JP5252447B2 - 建物振動レベルの予測方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、木造建物に生じる交通振動を抑制する際に適用される建物振動レベルの予測方法及びシステムに関する。
高速道路をトラック等の大型車両が走行し、あるいは新幹線高架橋に敷設された軌道上を新幹線が走行する場合、高速道路や新幹線高架橋が振動源となって周辺に交通振動被害をもたらすことがある。
そのため、住宅が建設される予定地の近くに高速道路や新幹線高架橋がある場合には、建物完成後に交通振動が発生することがないよう、住宅を計画する段階から交通振動に対する対策を行うのが望ましい。
交通振動を抑制する対策としては、例えば摩擦ダンパーや粘性ダンパーを各階に設置するダンパー方式を採用することが考えられるが、建物の揺れは、地震であれ交通振動であれ、外乱に含まれる様々な周期の振動成分のうち、該建物の固有振動数、特に一次固有振動数に近い周期の振動成分に主として支配される。
そのため、マスダンパーの固有振動数を建物の固有振動数にほぼ一致させることによって、建物の揺れをマスの振動で相殺させるTMD(同調質量ダンパー)に代表されるマスダンパー方式を採用するのが効果的である。
かかる交通振動対策を施すにあたっては、工事の効率やコストの関係上、建物完成後に行うのではではなく、建物工事と並行して行うのが望ましい。すなわち、建物の計画段階において該建物内での増幅量を推定する一方、上述した振動源による建設予定地の地盤面での振動レベルを計測し、該地盤面での振動レベルに上述した建物内での増幅量を加算することによって建物の振動レベルを予測し、しかる後、振動源に対する交通振動対策を具体的に検討する。
このようにすれば、ダンパーの種類や仕様といった交通振動対策の内容を建物の計画段階で決定することが可能となり、かくして交通振動対策の工事を建物工事と同時進行で進めることができる。
特許第4190466号公報 特開平11−140967号公報 特開2001−349776号公報
上述した建物内での増幅量とは、振動源から地盤を伝播してきた弾性波が建物に入力された後、該建物内で増幅され、その結果、交通振動という形で建物に揺れを引き起こすプロセスにおいて、建物が立地された地盤面での振動レベルに加算される建物所定階での振動レベルの増分であり、建設予定地点における地盤面の振動レベルについては事前の計測が可能である。
そのため、建物内での増幅量をどのように評価するかが、交通振動における定量的把握の良否を左右する。
かかる状況下、建設に先だち、その建物の振動モデルを作成して固有値解析を行い、該固有値解析結果を用いて建物内での増幅量を求める手法が知られている。
しかしながら、木造建物においては、柱、梁、床板、筋かい、耐力面材といった部材同士の接合度の評価が難しいほか、非構造部材が建物全体の剛性に少なからず関与する。加えて、交通振動に起因する建物振動レベルの予測は、顧客から住宅発注を受けてから該住宅の設計が完了するまでの期間に終えなければならないものであり、十分な時間を割くことができないのが現状である。
そのため、木造建物に対して信頼性の高い振動モデルを作成することは必ずしも容易ではなく、むしろ交通振動のような微小変形レベルに適用できるような木造建物の振動モデルを作成することは信頼性やコストの面で困難であるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、交通振動によって建物に生じる振動レベルを短時間かつ一定の精度で予測することが可能な建物振動レベルの予測方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建物振動レベルの予測方法は請求項1に記載したように、交通振動予測の対象となる予測対象建物の固有振動数を推定し、該固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を求めて該振動増幅量を前記予測対象建物内での振動増幅量とし、該予測対象建物内での振動増幅量を前記予測対象建物の建設予定地で実測された地盤振動レベルに加算する建物振動レベルの予測方法であって、前記予測対象建物の固有振動数は、前記予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比を、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係を表した縦横比―固有振動数関係に適用することによって算出され、前記建物内での振動増幅量は、前記予測対象建物の固有振動数を、建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係との関係を表した固有振動数―振動増幅量関係に適用することによって算出され、前記予測対象建物及び前記建物を2階建て又は3階建ての木造建物としたものである。
