JP5250782B2 - レンズの屈折率算出方法 - Google Patents

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Description

本発明は眼鏡レンズ等のレンズの屈折率を算出する算出方法に関するものである。
眼鏡レンズにおける屈折率は高ければそれだけレンズの厚みを低減させることができるため、近視等で度数が進んでいる装用者にとっては屈折率の高いレンズを使用する方が好ましい。一方、レンズは屈折率が高いほど高価格化する傾向にあるため、従来から眼鏡販売店等では屈折率の異なる多数のレンズをストックして顧客の度数や予算にあわせたレンズを提供するようにしている。
ところで、眼鏡販売店ではまったく新規に眼鏡を求める顧客のほかに、顧客が現に装用している眼鏡と同じレンズの眼鏡を要望するケースがままある。その場合に、眼鏡販売店に顧客の過去のデータがあればよいが、データがなければその顧客の眼鏡を借りてどのような屈折率のレンズを使用しているか測定する必要が出てくる。
また、このような「顧客の要望」という理由以外にも、眼鏡販売店において信頼できるメーカー以外から入荷したレンズに対して念のために所定の屈折率が得られているかどうかをチェックしたいという要望もある。測定対象となるレンズを破壊または変形しないで屈折率を測定する装置として、反射式測定器であるエリプソメータがある。エリプソメータは偏光を利用して物体の屈折率などの光学定数を測定する。偏光した光が物質の表面に当ると、反射光はその表面の性質により偏光状態が変わる。この性質を利用して、反射光を分析することにより、反射面の物質の屈折率を求めることができる。
しかしながら、実際に眼鏡販売店でレンズの屈折率を測定することは以下のような理由で困難であった。
1)上記エリプソメータのような反射式測定器は反射光を測定するものであるため、測定対象となる眼鏡レンズに反射防止や曇り防止等の表面コーティングがされている場合には誤差が大きすぎて測定不能となってしまう。
2)反射式測定器は通常の眼鏡販売店には常備しておらず、なおかつ精度の高いものは非常に高価であるため新たに購入するというわけにはいかない。また、簡易な反射式測定器もあるにはあるが上記1)の問題は同様に生じるとともに精度が低いことに加えて測定に熟練が必要とされる。
3)主として上記1)、2)のような理由から眼鏡販売店では実際にはレンズの屈折率を測定することは困難であり、もし上記のように顧客からの要望があった場合には顧客のレンズ度数とレンズの厚み等から屈折率を推測してレンズ選択するしかなかった。
このようなことから出願人は眼鏡販売店でも容易にレンズの屈折率を測定することのできる方法としてレンズメータを利用したレンズの屈折率を測定する方法を提案した(特許文献1)。特許文献1では測定の際に透明な材質のゲルを使用してレンズ度数を測定することで計算から被験レンズの屈折率を算出するという方法である。
特開2005−331427号公報
しかしながら、特許文献1の屈折率算出方法においては以下のようないくつかの新たな課題が生じていた。
1)特許文献1の技術では測定したレンズ度数に基づいて眼鏡販売店側で実際に屈折率を算出しなければならず、眼鏡販売店では算出作業が不慣れであるため面倒であるという声が挙がっていた。
2)空気中における被検レンズのレンズ度数を測定する場合には直接レンズメータをレンズ面に接近させて測定すればよいわけであるが、それではゲル体を介在した場合と介在しない場合でレンズメータまでの距離に違いが生じてしまうこととなる。そのためレンズのレンズメータに相対する位置が変わる影響をできるだけ相殺する目的で空気中における被検レンズのレンズ度数の測定もガラスプレートを介して行わなくてはならず算出作業だけではなくレンズ度数の測定作業自体も面倒であった。
3)従来では眼鏡販売店の測定や算出の作業労力を軽減するために計算式をそれほど複雑化することができなかった。例えば、レンズメータの機種に応じた固有の機械誤差の補正やゲル体の屈折率、被検レンズのレンズ厚等々のデータをパラメータとして入力できればより精密な屈折率を得ることができるのであるが、実際には比較的容易に計算できる近似的な式を用いらざるを得ず、精密な屈折率の算出が実際上困難であった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ユーザー側では被検レンズのレンズ度数を測定するだけで容易にかつ精密なレンズの屈折率を算出することが可能なレンズ屈折率の算出方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、被検レンズのレンズ度数を測定するレンズ度数測定装置を使用したレンズの屈折率算出方法であって、前記被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第1の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同被検レンズの第1のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第1のレンズ度数測定工程と、折率が1ではない透明な第1の透過媒体を前記被検レンズの表側レンズ面に密着させるとともに同じく屈折率が1ではない透明な第2の透過媒体を同被検レンズの裏側レンズ面に密着させ、その状態で同被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第2の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同両透過媒体に挟まれた同被検レンズの第2のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第2のレンズ度数測定工程とを備えるとともに、前記第2のレンズ度数測定工程において測定された前記第1及び第2のレンズ度数の値の入力を通信回線を通じてモニター上に表示される所定の入力部に対してユーザー側において実行するレンズ度数入力工程と、前記レンズ度数入力工程でのユーザーによる入力によって通信回線を通じて送信された前記第1及び第2のレンズ度数の値を屈折率算出プログラムに適用して前記被検レンズの屈折率を算出する際に、前記被検レンズの屈折率の真の値に対する計算値の誤差を少なくするために計算に使用する前記第1及び第2の透過媒体の屈折率を意図的に変更してパラメータとして使用する屈折率算出工程と、前記屈折率算出工程において算出された屈折率を通信回線を通じてユーザー側の前記モニター上に表示させる屈折率表示工程とを備えることをその要旨とする。
