JP5248543B2 - 撮像モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、回転対象の結像光学系を有する撮像モジュールに関するものであり、特に、焦点調整機構を用いることなく、広い被写界深度を得る技術に関するものである。
一般的にカメラモジュール(撮像モジュール)などにおいては、ボケが無い良好な画像を得るために、レンズを含む結像光学系で被写体の結像を行う際に、焦点の調整が必要となっている。
図6は、従来の結像光学系における、被写体距離に対する像面位置の変化を示す模式図である。図7は、図6の従来の結像光学系における近接距離物体502および遠距離物体503のデフォーカス特性を示すグラフである。図7では、縦軸はMTFを示し、横軸は光軸方向のフォーカスシフトを示し、グラフ中の破線は近接距離物体502のデフォーカス特性を示し、グラフ中の実線は遠距離物体503のデフォーカス特性を示す。
図6に示すように、近接距離にある近接距離物体502から出て結像レンズ501を通過した光は、光軸上の位置504で結像する。一方、遠距離にある遠距離物体503から出て結像レンズ501を通過した光は、光軸上の位置505で結像する。よって、近接距離物体502と遠距離物体503とでは光軸方向の結像位置が異なるため、図7に示すように、両者のデフォーカス特性は光軸方向に沿ってずれて現れる。
MTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)とは、像面を光軸方向に移動させていったときの、像面に形成される像のコントラスト変化を示す指標である。MTFが大きいほど、像面に形成された像の解像度が高い。近接距離物体502のMTFが最も大きい位置506は、近接距離物体502の最良像面の位置となり、図6の位置504に対応する。遠距離物体503のMTFが最も大きい位置507は、遠距離物体503の最良像面の位置となり、図6の位置505に対応する。位置506から位置507までの距離は、近接距離物体502と遠距離物体503との最良像面位置のズレを示している。
そこで従来では、近接距離物体502の撮影時と遠距離物体503の撮影時とで、結像レンズ501とセンサなどの撮像素子(図示せず)との間隔を調整することで、各々に対し最適な解像度の画像を得ることが行われている。すなわち、1つのカメラモジュールにおいて最適な解像度の画像を近接〜遠距離の広い範囲で撮影可能とするために、焦点の調整が行われている。
従来、焦点の調整を行う装置および方法は多く提案されている。例えば、特許文献1には、被写体までの距離に応じた電界または磁界をレンズに印加して該レンズの屈折率を変えることにより、自動的に焦点調整を行う自動焦点調整装置が記載されている。特許文献2には、被写体までの距離に応じて得られた電気信号を圧電素子に供給し、該圧電素子の厚みを変化させることでレンズの位置を制御することにより、自動的に焦点調整を行う自動焦点調整方法が記載されている。特許文献3および特許文献4には、調整レバーを回動させてレンズの位置を移動させることにより、通常撮影とマクロ(近接)撮影とに適するように焦点調整を行うレンズ調整装置が記載されている。特許文献5には、レンズと透光板とにより形成される空間にガスを注入して該レンズの位置を移動させることにより、焦点調整を行う撮像装置が記載されている。
また、レンズを含む結像光学系では設計上や加工上に起因して収差が発生し、結像精度を低下させるため、この収差を画像処理で補正する装置および方法が提案されている。例えば、特許文献6には、撮像装置からの信号に対し、画像の中心からの動径方向あるいは方位角方向に垂直な構造を持つエッジを所定の量だけ強調することにより、非点収差などの収差により生じる画像の劣化を修復する画像処理装置が記載されている。特許文献7には、レンズに非点収差があり、メジオナル面とサジタル面とが分離しているような軸外まで考慮する必要がある光学系において、該光学系におけるPSF(点広がり関数)の広がりの対称性を考慮してレンズの焦点面位置を補正することにより、光軸外の光学性能の劣化を補償する方法が記載されている。
特開昭59−022009号公報(1984年02月04日公開) 特開昭61−057918号公報(1986年03月25日公開) 特開平10−104491号公報(1998年04月24日公開) 特開平10−170809号公報(1998年06月26日公開) 特開2003−029115号公報(2003年01月29日公開) 特開2006−211218号公報(2006年08月10日公開) 特開2003−172873号公報(2004年06月17日公開)
