JP5250161B1 - ラビング布用クリーナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基布KにパイルPが立毛してパイル面Mを形成したラビング布Rから塵埃Jを除去するラビング布用クリーナ装置である。ラビング布Rを所定距離L間で張設する一対の張設部2・2と、一対の張設部2・2の間に配置され且つラビング布Rに付着した塵埃Jをパイル面M側から除去するクリーナ部3を有し、クリーナ部3又はラビング布Rの少なくとも一方が移動して他方に対する相対位置を変更させ、クリーナ部3のラビング布R越しの対面に、ラビング布Rを基布裏面U側からクリーナ部3寄りに押圧する対面押圧部材4が設けられている。
【選択図】図1
Description
このラビング布クリーナーは、上記吸入ユニットがラビング布支持部に支持されたラビング布に向かって空気を吹き出す少なくとも一つのエアー噴出部と、上記ラビング布から不純物を吸入する少なくとも一つの不純物吸入部を含んで構成されている。
更に、特許文献1のラビング布クリーナーは、上記ラビング布をラビング布支持部の表面に吸着させる真空吸着部(真空チャンバ)を、ラビング布支持部の下方に備えており、構造の複雑化・大型化やコスト高を招くと共に、ラビング布の支持部への吸着を保つため真空吸着部の吸着力より、吸入ユニットの吸入力が小さいことが必須となり、除去効率が下がる。
この撓む自由度を持ったラビング布Rに付着した塵埃Jをパイル面M側から除去するクリーナ部3を一対の張設部2・2間に配置し、クリーナ部3とラビング布Rを相対移動させつつ、クリーナ部3のラビング布R越しの対面に、ラビング布Rを基布裏面U側からクリーナ部3寄りに押圧する対面押圧部材4を設けることで、押圧された部分のラビング布Rは、クリーナ部3の真正面で、各パイルPの先端が離れる(バラける)こととなり、このバラけた各パイルPの隙間から、パイルPの根元や基布Kに付着した塵埃Jを除去し易くなり、「クリーナ効果の向上」が図れる。
更に、特許文献1の構成の如く、ラビング布Rの支持部への吸着状態を保つ必要がなく、真空吸着部の吸着力より、塵埃Jの吸入力等を小さくするなどの制限がないため、クリーナ部3による塵埃Jの除去力を、対面押圧部材4の押圧具合やラビング布Rの素材等に応じて、様々な場面でクリーナ効果を発揮できる。
つまり、「クリーナ効果の向上」と「構成の簡素化・小型化」の両立が実現する。
又、本出願において、「クリーナ部3」は、ラビング布Rの上方側又は下方側に配置されたものの何れかを意味し、仮に「クリーナ部3」が、ラビング布Rの上方側に配置された場合には、ラビング布RはパイルPが立毛する面を上面とし、逆に「クリーナ部3」が、ラビング布Rの下方側に配置された場合には、ラビング布RはパイルPが立毛する面を下面とする。
これと同時に、ラビング布Rは、基布K側から押圧する対面押圧部材4と、パイルP側から押圧する一対の側方押圧部材5・5の合計3つの部材に、一対の張設部2・2間の所定距離Lよりも短い距離で支持される、つまり、各押圧部材4、5間に掛かる張力(テンション)が上がることとなり、ラビング布Rの撓みや、クリーナ部3とラビング布RのパイルPとの距離をより正確にコントロールでき、安定してクリーナ効果を発揮できる。
従って、ラビング布Rの基布K(特に基布Kの裏面U)側に塵埃Jが残っていたとしても、塵埃J除去したパイルP側への付着を最大限抑えることが出来る。
<第1実施形態>
図1〜6には、本発明の第1実施形態に係るラビング布用クリーナ装置1が示されている。
このラビング布用クリーナ装置1(以下、クリーナ装置1)は、略矩形状のラビング布Rに付着した塵埃Jを除去(除塵)するものである。
クリーナ装置1は、ラビング布Rを張設する一対の張設部2・2と、これら一対の張設部2・2の間に配置されたクリーナ部3と、このクリーナ部3のラビング布R越しの対面に設けられた対面押圧部材4と、クリーナ部3を挟んで配置された一対の側方押圧部材5・5と、ラビング布Rの布片端部より外方に設けられた移動予備区間7等を有し、これらが支持フレーム10に配設されている。