また、請求項2の発明では、被検レンズのレンズ度数を測定するレンズ度数測定装置を使用したレンズの屈折率算出方法であって、前記被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第1の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同被検レンズの第1のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第1のレンズ度数測定工程と、折率が1ではない透明な第1の透過媒体を前記被検レンズの表側レンズ面に密着させるとともに同じく屈折率が1ではない透明な第2の透過媒体を同被検レンズの裏側レンズ面に密着させ、その状態で同被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第2の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同両透過媒体に挟まれた同被検レンズの第2のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第2のレンズ度数測定工程とを備えるとともに、前記第2のレンズ度数測定工程において測定された前記第1及び第2のレンズ度数の値の入力を通信回線を通じてモニター上に表示される所定の入力部に対してユーザー側において実行するレンズ度数入力工程と、前記レンズ度数入力工程でのユーザーによる入力によって通信回線を通じて送信された前記第1及び第2のレンズ度数の値を屈折率算出プログラムに適用して前記被検レンズの屈折率を算出する際に、前記被検レンズの屈折率の真の値に対する計算値の誤差を少なくするために計算に使用する被検レンズの厚さを意図的に変更してパラメータとして使用する屈折率算出工程と、前記屈折率算出工程において算出された屈折率を通信回線を通じてユーザー側の前記モニター上に表示させる屈折率表示工程とを備えることをその要旨とする。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記モニター画面にはレンズメータ毎の固有データを入力するための入力部が表示され、前記屈折率算出工程において同入力部に同レンズメータの固有データを入力することで各レンズメータ毎に設定された前記屈折率算出プログラムの同レンズメータに係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出するようにしたことをその要旨とする。
また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記モニター画面には前記被検レンズの測定条件を入力するための入力部が表示され、前記屈折率算出工程において同入力部の入力条件に応じて設定された前記屈折率算出プログラムの同被検レンズの測定条件に係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出するようにしたことをその要旨とする。
また、請求項の発明では請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記所定の入力部はWEBページ上に公開され、前記第1及び第2のレンズ度数の値は通信回線を通じて同WEBページ上の入力部に入力されるとともに、前記屈折率算出工程において算出された屈折率は同WEBページ上に表示されるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項の発明では請求項に記載の発明の構成に加え、前記レンズメータのデータを入力するための入力部はWEBページ上に公開され、同入力部への同レンズメータの固有データは通信回線を通じて同WEBページ上で入力されるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項の発明では請求項又はに記載の発明の構成に加え、前記被検レンズの測定条件を入力するための入力部はWEBページ上に公開され、同入力部への測定条件の入力は通信回線を通じて同WEBページ上で入力されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、ユーザーはレンズ度数測定装置によってその測定基点に配置された空気中における被検レンズの第1のレンズ度数を測定するとともに、空気中における屈折率が1ではない透明な第1及び第2の透過媒体に挟まれた被検レンズの第2のレンズ度数を測定する。そして、ユーザーはレンズ度数入力工程においてモニター上に表示される所定の入力部に対して前記第1及び第2のレンズ度数の値の入力を実行する。尚、以下において「入力部へ入力する」という場合必ずしも行為者の能動的なものではなく初期値(デフォルト)として設定されている場合も含む概念である。
次いで、屈折率算出工程においてユーザーから通信回線を通じて入力された値を屈折率算出プログラムに適用することで同被検レンズの屈折率を算出する。そして、最後に屈折率表示工程において算出された屈折率をユーザー側のモニター上に具体的な数字等の手段で表示させるようにする。
第1及び第2の透過媒体としては屈折率が1でなければよく(つまり空気と同じ屈折率でなければよい)、一般的には被検レンズの表面形状に追随しやすいゲル体が好ましい。また、測定精度を望むために屈折率は比較的高いほうが好ましく、調査対象レンズの屈折率と同じくらい、又はそれ以上であると更に好ましい。その他、ゲル体以外にガラスやプラスチックから構成される弾性を持たない個体でも構わない。
