JP5253148B2 - 脂質二重層への分子の送達 - Google Patents

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Description

本発明は、平面脂質二重層内への挿入のための、膜タンパク質の平面脂質二重層への送達に関する。
中に膜タンパク質が挿入された脂質二重層は、特に細胞膜として、生体系のいくつかのタイプにおける膜を構成する。そのような生体膜にインスパイアされ、平面脂質二重層に挿入された膜タンパク質に関連した多数の技術が開発されている。これらの技術においては、膜タンパク質または別の分子を平面脂質二重層へ送達することが必要である。
そのような技術の1つが確率的センシング(stochastic sensing)であって、その中において、分子または肉体の刺激への膜タンパク質の反応が、その分子または刺激のセンシングの実施に使用される。そうした反応の性質は、膜タンパク質の性質に依存するが、膜タンパク質は、天然のタンパク質であっても、あるいは、多くの有用な適用において人工的に作り出したタンパク質であってもよい。センシングの1つのタイプにおいて、膜タンパク質は、タンパク質ポアまたはタンパク質チャネルであって、それは、脂質二重層全体に電気信号を作用させること、例えば、脂質二重層に流れるイオン電流を変えることによって、検体に反応する。この場合、検体のセンシングは、脂質二重層全体において電気信号を検出することによって行ってもよい。確率的センシングは、例えば、イオン、有機分子、またはペプチドなどのセンシング、DNAの特徴づけ、リガンドとレセプターの相互作用の検査、および多段階の反応経路の検査などの広範囲の生体分子および生体系のセンシングを可能にする。
確率的センシングなどの技術の多用途性にもかかわらず、実用的な方法は面倒で費用がかかり、熟練の科学者によって行われる必要がある。大きな困難は、センシング実施のために平面脂質二重層内に膜タンパク質を挿入するために使用される技術にある。最も一般的な技術は、精製された形態の膜タンパク質を溶液に懸濁し、続いて膜タンパク質が平面脂質二重層に拡散し、平面脂質二重層に結合することによって挿入され、機能状態に組み入れられる間、待つというものである。しかし、実施において、単一の膜タンパク質を脂質二重層内に挿入するのは、非常に速度が遅く、信頼できない場合があり得る。確率的センシングの場合、単一のポアを有するのが好ましい。なぜならば、複数のポアの場合、動態解析を妨げるか、あるいは少なくとも複雑にするからである。複数のポアにおける挿入を防ぐために、膜タンパク質の濃度が低い溶液が使用される。膜タンパク質が平面脂質二重層内に挿入されるのにかかる時間は、一般的には数十分である。速度が遅いことと科学者にとってストレスのたまるものであることを別にしても、こうしたことは、上述の技術をどのように商業的に適用するに当たっても不利益である。
関連した問題が、新しく人工的に作り出したタンパク質においても起こる。この場合において、活性の不足がある場合、人工的に作り出した膜タンパク質が平面脂質二重層内に挿入されるための機能が働かないためであるのか、それとも、不十分な濃度、異なる吸着特性、または単に十分に時間が経過していないなどの別の要因によるものであるのかが、不明である。
更に、単一のポアが一旦挿入されてモニタリングが開始されても、続いて別の膜タンパク質が溶液から平面脂質二重層へと挿入されてしまうことによって、実験が台無しになり得る。この問題の一つの可能な解決法は、単一のポアが挿入された後に装置をかん流させて、溶液から余分なタンパク質を除去することである。しかし、これは難儀で信頼できない工程であり、しばしば平面脂質二重層が破裂する結果となる。
実施上の問題として、膜タンパク質の挿入に要する時間を最小限にとどめるためには、比較的広い面積の平面脂質二重層を使用する必要がある。しかし、電気的雑音を低くし、安定性を高めるためには、平面脂質二重層の面積を減らすことが望ましいであろう。
上記のような実践上の問題点はまた、いくつかの適用において望まれているであろう、アレイフォーマットにおける膜タンパク質の適用の可能性を狭めてしまう。
これらの問題のうちの少なくともいくつかを軽減する技術の開発が望まれるであろう。
本発明によれば、[請求項1]が提供される。
膜タンパク質を平面脂質二重層に送達するこの方法は、単に膜タンパク質を溶液に入れて待つという上記の既知の技術を超える多数の利点を生み出す。主要な利点は、この方法が迅速で容易に実施できることである。膜タンパク質をプローブ上に置き、プローブを移動させて、平面脂質二重層に対して固定する工程は、実験的に実施が非常に単純で、多大なスキルや専門知識を必要としない。プローブは巨視的な要素であり、手動で、またはマイクロマニピュレータなどの機械システムによって操作されることが可能である。これらの工程はまた、非常に迅速に実施され得る。
プローブを移動させて、平面脂質二重層に対してキャリア表面を固定する工程によって、膜タンパク質が平面脂質二重層に挿入される。実際には、平面脂質二重層に対してキャリア表面を固定させた後、挿入は非常に迅速に起こる。一般的に、挿入は固定から2、3秒以内に起こる。このスピードは実際面において非常に重要である。なぜならば、膜タンパク質を溶液に加えて二重層内に挿入されるのを待つことによって得られ得るよりも何倍も高い率で、実験の実施を反復できるからである。この既知の技術に比べ、本発明は、非常にハイスループットな実験の可能性を提供する。更に、ユーザ側のスキルのレベルがずっと低くとも、スピードが得られ得る。例えば、前記方法は、異なる膜タンパク質および/または検体のハイスループットなスクリーニングを提供するために適用されてもよい。本発明の高速さが特に有用であろう例としては、とりわけ以下のものが含まれる:(1)チャネル、ポア、またはその他の膜タンパク質の機能研究;および(2)検体の存在下での膜タンパク質の機能または活性の測定であって、膜タンパク質および検体のうちのいずれか、または両方の識別を提供し得るもの。
本発明の方法の更なる利点は以下の通りである。
本方法の実施の容易さおよびスピードは、例えばハイスループットなスクリーニングのためのセンサーアレイとして作用するための、膜タンパク質のアレイの生成を促進する可能性を提供する。これは、別々の脂質二重層内にタンパク質をそれぞれ挿入することによって、または単一の平面脂質二重層内に複数のタンパク質を順次的に挿入することによって達成され得るであろう。タンパク質は、同じタイプでも異なるタイプでもよい。特に、本方法は、このようなアレイを調製する際に使用するために、容易に自動化され得る。このような膜タンパク質、特に異なる構造を有する人工的に作り出したタンパク質のアレイは、今までは実施するのが困難であったが、例えば、目的の特別な検体の認識、あるいは検体の複合混合物の認識を可能にするツールとして非常に有用であるものと期待されている。例えば、様々な化合物がセンサーアレイに添加されて、機能の変化がモニターし得るであろう。
本方法の直接的な性質は、これまで人工平面脂質二重層内での再構成が困難であった膜タンパク質の調査を可能にし得る。
本方法が高速であることは、比較的小さい面積の脂質二重層への適用が可能であること、言い換えれば、電気的雑音の減少および平面脂質二重層の安定性の改善を可能にすることを意味する。
