以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜図17は、一般的な遊技機を示したものであり、本実施形態のパチンコ機1における特徴的な構成は図18〜図60に基づいて説明する。
[パチンコ機の全体構造について]
図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を閉塞し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の背面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域20を遊技者が視認し得る透明板ユニットとしてのガラスユニット190と該ガラスユニット190の下方に配置され且つ遊技の結果発生した賞球を受け入れて発射レール38の発射位置に供給する皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板6aによって被覆されている下部装飾板6が固着されており、また、詳細に図示しないが、外枠2は、上下の木製の上枠板及び下枠板と左右の軽合金(アルミニュウム)製の側枠板とを、それぞれの端部を連結するための連結部材で連結することによって方形状に組み付けられるものである。なお、外枠2の上部に設けられる上支持金具7と下部装飾板6の一側上面に設けられる下支持金具8に、本体枠3の上下に固定される上軸支金具47及び下軸支金具48とを係合することにより、本体枠3が外枠2に対して開閉自在に軸支されている。
また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、図4に示すように、その裏面に賞球を払い出すための賞球タンク50、タンクレール部材51、球通路ユニット52、及び球払出装置(球払出ユニット)53が取り付けられ、その裏面下部に発射装置57と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板395(図40参照)等が一纏めに設けられている基板ユニット54が取り付けられ、更に、本体枠3の後面開口70(図7参照)を覆うカバー体58が着脱自在に設けられている。
更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300に、ハンドルユニット318が設けられている。そして、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドルユニット318が扉枠5側である皿ユニット300に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくなっている。ここで、ハンドルユニット318が、本発明の操作ハンドルに相当する。
[本体枠について]
まず、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、発射装置57と、賞球を払い出すための賞球タンク50とタンクレール部材51と球通路ユニット52と球払出装置53と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う施錠装置60と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット54と、後面開口70を覆うカバー体58等の各種の部品が装着される本体枠3について、主として図4乃至図6を参照して説明する。図4及び図5は、前述した通りであり、図6は、本体枠3の正面図である。
遊技盤4が取り付けられる本体枠3の構成について説明すると、本体枠3は、合成樹脂によって一体的に成形されるものであり、本体枠3の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具47及び下軸支金具48が取り付けられている。この軸支金具47,48を外枠2に取り付けられる上支持金具7及び下支持金具8にそれぞれ係合することにより、本体枠3を外枠2に対して開閉自在に軸支することができる。
ところで、本体枠3は、正面から見た場合に、図6に示すように、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部30となっており、その遊技盤設置凹部30の下方のやや奥まった領域が板部32となっている。遊技盤設置凹部30の後方には、遊技盤設置凹部30の空間を形成するために後述する側面壁290〜293が後方に向って突設され、この側面壁290〜293によって囲まれる空間に、遊技盤4及び該遊技盤4に設けられる演出表示装置等の各種部品の後方突出部分が収納されるようになっている。
また、遊技盤設置凹部30を囲む前面側の前面上辺部、前面右側辺部、及び前面左側辺部には、上記した構成以外に開放側である前面右側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する施錠装置60に設けられる扉枠フック部61を貫通させて前方に飛び出させるためのフック用開口36が開設されており、また、軸支側である前面左側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部466と係合するための盤位置決め突起37が設けられている。
次に、本体枠3の前面側の構成であって遊技盤設置凹部30の下方に位置する板部32に設けられる構成について説明すると、図6に示すように、板部32の前面の中央部から開放側の端部に向かって発射レール38がビス止め固定されている。この発射レール38の先端位置に対応する板部32の前面には、レール接続部材44が突設され、遊技盤設置凹部30に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の外レールユニット472の下流端である接続通路部477と隣接するようになっている。レール接続部材44の側方位置(発射レール38と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具46が回動自在に取り付けられている。この遊技盤固定具46は、前記遊技盤設置凹部30に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具46を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。一方、遊技盤4を取り外す場合には、遊技盤固定具46を反時計方向に回すことにより、遊技盤4の下部の固定の解除を簡単に行うことができる。更に、遊技盤固定具46の軸支側の側方に賞球払出ストッパー機構39が設けられている。この賞球払出ストッパー機構39は、球払出装置53から払出された賞球を扉枠5側の皿ユニット300に払い出す賞球通路の途中に設けられるもので、扉枠5を開放したときに、自動的に賞球通路を閉塞して賞球通路から外部に球がこぼれ落ちないようにする一方、扉枠5を閉じたときに自動的に賞球通路を連通させて球払出装置53から払出された賞球を皿ユニット300に払い出すものである。なお、発射レール38の発射位置の上方の板部32には、遊技盤4に形成される締結部469と図示しない締結具で締結するための締結穴41が形成されている。ここで、球払出装置53に、主制御基板710及び払出し制御基板720(図40を参照。詳細は後述する)を組合わせたものが、本発明の利益付与手段に相当する。
また、板部32の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部40が形成されており、この発射装置取付部40に本体枠3の裏面から発射装置57が固定されている。また、発射装置取付部40の前面壁部分には、扉枠5の裏面側に取り付けられるスライドユニット230のスライド係脱片231(図1参照)が挿入されるハンドル連結窓40aが形成され、扉枠5を閉じたときに後述するスライド係脱片231がハンドル連結窓40aに挿入されて扉枠5の下部前面に設けられるハンドルユニット318と発射装置57とが連携されて、ハンドルユニット318の回動操作量に応じた強さで発射装置57の弾発力を調節することができるようになっており、それによって発射レール38の発射位置にある球を弾発して遊技領域20の所望の位置に打ち出すことができる。
本体枠3の前面構造は、概ね上記した通りであるが、次に、主として図4を参照して本体枠3の裏面構造について説明する。図4に示すように、本体枠3の裏面上部には、賞球又は貸球として払い出すための球を貯留する賞球タンク50が着脱自在に装着され、その賞球タンク50の下方に該賞球タンク50からの球を横傾斜状に誘導するタンクレール部材51が配置され、さらにタンクレール部材51の流下端から下方に向けて球通路ユニット52及び球払出装置53が設けられている。タンクレール部材51は、賞球タンク50からの球を前後方向に2列に整列させながら下流側に誘導するものであり、そのタンクレール部材51の下流端から球通路ユニット52に球が移動する際に1列となって球通路ユニット52内を落下する。そして、球通路ユニット52から球払出装置53に導かれた球は、次に説明する払出制御基板ボックス55に収納される払出制御基板720(図40参照)によって実行される払出制御プログラムに応じて所定個数の賞球や貸球を払出し、その払出した球を扉枠5の前面側に設けられる皿ユニット300に排出するようになっている。なお、球払出装置53には、詳細に図示しないが払出モータと該払出モータによって回転駆動されて球を1個単位で払い出す回転払出部材が設けられている。
更に、本体枠3の裏面には、その下部に基板ユニット54が取り付けられている。この基板ユニット54には、払出制御基板ボックス55、外部端子板56、電源基板ボックス(図示しないが払出制御基板ボックス55及び外部端子板56の奥側に固定されている。)等の遊技盤4に設けられない基板ボックスが集約して設けられている。つまり、遊技盤4が交換されても交換する必要のない制御基板を収納する基板ボックスが集約して設けられるものである。そして、遊技盤4を遊技盤設置凹部30に収納設置した際に、遊技盤4側に設けられる主制御基板と基板ユニット54に設けられる基板であって主制御基板と接続する必要のある基板との電気的な接続が自動的に行われるようになっている。上記した基板ユニット54の下方であって前記発射装置取付部40には、ユニット化された発射装置57が取り付けられている。さらに、本体枠3の前述した側面壁290〜293の後端に沿って形成される後面開口70には、カバー体58が開閉自在に設けられている。このカバー体58は、遊技盤4の後方部の全域を覆うものであり、このカバー体58を取り付けて閉じた状態では、図5に示すように、パチンコ機1の最も後方へ突出している前記タンクレール部材51の後端部とほぼ同一垂直面となるように形成されている。
また、本体枠3の開放側裏面には、施錠装置60が固定されている。この施錠装置60は、本体枠3の外枠2に対する施錠、及び扉枠5の本体枠3に対する施錠の両方の施錠を行う、所謂W錠といわれるものであり、この施錠装置60から本体枠3の前方に向けて複数(本実施形態においては3個)の扉枠フック部61とシリンダー錠62(共に図1参照)とが突出するように設けられている。
次に、遊技盤設置凹部30の構成について説明する。図7は、部品を取り付ける前の本体枠3の側面図であり、図8は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図である。遊技盤設置凹部30は、正確には、図7及び図8に示すように、上辺部と開放側の一部に遊技盤4を収納しない前向きの鍔面部分があり、上辺部の鍔面部分には特に何も形成されていないが、開放側の鍔面部分には、施錠装置60の扉枠フック部61が貫通するフック用開口36が上中下の3箇所開設されている。つまり、開放側の鍔面部分の裏面に施錠装置60が固定されている(図4参照)。
しかして、遊技盤設置凹部30は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁290と、該第一側面壁290から後方に周設される第二側面壁291と、該第二側面壁291から後方に周設される第三側面壁292と、該第三側面壁292から後方に周設される第四側面壁293、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第一側面壁290〜第四側面壁293は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁290から第四側面壁293に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図5参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁290から第四側面壁293までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁293の最後端部が外枠2の側枠板の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側面壁290から第四側面壁293までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第一側面壁290に沿って施錠装置60が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁290の後端辺に設けられる錠取付穴(図示外)を利用して行うため、その錠取付穴(図示外)を形成するためにも開放側の第一側面壁290から第四側面壁293を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁290〜第四側面壁293の段差の寸法も、第一側面壁290と第二側面壁291との段差は、遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。
そして、上記した側面壁290〜293は、図7に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約90mmとなっている。特に、第一側面壁290の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。特に、本実施形態の場合には、次に説明するように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を占めるような演出表示装置115等が取り付けられている場合においても、そのような各種部品による後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、第四側面壁293の後端辺からは背面から見てその左辺、上辺及び右辺に、左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296がそれぞれ内側に向かって突設されている。右後面壁296は、その前面が平板状となっており、その後面に球通路ユニット52と球払出装置53とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、右後面壁296の内側への突出幅は、球通路ユニット52と球払出装置53とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁295は、その前面が平板状となっており、その後面にタンクレール部材51が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁295の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材51の高さ幅寸法があれば充分である。更に、右後面壁296には、その前面が平板状となっており、その後面にカバー体58を軸支するカバー体支持筒部280が形成されている。したがって、右後面壁296の内側への突出幅は、カバー体支持筒部280を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁293の後端辺から内側に向かって突設される左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を占めるような演出表示装置115等が取り付けられている場合においても、そのような各種部品による後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296の内側は、後面開口70となっており、この後面開口70がカバー体58(図4参照)によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
[扉枠について]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、扉枠5の背面図であり、図10は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図11は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図9乃至図11に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドルユニット318が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金160が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット190が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記ハンドルユニット318に対応するスライドユニット230、装着台220、及び枠装飾中継端子板240がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット190の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー210も装着されている。
扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、スピーカ144a,144bを貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方にガラスユニット190の止め片194を係止するための止めレバー108が回動自在に設けられている。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋431(図16及び図17参照)が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに側面開口蓋383(図16及び図17参照)を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット226を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りに前記シリンダー錠62が貫通するための錠穴106が開設されている。また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にスライドユニット230を取り付けるためのスライドユニット装着凹部107が形成されている。同じく、下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右に、ガラスユニット190の掛止突片195を掛け止めるための係合受片(図示外)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー210の装着弾性片213が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って皿ユニット300の案内穴436(図17参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝42,43(図1参照)とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について主として図12乃至図14を参照して説明する。図12は、扉枠5の前面側に取り付けられる扉レンズユニット120の正面から見た分解斜視図であり、図13は、扉レンズユニット120のレンズカバー140と皿ユニット300に設けられるレンズカバー309との関係を示すパチンコ機1の正面斜視図であり、図14は、スピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bを構成する部材のうち、LEDに照射される部材を取り除いた場合の扉枠5の正面図である。
図12乃至図14に示すように、扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタ122,130a,130bと、該リフレクタ122,130a,130bの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管132,134a,134b及びLED基板137,138a,138bと、前記リフレクタ122,130a,130bの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー140と、該レンズカバー140に取り付けられるスピーカ144a,144bと、前記レンズカバー140のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズベース体121は、平面視で前方が円弧で後方が直線の後面が開放した内部中空の三角形状に合成樹脂によって形成され、その中空内部に冷陰極管132,134a,134bに高電圧の電流を供給するインバータ基板136が収納固定されている。また、レンズベース体121の前面及び底面に当接するように断面L字状の上リフレクタ122が取り付けられている。この上リフレクタ122は、白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されており、この白色着色樹脂によって反射率を高めた表面を有するものとしている。つまり、上リフレクタ122の表面は、上冷陰極管132及びLED137aから発せられた光を反射する反射面となっている。次に説明する側方リフレクタ130a,130bも同様に白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されている。ところで、上リフレクタ122の両端部に、上冷陰極管132の両端を支持するための電極支持部125が形成され、さらに上リフレクタ122の前面に適宜間隔を置いて上冷陰極管132を支持するために先端部がU字状に形成された陰極管支持片123が突設されている。これは、上冷陰極管132の中央が屈曲された「く」字状に屈曲して形成されているので、中央の屈曲部に応力がかかって破損しやすいため、両端の電極支持部125だけではなく適宜間隔を置いて陰極管支持片123で支持し、しかも、上冷陰極管132を陰極管支持片123に支持する際には、耐熱性ゴムパッキン(図示外)に挟んで上冷陰極管132が動かないように支持することにより、より破損し難い支持構造とすることができる。また、両端の電極支持部125は、上方が開放されていると共に、内側に向いている周壁に上冷陰極管132の端部を受け入れるように一辺が開口した電極挿入孔(図示外)が形成されており、この電極挿入孔に上冷陰極管132の配線が接続された端部に取り付けられた弾性変形し得るゴム製スリーブ133を開口部分の対面方向である上方から挿入し、その後、電極支持部125の上方から電極蓋127を嵌め込むことにより、上冷陰極管132を上リフレクタ122の前面に装着することができる。このように上リフレクタ122の両端部にゴム製スリーブ133を装着し、そのゴム製スリーブ133部分を電極支持部125の電極挿入孔(図示外)に遊嵌状態で支持させることにより、上冷陰極管132が衝撃等により振動しても、ゴム製スリーブ133がその振動を吸収する際に、上冷陰極管132の端部が電極支持部125の部分で揺動あるいは摺動して破壊応力が弱められるので、電極支持部125部分及び上冷陰極管132の屈曲部での上冷陰極管132の破損を防止することができる。なお、上リフレクタ122の左右端には、スピーカ144a,144bを貫通させるスピーカ貫通穴128a,128bが形成されている。
上記の上リフレクタ122の両端に側方リフレクタ130a,130bが垂下するように連結されている。この側方リフレクタ130a,130bも上リフレクタ122と同様に白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されており、この白色着色樹脂によって反射率を高めた表面を有するものとしている。つまり、側方リフレクタ130a,130bの表面は、側方冷陰極管134a,134b及びLED138cから発せられた光を反射する反射面となっている。側方リフレクタ130a,130bの前方に取り付けられる側方冷陰極管134a,134bは、直線状のものであるため、その側方冷陰極管134a,134bを支持する電極支持部131a,131bが、側方リフレクタ130a,130bの上下端部の2箇所に形成されている。もちろん、電極支持部131a,131bに側方冷陰極管134a,134bが支持される際には、上冷陰極管132と電極支持部125との関係を同じように、側方冷陰極管134a,134bの端部にゴム製スリーブ135a,135bが装着され、そのゴム製スリーブ135a,135bが電極支持部131a,131bに当接して支持されるようになっている。これにより、側方冷陰極管134a,134bが振動しても破損し難い支持構造とすることができる。
上記した上リフレクタ122及び側方リフレクタ130a,130bの内側(遊技窓101を縁取る位置)には、多数のLEDが実装されたLED基板137,138a,138bが取り付けられている。このLED基板137,138a,138bに実装されるLED137a,138c(LED基板138a,138bに実装されるLEDを同じ符号の138cと表示する。)によって次に説明するレンズカバー140の内周面が装飾される。
上記したレンズベース体121と上冷陰極管132及び側方冷陰極管134a,134bが装着された上リフレクタ122及び側方リフレクタ130a,130bとは、レンズカバー140の裏面側に固定される。レンズカバー140は、前記レンズベース体121と上冷陰極管132が装着された上リフレクタ122に対応する上レンズカバー部141と、前記側方冷陰極管134a,134bが装着された側方リフレクタ130a,130bに対応する側方レンズカバー部142a,142bとが透過性の樹脂によって形成されている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部141及び側方レンズカバー部142a,142bは、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部141,142a,142bの下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部(図示外)を連結して構成されるものである。そして、この赤色レンズ部(図示外)を前記上LED基板137及び側方LED基板138a,138bに直線状に実装される複数のLED137a,138cによって照明するものである。
ところで、上レンズカバー部141は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管132とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部141の楔状先端部外側には、銀色に着色された先頭レンズ部141cが接着されており、上レンズカバー部141のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管132で照明している。また、側方レンズカバー部142a,142bは、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部141と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部141に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管134a,134bとその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、側方レンズカバー部142a,142bの楔状先端部外側には、銀色に着色された先頭レンズ部142cが接着されており、側方レンズカバー部142a,142bのほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を側方冷陰極管134a,134bで照明している。