ゲル体としては均質な屈折率を備えた透明なゲルから構成される必要がある。透明の概念には半透明も含む。材質は特に限定されず、レンズカーブに追随してその表面に密着させることのできる程度に柔らかい材質であればよい。例えば、水溶性高分子(例えば、多価アルコールやポリアクリル酸等)を粘度調整した機能性ハイドロゲル系、分散媒を使用しないセグメント化ポリウレタンゲル(例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂等)、シリコーンゲル、天然高分子系のゲル(例えば、アルギン酸ナトリウム系ゲル、キトサン系ゲル)等を挙げられる。
第1及び第2のゲル体の形状は被検レンズの表側レンズ面(レンズの物体側表面)及び裏側レンズ面(眼球側表面)に沿って貼着されるような板状を呈することがレンズメータの測定基点に配置した際の安定性の点で好ましい。
ここに、屈折率算出プログラムは少なくとも既知の空気の屈折力及び透過媒体の屈折力をパラメータとして被検レンズの屈折率を得ようとする計算プログラムである。計算プログラムにおける計算方法にはいくつかの方法が想定される。具体的な計算方法については実施例で例を挙げて説明する。
レンズの屈折率の算出においては屈折率の数値の精密さを増す必要からモニターに表示される入力部にレンズメータの固有のデータを入力でき、屈折率算出プログラムの同レンズメータに係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出するようにすることが好ましい。レンズメータの機種によってレンズに対するレンズメータと相対する位置(距離)が変わることが、度数測定結果に与える影響を補正する必要からである。
同様に算出される屈折率の数値に精密さを増す必要からモニターに表示される入力部に被検レンズの測定条件を入力することができ、屈折率算出プログラムの同被検レンズの測定条件に係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出するようにすることが好ましい。
ここに、被検レンズの測定条件とは被検レンズの屈折率の算出に影響のある諸条件であり、例えば、温度や湿度や気圧のような測定条件やレンズメータを校正するための基準レンズの測定値、透過媒体の屈折率、被検レンズのカーブ形状、被検レンズの厚み等がそのパラメータとして挙げられる。
上記各項目が入力される入力部は例えば眼鏡販売店において保有する上記屈折率算出プログラムがインストールされたコンピュータに併設されたモニター上に表示されることが想定される。ここでは入力部に入力した内容に基づいて眼鏡販売店自身のコンピュータ内で被検レンズの屈折率が屈折率算出プログラムに従って算出されることとなる。
また、入力部は例えばメーカーのWEBページ上に公開され、眼鏡販売店のコンピュータを操作して通信回線を通じて当該WEBページにアクセスすることでモニター上に表示させることが想定される。この場合では屈折率算出プログラムはメーカー側のサーバに格納されており、クライアント側となる眼鏡販売店のコンピュータからのWEBページ要求に応じてサーバはクライアント側にWEBページを返信し、更にクライアント側からのデータ送信に基づいてサーバ側ではレンズの屈折率を算出し、算出された値をWEBページ上に公開させる。つまり、この場合では被検レンズに関する屈折率算出のためのデータ入手は眼鏡販売店段階で行い、それらのデータに基づく屈折率算出自体はメーカー側で行うこととなる。この場合に契約したユーザーにだけシステムを使わせる、つまりユーザーを識別してそのようなユーザーのためだけにレンズの屈折率を算出し、算出された値をWEBページ上に公開させてもよい。
上記各請求項の発明では、従来測定が困難であった屈折率の不明な所定の被検レンズについて個別にその屈折率を測定することが可能となるとともに、その測定作業は簡単な設備を使用して手軽に低コストで行うことが可能となる。更に、測定した測定値に基づいて被検レンズの屈折率を算出する際にモニター上の所定の入力部に対して入力実行するだけで算出されモニター上にその算出結果が表示されるため、面倒な計算が不要となる。
以下、本発明のレンズの屈折率算出方法を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例において使用されるレンズメータ1は筐体3と筐体3の前方に張り出した測定部5から構成されている。筐体3の上部位置にはCRTディスプレイ6が配設されている。筐体3内部にはレンズ度数を測定するための図示しない度数測定光学系が配設されている。度数測定光学系はLED等の測定用光源、マークが印刷された透明なターゲットプレート、レンズ、ミラー、プリズム、イメージセンサ及びコントローラ等から構成されている。レンズメータ1の作動原理は、イメージセンサで捉えた被検レンズLを通したマークの結像と被検レンズLがない状態でのマークの結像との変異量をコントローラによって解析するものである。本実施例ではこのような度数測定光学系を備えた既知のレンズメータ1を使用する。
測定部5は投光側テーブル7と同投光側テーブル7の上部に配置された受光側テーブル8を備えている。投光側テーブル7の上部には測定基点としてのノーズピース9が配設されている。ノーズピース9の奥側(図1におけるノーズピース9の右方)にはレンズ当て10が配設されている。両テーブル7,8の間には印点機構11及びレンズ押さえ用のレバー12が配設されている。レバー12の先端下部位置から後方に向かって板バネ13が延出されている。板バネ13先端にはパッド14が装着されている。
このようなレンズメータ1において被検レンズLをセットする際には被検レンズLをレンズ当て10に当接させた状態でノーズピース9上に載置し、レバー12を操作してパッド14を下降させノーズピース9との間で落下しないように挟持させる。基本的にはこの状態で被検レンズLのレンズ度数を測定することが可能であるが、被検レンズLの表側レンズ面及び裏側レンズ面に凹形ゲルパッド15及び凸形ゲルパッド20を密着させることでこれらゲルパッド15,20を通した被検レンズLのレンズ度数を測定することも可能となる。