多くの利点は、プローブの使用自体に由来する。利点の1つは、送達されるべき膜タンパク質の調製を簡素化することである。例えば、膜タンパク質は、水溶液以外の媒体から得られ得る。1つの選択肢は、プローブを試料にこすりつけるというものである。試料は、例えば、細胞培養物、細菌コロニー、または菌類系であってよい。これらの場合、試料は未溶解であってよい。また、試料は非細胞の、例えば「合成」リボソーム系であってよい。
このことは、研究の際に、IVVTなどのタンパク質の複雑な抽出および精製技術やプラスミドの精製、またはDNA増幅やタンパク質のアセンブリおよび精製の必要なしに、タンパク質が容易に脂質二重層へ移送されることを可能にする。更に、細菌コロニーは、タンパク質用の理想的なストレージシステムである。細菌内でのタンパク質の発現と二重層への送達との間に追加する工程がないので、よりデリケートなタンパク質の、潜在的に変性させる条件への露出が最小限に抑えられる。あるいは、別の利点の可能性としては、キャリア表面上への膜タンパク質の堆積の後で、例えば低温および適切な湿度などの適切な条件下で、プローブを貯蔵し得ることである。
平面脂質二重層へ膜タンパク質を送達する先行技術では、巨視的な物体への固定を回避する傾向にある。これは、脂質二重層が、固定の際の機械的衝撃に耐えることができないであろうと予期したためと推定される。しかし、実際には、破裂や損傷を引き起こさずに、平面脂質二重層をプローブに固定することが可能であることが、本発明者らによって理解されている。以下により詳細に述べられる実験において、本方法が実際に非常に強固なものであることが実証されている。平面脂質二重層は、適用された力を制御するための特別な測定を何も必要とせずに、プローブを手動で移動させることによる固定が可能であった(このような制御または自動化でさえも実現可能であり、本発明の範囲内であるが)。
平面脂質二重層に損傷を与えるプローブとは違って、平面脂質二重層の面積よりも大きな面積を有するキャリア表面を有するプローブの場合は、固定されている間、プローブが実際に脂質二重層の機械的安定性を高めることがわかっている。一般的に、平面脂質二重層を流体静力学的に破裂させるのに必要な圧力は非常に少ない。脂質二重層に静水圧を加える実験のタイプがいくつかある。例えば、圧力に駆動される薬物の送達がもっとも重要であるマイクロ流体の適用において、あるいは、平面脂質二重層を通過する流体の流れがあるその他の実験においてなどである。こうしたタイプの実験において、プローブは、平面脂質二重層を支持するため、および破裂の危険を減らすために使用されてよい。
本方法は、平面脂質二重層内に膜タンパク質を挿入することを提供する。本方法は、確率的センシング技術に適用してもよく、その中において、例えば、膜タンパク質はポアまたはチャネルであり、装置は更に、脂質二重層を流れる電気信号の測定が可能な電気回路を含む。
本方法は、いかなるタイプの膜タンパク質にも適用可能である。このことは、内在性膜タンパク質については実証されているが、表在性膜タンパク質についても同様であると期待される。本方法は、β−バレル型またはα−ヘリックス型という2つの主なクラスを含む任意の膜タンパク質に適用される。重要な適用は、ポアまたはチャネルである膜タンパク質である。ポアまたはチャネルであるタンパク質に加え、可能な膜タンパク質としては、レセプター、トランスポーター、あるいは、細胞認識または細胞から細胞への相互作用を達成するタンパク質が更に含まれるが、これらに限定されない。既に述べたように、本発明の方法に従って膜タンパク質が中に挿入された平面脂質二重層は、確率的センシング技術において使用されてよい。脂質二重層はまた、その中に挿入される膜タンパク質の特性の研究のためにも使用されてよい。例えば、膜タンパク質の特性の電圧依存が測定され得る。脂質二重層内の膜タンパク質を研究するための技術は、当該技術分野において周知である。チャネルまたはポアの機能は、確率的センシング技術と同様の方法により、例えば、平面脂質二重層全体を流れるイオン電流を測定することによって決定され得る。トランスポーターの機能は、例えば、質量分析計またはELIZAによって、あるいは、蛍光的または放射能的に標識された基質を使用することによって、脂質二重層内を移動した分子の量を測定することによって決定され得る。
平面脂質二重層は、任意の膜脂質の二重層であってよく、リン脂質、糖脂質、またはコレステロール、および混合物を含む。例えば、チャンバを定義するチャンバ本体と、中に脂質二重層が形成される開口を有するチャンバの壁とを含み、前記チャンバが水溶液を含有する装置内などによって、平面脂質二重層が形成されるてもよい
キャリア表面は、膜タンパク質を保持することが可能である。膜タンパク質が表面上に保持されているために、脂質二重層内に挿入されることが可能となる。一般的に、キャリア表面は、平面脂質二重層への送達のために問題の膜タンパク質の保持を可能とする任意のタイプの表面であってよい。いくつかの例を以下に挙げる。
好ましくは、プローブは、膜タンパク質をキャリア表面上に吸着することによって膜タンパク質を保持することが可能である。吸着が起こるのを可能とする1つの選択肢は、プローブが、ヒドロゲルなどのゲルのを有する本体を含み、ゲルが本体から突き出しており、ゲルは突出した表面上に膜タンパク質を保持することが可能で、その突出した表面がキャリア表面を構成するものである。しかし、ゲルの使用は必須ではない。例えば代わりに、キャリア表面が、膜タンパク質を吸着する流体または固体の表面であってもよい。適切な固体には、ポリマーまたはガラスが含まれ、そのいずれもが、膜タンパク質の吸着を助けるような適切な特性を有するように選択されてよい。
更に、膜タンパク質は、他のタイプの物理的または化学的結合によって保持されてよい。例えば、キャリア表面は、問題の膜タンパク質に特異的に結合するように選択されてよい。
キャリア表面はまた、適切な表面特性が得られるように、例えばコーティングや化学修飾によって処理されてよい。キャリア表面に化学作用を適用できる点は、固体でできたキャリア表面の特別な利点である。適用が可能なコーティングの1つのタイプには、ポリエチレンイミン、あるいは、膜タンパク質への親和性を増加または減少させる任意の高分子電解質がある。適用が可能な化学修飾の1つのタイプには、シラン修飾がある。
1つのタイプの方法において、キャリア表面は平面脂質二重層よりも強くない力で膜タンパク質を保持でき、前記方法は更に、プローブを移動させて、平面脂質二重層に対してプローブのキャリア表面を固定する工程の後に、プローブを移動させて、脂質二重層からプローブのキャリア表面を離脱させ、それによって、挿入された膜タンパク質を平面脂質二重層内に残す工程を含む。このタイプの方法によって、膜タンパク質は、プローブのキャリア表面から放出される。この場合、手順を妨げることなくプローブを除去することが可能となるので、いくつかの実践的な状況において望ましいかも知れない。
しかし、こうしたプローブの除去は必須ではない。代わりに、実験技術の実施の間、プローブを平面脂質二重層に固定させたままにしておいてよい。プローブが実験を妨げることがなければ、このやり方は受け入れられる。例えば、確率的センシングの場合は、キャリア表面が、ヒドロゲルなどの水溶液が通過して拡散できる材料の表面であるプローブを使用することによって、これを達成できる。これにより、膜タンパク質がプローブ上に保持されたままである間でも、膜タンパク質にイオン電流を流すことが可能となる。