上記した実施形態においては、リフレクタ122,130a,130bによって区画される空間に配置される発光源として、冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cとし、それぞれに対応するレンズカバー141,142a,142bとして色彩の異なる合成樹脂で成形して連結しているので、レンズカバー141,142a,142bを冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cとによって好適に照射される構造及び色彩で成形することができるものである。もちろん、種類の異なる発光源として、冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cの組み合わせに限らず、両者ともLEDとして構成してもよい。
また、レンズカバー140の上レンズカバー部141と側方レンズカバー部142a,142bとの連結部分には、スピーカ144a,144bを取り付けるためのスピーカ取付穴143a,143bが穿設されている。スピーカ144a,144bは、スピーカコーン145aが前面に設けられるものであり、そのスピーカコーン145aを支持するコーン支持体を取付部材(図示しない)によってスピーカ取付穴143a,143bの裏面から取り付けるようになっている。また、スピーカ取付穴143a,143bの前面は、網目状カバー147a,147bがその前面に取り付けられたスピーカカバー146a,146bによって覆われている。このようにスピーカ144a,144bの前面は、網目状カバー147a,147b(パンチングメタル)を有するスピーカカバー146a,146bによって覆われている。
更に、レンズカバー140の側方レンズカバー部142a,142bの下方に装飾部材取付領域148a,148bが形成され、その装飾部材取付領域148a,148bに装飾部材149a,149bが取り付けられている。この装飾部材149a,149bは、上記したスピーカカバー146a,146bと類似した形状にして、レンズカバー140を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー140の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。
ところで、上記したスピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bは、上記したように単にスピーカ144a,144bの前方を覆ったり、あるいはレンズカバー140の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。この構造について説明する。まず、スピーカカバー146a,146bについて説明する。スピーカカバー146a,146bは、合成樹脂で平板状に成形されたカバーベース板151の裏面にLED基板152を密着させる一方、カバーベース板151の前方にスピーカ枠154を内蔵した状態で図示外のインナーレンズや前面レンズで覆い、前面を網目状カバー147a,147bで閉塞する構成となっている。
次に、装飾部材149a,149bについて説明する。装飾部材149a,149bは、合成樹脂で平板状に成形された装飾ベース板155の裏面にLED基板156を密着させる一方、装飾ベース板155の前方に装飾枠158を内蔵した状態で図示外のインナーレンズや装飾レンズで覆い、前面を装飾板159a,159bで閉塞する構成となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bは、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管132,134a,134b及びLED基板137,138a,138b(図40の枠装飾ランプ842に相当)による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
次に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金160について、図10及び図11を参照して説明する。補強板金160は、図10及び図11に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金161と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金162と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金163と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金164と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
上側補強板金161は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した上折曲突片165、下折曲突片166となっている。この上折曲突片165及び下折曲突片166は、本体枠3の上部防犯二重溝33(図6参照)に嵌合されるものである。軸支側補強板金162も、所定幅を有して扉枠本体100の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲されているが、内側の軸支側短折曲突片172は極めて短く、外側の折曲突片が折曲部から先がL字状に形成された軸支側L字状折曲突片167となっている。この軸支側L字状折曲突片167は、そのL字状に曲がった先端部が前述した本体枠3の軸支側の延設された軸支辺部49の内側に当接するようになっている。開放側補強板金163は、所定幅を有して扉枠本体100の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した開放側外折曲突片173、開放側内折曲突片174となっている。開放側外折曲突片173は、前述した本体枠3の側部防犯溝34(図6参照)に挿入されるものであり、開放側内折曲突片174は、本体枠3の防犯凹部35(図6参照)に挿入されるものである。また、開放側補強板金163の上部、中間部、下部に施錠装置60の扉枠フック部61が侵入しえるように係合開口175が形成され、その係合開口175の裏面側を覆うように扉枠フック部61が係合するフックカバー176が固定されている。下側補強板金164は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片178となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片179となっているものの、その両側部の上折曲突片179に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片180となっている。この垂直折曲突片180は、その上端縁形状が後述するガラスユニット190のユニット枠191の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット190を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片180の上端片がガラスユニット190のユニット枠191の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝200に係合するようになっている。なお、下側補強板金164には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部177が形成されている。
<ガラスユニット>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット190について、図10及び図11を参照して説明する。ガラスユニット190は、図10及び図11に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠191と、該ユニット枠191の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板201(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより構成されるものである。ユニット枠191の斜め上部左右には、止め片194が環状の外側に向かって突設形成され、下部左右には、掛止突片195が環状の外側に向かって突設形成されている。この止め片194と掛止突片195とは、前述したように、ガラスユニット190を扉枠5の裏面に取り付けるためのものである。また、本実施形態におけるガラスユニット190は、ユニット枠191の後端面の前記止め片194の上部であってスピーカ144a,144bの側方位置と、軸支側の中間位置に外側に向って突設される防犯用突出板部199をユニット枠191と一体的に形成している。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット190の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー210について、図10及び図11を参照して説明する。防犯カバー210は、図10及び図11に示すように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金162,163の間のガラスユニット190の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レールユニット462の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部211として形成されていると共に、その当接凹部211に沿って後方に向って防犯後突片214が突設されている。また、防犯カバー210を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片215が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー210の前面には、防犯カバー210を取り付けた状態で前記ガラスユニット190のユニット枠191の下方形状に沿った防犯前突片212が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片213が前方に向けて突設形成されている。
<装着台>
装着台220は、図10及び図11に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー210と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台220は、発射レール38から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台220の後面と板部32とによって発射レール38を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台220の後面に球飛送誘導面227が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台220には、その軸支側上部に下側補強板金164に形成される賞球通過口被覆部の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口221が形成され、その開放側下部に球送りユニット226を取り付ける球送りユニット取付凹部222が形成されている。この球送りユニット取付凹部222から斜め方向の領域が前記球飛送誘導面227となっている。また、球送りユニット取付凹部222に取り付けられる球送りユニット226は、発射装置57の打球杆の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部362の流下端にある球を発射レール38の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台220の中程下部に後述する側面開口蓋383を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口223が形成されている。更に、装着台220の上辺の一部に垂直に立設される立壁224が形成されている。この立壁224は、前記防犯カバー210を取り付けたときに、該防犯カバー210の前面と当接して防犯カバー210の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
<枠装飾中継端子板>
上記した装着台220の下部の軸支側には、図10及び図11に示すように、枠装飾中継端子板240が取り付けられ、その枠装飾中継端子板240の後面を覆う中継基板カバー241が取り付けられている。この枠装飾中継端子板240は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管132,134a,134b、LED基板137,138a,138b、スピーカ144a,144b,341a,341b、ハンドルユニット318内に設けられるスイッチ、貸球ユニット324、操作ボタンユニット326等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継端子板240からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット54に組み込まれる中継基板等を介して払出制御基板ボックス55の払出制御基板や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス25の主制御基板に接続されている。
<皿ユニット>
次に、図15乃至図17を参照して皿ユニット300の構成について説明する。図15は、扉枠5の前面に設けられる皿ユニット300の正面図であり、図16は、皿ユニット300の正面から見た分解斜視図であり、図17は、皿ユニット300の背面から見た分解斜視図である。
図16及び図17に示すように、皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、該ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット330と、該下部スピーカユニット330の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体360と、該皿体360に設けられる第二球抜弁375の球抜き動作をするための第二球抜リンクユニット400と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋体430と、から構成されている。そこで、まずユニット枠301について説明する。
図15乃至図17に示すように、ユニット枠301は、上面が手前側に向って緩やかに傾斜する平面視半楕円形状の上面カバー部302と、該上面カバー部302の手前側から連続して前面と底面とを構成する前面カバー部303と、が合成樹脂によって一体的に成形されている。上面カバー部302の奥側には、扉枠本体100の前面側に当接する垂直カバー部302aも一体的に形成されている。この垂直カバー部302aには、その中央に貸球ボタンユニット用開口323が開設され、この貸球ボタンユニット用開口323に貸球ユニット324が裏面側から装着し得るようになっている。貸球ユニット324は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。
また、上面カバー部302の垂直カバー部302aの立ち上がり部から前方に皿体上面開口部305が開設され、その前方中央に操作ボタンユニット用凹空間部306が形成され、該操作ボタンユニット用凹空間部306から左右の上面カバー部302の前端部に沿ってLED装飾空間部307が穿設され、さらに皿体上面開口部305の側方に第一球抜ボタン313を取り付けるための第一球抜ボタン用開口313aが設けられている。上記した皿体上面開口部305には、皿体360の貯留部361及びこれに連通する誘導通路部362の上面開口と同一形状に形成され、ユニット枠301に皿体360を取り付けたときに、皿体上面開口部305に皿体360の貯留部361及び誘導通路部362が臨むようになっている。
上記した操作ボタンユニット用凹空間部306には、空間部形成部材310が取り付けられ、該空間部形成部材310に操作ボタンユニット326が装着されるようになっている。空間部形成部材310には、操作ボタンユニット326の係合突片(図示外)を係合するための係合穴312と、操作ボタンユニット326の固定ネジ穴(図示外)を止着するためのネジ止め部311と、さらに操作ボタンユニット326を空間部形成部材310内に差し込んだときに操作ボタンユニット326の底面に設けられるコネクタ(図示外)と接続される配線のコネクタ310aを収納する配線収納開口310bが形成されている。なお、操作ボタンユニット326は、複数(図示の場合は3個)の操作ボタン327を有して構成されているが、この複数の操作ボタン327は、遊技盤4に設けられる演出表示装置115等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、第一球抜ボタン313は、上面カバー部302の第一球抜ボタン用開口313aに装着された摺動支持部材314を介して上面カバー部302に取り付けられるものであり、その摺動支持部材314内を上下方向に摺動するようになっている。そして、第一球抜ボタン313が遊技者によって押圧操作されると、該第一球抜ボタン313の下方に位置する回動部材366が回動軸367を中心にして時計回転方向に回動し、その回動部材366の下端に連携されるスライド弁365が移動する。スライド弁365は、常にはバネ369により付勢されて皿体360の誘導通路部362の下流端部を閉塞した位置にあるが、上記のように第1球抜ボタン313の操作により移動したときには、誘導通路部362から退避し、誘導通路部362と該誘導通路部362の下流側に連続する第一球抜通路部364とを連通させる。これにより皿体360の貯留部361及び誘導通路部362に貯留されていた球を皿体360から球抜きすることができる。この構造については、皿体360の説明の際にさらに詳述する。
次に、ユニット枠301の前面カバー部303の構成について説明する。前面カバー部303は、上記したように上面カバー部302の手前側から連続して前面と底面とを構成するように構成されているため、前面カバー部303の前面部分は、中央部分が最も前方に突出し左右に離れるほど奥側に傾斜している。しかして、前面カバー部303の前面部分の中央突出部の左右には、スピーカ用開口315a,315bが開設され、そのスピーカ用開口315a,315bが網目状のスピーカカバー316a,316b(パンチングメタル)によって被覆されている。そして、スピーカカバー316a,316bの後方には、下部スピーカユニット330に収納固定される2つのスピーカ341a,341bが位置することになる。なお、スピーカ用開口315a,315bは、前面カバー部303の前面中央の突出部から奥側に向って傾斜する傾斜状面に形成されるものであるから、正面から見た場合に、パチンコ機1の中心縦ラインから外側に向って開放していることになる。そして、前面カバー部303の前面中央の突出部からスピーカ用開口315a,315bの上部及び下部の開口縁までを縁取るように前面装飾板304が取り付けられている。
また、前面カバー部303の開放側端部下方にハンドルユニット318を取り付けるためのハンドル取付穴317が開設されている。ハンドルユニット318は、周知のように、打球の弾発力を調節するためのものであり、このため遊技者が操作し得る回動操作部材318aが設けられ、その回動操作部材318aを回動操作することにより、回動軸の後端に固定される係合カム319が回動する。そして、前述したように、係合カム319の回動運動をスライドユニット230のスライド係脱片231のスライド移動運動に変換することにより発射装置57の弾発力の強弱を調節することができるようになっている。
ここで、第二球抜リンクユニット400は、第二球抜ボタン401と、該第二球抜ボタン401が係止されて揺動する押圧揺動部材(図示外)と、該押圧揺動部材(図示外)の押圧動作を前記第二球抜弁375の球抜き揺動動作として伝達するためにリンク部材取付板(図示外)に取り付けられる第一リンク414及び第二リンク419と、から構成されている。
そして、前面カバー部303の中央下部には、第二球抜リンクユニット400の一部を構成する第二球抜ボタン401を臨ませるための第二球抜ボタン用開口320が開設されている。また、前面カバー部303の底面中央には、前記第一球抜ボタン313及び第二球抜ボタン401を操作したときに球抜きされた球を皿ユニット300の外部に排出するための球排出口322が形成され、その球排出口322の斜め前方に前記操作ボタンユニット326を取り付けるための締具挿入穴325が形成されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン313と第二球抜ボタン401の2つの球抜ボタン313,401を設けたのは、第一球抜ボタン313の操作によって、皿体360の貯留部361及び誘導通路部362に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部362で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン401の操作によって、皿体360の貯留部361から上流側の球を径の大きな第二球抜開口388から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。また、遊技中に大当たりとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる受皿満タンスイッチ730が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当たり中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン401の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当たり中の遊技を継続することができるようになっている。
次に、皿ユニット300のユニット枠301の裏面を閉塞する皿蓋体430の構成について説明する。皿蓋体430は、ユニット枠301の裏面のほぼ全域を閉塞するように長方形状の平板として合成樹脂によって成形され、その前面側のほぼ中央に球抜通路後樋433が一体的に突設形成されている。球抜通路後樋433には、上下に球を前方に誘導する湾曲状の上誘導樋434と下誘導樋435とが形成され、皿蓋体430をユニット枠301の裏面に取り付けた状態において、下部スピーカユニット330のスピーカボックス本体331に形成される球抜通路前樋337と対面して皿内球抜通路を構成しているものである。このとき、球抜通路前樋337に形成される誘導樋338が球抜通路後樋433の上誘導樋434と下誘導樋435との間に位置するようになっているので、皿内球抜通路は蛇行状に形成されることとなり、球抜きされた球が勢いを弱めながら球排出口322から外部に排出されるようになっている。
また、皿蓋体430には、上記した球抜通路後樋433の上部側方に開口蓋取付窓432が開設され、また、一端側(軸支側)上部裏面に四角筒状の賞球連絡樋431が突設されている。賞球連絡樋431は、皿ユニット300を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、扉枠本体100の軸支側下部に形成された賞球通過口103を貫通して扉枠本体100の裏面側にまで貫通するものであり、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で本体枠3に形成される賞球通路の末端と重合状に対面するものである。また、開口蓋取付窓432は、皿体360の第2球抜通路部(図示外)の側壁開口(図示外)を閉塞する側面開口蓋383を着脱自在に取り付けるための開口であり、扉枠本体100に形成される蓋用開口105(図11及び図12参照)に対応する位置に設けられるものである。
[遊技盤の構成について] 図18〜図22に基づき説明する。
図18は遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤に装着された複数のユニットとを組付けたパチンコ主要部の構成を示す正面図であり、図19は装飾シートの模様を含めてパチンコ主要部の構成を示す正面図であり、図20はパチンコ主要部を左上前方から示す斜視図であり、図21はパチンコ主要部を右上前方から示す斜視図であり、図22はパチンコ主要部を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。
図20〜図22に示すように、遊技盤4は、略円形の開口260を有する前構成部材261と、前面側に前構成部材261が取り付けられると共に前構成部材261と同様の形状の開口(図示しない)を有する遊技盤ベース262と、前構成部材261及び遊技盤ベース262の間に挟まれ、前構成部材261の開口260及び遊技盤ベース262の開口を閉鎖する透明の遊技領域板81とを具備して構成されている。そして、遊技領域板81の表面には、開口260内に遊技球を案内する外レール472及び内レール462からなる案内レール78、主入賞口ユニット264、右ランプ541、左ランプ542及び通過ゲート612等が取付けられ、遊技領域板81に形成された開口部76には額縁状のセンター役物247が取付けられている。つまり、開口260で囲まれた遊技領域板81の表面に遊技領域20が区画形成されており、この遊技領域20内には、多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に、上述のセンター役物247、風車状部材(図示しない)、通過ゲート612、主入賞口ユニット264、右ランプ541及び左ランプ542等が配置されている。なお、前構成部材261の中央最下部には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を遊技領域20内から排出するアウト口471が設けられている。なお、通過ゲート612には、通過ゲート612に遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ760(図40参照)が設けられている。また、遊技領域板81の中央部には開口部76が設けられており、開口部76にはセンター役物247が配設され、液晶表示器(LCD)である演出表示手段115をセンター役物247のセンター開口部99及び開口部76を通して遊技者側から視認可能としている。ここで、遊技領域板81が、本発明の透光遊技板に相当し、演出表示装置115が、本発明の演出表示手段に相当し、障害釘が、本発明の障害部材に相当する。
遊技領域板81は、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の樹脂材料に弾性樹脂材料(本実施品はゴム)を所定割合含有させた透明な樹脂を、押出し成形して形成されていると共に、その押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるように形成されている。遊技領域板81を構成する樹脂材料に弾性樹脂材料を含有させることにより、障害釘等が遊技領域板81に打設されてもクラックが入ることがなくなると共に、流下する遊技球などによるキズも抑制する事ができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。なお、押出し方向を上下方向に対して約45度の方向となるように形成することが望ましい。また、遊技領域板81の厚さは、打設される障害釘などを充分に保持することのできる必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされており、遊技盤ベース262の厚さの略半分の厚さとされている。
これにより、遊技領域板81の押出し方向が上下方向に対して交わる方向、つまり、押出し方向が上下方向以外の方向となるように形成されているので、例えば、遊技領域板81の後方に演出表示装置115(図18参照)や発光装置ユニット80(図22参照)等を配置した場合、遊技領域板81と演出表示装置115や発光装置ユニット80の装飾シート420等のドットマトリックスとが干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示装置115や装飾シート420(図30参照)等が見辛くなるのを防止することができる。
また、図22に示すように、遊技盤4の後側には、開口260を通し透明な遊技領域板81を透過して遊技者側から視認可能な発光装置ユニット80と、発光装置ユニット80に対して後方から装着され開口部76を通して視認可能な演出表示装置115と、各種基板が装着される基部であり、発光装置ユニット80の後下部に取着され、アウト口471に流入した遊技球や、遊技領域20に配設された主入賞口ユニット264、右ランプ541及び左ランプ542等の各種入賞口に流入した遊技球を受ける部材でもある基板ホルダー96とが組付けられている。ここで、基板ホルダー96が、本発明の遊技媒体排出手段に相当する。
発光装置ユニット80の前面には装飾シート420が装着されており(図31及び図36を参照。詳しくは後述する)、図19に示す遊技盤4の外観のように、遊技者側から装飾シート420の意匠が遊技領域20に重なって視認可能となっている。