図2(a)及び(b)に示すように、表側レンズ面(レンズの物体側表面)に配置される凹形ゲルパッド15は平面円形形状をなし、透明な第1のゲル体16と第1の平面プレートとしてのガラスプレート17から構成されている。第1のゲル体16の密着面18(被検レンズLと密着する面)は所定の径の真球の内周面を一部切り取ったような凹形状とされ、第1のゲル体16は中心から周囲に向かって均等に厚みを増すような肉付けとされている。第1のゲル体16は均質で所定の屈折率を有する。第1のゲル体16の背面19(密着面18の裏面)は平面形状とされている。ガラスプレート17は透明な平板体であって第1のゲル体16の背面19と密着させられている。ガラスプレート17の度数は0とされている。
図3(a)及び(b)に示すように、裏側レンズ面(レンズの眼球側表面)に配置される凸形ゲルパッド20は平面円形形状をなし、透明な第2のゲル体21と第2の平面プレートとしてのガラスプレート22から構成されている。第2のゲル体21の密着面23(被検レンズLと密着する面)は所定の径の真球の外周面を一部切り取ったような凸形状とされ、第2のゲル体21は中心から周囲に向かって均等に厚みを減らすような肉付けとされている。第2のゲル体21の屈折率は第1のゲル体16と同じである。第2のゲル体21の背面24(密着面23の裏面)は平面形状とされている。ガラスプレート22は上記凹形ゲルパッド15のガラスプレート17と同じものである。本実施例における第1及び第2のゲル体16,21は分散媒を使用していない同じ材質のポリエステル系のセグメント化ポリウレタンゲルを使用した。
次にこのようなレンズメータ1を使用したレンズの屈折率測定の具体的方法について説明する。
まず、図5に示すように被検レンズLを直接レンズメータ1のノーズピース9上に載置しパッド14を下降させて挟持する。この状態で通常の操作に従ってまず空気中での被検レンズLのレンズ度数を測定する。このレンズ度数を第1のレンズ度数とする。
ついで、図4に示すように被検レンズLの表裏レンズ面にそれぞれ凹形ゲルパッド15と凸形ゲルパッド20を対抗配置する。第1及び第2のゲル体16,21の密着面18,23はそれぞれ被検レンズLの表裏レンズ面のほぼ湾曲に沿って無理なく密着させられる。尚、第1及び第2のゲル体16,21は粘着性もあるため一旦密着させると積極的に剥がさない限りはレンズ面に貼着された状態に保持される。凹形ゲルパッド15と凸形ゲルパッド20を配置した状態で被検レンズLが真ん中に配置されたガラスプレート17、第1のゲル体16、被検レンズL、第2のゲル体21、ガラスプレート22の密着した(途中に空気層の入らない)5層構造が形成される。
このように凹形ゲルパッド15と凸形ゲルパッド20を配置した被検レンズLを図6に示すようにレンズメータ1のノーズピース9上に載置しパッド14を下降させて挟持する。このとき両ガラスプレート17,22は互いに平行でかつノーズピース9中央から上方に向かって投光される光束Eに対してなるべく直交するように配置する。この状態で通常の操作に従って5層構造の被検レンズLのレンズ度数を測定する。このレンズ度数を第2のレンズ度数とする。
次にこのようなレンズメータ1を使用して得られた測定値に基づいて被検レンズの屈折率を算出する算出工程の具体例について説明する。本実施例では主として眼鏡販売店で測定した値をインターネットを介してメーカー側のホームページにアクセスすることで屈折率を算出する場合を想定している。
図7に示すように、インターネットは複数のLAN(Local Area Network)30が電話回線等の通信回線を通じて大規模に接続された通信網である。
眼鏡販売店は端末コンピュータ31を備えている。端末コンピュータ31はインターネットに接続されたWWW(World Wide Web)クライアントとされる。端末コンピュータ31は、ユーザーの入力に応じてプログラム実行可能な通常のハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その内蔵ハードディスクには、WWWを利用するために必要なブラウザや、OS(Operation System)等の各種プログラムがあらかじめインストールされている。各プログラムの制御は端末コンピュータ31内のCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)が実行する。端末コンピュータ31には入力装置32(マウス、キーボード等)、及びモニター33が接続されている。
図7示すように、メーカー側はインターネットに接続されたサーバ35を備えている。サーバ35は、外部からの指示に応じて、メモリ上にプログラムをロードし、それを実行することができる通常のハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その内蔵ハードディスクには、ブラウザを介してリクエストを受け付けると利用可能なファイルをブラウザに与えるhttpd(Hyper Text Transfer Protocol Daemon)、httpdからのデータを処理するCGI(Common Gateway Interface)スクリプト、CGIスクリプトによって起動される屈折率算出プログラム、OS、等のソフトウエアがインストールされている。各プログラムの制御はサーバ35内のCPU(中央制御装置)が実行する。
眼鏡販売店側では端末コンピュータ31を操作してモニター33上でブラウザを起動させメーカー側の所定のサイトのURL(Uniform Resource Locators)を入力し、メーカー側のWEBページを呼び出しモニター33上に表示させる。
図8に示すように、メーカー側のWEBページには屈折率を算出するためのデータを入力する入力フォーム37が用意されている。
入力フォーム37には空気中でのレンズ度数を入力する入力スペース38、ゲル体を通したレンズ度数を入力するスペース39、被検レンズの中心厚を入力する入力スペース40、被検レンズのレンズ表面のカーブを入力する入力スペース41、レンズメータの種類を入力する入力スペース42、ゲルの種類を入力する入力スペース43が設けられている。本実施例では測定されたレンズ度数を入力する入力スペース38,39が必須項目とされ、デフォルト状態ではブランク状態とされている。
