JP5255140B1 - 消毒液噴射装置及び切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定された切断刃を短時間で十分に消毒する。
【解決手段】切断刃33と、切断刃33に向けて複数の種馬鈴しょPを順次搬送する搬送装置30とを有する切断装置1に組み込まれる消毒液噴射装置2であって、消毒液10を溜めるタンク11と、消毒液10を切断刃33に流しかけるノズル12a,12bとを備える。これによれば、消毒液10を切断刃33に流しかけるので、噴霧する場合に比べて大量の消毒液を切断刃33にかけることが可能になる。したがって、固定された切断刃33を短時間で十分に消毒することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は消毒液噴射装置及び切断装置に関し、特に種馬鈴しょ生産用のほ場で用いるカッティングプランターの切断刃を消毒するための消毒液噴射装置、及び、そのようなカッティングプランターである切断装置に関する。
馬鈴しょを生産するにあたり、我が国では、半分に切断した馬鈴しょを種馬鈴しょとしてほ場に植え付けることが一般的である。これを受け、近年、馬鈴しょの切断と植え付けを一度に行える「カッティングプランター」という装置が普及してきている(非特許文献1を参照)。
カッティングプランターは我が国独特の装置であり、トラクターに引かれてほ場を往復しながら、種馬鈴しょを切断する作業と、切断した種馬鈴しょを植え付ける作業とを繰り返し自動的に行えるように構成されている。カッティングプランターを用いることで、効率的な植え付けが実現される。
ところで、馬鈴しょの生産においては、ウィルス病や細菌病などの病気にかかっていない、健全無病な種馬鈴しょを用いることが極めて重要である。特に、種馬鈴しょとなる馬鈴しょの生産を行う場合には、仮に植え付ける種馬鈴しょに何らかの病気が発生しているとその影響範囲が極めて大きくなることから、種馬鈴しょが健全無病であることを担保するため、法律及び条例により極めて厳格な取扱いが定められている。
そのような厳格な取扱いのひとつに、種馬鈴しょを切断する際に用いる切断刃の消毒がある。非特許文献2の規定によれば、種馬鈴しょ生産用の種馬鈴しょを切断する際には、切断の都度、切断刃の消毒が必要とされる。こうすることで、種馬鈴しょに仮に病株が混入していたとしても、他の種馬鈴しょに影響が広がることを防止できる。なお、特許文献3には、切断刃の消毒に用いる消毒液としてのマレイン酸の実用性に関する研究結果が開示されている。
十勝農機株式会社、"全自動ポテトカッティングプランターipa2"、[online]、[平成24年4月25日検索]、インターネット〈URL:http://www.tokachinoki.co.jp/ipa2/index.html〉 北海道「平成24年種馬鈴しょ生産管理基準」 田中文夫、外6名、「ジャガイモの種いも伝染性病害の切断刀伝染に対するマレイン酸の防除効果」、植物防疫、一般社団法人日本植物防疫協会、平成23年9月、第65巻、第9号、p.551-554
しかしながら、上記のような厳格な取扱いがあるために、種馬鈴しょを生産するほ場では上述したカッティングプランターによる種馬鈴しょの切断を利用することができず、手作業による切断作業の実施を強いられている。以下、詳しく説明する。
手作業での切断作業の際には、種馬鈴しょを切断する都度、包丁を消毒液に潜らせて消毒している。カッティングプランターの切断刃を同様に消毒液に潜らせることができれば、種馬鈴しょを生産するほ場でも、カッティングプランターによる種馬鈴しょの切断を利用することが可能になる。しかしながら、近年のカッティングプランターでは、切断刃が移動するのではなく、固定された切断刃に向けて種馬鈴しょを投じることによって種馬鈴しょを切断するという構成が採用されている。そのため、切断刃を消毒液に潜らせることができなくなっている。
次善の策として、これまでは、切断刃に向けて消毒液を噴霧する構成が考えられてきた。しかしながら、本願の発明者による実験の結果、十分な消毒効果を得るためには、切断中も含めて消毒液を噴霧し続ける必要があることが判明した。これは、カッティングプランター内に組み込み可能な程度の大きさの噴霧装置では、噴霧可能な消毒液の量が限られることに原因がある。これでは種馬鈴しょにも消毒液がかかってしまうので、発芽率の低下が避けられない。カッティングプランターが種馬鈴しょを切断する速度を落とせば、噴霧でも十分な消毒効果を得ることも可能になるが、今度は作業効率の低下が避けられなくなる。発芽率や作業効率を低下させるような消毒方法は採用できないので、結果としてこれまでは、手作業による切断作業を採用せざるを得なかった。
