JP5251255B2 - 局部変形能が小さい硬質極薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents

局部変形能が小さい硬質極薄鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電機機器、電子部品、建材や金属容器に利用される表面処理鋼板も含めた板厚0.400mm以下の薄手鋼板およびその製造方法に関するものである。
板厚が0.400mm以下の薄手の鋼板は電機機器、電子部品、建材や金属容器など様々な用途で用いられているが、各種の部材として使用するには、必ず鋼板の切断という工程を経る。これは、通常、シャーや打抜きなどの剪断によって、切断部材の寸法精度を厳密に管理して切断される。ところが、鋼板はその性質として少なからざる「ねばり」を有するため、「カエリ」や「バリ」と呼ばれる、引き延ばされた部位が形成され、寸法制度のみならず、鋼板取扱い時のすべりや、鋼板表面へのすり疵の原因、各種塗装欠陥、疲労破壊、加工性劣化の原因ともなり大きな問題となっている。特に疲労や加工性劣化の問題は、特に伸びが良好な鋼材でない、本来延性が乏しく引き延ばされた部位が発生しにくい材料においても重要視されている。これは、切断によって生ずるわずかなバリが破壊の起点となり、本来の延性が低い材料の加工性をさらに劣化させてしまうためである。
また、これとは別に、鋼板は各種の蓋材として部品として加工された後、使用時に破壊されるような密閉蓋として用いられる場合がある。このような場合にも、鋼板の破壊挙動は重要で、上に述べたと同様の「ねばり」に起因した鋼板の引き延ばされ挙動が、蓋の開蓋性に影響し、「ねばり」は「開け難さ」となる。また、引き伸ばされた部位が開口部の周囲に残ると、人がこれを取り扱った場合に、開口部で切創を受けるなどの安全面でも問題となる。このような鋼の「ねばり」に起因する問題は、特に、析出物等の第二相をそれほど多く含有せず加工性が比較的良好な、C、N、S、O等の析出物形成元素の含有量が低い鋼材で問題となりやすい。
これらの問題を解決するため、特許文献1〜3のような方法が開示されている。これらは基本的には結晶粒径と炭化物等の第二相を制御するもので、これらを微細化することで切断時の問題およびそれに起因する問題の解決を図ろうとするものである。しかし、これらの方法は鋼板そのものの特性を変化させるため、加工性との両立が問題となったり、製造法として特殊なものとなり生産性に支障があり、課題を十分に解決するにはいたっていない。また、第二相の効果に関する検討が不足しており、効果が十分に発揮されていないという問題点があった。
特開2007-270331号公報 特開2008-45151号公報 特開2007-100166号公報 特開2006-291236号公報 特開2006-45590号公報 特開2005-298924号公報
本発明は、硬質極薄手材を使用する際に問題となる、破断時の引き延ばし変形の発生を抑止するものである。
すなわち本発明は、材料の破断に伴う局部伸びの発生において、板厚の減少を極力抑止し、微小クラックの進展を促進し、加工性を維持したままで、最終破断時の極局部延性を抑えることを目的として、このための材料条件を明確にし、それを適用した鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋼板を硬質化するため鋼板中に様々な第二相を分散させる研究を行なった。これは、いわゆる析出強化や組織強化の範疇に属するもので、第二相を分散させれば材質は硬質化し、当然の結果として延性が劣化するものではあるが、実験を重ねるうち、特定の形態をもつ第二相を鋼板中に分散させた場合は、特に破断時の極局部延性のみを抑制できることを知見した。
さらに、第二相の分散状態、形態、量、および種類と、好ましい特性が得られる鋼板材質の範囲について詳細に検討し、本発明にいたったものである。本発明の要旨は次のようなものである。
1)第二相のサイズ分散の制御:サイズの異なるものを分散させる。
2)第二相の形態の制御:異方性の強い、針状ものとする。
3)第二相の分散状態の制御:鋼板の中心ではなく、表層に分散させる。
すなわち本発明の要旨は、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)質量%で、C:0.100%以下(0を含む)、N:0.100%以下(0を含む)、Si:3.5%以下(0を含む)、Mn:2.19%以下(0を含む)、P:0.069%以下(0を含む)、S:0.060%以下(0を含む)、Al:3.0%以下(0を含む)、O:0.100%以下(0を含む)を含有し、
さらに必要に応じて、Ti:0.10%以下(0を含む)、Nb:0.10%以下(0を含む)、B:0.0100%以下(0を含む)の一種または二種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、長径に関して、下記(A)式および(B)式のいずれか一方または両方を満足することを特徴とする板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(0.4×平均径以上、0.6×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2 ・・・(A)
(1.9×平均径以上、2.1×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2 ・・・(B)
(2)鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の体積分率が、0.05%以上であることを特徴とする、(1)に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(3)鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の数密度が0.001個/μm3以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(4)鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の体積率が下記(C)式を満足することを特徴とする、(1)1乃至(3)のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(板厚表層1/8での体積率)/(板厚中心層1/4での体積率)≧10・・・(C)