被検レンズの中心厚及びレンズ表面のカーブを入力する入力スペース40,41は空気中でのレンズ度数の入力に伴って当該レンズ度数についての普遍的な仮値が設定されるようになっている。レンズメータの種類を入力する入力スペース42、ゲルの種類を入力する入力スペース43はデフォルト状態で所定の数値や種類が表示されている。レンズメータの種類及びゲルの種類の変更については入力スペース42,43に併設されたアイコン44をクリックすることで隠されていた市販のレンズメータ及びゲルの種類の一覧表が表示されるため、それらから対応するものをチェックする。
眼鏡販売店側では入力装置32を使って測定したレンズ度数、また必要な場合には被検レンズの中心厚やレンズ表面のカーブを入力するとともに、レンズメータの種類、ゲルの種類をチェックする。
眼鏡販売店は入力スペース38〜43のすべての項目が入力された状態で送信ボタン45をクリックする。送信ボタン45のクリックに基づいて入力データがサーバ35側に送信される。サーバ35ではこの送信を受けてCGIスクリプトに屈折率算出プログラムを実行させる。サーバ35はこの実行された結果を端末コンピュータ31側に知らせるため図9に示すような被験レンズの算出された屈折率が表示された表示フォーム46を送信する。
CGIスクリプトによって実行される屈折率算出プログラムとして本実施例ではレンズ素材毎に実際に多くの度数のレンズの屈折力を測定し、その結果をもとに空気中でのレンズ度数(以下ゲルなし度数とする)Dv1とゲル体16,21を通したレンズ度数(以下ゲル有り度数とする)Dv2の相関関係を説明する素材別の近似的な二次曲線又は直線を作成し、その二次曲線又は直線に基づいて被検レンズの屈折率を算出するようにしている。より詳しくは次のような方法で実行される。
まず、本実施例ではA〜Gの7種類の屈折率の違う素材レンズ各々についてゲルなし度数Dv1とゲル有り度数Dv2を実際に測定する。表1はこのようにして測定した値のテーブル41である。このテーブル41の値をプロットし、そのプロットに基づいた近似的な軌跡を作成することで図10のグラフが得られる。グラフは横軸をゲルなし度数Xとし、縦軸をゲル有り度数Yとして表示されている。表2はこのような素材毎のデータを近似するグラフとして表示するための係数a,b,cの表示された第2のテーブル42である。これらの係数a,b,cは以下のような最小二乗法による計算によって求められる。
得られた度数データとしてゲルなし度数及びゲル有り度数は(X、Y)の組である。データがn組あるとすると、その要素は(X1、Y1)・・・(Xi、Yi)・・・(Xn、Yn)と書くことができる。これらの要素に基づいて差分の二乗したものを合計しその値が最小となるような係数a,b,cを決定するというものである。つまり、
曲線の式をY = aX 2 +bX+cと置くと、
Σ(aXi 2 +bXi+c−Yi) 2
を最小にするような係数abcを決定する。尚、ここでは要素が多い場合として二次曲線となる場合を例に取って説明するが、直線となる場合も計算は簡単になるが基本的な考えは同様である。
ここに、
Σ(aXi2+bXi+c−Yi)2 を展開すると、
Σ(a2Xi4+b2Xi2+c2+Yi2+2abXi3+2acXi2+2bcXi
−2aXi2Yi−2bXiYi−2cYi)
=a2ΣXi4+b2ΣXi2+nc2+ΣYi2+2abΣXi3+2acΣXi2+2bcΣXi−2aΣXi2Yi−2bΣXiYi−2cΣYi
となる。
この式は係数a,b,cそれぞれについてみると、2次の係数が正の2次式になっている。したがって、係数a,b,cそれぞれについて極小値をとり、それは最小値でもある。aについて最小になる条件は、aに関して偏微分した式の値が0となることである。すなわち、
2aΣXi4+2bΣXi3+2cΣXi2−2ΣXi2Yi=0 である。
ここで、aを含まない項は定数項と見なせるので無くなった。両辺を2で割ると、
aΣXi4+bΣXi3+cΣXi2−ΣXi2Yi=0 となる。同様にbとcに関しても計算して
aΣXi3+bΣXi2+cΣXi−ΣXi Yi=0 と
aΣXi2+bΣXi +nc −ΣYi =0 を得る。
この3式は係数a,b,cを変数とした三元連立一次方程式なので、これを解いて係数a,b,cを求めることができる。
第1のテーブル41と第2のテーブル42は相互に関連づけられてサーバ35のメモリに記憶されている。尚、この第1のテーブル41ではレンズメータの種類はa、レンズの厚さはm、レンズのカーブはtの場合を示しているが、この第1のテーブル41のような測定はレンズメータの種類(例えば6種類)、レンズの厚さの種類(例えば10種類)、レンズのカーブの種類(例えば5種類)のパラメータに応じてこれらの種類を掛け合わした数だけ用意されることが好ましい。
Figure 0005250782
Figure 0005250782
次に、CGIスクリプトによって実行されるこのような屈折率算出プログラムの実行ルーチンについて図11に基づいて説明する。
ステップS1においてサーバ35のCPUは端末コンピュータ31から送信されたデータに基づいて所定のテーブル(例えば上記第1のテーブル41)を選択する。テーブルはレンズメータの種類、レンズの厚さの種類、レンズのカーブの種類のそれぞれのパラメータによって決定されることとなる(テーブル決定工程)。
次いでステップS2においてCPUは送信されたデータのうち、ゲルなし度数Dv1とゲル有り度数Dv2に基づいて当該屈折率がどの屈折率グラフ(曲線又は直線)間に存在するのかを判断する(位置決定工程)。ここではまず、A〜GのすべてのグラフについてX側にゲルなし度数Dv1を代入し、得られたYの値とゲル有り度数Dv2とを比較し、その差の絶対値が最も小さな2つの屈折率グラフLa,Lbを選択する。式で表現すると次のようになる。
Y = f(X) :ここにDv1を代入
Y = f(Dv1)
v0 = | f(Dv1)−Dv2 |
Min(La,Lb)
つまり、被験レンズの屈折率はそれら2つの屈折率グラフLa,Lb間に存在することがわかる。
次いで、ステップS3においてCPUは決定された2つの屈折率グラフLa,Lbの係数a,b,cを関連づけられた第2のテーブル42から取り出し、
Y = a 2 +bX+c又は
Y = bX+c
に代入するとともに、X = Dv1を代入してYの値を求める。
