以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜図17は、一般的な遊技機を示したものであり、本実施形態のパチンコ機1における特徴的な構成は図18〜図60に基づいて説明する。
[パチンコ機の全体構造について]
図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を閉塞し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の背面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域20を遊技者が視認し得る透明板ユニットとしてのガラスユニット190と該ガラスユニット190の下方に配置され且つ遊技の結果発生した賞球を受け入れて発射レール38の発射位置に供給する皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板6aによって被覆されている下部装飾板6が固着されており、また、詳細に図示しないが、外枠2は、上下の木製の上枠板及び下枠板と左右の軽合金(アルミニュウム)製の側枠板とを、それぞれの端部を連結するための連結部材で連結することによって方形状に組み付けられるものである。なお、外枠2の上部に設けられる上支持金具7と下部装飾板6の一側上面に設けられる下支持金具8に、本体枠3の上下に固定される上軸支金具47及び下軸支金具48とを係合することにより、本体枠3が外枠2に対して開閉自在に軸支されている。
また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、図4に示すように、その裏面に賞球を払い出すための賞球タンク50、タンクレール部材51、球通路ユニット52、及び球払出装置(球払出ユニット)53が取り付けられ、その裏面下部に発射装置57と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板395(図40参照)等が一纏めに設けられている基板ユニット54が取り付けられ、更に、本体枠3の後面開口70(図7参照)を覆うカバー体58が着脱自在に設けられている。
更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300に、ハンドルユニット318が設けられている。そして、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドルユニット318が扉枠5側である皿ユニット300に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくなっている。ここで、ハンドルユニット318が、本発明の操作ハンドルに相当する。
[本体枠について]
まず、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、発射装置57と、賞球を払い出すための賞球タンク50とタンクレール部材51と球通路ユニット52と球払出装置53と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う施錠装置60と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット54と、後面開口70を覆うカバー体58等の各種の部品が装着される本体枠3について、主として図4乃至図6を参照して説明する。図4及び図5は、前述した通りであり、図6は、本体枠3の正面図である。
遊技盤4が取り付けられる本体枠3の構成について説明すると、本体枠3は、合成樹脂によって一体的に成形されるものであり、本体枠3の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具47及び下軸支金具48が取り付けられている。この軸支金具47,48を外枠2に取り付けられる上支持金具7及び下支持金具8にそれぞれ係合することにより、本体枠3を外枠2に対して開閉自在に軸支することができる。
ところで、本体枠3は、正面から見た場合に、図6に示すように、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部30となっており、その遊技盤設置凹部30の下方のやや奥まった領域が板部32となっている。遊技盤設置凹部30の後方には、遊技盤設置凹部30の空間を形成するために後述する側面壁290〜293が後方に向って突設され、この側面壁290〜293によって囲まれる空間に、遊技盤4及び該遊技盤4に設けられる演出表示装置等の各種部品の後方突出部分が収納されるようになっている。
また、遊技盤設置凹部30を囲む前面側の前面上辺部、前面右側辺部、及び前面左側辺部には、上記した構成以外に開放側である前面右側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する施錠装置60に設けられる扉枠フック部61を貫通させて前方に飛び出させるためのフック用開口36が開設されており、また、軸支側である前面左側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部466と係合するための盤位置決め突起37が設けられている。
次に、本体枠3の前面側の構成であって遊技盤設置凹部30の下方に位置する板部32に設けられる構成について説明すると、図6に示すように、板部32の前面の中央部から開放側の端部に向かって発射レール38がビス止め固定されている。この発射レール38の先端位置に対応する板部32の前面には、レール接続部材44が突設され、遊技盤設置凹部30に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の外レールユニット472の下流端である接続通路部477と隣接するようになっている。レール接続部材44の側方位置(発射レール38と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具46が回動自在に取り付けられている。この遊技盤固定具46は、前記遊技盤設置凹部30に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具46を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。一方、遊技盤4を取り外す場合には、遊技盤固定具46を反時計方向に回すことにより、遊技盤4の下部の固定の解除を簡単に行うことができる。更に、遊技盤固定具46の軸支側の側方に賞球払出ストッパー機構39が設けられている。この賞球払出ストッパー機構39は、球払出装置53から払出された賞球を扉枠5側の皿ユニット300に払い出す賞球通路の途中に設けられるもので、扉枠5を開放したときに、自動的に賞球通路を閉塞して賞球通路から外部に球がこぼれ落ちないようにする一方、扉枠5を閉じたときに自動的に賞球通路を連通させて球払出装置53から払出された賞球を皿ユニット300に払い出すものである。なお、発射レール38の発射位置の上方の板部32には、遊技盤4に形成される締結部469と図示しない締結具で締結するための締結穴41が形成されている。ここで、球払出装置53が、本発明の払出装置に相当する。
また、板部32の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部40が形成されており、この発射装置取付部40に本体枠3の裏面から発射装置57が固定されている。また、発射装置取付部40の前面壁部分には、扉枠5の裏面側に取り付けられるスライドユニット230のスライド係脱片231(図1参照)が挿入されるハンドル連結窓40aが形成され、扉枠5を閉じたときに後述するスライド係脱片231がハンドル連結窓40aに挿入されて扉枠5の下部前面に設けられるハンドルユニット318と発射装置57とが連携されて、ハンドルユニット318の回動操作量に応じた強さで発射装置57の弾発力を調節することができるようになっており、それによって発射レール38の発射位置にある球を弾発して遊技領域20の所望の位置に打ち出すことができる。
本体枠3の前面構造は、概ね上記した通りであるが、次に、主として図4を参照して本体枠3の裏面構造について説明する。図4に示すように、本体枠3の裏面上部には、賞球又は貸球として払い出すための球を貯留する賞球タンク50が着脱自在に装着され、その賞球タンク50の下方に該賞球タンク50からの球を横傾斜状に誘導するタンクレール部材51が配置され、さらにタンクレール部材51の流下端から下方に向けて球通路ユニット52及び球払出装置53が設けられている。タンクレール部材51は、賞球タンク50からの球を前後方向に2列に整列させながら下流側に誘導するものであり、そのタンクレール部材51の下流端から球通路ユニット52に球が移動する際に1列となって球通路ユニット52内を落下する。そして、球通路ユニット52から球払出装置53に導かれた球は、次に説明する払出制御基板ボックス55に収納される払出制御基板720(図40参照)によって実行される払出制御プログラムに応じて所定個数の賞球や貸球を払出し、その払出した球を扉枠5の前面側に設けられる皿ユニット300に排出するようになっている。なお、球払出装置53には、詳細に図示しないが払出モータと該払出モータによって回転駆動されて球を1個単位で払い出す回転払出部材が設けられている。
更に、本体枠3の裏面には、その下部に基板ユニット54が取り付けられている。この基板ユニット54には、払出制御基板ボックス55、外部端子板56、電源基板ボックス(図示しないが払出制御基板ボックス55及び外部端子板56の奥側に固定されている。)等の遊技盤4に設けられない基板ボックスが集約して設けられている。つまり、遊技盤4が交換されても交換する必要のない制御基板を収納する基板ボックスが集約して設けられるものである。そして、遊技盤4を遊技盤設置凹部30に収納設置した際に、遊技盤4側に設けられる主制御基板と基板ユニット54に設けられる基板であって主制御基板と接続する必要のある基板との電気的な接続が自動的に行われるようになっている。上記した基板ユニット54の下方であって前記発射装置取付部40には、ユニット化された発射装置57が取り付けられている。さらに、本体枠3の前述した側面壁290〜293の後端に沿って形成される後面開口70には、カバー体58が開閉自在に設けられている。このカバー体58は、遊技盤4の後方部の全域を覆うものであり、このカバー体58を取り付けて閉じた状態では、図5に示すように、パチンコ機1の最も後方へ突出している前記タンクレール部材51の後端部とほぼ同一垂直面となるように形成されている。
また、本体枠3の開放側裏面には、施錠装置60が固定されている。この施錠装置60は、本体枠3の外枠2に対する施錠、及び扉枠5の本体枠3に対する施錠の両方の施錠を行う、所謂W錠といわれるものであり、この施錠装置60から本体枠3の前方に向けて複数(本実施形態においては3個)の扉枠フック部61とシリンダー錠62(共に図1参照)とが突出するように設けられている。
次に、遊技盤設置凹部30の構成について説明する。図7は、部品を取り付ける前の本体枠3の側面図であり、図8は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図である。遊技盤設置凹部30は、正確には、図7及び図8に示すように、上辺部と開放側の一部に遊技盤4を収納しない前向きの鍔面部分があり、上辺部の鍔面部分には特に何も形成されていないが、開放側の鍔面部分には、施錠装置60の扉枠フック部61が貫通するフック用開口36が上中下の3箇所開設されている。つまり、開放側の鍔面部分の裏面に施錠装置60が固定されている(図4参照)。
しかして、遊技盤設置凹部30は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁290と、該第一側面壁290から後方に周設される第二側面壁291と、該第二側面壁291から後方に周設される第三側面壁292と、該第三側面壁292から後方に周設される第四側面壁293、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第一側面壁290〜第四側面壁293は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁290から第四側面壁293に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図5参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁290から第四側面壁293までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁293の最後端部が外枠2の側枠板の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側面壁290から第四側面壁293までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第一側面壁290に沿って施錠装置60が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁290の後端辺に設けられる錠取付穴(図示外)を利用して行うため、その錠取付穴(図示外)を形成するためにも開放側の第一側面壁290から第四側面壁293を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁290〜第四側面壁293の段差の寸法も、第一側面壁290と第二側面壁291との段差は、遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。
そして、上記した側面壁290〜293は、図7に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約90mmとなっている。特に、第一側面壁290の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。特に、本実施形態の場合には、次に説明するように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を占めるような演出表示装置115等が取り付けられている場合においても、そのような各種部品による後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、第四側面壁293の後端辺からは背面から見てその左辺、上辺及び右辺に、左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296がそれぞれ内側に向かって突設されている。右後面壁296は、その前面が平板状となっており、その後面に球通路ユニット52と球払出装置53とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、右後面壁296の内側への突出幅は、球通路ユニット52と球払出装置53とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁295は、その前面が平板状となっており、その後面にタンクレール部材51が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁295の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材51の高さ幅寸法があれば充分である。更に、右後面壁296には、その前面が平板状となっており、その後面にカバー体58を軸支するカバー体支持筒部280が形成されている。したがって、右後面壁296の内側への突出幅は、カバー体支持筒部280を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁293の後端辺から内側に向かって突設される左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁291と第三側面壁292と第四側面壁293とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を占めるような演出表示装置115等が取り付けられている場合においても、そのような各種部品による後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、左後面壁294、上後面壁295及び右後面壁296の内側は、後面開口70となっており、この後面開口70がカバー体58(図4参照)によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
[扉枠について]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、扉枠5の背面図であり、図10は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図11は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図9乃至図11に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドルユニット318が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金160が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット190が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記ハンドルユニット318に対応するスライドユニット230、装着台220、及び枠装飾中継端子板240がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット190の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー210も装着されている。
扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、スピーカ144a,144bを貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方にガラスユニット190の止め片194を係止するための止めレバー108が回動自在に設けられている。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋431(図16及び図17参照)が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに側面開口蓋383(図16及び図17参照)を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット226を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りに前記シリンダー錠62が貫通するための錠穴106が開設されている。また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にスライドユニット230を取り付けるためのスライドユニット装着凹部107が形成されている。同じく、下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右に、ガラスユニット190の掛止突片195を掛け止めるための係合受片(図示外)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー210の装着弾性片213が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って皿ユニット300の案内穴436(図17参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝42,43(図1参照)とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について主として図12乃至図14を参照して説明する。図12は、扉枠5の前面側に取り付けられる扉レンズユニット120の正面から見た分解斜視図であり、図13は、扉レンズユニット120のレンズカバー140と皿ユニット300に設けられるレンズカバー309との関係を示すパチンコ機1の正面斜視図であり、図14は、スピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bを構成する部材のうち、LEDに照射される部材を取り除いた場合の扉枠5の正面図である。
図12乃至図14に示すように、扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタ122,130a,130bと、該リフレクタ122,130a,130bの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管132,134a,134b及びLED基板137,138a,138bと、前記リフレクタ122,130a,130bの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー140と、該レンズカバー140に取り付けられるスピーカ144a,144bと、前記レンズカバー140のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズベース体121は、平面視で前方が円弧で後方が直線の後面が開放した内部中空の三角形状に合成樹脂によって形成され、その中空内部に冷陰極管132,134a,134bに高電圧の電流を供給するインバータ基板136が収納固定されている。また、レンズベース体121の前面及び底面に当接するように断面L字状の上リフレクタ122が取り付けられている。この上リフレクタ122は、白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されており、この白色着色樹脂によって反射率を高めた表面を有するものとしている。つまり、上リフレクタ122の表面は、上冷陰極管132及びLED137aから発せられた光を反射する反射面となっている。次に説明する側方リフレクタ130a,130bも同様に白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されている。ところで、上リフレクタ122の両端部に、上冷陰極管132の両端を支持するための電極支持部125が形成され、さらに上リフレクタ122の前面に適宜間隔を置いて上冷陰極管132を支持するために先端部がU字状に形成された陰極管支持片123が突設されている。これは、上冷陰極管132の中央が屈曲された「く」字状に屈曲して形成されているので、中央の屈曲部に応力がかかって破損しやすいため、両端の電極支持部125だけではなく適宜間隔を置いて陰極管支持片123で支持し、しかも、上冷陰極管132を陰極管支持片123に支持する際には、耐熱性ゴムパッキン(図示外)に挟んで上冷陰極管132が動かないように支持することにより、より破損し難い支持構造とすることができる。また、両端の電極支持部125は、上方が開放されていると共に、内側に向いている周壁に上冷陰極管132の端部を受け入れるように一辺が開口した電極挿入孔(図示外)が形成されており、この電極挿入孔に上冷陰極管132の配線が接続された端部に取り付けられた弾性変形し得るゴム製スリーブ133を開口部分の対面方向である上方から挿入し、その後、電極支持部125の上方から電極蓋127を嵌め込むことにより、上冷陰極管132を上リフレクタ122の前面に装着することができる。このように上リフレクタ122の両端部にゴム製スリーブ133を装着し、そのゴム製スリーブ133部分を電極支持部125の電極挿入孔(図示外)に遊嵌状態で支持させることにより、上冷陰極管132が衝撃等により振動しても、ゴム製スリーブ133がその振動を吸収する際に、上冷陰極管132の端部が電極支持部125の部分で揺動あるいは摺動して破壊応力が弱められるので、電極支持部125部分及び上冷陰極管132の屈曲部での上冷陰極管132の破損を防止することができる。なお、上リフレクタ122の左右端には、スピーカ144a,144bを貫通させるスピーカ貫通穴128a,128bが形成されている。
上記の上リフレクタ122の両端に側方リフレクタ130a,130bが垂下するように連結されている。この側方リフレクタ130a,130bも上リフレクタ122と同様に白色に着色されたポリカーボネート樹脂で形成されており、この白色着色樹脂によって反射率を高めた表面を有するものとしている。つまり、側方リフレクタ130a,130bの表面は、側方冷陰極管134a,134b及びLED138cから発せられた光を反射する反射面となっている。側方リフレクタ130a,130bの前方に取り付けられる側方冷陰極管134a,134bは、直線状のものであるため、その側方冷陰極管134a,134bを支持する電極支持部131a,131bが、側方リフレクタ130a,130bの上下端部の2箇所に形成されている。もちろん、電極支持部131a,131bに側方冷陰極管134a,134bが支持される際には、上冷陰極管132と電極支持部125との関係を同じように、側方冷陰極管134a,134bの端部にゴム製スリーブ135a,135bが装着され、そのゴム製スリーブ135a,135bが電極支持部131a,131bに当接して支持されるようになっている。これにより、側方冷陰極管134a,134bが振動しても破損し難い支持構造とすることができる。
上記した上リフレクタ122及び側方リフレクタ130a,130bの内側(遊技窓101を縁取る位置)には、多数のLEDが実装されたLED基板137,138a,138bが取り付けられている。このLED基板137,138a,138bに実装されるLED137a,138c(LED基板138a,138bに実装されるLEDを同じ符号の138cと表示する。)によって次に説明するレンズカバー140の内周面が装飾される。
