいて0.4μmのグレーティング高さを有する。また縦軸は、ホモジニアス配向セルの液晶配向方向に対して偏光板を直交、平行にクロスニコルに貼ったセルの輝度を測定した結果で、黒輝度が低いほど配向特性が良好であることを示している。
この結果より、全体的に露光時間が低い時は配向特性が良くなかったのが、露光時間200msを越えると特性が良くなり、その後、徐々に配向性が低下していることが分かる。ここで、本焼成温度175℃以上にすると、それ以下の温度における場合と比較して、グレーティング高さの変化に関わらず配向特性の悪化が緩和されていることが分かる。このことは、実際の量産段階において、多少のグレーティング形状の変動により配向特性が変化しにくい、即ちプロセスマージンが大きいことを示しており、望ましい結果であると考えられる。
図5で、本焼成温度175℃以上にすると望ましい結果が得られることが分かったが、この時のイミド化率は図3のグラフより50%であることが示されることから、イミド化率とグレーティングによる液晶配向特性の相関が示唆される。
イミド化率と配向特性向上の因果関係については、下記のメカニズムによると考えられる。本技術では、グレーティングにより配向誘起された高分子鎖と液晶分子との相互作用により液晶配向性が発現すると考えている。ここで、ポリアミック酸も高分子であるので、グレーティングにより高分子鎖の配向がある程度誘起されるため、液晶の配向性は発現すると考えられる。そのことは、図5のグラフにおいて、ベーク温度125℃でイミド化率が非常に低いサンプルにおいても適当なグレーティング高さにおいて、比較的良好に液晶分子が配向している結果が得られていることからも裏付けられる。
しかし、イミド化に伴う分子の再配列により配向性がより改善されるのは、ポリアミック酸とポリイミドの分子鎖の構造の違いに起因すると考えられる。構造的には、ポリアミック酸状態がランダムコイル状態であるとすると、ポリイミド鎖は剛直で直線的な構造であることが、これまでの知見として得られている。Kuhnセグメント長(lk)に関して、ポリイミドPI(PMDA/ODA)は72Å[非特許文献3]であるが、ポリアミック酸PAA(PMDA/ODA)の場合、パラ位とメタ位との平均から約43Å[非特許文献4]と推算されている。
また、ポリアミック酸、ポリイミド高分子鎖ともに自発配向性を有し、平坦な基板上で薄膜を形成した場合でも、膜厚、温度、応力等の種々の条件により程度は変化するが、基板面内で配向することが知られている。この配向性は、ポリアミック酸状態の時よりも、イミド化してポリイミドとなった時の方が、一般的に高くなることが実験的に示されている[非特許文献5]。グレーティング上でも同様に、ポリアミック酸よりもポリイミド高分子鎖の方が配向性が高くなるために、高分子鎖と液晶分子との相互作用により発現する液晶配向性がより向上するものと考えられる。
技術によるグレーティングでは、グレーティング高さが適当な時に高分子鎖の配向作用が十分に効いて液晶配向特性も最も良好になるが、それ以上のグレーティング高さになると、形状による弾性歪み効果によりグレーティングと平行方向に配向させようとする力が大きくなってくるため、液晶配向特性が低下してくるという問題を有している。しかし、本実験で示されたように、配向膜中のイミド化率を50%以上にすることで、高分子鎖によるグレーティング直交方向への配向力を向上させる作用があるために、グレーティング形状に対する生産マージンが向上するものと考えられる。
上記の知見は、ポリアミック酸溶液を使用した場合について説明したが、本技術の効果は最終的にイミド化された状態での配向特性の優位性を示しているので、ポリイミド配向膜の出発材料として、可溶性ポリイミド溶液、または可溶性ポリイミドとポリアミック酸の混合溶液を使用した場合であっても同様の効果が得られる。
また実験結果では、ポリイミド材料としてPMDA/ODAを使用した場合のみを示したが、イミド結合を有するポリイミド材料であれば全てのものについてイミド化に伴う高分子鎖の剛直性の向上が生じるので、イミド化率と配向特性との相関性についても、本技術で得られた知見が同様に適用されると考えられる。
ポリイミドの前駆体のポリアミック酸は、ジアミンと酸無水物から形成されており、その具体例を列記する。ジアミンとしては例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2′−ビス[4(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、更には等のシリコンジアミン等が挙げられる。又、これらのジアミンの1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