次いで、2つの屈折率グラフLa,Lbについて求めたYに基づいて内挿補間で被験レンズの屈折率を求め、ルーチンは一旦終了する(近似屈折率グラフの曲線又は直線に基づく屈折率算出工程)。
ステップS3における具体的な算出方法は例えば以下のように行われる。
あるレンズの度数測定結果がゲル無し度数Dv1+2.99D、ゲル有り度数Dv2+0.36Dであったとする。このポイントは図10のグラフに示すようにA素材とB素材のグラフの間(つまり度数1.50と度数1.60の間)に存在している。
ここで、
A素材側: Y= 0.00040・(X)2+0.05090・X−0.01890
ここに、X=Dv1=2.99を代入するとY=0.137が得られる。
B素材側: Y=-0.00090・(X)2+0.21320・X−0.00490
そして、X=Dv1=2.99を代入してY=0.625が得られる。
この段階で内挿補間によって当該被験レンズの屈折率を算出する。つまり、
この2つのYの値を内挿すると、
1.50+(1.60-1.50)・(0.36-0.137)/(0.625-0.137)=1.546
として被験レンズの屈折率は1.546と算出される。
このように構成することで本実施例では次のような効果が奏される。
(1)眼鏡販売店において必ず保有しているレンズメータ1を使用して所望のレンズの屈折率をその場で測定できることとなり、従来困難であった眼鏡販売店でのレンズの屈折率の確認が可能となる。また、屈折率測定のための特別な装置を特に必要としないのでコストも負担にはならない。
(2)眼鏡販売店側では単にレンズ度数等の測定をするだけで、実際の算出は自ら行わなくともよいため、眼鏡販売店では不慣れな計算作業から解放されることとなり眼鏡販売店側の負担が軽減されることとなる。
(3)WEB上でデータのやり取りを行うため、例えば屈折率算出プログラムの更新についてはサーバ5側で作業を行うだけでよく、屈折率算出プログラムのメンテナンスが非常に楽にできることとなる。
(4)上記のようにメーカー側ではその屈折率算出プログラムとして前もって実際に測定したゲル無し度数及びゲル有り度数に基づいてレンズの公称の屈折率がわかっているレンズ素材の近似的な二次曲線又は直線を作成し、その二次曲線又は直線に基づいて被検レンズの屈折率を算出するようにしているため、眼鏡販売店側の測定条件と同等の測定条件を想定して精密な屈折率を得ることができる。例えば、上記のように眼鏡販売店ではゲル有り度数を測定する際には凹形ゲルパッド15と凸形ゲルパッド20はそれぞれガラスプレート22を有しているが、ゲル無し度数の測定にはガラスプレート22を使用しないため、被験レンズのレンズメータ1に相対する位置が変わってしまうこととなり、この測定位置の違いが本来誤差を発生させるものであるが、このようにメーカー側でもゲル無し度数の測定にはガラスプレート22を使用せずにレンズメータ1を直接レンズに当てて(図5のように)測定するのであれば格段距離の影響は受けないこととなる。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例における屈折率算出プログラムでは各レンズ素材の屈折力に対する近似的なグラフを用いて被検レンズの屈折力を算出する一例を示したが、上記以外の算出方法であっても構わない。以下にそれらの説明をする。
(1)簡便な算出方法
まず、レンズの厚さをまったく考慮しない方法(式2)を挙げる。
式1ではレンズメータによって得られた空気中における被検レンズ単独のレンズ度数と、空気中における両ゲル体に挟まれた被検レンズのレンズ度数によって既知の空気の屈折力とゲル体の屈折力のみをパラメータとして被検レンズの屈折率を得ようとするものである。この方法では算出される屈折率の精度は劣るものの、パラメータが少なく入力の手間を省くことができる。
式1は次のように導かれる。まず、
Dv1 = (N−n1)/R1 −(N−n1)/R2
Dv2 = (N−n2)/R1 −(N−n2)/R2
とおき、両式からR1及びR2をキャンセルする。
N=(n2×Dv1−n1×Dv2)÷(Dv1−Dv2)・・・式2
N:被検レンズの屈折率、 Dv1:ゲル無し度数(第1のレンズ度数)、Dv2:ゲル有り度数(第2のレンズ度数)、n1:空気の屈折率(=1)、n2:ゲル体の屈折率、R1:レンズ表面の曲率半径(m)、R2:レンズ裏面の曲率半径(m)
(2)ゲル体の屈折率(n2)をパラメータとする方法
式2に代入するゲル体の屈折率を意図的に変更することで、機種によるレンズ度数測定装置の持つ固有の機械誤差やレンズの厚さを無視することによる誤差を極力小さくする方法がある。これはゲル体の屈折率をパラメータとして導入するものである。
具体的には例えば表3に示すようにレンズ度数測定装置としてのレンズメータと屈折率が明確な素材でできたレンズについて、それぞれ複数種類のレンズのゲル無し度数Dv1及びゲル有り度数Dv2を測定し上記式2に基づいて屈折率を算出する。ところで、ゲル体の屈折率をどのように設定するかによって、算出された被験レンズの屈折率の真値からのズレ具合に差が出る。
従って、ここではなるべくズレが小さくなるよう数値をゲル体の屈折率として計算に用いることが好ましい。算出された屈折率の真値からのズレは、素材レンズの公称屈折率から測定平均値を差し引いた値に基づいて残差の二乗和を求めることによってどの程度の誤差があるか、つまり真値に近いかどうかを判定することができる。
より具体的には例えば表3に示すように実際に被検レンズを測定した際にレンズメータとしてA機種とB機種を使用した両方の結果において、屈折率算出ズレを最小にするには、式2に代入するゲル体の屈折率を1.474とするとよく、そのとき残差の二乗和は0.000014となる。
レンズメータとしてA機種を用いた測定結果のみについて言えば、ゲル体の屈折率を1.473にすると残差の二乗和は最小となる。また、レンズメータとしてB機種を用いた測定結果のみについて言えば、ゲル体の屈折率を1.475にすると残差の二乗和は最小となる。したがって、ユーザー側での測定に用いたレンズメータの機種の情報を得られた場合は、それに応じて最適なゲル体の屈折率を用いて計算することが好ましい。また、ユーザー側で測定に用いたレンズメータの機種の情報がメーカー側で不明な場合には例えばWEBの画面等を経由して計算に使用されたゲル体ついてユーザー側に報告することが好ましい。