上記したレンズベース体121と上冷陰極管132及び側方冷陰極管134a,134bが装着された上リフレクタ122及び側方リフレクタ130a,130bとは、レンズカバー140の裏面側に固定される。レンズカバー140は、前記レンズベース体121と上冷陰極管132が装着された上リフレクタ122に対応する上レンズカバー部141と、前記側方冷陰極管134a,134bが装着された側方リフレクタ130a,130bに対応する側方レンズカバー部142a,142bとが透過性の樹脂によって形成されている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部141及び側方レンズカバー部142a,142bは、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部141,142a,142bの下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部(図示外)を連結して構成されるものである。そして、この赤色レンズ部(図示外)を前記上LED基板137及び側方LED基板138a,138bに直線状に実装される複数のLED137a,138cによって照明するものである。
ところで、上レンズカバー部141は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管132とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部141の楔状先端部外側には、銀色に着色された先頭レンズ部141cが接着されており、上レンズカバー部141のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管132で照明している。また、側方レンズカバー部142a,142bは、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部141と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部141に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管134a,134bとその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、側方レンズカバー部142a,142bの楔状先端部外側には、銀色に着色された先頭レンズ部142cが接着されており、側方レンズカバー部142a,142bのほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を側方冷陰極管134a,134bで照明している。
上記した実施形態においては、リフレクタ122,130a,130bによって区画される空間に配置される発光源として、冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cとし、それぞれに対応するレンズカバー141,142a,142bとして色彩の異なる合成樹脂で成形して連結しているので、レンズカバー141,142a,142bを冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cとによって好適に照射される構造及び色彩で成形することができるものである。もちろん、種類の異なる発光源として、冷陰極管132,134a,134bとLED137a,138cの組み合わせに限らず、両者ともLEDとして構成してもよい。
また、レンズカバー140の上レンズカバー部141と側方レンズカバー部142a,142bとの連結部分には、スピーカ144a,144bを取り付けるためのスピーカ取付穴143a,143bが穿設されている。スピーカ144a,144bは、スピーカコーン145aが前面に設けられるものであり、そのスピーカコーン145aを支持するコーン支持体を取付部材(図示しない)によってスピーカ取付穴143a,143bの裏面から取り付けるようになっている。また、スピーカ取付穴143a,143bの前面は、網目状カバー147a,147bがその前面に取り付けられたスピーカカバー146a,146bによって覆われている。このようにスピーカ144a,144bの前面は、網目状カバー147a,147b(パンチングメタル)を有するスピーカカバー146a,146bによって覆われている。
更に、レンズカバー140の側方レンズカバー部142a,142bの下方に装飾部材取付領域148a,148bが形成され、その装飾部材取付領域148a,148bに装飾部材149a,149bが取り付けられている。この装飾部材149a,149bは、上記したスピーカカバー146a,146bと類似した形状にして、レンズカバー140を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー140の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。
ところで、上記したスピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bは、上記したように単にスピーカ144a,144bの前方を覆ったり、あるいはレンズカバー140の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。この構造について説明する。まず、スピーカカバー146a,146bについて説明する。スピーカカバー146a,146bは、合成樹脂で平板状に成形されたカバーベース板151の裏面にLED基板152を密着させる一方、カバーベース板151の前方にスピーカ枠154を内蔵した状態で図示外のインナーレンズや前面レンズで覆い、前面を網目状カバー147a,147bで閉塞する構成となっている。
次に、装飾部材149a,149bについて説明する。装飾部材149a,149bは、合成樹脂で平板状に成形された装飾ベース板155の裏面にLED基板156を密着させる一方、装飾ベース板155の前方に装飾枠158を内蔵した状態で図示外のインナーレンズや装飾レンズで覆い、前面を装飾板159a,159bで閉塞する構成となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー146a,146b及び装飾部材149a,149bは、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管132,134a,134b及びLED基板137,138a,138b(図40の枠装飾ランプ842に相当)による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
次に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金160について、図10及び図11を参照して説明する。補強板金160は、図10及び図11に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金161と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金162と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金163と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金164と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
上側補強板金161は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した上折曲突片165、下折曲突片166となっている。この上折曲突片165及び下折曲突片166は、本体枠3の上部防犯二重溝33(図6参照)に嵌合されるものである。軸支側補強板金162も、所定幅を有して扉枠本体100の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲されているが、内側の軸支側短折曲突片172は極めて短く、外側の折曲突片が折曲部から先がL字状に形成された軸支側L字状折曲突片167となっている。この軸支側L字状折曲突片167は、そのL字状に曲がった先端部が前述した本体枠3の軸支側の延設された軸支辺部49の内側に当接するようになっている。開放側補強板金163は、所定幅を有して扉枠本体100の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した開放側外折曲突片173、開放側内折曲突片174となっている。開放側外折曲突片173は、前述した本体枠3の側部防犯溝34(図6参照)に挿入されるものであり、開放側内折曲突片174は、本体枠3の防犯凹部35(図6参照)に挿入されるものである。また、開放側補強板金163の上部、中間部、下部に施錠装置60の扉枠フック部61が侵入しえるように係合開口175が形成され、その係合開口175の裏面側を覆うように扉枠フック部61が係合するフックカバー176が固定されている。下側補強板金164は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片178となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片179となっているものの、その両側部の上折曲突片179に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片180となっている。この垂直折曲突片180は、その上端縁形状が後述するガラスユニット190のユニット枠191の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット190を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片180の上端片がガラスユニット190のユニット枠191の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝200に係合するようになっている。なお、下側補強板金164には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部177が形成されている。
<ガラスユニット>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット190について、図10及び図11を参照して説明する。ガラスユニット190は、図10及び図11に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠191と、該ユニット枠191の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板201(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより構成されるものである。ユニット枠191の斜め上部左右には、止め片194が環状の外側に向かって突設形成され、下部左右には、掛止突片195が環状の外側に向かって突設形成されている。この止め片194と掛止突片195とは、前述したように、ガラスユニット190を扉枠5の裏面に取り付けるためのものである。また、本実施形態におけるガラスユニット190は、ユニット枠191の後端面の前記止め片194の上部であってスピーカ144a,144bの側方位置と、軸支側の中間位置に外側に向って突設される防犯用突出板部199をユニット枠191と一体的に形成している。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット190の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー210について、図10及び図11を参照して説明する。防犯カバー210は、図10及び図11に示すように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金162,163の間のガラスユニット190の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レールユニット462の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部211として形成されていると共に、その当接凹部211に沿って後方に向って防犯後突片214が突設されている。また、防犯カバー210を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片215が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー210の前面には、防犯カバー210を取り付けた状態で前記ガラスユニット190のユニット枠191の下方形状に沿った防犯前突片212が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片213が前方に向けて突設形成されている。
<装着台>
装着台220は、図10及び図11に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー210と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台220は、発射レール38から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台220の後面と板部32とによって発射レール38を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台220の後面に球飛送誘導面227が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台220には、その軸支側上部に下側補強板金164に形成される賞球通過口被覆部の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口221が形成され、その開放側下部に球送りユニット226を取り付ける球送りユニット取付凹部222が形成されている。この球送りユニット取付凹部222から斜め方向の領域が前記球飛送誘導面227となっている。また、球送りユニット取付凹部222に取り付けられる球送りユニット226は、発射装置57の打球杆の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部362の流下端にある球を発射レール38の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台220の中程下部に後述する側面開口蓋383を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口223が形成されている。更に、装着台220の上辺の一部に垂直に立設される立壁224が形成されている。この立壁224は、前記防犯カバー210を取り付けたときに、該防犯カバー210の前面と当接して防犯カバー210の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
<枠装飾中継端子板>
上記した装着台220の下部の軸支側には、図10及び図11に示すように、枠装飾中継端子板240が取り付けられ、その枠装飾中継端子板240の後面を覆う中継基板カバー241が取り付けられている。この枠装飾中継端子板240は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管132,134a,134b、LED基板137,138a,138b、スピーカ144a,144b,341a,341b、ハンドルユニット318内に設けられるスイッチ、貸球ユニット324、操作ボタンユニット326等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継端子板240からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット54に組み込まれる中継基板等を介して払出制御基板ボックス55の払出制御基板や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス25の主制御基板に接続されている。
<皿ユニット>
次に、図15乃至図17を参照して皿ユニット300の構成について説明する。図15は、扉枠5の前面に設けられる皿ユニット300の正面図であり、図16は、皿ユニット300の正面から見た分解斜視図であり、図17は、皿ユニット300の背面から見た分解斜視図である。
図16及び図17に示すように、皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、該ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット330と、該下部スピーカユニット330の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体360と、該皿体360に設けられる第二球抜弁375の球抜き動作をするための第二球抜リンクユニット400と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋体430と、から構成されている。そこで、まずユニット枠301について説明する。
図15乃至図17に示すように、ユニット枠301は、上面が手前側に向って緩やかに傾斜する平面視半楕円形状の上面カバー部302と、該上面カバー部302の手前側から連続して前面と底面とを構成する前面カバー部303と、が合成樹脂によって一体的に成形されている。上面カバー部302の奥側には、扉枠本体100の前面側に当接する垂直カバー部302aも一体的に形成されている。この垂直カバー部302aには、その中央に貸球ボタンユニット用開口323が開設され、この貸球ボタンユニット用開口323に貸球ユニット324が裏面側から装着し得るようになっている。貸球ユニット324は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。
また、上面カバー部302の垂直カバー部302aの立ち上がり部から前方に皿体上面開口部305が開設され、その前方中央に操作ボタンユニット用凹空間部306が形成され、該操作ボタンユニット用凹空間部306から左右の上面カバー部302の前端部に沿ってLED装飾空間部307が穿設され、さらに皿体上面開口部305の側方に第一球抜ボタン313を取り付けるための第一球抜ボタン用開口313aが設けられている。上記した皿体上面開口部305には、皿体360の貯留部361及びこれに連通する誘導通路部362の上面開口と同一形状に形成され、ユニット枠301に皿体360を取り付けたときに、皿体上面開口部305に皿体360の貯留部361及び誘導通路部362が臨むようになっている。
上記した操作ボタンユニット用凹空間部306には、空間部形成部材310が取り付けられ、該空間部形成部材310に操作ボタンユニット326が装着されるようになっている。空間部形成部材310には、操作ボタンユニット326の係合突片(図示外)を係合するための係合穴312と、操作ボタンユニット326の固定ネジ穴(図示外)を止着するためのネジ止め部311と、さらに操作ボタンユニット326を空間部形成部材310内に差し込んだときに操作ボタンユニット326の底面に設けられるコネクタ(図示外)と接続される配線のコネクタ310aを収納する配線収納開口310bが形成されている。なお、操作ボタンユニット326は、複数(図示の場合は3個)の操作ボタン327を有して構成されているが、この複数の操作ボタン327は、遊技盤4に設けられる演出表示装置115等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、第一球抜ボタン313は、上面カバー部302の第一球抜ボタン用開口313aに装着された摺動支持部材314を介して上面カバー部302に取り付けられるものであり、その摺動支持部材314内を上下方向に摺動するようになっている。そして、第一球抜ボタン313が遊技者によって押圧操作されると、該第一球抜ボタン313の下方に位置する回動部材366が回動軸367を中心にして時計回転方向に回動し、その回動部材366の下端に連携されるスライド弁365が移動する。スライド弁365は、常にはバネ369により付勢されて皿体360の誘導通路部362の下流端部を閉塞した位置にあるが、上記のように第1球抜ボタン313の操作により移動したときには、誘導通路部362から退避し、誘導通路部362と該誘導通路部362の下流側に連続する第一球抜通路部364とを連通させる。これにより皿体360の貯留部361及び誘導通路部362に貯留されていた球を皿体360から球抜きすることができる。この構造については、皿体360の説明の際にさらに詳述する。
次に、ユニット枠301の前面カバー部303の構成について説明する。前面カバー部303は、上記したように上面カバー部302の手前側から連続して前面と底面とを構成するように構成されているため、前面カバー部303の前面部分は、中央部分が最も前方に突出し左右に離れるほど奥側に傾斜している。しかして、前面カバー部303の前面部分の中央突出部の左右には、スピーカ用開口315a,315bが開設され、そのスピーカ用開口315a,315bが網目状のスピーカカバー316a,316b(パンチングメタル)によって被覆されている。そして、スピーカカバー316a,316bの後方には、下部スピーカユニット330に収納固定される2つのスピーカ341a,341bが位置することになる。なお、スピーカ用開口315a,315bは、前面カバー部303の前面中央の突出部から奥側に向って傾斜する傾斜状面に形成されるものであるから、正面から見た場合に、パチンコ機1の中心縦ラインから外側に向って開放していることになる。そして、前面カバー部303の前面中央の突出部からスピーカ用開口315a,315bの上部及び下部の開口縁までを縁取るように前面装飾板304が取り付けられている。
また、前面カバー部303の開放側端部下方にハンドルユニット318を取り付けるためのハンドル取付穴317が開設されている。ハンドルユニット318は、周知のように、打球の弾発力を調節するためのものであり、このため遊技者が操作し得る回動操作部材318aが設けられ、その回動操作部材318aを回動操作することにより、回動軸の後端に固定される係合カム319が回動する。そして、前述したように、係合カム319の回動運動をスライドユニット230のスライド係脱片231のスライド移動運動に変換することにより発射装置57の弾発力の強弱を調節することができるようになっている。
ここで、第二球抜リンクユニット400は、第二球抜ボタン401と、該第二球抜ボタン401が係止されて揺動する押圧揺動部材(図示外)と、該押圧揺動部材(図示外)の押圧動作を前記第二球抜弁375の球抜き揺動動作として伝達するためにリンク部材取付板(図示外)に取り付けられる第一リンク414及び第二リンク419と、から構成されている。
そして、前面カバー部303の中央下部には、第二球抜リンクユニット400の一部を構成する第二球抜ボタン401を臨ませるための第二球抜ボタン用開口320が開設されている。また、前面カバー部303の底面中央には、前記第一球抜ボタン313及び第二球抜ボタン401を操作したときに球抜きされた球を皿ユニット300の外部に排出するための球排出口322が形成され、その球排出口322の斜め前方に前記操作ボタンユニット326を取り付けるための締具挿入穴325が形成されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン313と第二球抜ボタン401の2つの球抜ボタン313,401を設けたのは、第一球抜ボタン313の操作によって、皿体360の貯留部361及び誘導通路部362に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部362で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン401の操作によって、皿体360の貯留部361から上流側の球を径の大きな第二球抜開口388から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。また、遊技中に大当たりとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる受皿満タンスイッチ730が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当たり中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン401の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当たり中の遊技を継続することができるようになっている。
次に、皿ユニット300のユニット枠301の裏面を閉塞する皿蓋体430の構成について説明する。皿蓋体430は、ユニット枠301の裏面のほぼ全域を閉塞するように長方形状の平板として合成樹脂によって成形され、その前面側のほぼ中央に球抜通路後樋433が一体的に突設形成されている。球抜通路後樋433には、上下に球を前方に誘導する湾曲状の上誘導樋434と下誘導樋435とが形成され、皿蓋体430をユニット枠301の裏面に取り付けた状態において、下部スピーカユニット330のスピーカボックス本体331に形成される球抜通路前樋337と対面して皿内球抜通路を構成しているものである。このとき、球抜通路前樋337に形成される誘導樋338が球抜通路後樋433の上誘導樋434と下誘導樋435との間に位置するようになっているので、皿内球抜通路は蛇行状に形成されることとなり、球抜きされた球が勢いを弱めながら球排出口322から外部に排出されるようになっている。