(5)鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の数密度が下記(D)式を満足することを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(板厚表層1/8での数密度)/(板厚中心層1/4での数密度)≧10・・・(D)
(6)鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0である第二相が、酸化物、硫化物、炭化物、窒化物の単独または複合化合物であることを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
(7)(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の鋼板の製造方法であって、1000℃超1400℃以下の温度域から1000℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点が存在し、鋼板の冷却速度が下記(E)式を満足することを特徴とする、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
((最高の冷却速度)−(最低の冷却速度))/(平均の冷却速度)≧0.2・・・(E)
(8)厚さ50mm以上かつ鋼片中の酸化物および硫化物のいずれか一方または両方の平均直径が10〜25μmである鋼片を600℃以上の熱間で圧延加工するに際し、1000℃以上かつ歪速度1/秒以上の条件での真歪の総和が0.4以上の圧延を行なった後、1000℃以下かつ歪速度10/秒以上の条件での真歪の総和が0.7以上の圧延を行なうことを特徴とする、(7)に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
(9)(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の鋼板の製造方法であって、600℃超850℃以下の温度域から600℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点が存在し、鋼板の冷却速度が下記(E)式を満足することを特徴とする、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
((最高の冷却速度)−(最低の冷却速度))/(平均の冷却速度)≧0.2 ・・・(E)
(10)冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、下記(F)式を満足する条件で浸炭処理を行い、C量を0.0002%以上増加させることを特徴とする、(7)乃至(9)のいずれか一項に記載の鋼板のうち、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
{(浸炭時間(秒))×(浸炭温度(℃))}/{(浸炭性ガス濃度(%))×(浸炭処理での冷却速度(℃/秒))}≧10 ・・・(F)
(11)冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、下記(G)式を満足する条件で窒化処理を行い、N量を0.0002%以上増加させることを特徴とする、(7)乃至(10)のいずれか一項に記載の鋼板のうち、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
{(窒化時間(秒))×(窒化温度(℃))}/{(窒化性ガス濃度(%))×(窒化処理での冷却速度(℃/秒))}≧10 ・・・(G)
本発明によれば、同じ強度、同じ加工性であっても、破断時の極局部変形(カエリ、バリ)の発生を抑えた硬質極薄手材を得ることができ、局部変形能が小さい硬質極薄鋼板およびその製造方法を提供することができるなど産業上有用な著しい効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、成分について説明する。成分はすべて質量%である。
C量は、本発明の効果を得られる範囲として、C:0.100%以下とする。第二相として浸炭などで形成する炭化物を利用する場合、好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.015%以上とする。製造の容易性や、加工性を考えると、上限は好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.06%以下である。第二相として炭化物を利用しない場合、0.060%以下の材料では効果がより顕著になり、0.040%以下の軟質鋼においては、さらに顕著な効果を得ることが可能となる。C:0.0050%以下のいわゆる極低炭素鋼において炭化物以外の第二相を用いると、本発明の効果が好ましく発揮される。
N量もCと同様、本発明の効果が明確になる適用範囲として、N:0.100%以下とする。第二相として窒化などで形成する窒化物を利用する場合、好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.015%以上とする。製造の容易性や、加工性を考えると、上限は好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.06%以下である。第二相として窒化物を利用しない場合、好ましくは0.020%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。N:0.0050%以下の軟質材、特に製鋼での脱ガス工程を経て製造される0.0030%以下の高純度鋼において窒化物以外の第二相を用いると、本発明の効果が好ましく発揮される。
Siは多すぎると加工性が劣化するため3.5%以下とする。本発明鋼において、第二相として酸化物を利用する場合、形態的には発明にとって好ましい延伸した酸化物を得にくくなる。また、第二相の形成に酸化物以外を利用する場合には、本発明の効果への影響は小さい。
Mnは多すぎると加工性が劣化するため2.19%以下とする。一方、本発明鋼において、第二相として酸化物を利用する場合は、後述のように、発明にとって好ましい延伸した酸化物を得やすくする。また、第二相の形成に、硫化物を利用する場合も、延伸した硫化物が得やすいため有用な元素である。第二相として酸化物、硫化物を利用する場合は、好ましい範囲を、0.61%以上とする。さらに好ましくは0.91%以上、さらに好ましくは1.21%以上である。第二相として酸化物、硫化物を利用しない場合は、0.49%以下とすることで本発明の効果が大きくなる。好ましくは0.39%以下、さらに好ましくは0.29%以下で発明の効果が顕著になる。