クリーナ装置1で除塵されるラビング布Rは、基布Kから複数のパイルPが立毛したパイル布帛である。
より具体的には、ラビング布Rには、一般的なラビング布と同様で、二重織りした表地・裏地間に織り込んだパイル糸をセンターカットしたり、一重織りのループパイルを刈り揃える(シャーリングする)等によるモケット、ベルベットなどのパイル織物を採用することができる。
尚、このパイル織物は、パイルPを構成するパイル糸が経糸となる経パイル織物でも、緯糸となる緯パイル織物であっても良く、更に、ラビング布Rに、ダブルラッセル経編地で表地と裏地の連結糸をセンターカットした等のパイル編物を採用しても良い。
ラビング布RのパイルPを構成するパイル糸も、セルロース(コットン)やポリエステル、レーヨン等を主材とする糸条で構成されていても良いが、帯電性(帯電の抑制)等の関係から、コットンが望ましい。
尚、仮に、ラビング布Rが、経糸方向(経方向)にパイル糸を織り込んだ経パイル織物でパイルPを緯糸方向(緯方向)に傾斜させた布片であった場合、布片の経・緯のうち、経方向が長い形状のラビング布Rとすれば好ましい。
尚、ラビング布Rの基布Kの厚みは、パイル長と合わせると全体厚みになる値であって、同様に、具体的な値は何れであっても構わないが、例えば、0.2mm以上0.5mm以下(0.2mm、0.3mm、0.5mm等)であっても良い。
図1〜4、6に示す如く、クリーナ装置1の支持フレーム10は、略直方体状のフレーム体であって、略矩形状のラビング布Rに合わせて長手方向を持ち、一対の張設部2・2やクリーナ部3等を支えている。
支持フレーム10は、一対の張設部2・2(把持部材6・6)を支える固定張設枠11・可動張設枠12と、この可動張設枠12をラビング布Rの長手方向に沿って位置変更可能に延設された一対の張設レール13・13と、クリーナ部3や対面押圧部材4、一対の側方押圧部材5・5を支える駆動フレーム体14と、この駆動フレーム体14をラビング布Rの長手方向に沿って所定の速度で移動可能に延設された一対の駆動レール15・15と、これら一対の駆動レール15・15に沿って駆動フレーム体14を移動させる駆動部16と、ラビング布Rを拡布した状態で把持部材6・6が把持可能な位置にセットする布送り腕部材17を備えている。
支持フレーム10の固定張設枠11は、ラビング布Rの長手方向の布片一端部Raを、一対の駆動レール15・15間で且つ所定の高さにおいて、把持部材6に把持させる枠体である。
固定張設枠11は、一対の駆動レール15・15の一端部側の間に配置されていて、固定張設枠11の下部が、各駆動レール15の一端部同士を連結する連結体18に取り付けられている(つまり、ラビング布Rの一端部Raの位置固定をしている)。
可動張設枠12は、固定張設枠11と同様に、一対の駆動レール15・15間に配置されているが、一対の駆動レール15・15の更に内側に設けられた一対の張設レール13・13に沿って、手で押す等により移動可能である点が異なる。
このブレーキ部材によって、ラビング布Rの両端Ra、Rbを各把持部材6で把持した後、手押し等で固定張設枠11から可動張設枠12を出来るだけ遠ざけた位置で停止状態を保つことが出来、このとき、ラビング布Rは目視で略水平となる。
ブレーキ部材は、如何なる構成でも良いが、例えば、使用者のボタン操作等により張設レール13を挟持・開放して、所定の位置での停止を実現しても良く、可動張設枠12の上面を天板で覆い、この天板にブレーキ部材で挟持するためのボタンや、手押し用の取っ手などを設けていても構わない。
図1〜4、6に示されたように、固定張設枠11、可動張設枠12には、ラビング布Rの布片端部Ra、Rbを把持する把持部材6が、それぞれ設けられている。
各把持部材6は、ラビング布Rの各布片端部Ra、Rbを、布片幅方向に並ぶ複数の固定針(固定ピン)19で刺して把持するものである。