また、皿蓋体430には、上記した球抜通路後樋433の上部側方に開口蓋取付窓432が開設され、また、一端側(軸支側)上部裏面に四角筒状の賞球連絡樋431が突設されている。賞球連絡樋431は、皿ユニット300を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、扉枠本体100の軸支側下部に形成された賞球通過口103を貫通して扉枠本体100の裏面側にまで貫通するものであり、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で本体枠3に形成される賞球通路の末端と重合状に対面するものである。また、開口蓋取付窓432は、皿体360の第2球抜通路部(図示外)の側壁開口(図示外)を閉塞する側面開口蓋383を着脱自在に取り付けるための開口であり、扉枠本体100に形成される蓋用開口105(図11及び図12参照)に対応する位置に設けられるものである。
[遊技盤の構成について] 図18〜図22に基づき説明する。
図18は遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤に装着された複数のユニットとを組付けたパチンコ主要部の構成を示す拡大正面図であり、図19はパチンコ主要部を左上前方から示す斜視図であり、図20はパチンコ主要部を右上前方から示す斜視図であり、図21は遊技領域を有する遊技盤を右上前方から示す斜視図であり、図22はパチンコ主要部を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。
図21及び図22に示すように、遊技盤4は、略円形の開口260を有する前構成部材261と、前面側に前構成部材261が取り付けられると共に前構成部材261と同様の形状の開口(図示しない)を有する遊技盤ベース262と、前構成部材261及び遊技盤ベース262の間に挟まれ、前構成部材261の開口260及び遊技盤ベース262の開口を閉鎖する透明の遊技領域板81とを具備して構成されている。そして、遊技領域板81の表面には、開口260内に遊技球を案内する外レール472及び内レール462からなる案内レール78、主入賞口ユニット264、及び通過ゲート612等が取付けられ、遊技領域板81に形成された開口部82には主役物263の主要部である額縁状のセンター役物247が取付けられている。つまり、開口260で囲まれた遊技領域板81の表面に遊技領域20が区画形成されており、この遊技領域20内には、多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に、上述の主役物263、風車219、通過ゲート612、及び主入賞口ユニット264等が配置されている。なお、遊技領域20内の中央最下部には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を遊技領域20内から排出するアウト口471が設けられている。なお、通過ゲート612には、通過ゲート612に遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ760(図40参照)が設けられている。ここで、遊技領域板81が、本発明の遊技領域透光部材及び第一遊技領域透光部材に相当し、風車219が、本発明の障害部材に相当する。
遊技領域板81は、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の樹脂材料に弾性樹脂材料(本実施品はゴム)を所定割合含有させた透明な樹脂を、押出し成形して形成されていると共に、その押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるように形成されている。遊技領域板81を構成する樹脂材料に弾性樹脂材料を含有させることにより、障害釘等が遊技領域板81に打設されてもクラックが入ることがなくなると共に、流下する遊技球などによるキズも抑制する事ができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。なお、押出し方向を上下方向に対して約45度の方向となるように形成することが望ましい。また、遊技領域板81の厚さは、打設される障害釘などを充分に保持することのできる必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされており、遊技盤ベース262の厚さの略半分の厚さとされている。
これにより、遊技領域板81の押出し方向が上下方向に対して交わる方向、つまり、押出し方向が上下方向以外の方向となるように形成されているので、例えば、遊技領域板81の後方に演出表示装置115(図18参照)や透光装飾体パネル242等を配置した場合、遊技領域板81と演出表示装置115や透光装飾体パネル242等のドットマトリックスとが干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示装置115や透光装飾体パネル242等が見辛くなるのを防止することができる。
また、図22に示すように、遊技盤4の後側には、前面に透光装飾体パネル242が装着された装飾体ユニット80を具備しており、透明な遊技領域板81を透過し、開口260を通して遊技者側から視認可能な透光装飾体パネル242と、装飾体ユニット80に対して後方から装着され装飾体開口部249を通して視認可能な演出表示装置115と、各種基板が装着される基部であり、装飾体ユニット80の後下部に取着されアウト口471に流入した遊技球を受ける部材でもある基板ホルダー96とが組付けられている。ここで、演出表示装置115が、本発明の演出表示手段に相当する。
(主役物の構成について)
次に、遊技盤4における主役物263の主要部であるセンター役物247の具体的な構成について、図18乃至図25に基づき詳細に説明する。図23はセンター役物247を正面から示す正面図であり、図24はセンター役物247を右上前方から示す斜視図であり、図25はセンター役物247を分解して構成を正面から示す分解斜視図である。
図18に示すように、遊技盤4における主役物263は、額縁状に形成されたセンター役物247と、センター役物247の右上部に取り付けられ光を透過可能な発光文字装飾体271とを備えている。
図20及び図25に示すようにセンター役物247は、大部分が透光性を有する部材からなるが、メッキ仕上げとなっていて光を透過させない鏡面状装飾部材481〜485、ステージ奥部材486、及びステージ前壁部材493(図23参照)が配設されており、部分的に不透明になっている。また、センター役物247の左側の側縁部には、センター役物247の外側に開口したワープ入口234と、センター役物247の内側に開口したワープ出口235とを有し、ワープ入口234及びワープ出口235を連通するワープ球通路(図示しない)が形成されており、センター役物247の外側(左側)の遊技領域20を転動する遊技球が、ワープ入口234に入球した場合には、ワープ球通路を通過してワープ出口235から出てセンター役物247の内側に設けられたステージ391に送られる。
図21に示すように、センター役物247には表示開口部99が設けられており、表示開口部99を通して演出表示装置115の画面を視認可能となっている。また、図25に示すように、センター役物247は、透光性を有する樹脂で形成されたセンター基部487の前側に、透光性を有するセンター透光部材489〜492と、同じく透光性を有するステージ391と、メッキが施された鏡面状の仕上げを有する不透明な部材であるステージ奥部材486と、鏡面状装飾部材481〜485と、ステージ前壁部材493とが装着されている。ステージ奥部材486には4箇所の円形の小開口494が形成されており、透光性を有する樹脂でできた発光部410が装着されている。図23に示すようにセンター役物247は、遊技者側から見た場合には透光性を有する部分の中に鏡面状の部分が点在する外観を呈するため、発光装置から光を受けると透明部分が光るとともに鏡面状の部分が影となったり光を反射してキラキラと輝いたりしてパチンコ機1を視覚的に特徴づける主要な要素の一つとなっている。ここで、センター役物247が、本発明の透光センター役物に相当する。
図24及び図25に基づき説明する。センター役物247は、略円環状のセンター基部487の遊技者側にセンター枠部材520の各部材が組合わせられて装着されている。すなわち、センター基部487の下縁部にはステージ奥部材486が装着され、ステージ奥部材486の遊技者側に透光性を有するステージ391が装着される。ステージ391及びステージ奥部材486の右側にはセンター透光部材492が装着され、左側にはセンター透光部材489が装着される。センター透光部材492及びセンター透光部材489はいずれも、波状にうねった曲面が前面から表示開口部99の内側に向けて連続的に形成されており、ステージ奥部材486の上面に滑らかにつながっている。また、センター透光部材492の上方にはセンター透光部材490が装着され、センター透光部材489の上方にはセンター透光部材491が装着される。
センター透光部材492とセンター透光部材490との間には、鏡面状装飾部材485が装着され、センター基部487、センター透光部材492及びセンター透光部材490の接合部分を遊技者に対して隠蔽する。同様に、センター透光部材489及びセンター透光部材491の間には鏡面状装飾部材482が装着され、センター透光部材490及びセンター透光部材491の間には鏡面状装飾部材484が装着され、接合部分を隠蔽している。また、その他のセンター透光部材とセンター基部487との接合部分には鏡面状装飾部材481及び鏡面状装飾部材483が装着されている。また、ステージ391の前方にはステージ前壁部材493が装着され、センター基部487とステージ391との接合部分を隠蔽しながら、第二棚部393の遊技者側の壁となり第二棚部393上を転動する遊技球を誘導する。
図20及び図23に示すように、センター透光部材489の上部は、演出表示装置115の前方に迫り出した形状の表示被覆部488となっている。表示被覆部488は透光性を有する素材でセンター透光部材489の一部として一体に形成されている。表示被覆部488は、センター役物247を構成する他の部材と同様に波状を呈するうねった曲面が表面に形成されている。表示被覆部488は演出表示装置115の前方に被さる位置まで迫り出しているが、演出表示装置115には接しておらず、表示被覆部488の後端と演出表示装置115の画面との間に所定の間隔をなす空隙部516が設けられている。このため、演出表示装置115に正対して遊技者側から見た場合には、表示被覆部488が演出表示装置115の画面に被さって見えるが、若干右側に視点を移動させて空隙を通してのぞくようにして見ると、演出表示装置115の画面を直接視認することができる。また、表示被覆部488は透光性を有する素材で形成されているので、演出表示装置115の前方に被さって見えている場合でも、表示被覆部488を透過して演出表示装置115の画面がある程度視認可能となっている。
空隙部516は、遊技者が頭部を若干動かして視角を変えることで演出表示装置115の画面を直接に視認可能とするものであるため、右前方30度〜45度程度の範囲に視点を移動させることで表示被覆部488の後方の演出態様を直接に視認可能となるように設けられている。また、視点を上下に動かすには遊技者が身体を屈伸する必要があり、運動量が大きくなるため、表示開口部99の中段に位置するステージ奥部材486の左端の切欠縁517から上の部分が切欠された形状となっており、遊技者は視点を水平方向に移動させるだけで空隙部516を通して演出態様を直接に視認できる。空隙部516について、より詳細に説明すると、演出表示装置115の左上隅部を視認可能とするため、切欠縁517は演出表示装置115の高さ方向のほぼ中央部に設けられており、表示態様の上端とほぼ揃う高さまで開放されている。また、右前方45度程度までの範囲で遊技者が表示被覆部488の後方を視認可能とするため、空隙部516の寸法、すなわち画面から表示被覆部488の裏側までの寸法は、表示被覆部488が演出表示装置115の画面の前方に延出した部分の水平方向の寸法と、同等または空隙部516の方が大きくなっている。
切欠縁517は、ワープ入口234よりも若干高所に位置しており、ワープ入口234からステージ391へと流入した遊技球がステージ391上で弾発したとしても、切欠縁517よりも高所まで飛び上がることはない。また、遊技領域20を流下した遊技球は、障害釘等に当接することによって運動エネルギーを失っているため、同様に、切欠縁517を超えて空隙部516に遊技球が飛び込む虞はない。
図24に示すように、センター役物247の外周面515は、遊技領域20に面しており、遊技領域20を転動する遊技球がセンター役物247の中に飛び込むことを防止し、遊技領域20を流下させるように滑らかな面で構成されている。センター役物の枠体が細くなると貧弱な印象を与えがちであるが、本例のパチンコ機1のセンター役物247の外周面515と表示開口部99との間は、表示被覆部488が演出表示手段115の前方まで延出して枠体の太さを保ち、意匠性が損なわれないようになっている。
図10及び図23に示すように、センター役物247のセンター内側開口部99の右上部に略半円形の窪み状に文字装飾体受容部412が設けられており、文字装飾体受容部412に発光文字装飾体271が嵌合する。発光文字装飾体271は、装飾体パネル80に装着されており、上発光基板502(後述する)によって後方から光を照射されて、装飾的な意匠が施された文字の部分が光る。
以下、センター役物247のステージ391及びその周辺の構成について、図18乃至図20に基づき説明する。図20に示すように、ステージ奥部材486の上面521は、全体に波打つような曲面で構成されており、緩やかに遊技者側が低くなるように傾斜している。遊技球がステージ391や遊技領域20から弾発してステージ奥部材486の上に飛び込んだ場合にも、遊技球は遊技者側に転動してステージ391へと流入する。ステージ奥部材486の後端はほとんど隙間なく演出表示装置115の画面に接近した位置にあり、ステージ奥部材486の後方に遊技球が入り込んでしまう虞はない。ステージ奥部材486は、左右の端が次第に高くなるように全体が下向きに凸の形状で湾曲した弓状を呈しており、ステージ奥部材486に遊技球が乗った場合には、遊技者側に転動するとともに、中央寄りの方向へと転動し、ステージ391の中央部に向けて遊技球が戻される。ステージ奥部材486の左端は、先述のように、表示開口部99の中段の高さまで延びており、切欠縁517が形成されており、表示開口部99の内周面518(図24参照)が切欠縁517にて途切れた形状を呈している。また、ステージ奥部材486はメッキが施されており、不透明な部材であるので、演出表示手段115の下端付近はステージ奥部材486によって隠蔽されている。
ステージ391は、ワープ出口235から供給される遊技球を左右方向に転動させることのできる第一棚部392と、第一棚部392よりも遊技者側で若干低い位置に設けられ、第一棚部392と同様に遊技球を左右方向に転動させることのできる第二棚部393とを備えている。第一棚部392及び第二棚部393は、いずれも左右の端部が高く、中央部が低くなった弧状を呈しており、第一棚部392と第二棚部393との間には遊技球が通過可能なように遊技者側が部分的に切欠されて形成された段差405があり、段差405の左右両側の若干低くなった箇所に段差403がある。また、第二棚部393の遊技者側の左右方向の中央部には、遊技球が通過可能にステージ前壁部材493が切欠されており、転動面に遊技者側に向かって低くなる傾斜が設けられた流出部406が形成されている。流出部406を通ってステージ391から遊技者側へと流出した遊技球は、直下に位置する上始動口600(後述する)に入球可能となっている(図21参照)。ワープ出口235からステージ391へと進入した遊技球は、まず、仕切壁407及び仕切壁408と後壁409に沿って第一棚部392の上を左右に転動する。段差403の箇所で仕切壁407が切欠された形状となっており、遊技球は第二棚部393へと流入し、ステージ前壁部材493と仕切壁407とに沿って第二棚部393上を左右に転動する。遊技球が転動に伴って運動エネルギーを失い、動きが小さくなって第二棚部393の中央付近に滞留すると、転動面の傾斜に従って流出部406を通過して遊技領域20へと流出する。また、段差405を通過して第一棚部392から第二棚部393へと遊技球が流入した場合には、そのまま遊技者側へと直進して流出部406を通過して遊技領域20へと流出する。この場合には、左右方向への運動がごく小さくなるため、上始動口600に入球しやすくなっている。
(主入賞口ユニットの構成について)
次に、主入賞口ユニット264の構成について、図26に基づいて詳細に説明する。図26は、主入賞口ユニット264を右上前方から示す斜視図である。
まず、主入賞口ユニット264は、センター役物247の下方における遊技領域20の左右方向略中央部分に配置され、主入賞口ユニット264の基部をなし遊技領域板81に接する入賞口装置プレート616から前方に突設されるように、上方に開口するポケット形の上始動口600と、上始動口600の左方に配置され、上方に開口するポケット形の一般入賞口602と、上始動口600の下方に配置され一対の可動片606で閉鎖又は開放可能な下始動口604と、下始動口604の下方に配置され左右方向に延びる矩形状の大入賞口(図示しない)及び大入賞口を閉鎖可能とし上辺が前方に回動する開閉扉334を有した大当り遊技用開閉装置500の左側に2個、右側に1個配置され、いずれも斜め上方に開口する一般入賞口614とを具備している。上始動口600、一般入賞口602及び下始動口604は、いずれも、遊技球を受け入れるための受入部と、受け入れた遊技球を案内する入球通路とから構成されている。一般入賞口336もまた、遊技者側に突出する部分の先端面が閉鎖されるとともに遊技球を受入可能に斜め上面が開放されており、遊技領域板81を貫通して設けられている。ここで、上始動口600が、本発明の入賞口に相当する。
また、主入賞口ユニット264は、下始動口604を開閉する一対の可動片606を開閉駆動させる始動口開閉駆動ユニット(図示しない)を更に備えている。この始動口開閉駆動ユニットは、前後方向に進退可能なプランジャを有した始動口ソレノイドと、始動口ソレノイドにおけるプランジャの前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動し、一対の可動片606から後側に延在された突出ピンを上下方向に移動可能な伝達部材とを備えている。
また、図40に示すように、主入賞口ユニット264には上始動口センサ780が備えられており、上始動口600に入賞した遊技球が、上始動口センサ780の貫通孔を通過することで上始動口センサ780に検出されると共に、主入賞口ユニット264の下側に形成された排出口から排出されるようになっている。同様に下始動口604に入賞した遊技球は、主入賞口ユニット264に備えられた下始動口センサ784に検出され、排出口から排出される。一般入賞口602に入賞した遊技球は、装飾体パネル80を構成する発光基板ユニット381(図29参照)に配設された一般入賞口センサ782(図40参照)に検出され、排出口から排出される。ここで、上始動口センサ780が、本発明の入賞状態検出手段に相当する。
また、大当たり遊技用開閉装置500は、大入賞口に入賞した遊技球を検出する開閉装置カウントセンサ776(図40参照)と、大入賞口を閉鎖可能な左右方向に延びる矩形状とされ下辺側が軸支されると共に上辺側が直立状態から前方に回動可能とされた開閉扉334と、前後方向に進退可能なプランジャを有した大当り遊技用開閉装置開閉ソレノイド778(図40参照)と、大当り遊技用開閉装置開閉ソレノイド778におけるプランジャの前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動して開閉扉334を回動させる伝達部材(図示しない)と、開閉装置カウントセンサ776、開閉扉334、及び、大当り遊技用開閉装置開閉ソレノイド778等を支持すると共に大入賞口に入賞した遊技球を大入賞口センサ370で検出されるように誘導する誘導路を有したケーシング(図示しない)とを備えている。
なお、この大当り遊技用開閉装置500は、大入賞口の左右方向の幅が、一対の可動片606が開状態となり第三始動口装置604が開放状態となった時の幅よりも、更に広い幅とされており、遊技球がより入賞し易いようになっている。また、大入賞口から進入し開閉装置カウントセンサ776で検出された遊技球は、そのまま主入賞口ユニット264の下方へ排出されるようになっている。
また、主入賞口ユニット264は、その上始動口600が、主役物263のステージ391の流出口406(図21参照)の直下に位置するように遊技盤ベース262及び遊技領域板81に取付固定されており、流出口406から流出した遊技球が、主入賞口ユニット264の上始動口600に入賞する可能性が高くなるように配置されている。
(装飾体ユニットについて)
次に、装飾体ユニットについて図27乃至図39に基づき説明する。図27は装飾体ユニット80を示した正面図であり、図28は装飾体ユニット80を右上前方から示した斜視図であり、図29は装飾体ユニット80を分解して構成を示した分解斜視図である。図30は図10のA−Aにおいてパチンコ機1の断面を示した断面図であり、図31は図10のB−Bにおいてパチンコ機1の断面を示した断面図である。図32は透光装飾体パネル242の構成を示した正面図であり、図33は透光装飾体パネル242を右上前方から示した斜視図であり、図34は透光装飾体パネル242を分解して構成を示した分解図である。また、図35はバックライトユニット380を右上前方から示した斜視図であり、図36はバックライトユニット380を分解して構成を示した分解斜視図であり、図37はバックライトユニット380の縦断面を示して構成を説明する断面図である。図38は図10のC−Cにおける断面の一部を拡大して通過ゲート612周辺の構成を説明する断面図であり、図39は図10のD−Dにおける断面の一部を拡大して図柄表示装置87の周辺の構成を説明する断面図である。なお、図27及び図28においては、本来遊技領域板81の前面に装着される主入賞口ユニット264及び通過ゲート612を合わせて図示している。
まず、図27乃至図29に示すように、透光装飾体パネル242が装飾体ベース243に装着され、さらにその後方に前から順に発光基板ユニット381、バックライトユニット380が装飾体ユニット基部89に組みつけられて装飾体ユニット80が構成されている。また、図18乃至図20に示すように、遊技領域板81は透光性を有する樹脂で形成されており、遊技領域板81の後方に配設された透光装飾体パネル242が遊技者側から見えるようになっている。ここで、装飾体ベース243と、装飾体ユニット基部89とを組合わせたものが、本発明の遊技盤ケースに相当する。
透光装飾体パネル242は、センター役物247と同様に、透光性を有する樹脂製の部品と、銀色のメッキが施された鏡面状の仕上げが施された不透明な部品とからなっており、額縁状の形状を呈する装飾体ベース243に組みつけられている。透光装飾体パネル242は、後方に備えられた発光基板ユニット381及びバックライトユニット380に配設されたLEDや導光体から放射された光によって透光性を有する部分が全体的に発光して見える。ここで、透光装飾体パネル242が、本発明の遊技領域透光部材及び第二遊技領域透光部材に相当する。
装飾体ベース243は、枠板部257から枠外壁部258が開口260と略同形(略円形)で遊技者側に突出しており、装飾体枠外壁部258の内側が開口した額縁状の形状を呈している。図19及び図27に示すように、枠板部257の外形は略正方形の板状であり、外縁に沿ってリブが形成されている。透光装飾体パネル242を受容する装飾体枠外壁部258は、組み付けたときに前縁が遊技領域板81に接し、隙間のない外観を呈することで遊技盤4に視覚的な一体感をもたらす。
図32乃至図34に示すように、透光装飾体パネル242は、透光性を有する樹脂製の透光装飾体448〜450と、同じく透光性を有する樹脂製の発光文字装飾体271と、メッキが施されて鏡面状の仕上げとなっている鏡面装飾体451〜453と、球状装飾体272〜275とを具備している。また、右下にはLEDを用いて特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示装置87を備えている。ここで、球状装飾体272〜275が、本発明の立体装飾体に相当する。
発光文字装飾体271は、大部分が透光性を有する樹脂で形成されており、遊技者側の目立つ部分に意匠的な文字が示されており、周囲には細かな水泡のように見える多数の小さな窪みが裏側に形成された略球面状を呈しており、透光装飾体パネル242の右上部に装着される。
球状装飾体272〜275は、いずれも透光性を有する樹脂で形成された半球状の立体的な装飾体である。素材の樹脂は透光性を有するが、内部に多数の泡状の小さな気泡状の造形が施されており、遊技者側から球状装飾体272〜275の後方を視認することは困難となっている。また、球状装飾体274は、全体に透光性の低い樹脂で形成されており、乳白色を呈する。球状装飾体272は、発光基板ユニット381の左上装飾体基部282、球状装飾体273は左装飾体基部283、球状装飾体275は右装飾体基部284に夫々着設される。下発光基板503、左上発光基板504、左下発光基板505及び右発光基板506は、いずれも複数のLEDを搭載した基板であり、後方の発光基板ユニット381上に配設され遊技者側に向けて光を発し、夫々に対応する球状装飾体272〜275に光を照射して発光演出を行う。ここで、球状装飾体272,273,275と、左上装飾体基部282、左装飾体基部283、右装飾体基部284の組み合わせが、本発明の立体装飾体に相当する。また、球状装飾体274もまた、立体装飾体に相当し、下発光基板503、左上発光基板504、左下発光基板505及び右発光基板506が、本発明の点状発光装置に相当する。