近年、北海道では著しい高齢化が進展しており、切断作業を行う人員を確保することが極めて難しくなっている。したがって、種馬鈴しょを生産するほ場でも、カッティングプランターによる種馬鈴しょの切断を利用できるようにすることが熱望されている。
なお、以上の課題は、種馬鈴しょの生産に限られるものではなく、それ自身は移動しない切断刃を短時間で消毒する必要のある切断装置に、広く共通する課題である。したがって、本発明の目的のひとつは、固定された切断刃を短時間で消毒できる消毒液噴射装置及び切断装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による消毒液噴射装置は、切断刃と、前記切断刃に向けて複数の被切断物を順次搬送する搬送手段とを有する切断装置に組み込まれる消毒液噴射装置であって、消毒液を溜めるタンクと、前記消毒液を前記切断刃に流しかけるノズルとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、消毒液を切断刃に流しかけるので、噴霧する場合に比べて大量の消毒液を切断刃にかけることが可能になる。したがって、固定された切断刃を短時間で十分に消毒することが可能になる。
上記消毒液噴射装置において、前記タンクと前記ノズルとを接続する消毒液流路と、前記消毒液流路に設けられ、前記搬送手段の動作に同期して開閉する電磁弁とをさらに備えることとしてもよい。これによれば、被切断物に消毒液がかからないようにすることが可能になる。
上記消毒液噴射装置においてさらに、前記消毒液流路に設けられたアキュムレータをさらに備えることとしてもよい。これによれば、ノズルから放出される消毒液の脈動を抑えることが可能になる。
また、上記各消毒液噴射装置において、前記被切断物は、種馬鈴しょを生産するほ場に植え付けられる種馬鈴しょであることとしてもよい。これによれば、種馬鈴しょを生産するほ場において、カッティングプランターによる種馬鈴しょの切断を利用することが可能になる。
また、本発明による切断装置は、上記各消毒液噴射装置のうちのいずれかを備えることを特徴とする。
本発明によれば、消毒液を切断刃に流しかけるので、噴霧する場合に比べて大量の消毒液を切断刃にかけることが可能になる。したがって、固定された切断刃を短時間で十分に消毒することが可能になる。
(a)(b)は、本発明の好ましい実施の形態による切断装置のシステム構成を示す図である。 (a)(b)は、切断刃近傍の状態を示す、本発明の好ましい実施の形態による切断装置の斜視図である。 本発明の好ましい実施の形態による同期信号の具体例を示す図である。 本発明の好ましい実施の形態による第1の実験の手順を示すフローチャートである。 本発明の好ましい実施の形態による第2の実験の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)(b)は、本実施の形態による切断装置1のシステム構成を示す図である。図1(b)は、図1(a)に示した矢印A方向から切断刃33(後述)の近傍を見た図となっている。また、図2(a)(b)は、切断刃33近傍の状態を示す切断装置1の斜視図である。
切断装置1は、種馬鈴しょPを切断してほ場に植え付ける機能を有するカッティングプランターであり、図1に示すように、消毒液噴射装置2、搬送装置30(搬送手段)、及び切断刃33を有している。なお、実際には、切断装置1は他にも植え付けや移動のための機構を有しているが、図1では図示を省略している。
搬送装置30は、植え付け用の種馬鈴しょP(被切断物)を切断刃33に向けて順次搬送する装置である。図1(a)に示すように、搬送装置30は、所定の方向に一定の角速度で回転するように構成された回転部31と、それぞれ回転部31に固定された4個の保持部32とを有して構成される。各保持部32は、図1(a)(b)に示すように、切断刃33が通過できる大きさのスリット32aを有するスプーン状部材と、このスプーン状部材を回転部31に接続する直線状部材とから構成される。
搬送装置30には、図1(a)に示すように、上方の別の搬送装置からの落下により、複数の種馬鈴しょPが1つずつ順次供給される。順次落下してくる複数の種馬鈴しょPは、1つずつ保持部32のスプーン状部材に保持され、回転部31の回転に伴って切断刃33まで搬送される。そして、切断刃33がスリット32aを通過するときに、切断刃33によって2つに切断される。切断された種馬鈴しょPは保持部32から離れ、切断刃33の下方に落下する。