差込体20は、ラビング布Rの布片幅よりも十分に幅広であり、又、出退駆動機21は、何れの構成によって駆動するものであっても良いが、エアシリンダー、油圧シリンダー、交流モーター等であっても構わない。
尚、出退駆動機21による固定ピン19の操作は、例えば、使用者の足元に配置されるペダル等を踏むごとに、最下位置から最上位置へ、最上位置から最下位置へ切り替わるものとしても良い。
上述した固定張設枠11、可動張設枠12及び把持部材6によって、一対の張設部2・2が構成されている。
図1〜3、6に示した如く、支持フレーム10における駆動フレーム体14は、ラビング布Rに対して、その長手方向に沿ってクリーナ部3等を移動させ、ラビング布R全体を満遍なく均一に除塵するものである。
駆動フレーム体14は、平面視で略H字型の底板22と、この底板22上でクリーナ部3と一対の側方押圧部材5・5を支持する可動支持枠23と、この可動支持枠23を底板22に対し且つラビング布Rの長手方向に沿って所定の速度で移動可能に延設された一対の支持レール24・24と、これら一対の支持レール24・24に沿って可動支持枠23を移動させる枠駆動源25と、対面押圧部材4を支持する固定支持台26を備えている。
駆動フレーム体14の底板22は、略H字型を形成する一対の長板22a・22aと、これらの長板22a・22aを繋ぐ連結板22bを備えている。
各長板22aは、下面における幅方向中央に、駆動レール15に対して摺動自在な断面略C字状のスライダが、長手方向に沿って取り付けられている。
一方、各長板22aの上面には、その幅方向中央に、支持レール24が長手方向に沿って取り付けられている。
この枠駆動源25は、何れの構成によって駆動するものであっても良いが、交流モーター、油圧モーター等であっても構わない。尚、枠駆動源25が、交流モーターである場合には、このモーターに供給する電流の周波数を変調させるインバータ等によって、所定の回転速度(駆動フレーム体14の移動速度)とする。
駆動フレーム体14における可動支持枠23は、略門型(略ゲート状)の枠体であって、張設されたラビング布R、対面押圧部材4だけでなく、固定張設枠11及び可動張設枠12をも跨ぐように構成されている。
可動支持枠23は、一対の支持レール24・24に対して摺動自在な断面略コ字状のスライダが設けられた一対の門脚23a・23aと、これら一対の門脚23a・23aを繋ぐ連結部材23bを備えている。
この連結部材23bの直下には、クリーナ部3が配設され、このクリーナ部3を挟むように連結部材23bの長手方向の一端側と他端側(前後)に、一対の側方押圧部材5・5が配設されている。
このとき、クリーナ部3とパイル面Mとの距離dは、除塵できる距離であれば、何れの値であっても構わないが、例えば、1mm以上10mm以下(2mm等)でも良い。
尚、固定支持台26も、可動支持枠23と同様に、出退駆動機を介して対面押圧部材4を底板22に対して高さ位置自在に取り付けており、対面押圧部材4とラビング布Rの裏面(基布側の裏面)Uとの距離(ラビング布Rに対する基布裏面U側からの押圧具合)を調節できる。
図1、5、6に示されたように、可動支持枠23に支持されたクリーナ部3は、ラビング布Rに付着した塵埃Jがクリーナ部3によって除去できるものであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、所定温度の水による洗浄や、エアーナイフ(吹付け)、超音波の併用、バキューム(真空引き)、ブラシ、粘着ロールなどのほか、パイルPがポリエステル等の帯電性を有した糸条である際には、発生した静電気を除去するために プラス又はマイナスのイオンを当てるイオナイザーや、プラズマ照射装置、軟X線発生装置などでも構わない。
尚、ここでは、クリーナ部3が、超音波を併用したエアーナイフとバキュームを同時に備える場合について、詳解する。
このクリーナヘッド3は、略直方体状であって、その長手方向がラビング布Rの布片幅方向に向くように配置されている。