[センター役物の構成について]
次に、遊技盤4における主要部であるセンター役物247の具体的な構成について、図18乃至図25に基づき詳細に説明する。図23はセンター役物247を正面から示す正面図であり、図24はセンター役物247を右上前方から示す斜視図であり、図25はセンター役物247を分解して構成を右上前方から示す分解斜視図である。
図18に示すように、センター役物247は、遊技盤4のほぼ中央に配設されており、全周を遊技領域20に囲まれている。センター役物247は全体が額縁状を呈しており、中央部にセンター開口部99が設けられ、センター開口部99を通して演出表示装置115が遊技者側から視認可能となっている。ここで、センター開口部99が、本発明の表示開口部に相当する。
図23乃至図25に示すように、センター役物247は正面視略円形であり、略左右対称形を呈する額縁状の役物である。センター役物247は、透明度の高いプラスティックで形成されたセンター前部材270に対して、全体に銀メッキが施された略円環状のセンター後部材271が背面側から取着され、遊技球が転動するステージ391が形成されたステージ部材390が前面側から取着される。また、センター前部材270の左右には、内側から右通路部材272及び左通路部材273が取着される。さらに、いずれも銀メッキされた不透明な部材である右センター装飾体274、左センター装飾体275、前面主装飾体277、前面右装飾体278、及び前面左装飾体279が、各部材を固定するネジ等の前面に取着される。ここで、センター後部材271が、本発明の鏡面状センター部材に相当する。
センター前部材270、ステージ部材390、右通路部材272及び左通路部材273はいずれも透明度の高いプラスティックで形成されているので、遊技者側からセンター役物247を透過して後方を視認することができる。また、センター役物247は遊技領域板81に対して取設されるが、遊技領域板81もまた透明度の高いプラスティックで形成されているので、広い範囲にわたって遊技者側から奥を視認可能となっている。
センター役物247の後部を構成するセンター後部材271は、全体に銀メッキが施された鏡面状の部材であり、センター役物247と演出表示装置115との境界部を覆うとともに、演出表示装置115や発光装置80の発する光を映しこんでセンター役物247の外観の透明感を損なわないようになっている。
第一左ワープ入口234aは、第一左側球通路236aを介して第一左ワープ出口235aに連通しており、第一左ワープ入口234aから進入した遊技球は第一棚部287に誘導される。同様に、第二左ワープ入口234bは、第二左側球通路236bを介して第二左ワープ出口235bに連通しており、第二左ワープ入口234bから進入した遊技球は第二棚部288に誘導される。センター役物247の右側に関しては、左側と対称的な構成であり、やはり同様に第一右ワープ入口237aは、第一右側球通路239aを介して第一右ワープ出口238aに連通しており、第一右ワープ入口237aから進入した遊技球は、第一棚部287に誘導される。第二右ワープ入口237bは、第二右側球通路239bを介して第二右ワープ出口238bに連通しており、第二右ワープ入口237bから進入した遊技球は、第二棚部288に誘導される。センター前部材270の内側には左右両側とも帯状の突起群246が形成されており、各ワープ入口からワープ出口へと向かって流下する遊技球は、突起群246に当接して速度を減じてから第一棚部287または第二棚部288へと流出する。
図24に示すように、ステージ391は、遊技者側に第二棚部288、奥側に第一棚部287を配した2本の平行溝状を呈する。第一棚部287及び第二棚部288は、いずれも左右の端部が高く、中央部が低くなった弧状を呈しており、第一棚部287と第二棚部288との間には遊技球が通過可能なように遊技者側が部分的に切欠されて転動面に遊技者側に向かって低くなる傾斜が設けられた段差393が2箇所ある。第一棚部287は、転動面が棚部境界壁392と棚部後方壁298とによって挟まれた溝状を呈し、第一左ワープ出口235a及び第一右ワープ出口238aから供給される遊技球を左右方向に転動させることのできる球通路である。第一棚部287の中央部は上向きに凸に膨らんだ隆起部299が形成されていて遊技球が中央付近に滞留しづらい形状である。棚部後方壁298よりさらに後方には、第一棚部287と演出表示装置115(図21参照)との間に遊技者側が低く傾斜した境界部286が設けられていて、遊技球が第一棚部287から逸脱しても第一棚部287へと流下させることで、遊技球が演出表示装置115の画面を傷つけることを防止する。境界部286の中央部には台状部285が突設されており、台状部285の前面中央のU字状に窪んだ所に第二始動口602が下方に向けて開口されている。
第二始動口602に入賞した遊技球は、第二始動口602の下に設けられた流下通路343(図29参照)によって後方に誘導され、中央後部カバー524(図31参照)に設けられた流下路を経由して基板ホルダー96へと流下する。図示しないが、中央後部カバー524の流下路には第二始動口センサ782(図40参照)が備えられており、第二始動口602に入賞した遊技球が、第二始動口センサ782の貫通孔を通過することで第二始動口センサ782に検出されるようになっている。
第二棚部288は、第一棚部287よりも遊技者側で若干低い位置に設けられ、第一棚部287とは棚部境界壁392で仕切られ、転動面が棚部境界壁392及び前縁壁297によって挟まれた溝状を呈する球通路である。第二棚部288は、第一棚部287から段差393を通って第二棚部288に流下したり、第二左ワープ出口235b及び第二右ワープ出口238bから供給されたりした遊技球を左右方向に転動させることができる。前縁壁297の前面には銀メッキが施された前面主装飾体277、前面右装飾体278及び前面左装飾体279が着設されており、中央部の前面主装飾体277が着設された部分の中央部は前縁壁297が低く切り欠かれた形状の棚部前縁流出部389となっており、第二棚部288を転動する遊技球が第一始動口600(図18参照)上方の遊技領域20へと流出する。また、棚部境界壁392の中央部には、球誘導口282が開口されており、球誘導口282に入った遊技球は、球誘導口282と連通している流出口283から遊技領域20へと流出する。流出口283から遊技球が流出した場合には、棚部前縁流出部389から流出した場合と比較して左右方向への運動がごく小さくなるため、第一始動口600に入球しやすくなっている。
[主入賞口ユニット及びサイドランプの構成について]
次に、主入賞口ユニット264、右サイドランプ541及び左サイドランプ542の構成について、図26及び図27に基づいて詳細に説明する。図26は、主入賞口ユニット264、右サイドランプ541及び左サイドランプ542を右上前方から示す斜視図であり、図27は、主入賞口ユニット264、右サイドランプ541及び左サイドランプ542を右上後方から示す斜視図である。図18に示すように、遊技盤4の中央下部に主入賞口ユニット264が配設されており、その右方に右サイドランプ541、左方に左サイドランプ542が配設されている。
図21及び図26に示すように、主入賞口ユニット264は、センター役物247の下方における遊技領域20の左右方向略中央部分に配置され、上方に開口するポケット形の第一始動口600と、第一始動口600の下方に配置され一対の可動片606で閉鎖又は開放可能な第三始動口604と、第三始動口604の下方に配置され左右方向に延びる矩形状の大入賞口(図示しない)及び大入賞口を閉鎖可能とし上辺が前方に回動する開閉扉334を有した大当たり遊技用開閉装置500とを具備している。主入賞口ユニット264は、大当たり遊技用開閉装置500の左右両側方に各1個ずつ一般入賞口615を具備している。第一始動口600及び第三始動口604は、いずれも、遊技球を受け入れるための受入部と、受け入れた遊技球を案内する球通路とから構成されている。一般入賞口615は、遊技者側に突出する部分の先端面が閉鎖されるとともに遊技球を受入可能に上側が流入口595として開放されており、流入口595に入った遊技球を流出させる球誘導部581が遊技領域板81に穿設された透孔の中に延出している。
また、主入賞口ユニット264は、第三始動口604を開閉する一対の可動片606を開閉駆動させる始動口開閉駆動ユニット(図示しない)をアタッカー駆動部ケース583の中に備えている。この始動口開閉駆動ユニットは、前後方向に進退可能なプランジャを有した始動口ソレノイドと、始動口ソレノイドにおけるプランジャの前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動し、一対の可動片606から後側に延在された突出ピンを上下方向に移動可能な伝達部材とを備えている。
また、図40に示すように、主入賞口ユニット264には第一始動口センサ780が備えられており、第一始動口600に入賞した遊技球が、第一始動口センサ780の貫通孔を通過することで第一始動口センサ780に検出されると共に、主入賞口ユニット264の下側に形成された排出口から排出されるようになっている。同様に第三始動口604に入賞した遊技球は、主入賞口ユニット264に備えられた第三始動口センサ784に検出され、排出口から排出される。一般入賞口615に入賞した遊技球は、発光装置ユニット80を構成する基板ユニット376(図31参照)に配設された一般入賞口センサ762(図40参照)に検出され、排出口から排出される。
大当たり遊技用開閉装置500は、大入賞口に入賞した遊技球を検出する開閉装置カウントセンサ776(図40参照)と、大入賞口を閉鎖可能な左右方向に延びる矩形状とされ下辺側が軸支されると共に上辺側が直立状態から前方に回動可能とされた開閉扉334と、前後方向に進退可能なプランジャを有した大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド778(図40参照)と、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド778におけるプランジャの前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動して開閉扉334を回動させる伝達部材(図示しない)と、開閉装置カウントセンサ776、開閉扉334、及び、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド778等を支持すると共に大入賞口に入賞した遊技球を大入賞口センサ370で検出されるように誘導する誘導路を有したアタッカー駆動部ケース583とを備えている。
なお、この大当たり遊技用開閉装置500は、大入賞口の左右方向の幅が、一対の可動片606が開状態となり第三始動口装置604が開放状態となった時の幅よりも、更に広い幅とされており、遊技球がより入賞し易いようになっている。また、大入賞口から進入し開閉装置カウントセンサ776で検出された遊技球は、そのまま主入賞口ユニット264の下方へ排出されるようになっている。
また、主入賞口ユニット264は、その第一始動口600が、主役物263のステージ391のセンター出口283(図21参照)の直下に位置するように遊技領域板81に取付固定されており、センター出口283から流出した遊技球が、主入賞口ユニット264の第一始動口600に入賞する可能性が高くなるように配置されている。
[発光装置ユニットについて]
次に、発光装置ユニットについて図28乃至図39に基づき説明する。図28は、発光装置ユニット80を、装飾シート420の模様を含めて示した正面図であり、図29は、発光装置ユニット80を右上前方から示した斜視図であり、図30は、発光装置ユニット80を分解して構成を右上前方から示した分解斜視図であり、図31は、発光装置ユニット80を分解して構成を左上後方から示した分解斜視図である。図32は、発光装置ユニット80の反射部材350の正面図であり、図33は、反射部材350を右上前方から示した斜視図である。図34は、発光装置ユニット80の透光ベース部材を右上前方から示した斜視図であり、図35は、拡散シート440の正面図であり、図36は、装飾シート420の正面図である。図37は、図18のA−Aにおける端面を示した端面図であり、図38は、右ランプ541付近を分解し、拡大して右上前方から示した分解斜視図である。図39は、図18のB−Bにおける断面を示した断面図である。
図30及び図31に示すように、発光装置ユニット80は、基板ユニット376の前側にLEDを多数搭載した光源LED基板370が配設され、光源LED基板370のLEDの光を反射させる額縁状の反射部材350がその前側に装着される。反射部材350の前側には、透光性を有する透光ベース部材380が装着される。透光ベース部材380のさらに前側は、拡散シート440及び装飾シート420に覆われている。ここで、発光装置ユニット80が、本発明の発光装置に相当し、光源LED基板370が、本発明の光源に相当し、透光ベース部材380が、本発明の前面透光部材に相当する。
基板ユニット376のLED基板ホルダー520は中央部が開口した額縁状を呈しており、遊技者側に平坦な第一発光基板受容部377が設けられており、第一LED基板371、第二LED基板372及び第三LED基板373が取着される。第一発光基板受容部377の上端近傍には、第一発光基板受容部377よりも若干遊技者側に突出した位置に、横長の矩形を呈する第二発光基板374を受容する第二発光基板受容部378が設けられている。基板ユニット376の中央部には演出表示装置115及びセンター役物247に対応する位置に開口399が設けられ、基板ユニット376は全体として額縁状を呈している。また、第一LED基板371、第二LED基板372及び第三LED基板373は、開口399の周囲を囲むように配設される。LED基板ホルダー520の背面側には、右後部カバー521、左上部ガイド部材522、左後部カバー523、中央後部カバー524が装着されており、背面側に配設された各種基板やインターフェース部を保護するとともに、遊技盤4の側面壁及び後面壁の一部を構成している。また、図39に示すように、主入賞口ユニット264の背面側には流下樋525が装着されている。流下樋525は、主入賞口ユニット264から後方に流出した遊技球を誘導して基板ホルダー96に流下させる球通路が内部に形成されている。ここで、流下樋525が、本発明の遊技媒体排出手段に相当する。
図32、図33及び図37に示すように、反射部材350は、中央部に反射部材開口部356が開口された額縁状を呈し、正面視において放射状に広がるように設けられた反射区画壁352で区画され、多数の発光小領域351が形成されている。各発光小領域351は、中央部の演出表示手段115(図19参照)に対応した位置に設けられた反射部材開口部356に面した側以外は、反射区画壁352、側面反射壁354、背面反射壁353によって囲われているが、反射部材開口部356に面した側と、発光小領域351の前方とは開放されている。また、各発光小領域351には1箇所ずつ、背面反射壁353に背面窓355が穿設されており、発光LED基板370に搭載されたLED416が背面窓355を通して発光小領域351に光を放射可能となっている(図37参照)。反射部材350は、全体が白色のプラスティックによって一体に成形されており、表面は滑らかに仕上げられている。これにより、反射部材350の各部は、光源より光を照射されたときに自然な演色で光を反射する。なお、LED416は、夫々の発光小領域351に対して3個乃至4個配設されており、各LED416の発光色は多様に変化させることが可能である。ここで、背面反射壁353が、本発明の反射面に相当し、側面反射壁354が、本発明の外周壁に相当する。
反射部材350の中央下端部には、主入賞口ユニット264の外形と対応する形状を呈する中央下凹部348が設けられている。中央下凹部348は区画壁488により区画形成されており、区画壁488の反対側の面は発光小領域480の反射壁の一部を構成している。また、反射部材開口部356の最下部には、第二入賞口602に入賞した遊技球を受けて後方へと流下させる流下通路343が、反射部材350に一体に形成されている。
図26及び図27に示すように、右サイドランプ541及び左サイドランプ542は、一般入賞口614から後方に延びる球誘導片580を備えており、一般入賞口614に入った遊技球は球誘導片580上を転動して後方へと誘導される。図32及び図33に示すように、反射部材350の右サイドランプ541の一般入賞口614に対応する位置には、略円筒状の球通路筒344が形成されている。球通路筒344は、遊技球が中を通過可能であるように前後方向に貫通した中空の筒状であり、反射部材350に一体に形成されている。発光小領域351内に球通路筒344が突出していた形状を呈し、球通路筒344の外面をなす球通路区画壁474は発光小領域351に面しており、反射区画壁352等と同様に反射壁として光を反射する。
また、右サイドランプ541と同様に、左サイドランプ542の一般入賞口614に対応する位置には、略円筒状の球通路筒347が形成されている。球通路筒347は反射部材350に一体に形成されており、反射区画壁351の中に突出した形状を呈し、球通路筒347の外面をなす球通路区画壁487は、反射壁として光を反射する。
主入賞口ユニット264には一般入賞口615が大当たり遊技用開閉装置500の両側方に左右対称に設けられており、一般入賞口615に対応する位置には略円筒状の玉通路筒345,346が形成されている。一般入賞口615に入った遊技球は球誘導片581上を転動して後方へと誘導され、玉通路筒345,346へと入る。球通路筒345,347の外面をなす球通路区画壁475,486も、玉通路区画壁474,487と同様に発光小領域351に面しており、反射壁として光を反射する。ここで、一般入賞口614,615が、本発明の入賞口に相当する。
図22に示すように、反射部材350は、外周部に延出された取付リブ359において遊技盤ベース262の後側にネジ止めされ、遊技盤ベース262に着設される。
図33及び図37に示すように、LED416が発光すると、対応する発光小領域351の内部で、反射区画壁352、背面反射壁353及び側面反射壁354等にLED416の光が反射し、発光小領域351が全体的に発光して見える。つまり、遊技者側からは、発光小領域351は、略矩形の正面形で面状に光っているように見える。反射部材350は全体が白色であり、LED416の発する光の色に応じて各反射壁の反射光はほぼ同色となり、色ムラの発生は抑制されている。各反射壁は各発光小領域351を隙間なく区画しており、発光小領域351の間で光が漏れることはなく、色が混ざったり境界が不明瞭になったりする恐れはない。
図30に示すように、反射部材350の前面には、5個の部材からなる透光ベース部材380が装着される。透光ベース部材380は、5個の小部材を略環状に配した形状を呈しており、最上部に位置する第一透光部材381から向かって時計回りに、第二透光部材382、第三透光部材383、第四透光部材384、及び第五透光部材385の順に配設されている(図34参照)。各透光部材はいずれも透明度の高いプラスティックで形成されている。透光ベース部材380の内側は、センター役物247の後部が受容される環状を呈しており、透光ベース部材380の各透光部材は、発光装置ユニット80の前面とセンター役物247の後端との間を隙間なく塞ぐように、内側が演出表示装置115の側に向かって折れ曲がった形状を呈している。なお、本実施の形態では、前面透光部材としてプラスティックで形成されるいわば硬質の透光ベース部材380を設けることとしているが、これに代えて、シート状の前面透光部材を採用する等、他の材質、形状からなる前面透光部材を採用してもよい。また、上記透光ベース部材380をなくして、上記拡散シート440や装飾シート420を前面透光部材として設けるようにしてもよい。この場合、上記反射部材350の前面に拡散シート440や装飾シート420を直接配置する構造となるため、上述の反射部材350の形状やそれに取り付けられる拡散シート440、装飾シート420の形状を変更することにはなるものの、部品点数の削減が可能となる。
第一透光部材381は反射部材350の前面中央上部に装着される。第一透光部材381の上端部には3箇所の凹部が1組となった係合溝502が形成されており(図34参照)、反射部材350に形成された係合突起534aと係合し、第一透光部材381の位置決めを補助する。第一透光部材381は、全体が透明度の高いプラスティックで形成されており、反射部材350の前面中央上部を覆う平滑な正面カバー部381aと、正面カバー部381aから演出表示装置115の側に向かって折れ曲がって延びた形状を呈する内側光拡散部511とから構成されている。また、正面カバー部381aには、前面に装着される拡散シート440及び装飾シート420の位置決めを補助する複数のガイド小突起568が設けられている。
同様に第二透光部材382は、反射部材350の前面右上部に装着される。第二透光部材382は、反射部材350の前面右上部を覆う平滑な正面カバー部382aと、正面カバー部382aから演出表示装置115の側に向かって折れ曲がって延びた形状を呈する内側光拡散部512とから構成されているが、第二透光部材382は第一透光部材381よりも大きく、相互に離隔して異なる向きに形成された係合溝503,504,505の3箇所が、係合突起534b,534c,534d(図32参照)と係合して位置決めされる。また、正面カバー部382aには、ガイド突起566,568が設けられている。
第三透光部材383は、反射部材350の前面右下部に装着される。第三透光部材383は、反射部材350の前面右下部を覆う平滑な正面カバー部383aと、正面カバー部383aから演出表示装置115の側に向かって折れ曲がって延びた形状を呈する内側光拡散部513とから構成されている。第三投光部材383に設けられた係合溝506は反射部材350に設けられた係合突起534eと係合し、第三透光部材383の位置決めを補助する。正面カバー部383aには、複数のガイド突起566が設けられている。また、第三透光部材383には、反射部材350に設けられた玉通路筒344が挿通される球通路孔494が穿設されている。また、第三透光部材383の左端部は、組みつけられたときに区画壁488及び玉通路筒345と合致するように切欠された形状を呈する入賞口受部492及び玉通路受部493が形成されている。ここで、球通路孔494が、本発明の透孔及び遊技媒体通路に相当する。
第四透光部材384は、反射部材350の前面左下部に装着される。第四透光部材384は、反射部材350の前面左下部を覆う平滑な正面カバー部384aと、正面カバー部384aから演出表示装置115の側に向かって折れ曲がって延びた形状を呈する内側光拡散部514とから構成されている。第四投光部材384には係合溝はないが、角部510が反射部材350の左下部に形成された隅部536に合致し、第四透光部材384の位置決めを補助する。正面カバー部384aには、複数のガイド突起567が設けられている。また、第四透光部材384には、反射部材350に設けられた玉通路筒347が挿通される球通路孔497が穿設されている。また、第四透光部材384の右端部は、組みつけられたときに区画壁488及び玉通路筒346と合致するように切欠された形状を呈する入賞口受部495及び玉通路受部496が形成されている。ここで、球通路孔497が、本発明の透孔及び遊技媒体通路に相当する。
第五透光部材385は、反射部材350の前面左上部に装着される。第五透光部材385は、反射部材350の前面左上部を覆う平滑な正面カバー部385aと、正面カバー部385aから演出表示装置側に向かって折れ曲がって延びた形状を呈する内側光拡散部515とから構成されているが、第五透光部材385は第二透光部材382と同様に、相互に離隔して異なる向きに形成された係合溝507,508,509の3箇所が、係合突起534g,534h,534i(図32参照)と係合して位置決めされる。また、正面カバー部385aには、ガイド突起567,568が設けられている。
図30に示すように、透光ベース部材380の前面には、拡散シート440及び装飾シート420が装着され、透光ベース部材380の前面を全体的に覆う。まず、透光ベース部材380の前面に対して拡散シート440が装着される。図35に示すように、拡散シート440は、いずれも透光性を有する素材で形成されており、片面が全体的に多数の微細な凹凸の形成された梨地状に加工され透過する光を拡散する9枚の薄片部材から構成されている。第一拡散部材441が中央上部に配設され、以下順に時計回りの方向に、第二拡散部材442、第三拡散部材443、第四拡散部材444、第五拡散部材445、第六拡散部材446、第七拡散部材447、第八拡散部材448及び第九拡散部材449が、略円環状に配設される。各拡散部材に複数穿設された小孔546〜548と、透光ベース部材380に突設されたガイド突起566〜568とは、夫々対応する位置に設けられており、小孔546〜548と、ガイド突起566〜568とが嵌合して各拡散部材が位置決めされる。すなわち、いずれの拡散部材にも小孔546〜548が複数個所に設けられているため、小孔546〜548とガイド突起566〜568とが嵌合すると、各拡散部材の位置が正確に決められる。ここで、拡散シート440が、本発明の拡散部材に相当する。
図28及び図30に示すように拡散シート440の前面にはさらに装飾シート420が装着され、拡散シート440を全体的に覆い隠す。図36に示すように、装飾シート420は、いずれも透光性を有する素材で形成された第一装飾片421、第二装飾片422、及び第三装飾片423の3枚の薄片から構成される。第一装飾片421は、透光ベース部材380の略上半分を覆う半円環状を呈し、第二装飾片422は透光ベース部材380の右下四半分を覆う四半円環状を呈し、第三装飾片423は透光ベース部材380の左下四半分を覆う四半円環状を呈する。いずれの装飾片にも集中線のように円環の中心から周縁に向けて延びる放射状の直線である区画線536と、区画線よりも太い一対の帯模様537とが複数印刷されており、略等間隔で印刷された帯模様537の間に、区画線で略等分割された発光小窓535が3個ずつ並ぶ配列を呈する。区画線536は、反射部材350の区画壁352(図32参照)と対応した位置に印刷されており、発光小領域351と発光小窓535とは夫々対応した位置及び形状である。第一装飾片421の両端部には帯模様538a及び帯模様539aが印刷されており、夫々第二装飾片422の上端部の帯模様538b及び第三装飾片423の上端部の帯模様539bと対になって帯模様537と類似した模様を構成する。これらの模様の配列によって、装飾シート420は全体としてルーレットの盤面のように円環状に規則的な意匠が施されており、反射部材350の発光小領域351の配列に対応して発光小窓535が形成されている。なお、第一装飾片421の中央上部には、パチンコ機1の名称を示す題字540が印刷されている。
図19に示すように、拡散シート440及び装飾シート420を組み付けた状態の遊技盤4は、遊技領域板81を透過して遊技者側から発光装置ユニット80が視認可能となっている。遊技領域20の後方に装飾シート420が全体的に広がっており、装飾シート420の後方に重ねられている拡散シート440が擦りガラスと同様に光を屈折させるために、拡散シート440よりも前に配設された装飾シート420はよく見えるが、透光ベース部材380から後方の反射部材350等の部材は透けて見えにくくなっている。
図35に示すように、拡散シート440の各部材の前面には、判別記号670a〜670iが印刷されている。判別記号670a〜670iは、「1」〜「9」の数字であり、いずれも正しく組み付けたときに記号が正立する向きで黒色で印刷されている。拡散シート440は擦りガラス状を呈しており、表面に印刷された判別記号670a〜670iは、いずれも裏面から見た場合には記号が裏向きとなって鏡像反転して見えるので、拡散シート440の表面と裏面との区別が容易につく。また、判別記号670a〜670iは、装飾シート420と重ねられたときに、装飾シート420の印刷部分によって隠蔽され、遊技者側からは見えなくなる位置に印刷されている。
以下、図26、図27及び図38に基づいて、遊技領域20に配設された一般入賞口等に接続する玉通路筒について説明する。図38に示すように、右サイドランプ541に設けられ遊技領域20に突出した円筒状の一般入賞口614,615には、上側に開口された流入口594,595が形成されており、遊技領域20を転動する遊技球が入賞可能となっている。一般入賞口614,615に入賞した遊技球は、後方に延びる球誘導片580,581の上を転動し、遊技領域板81に穿設された透孔205,206を通過して、反射部材350に一体的に形成された球通路筒344,345へと流入する。球通路筒344,345は筒状の球通路区画壁474,475によって構成されており、球通路区画壁474の外面は、区画壁352とともに発光小領域351を構成する反射壁の一部となっている。ここで、発光小領域351は、本発明の発光領域に相当する。