しかしながら、特許文献1〜5に記載された装置および方法では、近接〜遠距離の広い範囲の撮影において、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得るためには、被写体の位置に応じて、レンズの屈折率を変えたり、レンズの位置を移動させるための焦点調整機構が必要であるため、撮像モジュールの構造が複雑化するという問題点を有している。
また、収差を補正するために、特許文献6および特許文献7に記載された装置および方法などをさらに適用すると、さらに複雑化するという問題があり、コストの増加を引き起こす。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、近接〜遠距離の広い範囲の撮影において、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得ることができ、かつ、簡単な構造の撮像モジュールを提供することにある。
本発明の撮像モジュールは、上記課題を解決するために、回転対称な結像光学系と、上記結像光学系により生成された画像信号に対し画像処理を行う画像処理部とを備える撮像モジュールであって、上記結像光学系には、結像レンズと、上記結像レンズによって結像された光を画像信号に変換する撮像素子とが設けられ、上記結像レンズは、サジタル像面の最良像面の位置と、タンジェンシャル像面の最良像面の位置とが、予め定められた基準解像度を得ることが可能な被写体撮影可能範囲に応じたズレ量で、光軸方向にずれるように構成され、上記画像処理部は、上記撮像素子により変換された画像信号に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が上記基準解像度以上のときに他方を上記基準解像度以上とする画像処理を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうちいずれか一方が基準解像度を満たす範囲であれば、画像処理が行われることによって、両方が基準解像度を満たすことになる。これにより、画像信号で表される画像全体の解像度が基準解像度以上となる。
ゆえに、解像性能が上がり、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうちいずれか一方が基準解像度を満たす範囲が焦点深度となるので、サジタル像面の最良像面の位置とタンジェンシャル像面の最良像面の位置とをずらしている分、焦点深度を広くすることが可能となる。また、焦点深度はズレ量に合わせて広げることができるので、被写界深度を設計に応じて広げることが可能となる。
よって、サジタル像面およびタンジェンシャル像面のうち、一方を近接距離物体の結像位置とし、他方を遠距離物体の結像位置とすれば、結像レンズおよび撮像素子を固定配置とした場合であっても、近接距離物体から遠距離物体までの広い範囲の撮影において、予め定めた基準解像度以上の画像を得ることが可能となる。
また、撮像モジュールでは、焦点調整機構を用いること無く所望の解像度の画像を得ることが可能となるので、焦点調整機構が不要となるため、撮像モジュールの構造を簡単にすることが可能となる。
したがって、近接〜遠距離の広い範囲の撮影において、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得ることができ、かつ、簡単な構造の撮像モジュールを提供することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記ズレ量は、
Figure 0005248543
(dnear:上記基準解像度で被写体を撮影することが可能な最も近接した位置から、上記結像レンズまでの距離,f:焦点距離,Δ’:焦点深度,Pdiff:上記ズレ量)
を満たすように定められていることが好ましい。
以上のように、本発明の撮像モジュールは、上記結像光学系には、結像レンズと、上記結像レンズによって結像された光を画像信号に変換する撮像素子とが設けられ、上記結像レンズは、サジタル像面の最良像面の位置と、タンジェンシャル像面の最良像面の位置とが、予め定められた基準解像度を得ることが可能な被写体撮影可能範囲に応じたズレ量で、光軸方向にずれるように構成され、上記画像処理部は、上記撮像素子により変換された画像信号に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が上記基準解像度以上のときに他方を上記基準解像度以上とする画像処理を行う構成である。
それゆえ、近接〜遠距離の広い範囲の撮影において、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得ることができ、かつ、簡単な構造の撮像モジュールを提供することができるという効果を奏する。