略直方体状のクリーナヘッド3の下面には、長手方向に沿って、3本のスリットが設けられており、3本のうち中央にあるスリット(中央スリット)3aから超音波が乗ったエアーを吹出し、この中央スリット3aを挟む一対の側方スリット3b・3bから塵埃Jごとクリーナヘッド3の下方にあるエアーを吸引する。
尚、中央スリット3aの隙間は、各側方スリット3bの隙間より狭く形成されており、これにより、吹き出される超音波エアーがナイフとして、よりラビング布RのパイルP間へ入り込むことが出来る。
この超音波エアーナイフが、ラビング布Rが隆起してパイルPの毛先が開いた(先端がバラけた)パイルP間に当り、パイルPの根元や基布Kに付着した塵埃Jを除去(除塵)され易くなる。
尚、この除塵のされ易さは、超音波を併用したエアーナイフとバキュームを備える以外の他の構成(水による洗浄、ブラシ、粘着面を持った物体(ロール体、シート状体、長尺状体)、イオナイザー、軟X線発生装置等)であっても変わらない。
側方スリット3b・3bから吸引された塵埃Jとエアーは、バキュームエアー室29に入り、このバキュームエアー室29から、エアー室29に連通する吸引配管を経由してブロワーユニットに吸引される。
尚、ブロワーユニットには、エアー中から塵埃Jを取り除くHEPA(High Efficiency Particulate Air )フィルタや、ULPA(Ultra Low Penetration Air )フィルタ等が設けられている。
又、ブロワーユニットからエアーを吐き出す前に、事前にフィルタ(プレフィルタ)を通し、ラビング布Rに吹き出すエアー自体から塵埃Jを除いておくこととしても良い。
図1〜3、5、6に示されたように、対面押圧部材4は、上述したクリーナヘッド(クリーナ部)3のラビング布R越しの対面に、ラビング布Rを基布裏面U側からクリーナヘッド3寄りに(つまり、ラビング布Rの下側から上方に)押圧する部材である。
又、側方押圧部材5・5は、クリーナヘッド3を挟んで一対に配置されていて、ラビング布Rをパイル面M側から対面押圧部材4寄りに(つまり、ラビング布Rの上側から下方に)押圧する部材である。
従って、これら対面押圧部材4、側方押圧部材5・5は、ラビング布Rを裏面U側から上方に、又は、パイル面M側から下方に押圧できるのであれば、何れの構成でも良く、例えば、図示したロール体や、当て板等の当て部材でも構わない。
尚、ここでは、対面押圧部材4、側方押圧部材5・5が、ロール体である場合について詳解する。
この対面押圧ロール4は、出退駆動機によりラビング布Rの裏面U側から押圧したとしても、この対面押圧ロール4自体の回転によって、ラビング布Rの基布Kに過度の負担をかけることなく、所定の押圧具合を保ったまま、ラビング布Rに対して対面押圧ロール4(つまり、ラビング布Rにおける除塵部分)が移動できる。
この側方押圧ロール5・5は、ロール自体の回転により、ラビング布Rのパイル面M側から押圧しても、ラビング布Rのパイル面Mに負担をかけることなく、所定の押圧具合を保ちつつ、側方押圧ロール5・5が移動できる。
尚、側方押圧部材5・5は、必ずしも対面押圧部材4と同時に押圧しなくとも良い。
つまり、ラビング布Rの布片長手方向の長さ(一対の張設部2・2間の所定距離L)が比較的に短ければ、対面押圧ロール4だけでも、十分な張力(テンション)が確保でき、ラビング布Rの撓み等をコントロールして、安定した除塵が出来る。
図1、2、6に示した如く、支持フレーム10に駆動部16は、クリーナヘッド3や対面押圧ロール4等を支える駆動フレーム体14を、ラビング布Rの長手方向に沿って移動させるものであって、駆動フレーム体14の移動が出来るのであれば、何れの構成でも構わないが、例えば、以下の構成であっても良い。
駆動部16は、駆動フレーム体14の底板22における連結板22b下面に設けられた接続部材30と、この接続部材30が取り付けられた無端チェーン31と、この無端チェーン31を所定の距離間で回転自在に支える一対のプーリー32・32と、これら一対のプーリー32・32の少なくとも一方を回転駆動させるフレーム駆動源(図示省略)を備えている。