球通路筒344,345は、第三透光部材383の左端部に形成された玉通路受部493及び第三投光部材383に穿設された球通路孔494に嵌合し、第三投光部材383よりも若干前方に突出し、球誘導片580,581上を転動して後方に流下してきた遊技球を受け止め、滑らかに流下させることができる。球通路筒344は、透孔205よりも大きな開口を有し、一般入賞口614から流出した遊技球を滞留なく確実に受け入れ流下させるとともに、流入口594を通して内部を覗き込んだ場合にも白色のプラスティック製の球通路筒344の内面が見えるので視覚的にすっきりしている。
詳細な図示は省略するが、左サイドランプ542は右サイドランプ541と略左右対称形を呈し、左サイドランプ542の一般入賞口614,615についても右サイドランプ541と同様である。左サイドランプ542の一般入賞口614,615に入賞した遊技球は、球誘導片580,581上を経由して球通路筒347,346に流入する。球通路筒346,347は反射部材350に一体的に形成されており、球通路筒346,347を構成する球通路区画壁486,487は白色のプラスティック製であり、反射部材350の発光小領域351を区画形成する反射壁の一部をなす。
主入賞口ユニット264は、反射部材350の中央下部に形成された主入賞口ユニット受容部348に前方から挿通される。主入賞口ユニット受容部348を構成する区画壁488の反対側の面は発光小領域351を構成する反射壁の一部をなしている。また、発光装置ユニット80を構成する他の部材も、同様に主入賞口ユニット264のアタッカー駆動部ケース583を受容する形状を呈している。すなわち、第三透光部材383の切欠部492、第四透光部材384の切欠部495、第五拡散部材445の切欠部482、第六拡散部材446の切欠部484、第二装飾片422の切欠部428、及び第三装飾片423の切欠部429によって、発光装置ユニット80の中央下部には主入賞口ユニット264をほぼ隙間なく挿通可能な形状の空間ができる。
図28に示すように、発光装置ユニット80の主入賞口ユニット264の後方にあたる部分は、主入賞口ユニット264の外形に対応した形状の凹部である主入賞口ユニット受容部348が設けられており、主入賞口ユニット264の後部が主入賞口ユニット受容部348に収まって、発光装置ユニット80の後方へと突出する。これにより、第一入賞口600及び第三入賞口604に入賞し、上球通路608及び下球通路610(図27参照)を経て発光装置ユニット80の後方へ誘導された遊技球は基板ホルダー96(図22参照)を経由して機外へと排出される。また、可動片606や大当たり遊技用開閉装置500を作動させるソレノイドに電流を供給したり、センサ類と各基板とを接続したりするための電気配線類も、主入賞口ユニット264の後方から発光装置ユニット80の後方へと誘導されるので、遊技者側からは視認されないように隠蔽される。
図37に示すように、発光装置ユニット80は、遊技領域板81と演出表示装置115との間に配設されている。発光装置ユニット80の前面は遊技領域板81の後方に近接しており、透光ベース部材381〜385の内側光拡散部511〜515は、発光装置ユニット80の前面と演出表示装置115の前面との間にあって斜行し、発光装置ユニット80と演出表示装置115との間に連続性を感じさせる外観を呈する。内側光拡散部511〜515と演出表示装置115との境界部は、メッキが施され鏡面状であるセンター後部材271が配設され、演出表示装置115の表示部分の外周を区切って見せつつ、センター役物247及び発光装置ユニット80と演出表示装置115との境界部を隠蔽して視覚的な違和感を軽減している。
発光装置ユニット80は、前面に装飾シート420及び拡散シート440を備えており、先述のように、遊技者側からは発光装置ユニット80の発光小領域351の中の形状や光源のLEDが見え難くなっている。発光小領域351のLED416が消灯している場合には、拡散シート440が内部の視認の障害となり、LED416が点灯している場合には放射される光のために内部はほとんど視認できなくなる。拡散シート440よりも後方に配設されている部材は明瞭に視認されないため、球通路区画壁474,475,486,487や、区画壁488の形状もまた明瞭には視認されず、遊技者側からは、一般入賞口614,615、及び主入賞口ユニット264は、発光装置ユニット80の前方の部分だけが視認され、あたかも発光装置ユニット80の前面に取着されているかのような外観を呈する。
[通過ゲート]
また、図22に示すように、遊技領域板81に穿設されたゲート嵌挿部479には、通過ゲート612が遊技者側から嵌挿され、通過ゲート612の後部が後方に若干突出する位置でネジで固定される。通過ゲート612にはゲートセンサ760が装着されており、遊技球の通過ゲート612内の通過を検出する。遊技領域板81の後方には発光装置ユニット80が配設されており、第五透光部材385にはゲート受容部490及びゲート配線溝491が第五透光部材385の左端部が開口して切欠された湾状に形成されていて、通過ゲート612の後部が第五透光部材385に干渉しないようになっている。また、ゲートセンサ760に接続する電気配線(図示しない)は、ゲート配線溝491に収容されて遊技盤4の左端部に延び、遊技盤4の左端部から後方へと電気配線が通され、パネル中継端子板750に接続される(図40参照)
このように、ゲートセンサ760に接続する電気配線は、発光装置ユニット80の前縁部に相当する第五透光部材385が切欠された部分を通して発光装置ユニット80の側方を迂回し、パネル中継端子盤750に延びる。これにより、発光装置ユニット80が遊技領域板81の背面に近接して配設されていてもゲートセンサ760の電気配線が邪魔になりにくくすることができる。また、通過ゲート612のすぐ後方で電気配線が左側に横行し、遊技者から電気配線を視認されにくくすることができる。
(図柄表示装置)
図18に示すように、前構成部材261の右下部には多数のLEDを用いた図柄表示装置87が備えられている。図柄表示装置87は、いずれも7セグメントLEDディスプレイである第一特別図柄表示器84及び第二特別図柄表示器86と、いずれも一対のLEDにより構成される第一特別図柄保留表示器88及び第二特別図柄表示器90と、普通図柄の抽選結果を示すLEDである普通図柄表示器82と、一対のLEDにより構成される普通図柄保留表示器92と、4個のLEDで構成される振分結果表示器94とを備える。
詳しくは後述するが、第一始動口600、第二始動口602及び第三始動口604のいずれか一つに遊技球が入賞したことが検出されると、主制御基板710(図40参照)において特別図柄を判定するための乱数を用いた抽選が行われ、その後に特別図柄表示制御手段702(図42参照)において特別図柄の変動が停止され、決定された図柄を表示する。
同様に後述するが、通過ゲート612を遊技球が通過したことがゲートセンサ760によって検出されると、主制御基板710において抽選が行われる。抽選結果によって第三始動口604の両脇に備えられた可動片606の開閉動作が行われる場合があり、普通図柄表示器82は、可動片606の開閉動作発生の当否を示す普通図柄を表示する。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
次に、パチンコ機1の主基板および周辺基板の制御的な構成について図40および図41を参照して説明する。
図40は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板700周辺の構成を主として示した図である。図41は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板800周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板700のグループ(図40に示す)と、周辺基板800のグループ(図41に示す)とで分担されている。主基板700のグループは遊技動作(入賞検出、乱数取得および当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板800のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図40に示すように、主基板700は、主制御基板710と払出制御基板720とから構成されている。主制御基板710は、中央演算装置としてのCPU711、読み出し専用メモリとしてのROM712および読み書き可能メモリとしてのRAM713を備えている。
CPU711は、ROM712に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板800や払出制御基板720に出力するコマンド信号を作成したりする。
RAM713には、主制御基板710で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板700は、電源基板395に接続されており、電源基板395から作動用電力が供給されるようになっている。具体的には、電源基板395から払出制御基板720に作動用電力が供給され、当該払出制御基板720を介して主制御基板710に作動用電力が供給される。
この主制御基板710の入力インタフェースには、パネル中継端子板750を介して、第一始動口600への入賞状態を検出する第一始動口センサ780、第二始動口602への入賞状態を検出する第二始動口センサ782、第三始動口604への入賞状態を検出する第三始動口センサ784、通過ゲート612を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ760および一般入賞口614,615に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ762が接続されている。
さらに、主制御基板710の入力インタフェースには、パネル中継端子板750に接続された開閉装置中継端子板754を介して開閉装置カウントセンサ776が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板710に入力されるようになっている。
一方、パネル中継端子板750の出力インタフェースには図柄制限抵抗基板766を介して普通図柄・特別図柄表示基板768が接続されている。これにより、主制御基板710は、普通図柄表示器82、第一特別図柄表示器84及び第二特別図柄表示器86への駆動信号を出力することが可能となっている。
また、開閉装置中継端子板754の出力インタフェースには普通電動役物ソレノイド774と開閉装置開閉ソレノイド778とが接続されており、主制御基板710から、普通電動役物ソレノイド774および開閉装置開閉ソレノイド778に向けて駆動信号が出力される。なお、普通電動役物ソレノイド774は第三始動口604の上方に設けられた一対の可動片606を駆動するものであり、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド778は大当たり遊技用開閉装置500(より具体的には大当たり遊技用大入賞口開閉扉500b)を駆動するものである。
一方、払出制御基板720は、中央演算装置としてのCPU722、読み出し専用メモリとしてのROM724および読み書き可能メモリとしてのRAM726を備えている。
そして、払出制御基板720は、主制御基板710から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置53や、発射ハンドルおよび発射モータ等から構成される発射装置57に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置53は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射装置57は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
また、払出制御基板720の入力インタフェースには、本体枠3の前枠体(図示しない)の開放状態を検出する内枠開放スイッチ736および扉枠5の開放状態を検出する扉開放スイッチ738も接続されている。
なお、主制御基板710と払出制御基板720との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板710が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板720から主制御基板710にACK信号が返される。
また、払出制御基板720には、皿体360に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する受皿満タンスイッチ730も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を皿体360から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板710および払出制御基板720には外部端子板56が接続されている。第一始動口600、第二始動口602及び第三始動口604への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報は、この外部端子板56を介して、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力される。
一方、周辺基板800は、図41に示すように、周辺制御基板810と表示装置制御基板816とから構成されている。なお、上記の主制御基板710と周辺制御基板810との間では、それぞれの出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われている。即ち、主制御基板710から周辺制御基板810へのコマンド送信はあっても、周辺制御基板810から主制御基板710へのコマンド送信は行われない。また、周辺基板800に供給される作動用電力は、主制御基板710を介して供給される。ここで、周辺制御基板810が、本発明の演出制御手段に相当し、表示装置制御基板816が、本発明の表示制御手段に相当する。
周辺制御基板810もまた、CPU811、ROM812およびRAM813等の電子部品を有しており、これらの電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板810には、効果音や楽曲等演出音の基となる音源を記憶したROM819と、このROM819に記憶された音源を基に演出内容等に応じた効果音や楽曲等の演出音を出力する音源IC818と、が設けられている。
なお、周辺制御基板810と表示装置制御基板816との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板816には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されている。この表示装置制御基板816は、周辺制御基板810から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。なお、表示装置制御基板816には、CPU832、RAM834、ROM836、VDP838および画像ROM839が備えられている。
CPU832は、周辺制御基板810から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP838の制御を行う。
RAM834は、CPU832の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM836は、CPU832用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)838は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP838の内部には、レジスタが設けられており、VDP838の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU832が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。
画像ROM839は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板810には、発光装置制御基板848および枠装飾中継端子板240が接続されている。
発光装置制御基板848の出力インタフェースには、発光装置ユニット80の第二LED基板372及び第三LED基板373が接続されている。これにより、発光装置制御基板848は、発光装置ユニット80の各LEDの点灯状態を切り替えることが可能となっている。さらに、発光装置制御基板848の入力インタフェースには、遊技盤4の後方側に排出された遊技球(即ちアウト球)を検出する排出口検出センサ854が接続されている。ここで、発光装置制御基板848が、本発明の発光制御手段に相当する。
また、周辺制御基板810に接続された枠装飾中継端子板240には、扉枠5に接続されたスピーカ144,341、操作ボタン327および枠装飾ランプ842等が接続されており、周辺制御基板810には、操作ボタン327の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカ144,341や枠装飾ランプ842に対して駆動信号を出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
次に、パチンコ機1の主基板700を構成する主制御基板710および周辺基板800を構成する周辺制御基板810の機能的な構成について図42を参照して説明する。
図42は、主制御基板710および周辺制御基板810の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図42に示すように、主制御基板710は、遊技状態制御手段934と、特別図柄抽選手段900と、特別図柄表示制御手段702と、特別図柄保留表示制御手段930と、特別図柄保留カウンタ903と、保留順記憶手段940と、当否判定用乱数記憶領域5131と、処理領域5132と、大当たり遊技実行手段715と、小当たり遊技実行手段714と、開閉動作制御手段938と、普通図柄抽選手段920と、普通図柄表示制御手段716と、普通図柄保留表示制御手段718と、普通図柄保留カウンタ923と、可動片開閉制御手段928と、コマンド送信手段946と、を備えている。
遊技状態制御手段934は、パチンコ機1の遊技状態がいずれの遊技状態であるかを判断し、当該判断した遊技状態に基づいて遊技状態を制御する。
本実施形態では、大当たり遊技及び小当たり遊技以外のパチンコ機1の遊技状態として、通常遊技状態、有利遊技状態、及び時短遊技状態のいずれかの遊技状態に制御される。
通常遊技状態は、後述の開放延長機能が作動しない遊技状態であって、一対の可動片606が後述の促進態様に制御されない遊技状態である。即ち、後述するが、一対の可動片606は、普通図柄抽選手段920による抽選処理において当選したことを契機として開閉動作するものであり、これによって第三始動口604への遊技球の入賞確率を高めるものであるが、可動片606が動作するときの動作態様としては、第1の動作態様と、該第1の動作態様よりも遊技者に有利な第2の動作態様(促進態様)とが用意されている。そしてこのうち、通常遊技状態では、可動片606が動作するときの動作態様として第1の動作態様が採用されることとなる。なお、この第1の動作態様とは、第三始動口604への遊技球の入賞が促進され難い態様のことであり、例えば、第三始動口604が閉状態に維持される態様、または、第三始動口604が閉状態に維持される場合と比べて遊技球の入賞に影響を与えない程度に一対の可動片606が開放動作する態様(即ち、可動片606が開閉動作したとしても第三始動口604への入賞頻度が閉状態に維持される場合とほぼ同等である態様)である。「遊技球の入賞に影響を与えない程度に」とは、一対の可動片606が開閉動作したとしても第三始動口604への入賞頻度が閉状態に維持される場合と殆ど同等であること、即ち、一対の可動片606が開放動作したとしても第三始動口604への遊技球の入賞が大きくは促進されないことを意味する。
一方、有利遊技状態及び時短遊技状態は、後述の開放延長機能が作動する遊技状態であって、一対の可動片606が動作するときの動作態様として上記第2の動作態様(促進態様)が採用される遊技状態である。ここで、「促進態様」とは、第三始動口604への遊技球の入賞が促進される態様であって、例えば一対の可動片606の開放時間としてより長い時間が採用される態様のことである。すなわち、「促進態様」とは、普通図柄抽選手段920による抽選における当選確率のアップ、普通図柄抽選手段920による抽選時間の短縮(普通図柄の変動時間の短縮)および一対の可動片606の開放時間アップ等が相当する。ただし、これら三つの態様のうち、いずれか一つまたは二つのみを行うことによって促進態様としても良く、三つ全てを行うことによって促進態様としても良い。
確変機能が作動しない場合、特別図柄抽選手段900によって、大当たりに当選する確率が所定の低確率(第1の確率)で抽選処理が行われる。一方、確変機能が作動する場合、特別図柄抽選手段900によって、大当たりに当選する確率が第1の確率よりも少なくとも2倍以上の確率(本実施形態では第1の確率(当選確率A)に対して10倍とされた第2の確率(当選確率B))で抽選処理が行われる。このように、確変機能が作動する場合に、確変機能が作動しない場合と比べて大当たりへの当選確率を少なくとも2倍以上とするのは、確変機能が作動したときに、確変機能が作動しない場合と比べて特別図柄の変動回数が少ない段階で大当たりに当選しうるようにすることで、興趣の低下の抑制を図るためである。
本実施形態では、通常遊技状態は、開放延長機能および確変機能の両方とも作動しない遊技状態であり、時短遊技状態は、開放延長機能は作動するけれども確変機能が作動しない遊技状態であり、有利遊技状態は、開放延長機能および確変機能の両方とも作動する遊技状態である。
いずれかの遊技状態から遊技者にとってより有利な遊技状態への変更は、条件装置が作動した場合にのみ行われる。なお、上記3つの遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、有利遊技状態)のうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態は有利遊技状態であり、遊技者にとっても最も不利な遊技状態は通常遊技状態である。従って、通常遊技状態から有利遊技状態への変更、時短遊技状態から有利遊技状態への変更等は、条件装置が作動しない限り行われない。
第一特別図柄抽選手段900は、遊技球が第一始動口600への入賞に基づいて第一始動口センサ780により検出されると、0〜1498の乱数幅で発生する当否判定用乱数のうち一つの乱数を、第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得する。この取得した乱数は当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されると共に、当該取得した乱数の数は、第一特別図柄保留カウンタ903によって第一所定数(例えば4個)まで保留される。そして、第一特別図柄保留カウンタ903による保留が解除されると、取得された順に当否判定用乱数記憶領域5131に記憶される乱数が処理領域5132に移され、第一特別図柄当否判定手段904によって大当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。
第一特別図柄当否判定手段904による当否判定は、通常遊技状態または時短有利遊技状態であれば、第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された乱数値と第一通常特図判定テーブル906とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得した乱数値が大当たり乱数であるか否かが判定され、大当たり乱数であれば大当たり遊技実行手段715によって大当たり遊技が実行される。
一方、有利遊技状態であれば、第一特別図柄当否判定手段904による当否判定は、第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された乱数値と第一確変特図判定テーブル908とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。まず、第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得した乱数値が大当たり乱数であるか否かが判定され、大当たり乱数であれば大当たり遊技実行手段715によって大当たり遊技が実行される。有利遊技状態のとき、すなわち第一確変特図判定テーブル908は、第一通常特図判定テーブル906と比較して大当たり乱数の数が10倍に増えている。
第二特別図柄抽選手段910は、遊技球が第二始動口602または第三始動口604への入賞に基づいて第二始動口センサ782または第三始動口センサ784により検出されると、遊技球が第一始動口600に入賞したときと同様に0〜1498の乱数幅で発生する特別図柄当否判定用の乱数のうち一つの乱数を、第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912により取得する。この取得した乱数は当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されると共に、当該取得した乱数の数は、第二特別図柄保留カウンタ913によって第二所定数(例えば4個)まで保留される。そして、第二特別図柄保留カウンタ913による保留が解除されると、取得された順に当否判定用乱数記憶領域5131に記憶される乱数が処理領域5132に移され、第二特別図柄当否判定手段914によって大当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。
第二特別図柄当否判定手段914による当否判定は、通常遊技状態または時短遊技状態であれば、第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912によって取得された乱数値と第二通常特図判定テーブル907とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。なお、本例においては、第二通常特図判定テーブル907に記憶されている大当たり乱数は、第一通常特図判定テーブル906に記憶されている大当たり乱数と同じである。
一方、有利遊技状態であれば、第二特別図柄当否判定手段914による当否判定は、第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912によって取得された乱数値と第二確変特図判定テーブル909とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。なお、本例においては、第二確変特図判定テーブル909に記憶されている大当たり乱数は、第一確変特図判定テーブル908に記憶されている大当たり乱数と同じである。
なお、大当たり遊技が実行されているとき、たとえ第一始動口600、第二始動口602及び第三始動口604に遊技球が入賞しても当否判定は行われずに、取得した当否判定用乱数が当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されると共に第一特別図柄保留カウンタ903または第二特別図柄カウンタ913のカウンタ値がカウントアップされる。また、第一通常特図判定テーブル906、第二通常特図判定テーブル907、第一確変特図判定テーブル908および第二確変特図判定テーブル909は、いずれもROM712(図40参照)に記憶されている。
このように、第一特別図柄当否決定手段904による当たり判定と第二特別図柄当否決定手段914による当たり判定とでは、異なるテーブルが用いられる。本例においては対応する各テーブルに記憶されている大当たり乱数は同じとなっているが、第一始動口600,第二始動口602及び第三始動口604のうちいずれの始動口に入賞するかで抽選処理を異ならせることによって、遊技内容のバリエーションを増やし、興趣の低下を抑制することが可能である。
なお、当否判定用乱数記憶領域5131は、特別図柄抽選手段毎の抽選順序(即ち第一特別図柄抽選手段900による抽選順序および第二特別図柄抽選手段910による抽選順序)を、それぞれ記憶しているものの、両者を併合した抽選順序(即ち各始動口センサ780,782,784によって遊技球が検出された順序)は記憶していない。各始動口センサ780,782,784によって遊技球が検出された順序(即ち第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902または第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912によって乱数が取得された順序)は、保留順記憶手段940によって記憶される。従って、保留順記憶手段940によって記憶された順序に基づいて、第一特別図柄抽選手段900(詳細には第一特別図柄当否判定手段904)または第二特別図柄抽選手段910(詳細には第二特別図柄当否判定手段914)によって、取得された乱数の当否判定が一つずつ行われることとなる(一つの乱数ずつ当否判定を行う)。