また、本発明に係る建物振動レベルの予測システムは請求項2に記載したように、交通振動予測の対象となる予測対象建物の固有振動数を推定する固有振動数推定部と、前記該固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を求めて該振動増幅量を前記予測対象建物内での振動増幅量とする振動増幅量算出部と、前記予測対象建物内での振動増幅量を前記予測対象建物の建設予定地で実測された地盤振動レベルに加算する建物振動レベル算出部とを備え、前記固有振動数推定部は、前記予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比を、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係を表した縦横比―固有振動数関係に適用することによって前記予測対象建物の固有振動数を算出するようになっており、前記振動増幅量算出部は、前記予測対象建物の固有振動数を、建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係との関係を表した固有振動数―振動増幅量関係に適用することによって前記建物内での振動増幅量を算出するようになっており、前記予測対象建物及び前記建物を2階建て又は3階建ての木造建物としたものである。
背景技術でも述べた通り、木造建物においては、部材同士の接合度評価が難しく非構造部材が全体剛性に関与することもあって、信頼性の高い振動モデルを迅速に作成することは困難であった。
本出願人はこの点を踏まえながら、2階建て及び3階建ての木造建物を対象として多数の振動計測を行ったところ、建物の階数及びその平面形状における縦横比とその建物の短辺方向の固有振動数との間に一定の関係を見出すことができるとともに、短辺方向の固有振動数と建物での増幅量との間にも一定の関係を見出すことができるという新規な知見を得たものである。
すなわち、本発明に係る建物振動レベルの予測方法及びシステムにおいては、まず、予測対象建物の固有振動数を固有振動数推定部で推定し、次いで、該固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を振動増幅量算出部で予測対象建物内での振動増幅量として算出し、しかる後、その振動増幅量を建物振動レベル算出部で地盤振動レベルに加算するが、予測対象建物の固有振動数を推定するにあたっては、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係を縦横比―固有振動数関係として予め整理作成しておく。
縦横比―固有振動数関係は、2階建て及び3階建ての木造建物に対し、加振試験による振動計測や交通振動あるいは地震に対する振動計測を行った後、階数、平面形状における縦横比、及び短辺方向の固有振動数の相互関係を評価することで得られる。具体的には、階数をパラメータとして、縦横比と固有振動数とを直線で近似することが可能であり、その近似直線を縦横比―固有振動数関係とすることができる。
建物の平面形状における縦横比は、例えば間口寸法に対する奥行き寸法の比とすればよい。
予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比は、いずれも例えば建物の新築図面から簡単に特定することが可能である。
一方、固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を予測対象建物内での振動増幅量として算出するにあたっては、建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係を固有振動数―振動増幅量関係として予め作成しておく。
固有振動数―振動増幅量関係は、2階建て及び3階建ての木造建物に対して振動計測を行った後、短辺方向の固有振動数と建物内での増幅量との相互関係を評価することで得られる。具体的には、短辺方向の固有振動数と建物内での増幅量とを直線で近似することが可能であり、その近似直線を縦横比―固有振動数関係とすることができる。
増幅量は、各建物の上階床、つまり2階建てであれば2階床、3階建てであれば3階床で計測された振動レベルから、その建物が立地する地盤面での振動レベルを減算することで得られる。なお、具体的な計測方法や周波数分析の方法は任意であり、市販の振動レベル計を用いて適宜行えばよい。
なお、固有振動数―振動増幅量関係を作成するにあたっては、振動源の種別ごと、例えばトラック等の大型車両が走行する高速道路や新幹線が走行する新幹線高架橋ごとに作成しておくのが望ましい。
このように本発明によれば、予測対象建物の階数とその平面形状における縦横比を建築図面等から特定するだけで、予測対象建物の短辺方向の固有振動数を簡易に求めることができるとともに、その短辺方向の固有振動数から建物での増幅量を容易に算出することが可能であり、算出された増幅量を地盤面振動レベルに加算するだけで予測対象建物の振動レベルを予測することができる。