その際、略直方体状のカバー上面には、接続部材30において駆動フレーム体14との接続部材30用のスリットが形成される。
図3、4に示したように、支持フレーム10における布送り腕部材17は、使用者が、ラビング布Rを拡布した状態で把持部材6・6が把持可能な位置にセットする動作を補助する部材である。
布送り腕部材17は、支持フレーム10における一対の駆動レール15・15のうち一方のレール13の布片幅方向外方位置に、レール延設方向に沿って配設されている。
又、使用者は、ラビング布Rを張設部2・2にセットする際に、ラビング布Rを載せる支持板37を用いる。
布送り腕部材17における各腕支持脚35は、その立設高さが、ラビング布Rが一対の張設部2・2に張設された際の高さ位置と略同じか、支持板37や支持腕36の厚み分ほど若干低くなっている。
支持腕36の上面は、腕支持脚35の上面よりも高位置にあるため、支持板37を上面に置いた状態で支持腕36を出退しても、支持板37下面が腕支持脚35の上面に当らず、スムースに支持板37及びラビング布Rが、一対の張設部2・2間に配置できる。
又、駆動フレーム体14が駆動中などの時には、支持腕36の前出をロックする安全装置が付いていても構わない。
第1実施形態に係るラビング布用クリーナ装置1の使用態様について説明する。
まず、使用者は、布送り腕部材17における複数の支持腕36を、一方の駆動レール13から外方へ遠ざかる側(使用者にとって手前側)に縮退させ、各支持腕36の上に、支持板37を載置する。
この載置した支持板37の上に、除塵するラビング布Rを、パイル面Mを上にした状態で拡布して(拡げて)載置する。
ラビング布Rの拡布・載置等には、使用者が作業を一人で行っても良いが、ラビング布Rがある程度の長さとなる場合などは、複数人で作業を行っても良く、その場合、拡布がし易くなり、クリーン効果や作業効率の向上にも繋がる。
尚、支持板37、及び、その上のラビング布Rの載置位置は、いずれも、ラビング布Rの一端部Ra側(使用者にとって左手側)を基準とし、支持腕36を延出した際に、ラビング布Rの布片一端部Raのみが、固定張設枠11(把持部材6)の差込体20に差し込まれるよう、位置決めする。
つまり、ラビング布Rは、布片一端部Raが、支持板37の一端側から、差込体20の差込深さと略同じ長さだけ突出した状態で、支持板37に載置される。
又、支持板37は、種々のラビング布Rの長さから、それぞれに、長手方向の長さが少し短い(各布片端部Ra、Rbが、差込体20の差込深さと略同じだけ突出する長さの)ものを用意しても良いが、ラビング布Rの長さの種類が多くなると、その長さごとに支持板37を準備したり、除塵対象のラビング布Rの長さが変わる度に、支持板37を変えることとなる。
そこで、所定長さの支持板37に貼付自在で且つある程度の腰を持ったフィルムシートを用いる。
このフィルムシートを、ラビング布Rの長さに合わせて、支持板37の他端側に貼り付ける。このフィルムシートの貼付位置は、詳解すれば、ラビング布Rの布片他端部Rbがフィルムシートから差込深さと略同じだけ突出する位置とすれば良い。
このように、ラビング布Rの一端部Raを固定張設枠11の差込体20へ差し込み、他端部Rbを可動張設枠12の差込体20へ差し込んだ状態で、使用者が、足元のペダルを踏む等により出退駆動機21を操作して、ラビング布Rの両端部Ra、Rbを、固定ピン19で刺して把持する。
このあと、使用者は、手で、可動張設枠12を、固定張設枠11から遠ざかる方向に押しラビング布Rにテンションがかかり、目視で略水平となる位置で、ボタン操作等によって張設フレーム13・13を挟持させることで、ラビング布Rに撓む自由度を持たせながらも、その撓み等をコントロールして安定した除塵が出来る。
ここで、クリーナヘッド3の移動速度について述べると、この移動速度がバラつく(特に、スタートの加速時・停止前の減速時)と、距離dや、超音波エアーナイフ・バキュームの強度等を、適する値に設定していても、ラビング布Rの部分によっては、クリーナ効果等が十分に発揮できない。