ところで、第一特別図柄当否決定手段904または第二特別図柄当否決定手段914による当否判定の結果が大当たりと判定されると、図示しない図柄乱数取得手段によって、0〜99の乱数幅で発生する図柄乱数のうち一つの乱数が取得される。そして、この取得された乱数値が、0〜45であれば第一大当たりと判定され、46〜60であれば第二大当たりと判定され、61〜99であれば第三大当たりと判定される。第一大当たりまたは第三大当たりと判定されると、第一大当たり遊技実行手段715aによって、大当たりに当選した旨を示す演出画像が演出表示装置(演出画像表示装置)115の表示面に表示される状況のもとで大当たり遊技用開閉装置(開閉装置)500を開閉動作させる長開放大当たり遊技(遊技者に対する定量の遊技球の払い出しが促される大当たり遊技)が実行される。また、第二大当たりと判定されると、第二大当たり遊技実行手段715bによって、大当たりに当選した旨を示す演出画像が演出表示装置(演出画像表示装置)115の表示面に表示される状況のもとで大当たり遊技用開閉装置(開閉装置)500を、長開放大当たりよりも少ない回数で開閉動作させる短開放大当たり遊技(遊技者に対する定量の遊技球の払い出しが促される大当たり遊技)が実行される。すなわち、大当たりについての抽選処理は、第一特別図柄当否決定手段904または第二特別図柄当否決定手段914による当否判定と、こうした図柄乱数に応じた当選種判定とによって行われる。
一方、第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902および第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912によって取得された乱数値が大当たり乱数でなければ、小当たり(状態維持当たり)に当選(選出)しているか否かが、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914によって判定される。第一通常特図判定テーブル906、第一確変特図判定テーブル908、第二通常特図判定テーブル907および第二確変特図判定テーブル909には、いずれも、当否判定用乱数0〜1498のうち、1個のみが小当たり乱数として記憶されている。取得した乱数がこれらの小当たり乱数であると判定されると、小当たり遊技実行手段714によって大当たり遊技用開閉装置(開閉装置)500が開閉動作される小当たり遊技が実行される。
このように、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理では、確変機能が作動しているか否かに拘らず、小当たりへの当選確率は常に一定である。また、同様に、第二特別図柄抽選手段910による抽選処理においても、確変機能が作動しているか否かに拘らず、小当たりへの当選確率は常に一定である。なお、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理において小当たりに当選する確率と、第二特別図柄抽選手段910による抽選処理において小当たりに当選する確率とを異ならせると、第一始動口600,第二始動口602及び第三始動口604のうちいずれの始動口に入賞するかで小当たりの発生確率が変化するため、遊技に変化をもたらすことも可能である。
なお、第一特別図柄抽選手段900および第二特別図柄抽選手段910による当否判定は、上述のとおり、第一特別図柄保留カウンタ903または第二特別図柄保留カウンタ913による保留の解除条件が成立したことに基づいて行われる。本実施形態における当該解除条件は、第一特別図柄または第二特別図柄の変動開始であるが、これに限られない。例えば、特別図柄当否判定用の乱数を取得した際に当否判定を行い、当該当否判定結果を、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が開始されるまで記憶するようにしても良い。
第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果は、第一特別図柄表示制御手段702または第二特別図柄表示制御手段704によって、第一特別図柄表示器84または第二特別図柄表示器86に表示される。ただし、当該表示は、複数のLEDの点灯パターンによって表示されるため、当該表示から、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果を遊技者が把握することは困難である。
また、第一特別図柄保留カウンタ903または第二特別図柄保留カウンタ913による保留数は、それぞれ、第一特別図柄保留表示制御手段930または第二特別図柄保留表示制御手段932によって、第一特別図柄保留表示器88または第二特別図柄保留表示器90に表示される。
大当たり遊技実行手段715および小当たり遊技実行手段714は、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果に基づいて、大当たり遊技または小当たり遊技を実行する。ここで、大当たり遊技は条件装置の作動を伴う遊技であり、小当たり遊技は条件装置の作動を伴わない遊技である。
条件装置は、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果が大当たりである場合にのみ作動するものであって、一の遊技状態から当該一の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態への変更(移行)は、条件装置が作動した場合にのみ可能となる。例えば通常遊技状態から有利遊技状態への変更(移行)などは条件装置が作動することが条件である。従って、小当たり遊技が実行されるに際して遊技状態が変更することはなく、例えば、通常遊技状態であるときに小当たり遊技が実行されても通常遊技状態Aが継続し、時短遊技状態であるときに小当たり遊技が実行されても時短遊技状態が継続する。
なお、一の遊技状態から当該一の遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態への変更(移行)は、条件装置が作動することの他、遊技状態変更抽選(一の遊技状態から当該一の遊技状態よりも遊技者により不利な遊技状態に変更するか否かの抽選)に当選すること、または、特別図柄の変動が一定回数行われること、の条件が成立した場合に行われる場合もある。従って、例えば時短遊技状態から通常遊技状態への変更(移行)、有利遊技状態から通常遊技状態への変更(移行)などは、条件装置が作動しない場合であっても、上述した他の条件が成立することによって行われる場合がある。
大当たり遊技実行手段715は、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914により判定された抽選結果が大当たりであれば、開閉動作制御手段938によって開閉装置開閉ソレノイド772を作動させて大当たり遊技用開閉装置500を開閉させる動作を行い、大当たり遊技を実行する。
より具体的には、大当たり遊技の種類として、大当たり遊技用開閉装置500の開放回数が相対的に多い(例えば15回)長開放大当たり遊技と、大当たり遊技用開閉装置500の開放回数が相対的に少ない(例えば2回)短開放大当たり遊技とがある。第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914により判定された抽選結果が、第一大当たりまたは第三大当たりであれば、大当たり遊技実行手段715としての第一大当たり遊技実行手段715aが長開放大当たり遊技を実行する。一方、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914により判定された抽選結果が、第二大当たりであれば、大当たり遊技実行手段715としての第二大当たり遊技実行手段715bが短開放大当たり遊技を実行する。
大当たり遊技用開閉装置500に遊技球が入賞すると、開閉装置カウントセンサ776によって入賞球数がカウントされる。そして、賞球としての所定数(例えば13球)の遊技球が、払出制御基板720によって球払出装置53から受け皿に払い出される。
なお、大当たり遊技の種別は、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間がほぼ同じ(例えば30秒)であるが、最大開放回数が相対的に多い大当たり(例えば15ラウンド)と、最大開放回数が相対的に少ない大当たり(例えば2ラウンド)とであっても良い。また、最大開放回数がほぼ同じ(例えば15ラウンド)であるが、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が相対的に長い当たり(例えば30sec)と、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が相対的に短い当たり(例えば0.3sec)とであっても良い。
ここで、「ラウンド」とは大当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位であって、大当たり遊技用開閉装置500が開放したのち、当該開放状態から閉鎖条件が成立して大当たり遊技用開閉装置500が閉鎖するまでが1ラウンドである。当該閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから所定時間経過すること、または、大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が入賞すること、である。このいずれかの条件を満たしたときに、大当たり遊技用開閉装置500が閉鎖する。
ところで、本実施形態では、大当たり遊技時における閉鎖条件と小当たり遊技時における閉鎖条件とが異なっている。大当たり遊技における閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから30sec経過すること、または、9球の遊技球が入賞すること、である。一方、小当たり遊技における閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから0.3sec経過すること、または、3球の遊技球が入賞すること、である。
なお、大当たり遊技用開閉装置500の閉鎖条件はこれらに限られるものではない。ただし、長開放大当たり遊技時においては、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから所定時間経過するまでに最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞可能である程度となるように、閉鎖条件が設定されることが好ましい。一方、小当たり遊技時においては、大当たり遊技用開閉装置500が開放中に辛うじて1球または2球の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞可能である程度となるように、閉鎖条件が設定されることが好ましい。
小当たり遊技実行手段714は、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914により判定された抽選結果が小当たりであれば、大当たり遊技用開閉装置500を開閉動作させる小当たり遊技を行う。本実施形態では、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914により判定された抽選結果が小当たりであれば、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから0.3sec経過すること、または、3球の遊技球が入賞すること、を閉鎖条件とする大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作が1回行われる(大当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位を「ラウンド」と称するのに対し、小当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位を「回」と称する)。
このように、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果が大当たりであったとしても、当該大当たりの種別が第一大当たりである場合と第二大当たりである場合とで、遊技者に付与される利益が大きく異なる。即ち、当選した大当たりの種別が第一大当たりまたは第三大当たりである場合には、大当たり遊技用開閉装置500に多量の遊技球が入賞しうる。一方、当選した大当たりの種別が第二大当たりである場合には、第一大当たりまたは第三大当たりである場合の約7.5分の1の量の遊技球が入賞しうる程度である。これにより、長開放大当たり遊技が実行される場合と短開放大当たり遊技が実行される場合とで、遊技者に付与される利益が大きく異なることとなる。
また、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による大当たりの当否判定は、小当たりの当否判定に先立ってそれと別に行われる。ここで、小当たりの当否判定が大当たりの当否判定よりも仮に先に行われたとすると、小当たりに当選した場合には大当たりの当選が行われないことになってしまう。すなわち、本実施形態のパチンコ機1は、大当たりと小当たりとが重複当選することがないので、このような遊技機において小当たりの当否判定に先立って大当たりの当否判定が仮に行われたとすると、小当たりに当選した時点で大当たりに当選する機会が失われることとなる。従って、大当たりの当否判を小当たりの当否判定に先立って行うことで、第一特別図柄抽選手段900または第二特別図柄抽選手段910によって行われる全ての特別図柄の抽選において、大当たりへの当否判定が行われることとなり、興趣の低下を抑制できる。
なお、大当たりと小当たりとを重複して当選させるようにすることも可能であるが、この場合、いずれを優先して当選とするかを決めなければならず、制御的にも複雑となる。従って、本実施形態のように、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たりの当否判定を行うことによって、制御的な複雑化を回避できる。さらには、大当たりの当否判定および小当たりの当否判定の二度の抽選機会が与えられ、遊技者に得した気分を与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
一方、有利遊技状態であるときに小当たりに当選したとしても、有利遊技状態が継続される(即ち確変機能の作動が継続する)ので、遊技者に安心感を与えることができる。即ち、有利遊技状態において、大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作が1回(または1ラウンド)行われたとしても、通常遊技状態や時短遊技状態に変更されることがないので、興趣の低下を抑制できる。
次に、普通図柄抽選手段920による抽選について説明する。
普通図柄抽選手段920は、遊技球が通過ゲート612(図18参照)を通過してゲートセンサ760により検出されると、0〜250の乱数幅で発生する普通図柄当否判定用乱数のうち一つの乱数を、普通図柄当否判定用乱数取得手段922により取得する。この取得した乱数は、当該取得した乱数を記憶する記憶領域および当該取得した乱数の数をカウンタ値として記憶する普通図柄保留カウンタを有する普通図柄保留手段923によって所定の上限値(例えば4個)まで保留される。そして、普通図柄保留手段923による保留が解除されると、取得された順に普通図柄当否判定手段924によって当否が判定される。
普通図柄当否判定手段924による当否判定は、通常遊技状態であれば、普通図柄当否判定用乱数取得手段922によって取得された乱数値と通常普図判定テーブル926とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。普通図柄当たり判定用乱数取得手段922により取得した乱数値が当たり乱数であるか否かが判定され、当たり乱数であれば、可動片開閉制御手段928によって一対の可動片606の開閉動作が実行される。なお、このとき、普通図柄の変動時間は4000msecであり、一対の可動片606は、開放時間180msの開閉動作を1回実行する(第1の動作態様)。
一方、時短遊技状態または有利遊技状態であれば、普通図柄当否判定手段924による当否判定は、普通図柄当否判定用乱数取得手段922によって取得された乱数値と普通図柄開放延長時当たり判定用テーブル927とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。普通図柄当たり判定用乱数取得手段922により取得した乱数値が当たり乱数であるか否かが判定され、当たり乱数であれば、可動片開閉制御手段928によって一対の可動片606の開閉動作が実行される。なお、このとき、普通図柄の変動時間は1024msecであり、一対の可動片606は、開放時間1900msecの開閉動作を3回および開放時間856msecの開閉動作を2回実行する(第2の動作態様(促進態様))。
このように、時短遊技状態または有利遊技状態であるときは、通常遊技状態の場合と比べて、第三始動口604への遊技球の入賞頻度が飛躍的に向上する。従って、時短遊技状態または有利遊技状態であると特別図柄の抽選機会が飛躍的に増加し、大当たり遊技が実行される期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ここで、通常普図判定テーブル926および普通図柄開放延長時当たり判定用テーブル927は、いずれもROM712(図40参照)に記憶されている。
なお、本実施形態において、普通図柄当否判定手段924による当否判定は、通常遊技状態であっても当たりであると判定されて一対の可動片606の開閉動作が実行されうるが、これに代えて、通常遊技状態であるときは当たり確率がゼロとなるようにしても良い。即ち、一対の可動片606の開閉動作が行われるのは、時短遊技状態または有利遊技状態であるときのみとしても良い。
普通図柄当否判定手段924による判定結果は、普通図柄表示制御手段716によって普通図柄表示器82に表示される。また、普通図柄保留カウンタ923による保留数は、普通図柄保留表示制御手段718によって普通図柄保留表示器92に表示される。
可動片開閉制御手段928は、普通図柄当否判定手段924によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド774を作動させて一対の可動片606を開閉動作させる。ただし、上述したとおり、時短遊技状態または有利遊技状態である場合と、通常遊技状態である場合とでは、一対の可動片606の開閉動作態様は異なっている(時短遊技状態または有利遊技状態である場合、第三始動口604への遊技球の入賞が、通常遊技状態である場合よりも容易化される)。
なお、本実施形態では、一対の可動片606が閉鎖されているとき、第三始動口604への遊技球の入賞が不可能となっており、一対の可動片606が開閉動作することに伴って、第三始動口604への遊技球の入賞が、第一始動口600及び第二始動口602への遊技球の入賞よりも容易となる。ただし、一対の可動片606が閉鎖されているとき、第三始動口604への遊技球の入賞が不可能である態様に限られず、第三始動口604への遊技球の入賞が第一始動口600または第二始動口602への遊技球への入賞よりも困難であれば良い。
コマンド送信手段946は、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板810に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115にて行われる装飾図柄の変動時間等が相当する。
なお、第一特別図柄当否判定手段904、第二特別図柄当否判定手段914および普通図柄当否判定手段924による当否判定結果には、必ずしも外れが含まれている必要はない。例えば、大当たり遊技用開閉装置500への遊技球の入賞が極めて困難な態様で小当たり遊技が実行される場合であれば、大当たりに当選しなかったときは全て小当たりに当選するようにしても良い。
また、本実施形態のように、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による当否判定において、大当たりの当否判定を小当たりの当否判定に先だって行うことによって上述したような顕著な効果がもたらされるが、大当たりの当否判定と小当たりの当否判定とを一括で行っても良い。
一方、周辺制御基板810は、図42に示すように、コマンド受信手段950と、演出抽選手段960と、演出制御手段962と、を備えている。
コマンド受信手段950は、主制御基板710から送信された第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914による判定結果および当該判定結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段960は、演出表示装置115に表示される演出態様を決定し、これに伴って、スピーカー144,341から出力される効果音や楽曲等の演出音および各ランプ842,852,853における表示が決定される。演出制御手段962は、演出抽選手段960により決定された演出態様や表示に基づいて制御を行う。具体的には、演出抽選手段960により決定された演出態様が演出表示装置115に表示されるように表示装置制御基板816に情報送信すると共に、これに伴って決定された演出音等および表示がスピーカー144,341および枠装飾ランプ842から出力および表示されるように枠装飾中継端子板240を介して制御する。さらには、発光装置駆動基板848を介して発光装置ユニット80に備えられた各LED基板の発光状態も制御する。
以下、図41及び図55に基づき、パチンコ機1の視覚的演出の主要部である発光装置ユニット80の発光演出及び演出表示装置115の演出表示の連動について説明する。
図41に示すように、発光装置ユニット80の各LED基板は、周辺制御基板810から発光装置駆動基板848に対して送られたコマンドに基づいて発光態様が制御される。また、周辺制御基板810は、演出関係の装置の制御の中枢であり、演出表示装置115もまた表示装置制御基板816を介して周辺制御基板810の発したコマンドに基づいて制御されている。周辺制御基板810は、主制御基板710から受けたコマンドに基づき、演出表示装置115、発光装置ユニット80、枠装飾ランプ等による視覚的演出及びスピーカー144,341による音響的演出を行う。
周辺制御基板810に搭載されたCPU811は、同じく周辺制御基板上に搭載されたROM812を参照して演出表示装置115及び発光装置80を制御している。すなわち、ROM812には演出制御パターンテーブル890、表示態様テーブル891、及び発光制御テーブル892が記録されており、CPUは各テーブルを参照して演出表示装置115及び発光装置ユニット80を制御し、同期させて視覚的演出を行う。
図55に示すように、演出制御テーブル890は、演出番号欄790、表示態様欄791、及び発光演出欄792を有し、演出番号、表示態様、及び発光演出の組み合わせに関する情報が保管されている。演出番号とは、演出表示装置115に表示される表示態様と、発光装置ユニット80によって行われる発光演出との組み合わせを示す見出し番号である。表示態様は、演出表示装置115に表示される視覚的演出であり、動画や静止画を組合わせた一連の演出のことを示す。また、発光演出は、発光装置ユニット80に多数設けられた発光小領域351の発光制御による視覚的演出であり、発光装置ユニット80の発光状態の継時的な変化を示す。
まず、主制御基板710から周辺制御基板810がコマンドを受信すると、CPU811は、抽選によって乱数を用いて演出番号を抽出する。そして、ROM812内に記録されている演出制御テーブル890を参照し、演出番号欄790と抽出された演出番号とを対照し、表示態様欄791の表示態様の値と発光演出欄792の発光演出の値との組み合わせを決定する。次に、CPU811は、表示態様の値を、同じくROM812に記録された表示態様テーブル891に照合し、演出表示装置115の表示態様を決定する。また、CPU811は、発光演出の値を同じくROM812に記録された発光制御テーブル892に照合し、発光装置ユニット80の各LED基板の発光態様を決定する。
演出表示装置115と発光装置ユニット80との連動制御の例を、図55を用いて示すと、例えば、抽出された演出番号が5であった場合には、表示態様は「キャラクター通過1」、発光演出は「点滅2」と決定される。「キャラクター通過1」によって演出表示装置115に導出される具体的な表示態様の情報は、表示態様テーブル891に保管されており、CPU811は表示態様テーブル891を参照して「キャラクター通過1」に該当する制御情報を得て、表示装置制御基板816へとコマンドを送る。同様に、「点滅2」によって行われる発光装置ユニット80の具体的な発光状態の制御は、発光制御テーブル892に保管されており、CPU811は発光制御テーブル892を参照して「点滅2」に該当する制御情報を得て、発光装置制御基板848へとコマンドを送る。
このとき、「キャラクター通過1」による表示態様と「点滅2」による発光演出とが同期するようにあらかじめ制御情報が設定されており、演出表示装置115と発光装置ユニット80とはタイミングがずれることなく制御され、協働して視覚的演出を行う。
なお、ここでは説明を省略するが、上記の視覚的演出と同期して音楽等による聴覚的演出を行うようにすると、さらに迫力ある演出を行うことが可能である。
また、本例ではフィードバック回路を備えていない制御方式を示しているが、例えば可動役物をさらに連動させる場合などには、フィードバック回路を備え、フィードバック制御を行うことで、演出の同期をより確実にし、興趣が損なわれる虞を抑制することができる。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板700で実行される種々の制御処理について図43〜図48を参照して説明する。
[メインシステム処理について]
まず、図43に基づいて説明する。図43は、主基板700の主制御基板710に搭載されるCPU711(いずれも図40参照)が実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図43に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU711(図40参照)は、電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、まず、RAM713(図40参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判別する。すなわち、この実施の形態のRAM713(データメモリ)は、電力の常時供給によって各種の制御データがバックアップされるバックアップ領域を有している。そして、パチンコ機1は、電力供給の停止に際しては、上記RAM713の処理領域に記憶されている各種の制御データを上記バックアップ領域に一時退避させる処理を行うとともに、電源復帰時にこの一時退避されたデータを当該RAM713の処理領域に読み出すことで、電源遮断時から継続性のある遊技を実行可能としている。
したがって、この電源投入時処理(ステップS10)では、バックアップデータ(バックアップ領域内のデータ)が正常であれば、RAM713に記憶されているバックアップデータに従って電力供給の停止時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば、RAM713に記憶されているバックアップデータは消去される。そしてその後、RAM713の処理領域には、例えば現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。また、製品化されてから最初の電源投入時も、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる。
ただし、この電源投入時処理(ステップS10)では、RAM713に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであるか否かの判断も行われる。すなわち、このRAM消去スイッチがオンであったときも、RAM713に記憶されているバックアップデータは消去される。また併せて、RAM713の処理領域には、例えば現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。なお、こうした初期化処理が行われた状態では(イニシャル時では)、現在の遊技状態を示す制御データは、開放延長機能および確変機能の両方とも作動しない遊技状態である「通常遊技状態」を示すようになる。したがって、上記一対の可動片606がイニシャル時に動作するようなことがあれば、この一対の可動片606は、開放時間180msの開閉動作を1回実行することとなる(第1の動作態様)。また、こうした初期化処理の直後のイニシャル時に大当たりについての抽選処理が行われるときは、その当選確率として上記第1の確率(当選確率A)が採用されることとなる。
