JP5253606B1 - 漁具 - Google Patents

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Abstract

【課題】初心者でも楽に獲物を捕獲することができるようにする。
【解決手段】ギャフ1は、イカやタコ等の軟体動物(獲物)XA1を捕獲する漁具であり、柄5の先端を獲物XA1に向け、当該柄5の先端に当該獲物XA1を引っ掛ける。このギャフ1は、柄5の先端から獲物XA1に向けて放射状に延びて傘骨様に配置される複数の鉤13を備えている。これら複数の鉤13の先端は、それぞれ、当該複数の鉤13に囲われる空間に向けた内側に屈曲又は湾曲している。
【選択図】図3

Description

本発明は、イカやタコ等の軟体動物を捕獲することに好適な漁具に関する。
従来、イカやタコ等の軟体動物(獲物)を捕獲する漁具として、ギャフが広く用いられている(特許文献1参照)。
ギャフは、図5(A)及び図5(B)に符号100として示されるように、棒状の柄110と、この柄110の先端から放射状に延びた複数の鉤120と、を備えている。複数の鉤120は、それぞれ、柄110の基端側に湾曲している。
このようなギャフ100は、釣り竿(図示省略)と一緒に使用される。具体的に、釣り竿(ロッド)にぶら下げられた釣り針に引っ掛けられた獲物XA1の下方に、柄110の先端を沈めてから(図5(A)参照)、その後柄110を上方に引くことで、鉤120に獲物XA1を引っ掛ける(図5(B)参照)。小さい獲物XA1の場合、そのまま柄110を引くことで、獲物XA1を引き上げる。一方、大きい獲物XA1の場合、更にタモ(網)を用いて獲物XA1を引き上げる。
特開2011−045271号公報(段落[0002]及び図5参照)
このように、ギャフ100を用いて獲物XA1を捕獲する場合、柄110の先端を獲物XA1の下方に沈める動作と、その後柄110を上方に引く動作と、のツーアクションが必要である。このため、柄110の先端を獲物XA1の下方に沈める際に、当該獲物XA1に刺激を与え、暴れさせてしまう可能性がある。獲物XA1のノシ(ジェット噴射による逃げる力)が大きいので、一旦暴れさせたら逃げられてしまう。
しかも、獲物XA1の中心ではなく、当該獲物XA1の横を狙って柄110の先端を沈める必要がある。このため、獲物XA1の動きを見極めつつ柄110の先端を適切な位置に沈めることを困難にしている。特に、波がある状態では獲物XA1の位置を確認することが難しいので、また、獲物XA1の姿勢によっては的となる部分が狭くなるので、尚更のことである。
そして、複数の鉤120が柄110を中心に設けられているので、獲物XA1を鉤120に引っ掛けることができた場合であっても、当該獲物XA1を複数の鉤120の一部に引っ掛けることしかできない。すなわち、少ない数の鉤120で獲物XA1の重量を支えることになる。このため、獲物XA1が鉤120から外れ易く、当該獲物XA1に逃げられる確率が高い。
また、複数の鉤120にうまく引っ掛けることができた場合であっても、水面付近では、獲物XA1に対して波による上方への力が作用するので、やはり、獲物XA1が鉤120から外れ易く、当該獲物XA1に逃げられる確率が高い。
さらに、斜め下にいる獲物XA1を引き上げる場合、真下にいる獲物XA1を引き上げる場合と比較して、引き上げる力が3割程度弱くなり、うまく引き上げることが難しい。このため、獲物XA1が真下に来るように釣り竿を操作しながらギャフ100を操作することとなり、ギャフ100の操作に集中できず、やはり、うまく引き上げることが難しい。
そして、コウイカやモンゴウイカ(カミナリイカ)のように硬い骨を有する獲物XA1の場合、肉が薄く、鉤120が引っ掛からないので、捕獲することができない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、初心者でも楽に獲物を捕獲することができる漁具を提供することを目的とする。
(1)本発明は、柄の先端を獲物に向け、該柄の先端に該獲物を引っ掛ける漁具であって、前記柄の先端から前記獲物に向けて放射状に延びて傘骨様に配置される複数の鉤を備え、前記複数の鉤の先端は、それぞれ、該複数の鉤に囲われる三次元空間に向けた内側に屈曲又は湾曲していることを特徴とする、漁具である。