1つの実施形態において、キャリア表面は、平面脂質二重層よりも広い面積を有し、少なくとも1桁異なると有利である。この場合、プローブは、好ましくは、キャリア表面としてゲルのの表面を使用する。この場合、適用された力がキャリア表面の面積全体に広がるので、平面脂質二重層への圧力を減少させるという利点がある。この場合、脂質二重層を保持する要素によって動きが阻止されるまで、プローブは平面脂質二重層に対して容易に移動させることができるので、プローブの平面脂質二重層への容易な固定を提供する。圧力の減少は、プローブが平面脂質二重層を損傷することを防ぐ一助ともなる。加えて、比較的大きなプローブの使用は、プローブを移動させる間、平面脂質二重層へ向けて照準を定めることや、上述のように、平面脂質二重層の機械的安定性を高めることができるための一助となる。
別の実施形態において、キャリア表面は平面脂質二重層よりも小さい。この場合、キャリア表面は一般的に固体の表面である。上記のようにプローブが膜タンパク質を保持できるのであれば、固体の性質は重大ではない。可能な固体の1つはガラスであるが、サボテンの針を使用しても実験は成功している。このタイプのプローブは、以下のような多数の利点を提供する。キャリア表面が平面脂質二重層より小さい結果、平面脂質二重層との接触が保障され得る。ただし、これに対応して、広い面積のキャリア表面を有するプローブと比べて不利な点があり、平面脂質二重層に固定させるために正しい位置にプローブをもっていくために、プローブの移動を注意深く制御する必要がある。小さなプローブはまた、より少ない量の問題の膜タンパク質平面脂質二重層に送達せしめる。これは例えば、より少ない量の膜タンパク質を必要とする場合など、多くの場合において利点を有する。
より良く理解できるように、添付の図面を参照しつつ、例として本発明の1つの実施形態を以下に述べるが、これに限定されることはない。
本方法の実施に使用され得る第1装置30が、図1に示される。第1装置30は、従来型の電気生理学セル1と、平面脂質二重層内に挿入される膜タンパク質を使用した確率的センシング(stochastic sensing)を実施するための構造と、を含む。
電気生理学セル1は、互いが鏡像となっている構造を有する2つのチャンバ本体部2を含む。チャンバ本体部2は、デルリン(Delrin、登録商標)から作られてよい。チャンバ本体部2は、各々が、そのそれぞれの上面4に開口部を有するチャンバ部3を定義する。チャンバ部3は、各々が、例えば1.5mlなど、数mlの容積を有する。チャンバ部3は、チャンバ本体部2それぞれの側面5には壁を有さない。チャンバ本体を形成するために、2つのチャンバ本体部2は、チャンバ部3それぞれが一列に並んで共にチャンバを形成するように、互いに向かい合う側面5のところで組み合わされる。チャンバ本体部2は、任意の適切な手段で接着されてよく、その典型的な手段としては、クランプまたは接着剤がある。
電気生理学セル1は更に、ポリカーボネートまたは任意のその他の適切なポリマーで作成された隔壁6を含む。隔壁6の各面は、例えばペンタン内における10%(V/V)ヘキサデカンでなど、従来の方法でコーティングされている。隔壁6は、例えば両方のチャンバ本体部2を隔壁6に接着するなどして、2つのチャンバ本体部2の向かい合う側面5の間に配置される。従って、隔壁6は、2つのチャンバ部3によって形成されたチャンバを分割する壁を形成する。
隔壁6は開口7を有し、これは、電気生理学セル1が組み立てられると、チャンバ部3と一列にならぶ。使用の際、図3に示されるように、平面脂質二重層である脂質二重層9が、開口7全体にわたって形成される。隔壁6は、例えば25μmなど、脂質二重層9の形成を容易にするのに十分な薄さである。開口7は、一般的に、脂質二重層9を支持することが可能である任意の形状およびサイズであってよいが、好ましくは約100μmの直径を有する円形である。
電気生理学セル1は更に、チャンバ本体部2各々のチャンバ部3各々に提供される電極8を含む。電極8は、Ag/AgCl電極であってよい。電極8は、脂質二重層9を流れる電気信号を測定することが可能な電気回路20の一部を形成する。電気回路20は、図2に図式的に示され、脂質二重層9を流れる電流を検出することによって確率的センシングを実施する従来型のものである。
電極8は、パッチクランプ増幅器(例えばアキソンインスツリューメント(Axon Instruments)社が供給するAxopatch 200B)などの増幅器21に接続される。増幅器21は、電極8から出力される電流信号を増幅する。
増幅器21によって出力された電流信号は、ベッセルフィルター(例えばコーナー周波数2kHzで80デシベル(dB)/桁(decade)といった特性で)などの低域通過フィルター22を通じて供給される。
低域通過フィルター22によって出力された電流信号は、例えばアキソンインスツリューメント社が供給するDigitata 1320 A/D変換器などのA/D変換器23に供給される。A/D変換器23は、一般的にサンプリング周波数5kHzで作動する。A/D変換器23は電流信号をデジタル信号に変換し、次に、このデジタル信号は分析のためにコンピュータ24に供給される。コンピュータ24は、適切なプログラムを実行して電流信号を記憶しそれをディスプレイ機器に表示する従来型のパーソナルコンピュータであってよい。
電気生理学セル1は、従来の方法で脂質二重層9を形成するために使用される。脂質二重層9を形成するための典型的な実験的手法は以下の通りである。
電気生理学セル1の組み立て後、2つのチャンバ部3は、脂質二重層9内に挿入されている膜タンパク質を考慮して選択される適切な緩衝液で満たされる。
その後、所望の膜脂質の溶液が、各チャンバ部3内の緩衝液に添加される。一般的に、リン脂質、糖脂質、またはコレステロールを含む任意の膜脂質も使用してよい。以下に報告する実験において使用されるものの典型的な例としては、ジフィタノイルホスホコリンがあり、これはペンタンに溶解でき、典型的な量は、溶液8μlにおいて、10mg/mlの濃度であろう。続いて、例えばペンタンなどの溶媒を蒸発させて、緩衝液の表面上に膜脂質の単一層を形成する。
脂質二重層9を形成するために、各チャンバ部3における液面は開口7よりも低くしておき、その後開口7より高い位置に上げる。このような脂質二重層9の形成は、新しい実験を実施することを繰り返すことができる。
脂質二重層9中に膜タンパク質を挿入後(以下に詳細に述べる手法を使用して)、脂質二重層9全体に展開した電気信号が、従来の方法で電気回路20によってモニターされる。
次に、本方法の実施を可能にする、従来型の電気生理学セル1の変更について述べる。
図1の第1装置30は更に、電気生理学セル1上に取り付けてよく、巨視的な要素であるプローブ10を含む。これにより、プローブ10を手動で操作することが可能となる。
プローブ10は、図3の断面図に示されるキャリア本体11を有する。キャリア本体11は、その遠心端に凹部13を形成するカップ状部12を有する。ゲル14の滴が、凹部13内に堆積される。ゲルは、例えばアガロースゲル、あるいはポリアクリルアミドなどの合成ゲル等のヒドロゲルである。例えば、以下に報告する実験において、ゲル14は低融点の5%アガロースゲルであった。ゲル14は、キャリア本体11から突出し、ゲル14の突出面15が緩やかなカーブを描くようになっている。この実施形態においては、カップ状部12は円形であるが、一般的に任意の形状を有してよい。
ゲル14の突出面15の面積は、カップ状部12内の凹部13の開口部の面積によって原則的に制御されるが、好ましくは少なくとも1mm2であり、より好ましくは少なくとも10mm2である。例えば、カップ状部12は、一般的に約3mmの直径を有する。このように、ゲル14の突出面15の面積は、開口7の面積よりも大きく、少なくとも1桁、より好ましくは少なくとも2桁大きい。