そこで、クリーナヘッド3が所望の移動速度となってから、実際に、ラビング布Rに差し掛かるための、移動予備区間7について、以下に述べる。
図1、6に示したように、移動予備区間7は、略ゲート状の駆動フレーム体14が、固定張設枠11や可動張設枠12を跨ぐことによって、クリーナヘッド3と側方押圧ロール5・5の少なくとも何れかが、平面視において、固定張設枠11、可動張設枠12に重なる範囲を言う。
これは、底板22における一対の長板22a・22aと連結板22bに囲まれる領域を逃げとして、この領域に各張設枠11、12が入ることで、支持レール24・24に沿って移動可能なクリーナヘッド3等は、各張設枠11、12の上方(ラビング布Rの布片端部Ra、Rbより外方)へ移動できる。
尚、ラビング布Rの布片端部Ra、Rbよりも布片内方に移る際には、駆動部16(フレーム駆動源)からの駆動力による支持フレーム10に対するクリーナヘッド3等の移動速度が徐々に上がるため、その上昇分だけ、底板22に対する移動速度分を下げてやれば、クリーナヘッド3等の絶対的な移動速度は変わらず、所望の速度で一定となる。
そして、ラビング布Rの布片端部Ra、Rbを過ぎ、その外方の移動予備区間7に入ってから、底板22に対するクリーナヘッド3等の移動速度を下げてやれば、急停止する場合などのような衝撃・負担を、駆動部16(フレーム駆動源)、枠駆動源25とそのピニオンやそれに係合するラック等に掛けることはない。
このようなスタート・停止は、固定張設枠11と可動張設枠12の何れから、又は、何れまで移動する際であっても同様に、移動予備区間7を利用できる。
又、クリーナヘッド3の所望の移動速度は、固定張設枠11から可動張設枠12までの片道で十分な除塵が行える速度など、何れの値でも構わないが、固定張設枠11側(使用者にとって左側)を基準として、ラビング布Rをセットし、可動張設枠12側は、ラビング布Rのセット時は自由端とすることから、 基本的に、クリーナヘッド3が、パイル面Mを1往復して、ちょうど十分な除塵が行われる速度としても良い。
上述したような、移動予備区間7と、略H字型の底板22を含めた駆動フレーム体14の構成により、加速・減速が2つの駆動系によって可能となり、助走区間が短くてすみ、ラビング布用クリーナ装置1における長手方向のコンパクト化が図れる。
図7には、本発明の第2実施形態に係るラビング布用クリーナ装置1が示されている。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、駆動フレーム体14に、枠駆動源25等の駆動系や、支持レール24・24、底板22の連結板22bを有さず、駆動フレーム体14を完全な略ゲート状とし、固定張設枠11や可動張設枠12を、駆動フレーム体14全体で跨ぐ構成として点である。
これと同時に、底板22に対する移動速度と、支持フレーム10に対する移動速度を和が所望の速度で一定となるように制御する必要がなくなり、支持フレーム10に対する移動速度が、ラビング布Rの布片端部Ra、Rbから布片内方で所望の速度で一定かだけを見れば良い。
その他のラビング布用クリーナ装置1の構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
図8には、本発明の第3実施形態に係るラビング布用クリーナ装置1が示されている。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、ラビング布Rのパイル面Mが下方を向いた状態で張設されており、それに伴って、クリーナ部3及び一対の側方押圧部材5・5がラビング布Rの下方に、対面押圧部材4がラビング布Rの上方に配設されている点である。
従って、ラビング布Rを下方から除塵することとなるため、仮に、クリーナヘッド3のバキュームで吸引漏れがあった場合でも、塵埃Jは下方に落ち易く、ラビング布Rを上方から除塵するよりも、塵埃Jの付着量が増え、再付着の抑制にも繋がる。
その際、各把持部材6を支える固定張設枠11と可動張設枠12は、幅(布片幅方向の長さ)が、駆動フレーム体14全体の幅よりも大きく構成する。