Pは多すぎると加工性が劣化するばかりでなく、第二相の形成に浸炭や窒化を利用する場合は、鋼板の浸炭性、窒化性を阻害する。また、P量が高いと本質的に局部的な引っ張り伸びを生じにくく、本発明の効果が現れにくくなる。このため0.069%以下とする。本発明の効果はP量は低い鋼で明確に発揮され、0.039%以下、さらには0.019%以下、さらには0.009%以下とすることで発明の効果が顕著になる。
Sは熱間延性を劣化させ、鋳造や熱間圧延の阻害要因となるので0.060%以下とする。ただしMn、Cu、Tiなどを多量に添加させ、これらの硫化物を、本発明で必要とする第二相として利用する場合は、熱間延性の劣化も少なく、有用な元素でもある。このため好ましい範囲を、0.011%以上とする。さらに好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.0.031%以上である。一方、第二相の形成に浸炭や窒化を利用する場合は、鋼板の浸炭性、窒化性を阻害するため0.039%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.029%以下、さらには0.019%以下、さらには0.009%以下とする。
Alは高いと鋳造が困難となる、表面の疵が増加するなどの害があるため3.0%以下とする。ただし、Alは強脱酸元素であるため、本発明鋼において、第二相として製鋼工程で鋼中に残存させた酸化物を利用する場合は、鋼中への酸素の残存が難しくなる。とは言え、鋼板を酸化させることで酸化物を形成させる場合には積極的に利用することも可能である。
Oは本発明で特徴的な第二相として酸化物を利用しない場合は、Al、Si、Ti等により脱酸し、0.010%以下とすることが好ましい。有用な第二相として酸化物を利用する場合でも、酸化物が過剰となると加工工程で意図しない割れの起点となりやすいので、0.100%以下とする。不用意な割れを回避するには0.079%以下、さらに好ましくは0.069%以下、さらに好ましくは0.059%以下である。一方で有用な第二相として積極的に活用する場合、好ましくは0.021%以上、さらに好ましくは0.031以上、さらに好ましくは0.041%以上である。
次に必要に応じて添加できる選択元素について説明する。
Tiは鋼板の再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる。このため0.10%以下とする。本発明で特徴となる第二相としてTi化合物を利用しない場合は、Tiを添加する必要はなく、0.019%以下、さらに好ましくは0.009%以下とする。一方で、Tiの酸化物、硫化物、炭化物、窒化物は本発明で特徴となる第二相として利用でき、化合物を形成する元素の種類と量にもよるが、0.041%以上とするとその効果が十分に発揮される。さらに好ましくは0.061%以上である。
NbもTiと同様の影響を有し、再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる。このため0.10%以下とする。本発明で特徴となる第二相としてNb化合物を利用しない場合は、Nbを添加する必要はなく、0.019%以下、さらに好ましくは0.009%以下とする。一方で、Nbの酸化物、硫化物、炭化物、窒化物は本発明で特徴となる第二相として利用でき、化合物を形成する元素の種類と量にもよるが、0.041%以上とするとその効果が十分に発揮される。さらに好ましくは0.061%以上である。
BもTi、Nbと同様の効果を有する。ただし、添加量にもよるがTiやNbと比較すると炭窒化物の形成能が小さく、第二相として炭化物や窒化物を形成させる目的で、これらの元素と同時に添加した場合、鋼板の再結晶温度を上げ、本発明が対象とする極薄鋼板の焼鈍通板性を著しく劣化させる。このためTi,Nbの含有量が少ない場合に有用となる。しかし過剰な添加は鋳造時の鋳片の割れが顕著になるため上限を0.0100%とする。本発明で特徴となる第二相としてB化合物を利用しない場合は、Bを添加する必要はなく、0.0019%以下、さらに好ましくは0.0009%以下とする。一方で、Bの酸化物、炭化物、窒化物、金属間化合物は本発明で特徴となる第二相として利用でき、化合物を形成する元素の種類と量にもよるが、0.0021%以上とするとその効果が十分に発揮される。さらに好ましくは0.0041%以上である。
上記以外の元素についての含有量は特に限定しないが、本発明で規定していない特性を付与するためにCu、Ni、Cr、Ca、Sn,Sb,Mo,Ta,V,W、REMを添加することが可能であり、残部はFeおよび不可避的不純物からなる。つまり、ステンレス鋼や各種の特殊鋼などについても本発明の効果を付与することが可能である。さらにこれらの元素に限らず、鉄鉱石、石炭、スクラップなどの原材料、溶解炉、圧延機、焼鈍炉との接触も含む製造工程雰囲気などから、意識せず不可避的に混入する元素も本発明の効果に特に悪影響を及ぼすものではない。また、これらの元素は、本願の特徴である第二相に含有されることもある。例えば、Cu、REMは硫化物に、Cr、Caは酸化物に、Mo、Vは炭化物に、Cr,Vは窒化物に含有される。これらは通常知られているように鋼中での元素分配に従うものであり、従来技術として知られている範囲で第二相中への分配を制御することは本願の効果を損なうものではない。分配する元素により本願発明の効果が多少増減することは当然である。
次に、本発明で最も重要な、第二相について説明する。まず、第二相の観測等に関して記述する。
本発明で限定される第二相の観察方法は特に限定されるものではない。形態は電子顕微鏡などのミクロ領域を観測可能な物理測定機器での直接観測が可能である。比較的大きなものであれば高倍率の光学顕微鏡でも観測は可能である。光学顕微鏡や、走査型電子顕微鏡(SEM)であれば、鋼板断面を研磨したもの、さらにそれをエッチングしたものを適用できるし、透過型電子顕微鏡(TEM)であれば、薄膜でもよいしSPEED法によって得られた抽出レプリカ等を観察することも可能である。さらに、電解抽出により母相を溶解した残渣を観察してもよい。また、観察された第二相の同定はEDXや電子線回折パターンなどで行なうことが可能であるが、これらの手法に限定されるものではなく、現在性能向上が著しいどのような分析機器を使用しても構わない。要は第二相の形状、サイズおよび数密度、必要に応じてその種類が、妥当と認められる方法により決定できればよい。種類によっては、様々な相の複合的なものとなっており、完全な判別が困難な場合もあると考えられるが、本発明の効果は、その種類によらず第二相を特定の形態で分散させれば得られるものであるから、種類が決定できないものも本発明に含まれる。体積分率や数密度はより高度な分析機器を使用しより微細な窒化物まで考慮すればこれらの値は増加するが、通常レベルの物理機器を用いて、長径と短径の平均が0.05μm以上の大きさのものを対象とすれば本発明の効果を判別することが可能である。