一方酸無水物としては、例えばテトラカルボン酸二無水物がある。具体例としては、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物(以下、TDAと略す)であるが、その他のテトラカルボン酸二無水物を混合して用いても構わない。その具体例としてはピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロプロパンテトラカルボン酸二無水物及びシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
図6は、本技術の実施例1の液晶表示装置に適用される液晶表示パネル1を部分的に拡大して示す断面図である。この実施例の液晶表示装置は、いわゆる透過型又は反射型であり、この図6において液晶表示パネル1の上側である表側面等に偏光板等が設けられる。また透過型ではこの図6において液晶表示パネル1の下側である背面側にバックライト装置が設けられ、反射型では、この図6において液晶表示パネル1の上側である表面側にフロントライト装置が設けられる。
この液晶表示パネル1は、TFTアレー基板2とCF基板3とにより液晶を挟持する。ここでCF基板3は、透明の絶縁基板であるガラス基板4上に、カラーフィルタ5、絶縁膜6、透明電極による電極7、配向膜8を順次形成して作成される。ここで電極7は、通常は、ITO(Indium Tin Oxide)を全面に成膜して形成されるものの、画素毎に又はサブ画素毎に、パターニングしてもよい。また配向膜8は、水平配向を誘起する液晶配向材として可溶性ポリイミドとポリアミック酸の混合物を印刷法により塗布した後、200度の温度で75分間焼成することにより、ポリイミド薄膜を膜厚50〔nm〕で形成し、その後ラビング処理により配向能を付与して作成される。なおラビング処理の方向は、この図において矢印の方向であり、後述する溝Mの延長方向(直線方向)と直交する方向である。
これに対してTFTアレー基板2は、図7に示すように、透明の絶縁基板であるガラス基板10に、TFT等を形成して絶縁膜11を形成し、この絶縁膜11上に、電極12、配向膜13を順次形成して作成される。以上の説明から明らかなように、基板10の上に順に形成された絶縁膜11、電極12及び配向膜13で本技術の配向層を構成している。この内絶縁膜11と電極12が図1で示した基層に相当し、配向膜13が同じく図1に示した被膜に相当している。
TFTアレー基板2は、配向膜13を作成する主面の形状が、所定方向に直線状に延長する溝がこの所定方向と直交する方向に繰り返し形成された溝形状となるように形成されて、この溝形状を高分子膜で被覆して配向膜13が形成される。またこの実施例では、絶縁膜11の表面形状がこの溝形状に形成されて、配向膜13を作成する面が溝形状に形成される。ここで各溝Mは与えられた直線方向に沿って伸びており、且つ直線方向と直交する直交方向に沿って与えられたピッチPで繰り返し配列されている。直交方向に沿った絶縁膜11の断面は、各溝Mの底に対応した凹部と、隣り合う溝Mの境に対応した凸部とが互いに繰り返し現れる凹凸構造を有している。
ここで溝Mは、その断面形状が、溝Mの頂点を中心とした対称形状の略円弧形状に形成される。また溝Mは、ピッチPが1〔μm〕、高さ(深さ)Hが400〔nm〕により形成され、これによりピッチPと高さHとの比T(=H/P)が1未満の0.4に形成される。
より具体的に、TFTアレー基板2において、絶縁膜11は、ノボラック系、アクリル系等の有機物レジスト材料、若しくはSi02 、SiN、又はSi02 、SiNを主成分とする無機系の材料で形成される。
ここで感光性の有機物レジスト材料で絶縁膜11を形成する場合、TFTアレー基板2は、感光性の有機物レジスト材料をコートした後、プリベークし、その後、溝Mに対応するパターン(ストライプパターン)を有するマスクを用いて紫外線等によりレジスト材料を露光する。また現像、ポストベークし、これによりフォトリソグラフィー法を適用して、絶縁膜11の表面を溝形状に加工する。なおマスクを使用する代わりに、異なる二方向から照射される光束の干渉を利用して露光処理してもよい。またフォトリソグラフィー法に代えて、ナノインプリント法等の手法を適用してもよい。
また無機系材料で絶縁膜11を形成する場合、TFTアレー基板2は、真空蒸着、スパッタ、CVD等により、この無機系材料を所定膜厚で堆積させた後、フォトリソグラフィー法により、感光性有機物レジスト材料を溝状にパターニングし、その後、ウェットエッチング又はドライエッチングして、配向膜13側面を溝形状とする。また絶縁膜11は、一般に市販されている無機系材料と有機系材料との混合物で感光性を有する材料を使用して作成することもでき、この場合は、フォトリソグラフィー法によりパターニングした後、焼成等の過程を経ることで、有機物系の成分が雰囲気中に飛散し、主に無機物の成分から絶縁膜11が形成される。