又、各把持部材6の下方に十分な移動予備区間7を確保して、第2実施形態のように、枠駆動源25等を設けず、1つの駆動系で所望の速度を一定に保って、ラビング布Rの除塵を行う構成にしても良い。
尚、上述した一対の支持ロール43・43によって、一対の張設部2・2が構成されている。
その他のラビング布用クリーナ装置1の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
図9には、本発明の第4実施形態に係るラビング布用クリーナ装置1が示されている。
この第4実施形態において第1〜3実施形態と最も異なるのは、ラビング布Rが略矩形状の布片ではなく、長尺状であって、この長尺状のラビング布Rが、巻出ロール41から巻取ロール42まで流れる間に、所定距離L離れて設けられた一対の支持ロール43・43によって、所定距離L間はラビング布Rを張設している点である。
従って、長尺状のラビング布Rを一度セットしてしまえば、略矩形状のラビング布Rのように、その都度の取替え作業は必要なく、除塵の効率を更に向上させることが出来る。
そこで、第4実施形態における所望の移動速度は、クリーナヘッド3を1回通過するだけで十分な除塵が行われる適度な速度としても良い。
その他のラビング布用クリーナ装置1の構成、作用効果及び使用態様は、第1〜3実施形態と同様である。
ラビング布用クリーナ装置1は、移動時のために、首振り可能なキャスタを支持フレーム10の下面に複数取り付けても良い。
対面押圧部材4は、ラビング布Rを押圧できるのであれば、ロール体など、何れの構成でも構わないが、クリーナヘッドのように、全体としては略直方体の当て部材でも良く、この略直方体状の当て部材に丸みを付けた上面(又は下面)を設け、超音波エアーナイフを吹き出したり、バキューム(真空引き)等を行うクリーナ部3が、対面押圧部材4に設けられても良い。
2 張設部
3 クリーナ部
4 対面押圧部材
5 側方押圧部材
6 把持部材
7 移動予備区間
K 基布
P パイル
M パイル面
R ラビング布
J 塵埃
L 所定距離
U 基布裏面
Claims (4)
- 基布(K)にパイル(P)が立毛してパイル面(M)を形成したラビング布(R)から塵埃(J)を除去するラビング布用クリーナ装置であって、
前記ラビング布(R)を所定距離(L)間で張設する一対の張設部(2・2)と、これら一対の張設部(2・2)の間に配置され且つ前記ラビング布(R)に付着した塵埃(J)をパイル面(M)側から除去するクリーナ部(3)を有し、
このクリーナ部(3)又はラビング布(R)の少なくとも一方が移動して他方に対する相対位置を変更させていて、
前記クリーナ部(3)のラビング布(R)越しの対面に、前記ラビング布(R)を基布裏面(U)側からクリーナ部(3)寄りに押圧する対面押圧部材(4)が設けられていることを特徴とするラビング布用クリーナ装置。 - 前記一対の張設部(2・2)の間でクリーナ部(3)を挟んで配置された一対の側方押圧部材(5・5)が、前記ラビング布(R)をパイル面(M)側から対面押圧部材(4)寄りに押圧していることを特徴とする請求項1に記載のラビング布用クリーナ装置。
- 前記ラビング布(R)は、略矩形状の布片であり、その布片端部を把持する把持部材(6)がそれぞれに設けられた前記一対の張設部(2・2)の間で張設され、
前記クリーナ部(3)が移動して前記ラビング布(R)に対する相対位置を変更させていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラビング布用クリーナ装置。 - 前記ラビング布(R)の布片端部より外方に、前記クリーナ部(3)が移動可能な移動予備区間(7)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のラビング布用クリーナ装置。
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