キャリア本体11は、チャンバ本体部2の一方のチャンバ部3において支持され、ゲル14の突出面15が、その全体に脂質二重層9が形成される開口7に面する。このような支持を提供するために、プローブ10はブーム16を含む。スタブ車軸17がブーム16から突き出している。スタブ車軸17は、チャンバ本体部2の一方の上面4に形成された穴18に嵌入される。スタブ車軸17と穴18は、ブーム16がチャンバ本体部2の上面4上を回転することが可能なように枢着されて機能する。キャリア本体11は、ブーム16から支持され、ゲル14の突出面15がアーム19によって開口7と一列に並び、アーム19は、キャリア本体11から、上面4の開口部を貫通するチャンバ部3の外のブーム16へと伸張する。従って、スタブ車軸17と穴18によって形成されたピボットの周りで、ブーム16を手動で操作することにより、キャリア本体11を、開口7および脂質二重層9に近づけたり遠ざけたりする動きがもたらされる。
以下、第1装置30を使用する方法について述べる。
ゲル14の突出面15が、分子を運んで脂質二重層9に送達するためのキャリア表面として使用される。はじめに、分子が、脂質二重層9に送達されて中に挿入される膜タンパク質である場合について述べる。
予備的段階として、ゲル14の突出面15は、窒素気流下で短い時間保持することにより、表面乾燥および一部脱水させる。次に膜タンパク質を、ゲル14の突出面15上に堆積させる。これは、ピペットを使用して、膜タンパク質の溶液を単に垂らすことによって達成される。溶液は、インビトロ転写/翻訳の混合物であってよい。同様に、堆積は任意のほかの方法によって実施されてよく、例えば、細胞培養物や細菌コロニーなどの試料にゲル14をこすりつける。このような場合、精製の工程を完全に省くことにより、実行可能な膜タンパク質を抽出する工程が有意に短縮および簡素化される。
膜タンパク質が溶液内で堆積されると、溶媒はゲル14内に吸収される。膜タンパク質を堆積させることによって、膜タンパク質は、ゲル14の突出面15上に吸着される。このように、膜タンパク質は、膜タンパク質用のキャリア表面として作用する突出面15上に保持される。
膜タンパク質の堆積後、プローブ10が、電気生理学セル1上に取り付けられる。次に、脂質二重層9が、上述の従来技術を使用して開口7全体に形成される。
次に、プローブ10を移動させ、図3の矢印に示されるように開口7全体に伸張する脂質二重層9に対して、ゲル14の突出面15を固定する。このプローブ10の動きは、ブーム16を手動で操作することによって容易に実行される。
開口7内の脂質二重層9に対してゲル14の突出面15を固定させることにより、突出面15上に支持された膜タンパク質が、脂質二重層9内に挿入される。このような挿入は、一般的に2〜3秒で起こる。挿入は、電気回路20によって測定される電気信号を観察することによりモニターしてよく、例えば、コンピュータ24のディスプレイ上に示される電流信号のモニターによって観察される。膜タンパク質がタンパク質チャネルである場合、検出される電流における特徴的な増加が観察される。
例えば、図6A〜6Dは、脂質二重層9内にポアである膜タンパク質を挿入する間の典型的な電流信号の出力のグラフである。図6A〜6Dの各グラフにおいて、第1矢印は、脂質二重層9に対するゲル14の突出面15の固定が起こった時点を示す。各場合において、この後2〜3秒以内に、電流の急増が起こり、マイナス50mVの電圧の適用下、電流の大きさは0pAから50pAへと増加している。これらのグラフは、環境雑音を減じるために、電気生理学セル1を金属の箱(図示せず)に入れて作成された。しかし、プローブ10を移動させる間、箱が開けられるので、最初の電流信号には非常に雑音が混じる。脂質二重層9内に膜タンパク質が挿入された後、箱が閉じられ、雑音の大きなパルスが引き起こされる。しかしその後は、図6A〜6Dのそれぞれのグラフにおける第2矢印に示されるように、雑音は典型的な量まで急減する。
脂質二重層9内に膜タンパク質が挿入された後、プローブ10は、脂質二重層9に固定されたゲル14の突出面15と共に適正な位置に維持される。これは、プローブ10が実施されるべき実験を妨げることがなければ、十分に受け入れられる。この場合、プローブ10のキャリア表面を提供するためのゲル14の使用は特に利点を有する。なぜならば、ゲル14は多孔性であるので、チャンバ部3内の水溶液がゲル14を通過して拡散することを可能にするからである。これは、イオン電流が、ゲル14を通過して膜タンパク質に流れることを可能にする。プローブ10を脂質二重層9に固定させたままにしておくことで、一般的に膜タンパク質が繰り返し挿入されるようになり、過渡的に開くKcsAカリウムチャネルなどのチャネル等のゲーティングにとって利点がある。
あるいは、プローブ10を移動させて開口7から遠ざけ、ゲル14の突出面15を脂質二重層9から離脱させてもよい。この場合、膜タンパク質は脂質二重層9内に挿入されたままになっているので、プローブ10のキャリア表面は、脂質二重層9よりも強くない力で、膜タンパク質を保持しなければならない。この要件は、プローブ10のキャリア表面を提供するためにゲル14を使用することによって満たされる。
脂質二重層9内に膜タンパク質が挿入された後、問題の膜タンパク質にとって適切な実験工程が、従来の方法で実施されてよい。例えば、確率的センシングを実施するために、電気回路20によって検出される電気信号がモニターされる。
ゲル14の突出面15は脂質二重層9に固定されるが、突出面15と脂質二重層9との間の相互作用の明確な性質については、現在知られていない。ゲル14の突出面15が脂質二重層9に非常に近い位置にあることは明確であるが、それらの間に実際の物理的接触があるのかどうか、あるいは、例えば、それらの間に水溶液の薄膜が残っているのかどうかは、明確ではない。とは言え、固定される間、ゲル14が隔壁6に接触することは明白である。従って、ゲル14が柔軟性を有しているので、開口7に適合してその中にわずかに突き出し、脂質二重層9を若干変形させるのではないかと考えられる。
機械的プロービングの物理的性質が完全には理解されていないという事実はあるものの、脂質二重層9内への膜タンパク質の挿入という観点から見て、この方法は高度に再生産可能であり、信頼性がある。これについては実験的に実証されている。上述の方法全体は、非常に迅速に実施される。この方法は、例えば脂質二重層9を壊して再形成することによって繰り返し実施されてよい。プローブ10上に新しい量の膜タンパク質を堆積させる必要なしに、新しい膜タンパク質が繰り返し挿入され得る。更に注目すべきは、チャンバ部3内の溶液にプローブ10をただ浸したままにしておいて、たとえプローブ10が数時間放置されていたとしても、それによって脂質二重層9内にポアが挿入されてしまうことがないことである。このように、プローブ10を移動して、脂質二重層9に対してキャリア表面を固定させた時のみ、膜タンパク質の挿入が起こる。
この方法はまた、実施が非常に容易である。プローブ10の単純な手動操作によって、プローブ10が移動され得る。プローブ10の動きを制御するのに、特別な測定の必要はない。実際、この技術的方法は非常に強固であり、脂質二重層9の破裂はめったに起こらない。特に、動作に自動化の必要はないが、もちろんそのような自動化は可能であろう。
本方法の実施に使用され得る第2装置40が、図4に図示されている。第2装置40は、第1装置30との根本的な相違点を有しており、図5に示されるように、異なる形状のプローブ41が使用される。