このように観察される第二相について、まず、長径/短径≧2.0の針状形態であることが必要である。長径/短径は、好ましくは3.0以上、さらに好ましくは5.0以上、さらに好ましくは8.0以上である。
第二相については長径/短径の比に加え、次のような測定値を限定することが重要である。すなわち、長径に関して、(0.4×平均径以上、0.6×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2・・・(A) および (1.9×平均径以上、2.1×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2・・・(B)のいずれか一方または両方を満足することを特徴とする。これは、測定によって得られる長径のサイズ分布を、平均値の1/10の幅で層別し、2/10幅内での観測個数の比を検討するものである。つまり、(平均の約半分のサイズの第二相の数)と(平均サイズの第二相の数)の比、または(平均の約2倍のサイズの第二相の数)と(平均サイズの第二相の数)の比 を検討している。これらの比が0.2以上であることが本発明の効果を得るには必要となる。第二相のサイズが均一化し、サイズばらつきが小さくなるほど、この値は0に近づく。この比は好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.7以上である。この比が1.0以上となると従来の技術で最高レベルのものと比較しても遜色のないレベルとなる。さらに2.0以上とすれば、実用的にはほとんど問題を生じない特性に達する。
この比は、形態や析出タイミングなどの物性が全く異なる二種の析出物をうまく使えば非常に大きな値になることも当然予想され、当業者であれば、熱力学等のメタラジーや経験に基づく知見により調整可能なものである。例えば、0.05μmのものと0.15μmのものしかなく、かつ数が同程度存在し、0.10μmのものが全く存在しない場合、平均は0.10μmであり、上の比は無限大になる。これは極端な例ではあるが、二種の析出物を使えば、これに近い状況は作ることは不可能とは言えない。この比は、さらに好ましくは10以上、さらに好ましくは100以上、さらに好ましくは1000以上、さらに好ましくは10000以上である。
単純には非常に細かいものと粗大なものが多く分散し、平均的なサイズのものが少なくなるようなサイズ分布が好ましいと言える。非常に細かいものと粗大なものがどちらも多く存在すれば理想に近いものとなるが、どちらか一方だけが多く存在し、平均的なサイズが少ないような偏った分散状態でも発明の効果を得ることは可能である。
またこのような第二相は少なすぎると発明の効果が消失するため、体積分率で、0.05%以上含有することが好ましい。さらに好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは2.0%以上である。ただし、あまりに第二相の量が多いと、加工初期において破断の起点となってしまい通常の加工における延性を顕著に劣化させる場合があることや、表面疵の原因ともなるので、20%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは10%以下である。
この第二相の数密度については、抽出レプリカや透過型電子顕微鏡での薄膜観察等、空間的な分散を測定し、0.001個/μm2以上とすることで、本発明の効果が顕著になる。好ましくは0.003個/μm3以上、さらに好ましくは0.01個/μm3以上、さらに好ましくは0.03個/μm3以上である。これらの数密度は、上記のサイズや体積分率との関連しており、サイズや体積分率と同様に加工性を劣化させない範囲で、極端に大きくしたり小さくしたりしないように注意する必要がある。好ましい上限はサイズや体積分率と関連しているため、例えば、サイズを下限の0.05μmとすれば、体積分率の上限が20%であることから、1600個/μm3となる。
第二相の鋼板板厚方向での分散状態について図1を用いて記述する。「板厚表層1/8」、「板厚中心層1/4」とは図1中の対応領域を表す。なお、「板厚表層1/8」に対応する領域は鋼板の両表面について存在するが本発明ではそのどちらか一面についてでも本発明の限定範囲に該当するものを対象とする。また表面についてもどちらか一面についてでも本発明の限定範囲に該当するものを対象とする。製造法を工夫し表と裏の窒化物分布を変化させることは比較的容易であるが本発明ではそのような表裏異表層の鋼板についても対象とする。これは片面のみについてでも本発明が目的とする効果を得ることが工業的に意味を有する場合があるからである。
また、上記の体積率や数密度は、測定値が異常値ではないと言える程度のデータを採取すれば表層1/8内、中心層1/4内それぞれの特定箇所で発明条件を満たしていれば十分である。なお、「板厚1/8位置」も「板厚表層1/8」に含まれるものとする。
第二相を鋼板表層部に集中的に分布させることで、本発明効果の大きな部分を得ることが可能である。すなわち、第二相の体積率について、(板厚表層1/8での体積率)/(板厚中心層1/4での体積率)≧10・・・(C)、または第二相の数密度について、(板厚表層1/8での数密度)/(板厚中心層1/4での数密度)≧10・・・(D) とすることが好ましい。これらの比は、好ましくは20以上、さらに好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上、さらに好ましくは200以上である。ただし、あまりに多くの第二相を表層部に形成すると、表面欠陥ともなり、破断しやすくなる場合もあるので、注意を要する。
次に第二相そのものの種類について記述する。