本実施形態に係る建物振動レベルの予測システムを示したブロック図。 本実施形態に係る建物振動レベルの予測方法を示したフローチャート。 予測対象建物である3階建て木造住宅31の関連図であり、(a)は周辺図、(b)は敷地配置図。 縦横比―固有振動数関係を示したグラフ。 固有振動数―振動増幅量関係を示したグラフ。
以下、本発明に係る建物振動レベルの予測方法及びシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る建物振動レベルの予測システムを示したブロック図である。同図(a)でわかるように、本実施形態に係る建物振動レベルの予測システム1は、固有振動数推定部2、振動増幅量算出部3、建物振動レベル算出部4及び判定部5で構成してある。
固有振動数推定部2は同図(b)に示すように、予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比を入力する入力部11と、該入力部で入力された値を、予め定められた縦横比―固有振動数関係に適用することで予測対象建物の短辺方向の固有振動数を算出する固有振動数出力部12とからなる。
かかる固有振動数推定部2は、例えば入力部11をマウスやキーボードといった入力機器で構成するとともに、これらの入力機器を周辺機器としたパソコンの演算処理装置で動作するアプリケーションソフトとして固有振動数出力部12を構成し、縦横比―固有振動数関係は、上述の周辺機器の一つとしてパソコンに備えられたハードディスクに近似式の形態で適宜格納しておけばよい。
振動増幅量算出部3は、固有振動数推定部2で算出された固有振動数を、予め定められた固有振動数―振動増幅量関係に適用することで建物内での振動増幅量を算出できるようになっている。
かかる振動増幅量算出部3は固有振動数推定部2と同様、パソコンの演算処理装置で動作するアプリケーションソフトとして構成しておくとともに、固有振動数―振動増幅量関係については、縦横比―固有振動数関係と同様、ハードディスクに近似式の形態で適宜格納しておき、必要なときに随時、メモリーに読み出すようにすればよい。
建物振動レベル算出部4は、振動増幅量算出部3で算出された予測対象建物内での振動増幅量を、該予測対象建物の建設予定地で実測された地盤振動レベルに加算することで、予測対象建物に対する建物振動レベルを算出するようになっており、パソコンの演算処理装置で動作するアプリケーションソフトとして構成することが可能である。なお、地盤振動レベルについては、市販されている測定機器で適宜測定するようにすればよい。
判定部5は、建物振動レベル算出部4で算出された建物振動レベルを、振動障害の基準である55dBと比較し、予測対象建物の建物振動レベルが55dB以上であれば、交通振動対策を講じる必要があると判定し、予測対象建物の建物振動レベルが55dB未満であれば、交通振動対策を講じる必要がないと判定するようになっており、パソコンの演算処理装置で動作するアプリケーションソフトとして構成することが可能である。
図2は、本実施形態に係る建物振動レベルの予測システム1を用いて予測対象建物の建物振動レベルを予測するとともに、それに応じて交通振動対策を施す手順を示したフローチャートである。
同図に示すように、本実施形態に係る建物振動レベルの予測方法を実施するには、まず、交通振動予測の対象となる予測対象建物の固有振動数を固有振動数推定部2で推定する(ステップ101)。
予測対象建物は、2階建て又は3階建ての木造住宅とするが、本実施形態では説明の便宜上、3階建て木造住宅とする。
図3(a)は、予測対象建物である3階建て木造住宅31(以下、住宅31)及びその建設予定地32並びに交通振動の原因となる振動源としての高速道路33を示した周辺図であり、図3(b)は住宅31の敷地配置図である。
同図でわかるように、住宅31は、間口がW、奥行きがDであって、平面形状における縦横比は、D/Wであるので、この縦横比D/Wを入力部11を介して入力し、次いで、その入力値を縦横比―固有振動数関係、一例として挙げると、
f=−2.1352(D/W)+11.069 (1)
;住宅が2階建ての場合
f=−0.549(D/W)+6.4782 (2)
;住宅が3階建ての場合
に代入する演算を固有振動数出力部12で行うことで、住宅31の短辺方向の固有振動数fを求める。ここで、住宅31は3階建てであり、D/Wを例えば2とすると、上述の例では、固有振動数fは、5.38Hzとなる。
ここで、(1)式は、既存の2階建て木造住宅に対し、加振試験による振動計測や交通振動あるいは地震に対する振動計測を行うことで、それらの短辺方向の固有振動数を評価し、次いで、振動計測された各住宅の平面形状における縦横比(奥行き/間口)と、振動計測の結果である短辺方向の固有振動数とを最小二乗法で直線近似して得られたものである。