第2装置40は、第1装置30において使用される電気生理学セル1と実質的に同一の電気生理学セル1を含み、簡潔にするために、その記述は繰り返さない。
加えて、第2装置40はプローブ41を含み、プローブ41は、固体材料からなるロッドの形状を有し、緩やかに丸く、プローブ41の側面47と接する端面42を有する。端面42と、側面47の一部は、おそらく分子が脂質二重層9に送達されるようにキャリア表面として作用する。端面42におけるプローブ41の断面は、脂質二重層9よりも小さい。この断面は、好ましくは脂質二重層9の面積の70%を超えず、より好ましくは50%を超えない。なぜならば、隔壁6に隣接する脂質二重層9の外側部は、一般的には、完全に形成されていないからである。従って、プローブ41の端面42が小さいサイズであることにより、膜タンパク質の挿入にとって最良の特性を有する脂質二重層9の中央部と、プローブが一列に配置されることが可能となる。一般的に、プローブ41の端面42の直径は、5μmから50μmの範囲である。
プローブ41は、固体のロッドまたは毛細管であってよいロッド43の先端として形成される。これは、例えば(株)成茂科学器械研究所から容易に入手できる市販の毛細管プーラーを使用して、プローブ41を引っ張ることにより、製造が容易になる。このプーラーの工程を使用するとき、プーラーの設定の制御を通して、プローブ41の形状および鋭さを制御することができる。ロッド43の先端を引っ張ってプローブ41を形成した後、端面42が加熱されて、端面42の粗さが平らにならされる。ロッド43を通過する導管は、引っ張る工程によって閉じられ、本方法においてプローブ41を使用する際に影響はない。
この製造工程は便利ではあるが、この製造工程およびこれにより得られるプローブ41の性質は必須ではない。一般的に、プローブ41は、脂質二重層9よりも小さい端面を有する任意の形態のプローブと取り替えることが可能である。プローブ41を、たまたま妥当なサイズであることがわかったサボテンの針と取り替えることによって成功した実験の結果も得られている。
プローブ41の端面42は、脂質二重層9に送達される膜タンパク質またはその他の分子に対するプローブ41の材料の親和性を高めるために処理され得る。
一つの選択肢は、端面42をコーティングすることによる処理である。一つの可能なコーティングは、ポリエチレンイミン(PEI)の吸着層である。例えばこれは、端面42上にPEI溶液(例えば濃度50%w/w)を適用し、続いて綿棒を使用して、余分なPEIを除去することによって達成され得る。PEIは、αHLなどの負に帯電した膜タンパク質に対する親和性を有利に増加させる。その他の高分子電解質およびその他の材料も同様に適している。
別の可能な処理としては、端面42の化学修飾がある。適切な修飾の例としては、アルキルシラン修飾などのシラン修飾が挙げられる。このようなシラン修飾の例は、以下に開示されている:“Silane-modified surfaces for biomaterial immobilization(生体材料の固定化のためのシランで修飾された表面)”、Shriver-Lake、Lisa C.、Naval Research Laboratory、Center for Bio/Molecular Science and Engineering、米国ワシントンDC、Cass,TonlyおよびLigler,Frances S.編、Immobilized Biomolecules in Analysis(1998)、1−14.、Oxford University Press。
従って、プローブ41は、機械システムによって操作されることが可能な巨視的な要素である。特に、プローブ41は、以下に述べるようにマイクロマニピュレータ50によって操作される。ロッド43が、ブロック45からぶら下げられたカラム44上に取り付けられ、ブロック45自体がマイクロマニピュレータ50のリンクアーム46に取り付けられる。電気生理学セル1のチャンバ部3内でプローブ41が見えるように、ブロック45は透明である。マイクロマニピュレータ50は、例えば(株)成茂科学器械研究所が供給するもののような、従来型のものである。マイクロマニピュレータ50は、プローブ41の三次元的に制御された動きを提供する。
以下、第2装置40を使用する方法について述べる。
留意すべきは、第2装置40のプローブ41のサイズが小さいので、第1装置30のプローブ10に必要とされるよりも、プローブ41の動きに対してより優れた制御が必要とされることである。マイクロマニピュレータ50は、このような制御を提供する。実際、2つのタイプの制御が必要である。
第1のタイプの制御は、プローブ41を脂質二重層9に平行に動かすことによって、プローブ41を脂質二重層9と一列に整列させるものである。この整列は、例えば電気生理学セル1を明るい光で照らしながらステレオ顕微鏡を使用して、プローブ41が脂質二重層9に向かって動くように見えることで達成することができる。この整列が一度実行された後、この整列を維持するように、マイクロマニピュレータ50の位置の設定が固定される。
第2のタイプの制御は、プローブ41が脂質二重層19へ向かう動きの制御である。小さいサイズのプローブ41は、脂質二重層9を有意な量だけ引き伸ばすこと、そしておそらくは、破裂を引き起こすことなく脂質二重層9を貫通することさえも可能にする(ただしこれは現時点では不明である)。
端面42が脂質二重層9に固定された際に、動きを止める必要がある。このプローブ41の動きの制御は、初期キャリブレーション工程の実施によって行われ、この工程の間、脂質二重層9の電気容量がモニターされる。電気容量をモニターするために、電極8全域に、従って脂質二重層9全域に、一定の規模の勾配を有するがサインが交互になる振動ランプの形状の電圧波形が適用される。次に出力電流がモニターされる。出力電流の大きさは、電圧信号のランプの勾配(一定である)に比例し、脂質二重層9の電気容量にも比例する。電流は、ランプ電圧のサインが変わるにつれて正電流と負電流の間で変化する。結果として、出力電流信号は、脂質二重層9の電気容量に比例する振幅を有する方形波となる。このようにして、脂質二重層9の電気容量をモニターするために、出力電流信号がモニターされる。
キャリブレーション工程の間、プローブ41は、脂質二重層9に向かってゆっくりした速度で動かされる。プローブ41が脂質二重層9に固定されるに至ったとき、これにより、モニターされる電気容量が変化する。これが出力電流信号から検出されると、プローブ41の動きが停止される。この固定の時点において、端面42の少なくとも一部が脂質二重層9に固定される。端面42のより広い面積および側面47の一部までもが脂質二重層9に固定されるように、プローブ41は脂質二重層9を局所的に変形させてよい。
プローブ41の位置が留意される。続いて、再び電気容量をモニターする必要なしに、このキャリブレーション工程の間に決定された位置と同じ位置にプローブ41を戻すために、マイクロマニピュレータ50が使用され得る。
マイクロマニピュレータ50は、必要な程度の制御を提供するのに有効ではあるが、このような制御は、その他の方法によって達成してもよい。その他の方法としては、例えば機械的停止装置を使用して、あるいは適切なプログラムを実行するマイクロプロセッサによって制御されたロボットを使用してプローブ41の動きを駆動することなどがある。
プローブ41を脂質二重層9と一列に整列させ、キャリブレーション工程を実施した後、プローブ41は、膜タンパク質(またはその他のタイプの分子)を脂質二重層9に送達するために、以下のように使用される。