本発明では第二相が酸化物、硫化物、炭化物、窒化物の単体または複合化合物である場合に、顕著な効果を得ることができる。そして、酸化物の場合はFe、Mn、Si、Al、Ti、Nbの一種または二種を含有する酸化物であること、硫化物である場合はTi、Mnの一種または二種を含有する硫化物であること炭化物の場合はFe、Ti、Nb、Siの一種または二種を含有する炭化物であること、窒化物である場合はFe、Ti、Nb、Al、Bの一種または二種を含有する窒化物であることを特徴とする。特に発明鋼の主成分であるFeを含有する酸化物、窒化物は本発明にとって好ましいものである。炭化物に関しては、一般的な鋼で観察されるパーライト組織、すなわち高温でのオーステナイト相からの変態に伴い生成するフェライト相とセメンタイトの層状組織は、本発明の効果が全く得られないため除外するものとする。上述の酸化物、硫化物、炭化物、窒化物は、一般的に鉄鋼材料中で観察される化合物であり、特殊なものである必要はないが、特殊な化合物を発明範囲内の形態で形成させることも可能である。その種類は上記のものに限ったものではなく、あくまでも代表的な元素を挙げたにすぎない。また、鋼中に存在する第二相は一種に限ったものではなく、二種以上が存在している場合も本発明に含まれる。これらは独立に存在していてもよく、複合化合物を形成していても構わない。さらには、形態的に本発明に包含されない相が同時に存在していても構わない。要は、第二相の形態的な特徴が重要である。とは言え、形成させた第二相によりその効果の大きさには少なからざる差があるのは事実である。この差は、鋼板中に生成させうる第二相の種類と量によるものや、後述のような製造条件によって制御できる形態の差、さらには、母相との結合状態とも関連した第二相そのものの種類の影響も考えられる。これらの影響は完全には分離しきれてはいないが、現象的には、以下のように好ましい第二相の種類および第二相を形成する元素を分類できる。種類としては、炭化物≒窒化物>酸化物>硫化物である。ただし、これは形態と量が同一と仮定した時の効果を推定したものであり、製造法や第二相の種類によっては、量の確保や形態の制御が困難となることもあるため、この順位は一応の目安にすぎない。各元素の効果としては、以下のようなことが言える。酸化物の場合はFe、Mnを含んだものが好ましく、Si、Al、Ti、Nbは効果が小さい。硫化物である場合はMnが好ましく、Tiの効果は小さい。炭化物の場合はTi、Siが好ましく、Fe、Nbの効果は小さい。窒化物である場合はFe、Ti、Bが好ましく、Nb、Alの効果は小さい。
単体の化合物である場合と複合化合物である場合には、原理的には差を生じないと考えられるが、本願では微細な第二相と粗大な第二相を、中間的なサイズのものを避けて形成させることが好ましく、これを実現するという観点からは二種以上の化合物を活用することは非常に合理的と思われる。すなわち化合物はその種類により特定の温度域で特定のサイズのものが形成されることが知られている。このため、一種の化合物で、異なるサイズの、それも中間的なものの形成を避けようとすれば、単純な温度制御では困難なことは容易に予想できる。もちろん、温度制御や、異なる工程で形成されるように反応時間などを制御すれば、通常の技術を有する当業者であれば数度の試行の後に実現することは可能である。しかし、この目的のため複数の種類の化合物を活用することは、工業的な生産性を考えれば好ましいことである。これは、酸化物と硫化物、酸化物と窒化物など、化合物そのものを変えることでもよいし、酸化物の中でもMn酸化物とTi酸化物など元素種や濃度を変えることでも実現できる。
このように第二相の形態を制御することにより局部延性が小さくなるメカニズムは明確ではないが、以下のように考えることができる。
本発明が問題とする破断時の引き延ばし変形は、通常のプレスなどによる部品成形などと比較すると非常に限定された局所的な狭い領域で起きる現象である。このため、材料の延性を評価するために通常用いられる引張試験での伸び等は、評価指標とはならない。つまり、本発明が対象とする極局部延性は、一般的に引張変形などで観測される、材料の巨視的なくびれを伴う局部延性とは異なるものであることである。くびれを生じながら局部延伸した後の、さらに破断を伴う変形に際しての延性である。これを材料の加工硬化の視点で捉えるなら、以下のような差になる。引張試験における均一伸びは、加工硬化を伴いながら材料が変形し、断面が収縮するものの局所的な変形にはならない領域である。引張試験における局部伸びは、材料の変形が部分的に集中するものの、くびれの領域は加工硬化を続けている。これらに対し、本願が注目する引き延ばし変形は、母材がすでに十分加工硬化した後であまり硬化せず、材料の一部は破断しているものの破断には至らず変形を継続する領域もあり、非常に狭い、極局所領域が断面積を減少させながら伸びていく領域となる。
この極局所的な変形能を小さくするには、破断の起点を多くすることが有効と考えられ、従来の技術では多くの介在物を分散させたものが見られる。しかし、これだけでは十分ではなく、実用的に問題となる「バリ」や「カエリ」は鋼板の表層部での極局所延性に注目すべきであり、さらに分散させる介在物についても、極局所領域での加工硬化を抑制するような形態的な特徴が存在するためと考えられる。つまり分散させる介在物が微細過ぎては、極局所領域においても母材の加工硬化を促進するものとなり得るし、等方的であれば材料の極局所的な変形を抑制するとともに、破壊の起点としての機能が低下するものと考えられる。このように現象は、加工硬化と材料の変形、破壊といういくつかの局面を有しており、それぞれの局面で有効に働く第二相の形態にそれぞれ最適なものが存在し、微細なものと粗大なものを共存させることで、均質なサイズ分布を持つ従来の材料では現れなかった特徴が確認できるようになったと思われる。
さらに、このような適当な介在物は鋼板の全体に均一に分散してしまっては、本来、鋼板が保持する必要があるマクロな領域での変形能を低下させてしまう。一方で、鋼板の板厚方向での変形は極最終段階では自由面を有する表層部が鋼板自身による拘束を受けずに変形できるため完全切断が起き難くなると考えられる。これらの課題と特徴を好ましく利用する手段として、「バリ」や「カエリ」の抑制には、鋼板表層で極局所延性を抑止し破断起点を提供すれば十分となるものと考えられる。
本願の効果は第二相と主相の方位関係によっても挙動に差が見られることを確認しており、これらの方位制御も重要な要件となり得る。また、本願で目的とする特性は、マクロな引張試験での特性で評価できないものであるが、大きな加工硬化、大きな均一伸びやくびれ伸びの低下など、マクロ特性の変化が特徴的に現れる場合もある。これらは、本願のメカニズムが基本的には金属結晶中の転位挙動および金属原子の結合と密接に関係していることを示唆していると考えられる。
次に本発明が対象とする鋼板の特性等について記す。
まず、本発明は板厚が0.400mm以下の鋼板に適用されることと限定する。これより板厚が厚い鋼板では原因は不明であるものの、第二相の特徴的な分散による極局部的な引き延ばし変形の抑止効果が見られなくなる。本技術はより好ましくは0.250mm以下、さらに好ましくは0.200mm以下、さらに好ましくは0.150mm以下の極薄鋼板でその有用性が発揮されるものである。