また、電源投入時処理(ステップS10)では、このような初期化処理を実行したときに主制御基板710(図40参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを、周辺制御基板810(図40参照)に送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板710が起動したことを周辺制御基板810に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM713にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU711は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU711は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板710に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板710に搭載されるCPU711により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では24V)が復旧(以下「復電」と称する)した場合に、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM713のバックアップ領域にデータを一時退避させる処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理について]
図44は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU711は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM713の処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをRAM713のバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM713の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
次いで、CPU711は、RAM713の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU711は、RAM713へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、実際には電源電圧は停止されないため、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU711には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図44の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU711が起動することになる。
なお、RAM713のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としない、といったメリットがある。
若しくは、上記RAM713の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、RAM713の特定領域に記憶されているデータをその他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[タイマ割込処理について]
図45は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板700の主制御基板710に搭載されるCPU711により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU711は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ760、第一始動口センサ780、第二始動口センサ782、第三始動口センサ784、開閉装置カウントセンサ776等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板720に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ760から検出された信号に基づいて普通図柄表示器82に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片606の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、特別電動役物としての大当たり遊技用開閉装置500の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板710から周辺制御基板810に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板810に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)においてCPU711により更新される各種乱数について説明する。
本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、当否判定用乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン乱数および普通図柄当否判定用乱数等がある。
当否判定用乱数は、大当たり遊技または小当たり遊技を発生させるか否かの判定に用いられる当否判定用乱数である。図柄乱数は、大当たり遊技を発生させると判定されたときに、大当たりの種別(第一大当たり、第二大当たり及び第三大当たり)の判定に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、当否判定にて大当たりおよび小当たりのいずれにも当選していない(即ち外れ)と判定されたときに、リーチ変動とするか否かの判定に用いられる乱数である。変動パターン乱数は、第一特別図柄表示器84および第二特別図柄表示器86に表示する特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。普通図柄当否判定用乱数は、一対の可動片606を開放状態に制御するか否かの判定に用いられる乱数である。
なお、演出表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動パターンは、変動パターン乱数により決定しても良く、周辺基板800の周辺制御基板810に搭載されるCPU811または表示装置制御基板816に搭載されるCPU832(いずれも図41参照)により決定するようにしてもよい。また、変動パターン乱数は必須ではなく、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、大当たり遊技または小当たり遊技の発生に関わる当否判定用乱数、図柄乱数、および、遊技球を受け入れやすい開放状態に一対の可動片606を制御するか否かに関わる普通図柄当たり判定用乱数の更新を行う。ここで、大当たり遊技の発生および一対の可動片606を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当たり遊技または小当たり遊技を発生させると判定される確率、一対の可動片606を開放状態に制御すると判定される確率)を一定にする(即ち狙い打ち等により確率に偏りが発生することを防止する)ことができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、当たり遊技の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板710で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
[特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図46に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図46は、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)の一例を示すフローチャートである。
この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第一始動口600、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、特別図柄表示器84に表示される特別図柄および演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器84において特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器84における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて大当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、小当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(第一大当たり、第二大当たりまたは第三大当たり)を判断し、その大当たり種別に応じて大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)小当たり遊技処理(ステップS220)を実行する。この小当たり遊技処理では、大当たり遊技用開閉装置500の開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能を作動させるか否か判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり遊技処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御し、小当たり遊技が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[始動口入賞処理について]
次に、始動口入賞処理について図47に基づいて説明する。図47は、始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
始動口入賞処理では、CPU711は、先ず、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第二始動口センサ782または第三始動口センサ784による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第二始動口センサ782または第三始動口センサ784による遊技球の検知があれば、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1101におけるYES)。第二始動口センサ782および第三始動口センサ784による遊技球の検知がいずれもなければ、第二始動口602および第三始動口604のいずれにも遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(第二特別図柄当否判定用乱数取得手段912によって取得された当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得する。そして、第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。
ステップS1101において第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、CPU711は、第二保留記憶処理を行い(ステップS1103)、その後、ステップS1104に進む。第二保留記憶処理は、第二始動口602に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を当否判定用乱数記憶領域5131に記憶すると共に、第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値に1を加算する処理である。なお、当否判定用乱数記憶領域5131は、当否判定用乱数記憶領域、図柄乱数記憶領域および特別図柄種別記憶領域を有しており、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したことによって取得した各種データは、それぞれの記憶領域に記憶される。
CPU711が、ステップS1101において第二始動口602および第三始動口604のいずれにも遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1102におけるNO)は、いずれもステップS1104に進む。
ステップS1104では、CPU711は、第一始動口600に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第一始動口センサ780による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第一始動口センサ780によって遊技球が検知された場合には第一始動口600に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1104におけるYES)。第一始動口センサ780による遊技球の検知がなければ、第一始動口600に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
ステップS1104において第一始動口600に遊技球が入賞したと判断したときには、各種乱数(第一特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1105)。
ステップS1104において第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限の4未満であると判別すると(ステップS1105におけるYES)、CPU711は、第一保留記憶処理を行い(ステップS1106)、始動口入賞処理を終了する。第一保留記憶処理は、第一始動口600に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を当否判定用乱数記憶領域5131に記憶すると共に、第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値に1を加算する処理である。なお、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したことによって取得した各種データと同様に、第一始動口600に遊技球が入賞したことによって取得した各種データは、当否判定用乱数記憶領域5131における記憶領域に記憶される。
CPU711が、ステップS1104において第一始動口600に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1105におけるNO)は、いずれも始動口入賞処理を終了する。
なお、ステップS1102において、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したときに第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値が上限値であるとき、ステップS1101で取得した各種データを破棄する。同様に、ステップS1105において、第一始動口600に遊技球が入賞したときに第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値であるとき、ステップS1104で取得した各種データを破棄する。
なお、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で第二特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の第二保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第一始動口600に遊技球が入賞したと判定したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で各種データを取得せずに、ステップS1102で第一特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値未満であることを判別した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1106の第一保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、第二始動口602または第三始動口604への入賞処理(ステップS1101〜ステップS1103)を実行したのちに、第一始動口600への入賞処理(ステップS1104〜1106)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口600への入賞処理を実行したのちに、第二始動口602または第三始動口604への入賞処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態では、第一始動口600に遊技球が入賞したときは第一特別図柄抽選手段900によって抽選処理を行い、第二始動口602または第三始動口604に入賞したときは第二特別図柄抽選手段910によって抽選処理を行っているが、これに限られない。例えば、第一始動口600または第二始動口602に遊技球が入賞したときは第1特別図柄抽選手段900によって抽選処理を行い、第三始動口604に入賞したときは第二
特別図柄抽選手段910によって抽選処理を行うようにしても良い。さらには、各始動口600,602,604に対応させて特別図柄抽選手段を設けるようにしても良い(即ち、第一始動口に対応する第一特別図柄抽選手段、第二始動口に対応する第二特別図柄抽選手段、第三始動口に対応する第三特別図柄抽選手段を設けるようにしても良い)。
また、本実施形態では、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理および第二特別図柄抽選手段910による抽選処理のいずれが行われた場合であっても大当たりへの当選確率は同じであるが、これに限られない。例えば、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理が行われた場合の大当たり当選確率と、第二特別図柄抽選手段910による抽選処理が行われた場合の大当たり当選確率と、が異なるようにしても良い。
さらに、本実施形態では、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理にて大当たりに当選した場合と、第二特別図柄抽選手段910による抽選処理にて大当たりに当選した場合、とで遊技者に付与される利益に差異はないが、これに限られない。例えば、第一特別図柄抽選手段900による抽選処理が行われた場合には第一長開放大当たり遊技が実行される確率が相対的に高く設定される一方で、第二特別図柄抽選手段910による抽選処理が行われた場合には第一長開放大当たり遊技が実行される確率が相対的に低く設定されるような場合が相当する。
[変動開始処理について]
次に、変動開始処理について図48に基づいて説明する。図48は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU711は、先ず、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている乱数の数(始動記憶数)が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている始動記憶数が0であることは、特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が0であることを意味する。
始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、当否判定用乱数記憶領域5131のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、第一始動口600、第二始動口602または第三始動口604への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数の当否判定が行われる順序をシフトする処理である。即ち、特別図柄の当否判定は第一始動口600、第二始動口602または第三始動口604に遊技球が入賞した順に行われるため、変動開始に伴って当該順序がシフトする。第一始動口600、第二始動口602または第三始動口604への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数のうち最も早く取得された乱数は、処理領域5132に移される。なお、ステップS1301において始動記憶数が0であれば(ステップS1301におけるYES)、変動開始処理を終了する。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU711は、処理領域5132に記憶されている種別(第一特別図柄であるか第二特別図柄であるか)を判別する(ステップS1303)。ここで、当該種別が第二特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるYES)、第二特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1303)と共に、第2特別図柄保留カウンタ913のカウンタ値を1減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。一方、当該種別が第1特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるNO)、第1特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1306)と共に、第1特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値を1減算して(ステップS1307)、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、確変機能が作動している遊技状態であるか否かを判断する(ステップS1308)。ここで、確変機能が作動している遊技状態であれば(ステップS1308におけるYES)、第一確変特図判定テーブル908または第二確変特図判定テーブル909が選択される(ステップS1309)。一方、ステップS1308において確変機能が未作動であれば(ステップS1308におけるNO)、第一通常特図判定テーブル906または第二通常特図判定テーブル907が選択される(ステップS1310)。
そして、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数と、に基づいて当否判定が行われる(ステップS1311)。なお、ステップS1311における大当たり判定は、特別図柄当否判定手段904によって行われる。
ステップS1311における当否判定にて大当たりであると判定されると(ステップS1311におけるYES)、取得した図柄乱数に基づいて大当たりの種別を判定する(ステップS1312)。その後、大当たりの種別に応じたフラグをON状態にする(ステップS1313)。具体的には、第一大当たりであれば第一大当たりフラグをON状態にし、第二大当たりであれば第二大当たりフラグをON状態にし、第三大当たりであれば第三大当たりフラグをON状態にする。その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1316)、変動開始処理を終了する。
一方、ステップS1311における当否判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、小当たりであるか否かが判定される(ステップS1314)。ここで、小当たりに当選していると判定されると(ステップS1314におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1315)、ステップS1316に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。ステップS1314において小当たりに当選していないと判定されると(ステップS1314におけるNO)、ステップS1316に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数と、に基づいて当否判定が行われる(ステップS1311)が、これに限られない。例えば、判定テーブルと、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている当否判定用乱数のうち最も早く記憶された乱数と、に基づいて当否判定を行い、その後、シフト処理を行っても良い。このとき、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている当否判定用乱数を参照できるのは、変動開始時のみである。
[変動パターン設定処理について]
次に、変動パターン設定処理について図49に基づいて説明する。図49は、変動パターン設定処理(ステップS150)の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、当否判定結果に応じて変動パターンを設定する処理である。この処理では、先ず、複数種類の大当たりのうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1510)。ここで大当たりフラグがON状態であると(ステップS1510におけるYES)、大当たりの種別に対応する変動パターンに設定する(ステップS1520)。具体的には、第一大当たりフラグがON状態であれば第一大当たりに対応する変動パターンに設定し、第二大当たりフラグがON状態であれば第二大当たりに対応する変動パターンに設定し、第三大当たりフラグがON状態であれば第三大当たりに対応する変動パターンに設定する。そして、その後、ステップS1560に進んで変動時間値をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)したのち、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS1510において、いずれの大当たりフラグもON状態でないとき(ステップS1510におけるNO)、小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1530)。ここで、小当たりフラグがON状態であると(ステップS1530におけるYES)、小当たりに対応する変動パターンに設定し(ステップS1540)、ステップS1560に進み、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)して変動パターン設定処理を終了する。
ステップS1530において、小当たりフラグがON状態でないとき(ステップS1530におけるNO)、当否判定結果が大当たりおよび小当たりのいずれにも当選していない外れである判断し、外れに対応する変動パターンに設定し(ステップS1550)、ステップS1560に進み、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)して変動パターン設定処理を終了する。
なお、この変動パターン設定処理において設定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器84における複数のLEDの点灯パターンによって表示される。
[変動中処理について]