また電極12は、透過型では、通常は、ITO等の透明電極材料を全面に成膜した後、パターニングして形成される。なお反射型では、アルミニウム、銀等の金属材料を適用するようにしてもよい。
配向膜13は、ポリイミド材料を、オフセット印刷法によって塗布した後、200度の温度で75分間焼成して成膜される。これによりポリイミド材料のイミド化率が50%以上になる。配向膜13は、この焼成処理により、配向膜中の高分子鎖が溝Mに対して所定の方向に揃い、配向能が付与される。なお配向膜13の塗布法には、スピンコート法、ガンマブチルラクトン、アセトン等の溶媒で希釈した溶液の槽の中に漬けるディッピング法、スプレーにより噴霧する方法等、種々の手法を適用することができる。
ここで配向膜13は、下層の表面形状を溝形状とした状態で、配向材の塗布、乾燥、焼成を行う過程において、配向膜中の高分子鎖の方向が溝に対して所定の方向に揃い、配向能が付与される。
種々に検討した結果によれば、このような塗布後の焼成により一定の方向に液晶分子軸が揃うためには、配向膜13の下側面に、この一定方向と直交する方向に延長する溝Mが形成されていることが必要であり、単なる突起、凹凸では、各頂点から裾野に向かう方向に配向膜の分子軸が並び、特定方向に配向能を付与できないことが判った。
また溝Mについては、ピッチPと高さHとの比T(=H/P)が1未満の場合であっても、十分に配向能を付与することができ、配向膜13の下側面を溝形状に加工する観点からすると、ピッチPと高さHとの比Tを1未満として、さらに好ましくは、ピッチPと高さHとの比Tを0.5未満として、生産性を向上することができる。
液晶表示パネル1は、TFTアレー基板2、CF基板3をシール材で貼り合わせた後、これらTFTアレー基板2、CF基板3間のギャップに、正の誘電率異方性を有するネマティック液晶が注入されて形成される。なおこの図6においては、液晶分子を符号15で示し、θ、θ/2は、液晶分子15のチルト角である。この場合、液晶を注入して液晶分子15の配向方向を確認したところ、TFTアレー基板2側面では、溝Mの延長方向と直交する方向に液晶分子15が配向しており、図6に示すように、溝Mの延長方向がラビング方向と直交するようにTFTアレー基板2、CF基板3を貼り合わせた場合には、液晶分子15がホモジニアス配向することが確認された。なお溝Mの延長方向がラビング方向と平行となるようにTFTアレー基板2、CF基板3を貼り合わせた場合には、液晶分子15がツイスティッドネマティック配向することが確認された。
図8は、この液晶表示パネル1に電圧を印加した場合の模式図である。この液晶表示パネル1は、電圧を印加しても、TFTアレー基板2、CF基板3の界面近傍では、液晶分子の配向は変化せず、界面から離れるに従って徐々に液晶分子15のチルト角が大きくなり、TFTアレー基板2及びCF基板3間の中央部分で、チルト角が約90度となって最大となる。
この電圧印加時のリタデーションを回転検光子法によって測定し、TFTアレー基板2、CF基板3を共にラビング処理した液晶セルのリタデーションと比較した。ここでアンカリング強度が弱い場合には、電圧の印加により、TFTアレー基板2側界面における液晶分子のチルト角が変化することから、TFTアレー基板2、CF基板3を共にラビング処理した液晶セルに比してリタデーションが小さくなる。しかしながら測定した結果によれば、電圧印加時、この実施例の液晶表示パネル1は、TFTアレー基板2、CF基板3を共にラビング処理した液晶セルとほぼ同等のリタデーションが測定され、これによりTFTアレー基板2側の配向膜13により、十分なアンカリング強度を確保していることを確認することができた。
なお図6に示した実施例1では、TFTアレー基板2の配向膜13及びCF基板3の配向膜8にそれぞれ溝形状及びラビング処理により配向能を付与する場合について述べたが、本技術はこれに限らず、これとは逆に、TFTアレー基板2の配向膜13及びCF基板3の配向膜8をそれぞれラビング処理及び溝形状により配向能を付与してもよく、またTFTアレー基板2及びCF基板3の配向膜8、13の双方に溝形状により配向能を付与してもよい。またこの図6の例では、ネマティック液晶を適用する場合について述べたが、スメクティック、コレステリック等、種々の液晶を広く適用することができる。