本発明における撮像モジュールの実施の一形態を示す模式図である。 上記撮像モジュールの結像レンズにおける、サジタル像面およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性を示すグラフである。 上記撮像モジュールの結像レンズにおける、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性の一例を示すグラフである。 上記撮像モジュールの結像レンズにおける、比較例として収差補正を行った場合の、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性を示すグラフである。 上記撮像モジュールの結像レンズにおける、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性の他の例を示すグラフである。 従来の結像光学系における、被写体距離に対する像面位置の変化を示す模式図である。 上記従来の結像光学系における近接距離物体および遠距離物体のデフォーカス特性を示すグラフである。 図1の撮像モジュールにおける、各条件下での最近接解像距離を示す表である。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、本明細書において、「回転対象」「一致」とは、厳密に回転対象,一致であることを示すのではなく、実質的に回転対象,一致とみなせる範囲(略回転対象,略一致)を示している。
(撮像モジュール10の構成)
図1は、本実施の形態の撮像モジュール10の一構成例を示す模式図である。
図1に示すように、撮像モジュール10は、結像レンズ11、撮像素子12、および画像処理部13を備えており、結像レンズ11および撮像素子12によって、回転対称な結像光学系が構成されている。
被写体1は、撮像モジュール10の撮影対象となる物体である。撮像モジュール10は、撮像モジュール10から近接距離にある近接距離物体2から、撮像モジュール10から遠距離にある遠距離物体3までの撮影において、良好な解像度の画像を得ることが可能となっている。以下では、被写体を総称するときは被写体1と呼び、個別の被写体を指すときは近接距離物体2および遠距離物体3と呼ぶ。
結像レンズ11は、撮影対象となる被写体1を、像面において結像させるためのものである。結像レンズ11は、サジタル像面の最良像面の位置とタンジェンシャル像面の最良像面の位置とが、予め定められたズレ量に基づいて光軸方向にずれるように設計(構成)されたレンズであれば、具体的な構成について特に限定されない。例えば、結像レンズ11は、複数のレンズからなるものであってもよいし、単レンズであってもよい。また、結像レンズ11の材料としては、例えば熱可塑性樹脂を用いることができる。
撮像素子12は、結像レンズ11によって像面に結像された光の像を、電気信号(画像信号S1)に変換するものである。撮像素子12は、画像信号S1を画像処理部13に出力する。撮像素子12としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子を用いることができる。
画像処理部13は、撮像素子12からの画像信号S1に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が所定の解像度(基準解像度)以上のときに他方を所定の解像度以上とする画像処理を行う。すなわち、画像処理部13は、撮像素子12からの画像信号S1に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度を、所定の解像度から不足している分補完するような画像処理を行う。画像処理部13は、画像処理を施した画像信号S2を、図示しない後段(例えば表示装置など)に出力する。これにより、表示装置などで被写体1を画像として表示することが可能となる。
(撮像モジュール10の基本動作)
次に、本実施の形態の撮像モジュール10の基本動作について説明する。
撮像モジュール10では、下記の(1)・(2)が実施されている。これにより、焦点深度を広くすることで、被写界深度を広くするという効果を得ている。
(1)結像レンズ11における、サジタル像面の最良像面の位置と、タンジェンシャル像面の最良像面の位置とを光軸方向をずらす。
(2)画像処理部13が、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のいずれかを補完する画像処理を行う。
なお、サジタル像面とは、光学系の光軸外の物点から、光学系に入射する光線のうち、回転対称の光学系で、主光線と光軸とを含む面に垂直な平面(サジタル平面)に含まれる光線(サジタル光線)によって形成される、像点の軌跡を意味している。タンジェンシャル像面(メリジオナル像面とも言う)とは、サジタル光線の光束に直交し、かつ主光線を含む光束(メリジオナル光線束)によって生じる像面を意味している。