次に、図50に基づいて、変動中処理について説明する。図50は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、特別図柄表示器84が変動中であれば変動中であると判断される。特別図柄が変動中でなければ(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。具体的には、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。ここで、変動時間が経過していなければ、変動時間が経過するまで待機する(ステップS1802におけるNO)。変動時間が経過すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、特別図柄表示器84において、特別図柄抽選手段900の抽選結果を導出表示する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、複数の大当たり種別のうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、いずれかの大当たり遊技を開始するか否を判断する。いずれかの大当たりフラグがON状態であると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。いずれの大当たりフラグもON状態でなければ(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、小当たり遊技を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがON状態であると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理について]
次に、図51に基づいて、大当たり遊技開始処理について説明する。この大当たり遊技開始処理では、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。上述のように、大当たり遊技が実行されているときは確変機能が作動しないため、確変機能が作動している場合には、確変機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、ステップS2001において確変機能が作動していないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、ステップS2002をスキップしてステップS2003に進む。
ステップS2003では、開放延長機能が作動中であるか否かを判断する。上述のとおり、大当たり遊技が実行されているときは開放延長機能が作動しないため、開放延長機能が作動している場合には、開放延長機能の作動を停止して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、ステップS2003において開放延長機能が作動していないと判断すると(ステップS2003におけるNO)、ステップS2004をスキップしてステップS2006に進む。
ステップS2005では、長開放大当たりであるか否かを判断する。具体的には、第一大当たりまたは第三大当たりが発生し、長開放大当たりフラグがON状態であれば長開放大当たりであると判断し(ステップS2005におけるYES)、長開放大当たり遊技時におけるラウンド回数(例えば15ラウンド)、1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば30sec)および最大入賞数(例えば9球)をセットする(ステップS2006)。そして、その後、ステップS2008に進んで処理フラグを「5」に更新し、大当たり遊技開始処理を終了する。
一方、第二大当たりが発生したときには、ステップS2005において、短開放大当たりがON状態であれば長開放大当たりではなく短開放大当たりであると判断し(ステップS2005におけるNO)、短開放大当たり遊技時におけるラウンド回数(例えば2ラウンド)、1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば0.6sec)および最大入賞数(例えば3球)をセットし、ステップS2008に進む。
ステップS2006では、大当たり遊技時におけるラウンド回数(例えば15ラウンド)、1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば30sec)および最大入賞数(例えば9球)をセットする。そして、その後、ステップS2008に進んで処理フラグを「5」に更新し、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり遊技開始処理について]
次に、図52に基づいて、小当たり遊技開始処理について説明する。この小当たり遊技開始処理では、先ず、小当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数(例えば1回)、1回当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば0.3sec)、最大入賞数(例えば3球)をセットする。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり遊技開始処理を終了する。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図53に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理について説明する。特別電動役物大当たり制御処理においては、先ず、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。大当たり遊技用開閉装置500が開放中であれば(ステップS2401におけるYES)、予めセットされた大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、ステップS2006またはステップS2007においてセットされた最大開放時間が経過したか否かを判断する。大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖して(ステップS2404)、ステップS2405に進む。
ステップS2402において大当たり遊技用開閉装置500の開放時間が経過していなければ(ステップS2402におけるNO)、予めセットされた最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、開閉装置カウントセンサ776によるカウント値が、ステップS2006またはステップS2007においてセットされた最大入賞数に達したか否かを判断する。大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、ステップS2404に進み、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖する。一方、大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が受け入れられていなければ、ステップS2402に戻る。
ステップS2405では、予めセットされたラウンド数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、ステップS2006またはステップS2007においてセットされたラウンド数に達したか否かを判断する。ここで、予めセットされたラウンド数に達していれば(ステップS2405におけるYES)ステップS2407に進み、大当たりフラグ(第一〜第三大当たりフラグのうちON状態となっているフラグ)をOFFにする。一方、予めセットされたラウンド数に達していなければ(ステップS2405におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置500の開放処理を行い(ステップS2406)、ステップS2402に戻る。
なお、ステップS2401において、大当たり遊技用開閉装置500が開放中でないと判断されると(ステップS2401におけるNO)、ステップS2405に進む。
ステップS2407において大当たりフラグをOFFにしたのち、確変機能を作動すべきか否かを判断し(ステップS2408)、確変機能を作動すべきであれば確変機能の作動処理を行う(ステップS2409)。具体的には、ステップS2407においてOFFにされた大当たりフラグが、第一大当たりフラグまたは第二大当たりフラグであれば、確変機能を作動する。即ち、大当たりの種別が、第一大当たりまたは第二大当たりであれば、確変機能を作動する。
次いで、開放延長機能を作動すべきか否かを判断し(ステップS2408)、開放延長機能を作動すべきであれば開放延長機能の作動処理を行う(ステップS2411)。その後、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2415)、特別役物大当たり制御処理を終了する。一方、ステップS2410において開放延長機能を作動させないと判断された場合(ステップS2410におけるNO)にも、ステップS2415に進んで処理フラグを「0」に更新し、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
上記ステップS2408において、確変機能を作動すべきでない当たり(第三大当たり)に当選している旨判断されたときも(ステップS2408におけるNO)、開放延長機能の作動処理を行う(ステップS2413)。そしてこの後、開放延長機能の作動回数(例えば100回)を設定した時点で(ステップS2414)、ステップS2415に進んで処理フラグを「0」に更新し、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
上述のように、本実施形態においては、第一〜第三大当たりのいずれの大当たりに当選した場合でも、開放延長機能が作動させられるが(ステップS2411,S2413)、当選した大当たりに基づいて開放延長機能を作動するか否かを決定するようにしてもよい。これにより、大当たり遊技の終了後の遊技状態をさらに多様化し、興趣の低下を抑制できる。
[特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図54に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理について説明する。特別電動役物小当たり制御処理では、先ず、ステップS2201においてセットされた最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞したか否かを判断する(ステップS2501)。最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞していれば(ステップS2501におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500が開閉中か否かを判断する(ステップS2502)。大当たり遊技用開閉装置500が開閉中であれば(ステップS2502におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖して(ステップS2503)、小当たりフラグをOFF状態にする(ステップS2509)。ステップS2502において大当たり遊技用開閉装置500が開放中でなければ(即ち閉鎖していれば)、ステップS2509に進み、小当たりフラグをOFF状態にする。そして、その後、ステップS2510に進み、処理フラグを「0」に更新して、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2501において最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞していないと判断すると、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であるか否かを判断する(ステップS2504)。ここで、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であれば(ステップS2504におけるYES)、ステップS2201において予めセットされた開放時間が経過しているか否かを判断し(ステップS2505)、開放時間が経過していれば(ステップS2505におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖する(ステップS2506)。その後、大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数が、ステップS2201において予めセットされた回数に達しているか否かを判断し(ステップS2507)、当該予めセットされた回数に達していれば(ステップS2507におけるYES)、小当たりフラグをOFFにした(ステップS2509)のち、処理フラグを「0」に更新する(ステップS2510)。ステップS2504において大当たり遊技用開閉装置500が開放中でないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、ステップS2507に進む。
なお、ステップS2505において大当たり遊技用開閉装置500の開放時間が予め定めた時間を経過していないと判断したとき(ステップS2505におけるNO)、ステップS2501に戻る。また、ステップS2507において大当たり遊技用開閉装置500の開放回数が予め定めた回数に達していないと判断したとき(ステップS2507におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置500を再び開放し(ステップS2508)、その後、ステップS2501)に戻る。
このように、予めセットされた遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞したと判断すると(ステップS2501におけるYES)、ステップS2201において予めセットされた大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数に達したか否かに拘らず、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
[遊技内容について]
次に、各遊技状態における遊技内容について説明する。
図56に示すように、演出表示装置115には、三つの数字を表す図柄からなる装飾図柄651が表示され、当該装飾図柄651の各図柄列には、1〜9の装飾図柄が順に配列されて表示される。この装飾図柄のうち、1、3、5、7および9は赤で表示され、2、4、6および8は青で表示される。以下、赤で表示される図柄を特定図柄、青で表示される図柄を非特定図柄と称する。
第一始動口600,第二始動口602,第三始動口604のうちいずれかに遊技球が入賞すると、第一特別遊技抽選手段900または第二特別図柄抽選手段910により特別図柄の抽選が行われる。通常遊技状態において、第一特別遊技抽選手段900または第二特別遊技抽選手段910による抽選処理(以下、単に「特別図柄抽選処理」と称する)にて第一大当たり、第二大当たりまたは第三大当たりに当選すると、装飾図柄が変動し、その後、ゾロ目(三つの図柄列が同じ図柄となること)で停止表示される。特別図柄抽選処理の結果は、第一特別図柄表示器84または第二特別図柄表示器86に表示されると共に、演出表示装置115において装飾図柄の停止図柄の組み合わせにより表示される。
ところで、通常遊技状態において、リーチが発生しない場合における第一特別図柄の変動時間は、第一特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(所謂保留数)によって異なっており、変動開始時における当該カウンタ値(変動開始に伴ってカウンタ値が減算されたのちの値)が3であれば概ね11secとなっている。また、当該カウンタ値が2であれば概ね6sec、当該カウンタ値が0または1であれば概ね3secとなっている。また、装飾図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間とほぼ同じである。
特別図柄抽選処理の結果が第一大当たりであるとき、装飾図柄は、特定図柄または非特定図柄のゾロ目で停止表示され、その後、第一大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。また、特別図柄抽選処理の結果が第二大当たりであるとき、装飾図柄は、所定の配列(所謂チャンス目)の特定図柄または非特定図柄が停止表示され、その後、第二大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。第一大当たりまたは第二大当たりに基づく大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は、特別図柄抽選処理にて再度大当たりに当選するまで、有利遊技状態となる。なお、詳細は後述するが、通常遊技状態時における特別図柄抽選処理の結果が第一大当たりに基づく大当たり遊技開始の際に、大当たり遊技中の演出モードの抽選が行われ、大当たり遊技開始により、抽選結果に基づいて各演出モードに移行する。
一方、上記特別図柄抽選処理の結果が第三大当たりであるとき、装飾図柄は、非特定図柄のゾロ目で停止表示され(特定図柄のゾロ目で停止表示されることはない)、その後、第三大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。
特別図柄抽選処理の結果が第二大当たりであったことに基づく大当たり遊技が終了した後は、有利遊技状態となる。特別図柄抽選処理の結果が第三大当たりであったことに基づく大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は、時短遊技状態である。このように、第一大当たり、第二大当たりおよび第三大当たりのいずれの結果に基づく大当たり遊技であっても、終了したのちの遊技状態は時短遊技状態または有利遊技状態であり、可動片606は促進態様で作動するため、通常遊技状態と比較して第三始動口604への遊技球の入賞頻度が大幅に増加する。
本実施形態のパチンコ機1の大当たり遊技中に演出表示装置115にて行われる演出には、「確変継続モード」、「通常ラウンドモード」及び「昇格モード」の3通りがあり、特別図柄抽選処理の結果が第一大当たりであったときには、「確変継続モード」または「昇格モード」が表示され、第二大当たりであったときには、「確変継続モード」が表示される。一方、第三大当たりであったときには、「通常ラウンドモード」が表示される。
「確変継続モード」は、大当たり遊技終了後に有利遊技状態となること、すなわち確変機能及び時短機能が作動することを示す演出であり、大当たり遊技終了後にさらに大当たりを得られると遊技者に予期させ、興趣の低下を抑制することができる。一方、「通常ラウンドモード」は、大当たり遊技終了後に時短機能は作動するものの、確変機能は作動しない時短遊技状態となることを示す演出であるが、後述する「昇格モード」と同様に、確変機能が作動する可能性があることを示唆する昇格演出が行われる場合がある。実際には、「通常ラウンドモード」の場合には、大当たり遊技の終了後は必ず時短遊技状態になる。「昇格モード」は、外見上は「通常ラウンドモード」と区別がつかない演出であり、「通常ラウンドモード」と同様に、時短遊技状態となることを示す演出であり、確変機能が作動する可能性があることを示唆する昇格演出が行われる場合がある。実際には「昇格モード」の場合は、大当たり遊技の終了後は必ず確変機能が作動する。また、「昇格モード」においては、「通常ラウンドモード」とは異なり、大当たり遊技の各ラウンドに先立って行われる昇格演出実行抽選の結果に基づいて「昇格モード」から「確変継続モード」へと移行する可能性がある。「昇格モード」において、当初は「通常ラウンドモード」であるかのような演出であったのが、昇格演出実行抽選の結果に基づいて「確変継続モード」に移行することで、大当たり遊技終了後は確変機能が作動することを報知し、遊技者の次の大当たりに対する期待感を大幅に高め、興趣の低下を防止することができる。また、「昇格モード」が、当初は「通常ラウンドモード」と区別困難であることにより、実際には「通常ラウンドモード」であった場合にも、遊技者に「確変継続モードに移行するのではないか?」と期待感を高め、遊技に対する意欲の低下を抑制することができる。
特別図柄抽選処理の結果が第一大当たりであった場合には、大当たり遊技に先立って、周辺制御基板810(図41参照)においてラウンド演出モード抽選が行われ、演出モードとして「昇格モード」または「確変継続モード」が選択される。該ラウンド演出モード抽選の結果、「昇格モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、「昇格モード」の演出で開始される。また、「確変継続モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、当初から「確変継続モード」において開始され、大当たり遊技が終了するまで「確変継続モード」が継続する。「昇格モード」の場合には、先述のように、大当たり遊技中に「確変継続モード」に移行する可能性がある。
特別図柄抽選処理が行われ、結果が第二大当たりであった場合には、大当たり遊技中は常に「確変継続モード」の演出が行われる。第二大当たりのときの短開放大当たり遊技は、長開放大当たり遊技とは異なり、大当たり遊技用開閉装置500が2ラウンドのみ作動するため、大当たり遊技用開閉装置500が15ラウンドの間作動する第一大当たり及び第三大当たりに当選した場合よりも遊技者が得られる利益は小さなものとなるが、「確変継続モード」の演出とともに大当たり遊技が進行し、大当たり遊技終了後は有利遊技状態となるため、遊技者の次回の大当たりに対する期待感を維持し、興趣の低下を抑制することができる。また、第二大当たりによる短開放大当たり遊技は、大当たり遊技用開閉装置500がごく短い時間(例えば0.3秒)だけ開閉し、一般に「突然確変大当たり」と呼ばれるものとは異なり、各ラウンドにおいて遊技球を大当たり遊技用開閉装置500に所定数まで入球させて賞球を容易に得ることができるので、突然確変大当たりを引いた場合のように、大当たり遊技に当選したにも関わらず、賞球がほとんど得られないとして遊技者が不満を抱く虞を低減させることができる。
特別図柄抽選処理が行われ、結果が第三大当たりであった場合には、大当たり遊技中は「通常ラウンドモード」の演出が行われる。第三大当たりの場合は、大当たり遊技終了後は確変機能が作動しないため、大当たりが数珠繋ぎになって発生する可能性は、確変機能が作動する場合と比較して1/10に留まる。「通常ラウンドモード」は、確変機能が作動しないことを示すため、大当たり遊技の終了を予告するものでもある。しかし、「昇格モード」と同様の昇格演出が行われる場合があり、遊技者に「確変継続モード」への移行及び確変機能の作動による次回の大当たりへの期待感を持たせて、興趣の低下を抑制することが可能である。
第一大当たりに基づく大当たりが行われ、「昇格モード」の演出が選択されていた場合は、大当たり遊技において各ラウンド開始時に昇格演出を行うか否かについて昇格演出実行抽選が行われる。昇格演出実行抽選の結果、昇格演出が選択された場合には、当該ラウンド中に昇格演出が行われ、その後のラウンドは「確変継続モード」の演出に切り換えられる。昇格演出実行抽選は、昇格演出が行われて「確変継続モード」に移行しない限り、最終ラウンドのひとつ前のラウンド、すなわち、本実施形態においては14ラウンドまで毎ラウンド行われる。14ラウンド以前に昇格演出が行われなかった場合には、15ラウンドにおいては昇格演出実行抽選は行われず、「昇格モード」が継続する。この場合には、15ラウンド終了後に確変機能作動を報知する演出が表示される。
大当たり遊技が終了すると、「確変継続モード」または「昇格モード」であった場合には、有利遊技状態で遊技が再開される。この場合には時短機能及び確変機能が作動することが明白となっており、遊技者はまもなく、再度大当たりが発生することを期待して遊技を行うことができる。
一方、「通常ラウンドモード」であった場合には、時短遊技状態で遊技が再開される。この場合には時短機能は作動するが、確変機能は作動しないため、遊技者は、限られた有利性を得たものと認識し、有利性を喪失する不安と大当たりに対する期待とが入交じった状態で遊技を行う。なお、この場合の時短機能は、特別図柄抽選処理が100回行われる間に限定されて作動する。時短機能の作動が終了すると、通常遊技状態へと戻る。
ところで、通常遊技状態にて演出表示装置115に表示された装飾図柄が特定図柄のゾロ目であれば、その時点で第一大当たりに当選したことを把握できる。また、演出表示装置115においては「確変継続モード」の演出が行われる。これにより、第一大当たりによる長開放大当たり遊技終了後の遊技状態が有利遊技状態となることを把握できるので、遊技者に大きな期待感を与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
一方、通常遊技状態にて演出表示装置115に表示された装飾図柄が非特定図柄であれば、この段階ではいずれの大当たりに当選したのかを把握することはできない。ただし、演出表示装置115に表示された装飾図柄が非特定図柄であったとしても、第三大当たりに当選していれば、大当たり遊技中、または大当たり遊技終了時に第三大当たりであったことが報知される。従って、遊技者は、「昇格モード」に突入するのではないかといった期待感を抱きながら大当たり遊技を実行することとなるので、単調となりがちな大当たり遊技中における興趣の低下を抑制できる。
第一大当たりに当選して「昇格モード」が選択された場合には、装飾図柄は非特定図柄であって、大当たりに当選した段階では演出表示装置115の表示によっては第一大当たりと第二大当たりとの区別をつけることができないが、特別図柄表示器84に表示された特別図柄によって、いずれの大当たりに当選したのかを確認することが可能である。
また、遊技状態に拘らず特別図柄抽選処理の結果が第二大当たりであるとき、本実施形態では、演出表示装置115においてゾロ目が表示されずにチャンス目が表示され、短開放大当たり遊技を実行する。先述のように短開放大当たり遊技のときは、大当たり遊技用開閉装置500は2ラウンドのみ開閉されるため、第一大当たり及び第三大当たりと比較して大幅に少ない賞球が払い出されるに留まる。これにより、大当たり遊技における平均賞球数を低減させ、過大な賞球払出しが生じる虞を抑制することができる。短開放大当たり遊技において、遊技者は得られる賞球が少ないと感じやすいが、第二大当たりによる短開放大当たり遊技終了後の遊技状態は有利遊技状態となるので、次回の大当たり遊技への期待感を持続させ、興趣の低下を抑制することができる。また、従来のパチンコ機における「突然確変」大当たりでは、大当たり遊技用開閉装置500が極めて素早く開閉するために賞球がほとんど期待できず、遊技の興趣を損ない、大当たりを報知する演出中や大当たり遊技中に遊技者が遊技球の打ち出しを止めてしまう虞があったが、短開放大当たり遊技は、大当たり遊技用開閉装置500に対する所定数の遊技球の入賞が期待できるため、遊技球を打ち出して大当たり遊技を楽しむことができる。これにより、2ラウンドという短い大当たり遊技ではあるが、遊技者の遊技に対する意欲をさらに持続させることができる。
[特別図柄の変動時間について]
ところで、第一特別図柄および第二特別図柄は、いずれも、開放延長機能が作動しているか否かによって変動時間が異なる。また、開放延長機能が作動していない場合には、リーチが発生しない場合における第一特別図柄の変動時間は第一特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(所謂第一保留数)に応じて異なっており、同様に、リーチが発生しない場合における第二特別図柄の変動時間は第二特別図柄保留カウンタ913によるカウンタ値(所謂第二保留数)に応じて異なっている。
具体的には、開放延長機能が作動しない通常遊技状態において、リーチが発生しない場合における第一特別図柄の変動時間は、変動開始時における第一特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(当該変動を開始することに伴ってカウンタ値が減算されたのちのカウンタ値)が3であれば概ね11secとなっている。また、当該カウンタ値が2であれば概ね6sec、当該カウンタ値が0または1であれば概ね3secとなっている。また、リーチが発生しない場合における第二特別図柄の変動時間も、第一特別図柄の変動時間と同様に、変動開始時における第二特別図柄保留カウンタ913によるカウンタ値(当該変動を開始することに伴ってカウンタ値が減算されたのちのカウンタ値)が3であれば概ね11secとなっている。また、当該カウンタ値が2であれば概ね6sec、当該カウンタ値が0または1であれば概ね3secとなっている。なお、リーチが発生する場合における第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、当該リーチの態様によって変動時間が決まる。
一方、開放延長機能が作動する有利遊技状態または時短遊技状態において、リーチが発生しない場合における第一特別図柄の変動時間は、第一特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値に拠ることなく概ね2secとなっている。また、リーチが発生しない場合における第二特別図柄の変動時間も、第一特別図柄の変動時間と同様に、第二特別図柄保留カウンタ913によるカウンタ値に拠ることなく概ね2secとなっている。