図9は、図7との対比により本技術の実施例2に適用される液晶表示パネルのTFTアレー基板を示す斜視図である。このTFTアレー基板22は、絶縁膜11の表面形状に代えて、電極12の表面形状が溝形状に形成されて、配向膜13を作成する面の形状が溝形状に形成される。この実施例の液晶表示パネルは、この溝形状の加工に関する点が異なる点を除いて、実施例1の液晶表示パネル1と同一に形成される。
すなわちこの実施例に係るTFTアレー基板22は、実施例1について上述したと同様にしてガラス基板10上に一定の膜厚により絶縁膜11が形成される。また続いて、ITO、アルミニウム、銀等を成膜した後、フォトリソグラフィー法により感光性レジストを溝状にパターニングし、ウェットエッチング処理又はドライエッチング処理して電極12に溝形状が形成される。なお実施例1について上述したと同様に、図9に示す構成をCF基板側に適用してもよい。
この実施例のように、絶縁膜の表面形状に代えて、電極12の表面形状を溝形状として、配向膜を作成する面の形状を溝形状にしても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図10は、図7との対比により本技術の実施例3の液晶表示装置に適用される液晶表示パネルのTFTアレー基板を示す斜視図である。このTFTアレー基板32は、絶縁膜11の表面形状に代えて、絶縁基板であるガラス基板10の表面形状が直接、溝形状とされて、配向膜13を作成する面の形状が溝形状に形成される。この実施例の液晶表示パネルは、この溝形状の加工に関する点が異なる点を除いて、実施例1の液晶表示パネル1と同一に形成される。なおこの図10の例では、絶縁膜が省略されているものの、必要に応じて絶縁膜を設けるようにしてもよい。
すなわちTFTアレー基板32は、ガラス基板10の表側面において、フォトリソグラフィー法により感光性レジストを溝状にパターニングした後、ウェットエッチング処理又はドライエッチング処理し、ガラス基板10の表側面が溝形状に加工される。その後、電極12、配向膜13が順次作成される。なお実施例1について上述したと同様に、図10に示す構成をCF基板側に適用してもよい。なお実施例1〜3では、基層の上に電極を介して配向膜を形成しているが、本技術はこれに限られるものではない。場合によっては、基層の上に直接配向被膜を形成しても良い。
この実施例のように、絶縁膜の表面形状に代えて、絶縁基板の表面形状を溝形状として、配向膜を作成する面の形状を溝形状にしても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図11は、図7との対比により本技術の実施例4の液晶表示装置に適用されるTFTアレー基板42の構成を示す斜視図である。このTFTアレー基板42は、一定のピッチPによる溝Mが一定本数以上連続しないようにして、溝Mが形成される。より具体的に、TFTアレー基板42は、連続する溝MにおいてピッチPがランダムに変化するように設定される。これによりTFTアレー基板42は、連続する溝Mが回折格子として機能しないように設定される。この実施例の液晶表示パネルは、このTFTアレー基板42におけるピッチPの設定が異なる点を除いて、上述の各実施例と同一に構成される。
すなわち一定のピッチPにより溝Mを形成した場合には、この周期的な溝Mが回折格子として機能するようになり、虹色の干渉縞が見て取られ、画質が著しく劣化する。透過型液晶表示パネルの場合、配向膜が屈折率ほぼ1.5の液晶と接していることから、空気中に溝Mが剥き出しになっている場合程では無いものの、ITO等の透明電極の屈折率がほぼ2であることから、虹色の干渉縞が発生する。また反射型液晶表示パネルでは、虹色の干渉縞が著しくなる。
しかしながらこの実施例のように、ピッチPをランダムに変化させて、一定のピッチPによる溝Mが一定本数以上連続しないように設定すれば、このような虹色の干渉縞の発生を防止して画質の劣化を防止することができる。
図12は、本技術の実施例5の液晶表示装置に適用される液晶表示パネルを示す平面図であり、図13は、この液晶表示パネル51をA−A線で切り取って示す詳細な断面図である。また図14は、図13との対比により、電極に電圧を印加した状態を示す断面図である。この実施例の液晶表示パネル51において、上述の実施例と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は適宜省略する。
この液晶表示パネル51において、CF基板の配向膜8及びTFTアレー基板の配向膜13は、溝形状により配向能が付与される。なお溝形状の作成にあっては、実施例1〜3の何れを適用するようにしてよい。