焦点深度とは、焦点面(ここでは撮像素子12に備えられている)を移動させても像が許容できる距離、すなわち像がボケない距離を意味する。被写界深度とは、レンズをある特定の距離の被写体に対して焦点を合わせた時、ボケが無く、鮮明であると受け入れられるようなレンズから最も近い点と最も遠い点との間の距離、すなわち満足すべき鮮明度が得られる全体の距離を意味する。焦点面は、被写体の物体距離が異なることによって移動する。被写界深度は焦点深度内の像を作る物面側の範囲であるため、焦点深度が広いと被写界深度は広くなる。
図2は、結像レンズ11における、サジタル像面およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性を示すグラフである。図2では、縦軸はMTFを示し、横軸は光軸方向のデフォーカスシフトを示し、グラフ中の破線はサジタル像面(Sag)のデフォーカス特性を示し、グラフ中の点線はタンジェンシャル像面(Tan)のデフォーカス特性を示す。
グラフ中のMTF閾値は、所望の解像度(基準解像度)を得るために必要な値を示している。所望の解像度は、予め定めることができる。通常では、サジタル像面のMTFとタンジェンシャル像面のMTFとの両方がMTF閾値を満たす範囲が、焦点深度となる。それゆえ、従来であれば、サジタル像面のデフォーカス特性とタンジェンシャル像面のデフォーカス特性とは、近づいていることが望まれる。
これに対し、撮像モジュール10では、図2に示すように、サジタル像面のデフォーカス特性とタンジェンシャル像面のデフォーカス特性とを、あえて光軸方向にずらしている。この場合、例えば、撮像素子12が位置Pに設けられているとすると、サジタル像面のMTFはMTF閾値を満たしているけれども、タンジェンシャル像面のMTFはMTF閾値を満たしていない。このため、撮影された画像はボケてしまう。
そこで、画像処理部13が、タンジェンシャル像面のMTFがMTF閾値に足りない分を画像処理によって補完している。これにより、ボケが無い、良好な解像度の画像を得ることが可能となっている。
よって、撮像モジュール10では、サジタル像面のMTFおよびタンジェンシャル像面のMTFのうち何れか一方がMTF閾値を満たす範囲であれば、画像処理によって良好な解像度の画像を得ることが可能であるので、サジタル像面のMTFおよびタンジェンシャル像面のMTFのうち何れか一方がMTF閾値を満たす範囲が、焦点深度となる。つまりは、図2に示すように、地点Nから地点Mまでの距離が焦点深度となる。なお、実際は、光軸上(中心)のデフォーカス特性も焦点深度に影響するが、これについては後述する。
したがって、撮像モジュール10では、上記の(1)・(2)を実施することにより、焦点深度を広くすることが可能となる。
ここで、結像光学系では、被写体1の位置に応じて、被写体1から出て結像レンズ11を通過した光の最良像面の位置が決まる。最良像面とは、光の集中度、または、解像度が最大の結像面を意味する。図1に示すように、近接距離物体2から出て結像レンズ11を通過した光は、光軸上の位置21で結像し、この位置21が最良像面位置となる。遠距離にある遠距離物体3から出て結像レンズ11を通過した光は、光軸上の位置22で結像し、この位置22が最良像面位置となる。
位置22は、位置21よりも結像レンズ11に近い位置で生じる。この理由は、近接距離物体2からの光が結像レンズ11の光軸に対して広がりを持った光線として結像レンズ11に入射される一方、遠距離物体3からの光は結像レンズ11の光軸に対して平行に近い光線として結像レンズ11に入射されるので、これらの光を結像レンズ11によりそれぞれ集束させた場合、遠距離物体3からの光の方が、結像レンズ11に近い部分で集束されるためである。
よって、焦点深度となる地点Nから地点Mまでの距離が、位置21から位置22までの距離に一致するように(すなわち、近接距離物体2から遠距離物体3までの撮影において良好な解像度の画像を得ることができる焦点深度となるように)、サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル像面の最良像面位置とが光軸方向にずらされたとする。すると、地点Mを、近接距離物体2の最良像面(結像位置)である位置21と一致させ、地点Nを、遠距離物体3の最良像面(結像位置)である位置22と一致させれば、結像レンズ11および撮像素子12を固定配置とした場合であっても、近接距離物体2から遠距離物体3までの広い範囲の撮影において、良好な解像度の画像を得ることが可能となる。