本発明によれば、獲物の中心に向けて銛のように突くことで、複数の鉤に囲われる空間の内側に当該獲物が入る。そして、複数の鉤の先端は、獲物が入った空間に向けて屈曲又は湾曲しているので、当該獲物は、大半の鉤の先端に引っ掛かる。
このように、銛のように突くというワンアクションで獲物を捕獲することができる。すなわち、獲物を、暴れ出す前に捕獲することができる。また、獲物が暴れて逃げようとした場合であっても、鉤に刺さる方向に逃げようとすることとなり、より確実に獲物を捕獲することになる。このため、ツーアクションを必要とする従来のギャフと比較して、獲物に逃げられてしまう可能性が低い。
しかも、獲物の中心に向けて銛のように突けばよい。すなわち、いわゆる顔面撃ちをするだけでよい。このため、獲物の横を狙って操作する従来のギャフと比較して、獲物の動きを見極めつつ操作することが容易である。
さらに、大半の鉤で獲物の重量を支えることができる。このため、少ない数の鉤で獲物の重量を支える従来のギャフと比較して、獲物が切れたり鉤から外れたりし難い。仮に、獲物が鉤から外れた場合であっても、当該獲物は、複数の鉤に囲われた空間に入っている(ホールドされている)ので、当該空間から逃げ出すことはできない。このため、斜め下から獲物を引き上げる場合であっても、うまく引き上げることができる。また、獲物が真下に来るように釣り竿を操作する必要もなく、本発明に係る漁具の操作に集中することができる。
これらのことから、獲物がどのような姿勢であっても、また、獲物がどのような種類のもの(例えば、上述したコウイカやモンゴウイカ)であっても、さらに、波による上方への力が作用した場合であっても、確実に捕獲することができるといえる。
結果、初心者でも楽に獲物を捕獲することができる。
(2)本発明はまた、前記複数の鉤は、複数種類の長さの鉤であることを特徴とする、上記(1)に記載の漁具である。
上記発明によれば、複数の鉤が獲物に引っ掛かる位置を分散させることができる。これにより、複数の鉤が獲物に引っ掛かる位置を分散させていない場合と比較して、獲物が全ての鉤から外れてしまう可能性が低くなる。
(3)本発明はまた、前記柄と前記複数の鉤との間に設けられ、所定以上の力が作用することで屈曲又は湾曲する可曲部を備えることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の漁具である。
上記発明によれば、複数の鉤は、当該複数の鉤に囲われる空間の内側に入った獲物の重量によって垂れ下がる。このため、柄を傾ける度合を変更した場合であっても、鉤の先端の向きを一定に保つことができる。これにより、獲物が鉤から外れることを防止できる。
(4)本発明はまた、前記柄の先端近傍に照らす光源を備えることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の漁具である。
上記発明によれば、獲物を狙い易くなる。特に、暗い場合に有効である。
(5)本発明はまた、前記柄に着脱可能に連結する連結部を備えることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の漁具である。
従来のギャフなどの漁具は、柄の先端に着脱可能に設けられているものが多い。このため、上記発明によれば、既存の漁具の柄に取り付けることで利用することができる。すなわち、既存の漁具の柄を活用することができる。
本発明の上記(1)〜(5)に記載の漁具によれば、初心者でも楽に獲物を捕獲することができる。
本発明の実施形態に係るギャフの正面図である。 ギャフの上面図である。 (A)〜(C)はギャフの使い方を説明する概略図である。 別の実施形態に係るギャフの正面図である。 (A)及び(B)は従来のギャフの使い方を説明する概略図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るギャフ1について詳細に説明する。
まず、図1及び図2を用いて、ギャフ1の構成について説明する。図1は、ギャフ1の正面図である。図2は、ギャフ1の上面図である。なお、各図において、図面の簡略化のため、一部の構成の図示を適宜省略する。