はじめに、膜タンパク質がプローブ41の端面42上に堆積される。これは、単純にプローブ41の端面42を膜タンパク質の溶液のに押し付けることによって達成され得る。これによって、膜タンパク質は端面42上に吸着され、必要なのは少量の溶液のみであるという利点がある。あるいは、例えば第1装置30に関連して上に述べたように、堆積は、任意のその他の方法によって実施され得る。

膜タンパク質の堆積後、プローブ41は、第2装置40内の適切な位置に取り付けられる。次に、上述の従来技術を使用して、脂質二重層9が開口7全体にわたって形成される。
次に、プローブ42が動かされて脂質二重層9に対してプローブ41の端面42を固定する。このとき、正しい整列を得るために、また、キャリブレーション工程で決定された、0あるいはステレオ顕微鏡で見た正しい位置にプローブ41を移動させるために、マイクロマニピュレータ50を使用する。
脂質二重層9に対して端面42を固定させることによって、端面42上に支持された膜タンパク質の脂質二重層9内への挿入が引き起こされる。一般的に、このような挿入は数秒で起こり、第1装置30に関連して上に述べたようにモニターされる。
脂質二重層9内に膜タンパク質が挿入された後、プローブ41は、適正な位置に維持されても、第1装置30に関連して上に述べたように脂質二重層9から離脱させてもよい。続いて、問題の膜タンパク質にとって適切な実験工程が、従来の方法で実施されてよい。
例として、脂質二重層9内に多数の異なる膜タンパク質を挿入するために、上述の方法が実施されている。以下、図7〜10を参照しつつ、これらの実験の結果を述べる。図7〜10は、それぞれが脂質二重層9内に挿入された異なる膜タンパク質についての電流信号出力のグラフである。
以下の方法を、図1の第1装置30を使用して実施した。
溶液からプローブ10上に堆積されたWT(野生型)αHLタンパク質ポアを挿入するために、前記方法を実施した。検出された電流信号が図7に示されている。マイナス50mVの電流が適用されている。このとき、チャンバ部3において使用された緩衝液は、1M KCl、10mM MOPSでpHは7.00であった。検出された電流信号の形状および信号に係る電流と電圧との関係は、単純に溶液内にタンパク質ポアを配置して挿入を待つという従来技術によって挿入されたものと同じタンパク質ポアを使用して得られたものと区別ができなかった。このタイプのタンパク質ポアは、γ−シクロデキストリンを結合する。結合キネティクスおよびγ−シクロデキストリンの結合における電流の減衰(15μM)については、本方法を使用して挿入されたタンパク質ポアについてものと、従来の方法で挿入されたポアについてのものが同じであった。これらの結果に基づくと、プローブ10の使用により、脂質二重層9または膜タンパク質自体の特性を変えることなしに、膜タンパク質の適切な挿入が達成されることがわかる。
また、本方法を野生型αHLタンパク質ポアを挿入するために実施し、野生型αHLタンパク質ポアは、第1にrRNA、tRNA、DNA、緩衝液、アミノ酸、リボソームおよび脂質を含有するインビトロ転写/翻訳の混合物内から得られた野生型αHLタンパク質ポアからであり、第2にプローブ10を細菌コロニーにこすりつけることによってプローブ10上に堆積される。後者の場合、界面活性剤および細胞膜を壊すためのその他の成分を含む0.5μLの溶解緩衝液を適用することによって、寒天プレート上に大腸菌の細菌コロニーを溶解させた。どちらの場合においても、図7に示されるものと同様の結果が得られ、それによって、インビトロ転写/翻訳の混合物や細菌コロニーにおけるその他の成分やよりも、野生型αHLタンパク質ポアが挿入されたことの方がより明らかに実証される。
また、本方法を野生型KcsAチャネル(ストレプトミセス リビダンス由来のK+チャネル)を挿入するために実施した。このとき、チャンバ部3内の溶液は、100mMのフタル酸カリウムで緩衝化された150mM KClで、pHは4.0であった。図8は、マイナス150mVの電位の適用下でのチャネルゲーティングについての、検出された電流信号を示す。これらチャネルのオープニングのイベントはめったにないので、脂質二重層9内に挿入されるチャネルの数が最大になるように、電気的記録を行う間ずっとプローブ10をそのままにして、ゲル14の突出面15を脂質二重層9に固定させておいた。図8を見ればわかるように、検出された電流信号は、チャネルのオープニングの特性である事象を示す。
続いて、プローブ10を移動させて、ゲル14の突出面15を脂質二重層9から離脱させた。このとき、検出された電流信号において、同じ事象が観察された。このことに基づくと、ゲル14の突出面15を脂質二重層9に固定させても、実験工程を妨げなかったことがわかる。
また、本方法を、pHが7.00の緩衝液1M KCl、10mM MOPSを使用してロイコシジンのポアを挿入するために実施した。プローブ10を離脱させた後に検出された電流信号が図9に示されている。適用された電位はマイナス40mVであった。検出された電流信号のレベルは、ポアが開いていることを示している。
以下の方法は、図4の第2装置40を使用して実施され、ハイスループットなスクリーニングに適用された際の前記方法の有効性を実証する。
前記方法を、寒天プレート上に堆積されたαHLを発現する細菌コロニー由来のαHLタンパク質ポアを挿入するために実施した。毎回、プレートには100個のコロニーを配置し、そのうちの約95〜99個のコロニーが野生型αHLを発現し、残りのものがαHLの変異体、M113F/K 147Nを発現した。異なるタイプのコロニーの数および位置は、プレートスクリーナーでは明らかにされなかった。前記方法は、各コロニーについて実施した。αHLタンパク質ポアを、プローブをコロニーにこすりつけることによってプローブ上に堆積した。
タンパク質は細菌の細胞質内で発現されたが、コロニーを溶解または化学的に処理する必要はなかった。自然に溶解したコロニー内の細菌の画分によって、十分なタンパク質が供給されたようであった。プローブの先端は、コロニーをスクリーニングした後で、新しい寒天内を引っ張って通過させることによりクリーニングすることが可能であった。また、クリーニングされた先端は、ポアを産生しなかった。
タンパク質ポアを脂質二重層9内に挿入し、検出された電流信号をモニターした。ポアからの記録後、次の試料に移る前にセル1をクリーニングする必要はなかった。その代わりに、脂質二重層9を壊して再形成することによってシステムをリセットした。これらの操作は、スクリーニングのスピードを改善した。
プローブ41は、マイクロマニピュレータ50に固定し、セル1のシス(cis)側チャンバ部3内に沈め、脂質二重層9に固定した。プローブ41は、記録する間、脂質二重層9に固定させることが可能であった。単一のポア、または複数のポアを挿入するために必要な時間は変化した。異なるコロニーからのタンパク質の入手可能度は一貫していなかった。概して、αHLコロニー(野生型または変異体)は強力であった。つまり、プローブ41の脂質二重層9への固定がたとえ短い時間であっても(〜0.5秒)、複数のポアの挿入が引き起こされた。これらのコロニー由来の単一のポアを記録するために、脂質二重層9を電気パルスで壊し、再形成し、プローブ41を再度固定した。プローブ41上のポア形成タンパク質の量が、単一のポアの挿入が可能になるのに十分な程度減少するまで、この工程を繰り返した。プローブ41の固定/離脱および脂質二重層9の再形成は、1分当たり少なくとも5回繰り返すことができた。しかし、一般的に、単一の機能的なポアを得るために必要な繰り返し回数は、2〜4回のみである。