なお、図2では、サジタル像面が結像レンズ11と離れる方向にずれ、タンジェンシャル像面が結像レンズ11と近づく方向にずれているが、各々がずれる方向は逆でもよい。また、中心(図示せず)に対し、左右対称にずれてもよいし、左右非対称でもよい。
(結像レンズ11の設計要件)
次に、結像レンズ11の設計要件について説明する。
結像レンズ11において、サジタル像面の最良像面位置と、タンジェンシャル像面の最良像面位置との光軸方向のズレ量は、下記の式(1)〜式(3)の条件式を満たすように定められる。
Figure 0005248543
上記各式における各値は、以下のとおりである。
dnear:所望の解像度で被写体1を撮影することが可能な最も近接した位置から、結像レンズ11までの距離(以下、最近接解像距離と称する)
f:焦点距離
Δ’:焦点深度
Pdiff:サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル像面の最良像面位置との光軸方向のズレ量。
上記条件式の理論について説明する。まず、過焦点距離を求める。過焦点距離とは、過焦点距離に位置する被写体1に焦点調整したとき、無限遠が被写界深度の後端となる距離を意味する。過焦点距離は、下記の式(4)で示される。また、その光学系は、無限遠から過焦点距離の1/2までの範囲を解像することができ、下記の式(5)のように示される。
Figure 0005248543
上記各式における各値は、以下のとおりである。
H:過焦点距離
f:焦点距離
F:F値
ε:許容錯乱円径。
続いて、焦点深度を求める。焦点深度は、許容錯乱円とF値とにより下記の式(6)で示すことができる。本実施例では、サジタル像面およびタンジェンシャル像面の最良像面位置を光軸方向にずらすことによって、焦点深度を広げている。このとき、焦点深度は、ズレ量の分だけ増加するので、下記の式(7)で示すことができる。式(7)によって、許容錯乱円径はズレ量の分増加し、下記の式(8)のようになる。
Figure 0005248543
よって、式(5)と式(8)とから、上述の式(1)が導かれる。但し、焦点距離fが小さい場合、ズレ量Pdiffが小さくても、焦点深度を確保することによって近接距離の物体を解像可能であるため、本実施例で適用する結像レンズ11を、上述の式(2)および式(3)に定めている。
次いで、上述の式(1)を用いて、各条件における最近接解像距離について検証した結果を示す。
本実施例の撮像モジュール10は、焦点調整機構を用いない簡易構造による製造コストの安価な撮像モジュールを目標としている。この撮像モジュールでは、無限遠から近接距離100〜200mm程度の被写体距離を解像できることが好ましいとされている。この距離は、風景や人物を撮影する目的で用いられる、携帯電話やデジタルカメラに搭載される一般的な撮像モジュールを基準に考慮している。
焦点距離について例示すると、1/13型VGAの場合、焦点距離は約0.9mmであり、1/5型2Mの場合、焦点距離は約2.5〜3mmである。しかしながら、焦点距離が短い場合はそれだけで被写界深度が広くなるので、上記式(3)を定めている。
焦点深度Δ'は、通常、プロセス上、デフォーカス調整可能な範囲に定める。ここで仮に、焦点深度Δ'を20μmとし、ズレ量Pdiffを0もしくはΔ'×0.5とする。すると、下記の式(9)により、各条件における最近接解像距離dnearは、図8に示すように求められる。
Figure 0005248543
図8を参照すると、例1および例2では、Pdiff=0においてもdnear<150となる。これは、焦点距離が短い場合はそれだけで被写界深度が広くなることを表している。
例3では、dnear=200mm程度である。これに対し、例3の条件にPdiff=10μmの条件を加えた例4では、dnear=133mmとなっている。ゆえに、サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル像面の最良像面位置とを光軸方向にずらすことで、最近接解像距離が近くなっていることがわかる。
同様に、例5では、dnear=313mm程度であるが、例5の条件にPdiff=10μmの条件を加えた例6では、dnear=208mmとなっている。ゆえに、サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル像面の最良像面位置とを光軸方向にずらすことで、最近接解像距離が近くなっていることがわかる。
撮像モジュール10では、近接距離は100〜200mm程度、遠距離は1.5mm〜無限遠を想定している。
(画像処理方法)