消毒液噴射装置2は、図1(a)に示すように、消毒液10を溜めるタンク11と、それぞれ切断刃33の上方に設けられたノズル12a,12bと、タンク11とノズル12a,12bとを接続する消毒液流路13と、消毒液流路13のタンク11側の端部に設けられたストレーナ14と、それぞれ消毒液流路13に設けられたポンプ15、圧力調整弁16、アキュムレータ17、圧力計18、電磁弁19、及びフラップ20と、それぞれフラップ20及び回転部31の近傍に設けられたセンサ21,22と、制御装置23とを備えて構成される。
ポンプ15は自吸式のポンプであり、タンク11に溜められている消毒液10を消毒液流路13に吸い出す機能を有している。ポンプ15によって吸い出された消毒液10は、消毒液流路13を通って、ノズル12a,12bまで到達する。ポンプ15を用いることは必須ではないが、消毒液噴射装置2では、ポンプ15を利用することによりタンク11の設置場所の自由度が高められている。
圧力調整弁16は、消毒液流路13の水圧が所定値を上回った場合に、消毒液流路13内の消毒液10をタンク11に逃がす機能を有する、ねじ込み形の安全弁である。圧力調整弁16を設けていることにより、消毒液流路13内の水圧は上記所定値以下に保たれる。なお、消毒液流路13内の水圧は、圧力計18によって視認可能とされている。
アキュムレータ17は、消毒液流路13内の水圧の脈動を抑えるための構成である。具体的に説明すると、アキュムレータ17は、気体が封入されたゴム製の袋(不図示)を内部に有して構成される。消毒液流路13内に水圧がかかっていない場合、アキュムレータ17の内部は、このゴム製の袋によって占有される。消毒液流路13内の水圧が一定値以上になると、ゴム製の袋が縮み、アキュムレータ17内に消毒液10が侵入する。その後、消毒液流路13内の水圧が下がると、内部の気体の圧力によってゴム製の袋が膨張し、アキュムレータ17内の消毒液10が消毒液流路13に戻される。以上の動作により、アキュムレータ17は、消毒液流路13内の水圧を一定に保つ役割を果たしている。
電磁弁19は、スプリングリターン付きの2ポート単動常時閉電磁弁であり、制御装置23から送られてくる噴射パルスに同期して開閉可能に構成される。電磁弁19が開いているとき、ノズル12a,12bには消毒液流路13から消毒液10が供給される。一方、電磁弁19が閉じているとき、ノズル12a,12bは消毒液流路13から切り離される。制御装置23及び噴射パルスについての詳細は後述する。
ノズル12a,12bは、消毒液流路13から供給される消毒液10を、切断刃33に流しかけるように構成される。つまり、ノズル12a,12bの形状は、消毒液10が霧状になることなく噴射されるように構成されており、ノズル12a,12bから出た消毒液10は、液状のままで切断刃33に流しかけられる。また、ノズル12a,12bは、図1(b)に示すように、それぞれ切断刃33の互いに反対側の斜め上方に設けられており、これにより、図2(a)にも示すように、ノズル12aから出た消毒液10は切断刃33の一方の側面に、ノズル12bから出た消毒液10は切断刃33の他方の側面に流しかけられる。
フラップ20及びセンサ21は、協働してフラップ式センサを構成する。フラップ20は金属材料によって構成されており、消毒液10がノズル12a,12bに向かって流れているときと、そうでないときとで異なる位置を取るよう構成される。センサ21は金属の移動を検出可能に構成された近接センサであり、フラップ20の移動を検知し、その結果を確認信号として制御装置23に送出する。
センサ22も、金属の移動を検出可能に構成された近接センサである。回転部31は、フラップ20同様金属材料によって構成されており、センサ22は、回転部31の移動を検知するよう構成される。センサ22は、検知の結果を同期信号として制御装置23に出力する。
図3には、同期信号の具体例を示している。同図に示すように、同期信号は一定周期の矩形信号となる。この周期は、回転部31の回転周期に同期している。
制御装置23は、センサ22から供給される同期信号に基づいて噴射パルスを生成し、電磁弁19に供給するとともに、この同期信号とセンサ21から供給される確認信号とに基づいて停止信号を生成し、回転部31に供給する機能を有している。
噴射パルスは、図3に示すように、同期信号のライジングエッジで立ち上がるパルス信号である。噴射パルスを受ける電磁弁19は、噴射パルスが活性化している場合に開となり、それ以外の場合に閉となるよう構成される。これにより、ノズル12a,12bには、間欠的に消毒液10が供給されることになる。噴射パルスの活性化タイミングは、ノズル12a,12bから間欠的に流れ出る消毒液10が、種馬鈴しょPに直接かかることがないように設定される。