Figure 0005250782
(3)レンズの厚さを考慮した方法
上記ゲル体の屈折率(n2)をパラメータとする場合では誤差はかなり減るものの、表3から分かるようにサンプル毎で得られる屈折率にはばらつきがある。それは主としてレンズの厚さに起因するものである。つまり、各レンズの屈折率はレンズの厚さ条件で区々であるということになる。そのため、式3ではレンズの厚さをパラメータとして入力してより精密なレンズの屈折率を算出する方法を示す。
上記式2ではDv1及びDv2について、
Dv1 = (N−n1)/R1 −(N−n1)/R2
Dv2 = (N−n2)/R1 −(N−n2)/R2
とおいた。ここに、
(N−n1)/R1 = C11・・・Dv1側のレンズ表面の面屈折力
(N−n1)/R2 = C21・・・Dv1側のレンズ表面の面屈折力
(N−n2)/R1 = C12・・・Dv2側のレンズ表面の面屈折力
(N−n2)/R2 = C22・・・Dv2側のレンズ表面の面屈折力
である。
ここでは新たにレンズの中心厚CT(m)をパラメータとした。
Dv1 = C11/(1−C11・CT/N)−C21 =
((N−n1)/R1)/(1−((N−n1)/R1)・CT/N)−((N−n1)/R2)・・・式3−a
Dv2 = C12/(1−C12・CT/N)−C22 =
((N−n2)/R1)/(1−((N−n2)/R1)・CT/N)−((N−n2)/R2)・・・式3−b
これら式3−a及び式3−bだけではR1、R2及びCTは消去できない。そのため、これらR1、R2の少なくとも一方及びCTを測定することでDv1及びDv2を算出し、もって式2によってレンズの屈折率を算出することが可能である。R1、R2の少なくとも一方としているのはいずれかがわかれば屈折率はCTとの関係で計算して算出できるからである。
しかし、実際にR1、R2の少なくとも一方及びCTを測定することは測定を実際に行うのが眼鏡販売店である場合には非常な作業負担となる。そのため、R1、R2の少なくとも一方及びCTについてレンズ度数に対応した妥当な仮のR1、R2の少なくとも一方及びCTを設定することが好ましい。
そのためここではそのために2段階に計算を行うようにしている。
まず、上記式2に基づいて当該被検レンズのおよその屈折率(N)を求める。そして表4のようなテーブルに基づいて屈折率毎の当該レンズ度数の一般的なR1及びCTを決定する。 尚、この表4ではレンズ度数の間隔を2.00刻みとしたがその他のレンズ度数の間隔を設定することは自由である。
次いで、このように設定されたR1及びCTを上記式2−aに代入してR2を算出する。R2の算出の式は上記式2−aを次のように変形して得られる。
R2 = (N−n1)/(((N−n1)/R1)/(1−((N−n1)/R1)・CT/N)−Dv1)・・・式3−c
この時、式3−cに代入するNについては上記式2で計算した仮の値を使用しておく。そして、R1及びR2を上記式2−bに代入する。この時、式3−bに代入するNについては上記式2で仮に計算した値を使用し、ゲル体の屈折率(n2)は上記のように別途屈折率を得る。
Figure 0005250782
ここで、上記式3−bを再考すると、結局N以外の変数についてはすべて実際の数値に置き換えることが可能となる。つまり、上記式3−bは
aN2+bN+cというNの二次方程式の形式にすることが可能となる。
この二次方程式からNの解を求めることができる。しかし、この一連の計算式は式2から得た仮のNを使用しているので、ここでより真値に近い新たなNを式2−cに代入してR2を更新する。そして、更新したR2を式3−bに代入して更にNを更新する。このようにしてR2とNを収束させていくようにする。
・第1及び第2のゲル体16,21の厚みや形状は適宜変更可能である。
・レンズメータ1の形状、種類は上記実施例に限定されるものではない。測定基点も上記に限定されるものではない。
・ガラスプレート17,22の材質はガラス以外であっても構わない。
・レンズメータでゲル無し状態で測定する際にガラスプレート17,22を介しても構わない。
上記実施例ではゲルなし度数Dv1とゲル有り度数Dv2の相関関係を説明する素材別の近似的な二次曲線又は直線を作成し、その二次曲線又は直線に基づいて被検レンズの屈折率を算出するようにしていた。直線としたのはデータが少ない場合に近似的に直線とみなしても得られる屈折率に大きな影響がないからである。また、近似的な曲線が式で表すことができれば二次曲線限定されるものではない。
・入力フォーム41に入力するパラメータは上記以外でも構わない。
・サーバ35側で登録した眼鏡販売店を認識して特定の端末コンピュータ31に対してのみデータを受け付けるようなシステムでもよい。つまり、契約した相手にだけシステムを使わせるようにしてもよい。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の実施例を説明するレンズメータに被検レンズをセットした状態を説明する側面図。 (a)は凹形ゲルパッドの斜視図、(b)は同じ凹形ゲルパッドの横断面図。 (a)は凸形ゲルパッドの斜視図、(b)は同じ凸形ゲルパッドの横断面図。 被検レンズの表裏面に凹形ゲルパッド及び凸形ゲルパッドを貼着した状態における断面図。 第1のレンズ度数を測定する際にレンズメータに被検レンズをセットした状態を説明する部分拡大図。 第2のレンズ度数を測定する際にレンズメータに被検レンズをセットした状態を説明する部分拡大図。 端末コンピュータとサーバがインターネット内に組み込まれていることを説明する概念図。 ブラウザによってモニターに表示されるレンズの屈折率の算出のための入力フォームの概念図。 ブラウザによってモニターに表示されるレンズの屈折率を表示した表示フォームの概念図。 所定の条件下でのレンズ素材ごとのレンズ屈折率を示すグラフ。 CGIスクリプトによって実行されるこのような屈折率算出プログラムの実行ルーチンを説明するフローチャート。
符号の説明