液晶表示パネル51は、これらCF基板及びTFTアレー基板において、1つの画素の中央から上下方向では、水平方向に延長するように溝Mが形成され、また1つの画素の中央から左右方向では、垂直方向に延長するように溝Mが形成され、これにより画素の中央を中心とした四角形形状に溝Mが形成される。これにより液晶表示パネル51は、画素中央を基準にした各方向に対称形状に溝Mが形成され、画素の中央を向くように、1つの画素の中央から上下方向では、上下方向に液晶分子15が配向し、1つの画素の中央から左右方向では、水平方向に液晶分子15が配向するように設定される。
また液晶表示パネル51は、TFTアレー基板において、1つの画素の中央に、CF基板に向けて突出するように四角錐形状の突起が形成される。これによりこの液晶表示パネル51が、1の画素の中央から周辺に向かうに従ってチルト角が小さくなるように設定される。これにより液晶表示パネル51において、同一の極角から液晶セルに対して入射された光の位相は、方位角が異なってもほぼ等しくなるように設定され、液晶表示パネル5は、視野角が拡大するように構成される。
この実施例によれば、1つの画素内で、溝の延長する方向を変更することにより、所望の視野角を確保することができる。
すなわち1つの画素の中央を基準にして各方向に対称形状に溝Mを形成することにより、視野角を拡大することができる。なお1つの画素を複数のサブピクセルに分割し、各々の中心を基準にして溝を対称形状に形成してもよい。
図15は、図12との対比により本技術の実施例6の液晶表示装置に適用される液晶表示パネルを示す平面図である。この液晶表示パネル61は、同心円状に溝Mが形成される点を除いて、実施例5の液晶表示パネル51と同一に構成される。またこれにより1つの画素の中央には、四角錐形状の突起に代えて、円錐形状の突起が設けられる。
この実施例によれば、同心円状に溝を形成しても、実施例5と同様の効果を得ることができる。
技術にかかる液晶表示装置の要部を示す模式図である。 ポリイミド配向膜の成膜方法を示す模式図である。 ポリイミドの焼成温度とイミド化率との関係を示すグラフである。 液晶分子の配向状態を示す模式図である。 技術の効果を示すグラフである。 技術にかかる液晶表示装置の第1実施例を示す模式的な断面図である。 同じく第1実施例を示す模式的な要部斜視図である。 第1実施例にかかる液晶表示装置の動作説明に供する模式的な断面図である。 技術にかかる液晶表示装置の第2実施例を示す要部斜視図である。 技術にかかる液晶表示装置の第3実施例を示す要部斜視図である。 技術にかかる液晶表示装置の第4実施例を示す要部斜視図である。 技術にかかる液晶表示装置の第5実施例を示す平面図である。 同じく第5実施例を示す断面図である。 同じく第5実施例を示す断面図である。 技術にかかる液晶表示装置の第6実施例を示す模式的な平面図である。
符号の説明
1・・・液晶表示パネル、2・・・TFTアレー基板、3・・・CF基板、10・・・ガラス基板、11・・・絶縁膜、12・・・電極、13・・・配向膜、15・・・液晶分子、M・・・溝

Claims (4)

  1. 所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板と、該間隙に保持された液晶と、少なくとも片方の基板に形成され該液晶の分子を配向する配向層と、少なくとも一方の基板に形成され該液晶に電圧を印加するための電極とを備え、
    前記配向層は、複数本の溝が平行に形成された主面を有する基層と、該溝の形成された主面を被覆する被膜とからなり、
    前記被膜は、ポリイミド材料で且つイミド化率が50%以上であり、主面に対して電圧無印加の状態で該液晶の分子の長手方向を示す分子長軸を平行に配向する水平配向能を有し、
    各溝は所定の方向に沿って伸びており、且つ該所定の方向と直交する直交方向に沿って与えられたピッチで繰り返し配列されており、
    以って液晶の分子長軸が該溝の該所定の方向と直交する直交方向に指向して水平配向し、
    前記基層の主面は画素ごとの領域に分割されており、前記領域内に、前記画素中央を基準にした同心図形上に前記溝と前記画素中央に対向基板に向けて突出する錐形状の突起とが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記同心図形は、同心四角であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記同心図形は、同心円であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  4. 前記溝は、断面形状が略円弧形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
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