図1及び図2に示されるギャフ1は、イカやタコ等の軟体動物(獲物)XA1(図3参照)を捕獲する漁具であり、釣り竿(図示省略)と一緒に使用される。具体的に、釣り竿(ロッド)にぶら下げられた釣り針に引っ掛けられた獲物XA1に、柄5の先端を向け、当該柄5の先端に当該獲物XA1を引っ掛ける。小さい獲物XA1の場合、そのまま柄5を引くことで、獲物XA1を引き上げる。一方、大きい獲物XA1の場合、更にタモ(網)を用いて獲物XA1を引き上げる。
具体的に、ギャフ1は、基端側から順に、連結部10、可曲部11、鉤部12を備えている。
連結部10は、棒の表面に螺旋状の溝が溝切られた形状を呈する。この連結部10は、棒状の柄5の先端に設けられたボルト穴に、着脱可能に連結される。
可曲部11は、弾力性のあるコイルスプリングからなり、所定以上の力が作用することで屈曲又は湾曲する(図3(C)参照)。
鉤部12は、複数の鉤13を備えている。これら複数の鉤13は、細い金属棒からなり、弾力を有する。そして、複数の鉤13は、柄5の先端(図1における上方)から獲物XA1(図1における下方)に向けて放射状に延びて傘骨様に配置される。そして、複数の鉤13の先端は、それぞれ、当該複数の鉤13に囲われる空間(本実施形態では、円錐型の空間)に向けた内側に屈曲又は湾曲している。
要するに、鉤13の先端が獲物XA1にぶつかった瞬間に外側に開き(図3(B)参照)、内側に獲物XA1が引っ掛かる構造となっている。すなわち、鉤13の先端を獲物XA1にぶつけるだけで、後は自動的に鉤13が開き、獲物XA1が引っ掛かる構造となっている。
次に、図3(A)〜図3(C)を用いて、ギャフ1の使い方について説明する。図3(A)〜図3(C)は、ギャフ1の使い方を説明する概略図である。
まず、図3(A)に示されるように、水中の獲物XA1を目掛けて、銛のように突く。
そして、図3(B)に示されるように、鉤13の先端が獲物XA1に当たると、当該鉤13の先端が丸くなって内側にカーブしているので、表面に沿って滑り、また、鉤13に弾力があるので、ギャフ1全体が開いていく。
また、図3(C)に示されるように、鉤13の先端が獲物XA1の側面まで滑ると、鉤13の先端が鉤型になっているので、鉤13の先端によって、獲物XA1が引っ掛かる。
さらに、ギャフ1を水中から引っ張り上げると、獲物XA1の重量によって、鉤13の先端が当該獲物XA1にくい込む。また、可曲部11がたわみ、鉤部12全体が垂直に垂れ下がり、鉤13一本当たりに掛かる獲物XA1の重量が平均的に分散される。
以上説明したように、本発明に係るギャフ(例えば、ギャフ1)は、柄(例えば、柄5)の先端に獲物(例えば、獲物XA1)に向け、当該柄(例えば、柄5)の先端に当該獲物(例えば、獲物XA1)を引っ掛ける漁具であって、柄(例えば、柄5)の先端から獲物(例えば、獲物XA1)に向けて放射状に延びて傘骨様に配置される複数の鉤(例えば、鉤13)を備え、複数の鉤(例えば、鉤13)の先端は、それぞれ、当該複数の鉤(例えば、鉤13)に囲われる空間に向けた内側に屈曲又は湾曲している。これにより、獲物XA1の中心に向けて銛のように突くことで、複数の鉤13に囲われる空間の内側に当該獲物XA1が入る。そして、複数の鉤13の先端は、獲物XA1が入った空間に向けて屈曲又は湾曲しているので、当該獲物XA1は、大半の鉤13の先端に引っ掛かる。
このように、銛のように突くというワンアクションで獲物XA1を捕獲することができる。すなわち、獲物XA1を、暴れ出す前に捕獲することができる。また、獲物XA1が暴れて逃げようとした場合であっても、鉤13に刺さる方向に逃げようとすることとなり、より確実に獲物XA1を捕獲することになる。このため、ツーアクションを必要とする従来のギャフ100(図5参照)と比較して、獲物XA1に逃げられてしまう可能性が低い。
しかも、獲物XA1の中心に向けて銛のように突けばよい。すなわち、いわゆる顔面撃ちをするだけでよい。このため、獲物XA1の横を狙って操作する従来のギャフ100と比較して、獲物XA1の動きを見極めつつ操作することが容易である。