左透光装飾体450は、全体が透光性を有する樹脂で立体的な波紋様を呈する形状に形成されている。また左透光装飾体450には通過ゲート612が装着されるゲート基部479が左透光装飾体450の前方に向けて突出しており、球状装飾体272が装着される左上球状体受容部495及び球状装飾体273が装着される左下球状体受容部496が、前後方向に貫通した孔を有する球面状の窪みとして形成されている。また、発光文字装飾体271が装着される箇所には文字装飾体受容部499が、発光文字装飾体271の外形に応じた凹面状に形成されている。正面視において、球状装飾体272と球状体受容部495とは一部が重なっている。同様に球状装飾体273と球状体受容部496とは、正面視において一部が重なっている。
下透光装飾体449は、左透光装飾体450と同様に全体が透光性を有する樹脂で立体的な波紋様を呈する形状に形成されている。球状装飾体274が装着される部分には下球状体受容部498が、球状装飾体274の形状に合わせて切欠したように形成されている。また、一般入賞口602が嵌挿される部分には入賞口孔455が穿設されており、一般入賞口614が嵌挿される部分には入賞口孔457が穿設されており、夫々一般入賞口602、一般入賞口614の球通路部分が下透光装飾体449の表側から裏側に貫通して配設可能となっている。
右透光装飾体448も同様に全体が透光性を有する樹脂で立体的な波紋様を呈する形状に形成されている。球状装飾体275が装着される部分には右球状部材受容部497が、前後方向に貫通した孔を有する球面状の窪みとして形成されている。また、右透光装飾体448の左下部には、主入賞口ユニット264が装着される際に嵌合するように切欠された形状でアタッカ取付部459が形成されている。
左透光装飾体450と下透光装飾体449との接合部分には鏡面状装飾体451が装着され、下透光装飾体449と右透光装飾体448との接合部分には鏡面状装飾体453が装着されて接合部分周辺の造作を隠蔽しながら、透光装飾体パネル242に視覚的な変化を与え、意匠的な面白みを与えている。また、鏡面状装飾体453の形状と連続するように鏡面状装飾体452が下透光装飾体449の下方に装着されており、一般入賞口614及び第2始動口455から発光基板ユニット381に延びて形成された球通路周辺を隠蔽するとともに、遊技盤4の美観を向上させている。
図29に示すように、装飾体ユニット基部89には基部開口267が設けられており、後方に配設される演出表示装置115が基部開口267を通して遊技者側から視認可能となっている。装飾体ユニット基部89の遊技者側には、装飾体ユニット基部89に近い側から順にバックライトユニット380、発光基板ユニット381、装飾体ベース243、透光装飾体パネル242が層状に重ねられて装着されているが、いずれも演出表示装置115の前方にあたる部分に開口が設けられている。すなわち、バックライトユニット380にはバックライト開口部350が形成されており、発光基盤ユニット381には発光基板ユニット開口266が形成されており、装飾体ベース243には装飾体ベース開口265が形成されており、透光装飾体パネル242には装飾体パネル開口249aが設けられている。なお、装飾体パネル開口249aとバックライト開口部350とは略同形であるが、基部開口267は若干大きく、長方形の画面をもつ演出表示装置115に丁度合うように形成されている。また、装飾体ベース開口265及び発光基板ユニット開口266は透光装飾体パネル242の全域に相当する広い開口となっており、演出表示装置115を遊技者側から視認可能とするだけでなく、バックライトユニット380の光が透明装飾パネル242及び遊技領域板81を透過して遊技者側に向けて放射されるようになっている。また、図30に示すように、装飾体開口部249は、バックライト開口部350と略同形であり、演出表示装置115の画面にごく近い位置関係にあり、透光装飾体パネル242の中央部の窪んだ部分に装飾体開口部249を設け、透光装飾体パネル242の前面と略同一平面上に画面が位置するように演出表示装置115を嵌め込んだかのような外観を呈する。ここで、バックライトユニット380が、本発明の面状光源に相当し、バックライト開口部350が、本発明の演出表示開口部に相当する。
図30及び図31に示すように、透光装飾体パネル242は遊技盤4の後方に配設されており、透光装飾体パネル242と遊技領域板81との間には隙間が設けられている。また、透光装飾体パネル242の後方にはバックライトユニット380が配設されている。バックライトユニット380は、遊技者側に向かって面状に光を放射し、透光装飾体パネル242と遊技領域板81を透過して遊技領域20を明るく光らせることができる。また、演出表示装置115の前方は大部分が開放されており、演出表示装置115の画面の視認性は確保されている。バックライトユニット380は演出表示装置115の直前に配設されているが、導光体382の後方はバックライト後部カバー387によって覆われており、導光体382の内側の端部には内側遮蔽縁397が形成されているため、導光体382から遊技者側以外の方向への光の漏出は防がれている。これにより、バックライトユニット380の光によって演出表示装置115の表示の視認性が妨げられることがなくなっている。
(バックライトユニットについて)
次に、バックライトユニット380の構成について、図35乃至図37に基づいて詳細に説明する。図35はバックライトユニット380を右上前方から示す斜視図であり、図36はバックライトユニット380を分解して構成を示す分解斜視図であり、図37はバックライトユニット380の縦断面を示す断面図である。
バックライトユニット380は、中央部に導光体開口部384を有する板状の導光体382の後方にバックライト後部カバー387が装着され、導光体382の上下に上部冷陰極管セット564及び下部冷陰極管セット565が配設され、各冷陰極管セットの前方を覆うように上冷陰極管カバー385及び下冷陰極管カバー386が装着されて構成されている。また、上部冷陰極管セット564の調光を行う第一調光基板394及び下部冷陰極管セット565の調光を行う第二調光基板がバックライト後部カバー387の後方に装着されている。ここで、上部冷陰極管セット564及び下部冷陰極管セット565が、本発明の発光手段に相当する。
図36及び図37に示すように、導光体382は、遊技者側から順番に、第一拡散シート560、第二拡散シート561、導光板562、反射シート563の4つの部材が重ねられた積層板状に構成されている。第一拡散シート560の第一拡散シート開口560a、第二拡散シート561の第二拡散シート開口561a、導光板562の導光板開口562a、反射シート563の反射シート開口563a、及びバックライト後部カバー387の後部カバー開口387aに沿って形成された内側遮蔽縁397(後述する)の外周側はいずれも同形に形成されており、重ね合わせられた時にバックライト380全体を前後方向に貫通する孔であるバックライト開口部384を構成する。バックライト後部カバー387は左右の縁部に外側遮蔽縁396が遊技者側に突設されており、バックライトユニット380の左右両端から光が漏れることを防いでいる。また、同様にバックライト後部カバー387にはバックライト開口部384の縁部に沿って内側遮蔽縁397が突設されており、バックライトユニット380の光がバックライト開口部384よりも内側に漏れることが防止されている。外側遮蔽縁396及び内側遮蔽縁397はバックライト後部カバー387と一体的に形成されており、バックライト後部カバー387は全体として環状の薄い箱形となっており、外側遮蔽縁396、内側遮蔽縁397によって囲まれた環状の凹部に導光体382を受容する。ここで、外側遮蔽縁396及び内側遮蔽縁397が、本発明の側方遮蔽部材に相当し、導光板562が、本発明の導光部材に相当し、反射シート563が、本発明の反射部材に相当する。
バックライトユニット380は、上下の両端部に光源として冷陰極管を備えている。すなわち、導光体382の上下の各辺に平行する向きで、上端部に上側冷陰極管セット564が配設され、下端部に下側冷陰極管セット565が配設されている。上側冷陰極管セット564及び下側冷陰極管セット565はいずれも平行に配された3本の冷陰極管を備えている。各冷陰極管は夫々赤、青、緑の3色に発光し、各冷陰極管の発光状態を制御することで混色及び全体の輝度を変えることが可能となっている。各冷陰極管の発光状態は、上側冷陰極管セット564は第一調光基板394によって制御され、下側冷陰極管セット565は第二調光基板395によって制御される。第一調光基板394及び第二調光基板395は、周辺基板710(図41参照)からのコマンドを受けて、各々上側冷陰極管セット564と下側冷陰極管セット565とを発光させる。
図37に示すように、上側冷陰極管セット564は、上冷陰極管カバー385と、バックライト後部カバー387の上光源受容部566との間に配設されている。各冷陰極管セットから放射された光の大部分は導光板562に入射する。また、上冷陰極管カバー385及び上光源受容部566は白色の樹脂で形成されており内面はなめらかに仕上げられていて反射率が高いので、導光板562に直接入射しなかった光は上冷陰極管カバー385及び上光源受容部566によって外に漏れないように封じられながら、上冷陰極管カバー385及び上光源受容部566の内面で反射し、導光板562に入射する。
導光体382は、前記のように、遊技者に近い側から順に第一拡散シート560、第二拡散シート561、導光板562、反射シート563が積層板状に重ねられており、角部において接合具で固定されて構成されている。第一拡散シート560及び第二拡散シート561は、透明な薄い樹脂製シートであり、表面加工によって磨ガラス状になっており、入射した光を拡散させる。導光板562は、透明度の高い無色のアクリル製で平板状に形成されている。また、表面はなめらかに仕上げられているが、裏面には内部を通過する光を反射するドットマトリクスが印刷されている。反射シート563は、高い反射率を持つ白色樹脂性の薄いシートである。
上側冷陰極管セット564及び下側冷陰極管セット565から発せられた光が導光板562に入射すると、導光板562の中を光が進行する。導光板562の中を進んで導光板562の裏面に到達した光は印刷されたドットと反射シート563とによって反射され、導光板562の中をさらに進む。導光板562の端部に到達した光は、外側遮蔽縁396または内側遮蔽縁397で反射するため外に漏れずに導光板562の中を進む。導光板562の表面に到達した光は、一部が境界で反射されるが、大部分は導光板562の表面から出て第二拡散シート561、第一拡散シート560と、拡散させられながら順に通過して遊技者側に放射される。導光板562及び反射シート563とによって導光板562全体に行き渡った光は、第一拡散シート560及び第二拡散シート561によって拡散され、さらに均等化された状態で遊技者側に放射されるため、バックライトユニット380の遊技者側に配置されている透光装飾体パネル242を全体的に明るく照明することができる。
(通過ゲート)
また、図27及び図28に示すように、透光装飾体パネル242(左透光装飾体250)に形成されたゲート基部479には、通過ゲート612が遊技領域板81を挟んで装着される(ここでは便宜上遊技領域板81を図示していない)。図38に示すように、通過ゲート612にはゲートセンサ760が装着されており、遊技球の通過ゲート612内の通過を検出している。図40に示すように、ゲートセンサ760の検出結果は、パネル中継端子板750を経由して主制御基板710へと伝達されるため、ゲートセンサ760とパネル中継端子板750との間には配線510が接続されている。図38に示すように、配線510は、ゲートセンサ760の後部からゲート基部479の中を後方へと延び、透光装飾体パネル242(左透光装飾体450)の後方に入り、バックライトユニット380を迂回して、後方に配設されたパネル中継端子板750に延びる。このため、配線510は透光装飾体パネル242とバックライトユニット380との間を横行する必要があり、左透光装飾体450を透過して配線510は遊技者側から視認可能となっている。しかし、左透光装飾体450には多数の波紋様が形成されており、バックライトユニット380によって光を照射されたときに波紋様の曲線が浮かび上がるため、配線510がその中に紛れやすくなっている。また、左透光装飾体450を含む透光装飾体パネル242は全体的に波紋様が形成された装飾体で構成せれており、各部に明暗の変化や曲線的な影が多数生じているため、ゲートセンサ760から延びる配線510を非常に目立たないものとすることができる。一般に電気的な接続のための配線等が遊技者に見える箇所で露出していると、意匠的な完成度が低いという印象を与えやすいのに対し、本実施形態によれば、配線510は視認可能な位置に配設されているものの遊技者には認識されにくくなっているので、意匠性の低下が抑制されている。
(図柄表示装置)
装飾体ユニット80には、透光装飾体パネル242の表面と略同一面的に構成された図柄表示装置87が備えられており、透光性を有する遊技領域板81を透過して遊技者側から視認可能となっている。図27に示すように、図柄表示装置87は、LEDの発光によって表示を行う特別図柄表示器84及び普通図柄表示器82を備えており、遊技の進行に応じて遊技状態を表示する装置である。図柄表示装置87は銀メッキ仕上げされたイルカの形をした図柄表示器ケース244にLEDを搭載した図柄表示器基板245を装着して構成されている(図39参照)。
特別図柄表示器84及び普通図柄表示器82は、いずれもLEDを複数組合わせて構成されており、LEDの明滅の組合わせによって特別図柄または普通図柄を示す。
詳しくは後述するが、特別図柄表示器84は、上始動口600に遊技球が入賞することで図柄の変動を開始し、特別図柄表示制御手段702(図42参照)によって変動が停止され、決定された図柄を表示する。
同様に後述するが、通過ゲート612を遊技球が通過したことがゲートセンサ760によって検出されると、可動片606の開閉動作が行われる場合があり、普通図柄表示器82は、可動片606の開閉動作発生の当否を示す普通図柄を表示する。
図柄表示装置87は、遊技領域板81の後方に配設されているため、遊技球の球通路となる部分と重なる位置にも配設可能となっている。図18に示すように、右側球通路236を通過した遊技球が遊技領域20の右下部を通過可能となっている。これにより、遊技領域20の外形を真円に近い形状にでき、すっきりした外観となる。また、遊技球の球通路の妨げが減るので、例えば、遊技球をより高速で転動させる区間を設けることなども可能となる。
また、図柄表示装置87は、透光装飾体パネル242の不透明部分と同様に銀メッキされた外観と、各透光装飾体の形状に通ずる曲線的な形状を呈することにより装飾体ユニット80に対して視覚的な違和感なく配設されているため、遊技者には装飾体ユニット80の一部として認識させることができる。
また、図39に示すように、図柄表示装置87は、図柄表示器ケース244の表面が右透光装飾体448の表面と略同一面状にあるように比較的なめらかにつながる位置にあるが、図柄表示器基板245までの奥行きは小さくなっており、バックライトユニット380の導光体382の前方に配設されている。つまり、後方からバックライトユニット380によって光を照射される位置にある。図33及び図34に示すように、図柄表示装置87に接して右透光装飾体448が配設されており、図柄表示装置87と右透光装飾体448とはいずれもバックライトユニット380によって後方から全面的に光を照射される。右透光装飾体448は図柄表示装置87の周囲に回り込むような複雑な形状を呈しているが、全面的に光を照射することにより、不透明な図柄表示装置87と接する境界部分まで右透光装飾体448を発光させることができる。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
次に、パチンコ機1の主基板および周辺基板の制御的な構成について図40および図41を参照して説明する。
図40は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板700周辺の構成を主として示した図である。図41は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板800周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板700のグループ(図40に示す)と、周辺基板800のグループ(図41に示す)とで分担されている。主基板700のグループは遊技動作(入賞検出、乱数取得および当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板800のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図40に示すように、主基板700は、主制御基板710と払出制御基板720とから構成されている。主制御基板710は、中央演算装置としてのCPU711、読み出し専用メモリとしてのROM712および読み書き可能メモリとしてのRAM713を備えている。
CPU711は、ROM712に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板800や払出制御基板720に出力するコマンド信号を作成したりする。
RAM713には、主制御基板710で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板700は、電源基板395に接続されており、電源基板395から作動用電力が供給されるようになっている。具体的には、電源基板395から払出制御基板720に作動用電力が供給され、当該払出制御基板720を介して主制御基板710に作動用電力が供給される。
この主制御基板710の入力インタフェースには、パネル中継端子板750を介して、上始動口600への入賞状態を検出する上始動口センサ780、通過ゲート612を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ760および一般入賞口614に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ762が接続されている。
さらに、主制御基板710の入力インタフェースには、パネル中継端子板750に接続された開閉装置中継端子板754を介して開閉装置カウントセンサ776が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板710に入力されるようになっている。
一方、パネル中継端子板750の出力インタフェースには図柄制限抵抗基板766を介して普通図柄・特別図柄表示基板768が接続されている。これにより、主制御基板710は、普通図柄表示器82、特別図柄表示器84への駆動信号を出力することが可能となっている。
また、開閉装置中継端子板754の出力インタフェースには普通電動役物ソレノイド774と開閉装置開閉ソレノイド778とが接続されており、主制御基板710から、普通電動役物ソレノイド774および開閉装置開閉ソレノイド778に向けて駆動信号が出力される。なお、普通電動役物ソレノイド774は下始動口604の上方に設けられた一対の可動片606を駆動するものであり、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド778は大当たり遊技用開閉装置500(より具体的には大当たり遊技用大入賞口開閉扉500b)を駆動するものである。
一方、払出制御基板720は、中央演算装置としてのCPU722、読み出し専用メモリとしてのROM724および読み書き可能メモリとしてのRAM726を備えている。
そして、払出制御基板720は、主制御基板710から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置53や、発射ハンドルおよび発射モータ等から構成される発射装置57に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置53は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射装置57は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
また、払出制御基板720の入力インタフェースには、本体枠3の前枠体(図示しない)の開放状態を検出する内枠開放スイッチ736および扉枠5の開放状態を検出する扉開放スイッチ738も接続されている。
なお、主制御基板710と払出制御基板720との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板710が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板720から主制御基板710にACK信号が返される。
また、払出制御基板720には、皿体360に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する受皿満タンスイッチ730も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を皿体360から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板710および払出制御基板720には外部端子板56が接続されている。上始動口600および下始動口604への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報は、この外部端子板56を介して、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力される。
一方、周辺基板800は、図41に示すように、周辺制御基板810と表示装置制御基板816とから構成されている。なお、上記の主制御基板710と周辺制御基板810との間では、それぞれの出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われている。即ち、主制御基板710から周辺制御基板810へのコマンド送信はあっても、周辺制御基板810から主制御基板710へのコマンド送信は行われない。また、周辺基板800に供給される作動用電力は、主制御基板710を介して供給される。
周辺制御基板810もまた、CPU811、ROM812およびRAM813等の電子部品を有しており、これらの電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板810には、効果音や楽曲等演出音の基となる音源を記憶したROM819と、このROM819に記憶された音源を基に演出内容等に応じた効果音や楽曲等の演出音を出力する音源IC818と、が設けられている。
なお、周辺制御基板810と表示装置制御基板816との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板816には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されている。この表示装置制御基板816は、周辺制御基板810から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。なお、表示装置制御基板816には、CPU832、RAM834、ROM836、VDP838および画像ROM839が備えられている。
CPU832は、周辺制御基板810から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP838の制御を行う。
RAM834は、CPU832の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM836は、CPU832用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)838は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP838の内部には、レジスタが設けられており、VDP838の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU832が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。
画像ROM839は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板810には、ランプ駆動基板850および枠装飾中継端子板240が接続されている。
ランプ駆動基板850の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ852およびセンター装飾ランプ853が接続されている。これにより、ランプ駆動基板850は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能となっている。さらに、ランプ駆動基板850の入力インタフェースには、遊技盤4の後方側に排出された遊技球(即ちアウト球)を検出する排出口検出センサ854が接続されている。
また、周辺制御基板810に接続された枠装飾中継端子板240には、扉枠5に接続されたスピーカ144,341、操作ボタン327および枠装飾ランプ842等が接続されており、周辺制御基板810には、操作ボタン327の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカ144,341や枠装飾ランプ842に対して駆動信号を出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