また、本願の効果は軟質材について効果が顕著である。これは鋼板の極限延性をできるだけ抑止するのが本願の目的であり、本来、極限延性にすぐれる軟質材においてその効果が大きくなるためである。当然ではあるが、本願が抑止しようとする不具合は軟質材で大きな問題を生じやすい現象である。ただし、後述のように、本願の効果は再冷延などによる加工硬化による硬質化にはほとんど影響されないので、再冷延などで硬質化した硬質材においては十分な発明の効果が得られる。発明の効果が顕著となる目安は、再冷延等で硬質化していない状態、すなわち熱処理等により鋼板中の歪が十分に開放された状態、いわゆる再結晶組織における材料が、JIS5号試験片による引張試験における最高強度≦540MPa、かつ、ロックウェル硬度HR30T≦70 である鋼板である。さらに好ましくは最高強度≦440MPa、かつ、ロックウェル硬度HR30T≧60、さらに好ましくは最高強度≧390MPa、かつ、ロックウェル硬度HR30T≦57であるような材料に本技術を適用することが好ましい。一般的には再結晶組織における特性はその含有成分によることが多く、本発明の効果は高純度鋼において顕著に現れる。
以下に、本発明鋼の第二相の形態制御に好ましい製造法を示す。
本願の特徴である、平均的なサイズの第二相の存在割合を小さくするためには、冷却過程における熱履歴の変動を利用することが可能である。酸化物や硫化物など、比較的、高温で生成する化合物については、1000℃超1400℃以下の温度域から1000℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点を存在させることで極局所的な延性を小さくする効果が顕著になる。また、炭化物や窒化物など、比較的低温で生成する化合物については、600℃超850℃以下の温度域から600℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点を存在させることで効果が顕著になる。この程度を定量的に記述するにはいくつかの方法が考えられるが、本願では以下のような指標を用いて評価する。上述の温度域において、((最高の冷却速度)−(最低の冷却速度))/(平均の冷却速度)≧0.2・・・(E)とすると効果を得やすい。好ましくは0.5以上、1.0以上とすれば十分な効果を得られる。さらに好ましくは2.0以上、さらには5.0以上である。もちろん、これらは、冷却速度を変化させる温度域や温度幅などにも依存するものである。温度域は対象とする化合物の種類に強く依存し、通常のメタラジーの知識を有する当業者であれば、経験や計算などにより適当な範囲に制御することが可能である。温度幅は基本的には大きいほど好ましく、冷却速度が負に転じ、すなわち一時的に加熱状態となり温度が上昇するような領域が現れる程に温度変化の変動が大きいような状況では効果が大きくなる。
第二相の形態を針状に制御するには、高温での加工、成分変化や温度変化による第二相の非等方的な成長を活用できる。
まず、特徴的な第二相として酸化物および硫化物の一方または両方を利用する場合に好ましい例を示す。
好ましい形態の一つは第二相を熱延工程で、圧延により延伸し好ましい形態へと変化させるものである。このためにはある程度の加工量が必要であり、鋳造を完了した鋼片の厚さを50mm以上としておくことが好ましい。さらに好ましくは150mm以上である。また、第二相が延伸後に適当なサイズを有するようにするため、延伸される前の特定化合物のサイズは、10〜25μmとすることが好ましい。あまりに微細なものは延伸しにくく、粗大なものは圧延後の空間的な分散状態が直線的となり発明の効果にとって好ましくない。そして熱間での圧延加工において1000℃以上かつ歪速度1/秒以上の条件で真歪の総和で0.4以上の圧延を行なった後、1000℃以下かつ歪速度10/秒以上の条件で真歪の総和で0.7以上の圧延を行なうことが効果的である。歪速度および真歪総和がこの範囲を外れると、第二相が延伸しなくなり、発明の効果が消失する。このメカニズムは明確ではないが、以下のように考えられる。1000℃以上の高温域では、第二相も軟化しており加工硬化した地鉄との硬度差が小さくなるため圧延により第二相は延伸し、本発明にとって好ましい針状の第二相を得ることができる。そして1000℃より低温、約900℃以下になると第二相は延伸しにくくなり部分的に破砕し、適度に針状の形態をもつ第二相が鋼板中に適当な間隔をおいて分散することになる。このように適度に延伸かつ分散させるには熱延時の温度制御および各温度域での歪量、さらに加工硬化した地鉄の軟化を制御するため歪速度の制御も重要となる。さらに、鋳造時の溶鋼の凝固時に溶鋼中の第二相が浮上する際に、これが鋳片表層部の凝固を開始している部分に閉じ込めることで鋳片表層部により多くの第二相が存在するように制御すれば、本願発明の効果はより顕著になる。
次に特徴的な第二相として炭化物を利用する場合を示す。
この場合は、あらかじめ鋼中に含有させたCと添加元素から、製造工程の熱処理等により好ましい形態を有する炭化物を生成させることが可能であるが、本明細書ではより好ましい形態として浸炭を活用した方法について示す。浸炭によれば、前述のように、鋼板の表面のみに特徴的な第二相を分散させることが可能で、C濃度が徐々に高まっていくため優先的な方位に成長した異方的な形態を持つ炭化物を形成させやすい。その条件としては冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、{(浸炭時間(秒))×(浸炭温度(℃))}/{(浸炭性ガス濃度(%))×(浸炭処理での冷却速度(℃/秒))}≧10・・・(F) なる条件で浸炭処理を行い、C量を0.0002%以上増加させることを特徴とする。ここで「浸炭処理での冷却速度」とは、浸炭処理での最高到達温度から、550℃に達するまでの平均冷却速度とする。温度がこの範囲を外れると、低温側では浸炭効率が低下し、逆に高すぎると炭化物の形態が等方的なものになりやすくなる。{(浸炭時間(秒))×(浸炭温度(℃))}/{(浸炭性ガス濃度(%))×(浸炭処理での冷却速度(℃/秒))}が10以上の場合には第二相の好ましい形態が達成される。基本的には低C濃度で炭化物の析出核の生成を抑制しながら、高温、長時間および緩冷却の処理で炭化物を十分に成長させることで、異方性を有する第二相の発達が顕著になる。ただし、高温かつ長時間の浸炭を行うと、板の表面から鋼中に侵入したCが拡散により板厚の中心まで到達し、前述の複層構造による発明効果の増進効果が消失してしまう。このため、浸炭処理条件に応じて、表層部のみが浸炭されるように上の式の値を制御することが好ましい。この値は板厚等にもよるが、本願の製法の特徴の一例となる、冷却時の冷却カーブに変曲点を有するように冷却を制御することによる本願効果の発現の程度に好ましい領域が存在する。小さすぎても大きすぎても、浸炭で形成する本願の特徴となる第二相、すなわち針状炭化物サイズ分布の制御が行いにくくなる。下限は好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上、上限は好ましくは500以下、さらに好ましくは200以下、さらには100以下とすることが好ましい。浸炭性ガスの種類を含めた雰囲気の条件は一般的に知られている条件を用いればよい。また、浸炭方法はここに示したガス浸炭に限定されるものではなく、一般的に知られている浸炭方法を適用することが可能である。また、Cの増加量、0.0002%以上は増加量としては非常に小さく見えるが、極薄材における鋼板表層での増加量を考えると発明の効果の発現には十分な量である。好ましくは0.0010%以上、さらに好ましくは0.0050%以上、さらに好ましくは0.0100%以上、さらに好ましくは0.0200%以上とする。