この点について、図2を参照しながらより詳しく説明する。図2(a)は、種馬鈴しょPが切断刃33の近傍に存在しない場合の様子を示している。同図に示すように、この場合には、ノズル12a,12bのそれぞれから消毒液10が噴射される。これは、種馬鈴しょPが切断刃33の近傍に存在しないタイミングで噴射パルスを活性化することによって、実現される。より具体的には、ひとつ前のサイクルで切断された種馬鈴しょPが、消毒液10がかかってしまう領域から出た直後に、噴射パルスを活性化することが好ましい。
一方、図2(b)は、種馬鈴しょPが切断刃33によって切断される瞬間の様子を示している。同図に示すように、このときには、ノズル12a,12bから消毒液10が噴射されることはない。これは、種馬鈴しょPが切断刃33の近傍に存在するタイミングで噴射パルスを非活性とすることによって、実現される。より具体的には、噴射開始からの消毒液10の噴射量が所定量となるタイミングで、噴射パルスを非活性とすることが好ましい。この場合の「所定量」とは、切断刃33を消毒するために必要最小限の消毒液10の噴射量である。
このように、切断装置1においては、種馬鈴しょPの移動に同期して、必要最小限の消毒液10が噴射されるよう、噴射パルスの活性状態を設定している。ここで、切断装置1では消毒液10を流しかけていることから、噴霧する場合に比べて一度に大量の消毒液10を噴射することができる。したがって、次に切断される種馬鈴しょPが消毒液10がかかってしまう領域に入る前に、上記「所定量」の噴射を終えることができる。その結果、種馬鈴しょPが切断刃33の近傍に存在するタイミングでは消毒液10が噴射されなくなるので、切断装置1では、種馬鈴しょPに直接消毒液10がかかることはなくなっている。
図1に戻る。停止信号は、回転部31の回転を停止させる役割を果たす回転部31の制御信号である。制御装置23は、同期信号によって回転部31が回転していることが示されているにも関わらず、確認信号によってフラップ20の動きが止まっていることが示される場合に、停止信号を活性化する。このような場合は、つまり、消毒液10が足りなくなった場合である。制御装置23が停止信号を活性化することにより、消毒液10が足りなくなった場合に回転部31の動きを止めることが可能になる。なお、制御装置23は、停止信号の活性化と同時に図示しない警報装置を作動させ、作業員に消毒液10の不足を知らせることとしてもよい。
以上説明した消毒液噴射装置2の構成により、切断装置1によれば、噴霧する場合に比べて大量の消毒液10を切断刃33にかけることができるようになる。したがって、固定された切断刃33を短時間で十分に消毒することが可能になる。そして、消毒が短時間で済むことから、消毒液10の噴射を間欠的に行うことが可能になり、消毒液10が種馬鈴しょPに直接かからないようにすることが可能になる。したがって、種馬鈴しょを生産するほ場でも、カッティングプランターによる種馬鈴しょの切断が利用可能になる。
また、必要量の消毒液10のみを流しかけることが可能になるので、消毒液10の無駄をなくすことができる。さらに、噴霧ではなく流しかけているので、有毒な消毒液10が周囲へ飛散することも防止できる。加えて、消毒液10による洗い流し効果、すなわち消毒液10の流れによって切断刃33に付着した異物を取り除く効果も期待できる。
以下、本発明の効果について、第1及び第2の実験の結果を示しながら説明する。以下では、まず第1の実験の手順及び結果を説明することにより、切断刃33に消毒液10を流しかける噴射方式が、各種の腐敗菌に対して十分な消毒効果を有していることを示す。その後、第2の実験の手順及び結果を説明することにより、切断刃33に消毒液10を流しかける噴射方式(以下、「水流方式」という)が、切断刃33に消毒液10を噴霧する噴射方式(以下、「噴霧方式」という)に比べ、短時間で高い消毒効果を呈することを示す。また、アキュムレータ17がそれ自身で消毒効果を有していることも示す。
図4は、第1の実験の手順を示すフローチャートである。本実験では、まず、腐敗菌の一種である黒あし病菌Dickeya sp.(旧名:Erwinia chrysanthemi Burkholder et al.)を25℃のポテトデキストロースブロス寒天培地で2日間振盪培養することにより、1.5×10cfuの病原菌液を作製した。そして、この病原菌液を健全な種馬鈴しょに5ml注入し、2日間培養することで罹病種馬鈴しょを作製した(ステップS1)。