次に、パチンコ機1の主基板700を構成する主制御基板710および周辺基板800を構成する周辺制御基板810の機能的な構成について図42を参照して説明する。
図42は、主制御基板710および周辺制御基板810の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図42に示すように、主制御基板710は、遊技状態制御手段934と、特別図柄抽選手段900と、特別図柄表示制御手段702と、特別図柄保留表示制御手段930と、特別図柄保留カウンタ903と、保留順記憶手段940と、当否判定用乱数記憶領域5131と、処理領域5132と、大当たり遊技実行手段715と、小当たり遊技実行手段714と、開閉動作制御手段938と、普通図柄抽選手段920と、普通図柄表示制御手段716と、普通図柄保留表示制御手段718と、普通図柄保留カウンタ923と、可動片開閉制御手段928と、コマンド送信手段946と、を備えている。
遊技状態制御手段934は、パチンコ機1の遊技状態がいずれの遊技状態であるかを判断し、当該判断した遊技状態に基づいて遊技状態を制御する。
本実施形態では、パチンコ機1の遊技状態として、パチンコ機1の外観から遊技の状態を把握可能な外部遊技状態として、外部通常遊技状態(ノーマル遊技状態)およびこの外部通常遊技状態よりも遊技者に有利となる外部有利遊技状態(チャンス遊技状態)のいずれかの遊技状態に制御される。
外部通常遊技状態は、後述の開放延長機能が作動しない遊技状態であって、一対の可動片606が後述の促進態様に制御されない遊技状態である。即ち、後述するが、一対の可動片606は、普通図柄抽選手段920による抽選処理において当選したことを契機として開閉動作するものであり、これによって下始動口604への遊技球の入賞確率を高めるものであるが、可動片606が動作するときの動作態様としては、第1の動作態様と、該第1の動作態様よりも遊技者に有利な第2の動作態様(促進態様)とが用意されている。そしてこのうち、外部通常遊技状態では、可動片606が動作するときの動作態様として第1の動作態様が採用されることとなる。なお、この第1の動作態様とは、下始動口604への遊技球の入賞が促進され難い態様のことであり、例えば、下始動口604が閉状態に維持される態様、または、下始動口604が閉状態に維持される場合と比べて遊技球の入賞に影響を与えない程度に一対の可動片606が開放動作する態様(即ち、可動片606が開閉動作したとしても下始動口604への入賞頻度が閉状態に維持される場合とほぼ同等である態様)である。「遊技球の入賞に影響を与えない程度に」とは、一対の可動片606が開閉動作したとしても下始動口604への入賞頻度が閉状態に維持される場合と殆ど同等であること、即ち、一対の可動片606が開放動作したとしても下始動口604への遊技球の入賞が大きくは促進されないことを意味する。
一方、外部有利遊技状態は、後述の開放延長機能が作動する遊技状態であって、一対の可動片606が動作するときの動作態様として上記第2の動作態様(促進態様)が採用される遊技状態である。ここで、「促進態様」とは、下始動口604への遊技球の入賞が促進される態様であって、例えば一対の可動片606の開放時間としてより長い時間が採用される態様のことである。すなわち、「促進態様」とは、普通図柄抽選手段920による抽選における当選確率のアップ、普通図柄抽選手段920による抽選時間の短縮(普通図柄の変動時間の短縮)および一対の可動片606の開放時間アップ等が相当する。ただし、これら三つの態様のうち、いずれか一つまたは二つのみを行うことによって促進態様としても良く、三つ全てを行うことによって促進態様としても良い。
また、パチンコ機1の遊技状態は、外観から把握することが困難な内部的に制御される遊技状態もある。本実施形態では、後述の確変機能(所謂確率変動機能)が作動する遊技状態と当該確変機能が作動しない遊技状態とがそれに相当する。
確変機能が作動しない場合、特別図柄抽選手段900によって、大当たりに当選する確率が所定の低確率(第1の確率)で抽選処理が行われる。一方、確変機能が作動する場合、特別図柄抽選手段900によって、大当たりに当選する確率が第1の確率よりも少なくとも2倍以上の確率(本実施形態では第1の確率(当選確率A)に対して10倍とされた第2の確率(当選確率B))で抽選処理が行われる。このように、確変機能が作動する場合に、確変機能が作動しない場合と比べて大当たりへの当選確率を少なくとも2倍以上とするのは、確変機能が作動したときに、確変機能が作動しない場合と比べて特別図柄の変動回数が少ない段階で大当たりに当選しうるようにすることで、興趣の低下の抑制を図るためである。
本実施形態では、開放延長機能および確変機能の両方とも作動しない遊技状態を「外部通常遊技状態A」と称し、開放延長機能は作動しないけれども確変機能が作動する遊技状態を「外部通常遊技状態B」と称し、開放延長機能は作動するけれども確変機能が作動しない遊技状態を「外部有利遊技状態A」と称し、開放延長機能および確変機能の両方とも作動する遊技状態を「外部有利遊技状態B」と称する。なお、上述の「外部通常遊技状態」は、「外部通常遊技状態A」および「外部通常遊技状態B」の両方を含む意味であり、上述の「外部有利遊技状態」は、「外部有利遊技状態A」および「外部有利遊技状態B」の両方を含む意味である。
なお、詳しくは後述するが、「外部有利遊技状態B」のとき、演出表示装置115において「外部有利遊技状態B」にあることを明示し、「外部有利遊技状態A」から区別可能となる場合がある。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が、外部通常遊技状態Aと外部通常遊技状態Bとを区別することは困難である。同様に、上記の演出表示装置115の表示によって区別可能な場合を除くと、外部有利遊技状態Aと外部有利遊技状態Bとの区別も困難となっている。従って、遊技者は、外部有利遊技状態であれば自己に有利な遊技状態であると判断し、外部通常遊技状態であれば自己に有利でない遊技状態であると判断することとなる。
また、いずれかの遊技状態から遊技者にとってより有利な遊技状態への変更は、条件装置が作動した場合にのみ行われる。なお、上記4つの遊技状態(外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態A、外部有利遊技状態B)のうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態は外部有利遊技状態Bであり、遊技者にとっても最も不利な遊技状態は外部通常遊技状態Aである。従って、外部通常遊技状態Aから他の遊技状態(外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態Aおよび外部有利遊技状態B)への変更、外部有利遊技状態Aから外部有利遊技状態Bへの変更等は、条件装置が作動しない限り行われない。
特別図柄抽選手段900は、遊技球が上始動口600への入賞に基づいて上始動口センサ780により検出されると、0〜1236の乱数幅で発生する当否判定用乱数のうち一つの乱数を、特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得する。この取得した乱数は当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されると共に、当該取得した乱数の数は、特別図柄保留カウンタ903によって第1所定数(例えば4個)まで保留される。そして、特別図柄保留カウンタ903による保留が解除されると、取得された順に当否判定用乱数記憶領域5131に記憶される乱数が処理領域5132に移され、特別図柄当否判定手段904によって大当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。
特別図柄当否判定手段904による当否判定は、外部通常遊技状態Aまたは外部有利遊技状態Aであれば、特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された乱数値と通常特図判定テーブル906とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。本実施形態では、先ずは、特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得した乱数値が大当たり乱数であるか否かが判定され、大当たり乱数であれば大当たり遊技実行手段715によって大当たり遊技が実行される。
一方、外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Bであれば、特別図柄当否判定手段904による当否判定は、特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された乱数値と第1確変特図判定テーブル908とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。本実施形態では、外部通常遊技状態Aまたは外部有利遊技状態Aのときと同様に、特別図柄当否判定用乱数取得手段902により取得した乱数値が大当たり乱数であるか否かが判定され、大当たり乱数であれば大当たり遊技実行手段715によって大当たり遊技が実行される。外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Bのとき、すなわち確変特図判定テーブル908は、通常特図判定テーブル906と比較して大当たり乱数の数が10倍に増えている。
なお、大当たり遊技が実行されているとき、たとえ上始動口600に遊技球が入賞しても当否判定は行われずに、取得した当否判定用乱数が当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されると共に特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値がカウントアップされる。また、通常特図判定テーブル906および確変特図判定テーブル908は、いずれもROM712(図40参照)に記憶されている。
ところで、特別図柄当否決定手段904による当否判定の結果が大当たりと判定されると、図示しない図柄乱数取得手段によって、0〜240の乱数幅で発生する図柄乱数のうち一つの乱数が取得される。そして、この取得された乱数値が、0〜110であれば第1大当たりと判定され、111〜118であれば第2大当たりと判定され、119〜239であれば第3大当たりと判定され、大当たり遊技実行手段715によって、大当たりに当選した旨を示す演出画像が演出表示装置115の表示面に表示される状況のもとで大当たり遊技用開閉装置500を開閉動作させる長開放大当たり(遊技者に対する定量の遊技球の払い出しが促される大当たり遊技)が実行される。すなわち、大当たりについての抽選処理は、特別図柄当否決定手段904による当否判定と、図柄乱数に応じた当選種判定とによって行われる。
一方、特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された乱数値が大当たり乱数でなければ、小当たり(状態維持当たり)に当選しているか否かが、特別図柄当否判定手段904によって判定される。具体的には、通常特図判定テーブル906および確変特図判定テーブル908には、当否判定用乱数のうちに、所定の小当たり乱数が記憶されている。取得した乱数がこれらの小当たり乱数であると判定されると、小当たり遊技実行手段714によって上記大当たり遊技用開閉装置500が開閉動作される小当たり遊技が実行される。小当たり乱数は通常特図判定テーブル906および確変特図判定テーブル908において共通しているので、特別図柄抽選手段900による抽選処理では、確変機能が作動しているか否かに拘らず、小当たりへの当選確率は常に一定である。
なお、特別図柄抽選手段900による当否判定は、上述のとおり、特別図柄保留カウンタ903による保留の解除条件が成立したことに基づいて行われる。本実施形態における当該解除条件は、特別図柄の変動開始であるが、これに限られない。例えば、特別図柄当否判定用の乱数を取得した際に当否判定を行い、当該当否判定結果を、特別図柄の変動が開始されるまで記憶するようにしても良い。
特別図柄当否判定手段904による判定結果は、特別図柄表示制御手段702によって、特別図柄表示器84に表示される。ただし、当該表示は、複数のLEDの点灯パターンによって表示されるため、特別図柄当否判定手段904による判定結果を、遊技者が把握することは困難である。
また、特別図柄保留カウンタ903による保留数は、特別図柄保留表示制御手段930によって、特別図柄保留表示器88に表示される。
大当たり遊技実行手段715および小当たり遊技実行手段714は、特別図柄当否判定手段904による判定結果に基づいて、大当たり遊技または小当たり遊技を実行する。ここで、大当たり遊技は条件装置の作動を伴う遊技であり、小当たり遊技は条件装置の作動を伴わない遊技である。
条件装置は、特別図柄当否判定手段904による判定結果が大当たりである場合にのみ作動するものであって、一の遊技状態から当該一の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態への変更(移行)は、条件装置が作動した場合にのみ可能となる。例えば外部通常遊技状態Aから外部有利遊技状態Bへの変更(移行)などは条件装置が作動することが条件である。従って、小当たり遊技が実行されるに際して遊技状態が変更することはなく、例えば、外部通常遊技状態Aであるときに小当たり遊技が実行されても外部通常遊技状態Aが継続し、外部有利遊技状態Bであるときに小当たり遊技が実行されても外部有利遊技状態Bが継続する。
なお、本実施形態のパチンコ機1においては、遊技状態変更抽選(一の遊技状態から当該一の遊技状態よりも遊技者により不利な遊技状態に変更するか否かの抽選)によって不利な遊技状態に移行することはないが、条件装置が作動すること、または、特別図柄の変動が一定回数行われること、の条件が成立した場合に不利な遊技状態への変更が行われることがある。
大当たり遊技実行手段715は、特別図柄当否判定手段904により判定された抽選結果が第1大当たり、第2大当たりまたは第3大当たりであれば、開閉動作制御手段938によって開閉装置開閉ソレノイド778を作動させて大当たり遊技用開閉装置500を開閉させる動作を行い、大当たり遊技を実行する。
ここで、大当たり遊技は、大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を、開閉動作制御手段938によって15ラウンド行う遊技である。一方、小当たり遊技は、大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を、開閉動作制御手段938によって2回行う遊技である。大当たり遊技用開閉装置500に遊技球が入賞すると、開閉装置カウントセンサ776によって入賞球数がカウントされる。そして、賞球としての所定数(例えば15球)の遊技球が、払出制御基板720によって球払出装置53から受け皿に払い出される。
なお、大当たり遊技は、これに限定されるものではなく、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間がほぼ同じ(例えば30秒)であるが、最大開放回数が相対的に多い大当たり(例えば15ラウンド)と、最大開放回数が相対的に少ない大当たり(例えば2ラウンド)等の複数通りの賞球払出数の大当たりを備え、抽選によっていずれかの大当たりが選択されるものであっても良い。また、最大開放回数がほぼ同じ(例えば15ラウンド)であるが、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が相対的に長い当たり(例えば30sec)と、大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が相対的に短い当たり(例えば0.3sec)とであっても良い。
ここで、「ラウンド」とは大当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位であって、大当たり遊技用開閉装置500が開放したのち、当該開放状態から閉鎖条件が成立して大当たり遊技用開閉装置500が閉鎖するまでが1ラウンドである。当該閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから所定時間経過すること、または、大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が入賞すること、である。このいずれかの条件を満たしたときに、大当たり遊技用開閉装置500が閉鎖する。
ところで、本実施形態では、大当たり遊技時における閉鎖条件と小当たり遊技時における閉鎖条件とが異なっている。大当たり遊技における閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから30sec経過すること、または、9球の遊技球が入賞すること、である。一方、小当たり遊技における閉鎖条件は、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから0.6sec経過すること、または、3球の遊技球が入賞すること、である。
なお、大当たり遊技用開閉装置500の閉鎖条件はこれらに限られるものではない。ただし、長開放大当たり遊技時においては、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから所定時間経過するまでに最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞可能である程度となるように、閉鎖条件が設定されることが好ましい。一方、小当たり遊技時においては、大当たり遊技用開閉装置500が開放中に辛うじて1球または2球の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞可能である程度となるように、閉鎖条件が設定されることが好ましい。
小当たり遊技実行手段714は、特別図柄当否判定手段904により判定された抽選結果が小当たりであれば、大当たり遊技用開閉装置500を開閉動作させる小当たり遊技を行う。本実施形態では、特別図柄当否判定手段904により判定された抽選結果が小当たりであれば、大当たり遊技用開閉装置500が開放してから0.6sec経過すること、または、3球の遊技球が入賞すること、を閉鎖条件とする大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作が2回行われる(大当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位を「ラウンド」と称するのに対し、小当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作単位を「回」と称する)。
このように、特別図柄抽選手段900による抽選では、大当たりに当選しなかった場合であっても小当たりに当選する期待感を持つことができる。
ただし、特別図柄当否判定手段904による判定結果が大当たりである場合と小当たりである場合とで、遊技者に付与される利益が大きく異なる。即ち、第1大当たり、第2大当たりまたは第3大当たりに当選した場合には、大当たり遊技用開閉装置500に多量の遊技球が入賞しうる。一方、小当たりに当選した場合には、大当たり遊技用開閉装置500に辛うじて1球または2球の遊技球が入賞しうる程度である。これにより、大当たり遊技が実行される場合と小当たり遊技が実行される場合とで、遊技者に付与される利益が大きく異なることとなる。
また、特別図柄当否判定手段904による大当たりの当否判定は、小当たりの当否判定に先立ってそれと別に行われる。ここで、小当たりの当否判定が大当たりの当否判定よりも仮に先に行われたとすると、小当たりに当選した場合には大当たりの当選が行われないことになってしまう。すなわち、本実施形態のパチンコ機1は、大当たりと小当たりとが重複当選することがないので、このような遊技機において小当たりの当否判定に先立って大当たりの当否判定が仮に行われたとすると、小当たりに当選した時点で大当たりに当選する機会が失われることとなる。従って、大当たりの当否判を小当たりの当否判定に先立って行うことで、特別図柄抽選手段900によって行われる全ての特別図柄の抽選において、大当たりへの当否判定が行われることとなり、興趣の低下を抑制できる。
なお、大当たりと小当たりとを重複して当選させるようにすることも可能であるが、この場合、いずれを優先して当選とするかを決めなければならず、制御的にも複雑となる。従って、本実施形態のように、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たりの当否判定を行うことによって、制御的な複雑化を回避できる。さらには、大当たりの当否判定および小当たりの当否判定の二度の抽選機会が与えられ、遊技者に得した気分を与えることができ、興趣の低下が抑制できる。
次に、普通図柄抽選手段920による抽選について説明する。
普通図柄抽選手段920は、遊技球が通過ゲート612を通過してゲートセンサ760により検出されると、0〜250の乱数幅で発生する普通図柄当否判定用乱数のうち一つの乱数を、普通図柄当否判定用乱数取得手段922により取得する。この取得した乱数は、当該取得した乱数を記憶する記憶領域および当該取得した乱数の数をカウンタ値として記憶する普通図柄保留カウンタを有する普通図柄保留手段923によって所定の上限値(例えば4個)まで保留される。そして、普通図柄保留手段923による保留が解除されると、取得された順に普通図柄当否判定手段924によって当否が判定される。
普通図柄当否判定手段924による当否判定は、外部通常遊技状態であれば、普通図柄当否判定用乱数取得手段922によって取得された乱数値と通常普図判定テーブル926とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。本実施形態では246〜250が当たり乱数なので、普通図柄当たり判定用乱数取得手段922により取得した乱数値がこれらの当たり乱数であるか否かが判定され、当たり乱数であれば、可動片開閉制御手段928によって一対の可動片606の開閉動作が実行される。なお、このとき、普通図柄の変動時間は4000msecであり、一対の可動片606は、開放時間180msの開閉動作を1回実行する(第1の動作態様)。
一方、外部有利遊技状態であれば、普通図柄当否判定手段924による当否判定は、普通図柄当否判定用乱数取得手段922によって取得された乱数値と普通図柄開放延長時当たり判定用テーブル927とに基づいて行われるように、遊技状態制御手段934によって制御される。本実施形態では1〜250が当たり乱数なので、普通図柄当たり判定用乱数取得手段922により取得した乱数値がこれらの当たり乱数であるか否かが判定され、当たり乱数であれば、可動片開閉制御手段928によって一対の可動片606の開閉動作が実行される。なお、このとき、普通図柄の変動時間は1024msecであり、一対の可動片606は、開放時間1300msecの開閉動作を3回および開放時間856msecの開閉動作を2回実行する。
このように、外部有利遊技状態であるとき、外部通常遊技状態の場合と比べて、下始動口604への遊技球の入賞頻度が飛躍的に向上する。従って、外部有利遊技状態であると特別図柄の抽選機会が飛躍的に増加し、大当たり遊技が実行される期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ここで、通常普図判定テーブル926および普通図柄開放延長時当たり判定用テーブル927は、いずれもROM712(図40参照)に記憶されている。
なお、本実施形態において、普通図柄当否判定手段924による当否判定は、外部通常遊技状態であっても当たりであると判定されて一対の可動片606の開閉動作が実行されうるが、これに代えて、外部通常遊技状態であるときは当たり確率がゼロとなるようにしても良い。即ち、一対の可動片606の開閉動作が行われるのは、外部有利遊技状態であるときのみとしても良い。
普通図柄当否判定手段924による判定結果は、普通図柄表示制御手段716によって普通図柄表示器82に表示される。また、普通図柄保留カウンタ923による保留数は、普通図柄保留表示制御手段718によって普通図柄保留表示器92に表示される。
可動片開閉制御手段928は、普通図柄当否判定手段924によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド774を作動させて一対の可動片606を開閉動作させる。ただし、上述したとおり、外部有利遊技状態である場合と、外部通常遊技状態である場合とでは、一対の可動片606の開閉動作態様は異なっている(外部有利遊技状態である場合、下始動口604への遊技球の入賞が、外部通常遊技状態である場合よりも容易化される)。
なお、本実施形態では、一対の可動片606が閉鎖されているとき、下始動口604への遊技球の入賞が不可能となっており、一対の可動片606が開閉動作することに伴って、下始動口604への遊技球の入賞が、上始動口600への遊技球の入賞よりも容易となる。ただし、一対の可動片606が閉鎖されているとき、下始動口604への遊技球の入賞が不可能である態様に限られず、下始動口604への遊技球の入賞が上始動口600への遊技球への入賞よりも困難であれば良い。
コマンド送信手段946は、特別図柄当否判定手段904による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板800に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115にて行われる装飾図柄の変動時間等が相当する。