このように、開放延長機能が作動している場合と作動していない場合とでは、特別図柄の変動時間が顕著に異なっている。また、この特別図柄の変動時間は外部的に把握できるので、遊技者は、特別図柄の変動時間に基づいて、自己にとって有利な遊技状態であるか否かを判断することとなる。従って、遊技者は、有利遊技状態または時短遊技状態であれば遊技を継続する意欲が向上する一方、通常遊技状態であれば遊技を継続する意欲を喪失する場合もある。
図41及び図55に基づき、演出表示装置115及び発光装置ユニット80の制御について説明する。図55は、連動制御テーブルの一例を示す説明図である。
図41に示すように、周辺制御基板810に搭載されたROM812には、演出表示装置115に導出する表示態様を決定するための表示態様テーブル891と、発光装置ユニット80の発光演出パターンを決定するための発光制御テーブル892と、表示態様と発光演出パターンとの組み合わせを決定するための演出制御テーブル890とが記録されている。周辺制御基板810は、主制御基板710からのコマンドを受信すると、CPU811が受信したコマンドに対応する演出番号を決定する。CPU811は、さらに、決定された演出番号に基づき、ROM812内の演出制御テーブル890を参照し、演出表示装置115に導出する表示態様の表示パターン及び発光装置ユニット80を制御する発光演出パターンの組み合わせを決定する。決められた表示パターンに基づき、CPU811は、さらにROM812内に記録された表示態様テーブル891を参照し、演出表示装置115のに導出する表示態様の組み合わせ等の詳細な制御内容を決定し、表示装置制御基板816へとコマンドを送信する。表示装置制御基板816は、周辺制御基板810から受信したコマンドに基づいて演出表示装置115に、決定された演出態様を順次導出する。また、CPU811は、さらに発光パターンに基づき、ROM812内に記録された発光制御テーブル892を参照し、発光装置ユニット80の発光状態の継時的な制御内容を決定し、発光装置制御基板848へとコマンドを送信する。発光装置制御基板848は、周辺制御基板810から受信したコマンドに基づいて発光装置ユニット80の発光状態を制御する。
図55に示すように、演出制御テーブル890は、演出番号790に対応する表示態様791及び発光演出792の情報を格納しており、CPU811が決定した演出番号に対応する表示態様パターンと発光演出パターンとの組み合わせによる演出パターンを特定可能とする。例えば、決定された演出番号が10であった場合には、表示態様パターンは「ルーレット1」であり、発光演出パターンは「回転後半1」である演出パターンが選択される。CPU811はさらに、表示態様テーブル891を参照し、演出表示装置115に導出する表示態様を決定し、選択された表示態様パターンに基づいて表示装置制御基板816に対して演出表示装置115を制御するためのコマンドを発信する。同様に、CPU811は、発光制御テーブル892を参照して発光演出パターンに基づいて発光装置ユニット80の発光パターンを決定し、発光装置制御基板848に対して発光装置ユニット80の発光状態を制御するためのコマンドを発信する。
このようにして、演出表示装置115と発光装置ユニット80とが、演出制御テーブル890、表示態様テーブル891、及び発光制御テーブル892を介して同期して連動制御される。なお、この連動制御の詳細とその効果については後述する。
[遊技中の視覚的演出について]
次に、遊技中に演出表示装置115及び発光装置ユニット80によって行われる視覚的演出について図56〜図60を参照して説明する。図56は、通常遊技状態において行われる演出の一例を示す図であり、図57〜図60は、特別図柄変動時に行われるルーレット演出の一例を示す図である。
図56に示すように、ルーレット演出が行われない通常遊技状態にあっては、ルーレット状発光領域638と主表示領域641とが組み合わせられた演出態様637が演出表示装置115に導出される。ルーレット状発光領域638は、演出態様640におけるルーレット表示領域639とは異なり、スタート演出領域642等の多様な部分がなく、全体がポケットランプ648及び黒帯ランプ647によって構成されている。ルーレット状発光領域638は、装飾図柄の変動にともなってポケットランプ648及び黒帯ランプ647が所定のパターンで夫々に点灯及び消灯を行い、例えば、光が時計回りに順に移動していくように見えるパターンや、隣接したポケットランプ648が交互に点灯と消灯とを繰り返すパターンなど、様々な視覚的演出を行い、通常遊技状態において遊技者を退屈させてしまうことを防止する。このとき、発光装置ユニット80及びルーレット状発光領域638の対応する箇所を同等の発光状態として連動させて制御することによって、発光装置ユニット80と演出表示装置115とがあたかも一体の演出表示装置であるかのように見せることができる。これにより、遊技盤4の全体による迫力ある演出を行うことができる。
スタート演出領域642は上部中央に位置しており、各種のキャラクター等が登場して遊技の進行について説明したり、大当たりの可能性を遊技者に知らせる予告演出等が表示される扇形の領域である。ポケットランプ648は、細い短冊状の領域であり、「点灯」状態を表す明るい色で示される場合と、「消灯」状態を表す暗い色で示される場合とがある。ポケットランプ648は3個が1組となって配設される。黒帯ランプ647は、大部分が黒っぽい色で示される短冊状の領域であり、ポケットランプ648等の他の領域を区切る位置に規則的に表示されている。また、黒帯ランプ647は、発光装置ユニット80の模様に対応した位置に表示される。
なお、「点灯」とは、ポケットランプ648がルーレットの盤面状に円環状に配された発光装置を模した態様であることから、ポケットランプ648が暗い態様から明るい態様へと変化することによって発光装置の点灯を表現することをいう。同様に「消灯」とは、ポケットランプ648が明るい態様から暗い態様へと変化することにより、発光装置の消灯を表現することをいう。これは、ポケットランプ648以外のルーレット表示領域639のすべての部分において同様である。
図57に示すように、通常遊技状態においては、発光装置ユニット80の前面が遊技領域20を透過して視認され、遊技領域20に放射状に広がる多数の直線的な模様が描かれており、全体が円周方向に連続的に配された小領域に分割されているルーレットの盤面のような外観を呈する。演出表示装置115の表示態様640は、遊技領域20に見えているルーレット状の模様に対応したものとなっており、中央部の略円形の主表示領域641に装飾図柄651が表示され、ルーレット表示領域639が主表示領域641の周囲を囲む。ルーレット表示領域639は、ルーレットのポケットを想起させる形状であり、発光装置を模した多数のポケットランプ648と、ポケットランプ648とほぼ同等の形状であり、幅広の濃色の帯状の模様を呈する黒帯ランプ647と、ポケットランプ648と比較してやや広めの扇形の領域であり各種のキャラクター等が表示されるスタート演出領域642と、期待感を高める演出の開始を示唆する発展報知部646と、段階的に大当たりの可能性を予告するステップ表示部645と、特徴的な模様等の表示によって大当たりの可能性が高まっていることを示唆するチャンス予告部644と、大当たりを示唆する「V」の字が表示される大当たり予告部643とが、所定の配列で円環状に配されて構成されている。
主表示領域641の右下方には発展報知部646が配されており、点灯状態によって期待感を高める演出の開始を示唆する。すなわち、発展報知部646が消灯状態であったら、リーチ演出等の大当たりの可能性の高まりを示す演出が行われることなくバラケ目で装飾図柄が停止して抽選結果がはずれであったことが示される。一方、発展報知部646が点灯すると、ルーレット演出がさらに進行し、大当たりを示唆する予告演出が行われたりリーチ演出が行われたりして、遊技者の大当たりに対する期待感を高める。また、図58に示すように、発展放置部646の点灯とともに吹出し状の文字やキャラクター等を表示する演出が行われ、さらに大当たりの可能性が高まっていることを示唆する場合もあり、遊技の演出にメリハリをつけることができる。
主表示領域641の左下方にはステップ表示部645が配されており、発光状態によって演出の発展パターンを示す。
チャンス予告部644は、大当たり予告部643の左下方近傍に位置しており、ポケットランプ648が全て点灯したときなどに点灯して、大当たりが発生した可能性が高いことを示唆する。
ポケットランプ648が全て点灯した後に、チャンス予告部644の発光に続いて大当たり予告部643が発光すると、ルーレット表示領域639がすべて点灯し、ルーレット演出においては最も多くの部分が発光している状態となり、遊技者の大当たりに対する期待感を大幅に高めることができる。
以下、図59及び図60に基づきパチンコ機1の視覚的演出について説明する。先述のように、通常遊技状態において演出表示装置115には、発光装置ユニット80の正面のルーレット状模様に対応した意匠のルーレット状の表示態様が表示されるときがある。ルーレット状の表示態様の例としては、図57の演出態様640及び図56の演出態様638を示すことができる。ルーレット状の表示態様によれば、所定のパターンで発光状態を制御される発光装置ユニット80と連動してルーレット状の表示態様の対応する各部が発光するように制御することで、遊技盤4を全体的にひとつの大きなルーレット状の視覚的演出装置として迫力ある視覚的演出であるルーレット演出を行うことが可能である。
ルーレット演出が行われる演出番号が選択されると、特別図柄の変動中に抽選結果及びリーチ演出開始を示唆する予告演出であるルーレット演出が開始される場合がある。ルーレット演出が始まると、スタート演出領域642以外のルーレット表示領域639の各部と、発光装置ユニット80とは全て消灯した状態となる。スタート演出領域642に右隣のポケットランプ648から、右隣へと時計回りの方向で所定のタイミングで順にポケットランプ648及び黒帯ランプ647が点灯してゆく。このとき、各ランプに対応する発光装置ユニット80の発光小領域351もまた同期して発光してゆく。従って、ルーレット演出が進行するにつれ、ルーレット表示領域639及び発光装置ユニット80の発光している範囲が拡大してゆく。以下、ルーレット表示領域639のいずれかの部分が発光するときには、発光装置ユニット80の対応する位置の発光小領域351が同期して発光する。
選択された表示態様、発光演出の組み合わせが、「早期終了」の演出パターンに相当する場合には、主表示領域641の右下方に位置する発展報知部646に隣接するポケットランプ648までのいずれかのランプが発光した時点でルーレット演出が終了し、後述する当否報知演出に移行する。
選択された表示態様、発光演出の組み合わせが、「発展失敗」の演出パターンに相当する場合には、主表示領域641の右下方に位置する発展報知部646に隣接するポケットランプ648が発光した後、発展報知部646が点滅した後に消灯してルーレット演出が終了し、リーチ演出または当否報知演出に移行する。
選択された表示態様、発光演出の組み合わせが、「2位」または「3位」の演出パターンに相当する場合には、発展報知部646に隣接するポケットランプ648が発光した後、発展報知部646は点滅状態を経て点灯し、さらに続いて発展予告表示657が表示される。その後、発展報知部646の左下の黒帯ランプ647からさらに時計回りの方向で順にポケットランプ648及び黒帯ランプ647が点灯してゆく。ステップ表示部645の右下に隣接する黒帯ランプ647が点灯した後、ステップ表示部645の「3位」と表示された部分が発光する。選択された演出パターンが「3位」であった場合には、スタート演出領域642及び主演出領域641において所定の演出態様が表示された後、ルーレット演出が終了し、リーチ演出または当否報知演出に移行する。選択された演出パターンが「2位」であった場合には、「3位」の部分の発光に続いて「2位」と表示された部分も発光した後、同様にスタート演出領域642及び主演出領域641において所定の演出態様が表示され、ルーレット演出が終了し、リーチ演出または当否報知演出に移行する。「2位」または「3位」の演出パターンの場合には、発光する範囲が扇状に次第に広がってゆき、遊技盤4の広い範囲が発光した派手な状態へと進んでいくので、遊技者の大当たりに対する期待感を大幅に高めることができる。
選択された表示態様、発光演出の組み合わせが、「1位」の演出パターンに相当する場合には、「2位」の場合と同様に進行し、ステップ表示部645の「2位」の点灯に続いて「1位」も点灯する。「1位」の点灯の後にチャンス予告部644が点灯し、大当たり予告部643が点滅する。ここで、第一大当たりまたは第三大当たりに当選していた場合には、大当たり予告部643は点滅の後に点灯するときがあるが、第二大当たりに当選していた場合及びいずれの大当たりにも当選していなかった場合には、大当たり予告部643は点滅を続ける。また、第一大当たりまたは第三大当たりに当選していた場合にも、大当たり予告部643は点滅を続ける場合がある。大当たり予告部643が点灯した後、または点滅を所定時間にわたって行った後にルーレット演出が終了し、リーチ演出または当否報知演出に移行する。「1位」の演出パターンの場合には、「2位」及び「3位」の場合よりもさらに広い範囲が点灯することに加えて、最上位を意味する箇所が点灯表示されることによって、さらに大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。
ルーレット演出、リーチ演出等の演出を経た後、第一特別図柄当否判定手段904または第二特別図柄当否判定手段914の判定によって大当たりが発生していなかった場合には、当否報知演出において抽選結果ははずれであったと示される演出が導出される。一方、大当たりが発生していた場合には、当否報知演出において抽選結果に対応した演出が導出される。すなわち、第一大当たりに当選していた場合には、装飾図柄は特定図柄のゾロ目で停止し、大当たりを報知する演出が行われる。第二大当たりに当選していた場合には、装飾図柄はチャンス目で停止して第二大当たりを報知する。第三大当たりに当選していた場合には、装飾図柄は非特定図柄のゾロ目で停止し、大当たりを報知する演出が行われる。
ところで、選択された演出パターンが「1位」以外の場合であって、第一大当たりまたは第三大当たりに当選していた場合には、当否報知演出の後に普通図柄が停止せず、「復活当たり」演出が行われ、再度当否報知演出が行われる。この「復活当たり」が行われたときの当否報知演出は、大当たりに当選したことを知らせる演出が必ず導出される。選択された演出パターンが「1位」以外の場合であって、第二大当たりに当選していた場合には、上記の「1位」の場合と同様に第二大当たりを報知する演出が行われる。
図58に示すように、演出表示装置115には常時ルーレット状の表示態様が表示されるばかりではなく、人物像653のように、遊技の進行にともなって様々な表示態様が表示される。図57に示したように、ルーレット演出が行われ、ルーレット状の演出態様が示されているときには、中央部の主演出領域641において装飾図柄の変動を表示し、あわせて各種のキャラクター等の演出を行ったり、主演出領域641を小窓に見立てるようにし、主演出領域641において様々な表示態様を表示する演出が行われることがある。これに対し、ルーレット演出において先述のように「復活当たり」の演出が行われる場合や、その他の演出の途中において図58に示すように、ルーレット状の表示態様の大部分が隠れてしまうようなキャラクターを表示したり、画面全体にルーレット状とは異なる表示態様を表示したりすると、意外な演出によって、遊技者は驚きと遊技の新展開への期待感とを覚え、遊技の興趣の低下を防止することができる。また、このとき、発光装置ユニット80の発光演出を連動させ、遊技盤4を全体的に用いてさらに迫力ある演出を行うことができる。
このように、本例のパチンコ機1によれば、一般入賞口614,615は発光装置ユニット80の前方に配設されており、遊技者側から見ると、一般入賞口614,615の周囲に発光装置の発光小領域351が展開されているように見える。これにより、一般入賞口614,615が配設された近傍において、一般入賞口614,615を囲むようにして発光装置ユニット80による発光演出を行うことができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域20の一般入賞口614,615が配設された箇所を含む範囲を後方から覆うように発光装置ユニット80を配設しつつ、遊技球が遊技領域20から球通路筒344,345,346,347を通過して遊技領域板81及び発光装置ユニット80の後方へと流下可能となるので、一般入賞口614,615の球誘導片580,581等の遊技球の流路と発光装置ユニット80とが干渉する虞を解消し、発光装置ユニット80の配設位置について自由度を高めることができる。また、一般入賞口614,615の配設位置についても自由度を高めることができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、発光小領域351は、背面反射壁353、球通路筒344〜347の球通路区画壁474,475,486,487及び側面反射壁354によって構成されており、球通路区画壁474,475,486,487が発光小領域351の一部として光を反射し発光する。発光小領域351が発光するときには球通路区画壁474,475,486,487も含めて発光小領域351全体が発光し、遊技者側から見ると眩しさのために発光小領域351内の各部の形状の視認性が低下し、一般入賞口614,615に接続する球通路筒344〜347が遊技者側からは見えにくくなっている。また、発光装置ユニット80の後方は遊技者側からは見えないため、一般入賞口614,615に入賞した遊技球が通過する球通路筒344〜347、及び流下樋525を含む排出経路を隠蔽する。これにより、遊技球の排出経路が一般入賞口614,615に接続されておらず、一般入賞口614,615が単独で発光装置ユニット80の前方に配設されているように見える外観とすることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、発光装置ユニット80は、反射区画壁352によって複数の発光小領域351として細かく区画されており、夫々の発光小領域351の形状や発光状態によって発光演出に変化をつけることによって、発光演出を多様化することができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、発光装置ユニット80から遊技者側に放射される光が拡散シート440によって拡散されており、発光演出の光を穏やかにし、遊技者が光によって不快感や疲労感を覚える虞を低減することができる。また、拡散シート440によって遊技者側から発光小領域351内部の視認が困難となる。このため、発光していないときにも球通路筒344〜347の外面を視認されにくくすることができる。発光装置ユニット80の点灯状態によらず入賞口に接続する球通路筒344〜347が見えなくなることにより、入賞口が遊技領域20に独立して配設されているかのような外観を強調し、意匠的な面白みを付与することも可能である。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域板81は透光性を有しているので、遊技領域20の後方全体が遊技者側から透過して視認可能となっており、遊技領域20の後方を略全体的に発光装置ユニット80の発光小領域351で覆うことにより、遊技領域20の略全体にわたる発光演出を行うことができる。発光装置ユニット80と演出表示装置115とを同期させ連動させて視覚的演出を行うことで、さらに迫力ある演出を行うことができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域板81及び発光装置ユニット80の後方へ流出した遊技球の流下経路を、発光装置ユニット80の反射部材350によって隠蔽することができるので、流下経路を構成する部材が視覚的演出の邪魔となる虞を低減することが可能である。このため、遊技球の流下経路が露出している場合よりも一般入賞口614,615の配設の自由度を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、一般入賞口614,615及び発光装置ユニット80の配設の自由度が高まるので、遊技領域板81の後方において各部の収まりを調整しやすくすることができる。すなわち、遊技領域板81の後方には各種の制御基板や電源基板などが収容されており、遊技盤4に配設された役物やランプ類と各基板等とを接続する電気配線も多数収容されている。また、遊技領域板81から後方へと流出した遊技球を流下させる流下樋525なども収容されており空間的な余裕が乏しいが、本構成によれば、一般入賞口614,615及び発光装置ユニット80の配設箇所の自由度が高くなっており、遊技領域板81の後方で空間的な余裕のある箇所を選んで入賞口と発光装置ユニット80とを組合わせて配設することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域板81には、球誘導片580,581が挿通され遊技球が通過可能となる大きさの孔が穿設されているが、発光装置等を遊技領域板81に嵌め込んだ場合よりも孔の大きさを小さく留めることができるので、遊技領域板81の強度が低下する虞を抑制することができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、発光装置ユニット80に加えて演出表示装置115を併用することで、より多様な視覚的演出が可能となる。例えば、演出表示装置115において規則的な明滅が表示されるときに、発光装置ユニット80では演出表示装置115とは反転したタイミングで明滅が行われるといったように、演出表示装置115の表示態様と対照的な発光演出を行うことによって視覚的演出の印象を強くしたり、演出表示装置115の表示態様に対応した発光状態を発光装置ユニット80が呈することで全体に調和が取れた落ち着いた視覚的演出を行ったりすることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、演出表示装置115による多様な視覚的演出に加えて、演出表示装置115と発光装置ユニット80とを組合わせた視覚的演出が可能であり、広い範囲に及ぶ迫力ある発光演出を行うことができる。例えば、本例の演出表示装置115よりも大型の演出表示装置を用いることで同様に広い範囲に及ぶ発光演出を行うことは可能であるが、本例のパチンコ機1によれば、演出表示装置を大型化した場合と比較してコスト上昇を抑制することができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、光源LED基板370は、発光小領域351ごとに光源であるLED416を備えているので、夫々のLED416の発光状態を発光小領域351ごとに緻密に制御することができる。これにより、発光演出を細かく制御することができ、演出表示装置115との連動による視覚的演出を、より精密に構成されたものとすることが可能である。
また、本例のパチンコ機1によれば、発光小領域351の表面が白色であり、反射した光の演色性がよく、発光演出を見栄えよくしたり、光源の発光色を多様化することができる。また、明度が高いので発光小領域351の形状を遊技者に視認されにくくすることができる。
なお、本発明の趣旨に沿うものであれば材質や形状を特に限定するものではないが、演色性や効率を考慮し、材質や形状によらず発光小領域351の表面は反射率70%以上であることが特に望ましい。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、遊技者側から見ると演出表示装置115の周囲に、演出表示装置115を囲む略円環状を呈する発光装置ユニット80が配設されており、演出表示装置115による視覚的演出に加えて、演出表示装置115の周囲において発光装置ユニット80による視覚的演出を行うことが可能である。これにより、演出表示装置115を周囲へと拡大したかのように広い範囲にわたる視覚的演出を行うことができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、球通路筒344,345,346,347により、遊技領域20に略全体的に広がる発光装置ユニット80を貫通する遊技媒体通路を形成し、その前方に一般入賞口614,615を配設することが可能であるので、広い範囲に及ぶ視覚的演出を行いながら、一般入賞口614,615の配設箇所の自由度を低下させる虞を抑制することができる。また、演出表示装置115を大型化すると著しい製造コスト上昇の虞があるのに対し、演出表示装置115を大型化せずとも発光装置ユニット80の大型化によって視覚的演出の範囲を拡大できるので、興趣の低下を抑制しつつ製造コスト上昇の虞も抑制することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、演出表示装置115と発光装置ユニット80とを連動させて制御して視覚的演出を行うことが可能であるので、演出表示装置115と発光装置ユニット80との同期を緻密にし、遊技者に「緻密に構成された演出である」「テンポのよい演出である」といった印象を与えることができる。また、遊技球の入賞口への入賞などを契機とし、遊技の進行にともなって演出表示装置115と発光装置ユニット80とを連動させて制御し、遊技の進行にあわせた演出効果をもたらす視覚的演出を行うことができる。
本例のパチンコ機1によれば、センター役物247は少なくとも一部が透光性を有する額縁状を呈しており、遊技者側から見ると、演出表示装置115の周囲を囲んでいる。センター役物247が開口部に装着されることにより、発光装置ユニット80と演出表示装置115との境界にセンター役物247が位置し、発光装置ユニット80の演出表示装置115に面した部分と演出表示装置115の周部との境界に生じる視覚的な違和感を低減させることができる。センター役物247は大部分が透光性を有する素材で形成されており、発光装置ユニット80と演出表示装置115とが視覚的に関連しているという印象をもたらすことができる。
本例のパチンコ機1によれば、演出表示装置115と発光装置ユニット80との境界部に相当する位置にセンター後部材271が配設され、境界部を隠蔽するため、境界部の視覚的な不整合が遊技者に認識されて違和感が生じる虞を抑制することができる。また、センター後部材271は表面が鏡面状となっているので、遊技者側から見たときに発光装置ユニット80の発光演出や演出表示装置115の表示態様などが映りこみやすく、不透明な部材でありながら視覚的な違和感を生じさせにくく、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、発光小領域351が演出表示装置115を囲んだ円環状に周方向に順に並んで配設されており、発光小領域351の発光状態の制御によって、演出表示装置115の周囲の特定の位置や範囲を発光させ、方向や範囲などを指し示す表示を行うことができる。また、演出表示装置115を囲む円環状の発光小領域351の配列によって、ルーレット演出のように周方向に光が動くように見える視覚的演出を行うことが可能である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、一般入賞口614,615に関して、発光装置ユニット80に球通路筒344,345,346,347が形成されているものを示したが、これに限定されるものではなく、第一始動口600,第二始動口602,第三始動口604等の始動口に対応する球通路筒が発光装置ユニット80に設けられていてもよいし、その他の入賞口が配設されている場合には、それらに対応する球通路筒を設けることにより、本例のパチンコ機1と同様の効果を得るようにすることもできる。
また、上記実施形態では、反射部材350に放射状に形成された販社区画壁352によって発光小領域351が周方向に順に並んでいるものを示したが、反射部材350の形状はこれに限定されるものではなく、例えば発光小領域351がもっと少数(例えば3個)であってもよいし、反射区画壁352は放射状ではなく同心円状に形成されていたり、不規則な形状に形成されていてもよい。また、文字やマークを表す形状に発光小領域351が形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、光源として発光小領域351内にLED416が面した光源LED基板370を備えたものを一例として示したが、これに限定されるものではなく、種々の発光手段を用いることが可能である。例えば、LEDではなく電球を用いてもよいし、発光小領域351内に光源が直接面していないものであってもよく、間接光を発光小領域351内に照射するものや、より少数のLEDとプラスティック等で形成された導光部材とを組み合わせて、離れた光源から発光小領域351内に光を導くものなどであってもよい。
また、上記実施形態では、拡散シート440によって発光装置ユニット80の前面透光部材380を覆うものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、前面透光部材380の表面形状が梨地状などの光を拡散するものであり、前面透光部材380が拡散部材を兼ねているものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。