画像処理部13は、撮像素子12からの画像信号S1に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が所定の解像度以上のときに他方を所定の解像度以上とする画像処理を行う画像処理方法であれば、どのような画像処理方法を用いても構わない。つまりは、例えば、サジタル方向の解像度が充足、タンジェンシャル方向の解像度が不足の場合、タンジェンシャル方向の解像度を向上させる画像処理である。また、適用する画像処理方法に応じて、画像処理部13はその画像処理構成を備えることができる。
一例を挙げると、撮像モジュール10では、撮像素子12が検出した物体の像において、タンジェンシャル像とサジタル像とのコントラストが被写体1の距離に応じて異なるので、画像処理部13が行う画像処理として、例えば、輪郭強調による画像処理などを用いることができる。
輪郭強調による画像処理では、画像信号S1から画素毎の受光量の情報を得た後、タンジェンシャル方向の隣接画素とサジタル方向の隣接画素とのそれぞれにおいてサンプリングを実行し、輪郭を検出して、一方のコントラストが基準を満たしていないときに、基準を満たすようにコントラストを上げる処理が行われる。
(実施例)
次に、撮像モジュール10において焦点深度を広げる実施例を挙げる。
図3〜図5は、結像レンズ11における、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面のデフォーカス特性を示すグラフである。図3〜図5では、縦軸はMTFを示し、横軸は光軸方向のデフォーカスシフトを示し、グラフ中の実線は軸上(中心)(Center)のデフォーカス特性を示し、グラフ中の破線はサジタル像面(Sag)のデフォーカス特性を示し、グラフ中の点線はタンジェンシャル像面(Tan)のデフォーカス特性を示す。
図3は、軸外(周辺)のタンジェンシャル像面の最良像面位置を、軸上に対してずらした例を示している。画像処理前の焦点深度(すなわち、本発明を適用しない場合の焦点深度)は、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面の全てのMTFがMTF閾値を満たす範囲となる。
一方、図4は、比較例として、サジタル像面とタンジェンシャル像面との最良像面位置のズレが良好に補正された例を示している。焦点深度は、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面の全てのMTFがMTF閾値を満たす範囲となる。この場合ズレは良好に補正されているので、図4の焦点深度は、図3の画像処理前の焦点深度よりも広い。
しかし、図3に示す例では、一方の像面の解像性能劣化を画像処理によって補完することによって、サジタル像面およびタンジェンシャル像面のMTFのうち何れか一方、かつ軸上のMTFがMTF閾値を満たす範囲が、焦点深度となる。よって、画像処理後の焦点深度を、画像処理前の焦点深度、さらには図4の焦点深度よりも広くすることが可能となる。
また、図5は、軸外のサジタル像面およびタンジェンシャル像面の最良像面位置を、軸上に対してずらした例を示している。画像処理前の焦点深度は、軸上、サジタル像面、およびタンジェンシャル像面の全てのMTFがMTF閾値を満たす範囲となるので、非常に狭い。これに対し、画像処理後の焦点深度は、画像処理前の焦点深度、および図4の焦点深度よりも広くなる。
以上のように、撮像モジュール10は、結像レンズ11および撮像素子12が設けられた回転対称な結像光学系と、結像光学系により生成された画像信号S1に対し画像処理を行う画像処理部13とを備えている。そして、結像レンズ11は、サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル像面の最良像面位置とが、予め定められた基準解像度を得ることが可能な被写体撮影可能範囲に応じたズレ量で、光軸方向にずれるように構成されている。そして、画像処理部13は、撮像素子12により変換された画像信号S1に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が基準解像度以上のときに他方を基準解像度以上とする画像処理を行う。
よって、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうちいずれか一方が基準解像度を満たす範囲であれば、画像処理が行われることによって、両方が基準解像度を満たすことになる。つまりは、不足している解像度が、基準解像度を満たすように補正される。これにより、画像信号で表される画像全体の解像度が基準解像度以上となる。
ゆえに、解像性能が上がり、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうちいずれか一方が基準解像度を満たす範囲が焦点深度となるので、サジタル像面の最良像面の位置とタンジェンシャル像面の最良像面の位置とをずらしている分、焦点深度を広くすることが可能となる。また、焦点深度はズレ量に合わせて広げることができるので、被写界深度を設計に応じて広げることが可能となる。