なお、特別図柄当否判定手段904および普通図柄当否判定手段924による当否判定結果には、必ずしも外れが含まれている必要はない。例えば、大当たり遊技用開閉装置500への遊技球の入賞が極めて困難な態様で小当たり遊技が実行される場合であれば、大当たりに当選しなかったときは全て小当たりに当選するようにしても良い。
また、本実施形態のように、特別図柄当否判定手段904による当否判定において、大当たりの当否判定を小当たりの当否判定に先だって行うことによって上述したような顕著な効果がもたらされるが、大当たりの当否判定と小当たりの当否判定とを一括で行っても良い。
一方、周辺制御基板810は、図42に示すように、コマンド受信手段950と、演出抽選手段960と、演出制御手段962と、を備えている。
コマンド受信手段950は、主制御基板710から送信された特別図柄当否判定手段904による判定結果および当該判定結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段960は、演出表示装置115に表示される演出態様を決定し、これに伴って、スピーカー144,341から出力される効果音や楽曲等の演出音および各ランプ842,852,853における表示が決定される。演出制御手段962は、演出抽選手段960により決定された演出態様や表示に基づいて制御を行う。具体的には、演出抽選手段960により決定された演出態様が演出表示装置115に表示されるように表示装置制御基板816に情報送信すると共に、これに伴って決定された演出音等および表示がスピーカー144,341および枠装飾ランプ842から出力および表示されるように枠装飾中継端子板240を介して制御する。さらには、パネル駆動基板850を介してパネル装飾ランプ852やセンター装飾ランプ853における表示も制御する。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板700で実行される種々の制御処理について図43〜図48を参照して説明する。
[メインシステム処理について]
まず、図43に基づいて説明する。図43は、主基板700の主制御基板710に搭載されるCPU711(いずれも図40参照)が実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図43に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU711(図40参照)は、電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、まず、RAM713(図40参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判別する。すなわち、この実施の形態のRAM713(データメモリ)は、電力の常時供給によって各種の制御データがバックアップされるバックアップ領域を有している。そして、パチンコ機1は、電力供給の停止に際しては、上記RAM713の処理領域に記憶されている各種の制御データを上記バックアップ領域に一時退避させる処理を行うとともに、電源復帰時にこの一時退避されたデータを当該RAM713の処理領域に読み出すことで、電源遮断時から継続性のある遊技を実行可能としている。
したがって、この電源投入時処理(ステップS10)では、バックアップデータ(バックアップ領域内のデータ)が正常であれば、RAM713に記憶されているバックアップデータに従って電力供給の停止時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば、RAM713に記憶されているバックアップデータは消去される。そしてその後、RAM713の処理領域には、例えば現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。また、製品化されてから最初の電源投入時も、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる。
ただし、この電源投入時処理(ステップS10)では、RAM713に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであるか否かの判断も行われる。すなわち、このRAM消去スイッチがオンであったときも、RAM713に記憶されているバックアップデータは消去される。また併せて、RAM713の処理領域には、例えば現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。なお、こうした初期化処理が行われた状態では(イニシャル時では)、現在の遊技状態を示す制御データは、開放延長機能および確変機能の両方とも作動しない遊技状態である「外部通常遊技状態A」を示すようになる。したがって、上記一対の可動片606がイニシャル時に動作するようなことがあれば、この一対の可動片606は、開放時間180msの開閉動作を1回実行することとなる(第1の動作態様)。また、こうした初期化処理の直後のイニシャル時に大当たりについての抽選処理が行われるときは、その当選確率として上記第1の確率(当選確率A)が採用されることとなる。
また、電源投入時処理(ステップS10)では、このような初期化処理を実行したときに主制御基板710(図40参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを、周辺制御基板810(図40参照)に送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板710が起動したことを周辺制御基板810に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM713にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU711は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU711は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板510に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板510に搭載されるCPU511により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では24V)が復旧(以下「復電」と称する)した場合に、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM713のバックアップ領域にデータを一時退避させる処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理について]
図44は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU711は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM713の処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをRAM713のバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM713の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
次いで、CPU711は、RAM713の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU711は、RAM713へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、実際には電源電圧は停止されないため、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU711には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図44の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU711が起動することになる。
なお、RAM713のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としない、といったメリットがある。
若しくは、上記RAM713の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、RAM713の特定領域に記憶されているデータをその他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[タイマ割込処理について]
図45は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板700の主制御基板710に搭載されるCPU711により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU711は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ760、上始動口センサ780、下始動口センサ784、開閉装置カウントセンサ776等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板720に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ760から検出された信号に基づいて普通図柄表示器82に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片606の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、特別電動役物としての大当たり遊技用開閉装置500の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板710から周辺制御基板810に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板810に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)においてCPU711により更新される各種乱数について説明する。
本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、当否判定用乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン乱数および普通図柄当否判定用乱数等がある。
当否判定用乱数は、大当たり遊技または小当たり遊技を発生させるか否かの判定に用いられる当否判定用乱数である。図柄乱数は、大当たり遊技を発生させると判定されたときに、大当たりの種別(第1大当たり、第2大当たり、第3大当たり)の判定に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、当否判定にて大当たりおよび小当たりのいずれにも当選していない(即ち外れ)と判定されたときに、リーチ変動とするか否かの判定に用いられる乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄表示器84に表示する特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。普通図柄当否判定用乱数は、一対の可動片606を開放状態に制御するか否かの判定に用いられる乱数である。
なお、演出表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動パターンは、変動パターン乱数により決定しても良く、周辺基板800の周辺制御基板810に搭載されるCPU811または表示装置制御基板816に搭載されるCPU832(いずれも図41参照)により決定するようにしてもよい。また、変動パターン乱数は必須ではなく、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、大当たり遊技または小当たり遊技の発生に関わる当否判定用乱数、図柄乱数、および、遊技球を受け入れやすい開放状態に一対の可動片606を制御するか否かに関わる普通図柄当たり判定用乱数の更新を行う。ここで、大当たり遊技の発生および一対の可動片606を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当たり遊技または小当たり遊技を発生させると判定される確率、一対の可動片606を開放状態に制御すると判定される確率)を一定にする(即ち狙い打ち等により確率に偏りが発生することを防止する)ことができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、当たり遊技の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板710で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
[特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図46に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図46は、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)の一例を示すフローチャートである。
この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、上始動口600または下始動口604に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、特別図柄表示器84に表示される特別図柄および演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器84において特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器84における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて大当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、小当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(長開放大当たりか短開放大当たりか)を判断し、その大当たり種別に応じて大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)小当たり遊技処理(ステップS220)を実行する。この小当たり遊技処理では、大当たり遊技用開閉装置500の開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能を作動させるか否か判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり遊技処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、大当たり遊技用開閉装置500の開閉動作を制御し、小当たり遊技が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[始動口入賞処理について]
次に、始動口入賞処理について図47に基づいて説明する。図47は、始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1101において上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(特別図柄当否判定用乱数取得手段902によって取得された当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得する。そして、特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。
ステップS1101において特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、CPU711は、保留記憶処理を行い(ステップS1103)、その後、ステップS1104に進む。保留記憶処理は、上始動口600又は下始動口604に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を当否判定用乱数記憶領域5131に記憶すると共に、特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値に1を加算する処理である。なお、当否判定用乱数記憶領域5131は、当否判定用乱数記憶領域、図柄乱数記憶領域および特別図柄種別記憶領域を有しており、上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞したことによって取得した各種データは、それぞれの記憶領域に記憶される。
なお、ステップS1102において、上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞したときに特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値であるとき、ステップS1101で取得した各種データを破棄する。
なお、上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、上始動口600または下始動口604への入賞処理(ステップS1101〜ステップS1103)を実行している。
また、本実施形態では、上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞したときは特別図柄抽選手段900によって抽選処理を行っているが、これに限られない。例えば、上始動口600および下始動口604に対応させて特別図柄抽選手段を設けるようにしても良い(即ち、上始動口に対応する第1特別図柄抽選手段、下始動口に対応する第2特別図柄抽選手段を設けるようにしても良い)。この場合、第1特別図柄抽選手段による抽選処理が行われた場合の大当たり当選確率と、第2特別図柄抽選手段による抽選処理が行われた場合の大当たり当選確率と、が異なるようにしても良い。また、第1特別図柄抽選手段による抽選処理にて大当たりに当選した場合と、第2特別図柄抽選手段による抽選処理にて大当たりに当選した場合、とで遊技者に付与される利益に差異があっても良い。例えば、第1特別図柄抽選手段による抽選処理が行われた場合には第1大当たり遊技が実行される確率が相対的に高く設定される一方で、第2特別図柄抽選手段による抽選処理が行われた場合には第1大当たり遊技が実行される確率が相対的に低く設定されるような場合が相当する。
[変動開始処理について]
次に、変動開始処理について図48に基づいて説明する。図48は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU711は、先ず、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている乱数の数(始動記憶数)が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている始動記憶数が0であることは、特別図柄保留カウンタ903のカウンタ値が0であることを意味する。
始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、当否判定用乱数記憶領域5131のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、上始動口600または下始動口604への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数の当否判定が行われる順序をシフトする処理である。即ち、特別図柄の当否判定は上始動口600または下始動口604に遊技球が入賞した順に行われるため、変動開始に伴って当該順序がシフトする。上始動口600または下始動口604への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数のうち最も早く取得された乱数は、処理領域5132に移される。なお、ステップS1301において始動記憶数が0であれば(ステップS1301におけるYES)、変動開始処理を終了する。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU711は、特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1304)と共に、特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値を1減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、確変機能が作動している遊技状態であるか否かを判断する(ステップS1308)。ここで、確変機能が作動している遊技状態であれば(ステップS1308におけるYES)、確変特図判定テーブル908が選択される(ステップS1309)。一方、ステップS1308において確変機能が未作動であれば(ステップS1308におけるNO)、通常特図判定テーブル906が選択される(ステップS1310)。
そして、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数と、に基づいて当否判定が行われる(ステップS1311)。なお、ステップS1311における大当たり判定は、特別図柄当否判定手段904によって行われる。
ステップS1311における当否判定にて大当たりであると判定されると(ステップS1311におけるYES)、取得した図柄乱数に基づいて大当たりの種別を判定する(ステップS1312)。その後、大当たりの種別に応じたフラグをON状態にする(ステップS1313)。具体的には、第1大当たりであれば第1大当たりフラグをON状態にし、第2大当たりであれば第2大当たりフラグをON状態にし、第3大当たりであれば第3大当たりフラグをON状態にする。その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1316)、変動開始処理を終了する。
一方、ステップS1311における当否判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、小当たりであるか否かが判定される(ステップS1314)。ここで、小当たりに当選していると判定されると(ステップS1314におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1315)、ステップS1316に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。ステップS1314において小当たりに当選していないと判定されると(ステップS1314におけるNO)、ステップS1316に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数と、に基づいて当否判定が行われる(ステップS1311)が、これに限られない。例えば、判定テーブルと、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている当否判定用乱数のうち最も早く記憶された乱数と、に基づいて当否判定を行い、その後、シフト処理を行っても良い。このとき、当否判定用乱数記憶領域5131に記憶されている当否判定用乱数を参照できるのは、変動開始時のみである。
[変動パターン設定処理について]
次に、変動パターン設定処理について図49に基づいて説明する。図49は、変動パターン設定処理(ステップS150)の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、当否判定結果に応じて変動パターンを設定する処理である。この処理では、先ず、複数種類の大当たりのうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1510)。ここで大当たりフラグがON状態であると(ステップS1510におけるYES)、大当たりの種別に対応する変動パターンに設定する(ステップS1520)。具体的には、第1大当たりフラグがON状態であれば第1大当たりに対応する変動パターンに設定し、第2大当たりフラグがON状態であれば第2大当たりに対応する変動パターンに設定し、第3大当たりフラグがON状態であれば第3大当たりに対応する変動パターンに設定する。そして、その後、ステップS1560に進んで変動時間値をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)したのち、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS1510において、いずれの大当たりフラグもON状態でないとき(ステップS1510におけるNO)、小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1530)。ここで、小当たりフラグがON状態であると(ステップS1530におけるYES)、小当たりに対応する変動パターンに設定し(ステップS1540)、ステップS1560に進み、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)して変動パターン設定処理を終了する。