1…レンズメータ、9…測定基点としてのノーズピース、16…第1のゲル体、17…第1の平面プレートとしてのガラスプレート、21…第2のゲル体、22…第2の平面プレートとしてのガラスプレート、33…モニター、38〜43…入力部としての入力スペース、35…被検レンズの屈折率を算出し、モニター上に表示させるサーバ。

Claims (7)

  1. 被検レンズのレンズ度数を測定するレンズ度数測定装置を使用したレンズの屈折率算出方法であって、
    前記被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第1の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同被検レンズの第1のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第1のレンズ度数測定工程と、
    折率が1ではない透明な第1の透過媒体を前記被検レンズの表側レンズ面に密着させるとともに同じく屈折率が1ではない透明な第2の透過媒体を同被検レンズの裏側レンズ面に密着させ、その状態で同被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第2の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同両透過媒体に挟まれた同被検レンズの第2のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第2のレンズ度数測定工程とを備えるとともに、
    前記第2のレンズ度数測定工程において測定された前記第1及び第2のレンズ度数の値の入力を通信回線を通じてモニター上に表示される所定の入力部に対してユーザー側において実行するレンズ度数入力工程と、
    前記レンズ度数入力工程でのユーザーによる入力によって通信回線を通じて送信された前記第1及び第2のレンズ度数の値を屈折率算出プログラムに適用して前記被検レンズの屈折率を算出する際に、前記被検レンズの屈折率の真の値に対する計算値の誤差を少なくするために計算に使用する前記第1及び第2の透過媒体の屈折率を意図的に変更してパラメータとして使用する屈折率算出工程と、
    前記屈折率算出工程において算出された屈折率を通信回線を通じてユーザー側の前記モニター上に表示させる屈折率表示工程とを備えることを特徴とするレンズの屈折率算出方法。
  2. 被検レンズのレンズ度数を測定するレンズ度数測定装置を使用したレンズの屈折率算出方法であって、
    前記被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第1の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同被検レンズの第1のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第1のレンズ度数測定工程と、
    折率が1ではない透明な第1の透過媒体を前記被検レンズの表側レンズ面に密着させるとともに同じく屈折率が1ではない透明な第2の透過媒体を同被検レンズの裏側レンズ面に密着させ、その状態で同被検レンズを前記レンズ度数測定装置の第2の測定基点に配置し、同レンズ度数測定装置によって空気中における同両透過媒体に挟まれた同被検レンズの第2のレンズ度数を測定するユーザー側で実行される第2のレンズ度数測定工程とを備えるとともに、
    前記第2のレンズ度数測定工程において測定された前記第1及び第2のレンズ度数の値の入力を通信回線を通じてモニター上に表示される所定の入力部に対してユーザー側において実行するレンズ度数入力工程と、
    前記レンズ度数入力工程でのユーザーによる入力によって通信回線を通じて送信された前記第1及び第2のレンズ度数の値を屈折率算出プログラムに適用して前記被検レンズの屈折率を算出する際に、前記被検レンズの屈折率の真の値に対する計算値の誤差を少なくするために計算に使用する被検レンズの厚さを意図的に変更してパラメータとして使用する屈折率算出工程と、
    前記屈折率算出工程において算出された屈折率を通信回線を通じてユーザー側の前記モニター上に表示させる屈折率表示工程とを備えることを特徴とするレンズの屈折率算出方法。
  3. 前記モニター画面にはレンズメータ毎の固有データを入力するための入力部が表示され、前記屈折率算出工程において同入力部に前記レンズメータの固有データを入力することで各レンズメータ毎に設定された前記屈折率算出プログラムの前記レンズメータに係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズの屈折率算出方法。
  4. 前記モニター画面には前記被検レンズの測定条件を入力するための入力部が表示され、前記屈折率算出工程において同入力部の入力条件に応じて設定された前記屈折率算出プログラムの同被検レンズの測定条件に係るパラメータを選択して前記被検レンズの屈折率を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズの屈折率算出方法。
  5. 前記所定の入力部はWEBページ上に公開され、前記第1及び第2のレンズ度数の値は通信回線を通じて同WEBページ上の入力部に入力されるとともに、前記屈折率算出工程において算出された屈折率は同WEBページ上に表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレンズの屈折率算出方法。
  6. 前記レンズメータのデータを入力するための入力部はWEBページ上に公開され、同入力部への同レンズメータの固有データは通信回線を通じて同WEBページ上で入力されることを特徴とする請求項5に記載のレンズの屈折率算出方法。
  7. 前記被検レンズの測定条件を入力するための入力部はWEBページ上に公開され、同入力部への測定条件の入力は通信回線を通じて同WEBページ上で入力されることを特徴とする請求項5又は6に記載のレンズの屈折率算出方法。
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