次に、作製した罹病種馬鈴しょを切断し(ステップS2)、切断刃33に対して消毒液10を噴射した後(ステップS3)、同じ切断刃33を用いて健全な種馬鈴しょを切断した(ステップS4)。そして、ステップS4で切断した種馬鈴しょをほ場に見立てた土壌(バット)に埋設し(ステップS5)、ビニールで被覆して25℃を保った状態で7〜10間保存した(ステップS6)。その後、腐敗調査を行い、埋設した種馬鈴しょが腐敗しているか否かを示す腐敗率を取得した(ステップS7)。さらに、種馬鈴しょの切断面の一部に増菌処理を施し(ステップS8)、遺伝子診断を行うことによって、黒あし病菌の保菌率を取得した(ステップS9)。
本実験では、次の表1に示す試験方法A1〜A3,B1,B2のそれぞれにより実験を行った。種馬鈴しょの品種としては、表1に示すように、いずれの試験方法でも「コナフブキ」を用いた。また、消毒液10としては、10倍に希釈したマレイン酸を用いた。また、消毒液10の噴射速度は3km/hr相当とし、埋設間隔は30cmとした。
試験方法B2は、ステップS2〜S4をスキップし、切断しないままの種馬鈴しょを埋設した比較例である。切断していないので、試験方法B2で植え付けた種馬鈴しょは、ステップS1で作製した罹病種馬鈴しょとは無関係である。試験方法B1は、ステップS12で罹病種馬鈴しょを切断した後、消毒液10を流すことなく(ステップS3をスキップ)、ステップS4の切断を行った比較例である。一方、試験方法A1〜A3は、消毒液10の1回あたりの噴射量をそれぞれ3ml、5ml、7mlとした実施例である。
Figure 0005255140
表2は、各試験方法についてステップS7で取得した腐敗率を示している。また、表3は、各試験方法についてステップS9で取得した黒あし病菌の保菌率を示している。
Figure 0005255140
Figure 0005255140
まず表3に示すように、試験方法B1における黒あし病菌の保菌率が34.5%と高い値を示しているのに対し、試験方法A1〜A3における黒あし病菌の保菌率は、0.0〜2.4%程度と小さな値を示している。この結果から、切断刃33に向けて消毒液10を流しかけることにより、黒あし病菌を大幅に除去できると言える。
また、表2及び表3の結果からは、切断刃33に向けて消毒液10を流しかけることは、その他の腐敗菌の除去にも大きな効果を有していると言える。つまり、表2の結果を見ると、試験方法A1〜A3における軟化腐敗率が0.0〜2.4%程度と小さな値を示しているのに対し、試験方法B1,B2はともに極めて高い軟化腐敗率を示している。上述したように、試験方法B2におけるサンプルは、ステップS1で作製した罹病種馬鈴しょとは無関係である。このことは表3の結果にも示されており、試験方法B2における黒あし病菌の保菌率は0.0%となっている。したがって、試験方法B1だけでなく試験方法B2までもが高い軟化腐敗率を示しているということは、黒あし病菌以外の腐敗菌が存在していることを示していると言える。そのような環境下においても、試験方法A1〜A3では軟化腐敗率が低い値に留まっていることから、切断刃33に向けて消毒液10を流しかけることは、黒あし病菌以外の腐敗菌の除去にも大きな効果を有していると言える。
次に、図5は、第2の実験の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、本実験の手順のうちステップS1〜S4は、図4に示した第1の実験のものと同一である。一方、本実験の手順は、健全種馬鈴しょを実際のほ場に植え付け(ステップS10)、2ヶ月後の発病の有無で病株率を判定した(ステップS11)点で、第1の実験の手順と異なっている。
本実験では、次の表4に示す試験方法C1〜C6,D1〜D6のそれぞれにより実験を行った。試験方法C1〜C6は、本発明による水流方式を採用した実施例である。ただし、試験方法C4〜C6では、図1に示したアキュムレータ17を使用しない状態で実験を行った。一方、試験方法C1〜C6は、噴霧方式を採用した比較例である。噴霧装置としては、スプレーイングシステムジャパン株式会社のバルサジェットを使用した。また、試験方法D4〜D6では、図1に示したアキュムレータ17を使用しない状態で実験を行った。
種馬鈴しょの品種としては、第1の実験と同じ「コナフブキ」を用いた。また、消毒液10としては、表4に示した希釈率で希釈したマレイン酸を用いた。また、消毒液10の噴射時間は、いずれの試験方法においても1回あたり0.1秒とした。この場合における消毒液10の1回あたりの噴射量は、試験方法C1〜C6(水流方式)では5ml、試験方法D1〜D6(噴霧方式)では0.25mlである。