ステップS1530において、小当たりフラグがON状態でないとき(ステップS1530におけるNO)、当否判定結果が大当たりおよび小当たりのいずれにも当選していない外れである判断し、外れに対応する変動パターンに設定し(ステップS1550)、ステップS1560に進み、処理フラグを「2」に更新(ステップS1570)して変動パターン設定処理を終了する。
なお、この変動パターン設定処理において設定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器84における複数のLEDの点灯パターンによって表示される。
[変動中処理について]
次に、図50に基づいて、変動中処理について説明する。図50は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、特別図柄表示器84が変動中であれば変動中であると判断される。特別図柄が変動中でなければ(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。具体的には、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。ここで、変動時間が経過していなければ、変動時間が経過するまで待機する(ステップS1802におけるNO)。変動時間が経過すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、特別図柄表示器84において、特別図柄抽選手段900の抽選結果を導出表示する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、複数の大当たり種別のうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、いずれかの大当たり遊技を開始するか否を判断する。いずれかの大当たりフラグがON状態であると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。いずれの大当たりフラグもON状態でなければ(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、小当たり遊技を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがON状態であると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理について]
次に、図51に基づいて、大当たり遊技開始処理について説明する。この大当たり遊技開始処理では、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。上述のように、大当たり遊技が実行されているときは確変機能が作動しないため、確変機能が作動している場合には、確変機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、ステップS2001において確変機能が作動していないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、ステップS2002をスキップしてステップS2003に進む。
ステップS2003では、開放延長機能が作動中であるか否かを判断する。上述のとおり、大当たり遊技が実行されているときは開放延長機能が作動しないため、開放延長機能が作動している場合には、開放延長機能の作動を停止して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、ステップS2003において開放延長機能が作動していないと判断すると(ステップS2003におけるNO)、ステップS2004をスキップしてステップS2006に進む。
ステップS2006では、大当たり遊技時におけるラウンド回数(例えば15ラウンド)、1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば30sec)および最大入賞数(例えば9球)をセットする。そして、その後、ステップS2008に進んで処理フラグを「5」に更新し、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり遊技開始処理について]
次に、図52に基づいて、小当たり遊技開始処理について説明する。この小当たり遊技開始処理では、先ず、小当たり遊技時における大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数(例えば2回)、1回当たりの大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間(例えば0.6sec)、最大入賞数(例えば3球)をセットする。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり遊技開始処理を終了する。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図53に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理について説明する。特別電動役物大当たり制御処理においては、先ず、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。大当たり遊技用開閉装置500が開放中であれば(ステップS2401におけるYES)、予めセットされた大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、ステップS2006においてセットされた最大開放時間が経過したか否かを判断する。大当たり遊技用開閉装置500の最大開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖して(ステップS2404)、ステップS2405に進む。
ステップS2402において大当たり遊技用開閉装置500の開放時間が経過していなければ(ステップS2402におけるNO)、予めセットされた最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、開閉装置カウントセンサ776によるカウント値が、ステップS2006においてセットされた最大入賞数に達したか否かを判断する。大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、ステップS2404に進み、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖する。一方、大当たり遊技用開閉装置500に最大入賞数の遊技球が受け入れられていなければ、ステップS2402に戻る。
ステップS2405では、予めセットされたラウンド数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、ステップS2006においてセットされたラウンド数に達したか否かを判断する。ここで、予めセットされたラウンド数に達していれば(ステップS2405におけるYES)ステップS2407に進み、大当たりフラグ(第1〜第3大当たりフラグのうちON状態となっているフラグ)をOFFにする。一方、予めセットされたラウンド数に達していなければ(ステップS2405におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置500の開放処理を行い(ステップS2406)、ステップS2402に戻る。
なお、ステップS2401において、大当たり遊技用開閉装置500が開放中でないと判断されると(ステップS2401におけるNO)、ステップS2405に進む。
ステップS2407において大当たりフラグをOFFにしたのち、確変機能を作動すべきか否かを判断し(ステップS2408)、確変機能を作動すべきであれば確変機能の作動処理を行う(ステップS2409)。具体的には、ステップS2407においてOFFにされた大当たりフラグが、第1大当たりフラグまたは第2大当たりフラグであれば、確変機能を作動する。即ち、これまで行われていた大当たり遊技が、第1大当たり遊技または第2大当たり遊技であれば、確変機能を作動する。
また、ステップS2407においてOFFとされた大当たりフラグが第1大当たりフラグまたは第2大当たりフラグであるときは、ステップS2411において開放延長機能の作動処理を行う。その後、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2415)、特別役物大当たり制御処理を終了する。
一方、この実施の形態では、上記ステップS2408において、確変機能を作動すべきでない当たり(第3大当たり)に当選している旨判断されたとき(ステップS2408におけるNO)、開放延長機能の作動処理を行う(ステップS2413)。そしてこの後、開放延長機能の作動回数(例えば100回)を設定した時点で(ステップS2414)、ステップS2415に進んで処理フラグを「0」に更新し、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
[特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図54に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理について説明する。特別電動役物小当たり制御処理では、先ず、ステップS2201においてセットされた最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞したか否かを判断する(ステップS2501)。最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞していれば(ステップS2501におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500が開閉中か否かを判断する(ステップS2502)。大当たり遊技用開閉装置500が開閉中であれば(ステップS2502におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖して(ステップS2503)、小当たりフラグをOFF状態にする(ステップS2509)。ステップS2502において大当たり遊技用開閉装置500が開放中でなければ(即ち閉鎖していれば)、ステップS2509に進み、小当たりフラグをOFF状態にする。そして、その後、ステップS2510に進み、処理フラグを「0」に更新して、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2501において最大入賞数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞していないと判断すると、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であるか否かを判断する(ステップS2504)。ここで、大当たり遊技用開閉装置500が開放中であれば(ステップS2504におけるYES)、ステップS2201において予めセットされた開放時間が経過しているか否かを判断し(ステップS2505)、開放時間が経過していれば(ステップS2505におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置500を閉鎖する(ステップS2506)。その後、大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数が、ステップS2201において予めセットされた回数に達しているか否かを判断し(ステップS2507)、当該予めセットされた回数に達していれば(ステップS2507におけるYES)、小当たりフラグをOFFにした(ステップS2509)のち、処理フラグを「0」に更新する(ステップS2510)。ステップS2504において大当たり遊技用開閉装置500が開放中でないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、ステップS2507に進む。
なお、ステップS2505において大当たり遊技用開閉装置500の開放時間が予め定めた時間を経過していないと判断したとき(ステップS2505におけるNO)、ステップS2501に戻る。また、ステップS2507において大当たり遊技用開閉装置500の開放回数が予め定めた回数に達していないと判断したとき(ステップS2507におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置500を再び開放し(ステップS2508)、その後、ステップS2501)に戻る。
このように、予めセットされた遊技球が大当たり遊技用開閉装置500に入賞したと判断すると(ステップS2501におけるYES)、ステップS2201において予めセットされた大当たり遊技用開閉装置500の開閉回数に達したか否かに拘らず、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
[遊技内容について]
次に、各遊技状態における遊技内容について図55〜図58を参照して説明する。図55(a)は、外部通常遊技状態における大当たり遊技に関する遊技状態の変化の一例を示す説明図であり、図55(b)は、外部有利遊技状態における大当たり遊技に関する遊技状態の変化の一例を示す説明図であり、図56および図57は、外部通常遊技状態において演出表示装置に表示される画像の一例を示す図であり、図58は、図56の画像の構成を説明する図であり、図59は、図57に示した画像の構成を説明する図である。
ここで、図56および図57は、いずれも外部通常遊技状態にあるときに上記演出表示装置115に現れる演出態様の一態様を示す画像である。図56および図57では、背景画像が海中となっており、装飾図柄は、略水平方向にスクロール変動を行う。
図57および図58に示すように、演出表示装置115には、三つの図柄列からなる装飾図柄が表示され、当該装飾図柄の各図柄列には、1〜9の装飾図柄が順に配列されて表示される。この装飾図柄のうち、1、3、5、7および9は赤で表示され、2、6および8は青で表示される。また、三つの図柄列のうち、中央列には、4は赤で表示されるものと青で表示されるものの2種類がある。以下、赤で表示される図柄を特定図柄、青で表示される図柄を非特定図柄と称する。
外部通常遊技状態において、特別遊技抽選手段900による抽選処理(以下、単に「特別図柄抽選処理」と称する)にて第1大当たり、第2大当たりまたは第3大当たりに当選すると、装飾図柄が横方向にスクロール変動し、その後、ゾロ目(三つの図柄列が同じ図柄となること)で停止表示される。
なお、詳細は後述するが、特別図柄抽選処理の結果は、装飾図柄のみでなく、演出表示装置115に表示される画像において補助図柄570として表示される(図56〜図59参照)。
ところで、外部通常遊技状態において、リーチが発生しない場合における特別図柄の変動時間は、特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(所謂保留数)によって異なっており、変動開始時における当該カウンタ値(変動開始に伴ってカウンタ値が減算されたのちの値)が3であれば概ね11secとなっている。また、当該カウンタ値が2であれば概ね6sec、当該カウンタ値が0または1であれば概ね3secとなっている。また、装飾図柄の変動時間および特別図柄対応図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間とほぼ同じである。
上記特別図柄抽選処理の結果が第1大当たりであるとき、装飾図柄は、特定図柄または非特定図柄のゾロ目で停止表示され、その後、第1大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。当該大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は、特別図柄抽選処理にて再度大当たりに当選するまで、外部有利遊技状態Bとなる。なお、詳細は後述するが、外部通常遊技状態時における特別図柄抽選処理の結果が第1大当たりに基づく大当たり遊技開始の際に、大当り遊技中の演出モードの抽選が行われ、大当り遊技開始により、抽選結果に基づいて各演出モードに移行する(以下、各演出モードと、遊技状態の変遷に関しては、図55(a),(b)をあわせて参照)。
一方、上記特別図柄抽選処理の結果が第2大当たりまたは第3大当たりであるとき、装飾図柄は、非特定図柄のゾロ目で停止表示され(特定図柄のゾロ目で停止表示されることはない)、その後、第2大当たりまたは第3大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。
特別図柄抽選処理の結果が第2大当たりであったことに基づく大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は、外部有利遊技状態Bとなる。特別図柄抽選処理の結果が第3大当たりであったことに基づく大当たり遊技が終了したのちの遊技状態は、外部有利遊技状態Aである。このように、第1大当たり、第2大当たりおよび第3大当たりのいずれの結果に基づく大当たり遊技であっても、終了したのちの遊技状態は外部有利遊技状態となる。
本実施形態のパチンコ機1は、特別図柄抽選処理が行われた時点の遊技状態が外部通常遊技状態であった場合と、外部有利遊技状態であった場合とでは、大当たり遊技以降の遊技状態および演出表示装置115における演出が異なっている。
すなわち、大当たり遊技中に演出表示装置115にて行われる演出には、「確変継続モード」、「通常ラウンドモード」および「昇格モード」の3通りがあり、特別図柄抽選処理の結果が第1大当たりであったときには、「確変継続モード」または「昇格モード」が表示される場合があり、第2大当たりであったときには、「確変継続モード」、「昇格モード」または「通常ラウンドモード」が表示される場合がある。一方、第3大当たりであったときには、常に「通常ラウンドモード」が表示される。
「確変継続モード」は、大当たり遊技終了後に確変機能及び時短機能が作動することを示す演出であり、大当たり遊技終了後にさらに大当たりを得られると遊技者に予期させ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。一方、「通常ラウンドモード」は、大当たり遊技終了後に時短機能は作動するものの、確変機能は作動しないことを示す演出である。「通常ラウンドモード」には、確変機能が作動しない場合の「通常ラウンドモードA」と、確変機能が作動しないことを示すが、実際には確変機能が作動する場合の「通常ラウンドモードB」とがある。また、「昇格モード」は、外見上は「通常ラウンドモード」と区別がつかない演出であり、「通常ラウンドモード」と同様に確変機能が作動しないことを示唆するが、実際には「昇格モード」の場合は、大当たり遊技の終了後は必ず確変機能が作動する。また、「昇格モード」においては、「通常ラウンドモード」とは異なり、大当たり遊技の各ラウンドに先立って行われる昇格演出実行抽選の結果に基づいて「昇格モード」から「確変継続モード」へと移行する可能性がある。「昇格モード」において、当初は「通常ラウンドモード」であるかのような演出であったのが、昇格演出実行抽選の結果に基づいて「確変継続モード」に移行することで、大当たり遊技終了後は確変機能が作動することを報知し、遊技者の大当たりに対する期待感を大幅に高め、興趣が低下するのを防止することができる。また、「昇格モード」が、当初は「通常ラウンドモード」と区別困難であることにより、演出表示装置115に表示される演出が、「通常ラウンドモード」であった場合にも、遊技者に「確変継続モードに移行するのではないか?」と期待感を高め、遊技に対する意欲の低下を抑制することができる。
なお、第1大当たりであったときと、第2大当たりであったときの演出の選択については、各種条件に基づいて決定されるものであり、その詳細を図56に基づき以下に説明する。
外部通常遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、特別図柄抽選処理の結果が第1大当たりであった場合には、大当たり遊技に先立って、周辺制御基板810(図41参照)においてラウンド演出モード抽選が行われ、演出モードとして「昇格モード」または「確変継続モード」が選択される。該ラウンド演出モード抽選の結果、「昇格モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、「昇格モード」の演出で開始される。また、「確変継続モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、当初から「確変継続モード」において開始され、大当たり遊技が終了するまで「確変継続モード」が継続する。「昇格モード」の場合には、先述のように、大当たり遊技中に「確変継続モード」に移行する可能性がある。
外部通常遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、結果が第2大当たりであった場合には、大当たり遊技中は「通常ラウンドモードB」の演出が行われる。第2大当たりのときは、大当たり遊技の終了後に確変機能が作動するのであるが、演出表示装置115においては「通常ラウンドモードB」の演出が行われるため、遊技者には確変機能が作動しないものと思わせる。大当たり遊技終了後は確変機能が作動するため、遊技者が予期していなかった大当たりが早期に発生する可能性が大であり、不意を突いた大当たりによって遊技者を大いに高揚させる効果が期待できる。
外部通常遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、結果が第3大当たりであった場合には、大当たり遊技中は「通常ラウンドモードA」の演出が行われる。第3大当たりの場合は、大当たり遊技終了後は確変機能が作動しないため、大当たりが数珠繋ぎになって発生する可能性は、確変機能が作動する場合と比較して1/10に留まる。「通常ラウンドモードA」は、確変機能が作動しないことを示すため、大当たり遊技の終了を予告するものでもある。
一方、外部有利遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、特別図柄抽選処理の結果が第1大当たりであった場合には、大当たり遊技に先立ってラウンド演出モード抽選が行われ、外部通常遊技状態である場合と同様に、演出モードとして「昇格モード」または「確変継続モード」が選択される。該ラウンド演出モード抽選の結果、「昇格モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、「昇格モード」の演出で開始される。また、「確変継続モード」に当選した場合には、大当たり遊技は、当初から「確変継続モード」において開始され、大当たり遊技が終了するまで「確変継続モード」が継続する。
外部有利遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、結果が第2大当たりであった場合には、外部通常遊技状態のときとは異なり、大当たり遊技中は常に「昇格モード」の演出が行われる。外部有利遊技状態にある場合は、外部有利遊技状態となる前に既に大当たり遊技を経過しているため、遊技者は大当たり遊技によって獲得した賞球によって相応の満足感を得ているが、「そろそろ大当たり遊技の連鎖が終了するのではないか?」と疑心暗鬼になりやすい。このときに、当初の外見上は「通常ラウンドモード」と区別がつかない「昇格モード」に突入する可能性が、外部通常遊技状態のときよりも高くなっていることにより、遊技者が「昇格モード」を「通常ラウンドモード」であると誤認し、大当たり遊技の連鎖が終了するものと考える可能性を高める。これにより、昇格演出が行われることで、大当たり遊技の連鎖を半ばあきらめていた遊技者に対して予想外の喜びを感じさせて、大当たり遊技の連鎖が単調化して遊技の興趣が低下することを防止することができる。
外部有利遊技状態であるときに特別図柄抽選処理が行われ、結果が第3大当たりであった場合には、大当たり遊技中は「通常ラウンドモードA」の演出が行われる。第3大当たりの場合は、大当たり遊技終了後は確変機能が作動しないため、大当たりが数珠繋ぎになって発生する可能性は、確変機能が作動する場合と比較して1/10に留まる。「通常ラウンドモードA」は、確変機能が作動しないことを示すため、大当たり遊技の終了を予告するものである。
ところで、第1大当たりに基づく大当たりが行われ、「昇格モード」の演出が選択されていた場合は、大当たり遊技において各ラウンド開始時に昇格演出を行うか否かについて昇格演出実行抽選が行われる。昇格演出実行抽選の結果、昇格演出が選択された場合には、当該ラウンド中に昇格演出が行われ、その後のラウンドは「確変継続モード」の演出に切り換えられる。なお、本実施形態のパチンコ機1は、昇格演出実行抽選において昇格演出が選択される確率は、10/151(約6.6%)である。昇格演出実行抽選は、昇格演出が行われて「確変継続モード」に移行しない限り、最終ラウンドのひとつ前のラウンド、すなわち、本実施形態においては14ラウンドまで毎ラウンド行われる。14ラウンド以前に昇格演出が行われなかった場合には、15ラウンドにおいては昇格演出実行抽選は行われず、大当たり遊技の最後まで「昇格モード」が継続する。この場合には、大当たり遊技終了まで、外見上は「昇格モード」と「通常ラウンドモード」との区別は困難となる。
大当たり遊技が終了すると、「確変継続モード」であった場合には、外部有利遊技状態Bで遊技が再開される。この場合には時短機能及び確変機能が作動することが明白となっており、遊技者はまもなく、再度大当たりが発生することを期待して遊技を行うことができる。
一方、「通常ラウンドモードA」であった場合には、外部有利遊技状態Aで遊技が再開される。この場合には時短機能は作動するが、確変機能は作動しないため、遊技者は、限られた有利性を得たものと認識し、有利性を喪失する不安と大当たりに対する期待とが入交じった状態で遊技を行う。なお、この場合の時短機能は、特別図柄抽選処理が100回行われる間に限定されて作動する。時短機能の作動が終了すると、外部通常遊技状態A、すなわち初期状態へと戻る。