検出された電流信号によって、2つのタイプのαHLタンパク質ポアの区別が可能となった。両方のタイプのαHLが、類似のイオン伝導度を有するポアを形成する。しかし、変異体αHLのみが、シス(cis)側由来の分子アダプターβCDを結合する。プレートはプローブ法によってスクリーニングされた。シス(cis)側およびトランス(trans)側のチャンバ部3の両方が、10mM MOPS、1M KClを含有し、pHは7.0であった。脂質二重層9は−50mVで保持された。記録は、シス(cis)側のチャンバ部3内において、90μMのβCDで行われた。βCDは変異体のポアに結合したが、野生型のポアには結合しなかった。
野生型のαHLは、二重層内に挿入された各ポアについて、電流の段階的な増加を示した。4つのポアの場合の例が図10Aに示される。しかし、M113F/K147N変異体がβCDを結合し、電流の特性の減衰を与えている。2つのポアの場合の例が図10Bに示される。100個のコロニー全てをスクリーニングした後、プレートの作製者がその後明らかにした位置に厳密に対応する位置において、変異体を発現するコロニーが発見された。
この実験は、野生型ポアのバックグラウンドにおける新しい機能のまれな場合の迅速なスクリーニングを実証している。
次に、活性なタンパク質ポア、特に、2つの異なるモノマーから構成され、4つのLuk Fサブユニットおよび4つのLuk Sサブユニットが中心軸の周囲に交互に配置されて八量体のポアを与えるロイコシジンを産生するために組み合わされる2つのタンパク質のサブユニットを堆積するために、前記方法を実施した。
野生型Luk Fおよび野生型Luk Sを発現する別々の大腸菌コロニーを寒天プレートからこすり取り、新鮮な寒天の表面上に共に配置し、外科用メスの刀で完全に混合したが、溶解はしなかった。注目すべきことに、プローブ41を細菌の混合物の中に浸して脂質二重層9に固定し、野生型ロイコシジンのポアを産生することが可能であることが発見された。このように、精製することなく、別々の成分由来の完全に機能的な2成分の膜のポアを組み立てることが可能であった。単一のロイコシジンのポアの挿入には、通常、αHLコロニーの場合よりもより長い時間のプローブの固定を必要とした。ロイコシジンは、溶血アッセイにおいてαHLよりも活性がはるかに低いので、このことは予期されるであろう。一般的に、新たに混合されたコロニーを使用すると、プローブ41は、単一のポアが挿入される前に数秒間、脂質二重層9に固定しておいた。しかし、混合されたコロニーは、時間の経過によりしばしばより強力になり、1秒当たりにαHLコロニーと同等の量のポアを産生するものもあった。ロイコシジンのコロニーの混合物は、寒天プレート上で少なくとも1ヶ月間、4℃で保存でき、依然としてプローブ法によってタンパク質ポアを生産することができた。
これまでに、αHLのβ−バレル型におけるあるアミノ酸が、βCDの結合を強化するために変異可能なことが示されている(αHLとβCDの両方が7回折り畳み軸対称を有する)。
例えば、αHLのM113残基がフェニルアラニンに変異された場合、βCDの結合の持続時間は、野生型のαHLと比較すると最大で3×104倍長い。βCDの過メチル化形態であるTRIMEBは、βCDよりも最大で4倍長い時間、M113F αHLに結合する。これらの知見に基づくと、変異タンパク質が過メチル化されたγCDであるTRIMEGと結合するように(ロイコシジンとTRIMEGの両方が8倍の軸対称を有する)、ロイコシジンのβ−バレル型において同様の変異を行い得ると仮定した。
配列相同性、αHL7量体の結晶構造、そしてLuk F(HlgB)、Luk F(PV)およびLuk S(PV)モノマーそれぞれの結晶構造に基づいて、バレルのβ鎖内のアミノ酸の配列を、3つのモノマーすべてについてモデル化した。変異を行い、Luk FおよびLuk Sのβ鎖に沿った多様な位置における天然のアミノ酸を、フェニルアラニンで置換した。β−バレル型の内部では、変異された残基が整列して、8個のフェニルアラニンの環が1つ、または4個のフェニルアラニンの環が別々に2つ、形成することができた。αHL M113Fから類推して、整列したフェニルアラニン残基が、TRIMEGを結合するロイコシジンの形態を作り出すと仮定された。
以前は、IVTTによって、Luk FおよびLuk Sの個々のモノマーを発現させることにより、変異ロイコシジンを作製した。モノマーがウサギの赤血球膜上で組み立てて8量体を得た。続いて8量体をゲル精製にかけた。
一方、本発明の方法においては、変異サブユニットから機能的なロイコシジンのポアを得るために、はるかに迅速なプローブの手順を使用した。2つのサブユニットの35通りの新しい組合せそれぞれについて、3つの個々のポアが試験され、動的データが平均化された。Luk F Q112F/Luk S S108 Fの組合せが、他の組合せよりも少なくとも2桁分長い時間、TRIMEGと結合した一方で、野生型のロイコシジンがTRIMEGと結合した時間は最も短かった。これらのデータは、M113、Q112およびS108におけるアミノ酸が、αHL、Luk FおよびLuk S内それぞれにおいて、同じ位置および配向を共有することを示唆する。
この実験は、コロニー由来のβPFTが単量体であるという考えを支持する。この場合、水溶性モノマーは、混合後に組み立てなければならない。これらの実験において使用される細菌株は、内因性膜のチャネルおよびポアを有していなければならない。しかし、これらによる妨げは、電気的記録においては観察されなかった。過剰発現したタンパク質の細菌コロニーから平面二十層への移送は非効率的であり、当然、内因性タンパク質の挿入が起きる頻度が低いであろうと予測される。非効率的な移送は、バルクアッセイにおいては望ましくないであろうが、その一方で、単一のチャネルの記録によるスクリーニングには理想的に適合する。
大量のデータ収集は、別のアプローチでは多くの時間と労力を要したであろうが、複数のLukコロニーを混合してガラス製プローブに適用したことにより、効率的なスクリーニングが可能となった。このことは、本発明の有効性がハイスループットなスクリーニングを可能にすることをはっきりと実証している。
上述の報告された実験結果は、膜タンパク質の主要な2つのクラスの例に関する挿入を実証する。すなわちβ−バレル型(例えばαHLのポアおよびロイコシジンのポア)およびα−ヘリックス型(例えばK+チャネル)は、本発明の方法を使用して挿入することができる。このことに基づいて、任意の膜タンパク質が、平面脂質二重層9内に同様に挿入できることがわかる。前記方法により、不溶性の膜タンパク質を含有する、細胞溶解物または画分を含む任意の材料を、天然環境から脂質二重層9へと直接送達することができると予想される。