上述の(2)式も同様であり、既存の3階建て木造住宅を振動計測することで、それらの短辺方向の固有振動数を評価し、次いで、振動計測された各住宅の平面形状における縦横比(奥行き/間口)と、振動計測の結果である短辺方向の固有振動数とを最小二乗法で直線近似して得られたものである。
図4は、縦横比(奥行き/間口)を横軸に、短辺方向の固有振動数を縦軸にとってプロットするとともに、それらを近似する直線を示したグラフであり、2本の直線のうち、実線は2階建て住宅に対するもの、すなわち(1)式を示す直線であり、破線は3階建て住宅に対するもの、すなわち(2)式を示す直線である。
住宅31の固有振動数fを推定したならば、次に、固有振動数推定部2で算出された固有振動数fを、固有振動数―振動増幅量関係に適用することで住宅31における建物内での振動増幅量を算出する(ステップ102)。
すなわち、固有振動数―振動増幅量関係、一例として挙げると、
A=−3.4984・f+46.668 (3)
に代入する演算を振動増幅量算出部3で行うことで、住宅31における建物内での増幅量ASを求める。固有振動数fは、5.38Hzであるので、上述の例では、ASは、27.8dBとなる。
ここで、(3)式は、(1)式及び(2)式を評価した際の対象になった2階建て及び3階建て木造建物に対し、トラック等の大型車両が走行する高速道路を振動源とした交通振動の計測を、上階床と地盤面でそれぞれ行い、次いで、地盤面振動レベルに対する建物上階床での振動レベルの増幅量を算出して各建物内の振動増幅量とし、次いで、各建物の短辺方向の固有振動数と該建物内の振動増幅量との関係を最小二乗法で直線近似して得られたものである。
なお、(3)式を作成する際の基準となる木造建物群と、(1)式及び(2)式を作成する際の基準となる木造建物群とは同じである必要はないが、(3)式を作成する際に各建物の固有振動数を評価する必要があるため、同じ建物群について(1)〜(3)式を評価するのが効率的である。
図5は、短辺方向の固有振動数を横軸に、建物内の振動増幅量を縦軸にとってプロットするとともに、それらを近似する直線、すなわち(3)式を示したグラフである。
建物内での増幅量は上述した通り、2階床あるいは3階床で計測された振動レベルから、その建物が立地する地盤面での振動レベルを減算すればよく、具体的な計測方法や周波数分析の方法は任意であるが、固有振動数付近で最も大きな値となるため、固有振動数帯域で増幅量を算出するようにするのがよい。
ここで、図5や(3)式でわかる通り、建物の短辺方向の固有振動数が定まれば、該建物での振動増幅量が一意に定まる関係となっているところ、建物の構造形式や階数が任意の群に対しては、同一の固有振動数をとる建物は一意には定まらないため、一般的には、振動増幅量も一意に定めることはできない。
しかし、建物を2階建て木造建物及び3階建て木造建物に限った場合、それらの固有振動数は図4に示すように、2階建て木造建物で6〜9Hz、3階建て木造建物で5〜6Hzであるため、短辺方向の固有振動数から木造建物の階数を概ね特定することができることがわかる。
これは、建物を2階建て木造建物及び3階建て木造建物に限った場合においては、建物の短辺方向の固有振動数から建物内での振動増幅率を一意に推定することも可能であることを示すものであって、図5や(3)式の考え方が工学的にきわめて妥当であることを示すものである。
住宅31における建物内での振動増幅量ASを算出したならば、次に、その振動増幅量ASを、住宅31の建設予定地32で実測された地盤振動レベルAGに加算することで、住宅31に対する建物振動レベルATを建物振動レベル算出部4で算出する(ステップ103)。すなわち、
T=AS+AG
一例として挙げると、住宅31の建設予定地32で実測された地盤振動レベルAGが24dBであれば、住宅31に対する建物振動レベルATは、51.8dBとなる。
次に、建物振動レベル算出部4で算出された建物振動レベルATを、振動障害の基準である55dBと比較し(ステップ104)、住宅31の建物振動レベルATが55dB以上であれば(ステップ104、YES)、交通振動対策を講じる必要があると判定し(ステップ105)、建物振動レベルATが55dB未満であれば、交通振動対策を講じる必要がないと判定する(ステップ106)。かかる判定は判定部5で行う。
上述の例であれば、住宅31に対する建物振動レベルATが51.8dBであって、55dB未満であるので、交通振動対策を講じる必要がないと判定される。
以上説明したように、本実施形態に係る建物振動レベルの予測方法及びシステム1によれば、従来のように住宅31の振動モデルを作成することなく、住宅31の階数とその平面形状における縦横比D/Wを建築図面等から特定するだけで、該住宅における建物内での振動増幅量Aを簡易に求めることが可能となる。