また、大当たり遊技終了時に「昇格モード」であった場合は、外部有利遊技状態B2(外部有利遊技状態B)で遊技が再開される。ただし、外見上は「通常ラウンドモード」であった場合と同様の演出が行われるために外部有利遊技状態Aと区別が困難となっており、遊技者には確変機能が作動していることは報知されない。また、この場合には、特別図柄抽選処理が行われる毎に移行演出発生抽選が行われる。移行演出は、「昇格モード」のままで大当たり遊技を終了したときの演出を、「確変継続モード」から外部有利遊技状態Bになった場合と同様の演出に変更するものである。移行演出発生抽選は、4/53の確率で当選し、移行演出が行われるものである。移行演出が行われると、外部有利遊技状態Bであることが明示される。遊技者にとっては意外な喜びであり、大当たり発生への期待感を大幅に高めることができる。なお、この場合にも時短機能は、特別図柄抽選処理が100回行われる間に限定して作動するが、特別図柄抽選処理が100回行われる間に移行演出発生に当選しなかった場合には、100回目が終了するとともに自動的に「確変継続モード」から外部有利遊技状態Bになった場合と同様の演出へと移行する。このとき、移行演出は行われない。
大当たり遊技終了時に「通常ラウンドモードB」であった場合は、外部有利遊技状態B3(外部有利遊技状態B)で遊技が再開される。ただし、外見上は「通常ラウンドモード」であった場合と同様の演出が行われるために外部有利遊技状態Aと区別が困難となっており、遊技者には確変機能が作動していることは報知されない。また、この場合には、「昇格モード」から移行した外部有利遊技状態B2の場合とは異なり、特別図柄抽選処理が行われる毎に移行演出発生抽選が行われない。
外部通常遊技状態において第3大当たりに当選したときは、第3大当たりへの当選に基づく大当たり遊技が終了すると、外部有利遊技状態Aとなる。そして、特別図柄の変動が100回転行われるまで大当たりが生じなかった場合には、再び外部通常遊技状態Aとなり、外部通常遊技状態である旨を示す演出画像が演出表示装置115に再度表示されることとなる。
このように、外部通常遊技状態において第2大当たりおよび第3大当たりに当選したときは、いずれの当選種別であったとしても、該当する当りに応じた大当り遊技が終了したのち、外部有利遊技状態となる。この外部有利遊技状態は、特別図柄の変動が最大で100回転行われるまで継続するが、その間に再度いずれかの大当たりに当選することなく特別図柄の変動が100回転を超えると外部通常遊技状態になる。つまり、第2大当たりに当選し、第2大当たりへの当選に基づく大当たり遊技が終了すると、外部有利遊技状態Bとなる。そして、特別図柄の変動が100回転行われるまで大当たりが生じなかった場合には、外部通常遊技状態Bとなる。
大当たり遊技終了後、特別図柄の変動が100回転行われるまでの間に再度の大当たりが生じず、外部通常遊技状態となった場合、遊技者は、内部的に外部通常遊技状態Aおよび外部通常遊技状態Bのいずれであっても、自己に有利でない遊技状態(イニシャル時にも現れる遊技状態)であると判断して遊技を行うこととなる。換言すれば、遊技者は、上記一対の可動片606が動作するときの動作態様が上記イニシャル時と同様であることから、上記イニシャル時から遊技状態に変化はなく、上記大当たりの当選確率も上記イニシャル時に採用される当選確率A(第1の確率)と同様だろうと判断して遊技を行うこととなる。
ところで、外部通常遊技状態Bであれば特別図柄の変動が数10回転行われるまでの間に極めて高い頻度で大当たりに当選することは言うまでもないが、仮に外部通常遊技状態Aであったとしても、本実施形態における外部通常遊技状態A時の大当たりへの当選確率上、特別図柄の変動が数10回転行われるまでの間に大当たりに当選する可能性がある。
一方、遊技者は、演出表示装置115の表示に基づいて確変機能が作動しない外部通常遊技状態Aであることを前提として遊技を行っているので、終了後に外部通常遊技状態となるいずれかの大当たり遊技または小当たり遊技ののち数10回転といった、確変機能が作動しない外部通常遊技状態A時における大当たりの当選確率と比較して早い段階で数珠連なりで大当たりに当選することは遊技者にとって予想外のことである。このように予想外に大当たりに当選すると(以下、このような大当たりを「予想外大当たり」と称する)、遊技者は自らに“ツキ(幸運であること)”があると思い込み、気分良く遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制できる。
また、このような予想外大当たりは、遊技状態がいかにも確変機能が作動しない遊技状態であるように見せつつも、実際には確変機能が作動する外部通常遊技状態Bの場合を積極的に存在させることにより発生するものである。従って、確変機能が作動しない外部通常遊技状態A時における比較的低い大当たりの当選確率のみに頼った単なる偶然により数珠連なりで大当たり遊技が実行されるわけではなく、意図的に比較的高い頻度で数珠連なりで大当たりに当選しうるので、興趣の低下を抑制できる。しかも、特別図柄の変動回数が例えば何千回転といった所謂ハマリに陥る遊技状態に意図的に設定されることもないので(ただし、所謂ハマリに偶然陥る可能性は確率上ありうる)、遊技続行の意欲が失われることがなく、興趣の低下を抑制できる。
ところで、外部通常遊技状態にて演出表示装置115に表示された装飾図柄が特定図柄のゾロ目であれば、その時点で第1大当たりに当選したことを把握できる。また、演出表示装置115においては「確変継続モード」の演出が行われる。これにより、第1大当たり遊技終了後の遊技状態が外部有利遊技状態Bとなることを把握できるので、遊技者に大きな期待感を与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
一方、外部通常遊技状態にて演出表示装置115に表示された装飾図柄が非特定図柄であれば、この段階ではいずれの大当たりに当選したのかを把握することはできない。ただし、演出表示装置115に表示された装飾図柄が準特定図柄または非特定図柄であったとしても、第2大当たりに当選していれば、大当たり遊技中または大当たり遊技が終了したのちに第2大当たりであったことが報知される。従って、遊技者は、「昇格モード」に突入するのではないかといった期待感を抱きながら大当たり遊技を実行することとなるので、単調となりがちな大当たり遊技中における興趣の低下を抑制できる。
装飾図柄が非特定図柄であったときには、大当りに当選した段階では演出表示装置115の表示によっては第2大当たりと第3大当たりとの区別をつけることはできないが、特別図柄表示器84に表示された特別図柄によって、いずれの大当たりに当選したのかを確認することが可能である。
また、遊技状態に拘らず特別図柄抽選処理の結果が小当たりであるとき、本実施形態では、演出表示装置115においてゾロ目が表示されずにチャンス目が表示され、小当たり遊技を実行する。なお、当該小当たり遊技の実行は条件装置の作動が条件ではないので、小当たり遊技が実行されても遊技状態は変更しない。例えば、内部的に外部通常遊技状態Aにあるときに小当たりに当選した場合には小当たり遊技の終了後も外部通常遊技状態Aのままであり、内部的に外部有利遊技状態Bにあるときに小当たりに当選した場合には小当たり遊技の終了後も外部有利遊技状態Bのままである。
[特別図柄の変動時間について]
ところで、特別図柄は、開放延長機能が作動しているか否かによって変動時間が異なる。また、開放延長機能が作動していない場合には、リーチが発生しない場合における特別図柄の変動時間は特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(所謂第1保留数)に応じて異なっている。
具体的には、開放延長機能が作動しない外部通常遊技状態において、リーチが発生しない場合における特別図柄の変動時間は、変動開始時における特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値(当該変動を開始することに伴ってカウンタ値が減算されたのちのカウンタ値)が3であれば概ね11secとなっている。また、当該カウンタ値が2であれば概ね6sec、当該カウンタ値が0または1であれば概ね3secとなっている。なお、リーチが発生する場合における特別図柄の変動時間は、当該リーチの態様によって変動時間が決まる。
一方、開放延長機能が作動する外部有利遊技状態(外部有利遊技状態A、外部有利遊技状態B)において、リーチが発生しない場合における特別図柄の変動時間は、特別図柄保留カウンタ903によるカウンタ値に拠ることなく概ね2secとなっている。
[補助図柄の表示について]
図57および図58は、外部通常遊技状態A(ノーマル状態)において演出表示手段115の画面に表示される画像の一例であり、図59および図60は、夫々図57および図58の画像を説明する図である。以下、主に図59および図60に基づいて説明する。
図57及び図59に示すように、表示態様630の演出背景態様590は、演出表示領域571、図柄表示領域572および演出予備領域573に区画されており、装飾図柄574〜581が、上下に3列に並び、各列ごとに水平方向にスクロール変動する。装飾図柄列は、垂直方向に中央およびその左右両脇の縦3列に整列して停止される。演出背景態様590は全体として海中の光景を表すものであり、各装飾図柄は、海中の生物を模した図像に1〜9の数字が表示されて構成されている。装飾図柄577は、他の装飾図柄とは異なり、他の装飾図柄よりも小さく数字の表示が付けられていない。
また、図柄表示領域572及び演出予備領域573は、海中の岩場やサンゴ礁を表す図像となっている。域図柄表示領域572及び演出予備領域573は、演出背景態様590の一部であるが、あたかも図柄表示領域572及び演出予備領域573が演出表示領域571よりも手前に位置し、装飾図柄列は演出表示領域571と、図柄表示領域572及び演出予備領域573の間を移動するかのように、装飾図柄574〜581は、図柄表示領域572及び演出予備領域573の後方に隠れるように表示される。図柄表示領域572及び演出予備領域573は、岩やサンゴ礁を表す多数の小背景図像592から構成されており、白い縁取りのある小さな模様の集合のような図像を呈している。
また、演出表示手段115の画面に表示される態様は、遊技の進行にともなって変化する。図58及び図60に他の例を示す。図58に示す表示態様631の演出背景態様591は、演出背景態様590と同様に、演出表示領域571、図柄表示領域582及び演出予備領域583を有するが、さらに告知演出窓586を備えた告知演出領域585が設けられている。告知演出窓は、カーテン587及びカーテン588が開いて中に人物等のキャラクターが登場してメッセージを喋る演出等を行うものである。
図57〜図60に示すように、補助図柄570は、星形を呈しており、装飾図柄574〜581に比して小さな図像であり、図柄表示領域572及び図柄表示領域582の所定の位置に表示される。
図55に基づき補助図柄表示に関して説明する。上始動口センサ780または下始動口センサ789による遊技球の検出に基づいて特別図柄抽選手段900が抽選を行い、特別図柄が決定されると、特別図柄の情報は、主制御基板710のコマンド送信手段946からから周辺制御基板810のコマンド受信手段950へと送信される。演出制御手段962は、コマンド受信手段950から入力された特別図柄の情報に基づき、演出抽選手段960において演出乱数取得手段966から乱数を取得させ、演出パターン判定テーブル970を参照し、演出パターンを決定する抽選処理を行わせる。決定された演出パターンと、特別図柄とに基づいて、演出制御手段962は、補助図柄処理手段964に補助図柄570の表示位置および表示図柄を決定する処理を行わせる。演出制御手段962は、演出パターンと補助図柄の情報とを表示装置制御基板816に送信し、表示装置制御基板816は受信したコマンドに基づいて演出表示装置115(図41参照)に演出態様を導出する。
補助図柄570は、色彩の変動を繰り返して変動中であることを表示する。変動を停止すると、特別図柄に基づいて抽選結果を示す色を呈する。本例においては、抽選の結果としていかなる当りも発生しなかった場合には補助図柄570は青色を呈して変動を停止する。大当たりが生じた場合には、補助図柄570は赤色を呈する。なお、補助図柄570はヒトデを模した図像であるため、赤色を呈しても海中の光景を表現する演出態様630,631において違和感が生じる虞はない。抽選結果が小当たりであった場合には、補助図柄570は紫色を呈する。
このように、補助図柄570は抽選結果の種別に関する情報を表示するが、特別図柄表示器84における特別図柄の表示とは異なり、確変機能の作動等に関する情報を含まないものとなっている。また、補助図柄570の変動時には小刻みに色を変化させるが、表示位置を移動することはなく、外形の変化もともなわないため、抽選結果の表示は装飾図柄よりも簡潔かつ明快となる。
ところで、補助図柄570は、先述のようにヒトデを模した図像であるが、変動していない通常時には外周部に白い輪郭を有する青色を呈している。また、演出背景態様590,591は海中の風景を表しているので全体としては青系の色が多く使用されているが、図柄表示領域572,582は、海中のサンゴ礁の様子を模しており、各部が青系に限定されない様々な色を呈している。図柄表示領域572,582は、壷状のサンゴを表す小背景図像592,593やその他の岩等の集合として描かれているが、小背景図像592,593の大きさは、補助図柄570の大きさに近いものである。また、補助図柄570は白い輪郭を有するが、小背景図像もまた、壷状の形状を表現しており、中央部が暗く、周辺部が明るい図像を呈しており、補助図柄570と類似している。先述のように、補助図柄570は通常時は青色であるが、変動すると小刻みに色を変え、赤、紫等の色に変化して変動を停止するが、図柄表示領域572には様々な色が使用されており、補助図柄570の表示される周辺の小背景図柄592,593は、変動を停止したときに補助図柄570と同系統の色相となりやすい青色または赤色を呈する。これにより、補助図柄570は形状、大きさ、色属性において小背景図像592,593と類似した外観を呈するので、小背景図像592,593に対して馴染んで見える。補助図柄570と小背景図像592,593、すなわち図柄表示領域572,582とが馴染んで見えることで、補助図柄570が背景との間に違和感を生じさせてしまう虞を抑制することができる。
また、表示態様630(図57、図59)においては、図柄表示領域572は、画面右側端部の上端から中央やや下までの範囲に設けられており、補助図柄570は、図柄表示領域572の中にあって、表示される上下位置は画面の中央付近の所定の位置となっている。遊技の進行にともなって表示態様が変化すると、図柄表示領域572は演出背景態様に応じて変位し、補助図柄570の表示位置も変化する。表示態様631(図58、図60)においては、図柄表示領域582は、画面右側端部であって上下位置は画面の下半分ほどの範囲に設けられている。また、補助図柄570は図柄表示領域582の中であって画面の中央よりも下方に寄った所定の位置に表示されている。図柄表示領域582は、図柄表示領域572とは位置が異なり、全体の図像を構成する小背景図像も異なっているが、表示態様630と同様に表示態様631においても、補助図柄570は、上記のように図柄表示領域582に対して馴染んで見えるため、背景との間に違和感を生じさせてしまう虞を抑制することができる。
図55に示すように、この補助図柄570の表示位置は、演出抽選手段960によって決定された演出パターンによって決定される。演出制御手段962は、補助図柄処理手段964の処理に基づき、補助図柄570の表示を演出パターンとあわせて決定する。
このように、本例のパチンコ機1によれば、遊技球が射出される遊技領域20が全体的に発光して視覚的演出が行われるので、遊技領域20に対して遊技者は集中しやすくなっている。また、遊技球の転動を注視するため、発光する遊技領域20を注視することになるが、遊技領域20に光を照射するバックライトユニット380の光は間接光であるので眩しさや目の疲労感を生じさせにくくなっている。また、広い範囲を発光させることによって、遊技機の外観に豪華な印象を与えることができる。また、単一の光源を用いた発光演出ながらも、遊技領域20の広い範囲を発光させることで、パチンコ機1に遊技者の注意を喚起しやすい目立つ外観を生じさせることが可能である。
また、本例のパチンコ機1によれば、バックライトユニット380は、反射シート563によって反射させられた反射光によって遊技領域20を照明するため、発光演出の明るさを損なうことなく、遊技者の目に対する刺激を和らげ、眩しさや目の疲労感を生じさせる虞を低減させることができる。すなわち、バックライトユニット380のように反射光を用いる間接照明方式の光源の場合、光源から放射される光が直接的に視認される場合よりも光源の1点から遊技者の網膜に到達する光の光度(単位立体角あたりの放射光の光束)は小さいが、反射部材から反射して多数の方向から網膜へと光が届くため、網膜に届く光束は大きくなる。このようにすることで、局所的に強い光を受けた場合とは異なり、眩しさや疲労感を生じさせにくくすることができる。遊技領域20の周辺における発光演出においては特に遊技者が注視する時間が長いため、遊技者に眩しさや疲労感を感じさせると稼動を低下させる虞が強いが、本構成によれば、遊技者が視覚的な不快感を覚えることによる稼動の低下を防ぐことができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、球状装飾体272〜275及び各球状装飾体に対応する発光基板によって局所的に光が遮られるが、遊技領域20のその他の部分を発光させることができるので、球状装飾体272〜275の配設によって発光演出の効果が損なわれる虞を低減させることができる。また、仮に球状装飾体272の配設位置を変えても、遊技領域20を全体的に発光させることが可能であるため、球状装飾体272〜275の配設位置の自由度が高くなっている。
また、本例のパチンコ機1によれば、バックライトユニット380は、先述のように反射光によって照明するため、前方に配設されている球状装飾体272〜275に対して多方向から光を照射し、光が照射される側と陰になる側との境界付近のコントラストを低下させ、鋭い影を生じにくくすることができる。これにより、球状装飾体272〜275が発光演出の邪魔になっているかのような印象を与える虞を抑制することができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、バックライトユニット380は薄板状であって省スペース性に優れているので、筐体内部の限られた空間利用の効率を改善したり、筐体を小型化したりすることが可能である。また、箱状の空間内に配設したときに無駄な空間が生じにくいため、装飾体ユニット基部89の中の空間を合理的に活用することができる。これにより、バックライトユニット380を装飾体ユニット基部89の奥側に配設することにより、バックライトユニット380と遊技領域板81との間に球状装飾体等を配設可能な空間を設けて構成の自由度を高めている。
また、本例のパチンコ機1によれば、バックライトユニット380が薄板状であり、前後方向に層状に並ぶ構成となっているので、バックライトユニット380、発光基板ユニット381、装飾体パネル242、遊技領域板81等を層状にユニット化して遊技機を構成することが可能である。これにより、遊技機の内部の空間利用を合理化することが可能である。また、ユニット化により、遊技機の製造やメンテナンスを容易にすることができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域20における発光演出に加えて、演出表示装置115を用いた視覚的演出態様による演出を行うことができるので、演出を多様化して興趣を盛り上げることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、透光性を有する部材として、遊技領域20を前面に有する遊技領域板81と、光を屈折させて発光演出における意匠性を高める透光装飾体パネル242とを前後に重なる位置で備えており、遊技領域20の平滑性と、バックライトユニット380より照射された光を屈折させるレンズ効果をもたらす立体的な造形とを両立できる。遊技領域板81の厚みに変化を設けてレンズ効果をもたらすようにすると、各部の厚みが不均一になるので、成形時に変形したり破損したりする虞があるのに対し、遊技領域板81を板状とし、透光装飾体パネル242をその後方に配設することで各部材を適した形状とすることができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、球状装飾体272〜275は、透光装飾体パネル242よりも前方に配設されているため、遊技者側から遊技領域板81を透過して視認しやすくなっている。また、透光装飾体パネル242の各装飾体と、球状装飾体との立体的な位置関係を利用して視覚的に奥行感を演出することができる。これにより、発光演出の興趣に空間的な面白みを加味することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域20の内側に演出表示装置115が視認可能な開口部99を備えたセンター役物247が配設され、遊技領域20と演出表示装置115の画面前方の空間とを区画して演出表示装置115の視認性を向上させることができる。また、センター役物247は一部に不透明な部材が装着されているが、略全体が透光性を有する素材で形成されており、遊技領域板81の遊技者側に配設され、発光演出を複雑化して興趣を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、バックライトユニット380には上部冷陰極管セット564、下部冷陰極管セット565と、複数の発光手段を備えていて導光板562に向けて互いに対向する端部から光を照射するため、発光手段が一つの場合と比較して、バックライトユニット380の明るさを全体的により均等化することができる。また、上部冷陰極管セット564または下部冷陰極管セット565が故障した場合にも、直ちに発光演出が不可能となることはなく、遊技機の信頼性を向上させることができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、外側遮蔽縁396及び内側遮蔽縁397によって導光体382の側方からの光の漏出が抑制されるため、漏出した光が遊技者側に反射して遊技領域20や演出表示装置115の視認性を悪化させる虞を低下させることができる。また、側方に光が漏れないようにすることでバックライトユニット380の光量の低下を防ぐことができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、球状装飾体272〜275は、発光基板503〜506を備えて遊技者側に向けて発光し、球状装飾体272〜275の前面が暗くなることを防いでいる。また、球状装飾体272〜275の光と、バックライトユニット380の光とが異なる印象を与える光を発することで、発光演出に抑揚をつけることが可能である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技領域板81は、透光装飾体パネル242とは、接合されていないものを示したが、これに限定されるものではなく、相互に接合されていてもよいし、一体的に成形されているものであってもよい。これにより、さらに省スペース化を果たしたり、組立工程の簡素化を図ることが可能である。
また、球状装飾体は、一部が遊技領域板81及び透光装飾体パネル242を貫通して装飾体ユニット基部89の中から遊技領域20へと貫通して配設されていたり、遊技領域板81及び透光装飾体パネル242の前後いずれかの側に突出して配設されていてもよい。これにより、球状装飾体と遊技領域板81及び透光装飾体パネル242とが干渉することなく配設されるとともに、球状装飾体が遊技領域板81及び透光装飾体パネル242と融合しているような外観を呈するようになり、装飾性をさらに高める効果が期待できる。
また、上記実施形態では、装飾体が半透明な球状を呈するものを示したが、これに限定されるものではなく、異なる形状であってもよいし、透光性を有さないものであってもよい。
また、上記実施形態では、球状装飾体272〜275は、固定された装飾体であったが、これに限定されるものではなく、可動式の役物または可動式の役物の一部であってもよい。これにより、可動式の役物が作動することによって発光演出に変化を与え、さらに興趣を高めることができる。また、役物を遊技領域板81の後方に配設することで、役物の配設における自由度を高めることができる。なお、「可動式の役物」とは、可動部分を有する演出用の装置または可動部分を有する抽選用の装置を示す。例えば、ソレノイド等を動力源として往復運動する部材を備えた装飾体や、遊技球が入賞可能な入賞口が設けられた回転体を備えた抽選用装置などが挙げられる。
また、上記実施形態では、センター役物247は、遊技領域板81に設けられたセンター取付開口部98に嵌設されているものを示したが、これに限定されるものではなく、センター役物247の開口部99の内側にも遊技領域板81が連続しているものであってもよい。これにより、遊技領域板81の強度を高めたり、演出表示装置115の前面に対する遊技球の当接を防止したりすることができる。
上記実施形態では。発光基板502〜506としては、LEDを光源とするものが例として挙げられたが、これらに限定されるものではない。また、上記のような直接光の光源に限定されるものではなく、バックライトユニット380同様に反射光を利用するものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。