確率的センシングを実施するための第1装置の分解立体図である。 図1の第1装置の電気回路の構成図である。 図1の第1装置のプローブのキャリア部の断面図である。 確率的センシングを実施するための第2装置の斜視図である。 図4の第2装置のプローブの拡大図である。 脂質二重層内にタンパク質ポアを挿入する間における、典型的な電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内にタンパク質ポアを挿入する間における、典型的な電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内にタンパク質ポアを挿入する間における、典型的な電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内にタンパク質ポアを挿入する間における、典型的な電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内に挿入された野生型αHLタンパク質ポアについての電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内に挿入された野生型KcsAタンパク質チャネルについての電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内に挿入された野生型ロイコシジンのポアについての電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内に挿入された、野生型αHLタンパク質ポア、およびαHL変異体 M113F/K147Nタンパク質ポア、それぞれについての電流信号出力のグラフである。 脂質二重層内に挿入された、野生型αHLタンパク質ポア、およびαHL変異体 M113F/K147Nタンパク質ポア、それぞれについての電流信号出力のグラフである。

Claims (29)

  1. 平面脂質二重層における電気信号の測定が可能な電気回路を有する装置を用い、平面脂質二重層に膜タンパク質を挿入する方法であって、
    手動または機械システムによって移動可能に配置された巨視的な要素であり、かつ前記膜タンパク質の保持が可能なキャリア表面を有する、プローブを提供する工程と、
    膜タンパク質がキャリア表面上に保持されるように前記プローブのキャリア表面上に前記膜タンパク質を堆積させる工程と、
    手動または機械システムによって前記プローブを移動させ前記平面脂質二重層に対して前記キャリア表面を固定し、前記膜タンパク質を前記脂質二重層へ挿入させ前記電気回路によって測定される電気信号に基づき前記挿入が検出される工程と、
    を含む方法。
  2. 前記キャリア表面は前記平面脂質二重層が前記膜タンパク質を保持する力よりも強くない力で前記膜タンパク質を保持することができ、
    前記方法は更に、前記プローブを移動させ、平面脂質二重層に対してプローブのキャリア表面を固定する工程の後に、前記プローブを移動させて、平面脂質二重層からプローブのキャリア表面を離脱させ、それによって、挿入された膜タンパク質を平面脂質二重層内に残す工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 前記プローブは、キャリア表面上に前記膜タンパク質を吸着することによってこの膜タンパク質を保持することが可能である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記プローブは、ゲルのを有する本体を含み、前記ゲルは前記本体から突き出ており、ゲルは、その突出した表面上に膜タンパク質を保持することが可能であり、突出した表面が前記キャリア表面を構成する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ゲルがヒドロゲルである請求項4に記載の方法。
  6. 前記ゲルがアガロースゲルまたは合成ゲルである請求項5に記載の方法。
  7. 前記ゲルがポリアクリルアミドである請求項6に記載の方法。
  8. 前記本体が凹部を有し、前記ゲルのが前記凹部内にある請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記キャリア表面が、水溶液が通過して拡散できる材料の表面である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記キャリア表面が固体の表面である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  11. 前記キャリア表面が、膜タンパク質に対する親和性が増加するように処理される請求項10に記載の方法。
  12. 前記キャリア表面が、シラン修飾によって処理される請求項11に記載の方法。
  13. 前記固体がガラスである請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記キャリア表面が、前記平面脂質二重層の面積よりも大きな面積を有する請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  15. 前記キャリア表面が、少なくとも1桁、平面脂質二重層の面積よりも大きな面積を有する請求項14に記載の方法。
  16. 前記キャリア表面が、少なくとも1mmの面積を有する請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記キャリア表面が前記平面脂質二重層よりも小さい請求項1〜3または9〜12のいずれかに記載の方法。
  18. 前記キャリア表面が、前記平面脂質二重層の面積の最大で70%の面積を有する請求項17に記載の方法。
  19. 前記プローブの前記キャリア表面上に前記膜タンパク質を堆積させる前記工程が前記プローブの前記キャリア表面上に前記膜タンパク質を含有する溶液を堆積させる工程を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記プローブの前記キャリア表面上に前記膜タンパク質を堆積させる前記工程が、前記膜タンパク質を含有する試料に前記プローブの前記キャリア表面をこすりつける工程を含む請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  21. 前記膜タンパク質が、ポアまたはチャネルである請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記膜タンパク質がβ−バレル型またはα−ヘリックス型である請求項21に記載の方法。
  23. 平面脂質二重層への膜タンパク質の挿入が、平面脂質二重層を流れる電流の特徴的な増加に基づき前記電気回路で検出される請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記平面脂質二重層が、チャンバを定義するチャンバ本体と、中に前記平面脂質二重層が形成される開口を有する前記チャンバの壁と、を含む装置内に形成され、前記チャンバが水溶液を含有する請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 分子が、ポアまたはチャネルである膜タンパク質である請求項24に記載の方法。
  26. 前記プローブが、前記平面脂質二重層に対して前記キャリア表面を固定するために前記プローブを動かすことができるように前記チャンバ本体上に取り付けられる請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記チャンバが、前記チャンバの上面に開口部を有し、前記壁は前記チャンバの側面に形成される開口を有し、
    前記プローブが、
    前記キャリア表面を有する本体と、
    前記チャンバ内の本体を支持し、前記開口部を通して前記チャンバの外に伸張し前記プローブの操作を可能にするアームとを含む請求項2426のいずれか記載の方法。
  28. 前記プローブが更に、前記チャンバ本体上に取り付けられて前記アームを支持するブームを含む請求項27に記載の方法。
  29. 前記プローブが、前記チャンバ本体上に枢動可能に取り付けられる請求項26または27に記載の方法。
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