また、この浸炭条件は第二相として窒化による窒化物を適用する場合の条件とすることで、炭化物と同様の好ましい効果を得ることが可能である。すなわち、冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、{(窒化時間(秒))×(窒化温度(℃))}/{(窒化性ガス濃度(%))×(窒化処理での冷却速度(℃/秒))}≧10 ・・・(G)なる条件で窒化処理を行い、N量を0.0002%以上増加させることを特徴とする。これらの値の好ましい範囲、その理由は浸炭の場合と同様である。窒化性ガスの種類を含めた雰囲気の条件は一般的に知られている条件を用いればよい。また、窒化方法はここに示したガス窒化に限定されるものではなく、一般的に知られている窒化方法を適用することが可能であることは浸炭の場合と同様である。
ここで示した各種の第二相についての製造方法は、対象とする第二相を形成する元素やその量により異なることは当然であり、上記の範囲に限定されるものでないことは言うまでもない。第二相を形成する元素の種類、形成させる第二相の種類、量および制御すべき形態の方向性がわかっていれば、適当な条件を見出すことは一般のメタラジーの範疇であり、当業者であれば数度の試行の後にそれを確定することはさほど困難なことではない。
またこれらを組み合わせて複数の化合物を同時にまたは異なるタイミングで形成させ、サイズ分布を本願で好ましいように、中間的なサイズを少なくするように制御することは一般のメタラジーの範疇であり、当業者であれば数度の試行の後にそれを確定することはさほど困難なことではない。現在、盛んに活用されるようになっている熱力学計算プログラムが大きな助けになる。
薄手鋼板の製造においては、硬度調整や板厚調整のために再結晶焼鈍の後に再冷延を行なう場合がある。この圧下率は形状調整のために行なわれるスキンパスに近い数%程度から、冷延と同様の50%以上までが実用化されている。本発明に再冷延法を適用する場合、本発明の効果は何ら損なわれるものではない。一般的には再冷延率が高くなるほど材料が硬質化し延性が低下するため、本願が問題とする極局部領域での引き延ばし変形は問題にならなくなるようにも思えるが事実はこれとは反する。本願が問題とする極局部領域での引き延ばし変形は、前述したように材料が破壊に至るまでに多量の変形を受けた後での現象であるため、再冷延によって加工硬化した材料かどうかは本発明の効果にはほとんど無関係となる。
本発明の効果は成分調整以降、焼鈍前の熱履歴、製造履歴によらない。熱延を行う場合のスラブはインゴット法、連続鋳造法などの製造法には限定されず、また熱延に至るまでの熱履歴にもよらないため、スラブ再加熱法、鋳造したスラブを再加熱することなく直接熱延するCC−DR法、さらには粗圧延などを省略した薄スラブ鋳造によっても本発明の効果を得ることができる。また熱延条件にもよらず、仕上げ温度をα+γの二相域とする二相域圧延や、粗バーを接合して圧延する連続熱延によっても本発明の効果を得られる。
本発明鋼板は何らかの表面処理を行って使用される場合も含むものとする。本発明の範囲内であれば、適用により表面処理により損なわれるものではない。表面処理としては、金属めっきについては通常適用されている、錫、クロム(ティンフリー)、Ni、亜鉛、アルミなどが施される。また、近年使用されるようになっている有機皮膜を被覆したラミネート鋼板用の原板に関しても、本発明の効果を得ることが可能となる。
用途としては電機機器、電子部品、建材や金属容器全般に使用可能であり、これ以外の分野でも何らかの用途において上述と同様の課題がある場合には適用が可能であることは言うまでもない。
表1に示す各成分の鋼について、熱間圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍、再冷延を行い各種鋼板を製造し、各種の評価試験を行った。第二相の形態、分散状態は、SEMおよびTEMを用いて鋼板の断面、鋼板薄膜、抽出レプリカおよび電解抽出残渣により、板厚1/8位置について観察した。板厚1/8位置または板厚中心層1/4を区別する必要がある、実施例No.21〜30では両方の位置で測定し、その比を求めた。また、EDXを用いて第二相に含まれる元素を定性分析した。本願の効果の指標でもある、極局部領域での引き延ばし変形の程度は、クリアランスを板厚と同じにした剪断加工を行い、生じたバリの高さで評価した。
測定結果および評価は、表2〜4に示す。
実施例No.1〜は主として一種の第二相、酸化物により発明の効果を得たものである。
No.3は比較例であり、比2及び比3の値がいずれも0.2未満なので、バリ高さが大きくなっている。
実施例No.6〜10は主として一種の第二相、硫化物により発明の効果を得たものである。
No.6は比較例であり、比2及び比3の値がいずれも0.2未満なので、バリ高さが大きくなっている。
実施例No.11、13、15、17、19は酸化物と硫化物という複数種の第二相を用いて発明の効果を得たものである。No.12,14,16,18,20と比較すれば、一種の第二相だけでは到達が困難なほどの大きな効果を得られることがわかる。
No.14、No.18は比較例であり、比2及び比3の値がいずれも0.2未満なので、バリ高さが大きくなっている。
実施例No.21〜30では、浸炭・窒化による炭化物または窒化物と、酸化物または硫化物を合わせて用いた例である。浸炭・窒化では、表層のみに有効な第二相を比較的簡単に表層のみに形成させることができ、熱処理時の冷却制御と組み合わせて大きな効果を得ることが出来る。
No.22は比較例であり、比2及び比3の値がいずれも0.2未満なので、バリ高さが大きくなっている。
No.28は比較例であり、比1の値が2.0未満なので、バリ高さが大きくなっている。
第二相として酸化物、窒化物を好ましく活用した場合のこれらの形態は、主として、鋳造条件による酸化物サイズと熱延条件による延伸量で制御したものであり、第二相を炭化物または窒化物として好ましく活用した場合の炭化物または窒化物の形態は、主として、浸炭または窒化条件で制御したものである。