よって、サジタル像面およびタンジェンシャル像面のうち、一方を近接距離物体2の結像位置とし、他方を遠距離物体3の結像位置とすれば、結像レンズ11および撮像素子12を固定配置とした場合であっても、近接距離物体2から遠距離物体3までの広い範囲の撮影において、予め定めた基準解像度以上の画像を得ることが可能となる。
それゆえ、撮像モジュール10では、焦点深度を広げることにより被写界深度を広げることで、近接距離物体2から遠距離物体3までの広い範囲の撮影において、結像レンズ11と撮像素子12との間の離間距離を被写体1の位置に応じて変化させるための焦点調整機構を用いること無く、所望の良好な解像度の画像を得ることが可能となる。
また、焦点調整機構が不要となるため、撮像モジュール10の構造を簡単にすることが可能となる。すなわち、広い被写界深度の撮像モジュール10を簡易構造で実現することが可能となる。
したがって、近接〜遠距離の広い範囲の撮影において、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得ることができ、かつ、簡単な構造の撮像モジュール10を提供することが可能となる。
また、撮像モジュール10は、焦点調整機構が不要となるので、従来の撮像モジュールと比較して、部品点数および製造工程を削減することが可能となり、小型化、低背化、および低コスト化が実現可能となる。それゆえ、撮像モジュール10は、特に、情報携帯端末および携帯電話機をはじめとする携帯端末(図示せず)への搭載に最適であり、広い被写界深度で高い解像力を有するカメラ機能を提供することが可能となる。
さらに、撮像モジュール10では、結果として非点収差が残るように、サジタル像面の最良像面位置とタンジェンシャル最良像面位置とをあえて光軸方向にずらしているが、構想上、非点収差を取りきらなくてよい(非点収差が残っていても問題ない)ので、レンズ枚数の削減が可能となる場合があり、同様に低コスト化に貢献する。
なお、撮像モジュール10は、上述した構成を主要部として備えるものであり、主要部に悪影響を及ぼさない他の構成を備えていてもよい。例えば、結像レンズ11および撮像素子12は、遮光性を有する筐体内に収容されていてもよい。これにより、管理が容易となり、生産性も向上する。また、図1はあくまで模式的に図示しており、各構成は図示した形状に限るものではない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、広い範囲の被写体の撮影において、焦点調整機構を用いること無く、要求された仕様を満足する程度に良好な解像力を得ることが望まれる撮像モジュールに関する分野に好適に用いることができるだけでなく、撮像モジュールの製造方法や、撮像モジュールにおける画像信号の画像処理方法に関する分野に好適に用いることができ、さらには、撮像モジュールを備える電子機器およびその製造方法などの分野にも広く用いることができる。上記電子機器としては、カメラ付携帯端末やデジタルカメラなどの撮像電子機器が好適である。
1 被写体
2 近接距離物体
3 遠距離物体
10 撮像モジュール
11 結像レンズ
12 撮像素子
13 画像処理部

Claims (2)

  1. 回転対称な結像光学系と、上記結像光学系により生成された画像信号に対し画像処理を行う画像処理部とを備える撮像モジュールであって、
    上記結像光学系には、結像レンズと、上記結像レンズによって結像された光を画像信号に変換する撮像素子とが設けられ、
    上記結像レンズは、サジタル像面の最良像面の位置と、タンジェンシャル像面の最良像面の位置とが、予め定められた基準解像度を得ることが可能な被写体撮影可能範囲に応じたズレ量で、光軸方向にずれるように構成され、
    上記画像処理部は、上記撮像素子により変換された画像信号に対し、サジタル方向の解像度およびタンジェンシャル方向の解像度のうち一方が上記基準解像度以上のときに他方を上記基準解像度以上とする画像処理を行うことを特徴とする撮像モジュール。
  2. 上記ズレ量は、
    Figure 0005248543
    (dnear:上記基準解像度で被写体を撮影することが可能な最も近接した位置から、上記結像レンズまでの距離,f:焦点距離,Δ’:焦点深度,Pdiff:上記ズレ量)
    を満たすように定められていることを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。

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