したがって、建設予定地32で地盤振動レベルAGを計測したならば、その場で住宅31における建物振動レベルATを予測できるとともに、それに基づいて振動対策の要不要を迅速かつ適切に判断することが可能となり、設計へのフィードバックや顧客への説明を迅速に行うことができる。
また、本実施形態に係る建物振動レベルの予測方法及びシステム1によれば、判定部5において交通振動対策が必要であるとの判断がなされた場合、ダンパーの種類や仕様といった交通振動対策の内容を建物の計画段階で決定して交通振動対策の工事を建物工事と同時進行で進めることが可能となり、かくして住宅全体のコストを低減するとともに、工事の合理化を図ることが可能となる。
なお、予算等の関係で新築時に交通振動対策を施さない場合であっても、交通振動対策を施しやすいような措置を講じておくことによって、建設後の改修費用を最小限にとどめることが可能となる。
本実施形態では、縦横比―固有振動数関係や固有振動数―振動増幅量関係を事前に作成する際、収集された計測データを最小二乗法による直線近似式として表現しておき、かかる直線近似式に住宅31の階数及び縦横比を適用し、あるいは固有振動数fを適用するようにしたが、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係、あるいは建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係を評価するにあたって、収集された計測データをどのように処理するかは任意であり、必ずしも直線近似である必要はない。
また、本実施形態では、本発明に係る建物振動レベルの予測方法を、建物振動レベルの予測システム1を動作させる形で実施するものとしたが、本発明に係る建物振動レベルの予測方法は、必ずしも建物振動レベルの予測システム1による演算処理で行う必要はなく、例えば、縦横比―固有振動数関係や固有振動数―振動増幅量関係をグラフやテーブルの形で事前作成しておき、次いで、住宅31の階数及び縦横比をグラフあるいはテーブル形式の縦横比―固有振動数関係に照合することで固有振動数fを特定するとともに、該固有振動数fを、やはりグラフあるいはテーブル形式で作成された固有振動数―振動増幅量関係に照合することで、建物内の増幅量を特定するようにしてもかまわない。
1 建物振動レベルの予測システム
2 固有振動数推定部
3 振動増幅量算出部
4 建物振動レベル算出部
5 判定部

Claims (2)

  1. 交通振動予測の対象となる予測対象建物の固有振動数を推定し、該固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を求めて該振動増幅量を前記予測対象建物内での振動増幅量とし、該予測対象建物内での振動増幅量を前記予測対象建物の建設予定地で実測された地盤振動レベルに加算する建物振動レベルの予測方法であって、前記予測対象建物の固有振動数は、前記予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比を、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係を表した縦横比―固有振動数関係に適用することによって算出され、前記建物内での振動増幅量は、前記予測対象建物の固有振動数を、建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係を表した固有振動数―振動増幅量関係に適用することによって算出され、前記予測対象建物及び前記建物を2階建て又は3階建ての木造建物としたことを特徴とする建物振動レベルの予測方法。
  2. 交通振動予測の対象となる予測対象建物の固有振動数を推定する固有振動数推定部と、前記該固有振動数に対応する建物内での振動増幅量を求めて該振動増幅量を前記予測対象建物内での振動増幅量とする振動増幅量算出部と、前記予測対象建物内での振動増幅量を前記予測対象建物の建設予定地で実測された地盤振動レベルに加算する建物振動レベル算出部とを備え、前記固有振動数推定部は、前記予測対象建物の階数及びその平面形状における縦横比を、建物の階数及びその平面形状における縦横比と該建物における短辺方向の固有振動数との関係を表した縦横比―固有振動数関係に適用することによって前記予測対象建物の固有振動数を算出するようになっており、前記振動増幅量算出部は、前記予測対象建物の固有振動数を、建物の短辺方向における固有振動数と該建物において実測された振動増幅量との関係との関係を表した固有振動数―振動増幅量関係に適用することによって前記建物内での振動増幅量を算出するようになっており、前記予測対象建物及び前記建物を2階建て又は3階建ての木造建物としたことを特徴とする建物振動レベルの予測システム。
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