なお、実施鋼中には成分や熱処理により様々な第二相が観察される場合があるが、表中の「主たる第二相」は本願効果の根源となっている、本発明の特徴を示す第二相についてのみ示した。
また「含有元素」についても、本発明の特徴を示す第二相から検出された元素の主なものについてのみ示した。
「評価」:通常レベル:D、効果が見られる:C、優れる:B、著しく優れる:Aとし、A、B、Cを発明とする。
Figure 0005251255
Figure 0005251255
Figure 0005251255
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第二相の鋼板板厚方向での分散状態を説明する図である。

Claims (11)

  1. 質量%で、
    C:0.100%以下(0を含む)、
    N:0.100%以下(0を含む)、
    Si:3.5%以下(0を含む)、
    Mn:2.19%以下(0を含む)、
    P:0.069%以下(0を含む)、
    S:0.060%以下(0を含む)、
    Al:3.0%以下(0を含む)、
    O:0.100%以下(0を含む)を含有し、
    さらに必要に応じて、
    Ti:0.10%以下(0を含む)、
    Nb:0.10%以下(0を含む)、
    B:0.0100%以下(0を含む)の一種または二種以上を含有し、
    残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
    鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、長径に関して、下記(A)式および(B)式のいずれか一方または両方を満足することを特徴とする板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
    (0.4×平均径以上、0.6×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2 ・・・(A)
    (1.9×平均径以上、2.1×平均径以下の第二相の個数)/(0.9×平均径以上、1.1×平均径以下の第二相の個数)≧0.2 ・・・(B)
  2. 鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の体積分率が、0.05%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
  3. 鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の数密度が0.001個/μm3以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
  4. 鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の体積率が下記(C)式を満足することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
    (板厚表層1/8での体積率)/(板厚中心層1/4での体積率)≧10・・・(C)
  5. 鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0であり、かつ、第二相の数密度が下記(D)式を満足することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
    (板厚表層1/8での数密度)/(板厚中心層1/4での数密度)≧10・・・(D)
  6. 鋼板中の長径と短径の平均が0.05μm以上の第二相について、長径/短径≧2.0である第二相が、酸化物、硫化物、炭化物、窒化物の単独または複合化合物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の鋼板の製造方法であって、1000℃超1400℃以下の温度域から1000℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点が存在し、鋼板の冷却速度が下記(E)式を満足することを特徴とする、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
    ((最高の冷却速度)−(最低の冷却速度))/(平均の冷却速度)≧0.2・・・(E)
  8. 厚さ50mm以上かつ鋼片中の酸化物および硫化物のいずれか一方または両方の平均直径が10〜25μmである鋼片を600℃以上の熱間で圧延加工するに際し、1000℃以上かつ歪速度1/秒以上の条件での真歪の総和が0.4以上の圧延を行なった後、1000℃以下かつ歪速度10/秒以上の条件での真歪の総和が0.7以上の圧延を行なうことを特徴とする、請求項7に記載の板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の鋼板の製造方法であって、600℃超850℃以下の温度域から600℃への冷却過程において、温度の時間変化に変曲点が存在し、鋼板の冷却速度が下記(E)式を満足することを特徴とする、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
    ((最高の冷却速度)−(最低の冷却速度))/(平均の冷却速度)≧0.2 ・・・(E)
  10. 冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、下記(F)式を満足する条件で浸炭処理を行い、C量を0.0002%以上増加させることを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の鋼板のうち、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
    {(浸炭時間(秒))×(浸炭温度(℃))}/{(浸炭性ガス濃度(%))×(浸炭処理での冷却速度(℃/秒))}≧10 ・・・(F)
  11. 冷延後、再結晶焼鈍と同時に、またはその後、550〜750℃の温度域で、下記(G)式を満足する条件で窒化処理を行い、N量を0.0002%以上増加させることを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の鋼板のうち、板厚0.400mm以下の局部変形能が小さい硬質極薄鋼板の製造方法。
    {(窒化時間(秒))×(窒化温度(℃))}/{(窒化性ガス濃度(%))×(窒化処理での冷却速度(℃/秒))}≧10 ・・・(G)
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