さらに、大半の鉤13で獲物XA1の重量を支えることができる。このため、少ない数の鉤13で獲物XA1の重量を支える従来のギャフ100と比較して、獲物XA1が切れたり鉤13から外れたりし難い。仮に、獲物XA1が鉤13から外れた場合であっても、当該獲物XA1は、複数の鉤13に囲われた空間に入っている(ホールドされている)ので、当該空間から逃げ出すことはできない。このため、斜め下から獲物XA1を引き上げる場合であっても、うまく引き上げることができる。また、獲物XA1が真下に来るように釣り竿(図示省略)を操作する必要もなく、ギャフ1の操作に集中することができる。
これらのことから、獲物XA1がどのような姿勢であっても、また、獲物XA1がどのような種類のものであっても、さらに、波による上方への力が作用した場合であっても、確実に捕獲することができるといえる。
結果、初心者でも楽に獲物XA1を捕獲することができる。
そして、本発明に係るギャフ(例えば、ギャフ1)は、柄(例えば、柄5)と複数の鉤(例えば、鉤13)との間に設けられ、所定以上の力が作用することで屈曲又は湾曲する可曲部(例えば、可曲部11)を備えている。これにより、複数の鉤13は、当該複数の鉤13に囲われる空間の内側に入った獲物XA1の重量によって垂れ下がる。このため、柄5を傾ける度合を変更した場合であっても、鉤13の先端の向きを一定に保つことができる。これにより、獲物XA1が鉤13から外れることを防止できる。
従来のギャフ100などの漁具は、柄の先端に着脱可能に設けられているものが多い。このような状況において、本発明に係るギャフ(例えば、ギャフ1)は、柄(例えば、柄5)に着脱可能に連結する連結部(例えば、連結部10)を備えている。このため、既存の漁具の柄に取り付けることで利用することができる。すなわち、既存の漁具の柄を活用することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、形状、材質、向き、数量などは適宜変更できる。例えば、鉤13の本数が挙げられる。
あるいは、上記実施形態において、鉤13の長さが一定の場合を例に説明したが、複数の鉤13は、複数種類の長さの鉤13であってもよい。例えば、図4に示されるように、ギャフ1は、二種類の長さの鉤13を備えるようにしてもよい。
これにより、複数の鉤13が獲物XA1に引っ掛かる位置を分散させることができる。結果、複数の鉤13が獲物XA1に引っ掛かる位置を分散させていない上記実施形態と比較して、獲物XA1が全ての鉤13から外れてしまう可能性が低くなる。
あるいは、上記実施形態において、柄5の先端を照らす光源(例えば、レーザーポインター)を備えるようにしてもよい。
これにより、獲物XA1を狙い易くなる。特に、暗い場所に有効である。
1 ギャフ(漁具)
5 柄
10 連結部
11 可曲部
12 鉤部
13 鉤
XA1 獲物

Claims (5)

  1. 柄の先端を獲物に向け、該柄の先端に該獲物を引っ掛ける漁具であって、
    前記柄の先端から前記獲物に向けて放射状に延びて傘骨様に配置される複数の鉤を備え、
    前記複数の鉤の先端は、それぞれ、該複数の鉤に囲われる三次元空間に向けた内側に屈曲又は湾曲していることを特徴とする、
    漁具。
  2. 前記複数の鉤は、複数種類の長さの鉤であることを特徴とする、
    請求項1に記載の漁具。
  3. 前記柄と前記複数の鉤との間に設けられ、所定以上の力が作用することで屈曲又は湾曲する可曲部を備えることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の漁具。
  4. 前記柄の先端近傍を照らす光源を備えることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の漁具。
  5. 前記柄に着脱可能に連結する連結部を備えることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の漁具。
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