Figure 0005255140
表4には、各試験方法についてステップS17で取得した病株率も示している。表4に示す結果から明らかなように、本発明による水流方式を用いた場合、いずれの希釈率においても、噴霧方式を用いる場合に比べて顕著に病株率が低下している。したがって、少なくとも0.1秒という短時間だけ消毒液10を噴射する場合には、水流方式を用いることにより、噴霧方式を用いるに比べて高い消毒効果を得ることが可能になると言える。
また、表4の結果から、アキュムレータ17が病株率の低減効果を有していることも理解される。すなわち、水流方式及び噴霧方式のいずれにおいても、アキュムレータ17を使用する場合には、アキュムレータ17を使用しない場合に比べて低い病株率が得られている。したがって、アキュムレータ17は、それ自身で病株率を下げる効果を有していると言える。
以上説明したように、本実施の形態による消毒液噴射装置2及びこの消毒液噴射装置2を有する切断装置1によれば、噴霧する場合に比べて、短時間で高い消毒効果を得ることが可能になる。したがって、消毒が短時間で済み、消毒液10の噴射を間欠的に行うことが可能になるので、消毒液10が種馬鈴しょPに直接かからないようにすることが可能になる。その結果として、種馬鈴しょを生産するほ場でも、カッティングプランターによる種馬鈴しょの切断が利用可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、本発明は、種馬鈴しょの切断装置だけでなく、それ自身は移動しない切断刃を短時間で消毒する必要のある切断装置に、広く適用できる。そのような切断装置を利用する分野としては、農業の他、畜産、医療、食品、ヘルスケア産業、フードサービス産業、食肉加工産業、生活空間(家庭)などが挙げられる。
1 切断装置
2 消毒液噴射装置
10 消毒液
11 タンク
12a,12b ノズル
13 消毒液流路
14 ストレーナ
15 ポンプ
16 圧力調整弁
17 アキュムレータ
18 圧力計
19 電磁弁
20 フラップ
21,22 センサ
23 制御装置
30 搬送装置
31 回転部
32 保持部
32a スリット
33 切断刃

Claims (5)

  1. 切断刃と、前記切断刃に向けて複数の被切断物を順次搬送する搬送手段とを有する切断装置に組み込まれる消毒液噴射装置であって、
    消毒液を溜めるタンクと、
    前記切断刃に対して固定され、かつ、前記消毒液を前記切断刃に流しかけるノズルと
    前記タンクと前記ノズルとを接続する消毒液流路と、
    前記消毒液流路に設けられ、前記ノズルから流れ出る消毒液が前記被切断物に直接かかることがないよう、前記搬送手段の動作に同期して開閉する電磁弁と
    を備えることを特徴とする消毒液噴射装置。
  2. 前記搬送手段は、所定の方向に一定の角速度で回転することによって前記複数の被切断物を順次前記切断刃に向けて搬送する回転部を有し、
    前記消毒液噴射装置は、
    前記回転部の移動を検知し、検知の結果を示す同期信号を出力するセンサと、
    前記同期信号に基づいて噴射パルスを生成する制御装置とをさらに備え、
    前記電磁弁は、前記噴射パルスが活性化している場合に開となり、それ以外の場合に閉となるよう構成され、
    前記制御装置は、前記切断刃によって切断された前記被切断物が前記消毒液がかかってしまう領域から出たタイミングで前記噴射パルスを活性化させる一方、噴射開始からの前記消毒液の噴射量が所定量となるタイミングで前記噴射パルスを非活性とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の消毒液噴射装置。
  3. 前記消毒液流路に設けられたアキュムレータ
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の消毒液噴射装置。
  4. 前記被切断物は、種馬鈴しょを生産するほ場に植え付けられる種馬鈴しょである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の消毒液噴射装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の消毒液噴射装置を備えることを特徴とする切断装置。
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